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特開2020-29554酸化物化学機械平坦化(CMP)研磨組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-29554(P2020-29554A)
(43)【公開日】2020年2月27日
(54)【発明の名称】酸化物化学機械平坦化(CMP)研磨組成物
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/14 20060101AFI20200131BHJP
   C09G 1/02 20060101ALI20200131BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20200131BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20200131BHJP
【FI】
   C09K3/14 550D
   C09K3/14 550Z
   C09G1/02
   B24B37/00 H
   H01L21/304 622D
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】60
(21)【出願番号】特願2019-147656(P2019-147656)
(22)【出願日】2019年8月9日
(31)【優先権主張番号】62/716,784
(32)【優先日】2018年8月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/716,769
(32)【優先日】2018年8月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/533,542
(32)【優先日】2019年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【弁理士】
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】シアポー シー
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ ピー.ムレラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーセフ ディー.ローズ
(72)【発明者】
【氏名】ホンチュン チョウ
(72)【発明者】
【氏名】マーク レナード オニール
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158AA19
3C158BA04
3C158BA05
3C158CB01
3C158CB03
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3C158EA11
3C158EB01
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3C158ED26
5F057AA09
5F057AA14
5F057AA28
5F057BA18
5F057BB16
5F057CA13
5F057DA03
5F057EA06
5F057EA10
5F057EA11
5F057EA21
5F057EA26
5F057EA29
5F057EA30
5F057EA31
(57)【要約】
【課題】シャロートレンチアイソレーション(STI)応用のための化学機械平坦化研磨(CMP)組成物の提供。
【解決手段】CMP組成物は、セリアコートシリカ粒子等の研磨材としてのセリアコート無機金属酸化物粒子と、同じ分子中に複数のヒドロキシル官能基を有する非イオン性有機分子の第一の群から選択される化学添加剤と、スルホン酸基又はスルホネート塩官能基及びこれらの組み合わせを有する芳香族有機分子の第二の群から選択される化学添加剤と、水溶性溶媒と、任意選択的に、バイオサイド及びpH調節剤を含有し、組成物は、2〜12、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜9のpHを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.セリアコート無機酸化物、セリアコート有機ポリマー粒子及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、0.05〜10質量パーセントの研磨材;
b.複数のヒドロキシル官能基を含む有機化合物からなる、0.005〜1.0質量パーセントの第1の添加剤;
c.スルホネート又はスルホン酸官能基を含む芳香族有機化合物からなる第2の添加剤;
d.水、エーテル及びアルコールからなる群から選択される溶媒;及び
任意選択的に、
e.バイオサイド及びpH調節剤
を含み、
3〜10の範囲のpHを含む、化学機械平坦化(CMP)組成物。
【請求項2】
前記研磨材が、セリアコートコロイダルシリカ;セリアコート高純度コロイダルシリカ;セリアコートアルミナ;セリアコートチタニア;セリアコートジルコニア;及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるセリアコート無機酸化物である、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項3】
前記スルホネート又はスルホン酸官能基を含む芳香族有機化合物が、芳香環へ直接接合しているか、アルキル架橋基を介して芳香環に結合したスルホネート又はスルホン酸官能基を含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項4】
前記第1の添加剤が、
【化1】
(式中、nは2〜5,000から選択され、R1、R3及びR2の各存在は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミン基からなる群から独立して選択される。)
の一般分子構造を有する、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項5】
R1、R2及びR3が水素である、請求項4に記載のCMP組成物。
【請求項6】
nが、3〜12から選択される、請求項4に記載のCMP組成物。
【請求項7】
前記第1の添加剤が、リビトール、キシリトール、meso−エリトリトール、D−ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、イジトール及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載のCMP組成物。
【請求項8】
前記第1の添加剤が、
【化2】
(式中、nは2〜5,000から選択され、R2及びR1の各存在は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミン基からなる群から独立して選択される。)
の一般分子構造を有する、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項9】
nが、3〜12から選択される、請求項8に記載のCMP組成物。
【請求項10】
R1及びR2が水素であり、nが3〜4から選択される、請求項8に記載のCMP組成物。
【請求項11】
前記第1の添加剤が、
【化3】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミン基からなる群から独立して選択され、ただし、各構造においてR1〜R14のうちの少なくとも2つの存在は、水素である。)
からなる群から選択される一般分子構造を有する、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項12】
前記第1の添加剤が、D−(−)−フルクトース、ソルビタン、スクロース、ベータラクトース、D−リボース、イノシトール、グルコース及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載のCMP組成物。
【請求項13】
前記第1の添加剤が、一般分子構造:
【化4】
(式中、R1〜R5は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸又は塩、置換有機カルボン酸又は塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミンからなる群から独立して選択される。)
を有する、請求項11に記載のCMP組成物。
【請求項14】
R1〜R5のうちの少なくとも1つが、構造:
【化5】
(式中、n及びmは、1〜5から独立して選択され、R6〜R9は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸又は塩、置換有機カルボン酸又は塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミンからなる群から独立して選択される。)
を有するポリオール分子単位である、請求項13に記載のCMP組成物。
【請求項15】
n及びmが、1〜3から独立して選択される、請求項14に記載のCMP組成物。
【請求項16】
R1〜R5のうちの少なくとも1つが、構造:
【化6】
(式中、R10、R11、R12、R13及びR14は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸又は塩、置換有機カルボン酸又は塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミンからなる群から独立して選択される。)
を有する六員環ポリオールである、請求項14に記載のCMP組成物。
【請求項17】
R1〜R9のうちの少なくとも2つが水素原子である、請求項16に記載のCMP組成物。
【請求項18】
R1〜R9のうちの少なくとも6つが水素原子である、請求項16に記載のCMP組成物。
【請求項19】
前記第1の添加剤が、マルチトール、ラクチトール及びマルトトリイトールからなる群から選択される、請求項13に記載のCMP組成物。
【請求項20】
前記第2の添加剤が、一般分子構造:
【化7】
(式中、Rは、水素、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンを含む群から選択され;R’は、スルホン酸又はスルホネート基に対してアルファ、メタ又はパラ位で結合しており、CnH2n+1(式中nは1〜18から選択される。)の構造を含むアルキル基である。)
を有する、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項21】
前記第2の添加剤が、4−ドデシルベンゼンスルホン酸又はそのアンモニウム、ナトリウム又はカリウム塩;4−メチルベンゼンスルホン酸又はそのアンモニウム、ナトリウム又はカリウム塩;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載のCMP組成物。
【請求項22】
a.酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面を、CMP研磨パッド及び請求項1に記載のCMP組成物と接触させることと;
b.二酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面を研磨することと
を含む、酸化ケイ素膜を含む少なくとも1つの表面を有する半導体基材の化学機械研磨(CMP)の方法。
【請求項23】
前記酸化ケイ素膜が、化学気相堆積(CVD)、プラズマ増強CVD(PECVD)、高密度堆積CVD(HDP)及びスピンオン酸化ケイ素膜からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記酸化ケイ素膜がSiO2膜である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記半導体基材が、窒化ケイ素表面をさらに含み;前記工程(b)が、60超の酸化ケイ素:窒化ケイ素の除去選択性で二酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面を研磨することを含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
本件は、両方が2018年8月9日に出願され、全体的に記載されたかのように参照により本開示に組み込まれる、米国仮出願第62/716784号及び米国仮出願62/716769号の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
背景
【0004】
本件は、酸化物又はドープ酸化物膜の研磨ための酸化物又はドープ酸化物膜化学機械平坦化(CMP)組成物、並びに化学機械平坦化(CMP)方法及び装置に関する。
【0005】
マイクロエレクトロニクスデバイスの作製において、重要な工程は、研磨、特に、選択された材料を回収し、かつ/または構造を平坦化するための化学機械研磨/平坦化に関する表面の研磨である。
【0006】
例えば、研磨停止層として働くように、SiN層をSiO2層の下に堆積させることができる。そのような研磨停止の働きは、シャロートレンチアイソレーション(STI)構造において特に重要である。選択性は、酸化物研磨速度と窒化物研磨速度の比として特徴的に表される。例は、窒化ケイ素(SiN)と比較される、二酸化ケイ素(SiO2)の増加した研磨選択率である。
【0007】
パターン化STI構造の全体的な平坦化において、酸化物膜除去速度の増加、SiN膜除去速度の低減及び酸化物トレンチディッシングの低減は、考慮されるべき3つの主な因子である。より低いトレンチ酸化物損失は、隣接したトランジスター間の電流漏れを防止する。ダイに亘る(ダイ内の)不均一なトレンチ酸化物損失は、トランジスター性能及びデバイス作製歩留まりに影響を及ぼす。深刻なトレンチ酸化物損失(高い酸化物トレンチディッシング)は、トランジスターの絶縁を悪くし、デバイス障害をもたらす。したがって、酸化物又はドープ酸化物膜CMP研磨組成物中の酸化物トレンチディッシングの低減により、トレンチ酸化物損失を低減する必要がある。
【0008】
米国特許第5876490号は、研磨材粒子を含有し、通常の応力効果を示す研磨組成物を開示する。スラリーはへこみ(リセス)における研磨速度の低下をもたらす、非研磨粒子をさらに含有し、その一方で研磨材粒子は高台での高い研磨速度を維持する。これは改善された平坦化をもたらす。より具体的には、スラリーは酸化セリウム粒子及びポリマー電解質を含み、これをシャロートレンチアイソレーション(STI)研磨応用に用いることができる。
【0009】
米国特許第6964923号は、シャロートレンチアイソレーション(STI)研磨応用のための酸化セリウム粒子及びポリマー電解質を含有する研磨組成物を教示する。用いられるポリマー電解質としては、米国特許第5876490号と同様に、ポリアクリル酸の塩が挙げられる。セリア、アルミナ、シリカ及びジルコニアは研磨材として用いられる。そのようなポリ電解質用の分子量は、300〜20000であるが、全体で100000未満である。
【0010】
米国特許第6616514号は、化学機械研磨により、窒化ケイ素に優先して、物品の表面から第一の物質を除去するのに用いられる化学機械研磨スラリーを開示する。この発明による化学機械研磨スラリーは、焼成セリア粒子である研磨材、水性媒体、及びプロトンが解離しない有機ポリオールを含み、前記有機ポリオールは、水性媒体中で解離性でない少なくとも3つのヒドロキシル基を有する化合物、又は水性媒体中で解離性でない少なくとも3つのヒドロキシル基を有する少なくとも1種のモノマーから形成されたポリマーを含む。化学添加物として用いられるポリオールとしてはマンニトール、マンノース、キシリトール、ソルボースなどが挙げられた。高い酸化物:SiN選択性を請求したこの先行技術は、研磨組成物中でこれらの化学添加剤に加え、焼成セリア研磨材を用いることにより達成された。しかし、この先行技術に示された濃度で2つの化学添加剤を用いる研磨試験結果は、pH9.5において、1.0%の焼成セリアおよび2.0%の化学添加剤で非常に低い酸化物除去速度を示した。この先行技術中のすべてにおいて、パターン化ウエハーのデータは示されていなかった。
【0011】
米国特許第9,293,344号は、研磨材として焼成セリア、化学添加剤として水溶性ポリマーを用いた化学機械研磨スラリーを開示し、係る水溶性ポリマーは、二重結合を有するカルボン酸及び塩の少なくとも1種を含有するモノマーを用いて調製された。係るスラリーは、化学機械研磨により、窒化ケイ素に優先して物品の表面から誘電体膜の第一の物質を除去するのに用いられる。この発明による化学機械研磨スラリーは、研磨材、水性媒体及び水溶性有機ポリマーを含む。
【0012】
米国特許第7,091,164号は、研磨材としてセリア/又はチタニア、並びに親電子性官能基及びカルボキシル基を有する化学添加剤を用いた、化学機械研磨スラリーを開示する。主として、これらの化学添加剤はアミノ酸又はアミノ酸誘導体である。約5:1の酸化物:SiN選択性が、この先行技術において達成された。この先行技術に示されたpH範囲は、6〜約11であった。
【0013】
米国特許出願第2019/0062593号は、0.5〜30質量パーセントの範囲の研磨材としての細長い、曲がった、または節のあるシリカ粒子と、カチオン性ポリマー(ジアリルアルキルアミン塩、ジアルキルアンモニウムクロリド)、又はカルボキシル基及び親電子性官能基を有する混合コポリマー化学添加剤とを用いた化学機械研磨スラリーを開示する。そのような研磨スラリーは、良好な酸化物:SiN選択性を与えた。
【0014】
しかしながら、これらの先に開示されたシャロートレンチアイソレーション(STI)研磨組成物は、高い酸化物対窒化物選択性と共に、酸化物膜除去速度、同じ研磨プロセスにおけるSiN膜除去速度の抑制と酸化物トレンチディッシングの低減、及び研磨されたパターン化ウエハー上のより均一な酸化物トレンチディッシングの重要性に対処していなかった。
【0015】
したがって、二酸化ケイ素の高い除去速度及び二酸化ケイ素対窒化ケイ素の高い選択性に加えて、STI化学機械研磨(CMP)プロセスにおいて、増加した酸化物膜除去速度、低減されたSiN膜除去速度及び低減された酸化物トレンチディッシング、並びにパターン化ウエハーを研磨した際の種々のサイズの酸化物トレンチ特徴に亘るより均一な酸化物トレンチディッシングを提供することができるSTI化学機械研磨の組成物、方法及び装置に関する分野内での必要が依然としてあることは、先行技術から明白であるはずである。
【発明の概要】
【0016】
概要
【0017】
この概要は詳細な説明において以下にさらに記載されている、単純化された形式での概念の選択を紹介するために提供される。この概要は、特許請求の範囲に記載された特定事項の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することは意図しておらず、特許請求の範囲に記載された特定事項の範囲を制限するように用いられることも意図しない。
【0018】
記載された実施態様は、以下に記載され、続く特許請求の範囲により規定されるように、増加した酸化物膜除去速度、抑制されたSiN膜除去速度、増加したTEOS:SiN選択性、及び研磨されたパターン化ウエハー上での低減された酸化物トレンチディッシングを提供する、酸化物又はドープ酸化物膜研磨組成物を含む。
【0019】
本発明の酸化物又はドープ酸化物膜CMP研磨組成物は、酸性、中性、アルカリ性のpH条件を含む広いpH範囲におけるシャロートレンチアイソレーション(STI)CMP応用のための化学機械研磨(CMP)組成物に酸化物膜除去速度加速剤、SiN膜除去速度抑制剤及び酸化物トレンチディッシング低減剤として2つの異なる種類の化学添加剤を導入することにより、高い酸化物対窒化物選択性をさらに提供する。
【0020】
酸化物又はドープ酸化物膜CMP研磨応用のための開示された化学機械研磨(CMP)組成物は、研磨材粒子としてのセリアコート無機酸化物、酸化物トレンチディッシング低減剤、酸化物膜除去速度加速剤及び窒化物抑制剤としての適切な化学添加剤を用いる独特の組み合わせを有する。
【0021】
加えて、特定事項の装置及び方法のいくつかの特定の側面が開示された。
【0022】
側面1:
a.研磨材;
b.複数のヒドロキシル官能基を含む有機化合物からなる第1の添加剤;
c.スルホネート又はスルホン酸官能基を含む芳香族有機化合物からなる第2の添加剤;
d.溶媒
を含む化学機械平坦化(CMP)組成物。
【0023】
側面2:研磨材が、セリアコート無機酸化物、セリアコート有機ポリマー粒子及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、側面1に記載のCMP組成物。
【0024】
側面3:研磨材が、セリアコートコロイダルシリカ;セリアコート高純度コロイダルシリカ;セリアコートアルミナ;セリアコートチタニア;セリアコートジルコニア;及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるセリアコート無機酸化物である、側面2に記載のCMP組成物。
【0025】
側面4:研磨材が、組成物の全質量に基づいて、CMP組成物の0.05〜10質量パーセントの範囲である、側面1〜3のいずれかに記載のCMP組成物。
【0026】
側面5:スルホネート又はスルホン酸官能基を含む芳香族有機化合物が、芳香環へ直接接合しているか、アルキル架橋基を介して芳香環に結合したスルホネート又はスルホン酸官能基を含む、側面1〜4のいずれかに記載のCMP組成物。
【0027】
側面6:溶媒が、水、エーテル及びアルコールからなる群から選択される、側面1〜5のいずれかに記載のCMP組成物。
【0028】
側面7:バイオサイド及びpH調整剤のうちの少なくとも1種をさらに含む、側面1〜6のいずれかに記載のCMP組成物。
【0029】
側面8:組成物が、3〜10の範囲のpHを含む、側面1〜7のいずれかに記載のCMP組成物。
【0030】
側面9:組成物が、4.5〜7.5の範囲のpHを含む、側面1〜8のいずれかに記載のCMP組成物。
【0031】
側面10:第1の添加剤が、
【化1】
(式中、nは2〜5,000から選択され、R1、R3及びR2の各存在は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミン基からなる群から独立して選択される。)
の一般分子構造を有する、側面1〜9のいずれかに記載のCMP組成物。
【0032】
側面11:R1、R2及びR3が水素である、側面10に記載のCMP組成物。
【0033】
側面12:nが、3〜12から選択される、側面10に記載のCMP組成物。
【0034】
側面13:第1の添加剤が、リビトール、キシリトール、meso−エリトリトール、D−ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、イジトール及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、側面10に記載のCMP組成物。
【0035】
側面14:第1の添加剤が、
【化2】
(式中、nは2〜5,000から選択され、R2及びR1の各存在は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミン基からなる群から独立して選択される。)
の一般分子構造を有する、側面1〜13のいずれかに記載のCMP組成物。
【0036】
側面15:nが、3〜12から選択される、側面14に記載のCMP組成物。
【0037】
側面16:R1及びR2が水素であり、nが3〜4から選択される、側面14に記載のCMP組成物。
【0038】
側面17:第1の添加剤が、
【化3】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミン基からなる群から独立して選択され、ただし、各構造においてR1〜R14のうちの少なくとも2つの存在は、水素である。)
からなる群から選択される一般分子構造を有する、側面1〜16のいずれかに記載のCMP組成物。
【0039】
側面18:第1の添加剤が、D−(−)−フルクトース、ソルビタン、スクロース、ベータラクトース、D−リボース、イノシトール、グルコース及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、側面17に記載のCMP組成物。
【0040】
側面19:第1の添加剤が、一般分子構造:
【化4】
(式中、R1〜R5は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸又は塩、置換有機カルボン酸又は塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミンからなる群から独立して選択される。)
を有する、側面1〜17のいずれかに記載のCMP組成物。
【0041】
側面20:R1〜R5のうちの少なくとも1つが、構造:
【化5】
(式中、n及びmは、1〜5から独立して選択され、R6〜R9は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸又は塩、置換有機カルボン酸又は塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミンからなる群から独立して選択される。)
を有するポリオール分子単位である、側面19に記載のCMP組成物。
【0042】
側面21:n及びmが、1〜3から独立して選択される、側面20に記載のCMP組成物。
【0043】
側面22:R1〜R5のうちの少なくとも1つが、構造:
【化6】
(式中、R10、R11、R12、R13及びR14は、水素、アルキル、アルコキシ、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸又は塩、置換有機カルボン酸又は塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミンからなる群から独立して選択される。)
を有する六員環ポリオールである、側面20に記載のCMP組成物。
【0044】
側面23:R1〜R9のうちの少なくとも2つが水素原子である、側面22に記載のCMP組成物。
【0045】
側面24:R1〜R9のうちの少なくとも6つが水素原子である、側面22に記載のCMP組成物。
【0046】
側面25:第1の添加剤が、マルチトール、ラクチトール及びマルトトリイトールからなる群から選択される、側面19に記載のCMP組成物。
【0047】
側面26:第1の添加剤が、組成物の全質量に基づいて、0.005〜1.0質量パーセントの範囲である、側面1〜25のいずれかに記載のCMP組成物。
【0048】
側面27:第2の添加剤が、一般分子構造:
【化7】
(式中、Rは、水素、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンを含む群から選択され;R’は、スルホン酸又はスルホネート基に対してアルファ、メタ又はパラ位で結合しており、CnH2n+1(式中nは1〜18から選択される。)の構造を含むアルキル基である。)
を有する、側面1〜26のいずれかに記載のCMP組成物。
【0049】
側面28:第2の添加剤が、4−ドデシルベンゼンスルホン酸又はそのアンモニウム、ナトリウム又はカリウム塩;4−メチルベンゼンスルホン酸又はそのアンモニウム、ナトリウム又はカリウム塩;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、側面27に記載のCMP組成物。
【0050】
側面29:
a.酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面を、CMP研磨パッド及び側面1〜28のいずれかに記載のCMP組成物と接触させることと;
b.二酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面を研磨することと
を含む、酸化ケイ素膜を含む少なくとも1つの表面を有する半導体基材の化学機械研磨(CMP)の方法。
【0051】
側面30:酸化ケイ素膜が、化学気相堆積(CVD)、プラズマ増強CVD(PECVD)、高密度堆積CVD(HDP)及びスピンオン酸化ケイ素膜からなる群から選択される、側面29に記載の方法。
【0052】
側面31:酸化ケイ素膜がSiO2膜である、側面30に記載の方法。
【0053】
側面32:半導体基材が、窒化ケイ素表面をさらに含み;工程(b)が、60超の酸化ケイ素:窒化ケイ素の除去選択性で二酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面を研磨することを含む、側面31に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図面の簡単な説明
図1図1は、膜RR(Å/分)及びTEOS:SiN選択性に対する化学添加剤の影響である。
図2図2は、OP時間(秒)に対する酸化物トレンチディッシング(Å)へのD−ソルビトール及びBSA添加剤の影響である。
図3図3は、酸化物トレンチ損失速度(Å/秒)に対するD−ソルビトール及びBSA添加剤の影響である。
図4図4は、SiN損失速度(Å/秒)に対するD−ソルビトール及びBSA添加剤の影響である。
図5図5は、酸化物トレンチディッシング速度(Å/秒)に対するD−ソルビトール及びBSA添加剤の影響である。
図6図6は、OP量に対するディッシングの傾きへのD−ソルビトール及びBSAの影響である。
図7図7は、膜RR(A/分)及びTEOS:SiN選択性に対するマルチトール及びBSAの影響である。
図8図8は、OP時間(秒)に対する酸化物トレンチディッシング(Å)へのマルチトール及びBSA添加剤の影響である。
図9図9は、酸化物トレンチ損失速度(Å/秒)に対するマルチトール及びBSA添加剤の影響である。
図10図10は、SiN損失速度(Å/秒)に対するマルチトール及びBSA添加剤の影響である。
図11図11は、酸化物トレンチディッシング速度(Å/秒)に対するマルチトール及びBSA添加剤の影響である。
図12図12は、OP量に対するディッシングの傾きへのマルチトール及びBSAの影響である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
詳細な説明
以下の詳細な説明は好ましい例示的な実施態様を提供するに過ぎず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲、適用可能性又は構成を制限することは意図されない。むしろ、好ましい例示的な実施態様の以下の詳細な説明は、好ましい例示的な実施態様の実施を可能にする記載を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲で記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が要素の機能及び配置において行なわれてもよい。
【0056】
本開示に定義されたすべての用語は、明細書を読むことにより示されるあらゆる暗示的な意味、並びに当業者、及び/又は辞書、論文、又は類似の情報源が特定の意味を割り当てるあらゆる語を含む、可能な最も広い解釈を含むべきである。さらに、明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、別段の指摘がない限り、複数の指示語を含むことに留意されたい。 加えて、本開示で用いられる際に、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」という語は、その実施態様においてある種の特徴が存在することを特定するが、追加の特徴、構成、操作、及び/又はこれらの群の存在又は追加を除外するように解釈されるべきではない。
【0057】
本開示で開示されるのは、酸化ケイ素構造を含む半導体ウエハーの研磨に対する必要を満足させる、酸化物材料を研磨するためのCMP研磨組成物、関連する方法及び装置である。パターン化STI構造の全体的な平坦化において、SiN除去速度を抑制し、種々のサイズの酸化物トレンチ特徴に亘って酸化物トレンチディッシングを低減することは、考慮されるべき主な因子である。より低いトレンチ酸化物損失は、隣接したトランジスター間の電流漏れを防止する。ダイ(ダイ内の)に亘る不均一なトレンチ酸化物損失はトランジスター性能及びデバイス歩留まりに影響する。深刻なトレンチ酸化物損失(高い酸化物トレンチディッシング)は、トランジスターの絶縁を悪くし、デバイス障害をもたらす。したがって、STI CMP研磨組成物において酸化物トレンチディッシングを低減することにより、トレンチ酸化物損失を低減することは重要である。
【0058】
本発明は、酸化物又はドープ酸化膜の研磨CMP応用のための化学機械研磨(CMP)組成物に関する。本開示に開示したCMP組成物は、特にパターン化STI構造の平坦化に適している。
【0059】
より具体的には、酸化物又はドープ酸化物膜CMP応用研磨のための開示した化学機械研磨(CMP)組成物は、研磨材と、酸化物トレンチディッシング低減剤、酸化物膜除去速度加速剤及び窒化物除去速度抑制剤として機能する2種類の添加剤とを含む独特の配合物を有する。CMP組成物は溶媒をさらに含む。バイオサイド、pH調節剤等の他の任意選択の成分が、配合物中に存在することもできる。
【0060】
好ましい実施態様において、研磨材はセリアコート無機酸化物粒子又はセリアコート有機ポリマー粒子を含む。好ましくは、第1の添加剤は複数のヒドロキシル官能基を有する非イオン性、非芳香族有機分子であり、第2の添加剤は、スルホン酸又はスルホネート塩官能基を有する有機芳香族分子である。
【0061】
CMP配合物の構成は、より詳しく以下に説明される。続く段落項目は本明細書に構成を与えるに過ぎず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を少したりとも制限することは意図されない。
【0062】
研磨材
【0063】
実施態様において、研磨材は、以下に制限されるものではないが、セリアコートポリスチレン粒子、セリアコートポリウレタン粒子、セリアコートポリアクリレート粒子又は任意の他のセリアコート有機ポリマー粒子などのセリアコート有機ポリマー粒子を含む。
【0064】
好ましい実施態様において、研磨材は、以下に制限されるものではないが、セリアコートコロイダルシリカ、セリアコート高純度コロイダルシリカ、セリアコートアルミナ、セリアコートチタニア、セリアコートジルコニア又は任意の他のセリアコート無機酸化物粒子などのセリアコート無機酸化物粒子を含む。好ましいセリアコート無機酸化物粒子はセリアコートコロイダルシリカ粒子である。
【0065】
実施態様において、セリアコート無機金属酸化物粒子の粒子サイズは、2〜1,000ナノメートルの範囲である。好ましい平均粒子サイズは、5〜500ナノメートル、より好ましくは20〜250ナノメートルの範囲である。
【0066】
実施態様において、セリアコート無機金属酸化物粒子の濃度は、CMP組成物の全質量に基づいて0.01〜20の質量パーセントの範囲である。好ましくは、濃度は、0.05〜10質量パーセント、より好ましくは0.1〜5質量パーセントの範囲であった。
【0067】
第1の添加剤
【0068】
実施態様において、第1の添加剤は、複数のヒドロキシル官能基を有する非イオン性、非芳香族有機分子である。
【0069】
実施態様において、第1の添加剤は一般分子構造:
【化8】
を含む。
【0070】
式中、nは2〜5,000、好ましくは3〜12、より好ましくは4〜7から選択される。R1、R3及びR2の各存在は、水素、アルキル基、アルコキシ基、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル、有機アミン基からなる群から独立して選択される。R1、R2及びR3は同じか異なる基であることができる。好ましくは、R1及びR2及びR3のうちの2つ又はそれより多くの存在は水素原子である。より好ましくは、R1及びR2及びR3のうちの4つ又はそれより多くの存在は水素原子である。R1、R2及びR3が同じで、水素原子である場合、化学添加剤は複数のヒドロキシル官能基を有する。
【0071】
式1の一般分子構造を有する第1の添加剤の好ましい例としては、以下に制限されるものではないが、リビトール、キシリトール、meso−エリトリトール、D−ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、及びイジトールが挙げられる。
【0072】
別の実施態様において、第1の添加剤は一般分子構造:
【化9】
を含む。
【0073】
この実施態様において、カルボニル(CHO)官能基は末端官能基として分子の1つの端部に位置し、nは2〜5,000、好ましくは3〜12、より好ましくは4〜7の範囲である。R2及びR1の各存在は、水素、アルキル基、アルコキシ基、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル、有機アミン基及びこれらの組み合わせからなる群から独立して選択される。
【0074】
好ましい実施態様において、n=3であり、R2及びR1のすべての存在は水素原子である。この実施態様において、第1の添加剤はDアラビノース又はL−アラビノースである。別の好ましい実施態様において、n=4であり、R2及びR1のすべての存在は水素原子である。この実施態様において、第1の添加剤はDマンノース又はL−マンノースである。
【0075】
別の実施態様において、第1の添加剤は、
【化10】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、水素、アルキル基、アルコキシ基、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル、及び有機アミン基からなる群から独立して選択され、ただし、各構造中のR1〜R14のうちの少なくとも2つの存在は水素である。)
からなる群から選択される一般分子構造を有する。好ましくは、各構造中のR1〜R14のうちの少なくとも3つの存在は水素である。より好ましくは、各構造中のR1〜R14のうちの少なくとも4つの存在(可能な場合)は水素である。
【0076】
この実施態様の構造を有する第1の添加剤の好ましい例としては、以下に制限されるものではないが、D−(−)−フルクトース、ソルビタン、スクロース、ベータラクトース、D−リボース、イノシトール、及びグルコースが挙げられる。
【0077】
別の実施態様において、第1の添加剤は、分子単位構造に複数のヒドロキシル官能基を含有する、少なくとも1つのポリオール分子単位に結合した少なくとも1つの六員環エーテル構造モチーフ、又は分子単位構造及び少なくとも1つの六員環ポリオールにおいて複数のヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つのポリオール分子単位を含有する。本開示で用いられるポリオールは、2つより多くのヒドロキシル基を含有する有機化合物である。
【0078】
この実施態様の第1の添加剤に関する一般分子構造は、
【化11】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、水素、アルキル基、アルコキシ基、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミン基からなる群から独立して選択される。)
である。
【0079】
好ましい実施態様において、一般分子構造(d)中のR1〜R5の基中の少なくとも1つのRは、(e):
【化12】
(式中、n及びmは、1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、最も好ましくは1〜2から独立して選択され、R6、R7、R8及びR9は、水素、アルキル基、アルコキシ基、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミン基からなる群から独立して選択される。)
に示される構造を有するポリオール分子単位である。
【0080】
別の実施態様において、一般分子構造(d)中のR1〜R5の基中の少なくとも1つのRは、(e)に示される構造を有するポリオール分子単位であり;一般分子構造中のR1〜R5の基の中の少なくとも1つのRは、(f)示される六員環ポリオールである:
【化13】
(式中、R10、R11、R12、R13及びR14の各々は、水素、アルキル基、アルコキシ基、1つ又はそれより多くのヒドロキシル基を有する有機基、置換有機スルホン酸、置換有機スルホン酸塩、置換有機カルボン酸、置換有機カルボン酸塩、有機カルボン酸エステル及び有機アミン基からなる群から独立して選択される。)
【0081】
一般分子構造において、R1〜R9の基中のRのうちの少なくとも2つ、好ましくは4つ、より好ましくは6つの存在は、水素原子である。1つのRだけ、たとえば一般分子構造中のR1〜R5の基中のR5だけが、n=2、かつm=1であるポリオール分子単位(b)であり;R1〜R9の基中のRの残りのすべてが、すべて水素原子である場合、以下の2種の化学添加剤が得られる:マルチトール及びラクチトール。
【0082】
1つのR、たとえばR5が、n=2、かつm=1であるポリオール分子単位(b)であり;1つのR、たとえばR2が六員環ポリオールであり;R1〜R14の基中のRの残りのすべてが、すべて水素原子である場合、以下の化学添加剤が得られる:マルトトリイトール。
【0083】
好ましい第1の添加剤としては、以下に制限されるものではないが、マルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、リビトール、D−ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、イジトール、D−(−)−フルクトース、ソルビタン、スクロース、リボース、イノシトール、グルコース、D−アラビノース、L−アラビノース、Dマンノース、L−マンノース、meso−エリトリトール、ベータラクトース、アラビノース、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい化学添加剤はマルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、D−ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、イジトール、D−(−)−フルクトース、スクロース、リボース、イノシトール、グルコース、D−(+)−マンノース、ベータラクトース及びこれらの組み合わせである。より好ましい化学添加剤はマルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、D−ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、D−(−)−フルクトース、ベータラクトース及びこれらの組み合わせである。
【0084】
CMP組成物は、CMP組成物の全質量に基づいて、0.0001質量%〜2.0質量%、好ましくは0.001質量%〜1.0質量%、好ましくは0.0025質量%〜0.5質量%の第1の添加剤を含有する。
【0085】
第2の添加剤
【0086】
好ましい実施態様において、第2の添加剤は、一般構造式:
【化14】
(式中、−Rは水素原子又は金属イオンであることができる。);又は
【化15】
(式中、−R’は水素原子又は金属イオンであることができ;nは、アルキル連結基−CH2−の種々の長さを表す1〜12の範囲であることができる。);及び
(g)及び(h)の組み合わせ
により表されるスルホン酸又はスルホネート官能基を有する有機芳香族分子である。R又は−R’が水素原子である場合、化学添加剤はベンゼンスルホン酸である。−R又は−R’がナトリウムイオン、カリウムイオン又はアンモニウムイオン等の金属イオンである場合、化学添加剤はベンゼンスルホネートの塩である。
【0087】
別の実施態様において、化学添加剤の第2の群に関する一般分子構造(i)は、芳香環のある位置で結合されたスルホン酸又はスルホネート官能基と、芳香環の他の位置で式(i):
【化16】
(式中、−Rは水素原子又は金属イオンであることができる。)
に示される他の官能基とを有する有機芳香族分子であり、−Rが水素イオンである場合、添加剤はベンゼンスルホン酸分子誘導体であり、−Rがナトリウムイオン、カリウムイオン又はアンモニウムイオン等の金属イオンであることができる場合、添加剤はベンゼンスルホネート分子誘導体である。−R’は、スルホン酸又はスルホネート基に対して、アルファ、メタ又はパラ位で結合することができる別の官能基である。典型的には、−R’は、−CnH2n+1構造を有するアルキル基であり、炭素鎖長さは−C1〜−C18の範囲であることができる。
【0088】
第2の群の化学添加剤のいくつかの例は、4−ドデシルベンゼンスルホン酸及び4−メチルベンゼンスルホン酸、又はこれらのアンモニウム、ナトリウム又はカリウム塩である。
【0089】
実施態様において、CMP組成物は0.0001質量%〜2.0質量%、好ましくは0.001質量%〜1.5質量%、好ましくは0.002質量%〜1.0質量%の第2の添加剤を含有する。
【0090】
溶媒
【0091】
CMP配合物は溶媒を含む。好ましくは、溶媒は水又は水溶性溶媒である。好ましい溶媒としては、以下に制限されるものではないが、脱イオン(DI)水及び蒸留水及びアルコールが挙げられる。より好ましい溶媒はDI水である。
【0092】
任意選択の成分
【0093】
任意選択的に、CMPはバイオサイドを含む。 好ましいバイオサイドとしては、以下に制限されるものではないが、KathonTM、KathonTMCG/ICP II及びBioban(デュポン/ダウ ケミカル社から入手可能)が挙げられる。好ましいバイオサイドは、活性成分5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンのうちの少なくとも1種を含む。 STI CMP組成物は、0.0001質量%〜0.05質量%;好ましくは0.0005質量%〜0.025質量%、より好ましくは0.001質量%〜0.01質量%のバイオサイドを含有することができる。
【0094】
STI CMP組成物は、任意選択的にpH調節剤を含有することができる。酸性又は塩基性のpH調節剤を用いて、最適化されたpH値にSTI研磨組成物を調節することができる。 好ましいpH調節剤としては、以下に制限されるものではないが、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、他の無機又は有機酸、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましいpH調節剤としては、塩基性のpH調節剤、たとえば水素化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、テトラアルキル水酸化アンモニウム、有機水酸化第4級アンモニウム化合物、有機アミン、及びよりアルカリ性の方向に向けてpHを調節するために用いることができる他の化学試薬も挙げられる。pH調節剤が存在する場合、CMP組成物は0質量%〜1質量%;好ましくは0.01質量%〜0.5質量%;より好ましくは0.1質量%〜0.25質量%のpH調節剤を含有する。
【0095】
使用の方法
【0096】
いくつかの実施態様において、CMP研磨組成物は2つ又はそれより多くの構成部分にされ、使用の時点で混合することができる。
【0097】
実施態様において、シャロートレンチアイソレーション(STI)プロセスにおいて、上記の化学機械研磨(CMP)組成物を用いて、二酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面を有する基材を化学機械研磨(CMP)する方法が提供される。
【0098】
研磨される酸化物膜は、化学気相堆積(CVD)、プラズマ増強CVD(PECVD)、高密度堆積CVD(HDP)、スピンオン酸化物膜、又は流動性CVD酸化物膜、炭素ドープ酸化物膜又は窒素ドープ酸化物膜であることができる。
【0099】
上記に開示された基材は、窒化ケイ素表面をさらに含むことができる。SiO2:SiNの除去選択性は30超、好ましくは60超、より好ましくは80超である。
【0100】
別の側面において、シャロートレンチアイソレーション(STI)プロセスにおいて、上記化学機械研磨(CMP)組成物を用いて、二酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面を有する基材を化学機械研磨(CMP)する方法が提供される。研磨される酸化物膜は、CVD酸化物、PECVD酸化物、高密度酸化物又はスピンオン酸化物膜であることができる。
【0101】
以下の限定的でない例はさらに本発明を説明するために示される。
【0102】
CMP方法論
【0103】
以下に示された例において、CMP実験は以下に与えられた手順及び実験条件を用いて実施された。
【0104】
用語
【0105】
成分
【0106】
セリアコートシリカ:約100ナノメートル(nm)の粒子サイズを有する研磨材として用いられる;係るセリアコートシリカ粒子は、約2ナノメートル(nm)〜1000ナノメートル(nm)の範囲の粒子サイズを有することができる;
【0107】
(種々のサイズを有する)セリアコートシリカ粒子は、日本のJGC Inc.によって供給された。
【0108】
ベンゼンスルホン酸又はその塩;及びマルチトール、Dフルクトース、ズルシトール及びD−ソルビトール等の化学添加剤、並びに他の化学原料は、ミズーリ州、セントルイスのSigma−Aldrichによって供給された。
【0109】
TEOS:テトラエチルオルトシリケート
【0110】
研磨パッド:研磨パッド、IC1010、IC1000及び他のパッドはDow Inc.によって供給されて、CMP中に用いられた。
【0111】
パラメーター
一般
【0112】
Å又はA:オングストローム、長さの単位
【0113】
BP:背圧、psi単位
【0114】
BSA:ベンゼンスルホン酸
【0115】
CMP:化学機械平坦化=化学機械研磨
【0116】
CS:キャリア速度
【0117】
DF:下向き力:CMP中に適用された圧力、psi単位
【0118】
min:分
【0119】
ml:ミリリットル
【0120】
mV:ミリボルト
【0121】
psi:ポンド毎平方インチ
【0122】
PS:研磨ツールのブラテン回転速度、rpm(回転速度毎分)
【0123】
SF:組成物フロー、ml/min
【0124】
質量%:(示された成分の)質量割合
【0125】
TEOS:SiN選択性:(TEOSの除去速度)/(SiNの除去速度)
【0126】
HDP:高密度プラズマ堆積TEOS
【0127】
TEOS又はHDPの除去速度:TEOS又はHDP除去速度は、所与の下向き圧力にて測定された。CMPツールの下向き圧力は上に示された例において3.0psiだった。
【0128】
SiN除去速度:SiN除去速度は、所与の下向き力にて測定された。CMPツールの下向き圧力は示された例において3.0psiだった。
【0129】
計測
【0130】
膜はCreative Design Engineering,Inc,20565Alves Dr.,Cupertino,CA,95014により製造されたResMap CDE、モデル168を用いて測定された。ResMapツールは四探針シート抵抗ツールである。膜について、5mm端部除外にて49点の直径走査が得られた。
【0131】
CMPツール
【0132】
用いられたCMPツールは、Applied Materials,3050Boweres Avenue,Santa Clara,California,95054により製造された200mmMirra又は300mmReflexionである。DOW,Inc,451Bellevue Rd.,Newark,DE 19713により供給されたIC1000パッドを、ブランケット及びパターンウエハー研究に関してプラテン1上で用いた。
【0133】
IC1010パッド又は他のパッドは、コンディショナー上で7lbの下向き力にて18分間パッドをコンディショニングすることにより調整された。ツールの設定及びパッド調整を適格とするために、2つのタングステンモニターと2つのTEOSモニターが、Versum Materials Inc.により供給されたVersum(登録商標)STI2305組成物により、ベースライン条件で研磨された。
【0134】
ウエハー
【0135】
研磨実験はPECVD又はLECVD又はHDのTEOSウエハーを用いて行なわれた。これらのブランケットウエハーはSilicon Valley Microelectronics,2985 Kifer Rd.,Santa Clara,CA95051から購入された。
【0136】
研磨実験
【0137】
ブランケットウエハー研究において、酸化物ブランケットウエハー及びSiNブランケットウエハーは、ベースライン条件で研磨された。ツールベースライン条件は:テーブル速度;87rpm、ヘッド速度:93rpm、メンブレン圧力;3.0psiのDF;組成物フロー;200ml/分であった。試験に用いられた研磨パッドはダウ ケミカルによって供給されたIC1010パッドだった。
【0138】
脱イオン水は実施例中の組成物において溶媒として用いられた。
【0139】
組成物は、SWK Associates,Inc.2920Scott Blvd.Santa Clara CA95054よって供給された、パターン化ウエハー(MIT860)上での研磨実験において用いられた。これらのウエハーはVeeco VX300プロファイラー/AFM装置上で測定された。3つの異なるサイズのピッチ構造が、酸化物ディッシング測定に用いられた。ウエハーは中心、中央、及び端部ダイ位置で測定された。
【0140】
TEOS:SiN選択性:STI CMP研磨組成物により得られた(TEOSの除去速度)/(SiNの除去速度)は、調整可能だった。
【0141】
実施例
【0142】
以下の実施例において、参照(ref.)として0.2の質量%セリウムコートシリカ粒子、0.0001質量%〜0.05質量%の範囲バイオサイド、及び脱イオン水を含み、pHが5.35に調節されているか、他の選択されたpH条件に調節されているSTI研磨組成物が調製された。
【0143】
研磨組成物は参照(0.2の質量%セリウムコートシリカ、0.0001質量%〜0.05質量%の範囲のバイオサイド、及び脱イオン水)と、第1の種類の化学添加剤、若しくは第2の種類の化学添加剤、又は第1の種類と第2の種類の化学添加剤の混合とにより調製され、pH値はそれぞれ5.35又は他の選択されたpH条件であった。
【0144】
例1
【0145】
例1において、酸化物研磨に用いられた研磨組成物は、表1に示された。参照サンプルは、0.2質量%のセリアコートシリカ粒子、非常に低濃度のバイオサイド及びDI水を用いることにより作られた。
【0146】
第1の種類の化学添加剤D−ソルビトールは、0.15質量%で用いられ、参照サンプルと混合された。
【0147】
第2の種類の化学添加剤ベンゼンスルホン酸は、0.10質量%で用いられ、参照サンプルと混合された。
【0148】
第1の種類の化学添加剤D−ソルビトールは0.15質量%で用いられ、第2の種類の化学添加剤ベンゼンスルホン酸は0.10質量%で用いられ、参照サンプルと混合された。
【0149】
参照サンプル及び試験サンプルはすべて約5.35で同じpH値を有していた。
【0150】
異なる膜の研磨についての除去速度(RR、A/min)が試験された。膜除去速度及びTEOS:SiN膜選択性に対する化学添加剤の影響が観察され、表1に示され、図1に示された。
【表1】
【0151】
用いられる研磨工程条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度及びエクスサイチューコンディショニングの3.0psi DFにおけるダウのIC1010パッドであった。
【0152】
表1及び図1に示される結果として、研磨組成物の中への化学添加剤としてのD−ソルビトールの添加は、有効にSiN膜除去速度を抑制し、HDP膜除去速度を加速した。したがってTEOS:SiN選択性は大いに増加した。
【0153】
研磨組成物の中へのベンゼンスルホン酸の添加は、SiN膜除去速度を抑制しただけでなく、TEOS及びHDP膜除去速度の両方を加速した。したがって参照サンプルから得られた選択性と比較して、さらに増加したTEOS:SiN選択性が達成された。
【0154】
第1の種類の添加剤D−ソルビトール及び第2の種類の添加剤BSAの両方が、同じ研磨組成物へ加えられた際、TEOS及びHPD膜除去速度の両方は依然として加速され、SiN膜除去速度はさらに抑制された。したがってこれらの添加剤を単独で用いて、またはこれらのうちのいずれも用いることなく得られたTEOS:SiN選択性と比較して、最も高いTEOS:SiN選択性が、同じ研磨組成物において両方の種類の添加剤を用いる際に達成された。
【0155】
【表2】
【0156】
TEOS:SiN選択性を比較すると、両方の化学添加剤を用いる研磨組成物は、参照サンプルから得られた9:1の選択性よりはるかに高い73:1の選択性を与えた。
【0157】
例2
【0158】
例2において、研磨試験に用いられた研磨組成物は、表2に示された。参照サンプルは、pH 5.35にて0.2質量%セリアコートシリカ粒子、非常に低濃度のバイオサイド及び脱イオン水を用いることにより作られた。
【0159】
D−ソルビトール又はベンゼンスルホン酸(BSA)は、試験サンプル中で単独で用いられたか、それぞれ0.15質量%又は0.1の質量%にてともに用いられた。
【0160】
参照サンプル及び試験サンプルはすべて約5.35で同じpH値を有していた。
【0161】
種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングへのD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表2に示され、図2に示された。
【0162】
表2及び図2に示される結果として、参照サンプルから得られた種々の過研磨時間に対する得られた酸化物トレンチディッシングと比較して、研磨組成物における化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、種々の過研磨時間に対して酸化物トレンチディッシングを大いに低減した。
【0163】
第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルより若干悪い過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングを与えた。
【0164】
同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングの著しい低減が、参照サンプルに対して達成された。
【0165】
2重の化学添加剤に基づいた研磨組成物は、これらの2種の添加剤の各々を単独で用いるものと比較して、より安定な過研磨ウィンドウを提供した。
【0166】
酸化物トレンチ損失速度(Å/秒)に対するD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表3に示され、図3に示された。
【0167】
【表3】
【0168】
表3及び図3に示される結果として、研磨組成物における化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られた酸化物トレンチ損失速度と比較して、大いに酸化物トレンチ損失速度を低減した。
【0169】
研磨組成物中への第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルより酸化物トレンチ損失速度を若干増加させた。
【0170】
同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、参照サンプルに対して著しい酸化物トレンチ損失速度低減が達成された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中で最も低い酸化物トレンチ損失速度を与えた。
【0171】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びインサイチューコンディショニングの3.0psiの下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0172】
異なるサイズのパターン化特徴上でのD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAのSiN損失速度(Å/分)への影響が試験され、結果は表4に示され、図4に示された。
【0173】
【表4】
【0174】
表4及び図4に示される結果として、研磨組成物における化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られたSiN膜損失速度と比較して、大いにSiN膜損失速度を低減した。
【0175】
研磨組成物中への第2の種類のBSAの添加は、参照サンプルより増加したSiN膜損失速度を提供した。
【0176】
同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、参照サンプルに対して著しいSiN膜損失速度低減が達成された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中で最も低いSiN膜損失速度を与えた。
【0177】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0178】
異なるサイズのパターン化特徴上の酸化物トレンチディッシング速度(Å/分)に対するD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表5に示され、図5に示された。
【0179】
【表5】
【0180】
表5及び図5に示される結果として、参照サンプルから得られた酸化物トレンチディッシング速度と比較して、研磨組成物における化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、酸化物トレンチディッシング速度を大いに低減した。
【0181】
研磨組成物中への第2の種類のBSAの添加は、参照サンプルより増加した酸化物トレンチディッシング速度を提供した。
【0182】
研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、著しい酸化物トレンチディッシング速度低減が参照サンプルに対して達成された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中の最も低い酸化物トレンチディッシング速度を与えた。
【0183】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0184】
異なるサイズのパターン化特徴上の過研磨除去量に対するトレンチディッシングの傾きへのD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表6に示され、図6に示された。
【0185】
【表6】
【0186】
表6及び図6に示される結果として、研磨組成物中への第1の種類の添加剤D−ソルビトール又は第2の種類の添加剤BSAの添加は、単独で用いられるか、研磨組成物中で化学添加剤とともに用いられるかによらず、過研磨量に対するトレンチディッシングの傾きは、参照サンプルから得られたものと比較して大いに低減された。
【0187】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は、:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0188】
例3
【0189】
例3において、研磨試験に用いられた研磨組成物は、表7に示された。参照サンプルは、0.2質量%セリアコートシリカ粒子、非常に低濃度のバイオサイド及び脱イオン水を用いることにより作られた。マルチトール及びBSAは単独で用いられたか、又は試験サンプルにおいてそれぞれ0.28質量%及び0.10質量%でともに用いられた。
【0190】
参照サンプル及び試験サンプルはすべて約5.35で同じpH値を有していた。
【0191】
種々の膜の研磨に関する除去速度(RR、Å/min)が試験された。膜除去速度及びTEOS:SiN選択性に対する化学添加剤マルチトール及びBSAの影響が観察され、表7に示され、図7に示された。
【0192】
研磨パッド及び条件は:3.0psiDF、エクスサイチューコンディショニング、及び87/93rpmテーブル/ヘッド速度によるダウのIC1010研磨パッドであった。
【0193】
【表7】
【0194】
表7及び図7に示される結果として、研磨組成物中への第1の種類の化学添加剤としてのマルチトールの添加は、有効にSiN膜除去速度を抑制し、HDP膜除去速度を若干加速した。したがってTEOS:SiN選択性は大いに増加した。
【0195】
研磨組成物の中への第2の種類の化学添加剤としてのベンゼンスルホン酸(BSA)の添加は、SiN膜除去速度を抑制するだけでなく、TEOS及びHDP膜除去速度の両方を加速した。したがって、参照サンプルから得られた選択性と比較してさらに増加したTEOS:SiN選択性が達成された。
【0196】
第1の種類の添加剤マルチトール及び第2の種類の添加剤BSAの両方が、同じ研磨組成物へ加えられた場合、TEOS及びHPD膜除去速度の両方は依然として加速され、SiN膜除去速度はさらに抑制された。したがって、最も高いTEOS:SiN選択性が、これらの添加剤を単独で用いるか、これらのいずれもを用いることなく得られたTEOS:SiN選択性と比較して、同じ研磨組成物において両方の種類の添加剤を用いた際に達成された。
【0197】
TEOS:SiN選択性を比較すると、両方の化学添加剤を用いる研磨組成物は、参照サンプルから得られた9:1の選択性よりはるかに高い80:1の選択性を与えた。
【0198】
例4
【0199】
【表8】
【0200】
例4において、研磨試験に用いられた研磨組成物は、表8に示された。参照サンプルは、0.2質量%セリアコートシリカ粒子、非常に低濃度のバイオサイド及び脱イオン水を用いることにより作られた。マルチトール及びBSAは単独で用いられたか、又は試験サンプルにおいてそれぞれ0.28質量%及び0.10質量%でともに用いられた。
【0201】
参照サンプル及び試験サンプルはすべて約5.35で同じpH値を有していた。
【0202】
種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングへのマルチトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はマルチトール+BSAの影響が試験され、結果は表8に示され、図8に示された。
【0203】
表8及び図8に示される結果として、研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤マルチトールの添加は、参照サンプルから得られた種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングと比較して、種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングを大いに低減した。
【0204】
第2の種類のBSAの添加は、参照サンプルからのものより若干悪い過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシング提供した。
【0205】
同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてマルチトール及びBSAを用いる場合、種々の過研磨時間に対する著しい酸化物トレンチディッシング低減が、異なるサイズのパターン化特徴に亘って参照サンプルに対して達成された。
【0206】
酸化物トレンチ損失速度(Å/秒)へのマルチトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はマルチトール+BSAの影響が試験され、結果は表9に示され、図9に示された。
【0207】
【表9】
【0208】
表9及び図9に示される結果として、研磨組成物における化学添加剤としての第1の種類の添加剤マルチトールの添加は、参照サンプルから得られた酸化物トレンチ損失速度と比較して、酸化物トレンチ損失速度を大いに低減した。
【0209】
研磨組成物中への第2の種類のBSAの添加は、参照サンプルからのものより若干増加した酸化物トレンチ損失速度を提供した。
【0210】
研磨組成物において2重の化学添加剤としてマルチトール及びBSAを用いる場合、著しい酸化物トレンチ損失速度低減が参照サンプルに対して達成された。
【0211】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0212】
異なるサイズのパターン化特徴上のSiN損失速度(Å/分)に対するマルチトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はマルチトール+BSAの影響が試験され、結果は表10に示され、図10に示された。
【0213】
【表10】
【0214】
表10及び図10に示される結果として、研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤マルチトールの添加は、参照サンプルから得られたSiN膜損失速度と比較して、SiN膜損失速度を大いに低減した。
【0215】
研磨組成物中への第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより増加したSiN膜損失速度を提供した。
【0216】
同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてマルチトール及びBSAを用いる場合、著しいSiN膜損失速度の低減が参照サンプルに対して達成された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中の最も低いSiN膜損失速度を与えた。
【0217】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0218】
異なるサイズのパターン化特徴上の酸化物トレンチディッシング速度(Å/分)に対するマルチトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はマルチトール+BSAの影響が試験され、結果は表11に示され、図11に示された。
【0219】
【表11】
【0220】
表11及び図11に示される結果として、研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤マルチトールの添加は、参照サンプルから得られた酸化物トレンチディッシング速度と比較して、酸化物トレンチディッシング速度を大いに低減した。
【0221】
研磨組成物中への第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより若干低減された酸化物トレンチディッシング速度を提供した。
【0222】
同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてマルチトール及びBSAを用いる場合、著しい酸化物トレンチディッシング速度低減が参照サンプルに対して達成された。
【0223】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0224】
異なるサイズのパターン化特徴上の過研磨除去量に対するトレンチディッシングの傾きのへのマルチトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はマルチトール+BSAの影響が試験され、結果は表12に示され、図12に示された。
【0225】
【表12】
【0226】
表12及び図12に示される結果として、研磨組成物中の第1の種類の添加剤マルチトール又は第2の種類の添加剤BSAの添加は、単独で用いられるか、化学添加剤とともに用いられるかによらず、参照サンプルから得られたものと比較して、過研磨量に対するトレンチディッシングの傾きを大いに低減した。
【0227】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0228】
例5
【0229】
前の記載において指摘されたように、本開示の発明による酸化物又はドープ酸化物CMP研磨組成物は、広いpHウィンドウにおいて用いられて、高い酸化物膜除去速度、抑制されたSiN除去速度、増加した酸化物:SiN選択性、及び低い酸化物トレンチディッシングを与えることができる。
【0230】
例5において、本発明による研磨組成物は、4.5の酸性のpH条件で試験された。
【0231】
例5において、研磨試験に用いられた研磨組成物は、表13に示された。参照サンプルは、pH4.5にて0.2質量%のセリアコートシリカ粒子、非常に低濃度のバイオサイド及び脱イオン水を用いることにより作られた。
【0232】
D−ソルビトール又はベンゼンスルホン酸(BSA)は、試験サンプル中で単独で用いられたか、それぞれ0.15質量%又は0.1の質量%にてともに用いられた。
【0233】
参照サンプル及び試験サンプルはすべて約4.5で同じpH値を有していた。
【0234】
種々の膜除去速度及びTEOS:SiN選択性に対するD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表13に示された。
【0235】
【表13】
【0236】
用いられる研磨工程条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度及びエクスサイチューコンディショニングによる3.0psi DFにおけるダウのIC1010パッドであった。
【0237】
表13に示される結果として、研磨組成物中への化学添加剤としてのD−ソルビトールの添加は、有効にSiN膜除去速度を抑制し、HDP膜除去速度を加速した。したがってTEOS:SiN選択性は大いに増加した。
【0238】
単独の化学添加剤としての研磨組成物中へのベンゼンスルホン酸の添加は、SiN膜除去速度を加速しただけでなく、TEOS及びHDPの両方の膜除去速度を加速した。したがって、さらに低減されたTEOS:SiN選択性が、参照サンプルから得られた選択性と比較して達成された。
【0239】
第1の種類の添加剤D−ソルビトール及び第2の種類の添加剤BSAの両方が、pH4.5で同じ研磨組成物へ加えられた場合、TEOS及びHPD膜除去速度の両方は依然として加速され、SiN膜除去速度はさらに抑制された。したがって、これらの添加剤をpH4.5で単独で用いるか、これらのうちのいずれも用いることなく得られたTEOS:SiN選択性と比較して、最も高いTEOS:SiN選択性が、同じ研磨組成物において両方の種類の添加剤を用いた際に達成された。
【0240】
TEOS:SiN選択性を比較すると、両方の化学添加剤を用いる研磨組成物は、pH4.5で参照サンプルから得られた8:1の選択性よりはるかに高い132:1の選択性を与えた。
【0241】
さらに、例5において、研磨試験に用いられた研磨組成物において酸化物トレンチディッシング低減剤としてマルチトール、さらに酸化物膜除去速度加速剤としてBSAが用いられ、表14に示された。参照サンプルは、pH4.5にて0.2質量%のセリアコートシリカ粒子、非常に低濃度のバイオサイド及び脱イオン水を用いることにより作られた。
【0242】
pH4.5で試験サンプルにおいて、マルチトールは単独で用いられたか、又はそれぞれ0.28質量%又は/及び0.1質量%でベンゼンスルホン酸(BSA)とともに用いられた。
【0243】
参照サンプル及び試験サンプルはすべて約4.5で同じpH値を有していた。
【0244】
膜除去速度及びTEOS:SiN選択性に対するマルチトール又はベンゼンスルホン酸(BSA)とマルチトールの影響が試験され、結果は表14に示された。
【0245】
【表14】
【0246】
表14及びに示される結果として、研磨組成物中への化学添加剤としてのマルチトールの添加は、有効にSiN膜除去速度を抑制し、HDP膜除去速度を加速した。したがってTEOS:SiN選択性は大いに増加した。
【0247】
単独の化学添加剤としてのpH4.5における研磨組成物中へのベンゼンスルホン酸の添加は、SiN膜除去速度を加速しただけでなく、TEOS及びHDP両方の膜除去速度も加速した。したがって、さらに低減されたTEOS:SiN選択性が、参照サンプルから得られた選択性と比較して得られた。
【0248】
第1の種類の添加剤マルチトール及び第2の種類の添加剤BSAの両方が、pH4.5で同じ研磨組成物へ加えられた場合、TEOS及びHPD膜除去速度の両方は依然として加速され、SiN膜除去速度はさらに抑制された。したがって、これらの添加剤をpH4.5で単独で用いるか、これらのうちのいずれも用いることなく得られたTEOS:SiN選択性と比較して、最も高いTEOS:SiN選択性が、同じ研磨組成物において両方の種類の添加剤を用いた際に達成された。
【0249】
TEOS:SiN選択性を比較すると、両方の化学添加剤を用いる研磨組成物は、pH4.5で参照サンプルから得られた8:1の選択性よりはるかに高い93:1の選択性を与えた。
【0250】
例5において、種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングへのpH4.5におけるD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表15に示された。
【0251】
【表15】
【0252】
表15に示される結果として、pH4.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られた種々の過研磨時間に対する得られた酸化物トレンチディッシングと比較して、種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングを大いに低減した。
【0253】
pH4.5における、第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものよりより悪い過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシング提供した。
【0254】
pH4.5で同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、過研磨時間に対する著しい酸化物トレンチディッシング低減が、参照サンプルに対して達成された。
【0255】
これらの2種の添加剤の各々を単独で用いるものと比較して、2重の化学添加剤に基づいた研磨組成物は、pH4.5でより安定した過研磨ウィンドウを提供した。
【0256】
例5において、種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングへのpH4.5におけるマルチトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はマルチトール+BSAの影響が試験され、結果は表16に示された。
【0257】
【表16】
【0258】
表16に示される結果として、pH4.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤マルチトールの添加は、参照サンプルから得られた種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングと比較して、種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングを大いに低減した。
【0259】
pH4.5における、第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものよりより悪い過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングを提供した。
【0260】
pH4.5で同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてマルチトール及びBSAを用いる場合、過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングの著しい低減が、参照サンプルに対して達成された。
【0261】
これらの2種の添加剤の各々を単独で用いるものと比較して、2重の化学添加剤に基づいた研磨組成物は、pH4.5でより安定した過研磨ウィンドウを提供した。
【0262】
例5において、酸化物トレンチ損失速度(Å/秒)に対するpH4.5におけるD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表17に示された。
【0263】
【表17】
【0264】
表17に示される結果として、pH4.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られた酸化物トレンチ損失速度と比較して、酸化物トレンチ損失速度を大いに低減した。
【0265】
pH4.5における研磨組成物中への第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより大いに増加した酸化物トレンチ損失速度を提供した。
【0266】
pH4.5において同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、著しい酸化物トレンチ損失速度の低減が、参照サンプルに対して達成された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中の最も低い酸化物トレンチ損失速度を与えた。
【0267】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0268】
例5において、pH4.5における酸化物トレンチ損失速度(Å/秒)に対するマルチトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はマルチトール+BSAの影響が試験され、結果は表18に示された。
【0269】
【表18】
【0270】
表18に示される結果として、pH4.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤マルチトールの添加は、参照サンプルから得られた酸化物トレンチ損失速度と比較して、酸化物トレンチ損失速度を大いに低減した。
【0271】
研磨組成物中へのpH4.5での第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより大いに増加した酸化物トレンチ損失速度を提供した。
【0272】
pH4.5で同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてマルチトール及びBSAを用いる場合、著しい酸化物トレンチ損失速度の低減が参照サンプルに対して達成された。 同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中の最も低い酸化物トレンチ損失速度を与えた。
【0273】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0274】
例5において、pH4.5における異なるサイズのパターン化特徴上のSiN損失速度(Å/分)に対するD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表19に示された。
【0275】
【表19】
【0276】
表19に示される結果として、pH4.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られたSiN膜損失速度と比較して、SiN膜損失速度を大いに低減した。
【0277】
研磨組成物中への第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより増加したSiN膜損失速度を提供した。
【0278】
pH4.5で同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、著しいSiN膜損失速度の低減が参照サンプルに対して達成された。 同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中の最も低いSiN膜損失速度を与えた。
【0279】
例5において、異なるサイズのパターン化特徴上の酸化物トレンチディッシング速度(Å/分)に対するpH 4.5におけるD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表20に示された。
【0280】
【表20】
【0281】
表20に示される結果として、pH4.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られた酸化物トレンチディッシング速度と比較して、酸化物トレンチディッシング速度を大いに低減した。
【0282】
pH4.5における研磨組成物中への第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより大きい酸化物トレンチディッシング速度を提供した。
【0283】
研磨組成物においてpH4.5で2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、著しい酸化物トレンチディッシング速度の低減が、参照サンプルに対して達成された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中の最も低い酸化物トレンチディッシング速度を与えた。
【0284】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0285】
例5において、pH4.5における異なるサイズのパターン化特徴上の過研磨除去量に対するトレンチディッシングの傾きへのD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表21に示された。
【0286】
【表21】
【0287】
表21に示される結果として、pH4.5における研磨組成物中の化学添加剤としての研磨組成物中への第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られたものと比較して、過研磨量に対するトレンチディッシングの傾きを大いに低減した。
【0288】
pH4.5における研磨組成物中の化学添加剤としての研磨組成物中への第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルから得られたものと比較して、過研磨量に対するトレンチディッシングの傾きを増加させた。
【0289】
研磨組成物においてpH4.5で2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、酸化物膜の過研磨量に対する酸化物トレンチディッシングの傾きは、参照サンプルからのものに対して大いに低減された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中で酸化物膜の過研磨量に対する酸化物ディッシングの最も低い傾きを与えた。
【0290】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0291】
例6
【0292】
前の記載において指摘されたように、本開示の発明による酸化物又はドープ酸化物CMP研磨組成物は、広いpHウィンドウにおいて用いられて、高い酸化物膜除去速度、抑制されたSiN除去速度、増加した酸化物:SiN選択性、及び低い酸化物トレンチディッシングを与えることができる。
【0293】
例6において、本発明による研磨組成物は、7.5のアルカリ性のpH条件で試験された。
【0294】
例6において、研磨試験に用いられた研磨組成物は、表22に示された。参照サンプルは、pH7.5にて0.2質量%のセリアコートシリカ粒子、非常に低濃度のバイオサイド及び脱イオン水を用いることにより作られた。
【0295】
D−ソルビトール又はベンゼンスルホン酸(BSA)は試験サンプルにおいて単独で用いられたか、それぞれ0.15質量%又は/及び0.1質量%でともに用いられた。
【0296】
参照サンプル及び試験サンプルはすべて約7.5で同じpH値を有していた。
【0297】
pH7.5における種々の膜除去速度及びTEOS:SiN選択性に対するD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表22に示された。
【0298】
【表22】
【0299】
用いられた研磨工程条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度及びエクスサイチューコンディショニングの3.0psi DFにおけるダウのIC1010パッドであった。
【0300】
表22に示される結果として、pH7.5における研磨組成物中への化学添加剤としてのD−ソルビトールの添加は、SiN膜除去速度を有効に抑制した。したがってTEOS:SiN選択性は大いに増加した。
【0301】
pH7.5における研磨組成物中への単独の化学添加剤としてのベンゼンスルホン酸の添加は、SiN膜除去速度を加速するだけでなく、TEOS及びHDPの両方の膜除去速度を加速した。したがって、さらに低減されたTEOS:SiN選択性が、参照サンプルから得られた選択性と比較して観察された。
【0302】
第1の種類の添加剤D−ソルビトール及び第2の種類の添加剤BSAの両方が、pH7.5で同じ研磨組成物へ加えられた場合、TEOS及びHPD膜除去速度の両方は依然として加速され、SiN膜除去速度はさらに抑制された。したがって、pH7.5において、これらの添加剤を単独で用いるか、これらのうちのいずれも用いることなく得られたTEOS:SiN選択性と比較して、最も高いTEOS:SiN選択性が、同じ研磨組成物において両方の種類の添加剤を用いた際に達成された。
【0303】
TEOS:SiN選択性を比較すると、両方の化学添加剤を用いる研磨組成物は、pH7.5で参照サンプルから得られた8:1の選択性よりはるかに高い89:1の選択性を与えた。
【0304】
さらに、例6において、pH7.5において、研磨試験に用いられた研磨組成物において酸化物トレンチディッシング低減剤としてマルチトール、さらに酸化物膜除去速度加速剤としてBSAが用いられ、表23に示された。参照サンプルは、pH7.5にて0.2質量%のセリアコートシリカ粒子、非常に低濃度のバイオサイド及び脱イオン水を用いることにより作られた。
【0305】
マルチトールは試験サンプルにおいて単独で用いられたか、それぞれ0.28質量%又は/及び0.1質量%にてベンゼンスルホン酸(BSA)とともに用いられた。
【0306】
参照サンプル及び試験サンプルはすべて約7.5で同じpH値を有していた。
【0307】
膜除去速度及びTEOS:SiN選択性に対するマルチトール若しくはBSA又はベンゼンスルホン酸(BSA)とマルチトールの影響が試験され、結果は表23に示された。
【0308】
【表23】
【0309】
表23に示される結果として、pH7.5における研磨組成物中への化学添加剤としてのマルチトールの添加は、SiN膜除去速度を有効に抑制した。したがってTEOS:SiN選択性は大いに増加した。
【0310】
単独の化学添加剤としてのpH7.5における研磨組成物中へのベンゼンスルホン酸の添加は、SiN膜除去速度を加速するだけでなく、TEOS及びHDPの両方の膜除去速度を加速した。したがって、さらに低減されたTEOS:SiN選択性が、参照サンプルから得られた選択性と比較して観察された。
【0311】
第1の種類の添加剤マルチトール及び第2の種類の添加剤BSAの両方が、pH7.5で同じ研磨組成物へ加えられた場合、TEOS及びHPD膜除去速度の両方は依然として加速され、SiN膜除去速度はさらに抑制された。したがって、これらの添加剤をpH7.5で単独で用いるか、これらのうちのいずれもを用いることなく得られたTEOS:SiN選択性と比較して、最も高いTEOS:SiN選択性が、pH7.5で同じ研磨組成物において両方の種類の添加剤を用いた際に達成された。
【0312】
TEOS:SiN選択性を比較すると、両方の化学添加剤を用いる研磨組成物は、pH7.5で参照サンプルから得られた8:1の選択性よりはるかに高い83:1の選択性を与えた。
【0313】
例6において、種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングへのpH7.5におけるD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表24に示された。
【0314】
【表24】
【0315】
表24に示される結果として、pH 7.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られた種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングと比較して、種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングを大いに低減した。
【0316】
pH7.5における、第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものよりより悪い過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングを提供した。
【0317】
pH7.5で同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、過研磨時間に対する著しい酸化物トレンチディッシングの低減が、参照サンプルに対して達成された。
【0318】
2重の化学添加剤に基づいた研磨組成物は、これらの2種の添加剤の各々を単独で用いたものと比較して、pH7.5でより安定した過研磨ウィンドウを提供した。
【0319】
例6において、種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングへのpH7.5におけるマルチトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はマルチトール+BSAの影響が試験され、結果は表25に示された。
【0320】
【表25】
【0321】
表25に示される結果として、pH7.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤マルチトールの添加は、参照サンプルから得られた種々の過研磨時間に対する得られた酸化物トレンチディッシングと比較して、種々の過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシングを大いに低減した。
【0322】
pH7.5における、第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものよりより悪い過研磨時間に対する酸化物トレンチディッシング提供した。
【0323】
pH7.5で同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてマルチトール及びBSAを用いる場合、過研磨時間に対する著しい酸化物トレンチディッシングの低減が、参照サンプルに対して達成された。
【0324】
2重の化学添加剤に基づいた研磨組成物は、これらの2種の添加剤の各々を単独で用いるものと比較して、pH7.5でより安定した過研磨ウィンドウを提供した。
【0325】
例6において、pH7.5における酸化物トレンチ損失速度(Å/秒)に対するD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表26に示された。
【0326】
【表26】
【0327】
表26に示される結果として、pH7.5における研磨組成物への化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られた酸化物トレンチ損失速度と比較して、酸化物トレンチ損失速度を大いに低減した。
【0328】
研磨組成物中へのpH7.5における第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより著しく増加した酸化物トレンチ損失速度を提供した。
【0329】
pH7.5で同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、著しい酸化物トレンチ損失速度の低減が、参照サンプルに対して達成された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、pH7.5ですべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中の最も低い酸化物トレンチ損失速度を与えた。
【0330】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0331】
例6において、pH7.5における酸化物トレンチ損失速度(Å/秒)に対するマルチトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はマルチトール+BSAの影響が試験され、結果は表27に示された。
【0332】
【表27】
【0333】
表27に示される結果として、pH7.5における研磨組成物への化学添加剤としての第1の種類の添加剤マルチトールの添加は、参照サンプルから得られた酸化物トレンチ損失速度と比較して、酸化物トレンチ損失速度を大いに低減した。
【0334】
研磨組成物中へのpH7.5における第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより著しく増加した酸化物トレンチ損失速度を提供した。
【0335】
pH7.5で同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてマルチトール及びBSAを用いる場合、著しい酸化物トレンチ損失速度の低減が、参照サンプルに対して達成された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、pH7.5において、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中で最も低い酸化物トレンチ損失速度を与えた。
【0336】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0337】
例6において、pH7.5における異なるサイズのパターン化特徴上のSiN損失速度(Å/分)に対するD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表28に示された。
【0338】
【表28】
【0339】
表28に示される結果として、pH7.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られたSiN膜損失速度と比較して、SiN膜損失速度を大いに低減した。
【0340】
pH7.5における研磨組成物中への第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより増加したSiN膜損失速度を提供した。
【0341】
pH7.5で同じ研磨組成物において2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、著しいSiN膜損失速度の低減が、参照サンプルに対して達成された。同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中の最も低いSiN膜損失速度を与えた。
【0342】
例6において、pH7.5における異なるサイズのパターン化特徴上の酸化物トレンチディッシング速度(A/分)に対するD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表29に示された。
【0343】
【表29】
【0344】
表29に示される結果として、pH7.5における研磨組成物中の化学添加剤としての第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られた酸化物トレンチディッシング速度と比較して、酸化物トレンチディッシング速度を大いに低減した。
【0345】
研磨組成物中へのpH7.5における第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルからのものより増加した酸化物トレンチディッシング速度を提供した。
【0346】
研磨組成物においてpH7.5で2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、著しい酸化物トレンチディッシング速度の低減が、参照サンプルに対して達成された。pH7.5において、同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中の最も低い酸化物トレンチディッシング速度を与えた。
【0347】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0348】
例6において、異なるサイズのパターン化特徴上の過研磨除去量に対するトレンチディッシングの傾きへのpH7.5におけるD−ソルビトール若しくはベンゼンスルホン酸(BSA)又はD−ソルビトール+BSAの影響が試験され、結果は表30に示された。
【0349】
【表30】
【0350】
表30に示される結果として、pH7.5における研磨組成物中の化学添加剤としての研磨組成物中への第1の種類の添加剤D−ソルビトールの添加は、参照サンプルから得られたものと比較して、過研磨量に対するトレンチディッシングの傾きを大いに低減した。
【0351】
pH7.5における研磨組成物中の化学添加剤としての研磨組成物中への第2の種類の添加剤BSAの添加は、参照サンプルから得られたものと比較して、過研磨量に対するトレンチディッシングの傾きをわずかに低減した。
【0352】
研磨組成物においてpH7.5で2重の化学添加剤としてD−ソルビトール及びBSAを用いる場合、酸化物膜の過研磨量に対する酸化物トレンチディッシングの傾きは、参照サンプルからのものに対して著しく低減された。pH7.5における同じ研磨組成物中の2重の化学添加剤は、すべての試験された研磨組成物及び参照サンプルの中で、酸化物膜の過研磨量に対する酸化物ディッシングの最も低い傾きを与えた。
【0353】
パターン化ウエハー研磨に用いられた研磨条件は:87/93rpmのテーブル/ヘッド速度、及びinsituコンディショニングの3.0psi下向き力におけるダウのIC1010パッドであった。
【0354】
実施例を含む上に示された本発明の実施態様は、本発明から作ることのできる例示的な多数の実施態様である。プロセスの多くの他の構成を用いることができ、プロセスにおいて用いられる材料は、具体的に開示されたもの以外の多くの材料から選択することができることが企図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】
2020029554000001.pdf