特開2020-46649(P2020-46649A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-46649(P2020-46649A)
(43)【公開日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】前面板付き偏光板
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20200303BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20200303BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20200303BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20200303BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20200303BHJP
   G02F 1/13363 20060101ALI20200303BHJP
   G02F 1/1337 20060101ALI20200303BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20200303BHJP
【FI】
   G02B5/30
   H01L27/32
   H05B33/14 A
   H05B33/02
   G02F1/1335 510
   G02F1/13363
   G02F1/1337 525
   G02F1/1337 520
   G09F9/00 302
   G09F9/00 313
   G09F9/00 366A
   G09F9/00 342
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2019-34018(P2019-34018)
(22)【出願日】2019年2月27日
(31)【優先権主張番号】特願2018-170334(P2018-170334)
(32)【優先日】2018年9月12日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100151909
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 徹
(72)【発明者】
【氏名】張 柱烈
(72)【発明者】
【氏名】金 恩瑛
(72)【発明者】
【氏名】幡中 伸行
(72)【発明者】
【氏名】太田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】村野 耕太
【テーマコード(参考)】
2H149
2H290
2H291
3K107
5G435
【Fターム(参考)】
2H149AA02
2H149AA18
2H149AB13
2H149AB24
2H149CA04
2H149DA04
2H149DA12
2H149EA02
2H149EA12
2H149FA03W
2H149FA08Z
2H149FA12X
2H149FA15X
2H149FA58Y
2H149FA66
2H149FD01
2H149FD35
2H149FD47
2H290BA30
2H290BD03
2H290BF13
2H290BF19
2H290BF24
2H290CA02
2H290CA03
2H290DA01
2H290DA03
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA30X
2H291FA30Z
2H291FA40X
2H291FA40Z
2H291FA94X
2H291FA94Z
2H291FA95X
2H291FA95Z
2H291FB04
2H291FB05
2H291FB21
2H291FC33
2H291FD12
2H291FD35
2H291GA01
2H291GA04
2H291GA08
2H291GA22
2H291GA23
2H291LA40
2H291PA07
2H291PA44
2H291PA45
2H291PA82
2H291PA84
2H291PA85
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107DD17
3K107EE26
3K107EE66
3K107FF02
3K107FF06
3K107FF13
3K107FF15
5G435AA09
5G435AA14
5G435BB05
5G435BB06
5G435BB11
5G435BB12
5G435BB16
5G435BB17
5G435EE49
5G435FF05
5G435GG43
5G435HH05
5G435HH18
5G435HH20
(57)【要約】
【課題】本発明は、光学性能の経時的な低下が少なく、屈曲性に優れる前面板付き偏光板を提供することを目的とする。
【解決手段】拡散防止層Aと偏光子と拡散防止層Bとをこの順に有する偏光板、および前記拡散防止層Aまたは前記拡散防止層Bにおける前記偏光子側とは反対側に配置される前面板を備え、前記前面板が粘着剤層を介して前記偏光板に積層されており、前記拡散防止層Aおよび前記拡散防止層Bの厚みは20μm以下であり、前記偏光子の厚みは10μm以下であり、前記粘着剤層を形成する粘着剤は、25℃における貯蔵弾性率が0.7MPa以下である前面板付き偏光板。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡散防止層Aと偏光子と拡散防止層Bとをこの順に有する偏光板、
および前記拡散防止層Aまたは前記拡散防止層Bにおける前記偏光子側とは反対側に配置される前面板を備え、
前記前面板が粘着剤層を介して前記偏光板に積層されており、
前記拡散防止層Aおよび前記拡散防止層Bの厚みは20μm以下であり、
前記偏光子の厚みは10μm以下であり、
前記粘着剤層を形成する粘着剤は、25℃における貯蔵弾性率が0.6MPa以下である前面板付き偏光板。
【請求項2】
前記前面板が、ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子を含有する樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの少なくとも一方の主面側に設けられた機能層と、を備える積層フィルムである、請求項1に記載の前面板付き偏光板。
【請求項3】
前記機能層が、紫外線吸収、表面硬度、色相調整及び屈折率調整からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する層である請求項2に記載の前面板付き偏光板。
【請求項4】
前記樹脂フィルムの引張弾性率が4.0GPa以上であり、
当該樹脂フィルムを向かい合う当該樹脂フィルム間の距離が3mmになるまでU字型に折り曲げて戻すことを繰り返す屈曲試験において、当該樹脂フィルムが破断するまで当該樹脂フィルムを折り曲げる回数が100000回を超え、
黄色度が5以下である、請求項2または3に記載の前面板付き偏光板。
【請求項5】
偏光板は偏光子における前面板側とは反対側に位相差フィルムを備える、請求項1〜4のいずれかに記載の前面板付き偏光板。
【請求項6】
粘着剤層を介して、前記位相差フィルムが、前記拡散防止層Aまたは前記拡散防止層Bに積層されている請求項5に記載の前面板付き偏光板。
【請求項7】
前記位相差フィルムは、λ/4位相差板を含む請求項5または6に記載の前面板付き偏光板。
【請求項8】
タッチセンサを有する請求項1〜7いずれかに記載の前面板付き偏光板。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の前面板付き偏光板を備える有機EL表示装置。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載の前面板付き偏光板を備えるフレキシブル画像表示装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面板付き偏光板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置には、偏光子を備える偏光板が組み込まれている。偏光子としては、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素等の二色性色素が配向吸着された偏光子のほか、重合性液晶を含む組成物を基材に塗布することにより製造される偏光子が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2017/154907
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯機器の薄型化への消費者からの要望に対して、薄型の表示装置が要望されており、従来の偏光子で必要であった保護フィルムを必ずしも必要としない塗布型の偏光子は、薄型化が比較的容易であるため、非常に有用な技術である。しかしながら、このような塗布型の偏光子は、高温環境下において偏光性能等の光学性能が経時的に低下することがある。また、塗布型の偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素等の二色性色素が配向吸着された偏光子に比べて屈曲方向に制限がない点で優れるものの、前面板の種類や前面板と偏光板との間に配置される粘着剤層の種類によっては、屈曲性の向上に改善の余地があることが明らかになった。
【0005】
そこで本発明は、高温環境下において光学性能の経時的な低下が少なく、かつ屈曲性に優れる前面板付き偏光板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の好適な態様[1]〜[11]を提供するものである。
[1]拡散防止層Aと偏光子と拡散防止層Bとをこの順に有する偏光板、
および前記拡散防止層Aまたは前記拡散防止層Bにおける前記偏光子側とは反対側に配置される前面板を備え、
前記前面板が粘着剤層を介して前記偏光板に積層されており、
前記拡散防止層Aおよび前記拡散防止層Bの厚みは20μm以下であり、
前記偏光子の厚みは10μm以下であり、
前記粘着剤層を形成する粘着剤は、25℃における貯蔵弾性率が0.6MPa以下である前面板付き偏光板。
[2] 前記前面板が、ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子を含有する樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの少なくとも一方の主面側に設けられた機能層と、を備える積層フィルムである、[1]に記載の前面板付き偏光板。
[3] 前記機能層が、紫外線吸収、表面硬度、色相調整及び屈折率調整からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する層である[2]に記載の前面板付き偏光板。
[4] 前記樹脂フィルムの引張弾性率が4.0GPa以上であり、
当該樹脂フィルムを向かい合う当該樹脂フィルム間の距離が3mmになるまでU字型に折り曲げて戻すことを繰り返す屈曲試験において、当該樹脂フィルムが破断するまで当該樹脂フィルムを折り曲げる回数が100000回を超え、
黄色度が5以下である、[2]または[3]に記載の前面板付き偏光板。
[5] 偏光板は偏光子における前面板側とは反対側に位相差フィルムを備える、[1]〜[4]のいずれかに記載の前面板付き偏光板。
[6] 粘着剤層を介して、前記位相差フィルムが、前記拡散防止層Aまたは前記拡散防止層Bに積層されている[5]に記載の前面板付き偏光板。
[7] 前記位相差フィルムは、λ/4位相差板を含む[5]または[6]に記載の前面板付き偏光板。
[8] タッチセンサを有する請求項1〜7いずれかに記載の前面板付き偏光板。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の前面板付き偏光板を備える有機EL表示装置。
[10] [1]〜[8]のいずれかに記載の前面板付き偏光板を備えるフレキシブル画像表示装置
【発明の効果】
【0007】
本発明は、光学性能の経時的な低下が少なく、屈曲性に優れる前面板付き偏光板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】前面板付き偏光板の構成の一例を表す断面図である。
図2】前面板付き偏光板の構成の一例を表す断面図である。
図3】前面板付き偏光板の構成の一例を表す断面図である。
図4】前面板の構成の一例を表す断面図である。
図5】前面板の構成の一例を表す断面図である。
図6】前面板の構成の一例を表す断面図である。
図7】屈曲性試験の方法を表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<前面板付き偏光板>
本発明の前面板付き偏光板は、拡散防止層Aと偏光子と拡散防止層Bとをこの順に有する偏光板を備える。本発明の前面板付き偏光板は、さらに前記拡散防止層Aまたは前記拡散防止層Bにおける前記偏光子側とは反対側に配置される前面板を備える。前面板は粘着剤層を介して偏光板に積層されている。拡散防止層Aおよび拡散防止層Bの厚みは、ともに20μm以下であり、偏光子の厚みは10μm以下である。
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
【0011】
本発明の前面板付き偏光板が備える偏光板の構成を図1に基づいて説明する。本発明の前面板付き偏光板(10)は、偏光子(1)の一方の面に拡散防止層A(2)が積層され、偏光子(1)の他方の面に拡散防止層B(3)が積層された偏光板(20)を有する。
かかる偏光板を有することにより、本発明の前面板付き偏光板は、偏光子に含まれる二色性色素の膜外への移動が抑制されるため、偏光板の光学性能の経時的な低下を抑えることができる。また、偏光子(1)と拡散防止層との間には、配向膜(図示せず)が積層されていてもよい。
【0012】
本発明の前面板付き偏光板は、前面板を備える。この実施態様を図1に基づいて説明する。本発明の前面板付き偏光板(10)は、拡散防止層A(2)の、偏光子(1)側とは反対側に配置される前面板(4)を備える。図1(a)に示すように、前面板(4)は、例えば、粘着剤層(7)を介して偏光板(20)に積層されることができる。図1(b)に示すように前面板(4)は、例えば、拡散防止層A(2)を介して偏光板(20)に積層されることができる。
【0013】
本発明の一実施態様において、本発明の前面板付き偏光板は、位相差フィルム(5)を備えていてもよい。偏光板は、偏光子における前面板側とは反対側に位相差フィルムを備えることができる。この場合、位相差フィルム(5)は、拡散防止層Bの、偏光子側とは反対側に配置されてもよい。位相差フィルムは、例えば接着剤層や粘着剤層を介して拡散防止層Bに積層されることができる。位相差フィルムは、拡散防止層Bを介して偏光板に積層されてもよい。本発明は、以上の構成に限られるものではなく、上記説明中の拡散防止層A(2)を拡散防止層B(3)に置き換えた実施態様も本発明に含まれる。
以下、本発明の前面板付き偏光板の各構成要素について詳細に説明する。
【0014】
<偏光子>
本発明における偏光子は厚みが10μm以下であり、好ましくは5μm以下である。厚みが10μmを超えた場合、屈曲させたときにクラック等の不具合が発生する可能性がある。偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムを染色、延伸することで製造されるフィルム型偏光子であってもよい。延伸によって配向したPVA系フィルムに、ヨウ素等の二色性色素が吸着、またはPVAに吸着した状態で延伸されることで二色性色素が配向し、偏光性能を発揮する。前記フィルム型偏光子の製造においては、他に膨潤、ホウ酸による架橋、水溶液による洗浄、乾燥等の工程を有していてもよい。延伸や染色工程はPVA系フィルム単独で行ってもよいし、ポリエチレンテレフタレートのような他のフィルムと積層された状態で行うこともできる。用いられるPVA系フィルムとしては10〜100μm、延伸倍率は2〜10倍が好ましい。
【0015】
偏光子としては好ましくは、重合性液晶の重合体および二色性色素を含むものであり、さらに好ましくは、重合性液晶の重合体から構成される膜中に二色性色素が分散し、配向している膜である。また、偏光子は二色性色素と高分子化合物からなる膜であってもよい。本発明における偏光子は、好ましくは重合性液晶が拡散防止層平面に対して水平方向に配向した状態で硬化した膜である。水平配向とは、拡散防止層平面に対して平行な方向に、配向した重合性液晶の長軸を有する配向である。ここでいう「平行」とは、拡散防止層平面に対して0°±20°の角度を意味する。
【0016】
偏光子が重合性液晶を含む場合、厚さは、重合性液晶の配向性の観点から、0.5μm〜3μmが好ましく、1μm〜3μmがより好ましい。偏光子の厚さが上記下限値以上であると、重合性液晶が垂直配向方向に配向しにくいため配向秩序が向上する傾向がある。
また、偏光子の膜さが上記上限値以下であると、重合性液晶がランダムに配向しにくいため配向秩序が向上する傾向がある。偏光子の厚さは、干渉膜厚計、レーザー顕微鏡または触針式膜厚計で測定することができる。
【0017】
偏光子は、通常、基材、拡散防止層または配向膜表面に、重合性液晶および二色性色素を含む組成物(以下、「偏光子形成用組成物」ともいう)を塗布し、重合性液晶を重合することで得られる。ここで、重合性液晶が拡散防止層面内に対して水平方向に配向した状態で重合させることが好ましい。偏光子形成用組成物ならびに当該組成物を用いた偏光子の製造方法としては、特開2017−83843号公報に記載のものが例示される。また、偏光子は、二色性色素と高分子化合物から製造されていてもよい。二色性色素と高分子化合物からなる偏光子としては、WO2017/154907に記載のものが例示される。
【0018】
[重合性液晶]
重合性液晶とは、重合性基を有し、かつ、液晶性を示す化合物である。重合性基は、重合反応に関与する基を意味し、光重合性基であることが好ましい。ここで、光重合性基とは、後述する光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基のことをいう。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。液晶性はサーモトロピック液晶でもリオトロピック液晶でもよい。
【0019】
重合性液晶は、ネマチック液晶相を示すサーモトロピック性液晶化合物であってもよいし、スメクチック液晶相を示すサーモトロピック性液晶化合物であってもよい。本発明において重合性液晶は、より高い偏光特性が得られるという観点から、好ましくはスメクチック液晶相を示すサーモトロピック性液晶化合物であり、より好ましくは高次スメクチック液晶相を示すサーモトロピック性液晶化合物である。中でも、スメクチックB相、スメクチックD相、スメクチックE相、スメクチックF相、スメクチックG相、スメクチックH相、スメクチックI相、スメクチックJ相、スメクチックK相またはスメクチックL相を示すサーモトロピック性液晶化合物がより好ましく、スメクチックB相、スメクチックF相またはスメクチックI相を示すサーモトロピック性液晶化合物がさらに好ましい。重合性液晶が形成する液晶相がこれらの高次スメクチック相であると、偏光性能のより高い偏光子を製造することができる。また、このように偏光性能の高い偏光子はX線回折測定においてヘキサチック相やクリスタル相といった高次構造由来のブラッグピークが得られるものである。当該ブラッグピークは分子配向の周期構造に由来するピークであり、その周期間隔が3〜6Åである膜を得ることができる。偏光子は、この重合性液晶がスメクチック相の状態で重合された重合性液晶の重合体を含むことが、より高い偏光特性が得られるという観点から好ましい。
【0020】
このような化合物としては、具体的には、下記式(A)で表される化合物(以下、化合物(A)ということがある。)等が挙げられる。当該重合性液晶は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
−V−W−X−Y−X−Y−X−W−V−U (A)[式(A)中、
、XおよびXは、互いに独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。ただし、X、XおよびXのうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−または−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。
およびYは、互いに独立に、−CHCH−、−CHO−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CR=CR−、−C≡C−または−CR=N−を表す。RおよびRは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
は、水素原子または重合性基を表す。
は、重合性基を表す。
およびWは、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−または−OCOO−を表す。
およびVは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−または−NH−に置き換わっていてもよい。]
【0022】
化合物(A)において、X、XおよびXのうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましい。ここで、本明細書における「置換基を有していてもよい」とは、「無置換の又は置換基を有する」と同義である。
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基は、無置換であることが好ましい。置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基は、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基であることが好ましく、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基は無置換であることが好ましい。
【0023】
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基が任意に有する置換基としては、メチル基、エチル基およびブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基およびハロゲン原子等が挙げられる。
【0024】
は、−CHCH−、−COO−または単結合であることが好ましく、Yは、−CHCH−または−CHO−であることが好ましい。
【0025】
は、重合性基である。Uは、水素原子または重合性基であり、好ましくは重合性基である。UおよびUは、ともに重合性基であることが好ましく、ともに光重合性基であることがより好ましい。光重合性基を有する重合性液晶は、より低温条件下で重合できる点で有利である。
【0026】
およびUで表される重合性基は互いに異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
【0027】
およびVで表されるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基およびイコサン−1,20−ジイル基等が挙げられる。VおよびVは、好ましくは炭素数2〜12のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数6〜12のアルカンジイル基である。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基が任意に有する置換基としては、シアノ基およびハロゲン原子等が挙げられるが、該アルカンジイル基は、無置換であることが好ましく、無置換かつ直鎖状のアルカンジイル基であることがより好ましい
【0028】
およびWは、互いに独立に、好ましくは単結合または−O−である。
【0029】
化合物(A)の具体例としては、式(1−1)〜式(1−23)で表される化合物等が挙げられる。化合物(A)が、シクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する場合、そのシクロヘキサン−1,4−ジイル基は、トランス体であることが好ましい。
【0030】

【0031】

【0032】

【0033】
重合性液晶は、例示した化合物(A)の中でも、式(1−2)、式(1−3)、式(1−4)、式(−6)、式(1−7)、式(1−8)、式(1−13)、式(1−14)および式(1−15)でそれぞれ表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0034】
例示した化合物(A)は、単独または組み合わせて、偏光子に用いることができる。また、2種以上の重合性液晶を組み合わせる場合には、少なくとも1種が化合物(A)であることが好ましく、2種以上が化合物(A)であることがより好ましい。2種以上の重合性液晶を組み合わせることにより、液晶−結晶相転移温度以下の温度でも一時的に液晶性を保持することができる場合がある。2種類の重合性液晶を組み合わせる場合の混合比(化合物(A)以外の液晶:化合物(A))としては、通常、1:99〜50:50であり、好ましくは5:95〜50:50であり、より好ましくは10:90〜50:50である(質量比)。重合性基を1つ有する重合性液晶および重合性基を2つ有する重合性液晶を組み合わせる場合、その混合比(重合性基を1つ有する重合性液晶:重合性基を2つ有する重合性液晶)は、通常、1:99〜50:50であり、好ましくは5:95〜50:50であり、より好ましくは10:90〜50:50である(質量比)。
【0035】
化合物(A)は、例えば、Lub et al. Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,115, 321−328(1996)、または特許第4719156号等に記載の公知方法で製造される。
【0036】
偏光子形成用組成物における重合性液晶の含有割合は、偏光子形成用組成物の固形分100質量部に対して、通常70〜99.5質量部であり、好ましくは80〜99質量部であり、より好ましくは80〜94質量部であり、さらに好ましくは80〜90質量部である。重合性液晶の含有割合が上記範囲内であれば、配向性が高くなる傾向がある。ここで、固形分とは、偏光子形成用組成物から溶剤を除いた成分の合計量のことをいう。
【0037】
偏光子形成用組成物は、重合性液晶および二色性色素以外の成分として、溶剤、重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤および反応性添加剤を含んでもよい。
【0038】
[二色性色素]
偏光子形成用組成物に含まれる二色性色素とは、分子の長軸方向における吸光度と、短軸方向における吸光度とが異なる性質を有する色素をいう。
【0039】
二色性色素としては、300〜700nmの範囲に吸収極大波長(λMAX)を有するものが好ましい。このような二色性色素としては、例えば、アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタレン色素、アゾ色素およびアントラキノン色素等が挙げられるが、中でもアゾ色素が好ましい。アゾ色素としては、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素およびスチルベンアゾ色素等が挙げられ、好ましくはビスアゾ色素およびトリスアゾ色素である。二色性色素は単独でも、2種以上を組み合わせてもよいが、3種以上を組み合わせるのが好ましい。特に、3種以上のアゾ化合物を組み合わせるのがより好ましい。二色性色素の一部が反応性基を有していてもよく、また液晶性を有していてもよい。
【0040】
アゾ色素としては、例えば、式(B)で表される化合物(以下、場合により「化合物(B)」という。)が挙げられる。
(−N=N−A−N=N−A (B)
[式(B)中、
およびAは、互いに独立に、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基または置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。Aは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、置換基を有していてもよいナフタレン−1,4−ジイル基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。pは1〜4の整数を表す。pが2以上の整数である場合、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよい。]
【0041】
1価の複素環基としては、キノリン、チアゾール、ベンゾチアゾール、チエノチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、オキサゾールおよびベンゾオキサゾール等の複素環化合物から1個の水素原子を除いた基が挙げられる。2価の複素環基としては、前記複素環化合物から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
【0042】
およびAにおけるフェニル基、ナフチル基および1価の複素環基、ならびにAにおけるp−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基および2価の複素環基が任意に有する置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基およびブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のフッ化アルキル基;シアノ基;ニトロ基;ハロゲン原子;アミノ基、ジエチルアミノ基およびピロリジノ基等の置換または無置換アミノ基(置換アミノ基とは、炭素数1〜6のアルキル基を1つまたは2つ有するアミノ基、または2つの置換アルキル基が互いに結合して炭素数2〜8のアルカンジイル基を形成しているアミノ基を意味する。無置換アミノ基は、−NHである。)が挙げられる。なお、炭素数1〜6のアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、ブチル基およびヘキシル基等が挙げられる。
【0043】
アゾ色素は、化合物(B)のなかでも、以下の式(2−1)〜式(2−6)でそれぞれ表される化合物が好ましい。
【0044】

【0045】
[式(2−1)〜(2−6)中、
〜B20は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアミノ基(置換アミノ基および無置換アミノ基の定義は前記のとおり)、塩素原子またはトリフルオロメチル基を表す。
n1〜n4は、互いに独立に0〜3の整数を表す。
n1が2以上である場合、複数のBは互いに同一でも異なっていてもよく、
n2が2以上である場合、複数のBは互いに同一でも異なっていてもよく、
n3が2以上である場合、複数のBは互いに同一でも異なっていてもよく、
n4が2以上である場合、複数のB14は互いに同一でも異なっていてもよい。]
【0046】
前記アントラキノン色素としては、式(2−7)で表される化合物が好ましい。
【0047】

【0048】
[式(2−7)中、
〜Rは、互いに独立に、水素原子、−R、−NH、−NHR、−NR、−SRまたはハロゲン原子を表す。
は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。]
【0049】
前記オキサジン色素としては、式(2−8)で表される化合物が好ましい。
【0050】
【0051】
[式(2−8)中、
〜R15は、互いに独立に、水素原子、−R、−NH、−NHR、−NR、−SRまたはハロゲン原子を表す。
は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。]
【0052】
前記アクリジン色素としては、式(2−9)で表される化合物が好ましい。
【0053】

【0054】
[式(2−9)中、
16〜R23は、互いに独立に、水素原子、−R、−NH、−NHR、−NR、−SRまたはハロゲン原子を表す。
は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。]
【0055】
式(2−7)、式(2−8)および式(2−9)における、Rで表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基等が挙げられ、炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基およびナフチル基等が挙げられる。
【0056】
前記シアニン色素としては、式(2−10)で表される化合物および式(2−11)で表される化合物が好ましい。
【0057】
【0058】
[式(2−10)中、
およびDは、互いに独立に、式(2−10a)〜式(2−10d)のいずれかで表される基を表す。

n5は1〜3の整数を表す。]
【0059】
【0060】
[式(2−11)中、
およびDは、互いに独立に、式(2−11a)〜式(2−11h)のいずれかで表される基を表す。
n6は1〜3の整数を表す。]
【0061】
偏光子形成用組成物における二色性色素の含有量は、重合性液晶の含有量100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.1〜10質量部がさらに好ましい。二色性色素の含有量が上記範囲内であれば、重合性液晶の配向を乱すことなく、重合させることができる。二色性色素の含有量が多すぎると、重合性液晶の配向を阻害するおそれがある。そのため、重合性液晶が、液晶状態を保持できる範囲で、二色性色素の含有量を定めることもできる。
【0062】
[溶剤]
偏光子形成用組成物は溶剤を含有してよい。溶剤としては、重合性液晶を完全に溶解し得るものが好ましく、また、重合性液晶の重合反応に不活性な溶剤であることが好ましい。
【0063】
溶剤としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンまたはプロピレングリコールメチルエーテルアセテートおよび乳酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサンおよびヘプタン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル等のニトリル溶剤;テトラヒドロフランおよびジメトキシエタン等のエーテル溶剤;クロロホルムおよびクロロベンゼン等の塩素含有溶剤;等が挙げられる。これら溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0064】
溶剤の含有量は、前記偏光子形成用組成物の総量に対して50〜98質量%が好ましい。換言すると、偏光子形成用組成物における固形分の含有量は、2〜50質量%が好ましい。該固形分の含有量が50質量%以下であると、偏光子形成用組成物の粘度が低くなることから、偏光子の厚さが略均一になることで、当該偏光子にムラが生じにくくなる傾向がある。また、かかる固形分の含有量は、製造しようとする偏光子の厚さを考慮して定めることができる。
【0065】
[重合開始剤]
偏光子形成用組成物は重合開始剤を含有してよい。重合開始剤は、重合性液晶等の重合反応を開始し得る化合物である。重合開始剤としては、光の作用により活性ラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
【0066】
重合開始剤としては、例えばベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩等が挙げられる。
【0067】
ベンゾイン化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルおよびベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
【0068】
ベンゾフェノン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンおよび2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等が挙げられる。
【0069】
アルキルフェノン化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1,2−ジフェニル−2,2−ジメトキシエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー等が挙げられる。
【0070】
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0071】
トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンおよび2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0072】
重合開始剤として市販のものを用いることができる。市販の重合開始剤としては、イルガキュア(Irgacure)(登録商標)907、184、651、819、250、および369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製);セイクオール(登録商標)BZ、Z、およびBEE(精工化学株式会社製);カヤキュアー(kayacure)(登録商標)BP100、およびUVI−6992(ダウ・ケミカル株式会社製);アデカオプトマーSP−152、およびSP−170(株式会社ADEKA製);TAZ−A、およびTAZ−PP(日本シイベルヘグナー株式会社製);並びに、TAZ−104(株式会社三和ケミカル製);等が挙げられる。
【0073】
偏光子形成用組成物中の重合開始剤の含有量は、重合性液晶の種類およびその量に応じて適宜調節できるが、重合性液晶の含有量100質量部に対して、通常0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは0.5〜8質量部である。重合開始剤の含有量が上記範囲内であると、重合性液晶の配向を乱すことなく重合を行うことができる。
【0074】
[増感剤]
偏光子形成用組成物は増感剤を含有してもよい。増感剤としては、光増感剤が好ましい。該増感剤としては、例えば、キサントンおよびチオキサントン等のキサントン化合物(例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等);アントラセンおよびアルコキシ基含有アントラセン(例えば、ジブトキシアントラセン等)等のアントラセン化合物;フェノチアジンおよびルブレン等が挙げられる。
【0075】
偏光子形成用組成物が増感剤を含有する場合、偏光子形成用組成物に含有される重合性液晶の重合反応をより促進することができる。かかる増感剤の使用量は、重合性液晶の含有量100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。
【0076】
[重合禁止剤]
重合反応を安定的に進行させる観点から、偏光子形成用組成物は重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤により、重合性液晶の重合反応の進行度合いをコントロールすることができる。
【0077】
前記重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、アルコキシ基含有ハイドロキノン、アルコキシ基含有カテコール(例えば、ブチルカテコール等)、ピロガロール、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル捕捉剤;チオフェノール類;β−ナフチルアミン類およびβ−ナフトール類等が挙げられる。
【0078】
偏光子形成用組成物が重合禁止剤を含有する場合、重合禁止剤の含有量は、重合性液晶の含有量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜8質量部である。重合禁止剤の含有量が、上記範囲内であると、重合性液晶の配向を乱すことなく重合を行うことができる。
【0079】
[レベリング剤]
偏光子形成用組成物には、レベリング剤を含有させてもよい。レベリング剤とは、偏光膜形成用組成物の流動性を調整し、偏光子形成用組成物を塗布して得られる膜をより平坦にする機能を有するものであり、例えば、界面活性剤を挙げることができる。好ましいレベリング剤としては、“BYK−361N”(BYK Chemie社製)等のポリアクリレート化合物を主成分とするレベリング剤、およびサーフロン(登録商標)“S−381”(AGCセイミケミカル株式会社製)等のフッ素原子含有化合物を主成分とするレベリング剤が挙げられる。
【0080】
偏光子形成用組成物がレベリング剤を含有する場合、重合性液晶の含有量100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜3質量部である。レベリング剤の含有量が上記範囲内であると、重合性液晶を水平配向させることが容易であり、かつ得られる偏光子がより平滑となる傾向がある。重合性液晶に対するレベリング剤の含有量が上記範囲を超えると、得られる偏光子にムラが生じやすい傾向がある。なお、偏光子形成用組成物は、レベリング剤を2種以上含有していてもよい。
【0081】
[反応性添加剤]
偏光子形成用組成物は、反応性添加剤を含んでもよい。反応性添加剤としては、その分子内に炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有するものが好ましい。なお、ここでいう「活性水素反応性基」とは、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH)等の活性水素を有する基に対して反応性を有する基を意味し、グリシジル基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、無水マレイン酸基等がその代表例である。反応性添加剤が有する、炭素−炭素不飽和結合および活性水素反応性基の個数は、通常、それぞれ1〜20個であり、好ましくはそれぞれ1〜10個である。
【0082】
反応性添加剤において、活性水素反応性基が少なくとも2つ存在することが好ましく、この場合、複数存在する活性水素反応性基は同一でも、異なるものであってもよい。
【0083】
反応性添加剤が有する炭素−炭素不飽和結合とは、炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合、またはそれらの組み合わせであってよいが、炭素−炭素二重結合であることが好ましい。中でも、反応性添加剤としては、ビニル基および/または(メタ)アクリル基として炭素−炭素不飽和結合を含むことが好ましい。さらに、活性水素反応性基が、エポキシ基、グリシジル基およびイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種である反応性添加剤が好ましく、アクリル基とイソシアネート基とを有する反応性添加剤がより好ましい。
【0084】
反応性添加剤の具体例としては、メタクリロキシグリシジルエーテルやアクリロキシグリシジルエーテル等の、(メタ)アクリル基とエポキシ基とを有する化合物;オキセタンアクリレートやオキセタンメタクリレート等の、(メタ)アクリル基とオキセタン基とを有する化合物;ラクトンアクリレートやラクトンメタクリレート等の、(メタ)アクリル基とラクトン基とを有する化合物;ビニルオキサゾリンやイソプロペニルオキサゾリン等の、ビニル基とオキサゾリン基とを有する化合物;イソシアナトメチルアクリレート、イソシアナトメチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリレートおよび2−イソシアナトエチルメタクリレート等の、(メタ)アクリル基とイソシアネート基とを有する化合物のオリゴマー等が挙げられる。また、メタクリル酸無水物、アクリル酸無水物、無水マレイン酸およびビニル無水マレイン酸等の、ビニル基やビニレン基と酸無水物とを有する化合物等が挙げられる。中でも、メタクリロキシグリシジルエーテル、アクリロキシグリシジルエーテル、イソシアナトメチルアクリレート、イソシアナトメチルメタクリレート、ビニルオキサゾリン、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートおよび前記のオリゴマーが好ましく、イソシアナトメチルアクリレート、2−イソシアナトエチルアクリレートおよび前記のオリゴマーが特に好ましい。
【0085】
具体的には、下記式(Y)で表される化合物が好ましい。
【0086】
【0087】
[式(Y)中、
nは1〜10までの整数を表わし、R1’は、炭素数2〜20の2価の脂肪族または脂環式炭化水素基、或いは炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基を表わす。各繰返し単位にある2つのR2’は、一方が−NH−であり、他方が>N−C(=O)−R3’で示される基である。R3’は、水酸基または炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
式(Y)中のR3’のうち、少なくとも1つのR3’は炭素−炭素不飽和結合を有する基である。]
【0088】
前記式(Y)で表される反応性添加剤の中でも、下記式(YY)で表される化合物(以下、化合物(YY)という場合がある。)が特に好ましい(なお、nは前記と同じ意味である)。
【0089】
【0090】
化合物(YY)には、市販品をそのまま又は必要に応じて精製して用いることができる。市販品としては、例えば、Laromer(登録商標)LR−9000(BASF社製)が挙げられる。
【0091】
偏光子形成用組成物が反応性添加剤を含有する場合、反応性添加剤の含有量は、重合性液晶100質量部に対して、通常0.01〜10質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部である。
【0092】
<配向膜>
本発明において配向膜は、高分子化合物からなる膜であり、重合性液晶を所望の方向に液晶配向させる、配向規制力を有するものである。
【0093】
配向膜は、重合性液晶の液晶配向を容易にする。水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向、傾斜配向等の液晶配向の状態は、配向膜および重合性液晶の性質によって変化し、その組み合わせは任意に選択することができる。例えば、配向膜が配向規制力として水平配向を発現させる材料であれば、重合性液晶は水平配向またはハイブリッド配向を形成することができ、垂直配向を発現させる材料であれば、重合性液晶は垂直配向または傾斜配向を形成することができる。水平、垂直等の表現は、偏光子平面を基準とした場合の、配向した重合性液晶の長軸の方向を表す。水平配向とは、偏光子平面に対して平行な方向に、配向した重合性液晶の長軸を有する配向である。ここでいう「平行」とは、偏光子平面に対して0°±20°の角度を意味する。垂直配向とは、偏光子平面に対して垂直な方向に、配向した重合性液晶の長軸を有することである。ここでいう垂直とは、偏光子平面に対して90°±20°のことを意味する。
【0094】
配向規制力は、配向膜が配向性ポリマーから形成されている場合は、表面状態やラビング条件によって任意に調整することが可能であり、光配向性ポリマーから形成されている場合は、偏光照射条件等によって任意に調整することが可能である。また、重合性液晶の、表面張力や液晶性等の物性を選択することにより、液晶配向を制御することもできる。
【0095】
拡散防止層と偏光子との間に形成される配向膜としては、配向膜上に偏光子を形成する際に使用される溶剤に不溶であり、また、溶剤の除去や液晶の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーからなる配向膜、光配向膜およびグルブ(groove)配向膜等が挙げられ、好ましくは光配向膜である。
【0096】
配向膜の厚さは、通常10nm〜500nmの範囲であり、好ましくは10nm〜200nmの範囲であり、より好ましくは30〜100nmである。
【0097】
配向性ポリマーとしては、分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミドおよびその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸エステル類等が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。これらの配向性ポリマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0098】
配向性ポリマーからなる配向膜は、通常、配向性ポリマーが溶剤に溶解した組成物(以下、「配向性ポリマー組成物」ともいう。)を拡散防止層に塗布し、溶剤を除去する、または、配向性ポリマー組成物を拡散防止層に塗布し、溶剤を除去し、ラビングすること(ラビング法)で得られる。
【0099】
前記溶剤としては、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートおよび乳酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサンおよびヘプタン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル等のニトリル溶剤;テトラヒドロフランおよびジメトキシエタン等のエーテル溶剤;クロロホルムおよびクロロベンゼン等の塩素置換炭化水素溶剤;等が挙げられる。これら溶剤は、単独でもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0100】
配向性ポリマー組成物中の配向性ポリマーの濃度は、配向性ポリマーが溶剤に完溶できる範囲であればよいが、溶液に対して固形分換算で0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
【0101】
配向性ポリマー組成物として、市販の配向膜材料をそのまま使用してもよい。市販の配向膜材料としては、サンエバー(登録商標)(日産化学工業株式会社製)またはオプトマー(登録商標)(JSR株式会社製)等が挙げられる。
【0102】
配向性ポリマー組成物を拡散防止層に塗布する方法としては、スピンコーティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法およびアプリケータ法等の塗布方法や、フレキソ法等の印刷法等の公知の方法が挙げられる。偏光板を、Roll−to−Roll形式の連続的製造方法により製造する場合、当該塗布方法には通常、グラビアコーティング法、ダイコーティング法またはフレキソ法等の印刷法が採用される。
【0103】
配向性ポリマー組成物に含まれる溶剤を除去することにより、配向性ポリマーの乾燥被膜が形成される。溶剤の除去方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥法および減圧乾燥法等が挙げられる。
【0104】
ラビングする方法としては、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールに、配向性ポリマー組成物を拡散防止層に塗布しアニールすることで拡散防止層表面に形成された配向性ポリマーの膜を、接触させる方法が挙げられる。
【0105】
光配向膜は、通常、光反応性基を有するポリマーまたはモノマーおよび溶剤を含む組成物(以下、「光配向膜形成用組成物」ともいう)を拡散防止層に塗布し、偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することで得られる。光配向膜は、照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御できる点でより好ましい。
【0106】
光反応性基とは、光を照射することにより液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光を照射することで生じる分子の配向誘起または異性化反応、二量化反応、光架橋反応、または光分解反応のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じるものである。当該光反応性基の中でも、二量化反応または光架橋反応を起こすものが、配向性に優れる点で好ましい。以上のような反応を生じうる光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合を有するものが好ましく、炭素−炭素二重結合(C=C結合)、炭素−窒素二重結合(C=N結合)、窒素−窒素二重結合(N=N結合)、および炭素−酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基がより好ましい。
【0107】
C=C結合を有する光反応性基としては例えば、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基およびシンナモイル基等が挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基および芳香族ヒドラゾン等の構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基およびホルマザン基等や、アゾキシベンゼンを基本構造とするものが挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基およびマレイミド基等が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基およびハロゲン化アルキル基等の置換基を有していてもよい。
【0108】
光配向膜形成用組成物の溶剤としては、光反応性基を有するポリマーおよびモノマーを溶解するものが好ましく、該溶剤としては、例えば、前記の配向性ポリマー組成物の溶剤として挙げられた溶剤等が挙げられる。
【0109】
光配向膜形成用組成物に対する、光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの含有量は、当該光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの種類や製造しようとする光配向膜の厚さによって適宜調節できるが、0.2質量%以上とすることが好ましく、0.3〜10質量%の範囲が特に好ましい。また、光配向膜の特性が著しく損なわれない範囲で、ポリビニルアルコールやポリイミド等の高分子材料や光増感剤が含まれていてもよい。
【0110】
光配向膜形成用組成物を拡散防止層に塗布する方法としては、配向性ポリマー組成物を拡散防止層に塗布する方法と同様の方法が挙げられる。塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去する方法としては、例えば、配向性ポリマー組成物から溶剤を除去する方法と同じ方法が挙げられる。
【0111】
偏光を照射するには、拡散防止層等の上に塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去したものに直接、偏光を照射する形式でも、拡散防止層側から偏光を照射し、偏光を透過させて照射する形式でもよい。また、当該偏光は、実質的に平行光であることが特に好ましい。照射する偏光の波長は、光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの光反応性基が、光エネルギーを吸収し得る波長領域のものがよい。具体的には、波長250〜400nmの範囲のUV(紫外光)が特に好ましい。当該偏光照射に用いる光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArF等の紫外光レーザー等が挙げられ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプがより好ましい。これらのランプは、波長313nmの紫外光の発光強度が大きいため好ましい。前記光源からの光を、適当な偏光子を通過して照射することにより、偏光を照射することができる。かかる偏光子としては、偏光フィルターやグラントムソン、グランテーラー等の偏光プリズムやワイヤーグリッドタイプの偏光子を用いることができる。
【0112】
なお、ラビングまたは偏光照射を行う時に、マスキングを行えば、液晶配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を形成することもできる。
【0113】
グルブ(groove)配向膜は、膜表面に凹凸パターンまたは複数のグルブ(溝)を有する膜である。等間隔に並んだ複数の直線状のグルブを有する膜に液晶分子を置いた場合、その溝に沿った方向に液晶分子が配向する。
【0114】
グルブ配向膜を得る方法としては、感光性ポリイミド膜表面にパターン形状のスリットを有する露光用マスクを介して露光後、現像およびリンス処理を行って凹凸パターンを形成する方法、表面に溝を有する板状の原盤に、硬化前のUV硬化性樹脂の層を形成し、樹脂層を拡散防止層へ移してから硬化する方法、および、拡散防止層上に形成した硬化前のUV硬化性樹脂の膜に、複数の溝を有するロール状の原盤を押し当てて凹凸を形成し、その後硬化する方法等が挙げられる。具体的には、特開平6−34976号公報および、特開2011−242743号公報記載の方法等が挙げられる。
【0115】
配向乱れの小さな配向を得るためには、グルブ配向膜の凸部の幅は0.05μm〜5μmであることが好ましく、凹部の幅は0.1μm〜5μmであることが好ましく、凹凸の段差の深さは2μm以下であることが好ましく、0.01μm〜1μm以下であることが好ましい。
【0116】
<拡散防止層AおよびB>
偏光板は、前記偏光子の一方の側に拡散防止層(拡散防止層A)を、他方の側に別の拡散防止層(拡散防止層B)をそれぞれ有する。偏光板においては、好ましくは、拡散防止層AまたはBが前記偏光子と接触しており、より好ましくは、拡散防止層AおよびBの両方が前記偏光子と接触している。拡散防止層AおよびBは、偏光子からの二色性色素の移動を抑制することができる層であり、その結果、偏光子の偏光性能の経時的な低下を抑えることができる。また、拡散防止層AおよびBはともに厚さが20μm以下であるので、偏光板の薄肉化を達成することができる。偏光板が拡散防止層AおよびBを有することにより、偏光板を他の部材(被着体)に積層する場合に、他の部材が形状に段差(凹凸)を有していても、偏光子の膜厚変動を小さくすることができるため、膜内での均一な偏光性能を得ることができる。本明細書において、被着体とは、偏光板が基材から転写される場合の転写される部材、および偏光板が転写されることなく積層される場合の積層される部材を意味する。このような部材の例としては、前面板、位相差フィルムなど、偏光板が適用される部材が挙げられる。
さらに、拡散防止層AおよびBは、偏光子の収縮および膨張防止、ならびに温度、湿度および紫外線等による偏光子の劣化防止に寄与することが好ましい。
【0117】
拡散防止層AおよびBを構成する材料としては、耐溶剤性、透明性、機械的強度、熱安定性、遮蔽性、および等方性等に優れるものが好ましい。少なくとも、偏光板としての使用に耐えうる透明性と、二色性色素の移動を抑制する拡散防止能とを有していればよい。
【0118】
二色性色素の移動(拡散)を防ぐ機能を有する拡散防止層AおよびBは、二色性色素との相溶性が低い材料から構成されるのが好ましい。そのような材料としては、光硬化性樹脂および水溶性ポリマーが挙げられる。光硬化性樹脂は高度に重合しているため二色性色素の拡散を妨げることができ、水溶性ポリマーは二色性色素と極性が大きく異なるため二色性色素の拡散を妨げることができる。
【0119】
拡散防止層AおよびBからなる群から選ばれる少なくとも1つは、具体的には、ポリアクリルアミド系ポリマー;ポリビニルアルコール、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体、(メタ)アクリル酸またはその無水物−ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系ポリマー;カルボキシビニル系ポリマー;ポリビニルピロリドン;デンプン類;アルギン酸ナトリウム;またはポリエチレンオキシド系ポリマー等の水溶性ポリマーを含むことが好ましい。また、拡散防止層AおよびBからなる群から選ばれる少なくとも1つは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、もしくはシリコーン系等の光硬化性樹脂を含むことが好ましい。
中でも、偏光子中の二色性色素を遮蔽する機能により優れる観点から、拡散防止層AおよびBからなる群から選ばれる少なくとも1つが水溶性ポリマーを含むことが好ましく、一方の拡散防止層が水溶性ポリマーを含み、他方の拡散防止層が光硬化性樹脂を含むことが好ましい。拡散防止層Aを構成する材料と拡散防止層Bを構成する材料とは同一であっても異なっていてもよい。また、拡散防止層Aおよび拡散防止層Bは、同一であっても異なっていてもよい。本明細書において、単に「拡散防止層」と記載することがあるが、これは拡散防止層が拡散防止層Aおよび拡散防止層Bのどちらであってもよいことを意味する。
【0120】
拡散防止層AおよびBにおける、上記ポリマーの含有量は、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上である。また、拡散防止層AおよびBは上記ポリマーを単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
【0121】
拡散防止層AおよびBのガラス転移温度は、25℃(室温)を超えることが好ましく、40℃以上であることが好ましい。また、拡散防止層AまたはBを構成するポリマーのガラス転移温度は、25℃(室温)以上であることが好ましく、40℃以上であることが好ましい。すなわち、拡散防止層AおよびBは室温において硬化した層であることが好ましい。このような層であれば、二色性色素の拡散防止層AおよびBへの拡散を防止でき、偏光板の光学性能の経時的な低下をより小さくすることができる。
【0122】
また、拡散防止層AおよびBにおける、分子量1000以下の低分子の含有量は、1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。このような層であれば、二色性色素の拡散防止層AおよびBへの拡散を防止でき、偏光板の光学性能の経時的な低下をより小さくすることができる。
【0123】
拡散防止層AおよびBはそれぞれ、被着体への良好な接着性を示し、偏光板を所望の領域に接着することができ、偏光板の積層に用いられる層であることが好ましい。このような拡散防止層AおよびBによれば、偏光板を被着体に直接積層することができるため、得られる積層体の薄型化が達成できる。被着体へ接着性を示す、拡散防止層を構成するポリマーとしては、ビニルアルコール系ポリマーと、エポキシ系架橋剤、アミド系架橋剤およびアクリル系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1つの架橋剤との混合組成物が挙げられる。
【0124】
拡散防止層AおよびBの厚さはそれぞれ、20μm以下であり、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。また、拡散防止層AおよびBの厚さはそれぞれ、0.05μm以上であるのが好ましい。拡散防止層AおよびBのうち、少なくとも一つの厚さが、特に拡散防止層のAおよびBの厚さそれぞれが、上記の範囲であることが好ましいが、さらに好ましい範囲は0.05μm〜5μmであり、より好ましくは0.05μm〜3μm、さらに好ましくは0.5μm〜3μmである。特に、拡散防止層AまたはBの、偏光子とは反対側の面に粘着剤層を有する場合は、拡散防止層AまたはBのうち、少なくとも一つの厚さが、特に拡散防止層のAおよびBの厚さそれぞれが、好ましくは0.5μm〜20μmであり、より好ましくは、0.5〜10μmであり、さらに好ましくは0.5〜5μmであり、特に好ましくは0.5μm〜3μmである。この場合は、拡散防止層が0.5μm以上の厚さを有することで二色性色素の粘着剤層への移動を十分に抑制することができる。拡散防止層の、偏光子とは反対側の面に粘着剤層が形成されない場合は、拡散防止層が0.05μm〜3μmの厚さを有することで二色性色素の粘着剤層への移動を十分に抑制することができる。
拡散防止層Aの厚さと拡散防止層Bの厚さとは同一であっても異なっていてもよい。なお、拡散防止層AおよびBは、それぞれ単層であってもよいが、複数の層で構成されていてもよい。
【0125】
拡散防止層AおよびBは、その偏光子とは反対側の面に表面処理層を有していてもよい。表面処理層としては、例えば、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、アンチグレア層および拡散層等の光学層などが挙げられる。
【0126】
ハードコート層は、偏光板表面の傷つき防止等を目的とするものであり、例えばアクリル系、シリコーン系等の紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を拡散防止層の表面に付加する方式等にて形成することができる。反射防止層は偏光板表面での外光の反射防止を目的とするものであり、従来に準じた反射防止膜等の形成により達成することができる。また、スティッキング防止層はこれが接する層との密着防止を目的とするものである。
【0127】
また、アンチグレア層は偏光板の表面で外光が反射して、偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的とするものであり、例えば、サンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式等の方式により、拡散防止層の表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成のために含有される微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性を有し得る無機系微粒子、架橋または未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子等の透明微粒子が挙げられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の含有量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100質量部に対して、通常2〜50質量部であり、5〜25質量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角等を拡大するための拡散層(視角拡大機能等)を兼ねるものであってもよい。
【0128】
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、拡散防止層そのものに設けて一体化させることができるほか、別途光学層として拡散防止層とは別体のものとして設けることもできる。
【0129】
拡散防止層AおよびBは、通常、各拡散防止層を構成する材料の溶液(以下、「拡散防止層組成物」ともいう。)を基材、配向膜、偏光子、前面板など、適宜の部材に塗布し、硬化させることで得られる。
拡散防止層組成物が、拡散防止層を構成する材料が溶剤に溶解した組成物である場合、当該溶剤を除去することで拡散防止層を構成する材料を硬化させてもよく、当該溶剤を除去した後にさらに化学反応を経て硬化させてもよい。
拡散防止層組成物は、上記部材上に塗布して硬化させてもよいし、上記部材上に塗布した後、これにさらに別の部材を積層して硬化させてもよい。
【0130】
前記溶剤としては、拡散防止層を構成する材料を溶解するものであればよく、例えば、前記の配向性ポリマー組成物の溶剤として挙げられた溶剤が挙げられる。
【0131】
拡散防止層組成物中の、拡散防止層を構成する材料の濃度は、固形分換算で0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
【0132】
拡散防止層組成物を基材に塗布する方法、および、溶剤を除去(乾燥)する方法としては、上記配向性ポリマー組成物で記載の方法と同様の方法が挙げられる。
【0133】
前記拡散防止層は、前記列挙した材料から適切に選定することで、二色性色素の移行を防ぐために偏光子に設ける以外に、活性エネルギー線硬化型の樹脂を含む層の何れかに用いることもできる。拡散防止層は、例えば、液晶重合性化合物からなる位相差層の少なくとも一側面に形成してもよい。この場合、拡散防止層は耐衝撃、或いは、屈曲によるクラックを防ぐための機能を果し得る。
【0134】
<偏光板の製造方法>
偏光板は、例えば特開2017−83843号公報記載の方法で製造することができる。偏光板は、所定形状に裁断された枚葉状の部材を互いに貼り合わせて製造されてもよいし、長尺状の部材を互いに貼り合わせて製造されてもよい。
【0135】
<粘着剤層>
偏光板は、前記拡散防止層の、偏光子側とは反対側に粘着剤層を有していてもよい。粘着剤層は粘着剤から形成される。粘着剤層により、偏光板は被着体への接着性は良好になり、所望の領域に偏光子由来の偏光機能を容易に付与することができる。
【0136】
粘着剤は、通常、ポリマーを含み、さらに溶剤を含んでもよい。前記ポリマーとしては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、またはポリエーテル等を挙げることができる。中でも、アクリル系ポリマーを含むアクリル系の粘着剤は、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性および凝集力を有し、接着性に優れ、さらには耐候性および耐熱性等が高く、加熱や加湿の条件下で浮きおよび剥がれ等が生じにくい。
【0137】
前記アクリル系ポリマーとしては、エステル部分のアルキル基がメチル基、エチル基またはブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基である(メタ)アクリレート(以下、アクリレート、メタクリレートを総称して(メタ)アクリレート、アクリル酸とメタクリル酸とを総称して(メタ)アクリル酸ということがある。)と、(メタ)アクリル酸やヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーとの重合体が好ましい。
【0138】
このような共重合体を含む粘着剤は、粘着性に優れており、また、表示装置に貼合した後に、取り除く際も、表示装置に糊残り等を生じさせることなく、比較的容易に取り除くことが可能である。当該アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、25℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。このようなアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、10万以上であることが好ましい。
【0139】
前記溶剤としては、例えば、前記の配向性ポリマー組成物の溶剤として挙げられた溶剤等が挙げられる。
【0140】
前記粘着剤は、25℃における貯蔵弾性率が1×10Pa(1MPa)以下であることが好ましく、5×10Pa(0.5MPa)以下であることがより好ましく、3×10Pa(0.3MPa)以下であることがさらに好ましい。貯蔵弾性率が1×10Pa(1MPa)以下であると、折り曲げにより気泡が発生しにくくなったり、表示ムラが生じにくくなったりするので好ましい。また貯蔵弾性率は、1×10Pa(0.01MPa)以上であることが好ましく、2×10Pa(0.02MPa)以上であることがより好ましく、3×10Pa(0.03MPa)以上であることがさらに好ましい。貯蔵弾性率が1×10Pa(0.01MPa)以上であると、製造作業時に他の部品に粘着剤が付着しにくい傾向にあるので好ましい。また粘着剤の80℃における貯蔵弾性率は、5×10Pa(0.5MPa)以下が好ましく、3×10Pa(0.3MPa)以下がより好ましく、1×10Pa(0.1MPa)以下がさらに好ましく、5×10Pa(0.05MPa)以下が特に好ましく、3×10Pa(0.03MPa)以下が殊更好ましい。80℃における貯蔵弾性率が、5×10Pa(0.5MPa)以下であると加熱作業における流動性が良好なため気泡の発生等が抑制される傾向にあるので好ましい。
【0141】
拡散防止層における偏光子側とは反対側に形成される粘着剤層の内、前面板と偏光板との間に配置される粘着剤層を形成する粘着剤の25℃における貯蔵弾性率は、0.6MPa以下である。この貯蔵弾性率は、0.5MPa以下であることがより好ましく、0.1MPa以下であることがより好ましく、0.01MPa以上であることが好ましい。前面板と偏光板とが、上記貯蔵弾性率を示す粘着剤により積層されることで、前面板付き偏光板を屈曲させたときに拡散防止層や位相差フィルムに生じる応力を緩和することができる。前面板付き偏光板の屈曲性が向上しやすい。なお、粘着剤の25℃における貯蔵弾性率は、後述の実施例に記載された方法により測定される。
【0142】
また、粘着剤は、光拡散剤を含有してもよい。光拡散剤は、粘着剤に光拡散性を付与するためのものであり、粘着剤が含む前記ポリマーと異なる屈折率を有する微粒子であればよく、光拡散剤としては、無機化合物からなる微粒子および有機化合物(ポリマー)からなる微粒子が挙げられる。前記アクリル系ポリマーを含めて、粘着剤が有効成分として含むポリマーの多くは、1.4程度の屈折率を有するため、光拡散剤としては、その屈折率が1〜2程度のものから適宜選択すればよい。粘着剤が有効成分として含むポリマーと光拡散剤との屈折率差は、通常、0.01以上であり、また表示装置の明るさと表示性の観点からは、0.01以上0.5以下とするのが好適である。光拡散剤として用いる微粒子は、球形のもの、それも単分散に近いものが好ましく、たとえば、平均粒径が2〜6μm程度の範囲にある微粒子が好適に用いられる。
【0143】
屈折率は、一般的な最小偏角法またはアッベ屈折計によって測定される。
【0144】
無機化合物からなる微粒子としては、酸化アルミニウム(屈折率1.76)および酸化ケイ素(屈折率1.45)等を挙げることができる。
【0145】
有機化合物(ポリマー)からなる微粒子としては、たとえば、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリメタクリル酸メチルビーズ(屈折率1.49)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂ビーズ(屈折率1.50〜1.59)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.55)、ポリエチレンビーズ(屈折率1.53)、ポリスチレンビーズ(屈折率1.6)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.46)、およびシリコーン樹脂ビーズ(屈折率1.46)等を挙げることができる。
【0146】
光拡散剤の配合量は、粘着剤から形成される粘着剤層に必要とされるヘイズ値や、それが適用される表示装置の明るさ等を考慮して適宜決められるが、通常、前記ポリマーの含有量100質量部に対して、3〜30質量部である。
【0147】
光拡散剤が分散された粘着剤から形成される粘着剤層のヘイズ値は、偏光板が適用された表示装置の明るさを確保するとともに、表示像のにじみやボケを生じにくくする観点から、20〜80%の範囲となるようにするのが好ましい。ヘイズ値は、(拡散透過率/全光線透過率)×100(%)で表される値であり、JIS K 7105に準じて測定される。
【0148】
粘着剤から形成される粘着剤層の厚さは、その密着力等に応じて決定されるものであり特に制限されないが、通常、1〜40μmである。加工性や耐久性等の点から、当該厚さは5〜25μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。粘着剤から形成される粘着剤層の厚さを5〜15μm程度とすることにより、被着体と偏光子とを十分に接着し、且つ、ディスプレイ全体の薄型化を達成することができる。
【0149】
<前面板>
偏光板は、拡散防止層の、偏光子側とは反対側に配置される前面板を備える。前面板は、粘着剤層または拡散防止層を介して偏光板に積層されることができる。
【0150】
前面板は、液晶セル等の画像表示素子の反りを抑制したり、画像表示素子を保護したりする役割を担うものであり、例えば透光性の(好ましくは光学的に透明な)板状体である。前面板は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
【0151】
前面板は、最終製品において最外面に配置されることから、屋外または半屋外で使用される場合においても十分な耐久性を示すことが求められる。さらに、前面板は屈曲に対する耐久性も求められている。このような観点から、前面板は、引張弾性率が2GPa以上の高分子フィルムから構成されることが好ましい。前面板は、フレキシブルディスプレイ用途としては樹脂フィルムを含むことが好適であり、樹脂フィルムは、中でもポリカーボネート樹脂(引張弾性率2〜3GPa)、アクリル樹脂(引張弾性率3〜4GPa)、ポリイミド樹脂(引張弾性率3〜5GPa)、ポリアミド樹脂(引張弾性率3〜8GPa)、ポリアミドイミド樹脂(引張弾性率3〜13GPa)ポリエーテルサルフォン樹脂(引張弾性率2〜3GPa)から構成されるのが特に好ましい。
ディスプレイの薄型化、軽量化及びフレキシブル化にという観点からは、アクリル系樹脂、及び樹脂に耐擦傷性を付与した積層フィルムや、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミド及びシリカを含むハイブリッドフィルムのような有機材料と無機材料の複合材料が好ましい。
特に、フレキシブルデバイスの表示部材又は前面板としては、屈曲性、視認性の観点から、ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子及びシリカを含有するハイブリッドフィルムがより好ましい。
【0152】
前面板と偏光板との一体化は、これらを、必要に応じて粘着剤層を介して、貼合することによって実現できる。粘着剤層は、前述のものを用いることができる。偏光板が粘着剤層を含む場合、前面板と偏光板との界面における反射や光の散乱を無くし、視認性を向上させるために、粘着剤の屈折率が前面板の屈折率に近いかまたはこれと同じであることが好ましく、また、光学的に透明であることが好ましい。また、粘着剤層は粘弾性、例えば25℃貯蔵弾性率、tanδ、応力緩和率等を適切に調整することもできる。
【0153】
本発明の前面板付き偏光板は、液晶セル等の画像表示素子の反りを抑制することがで、また画像表示素子の傷つきを防止することができる。さらに、本発明の前面板付き偏光板は、前面板がフレキシブル形態(高分子フィルム)である場合には、Roll−to−Rollによる連続製造ができる点でもより好ましい。
【0154】
前面板の一実施様態として図4を用いて、詳細を説明する。好ましい前面板の一実施形態としては、ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子を含有する樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの少なくとも一方の面に機能層が設けられた積層フィルムである。
【0155】
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム40に含まれる樹脂は、ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子であってもよい。ポリイミド系高分子は、例えば、ジアミン類とテトラカルボン酸二無水物とを出発原料として、重縮合によって得られる縮合型ポリイミドである。ポリイミドとして、樹脂フィルム形成のために用いられる溶媒に可溶なものを選択することができる。例えば 特開2016−93992に記載のものがあげられる。また、ポリアミドやポリアミドイミドも好適に使用することができる。ポリアミドは、例えば、特開2011−12255号公報に記載されたものがあげられる。ポリアミドイミドは、例えば、WO2018/135431や特表2014−528490号公報に記載されたものがあげられる。
【0156】
樹脂フィルム40は、無機粒子等の無機材料を更に含有していてもよい。無機材料は、ケイ素原子を含むケイ素材料が好ましい。樹脂フィルム40がケイ素材料等の無機材料含有することで、樹脂フィルム40の引張弾性率を容易に4.0GPa以上とすることができる。ただし、樹脂フィルム40の引張弾性率を制御する方法は、無機材料の配合に限られない。
【0157】
ケイ素原子を含むケイ素材料としては、シリカ粒子、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)等の4級アルコキシシラン、シルセスキオキサン誘導体等のケイ素化合物が挙げられる。これらのケイ素材料の中でも、樹脂フィルム40の透明性及び屈曲性の観点から、シリカ粒子が好ましい。
【0158】
シリカ粒子の平均一次粒子径は、通常、100nm以下である。シリカ粒子の平均一次粒子径が100nm以下であると透明性が向上する傾向がある。
【0159】
樹脂フィルム中のシリカ粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察で求めることができる。シリカ粒子の一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)による定方向径とすることができる。平均一次粒子径は、TEM観察により一次粒子径を10点測定し、それらの平均値として求めることができる。樹脂フィルムを形成する前のシリカ粒子の粒子分布は、市販のレーザー回折式粒度分布計により求めることができる。
【0160】
樹脂フィルム40において、ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子と無機材料との配合比は、両者の合を10として、質量比で、1:9〜10:0であることが好ましく、3:7〜10:0であることがより好ましく、3:7〜8:2であることがさらに好ましく、3:7〜7:3であることがよりさらに好ましい。ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子及び無機材料の合計質量に対する無機材料の割合は、通常20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上であり、通常90質量%以下であり、好ましくは70質量%以下である。ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子と無機材料(ケイ素材料)との配合比が上記の範囲内であると、樹脂フィルムの透明性及び機械的強度が向上する傾向がある。また、樹脂フィルム40の引張弾性率を容易に4.0GPa以上とすることができる。
【0161】
樹脂フィルム40は、透明性及び屈曲性を著しく損なわない範囲で、ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子及び無機材料以外の成分を更に含有していてもよい。ポリイミド系高分子、ポリアミド系高分子、無機材料以外の成分としては、例えば、酸化防止剤、離型剤、安定剤、ブルーイング剤等の着色剤、難燃剤、滑剤、増粘剤及びレベリング剤が挙げられる。ポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子及び無機材料以外の成分の割合は、樹脂フィルム40の質量に対して、0%を超えて20質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0%を超えて10質量%以下である。
【0162】
樹脂フィルム40がポリイミド系高分子またはポリアミド系高分子及びケイ素材料を含有するとき、少なくとも一方の主面40aにおける、窒素原子に対するケイ素原子の原子数比であるSi/Nが8以上であることが好ましい。この原子数比Si/Nは、X線光電子分光(X−ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)によって、主面10aの組成を評価し、これによって得られたケイ素原子の存在量と窒素原子の存在量から算出される値である。
【0163】
樹脂フィルム40の主面40aにおけるSi/Nが8以上であることにより、後述する機能層50との充分な密着性が得られる。密着性の観点から、Si/Nは、9以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましく、50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましい。
【0164】
樹脂フィルム40の厚さは、前面板(4)が適用されるフレキシブルデバイスに応じて適宜調整されるが、通常10〜500μmであり、15〜200μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましく、30〜100μmであることがさらに好ましい。樹脂フィルム40の厚さは、ことさら好ましくは、40〜100μmであり、最も好ましくは40〜90μmであり、30〜70μmである。このような構成の樹脂フィルム40は、特に優れた屈曲性、及び実用上十分な強度を有する。
【0165】
次に、本実施形態の樹脂フィルム40の製造方法の一例を説明する。樹脂フィルムの製造に使用されるポリイミド系高分子ワニスは、公知のポリイミド系高分子の合成手法で重合された溶媒可溶なポリイミド系高分子を溶媒に溶解して調製される。溶媒は、ポリイミド系高分子を溶解する溶媒であればよく、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、γ−ブチロラクトン(GBL)、及びそれらの混合溶媒が挙げられる。
【0166】
無機材料を含有する樹脂フィルムを製造する場合、ポリイミド系高分子ワニスに、無機材料を添加し、公知の撹拌法により撹拌及び混合して、ケイ素材料が均一に分散された分散液を調製する。紫外線吸収剤を配合する場合は、この分散液に紫外線吸収剤を加えることができる。
【0167】
ポリイミド系高分子ワニス又は分散液は、無機粒子(シリカ粒子等)同士の結合に寄与するアルコキシシランなどの金属アルコキシドを含んでいてもよい。このような化合物を含む分散液を用いることで、樹脂フィルムの透明性等の光学特性を維持しながら、無機粒子の配合割合を大きくすることができる。この化合物は、好ましくは、アミノ基を有するアルコキシシランである。このような化合物と無機粒子との組み合わせは、高い弾性率を達成するとともに、屈曲試験において樹脂フィルムが破損するまでの屈曲回数を増大さることにも寄与できる。
【0168】
ポリイミド系高分子ワニス又は分散液は、さらに水を含んでいてもよい。水の含有量は、ポリイミド系高分子ワニス又は分散液の質量に対して、通常、0.1〜10質量%である。水の使用も、高い弾性率を達成するとともに、屈曲試験において樹脂フィルムが破断するまでの屈曲回数を増大させることに寄与できる。
【0169】
ポリイミド系高分子又は分散液は、添加剤を更に含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、離型剤、安定剤、ブルーイング剤等の着色剤、難燃剤、滑剤、増粘剤及びレベリング剤が挙げられる。
【0170】
樹脂フィルムは、適宜の公知の方法で製造することができる。製造方法の例としては、次の方法が挙げられる。上記のポリイミド系高分子ワニス又は分散液を、例えば、公知のロール・ツー・ロールやバッチ方式により基材に塗布して塗膜を形成する。その塗膜を乾燥して、フィルムを形成する。その後、基材からフィルムを剥離することによって、樹脂フィルム10が得られる。基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、ステンレス鋼(SUS)ベルト又はガラス基材が挙げられる。
【0171】
塗膜の乾燥、及び/又はベーキングのために、塗膜を加熱してもよい。塗膜の加熱温度は、通常50〜350℃である。塗膜の加熱は、不活性雰囲気下又は減圧下で行ってもよい。塗膜を加熱することにより溶媒を蒸発させ、除去することができる。樹脂フィルムは、塗膜を50〜150℃で乾燥する工程と、乾燥後の塗膜を180〜350℃でベーキングする工程とを含む方法により、形成されてもよい。
【0172】
樹脂フィルムの少なくとも一方の主面には、表面処理を施してもよい。表面処理は、好ましくはUVオゾン処理である。UVオゾン処理により、Si/Nを容易に8以上とすることができる。ただし、Si/Nを8以上とする方法は、UVオゾン処理に限られない。
樹脂フィルム10の主面10a及び/又は10bには、後述する機能層との密着性を向上するために、プラズマ処理又はコロナ放電処理のような表面処理が施されていてもよい。
【0173】
UVオゾン処理は、200nm以下の波長を含む公知の紫外光源を用いて行うことができる。紫外光源の例として、低圧水銀ランプが挙げられる。紫外光源としては、紫外光源を備えた各種市販装置を用いてもよい。市販装置としては、例えば、テクノビジョン社製の紫外線(UV)オゾン洗浄装置UV−208が挙げられる。
【0174】
樹脂フィルム40の引張弾性率は、25℃において、例えば4.0GPa以上であり、好ましくは5GPs以上であり、より好ましくは5GPa超であり、また10GPa以下であることが好ましく、8GPa以下であることがより好ましい。引張弾性率がこれら数値範囲内にあることにより、表面の硬度向上の点に加え、屈曲回復性の点でも優れた効果が得られる。
【0175】
樹脂フィルム40を向かい合う樹脂フィルム間の距離が3mm(半径1.5R)になるまでU字型に折り曲げて戻すことを繰り返す屈曲試験において、当該樹脂フィルム40が破断するまで樹脂フィルム10を折り曲げる回数が、好ましくは100000回を超える。屈曲試験において「樹脂フィルムが破断する」とは、樹脂フィルムが部分的に又は全体的に破断する、すなわち厚み方向の全体にわたって分断された部分が生じることを意味する。屈曲回数が100000回に達した時点で樹脂フィルムが破断しない場合、樹脂フィルムが破断するまでの屈曲回数は、100000回を超えるとみなされる。本発明者らの知見によれば、100000回の屈曲回数までの屈曲試験に基づいて、樹脂フィルムによる表面の硬度向上に対する寄与を評価することができる。屈曲試験の詳細については、後述の実施例において説明される。
【0176】
樹脂フィルム40の黄色度(YI値)は、フレキシブルデバイスの視認性等の観点から、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。樹脂フィルム40の黄色度は、通常0.5以上であり、1以上であってもよい。
(機能層)
前面板(4)は、樹脂フィルム40と、樹脂フィルム40の少なくとも一方の主面40aに積層された機能層50とから構成されることができる。
【0177】
機能層50は、紫外線吸収、表面に高硬度を発現する機能、色相調整及び屈折率調整からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する層であることが好ましい。
【0178】
機能層50としての、紫外線吸収の機能を有する層(紫外線吸収層)は、例えば、紫外線硬化型の透明樹脂、電子線硬化型の透明樹脂及び熱硬化型の透明樹脂から選ばれる主材と、この主材に分散した紫外線吸収剤とから構成される。機能層50として紫外線吸収層を設けることにより、光照射による黄色度の変化を容易に抑制することができる。
【0179】
紫外線吸収層の主材としての紫外線硬化型、電子線硬化型、又は熱硬化型の透明樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0180】
紫外線吸収層は、400nm以下の波長の光(例えば波長313nmの光)を95%以上吸収する層であってもよい。言い換えると、紫外線吸収層は、400nm以下の波長の光(例えば波長313nmの光)の透過率が5%未満である層であってもよい。紫外線吸収層は、このような透過率が得られる濃度の紫外線吸収剤を含むことができる。光照射による前面板の黄色度の増大を抑制する観点から、紫外線吸収層(機能層50)における紫外線吸収剤の含有量の割合は、紫外線吸収層の質量を基準として、通常1質量%以上であり、3質量%以上であることが好ましく、通常10質量%以下であり、8質量%以下であることが好ましい。
【0181】
機能層50としての、表面に高硬度を発現する機能層(ハードコート層)は、例えば、樹脂フィルムの表面の鉛筆硬度よりも高い鉛筆硬度を有する表面を積層体に与える層である。このハードコート層は、特に限定されないが、ポリ(メタ)アクリレート類に代表される、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型のラジカル硬化組成物またはカチオン硬化組成物を含む。ハードコート層は、光重合開始剤、有機溶媒を含んでもよい。ラジカル硬化組成物としては、ポリ(メタ)アクリレート類は、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート及び他の多官能ポリ(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の(メタ)アクリレート類から形成されるポリ(メタ)アクリレートであることが好ましい。カチオン硬化組成物としてはエポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等のカチオン重合性基を有する化合物を含む。分子中に2つ以上のカチオン重合性基を有する多官能化合物を含むことが好ましい。ハードコート層は、上記成分の他に、シリカ、アルミナ、ポリオルガノシロキサン等の無機酸化物を含んでもよい。表面に高硬度を発現する機能層(ハードコート層)の鉛筆硬度は2H以上が好ましく、さらに好ましくは3H以上であることが好ましい。
【0182】
機能層50としての、色相調整の機能を有する層(色相調整層)は、前面板(4)を目的の色相に調整することができる層である。色相調整層は、例えば、樹脂及び着色剤を含有する層であってもよい。着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、弁柄、チタニウムオキサイド系焼成顔料、群青、アルミン酸コバルト及びカーボンブラック等の無機顔料;アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、アンスラキノン系化合物、ペリレン系化合物、イソインドリノン系化合物、フタロシアニン系化合物、キノフタロン系化合物、スレン系化合物及びジケトピロロピロール系化合物等の有機顔料;硫酸バリウム及び炭酸カルシウム等の体質顔料;塩基性染料、酸性染料及び媒染染料等の染料を挙げることができる。
【0183】
機能層50としての、屈折率調整の機能を有する層(屈折率調整層)は、樹脂フィルム40とは異なる屈折率を有し、積層体に所定の屈折率を付与することができる層である。
屈折率調整層は、例えば、適宜選択された樹脂、場合によりさらに顔料を含有する樹脂層であってもよいし、金属の薄膜であってもよい。
【0184】
屈折率を調整する顔料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化ジルコニウム及び酸化タンタル等が挙げられる。顔料の平均粒子径は、0.1μm以下であることが好ましい。顔料の平均粒子径を0.1μm以下とすることにより、屈折率調整層を透過する光の乱反射を防止し、透明度の低下を防止することができる。
【0185】
屈折率調整層に用いられる金属としては、例えば、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ケイ素、酸化インジウム、酸窒化チタン、窒化チタン、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素等の金属酸化物又は金属窒化物等が挙げられる。
【0186】
機能層50は、前面板(4)の用途に応じて、上記の機能を適宜有する。機能層50は、単層であっても、複数の層であってもよい。各層が1つの機能又は2つ以上の機能を有していてもよい。
【0187】
機能層50は、表面に高硬度を発現する機能及び紫外線吸収の機能を有することが好ましい。この場合の機能層50は、「表面に高硬度を発現する機能及び紫外線吸収の機能を有する単層」、「表面に高硬度を発現する機能と紫外線吸収の機能を有する層とを含む多層」、又は、「表面に高硬度を発現する機能及び紫外線吸収の機能を有する単層と高硬度を発現する層とを含む多層」を含むことが好ましい。
【0188】
機能層50の厚さは、前面板(4)が適用されるフレキシブルデバイスに応じて適宜調整されるが、1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜80μmであることがより好ましい。さらには、1μm〜30μmであることが好ましく、1μm〜20μmであることがより好ましい。機能層50は、典型的には、樹脂フィルム40よりも薄い。
【0189】
前面板(4)は、樹脂フィルム40の主面40a上に機能層50を形成することにより得ることができる。機能層50は、公知のロール・ツー・ロールやバッチ方式により、形成することができる。
【0190】
機能層50としての紫外線吸収層は、例えば、樹脂フィルム10の主面40aに、紫外線吸収剤と、紫外線吸収剤が分散される樹脂などの主材とを含む分散液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥及び硬化させることにより形成することができる。
【0191】
機能層50としてのハードコート層は、例えば、樹脂フィルム40の主面40aに、ハードコート層を形成する樹脂を含む溶液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥及び硬化させることにより形成することができる。
【0192】
機能層50としての色相調整層は、例えば、樹脂フィルム40の主面40aに、色相調整層を形成する顔料等と、顔料等が分散される樹脂などの主材とを含む分散液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥及び硬化させることにより形成することができる。
【0193】
機能層50としての屈折率調整層は、例えば、樹脂フィルム40の主面40aに、屈折率調整層を形成する無機粒子等と、無機粒子等が分散される樹脂等の主材とを含む分散液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥及び硬化させることにより形成することができる。
【0194】
機能層50としての、表面に高硬度を発現する機能及び紫外線吸収の機能を有する単層は、樹脂フィルム40の主面40aに、紫外線吸収剤と、紫外線吸収剤が分散される樹脂等の主材と、ハードコート層を形成する樹脂とを含む分散液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥及び硬化させることにより形成することができる。主材となる樹脂とハードコート層を形成する樹脂とは、同じであってもよい。
【0195】
表面に高硬度を発現する機能と紫外線吸収の機能を有する層とを含む多層の機能層は、次の方法で形成することができる。
樹脂フィルム40の主面40aに、紫外線吸収剤と、紫外線吸収剤が分散される樹脂などの主材とを含む分散液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥及び硬化させることにより紫外線吸収層を形成する。次いで、その紫外線吸収層に、ハードコート層を形成する樹脂を含む溶液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥及び硬化させることによりハードコート層を形成してもよい。この方法により、表面に高硬度を発現する機能を有する層と紫外線吸収の機能を有する層とを含む多層の機能層が形成される。
【0196】
表面に高硬度を発現する機能及び紫外線吸収の機能を有する単層と高硬度を発現する層とを含む多層の機能層は、次の方法で形成することができる。
樹脂フィルム40の主面40aに、紫外線吸収剤と、紫外線吸収剤が分散される樹脂などの主材と、ハードコート層を形成する樹脂とを含む分散液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥及び硬化させて、表面に高硬度を発現する機能及び紫外線吸収の機能を有する単層を形成し、さらに、その単層上に、ハードコート層を形成する樹脂を含む溶液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥及び硬化させることにより、ハードコート層を形成してもよい。この方法により、表面に高硬度を発現する機能及び紫外線吸収の機能を有する層と表面に高硬度を発現する機能を有する層とを含む多層の機能層が形成される。
【0197】
このようにして得られる本実施形態の前面板(4)は、屈曲性に優れ前面板に適用する場合に要求される透明性、耐紫外線特性、及び表面に高硬度を発現する機能等の機能性を有することができる。前面板(4)は、樹脂フィルム40の主面40aにおけるSi/Nが8以上である場合、樹脂フィルム40と機能層50との密着性も優れている。さらに、機能層50が表面に高硬度を発現する機能を有する層(ハードコート層)である場合、機能層50が高い表面硬度を有することができる。
【0198】
図5も、前面板の一実施形態を示す断面図である。図5に示す前面板(4)は、図4の前面板と同様の樹脂フィルム40及び機能層50に加えて、樹脂フィルム40と機能層40との間に設けられたプライマー層45を更に有している。プライマー層45は、樹脂フィルム40の一方の主面40aに積層されている。機能層50は、プライマー層45の樹脂フィルム40と接する主面とは反対側の主面45aに積層されている。
【0199】
プライマー層45は、プライマー剤から形成された層であり、樹脂フィルム40及び機能層50との密着性を高めることのできる材料を含んでいることが好ましい。プライマー層45に含まれる化合物が、樹脂フィルム40に含まれるポリイミド系高分子又はケイ素材料等と、界面において化学結合していてもよい。
【0200】
プライマー剤として、例えば、紫外線硬化型、熱硬化型又は2液硬化型のエポキシ系化合物のプライマー剤が挙げられる。プライマー剤は、ポリアミック酸であってもよい。これらのプライマー剤は、樹脂フィルム40及び機能層50との密着性を高めるために好適である。
【0201】
プライマー剤は、シランカップリング剤を含んでいてもよい。シランカップリング剤は、縮合反応により樹脂フィルム40に含まれるケイ素材料と化学結合してもよい。シランカップリング剤は、特に樹脂フィルム40に含まれるケイ素材料の配合比が高い場合に好適に用いることができる。
【0202】
シランカップリング剤としては、ケイ素原子と、該ケイ素原子に共有結合した1〜3個のアルコキシ基とを有するアルコキシシリル基を有する化合物が挙げられる。ケイ素原子にアルコキシ基が2個以上共有結合している構造を含む化合物が好ましく、ケイ素原子にアルコキシ基が3個共有結合している構造を含む化合物がより好ましい。上記アルコキシ基として、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等が挙げられる。なかでも、メトキシ基及びエトキシ基がケイ素材料との反応性を高めることができるため好ましい。
【0203】
シランカップリング剤は、樹脂フィルム40及び機能層50との親和性の高い置換基を有することが好ましい。樹脂フィルム40に含まれるポリイミド系高分子との親和性の観点から、シランカップリング剤の置換基は、エポキシ基、アミノ基、ウレイド基又はイソシアネート基であることが好ましい。機能層50が(メタ)アクリレート類を含む場合、プライマー層45に用いるシランカップリング剤が、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基又はスチリル基を有していると、親和性が高まるので好ましい。これらのなかでも、メタクリル基、アクリル基及びアミノ基から選ばれる置換基を有するシランカップリング剤は、樹脂フィルム40及び機能層50との親和性に優れる傾向を示すため好ましい。
【0204】
プライマー層45の厚さは、機能層50に応じて適宜調整されるが、0.01nm〜20μmであることが好ましい。エポキシ系化合物のプライマー剤を用いる場合には、プライマー層45の厚さは0.01μm〜20μmであることが好ましく、0.1μm〜10μmであることがより好ましい。シランカップリング剤を用いる場合には、プライマー層45の厚さは0.1nm〜1μmであることが好ましく、0.5nm〜0.1μmであることがより好ましい。
【0205】
図5の前面板(4)は、例えば、樹脂フィルム40の主面40aに、プライマー剤を溶解した溶液を塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を乾燥及び硬化してプライマー層を形成することを含む方法により、製造することができる。その他の部材の形成方法は、図4の前面板(4)と同様である。プライマー層45は、機能層50と同時に硬化させてもよいし、機能層50を形成する前に別途硬化させてもよい。
【0206】
上記前面板は、高い透明性を有するとともに、屈曲時に優れた視認性を維持することができる。また、この前面板は、優れた屈曲性も有することができる。また、樹脂フィルムと機能層との間に、プライマー層が設けられている場合、樹脂フィルムと機能層の密着性が高くなる。前面板は、フレキシブルデバイスの光学部材若しくは表示部材の基材、又は前面板に適用する場合に要求される透明性、耐紫外線特性及び表面硬度等の機能性を有することができる。
【0207】
前面板の構成は、適宜変形が可能である。例えば、図6の前面板(4)のように、樹脂フィルムの両側に機能層をそれぞれ設けることができる。この場合、それぞれの機能層と樹脂フィルムとの間に、プライマー層を設けてもよい。
【0208】
<位相差フィルム>
偏光板は、偏光子における前面板側とは反対側に位相差フィルムを備えることができる。偏光板は、図2に示すように、拡散防止層(B)の偏光子側とは反対側に位相差フィルム(5)を備えてもよい。また、偏光板が粘着剤層を備える場合には、偏光板は、粘着剤層の拡散防止層側とは反対側に位相差フィルムを備えてもよい。偏光板は、前面板および位相差フィルムの両方を備えていてもよい。上記前面板付き偏光板は、拡散防止層の偏光子側とは反対側に位相差フィルムを備えていてもよい。
【0209】
位相差フィルムは、波長λnmの光に対する複屈折率Δn(λ)が、下記式(1−1)、(2−1)および下記式(3)で表される位相差性を示すλ/4位相差板を含むことが好ましい。
Δn(450)/Δn(550)≦1.00 (1−1)
1.00≦Δn(650)/Δn(550) (2−1)
120nm≦Re(550)≦180nm (3)
【0210】
Δn(450)、Δn(550)、Δn(650)はそれぞれ波長450nm、550nm、650nmにおける複屈折を表す。
【0211】
複屈折率Δn(λ)は、面内リタデーションを測定して、位相差フィルムの厚さで除することで得られる。具体的な測定方法は実施例に示すが、この際、ガラス基材のように基材自体にリタデーションが無いような基材上に製膜したものを測定することで、実質的な位相差フィルムの特性を測定することができる。すなわち、位相差フィルムは、好ましくは下記式(1)、(2)および上記式(3)で表される位相差性を示す位相差フィルムである。
Re(450)/Re(550)≦1.00 (1)
1.00≦Re(650)/Re(550) (2)
【0212】
Re(450)、Re(550)、Re(650)はそれぞれ波長450nm、550nm、650nmにおける面内リタデーションを表す。
前記位相差フィルムは単層でも多層フィルムでもよい。位相差フィルムが多層フィルムである場合、各フィルムは前述の粘着剤、または後述の接着剤で張り合わせることができる。また、各フィルムを形成する組成物を塗工するなどの方法で、各フィルムを直接形成することもできる。
【0213】
[接着剤]
接着剤としては、水系接着剤、有機溶剤系、無溶剤系接着剤、固体接着剤、溶剤揮散型接着剤、湿気硬化型接着剤、加熱硬化型接着剤、嫌気硬化型、活性エネルギー線硬化型接着剤、硬化剤混合型接着剤、熱溶融型接着剤、感圧型接着剤(粘着剤)、再湿型接着剤等汎用に使用されているものが使用できる。中でも水系溶剤揮散型接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤、粘着剤がよく用いられる。接着剤層の厚さは、求められる接着力等に応じて適宜調節することができ、0.01μm〜500μm、好ましくは0.1μm〜300μmであり、前記フレキシブル画像表示装置用積層体には複数存在するがそれぞれの厚み種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0214】
前記水系溶剤揮散型接着剤としてはポリビニルアルコール系ポリマー、でんぷん等の水溶性ポリマー、エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、スチレン−ブタジエン系エマルジョン等水分散状態のポリマーを主剤ポリマーとして使用することができる。水、前記主剤ポリマーに加えて、架橋剤、シラン系化合物、イオン性化合物、架橋触媒、酸化防止剤、染料、顔料、無機フィラー、有機溶剤等を配合しても良い。前記水系溶剤揮散型接着剤によって接着する場合、前記水系溶剤揮散型接着剤を被接着層間に注入して被着層を貼合した後、乾燥させることで接着性を付与することができる。前記水系溶剤揮散型接着剤を用いる場合の接着層の厚さは0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μmであってもよい。前記前記水系溶剤揮散型接着剤を複数層用いる場合には、それぞれの層の厚み種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0215】
前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、活性エネルギー線を照射して接着剤層を形成する反応性材料を含む活性エネルギー線硬化組成物の硬化により形成することができる。前記活性エネルギー線硬化組成物は、ハードコート組成物と同様のラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも1種の重合物を含有することができる。前記ラジカル重合性化合物とは、ハードコート組成物と同様であり、ハードコート組成物と同様の種類のものが使用できる。接着層に用いられるラジカル重合性化合物としてはアクリロイル基を有する化合物が好ましい。接着剤組成物としての粘度を下げるために単官能の化合物を含むことも好ましい。
【0216】
前記カチオン重合性化合物は、ハードコート組成物と同様であり、ハードコート組成物と同様の種類のものが使用できる。活性エネルギー線硬化組成物に用いられるカチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物が特に好ましい。接着剤組成物としての粘度を下げるために単官能の化合物を反応性希釈剤として含むことも好ましい。
【0217】
活性エネルギー線組成物には重合開始剤をさらに含むことができる。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等であり、適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、活性エネルギー線照射及び加熱の少なくとも一種により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。ハードコート組成物の記載の中で活性エネルギー線照射によりラジカル重合またはカチオン重合の内の少なくともいずれか開始することができる開始剤を使用することができる。
【0218】
前記活性エネルギー線硬化組成物はさらに、イオン捕捉剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、密着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動粘度調整剤、可塑剤、消泡剤溶剤、添加剤、溶剤を含むことができる。前記活性エネルギー線硬化型接着剤によって接着する場合、前記活性エネルギー線硬化組成物を被接着層のいずれかまたは両方に塗布後貼合し、いずれかの被着層または両方の被着層を通して活性エネルギー線を照射して硬化させることで接着することができる。前記活性エネルギー線硬化型接着剤を用いる場合の接着層の厚さは0.01〜20μm、好ましくは0.1〜10μmであってもよい。前記活性エネルギー線硬化型接着剤を複数層用いる場合には、それぞれの層の厚み種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0219】
前記粘着剤としては、主剤ポリマーに応じて、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等に分類され何れを使用することもできる。粘着剤には主剤ポリマーに加えて、架橋剤、シラン系化合物、イオン性化合物、架橋触媒、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤、染料、顔料、無機フィラー等を配合してもよい。前記粘着剤を構成する各成分を溶剤に溶解・分散させて粘着剤組成物を得て、該粘着剤組成物を基材上に塗布した後に乾燥させることで、粘着剤層接着層が形成される。粘着層は直接形成されてもよいし、別途基材に形成したものを転写することもできる。接着前の粘着面をカバーするためには離型フィルムを使用することも好ましい。前記活性エネルギー線硬化型接着剤を用いる場合の接着層の厚さは0.1〜500μm、好ましくは1〜300μmであってもよい。前記粘着剤を複数層用いる場合には、それぞれの層の厚み種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0220】
また、位相差フィルムは、上述のλ/4位相差板を含むことが好ましい。前記λ/4位相差板は、入射光の進行方向に直交する方向(フィルムの面内方向)にλ/4の位相差を与えるフィルムである。偏光板は、偏光子の吸収軸とλ/4位相差板の遅相軸とのなす角度が45°±10°となるように、偏光子と位相差フィルムを配置することが好ましい。このような軸角度とすることで、偏光板は円偏光板として機能し得る。
【0221】
前記λ/4位相差板は、セルロース系フィルム、オレフィン系フィルム、ポリカーボネート系フィルム等の高分子フィルムを延伸することで製造される延伸型位相差板であってもよい。必要により位相差調整剤、可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、顔料や染料のような着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤等を含んでいてもよい。前記延伸型位相差板の厚さは、200μm以下であってもよく、好ましくは、1μm〜100μmである。厚さが200μmを超えると柔軟性が低下することがある。
【0222】
さらに前記λ/4位相差板の他の一例としては、液晶組成物を塗布して形成する液晶塗布型位相差板であってもよい。前記液晶組成物は、ネマチック、コレステリック、スメクチック等の液晶状態を示す性質を有する液晶性化合物を含む。液晶組成物の中の液晶性化合物を含むいずれかの化合物は重合性官能基を有している。前記液晶塗布型位相差板はさらに開始剤、溶剤、分散剤、レベリング剤、安定剤、界面活性剤、架橋剤、シランカップリング剤などを含むことができる。前記液晶塗布型位相差板は、前記液晶偏光層での記載と同様に配向膜上に液晶組成物を塗布硬化して液晶位相差層を形成することで製造することができる。液晶塗布型位相差板は、延伸型位相差板に比べて厚さを薄く形成することができる。液晶塗布型位相差板の厚さは0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmであってもよい。前記液晶塗布型位相差板は基材から剥離して転写して積層することもできるし、前記基材をそのまま積層することもできる。前記基材が、保護フィルムや位相差板、前面板の透明基材としての役割を担うことも好ましい。
【0223】
一般的には、短波長ほど複屈折が大きく長波長になるほど小さな複屈折を示す材料が多い。この場合には全可視光領域でλ/4の位相差を達成することはできないので、視感度の高い560nm付近で位相差値がλ/4となるような面内位相差100〜180nm、好ましくは130〜150nmとなるように設計されることが多い。通常とは逆の複屈折率波長分散特性を有する材料を用いた逆分散λ/4位相差板を用いることは視認性をよくすることができるので好ましい。このような材料としては延伸型位相差板の場合は特開2007‐232873号公報等、液晶塗布型位相差板の場合には特開2010‐30979号公報記載されているものを用いることも好ましい。
【0224】
また、他の方法としてはλ/2位相差板と組み合わせることで広帯域λ/4位相差板を得る技術も知られている(特開平10−90521号公報)。λ/2位相差板もλ/4位相差板と同様の材料方法で製造される。延伸型位相差板と液晶塗布型位相差板の組み合わせは任意であるが、どちらも液晶塗布型位相差板を用いることは膜厚を薄くすることができるので好ましい。
【0225】
偏光板には斜め方向の視認性を高めるために、正のCプレートを積層する方法も知られている(特開2014‐224837号公報)。正のCプレートも液晶塗布型位相差板であっても延伸型位相差板であってもよい。厚み方向の位相差は−200〜−20nm好ましくは−140〜−40nmである。
【0226】
[タッチセンサ]
タッチセンサは、前面板と偏光板の間、または、位相差フィルムの偏光板とは反対側など、光学特性やタッチパネルの機能を維持するのに適した位置に配置することができる。
タッチセンサ電極からの反射光を抑制する観点から、タッチセンサは位相差フィルムにおける偏光板側とは反対側に配置されることが好ましいが、これに限定されるものではない。前面板付き偏光板は、図3に示すように、位相差フィルム(5)の偏光板とは反対側にタッチセンサ(6)を備えてもよい。また、位相差フィルムとタッチセンサとは、粘着剤層を介して積層されることができる。
【0227】
タッチセンサは入力手段として用いられる。タッチセンサとしては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等様々な様式が提案されており、いずれの方式でも構わない。中でも静電容量方式が好ましい。静電容量方式タッチセンサは活性領域及び前記活性領域の外郭部に位置する非活性領域に区分される。活性領域は表示パネルで画面が表示される領域(表示部)に対応する領域であって、使用者のタッチが感知される領域であり、非活性領域は表示装置で画面が表示されない領域(非表示部)に対応する領域である。タッチセンサはフレキシブルな特性を有する基板と;前記基板の活性領域に形成された感知パターンと;前記基板の非活性領域に形成され、前記感知パターンとパッド部を介して外部の駆動回路と接続するための各センシングラインを含むことができる。フレキシブルな特性を有する基板としては、前記前面板の樹脂フィルムと同様の材料が使用できる。タッチセンサの基板は、靱性が2,000MPa%以上のものがタッチセンサのクラック抑制の面から好ましい。より好ましくは靱性が2,000MPa%〜30,000MPa%であってもよい。
【0228】
前記感知パターンは、第1方向に形成された第1パターン及び第2方向に形成された第2パターンを備えることができる。第1パターンと第2パターンは互いに異なる方向に配置される。第1パターン及び第2パターンは、同一層に形成され、タッチされる地点を感知するためには、それぞれのパターンが電気的に接続されなければならない。第1パターンは各単位パターンが継ぎ手を介して互いに接続された形態であるが、第2パターンは各単位パターンがアイランド形態に互いに分離された構造になっているので、第2パターンを電気的に接続するためには別途のブリッジ電極が必要である。感知パターンは周知の透明電極素材を適用することができる。例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(IZTO)、カドミウムスズ酸化物(CTO)、PEDOT(poly(3,4―ethylenedioxythiophene))、炭素ナノチューブ(CNT)、グラフェン、金属ワイヤなどを挙げることができ、これらは単独または2種以上混合して使用することができる。好ましくはITOを使用することができる。金属ワイヤに使用される金属は特に限定されず、例えば、銀、金、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、テレニウム、クロムなどを挙げることができる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
【0229】
ブリッジ電極は感知パターン上部に絶縁層を介して前記絶縁層上部に形成することができ、基板上にブリッジ電極が形成されており、その上に絶縁層及び感知パターンを形成することができる。前記ブリッジ電極は感知パターンと同じ素材で形成することもでき、モリブデン、銀、アルミニウム、銅、パラジウム、金、白金、亜鉛、スズ、チタンまたはこれらのうちの2種以上の合金などの金属で形成することもできる。第1パターンと第2パターンは電気的に絶縁されなければならないので、感知パターンとブリッジ電極の間には絶縁層が形成される。絶縁層は第1パターンの継ぎ手とブリッジ電極の間にのみ形成することもでき、感知パターンを覆う層の構造に形成することもできる。後者の場合は、ブリッジ電極は絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して第2パターンを接続することができる。前記タッチセンサはパターンが形成されたパターン領域と 、パターンが形成されていない非パターン領域間の透過率の差、具体的には、これらの領域における屈折率の差によって誘発される光透過率の差を適切に補償するための手段として基板と電極の間に光学調節層をさらに含むことができ、前記光学調節層は無機絶縁物質または有機絶縁物質を含むことができる。光学調節層は光硬化性有機バインダー及び溶剤を含む光硬化組成物を基板上にコーティングして形成することができる。前記光硬化組成物は無機粒子をさらに含むことができる。前記無機粒子によって光学調節層の屈折率が上昇することができる。
前記光硬化性有機バインダーは、例えば、アクリレート系単量体、スチレン系単量体、カルボン酸系単量体などの各単量体の共重合体を含むことができる。前記光硬化性有機バインダーは、例えば、エポキシ基含有繰り返し単位、アクリレート繰り返し単位、カルボン酸繰り返し単位などの互いに異なる各繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。
前記無機粒子は、例えば、ジルコニア粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子などを含むことができる。 前記光硬化組成物は、光重合開始剤、重合性モノマー、硬化補助剤などの各添加剤をさらに含むこともできる。
【0230】
前面板付き偏光板は、さまざまな表示装置に用いることができる。表示装置とは、表示素子を有する装置であり、発光源として発光素子または発光装置を含む。表示装置としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、タッチパネル表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FED)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置)および圧電セラミックディスプレイ等が挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置および投写型液晶表示装置等のいずれをも含む。これらの表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。
特に前面板付き偏光板および楕円偏光板は、液晶表示装置、および有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に有効に用いることができる。
【0231】
[フレキシブル画像表示装置]
また、前面板付き偏光板は、屈曲性に優れることから、フレキシブル画像表示装置用積層体として好ましく用いることができる。フレキシブル画像表示装置は、フレキシブル画像表示装置用積層体と、有機EL表示パネルとからなるものを例示することができる。有機EL表示装置の場合、有機EL表示パネルに対して視認側にフレキシブル画像表示装置用積層体が配置され、折り曲げ可能に構成されている。また、フレキシブル画像表示装置用積層体は、前記前面板、偏光板、タッチセンサのいずれかの層の少なくとも一面に形成された遮光パターンを具備することができる。
【0232】
(遮光パターン)
前記遮光パターンは前記フレキシブル画像表示装置のベゼルまたはハウジングの少なくとも一部として適用することができる。遮光パターンによって前記フレキシブル画像表示装置の辺縁部に配置される配線が隠されて視認されにくくすることで、画像の視認性が向上する。前記遮光パターンは単層または複層の形態であってもよい。遮光パターンのカラーは特に制限されることはなく、黒色、白色、金属色などの多様なカラーを有する。遮光パターンはカラーを具現するための顔料と、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン、シリコーンなどの高分子で形成することができる。これらの単独または2種類以上の混合物で使用することもできる。前記遮光パターンは、印刷、リソグラフィ、インクジェットなど各種の方法にて形成することができる。遮光パターンの厚さは1μm〜100μmであってもよく、好ましくは2μm〜50μmでる。また、光パターンの厚み方向に傾斜等の形状を付与することも好ましい。
【実施例】
【0233】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されない。実施例において「部」は特記のない限り「質量部」を表す。評価方法は以下のとおりである。
(1)屈曲性試験
各実施例および比較例で得られた前面板付き偏光板に、粘着剤層1を介して、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼合し、前面板付き偏光板/粘着剤層1/PETフィルムからなる積層体を得た。PETフィルムは、表示素子を模したものであり、その厚みは100μmであった。
【0234】
図7は、屈曲性試験の方法を模式的に示す図である。2つのステージ501、502を備えた屈曲装置(Science Town社製、STS−VRT−500)を準備し、ステージ501、502の上に積層体100を載せた(図7a)。2つのステージ501、502の間の距離(ギャップ)Cは3mm(1.5R)に設定した。このステージ501、502は、2つのステージの間(ギャップ)Cを中心に揺動可能であり、初期は2つのステージ501、502は同一平面を構成する。2つのステージ501,502を位置P1及び位置P2を回転軸の中心として上方に90度回転させて2つのステージ501、502を閉じ(図7b)、再びステージ501、502を開く動作を1回の屈曲と定義する。この動作を繰り返し、積層体100へ最初にクラックが生じるまでの屈曲回数を数えた。
【0235】
評価の基準は以下の通りである。
◎(極めて良い):20万回以上
〇(良い):10万回以上20万回未満
△(使用可能):5万回以上10万回未満
×(やや劣る):1万回以上5万回未満
××(劣る):1万回未満
【0236】
前面板を構成する樹脂フィルムに対する屈曲性試験は、図7における2つのステージ501、502の間の距離(ギャップ)Cを3mm(1.5R)にして行った。樹脂フィルムが破断するまで当該樹脂フィルムを折り曲げる回数が100000回を超えるか否かを評価した。
【0237】
(2)引張弾性率
引張弾性率は、JIS K7161に準拠して、UTM(Universal Testing Machine、オートグラフAG−X、株式会社島津製作所)を用いて測定した。延伸条件は、常温(温度23℃)で速度1.5mm/分、幅40mm、標点距離50mmとした。
【0238】
(3)耐熱試験
各実施例および比較例で作製した偏光板を、粘着剤層2を介してガラスに貼合し、偏光板/粘着剤層2/ガラスからなる積層体を得た。この積層体の視感度補正偏光度を、分光光度計(V7100、日本分光株式会社製)を用いて可視光線領域において測定し、耐熱試験前の視感度補正偏光度[%]とした。次いで、この積層体を、温度85℃のオーブンに500時間放置した後、同様に視感度補正偏光度を測定して、耐熱試験後の視感度補正偏光度[%]とした。得られた視感度補正偏光度に基づいて、耐熱試験前後の視感度補正偏光度の変化量の絶対値(|ΔP|)[%]を算出した。
【0239】
評価の基準は以下の通りである。
◎(極めて良い):3%未満
〇(良い):3%以上5%未満
△(使用可能):5%以上7%未満
×(やや劣る):7%以上10%未満
××(劣る):10%以上
【0240】
(4)黄色度
樹脂フィルムの黄色度は、JIS K7373:2006に準拠して日本分光株式会社製の紫外可視近赤外分光光度計V−670によって測定した。樹脂フィルムがない状態でバックグランド測定を行った後、樹脂フィルムをサンプルホルダーにセットして、波長300〜800nmの光に対する透過率測定を行い、3刺激値(X、Y、Z)を求めた。YIを、下記の式に基づいて算出した。
YI=100×(1.2769X−1.0592Z)/Y
【0241】
(5)貯蔵弾性率
温度25℃における貯蔵弾性率は、粘弾性測定装置(MCR−301、Anton Paar社)を使用して測定した。実施例および比較例で用いたものと同じ粘着シートを幅30mm×長さ30mmにして、剥離フィルムを剥がし、厚みが150μmとなるように複数枚積層してガラス板に接合後、測定チップと接着した状態で−20℃から100℃の温度領域で周波数1.0Hz、変形量1%、昇温速度5℃/分の条件下にて測定を行い、温度25℃における貯蔵弾性率の測定値を確認した。
【0242】
以下の材料を準備した。
(1)前面板
(1−1)前面板1:
ポリイミド系高分子からなる樹脂フィルムと、その一方の主面に形成されたハードコート層とからなるフィルム。樹脂フィルムの厚みは50μmであり、ハードコート層の厚みは10μmであった。樹脂フィルムが破断するまでの屈曲回数は、10万回を超えた。樹脂フィルムの黄色度は、1.2であった。
【0243】
(1−2)前面板2:
ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルムと、その一方の主面に形成されたハードコート層とからなるフィルム。樹脂フィルムの厚みは40μmであり、ハードコート層の厚みは10μmであった。樹脂フィルムが破断するまでの屈曲回数は、10万回を超えた。樹脂フィルムの黄色度は、1.6であった。
【0244】
(1−3)前面板3:
トリアセチルセルロースからなる樹脂フィルムと、その一方の主面に形成されたハードコート層とからなるフィルム。樹脂フィルムの厚みは60μmであり、ハードコート層の厚みは10μmであった。樹脂フィルムが破断するまでの屈曲回数は、10万回未満であった。樹脂フィルムの黄色度は、0.6であった。
【0245】
(2)配向膜成用組成物
以下の構造単位からなる光反応性基を有するポリマーを準備した。
このポリマーを濃度5重量%で、シクロペンタノンに溶解した溶液を配向膜形成用組成物として用いた。
【0246】
(3)偏光子形成用組成物
以下の構造で表される化合物(1−1)と化合物(1−2)とを重合性液晶化合物として用いた。化合物(1−1)および化合物(1−2)は、Lub et al.Recl.Trav.Chim.Pays−Bas、115、321−328(1996)記載の方法により合成した。
【0247】
化合物(1−1)
【0248】
化合物(1−2)
【0249】
以下の構造で表される化合物(2−1a)と化合物(2−1b)と化合物(2−3a)とを二色性色素として用いた。
【0250】
化合物(2−1a)
【0251】
化合物(2−1b)
【0252】
化合物(2−3a)
【0253】
偏光子形成用組成物は、化合物(1−1)75重量部、化合物(1−2)25重量部、二色性色素としての上記式(2−1a)、(2−1b)、(2−3a)で示されるアゾ色素各2.5重量部、重合開始剤としての2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(Irgacure369、BASF社)6重量部、およびレベリング剤としてのポリアクリレート化合物(BYK−361N、BYK社)1.2重量部を、溶剤のトルエン400重量部に混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより調製した。
【0254】
(4)λ/4位相差板
以下に示す各成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、λ/4位相差板形成用組成物を得た。
【0255】
下記式で示される化合物:80重量部
【0256】
下記式で示される化合物:20重量部
【0257】
重合開始剤(Irgacure369、BASF社):6重量部
レベリング剤(BYK−361N、ポリアクリレート化合物、BYK社):0.1重量部
溶剤(シクロペンタノン):400重量部
【0258】
基材として厚み100μmのPETフィルム準備した。PETフィルム上に配向膜形成用組成物をバーコート法により塗布し、80℃の乾燥オーブン中で1分間加熱乾燥した。得られた被膜に偏光UV照射処理を施して配向膜(AL2)を形成した。偏光UV処理は、UV照射装置(SPOT CURE SP−7、ウシオ電機株式会社製)を用いて、波長365nmで測定した積算光量が100mJ/cmとなるような条件で行った。また、偏光UVの偏光方向は偏光子の吸収軸に対して45°となるように行った。
【0259】
配向膜(AL2)上に、λ/4位相差板形成用組成物をバーコート法により塗布し、120℃の乾燥オーブンで1分間加熱乾燥した後、室温まで冷却した。得られた被膜に、上記UV照射装置を用いて、積算光量1000mJ/cm(365nm基準)の紫外線を照射することにより、λ/4位相差板を形成した。得られたλ/4位相差板の厚みは、2.0μmであった。
【0260】
(5)正のCプレート
以下に示す各成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、正のCプレート形成用組成物を得た。
【0261】
下記式で示される化合物(LC242、BASF社製):100重量部
【0262】
重合開始剤(Irgacure907、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン、BASF社):2.6重量部
レベリング剤(BYK−361N、ポリアクリレート化合物、BYK社):0.5重量部
添加剤(LR9000、BASF社):5.7重量部
溶剤(プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート):412重量部
【0263】
基材として厚み100μmのPETフィルムを準備した。PETフィルム上に配向膜形成用組成物をバーコート法により塗布し、90℃の乾燥オーブン中で1分間加熱乾燥して、配向膜(AL3)を得た。
【0264】
配向膜上(AL3)上に、正のCプレート形成用組成物をバーコート法により塗布し、90℃の乾燥オーブンで1分間加熱乾燥した。得られた被膜に、窒素雰囲気下で、上記UV照射装置を用いて、積算光量1000mJ/cm(365nm基準)の紫外線を照射することにより、正のCプレートを形成した。得られた正のCプレートの厚さは、3.0μmであった。
【0265】
(6)拡散防止層組成物
(6−1)拡散防止層1組成物
拡散防止層1組成物は、 18官能のアクリル基を有するデンドリマーアクリレート(Miramer SP1106,Miwon社)2.8質量部、6官能のアクリル基を有するウレタンアクリレート(Miramer PU−620D、Miwon社)6.6質量部、光重合開始剤(Irgacure−184、BASF社)0.5質量部、レベリング剤(BYK−3530、BYK社)0.1質量部、およびメチルエチルケトン(MEK)90質量部を混合して調製した。
【0266】
(6−2)拡散防止層2組成物
拡散防止層2組成物は、水100重量部、ポリビニルアルコール樹脂粉末(株式会社クラレ製、平均重合度18000、商品名:KL−318)3重量部、ポリアミドエポキシ樹脂(架橋剤、住化ケムテックス株式会社製、商品名:SR650(30))1.5重量部を混合して調製した。
【0267】
(7)粘着剤層
(重合例1)
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応器に、アセトン81.8部、アクリル酸ブチル98.4部、及びアクリル酸0.6部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換して酸素不含としながら、内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部をアセトン10部に溶かした溶液を全量添加した。重合開始剤を添加した1時間後に、単量体を除くアクリル樹脂の濃度が35%になるよう、添加速度17.3部/hrでアセトンを連続的に反応器に添加しながら、内温54〜56℃で12時間保温し、最後に酢酸エチルを添加して、アクリル樹脂の濃度が20%となるように調節した。このようにして、アクリル樹脂溶液を得た。
【0268】
(重合例2)
単量体の組成を、アクリル酸ブチル98.6部、アクリル酸0.4部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部に変更したこと以外は、重合例1と同様にしてアクリル樹脂溶液を得た。
【0269】
(重合例3)
単量体の組成を、アクリル酸ブチル78.0部、メタクリル酸メチル20部、アクリル酸1.0部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部に変更したこと以外は、重合例1と同様にしてアクリル樹脂溶液を得た。
【0270】
(重合例4)
単量体の組成を、アクリル酸ブチル68.0部、メタクリル酸メチル30部、アクリル酸1.0部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部に変更したこと以外は、重合例1と同様にしてアクリル樹脂溶液を得た。
【0271】
次に、上記のアクリル樹脂溶液を用いて粘着剤、及び粘着シートを製造した。以下の製造例において、イソシアネート系化合物、及びシラン系化合物として以下のものを使用した。
イソシアネート系化合物:コロネートL、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、東ソー株式会社製。
シラン系化合物:KBM−403、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製。
【0272】
(7−1)粘着剤層1
重合例1で得られたアクリル樹脂:100部(不揮発分量)、
コロネートL:0.5部、
KBM−403:0.5部
を混合した。固形分濃度が10%になるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物を得た。
【0273】
得られた粘着剤組成物を離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)の離型処理面に、アプリケータを利用して乾燥後の厚みが25μmになるように塗布した。塗布層を100℃で1分間乾燥して、粘着剤層1を備えるフィルムを得た。その後、粘着剤層上に、離型処理された別のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)を貼合した。その後、温度23℃、相対湿度50%RHの条件で7日間養生させた。
【0274】
(7−2)粘着剤層2
重合例2で得られたアクリル樹脂:100部(不揮発分量)、
コロネートL:0.4部、
KBM−403:0.5部
を混合した。固形分濃度が10%になるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物から、粘着剤層1の作製と同様にして、厚み25μmの粘着剤層2を製作した。
【0275】
(7−3)粘着剤層3
重合例3で得られたアクリル樹脂:100部(不揮発分量)、
コロネートL:3.0部、
KBM−403:0.5部
を混合した。固形分濃度が10%になるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物から、粘着剤層1の作製と同様にして、厚み25μmの粘着剤層3を製作した。
【0276】
(7−4)粘着剤層4
乾燥後の厚みが5μmになるように塗布したこと以外は、粘着剤層3の作製と同様にして、粘着剤層4を製作した。
【0277】
(7−5)粘着剤層5
重合例4で得られたアクリル樹脂:100部(不揮発分量)、
コロネートL:3.0部、
KBM−403:0.5部
を混合した。固形分濃度が10%になるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物から、粘着剤層1の作製と同様にして、厚み25μmの粘着剤層5を製作した。
【0278】
(実施例1)
基材として厚み100μmのPETフィルムを準備した。PETフィルム上に拡散防止層1組成物をバーコート法により塗布し、80℃の乾燥オーブン中で3分間加熱乾燥した。得られた被膜にUV照射装置(SPOT CURE SP−7、ウシオ電機株式会社製)を用いて、露光量500mJ/cm(365nm基準)のUV光を照射して、拡散防止層1を形成した。拡散防止層1の厚みをレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製OLS3000)により測定したところ、2.0μmであった。このようにして拡散防止層1/基材(PET)からなる積層体を得た。
【0279】
(偏光子の作製)
拡散防止層1/基材(PET)からなる積層体の拡散防止層1にコロナ処理を施した。
コロナ処理の条件は、出力0.3kW、処理速度3m/分とした。その後、拡散防止層1上に、配向膜形成用組成物をバーコート法により塗布し、80℃の乾燥オーブン中で1分間加熱乾燥した。得られた被膜に偏光UV照射処理を施して配向膜(AL1)を形成した。偏光UV処理は、UV照射装置(SPOT CURE SP−7;ウシオ電機株式会社製)から照射される光を、ワイヤーグリッド(UIS−27132##、ウシオ電機株式会社製)を透過させて、波長365nmで測定した積算光量が100mJ/cmとなる条件で行った。配向膜(AL1)の厚みは100nmであった。
【0280】
形成した配向膜(AL1)上に、偏光子形成用組成物をバーコート法により塗布し、120℃の乾燥オーブンにて1分間加熱乾燥した後、室温まで冷却した。上記UV照射装置を用いて、積算光量1200mJ/cm(365nm基準)となるように紫外線を被膜に照射することにより、偏光子を形成した。得られた偏光子の厚みは1.8μmであった。
【0281】
形成した偏光子上に、拡散防止層2組成物を、乾燥後の厚みが1.0μmになるようにバーコート法により塗布し、温度80℃で3分間乾燥した。このようにしてPET/拡散防止層1/AL1/偏光子/拡散防止層2からなる偏光板を得た。
【0282】
上記偏光板の拡散防止層2上に、粘着剤層4を積層させた。この粘着剤層4を介して、λ/4位相差板と偏光板とを積層させた。λ/4位相差板から基材であるPETフィルムを剥離し、露出した面に、粘着剤層4を積層させた。この粘着剤層を介して、λ/4位相差板と正のCプレートとを積層させた。正のCプレートから基材であるPETフィルムを剥離した。
【0283】
前面板1に粘着剤層1を積層させた。偏光板から、拡散防止層1上のPETフィルムを剥離し、粘着剤層1を介して、偏光板と前面板1とを積層させた。各層を貼合する際は、貼合面にコロナ処理を施した。このようにして、前面板1/粘着剤層1/拡散防止層1/AL1/偏光子/拡散防止層2/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートからなる前面板付き偏光板を作製した。
【0284】
(実施例2)
実施例1と同様にして、偏光板を作製した。
【0285】
前面板1に粘着剤層1を積層させた。粘着剤層1を介して、偏光板が備える拡散防止層2と前面板1とを積層させた。拡散防止層1上のPETフィルムを剥離し、露出した面に、粘着剤層4を積層させた。この粘着剤層4を介して、λ/4位相差板と偏光板とを積層させた。λ/4位相差板から基材であるPETフィルムを剥離し、露出した面に、粘着剤層4を積層させた。この粘着剤層を介して、λ/4位相差板と正のCプレートとを積層させた。正のCプレートから基材であるPETフィルムを剥離した。このようにして、前面板1/粘着剤層1/拡散防止層2/偏光子/AL1/拡散防止層1/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートからなる前面板付き偏光板を作製した。
【0286】
(実施例3)
拡散防止層1の厚みを15μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして前面板付き偏光板を作製した。この前面板付き偏光板は、前面板1/粘着剤層1/拡散防止層1/AL1/偏光子/拡散防止層2/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートの構成を有していた。
【0287】
(実施例4)
前面板1を前面板2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして前面板付き偏光板を作製した。この前面板付き偏光板は、前面板2/粘着剤層1/拡散防止層1/AL1/偏光子/拡散防止層2/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートの構成を有していた。
【0288】
(実施例5)
前面板1を前面板3に変更したこと以外は、実施例1と同様にして前面板付き偏光板を作製した。この前面板付き偏光板は、前面板3/粘着剤層1/拡散防止層1/AL1/偏光子/拡散防止層2/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートの構成を有していた。
【0289】
(実施例6)
粘着剤層1を粘着剤層2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして前面板付き偏光板を作製した。この前面板付き偏光板は、前面板1/粘着剤層2/拡散防止層1/AL1/偏光子/拡散防止層2/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートの構成を有していた。
【0290】
(実施例7)
粘着剤層1を粘着剤層3に変更したこと以外は、実施例1と同様にして前面板付き偏光板を作製した。この前面板付き偏光板は、前面板1/粘着剤層3/拡散防止層1/AL1/偏光子/拡散防止層2/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートの構成を有していた。
【0291】
(比較例1)
拡散防止層2を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして前面板付き偏光板を作製した。この前面板付き偏光板は、前面板1/粘着剤層1/拡散防止層1/AL1/偏光子/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートの構成を有していた。
【0292】
(比較例2)
拡散防止層2を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様にして前面板付き偏光板を作製した。この前面板付き偏光板は、前面板1/粘着剤層1/偏光子/AL1/拡散防止層1/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートの構成を有していた。
【0293】
(比較例3)
粘着剤層1を粘着剤層5に変更したこと以外は、実施例1と同様にして前面板付き偏光板を作製した。この前面板付き偏光板は、前面板1/粘着剤層5/拡散防止層1/AL1/偏光子/拡散防止層2/粘着剤層4/λ/4位相差板/粘着剤層4/正のCプレートの構成を有していた。
【0294】
各実施例および比較例で作製した前面板付き偏光板に対して、上記評価を行った。その結果を以下の表に示す。
【0295】
【表1】
【0296】
【表2】
【符号の説明】
【0297】
1: 偏光子
2: 拡散防止層A
3: 拡散防止層B
4: 前面板
5: 位相差フィルム
6: タッチセンサ
7: 粘着剤層
20: 偏光板
10〜13: 前面板付き偏光板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7