(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-59847(P2020-59847A)
(43)【公開日】2020年4月16日
(54)【発明の名称】バリアスラリー除去速度の改善
(51)【国際特許分類】
C09K 3/14 20060101AFI20200319BHJP
B82B 1/00 20060101ALI20200319BHJP
C09G 1/02 20060101ALI20200319BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20200319BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20200319BHJP
【FI】
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
B82B1/00ZNM
C09G1/02
H01L21/304 622D
B24B37/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2019-176657(P2019-176657)
(22)【出願日】2019年9月27日
(31)【優先権主張番号】62/738,427
(32)【優先日】2018年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/577,580
(32)【優先日】2019年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【弁理士】
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】ルー ガン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ アレン シュルーター
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
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5F057AA14
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5F057EA31
(57)【要約】
【課題】バリア層及び層間誘電体(ILD)構造又はパターン化誘電体層応用のための化学機械平坦化研磨(CMP)組成物の提供。
【解決手段】研磨材、多塩基酸及びその塩を含む化学添加剤;腐食防止剤;及び水溶性溶媒;及び任意選択的に、第2の速度加速剤;界面活性剤;pH調節剤;酸化剤;及びキレート化剤を含有するCMP組成物。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
≧2.4質量%の研磨材;
≦5質量%の化学添加剤
腐食防止剤;
水溶性溶媒;及び
任意選択的に、
ニトレート塩及びその誘導体;硝酸塩及びその誘導体;塩化物塩及びその誘導体;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の速度加速剤;
非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤;
pH調節剤;
酸化剤;
キレート化剤;
を含むバリア化学機械平坦化研磨組成物であって、
前記化学添加剤が、1つより多くのPkaを有し、0.5〜10のPka1を有する少なくとも1種の多塩基酸又はその塩を含み;
前記水溶性溶媒が、DI水、極性溶媒、及びDI水と極性溶媒の混合物からなる群から選択され、前記極性溶媒が、アルコール、エーテル、ケトン、又は他の極性試薬からなる群から選択され、
前記研磨組成物が、4〜12のpHを有する、バリア化学機械平坦化研磨組成物。
【請求項2】
前記研磨材が、高純度コロイダルシリカ、ナノサイズのコロイダルシリカ、アルミナ、セリア、ゲルマニア、シリカ、チタニア、ジルコニア、格子中のアルミナドープコロイダルシリカ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、10nm〜300nmの平均粒子サイズを有する、請求項1に記載のバリア化学機械平坦化研磨組成物。
【請求項3】
前記化学添加剤が、ホスホノ酢酸、その誘導体及びその塩;ホスホン酸、その誘導体及びその塩;フェニルホスホン酸、その誘導体及びその塩;モリブデン二酸、その誘導体及びその塩;シュウ酸、その誘導体及びその塩;亜硫酸、その誘導体及びその塩;ヒ酸、その誘導体及びその塩;ニトロ安息香酸、その誘導体及びその塩;マロン酸、その誘導体及びその塩;フタル酸、その誘導体及びその塩;ケイ酸、その誘導体及びその塩;炭酸、その誘導体及びその塩;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のバリア化学機械平坦化研磨組成物。
【請求項4】
前記腐食防止剤が、ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミン−1,2,4−トリアゾール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.005質量%〜0.5質量%の量で存在する、請求項1に記載のバリア化学機械平坦化研磨組成物。
【請求項5】
アセチレンジオール界面活性剤、アルコールエトキシレート界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.001質量%〜1.0質量%の量で存在する界面活性剤;
ニトレート塩及びその誘導体;硝酸塩及びその誘導体;塩化物塩及びその誘導体;酢酸塩及びその誘導体;及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.05質量%〜5質量%の範囲の量で用いられる第2の速度加速剤;
(a)研磨組成物のpHを下げる硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、種々の脂肪酸、種々のポリカルボン酸及びこれらの組み合わせ;及び(b)研磨組成物のpHを上げる水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.001質量%〜1質量%の範囲の量で用いられるpH調節剤;
過酸化水素、過ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸鉄(II)、硝酸、硝酸カリウム、アンモニア、アミン化合物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、約0.05質量%〜約5.0質量%の範囲の量で用いられる酸化剤;
有機酸及びその塩;ポリマー酸及びその塩;水溶性コポリマー及びその塩;カルボン酸基;スルホン酸基;リン酸;及びコポリマーの同じ分子中のピリジン酸から選択される少なくとも2種の酸基を含有するコポリマー及びその塩;ポリビニル酸及びその塩;ポリエチレンオキシド;ポリプロピレンオキシド;ピリジン、ピリジン誘導体、ビピリジン、ビピリジン誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.05質量%〜約5質量%の範囲の量で用いられるキレート化剤
のうちの少なくとも1種をさらに含む、請求項1に記載のバリア化学機械平坦化研磨組成物。
【請求項6】
15nm〜200nmの平均粒子サイズを有するシリコン研磨材粒子;マロン酸、亜硫酸カリウム、モリブデン酸カリウム、ケイ酸カリウム、シュウ酸カリウム一水和物、ホスホノ酢酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される0.025質量%〜4質量%の化学添加剤;アセチレンジオール界面活性剤又はアルコールエトキシレート界面活性剤;及び水を含み、6〜11のpHを有する、請求項1に記載のバリア化学機械平坦化研磨組成物。
【請求項7】
25nm〜90nmの平均粒子サイズを有するシリコン研磨材粒子;マロン酸、亜硫酸カリウム、モリブデン酸カリウム、ケイ酸カリウム、シュウ酸カリウム一水和物、ホスホノ酢酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される0.025質量%〜4質量%の化学添加剤;ケイ酸ナトリウム、アンモニウムケイ酸塩、テトラメチルアンモニウムケイ酸塩、テトラブチルアンモニウムケイ酸塩、テトラエチルアンモニウムケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の速度加速剤;アセチレンジオール界面活性剤又はアルコールエトキシレート界面活性剤;及び水を含み、7〜11のpHを有する、請求項1に記載のバリア化学機械平坦化研磨組成物。
【請求項8】
25nm〜90nmの平均粒子サイズを有するシリコン研磨材粒子;マロン酸、亜硫酸カリウム、モリブデン酸カリウム、ケイ酸カリウム、シュウ酸カリウム一水和物、ホスホノ酢酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも2種を有する0.025質量%〜4質量%の化学添加剤;ケイ酸ナトリウム、アンモニウムケイ酸塩、テトラメチルアンモニウムケイ酸塩、テトラブチルアンモニウムケイ酸塩、テトラエチルアンモニウムケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の速度加速剤;アセチレンジオール界面活性剤又はアルコールエトキシレート界面活性剤;及び水を含み、7〜11のpHを有する、請求項1に記載のバリア化学機械平坦化研磨組成物。
【請求項9】
少なくともバリア層及び誘電体層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨方法であって、;
半導体デバイスを与える工程;
研磨パッドを与える工程;
≧2.4質量%の研磨材;
≦5質量%の化学添加剤
腐食防止剤;
水溶性溶媒;及び
任意選択的に、
ニトレート塩及びその誘導体;硝酸塩及びその誘導体;塩化物塩及びその誘導体;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の速度加速剤;
非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤;
pH調節剤;
酸化剤;
キレート化剤;を含む研磨組成物であって、
前記化学添加剤が、0.5〜10のPKa1を有する少なくとも1種の多塩基酸及びその塩を含み;
前記水溶性溶媒が、DI水、極性溶媒、及びDI水と極性溶媒の混合物からなる群から選択され、前記極性溶媒が、アルコール、エーテル、ケトン、又は他の極性試薬からなる群から選択され、
前記組成物が、4〜12のpHを有する、研磨組成物を与える工程;
前記半導体基材の表面を前記研磨パッド及び前記化学機械研磨組成物と接触させる工程;並びに
前記少なくとも1つの表面を研磨する工程;を含み、
前記バリア層が、タンタル、窒化タンタル、タンタルタングステン炭化ケイ素、チタン、窒化チタン、チタン−タングステン、チタンタングステン窒化物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンタル又はチタン含有膜を含み;誘電体層が、酸化物膜、低K材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
【請求項10】
前記研磨材が、高純度コロイダルシリカ、ナノサイズのコロイダルシリカ、アルミナ、セリア、ゲルマニア、シリカ、チタニア、ジルコニア、格子中のアルミナドープコロイダルシリカ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、10nm〜300nmの平均粒子サイズを有する、請求項9に記載の研磨方法。
【請求項11】
前記化学添加剤が、ホスホノ酢酸、その誘導体及びその塩;ホスホン酸、その誘導体及びその塩;フェニルホスホン酸、その誘導体及びその塩;モリブデン二酸、その誘導体及びその塩;シュウ酸、その誘導体及びその塩;亜硫酸、その誘導体及びその塩;ヒ酸、その誘導体及びその塩;ニトロ安息香酸、その誘導体及びその塩;マロン酸、その誘導体及びその塩;フタル酸、その誘導体及びその塩;ケイ酸、その誘導体及びその塩;炭酸、その誘導体及びその塩;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の研磨方法。
【請求項12】
前記腐食防止剤が、ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミン−1,2,4−トリアゾール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.005質量%〜0.5質量%の量で存在する、請求項9に記載の研磨方法。
【請求項13】
前記研磨組成物が、
アセチレンジオール界面活性剤、アルコールエトキシレート界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.001質量%〜1.0質量%の量で存在する界面活性剤;
ニトレート塩及びその誘導体;硝酸塩及びその誘導体;塩化物塩及びその誘導体;酢酸塩及びその誘導体;及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.05質量%〜5質量%の範囲の量で用いられる第2の速度加速剤;
(a)研磨組成物のpHを下げる硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、種々の脂肪酸、種々のポリカルボン酸及びこれらの組み合わせ;及び(b)研磨組成物のpHを上げる水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.001質量%〜1質量%の範囲の量で用いられるpH調節剤;
過酸化水素、過ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸鉄(II)、硝酸、硝酸カリウム、アンモニア、アミン化合物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、約0.05質量%〜約5.0質量%の範囲の量で用いられる酸化剤;
有機酸及びその塩;ポリマー酸及びその塩;水溶性コポリマー及びその塩;カルボン酸基;スルホン酸基;リン酸;及びコポリマーの同じ分子中のピリジン酸から選択される少なくとも2種の酸基を含有するコポリマー及びその塩;ポリビニル酸及びその塩;ポリエチレンオキシド;ポリプロピレンオキシド;ピリジン、ピリジン誘導体、ビピリジン、ビピリジン誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.05質量%〜約5質量%の範囲の量で用いられるキレート化剤
のうちの少なくとも1種をさらに含む、請求項9に記載の研磨方法。
【請求項14】
前記研磨組成物が、15nm〜200nmの平均粒子サイズを有するシリコン研磨材粒子;マロン酸、亜硫酸カリウム、モリブデン酸カリウム、ケイ酸カリウム、シュウ酸カリウム一水和物、ホスホノ酢酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される0.025質量%〜4質量%の化学添加剤;アセチレンジオール界面活性剤又はアルコールエトキシレート界面活性剤;水を含み、6〜11のpHを有し;前記少なくとも1つの表面が、タンタル、窒化タンタル及び二酸化ケイ素を含む、請求項9に記載の研磨方法。
【請求項15】
前記研磨組成物が、25nm〜90nmの平均粒子サイズを有するシリコン研磨材粒子;マロン酸、亜硫酸カリウム、モリブデン酸カリウム、ケイ酸カリウム、シュウ酸カリウム一水和物、ホスホノ酢酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される0.025質量%〜4質量%の化学添加剤;ケイ酸ナトリウム、アンモニウムケイ酸塩、テトラメチルアンモニウムケイ酸塩、テトラブチルアンモニウムケイ酸塩、テトラエチルアンモニウムケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の速度加速剤;アセチレンジオール界面活性剤又はアルコールエトキシレート界面活性剤;水を含み、7〜11のpHを有し;前記少なくとも1つの表面が、タンタル、窒化タンタル及び二酸化ケイ素を含む、請求項9に記載の研磨方法。
【請求項16】
前記組成物が、25nm〜90nmの平均粒子サイズを有するシリコン研磨材粒子;マロン酸、亜硫酸カリウム、モリブデン酸カリウム、ケイ酸カリウム、シュウ酸カリウム一水和物、ホスホノ酢酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも2種を有する0.025質量%〜4質量%の化学添加剤;ケイ酸ナトリウム、アンモニウムケイ酸塩、テトラメチルアンモニウムケイ酸塩、テトラブチルアンモニウムケイ酸塩、テトラエチルアンモニウムケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の速度加速剤;アセチレンジオール界面活性剤又はアルコールエトキシレート界面活性剤;及び水を含み、7〜11のpHを有する、請求項9に記載の研磨方法。
【請求項17】
少なくともバリア層及び誘電体層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイス;
研磨パッド;並びに
≧2.4質量%の研磨材;
0.5〜10のPKa1を有する少なくとも1種の多塩基酸及びその塩を含む≦5質量%の化学添加剤;
腐食防止剤;
水溶性溶媒;及び
任意選択的に、
ニトレート塩及びその誘導体;硝酸塩及びその誘導体;塩化物塩及びその誘導体;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の速度加速剤;
非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤;
pH調節剤;
酸化剤;
キレート化剤;を含む研磨組成物であって、
前記水溶性溶媒が、DI水、極性溶媒、及びDI水と極性溶媒の混合物からなる群から選択され、前記極性溶媒が、アルコール、エーテル、ケトン、又は他の極性試薬からなる群から選択され、
前記研磨組成物が、4〜12のpHを有する、研磨組成物;を含み、
前記バリア層が、タンタル、窒化タンタル、タンタルタングステン炭化ケイ素、チタン、窒化チタン、チタン−タングステン、チタンタングステン窒化物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンタル又はチタン含有膜を含み;前記誘電体層が、酸化物膜、低K材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され;
前記少なくとも1つの表面が、前記研磨パッド及び前記研磨組成物に接している、化学機械平坦化のための装置。
【請求項18】
前記研磨材が、高純度コロイダルシリカ、ナノサイズのコロイダルシリカ、アルミナ、セリア、ゲルマニア、シリカ、チタニア、ジルコニア、格子中のアルミナドープコロイダルシリカ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、10nm〜300nmの平均粒子サイズを有する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記化学添加剤が、ホスホノ酢酸、その誘導体及びその塩;ホスホン酸、その誘導体及びその塩;フェニルホスホン酸、その誘導体及びその塩;モリブデン二酸、その誘導体及びその塩;シュウ酸、その誘導体及びその塩;亜硫酸、その誘導体及びその塩;ヒ酸、その誘導体及びその塩;ニトロ安息香酸、その誘導体及びその塩;マロン酸、その誘導体及びその塩;フタル酸、その誘導体及びその塩;ケイ酸、その誘導体及びその塩;炭酸、その誘導体及びその塩;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記腐食防止剤が、ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミン−1,2,4−トリアゾール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.005質量%〜0.5質量%の量で存在する、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記研磨組成物が、
アセチレンジオール界面活性剤、アルコールエトキシレート界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.001質量%〜1.0質量%の量で存在する界面活性剤;
ニトレート塩及びその誘導体;硝酸塩及びその誘導体;塩化物塩及びその誘導体;酢酸塩及びその誘導体;及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.05質量%〜5質量%の範囲の量で用いられる第2の速度加速剤;
(a)研磨組成物のpHを下げる硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、種々の脂肪酸、種々のポリカルボン酸及びこれらの組み合わせ;及び(b)研磨組成物のpHを上げる水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.001質量%〜1質量%の範囲の量で用いられるpH調節剤;
過酸化水素、過ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸鉄(II)、硝酸、硝酸カリウム、アンモニア、アミン化合物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、約0.05質量%〜約5.0質量%の範囲の量で用いられる酸化剤;
有機酸及びその塩;ポリマー酸及びその塩;水溶性コポリマー及びその塩;カルボン酸基;スルホン酸基;リン酸;及びコポリマーの同じ分子中のピリジン酸から選択される少なくとも2種の酸基を含有するコポリマー及びその塩;ポリビニル酸及びその塩;ポリエチレンオキシド;ポリプロピレンオキシド;ピリジン、ピリジン誘導体、ビピリジン、ビピリジン誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、0.05質量%〜約5質量%の範囲の量で用いられるキレート化剤
のうちの少なくとも1種をさらに含む、請求項17に記載の研磨装置。
【請求項22】
前記研磨組成物が、15nm〜200nmの平均粒子サイズを有するシリコン研磨材粒子;マロン酸、亜硫酸カリウム、モリブデン酸カリウム、ケイ酸カリウム、シュウ酸カリウム一水和物、ホスホノ酢酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される0.025質量%〜4質量%の化学添加剤;アセチレンジオール界面活性剤又はアルコールエトキシレート界面活性剤;水を含み、6〜11のpHを有し;前記少なくとも1つの表面が、タンタル、窒化タンタル及び二酸化ケイ素を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記研磨組成物が、25nm〜90nmの平均粒子サイズを有するシリコン研磨材粒子;マロン酸、亜硫酸カリウム、モリブデン酸カリウム、ケイ酸カリウム、シュウ酸カリウム一水和物、ホスホノ酢酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される0.025質量%〜4質量%の化学添加剤;ケイ酸ナトリウム、アンモニウムケイ酸塩、テトラメチルアンモニウムケイ酸塩、テトラブチルアンモニウムケイ酸塩、テトラエチルアンモニウムケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の速度加速剤;アセチレンジオール界面活性剤又はアルコールエトキシレート界面活性剤;水を含み、7〜11のpHを有し;前記少なくとも1つの表面が、タンタル、窒化タンタル及び二酸化ケイ素を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項24】
前記組成物が、25nm〜90nmの平均粒子サイズを有するシリコン研磨材粒子;マロン酸、亜硫酸カリウム、モリブデン酸カリウム、ケイ酸カリウム、シュウ酸カリウム一水和物、ホスホノ酢酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも2種を有する0.025質量%〜4質量%の化学添加剤;ケイ酸ナトリウム、アンモニウムケイ酸塩、テトラメチルアンモニウムケイ酸塩、テトラブチルアンモニウムケイ酸塩、テトラエチルアンモニウムケイ酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の速度加速剤;アセチレンジオール界面活性剤又はアルコールエトキシレート界面活性剤;及び水を含み、7〜11のpHを有する、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本件は、全体が参照によって本開示に組込まれる2018年9月28日に出願された米国仮出願第62/738,427号の通常の出願である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明は、半導体デバイスの生産において用いられるバリア化学機械平坦化(「CMP」)研磨組成物(又はスラリー)、及び化学機械平坦化を実施するための研磨方法に関する。特に、マルチタイプ膜、例えば金属層、バリア膜、及び下にある層間誘電体(ILD)構造又はパターン化誘電体層で構成されたパターン化半導体ウェハの研磨に適切に用いられるバリア研磨組成物に関する。
【0003】
通常、バリア層はパターン化誘電体層を覆い、金属層はバリア層を覆う。金属層は、パターン化トレンチを、回路相互接続を形成する金属で満たすのに少なくとも十分な厚さを有する。
【0004】
バリアは典型的には金属、金属アロイ、又は金属間化合物であり、例は、Ta又はTi含有膜、たとえばTa、TaN、Ti、TiN、又はTiWなどである。バリアは、ウェハ内の層間のマイグレーション又は拡散を防止する層を形成する。例えば、バリアは、銅又はコバルト等の相互接続金属の隣接した誘電体中への拡散を防ぐ。バリア材料はほとんどの酸による腐食に耐性がある必要があり、したがって、CMPのための流動性の研磨組成物における溶解に耐性がある。更に、これらのバリア材料は、CMP組成物中のアブレーション研磨材粒子による除去、及び固定研磨パッドからの除去に耐える頑丈さを示す場合がある。
【0005】
CMPに関して、この技術の現在の状態は、局所的及び全体的な平坦化を達成する多重工程、例えば2工程プロセスの使用を含む。
【0006】
典型的なCMPプロセスの工程1の間、金属充填されたライン、ビア及びトレンチを含むウェハ上に滑らかで平坦な表面を残しつつ、過度に積まれた銅層等の金属層は典型的に除去され、研磨された表面へ回路相互接続平面を与える。したがって、工程1は、余剰の相互接続金属、たとえば銅を除去する傾向がある。次いで、バリアCMPプロセスと呼ばれることが多い典型的なCMPプロセスの工程2に従って、余剰の金属層と、バリア層と、パターン化ウェハの表面上の他の膜とを除去して、誘電体層上の表面の局所的、及び全体的な平坦化の両方を達成する。
【0007】
US7,491,252B2は、タンタルバリア材料を除去するための化学機械平坦化溶液を開示する。溶液は、非鉄金属、非鉄金属のための0〜20の錯化剤、ホルムアミジン、ホルムアミジン塩、ホルムアミジン誘導体、グアニジン誘導体、グアニジン塩及びこれらの混合物群からなる群から選択される0.01〜12のタンタル除去剤、0〜5の研磨材、ポリマー粒子及びポリマーによって被覆された被覆粒子からなる群から選択される0〜15の全粒子並びにバランス水を含む。この溶液は、20.7のKPa未満のウェハに垂直な微多孔質ポリウレタン研磨パッド圧力測定で測定された少なくとも3対1の、て窒化タンタル対TEOS選択性を有する。
【0008】
バリア層の化学機械平坦化(CMP)は重要な工程ウェハダマシンプロセスである。
【0009】
したがって、より高い除去速度を有するCMPスラリーを作製する必要がある。
【発明の概要】
【0010】
発明の概要
本発明は、より高いバリア及びILD除去速度を有する安定なCMPスラリーを提供する。研磨のためのバリアCMP組成物、装置及び方法が本開示に記載され、開示される。本開示に開示される組成物は、改善された、高いバリア膜及びILD層除去速度を提供する。
【0011】
1つの実施形態において、本開示に記載されるのは:
≧1.5質量%、≧2.4質量%、≧5.0質量%、又は≧10質量%の研磨材;
≦10質量%、好ましくは≦5質量%;より好ましくは≦1質量%の化学添加剤;
腐食防止剤;
水溶性溶媒;
任意選択的に、
第2の速度加速剤;
界面活性剤;
pH調節剤;
酸化剤;及び
キレート化剤;を含むバリア化学機械平坦化研磨組成物であって、
化学添加剤が、1つより多くのPkaを有し、0〜12、0.5〜10、1〜7、又は1〜3のPka1を有する少なくとも1種の多塩基酸又はその塩を含み;
第2の速度加速剤が、25℃において水溶液中で≧75S・cm
2/mоlの分子モル伝導率を有し;
研磨組成物が、2〜12、3〜12、4〜12、6〜11、又は7〜11のpHを有する、バリア化学機械平坦化研磨組成物である。
【0012】
別の側面において、本発明は、
a.少なくとも1つの表面を研磨パッドと接触させる工程;
b.少なくとも1つの表面に本開示に記載の研磨組成物を輸送する工程;及び
c.少なくとも1つの表面を研磨組成物で研磨する工程
を含む、少なくともバリア層及び誘電体層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨方法であって、
バリア層が、タンタル、窒化タンタル、タンタルタングステンケイ素炭化物、チタン、窒化チタン、チタン−タングステン、チタンタングステン窒化物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンタル又はチタン含有膜を含み;誘電体層が、酸化物膜、低K材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法を提供する。
【0013】
さらに別の側面において、本発明は:
少なくともバリア層と誘電体層とを有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイス;
研磨パッド;及び
本開示に記載の研磨組成物
を含み、
バリア層が、タンタル、窒化タンタル、タンタルタングステンケイ素炭化物、チタン、窒化チタン、チタン−タングステン、チタンタングステン窒化物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンタル又はチタン含有膜を含み;誘電体層が、酸化物膜、シラン酸化物膜、低K材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され;
少なくとも1つの表面が、研磨パッド及び研磨組成物に接している、化学機械平坦化のための装置を提供する。
【0014】
研磨材の例はとしては、以下に制限されるものではないが、コロイダルシリカ、アルミナ、セリア、ゲルマニア、シリカ、チタニア、ジルコニア、格子中のアルミナドープコロイダルシリカ、有機ポリマー粒子、(セリアコートシリコン粒子等の)無機及び有機粒子の複合粒子、表面修飾無機/有機粒子、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0015】
化学添加剤としては、以下に制限されるものではないが、多塩基酸及びその塩、二塩基酸、その誘導体及びその塩;三塩基酸、その誘導体及びその塩;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0016】
多塩基酸は、解離中に、水溶液に分子当たり1つより多くのプロトン又は水素原子を提供することができる酸である。二塩基酸は2つのプロトン又は水素原子を提供することができる酸であり、三塩基酸は3つのプロトン又は水素原子を提供することができる酸である。二塩基酸及び三塩基酸は多塩基酸である。
【0017】
化学添加剤は、1つより多くのPkaを有し、そのPka1が、以下に制限されるものではないが、0〜12、0.5〜10、1〜7、又は1〜3である少なくとも1種の多塩基酸又はその塩を含む。Pka1は、多塩基酸がプロトン又は水素原子を失う第一段階の酸性度定数の負の対数である。
【0018】
より具体的には、化学添加剤の例としては、以下に制限されるものではないが、ホスホノ酢酸、その誘導体及びその塩;ホスホン酸、その誘導体及びその塩;フェニルホスホン酸、その誘導体及びその塩;モリブデン二酸、その誘導体及びその塩;シュウ酸、その誘導体及びその塩;亜硫酸、その誘導体及びその塩;ヒ酸、その誘導体及びその塩;ニトロ安息香酸、その誘導体及びその塩;マロン酸、その誘導体及びその塩;フタル酸、その誘導体及びその塩;ケイ酸、その誘導体及びその塩;炭酸、その誘導体及びその塩;及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0019】
化学添加剤は、約0.001質量%〜約10質量%;約0.01質量%〜約5質量%;約0.025質量%〜約3質量%、又は約0.05質量%〜約1質量%の範囲の量で用いられる。
【0020】
水溶性溶媒の例としては、以下に制限されるものではないが、DI水、極性溶媒、及びDI水と極性溶媒の混合物が挙げられる。極性溶媒は、任意のアルコール、エーテル、ケトン、又は他の極性試薬であることができる。極性溶媒の例としては、イソプロピルアルコール等のアルコール、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等のエーテル、並びにアセトン等のケトンが挙げられる。
【0021】
腐食防止剤の例としては、以下に制限されるものではないが、ベンゾトリアゾール又はベンゾトリアゾール誘導体、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミン−1,2,4−トリアゾール、及びこれらの組み合わせが挙げられ;0.001質量%〜1.0質量%;0.0025質量%〜0.75質量%;0.005質量%〜0.5質量%;0.0075質量%〜0.25質量%;又は0.01質量%〜0.1質量%の範囲の量である。
【0022】
界面活性剤の例としては、以下に制限されるものではないが、a)非イオン性表面湿潤剤;b)アニオン性表面湿潤剤;c)カチオン性表面湿潤剤;d)両性表面湿潤剤;及びこれらの組み合わせが挙げられ、約0.0質量%〜約10質量%;0.0005質量%〜約5質量%;0.001質量%〜約1.0質量%;又は0.005〜0.25質量%の範囲の量である。
【0023】
より具体的には、界面活性剤の例としては、以下に制限されるものではないが、硫酸ドデシルナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、硫酸ドデシルアンモニウム塩、第二級アルカンスルホネート、アルコールエトキシレート、アセチレン界面活性剤、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0024】
pH調節剤の例としては、以下に制限されるものではないが、(a)研磨組成物のpHを下げる硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、種々の脂肪酸、種々のポリカルボン酸及びこれらの組み合わせ;及び(b)研磨組成物のpHを上げる水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、及びこれらの組み合わせが挙げられ;約0質量%〜3質量%;好ましくは0.001質量%〜1質量%;より好ましくは0.01質量%〜0.5質量%の範囲の量のpH調節剤である。
【0025】
研磨組成物は、2〜12、3〜12、4〜12、6〜11、又は7〜11のpHを有する。
【0026】
第2の速度加速剤の例としては、以下に制限されるものではないが、有機酸又はその塩;無機塩が挙げられ;25℃における水溶液中のそのモル伝導率は、≧75S・cm
2/molであり、約0.0質量%〜約10質量%;約0.001質量%〜約7質量%;約0.05質量%〜約5質量%;好ましくは約0.01質量%〜約3質量%の範囲の量である。
【0027】
第2の速度加速剤の例としては、以下に制限されるものではないが、ニトレート塩(カリウム、ナトリウム、アンモニウム、リチウム、ピペリジニウム、それらの誘導体)、硝酸塩(カリウム、ナトリウム、アンモニウム、リチウム、ピペリジニウム、それらの誘導体)、塩化物塩(カリウム、ナトリウム、アンモニウム、リチウム、ピペリジニウム、それらの誘導体)、酢酸塩(カリウム、ナトリウム、アンモニウム、リチウム、ピペリジニウム、それらの誘導体)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
酸化剤の例としては、以下に制限されるものではないが、過酸化水素、過ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸鉄(II)、硝酸、硝酸カリウム、アンモニア、アミン化合物、及びこれらの組み合わせ挙げられ;約0.0質量%〜約10質量%;0.01質量%〜7質量%;0.05質量%〜5質量%;又は約0.1質量%〜約2質量%の範囲の量である。
【0029】
適切なキレート化剤としては、以下に制限されるものではないが、有機酸及びその塩;ポリマー酸及びその塩;水溶性コポリマー及びその塩;カルボン酸基;スルホン酸基;リン酸;及びコポリマーの同じ分子中のピリジン酸から選択される少なくとも2種の酸基を含有するコポリマー及びその塩;ポリビニル酸及びその塩;ポリエチレンオキシド;ポリプロピレンオキシド;ピリジン、ピリジン誘導体、ビピリジン、ビピリジン誘導体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0030】
キレート化剤の例としては、以下に制限されるものではないが、クエン酸カリウム、ベンゾスルホン酸、4−トリルスルホン酸、2,4−ジアミノ−ベンゾスルホン酸、及びマロン酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、アミノ酸、ポリカルボキシアミノ酸、ホスホン酸、これらの塩、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0031】
キレート化剤は、約0.0質量%〜約10質量;約0.01質量%〜約10質量%;約0.05質量%〜約5質量%;又は好ましくは0.01質量%〜1.0質量%の範囲の量で用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、スラリーA(化学添加剤を含有しない)及びスラリーB(化学添加剤を含有する)の間の除去速度比較である。
【
図2】
図2は、スラリーC(化学添加剤を含有しない)及びスラリーD(化学添加剤を含有する)の間の除去速度比較である。
【
図3】
図3は、スラリーE(化学添加剤を含有しない)及びスラリーF(化学添加剤を含有する)の間の除去速度比較である。
【
図4】
図4は、スラリーG POU(使用の時点)(化学添加剤を含有しない)及びスラリーH POU(化学添加剤を含有する)の間の除去速度比較である。
【
図5】
図5は、スラリーI POU(化学添加剤を含有しない)及びスラリーJ POU(化学添加剤を含有する)の間の除去速度比較である。
【
図6】
図6は、スラリーE(化学添加剤を含有しない)及びスラリーK(化学添加剤を含有する)の間の除去速度比較である。
【
図7】
図7は、スラリーI POU(化学添加剤を含有しない)及びスラリーL POU(化学添加剤を含有する)の間の除去速度比較である。
【
図8】
図8は、スラリーM POU(化学添加剤を含有しない)及びスラリーN POU(化学添加剤を含有する)の間の除去速度比較である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
発明の詳細な説明
本開示に記載されるのは、導電性金属層、下にあるバリア膜、及び埋め込まれた金属相互接続構造を有する誘電体層を有する半導体基材又はデバイスを研磨する安定なCMPスラリーである。
【0034】
本発明は、より高いバリア及びILD除去速度を有する安定なCMPスラリーを提供する。本開示に記載され、開示されるのは、研磨のためのバリアCMP組成物、装置及び方法である。本開示に開示した組成物は、バリア膜及びILD除去速度を加速する。
【0035】
導電性金属層は、Cu、CuMn、Co、CoMo、Al、AlCo、Ru、RuTa、RuTiN、Mn、及びこれらの組み合わせ等を含む。バリア又はライナー層は、Ta、TaN、チタン、TiN、TiW又はTiWN、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンタル又はチタン含有膜を含む。下にある層間誘電体(ILD)層は、SiO2、TEOS等の二酸化ケイ素膜;低K誘電体材料;及びこれらの組み合わせを含む。
【0036】
バリア化学機械平坦化研磨組成物は、
≧1.5質量%、≧2.4質量%、≧5.0質量%、又は≧10質量%の研磨材;
≦10質量%、好ましくは≦5質量%;より好ましくは≦1質量%の化学添加剤;
腐食防止剤、
水溶性溶媒;
任意選択的に
第2の速度加速剤
界面活性剤;
pH調節剤;
酸化剤;及び
キレート化剤を含み;
化学添加剤は、1つより多くのPkaを有し、0〜12、0.5〜10、1〜7、又は1〜3のPka1を有する少なくとも1種の多塩基酸又はその塩を含み;
第2の速度加速剤は、25℃において水溶液中で≧75S・cm
2/mоlのその分子モル伝導率を有し;
研磨組成物は2〜12、3〜12、4〜12、6〜11、又は7〜11のpHを有する。
【0037】
本発明の研磨組成物は研磨材を含む。研磨組成物に適切な研磨材はナノサイズの粒子であり、以下に制限されるものではないが、ナノサイズのコロイダルシリカ又は高純度コロイダルシリカ粒子;アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、及びこれらの組み合わせ等のナノサイズの無機金属酸化物粒子;ナノサイズのダイヤモンド粒子;ナノサイズの窒化ケイ素粒子;モノモーダル、バイモーダル、又はマルチモーダルのコロイダル研磨材粒子;有機ポリマーに基づいた軟質研磨材;表面コート又は修飾研磨材;及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0038】
表面コート又は修飾研磨材としては、以下に制限されるものではないが、アルミナドープシリカ粒子等のコロイダルシリカの格子内で他の金属酸化物によってドープされたコロイダルシリカ粒子、アルファ、ベータ、ガンマ形の酸化アルミニウムなどのコロイダル酸化アルミニウム、コロイダル及び光活性二酸化チタン、酸化セリウム、コロイダル酸化セリウム、ナノサイズのダイヤモンド粒子、ナノサイズの窒化ケイ素粒子、モノモーダル、バイモーダル、マルチモーダルのコロイダル研磨材粒子、酸化ジルコニウム、有機ポリマーに基づいた軟質研磨材、表面コート又は修飾研磨材、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
ナノサイズの粒子は、狭いか広い粒子サイズ分布、種々のサイズ及び種々の形状を有する。研磨材の種々の形状としては、球形状、繭形、凝集形状及び他の形状が挙げられる。
【0040】
研磨材粒子は、金属不純物を除去するためにイオン交換等の適切な方法を用いて精製されることができ、このことは、コロイド安定性を改善するのに役立つ場合がある。あるいは、金属シリケート以外の前駆体から製造される、高純度シリカ研磨材粒子を用いることができる。
【0041】
好ましい研磨材としては、以下に制限されるものではないが、高純度コロイダルシリカ、アルミナ、セリア、ゲルマニア、シリカ、チタニア、ジルコニア、格子中のアルミナドープコロイダルシリカ、及びこれらの混合物が挙げられる。コロイダルシリカは最も好ましい研磨材粒子である。
【0042】
シリカは沈殿シリカ、ヒュームドシリカ、シリカヒュームド、焼成シリカ、1つ又はそれより多くの補助剤によりドープされたシリカ、又は任意の他のシリカに基づいた化合物のいずれかであることができる。代替的な実施態様において、シリカは、例えばゾルゲル法、熱水プロセス、プラズマプロセス、ヒューミングプロセス、沈殿プロセス、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるプロセスにより製造されることができる。
【0043】
ディスク遠心機(DC)粒子サイジング方法によって測定される研磨材の平均粒子サイズが、10nm〜300nm、より好ましくは15nm〜200nm、さらに好ましくは25nm〜90nmであることが好ましい。
【0044】
概して、前述の研磨材粒子は単独で又は互いに組み合わせて用いることができる。種々のサイズを有する2つ又はそれより多くの研磨材粒子を、優れた性能を得るために組み合わせることもできる。
【0045】
典型的には、研磨材は、CMP組成物の総質量に対して≧1.5質量%、≧2.4質量%、≧5.0質量%、≧10質量%の範囲の量で本発明の組成物中に存在する。
【0046】
水溶性溶媒の例としては、以下に制限されるものではないが、DI水、極性溶媒、及びDI水と極性溶媒の混合物が挙げられる。極性溶媒は、任意のアルコール、エーテル、ケトン、又は他の極性試薬であることができる。極性溶媒の例としては、イソプロピルアルコール等のアルコール、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等のエーテル、並びにアセトン等のケトンが挙げられる。
【0047】
化学添加剤としては、以下に制限されるものではないが、二塩基酸、その誘導体及びその塩;三塩基酸、その誘導体及びその塩;多塩基酸及びその塩、及びこれらの組み合わせが挙げられる。化学添加剤は、0〜12、0.5〜10、1〜7、又は1〜3のPKa1を有する。
【0048】
化学添加剤は第1の速度加速剤として用いられる。
【0049】
より具体的には、化学添加剤の例は、以下に制限されるものではないが、ホスホノ酢酸、その誘導体及びその塩;ホスホン酸、その誘導体及びその塩;フェニルホスホン酸、その誘導体及びその塩;モリブデン二酸、その誘導体及びその塩;シュウ酸、その誘導体及びその塩;亜硫酸、その誘導体及びその塩;ヒ酸、その誘導体及びその塩;ニトロ安息香酸、その誘導体及びその塩;マロン酸、その誘導体及びその塩;フタル酸、その誘導体及びその塩;ケイ酸、その誘導体及びその塩;炭酸、その誘導体及びその塩;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される群を含む。
【0050】
化学添加剤は、約0.001質量%〜約10質量%;好ましくは約0.01の質量%〜約5質量%;約0.025質量%〜約4質量%、又は約0.05質量%〜約1質量%の範囲の量で用いられる。
【0051】
界面活性剤は表面湿潤剤としてバリアCMPスラリーにおいて用いられ;表面湿潤剤としてバリアCMPスラリーに加えることができる適切な界面活性剤化合物としては、任意の多数の非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は両性の、当業者に知られている界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤の1つの例は、トリコサエチレングリコールドデシルエーテルである。
【0052】
界面活性剤の例としては、以下に制限されるものではないが、硫酸ドデシルナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、硫酸ドデシルアンモニウム塩、第二級アルカンスルホネート、アルコールエトキシレート、アセチレン界面活性剤、及びこれらの任意の組み合わせも挙げられる。
【0053】
適切な市販で入手可能な界面活性剤の例としては、TRITON
TM、Tergitol
TM、Dow Chemicalsによって製造された界面活性剤のDOWFAX
TMファミリー、並びにAir Products and Chemicalsによって製造されたSURFYNOL
TM、DYNOL
TM、Zetasperse
TM、Nonidet
TM、及びTomadol
TM界面活性剤ファミリーにおける種々の界面活性剤が挙げられる。
【0054】
界面活性剤の適切な界面活性剤としては、さらにエチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)基を含むポリマーを挙げることができる。EO−POポリマーの例は、BASF ChemicalsからのTetronic
TM90R4である。
【0055】
使用される場合、界面活性剤の量はバリアCMP組成物の総質量に対して典型的には0.0001質量%〜約1.0質量%の範囲である。使用される場合、範囲は0.0質量%〜約10質量%;0.0005質量%〜約5質量%;0.001質量%〜1質量%;又は0.005〜0.25質量%である。
【0056】
腐食防止剤の例としては、以下に制限されるものではないが、ベンゾトリアゾール又はベンゾトリアゾール誘導体、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミン−1,2,4−トリアゾール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
腐食防止剤は、0.001質量%〜1.0質量%;0.0025質量%〜0.75質量%;0.005質量%〜0.5質量%;0.0075質量%〜0.25質量%;又は0.01質量%〜0.1質量%の範囲の量で用いられる。
【0058】
pH調節剤の例としては、以下に制限されるものではないが、(a)研磨組成物のpHを下げる硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、種々の脂肪酸、種々のポリカルボン酸及びこれらの組み合わせ;及び、(b)研磨組成物のpHを上げる水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、及びこれらの組み合わせが挙げられ;約0.0001の質量%〜約3質量%の範囲の量で用いられ;研磨組成物は、約2〜12、3〜12、4〜12、6〜11、又は7〜11のpHを有する。
【0059】
第2の速度加速剤の例としては、以下に制限されるものではないが、有機酸又はその塩;無機塩が挙げられ;25℃における水溶液中のそのモル伝導率は、≧75S・cm
2/molであり、約0.0質量%〜約10質量%; 約0.001質量%〜約7質量%;約0.005質量%〜約5質量%、又は約0.01質量%〜約3質量%の範囲の量である。
【0060】
第2の速度加速剤の例としては、以下に制限されるものではないが、ニトレート塩(カリウム、ナトリウム、アンモニウム、リチウム、ピペリジニウム、それらの誘導体)、硝酸塩(カリウム、ナトリウム、アンモニウム、リチウム、ピペリジニウム、それらの誘導体)、塩化物塩(カリウム、ナトリウム、アンモニウム、リチウム、ピペリジニウム、それらの誘導体)、酢酸塩(カリウム、ナトリウム、アンモニウム、リチウム、ピペリジニウム、それらの誘導体)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0061】
酸化剤の例としては、以下に制限されるものではないが、過酸化水素、過ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸鉄(II)、硝酸、硝酸カリウム、アンモニア、アミン化合物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0062】
酸化剤は、約0.0の質量%〜約10質量%;0.01質量%〜7質量%;0.05質量%〜5質量%;又は約0.1質量%〜約2質量%の範囲の量で用いられる。
【0063】
適切なキレート化剤としては、以下に制限されるものではないが、有機酸及びその塩;ポリマー酸及びその塩;水溶性コポリマー及びその塩;カルボン酸基;スルホン酸基;リン酸;及びコポリマーの同じ分子中のピリジン酸から選択される少なくとも2種の酸基を含有するコポリマー及びその塩;ポリビニル酸及びその塩;ポリエチレンオキシド;ポリプロピレンオキシド;ピリジン、ピリジン誘導体、ビピリジン、ビピリジン誘導体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0064】
キレート化剤の例は、クエン酸カリウム、ベンゾスルホン酸、4−トリルスルホン酸、2,4−ジアミノ−ベンゾスルホン酸、及びマロン酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、アミノ酸、ポリカルボキシアミノ酸、ホスホン酸、及びこれらの組み合わせ、及びこれらの塩からなる群から選択される。
【0065】
キレート化剤は、約0.0質量%〜約10質量;好ましくは約0.05質量%〜約5質量%;より好ましくは0.01質量%〜1.0質量%の範囲の量で用いられる。
【0066】
本発明は、
a.少なくとも1つの表面を研磨パッドと接触させる工程;
b.少なくとも1つの表面に本開示に記載の研磨組成物を輸送する工程;及び
c.少なくとも1つの表面を研磨組成物で研磨する工程
を含む、少なくともバリア層及び誘電体層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨方法であって、
バリア層が、タンタル、窒化タンタル、タンタルタングステンケイ素炭化物、チタン、窒化チタン、チタン−タングステン、チタンタングステン窒化物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンタル又はチタン含有膜を含み;誘電体層が、二酸化ケイ素膜、低K材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法をさらに提供する。
【0067】
本発明は、
少なくともバリア層と誘電体層とを有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイス;
研磨パッド;及び
本開示に記載の研磨組成物
を含み、
バリア層が、タンタル、窒化タンタル、タンタルタングステンケイ素炭化物、チタン、窒化チタン、チタン−タングステン、チタンタングステン窒化物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンタル又はチタン含有膜を含み;誘電体層が、二酸化ケイ素膜、低K材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され;
少なくとも1つの表面が、研磨パッド及び研磨組成物に接している、化学機械平坦化のための装置をさらに提供する。
【0068】
基本的な実験手順
以下に示された例において、別段の示唆がない限り、パーセンテージはすべて質量パーセンテージである。水は、組成物を100質量%にするように加えられる。
【0069】
以下に示された例において、CMP実験は以下に与えられた手順及び実験条件を用いて実施された。
【0070】
例において用いられたCMPツールは、Applied Materials,3050Boweres Avenue,Santa Clara,California,95054により製造されたMirra(登録商標)である。研磨はDow ChemicalsからのVP3500ポリッシャーパッド上で行なわれた。研磨は、200ml/分の組成物流量で、1.1psiの下向き力及び93RPMのテーブル速度で行なわれた。研磨実験は、電気めっき堆積銅、テトラエトキシシラン(TEOS)誘電体のプラズマ増強堆積、タンタル(Ta)及び窒化タンタル(TaN)膜を用いて行なわれた。これらのブランケットウェハは、Silicon Valley Microelectronics,1150 Campbell Ave,CA,95126,及びAdvantiv Corporationから購入された。ウェハ膜上の欠陥は、KLA−Tencor,One Technology Drive,Milpitas,CA95035により製造されたSurfscan SP2ウェハ検査ツールを用いて測定された。
【0071】
(光散乱によって測定された)約60nmのシリコン粒子はFuso ChemicalCo.LTD、日本から購入した。
【0072】
例1:
スラリーに用いられた化学成分は、表1に示された。DI水を加えて、組成物を100質量%にした。
【0073】
スラリーのpHは7.5〜9である。
【表1】
【0074】
スラリーは、各要素ごとに、短い中断(数分)で室温で連続的に表Iに示される各化学成分を加えることにより調製された。
【0075】
スラリーは、1質量%の過酸化水素が酸化剤としてスラリーに加えられた後に、研磨に用いられた。
【0076】
TaN、Ta及びTEOSの研磨結果は
図1に示された。
【0077】
図1において示されるように、両方のバリア(Ta及びTaN)及びILD(TEOS)除去速度はマロン酸の添加により加速された。
【0078】
マロン酸は、20℃において2.8のPKa1を有する多塩基酸(二塩基酸)である。
【0079】
硝酸カリウムは、K
+が25℃において水溶液中で73.5S・cm
2/molのモルイオン伝導率を有し、NO3
−が25℃において水溶液中で71.46S・cm
2/molのモルイオン伝導率を有する第2の速度加速剤である。
【0080】
したがって、例1は、1〜3のPKa1を有する多塩基酸の添加がバリア及びILD除去速度の両方を加速することができることを示した。
【0081】
例2:
スラリーに用いられた化学成分は、表1に示された。DI水を加えて、組成物を100質量%にした。
【0082】
スラリーのpHは10〜10.5である。
【表2】
【0083】
スラリーは、各要素ごとに、短い中断(数分)で室温で連続的に表Iに示される各化学成分を加えることにより調製された。
【0084】
スラリーは、1質量%の過酸化水素が酸化剤としてスラリーに加えられた後に、研磨に用いられた。
【0085】
TaN、Ta及びTEOSの研磨結果は
図2に示された。
【0086】
図2において示されるように、両方のバリア(Ta及びTaN)及びILD(TEOS)除去速度は亜硫酸カリウムの添加により加速された。
【0087】
亜硫酸カリウムは20℃において1.85のPKa1を有する亜硫酸(二塩基酸)の塩である。
【0088】
酢酸カリウムは、K
+が25℃において水溶液中で73.5S・cm
2/molのモルイオン伝導率を有し、酢酸イオンが25℃において水溶液中で40.9S・cm
2/molのモルイオン伝導率を有する第2の速度加速剤である。
【0089】
したがって、例2は、1〜3のpKa1を有する多塩基酸の塩の添加がバリア及びILDの両方の除去速度を加速することができることを示した。
【0090】
例3:
スラリーに用いられた化学成分は、表3に示された。DI水を加えて、組成物を100質量%にした。
【0091】
スラリーのpHは約7〜10だった。
【表3】
【0092】
スラリーは、各要素ごとに、短い中断(数分)で室温で連続的に表3に示される各化学成分を加えることにより調製された。
【0093】
スラリーは、1質量%の過酸化水素が酸化剤としてスラリーに加えられた後に、研磨に用いられた。
【0094】
TaN、Ta及びTEOSの研磨結果は
図3に示された。
【0095】
図3において示されるように、両方のバリア(Ta及びTaN)及びILD(TEOS)除去速度はモリブデン酸カリウム及びケイ酸カリウムの両方の添加により加速された。
【0096】
モリブデン酸カリウムはモリブデン二酸の塩であり、モリブデン二酸は20℃において2.9のPKa1を有する二塩基酸である。
【0097】
ケイ酸カリウムはケイ酸の塩であり、ケイ酸は20℃において6〜10のPKa1を有する多塩基酸である。
【0098】
したがって、例3は、1〜3のPKa1を有する多塩基酸の塩、及び0.5〜10のPKa1を有する多塩基酸の塩の両方の添加が、バリア及びILD除去速度の両方を加速することができることを示した。
【0099】
例4:
スラリーに用いられた化学成分は、表4に示された。DI水を加えて、組成物を100質量%にした。
【0100】
スラリーのPHは7.5〜8.5である。
【表4】
【0101】
スラリーは、通常のスラリー調製プロセス、すなわち、各要素ごとに、短い中断(数分)で室温で連続的に表4に示される各化学成分を加えることにより調製された。
【0102】
研磨の使用の時点(POU)におけるスラリーは、表5に示されるように、DI水によりスラリーG及びHを希釈し、酸化剤として1質量%の過酸化水素を加えた後のものである。
【表5】
【0103】
図4において示されるように、バリア(Ta及びTaN)及びILD(TEOS)除去速度の両方は、速度加速剤スラリー成分としてのホスホノ酢酸の添加により加速された。
【0104】
ホスホノ酢酸は、20℃において1.64のPKa1を有する三塩基酸である。
【0105】
硝酸カリウムは、K
+が25℃において水溶液中で73.5S・cm
2/molのモルイオン伝導率を有し、NO3
−が25℃において水溶液中で71.46S・cm
2/molのモルイオン伝導率を有する速度加速剤である。
【0106】
したがって、例4は、1〜3のPKa1を有する多塩基酸の添加が、バリア及びILD除去速度の両方を加速することができることを示した。
【0107】
例5
スラリーに用いられた化学成分は、表6に示された。DI水を加えて、組成物を100質量%にした。
【0108】
スラリーのPHは10〜11である。
【表6】
【0109】
スラリーは、通常のスラリー調製プロセス、すなわち、各要素ごとに、短い中断(数分)で室温で連続的に表6に示される各化学成分を加えることにより調製された。
【0110】
研磨の使用の時点(POU)におけるスラリーは、表7に示されるように、DI水により希釈され、酸化剤として1質量%の過酸化水素を加えた後のスラリーG及びHだった。
【表7】
【0111】
図5において示されるように、バリア(Ta及びTaN)及びILD(TEOS)除去速度の両方はシュウ酸カリウム及びケイ酸カリウムの両方の添加により加速された。
【0112】
シュウ酸カリウム一水和物は、20℃において1.23のPKa1を有する二塩基酸の塩である。
【0113】
ケイ酸カリウムはケイ酸の塩であり、ケイ酸は20℃において6〜10のPKa1を有する多塩基酸である。
【0114】
したがって、例5は、1〜3のPKa1を有する多塩基酸の塩、及び0.5〜10のPKa1を有する多塩基酸の塩の両方の添加が、バリア及びILD除去速度の両方を加速することができることを示した。
【0115】
例6:
スラリーに用いられた化学成分は、表8に示された。DI水を加えて、組成物を100質量%にした。
【0116】
スラリーのPHは9〜11である。
【表8】
【0117】
スラリーは、通常のスラリー調製プロセス、すなわち、各要素ごとに、短い中断(数分)で室温で連続的に表8に示される各化学成分を加えることにより調製された。
【0118】
図6において示されるように、バリア(Ta及びTaN)及びILD(TEOS)除去速度の両方は、ホスホン酢酸及びケイ酸カリウムの両方の添加により加速された。
【0119】
ホスホン酢酸は、20℃において1.64のPKa1を有する二塩基酸である。
【0120】
ケイ酸カリウムはケイ酸の塩であり、ケイ酸は20℃において6〜10のPKa1を有する多塩基酸である。
【0121】
したがって、例6は、1〜3のPKa1を有する多塩基酸の塩、及び0.5〜10のPKa1を有する多塩基酸の塩の両方の添加が、バリア及びILD除去速度の両方を加速することができることを示した。
【0122】
例7:
スラリーに用いられた化学成分は、表9に示された。DI水を加えて、組成物を100質量%にした。
【0123】
スラリーのPHは7〜11である。
【表9】
【0124】
スラリーは、通常のスラリー調製プロセス、すなわち、各要素ごとに、短い中断(数分)で室温で連続的に表9に示される各化学成分を加えることにより調製された。
【0125】
研磨の使用の時点(POU)におけるスラリーは、表7に示されるように、DI水により希釈され、酸化剤として1質量%の過酸化水素を加えた後のスラリーG及びHだった。
【表10】
【0126】
図7に示されるように、バリア(Ta及びTaN)及びILD(TEOS)除去速度の両方は、フェニルホスホン酸及びケイ酸カリウムの両方の添加により加速された。
【0127】
フェニルホスホン酸は、20℃において1.63のPKa1を有する二塩基酸である。
【0128】
ケイ酸カリウムはケイ酸の塩であり、ケイ酸は20℃において6〜10のPKa1を有する多塩基酸である。
【0129】
したがって、例7は、1〜3のPKa1を有する多塩基酸の塩、及び0.5〜10のPKa1を有する多塩基酸の塩の両方の添加が、バリア及びILD除去速度の両方を加速することができることを示した。
【0130】
例8:
スラリーに用いられた化学成分は、表11に示された。DI水を加えて、組成物を100質量%にした。
【0131】
スラリーのPHは7〜11である。
【表11】
【0132】
スラリーは、通常のスラリー調製プロセス、すなわち、各要素ごとに、短い中断(数分)で室温で連続的に表11に示される各化学成分を加えることにより調製された。
【0133】
研磨の使用の時点(POU)におけるスラリーは、表7に示されるように、DI水により希釈され、酸化剤として1質量%の過酸化水素を加えた後のスラリーG及びHだった。
【表12】
【0134】
図8に示されるように、バリア(Ta及びTaN)及びILD(TEOS)除去速度の両方は、L−酒石酸及び炭酸カリウムの両方の添加により加速された。
【0135】
L−酒石酸は、20℃において2.82のPKa1を有する多塩基酸である。
【0136】
炭酸カリウムは、20℃において6.3のPKa1を有する二塩基酸の塩である。
【0137】
したがって、例8は、1〜3のPKa1を有する多塩基酸の塩、及び1〜7の間のPKa1を有する多塩基酸の塩の両方の添加が、バリア及びILD除去速度の両方を加速することができることを示した。
【0138】
実施例は、二塩基酸、その誘導体及びその塩;三塩基酸、その誘導体及びその塩;及びこれらの組み合わせを含む化学添加剤を用いるバリア層スラリーが、バリア及びILD除去速度を加速することを示した。
【0139】
実施態様の先の例及び説明は、特許請求の範囲によって規定される本発明を制限するものではなく、本発明を説明することとしてとられるのがよい。容易に理解されるように、上に記載された特徴の多数の変形及び組み合わせは、特許請求の範囲で記載される本発明から逸脱することなく利用することができる。係る変形は、以下の特許請求の範囲内に包含されることが意図される。
【外国語明細書】