特開2020-80323(P2020-80323A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2020080323-絶縁電線 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-80323(P2020-80323A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】絶縁電線
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/295 20060101AFI20200501BHJP
   H01B 7/02 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   H01B7/295
   H01B7/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-27956(P2020-27956)
(22)【出願日】2020年2月21日
(62)【分割の表示】特願2019-21113(P2019-21113)の分割
【原出願日】2016年9月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木部 有
(72)【発明者】
【氏名】加賀 雅文
(72)【発明者】
【氏名】梶山 元治
【テーマコード(参考)】
5G309
5G315
【Fターム(参考)】
5G309RA07
5G309RA12
5G315CA03
5G315CB01
5G315CB03
5G315CC08
5G315CD02
5G315CD14
(57)【要約】
【課題】絶縁電線において、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】絶縁電線は、導体と、前記導体の外周上に配置された被覆層と、を有し、前記被覆層は、前記導体の外周上に配置され導電剤を含み1×109Ωcm以下の体積抵抗率を有するポリマ組成物(A)で形成された半導電層と、前記半導電層の外周上に配置され1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物(B)で形成された高電気絶縁層と、少なくとも前記高電気絶縁層の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(C)で形成された難燃層と、を有し、前記高電気絶縁層および前記半導電層の厚さは、それぞれ、前記難燃層の厚さよりも薄く、前記半導電層の厚さは、前記難燃層の厚さの1/2以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体と、
前記導体の外周上に配置された被覆層と、
を有し、
前記被覆層は、
前記導体の外周上に配置され導電剤を含み1×109Ωcm以下の体積抵抗率を有するポリマ組成物(A)で形成された半導電層と、
前記半導電層の外周上に配置され1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物(B)で形成された高電気絶縁層と、
少なくとも前記高電気絶縁層の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(C)で形成された難燃層と、
を有し、
前記高電気絶縁層および前記半導電層の厚さは、それぞれ、前記難燃層の厚さよりも薄く、
前記半導電層の厚さは、前記難燃層の厚さの1/2以下である
絶縁電線。
【請求項2】
前記高電気絶縁層の厚さは、前記難燃層の厚さの1/2以下である請求項1に記載の絶縁電線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁電線に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両や自動車等の配線として用いられる絶縁電線には、絶縁性だけでなく、火災時に燃えにくいような難燃性が求められている。そのため、絶縁電線の被覆層には難燃剤が配合される。例えば、特許文献1には、絶縁性を有する絶縁層の外周上に難燃剤を含む難燃層を積層させて被覆層を形成した絶縁電線が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−97881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えば軽量化の観点から、絶縁電線の細径化が求められている。しかしながら、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに、細径化を図ることは容易ではない。
【0005】
本発明の一目的は、絶縁電線において、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
導体と、
前記導体の外周上に配置された被覆層と、
を有し、
前記被覆層は、
前記導体の外周上に配置され導電剤を含み1×109Ωcm以下の体積抵抗率を有するポリマ組成物(A)で形成された半導電層と、
前記半導電層の外周上に配置され1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物(B)で形成された高電気絶縁層と、
少なくとも前記高電気絶縁層の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(C)で形成された難燃層と、
を有し、
前記高電気絶縁層および前記半導電層の厚さは、それぞれ、前記難燃層の厚さよりも薄く、
前記半導電層の厚さは、前記難燃層の厚さの1/2以下である
絶縁電線が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、絶縁電線において、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。
図2】他の実施形態に係る絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。
図3】従来の絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者らは、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる絶縁電線の構造について検討した。
【0010】
まず、従来の電線構造について説明するとともに、本発明の実施形態における電線構造の考え方について説明する。図3は、従来の絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。
【0011】
従来構造の絶縁電線200は、導体210と、導体210の外周上に配置された絶縁層220と、絶縁層220の外周上に配置され難燃剤が配合された難燃層230とを有する。
【0012】
従来構造の絶縁電線200において、絶縁層220を形成するポリマ組成物には、絶縁層220自体にある程度の難燃性を付与するために、(ある程度の)難燃性を有する添加剤(例えば、炭酸カルシウム、クレー等の無機充填剤)が配合される。
【0013】
絶縁層220を形成するポリマ組成物の絶縁性は、難燃性を有する添加剤等の配合に起因して、当該ポリマ組成物のベースポリマが持つ絶縁性よりも低下する。例えば、絶縁層220を形成するポリマ組成物のベースポリマとしてポリエチレンを用いた場合、例えば1×1016Ωcm程度のオーダのベースポリマの体積抵抗率が得られる。ポリマ組成物に難燃性を有する添加剤等が配合されることで、絶縁層220を形成するポリマ組成物の体積抵抗率は、例えば1×1014Ωcm程度のオーダに低下する。
【0014】
本発明者らは、絶縁電線200の細径化を図るために、難燃層230を薄くすることを検討した。ただし、単に(絶縁層220の厚さを変えずに)難燃層230を薄くするだけでは、絶縁電線200の高い難燃性を得られなくなる。
【0015】
そこで、絶縁層220を薄くすることを検討した。ただし、単に絶縁層220を薄くするだけでは、絶縁電線200の高い絶縁性を得られなくなる。このため、絶縁層220への難燃性を有する添加剤等の配合量を抑制し、絶縁層220を形成するポリマ組成物の絶縁性をベースポリマが有する高い絶縁性に近づけることで、所望の絶縁性を得るために求められる絶縁層220の厚さを薄くすることを検討した。
【0016】
ただし、導体210は、素線を撚り合せた撚線構造を有し、表面に凹凸を有する。このため、絶縁層220は、導体210の表面の凹凸に起因する電界集中により破壊しやすく、耐電圧特性を向上させるためにはある程度厚く構成する必要があり、単に絶縁層220を薄くすることはできない。
【0017】
そこで、難燃性を有する添加剤等の配合量が抑制された絶縁層を用いるとともに、当該絶縁層の内側(導体側)であって導体の直上に、導電剤が配合された半導電層を配置した新規な構造について検討した。難燃性を有する添加剤等の配合量が抑制された絶縁層を「高電気絶縁層」と呼ぶこととする。
【0018】
このような構造によれば、難燃性を有する添加剤等の配合量が抑制されて絶縁性が高められた(絶縁性の低下が抑制された)高電気絶縁層を用いることで、所望の絶縁性を得るための高電気絶縁層の厚さを薄くすることができる。また、半導電層が、導体表面の凹凸を被覆することで凹凸緩和層として機能し、半導電層上に配置される高電気絶縁層を薄くすることができる。さらに、燃焼しやすい高電気絶縁層を薄くできることに伴い、所望の難燃性を得るための難燃層の厚さを薄くすることも可能となる。
【0019】
高電気絶縁層を形成するポリマ組成物の体積抵抗率は、難燃性を有する添加剤等の配合量が抑制されることで、元の絶縁層220を形成するポリマ組成物の体積抵抗率と比べて、例えば100倍程度に大幅に向上させることができる。このため、体積抵抗率を向上させることで所望の絶縁性を得つつ絶縁層を薄くすることは、難燃層を薄くすることに比べると、容易であるといえる。
【0020】
このようにして、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる電線構造が得られる。
【0021】
このような電線構造が好ましく適用される細径の絶縁電線として、例えば、外径(直径)が7mm以下のものが想定される。絶縁電線の絶縁性は、例えば、後述のような直流安定性試験で評価される。絶縁電線の難燃性は、例えば、後述のようなVFT試験やVTFT試験で評価される。絶縁電線の用途は特に限定されないが、例えば、鉄道車両用途や、自動車用途や、医療用途等が挙げられる。
【0022】
次に、図1を参照して、本発明の一実施形態による絶縁電線100について説明する。図1は、絶縁電線100の構造の一例を示す、長さ方向に垂直な断面図である。
【0023】
<絶縁電線の構成>
絶縁電線100は、導体110と、導体110の外周上に配置された被覆層120とを有する。
【0024】
〔導体〕
導体110としては、例えば、複数本の素線(金属線)が撚り合された撚線を用いることができる。素線としては、例えば、銅線、銅合金線の他、アルミニウム線、金線、銀線等を用いることができ、外周に錫やニッケル等の金属めっきを施したものを用いてもよい。導体110の外径(直径)は、例えば、1mm以上6mm以下である。素線の外径(直径)は、例えば、0.1mm以上0.5mm以下である。導体110の材料や構造や寸法等は、絶縁電線100における導体110に求められる特性に応じて適宜選択することができる。
【0025】
〔被覆層〕
被覆層120は、導体110の外周上に配置された半導電層130と、半導電層130の外周上に配置された高電気絶縁層140と、高電気絶縁層140の外周上に配置された難燃層150とが積層された積層構造160を有する。
【0026】
(半導電層)
半導電層130は、導電剤を含み1×109Ωcm以下の体積抵抗率を有するポリマ組成物(A)から形成される。半導電層130は、例えば、ポリマ組成物(A)を導体110の外周上に押出すことで形成される。
【0027】
ポリマ組成物(A)に用いられるベースポリマとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂等を用いることができる。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、および、これらをマレイン酸などの酸で変性したもの等を用いることができる。ポリオレフィン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
ポリマ組成物(A)に用いられるベースポリマは、好ましくは例えば、EVAを含む。EVAは、フィラー受容性が大きいので導電剤を添加しやすく、また、樹脂自体にある程度の難燃性を有するため、好ましい。EVAのVA量としては、例えば、フィラー受容性の観点から15%以上であることが好ましく、また例えば、粘着等の製造性の観点から80%以下であることが好ましい。
【0029】
ポリマ組成物(A)に用いられる導電剤としては、例えば、カーボンブラックやカーボンナノチューブ等が挙げられ、好ましくは例えば、カーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等を用いることができ、好ましくは、少量で高い導電性を付与できるため、アセチレンブラックを用いることができる。導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】
導電剤の配合量は、半導電層130を形成するポリマ組成物(A)の体積抵抗率を1×109Ωcm以下とするような量であれば特に制限されない。例えば、ベースポリマ100質量部に対するカーボンブラックの配合量は、30質量部以上である。なお、例えば、半導電層130の機械特性が低下し伸び率が低くなるおそれがあるので、導電剤の配合量は、過剰とならないことが好ましい。例えば、ベースポリマ100質量部に対するカーボンブラックの配合量は、150質量部以下である。
【0031】
半導電層130は、耐熱性を向上させるために、架橋されたポリマ組成物(A)で構成されていることが好ましい。架橋方法としては、照射架橋、化学架橋、シラン架橋等が挙げられる。ポリマ組成物(A)は、架橋を良好に行うために、架橋助剤や架橋剤を含有してもよい。なお、後述のように、高電気絶縁層140の架橋は照射架橋が好ましいことから、高電気絶縁層140の照射架橋と同時に、つまり高電気絶縁層140の照射架橋と同じ工程で、半導電層130も照射架橋することが効率的である。
【0032】
なお、半導電層130が架橋されたポリマ組成物(A)で構成されている場合、ポリマ組成物(A)の体積抵抗率は、架橋されたポリマ組成物(A)の体積抵抗率を示す。
【0033】
ポリマ組成物(A)は、半導電層130の特性を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、難燃剤、酸化防止剤、銅害防止剤、補強剤、プロセスオイル等を含有してもよい。
【0034】
(高電気絶縁層)
高電気絶縁層140は、1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物(B)から形成される。高電気絶縁層140は、例えば、ポリマ組成物(B)を半導電層130の外周上に押出すことで形成される。
【0035】
ポリマ組成物(B)に用いられるベースポリマとしては、体積抵抗率が1×1016Ωcm以上のポリマ、例えば、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、LDPE、LLDPE、HDPE等のポリエチレンを用いることができる。ポリオレフィン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
ポリマ組成物(B)に用いられるベースポリマは、好ましくは例えば、ポリエチレンを含む。ポリエチレンは、架橋により体積抵抗率を向上させることができ、好ましい。ポリエチレンとしては、LDPE、LLDPE、HDPEのいずれを用いてもよい。架橋させやすいという観点から、LDPEを用いてもよい。
【0037】
高電気絶縁層140は、体積抵抗率を向上させるために、架橋されたポリマ組成物(B)で構成されることが好ましい。架橋方法としては、照射架橋、化学架橋、シラン架橋等が挙げられる。ポリマ組成物(B)は、架橋を良好に行うために、架橋助剤や架橋剤を含有してもよい。ただし、電気絶縁性を低下させない観点からは、添加剤の添加を必要としない照射架橋が好ましい。
【0038】
なお、高電気絶縁層140が架橋されたポリマ組成物(B)で構成されている場合、ポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、架橋されたポリマ組成物(B)の体積抵抗率を示す。
【0039】
ポリマ組成物(B)は、体積抵抗率の低下を抑制する観点から、できるたけ添加剤を含まない方が好ましいものの、体積抵抗率を1×1016Ωcm以上に維持できる範囲で、必要に応じて、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤や銅害防止剤等が挙げられる。
【0040】
ポリマ組成物(B)の体積抵抗率の低下を抑制する観点から、例えば、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、ウォラストナイト(珪灰石)、ゼオライト、けい藻土、けい砂、軽石粉、スレート粉、アルミナ、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等の無機充填剤や、金属水酸化物等の難燃剤は、ポリマ組成物(B)に含有されないことが好ましい。
【0041】
(難燃層)
難燃層150は、難燃剤を含むポリマ組成物(C)から形成される。難燃層150は、例えば、ポリマ組成物(C)を高電気絶縁層140の外周上に押出すことで形成される。
【0042】
ポリマ組成物(C)に用いられるベースポリマとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂等を用いることができる。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、LDPE、LLDPE、HDPE等のポリエチレン、EVA、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、および、これらをマレイン酸などの酸で変性したもの等を用いることができる。ポリオレフィン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】
ポリマ組成物(C)に用いられるベースポリマは、好ましくは例えば、EVAを含む。EVAは、フィラー受容性が大きいので難燃剤を添加しやすく、また、樹脂自体にある程度の難燃性を有するため、好ましい。EVAのVA量としては、例えば、フィラー受容性の観点から15%以上であることが好ましく、また例えば、低温性の低下を抑制する観点から60%以下であることが好ましい。
【0044】
ポリマ組成物(C)に用いられる難燃剤としては、有毒ガスを発生させないことからノンハロゲン難燃剤が好ましく、好ましくは例えば金属水酸化物を用いることができる。金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、および、これらにニッケルが固溶した金属水酸化物等を用いることができる。難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】
難燃剤は、難燃層150の機械特性(引張強さと伸びとのバランス)をコントロールする観点から、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸塩等の脂肪酸塩、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属等によって表面処理されていることが好ましい。
【0046】
難燃剤の配合量は、ベースポリマ100質量部に対して、例えば、100質量部以上250質量部以下であることが好ましい。配合量が100質量部未満であると、所望の高い難燃性を得られないおそれがある。配合量が250質量部を超えると、難燃層150の機械特性が低下し、伸び率が低くなるおそれがある。
【0047】
難燃層150は、難燃性および耐熱性を向上させるために、架橋されたポリマ組成物(C)で構成されていることが好ましい。架橋方法としては、照射架橋、化学架橋、シラン架橋等が挙げられる。ポリマ組成物(C)は、架橋を良好に行うために、架橋助剤や架橋剤を含有してもよい。なお、高電気絶縁層140の架橋は照射架橋が好ましいことから、高電気絶縁層140の照射架橋と同時に、つまり高電気絶縁層140の照射架橋と同じ工程で、難燃層150も照射架橋することが効率的である。
【0048】
難燃層150は、例えば、ポリマ組成物(C)が1×1014Ωcm程度の(1×1013Ωcm以上または1×1014Ωcm以上の)体積抵抗率を有する電気絶縁層である。なお、難燃層150が架橋されたポリマ組成物(C)で構成されている場合、ポリマ組成物(C)の体積抵抗率は、架橋されたポリマ組成物(C)の体積抵抗率を示す。
【0049】
ポリマ組成物(C)は、難燃層150の特性を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、酸化防止剤、銅害防止剤、滑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤等を含有してもよい。
【0050】
(被覆層の積層構造)
次に、被覆層120における、半導電層130と、高電気絶縁層140と、難燃層150との積層構造160について、さらに説明する。
【0051】
高電気絶縁層140は、難燃層150よりも薄く構成されている。これにより、高電気絶縁層140に起因する積層構造160の燃焼性を難燃層150で抑制しやすくして高い難燃性を得つつ、積層構造160を薄くし絶縁電線100の細径化を図ることができる。なお、燃焼しやすい高電気絶縁層140を薄くすることに伴い、難燃層150を薄くすることも可能となる。
【0052】
高い絶縁性を得つつ高電気絶縁層140を薄く構成するために、高電気絶縁層140を形成するポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、好ましくは1×1016Ωcm以上、より好ましくは1×1017Ωcm以上とする。なお、ポリマ組成物(B)の体積抵抗率の上限については、特に制限されない。
【0053】
高い難燃性を得つつ細径化を図る観点から、高電気絶縁層140の厚さは、難燃層150の厚さの1/2以下であることがより好ましく、難燃層150の厚さの1/3以下であることがさらに好ましい。
【0054】
半導電層130は、導体110の直上に(導体110と接触して)配置されており、導体110の表面の凹凸を被覆することで、電界集中を抑制する凹凸緩和層として機能する。これにより、半導電層130上に配置される高電気絶縁層140を薄くすることができる。半導電層130の導電性を高めるために、半導電層130を形成するポリマ組成物(A)の体積抵抗率は、好ましくは1×109Ωcm以下とする。なお、ポリマ組成物(A)の体積抵抗率の下限については、特に制限されない。
【0055】
半導電層130は、導体110の表面の凹凸を被覆していればよく(凹部を埋めて表面を平滑化していればよく)、半導電層130の厚さは、所望の薄さにすることができる。ここで、半導電層130の厚さは、導体110の表面の撚り目の凸部上(最薄部)の厚さ、つまり、導体110の外径の外側の厚さとして表される。
【0056】
なお、半導電層130が厚すぎると、細径化と難燃性とを阻害することになる。このため、半導電層130の厚さは、難燃層150よりも薄いことが好ましく、難燃層150の厚さの1/2以下であることがより好ましく、難燃層150の厚さの1/3以下であることがさらに好ましい。
【0057】
高い難燃性を得つつ細径化を図る観点から、半導電層130と高電気絶縁層140との積層部分の厚さ、つまり、半導電層130の厚さと高電気絶縁層140の厚さとの和は、難燃層150の厚さよりも薄いことがより好ましく、難燃層150の厚さの2/3以下であることがさらに好ましい。
【0058】
高電気絶縁層140は、高電気絶縁層140と難燃層150との積層部分の厚さ方向に印加される電圧の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上を分担するように構成されているとよい。
【0059】
これにより、難燃層150に印加される電圧を、相対的に低く抑えることができる。難燃層150は、難燃剤等の添加剤を多く含み、高電気絶縁層140に比べて絶縁性が破壊しやすくなっている。難燃層150に加わる電圧を低く抑えることで、絶縁電線100の高い絶縁性を得ることができる。
【0060】
高電気絶縁層140に高電気絶縁層140と難燃層150との積層部分にかかる80%以上の電圧を分担させつつ、高電気絶縁層140を薄く構成するために、高電気絶縁層140を形成するポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、好ましくは1×1016Ωcm以上、より好ましくは1×1017Ωcm以上であるとよい。
【0061】
また、高電気絶縁層140に高電気絶縁層140と難燃層150との積層部分にかかる80%以上の電圧を分担させつつ、高電気絶縁層140を薄く構成するために、高電気絶縁層140を形成するポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、難燃層150を形成するポリマ組成物(C)の体積抵抗率の、好ましくは10倍以上、より好ましくは50倍以上、さらに好ましくは100倍以上であるとよい。
【0062】
細径の絶縁電線という観点から、絶縁電線100の外径(直径)は、7mm以下であることが好ましい。絶縁電線100の定格電圧(交流)は、例えば3600V以下である。なお、細径であることで、半導電層130、高電気絶縁層140、および、難燃層150を、照射架橋により同時に架橋させやすいという利点もある。
【0063】
半導電層130の厚さ(導体110の表面の撚り目の凸部上つまり最薄部の厚さ)の上限については、細径化の観点から、例えば、0.10mm以下であることが好ましい。なお、半導電層130の厚さの下限については、導体110の表面の凹凸を被覆できれば、特に制限されないが、例えば、半導電層130の厚さの均一性を高めて安定した耐電圧特性を得る観点からは、0.05mm以上であることが好ましい。なお、導体110の表面の撚り目の凹部上の、凹部を埋める部分の厚さとしては、素線外径の1/2以上であることが好ましい。
【0064】
高電気絶縁層140の厚さの上限については、細径化の観点から、例えば、0.15mm以下であることが好ましく、0.10mm以下であることがより好ましい。なお、高電気絶縁層140の厚さの下限については、所望の絶縁性が得られれば、特に制限されないが、例えば、高電気絶縁層140の厚さの均一性を高めて安定した絶縁性を得る観点からは、0.05mm以上であることが好ましい。
【0065】
難燃層150の厚さの上限については、細径化の観点から、例えば、0.30mm以下であることが好ましい。なお、難燃層150の厚さの下限については、高電気絶縁層140(および半導電層130)の厚さに応じて難燃性を得られる厚さであれば、特に制限されないが、例えば、難燃層150の厚さの均一性を高めて安定した難燃性を得る観点からは、0.10mm以上であることが好ましい。
【0066】
細径化の観点からは、半導電層130と高電気絶縁層140との間に、他の層が配置されていないことが好ましい。つまり、高電気絶縁層140は、半導電層130の直上に(半導電層130と接触して)配置されていることが好ましい。また、高電気絶縁層140と難燃層150との間に、他の層が配置されていないことが好ましい。つまり、難燃層150は、高電気絶縁層140の直上に(高電気絶縁層140と接触して)配置されていることが好ましい。また、難燃層150の外周上に、他の層が配置されていないことが好ましい。つまり、難燃層150は、被覆層120の、つまり絶縁電線100の最外層であることが好ましい。
【0067】
半導電層130、高電気絶縁層140、および、難燃層150は、導体110の外周上に、同時押出により形成することが好ましい。これにより、半導電層130と高電気絶縁層140との境界面上、および、高電気絶縁層140と難燃層150との境界面上に、電界集中の原因となる大気中のゴミが付着することを抑制できる。
【0068】
なお、半導電層130は、必要に応じて、複数の半導電層(サブ半導電層)の積層構造で構成されていてもよい。また、高電気絶縁層140は、必要に応じて、複数の絶縁層(サブ絶縁層)の積層構造で構成されていてもよい。また、難燃層150は、必要に応じて、複数の難燃層(サブ難燃層)の積層構造で構成されていてもよい。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、絶縁電線において、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる。
【0070】
なお、実施形態による絶縁電線は、絶縁電線単体での使用に限られず、ケーブルのコアに使用する等、必要に応じて、他の部材と組み合わせて使用してもよい。
【0071】
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態を例示的、具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような他の実施形態も可能である。
【0072】
図2を参照して、他の実施形態による絶縁電線100について説明する。図2は、他の実施形態による絶縁電線100の構造の一例を示す、長さ方向に垂直な断面図である。
【0073】
他の実施形態においては、導体110の外周上に配置された被覆層120が、半導電層130と、半導電層130の外周上に配置された難燃層150aと、難燃層150aの外周上に配置された(難燃層150aを介して半導電層130の外周上に配置された)高電気絶縁層140と、高電気絶縁層140の外周上に配置された難燃層150bとが積層された積層構造160を有する。難燃層150aと難燃層150bとが、全体の難燃層150を構成する。
【0074】
つまり、他の実施形態では、難燃層150が、高電気絶縁層140の外側(導体110と反対側)に配置された難燃層150bに加えて、高電気絶縁層140の内側(導体110側)に配置された難燃層150aを有する。難燃層150aは、難燃層150bと同様に、難燃剤を含むポリマ組成物から形成され、例えば、当該ポリマ組成物を半導電層130の外周上に押出すことで形成される。必要に応じて、例えば、難燃性をより高めるために、このような構成の難燃層150としてもよい。
【0075】
このように難燃層150は、高電気絶縁層140の外側のみに配置されている構成とすることも、高電気絶縁層140の外側および内側の両方に配置されている構成とすることもできる。ただし、絶縁電線100の難燃性を高めるため、難燃層150は、少なくとも高電気絶縁層140の外側(外周上)に配置されていることが好ましい。
【実施例】
【0076】
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0077】
〔絶縁電線の作製〕
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3として、図1に示した積層構造を有する絶縁電線を、以下のようにして作製した。
【0078】
半導電層を形成するポリマ組成物(A)、高電気絶縁層を形成するポリマ組成物(B)、および、難燃層を形成するポリマ組成物(C)を調製した。ポリマ組成物(A)〜(C)の配合を、それぞれ、表1〜表3に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
導体として、外径が1.23mmのもの(外径0.18mmのスズメッキ銅素線を37本撚り合せたもの)を準備した。導体の外周上に、ポリマ組成物(A)、ポリマ組成物(B)、および、ポリマ組成物(C)を同時に押出し、電子線照射により架橋を行うことで、半導電層、高電気絶縁層、および、難燃層を形成して、絶縁電線を作製した。
【0083】
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3の絶縁電線において、半導電層、高電気絶縁層、および、難燃層の厚さを異ならせた。なお、比較例1では、半導電層を形成しなかった。各層の厚さ、および、合計の被覆厚さを、表4に示す。
【0084】
【表4】
【0085】
〔絶縁電線の評価〕
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3の絶縁電線について、絶縁性(電気特性)および難燃性を、以下のようにして評価した。評価結果を、表4に示す。
【0086】
(直流安定性試験)
絶縁電線の電気特性、つまり、絶縁信頼性は、EN50305.6.7に準じて、85℃、3%NaCl水溶液中で300Vの直流を課電する直流安定性試験により評価した。10日で短絡しないもの、つまり、短絡するまでの時間が240時間以上となるものを合格(○)とし、10日未満で短絡するもの、つまり、短絡するまでの時間が240時間未満であったものを不合格(×)とした。
【0087】
(難燃性)
絶縁電線の難燃性は、以下に示す垂直燃焼試験(VFT試験およびVTFT試験)により評価した。
【0088】
EN60332−1−2に規定される一条ケーブル垂直燃焼試験(Vertical flame propagation for a single insulated wire or cable)に準じて、VFT試験を実施した。具体的には、長さ600mmの絶縁電線を垂直に保持し、絶縁電線に炎を60秒間当てた。炎を取り去った後、60秒以内に消火したものを合格(○)、60秒以内に消火しなかったものを不合格(×)とした。
【0089】
EN50266−2−4に規定される多条ケーブル垂直燃焼試験(Flame propagation (bunched cables))に準じて、VTFT試験を実施した。具体的には、全長3.5mの絶縁電線を7本撚り合わせて1束とし、11束を等間隔に垂直に並べ、20分間燃焼させ、自己消炎後、下端部からの炭化長を測定した。炭化長が2.5m以下であれば合格(○)、炭化長が2.5mを超えれば不合格(×)とした。
【0090】
(総合評価)
直流安定性試験および難燃性の両方について合格した絶縁電線について、総合評価を合格(○)とし、それ以外のものについて、総合評価を不合格(×)とした。
【0091】
<実施例1〜実施例3>
実施例1は、半導電層の厚さが0.10mm、高電気絶縁層の厚さが0.11mm、難燃層の厚さが0.29mmである。実施例2は、半導電層の厚さが0.05mm、高電気絶縁層の厚さが0.15mm、難燃層の厚さが0.30mmである。実施例3は、半導電層の厚さが0.10mm、高電気絶縁層の厚さが0.08mm、難燃層の厚さが0.29mmである。
【0092】
実施例1〜実施例3において、高電気絶縁層の厚さが、難燃層の厚さよりも薄く、さらに、半導電層の厚さが、難燃層の厚さよりも薄いことで、難燃性と細径化が両立されている。また、半導電層が形成されていることで、良好な絶縁性が得られている。
【0093】
高電気絶縁層の厚さは、実施例1〜実施例3において、難燃層の厚さの1/2以下であり、実施例3において、難燃層の厚さの1/3以下である。半導電層の厚さは、実施例1〜実施例3において、難燃層の厚さの1/2以下であり、実施例2において、難燃層の厚さの1/3以下である。半導電層の厚さと高電気絶縁層の厚さとの和は、実施例1〜実施例3において、難燃層の厚さよりも薄く、実施例2および実施例3において、難燃層の厚さの2/3以下である。なお、実施例3では、半導電層の厚さよりも高電気絶縁層の厚さが薄くなっている。
【0094】
<比較例1〜比較例3>
比較例1は、半導電層が形成されておらず、高電気絶縁層の厚さが0.11mm、難燃層の厚さが0.4mmである。比較例2は、半導電層の厚さが0.10mm、高電気絶縁層の厚さが0.20mm、難燃層の厚さが0.20mmである。比較例3は、半導電層の厚さが0.20mm、高電気絶縁層の厚さが0.10mm、難燃層の厚さが0.20mmである。
【0095】
比較例1は、高電気絶縁層が薄いことで難燃性は良好であるものの、半導電層が形成されていないことで、絶縁性が不合格である。
【0096】
比較例2および比較例3は、半導電層が形成されていることで絶縁性は合格しているものの、比較例2は、高電気絶縁層の厚さが難燃層の厚さと等しく、比較例3は、半導電層の厚さが難燃層の厚さと等しいことで、難燃性が不合格となっている。
【0097】
なお、各層の厚さを実施例1と同様とし、半導電層を形成するポリマ組成物(A)、高電気絶縁層を形成するポリマ組成物(B)、および、難燃層を形成するポリマ組成物(C)の配合を様々に異ならせた他の実施例の絶縁電線も作製しており、これらについても、上述の実施例1〜実施例3と同様な特性が得られている。例えば、体積抵抗率が1016Ωcmのオーダのポリマ組成物(B)を用いた高電気絶縁層を有する絶縁電線を作製しており、ポリマ組成物(B)としては、1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するものを用いることができる。また例えば、体積抵抗率が108Ωcmのオーダのポリマ組成物(A)を用いた半導電層を有する絶縁電線を作製しており、ポリマ組成物(A)としては、1×109Ωcm以下の体積抵抗率を有するものを用いることができる。
【0098】
以上、実施形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合せ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0099】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0100】
(付記1)
導体と、
前記導体の外周上に配置された被覆層と、
を有し、
前記被覆層は、
前記導体の外周上に配置され導電剤を含み1×109Ωcm以下の体積抵抗率を有するポリマ組成物(A)で形成された半導電層と、
前記半導電層の外周上に配置され1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物(B)で形成された高電気絶縁層と、
少なくとも前記高電気絶縁層の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(C)で形成された難燃層と、
を有し、
前記高電気絶縁層および前記半導電層の厚さは、それぞれ、前記難燃層の厚さよりも薄い絶縁電線。
【0101】
(付記2)
前記高電気絶縁層の厚さは、より好ましくは前記難燃層の厚さの1/2以下であり、さらに好ましくは前記難燃層の厚さの1/3以下である付記1に記載の絶縁電線。
【0102】
(付記3)
前記半導電層の厚さは、より好ましくは前記難燃層の厚さの1/2以下であり、さらに好ましくは前記難燃層の厚さの1/3以下である付記1または2に記載の絶縁電線。
【0103】
(付記4)
前記半導電層の厚さと前記高電気絶縁層の厚さとの和は、好ましくは前記難燃層の厚さよりも薄く、より好ましくは前記難燃層の厚さの2/3以下である付記1〜3のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0104】
(付記5)
前記高電気絶縁層は、前記高電気絶縁層と前記難燃層との積層部分の厚さ方向に印加される電圧の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上を分担する付記1〜4のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0105】
(付記6)
ポリマ組成物(B)は、1×1017Ωcm以上の体積抵抗率を有する付記1〜5のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0106】
(付記7)
前記高電気絶縁層を形成する前記ポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、前記難燃層を形成する前記ポリマ組成物(C)の体積抵抗率の、好ましくは10倍以上、より好ましくは50倍以上、さらに好ましくは100倍以上である付記1〜6のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0107】
(付記8)
前記絶縁電線の外径は、7mm以下である付記1〜7のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0108】
(付記9)
前記半導電層の厚さは、0.10mm以下である付記1〜8のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0109】
(付記10)
前記高電気絶縁層の厚さは、好ましくは0.15mm以下であり、より好ましくは0.10mm以下である付記1〜9のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0110】
(付記11)
前記難燃層の厚さは、0.30mm以下である付記1〜10のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0111】
(付記12)
前記半導電層は、前記導体の直上に(前記導体と接触して)配置されている付記1〜11のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0112】
(付記13)
前記高電気絶縁層は、前記半導電層の直上に(前記半導電層と接触して)配置されている付記1〜12のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0113】
(付記14)
前記難燃層は、さらに、前記半導電層と前記高電気絶縁層との間に配置されている付記1〜13のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0114】
(付記15)
前記難燃層は、前記高電気絶縁層の直上に(前記高電気絶縁層と接触して)配置されている付記1〜14のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0115】
(付記16)
前記難燃層は、前記絶縁電線の最外層である付記1〜15のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0116】
(付記17)
前記導体は、複数本の素線が撚り合された撚線である付記1〜16のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【0117】
(付記18)
前記難燃層は、前記ポリマ組成物(C)が1×1013Ωcm以上または1×1014Ωcm以上の体積抵抗率を有する電気絶縁層である付記1〜17のいずれか1つに記載の絶縁電線。
【符号の説明】
【0118】
100 絶縁電線
110 導体
120 被覆層
130 半導電層
140 高電気絶縁層
150、150a、150b 難燃層
160 積層構造
図1
図2
図3