(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-110829(P2021-110829A)
(43)【公開日】2021年8月2日
(54)【発明の名称】光変調器とそれを用いた光送信装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/01 20060101AFI20210705BHJP
【FI】
G02F1/01 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-2530(P2020-2530)
(22)【出願日】2020年1月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】一明 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】片岡 利夫
【テーマコード(参考)】
2K102
【Fターム(参考)】
2K102AA21
2K102BA02
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD01
2K102BD09
2K102CA28
2K102DA04
2K102DA05
2K102DB05
2K102DB08
2K102DC04
2K102DD03
2K102DD05
2K102DD07
2K102EA03
2K102EA08
2K102EA12
2K102EA16
2K102EA21
2K102EB16
2K102EB30
(57)【要約】
【課題】
光変調素子を押圧する際に、基板が破損したり、信号電極が損傷することを防止した、光変調器を提供すること。
【解決手段】
基板に光導波路と該光導波路を伝搬する光波を制御する制御電極とを備えた光変調素子を有し、該光変調素子を筐体内に固定した光変調器において、該基板の厚みが10μm以下であり、該制御電極は信号電極と接地電極を備え、該接地電極の上面には該上面から突出するように設けられた突出部が形成され、該突出部の上面は、該信号電極の上面よりも高い場所に位置することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に光導波路と該光導波路を伝搬する光波を制御する制御電極とを備えた光変調素子を有し、該光変調素子を筐体内に固定した光変調器において、
該基板の厚みが10μm以下であり、
該制御電極は信号電極と接地電極を備え、
該接地電極の上面には該上面から突出するように設けられた突出部が形成され、
該突出部の上面は、該信号電極の上面よりも高い場所に位置することを特徴とする光変調器。
【請求項2】
請求項1に記載の光変調器において、該基板は平面視した形状が長方形であり、該突出部は、該基板の長辺に沿って少なくとも2か所以上に設けられていることを特徴とする光変調器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光変調器において、該突出部は、平面視した1つの面積が10000μm2以上であることを特徴とする光変調器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の光変調器において、該突出部は、接地電極の側辺から少なくとも50μm以上離して配置されていることを特徴する光変調器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の光変調器において、該突出部が複数配置され、各突出部の上面の位置は、同じ高さになるように設定されていることを特徴とする光変調器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の光変調器において、該光導波路は、折り返し型の光導波路部分を備え、該突出部は、該光導波路分で折り返される前後の光導波路の間に設けられることを特徴とする光変調器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の光変調器において、該信号電極の端部に電極パッドを備え、該電極パッドと該突出部との間隔は100μm以上に設定されていることを特徴とする光変調器。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の光変調器において、該信号電極と該突出部との間隔は100μm以上に設定されていることを特徴とする光変調器。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の光変調器において、該光変調素子の該光導波路に光学的に結合する光ファイバとを備えたことを特徴する光変調器。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の光変調器と、該光変調素子の該制御電極に電気信号を入力する電子回路とを備えることを特徴とする光送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調器とそれを用いた光送信装置に関し、特に、基板に光導波路と該光導波路を伝搬する光波を制御する制御電極とを備えた光変調素子を備え、該光変調素子を筐体内に接着固定した光変調器とそれを用いた光送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信分野や光計測分野において、基板に光導波路と制御電極を形成した光変調素子を用いた光変調器(光変調デバイス)が利用されている。基板には、ニオブ酸リチウムや、InP又はSiなどの半導体材料などの基板が利用されている。
【0003】
光導波路は、Tiを熱拡散したり、基板表面に凹凸を形成する方法(リブ導波路)で形成される。制御電極は、高速な信号が入力される進行波型電極(信号電極と接地電極)や、バイアス点調整のためのDCバイアス電極(DC電極と接地電極)からなる。また制御電極はAuとCuとNi等の下地電極と、その上にメッキ法により形成されるAuからなり、数十μmの高さを有する。
【0004】
また、特許文献1に示すように、光導波路を伝搬する光波と信号電極を伝搬するマイクロ波との速度整合を図るため、基板の厚みを20μm以下、近年では、10μm以下の薄板に設定することが行われている。
【0005】
薄板化された基板は、数十μmの厚みの接着層を介して、又は直接接合により、補強板に接合されている。そして、このような光変調素子(チップ)は、筐体内の底面に塗布された接着剤により接着・固定され、筐体内に接合されている。
【0006】
光変調素子の基板面(底面又は上面)は、筐体の底面に対して平行に実装すると共に、光変調素子と筐体との間隔(接着剤の厚さ)を数十μm以下の所定の厚みに設定することが必要である。これは、光変調素子から入出射される光波の光軸の高さや角度のばらつきにより生じる、他の光学部品との光軸のずれを抑制するためである。また、信号電極を伝搬する電気信号を終端させるための終端抵抗を配置した終端基板と、光変調素子とを、各上面の高さを揃え、両者をワイヤボンディングした際の高周波特性を向上させるためにも、光変調素子の高さ調整が重要となる。
【0007】
このため、接着剤上に光変調素子を配置した後、光変調素子の上面(接地電極)を専用の押圧部材で筐体の底面側に押す操作が行われている。その結果、光変調素子(チップ)と筐体との間の接着剤の厚みを、ほぼ均一に所定の厚みに設定することが可能となる。
【0008】
このような操作は、光変調素子の上面(接地電極)の複数の箇所を、1回から、場合によっては30回以上も押すことがある。このように接地電極を押すことは、その押圧力が薄板化した基板に加わり、基板自体が破損する原因となる。
【0009】
また、接地電極を押さえる際に、誤って信号電極やDCバイアス電極などに触れ、これらの電極を傷つけることもある。さらには、曲がった信号電極が隣接する接地電極に接触するなどの不具合も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−85789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、光変調素子を押圧する際に、基板が破損したり、信号電極が損傷することを防止した、光変調器を提供することである。また、当該光変調器を用いた光送信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の光変調器は、以下のような技術的特徴を有する。
(1) 基板に光導波路と該光導波路を伝搬する光波を制御する制御電極とを備えた光変調素子を有し、該光変調素子を筐体内に固定した光変調器において、該基板の厚みが10μm以下であり、該制御電極は信号電極と接地電極を備え、該接地電極の上面には該上面から突出するように設けられた突出部が形成され、該突出部の上面は、該信号電極の上面よりも高い場所に位置することを特徴とする。
【0013】
(2) 上記(1)に記載の光変調器において、該基板は平面視した形状が長方形であり、該突出部は、該基板の長辺に沿って少なくとも2か所以上に設けられていることを特徴とする。
【0014】
(3) 上記(1)又は(2)に記載の光変調器において、該突出部は、平面視した1つの面積が10000μm
2以上であることを特徴とする。
【0015】
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光変調器において、該突出部は、接地電極の側辺から少なくとも50μm以上離して配置されていることを特徴する光変調器。
【0016】
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光変調器において、該突出部が複数配置され、各突出部の上面の位置は、同じ高さになるように設定されていることを特徴とする。
【0017】
(6) 上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の光変調器において、該光導波路は、折り返し型の光導波路部分を備え、該突出部は、該光導波路分で折り返される前後の光導波路の間に設けられることを特徴とする。
【0018】
(7) 上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光変調器において、該信号電極の端部に電極パッドを備え、該電極パッドと該突出部との間隔は100μm以上に設定されていることを特徴とする。
【0019】
(8) 上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の光変調器において、該信号電極と該突出部との間隔は100μm以上に設定されていることを特徴とする。
【0020】
(9) 上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の光変調器において、該光変調素子の該光導波路に光学的に結合する光ファイバとを備えたことを特徴する。
【0021】
(10) 上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の光変調器と、該光変調素子の該制御電極に電気信号を入力する電子回路とを備えることを特徴とする光送信装置である。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、基板に光導波路と該光導波路を伝搬する光波を制御する制御電極とを備えた光変調素子を有し、該光変調素子を筐体内に固定した光変調器において、該基板の厚みが10μm以下であり、該制御電極は信号電極と接地電極を備え、該接地電極の上面には該上面から突出するように設けられた突出部が形成され、該突出部の上面は、該信号電極の上面よりも高い場所に位置するため、光変調素子を押圧する際に、基板が破損したり、信号電極が損傷することを防止することが可能となる。しかも、当該光変調器を用いることにより、さらに、同様の効果を有する光変調器を備えた光送信装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の光変調器の実施例を説明する側面図である。
【
図2】
図1の一点鎖線X−X’における断面図である。
【
図3】本発明の光変調器に用いる光変調素子の概略を示す平面図である。
【
図4】接地電極上の突出部の配置位置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を好適例を用いて詳細に説明する。
本発明の光変調器は、
図1及び
図2に示すように、基板に光導波路と該光導波路を伝搬する光波を制御する制御電極とを備えた光変調素子を有し、該光変調素子を筐体内に固定した光変調器において、該基板の厚みが10μm以下であり、該制御電極は信号電極と接地電極を備え、該接地電極の上面には該上面から突出するように設けられた突出部が形成され、該突出部の上面は、該信号電極の上面よりも高い場所に位置することを特徴とする。なお、
図2は、
図1の一点鎖線X−X’における断面図である。
【0025】
本発明に用いる光変調素子を構成する基板としては、石英、ニオブ酸リチウム、半導体材料など光導波路を基板に形成できる材料であれば、特に限定されない。なお、電気光学効果を有するニオブ酸リチウムを基板に用いた光変調器は、InP、Si、GaAsなどの半導体系材料の光変調器と比べ、高速・大容量光ファイバ通信システムに広く利用されている。
【0026】
基板の厚みは、10μm以下、変調効率を高めるとともにより小型化するためには5μm以下、更に好ましくは1.5μm以下の範囲に設定される。基板には、
図2に示すようなTi熱拡散による光導波路が形成される。光導波路は基板表面を掘り下げて形成するリッジ型やリブ型の光導波路としてもよい。また、基板表面には、Ti、AuやPt等の下地電極の上にAuをメッキ法で積層し、制御電極が形成される。制御電極には、
図2のような、信号電極と接地電極だけでなく、DCバイアス電極を設けても良い。
【0027】
また、1段目の電極層をTi(チタン)で形成し、2段目以降の電極層をAu(金)で形成することも可能である。1段目の電極層をTi(チタン)で形成することにより、基板と2段目の電極層のAu(金)との密着性を確保することできる。また、選択的にエッチング可能なウェットエッチングを行うことで、1段目の電極幅を制御することもできる。
【0028】
なお、1段目の電極層の材料は、基板と2段目の電極層のAu(金)との密着性を確保することができれば特に限定されないが、Ti(チタン)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Al(アルミニウム)が好適に使用される。2段目以降の電極材料は、電気損失が抑えられる導電率が低い材料であれば特に限定されないが、Au(金)、Ag(銀)、Au(銅)が好適に使用される。
【0029】
薄板化された基板の厚みは、20μm以下、さらには10μm以下、特に近年では変調信号の広帯域化の進展に伴い、数μm又は1μm以下に設定される場合もある。このような薄板の基板は、
図2に示すように、数十μmの厚みの接着層を介して、又は直接接合により、補強板に接合されている。補強板には、基板の線膨張係数(異方性がある場合は方向毎の線膨張係数)との差が少ない材料が使用される。
【0030】
基板に半導体材料を使用する場合には、本発明における「基板」とは、補強板上に形成された光導波路を有する半導体材料を意味する。
図2に示すように、補強板を備えた光変調素子(チップ)は、さらに、筐体内の底面に塗布された接着剤により接着・固定され、筐体内に接合されている。
【0031】
基板上に形成された制御電極の中で、平面視(
図1又は
図2の上側から下側を見た状態)した場合に、最も多くの面積を有する電極は接地電極である。本発明は、この接地電極の上面に、接地電極を押圧するための「突出部」を形成している。突出部は、接地電極と同じ材料および同様の方法で形成してもよいし、接地電極と異なる材料または異なる方法で形成してもよい。さらに、突出部の材料としては、Au以外の金属であっても良いし、金属に限らず、フォトレジストなどの樹脂であっても良い。
なお、突出部は押圧力を広く接地電極に分散する観点から硬度が接地電極よりも高くなるよう設定することがより好ましい。
【0032】
光変調素子を筐体内に接着固定する際には、筐体の底面に接着剤を塗布し、その上に光変調素子を配置する。そして、
図1に示すように、光変調素子の上面に形成された接地電極押し部を、専用の押圧部材で押し、光変調素子の底面と筐体の底面とが平行になるよう実装する。光変調素子の筐体との間に介在する接着剤の厚みは、光変調素子と筐体との平行度向上の観点から100μm以下、好ましくは50μm以下、更に好ましくは20μm以下となるようにする。
【0033】
図3は、光変調素子を平面視した場合の概略を示したものである。ここでは、光導波路は、2つのマッハツェンダー型導波路を並列かつ入れ子型に配置したものを例示している。光導波路近傍は、制御電極が複雑に入り組んでいるため、光導波路近傍よりも、基板(平面視した際に長方形である場合が多い)の長辺(長辺方向X軸)に沿って少なくとも2か所以上に突出部を配置することが好ましい。なお、
図3では説明を簡略化するため、制御電極は図示されていない。突出部は、離散的に形成することに限定されない。長辺に沿って連続的に形成することも可能である。
【0034】
また、
図3のように、光導波路を形成した基板が長方形の場合、基板全体を同時に押すよりも、基板の長辺方向に離散的で、短辺方向(Y軸)に並んでいる突出部を同時に押す方が、光変調素子と筐体との間の接着剤を均一な厚さに微調整でき、結果として光変調素子と筐体との高い平行度を得ることができる。さらに、
図3では、短辺方向に2つの突出部が形成されているが、2つ以上の突出部を配置することも可能であり、少なくとも同時に押圧される隣接した突出部の高さ(突出部の上面位置)は、同じであることが好ましい。
【0035】
光導波路が、折り返し型の光導波路部分を備える場合には、突出部は、該光導波路で折り返される前後の光導波路の間に設けてもよい。このような構成では突出部を基板の中心寄りに配置することができるため、基板への押圧力をより均一に分散することができ光変調素子と筐体との間の接着剤を均一な厚さに調整することができる。このため光変調素子と筐体との高い平行度を得ることができる。また、このような構成は光の入出力部を有する同一の短辺側に突出部を設けることが難しい場合に採用すると好適である。
【0036】
突出部は、平面視した1つの面積が10000μm
2以上、好ましくは40000μm
2以上であることが好ましい。これにより、押圧力を広く接地電極に分散でき、基板に加わる局所的な圧力を低減することが可能となる。
【0037】
また、基板の辺の一部には、電気信号やDCバイアスを印加したり、また、基板上に配置される受光素子からの出力信号を出力するため、ワイヤーボンディング用の電極パッドが配置されている。これらの電極パッドに押圧部材が接触したり、または電極パッドに金などの配線をワイヤボンディング接続する際に当該配線が突出部に接触しショートすることを避けるためにも、電極パッドと突出部との間隔sは100μm以上、好ましくは200μm以上に設定することが好ましい。
【0038】
信号電極断面の高さ/幅が、例えば高さ40μm、幅30μm以上で、信号電極と隣接する接地電極との間隔が30μm以下となるようなエリア(電気信号が光導波路に作用する作用部など)においては、さらに突出部の配置位置に注意が必要である。このようなエリアの近傍に突出部を形成する場合、突出部への押圧に際して信号電極に力が加わり、信号電極が倒れて(または変形して)接地電極に触れショートする可能性が高まる。このため、信号電極と突出部との間隔は100μm以上、好ましくは200μm以上に設定することが好ましい。
【0039】
さらに、押圧部材が突出部に接触した際に、接地電極に加わる力で接地電極が部分剥離するなどの不具合を生じないようにするため、
図4に示すように、接地電極の側辺から離れた接地電極の内部側に突出部を配置することが好ましい。突出部と接地電極の側辺との距離(g1,g2)は、少なくとも50μm以上確保することが好ましい。
【0040】
図1に示すように、押圧部材を備えた治具を用いて、光変調素子の上面全体を均一に押圧することも可能である。この際には、突出部が複数配置され、各突出部の上面の位置は、同じ高さになるように設定される。また、基板を押圧する位置に関し、基板の長辺方向を複数に分割し、短辺方向に並んでいる突出部を局所的に押圧する方法もある。
【0041】
本発明の光変調器において、突出部が形成される接地電極は、必ずしも他の接地電極と電気的に接続されている必要は無く、必要に応じて、他の接地電極等から電気的に浮いている状態であっても良い。
【0042】
また、上述した光変調器は、筐体内に収容した光変調素子の光導波路に、光波を入力又は出力するため、該光導波路に直接接合又は光学レンズなどで光学的に結合する光ファイバを設けることができる。該光ファイバは筐体外に導出され、光波の入力又は出力機能を備えた光変調器(光変調デバイス)として構成することが可能である。
【0043】
また、上述した光変調器と、筐体内に収容した光変調素子の制御電極に電気信号(変調信号等)を入力する電子回路とを備えることで光送信装置を構成することも可能となる。なお、電子回路の一部、例えば駆動回路(ドライバ素子)を、光変調素子と同じ筐体内に収容させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明に係る光変調器によれば、光変調素子を押圧する際に、基板が破損したり、信号電極が損傷することを防止した、光変調器を提供することが可能となる。また、当該光変調器を用いることで、同様の効果を有する光変調器を備えた光送信装置を提供することも可能となる。