【課題】繊維状フィラーを含有するペレット中の未解繊フィラーの有無の検査を、短時間で正確に行うことが可能な繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製するステップAと、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えるX線透視装置を用い、前記プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するステップBと、を含む、繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法である。
前記ステップAにおいて、前記複数のペレットを型枠内に投入して加熱溶融、減圧、及びプレスをする、請求項1に記載の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
前記ステップAにおいて、前記プレスシートの厚さを0.5〜3.5mmとなるように作製する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂は、諸性能を向上させるため、種々の添加物を添加した樹脂組成物の形態で使用され、さらに、そのような樹脂組成物は、射出成形品用ペレットとして使用されるのが通常である。
【0003】
ガラス繊維等の繊維状フィラーを含有するペレットを作製する場合、通常、熱可塑性樹脂と、多数の繊維状フィラーが束となった繊維状フィラー束とを押出機で溶融混練して作製する。そして、溶融混練時に、繊維状フィラー束が解繊されることにより、繊維状フィラーが良好に分散された状態となる。
ところが、繊維状フィラー束の中には解繊が不十分な状態で繊維状フィラーが束のまま残存する場合がある。そのような解繊が不十分な状態の繊維状フィラー束(以後、未解繊フィラーと称する)は射出成形の際にノズルの詰まりの原因となる等の悪影響が危惧されるため、未解繊フィラーが存在するペレットは排除することが好ましい。そのため、ペレット中の未解繊フィラーの存在の有無の検査が重要となる。
【0004】
ペレット中の未解繊フィラーの有無の検査は、最も簡単には、目視観察により行うことが挙げられる(特許文献1参照)。あるいは、X線CTによりペレット内部を観察して未解繊フィラーの有無を観察することが知られている(特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、未解繊フィラーの有無の検査を目視で行うと時間を要したり、見落としが発生したりするなどの問題がある。そもそも、未解繊フィラーがペレットから表出していない限り目視は困難である。また、X線CTを用いる場合でも、1回の検査に長時間を要するし、一度にたくさんのペレットの検査を行うことができないという問題がある。
一方、ペレットをそのままの状態でX線透視装置により観察し、内部の未解繊フィラーを観察することも考えられる。しかし、ペレットの肉厚部と、未解繊フィラーとはいずれもX線の透過量が少ないためコントラストがつきにくく、ペレットの肉厚部において未解繊フィラーの判別が困難である。また、未解繊フィラーの向きによっては、未解繊フィラーの像がはっきりしないことがある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、繊維状フィラーを含有するペレット中の未解繊フィラーの有無の検査を、短時間で正確に行うことが可能な繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法及び検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決する本発明の一態様は以下の通りである。
(1)熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製するステップAと、
マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えるX線透視装置を用い、前記プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するステップBと、
を含む、繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
【0009】
(2)前記ステップAにおいて、前記複数のペレットを型枠内に投入して加熱溶融、減圧、及びプレスをする、前記(1)に記載の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
【0010】
(3)前記複数のペレットの全体積を、前記型枠の内側の凹部の容積以上とする、前記(2)に記載の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
【0011】
(4)前記ステップAにおいて、前記プレスシートの厚さを0.5〜3.5mmとする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
【0012】
(5)熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製する装置と、
前記プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するX線透視装置と、
を有し、
前記X線透視装置が、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備える、繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査システム。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、繊維状フィラーを含有するペレット中の未解繊フィラーの有無の検査を、短時間で正確に行うことが可能な繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法及び検査システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法>
本実施形態の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法(以下、単に「検査方法」とも呼ぶ。)は、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製するステップAと、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えるX線透視装置を用い、プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するステップBと、を含むことを特徴としている。
【0016】
本実施形態の検査方法においては、まず、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しながら減圧プレスしてプレスシートを作製する(ステップA)。そして、X線透視装置を用い、プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知する(ステップB)。このように、ペレットをそのままの状態で観察するのではなく、複数のペレットを、各々のペレットよりも薄いシート状に加工して観察するため、熱可塑性樹脂部分と、未解繊フィラーとのコントラストがつきやすく、未解繊フィラーを容易に検知することができる。また、一度に複数のペレットを用いてプレスシートを作製するため、短時間で多数のペレットの検査が可能となる。しかも、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えるX線透視装置を用いるため、未解繊フィラーを高解像度で検知することができ、正確な検査が可能となる。
以下、各ステップについて詳述する。
【0017】
[ステップA]
ステップAにおいては、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製する。
【0018】
ステップAの一例について
図1を参照して説明する。
図1に示すように、まず、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレット10を準備し、金属板16上に配置した離型シート12上に載置する(
図1(A))。次いで、複数のペレット10上に離型シート14を配置する。この状態で、熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度となるように加熱しつつ、不図示の真空装置により減圧する。その後、押圧部材18を金属板16に向けて変位し、複数のペレット10をプレスする(
図1(B))。すると、加熱により溶融状態となったペレットはシート状になる。プレス後、冷却し、離型シート12及び14を剥離することでプレスシート20が得られる(
図1(C))。なお、離型シート12、14は、複数のペレット10がプレスされ、プレスシートになった後、剥離を容易にするために用いる。離型シートとしては、離型剤を塗布したポリイミドフィルム等を用いることができる。
【0019】
本実施形態において、ペレット中の熱可塑性樹脂としては汎用プラスチックやエンジニアリングプラスチックを使用することができ、結晶性熱可塑性樹脂や非晶性熱可塑性樹脂が好適に用いられる。結晶性熱可塑性樹脂としてはポリアセタール樹脂(POM)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等のポリアリーレンサルファイド樹脂(PAS)、液晶性ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド樹脂(PA)等が挙げられる。
【0020】
また、ペレット中の繊維状フィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、ウオラストナイト等が挙げられる。
【0021】
ステップAにおいては、ペレットを溶融状態とするため、加熱温度は、ペレット中の熱可塑性樹脂の融点以上の温度とする。
【0022】
ステップAにおいて減圧するのは、プレスシート中に空隙が発生するのを防止するためである。すなわち、プレスシート中に空隙が存在すると、ステップBにおいてX線透視装置により空隙も視認されるため、未解繊フィラーの有無の検知に悪影響を及ぼす。
減圧する際の圧力としては、空隙の発生を防止するため、0.04〜0.1MPaとすることが好ましい。
【0023】
以上のようにして得られるプレスシートの厚さは、ステップBにおいてX線透視装置による未解繊フィラーの有無の検知を容易にする観点から、0.5〜3.5mmとすることが好ましい。このように、プレスシートを3.5mm以下とすると、ステップBにおいてX線透視装置による未解繊フィラーの有無を検知しやすくなる。
未解繊フィラーは、解繊が不十分であるため、繊維状フィラーの長手方向と直行する方向に多数の繊維状フィラーが束状となっており、繊維状フィラーのそれぞれの径面積よりも大きな面積を有する。この未解繊フィラーの端面形状は概ね長方形に近似できる場合があり、その長辺の方向がX線の透過する方向と同一の場合、X線透視装置で検出されるスポットは小さくなるため、検知が困難となる傾向がある。
しかし、X線の透過する方向に対して垂直方向に傾斜すると検知しやすくなる。すなわち、ペレットをプレスしてシート状にすることにより未解繊フィラーの端面長方形の長辺方向が視認されるように位置するため検知しやすくなる。
プレスする際の圧力は1〜100kNとすることが好ましい。
なお、「未解繊フィラーの端面」は、未解繊フィラーの端部であって、解繊が不十分である繊維状フィラーが結合してできたものであるため実際には面ではないが、X線透視装置では面状に視認されることからも便宜上「端面」の語を用いる。
【0024】
一方、プレスシートの厚さの制御を容易にするため、型枠を用いてプレスすることが好ましい。すなわち、型枠がスペーサの役割を果たし、プレスシートの厚さは型枠の高さに設定される。
図2及び
図3は、型枠を用いてプレスシートを作製する場合において、ペレットをプレスする前の状態を示す。
図2及び
図3において、
図1に示す構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付している。
図2、
図3においては、それぞれ、離型シート12が載置された金属板16上に矩形状の型枠22(
図2)、円形状の型枠24(
図3)が配置されている。
【0025】
図2及び
図3のいずれにおいても、型枠22、24の内側に複数のペレットを投入して加熱して減圧プレスする。このとき、型枠22、24の内側の凹部の容積よりも、ペレット10の全体積が小さいと、プレス時の押圧部材の変位は型枠22、24に規制されるため、複数のペレット10に対するプレスが不十分になり、空隙が発生しやすくなる。従って、複数のペレット10の全体積を、型枠22、24の内側の凹部の容積以上とすることが好ましい。
【0026】
[ステップB]
ステップBにおいては、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えるX線透視装置を用い、ステップAで作製したプレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知する。当該検知は、人が目視で行ってもよいし、コンピュータによる画像認識により行ってもよい。
【0027】
ステップBにおいて、ステップAにおいて作製したプレスシートを、X線透視装置を用いてその内部の未解繊フィラーの有無を検知するが、ペレットをそのままの状態で検知する場合と、プレスシートの状態で検知する場合の相違について
図4を参照して説明する。なお、
図4においては、未解繊フィラーを誇張して描いており、ペレット又はプレスシートに対する未解繊フィラーの寸法比率及び形状は実際とは異なる。
【0028】
図4(A)においては、ペレットをそのままの状態で検知している態様を、
図4(B)においては、プレスシートの状態で検知している態様を示している。
図4(A)及び(B)の下方に示すグラフは、ペレット10又はプレスシート20におけるX線の照射位置に対するX線の透過強度を示す。また、
図4(A)及び(B)における未解繊フィラー11A、11Bは、その長手方向が
図4の紙面に垂直の方向であり、
図4(A)及び(B)においては各未解繊フィラーの端面(長方形)を示している。
図4(A)において、未解繊フィラー11Aの端面長方形の長辺方向がX線の透過する方向に対して垂直に位置しており、未解繊フィラー11Bの端面長方形の長辺方向はX線の透過する方向と同一である。
図4(A)に示すように、ペレット10の厚さは一定ではなく、厚さに比例してX線の透過強度が減少する。また、隣り合うペレット10の間の隙間はX線の透過強度が高くなる。すなわち、X線の照射位置によりX線の透過強度にムラがある状態となる。さらに、ペレット10中でX線の透過する方向と端面長方形の長辺方向が同一方向である未解繊フィラー11Bは微小スポットの状態で視認されるため検知が極めて困難である。
【0029】
一方、
図4(B)に示すように、プレスシート20は厚さが一定であり、かつ、未解繊フィラー11A及び11Bは、その端面長方形の長辺方向がX線の透過する方向に対して傾斜した状態で位置しているため、線状に視認され検知が容易である。また、プレスシート20は厚さが一定であるため、
図4(B)のグラフから明らかな通り、未解繊フィラーの存在部分のみX線の透過強度が低下するが、それ以外は一定である。そのため、未解繊フィラーは樹脂部分に対してコントラストがつき、ペレット中における未解繊フィラーの有無の検知が容易である。
【0030】
本実施形態においては、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDI(Time Delay Integration)センサー又はフラットパネルセンサーを備えるX線透視装置を用いる。例えば、X線源としてミリフォーカスX線を用いると、解像度が低くぼやけた画像となるため未解繊フィラーの検知が困難となる。本実施形態においては、上記X線源と撮像センサーとを組合せて用いることで高解像度の画像が得られる。
【0031】
TDIセンサーは、ラインセンサーの一種であり、通常のラインセンサーが撮像素子を一列に並べたものであるのに対し、TDIセンサーは更に縦方向にも撮像素子を複数列設けたものである。そのため、TDIセンサーは、複数列の撮像素子で得られた画像を積分することで高感度の画像が得られる。また、対象物を移動させることで一度に大きなエリアの画像が得られる。
【0032】
フラットパネルセンサーは、複数の画素が行列状に配置された二次元センサーである。TDIセンサーは、対象物を移動させて大きなエリアの画像を得るのに対し、フラットパネルセンサーは対象物を固定して画像を得る。そのため、TDIセンサーで得られる画像のエリアよりも小さいが低コストである。
【0033】
ステップBにおいては、以上のように、X線透視装置を用いてプレスシートの透視画像を得て、その透視画像から未解繊フィラーの有無を検知する。プレスシート中の未解繊フィラーは、X線の透過強度が小さいため、X線の透過強度が大きい熱可塑性樹脂の部分とは区別して視認される。例えば、透視画像における未解繊フィラーは黒色系で視認される。したがって、ステップBにおいては、プレスシート中の未解繊フィラーの有無を容易に検知することができる。
【0034】
<繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査システム>
本実施形態の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査システムは、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製する装置と、プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するX線透視装置と、を有し、X線透視装置が、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えることを特徴としている。
本実施形態の検査システムにおいては、既述の本実施形態の検査方法を実施するのに適したシステムである。
【0035】
プレスシートを作製する装置は、ヒーター等の加熱手段と、真空ポンプ等の減圧手段と、プレス機構とを備える。
【0036】
X線透視装置は、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備える。
【実施例】
【0037】
以下に、実施例により本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
[実施例1]
(プレスシートの作製)
熱可塑性樹脂(PPS樹脂)中にガラス繊維を含むペレットを26g準備した。次いで、
図3に示すように、金属板上に、離型剤を塗布した離型シート(ポリイミドシート)を配置し、さらにその離型シート上に配置した型枠(高さ:2mm)内に、準備したペレットを充填した。ここで、充填したペレットの量は、ペレットの全体積と、型枠内の容積とが等しくなるように調整した。その後、型枠上に、上記離型シートと同じ離型シートを被せた。その状態で、真空加熱プレス装置(井元製作所(株)製、IMC−1AE4)に投入して真空ポンプにより減圧しつつ、3分50秒間予熱した。その後、温度340℃にて 金属板の下方からジャッキアップし圧力300kNとし10秒間保持した。その後、ジャッキによる加圧を解除し、真空ポンプを停止し、2枚の離型シートに挟まれたプレスシートを、治具を用いて真空加熱プレス装置から取り出した。冷却後、離型シートを剥離し、プレスシートを得た。以上の操作を3回繰り返し、3枚のプレスシートを得た。
【0039】
(X線透視装置による画像観察)
X線透視装置として、(株)島津製作所製、SMX−1000(マイクロフォーカスX線及びフラットパネルセンサー搭載)を用い、上記のようにして得られたプレスシート3枚の画像観察を行った。得られた画像を
図5(A)及び(B)に示す。
図5より、未解繊フィラーと推定される像(
図5において矢印で示す)が観察される。すなわち、
図5において、(A)は2ヶ所、(B)は3ヶ所に未解繊フィラーの存在が確認できる。
なお、型枠へのペレット投入からX線透視装置による画像観察まで11分であった。また、使用したX線透視装置は、X線源としてマイクロフォーカスX線を、撮像センサーとして高解像度のフラットパネルセンサーを搭載しているため、未解繊フィラーの像がはっきりと視認された。
【0040】
以上より、本実施形態の検査方法により、ペレット中の未解繊フィラーの有無の検知が短時間で正確に行うことが可能であることが示された。