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特開2021-126758食器洗浄システム用のロボット、ハンド、制御装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-126758(P2021-126758A)
(43)【公開日】2021年9月2日
(54)【発明の名称】食器洗浄システム用のロボット、ハンド、制御装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20210806BHJP
   A47L 15/24 20060101ALI20210806BHJP
   A47L 15/46 20060101ALI20210806BHJP
【FI】
   B25J15/06 A
   A47L15/24
   A47L15/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-24786(P2020-24786)
(22)【出願日】2020年2月17日
(71)【出願人】
【識別番号】518106124
【氏名又は名称】コネクテッドロボティクス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504132881
【氏名又は名称】国立大学法人東京農工大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人サカモト・アンド・パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】沢登 哲也
(72)【発明者】
【氏名】塚本 光一
(72)【発明者】
【氏名】ロ ビン サム
(72)【発明者】
【氏名】水内 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 千紘
【テーマコード(参考)】
3B082
3C707
【Fターム(参考)】
3B082AA08
3B082DA00
3B082DB00
3B082DC00
3C707BS09
3C707FS01
3C707FT02
3C707FT06
3C707FT17
3C707KS03
3C707KS08
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT03
3C707KT06
(57)【要約】
【課題】多様な食器に対して汎用性の高い態様で作業できるロボットを実現する。
【解決手段】食器洗浄システム用の多関節ロボットに装着可能なハンドであって、多関節ロボットの複数の動作に適合するように構成され、複数の動作は、食器を載置可能な洗浄用ラックを一の支持面上から他の一の支持面上へと移送する動作と、食器をピックアップして洗浄用ラック内に載置する動作と、食器を載置したサブラックをピックアップして洗浄用ラック内に載置する動作とを含む、ハンドが提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器洗浄システム用の多関節ロボットに装着可能なハンドであって、
前記多関節ロボットの複数の動作に適合するように構成され、
前記複数の動作は、食器を載置可能な洗浄用ラックを一の支持面上から他の一の支持面上へと移送する動作と、前記食器をピックアップして前記洗浄用ラック内に載置する動作と、前記食器を載置したサブラックをピックアップして前記洗浄用ラック内に載置する動作とを含む、ハンド。
【請求項2】
負圧発生装置に連通される管路を有し、前記負圧発生装置により生成された負圧を前記食器に作用させることで、前記食器を保持可能な保持部と、
前記洗浄用ラックに当接可能な当接部材とを備え、
前記当接部材には、前記サブラックに係合可能な係合部が形成される、請求項1に記載のハンド。
【請求項3】
前記保持部は、第1位置と第2位置との間で直線状に移動可能であり、
前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する弾性部材と、
前記保持部の前記第1位置から前記第2位置への移動を検出する検出部とを更に備える、請求項2に記載のハンド。
【請求項4】
前記検出部は、光学的に前記移動を検出する、請求項3に記載のハンド。
【請求項5】
前記保持部は、前記管路にフィルタを有する、請求項3又は4に記載のハンド。
【請求項6】
前記サブラックは、本体部と、前記本体部の重心位置に立設される軸部と、前記軸部に交差する態様で水平面内に延在する腕部とを含み、
前記腕部は、その延在方向に垂直に切断した際の断面形状が略矩形であり、かつ、前記略矩形の対角線の1つが鉛直方向に延在し、
前記係合部は、前記腕部における前記略矩形の2辺に係る2つの側面に当接可能な2つの係合面を有する、請求項2から5のうちのいずれか1項に記載のハンド。
【請求項7】
食器洗浄システム用の多関節ロボットに装着可能なハンドであって、
第1位置と第2位置との間で直線状に移動可能であり、食器を負圧により保持可能な保持部と、
前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する弾性部材と、
前記保持部の前記第1位置から前記第2位置への移動を検出する検出部とを備える、ハンド。
【請求項8】
食器洗浄システム用の多関節ロボットであって、
端部に装着されるハンドは、
第1位置と第2位置との間で直線状に移動可能であり、負圧発生装置により生成された負圧を食器に作用させることで、前記食器を保持可能な保持部と、
前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する弾性部材と、
前記保持部の前記第1位置から前記第2位置への移動を検出する検出部とを備える、多関節ロボット。
【請求項9】
食器洗浄システム用の多関節ロボットを制御する制御装置であって、
前記多関節ロボットのハンドは、
第1位置と第2位置との間で直線状に移動可能であり、負圧発生装置により生成された負圧を食器に作用させることで、前記食器を保持可能な保持部と、
前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する弾性部材と、
前記保持部の前記第1位置から前記第2位置への移動を検出する検出部とを備え、
前記ハンドを装着した前記多関節ロボットが前記食器をピックアップするための動作中に、前記検出部により前記移動が検出された場合に、前記多関節ロボットの該動作を停止させる、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食器洗浄システム用のロボット、ハンド、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットアーム機構を有するロボットにより、搬入台から食器洗浄機への洗浄用ラックの移送および食器洗浄機から搬出台への洗浄用ラックの移送を行う工程により、食器を洗浄する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開公報WO2018/034252号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来技術では、多様な食器に対して汎用性の高い態様で作業できるロボットを実現することが難しい。
【0005】
そこで、1つの側面では、本発明は、多様な食器に対して汎用性の高い態様で作業できるロボットを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、以下のような解決手段を提供する。
【0007】
(1) 食器洗浄システム用の多関節ロボットに装着可能なハンドであって、
前記多関節ロボットの複数の動作に適合するように構成され、
前記複数の動作は、食器を載置可能な洗浄用ラックを一の支持面上から他の一の支持面上へと移送する動作と、前記食器をピックアップして前記洗浄用ラック内に載置する動作と、前記食器を載置したサブラックをピックアップして前記洗浄用ラック内に載置する動作とを含む、ハンド。
【0008】
(2) 負圧発生装置に連通される管路を有し、前記負圧発生装置により生成された負圧を前記食器に作用させることで、前記食器を保持可能な保持部と、
前記洗浄用ラックに当接可能な当接部材とを備え、
前記当接部材には、前記サブラックに係合可能な係合部が形成される、(1)に記載のハンド。
【0009】
(3) 前記保持部は、第1位置と第2位置との間で直線状に移動可能であり、
前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する弾性部材と、
前記保持部の前記第1位置から前記第2位置への移動を検出する検出部とを更に備える、(2)に記載の食器洗浄システム用制御装置。
【0010】
(4) 前記検出部は、光学的に前記移動を検出する、(3)に記載の食器洗浄システム用制御装置。
【0011】
(5) 前記保持部は、前記管路にフィルタを有する、(3)又は(4)に記載の食器洗浄システム用制御装置。
【0012】
(6) 前記サブラックは、本体部と、前記本体部の重心位置に立設される軸部と、前記軸部に交差する態様で水平面内に延在する腕部とを含み、
前記腕部は、その延在方向に垂直に切断した際の断面形状が略矩形であり、かつ、前記略矩形の対角線の1つが鉛直方向に延在し、
前記係合部は、前記腕部における前記略矩形の2辺に係る2つの側面に当接可能な2つの係合面を有する、(2)から(5)にいずれか1つに記載の食器洗浄システム用制御装置。
【0013】
(7) 食器洗浄システム用の多関節ロボットに装着可能なハンドであって、
第1位置と第2位置との間で直線状に移動可能であり、食器を負圧により保持可能な保持部と、
前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する弾性部材と、
前記保持部の前記第1位置から前記第2位置への移動を検出する検出部とを備える、ハンド。
【0014】
(8) 食器洗浄システム用の多関節ロボットであって、
端部に装着されるハンドは、
第1位置と第2位置との間で直線状に移動可能であり、負圧発生装置により生成された負圧を食器に作用させることで、前記食器を保持可能な保持部と、
前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する弾性部材と、
前記保持部の前記第1位置から前記第2位置への移動を検出する検出部とを備える、多関節ロボット。
【0015】
(9) 食器洗浄システム用の多関節ロボットを制御する制御装置であって、
前記多関節ロボットのハンドは、
第1位置と第2位置との間で直線状に移動可能であり、負圧発生装置により生成された負圧を食器に作用させることで、前記食器を保持可能な保持部と、
前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する弾性部材と、
前記保持部の前記第1位置から前記第2位置への移動を検出する検出部とを備え、
前記ハンドを装着した前記多関節ロボットが前記食器をピックアップするための動作中に、前記検出部により前記移動が検出された場合に、前記多関節ロボットの該動作を停止させる、制御装置。
【発明の効果】
【0016】
1つの側面では、本発明によれば、多様な食器に対して汎用性の高い態様で作業できるロボットを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】食器洗浄システム用制御装置の構成を示す図である。
図2】食器洗浄システム用制御装置が設置される作業場を例示する上面図である。
図2A】作業場を例示する斜視図である。
図2B】作業場を例示する斜視図である。
図2C】作業場を例示する斜視図である。
図3】第1ロボットおよび第2ロボットの先端に取り付けられるハンドを示す斜視図である。
図3A】第1ロボットの先端に取り付けられるハンドを示す斜視図である。
図3B】第1ロボットの先端に取り付けられるハンドを示す斜視図である。
図3C】第1ロボットの先端に取り付けられるハンドを示す斜視図である。
図4】サブラックの構成を示す上面図である。
図4A】サブラックの構成を示す正面図である。
図4B】サブラックの構成を示す側面図である。
図4C図4のIVc−IVc線における腕部の断面図である。
図4D】他の例によるサブラックの構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0019】
図1は、食器洗浄システム用制御装置1の構成を示す図である。なお、食器洗浄システム用制御装置1は、1つ以上のコンピュータにより実現されてもよい。この場合、1つ以上のコンピュータは、サーバコンピュータを含んでもよい。
【0020】
図1に示すように、本実施例の食器洗浄システム用制御装置1は、作業装置としての第1ロボット21および第2ロボット22の動作を制御する処理装置11と、第1ロボット21および第2ロボット22にそれぞれ取り付けられた第1カメラ23および第2カメラ24の画像を処理する画像処理装置12と、処理装置11、食器洗浄機4、噴射装置26および回転装置27を制御する主制御部13と、処理装置11における処理を規定するプログラムおよび処理装置11における制御に必要なデータを格納する記憶部14と、主制御部13における処理を規定するプログラムおよび主制御部13における制御に必要なデータを格納する記憶部15と、を備える。なお、記憶部14及び記憶部15は共通の記憶装置により実現されてもよい。また、画像処理装置12は、例えばGPU(Graphics Processing Unit)単体であるが、処理装置11とは別の処理装置(GPUを含む処理装置)により実現されてもよい。
【0021】
また、主制御部13には、食器洗浄システム用制御装置1の動作状態等を表示する表示部16と、作業者等の操作を受け付ける操作受付部17とが接続されている。
【0022】
また、処理装置11は、後述するアクチュエータ54A、検出部72A、負圧発生装置28A、アクチュエータ54B、検出部72Bおよび負圧発生装置28Bを制御する。
【0023】
主制御部13と処理装置11は、協働して食器の洗浄に必要な処理を順次、実行する。
【0024】
図2は、食器洗浄システム用制御装置1が設置される作業場を例示する上面図、図2A図2Cは、作業場を例示する斜視図である。図2Aは、作業場全体を示す斜視図であり、図2Bは、洗浄対象の食器が配置される側の部分の斜視図であり、図2Cは、シンクS付近の拡大図である。
【0025】
図2に示すように、作業場には、L字状の壁体Wに沿った略L字状の作業テーブルTが配置されている。作業テーブルTには、略同一水平面内に延在する第1支持面31、第2支持面32、第3支持面33および第4支持面34が設けられ、それぞれに食器が収容された洗浄用ラックRを載置可能とされている。図2Aでは、ある一の状態として、第1支持面31上に洗浄用ラックR1が支持され、第2支持面32上に洗浄用ラックR2が支持され、第4支持面34上にR3が支持された状態が示される。なお、ここでは、3つの洗浄用ラックR(R1〜R3)が循環される例が図示されるが、循環される洗浄用ラックRの個数は、1つ又は2つであってもよい。
【0026】
なお、第1支持面31から第4支持面34のそれぞれは、洗浄用ラックRを支持可能な支持面であればよく、洗浄用ラックRの外形に応じた領域を有し、当該外形よりも有意に大きい領域であってもよい。「略同一水平面内」とは、後述する第1ロボット21および第2ロボット22による洗浄用ラックRの搬送を妨げない程度の段差を許容する概念である。
【0027】
第2支持面32は、作業テーブルTのコーナー部分に設けられ、第2支持面32の上に、上下方向に駆動される洗浄装置41を備える食器洗浄機4が設置されている。第1支持面31、第3支持面33および第4支持面34は、それぞれ第2支持面32の周囲に配置されている。なお、この場合、第1支持面31及び第4支持面34のそれぞれは、第2支持面32及び第3支持面33のそれぞれに隣接する。
【0028】
第1支持面31から第4支持面34のそれぞれは、既存の設備上に設定されてもよいし、新設されてもよい。なお、第1支持面31から第4支持面34のそれぞれを供する支持部は、特許請求の範囲の「第1支持部から第4支持部」の一例である。
【0029】
第3支持面33は、取り外し可能なテーブル、又は、収納可能なテーブルにより構成することも可能である。例えば、持ち上げることで取り外し可能なテーブルにより第3支持面33を構成することができる。この場合、この取り外されたテーブルを収納するスペースを作業テーブルTに設けてもよい。また、例えば、表面が略矩形状のテーブルにより第3支持面33を構成し、略矩形状の一辺を作業テーブルTに対し、ヒンジを介して取り付けてもよい。この場合、第3支持面33が不要なときには、ヒンジを介して吊り下げた状態でテーブルを収容することができる。
【0030】
このように、第3支持面33を、取り外し可能なテーブル、又は、収納可能なテーブルにより構成することにより、作業員の作業スペースを拡大することができる。とくに、テーブルを取り外し、または収納した状態において、作業員が第3支持面33の場所で作業することが可能となる利点がある。
【0031】
また、作業テーブルTには、食器を予備洗浄するためのシンクSと、作業テーブル35(図2の右側)と、作業テーブル36(図2の左下側)が設けられる。また、作業テーブル35の上方には棚37Aおよび棚37Bが配置され、作業テーブル36の上方には棚38Aおよび棚38Bが配置されている。
【0032】
棚37Aの下面には、第1カメラ23(図1参照)(図2Aに一点鎖線で模式的に図示)が取り付けられる。この場合、第1カメラ23は、固定位置から、作業テーブル35上の状態を撮像できる。ただし、第1カメラ23の取り付け位置は、作業テーブル35上の状態を撮像できる位置であれば任意である。他の実施例では、第1カメラ23は、第1ロボット21の先端21bの近傍に取り付けられてもよい。また、第1カメラ23は、異なる視点から作業テーブル35を撮像できるように複数個設けられてもよい。
【0033】
なお、第1カメラ23は、典型的には、単眼であるが、ステレオタイプであってもよい。この場合、作業テーブル35上の食器に係る距離情報(例えば作業テーブル35からの高さ等)を得ることも可能である。また、第1カメラ23に加えて又は代えて、測距センサ等が利用されてもよい。
【0034】
また、棚38Bの下面には、第2カメラ24(図1参照)(図2Aに一点鎖線で模式的に図示)が取り付けられる。この場合、第2カメラ24は、固定位置から、棚38A上の状態を撮像できる。ただし、第2カメラ24の取り付け位置は、棚38A上の状態を撮像できる位置であれば任意である。他の実施例では、第2カメラ24は、第2ロボット22の先端22bの近傍に取り付けられてもよい。
【0035】
あるいは、第2カメラ24は、棚38Aの下面に取り付けられてもよい。この場合、第2カメラ24は、固定位置から、作業テーブル36上の状態を撮像できる。
【0036】
また、他の実施例では、第2カメラ24は、複数設けられてもよい。例えば、第2カメラ24は、棚38Bの下面と棚38Aの下面とにそれぞれ設けられてもよい。あるいは、第2カメラ24は、別の場所から、棚38A上の状態及び作業テーブル36上の状態を同時に撮像してもよい。
【0037】
第1カメラ23と同様に、第2カメラ24は、典型的には、単眼であるが、ステレオタイプであってもよい。この場合、作業テーブル35上の食器に係る距離情報(例えば棚38A及び/又は作業テーブル35からの高さ等)を得ることも可能である。また、第1カメラ23に加えて又は代えて、測距センサ等が利用されてもよい。
【0038】
シンクSには洗浄液や水を溜めるための凹部が形成され、凹部には洗浄液や水を噴射する噴射装置26(図1)が設けられている。また、凹部には表面が略球状の洗浄部材B(例えば、ブラシ)が取り付けられている。洗浄部材Bは、回転装置27(図1)により軸28(図2C)周りに回転可能とされ、食器の表面を物理的に擦ることで、食器を洗浄する。これにより、米粒のような粘着性の高い除去対象物を、食器から効果的に除去できる。
【0039】
図2図2Cに示すように、第1ロボット21は、壁体Wの一辺における床面FLから離れた高さに設置され、第2ロボット22は、壁体Wの他辺における床面FLから離れた高さに設置される。このように、第1ロボット21および第2ロボット22を壁体Wに取り付けることで、作業場における作業者のためのテーブルを広く確保することができる。特に、本実施例では、第1ロボット21及び第2ロボット22は、ともに多関節ロボットであり、壁体W側に退避させることができるので、テーブルの上方の作業スペースを効果的に確保できる。この場合、例えば図2に示す領域200付近に立ちながら作業者が作業することも可能となり、第1ロボット21及び/又は第2ロボット22の非稼働時にも設備を有効に利用できる。
【0040】
第1ロボット21および第2ロボット22は複数の回転関節を有する多関節ロボットであり、それぞれの基端21aおよび基端22aが壁体Wに取り付けられている。なお、第1ロボット21または第2ロボット22として、回転関節だけでなく直動関節を有するロボットを用いることもできる。
【0041】
第1ロボット21および第2ロボット22には、各関節を駆動するためのアクチュエータ(不図示)が関節ごとに設けられ、これらのアクチュエータが処理装置11に接続されて制御される。
【0042】
図3は、第1ロボット21の先端21bおよび第2ロボット22の先端22bに取り付けられるハンド5Aおよびハンド5Bを示す斜視図である。図3A図3Cは、第1ロボット21の先端21bに取り付けられるハンド5Aを示す斜視図である。なお、図3Aにおいて、符号29は、電気信号のケーブルを指す。
【0043】
図3図3Cに示すように、ハンド5Aは、取り付け面51a(図3)を介して第1ロボット21の先端21bに固定される当接部材51と、当接部材51に取り付けられたアクチュエータ部53と、アクチュエータ部53に収容されたアクチュエータ54A(図1)の回転軸54aに取り付けられた「コ」の字状の支持部材55と、を備える。当接部材51の位置および角度は、第1ロボット21のアクチュエータ群を介して処理装置11により制御される。
【0044】
また、アクチュエータ54Aの駆動により、支持部材55は当接部材51に対し、回転軸54aを中心として回動する。支持部材55の位置および角度は、第1ロボット21のアクチュエータ群およびアクチュエータ54Aを介して処理装置11により制御される。
【0045】
当接部材51には、係合部61および係合部62が形成されている。なお、図3図3Cでは、一対の係合部61および一対の係合部62が形成される例を示しているが、係合部の構成は任意である。係合部が対を形成しなくてもよく、また、係合部の個数も任意である。
【0046】
図3図3Cの例では、係合部61は、凹部を形成する係合面61aおよび係合面61bを有する(図3B)。係合部62は、係合部61と同様の形状であって、係合部61の凹部と逆方向を向くような凹部を形成する係合面62aおよび係合面62bを有する。
【0047】
支持部材55には、負圧発生装置28A(図1)により生成された負圧を食器に作用させることで、食器を保持可能な保持部56が、取り付けられている。図3において上下方向に延設された保持部56は、同方向に延設されて負圧発生装置28Aに連通される管路取付穴57を有する。管路取付穴57には、負圧発生装置28Aに連通されるチューブ(図示せず)が気密に取り付けられる。管路取付穴57に連通する保持部56内には、負圧発生装置28Aに向けて異物(例えば米粒)や水分が吸引されることを防止するためのフィルタ(不図示)が設けられている。また、保持部56は、その先端(図3において下端)側に取り付けられて内部空間が管路取付穴57に連通される吸着パッド56aを備える。吸着パッド56aは、シリコンゴムなどの弾性部材からなり、図3において下方の開口端に向かって内径および外径が拡大するテーパー形状を有する。
【0048】
保持部56は、支持部材55に対し、図3において上下方向にスライド可能に取り付けられ、スプリングのような弾性部材(不図示)により図3において下方向に、すなわちノミナル位置に向けて付勢されている。従って、保持部56は、常態では、ノミナル位置に位置し、上方向に荷重を受けると、弾性部材の付勢力に抗して、上方位置(ノミナル位置よりも所定距離上方の位置)へ移動可能である。なお、保持部56は、上方位置より更に上方へ移動がストッパ(不図示)により係止されてもよい。なお、スプリングのような弾性部材(不図示)は、スプリングプランジャにより実現されてよい。
【0049】
図3において保持部56の上端側(例えばスプリングプランジャの先端部)には、L字形状に形成された遮光板71が取り付けられている(図3C)。遮光板71の先端部71aの側(図3Cの左側)には、フォトカプラを用いた検出部72Aが設けられている。保持部56がノミナル位置にあるとき、検出部72Aの光路は遮光板71の先端部71aにより遮断される。保持部56が弾性部材の付勢力に抗して上方位置に到達したとき、遮光板71の先端部71aは検出部72Aの光路から離れる。
【0050】
第2ロボット22の先端22bは、ハンド5B(図3)が取り付けられる。ハンド5Bはハンド5Aと実質的に同一の構成を備え、ハンド5Bには、ハンド5Aのアクチュエータ54Aに代えてアクチュエータ54B(図1)が、ハンド5Aの検出部72Aに代えて検出部72B(図1)が、それぞれ設けられている。
【0051】
図4は、サブラックSRの構成を示す上面図、図4Aは、サブラックSRの構成を示す正面図、図4Bは、サブラックSRの構成を示す側面図、図4Cは、図4のIVc−IVc線における腕部121の断面図である。
【0052】
図4図4Bに示すように、サブラックSRは、金網等で構成された本体部110と、本体部110の重心位置付近に立設される軸部120と、軸部120に交差する態様で水平面内に延在する腕部121とを備える。なお、腕部121は、軸部120から突出する対の突起の形態であってもよい。また、変形例では、軸部120は、本体部110の重心位置から有意に離れた位置に設けられてもよい。
【0053】
図4Cに示すように、腕部121は、その延在方向に垂直に切断した際の断面形状が略矩形であり、かつ、この略矩形の対角線の1つである直線121Aが鉛直線となっている。また、腕部121はこの略矩形の2辺のそれぞれに対応する係合面122aおよび係合面122bを有する。
【0054】
図4図4Bに示すように、サブラックSRの本体部110には、仕切り構造130および仕切り構造140などを収容することも可能である。仕切り構造130により、例えば、小皿131や大皿132を本体部110で支持することができる。また仕切り構造140により、例えば、箸、スプーン、フォークなどの食器類を本体部110で支持することができる。サブラックSRは、食器を入れた状態で洗浄用ラックRに載置可能とされている。
【0055】
このようなサブラックSRを利用可能とすることで、洗浄用ラックRに直接載置するには小さすぎる食器等(「第2類の食器」の一例)を、サブラックSRに載置できるので、多様な食器を扱うことが可能となる。なお、洗浄用ラックRには、比較的大きな食器(例えばどんぶりやお椀等)(「第1類の食器」の一例)が直接的に載置可能である。
【0056】
なお、図4図4Bに示す例では、腕部121は、サブラックSRの短手方向に平行に延在するが、これに限られない。例えば図4Dに示すサブラックSR’では、腕部121は、サブラックSR’の長手方向に平行に延在する。この場合、腕部121がサブラックSRの短手方向に平行に延在する場合に比べて、吊るされた際の安定性が増し、第1ロボット21または第2ロボット22による運搬性が良好となる。
【0057】
次に、食器洗浄システム用制御装置1の動作について説明する。
【0058】
作業者が作業テーブル35、棚37Aまたは棚37Bに使用済みの食器、例えば皿やどんぶり(以下、「皿」で代表する)を伏せた状態で置くと、処理装置11は、第1ロボット21がハンド5Aの保持部56を介して皿を保持するように、第1ロボット21を制御する。
【0059】
具体的には、処理装置11は、第1カメラ23の映像に基づく画像処理装置12の認識結果に従って、特定種類の皿の存在およびその皿の位置を特定する。また、処理装置11は、特定された皿の位置の上方に保持部56を移動させ、保持部56の延設方向が鉛直となる状態を維持しつつ、保持部56(吸着パッド56a)を皿の底面に近づけてゆく。吸着パッド56aが皿に接触した後、さらに保持部56が降下すると、皿からの上方向の力を受けて、保持部56が弾性部材の付勢力に抗して支持部材55に対して上方に移動する。上記のように、保持部56が上方位置に到達すると、遮光板71の先端部71aが検出部72Aの光路から離れ、検出部72Aは保持部56が上方位置に到達したことを検出する。処理装置11は、保持部56が上方位置に到達したことを検出部72Aが検出したタイミングで保持部56が降下する動作を停止する。処理装置11によるこのような制御により、適切な力で吸着パッド56aが皿の底面に押し付けられるため、負圧発生装置28A(図1)により生成された負圧の吸引力によって、皿は安定して保持される。また、保持部56が皿に過大な力で押し付けられることも回避できる。
【0060】
次に、処理装置11は、負圧発生装置28A(図1)により負圧が生成された状態を維持しつつ、保持部56の延設方向が鉛直となる状態で、皿をシンクSの凹部の噴射装置26(図1)に接近した位置に移動させる。この状態で、処理装置11は、主制御部13の制御を介して、噴射装置26から洗浄液等を皿の表面に向けて噴射させる。
【0061】
次に、処理装置11は、負圧発生装置28A(図1)により負圧が生成された状態を維持しつつ、皿をシンクSの凹部の洗浄部材Bの上方に移動させる。次に、処理装置11は、保持部56の延設方向が鉛直となるように維持しながら皿を下降させる。皿の凹部が洗浄部材Bに接触した後、さらに保持部56が降下すると、皿からの上方向の力を受けて、保持部56が弾性部材の付勢力に抗して支持部材55に対して上方に移動する。上記のように、保持部56が上方位置に到達すると、遮光板71の先端部71aが検出部72Aの光路から離れ、検出部72Aは保持部56が上方位置に到達したことを検出する。処理装置11は、保持部56が上方位置に到達したことを検出部72Aが検出したタイミングで保持部56が降下する動作を停止する。処理装置11によるこのような制御により、適切な力で皿が洗浄部材Bに押し付けられるため、回転装置27により回転駆動される洗浄部材Bにより、皿が効率的に予備洗浄される。
【0062】
なお、洗浄部材Bによる洗浄に際して、皿の位置を制御するにあたり、検出部72Aによる検出結果を用いることなく、あらかじめ規定された位置に保持部56を移動させるように制御してもよい。
【0063】
次に、処理装置11は、負圧発生装置28A(図1)により負圧が生成された状態を維持しつつ保持部56を移動させて、第1支持面31(図2)に載置された洗浄用ラックR内の収容されるべき位置に皿を移送する。この状態で、処理装置11は負圧発生装置28Aの動作を停止させて負圧による吸引力を解消し、皿を洗浄用ラックRに載置する。
【0064】
なお、皿を載置する位置は、第1カメラ23により得られた洗浄用ラックRの映像に基づく画像処理装置12の認識結果に従って決定してもよく、あるいは洗浄用ラックR内に皿などを載置した履歴(載置した位置などの履歴)に基づいて決定してもよい。
【0065】
次に、食器が収容されたサブラックSRを第1支持面31(図2)に置かれた洗浄用ラックRに載置する動作について説明する。
【0066】
作業者が作業テーブル35、棚37Aまたは棚37Bに使用済みの箸、スプーン、フォーク等の食器が収容されたサブラックSRを置くと、処理装置11は、第1ロボット21がハンド5Aの係合部61または係合部62を介して、サブラックSRを吊り上げるように、第1ロボット21を制御する。
【0067】
具体的には、処理装置11は、第1カメラ23の映像に基づく画像処理装置12の認識結果に従って、第1ロボット21の当接部材51の係合部61または係合部62を、サブラックSRの腕部121の下方に位置させる。次に、処理装置11は、当接部材51を上昇させる。これにより、係合部61または係合部62と、サブラックSRの腕部121とが係合する。例えば係合部61がサブラックSRの腕部121に係合する場合、軸部120が対の係合部61の間の切り欠き部分611(図3B参照)を通る状態で、対の係合部61のそれぞれに、腕部121における軸部120のそれぞれの側の部分(対の部分)が係合する。これにより、サブラックSRを軸部120と腕部121を介して当接部材51により安定的に支持かつ運搬できる。
【0068】
係合部61と腕部121が係合した状態では、係合部61の係合面61aと、腕部121の係合面122a(または係合面122b)とが互いに接触する。また、係合部61の係合面61bと、腕部121の係合面122a(または係合面122b)とが互いに接触する。これらの面が互いに接触した状態となることで、腕部121の延設方向と直交する方向(図4Cの左右方向)における、当接部材51に対する腕部121の位置が正確に規定される。すなわち、サブラックSRの位置は、当接部材51の位置精度と同等の精度で決まる。
【0069】
また、認識されたサブラックSRの位置に誤差があったとしても、当接部材51を上昇させた際に、係合面61aと係合面122a(または係合面122b)との間、または係合面61bと係合面122a(または係合面122b)との間で滑りが発生し、最終的に係合面61aと係合面61bの両者に係合面122aおよび係合面122bの両者が接触する状態となる。したがって、常に、当接部材51に対するサブラックSRの位置が正確なものとなる。
【0070】
次に、処理装置11は、第1ロボット21の当接部材51によりサブラックSRを吊り下げた状態を維持しつつ当接部材51を移動させて、第1支持面31(図2)に置かれた洗浄用ラックR内の収容されるべき位置にサブラックSRを載置する。
【0071】
なお、皿を載置する位置は、第1カメラ23により得られた洗浄用ラックRの映像に基づく画像処理装置12の認識結果に従って決定してもよく、あるいは洗浄用ラックR内に皿などを載置した履歴(載置した位置などの履歴)に基づいて決定してもよい。
【0072】
なお、サブラックSRを載置する位置は、第1カメラ23により得られた洗浄用ラックRの映像に基づく画像処理装置12の認識結果に従って決定してもよく、あるいは洗浄用ラックR内に皿やサブラックSRなどを載置した履歴(載置した位置などの履歴)に基づいて決定してもよい。
【0073】
処理装置11は、第1支持面31(図2)に載置された洗浄用ラックRを食器洗浄機4に入れるべき状態になったと判断するまで、上記の処理を繰り返す。洗浄用ラックRを食器洗浄機4に入れるべき状態となったか否かは、第1カメラ23または第2カメラ24により得られた洗浄用ラックRの映像に基づく画像処理装置12の認識結果に従って決定してもよく、あるいは洗浄用ラックR内に皿などを載置した履歴(載置した位置などの履歴)に基づいて決定してもよい。
【0074】
次に、処理装置11は、第1ロボット21の当接部材51を洗浄用ラックRに押し当てつつ、当接部材51を第2支持面32の方向(図2において左方向)に直線的に駆動する。これにより、洗浄用ラックRは第1支持面31から第2支持面32の方向に移送される。ここでは、例えば、当接部材51における図3Aの手前側の面51bを洗浄用ラックRの側壁(図2において右側の側壁)の外側面に押し当てて、この外側面を押し込むようにして、洗浄用ラックRを移動させる。
【0075】
次に、処理装置11は、主制御部13の制御を介して、食器洗浄機4を作動させる。
【0076】
食器洗浄機4による洗浄工程が終了すると、主制御部13の制御により食器洗浄機4の動作が停止される。
【0077】
次に、処理装置11は、第2ロボット22の当接部材51を第2支持面32に載置されている洗浄用ラックRに当接させた状態で、当接部材51を第4支持面34の方向(図2において下方向)に直線的に駆動する。これにより、洗浄用ラックRは第2支持面32から第4支持面34の方向に移送される。ここでは、例えば、当接部材51における図3Aの手前側の面51bを洗浄用ラックRの側壁(図2において下側の側壁)の内側面に押し当てて、この内側面を引き込むようにして、洗浄用ラックRを移動させる。
【0078】
次に、処理装置11は、第2ロボット22の当接部材51を第4支持面34に載置されている洗浄用ラックRに当接させた状態で、当接部材51を第3支持面33の方向(図2において右方向)に直線的に駆動する。これにより、洗浄用ラックRは第4支持面34から第3支持面33の方向に移送される。ここでは、例えば、当接部材51における図3Aの手前側の面51bを洗浄用ラックRの側壁(図2において左側の側壁)の外側面に押し当てて、この外側面を押し込むようにして、洗浄用ラックRを移動させる。
【0079】
次に、処理装置11は、第3支持面33に置かれている洗浄用ラックRに載置された皿およびサブラックSRを、作業テーブル36、棚38Aおよび棚38B(載置部の一例)に順次、移送する。ここでは、上記のように、皿は保持部56により保持されて、洗浄用ラックRから例えば作業テーブル36に移送される。また、サブラックSRは、係合部61または係合部62を介して吊り下げられて、洗浄用ラックRから例えば棚38Aおよび棚38Bに移送される。なお、吊り下げられたサブラックSRの重量を計測するセンサを設け、サブラックSRの重量に応じて、移送先を変えてもよい。例えば、重量の大きなサブラックSRは下段の棚38Aに、重量の小さなサブラックSRは上段の棚38Bに、それぞれ移送してもよい。これにより、作業員の負担を軽減することができる。
【0080】
なお、第2カメラ24により得られた映像に基づく画像処理装置12の認識結果からは、作業テーブル36、棚38Aまたは棚38Bに載置された皿の種類・位置等が把握できる。従って、作業テーブル36、棚38Aおよび棚38Bのいずれに皿を載置するか、また、作業テーブル36、棚38Aまたは棚38Bにおける皿を載置する位置は、第2カメラ24により得られた映像に基づく画像処理装置12の認識結果に従って決定してもよい。なお、第2カメラ24により得られた映像に基づく画像処理装置12の認識結果に基づいて、皿を載置できる場所の不足を検出した場合は、作業者に皿の移動を促すための警報等が出力されてもよい。
【0081】
また、作業テーブル36、棚38Aおよび棚38Bには、皿は重ねて載置されてもよい。この場合、皿の重ね枚数は、皿の種類や載置部上の空間の高さ等に応じた規定値以下に制限されてよい。
【0082】
なお、本実施例では、一例として、作業テーブル36、棚38Aおよび棚38Bの3つが載置部として利用されるが、作業テーブル36、棚38Aおよび棚38Bのうちの任意の1つ又は2つだけが載置部として利用されてもよい。この場合、第2カメラ24は、載置部の状態を撮像できるように適宜配置されてよい。
【0083】
次に、処理装置11は、第3支持面33に置かれている空になった洗浄用ラックRを第1支持面31に移送する。ここでは、例えば、第2ロボット22の当接部材51における図3Aの手前側の面51bを洗浄用ラックRの側壁(図2において下側の側壁)の外側面に押し当てて、この外側面を第1支持面31の方向(図2において上方向)に直線的に押し込むようにして、洗浄用ラックRを移動させる。
【0084】
以上のように、本実施例によれば、洗浄用ラックRを、第1支持面31→第2支持面32→第4支持面34→第3支持面33→第1支持面31の順序で移送するサイクルにより、当該洗浄用ラックRを用いた食器の洗浄を行うことができる。このサイクルでは、洗浄用ラックRを上下に移動するような複雑な動きが不要であり、短時間で効率的に洗浄用ラックRを移送することができる。このため、洗浄用ラックRの移送作業を含めた洗浄時間を短縮することができる。
【0085】
また、本実施例によれば、洗浄用ラックRは、第1支持面31→第2支持面32→第4支持面34→第3支持面33→第1支持面31の順序で循環されるので、洗浄用ラックRを一旦引き上げてから再度セットする等の作業が不要であり、効率的な作業を実現できる。
【0086】
また、本実施例によれば、洗浄用ラックRは、食器とともに洗浄装置41により洗浄されるので、清浄された状態を維持しながら、第1支持面31→第2支持面32→第4支持面34→第3支持面33→第1支持面31の順序で、循環できる。
【0087】
また、本実施例では、第2支持面32に載置された洗浄用ラックRに収容された食器を食器洗浄機4により洗浄している間に、第1支持面31に載置された洗浄用ラックRへの洗浄前の食器の搬送が可能となるとともに、第3支持面33に載置された洗浄用ラックRからの食器の搬送が可能となる。このため、食器の搬送作業を含めた洗浄時間を短縮することができる。
【0088】
さらに、本実施例では、第1支持面31、第2支持面32、第4支持面34および第3支持面33を使用しているため、最大で3台の洗浄用ラックRを順繰りに使用することができる。このため、1つの洗浄用ラックRが第2支持面32で食器洗浄機4の内部にある間に、他の洗浄用ラックに対する別の作業(食器の搬送等)を行うための時間を確保することができる。このため、食器洗浄機4の稼働時間を最長化することができ、効率的に食器を洗浄することができる。
【0089】
なお、本実施例では、食器が載置された洗浄用ラックRを第1ロボット21および第2ロボット22を用いて移送しているが、その移送の一部または全部を、別の装置により実行してもよい。例えば、洗浄用ラックRを移動させるためのローラやベルトを用いたコンベア装置により、洗浄用ラックRを移送してもよい。例えば、コンベア装置により第3支持面33上から第1支持面31上への洗浄用ラックRの移送を実現しつつ、第1ロボット21により第1支持面31上から第2支持面32上への洗浄用ラックRの移送を実現し、かつ、第2ロボット22により第4支持面34上から第3支持面33上への洗浄用ラックRの移送を実現してもよい。
【0090】
また、第1支持面31、第2支持面32、第4支持面34および第3支持面33は、一の回転テーブルにより実現されてもよい。この場合、回転テーブルが回転することで、上述したような、第1支持面31→第2支持面32→第4支持面34→第3支持面33→第1支持面31の順序で、洗浄用ラックRを循環させることができる。
【0091】
本実施例のハンド5Aおよびハンド5Bでは、当接部材51にサブラックSRと係合する係合部61および係合部62を形成するとともに、保持部56を介して皿を保持可能としている。このため、共通のハンド5Aおよびハンド5Bにより、洗浄用ラックRの移送、サブラックSRの搬送および皿などの食器の搬送を可能としている。このため、1つのハンド5Aまたはハンド5Bにより、様々な作業を行うことが可能となる。したがって、食器の搬送作業を含めた洗浄時間を短縮することができる。
【0092】
より具体的には、本実施例によれば、ハンド5Aおよびハンド5Bは、それぞれ、3種類の作業として、食器を載置可能な洗浄用ラックRを、第1支持面31、第2支持面32、第4支持面34および第3支持面33のうちの、一の支持面上から他の一の支持面上へと移送する動作と、食器をピックアップして洗浄用ラックR内に載置する動作と、記食器を載置したサブラックSRをピックアップして洗浄用ラックR内に載置する動作とを行うことができる。これにより、洗浄用ラックRとサブラックSRの2種類のラックを扱いながら、多様な食器に対しても効率的な作業を実現できる。
【0093】
また、本実施例では、洗浄用ラックRに載置可能なサブラックSRを使用している。このため、様々な種類の食器をサブラックSRに収容し、サブラックSRを洗浄用ラックRに載置することにより、食器の種類に依らず、共通の作業により食器を搬送することができる。また、食器の数が増加しても、サブラックSRの単位で搬送が可能となる。このため食器の搬送作業を単純化、効率化することができ、食器の搬送作業を含めた洗浄時間を短縮することができる。
【0094】
また、本実施例によれば、第1ロボット21及び第2ロボット22のそれぞれは、多関節ロボットであり、壁体Wにおける床面FLから離れた高さに設置されるので、例えば、同様の作業を行うことが可能なロボットを床面FL上(例えば図2の領域200内)に設置する場合に比べて、作業者の作業スペースを効果的に確保できる。これにより、人とロボットとの協働がより効果的に可能となり、利便性の高いシステムを実現できる。
【0095】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0096】
例えば、上述した実施例では、第1支持面31から第4支持面34からなる4つの支持面上を利用して、洗浄用ラックRを循環させているが、支持面の数は、3つ以上であれば任意である。
【0097】
また、上述した実施例では、洗浄対象の食器は、1巡だけ、第1支持面31から第3支持面33へと移送されるが、汚れの程度等に応じて、2巡以上、循環されてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 食器洗浄システム用制御装置
4 食器洗浄機
5A ハンド
5B ハンド
11 処理装置
12 画像処理装置
21 第1ロボット
22 第2ロボット
23 第1カメラ
24 第2カメラ
26 噴射装置
27 回転装置
28A 負圧発生装置
28B 負圧発生装置
51 当接部材
56 保持部
61 係合部
72A 検出部
72B 検出部
110 本体部
120 軸部
121 腕部
122a 係合面
122b 係合面
R 洗浄用ラック
SR サブラック
図1
図2
図2A
図2B
図2C
図3
図3A
図3B
図3C
図4
図4A
図4B
図4C
図4D