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特開2021-159587医用画像処理装置及び医用画像処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-159587(P2021-159587A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】医用画像処理装置及び医用画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20210913BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20210913BHJP
【FI】
   A61B8/14
   A61B6/03 360D
   A61B6/03 360J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-66877(P2020-66877)
(22)【出願日】2020年4月2日
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 一郎
(72)【発明者】
【氏名】小野 稔
(72)【発明者】
【氏名】高木 周
(72)【発明者】
【氏名】前田 恵理子
(72)【発明者】
【氏名】山内 治雄
(72)【発明者】
【氏名】月原 弘之
(72)【発明者】
【氏名】波田野 明日可
(72)【発明者】
【氏名】富井 直輝
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ボーエン
(72)【発明者】
【氏名】重 文将
(72)【発明者】
【氏名】坂口 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】藤本 克彦
【テーマコード(参考)】
4C093
4C601
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093DA02
4C093FD03
4C093FD05
4C093FD08
4C093FD11
4C093FF03
4C093FF06
4C093FF09
4C093FF16
4C093FF28
4C093FF35
4C093FF37
4C093FG04
4C093FH06
4C601BB02
4C601BB03
4C601DD01
4C601DD15
4C601EE04
4C601JB34
4C601JB49
4C601JC06
4C601KK28
4C601KK31
(57)【要約】
【課題】医用画像から解剖構造を抽出する精度を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、設定部と、分類部と、抽出部とを備える。取得部は、医用画像を取得する。設定部は、前記医用画像における特定の解剖構造を含む領域に対してランダムにサンプリング点を設定する。分類部は、前記サンプリング点の中から前記解剖構造に対応するサンプリング点を分類する。抽出部は、分類されたサンプリング点を用いて、前記医用画像から前記解剖構造を抽出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を取得する取得部と、
前記医用画像における特定の解剖構造を含む領域に対してランダムにサンプリング点を設定する設定部と、
前記サンプリング点の中から前記解剖構造に対応するサンプリング点を分類する分類部と、
分類されたサンプリング点を用いて、前記医用画像から前記解剖構造を抽出する抽出部と
を備える、医用画像処理装置。
【請求項2】
前記医用画像上で前記解剖構造を含む領域を特定する特定部をさらに備える、
前記設定部は、前記医用画像上で特定された前記解剖構造を含む領域に対してランダムにサンプリング点を設定する、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記解剖構造は、心臓弁である、
請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記分類部は、前記解剖構造を含む領域に対して設定された各サンプリング点について、前記医用画像における当該サンプリング点が設定された位置の画素が前記解剖構造に対応するか否かを判別することで、前記解剖構造に対応するサンプリング点を分類する、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記解剖構造が密集しない領域において前記サンプリング点を粗く設定し、前記解剖構造が密集する領域において前記サンプリング点を密に設定する、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記解剖構造を含む領域に対してサンプリング点をランダムに設定する処理を複数回行うことで、複数のサンプリング結果を導出し、
前記分類部は、前記複数のサンプリング結果それぞれについて、前記解剖構造に対応するサンプリング点を分類することで、複数の分類結果を導出し、
前記抽出部は、前記複数の分類結果に基づいて、前記医用画像から前記解剖構造を抽出する、
請求項1〜5のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記医用画像は、超音波診断装置によって得られた超音波画像である、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記医用画像に対してノイズ除去処理を行うノイズ除去部をさらに備え、
前記設定部は、前記ノイズ除去処理が行われた医用画像を周波数が異なる複数の信号に変換し、当該複数の信号のうち、振幅が大きい所定数の信号の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点の数が他の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点の数より少なくなるように、ランダムに設定されるサンプリング点の数を調整する、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記医用画像に対してノイズ除去処理を行うノイズ除去部をさらに備え、
前記設定部は、前記ノイズ除去処理が行われた医用画像を周波数が異なる複数の信号に変換し、当該複数の信号のうち、前記ノイズ除去処理の手法に応じて強調される信号の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点の数が他の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点の数より少なくなるように、ランダムに設定されるサンプリング点の数を調整する、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
医用画像を取得し、
前記医用画像における特定の解剖構造を含む領域に対してランダムにサンプリング点を設定し、
前記サンプリング点の中から前記解剖構造に対応するサンプリング点を分類し、
分類されたサンプリング点を用いて、前記医用画像から前記解剖構造を抽出する、
ことを含む、医用画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用画像処理装置及び医用画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線CT(Computed Tomography)装置や超音波診断装置、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置等の医用画像診断装置によって得られた医用画像から特定の解剖構造を抽出する技術が知られている。この技術は、セグメンテーションとも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−50457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、医用画像から解剖構造を抽出する精度を向上させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、設定部と、分類部と、抽出部とを備える。取得部は、医用画像を取得する。設定部は、前記医用画像における特定の解剖構造を含む領域に対してランダムにサンプリング点を設定する。分類部は、前記サンプリング点の中から前記解剖構造に対応するサンプリング点を分類する。抽出部は、分類されたサンプリング点を用いて、前記医用画像から前記解剖構造を抽出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態の比較例となる大動脈の各弁の抽出の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態の比較例に関連するフーリエ変換を用いた画像生成方法を説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置によって行われる心臓弁の抽出の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る医用画像処理装置の処理回路が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置によって得られる効果を説明するための図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置によって得られる効果を説明するための図である。
図8図8は、第1の実施形態の第1の変形例に係る医用画像処理装置によって行われる心臓弁の抽出の一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態の第2の変形例に係る医用画像処理装置によって行われる心臓弁の抽出の一例を示す図である。
図10図10は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の構成の一例を示す図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置によって行われるサンプリング点の設定の一例を示す図である。
図12図12は、第2の実施形態の変形例に係る医用画像処理装置によって行われるサンプリング点の設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、医用画像処理装置及び医用画像処理方法の実施形態について詳細に説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成の一例を示す図である。
【0009】
例えば、図1に示すように、本実施形態に係る医用画像処理装置100は、ネットワーク10を介して、医用画像診断装置20及び医用画像保管装置30と相互に通信可能に接続される。
【0010】
医用画像診断装置20は、画像診断等に用いられる被検体(患者等)の医用画像を取得する。具体的には、医用画像診断装置20は、医用画像として、被検体の2次元画像や3次元画像(ボリュームデータとも呼ばれる)を生成する。例えば、医用画像診断装置20は、X線CT装置や超音波診断装置、MRI装置等である。
【0011】
医用画像保管装置30は、ネットワーク10を介して、医用画像診断装置20から医用画像を取得し、取得した医用画像を自装置内の記憶回路に記憶させる。例えば、医用画像保管装置30は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0012】
医用画像処理装置100は、ネットワーク10を介して、医用画像診断装置20又は医用画像保管装置30から医用画像を取得し、取得した医用画像に対して各種画像処理を行う。例えば、医用画像処理装置100は、サーバやワークステーション、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等のコンピュータ機器によって実現される。
【0013】
具体的には、医用画像処理装置100は、ネットワーク(NetWork:NW)インタフェース110、記憶回路120、入力インタフェース130、ディスプレイ140、及び処理回路150を有する。
【0014】
NWインタフェース110は、ネットワーク10を介して接続された他の装置と医用画像処理装置100との間で送受信される各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、NWインタフェース110は、処理回路150に接続されており、医用画像診断装置20又は医用画像保管装置30から受信した医用画像を処理回路150に出力する。例えば、NWインタフェース110は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0015】
記憶回路120は、各種データや各種プログラム等を記憶する。具体的には、記憶回路120は、処理回路150に接続されており、処理回路150から送られる命令に応じて、入力された医用画像を記憶し、又は、記憶している医用画像を処理回路150に出力する。例えば、記憶回路120は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0016】
入力インタフェース130は、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インタフェース130は、処理回路150に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路150に出力する。例えば、入力インタフェース130は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力インタフェース、及び音声入力インタフェース等によって実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース130は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース130の例に含まれる。
【0017】
ディスプレイ140は、各種情報及び各種データを表示する。具体的には、ディスプレイ140は、処理回路150に接続されており、処理回路150から出力される各種情報及び各種データを表示する。例えば、ディスプレイ140は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。
【0018】
処理回路150は、入力インタフェース130を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、医用画像処理装置100の構成要素を制御する。例えば、処理回路150は、NWインタフェース110から出力される医用画像を記憶回路120に記憶させる。また、例えば、処理回路150は、記憶回路120から医用画像を読み出し、ディスプレイ140に表示する。
【0019】
以上、本実施形態に係る医用画像処理装置100の全体構成について説明した。上述した構成のもと、本実施形態に係る医用画像処理装置100は、医用画像診断装置20によって得られた医用画像から特定の解剖構造を抽出する機能を有している。
【0020】
例えば、大動脈弁弁膜症の診断や治療計画立案が行われる際には、医師又は技師によって大動脈弁の形状に関する指標の計測が行われる。ここでいう形状に関する指標は、例えば、大動脈弁に含まれる各弁(右冠尖、左冠尖、無冠尖)の自由縁の長さや弁葉の面積等である。このような指標が計測される場合には、一般的に、医用画像処理装置によって、医用画像から大動脈の各弁を抽出する処理が行われる。
【0021】
図2は、第1の実施形態の比較例となる大動脈の各弁の抽出の一例を示す図である。
【0022】
例えば、図2に示すように、一般的な手法では、医用画像(臨床画像等)のピクセル又はボクセルによって構成される各格子点に対して等間隔にサンプリング点が設定される。その後、各サンプリング点について、弁であるか、弁以外であるか、弁であれば、右冠尖、左冠尖及び無冠尖のいずれの弁であるかの分類が行われる。そして、分類されたサンプリング点群が表面データに変換されることで、大動脈の各弁が抽出される。
【0023】
ここで、上述した手法では、医用画像の種類によって、解剖構造を抽出する精度が低くなる場合がある。具体的には、画像に含まれる周波数成分の周期性が強調されるような画像生成方法によって生成された医用画像が用いられる場合に、解剖構造を抽出する精度が低くなることがあり得る。
【0024】
一例として、例えば、X線CT装置では、被検体にX線を照射するX線源と、被検体内部を通過したX線を検出する検出器とを被検体を中心とした円軌道上で回転移動させ、各回転角で検出されたX線の分布に対してフーリエ変換を行うことで、画像が生成される。このようなフーリエ変換を用いた画像生成方法では、複数の周波数成分の組み合わせによって、画像が構成される。
【0025】
図3は、第1の実施形態の比較例に関連するフーリエ変換を用いた画像生成方法を説明するための図である。
【0026】
例えば、図3に示すように、フーリエ変換を用いた画像生成方法では、フーリエ展開(フーリエ級数展開)によって、X線の分布を示す信号の波形が正弦波で表される複数の周波数成分(4.0×sinθ、0.5×sin2θ、2.0×sin3θ、1.0×sin4θ等)に展開され、各周波数成分の振幅の大きさに基づいて画像が生成される。この場合に、X線の分布を示す信号の波形は多数の波形に展開され得るが、現実には、処理時間を短縮するために、振幅の大きい周波数成分のみが画像の生成に利用され、振幅の小さい周波数成分は切り捨てられる。
【0027】
このように、フーリエ変換を用いた画像生成方法では、複数の周波数成分の組み合わせによって画像が構成されるため、画像に含まれる周波数成分の周期性が過度に強調されてしまうことがあり得る。そのため、例えば、検出器によって検出されたX線を示す信号にノイズが混入した場合には、ノイズを表す周波数成分の周期性が強調されることもあり、その結果、画像内で周期性を有する誤差が生じることになる。そして、この誤差によって、医用画像から解剖構造を抽出する精度が低くなることがあり得る。
【0028】
このようなことから、本実施形態に係る医用画像処理装置100は、医用画像から解剖構造を抽出する精度を向上させることができるように構成されている。
【0029】
以下、このような構成を有する医用画像処理装置100について詳細に説明する。なお、以下では、医用画像から抽出する特定の解剖構造が心臓弁である場合の例を説明する。ここで、心臓弁は、大動脈弁に含まれる弁であってもよいし、僧帽弁や三尖弁、肺動脈弁に含まれる弁であってもよい。
【0030】
図1に戻って、具体的には、本実施形態では、処理回路150が、取得機能151と、特定機能152と、設定機能153と、分類機能154と、抽出機能155とを有する。ここで、取得機能151は、取得部の一例である。また、特定機能152は、特定部の一例である。また、設定機能153は、設定部の一例である。また、分類機能154は、分類部の一例である。また、抽出機能155は、抽出部の一例である。
【0031】
取得機能151は、医用画像を取得する。具体的には、取得機能151は、NWインタフェース110を介して、医用画像診断装置20又は医用画像保管装置30から医用画像を取得する。そして、取得機能151は、取得した医用画像を記憶回路120に記憶させる。
【0032】
特定機能152は、取得機能151によって取得された医用画像上で心臓弁を含む領域を特定する。具体的には、特定機能152は、取得機能151によって取得された医用画像を記憶回路120から読み出し、読み出した医用画像上で心臓弁を含む領域を特定する。ここで、医用画像上で心臓弁を含む領域を特定する方法としては、公知の各種の領域抽出方法を用いることが可能である。
【0033】
設定機能153は、取得機能151によって取得された医用画像における心臓弁を含む領域に対してランダムにサンプリング点を設定する。具体的には、設定機能153は、特定機能152によって医用画像上で特定された心臓弁を含む領域に対してランダムにサンプリング点を設定する。
【0034】
分類機能154は、設定機能153によって設定されたサンプリング点の中から心臓弁に対応するサンプリング点を分類する。具体的には、分類機能154は、設定機能153によって心臓弁を含む領域に対して設定された各サンプリング点について、取得機能151によって取得された医用画像における当該サンプリング点が設定された位置の画素が心臓弁に対応するか否かを判別することで、心臓弁に対応するサンプリング点を分類する。
【0035】
抽出機能155は、分類機能154によって分類された心臓弁に対応するサンプリング点を用いて、医用画像から心臓弁を抽出する。例えば、抽出機能155は、分類機能154によって分類されたサンプリング点群を表面データに変換することで、医用画像から心臓弁を抽出する。そして、抽出機能155は、抽出された心臓弁をディスプレイ140に表示する。このとき、例えば、抽出機能155は、心臓弁41の抽出結果に基づいて、心臓弁の形状に関する指標(各弁の自由縁の長さや弁葉の面積等)を計測し、計測した指標をディスプレイ140にさらに表示してもよい。
【0036】
図4は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100によって行われる心臓弁の抽出の一例を示す図である。
【0037】
例えば、図4の(a)に示すように、本実施形態では、取得機能151が、心臓弁41が撮像された医用画像42を取得する。例えば、医用画像42は、X線CT装置によって得られたCT画像や、超音波診断装置によって得られた超音波画像、MRI装置によって得られたMR画像等である。なお、図4に示す例では、医用画像42に含まれるボクセルのうち、心臓弁41を表すボクセル44のみを示している。
【0038】
また、特定機能152が、取得機能151によって取得された医用画像42上で、心臓弁41を含む領域43を特定する。例えば、特定機能152は、医用画像42上で、心臓弁41を包含する領域43を大まかに特定する。この場合、心臓弁41を包含する領域43には、心臓弁41の領域に加え、心臓弁41以外の領域のうちの心臓弁41の周辺にある一部の領域が含まれる。
【0039】
そして、設定機能153が、特定機能152によって医用画像42上で特定された心臓弁41を含む領域43に対してランダムにサンプリング点を設定する。ここで、設定機能153は、心臓弁41を含む領域43に対して、図4の(b)に示すように、医用画像42のボクセルによって構成される各格子点に対して等間隔にサンプリング点を設定するのではなく、図4の(c)に示すように、ランダムにサンプリング点を設定する。例えば、図4に示す例では、サンプリング点を●及び○で示している。
【0040】
その後、分類機能154が、設定機能153によって設定された各サンプリング点について、当該サンプリング点が設定された位置のボクセル44が心臓弁41に対応するか否かを判別することで、心臓弁41に対応するサンプリング点を分類する。例えば、図4に示す例では、心臓弁41に対応すると分類されたサンプリング点を○で示し、心臓弁に対応しないと分類されたサンプリング点を●で示している。
【0041】
そして、抽出機能155が、分類機能154によって心臓弁41に対応するものとして分類されたサンプリング点を用いて、医用画像42から心臓弁41を抽出する。
【0042】
以上、処理回路150が有する各処理機能について説明した。ここで、例えば、処理回路150は、プロセッサによって実現される。その場合に、上述した各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路120に記憶される。そして、処理回路150は、記憶回路120に記憶された各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、処理回路150は、各プログラムを読み出した状態で、図1に示した各処理機能を有することとなる。
【0043】
なお、処理回路150は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものとしてもよい。また、処理回路150が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路150が有する各処理機能は、回路等のハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、各処理機能に対応するプログラムが単一の記憶回路120に記憶される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理機能に対応するプログラムが複数の記憶回路が分散して記憶され、処理回路150が、各記憶回路から各プログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
【0044】
図5は、本実施形態に係る医用画像処理装置100の処理回路150が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0045】
例えば、図5に示すように、本実施形態では、取得機能151が、入力インタフェース130を介して、操作者から処理を開始する指示を受け付けた場合に(ステップS101,Yes)、医用画像診断装置20又は医用画像保管装置30から医用画像を取得する(ステップS102)。この処理は、例えば、処理回路150が、取得機能151に対応する所定のプログラムを記憶回路120から呼び出して実行することにより実現される。
【0046】
続いて、特定機能152が、取得機能151によって取得された医用画像上で心臓弁を含む領域を特定する(ステップS103)。この処理は、例えば、処理回路150が、特定機能152に対応する所定のプログラムを記憶回路120から呼び出して実行することにより実現される。
【0047】
続いて、設定機能153が、特定機能152によって医用画像上で特定された心臓弁を含む領域に対してランダムにサンプリング点を設定する(ステップS104)。この処理は、例えば、処理回路150が、設定機能153に対応する所定のプログラムを記憶回路120から呼び出して実行することにより実現される。
【0048】
続いて、分類機能154が、設定機能153によって設定されたサンプリング点の中から心臓弁に対応するサンプリング点を分類する(ステップS105)。この処理は、例えば、処理回路150が、分類機能154に対応する所定のプログラムを記憶回路120から呼び出して実行することにより実現される。
【0049】
続いて、抽出機能155が、分類機能154によって分類された心臓弁に対応するサンプリング点を用いて、医用画像から心臓弁を抽出し(ステップS106)、抽出された心臓弁をディスプレイ140に表示する(ステップS107)。この処理は、例えば、処理回路150が、抽出機能155に対応する所定のプログラムを記憶回路120から呼び出して実行することにより実現される。
【0050】
上述した構成によれば、以下で説明するように、医用画像から心臓弁を抽出する精度を向上させることができる。
【0051】
図6及び7は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100によって得られる効果を説明するための図である。
【0052】
例えば、CT画像や超音波画像、MR画像等の医用画像は、一般的に、フーリエ変換を用いた画像生成方法によって生成されるため、ノイズを表す周波数成分の周期性が強調されることがあり得る。その結果、画像内で周期性を有する誤差が生じることになり、医用画像から心臓弁を抽出する精度が低くなることがあり得る。
【0053】
例えば、図6の左側に示すように、医用画像の基になる信号61が正常な場合(ノイズが混入しない場合)には、フーリエ展開によって、当該信号を表す周波数成分62のみが展開される。しかしながら、例えば、図6の右側に示すように、医用画像の基になる信号63にノイズが混入した場合には(ノイズが混入した波形を一点鎖線で示す)、正常な場合に展開される周波数成分64の他に、ノイズの周波数成分65が現れる。これにより、医用画像に周期性を有する誤差が生じることになる。
【0054】
このような場合に、例えば、図7の左側に示すように、医用画像に対してサンプリング点を等間隔に設定した場合には、サンプリング点が周期的に配置されるため、サンプリング点の周波数とノイズの周波数とが一致することがあり得る。その場合には、サンプリング点の分類における誤差が大きくなってしまう。
【0055】
これに対し、第1の実施形態では、図7の右側に示すように、医用画像に対してサンプリング点がランダムに設定されるため、サンプリング点が非周期的に配置されることになる。これにより、サンプリング点の周波数とノイズの周波数とが一致することがほぼなくなるため、サンプリング点の分類における誤差を減らすことができる。この結果、第1の実施形態によれば、医用画像から心臓弁を抽出する精度を向上させることができる。
【0056】
以上、第1の実施形態について説明したが、上述した実施形態は、医用画像処理装置100が備える構成の一部を適宜に変更して実施することも可能である。そこで、以下では、第1の実施形態に関する変形例について説明する。
【0057】
(第1の実施形態の第1の変形例)
例えば、第1の変形例として、医用画像における心臓弁を含む領域内で、ランダムに設定されるサンプリング点の粗密の程度を変えるようにしてもよい。
【0058】
具体的には、設定機能153が、取得機能151によって取得された医用画像における解剖構造(一例として2つの心臓弁を示す)が密集するか否かに応じてサンプリング点を密にあるいは粗く設定する。
【0059】
図8は、第1の実施形態の第1の変形例に係る医用画像処理装置100によって行われる心臓弁の抽出の一例を示す図である。
【0060】
例えば、図8の(a)に示すように、本変形例では、取得機能151が、2つの心臓弁81が撮像された医用画像82を取得する。なお、図8に示す例では、医用画像82に含まれるボクセルのうち、2つの心臓弁81を表すボクセル88のみを示している。
【0061】
また、特定機能152が、取得機能151によって取得された医用画像82上で、2つの心臓弁81を含む領域83を特定する。例えば、特定機能152は、医用画像82上で、2つの心臓弁81を包含する領域83を大まかに特定する。この場合、2つの心臓弁81を包含する領域83には、心臓弁81の領域に加え、心臓弁81以外の領域のうちの心臓弁81の周辺にある一部の領域が含まれる。
【0062】
そして、設定機能153が、特定機能152によって医用画像82上で特定された心臓弁81を含む領域83に対してランダムにサンプリング点を設定する。ここで、設定機能153は、心臓弁81を含む領域83に対して、図8の(b)に示すように、医用画像42のボクセルによって構成される各格子点に対して等間隔にサンプリング点を設定するのではなく、図8の(c)に示すように、ランダムにサンプリング点を設定する。
【0063】
このとき、本変形例では、設定機能153は、心臓弁81を含む領域83に、当該領域83内の他の領域と比べて心臓弁が密集している領域が含まれているか否かを判定する。そして、設定機能153は、他の領域と比べて心臓弁が密集している領域が含まれている場合に、当該領域に対して、他の領域と比べてサンプリング点を密に設定する。すなわち、設定機能153は、心臓弁の抽出が難しい領域については、他の領域と比べて、単位面積当たりに配置されるサンプリング点の数を多くする。
【0064】
例えば、設定機能153は、心臓弁81を含む領域83に、密集する領域として2つの心臓弁81が接合する部分である接合部が含まれているか否かを判定する。接合部の付近では、2つの心臓弁81が重なることや接することがあるため、一般的に、各心臓弁を別々に抽出することが難しい。そこで、設定機能153は、心臓弁81を含む領域83に接合部が含まれている場合には、当該接合部を含む領域に対して、心臓弁81を含む領域83内の他の領域と比べてサンプリング点を密に設定する。例えば、図8の(c)に示すように、設定機能153は、心臓弁81を含む領域83内で、接合部を含まない領域にはサンプリング点を粗に設定し、接合部を含む領域にはサンプリング点を密に設定する。
【0065】
その後は、第1の実施形態と同様に、分類機能154が、設定機能153によって設定された各サンプリング点について、当該サンプリング点が設定された位置のボクセル84が心臓弁81に対応するか否かを判別することで、心臓弁81に対応するサンプリング点を分類する。また、抽出機能155が、分類機能154によって心臓弁81に対応するものとして分類されたサンプリング点を用いて、医用画像82から心臓弁81を抽出する。
【0066】
上述した第1の変形例によれば、医用画像における心臓弁を含む領域の全体にわたってサンプリング点を粗に設定する場合と比べて、心臓弁を抽出する精度を向上させることができる。また、医用画像における心臓弁を含む領域の全体にわたってサンプリング点を密に設定する場合と比べて、心臓弁の抽出に係る処理時間を短縮することができる。
【0067】
(第1の実施形態の第2の変形例)
また、例えば、第2の変形例として、医用画像における心臓弁を含む領域に対するサンプリング点の設定及びサンプリング点の分類を複数回行うことで、複数の分類結果に基づいて、心臓弁を抽出するようにしてもよい。
【0068】
具体的には、設定機能153が、取得機能151によって取得された医用画像における心臓弁を含む領域に対してサンプリング点をランダムに設定する処理を複数回行うことで、複数のサンプリング結果を導出する。また、分類機能154が、設定機能153によって導出された複数のサンプリング結果それぞれについて、心臓弁に対応するサンプリング点を分類することで、複数の分類結果を導出する。また、抽出機能155が、分類機能154によって導出された複数の分類結果に基づいて、医用画像から心臓弁を抽出する。
【0069】
図9は、第1の実施形態の第2の変形例に係る医用画像処理装置100によって行われる心臓弁の抽出の一例を示す図である。
【0070】
例えば、図9の(a)に示すように、本変形例では、取得機能151が、心臓弁91が撮像された医用画像92を取得する。なお、図9に示す例では、医用画像92に含まれるボクセルのうち、心臓弁91を表すボクセル94のみを示している。
【0071】
また、特定機能152が、取得機能151によって取得された医用画像92上で、心臓弁91を含む領域93を特定する。例えば、特定機能152は、医用画像92上で、心臓弁91を包含する領域93を大まかに特定する。この場合、心臓弁91を包含する領域93には、心臓弁91の領域に加え、心臓弁91以外の領域のうちの心臓弁91の周辺にある一部の領域が含まれる。
【0072】
そして、設定機能153が、特定機能152によって医用画像92上で特定された心臓弁91を含む領域93に対してランダムにサンプリング点を設定する。
【0073】
このとき、本変形例では、設定機能153は、図9の(b1)〜(b3)に示すように、医用画像42における心臓弁91を含む領域93に対してサンプリング点をランダムに設定する処理を複数回行うことで、複数のサンプリング結果を導出する。
【0074】
その後、分類機能154が、設定機能153によって設定された各サンプリング点について、当該サンプリング点が設定された位置のボクセル94が心臓弁91に対応するか否かを判別することで、心臓弁91に対応するサンプリング点を分類する。
【0075】
このとき、本変形例では、分類機能154は、図9の(b1)〜(b3)に示すように、設定機能153によって導出された複数のサンプリング結果それぞれについて、心臓弁91に対応するサンプリング点を分類することで、複数の分類結果を導出する。
【0076】
そして、本変形例では、抽出機能155が、分類機能154によって導出された複数の分類結果に基づいて、医用画像92から心臓弁91を抽出する。ここで、抽出機能155は、図9の(c)に示すように、複数の分類結果に基づいて最終的な分類結果を決定する。例えば、抽出機能155は、複数の分類結果の中から心臓弁の標準的な形状に最も類似した形状を示す分類結果を選択することによって、最終的な分類結果を決定する。または、例えば、抽出機能155は、複数の分類結果から平均的な分布を算出することによって、最終的な分類結果を決定してもよい。そして、抽出機能155は、決定した最終的な分類結果を用いて、医用画像92から心臓弁91を抽出する。
【0077】
上述した第2の変形例によれば、複数の分類結果から弁の形状を抽出することによって、心臓弁を抽出する精度をさらに向上させることができる。
【0078】
(第2の実施形態)
なお、上述した第1の実施形態及び変形例では、医用画像診断装置20又は医用画像保管装置30から取得した医用画像に対して直接サンプリング点を設定する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、医用画像を用いた診断等が行われる際には、医用画像に対してノイズ除去処理等の後処理が行われることもある。その場合には、ノイズ除去処理が行われた後の医用画像の状態に応じて、サンプリング点の設定が調整されるようにしてもよい。以下では、このような例を第2の実施形態として説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付すこととして詳細な説明を省略する。
【0079】
図10は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の構成の一例を示す図である。
【0080】
例えば、図10に示すように、本実施形態では、医用画像処理装置200の処理回路250が、取得機能151と、特定機能252と、設定機能253と、分類機能154と、抽出機能155と、ノイズ除去機能256とを有する。ここで、特定機能252は、特定部の他の一例である。また、設定機能253は、設定部の他の一例である。また、ノイズ除去機能256は、ノイズ除去部の一例である。
【0081】
本実施形態では、ノイズ除去機能256が、取得機能151によって取得された医用画像に対してノイズ除去処理を行う。具体的には、ノイズ除去機能256は、取得機能151によって取得された医用画像を記憶回路120から読み出し、読み出した医用画像に対してノイズ除去処理を行う。ここで、医用画像に対してノイズ除去処理を行う方法としては、公知の各種のノイズ除去方法を用いることが可能である。そして、ノイズ除去機能256は、ノイズ除去処理が行われた医用画像を記憶回路120に記憶させる。
【0082】
また、本実施形態では、特定機能252が、ノイズ除去機能256によって取得された医用画像上で心臓弁を含む領域を特定する。具体的には、特定機能252は、ノイズ除去機能256によってノイズ除去処理が行われた医用画像を記憶回路120から読み出し、読み出した医用画像上で心臓弁を含む領域を特定する。ここで、医用画像上で心臓弁を含む領域を特定する方法としては、公知の各種の領域抽出方法を用いることが可能である。
【0083】
また、本実施形態では、設定機能253が、特定機能252によって医用画像上で特定された心臓弁を含む領域に対してランダムにサンプリング点を設定する。
【0084】
このとき、本実施形態では、設定機能253は、ノイズ除去機能256によってノイズ除去処理が行われ医用画像を周波数が異なる複数の信号に変換し、当該複数の信号のうち、振幅が大きい所定数の信号の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点の数が他の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点の数より少なくなるように、ランダムに設定されるサンプリング点の数を調整する。
【0085】
図11は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置200によって行われるサンプリング点の設定の一例を示す図である。
【0086】
例えば、図11に示すように、本実施形態では、設定機能253が、ノイズ除去処理が行われた後の医用画像を周波数が異なる複数の信号に変換し、変換された複数の信号の中で周期が大きい順に所定数の信号を特定する。例えば、設定機能253は、周期Aの信号、周期Aの信号及び周期Aの信号の3つの信号を特定する。その後、設定機能253は、特定した各信号の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点が他の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点の数より少なくなるように、心臓弁を含む領域に対して設定されるサンプリング点の数を決定する。そして、設定機能253は、心臓弁を含む領域に対して、決定した数のサンプリング点をランダムに設定する。
【0087】
その後は、第1の実施形態と同様に、分類機能154が、設定機能253によって設定されたサンプリング点の中から心臓弁に対応するサンプリング点を分類する。また、抽出機能155が、分類機能154によって分類サンプリング点を用いて、取得機能151によって取得された医用画像から心臓弁を抽出する。
【0088】
上述した第2の実施形態によれば、医用画像に対して行われるノイズ除去処理によって特定の周期の信号が強調される場合でも、そのような信号の周波数とサンプリング点の周波数とが一致することがほぼなくなるため、サンプリング点の分類における誤差を減らすことができる。この結果、第2の実施形態によれば、医用画像から心臓弁を抽出する精度を向上させることができる。
【0089】
(第2の実施形態の変形例)
なお、上述した第2の実施形態では、ノイズ除去処理が行われた後の医用画像の状態に応じて、サンプリング点の設定が調整される例を説明したが、例えば、ノイズ除去処理の手法に応じて、サンプリング点の設定が調整されるようにしてもよい。
【0090】
具体的には、設定機能253が、ノイズ除去機能256によってノイズ除去処理が行われた医用画像を周波数が異なる複数の信号に変換し、当該複数の信号のうち、前記ノイズ除去処理の手法に応じて強調される信号の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点の数が他の周期と対応する間隔で配置されるサンプリング点の数より少なくなるように、ランダムに設定されるサンプリング点の数を調整する。
【0091】
例えば、本変形例では、ノイズ除去機能256が、畳み込みニューラルネットワークを用いたディープラーニングによって、ノイズ除去処理を行う。
【0092】
図12は、第2の実施形態の変形例に係る医用画像処理装置200によって行われるサンプリング点の設定の一例を示す図である。
【0093】
例えば、図12に示すように、畳み込みニューラルネットワークを用いたディープラーニングによるノイズ除去処理では、医用画像に対して、複数回のプーリングによって、4×4個のボクセルが2×2個のボクセルに凝縮され、さらに、2×2個のボクセルが1つのボクセルに凝縮される。この処理では、4×4個のボクセルごとにプーリングが行われるため、4つのボクセル分の間隔に対応する周期の信号が強調されることになる。
【0094】
そこで、この場合には、設定機能253は、4つのボクセル分の間隔で配置されるサンプリング点が他の間隔で配置されるサンプリング点の数より少なくなるように、心臓弁を含む領域に対して設定されるサンプリング点の数を決定する。そして、設定機能253は、心臓弁を含む領域に対して、決定した数のサンプリング点をランダムに設定する。
【0095】
上述した変形例によれば、ノイズ除去処理の手法に応じて特定の周期の信号が強調される場合でも、そのような信号の周波数とサンプリング点の周波数とが一致することがほぼなくなるため、サンプリング点の分類における誤差を減らすことができる。この結果、第2の実施形態によれば、医用画像から心臓弁を抽出する精度をより向上させることができる。
【0096】
なお、上述した変形例では、畳み込みニューラルネットワークを用いたディープラーニングによってノイズ除去処理が行われる場合の例を説明したが、ノイズ除去処理の手法はこれに限られない。例えば、畳み込みニューラルネットワークを用いたディープラーニング以外の手法でノイズ除去処理が行われる場合でも、当該ノイズ除去処理によって特定の周期の信号が強調される場合には、上述した変形例を適用することで、医用画像から心臓弁を抽出する精度をより向上させることが可能である。
【0097】
また、上述した第2の実施形態及び変形例では、ノイズ除去処理が行われる場合の例を説明したが、医用画像に対して行われる後処理はこれに限られない。例えば、ノイズ除去処理以外の後処理が行われる場合でも、当該後処理によって特定の周期の信号が強調される場合には、上述した変形例を適用することで、医用画像から心臓弁を抽出する精度をより向上させることが可能である。
【0098】
また、上述した第1の実施形態、第2の実施形態及び各変形例では、医用画像処理装置が、取得機能によって取得された医用画像上で心臓弁を含む領域を特定する特定機能を備える場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、医用画像処理装置は、必ずしも特定機能を備えなくてもよい。その場合には、設定機能は、取得機能によって取得された医用画像における全体の領域に対して、ランダムにサンプリング点を設定する。この場合には、特定機能を有する場合と比べて心臓弁の抽出に係る処理時間が長くなるが、心臓弁を抽出する精度を向上させる効果は得られる。
【0099】
なお、上述した実施形態及び変形例では、医用画像から抽出する特定の解剖構造が心臓弁である場合の例を説明したが、上述した実施形態及び変形例で説明した方法は、心臓弁以外の解剖構造を医用画像から抽出する場合にも、同様に適用することが可能である。
【0100】
また、上述した実施形態及び変形例で説明した医用画像処理装置の構成は、クライアントサーバシステムに適用することも可能である。この場合には、サーバ装置が、上述した取得機能、特定機能、設定機能、分類機能、抽出機能及びノイズ除去機能を備え、クライアント装置から送信される要求に応じて、医用画像から特定の解剖構造を抽出し、その結果をクライアント装置へ送信する。
【0101】
また、上述した実施形態及び変形例で説明した医用画像処理装置の構成は、医用画像診断装置20に適用することも可能である。この場合には、医用画像診断装置20に含まれるコンソール装置等の情報処理装置が、上述した取得機能、特定機能、設定機能、分類機能、抽出機能及びノイズ除去機能を備える。この場合に、例えば、医用画像診断装置20は、被検体の医用画像を取得するごとに、各処理機能によって、当該医用画像からリアルタイムで特定の解剖構造を抽出してもよい。
【0102】
また、上述した実施形態及び変形例では、本明細書における取得部、特定部、設定部、分類部、抽出部及びノイズ除去部を、それぞれ、処理回路の取得機能、特定機能、設定機能、分類機能、抽出機能及びノイズ除去機能によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における取得部、特定部、設定部、分類部、抽出部及びノイズ除去部は、実施形態で述べた取得機能、特定機能、設定機能、分類機能、抽出機能及びノイズ除去機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0103】
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0104】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0105】
また、上述した実施形態及び変形例において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0106】
また、上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0107】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、医用画像から解剖構造を抽出する精度を向上させることができる。
【0108】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0109】
100,200 医用画像処理装置
150,250 処理回路
151 取得機能
152,252 特定機能
153,253 設定機能
154 分類機能
155 抽出機能
256 ノイズ除去機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12