特開2021-163011(P2021-163011A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラピスセミコンダクタ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2021163011-画像歪補正回路及び表示装置 図000003
  • 特開2021163011-画像歪補正回路及び表示装置 図000004
  • 特開2021163011-画像歪補正回路及び表示装置 図000005
  • 特開2021163011-画像歪補正回路及び表示装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-163011(P2021-163011A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】画像歪補正回路及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20210913BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20210913BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20210913BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20210913BHJP
【FI】
   G06T7/00 600
   G09G5/00 X
   G09G5/00 550H
   G09G5/36 520P
   G09G5/36 520A
   H04N5/74 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-62224(P2020-62224)
(22)【出願日】2020年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(72)【発明者】
【氏名】今任 祐基
【テーマコード(参考)】
5C058
5C182
5L096
【Fターム(参考)】
5C058AA18
5C058BA26
5C058BA27
5C058BA35
5C058BB14
5C058EA54
5C182AA04
5C182AB25
5C182AB31
5C182AC02
5C182AC03
5C182CB42
5C182CB44
5C182CC26
5C182DA14
5C182DA18
5C182DA66
5C182DA70
5L096AA06
5L096BA03
5L096DA02
5L096EA07
5L096EA35
5L096FA69
5L096HA02
5L096HA09
5L096MA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回路規模及び消費電力の増大を招くことなく、故障検知を行うことが可能な画像歪補正回路及び表示装置を提供する。
【解決手段】ヘッドアップディスプレイ装置100において、画像歪補正回路は、入力画像信号に対して1フレームの画像に生じている歪を補正するマッピング処理を施して歪補正画像信号を生成する第1歪補正回路と、1フレームの画像のサイズよりも小さい画像領域を検査画像領域として設定する検査領域設定回路と、歪補正画像信号中から、検査画像領域の表示を担う部分を抽出しこれを第1の検査画像信号として出力する検査領域抽出回路と、入力画像信号中における検査画像領域の表示を担う部分に対してマッピング処理を施したものを第2の検査画像信号として出力する第2歪補正回路と、第1の検査画像信号と第2の検査画像信号とが互いに異なる場合に故障検知信号を出力する故障判定回路と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像信号に対して、当該入力画像信号にて表される1フレームの画像に生じている歪を補正するマッピング処理を施して歪補正画像信号を生成する第1の歪補正回路と、
前記1フレームの画像のサイズよりも小さい画像領域を故障検査用の検査画像領域として設定する検査領域設定回路と、
前記歪補正画像信号中から、前記検査画像領域の表示を担う部分を抽出しこれを第1の検査画像信号として出力する検査領域抽出回路と、
前記入力画像信号中における前記検査画像領域の表示を担う部分に対して前記マッピング処理を施したものを第2の検査画像信号として出力する第2の歪補正回路と、
前記第1の検査画像信号と前記第2の検査画像信号とが互いに異なる場合に、故障が生じていると判定して故障検知信号を出力する故障判定回路と、を有することを特徴とする画像歪補正回路。
【請求項2】
前記検査領域設定回路は、前記1フレームの画像内での前記検査画像領域の座標位置を、前記入力画像信号におけるフレーム毎に変更することを特徴とする請求項1に記載の画像歪補正回路。
【請求項3】
前記故障判定回路は、前記第1の検査画像信号及び前記第2の検査画像信号の各画素同士が一致しているか否かを判定しその一致率が所定閾値未満である場合に、前記第1の検査画像信号と前記第2の検査画像信号とが互いに異なると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像歪補正回路。
【請求項4】
入力画像信号に対して、当該入力画像信号にて表される1フレームの画像に生じている歪を補正するマッピング処理を施して歪補正画像信号を生成する第1の歪補正回路と、
前記歪補正画像信号にて示される画像を投影させるための表示光を照射する画像照射部と、
前記1フレームの画像のサイズよりも小さい画像領域を故障検査用の検査画像領域として設定する検査領域設定回路と、
前記歪補正画像信号中から、前記検査画像領域の表示を担う部分を抽出しこれを第1の検査画像信号として出力する検査領域抽出回路と、
前記入力画像信号中における前記検査画像領域の表示を担う部分に対して前記マッピング処理を施したものを第2の検査画像信号として出力する第2の歪補正回路と、
前記第1の検査画像信号と前記第2の検査画像信号とが互いに異なる場合に、故障が生じていると判定して故障検知信号を出力する故障判定回路と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
各種の情報を文字又は図形で表す画像信号を前記入力画像信号として生成するコントローラと、
前記故障検知信号に応じて故障が生じている旨をユーザに通知する通知回路と、を含み、
前記コントローラは、前記故障検知信号に応じて、前記文字又は図形の透過性を高めた画像信号を前記入力画像信号として生成することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の歪を補正する画像歪補正回路、及びこの画像歪補正回路を含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両に搭載するディスプレイとして、ナビゲーション情報や車両の状態等の各種の運転支援情報をフロントガラスに投影するヘッドアップディスプレイ(HUDとも称する)が製品化されている。
【0003】
投影スクリーンとなる車両のフロントガラスは一般的に傾斜しており、且つ非平面形状を有している。そこで、HUD装置では、このようなフロントガラスに画像を投影した際に歪の無い画像を運転者側に提供するために、フロントガラスの傾斜及び非平面形状に起因して生じる投影画像の歪を補正する画像歪補正を、運転支援情報を表す画像信号に施すようにしている。
【0004】
また、近年、画像歪補正として、車両のフロントガラスの形状及び傾斜に対応させて、画像信号に基づく画像内での各画素の座標位置を移動させるマッピング処理を行う画像処理回路が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、画像処理回路のマッピング処理に故障が生じると、運転支援情報等の運転に必要な情報が視認できなくなる、或いは、フロントガラスの前方の視界を遮る等の支障が生じる。
【0006】
そこで、この画像処理回路では、上記したマッピング処理を行う回路と同様なマッピング処理を行う回路を更に設け、これらマッピング処理回路各々の出力、すなわち歪補正の施された画像信号同士が一致しているか否かの比較を行っている。この際、画像処理回路では、かかる比較結果が一致しなかった場合に、マッピング処理回路に故障が生じていると判断し、その旨をユーザ側に知らせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019−149760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記したようなマッピング処理による歪補正には比較的大容量のメモリが必要となる。よって、故障検知の為にこのようなマッピング処理回路を2系統設ける必要がある画像処理回路には、回路規模及び消費電力が大きくなるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、回路規模及び消費電力の増大を招くことなく故障検知を行うことが可能な画像歪補正回路及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像歪補正回路は、入力画像信号に対して、当該入力画像信号にて表される1フレームの画像に生じている歪を補正するマッピング処理を施して歪補正画像信号を生成する第1の歪補正回路と、前記1フレームの画像のサイズよりも小さい画像領域を検査画像領域として設定する検査領域設定回路と、前記歪補正画像信号中から、前記検査画像領域の表示を担う部分を抽出しこれを第1の検査画像信号として出力する検査領域抽出回路と、前記入力画像信号中における前記検査画像領域の表示を担う部分に対して前記マッピング処理を施したものを第2の検査画像信号として出力する第2の歪補正回路と、前記第1の検査画像信号と前記第2の検査画像信号とが互いに異なる場合に、故障が生じていると判定して故障検知信号を出力する故障判定回路と、を有する。
【0011】
本発明に係る表示装置は、入力画像信号に対して、当該入力画像信号にて表される1フレームの画像に生じている歪を補正するマッピング処理を施して歪補正画像信号を生成する第1の歪補正回路と、前記歪補正画像信号にて示される画像を投影させるための表示光を照射する画像照射部と、前記1フレームの画像のサイズよりも小さい画像領域を故障検査用の検査画像領域として設定する検査領域設定回路と、前記歪補正画像信号中から、前記検査画像領域の表示を担う部分を抽出しこれを第1の検査画像信号として出力する検査領域抽出回路と、前記入力画像信号中における前記検査画像領域の表示を担う部分に対して前記マッピング処理を施したものを第2の検査画像信号として出力する第2の歪補正回路と、前記第1の検査画像信号と前記第2の検査画像信号とが互いに異なる場合に、故障が生じていると判定して故障検知信号を出力する故障判定回路と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、故障検査用に別途設けた歪補正回路は、1フレーム分の画像信号中において、1フレームの画像のサイズよりも小さい検査画像領域に対応した部分だけにマッピング処理を施す。よって、故障検査用に別途設けた歪補正回路として、1フレーム分の画像信号に対してマッピング処理を施すものを採用した場合に比べて、回路規模及び電力消費量を小さくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る画像歪補正回路を含む表示装置としてのヘッドアップディスプレイ装置100の構成を示すブロック図である。
図2】検査画像領域Caの一例、及びフレーム毎に1フレーム画像FRA内での座標位置を変更する検査画像領域Caの移動形態の一例を示す図である。
図3】検査画像領域Caの他の一例、及びフレーム毎に1フレーム画像FRA内での座標位置を変更する検査画像領域Caの移動形態の他の一例を示す図である。
図4】ヘッドアップディスプレイ装置100の内部動作を表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係る画像歪補正回路を含む表示装置としてのヘッドアップディスプレイ(HUD)装置100の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、HUD装置100は、コントローラ11、第1歪補正回路12、第2歪補正回路13、歪補正データメモリ14、画像照射部15、検査領域設定回路20、検査領域抽出回路21、故障判定回路22及び通信回路24を含む。
【0016】
コントローラ11は、車両の挙動、瞬間燃費、バッテリの状態、走行速度、運転者の運転を支援する運転支援情報を文字又は図形等で表す画像信号を生成する。
【0017】
尚、コントローラ11は、上記した第1歪補正回路12、第2歪補正回路13、又は歪補正データメモリ14に故障が生じていることを示す故障検知信号BCを受けた場合には、故障発生を知らせる画像を表す画像信号を生成する。ところで、第1歪補正回路12、第2歪補正回路13、又は歪補正データメモリ14に故障が生じると、車両のフロントガラスに投影された投影画像が前方の視界を遮る場合がある。そこで、コントローラ11は、当該障検知信号BCを受けた場合には、上記した運転支援情報としての文字又は図形の透過性を高めた画像信号を生成するようにしても良い。
【0018】
そして、コントローラ11は、上記したように生成した画像信号を入力画像信号VSとして第1歪補正回路12及び第2歪補正回路13に供給する。
【0019】
検査領域設定回路20は、1フレームの画像よりもサイズが小さい画像領域を故障検査用の検査画像領域Caとして設定する。そして、検査領域設定回路20は、かかる検査画像領域Ca及び1フレーム画像内での検査画像領域Caの座標位置を示す検査画像領域指定信号JAを、第2歪補正回路13及び検査領域抽出回路21に供給する。尚、検査領域設定回路20は、検査画像領域Caの座標位置を各フレーム毎にランダムに変更する。この際、検査領域設定回路20は、所定数のフレームの表示期間内で必ず1フレーム画像の全領域が検査画像領域Caによって検査対象となるように、当該検査画像領域Caの座標位置を変更するようにしても良い。
【0020】
図2は、検査画像領域Caの一例、及びフレーム毎に1フレーム画像FRA内での座標位置を変更する検査画像領域Caの移動形態の一例を示す図である。
【0021】
図3は、検査画像領域Caの他の一例、及びフレーム毎に1フレーム画像FRA内での座標位置を変更する検査画像領域Caの移動形態の他の一例を示す図である。
【0022】
尚、図3に示す検査画像領域Caは、1フレーム画像FRAの上端から下端に亘り垂直方向に伸張する帯状の領域を有する。よって、図3に示す形態の検査画像領域Caを採用する場合、検査領域設定回路20は、フレーム毎に、検査画像領域Caの座標位置を水平方向に移動させる検査画像領域指定信号JAを、第2歪補正回路13及び検査領域抽出回路21に供給する。
【0023】
第1歪補正回路12及び第2歪補正回路13は、歪補正データメモリ14から、歪補正データを読み出す。尚、歪補正データメモリ14には、車両のフロントガラスに投影された投影画像に生じる歪を補正するように各画素の座標位置を移動させる方向及び移動量を示すデータが上記した歪補正データとして予め記憶されている。
【0024】
第1歪補正回路12は、当該歪補正データに基づき、入力画像信号VSに対して各画素を移動させるマッピング処理を施すことで、歪補正が施された歪補正画像信号CVを生成し、これを画像照射部15及び検査領域抽出回路21に供給する。
【0025】
画像照射部15は、歪補正画像信号CVにて示される画像を車両のフロントガラス等に投影させる為の表示光を照射する。尚、画像照射部15としては、当該画像が投影された際の歪を光学的に補正する光学系を含んでいても良い。
【0026】
検査領域抽出回路21は、歪補正画像信号CV中から、検査画像領域指定信号JAにて示される1フレーム画像内の座標位置にある検査画像領域Caの表示を担う画像信号を抽出し、これを検査画像信号CH1として故障判定回路22に供給する。
【0027】
第2歪補正回路13は、上記した検査画像領域指定信号JAを受け、入力画像信号VS中から、検査画像領域指定信号JAにて示される1フレーム画像内の座標位置にある検査画像領域Caの表示を担う画像信号を抽出画像信号として抽出する。そして、第2歪補正回路13は、歪補正データメモリ14から読み出した歪補正データに基づき、抽出画像信号に対して各画素を移動させるマッピング処理を施して、歪補正が施された検査画像信号を生成する。そして、第2歪補正回路13は、生成した検査画像信号を検査画像信号CH2として故障判定回路22に供給する。
【0028】
故障判定回路22は、検査画像信号CH1及びCH2各々の画素同士で両者が一致している一致率を求める。そして、故障判定回路22は、当該一致率が所定の閾値未満である場合に、検査画像信号CH1及びCH2が互いに異なると判定し、故障が生じている旨を表す信号を上記した故障検知信号BCとして生成する。故障判定回路22は、かかる故障検知信号BCをコントローラ11及び通知回路24に供給する。
【0029】
故障判定回路22は、上記したような閾値を用いた故障判定により、例えばビット不良のような運転者の視認に影響を与えない程度の故障に対しては、これを故障と判断しないようにしている。
【0030】
通知回路24は、故障検知信号BCに応じて、故障が生じている旨を音声、表示又はLED等の発光素子の点滅又は点灯等により、ユーザ(例えば車両の運転者又は同乗者等)に通知する。
【0031】
以下に、HUD装置100の内部動作について、図4に示すタイムチャートに沿って説明する。
【0032】
尚、第2歪補正回路13は、入力画像信号VSにおける奇数フレームに対応した画像信号を保持する第1のメモリ、偶数フレームに対応した画像信号を保持する第2のメモリ、及びバッファを有するものとする。
【0033】
図4に示すように、第1のフレームでは画像A1、第2のフレームでは画像A2、第3のフレームでは画像A3を夫々表す入力画像信号VSが第1歪補正回路12及び第2歪補正回路13に順に供給される。
【0034】
第1歪補正回路12は、画像A1に対応した入力画像信号VSにマッピング処理を施して得られた歪補正画像信号CVを図4に示すように第2のフレームのタイミングで出力する。引き続き、第1歪補正回路12は、画像A2に対応した入力画像信号VSにマッピング処理を施して得られた歪補正画像信号CVを図4に示すように第3のフレームのタイミングで出力する。
【0035】
ここで、第2のフレームでは、検査領域抽出回路21は、第1のフレームで設定された検査画像領域Caに対応した検査画像信号CH1として、図4に示すように、検査画像信号a1〜a(n)(nは2以上の整数)を順に出力する。つまり、検査領域抽出回路21は、検査画像領域Caの表示を担う検査画像信号を、検査画像信号a1〜a(n)のように分割して出力する。引き続き、第3のフレームでは、検査領域抽出回路21は、第2のフレームで設定された検査画像領域Caに対応した検査画像信号CH1として、図4に示すように、検査画像信号b1〜b(n)を順に出力する。
【0036】
この間、第2歪補正回路13の第1のメモリには、図4に示すように、第1のフレーム期間において、画像A1に対応した入力画像信号VSが各表示ライン毎に順に保持され、夫々が第2のフレーム期間に亘り保持される。そして、引き続き第3のフレーム期間において、当該第1のメモリには、図4に示すように、画像A3に対応した入力画像信号VSが各表示ライン毎に順に保持される。また、第2歪補正回路13の第2のメモリには、図4に示すように、第2のフレーム期間において、画像A2に対応した入力画像信号VSが各表示ライン毎に順に保持され、夫々が第3のフレーム期間に亘り保持される。
【0037】
第2歪補正回路13は、第1のフレーム期間において、第1のメモリに保持されている画像A1に対応した画像信号中から、例えば図3の第1のフレームでの検査画像領域Caに対応した画像信号を順に抽出する。次に、第2歪補正回路13は、かかる検査画像領域Caに対応した画像信号の各々にマッピング処理を施す。これにより、第2歪補正回路13は、図4に示すように第1のフレーム期間に亘り、当該検査画像領域Caに対応した検査画像信号r1〜r(n)を順に生成し、バッファに保持させる。
【0038】
また、第2歪補正回路13は、第2のフレーム期間において、第2のメモリに保持されている画像A2に対応した画像信号中から、例えば図3の第1のフレームでの検査画像領域Caに対応した画像信号を順に抽出する。次に、第2歪補正回路13は、かかる検査画像領域Caに対応した画像信号の各々にマッピング処理を施す。これにより、第2歪補正回路13は、図4に示すように第2のフレーム期間に亘り、当該検査画像領域Caに対応した検査画像信号t1〜t(n)を順に生成し、バッファに保持させる。
【0039】
更に、当該第2のフレーム期間において、第2歪補正回路13は、バッファに保持されている検査画像信号r1〜r(n)を、図4に示すように検査画像信号CH2として順に故障判定回路22に供給する。よって、故障判定回路22は、第2のフレーム期間に亘り、検査画像信号CH1としてのa1〜a(n)と、検査画像信号CH2としてのr1〜r(n)とを比較する。すなわち、故障判定回路22は、先ず、検査画像信号a1及びr1における画素同士で一致しているかの判定を行い、各画素同士による一致率が所定値未満である場合にだけ故障検知信号BCを生成し、これをコントローラ11及び通知回路24に供給する。次に、故障判定回路22は、検査画像信号a2及びr2における画素同士で一致しているかの判定を行い、各画素同士による一致率が所定値未満である場合にだけ故障検知信号BCを生成し、これをコントローラ11及び通知回路24に供給する。同様に、故障判定回路22は、検査画像信号a3〜a(n)の各々と検査画像信号r3〜r(n)の各々とを画素同士で比較し、各画素同士による一致率が所定値未満である場合に故障検知信号BCを生成し、これをコントローラ11及び通知回路24に供給する。
【0040】
引き続き第3のフレーム期間において、第2歪補正回路13は、バッファに保持されている検査画像信号t1〜t(n)を、図4に示すように検査画像信号CH2として順に故障判定回路22に供給する。よって、故障判定回路22は、第3のフレーム期間に亘り、検査画像信号CH1としてのb1〜b(n)と、検査画像信号CH2としてのt1〜t(n)との比較を、上記した第2のフレーム期間での動作と同様に行う。
【0041】
以上詳述したように、HUD装置100では、第1歪補正回路12及び第2歪補正回路13の出力結果(CH1、CH2)を故障検知の検査対象とするにあたり、1フレーム画像よりもサイズが小さい検査画像領域Caに対応した部分を検査対象としている。
【0042】
よって、故障検知用に設ける第2歪補正回路13としては、1フレーム分の画像信号に対してマッピング処理を施すものに比べて、回路規模及び電力消費量を小さくすることが可能となる。
【0043】
尚、HUD装置100としては、コントローラ11、画像照射部15、及び通知回路24を含むものでなくても良い。
【0044】
要するに、HUD装置100における画像歪補正回路としては、以下の第1及び第2の歪補正回路、検査領域設定回路、検査領域抽出回路、及び故障判定回路を含むものであれば良い。
【0045】
すなわち、第1の歪補正回路(12)は、入力画像信号(VS)に対して、当該入力画像信号にて表される1フレームの画像に生じている歪を補正するマッピング処理を施して歪補正画像信号(CV)を生成する。検査領域設定回路(20)は、1フレームの画像のサイズよりも小さい画像領域を故障検査用の検査画像領域(Ca)として設定する。検査領域抽出回路(21)は、歪補正画像信号(CV)中から、検査画像領域の表示を担う部分を抽出しこれを第1の検査画像信号(CH1)として出力する。第2の歪補正回路(13)は、入力画像信号中における検査画像領域の表示を担う部分に対してマッピング処理を施したものを第2の検査画像信号(CH2)として出力する。故障判定回路(22)は、第1の検査画像信号と第2の検査画像信号とが互いに異なる場合に、故障が生じていると判定して故障検知信号(BC)を出力する。
【符号の説明】
【0046】
12 第1歪補正回路
13 第2歪補正回路
20 検査領域設定回路
21 検査領域抽出回路
22 故障判定回路
図1
図2
図3
図4