【実施例1】
【0013】
図1は、本発明に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。表示装置100は、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置である。表示装置100は、表示パネル11、タイミングコントローラ12、ゲートドライバ13、ソースドライバ14及びLEDドライバ15を含む。
【0014】
表示パネル11は、複数の画素部P11〜Pnm及び画素スイッチM11〜Mnm(nは2以上の整数、mは2以上の整数且つ3の倍数)がn行×m列のマトリクス状に配置された半導体基板から構成されている。表示パネル11は、水平走査ラインであるn本のゲート線GL1〜GLnと、これに交差して直交するように配されたm本のデータ線DL1〜DLmと、を有する。画素部P11〜Pnm及び画素スイッチM11〜Mnmは、ゲート線GL1〜GLn及びデータ線DL1〜DLmの交差部に設けられ、マトリクス状に配置されている。
【0015】
画素スイッチM11〜Mnmは、ゲートドライバ13から供給されるゲート信号Vg1〜Vgnに応じてオン又はオフに制御される。画素部P11〜Pnmは、ソースドライバ14から映像データに対応した階調電圧信号Gv1〜Gvmの供給を受ける。画素スイッチM11〜Mnmがそれぞれオンのときに、階調電圧信号Gv1〜Gvmが画素部P11〜Pnmの各画素電極に印加され、各画素電極が充電される。画素部P11〜Pnmの各画素電極における階調電圧信号Gv1〜Gvmに応じて画素部P11〜Pnmの輝度が制御され、表示が行われる。
【0016】
換言すると、ゲートドライバ13の動作により、ゲート線の伸長方向に沿って(すなわち、横一列に)配置されたm個の画素部が、階調電圧信号Gv1〜Gvmの供給対象として選択される。ソースドライバ14は、選択された横一列の画素部に対して階調電圧信号Gv1〜Gvmを印加し、電圧に応じた色を表示させる。階調電圧信号Gv1〜Gvmの供給対象として選択される横一列分の画素部を選択的に切り替えながら、データ線の伸長方向(すなわち、縦方向)に繰り返すことにより、1フレーム分の画面表示が行われる。
【0017】
画素部P11〜Pnmの各々は、画素スイッチを介してデータ線と接続される透明電極と、半導体基板と対向して設けられ且つ面全体に1つの透明な電極が形成された対向基板との間に封入された液晶と、を含む。表示装置内部のバックライトに対して、画素部P11〜Pnmに供給された階調電圧信号Gv1〜Gvmと対向基板電圧との電圧差に応じて液晶の透過率が変化することにより、表示が行われる。
【0018】
タイミングコントローラ12は、画像データ信号VDをソースドライバ12に供給する。画像データ信号VDは、各画素の輝度レベルを例えば8ビットの256段階の輝度階調で表す画素データ片PDの系列からなるシリアル化されたデータ信号である。また、タイミングコントローラ12は、フレーム同期信号FSをソースドライバ14に供給する。
【0019】
ゲートドライバ13は、ソースドライバ14からゲート制御信号CSの供給を受け、ゲート制御信号CSに含まれるクロックタイミングに基づいて、ゲート信号Vg1〜Vgnを順次ゲート線GL1〜GLnに供給する。
【0020】
ソースドライバ14は、タイミングコントローラ12からフレーム同期信号FS及び画像データ信号VDの供給を受け、画像データ信号VDに応じた階調電圧信号Gv1〜Gvmを生成し、データ線DL1〜DLmを介して画素部P11〜Pnmに供給する。ソースドライバ14は、階調数に応じた多値レベルの階調電圧信号Gv1〜Gvmをデータ線DL1〜DLmに供給する。また、ソースドライバ14は、フレーム同期信号FSに基づいてゲート制御信号CSを生成し、ゲートドライバ13に供給する。
【0021】
LEDドライバ15は、LED(Light Emitting Diode)からなる照明部(
図1では図示を省略)を駆動することにより、表示パネル11を照明するバックライトの光量を制御する照明駆動部である。照明部は複数の光源から構成されており、LEDドライバ15は各々の光源の発光を制御することにより、表示パネル11を分割した複数のエリアについて、エリア毎にバックライトの輝度を制御することが可能である。LEDドライバ15は、ソースドライバ14に接続されており、ソースドライバ14から調光データ信号の供給を受け、これに応じて照明部の複数の光源を駆動することにより、バックライトの輝度の制御を行う。
【0022】
図2は、表示パネル11と照明部16との配置関係を模式的に示す図である。照明部16は、表示パネル11の表示画面を複数のエリアに分割した各々のエリアに対応して配置された複数の光源LSから構成されている。複数の光源LSの各々は、例えばLEDからなるエミッタから構成されている。光源LS、LEDドライバ15によってそれぞれ別個に発光輝度が制御され、複数段階に輝度を切り替えることが可能に構成されている。
【0023】
再び
図1を参照すると、ソースドライバ14は、画像データ信号VDに応じた表示画面のコントラスト調整を行う簡易的なローカルディミングの機能を有する。
【0024】
図3は、ソースドライバ14の構成を示すブロック図である。ソースドライバ14は、LCD(Liquid Crystal Display)駆動部21及び簡易ローカルディミング機能部22を有する。
【0025】
LCD駆動部21は、画像データ信号VDの供給を受け、これに応じた階調電圧信号Gv1〜Gvmをデータ線DL1〜DLmに供給することにより表示パネル11を駆動する液晶ディスプレイ駆動部である。LCD駆動部21は、例えば画像データ信号VDから画素データ片PDを順次取り込むデータラッチ部や画素データ片PDを階調電圧信号Gv1〜Gvmに変換する階調電圧変換部等(図示せず)を含む。
【0026】
簡易ローカルディミング機能部22は、表示パネル11に照射するバックライトの光量を制御する調光データ信号DDを生成し、LEDドライバ15に供給する。簡易ローカルディミング機能部22は、階調平均算出部31、調光量算出部32及び調光データ書き出し部33を含む。
【0027】
階調平均算出部31は、画像データ信号VDに基づいて、1フレーム分の画像データを表示パネル11に表示した際の表示エリア毎の画素の階調(GS)を特徴量として取得し、その平均値を算出する。例えば、階調平均算出部31は、表示パネル11の表示画面を複数のエリアに分割した場合の各々のエリアについて、階調の平均値を算出する。
【0028】
図4は、複数のエリアに分割した表示パネル11の表示画面及び各エリアの階調の平均値を模式的に示す図である。ここでは、表示画面を8行(A〜H)×6列(1〜6)に分割した各々のエリアについての階調平均値を、GS0〜GS255までの256階調で示している。なお、本実施例では、
図4に示す複数のエリアは、
図2で示した複数の光源LSによるバックライトの照射領域にそれぞれ対応している。
【0029】
例えば、背景が暗く、背景と比べて相対的に明るい物体が画面中央部に存在しているような画像データ信号VDが供給された場合、
図4に示すように、表示画面の中央部に位置するエリア(例えば、D3、E3等)については比較的高い階調、周縁部に位置するエリア(例えば、A1〜A6等)については比較的低い階調が階調平均値として算出される。
【0030】
調光量算出部32は、階調平均算出部31によって算出されたエリア毎の階調平均値に基づいて、バックライトの発光を制御するための調光量をエリア毎に算出する。調光量算出部32は、調光量0〜9までの10段階で調光量を算出する。調光量算出部32は、例えば変換テーブルを用いて階調平均値を調光量に変換することにより、調光量を算出する。
【0031】
図5は、階調平均値に基づいて調光量を算出するための変換テーブルの例を示す図である。例えば、階調平均値GS0は調光量0、階調平均値GS1〜15は調光量1、・・・階調平均値GS240〜254は調光量8、階調平均値GS255は調光量9となる。
【0032】
調光データ書き出し部33は、調光量算出部32によって算出されたエリア毎の調光量に基づいて、各々のエリアに対応する光源LSのバックライトの光量を設定する調光データ信号DDを生成し、LEDドライバ15に出力する。
【0033】
LEDドライバ15は、調光データ信号DDに基づいて、各エリアに対応した調光量でバックライトの照射が行われるように照明部16の複数の光源LSの発光を制御する。例えば、LEDドライバ15は、調光データ信号DDに基づいて、複数の光源LSの各々の発光輝度を10段階に切り替える。これにより、1フレーム毎の画像データ信号VDの表示画面における各エリアの階調に応じて、バックライトの光量が調整され、表示画像に応じた適切なコントラスト比が得られる。
【0034】
以上のように、本実施例の表示装置100では、ソースドライバ14に設けられた簡易ローカルディミング機能部22が、画像データ信号VDに基づいて、表示パネル11を分割した複数のエリアの各々の階調平均値から調光量を算出し、算出された調光量に基づいてLEDドライバ15を制御することにより、ローカルディミングを行う。かかる構成によれば、ローカルディミングのための専用のICやFPGA等を設けた場合と比べて、装置全体の規模を抑えることができる。
【0035】
すなわち、画像データの補正を伴う詳細なローカルディミングを行う場合、ローカルディミング専用のIC等を設ける必要があり、装置全体の規模が増大してしまう。これに対し、本実施例で実行するローカルディミングは、調光量に合わせた画像データの補正を伴わない簡易的なローカルディミングであり、専用のIC等を設ける必要がない。本実施例のように、簡易的なローカルディミングの機能をソースドライバ14に搭載することにより、特に車載用等の小型の表示装置においては、画像データに応じた適切なコントラストを十分に実現しつつ、装置規模を抑えることが可能となる。
【0036】
なお、本発明は上記実施例で示したものに限定されない。例えば、上記実施例では、簡易ローカルディミング機能部22がソースドライバ14に設けられている場合を例として説明した。しかし、これとは異なり、タイミングコントローラ12が、簡易ローカルディミング機能部22に相当する機能部を有していても良い。かかる構成によっても、装置規模を抑えつつローカルディミングを行うことができる。
【0037】
また、上記実施例では、表示パネル11の表示画面を8行×6列のエリアに分割した各々のエリアについて光源が設けられ、各々のエリアについて画像データ信号の階調平均値を取得し、これに基づいて調光量を算出することによりLEDドライバを制御する例について説明した。しかし、表示パネル11の表示画面のエリアの分割はこれに限られない。例えば、8行×6列より多くのエリアに分割されていてもよい。
【0038】
また、各エリアについての調光量を算出する際、対応するエリアの階調平均値のみを用いて調光量を算出するのではなく、これに加えて隣接するエリアの階調平均値を参照して各エリアの調光量を算出するようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施例では、画像データ信号に基づいて、表示パネルに画像を表示した際の各エリアについての画素の階調の平均値を算出し、算出した階調の平均値を用いて調光量を算出する例について説明した。しかし、これに限られず、階調の平均以外の他の計算方法を用いて調光量を算出してもよい。また、階調以外の他の要素を特徴量として算出し、算出した特徴量に基づいて調光量を算出してもよい。すなわち、画像データ信号VDに基づいて、各エリアに対応する画素データ信号の特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて所定の計算を行い、各エリアについての調光量を算出するものであればよい。