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特開2021-187624産業車両の制御装置、産業車両、及び産業車両の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-187624(P2021-187624A)
(43)【公開日】2021年12月13日
(54)【発明の名称】産業車両の制御装置、産業車両、及び産業車両の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20211115BHJP
   G07C 5/10 20060101ALI20211115BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20211115BHJP
【FI】
   B66F9/24 Z
   G07C5/10
   G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2020-94462(P2020-94462)
(22)【出願日】2020年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】河本 満
(72)【発明者】
【氏名】チュウ ジョウヨン
(72)【発明者】
【氏名】岡山 健
(72)【発明者】
【氏名】大隈 隆史
(72)【発明者】
【氏名】古室 達也
(72)【発明者】
【氏名】音田 弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 紀彦
【テーマコード(参考)】
3E138
3F333
【Fターム(参考)】
3E138AA06
3E138AA07
3E138MA03
3E138MA06
3E138MB13
3E138MD04
3E138MF07
3F333AA02
3F333AB13
3F333AE02
3F333CA24
3F333FD01
3F333FD06
3F333FD07
3F333FE04
(57)【要約】
【課題】運転者の熟練度等を考慮して、産業車両の運転状態の遷移を更に精度良く判定できる、産業車両の制御装置、産業車両、及び産業車両の制御プログラムを提供する。
【解決手段】運転状態判定部31は、フォークリフト50の運転状態が分類された状態遷移モデルに基づき、フォークリフト50の運転状態を判定する。このように、運転状態判定部31が、状態遷移モデルに基づいた判定を行うことで、フォークリフト50の運転状態の判定が行い易くなる。運転状態判定部31は、検出部32で検出された操作情報に基づくヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて運転状態の遷移を判定する。このように、運転状態判定部31が、ヒストグラムに基づいた判定を行うことで、運転者の熟練度等に応じて、運転状態の遷移を適切に判定することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両、及び荷役装置を備える産業車両の制御装置であって、
前記産業車両の運転状態が分類された状態遷移モデルに基づき、前記産業車両の前記運転状態を判定する運転状態判定部と、
前記産業車両における各種の操作手段の操作に基づく操作情報を検出する検出部と、を備え、
前記運転状態判定部は、前記検出部で検出された前記操作情報に基づくヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて前記運転状態の遷移を判定する、産業車両の制御装置。
【請求項2】
前記状態遷移モデルは、少なくとも、
前記荷役装置からの荷降ろしが完了した荷降ろし完了状態と、
前記荷役装置に荷を積載していない状態で、前記車両を前記荷の位置まで移動させる荷無移動状態と、
前記荷役装置へ前記荷を積載し、荷積みが完了した荷積み完了状態と、
前記荷無移動状態から前記荷積み完了状態へ遷移する間の状態であって、前記荷役装置を操作して前記荷役装置に前記荷を積載する準備をしている状態である荷積み準備状態と、
前記車両を前記荷の運搬先まで移動させる荷運搬状態と、
前記荷運搬状態から前記荷降ろし完了状態へ遷移する間の状態であって、前記荷役装置を操作して前記荷役装置から前記荷を前記運搬先へ荷降ろしする準備をしている状態である荷降ろし準備状態と、を運転状態として分類し、
前記検出部は、ステアリングの操作に基づく、前記車両のタイヤの位置を示すタイヤ位置を検出し、
前記運転状態判定部は、
前記荷無移動状態又は前記荷積み完了状態の第1の状態から、前記荷積み準備状態又は前記荷運搬状態の第2の状態への遷移を判定する場合において、
前記第1の状態に遷移したときの前記タイヤ位置に対する、前記第1の状態と前記第2の状態との間の前記タイヤ位置の変化量を算出し、当該算出結果に基づいて前記ヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を判定する、請求項1に記載の産業車両の制御装置。
【請求項3】
前記状態遷移モデルは、少なくとも、
前記荷役装置からの荷降ろしが完了した荷降ろし完了状態と、
前記荷役装置に荷を積載していない状態で、前記車両を前記荷の位置まで移動させる荷無移動状態と、
前記荷役装置へ前記荷を積載し、荷積みが完了した荷積み完了状態と、
前記荷無移動状態から前記荷積み完了状態へ遷移する間の状態であって、前記荷役装置を操作して前記荷役装置に前記荷を積載する準備をしている状態である荷積み準備状態と、
前記車両を前記荷の運搬先まで移動させる荷運搬状態と、
前記荷運搬状態から前記荷降ろし完了状態へ遷移する間の状態であって、前記荷役装置を操作して前記荷役装置から前記荷を前記運搬先へ荷降ろしする準備をしている状態である荷降ろし準備状態と、を運転状態として分類し、
前記検出部は、レバー操作に基づく、前記荷役装置への作動油圧力を検出し、
前記運転状態判定部は、
前記荷積み準備状態又は荷降ろし準備状態の第3の状態から、前記荷積み完了状態又は荷降ろし完了状態の第4の状態への遷移を判定する場合において、
前記第3の状態に遷移したときの前記作動油圧力に対する、前記第3の状態と前記第4の状態との間の前記作動油圧力の変化量を算出し、当該算出結果に基づいて前記ヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて前記第3の状態から前記第4の状態への遷移を判定する、請求項1に記載の産業車両の制御装置。
【請求項4】
前記状態遷移モデルは、少なくとも、
前記荷役装置からの荷降ろしが完了した荷降ろし完了状態と、
前記荷役装置に荷を積載していない状態で、前記車両を前記荷の位置まで移動させる荷無移動状態と、
前記荷役装置へ前記荷を積載し、荷積みが完了した荷積み完了状態と、
前記荷無移動状態から前記荷積み完了状態へ遷移する間の状態であって、前記荷役装置を操作して前記荷役装置に前記荷を積載する準備をしている状態である荷積み準備状態と、
前記車両を前記荷の運搬先まで移動させる荷運搬状態と、
前記荷運搬状態から前記荷降ろし完了状態へ遷移する間の状態であって、前記荷役装置を操作して前記荷役装置から前記荷を前記運搬先へ荷降ろしする準備をしている状態である荷降ろし準備状態と、を運転状態として分類し、
前記検出部は、前記荷役装置に対するレバー操作を検出し、
前記運転状態判定部は、
前記荷積み準備状態又は荷降ろし準備状態の第3の状態から、前記荷積み完了状態又は荷降ろし完了状態の第4の状態への遷移を判定する場合において、
前記レバー操作の操作回数に基づいて前記ヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて前記第3の状態から前記第4の状態への遷移を判定する、請求項1に記載の産業車両の制御装置。
【請求項5】
前記運転状態判定部は、算出結果に対して、ローパスフィルタを用いた結果を前記ヒストグラムの作成に用いる、請求項2又は3に記載の産業車両の制御装置。
【請求項6】
前記運転状態判定部は、カルバック・ライブラー・ダイバージェンス法を用いて、作成した前記ヒストグラムと事前に作成された基準ヒストグラムとをマッチングすることによって、遷移の判定を行う、請求項2〜5の何れか一項に記載の産業車両の制御装置。
【請求項7】
前記運転状態判定部は、作成した前記ヒストグラムと事前に作成された基準ヒストグラムとをマッチングすることによって、前記遷移の判定を行い、
作成された前記ヒストグラムの結果は、前記基準ヒストグラムに反映される、請求項2〜6の何れか一項に記載の産業車両の制御装置。
【請求項8】
前記運転状態判定部は、前記荷無移動状態から前記荷積み準備状態への遷移の判定において、タイヤ位置の変化量を用いる、請求項2〜7の何れか一項に記載の産業車両の制御装置。
【請求項9】
前記運転状態判定部は、前記荷積み準備状態から前記荷積み完了状態への遷移の判定において、油圧シリンダの作動油の油圧の所定時間における変化量を用いる、請求項2〜8の何れか一項に記載の産業車両の制御装置。
【請求項10】
前記運転状態判定部は、前記荷降ろし準備状態から前記荷降ろし完了状態への遷移の判定において、油圧シリンダの作動油の油圧と、無負荷時の油圧の値との一致度を用いる、請求項2〜9の何れか一項に記載の産業車両の制御装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載の産業車両の制御装置を備えた産業車両。
【請求項12】
請求項1〜10の何れか一項に記載の産業車両の制御装置を前記運転状態判定部として機能させる、産業車両の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業車両の制御装置、産業車両、及び産業車両の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の産業車両の制御装置としては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載の制御装置は、産業車両に搭載されたものである。この制御装置は、産業車両の運転状態が分類された状態遷移モデルに基づき、産業車両の運転状態を判定する運転状態判定部を備える。運転状態判定部は、進行状態や荷役装置の操作状態に基づいて、運転状態を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−189435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、産業車両の分野においては、制御装置の産業車両の運転状態を判定することで、当該判定結果を作業支援、運転者の個人差の把握、自律走行、その他の様々な形で有効に利用することができる。従って、制御装置によって産業車両の運転状態を判定するときの判定の精度を更に高めることが求められていた。特に、運転者の熟練度等によって、産業車両の運転状態の遷移時における運転態様は変化する。従って、運転者の熟練度等を考慮して、運転状態の遷移を更に精度良く判定することが求められていた。
【0005】
本発明は、運転者の熟練度等を考慮して、産業車両の運転状態の遷移を更に精度良く判定できる、産業車両の制御装置、産業車両、及び産業車両の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る産業車両の制御装置は、車両、及び荷役装置を備える産業車両の制御装置であって、産業車両の運転状態が分類された状態遷移モデルに基づき、産業車両の運転状態を判定する運転状態判定部と、産業車両における各種の操作手段の操作に基づく操作情報を検出する検出部と、を備え、運転状態判定部は、検出部で検出された操作情報に基づくヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて運転状態の遷移を判定する。
【0007】
本発明の一態様に係る産業車両の制御装置において、運転状態判定部は、産業車両の運転状態が分類された状態遷移モデルに基づき、産業車両の運転状態を判定する。このように、運転状態判定部が、状態遷移モデルに基づいた判定を行うことで、産業車両の運転状態の判定が行い易くなる。ここで、本発明者らは、鋭意研究の結果、次のような知見を見出した。すなわち、産業車両における各種の操作手段の操作に基づく操作情報を検出し、検出した操作情報に基づくヒストグラムを作成した場合、ある運転状態から他の運転状態へ遷移するまでの間のヒストグラムには、運転者によって所定の傾向があることが見出された。更に、本発明者らは、このようなヒストグラムは、運転者の熟練度などに応じて、運転状態の遷移の際における運転者の意思を精度良く示している点を見出した。従って、運転状態判定部は、検出部で検出された操作情報に基づくヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて運転状態の遷移を判定する。このように、運転状態判定部が、ヒストグラムに基づいた判定を行うことで、運転者の熟練度等に応じて、運転状態の遷移を適切に判定することができる。以上により、運転者の熟練度等を考慮して、産業車両の運転状態の遷移を更に精度良く判定できる。
【0008】
状態遷移モデルは、少なくとも、荷役装置からの荷降ろしが完了した荷降ろし完了状態と、荷役装置に荷を積載していない状態で、車両を荷の位置まで移動させる荷無移動状態と、荷役装置へ荷を積載し、荷積みが完了した荷積み完了状態と、荷無移動状態から荷積み完了状態へ遷移する間の状態であって、荷役装置を操作して荷役装置に荷を積載する準備をしている状態である荷積み準備状態と、車両を荷の運搬先まで移動させる荷運搬状態と、荷運搬状態から荷降ろし完了状態へ遷移する間の状態であって、荷役装置を操作して荷役装置から荷を運搬先へ荷降ろしする準備をしている状態である荷降ろし準備状態と、を運転状態として分類し、検出部は、ステアリングの操作に基づく、車両のタイヤの位置を示すタイヤ位置を検出し、運転状態判定部は、荷無移動状態又は荷積み完了状態の第1の状態から、荷積み準備状態又は荷運搬状態の第2の状態への遷移を判定する場合において、第1の状態に遷移したときのタイヤ位置に対する、第1の状態と第2の状態との間のタイヤ位置の変化量を算出し、当該算出結果に基づいてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて第1の状態から第2の状態への遷移を判定してよい。荷無移動状態から荷積み準備状態へ遷移するまでの間、及び荷積み完了状態から荷運搬状態へ遷移するまでの間には、運転者が操舵操作を行うことで、産業車両のタイヤ位置を変化させながら運転を行う傾向にある。また、操舵態様も運転者の熟練度等に応じて特徴がある。従って、運転状態判定部は、タイヤ位置の変化量に基づくヒストグラムを用いることで、第1の状態から第2の状態への遷移を精度良く判定することができる。
【0009】
状態遷移モデルは、少なくとも、荷役装置からの荷降ろしが完了した荷降ろし完了状態と、荷役装置に荷を積載していない状態で、車両を荷の位置まで移動させる荷無移動状態と、荷役装置へ荷を積載し、荷積みが完了した荷積み完了状態と、荷無移動状態から荷積み完了状態へ遷移する間の状態であって、荷役装置を操作して荷役装置に荷を積載する準備をしている状態である荷積み準備状態と、車両を荷の運搬先まで移動させる荷運搬状態と、荷運搬状態から荷降ろし完了状態へ遷移する間の状態であって、荷役装置を操作して荷役装置から荷を運搬先へ荷降ろしする準備をしている状態である荷降ろし準備状態と、を運転状態として分類し、検出部は、レバー操作に基づく、荷役装置への作動油圧力を検出し、運転状態判定部は、荷積み準備状態又は荷降ろし準備状態の第3の状態から、荷積み完了状態又は荷降ろし完了状態の第4の状態への遷移を判定する場合において、第3の状態に遷移したときの作動油圧力に対する、第3の状態と第4の状態との間の作動油圧力の変化量を算出し、当該算出結果に基づいてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて第3の状態から第4の状態への遷移を判定してよい。荷積み準備状態から荷積み完了状態へ遷移するまでの間、及び荷運搬状態から荷降ろし準備状態へ遷移するまでの間には、運転者が荷役装置に対するレバー操作を行うことで、荷役装置への作動油圧力を変化させながら運転を行う傾向にある。また、レバー操作態様も運転者の熟練度等に応じて特徴がある。従って、運転状態判定部は、作動油圧力の変化量に基づくヒストグラムを用いることで、第3の状態から第4の状態への遷移を精度良く判定することができる。
【0010】
状態遷移モデルは、少なくとも、荷役装置からの荷降ろしが完了した荷降ろし完了状態と、荷役装置に荷を積載していない状態で、車両を荷の位置まで移動させる荷無移動状態と、荷役装置へ荷を積載し、荷積みが完了した荷積み完了状態と、荷無移動状態から荷積み完了状態へ遷移する間の状態であって、荷役装置を操作して荷役装置に荷を積載する準備をしている状態である荷積み準備状態と、車両を荷の運搬先まで移動させる荷運搬状態と、荷運搬状態から荷降ろし完了状態へ遷移する間の状態であって、荷役装置を操作して荷役装置から荷を運搬先へ荷降ろしする準備をしている状態である荷降ろし準備状態と、を運転状態として分類し、検出部は、荷役装置に対するレバー操作を検出し、運転状態判定部は、荷積み準備状態又は荷降ろし準備状態の第3の状態から、荷積み完了状態又は荷降ろし完了状態の第4の状態への遷移を判定する場合において、レバー操作の操作回数に基づいてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて第3の状態から第4の状態への遷移を判定してよい。荷積み準備状態から荷積み完了状態へ遷移するまでの間、及び荷運搬状態から荷降ろし準備状態へ遷移するまでの間には、運転者が荷役装置に対するレバー操作を行うことで、荷役装置に各種動作を行わせながら運転を行う傾向にある。また、レバー操作態様も運転者の熟練度等に応じて特徴がある。従って、運転状態判定部は、レバー操作の操作回数に基づくヒストグラムを用いることで、第3の状態から第4の状態への遷移を精度良く判定することができる。
【0011】
運転状態判定部は、算出結果に対して、ローパスフィルタを用いた結果をヒストグラムの作成に用いてよい。この場合、運転状態判定部は、信号のノイズなどを低減することで精度の良いヒストグラムを作成することができる。
【0012】
運転状態判定部は、カルバック・ライブラー・ダイバージェンス法を用いて、作成したヒストグラムと事前に作成された基準ヒストグラムとをマッチングすることによって、遷移の判定を行ってよい。この場合、運転状態判定部は、マッチングの演算を容易に行うことができる。
【0013】
運転状態判定部は、作成したヒストグラムと事前に作成された基準ヒストグラムとをマッチングすることによって、遷移の判定を行い、作成されたヒストグラムの結果は、基準ヒストグラムに反映されてよい。この場合、運転状態判定部は、運転者の運転の癖などを更に反映した基準ヒストグラムを用いることができる。従って、運転状態判定部は、精度良く遷移の判定を行うことができる。
【0014】
運転状態判定部は、荷無移動状態から荷積み準備状態への遷移の判定において、タイヤ位置の変化量を用いてよい。この場合、運転状態判定部は、荷無移動状態から荷積み準備状態への遷移のタイミングをより精度良く判定することができる。
【0015】
運転状態判定部は、荷積み準備状態から荷積み完了状態への遷移の判定において、油圧シリンダの作動油の油圧の所定時間における変化量を用いてよい。この場合、運転状態判定部は、荷積み準備状態から荷積み完了状態への遷移のタイミングをより精度良く判定することができる。
【0016】
運転状態判定部は、荷降ろし準備状態から荷降ろし完了状態への遷移の判定において、油圧シリンダの作動油の油圧と、無負荷時の油圧の値との一致度を用いてよい。この場合、運転状態判定部は、荷運搬状態から荷降ろし準備状態への遷移のタイミングをより精度良く判定することができる。
【0017】
本発明の一態様に係る産業車両は、上述の産業車両の制御装置を備えている。この産業車両は、上述の制御装置と同様な作用・効果を得ることができる。
【0018】
本発明の一態様に係る産業車両の制御プログラムは、上述の産業車両の制御装置を運転状態判定部として機能させる。この産業車両の制御プログラムは、上述の制御装置と同様な作用・効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、運転者の熟練度等を考慮して、産業車両の運転状態の遷移を更に精度良く判定できる、産業車両の制御装置、産業車両、及び産業車両の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る制御装置を備えるリーチ式フォークリフトの側面図である。
図2図1に示す制御装置及びそれに関わる構成要素を示すブロック構成図である。
図3】状態遷移モデルを示す概念図である。
図4】(a)は荷降ろし完了状態の様子を示し、(b)は荷無移動状態の様子を示す図である。
図5】(a)は荷積み準備状態の様子を示し、(b)は荷積み完了状態の様子を示す図である。
図6】(a)は荷運搬状態の様子を示し、(b)は荷降ろし準備状態S6の様子を示す図である。
図7】(a)は、荷無移動状態と荷積み準備状態の間のプロセスにおけるtpc(t)の出力を示すグラフであり、(b)は、(a)のtpc(t)に対応するヒストグラムである。
図8】荷積み準備状態と荷積み完了状態との間のプロセスにおける各レバーのON状態の確率分布を示すヒストグラムである。
図9】(a)は、荷積み準備状態と荷積み完了状態の間のプロセスにおけるopcc(t)の出力を示すグラフであり、(b)は、図9(a)のopcc(t)に対応するヒストグラムである。
図10】運転状態が遷移したことを判定するための判定条件の具体例を示す表である。
図11】制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
図12】フォークリフトの稼動状態を模擬した、作業手順の様子を示す概略平面図である。
図13】フォークリフトの稼動状態を模擬した、作業手順の様子を示す概略平面図である。
図14】実施例における実験結果を示すグラフである。
図15】5人の運転者に対する実施例と比較例のエラー率を示す表である。
図16】運転状態が遷移したことを判定するための判定条件の具体例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る制御装置を備えるリーチ式フォークリフトの側面図である。なお、以降の説明においては「左」「右」を用いて説明するが、これらは後方から前方を見た時を基準としたときの「左」「右」に対応するものとする。図1に示すように、産業車両としてのリーチ式フォークリフト(以下、単にフォークリフトと称す)50は、前二輪従動・後一輪駆動の3輪車タイプであり、車両(機台)2の前部に収容されたバッテリを電源として走行するバッテリ車である。フォークリフト50は、車両2、及び荷役装置3を備える。
【0023】
車両2は、前方へ延出する左右一対のリーチレグ4を備える。左右の前輪5は、左右のリーチレグ4にそれぞれ回転可能に支持されている。後輪6は、後一輪であって、操舵輪を兼ねた駆動輪である。車両2の後部は、立席タイプの運転席12となっている。運転席12の前側にあるインストルメントパネル9には、荷役操作のための荷役レバー10、及び前後進操作のためのアクセルレバー11が設けられている。また、インストルメントパネル9の上面にはステアリング13が設けられている。
【0024】
荷役装置3は、車両2の前側に設けられる。荷役レバー10のうちのリーチレバー操作時には、リーチシリンダ22(図2参照)が伸縮駆動することによって、荷役装置3がリーチレグ4に沿って所定ストローク範囲内で前後方向に移動する。また、荷役装置3は、2段式のマスト23、リフトシリンダ24、ティルトシリンダ28(図2参照)及びフォーク25を備える。荷役レバー10のうちのリフトレバー操作時には、リフトシリンダ24が伸縮駆動することによりマスト23が上下方向にスライド伸縮し、これに連動してフォーク25が昇降する。
【0025】
次に、図2を参照して、本実施形態に係るフォークリフト50の制御装置100について更に詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る制御装置100及びそれに関わる構成要素を示すブロック構成図である。図2に示すように、制御装置100は、ステアリング13と、アクセルレバー11と、荷役レバー10と、に接続されており、これらの運転指令を受信する。なお、荷役レバー10は、リフトレバー10aと、リーチレバー10bと、ティルトレバー10cと、を備える。リフトレバー10aは、フォーク25を上下方向に移動させるリフト動作を操作するためのレバーである。リーチレバー10bは、荷役装置3を前後方向に移動させるリーチ動作を操作するためのレバーである。ティルトレバー10cは、荷役装置3を傾斜させるティルト動作を操作するためのレバーである。
【0026】
制御装置100は、荷役駆動系40と、走行駆動系45と接続されており、これらに制御信号を送信する。荷役駆動系40は、荷役装置3を作動させるための駆動力を発生する駆動系である。走行駆動系45は、車両2を走行させるための駆動力を発生する駆動系である。
【0027】
荷役駆動系40は、リーチシリンダ22、リフトシリンダ24、及びティルトシリンダ28へ作動油を供給することで、各シリンダ22,24,28を駆動させる。荷役駆動系40は、荷役モータ41と、バルブ部42と、を備える。荷役モータ41は、各シリンダ22,24,28へ作動油を圧送するポンプ(不図示)を駆動させるためのモータである。バルブ部42は、各シリンダ22,24,28へ供給する作動油の供給先、及び供給量をコントロールするためのバルブ群である。例えば、運転者がリフトレバー10aを操作した場合、荷役モータ41は、操作量に応じた回転数で回転し、バルブ部42は、リフトシリンダ24に対応するバルブを操作量に応じた開度で開く。このとき、バルブ部42は、リーチシリンダ22及びティルトシリンダ28に対応するバルブは閉じておく。
【0028】
走行駆動系45は、走行モータ46を備える。走行モータ46は、後輪6(図1参照)へ回転力を伝達する。運転者がアクセルレバー11を操作した場合、走行モータ46は、アクセルレバー11の操作方向に基づいた回転方向にて、アクセルレバー11のアクセル開度に応じた回転数で回転する。なお、走行駆動系45は、ステアリング13の操作に基づいて、後輪6を操舵する操舵機構も備えている。
【0029】
制御装置100は、フォークリフト50の運転制御を行うための装置である。制御装置100は、各操作部10,11,13の操作に基づいて、荷役駆動系40及び走行駆動系45を制御する。また、本実施形態に係る制御装置100は、フォークリフト50の運転状態を判定することができる。すなわち、制御装置100は、フォークリフト50の運転中において、当該フォークリフト50がどのような運転状態にあるかをリアルタイムに判定することができる。運転状態とは、フォークリフト50の運転者が行う荷役作業を、フォークリフト50への操作に基づいて分類して定義した作業の状態である。制御装置100は、フォークリフト50の運転状態が分類された状態遷移モデルに基づいて、運転状態を判定する。ここでは、制御装置100の具体的な構成を説明する前に、図3図6を参照して、状態遷移モデルについて説明する。
【0030】
図3は、状態遷移モデルを示す概念図である。図3に示すように、状態遷移モデルは、荷降ろし完了状態S1と、荷無移動状態S2と、荷積み準備状態S3と、荷積み完了状態S4と、荷運搬状態S5と、荷降ろし準備状態S6と、を運転状態として分類している。状態遷移モデルは、状態S1〜S6の順で運転状態が遷移し、荷降ろし準備状態S6から荷降ろし完了状態S1へ遷移するというモデルを有する。図4(a)は、荷降ろし完了状態S1の様子を示し、図4(b)は、荷無移動状態S2の様子を示す。図5(a)は、荷積み準備状態S3の様子を示し、図5(b)は、荷積み完了状態S4の様子を示す。図6(a)は、荷運搬状態S5の様子を示し、図6(b)は、荷降ろし準備状態S6の様子を示す。ただし、図4図6は、各運転状態におけるフォークリフト50の動作の一例を示したものである。すなわち、各運転状態でのフォークリフト50の動作は、以下の説明のような動作に限定される訳ではなく、運転者の癖や熟練度などによって適宜変更される。すなわち、各運転状態でのフォークリフト50の動作態様は、判定条件をどのように設定するかによって定められるものである。
【0031】
荷降ろし完了状態S1は、荷役装置3からの荷降ろしが完了した運転状態である。図4(a)に示すように、フォーク25で支持していた荷Wを荷降ろし位置へ載置することで、運転状態は、荷降ろし準備状態S6から、荷降ろし完了状態S1となる。なお、荷役装置3がフォーク25から荷Wを降ろした後、荷役装置3がフォーク25を荷Wから外すために位置調整を行い、車両2が荷Wからフォーク25を外すために後退する場合がある。このような状態も荷降ろし完了状態S1に含まれてもよい。
【0032】
荷無移動状態S2は、荷役装置3に荷Wを積載していない状態で、車両2を荷Wの位置近くまで移動させる運転状態である。図4(b)に示すように、荷降ろし完了状態S1にてフォーク25に何も荷Wが積載されていない状態となった後、次の荷Wの位置へ向かって車両2が走行を開始することで、運転状態は荷降ろし完了状態S1から荷無移動状態S2となる。
【0033】
荷積み準備状態S3は、荷無移動状態S2から荷積み完了状態S4へ遷移する間の状態であって、荷役装置3を操作して荷役装置3に荷Wを積載する準備をしている状態である。図5(a)に示すように、車両2は、荷無移動状態S2にて走行している走行状態から、次の荷Wの位置の近くまで近接すると、速度を低下させて、荷積みを行う位置にて停止状態となる。また、その際、荷役装置3は、フォーク25で荷積みを行うことができるように、当該フォーク25の位置調整を行う。このように、車両2及び荷役装置3に対して、荷積みを行うための操作が運転者によってなされることによって、運転状態は荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3となる。
【0034】
荷積み完了状態S4は、荷役装置3からの荷積みが完了した状態である。図5(b)に示すように、フォーク25に荷Wの荷重が作用していない状態から、フォーク25が荷Wを持ち上げた状態となることで、運転状態は荷積み準備状態S3から荷積み完了状態S4となる。なお、荷役装置3がフォーク25で荷Wを持ち上げた後、荷Wを載置面から離間させるためにフォーク25の位置調整を行っている場合、当該状態も荷積み完了状態S4に含まれてもよい。
【0035】
荷運搬状態S5は、車両2を荷Wの運搬先まで移動させる運転状態である。図6(a)に示すように、荷積み完了状態S4にてフォーク25に荷Wが積載された状態となった後、荷Wの運搬先へ向かって車両2が走行を開始することで、運転状態は荷積み完了状態S4から荷運搬状態S5となる。
【0036】
荷降ろし準備状態S6は、荷運搬状態S5から荷降ろし完了状態S1へ遷移する間の状態であって、荷役装置3を操作して荷役装置3から荷Wを運搬先へ荷降ろしする準備をしている状態である。図6(b)に示すように、車両2は、荷運搬状態S5にて走行している走行状態から、荷Wの運搬先の近くまで近接すると、速度を低下させて、荷降ろしを行う位置にて停止状態となる。また、その際、荷役装置3は、フォーク25から荷Wの荷降ろしを行うことができるように、当該フォーク25の位置調整を行う。このように、車両2及び荷役装置3に対して、荷降ろしを行うための操作が運転者によってなされることによって、運転状態は荷運搬状態S5から荷降ろし準備状態S6となる。
【0037】
次に、図2を再び参照し、制御装置100の具体的な構成について説明する。制御装置100は、装置を統括的に管理するECU[ElectronicControl Unit]を備えている。ECUは、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECUでは、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECUは、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
【0038】
図2に示すように、制御装置100は、運転状態判定部31と、検出部32と、設定部33と、学習部34と、記憶部35と、を備える。また、制御装置100には制御プログラムが組み込まれている。この制御プログラムは、制御装置100を運転状態判定部31と、検出部32と、設定部33と、学習部34と、記憶部35として機能させる。
【0039】
運転状態判定部31は、上述の状態遷移モデルに基づき、フォークリフト50の運転状態を判定する。すなわち、運転状態判定部31は、運転中のフォークリフト50の運転状態が、荷降ろし完了状態S1、荷無移動状態S2、荷積み準備状態S3、荷積み完了状態S4、荷運搬状態S5、及び荷降ろし準備状態S6の何れの状態であるかを判定する。
【0040】
検出部32は、フォークリフト50における各種の操作手段の操作に基づく操作情報を検出する。検出部32は、ステアリング13の操舵方向および操舵量、アクセルレバー11のアクセル開度、及び荷役レバー10の操作方向及び操作量を検出する。具体的に、検出部32は、アクセルレバー11の操作からアクセル信号(ac信号)とブレーキ信号(br信号)を検出する。検出部32は、これらの信号をデータとして使用して、実行状態と停止状態を推定する。検出部32は、動作方向から、正逆信号(fb信号)を検出する。また、検出部32は、ステアリング13の操作に基づき、タイヤの方向を示す左右信号(lr信号)を検出し、タイヤの位置を示すタイヤ位置の信号(tp信号)を検出する。本実施形態では、タイヤ位置とは、駆動輪である後輪6の傾き(タイヤ角度)を示す。検出部32は、荷役レバー10のレバー操作に基づく、荷役装置3のリフトシリンダ24への作動油圧力(油圧変化を示すopc信号)を検出する。また、検出部32は、レバー操作から、積載および/または荷降ろしに関する情報、すなわちリフト動作に関する上下信号(luf信号)、ティルト動作に関する後傾信号(tbf信号)、リーチ動作に関するリーチイン・アウト信号(rio信号)を検出する。
【0041】
運転状態判定部31は、検出部32から各種の操作手段の操作に基づく操作情報を取得する。運転状態判定部31は、取得した判定パラメータの変化に基づいて、フォークリフト50の運転状態を判定する。また、運転状態判定部31は、判定パラメータに対して予め設定された判定条件に基づいて、フォークリフト50の運転状態を判定する。判定条件は、運転状態が他の運転状態へ遷移したことを判定するために設定された条件である。すなわち、運転状態判定部31は、判定条件が満たされた場合、フォークリフト50の運転状態が、ある運転状態から他の運転状態へ遷移したと判定する。
【0042】
なお、運転状態判定部31が一度運転状態を判定しても、当該判定が誤りである場合もある。このような誤りに基づく判定を正すために、運転状態判定部31は、フィードバックのための判定条件に基づいて判定を行ってもよい(後述の図16参照)。例えば、運転状態判定部31が荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3へ遷移したことを判定した後に、フィードバック用の判定条件が満たされる。この場合、運転状態判定部31は、現在の運転状態は、荷積み準備状態S3ではなく、荷無移動状態S2であると判定する。
【0043】
本実施形態において、運転状態判定部31は、操作情報に基づくヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて運転状態の遷移を判定する。具体的に、運転状態判定部31は、荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3への遷移を判定する場合、または荷積み完了状態S4から荷運搬状態S5への遷移を判定する場合に、タイヤ位置のヒストグラムを用いて遷移を判断する。一例として、ヒストグラムは、各信号の取得結果や各種算出結果を、任意に設定した所定の幅で区切り、その区間の範囲内における要素の数として示すものである。なお、以降の説明においては、荷無移動状態S2又は荷積み完了状態S4をまとめて「第1の状態」と称する場合がある。また、荷積み準備状態S3又は荷運搬状態S5をまとめて「第2の状態」と称する場合がある。つまり、荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3へ遷移する場合は、荷無移動状態S2が第1の状態に該当し、荷積み準備状態S3が第2の状態に該当する。荷積み完了状態S4から荷運搬状態S5へ遷移する場合は、荷無移動状態S2が第1の状態に該当し、荷積み準備状態S3が第2の状態に該当する。
【0044】
運転状態判定部31は、第1の状態に遷移したときのタイヤ位置に対する、第1の状態と第2の状態との間のタイヤ位置の変化量を算出し、当該算出結果に基づいてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて第1の状態から第2の状態への遷移を判定する。具体的に、運転状態判定部31は、tp信号(tpi(t)、i=S2、S4)を使用して運転状態を判定する。ここで、第1の状態に遷移した時点を「遷移点」と称する。すると、第1の状態の遷移点、すなわち荷無移動状態S2の遷移点、及び荷積み完了状態S4の遷移点は、第2の状態の遷移点を判定しようとする段階では既知の情報である。従って、荷無移動状態S2の遷移点、及び荷積み完了状態S4の遷移点、すなわち、運転状態判定部31は、tpi(0)(i=S2、S4)でのtpi(t)信号を基準値として用いて、以下の式(1)に示すtpc(t)を算出する。

tpc(t)=tpi(t)−tpi(0) (i=S2、S4) …(1)
【0045】
ここで、tpc(t)(i=S2、S4)は、第1の状態から第2の状態へ遷移する移行中のtp信号を示している。従って、tpc(t)は、第1の状態から第2の状態へ遷移するときの処理操作の変化量を表す算出結果といえる。
【0046】
運転状態判定部31は、算出結果に対して、ローパスフィルタを用いた結果をヒストグラムの作成に用いる。図7(a)は、荷無移動状態S2と荷積み準備状態S3の間のプロセスにおけるtpc(t)の出力を示すグラフである。なお、図7(a)の横軸は、荷無移動状態S2の遷移点からカウントを開始した場合の時間の経過(秒)を示す。図7(a)の縦軸は、tpc(t)の値を示す。そして、運転状態判定部31は、時間tとともに変化するtpc(t)の値の数に基づいてヒストグラムを作成する。図7(b)は、図7(a)のtpc(t)に対応するヒストグラムを示す。
【0047】
ここで、tpc(t)の値は6つのカテゴリーに分割され、すべての値の合計が1に等しくなるように正規化されている。ここでは、図7(a)の縦軸のうち、「−100〜−50」の値をカテゴリー1とし、「−50〜0」の値をカテゴリー2とし、「0〜50」の値をカテゴリー3とし、「50〜100」の値をカテゴリー4とし、「100〜150」の値をカテゴリー5とし、「150〜200」の値をカテゴリー6とする。図7(b)の横軸は、各カテゴリーの番号を示している。なお、各カテゴリーの境界値がどちらのカテゴリーに属するかは任意に設定してよい。例えばカテゴリー2とカテゴリー3の境界値である0は、カテゴリー2とカテゴリー3とのどちらに属するかは、任意に設定可能である。図7(b)の縦軸は、各カテゴリーに存在するtpc(t)の値の確率を示す。このように、図7(b)に示すヒストグラムは、6つのカテゴリーに関する確率分布として扱うことができる。図7(a)に示すように、全時間帯を通じて、tpc(t)が「−50〜0」「0〜50」となっている時間は長い。従って、図7(b)のヒストグラムのカテゴリー2,3の値が大きくなっている。それに対し、図7(a)に示すように、tpc(t)は10秒付近に「100〜150」に達するピークを一つ有し、25秒付近に「150〜200」に達するピークを一つ有するだけである。従って、図7(b)のヒストグラムのカテゴリー5,6の値は小さい。
【0048】
なお、図7(b)は、荷積み準備状態S3の遷移点におけるヒストグラムを示している。すなわち、荷積み準備状態S3に至る前段階においては、時間の経過と共に、ヒストグラムは適宜変化してゆき、荷積み準備状態S3の遷移点に到達したら、ヒストグラムが図7(b)に示すような確率分布となる。従って、運転状態判定部31は、事前に作成された基準ヒストグラムを予め準備しておく。そして、運転状態判定部31は、フォークリフト50の運転中に作成したヒストグラムと基準ヒストグラムとをマッチングすることによって、遷移の判定を行う。運転状態判定部31は、作成中のヒストグラムと基準ヒストグラムとのマッチング度を演算し、当該マッチング度が所定の閾値を超えた場合、荷積み準備状態S3から荷積み完了状態S4に遷移したと判定する。マッチングの方法は特に限定されないが、運転状態判定部31は、カルバック・ライブラー・ダイバージェンス(KL-divergence)法を用いて、作成したヒストグラムと基準ヒストグラムとをマッチングすることによって、遷移の判定を行ってよい。
【0049】
運転状態判定部31は、荷積み準備状態S3又は荷降ろし準備状態S6の第3の状態から、荷積み完了状態S4又は荷降ろし完了状態S1の第4の状態への遷移を判定する場合において、レバー操作の操作回数に基づいてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて第3の状態から第4の状態への遷移を判定する。なお、荷積み準備状態S3から荷積み完了状態S4へ遷移する場合は、荷積み準備状態S3が第3の状態に該当し、荷積み完了状態S4が第4の状態に該当する。荷降ろし準備状態S6から荷降ろし完了状態S1へ遷移する場合は、荷降ろし準備状態S6が第3の状態に該当し、荷降ろし完了状態S1が第4の状態に該当する。具体的には、運転状態判定部31は、lub信号、tbf信号、及びrio信号を使用してヒストグラムを作成する。運転状態判定部31は、lub信号、tbf信号、及びrio信号に基づいて、荷役レバー10のリフトレバー10a、ティルトレバー10c、及びリーチレバー10bのON/OFFを検出する。そして、運転状態判定部31は、リフトレバー10a、ティルトレバー10c、及びリーチレバー10bのON状態の数をカウントして、ヒストグラムを作成する。図8は、荷積み準備状態S3と荷積み完了状態S4との間のプロセスにおける各レバーのON状態の確率分布を示すヒストグラムを示す。図8の横軸は、レバーの種類を示す。図8の縦軸は、各レバーのON状態の回数の確率を示す。
【0050】
また、運転状態判定部31は、第3の状態から第4の状態への遷移を判定する場合において、第3の状態に遷移したときの作動油圧力に対する、第3の状態と第4の状態との間の作動油圧力の変化量を算出し、当該算出結果に基づいてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて第3の状態から第4の状態への遷移を判定する。具体的には、運転状態判定部31は、リフトレバー10aがON状態で、opc信号(opci(t)、i=S3、S6)を使用して遷移の判定を行う。運転状態判定部31は、荷積み準備状態S3の遷移点、及び荷降ろし準備状態S6の遷移点、すなわち、opci(0)(i=S3、S6)でのopci(t)信号を基準値として用いて、以下の式(2)に示すopcc(t)を算出する。

opcc(t)=opci(t)−opci(0) (i=S3、S6) …(2)

【0051】
運転状態判定部31は、算出結果に対して、ローパスフィルタを用いた結果をヒストグラムの作成に用いる。図9(a)は、荷積み準備状態S3と荷積み完了状態S4の間のプロセスにおけるopcc(t)の出力を示すグラフである。なお、図9(a)の横軸は、荷積み準備状態S3の遷移点からカウントを開始した場合の時間の経過(秒)を示す。図9(a)の縦軸は、opcc(t)の値を示す。そして、運転状態判定部31は、時間tとともに変化するopcc(t)の値の数に基づいてヒストグラムを作成する。図9(b)は、図9(a)のopcc(t)に対応するヒストグラムを示す。
【0052】
ここで、opcc(t)の値は6つのカテゴリーに分割され、すべての値の合計が1に等しくなるように正規化されている。ここでは、図9(a)の縦軸のうち、「0〜5」の値をカテゴリー1とし、「5〜10」の値をカテゴリー2とし、「10〜15」の値をカテゴリー3とし、「15〜20」の値をカテゴリー4とし、「20〜25」の値をカテゴリー5とし、「25〜30」の値をカテゴリー6とする。図9(b)の横軸は、各カテゴリーの番号を示している。なお、各カテゴリーの境界値がどちらのカテゴリーに属するかは任意に設定してよい。図9(b)の縦軸は、各カテゴリーに存在するopcc(t)の値の確率を示す。このように、図9(b)に示すヒストグラムは、6つのカテゴリーに関する確率分布として扱うことができる。
【0053】
なお、運転状態判定部31が、図8図9(b)のような基準ヒストグラムを準備しておき、作成したヒストグラムと基準ヒストグラムとのマッチングを行う点は、図7(b)のヒストグラムを用いる場合と同様である。
【0054】
ここで、運転状態判定部31は、図7図9を用いて説明したように、ヒストグラムを用いて運転状態の遷移を判定した。これに加え、運転状態判定部31は、ヒストグラムとは別に、遷移を最終的に判定するための条件を用いてよい。具体的に、運転状態判定部31は、荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3への遷移の判定において、タイヤ位置の変化量を用いてもよい。例えば、運転状態判定部31は、タイヤ位置(タイヤの角度)の変化量が所定の閾値よりも大きいことを、遷移を判定するための条件としてよい。また、運転状態判定部31は、荷積み準備状態S3から荷積み完了状態S4への遷移の判定において、リフトシリンダ24(油圧シリンダ)の作動油の油圧の所定時間における変化量を用いてよい。運転状態判定部31は、例えば、1秒という時間での油圧の変化量が所定の閾値より小さくなったタイミングで、荷積み完了状態S4への遷移を判定してよい。また、運転状態判定部31は、荷降ろし準備状態S6から荷降ろし完了状態S1への遷移の判定において、リフトシリンダ24(油圧シリンダ)の作動油の油圧と、無負荷時の油圧の値との一致度を用いてよい。
【0055】
以上の点を踏まえて、図10を参照しながら、運転状態が遷移したことを判定するための判定条件の具体例について詳細に説明する。図10の左端欄は遷移元の運転状態を示し、図10の上段は遷移先の運転状態を示す。例えば、遷移元が「S1」で遷移先が「S2」の欄には「条件Cfw12」という判定条件が設定されている。これは、運転状態が荷降ろし完了状態S1のときに「条件Cfw12」を満たせば、運転状態が荷無移動状態S2に遷移することを示している。なお、以降に示す判定条件は、一例にすぎず、趣旨を逸脱しない限り、適宜変更されてもよい。
【0056】
図8に示すように、条件Cfw12は、荷降ろし完了状態S1から荷無移動状態S2へ遷移するための判定条件である。条件Cfw12は、『アクセル入力があり、前進入力がある場合、荷無移動状態S2へ遷移する』という条件を有する。
【0057】
条件Cfw23は、荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3へ遷移するための判定条件である。条件Cfw23は、『タイヤ角度に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα1(0.1)以下の場合、荷積み準備状態S3へ遷移する』という条件を有する。すなわち、タイヤ角度(タイヤ位置)に基づくヒストグラムを作成して、図7で示すような基準ヒストグラムとのマッチングをカルバック・ライブラー・ダイバージェンス法を用いて行ったときに、一致度がα1以下になることを意味する。なお、以降の説明においても、「カルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値」と称した場合は、ヒストグラムを用いてマッチングによる判定を行っていることを意味する。また、条件Cfw23は、タイヤ角度に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα1より大きくても、『タイヤ角度の変化量が300より大きければ荷積み準備状態S3へ遷移する』及び『リフトアップ、ティルトまたはリーチレバー入力があれば荷積み準備状態S3へ遷移する』という条件を有する。
【0058】
条件Cfw34は、荷積み準備状態S3から荷積み完了状態S4へ遷移するための判定条件である。条件Cfw34は、レバー操作(レバーの操作回数)に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα2(0.1)より小さい場合、『ティルト後傾またはリーチインまたは後退入力があれば、荷積み完了状態S4へ遷移する』という条件を有する。また、条件Cfw34は、レバー操作に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα2(0.1)より大きくても、『油圧変化(作動油圧力の変化量)に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα4(0.1)より小さく、かつ、事前に得られた走行開始から荷有の油圧の差の1/5よりも走行からの油圧変化が大きくなれば荷積み完了状態S4へ遷移する』という条件を有する。また、条件Cfw34は、油圧変化に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα3(0.005)より小さく、かつ、レバー操作に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα2(0.1)より小さい場合、事前に得られた走行開始から荷有の油圧の差の1/5よりも走行からの油圧変化が大きくなれば荷積み完了状態S4へ遷移する』という条件を有する。
【0059】
条件Cfw45は、荷積み完了状態S4から荷運搬状態S5へ遷移するための判定条件である。条件Cfw45は、『ある程度のアクセル入力、ある程度の前後のレバー入力あれば荷運搬状態S5へ遷移する』という条件を有する。
【0060】
条件Cfw56は、荷運搬状態S5から荷降ろし準備状態S6へ遷移するための判定条件である。条件Cfw56は、タイヤ角度に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα5(0.05)以下、または、一時刻前のタイヤ角度に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα5(0.05)以下のとき、『ある程度走行していて、前進レバー、アクセル入力がある場合、タイヤ角度に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値が最小値になれば、荷降ろし準備状態S6へ遷移する』及び『アクセル入力、前進レバー入力、かつ、レバー(リフト、ティルト、リーチ)入力があれば、荷降ろし準備状態S6へ遷移する』という条件を有する。また、条件Cfw56は、タイヤ角度に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値、または、一時刻前のタイヤ角度に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα5(0.05)以下でなくても、『アクセル入力があり、リフトアップ入力があれば、荷降ろし準備状態S6へ遷移する』及び『タイヤ角度変化が300(°)よりも大きく、かつ、前進していれば、荷降ろし準備状態S6へ遷移する』という条件を有する。また、Cfw56は、タイヤ角度に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値が大きくても、例えば、0.2より大きくても、『前進して、レバー(リフト、ティルト、リーチ)操作入力があれば、荷降ろし準備状態S6へ遷移する』という条件を有する。
【0061】
条件Cfw61は、荷降ろし準備状態S6から荷降ろし完了状態S1へ遷移するための判定条件である。条件Cfw61は、レバー操作に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα6(0.1)より小さい場合、『ティルト後傾、または、リーチイン入力があれば、荷降ろし完了状態S1へ遷移する』及び『事前に得られた荷無状態の油圧値よりも現在の油圧値が小さければ、荷降ろし完了状態S1へ遷移する』という条件を有する。また、条件Cfw61は、レバー操作に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα7(0.6)より小さい場合でも、『ティルト後傾、または、リーチイン入力、かつ、後退入力があれば、荷降ろし完了状態S1へ遷移する』という条件を有する。また、Cfw61は、レバー操作に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα10(0.1)より大きい場合、『油圧変化に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα11(0.3)より小さく、かつ、事前に得られた荷有から荷無の油圧変化量の1/9よりも荷有からの油圧変化が小さくなれば荷降ろし完了状態S1へ遷移する』及び『油圧変化に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα11(0.3)より大きい場合、ティルト後傾、または、リーチイン入力、かつ、後退入力があれば、荷降ろし完了状態S1へ遷移する』という条件を有する。また、条件Cfw61は、油圧変化に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα8(0.05)より小さく、かつ、レバー操作に関するカルバック・ライブラー・ダイバージェンスの値がα9(0.5)より小さく、または、後退入力がある場合、『荷積み完了状態S4からの油圧変化が事前に得られた荷降準備開始と荷無の油圧の差の1/8より大きくなれば、荷降ろし完了状態S1へ遷移する』という条件を有する。
【0062】
設定部33は、運転状態判定部31が判定を行うための判定条件を設定する。例えば、記憶部35に熟練度に応じた複数の判定条件のデータが格納されていた場合、設定部33は、運転者の熟練度を把握し、適切な判定条件を設定することができる。
【0063】
学習部34は、運転者の運転の特徴を学習する。具体的には、学習部34は、運転状態判定部31において、運転状態の判定のために図7(b)、図8図9(b)のようなヒストグラムを作成した場合、当該ヒストグラムの内容を学習してよい。学習部34は、新たに作成したヒストグラムの特徴に基づいて、既存の基準ヒストグラムを補正する。これにより、作成されたヒストグラムの結果が、基準ヒストグラムに反映される。なお、学習部34は、特定の運転者に対して作成したヒストグラムが複数存在している場合、それらの過去の複数のヒストグラムの特徴を総合的に判断して、基準ヒストグラムを補正してよい。
【0064】
記憶部35は、制御装置100内で用いられる各種情報を格納する。記憶部35は、運転状態判定部31が判定に用いる判定条件を記憶する。記憶部35は、複数の運転者の癖や熟練度に応じた複数の判定条件を格納してよい。また、記憶部35は、学習部34が学習した学習結果を格納する。
【0065】
次に、図11を参照して本実施形態に係る制御装置100の処理内容について説明する。図11は、制御装置100の処理内容を示すフローチャートである。
【0066】
図11に示すように、設定部33は、判定条件の設定を行う(ステップS10)。例えば、記憶部35が運転者に応じて複数の判定条件を格納している場合、設定部33は、運転者に合わせて適切な判定条件を選択し、選択した判定条件を設定する。例えば、記憶部35が運転者に対して固有の基準ヒストグラムを記憶している場合、設定部33は、運転者に合わせた基準ヒストグラムを設定する。なお、設定部33は、運転時の入力操作などによって、どのような運転者が運転を行うかを把握することができる。なお、S10の処理は、記憶部35が複数の判定条件を格納しており、どの判定条件を用いるか決定する必要がある場合になされる処理であるため、判定条件が一つのみである場合は、S10は省略されてもよい。また、事前に設定された判定条件をそのまま用いるような場合などもS10は省略されてもよい。
【0067】
その後、運転状態判定部31は、運転状態を判定するために必要な判定パラメータの取得を行うと共に、必要に応じて当該パラメータを用いてヒストグラムを作成する(ステップS20)。なお、ここでの判定パラメータとは、図7(b)に示すヒストグラムを作成するためのタイヤ位置、図8に示すヒストグラムを作成するためのレバーのON/OFF状態、図9(b)に示すヒストグラムを作成するためのリフトシリンダ24の作動油圧力を含む。また、判定パラメータとは、ヒストグラムを作成するために用いられるパラメータの他、図10において説明したような条件Cfw12〜Cfw61を判定するために用いられる各種パラメータも含む。
【0068】
運転状態判定部31は、S20で取得した判定パラメータに基づいて、S10で設定された判定条件が満たされたか否かを判定することで、運転状態の遷移があるか否かを判定する(ステップS30)。運転状態判定部31は、S30において運転状態の遷移がないと判定した場合、現在と同じ運転状態が継続していると判断し、S20から処理を繰り返す。一方、運転状態判定部31は、S30において運転状態の遷移があると判定した場合、運転状態が新たな運転状態となったと判定する(ステップS40)。運転状態判定部31は、フォークリフト50が運転可能な状態か否かによって、フォークリフト50の運転が終了したか否かを判定する(ステップS50)。運転状態判定部31は、S50において運転が終了していないと判定した場合は、S20から再び処理を繰り返す。S50において運転が終了したと判定された場合、図10に示す処理が終了する。
【0069】
例えば、現在の運転状態が荷無移動状態S2であった場合、S30において、運転状態判定部31は、条件Cfw23が満たされているか否かを判定する。運転状態判定部31は、S30において条件Cfw23が満たされていないと判定した場合は、荷無移動状態S2が継続していると判断し、S20から再び処理を繰り返す。一方、運転状態判定部31は、S30において条件Cfw23がみたされていると判定した場合、S40にて運転状態が荷積み準備状態S3となったことを判定する。
【0070】
次に、図12及び図13を参照して、フォークリフト50の動作と運転状態の対応関係の一例について説明する。図12は、フォークリフト50の稼動状態を模擬した、作業手順の手順前半の様子を示す概略平面図である。図13は、フォークリフト50の稼動状態を模擬した、作業手順の手順後半の様子を示す概略平面図である。図12及び図13では、床にL字状のテープ61が貼られている。そのテープ61で画成された領域の内側には、荷Wが設置される棚64が設けられている。テープ61の長辺部分に沿ってコーン66が配置されている。また、テープ61の短辺部分と離間して対向する位置には、停止線62が設けられている。なお、図12及び図13に示すフォークリフト50の軌道のうち、実線は「荷無前進」状態を示し、破線は「荷有前進」状態を示し、一点鎖線は「荷有後進」状態を示し、二点鎖線は「荷無後進」状態を示す。
【0071】
まず、フォークリフト50は、停止線62のスタート位置SPから軌道L1に沿って荷無前進を行う。この場合、運転状態判定部31は、停止線62から棚64へ向かう途中の段階では、運転状態が荷無移動状態S2であると判定する。そして、フォークリフト50が棚64へ近接するように操舵操作に従った動作をすることで、旋回位置TPで旋回を行い、棚64の荷Wの手前の位置に近接する。この間に、運転状態判定部31は、運転状態が荷積み準備状態S3であると判定する。フォークリフト50は、棚64の荷Wの手前にて荷役レバー10の操作に従った動作をすることで荷役装置3で荷Wを上げる。このとき、運転状態判定部31は、運転状態が荷積み完了状態S4であると判定する。その後、フォークリフト50は、軌道L2に沿って、荷Wが棚64から出るまで荷有後進を行う。そして、フォークリフト50は一旦停止し、リフト高さが走行時荷役位置となるように荷役装置3を位置調整する。
【0072】
フォークリフト50は、車速を上げて、軌道L3に沿って荷有後進を行うことで、テープ61の短辺部分の位置へ向かって荷Wを運搬する。この間に、運転状態判定部31は、運転状態が荷運搬状態S5であると判定する。フォークリフト50は、荷Wの運搬先である設置位置WPに近接するように操舵操作に従った動作を行い、荷役レバー10の操作に従った動作をする。この間に、運転状態判定部31は、運転状態が荷降ろし準備状態S6であると判定する。設置位置WPは、荷Wを床に直置きする場所として設定されており、テープ61の短辺部分に対応する位置に設けられる。フォークリフト50は、荷役レバー10の操作に従った動作を行い、設置位置WPに荷Wを載置する。この時、運転状態判定部31は、運転状態が荷降ろし完了状態S1であると判定する。フォークリフト50は、設置位置WPに荷Wを降ろしたら、荷役装置3を荷Wから取り外せる位置まで軌道L4に沿って荷無後進を行う。そして、フォークリフト50は一旦停止し、リフト高さが走行時荷役位置となるように荷役装置3を位置調整する。フォークリフト50は、車速を上げて、軌道L5に沿って荷無後進を行うことで、停止線延長線63(停止線62を延長させたライン)の位置まで移動する。この間に、運転状態判定部31は、運転状態が荷無移動状態S2であると判定する。
【0073】
次に、図13に示すように、フォークリフト50は、軌道L7に沿って荷無前進を行い、停止線68(テープ61の短辺部分を延長させたライン)で停止する。この期間中、運転状態判定部31は、運転状態が荷無移動状態S2であると判定する。フォークリフト50は、軌道L8に沿って荷無前進すると共に操舵操作に従った動作を行い、停止線68から直進して二回直角に曲がることで、荷Wへ近接する。運転状態判定部31は、フォークリフト50が荷Wへ近接する間に、運転状態が荷積み準備状態S3であると判定する。フォークリフト50は、床に直置きされた荷Wの手前にて停止し、荷役レバー10の操作に従った動作を行い荷役装置3で荷Wを上げる。このとき、運転状態判定部31は、運転状態が荷積み完了状態S4であると判定する。
【0074】
その後、フォークリフト50は、車速を上げて、軌道L9に沿って、荷有前進を行う。このとき、運転状態判定部31は、運転状態が荷運搬状態であると判定する。フォークリフト50は、操舵操作に従った動作を行う事で、軌道L9に沿って荷有前進を行い、棚64の設置位置WPの位置へ近接すると共に、荷役レバー10の操作に従った動作を行う。このとき、運転状態判定部31は、運転状態が荷降ろし準備状態S6であると判定する。フォークリフト50は、荷役レバー10の操作に従った動作を行い、設置位置WPに荷Wを載置する。この時、運転状態判定部31は、運転状態が荷降ろし完了状態S1であると判定する。フォークリフト50は、設置位置WPに荷Wを降ろしたら、荷役装置3を荷Wから取り外せる位置まで軌道L10に沿って荷無後進を行う。そして、フォークリフト50は一旦停止し、リフト高さが走行時荷役位置となるように荷役装置3を位置調整する。フォークリフト50は、車速を上げて、軌道L11に沿って荷無後進を行うことで、停止線62の位置まで移動する。この間に、運転状態判定部31は、運転状態が荷無移動状態S2であると判定する。
【0075】
次に、図14及び図15を参照して、本実施形態に係る制御装置100の効果を確認するための実験について説明する。実施例として図10に示す条件に従って遷移の判定を行う制御装置100を準備した。また比較例として、特開2019−189435号公報の実施形態に示すように、ヒストグラムを用いることなく、アクセル開度、走行駆動系指令の変化、荷役駆動系指令の変化、及び油圧圧力の変化などに基づいて遷移の判定を行う制御装置を準備した。それぞれの制御装置をフォークリフト50に搭載した。また、5人の運転者を準備し、それぞれの運転者が実施例の制御装置を搭載したフォークリフト、比較例に係るフォークリフトを運転した。なお、ここでは、フォークリフト50が、図12のスタート位置SPから棚64の荷Wを積み、設置位置WPに荷降ろしを行うという動作を行う。運転中に、運転データを0.1秒間隔でサンプリングし、各時間における運転状態の判定結果を取得した。なお、実際の運転状態の遷移のタイミングは、フォークリフト50の操作の様子をビデオで撮影し、当該撮影内容から判断した。
【0076】
実施例においては、1回目の運転(準備のための運転)で得られた運転データから、図7(b)、図8、及び図9に示すようなヒストグラムを取得した。そして、1回目の運転で得られたヒストグラムを2回目の運転における基準ヒストグラムとした。そして、2回目の運転を行うと共に、当該2回目の運転で行われた運転状態の判定結果を、実際の運転状態の遷移と比較することで評価を行った。なお、比較例においては、実施例と異なり、判定パラメータの取得を行うための1回目の運転を行う必要はないが、実施例と条件をあわせるために、2回目の運転による判定結果を評価した。
【0077】
図14(a)は、5人の運転者の運転状態の判定結果のうち最良のものを示し、図14(b)は最悪のものを示す。図14におけるグラフLTが実際の運転状態を示し、グラフLEが推定された運転状態を示す。なお、横軸はデータのサンプリング時間であり、縦軸は運転状態を示す。図14(a)のエラー率は11.2%であり、図14(b)のエラー率は31.0%であった。なお、エラー率とは、グラフLTに対してグラフLEが一致していない箇所の割合である。また、図15は、5人の運転者(W1〜W5)に対する実施例と比較例のエラー率を示す表である。図15に示すように、実施例は、全ての運転者について、比較例よりもエラー率が低下していることが理解される。
【0078】
次に、本実施形態に係る制御装置100、フォークリフト50、及び制御プログラムの作用・効果について説明する。
【0079】
本実施形態に係るフォークリフト50の制御装置100は、車両2、及び荷役装置3を備えるフォークリフト50の制御装置100である。制御装置100は、フォークリフト50の運転状態が分類された状態遷移モデルに基づき、フォークリフト50の運転状態を判定する運転状態判定部31と、フォークリフト50における各種の操作手段の操作に基づく操作情報を検出する検出部32と、を備え、運転状態判定部31は、検出部32で検出された操作情報に基づくヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて運転状態の遷移を判定する。
【0080】
フォークリフト50の制御装置100において、運転状態判定部31は、フォークリフト50の運転状態が分類された状態遷移モデルに基づき、フォークリフト50の運転状態を判定する。このように、運転状態判定部31が、状態遷移モデルに基づいた判定を行うことで、フォークリフト50の運転状態の判定が行い易くなる。ここで、本発明者らは、鋭意研究の結果、次のような知見を見出した。すなわち、フォークリフト50における各種の操作手段の操作に基づく操作情報を検出し、検出した操作情報に基づくヒストグラムを作成した場合、ある運転状態から他の運転状態へ遷移するまでの間のヒストグラムには、運転者によって所定の傾向があることが見出された。更に、本発明者らは、このようなヒストグラムは、運転者の熟練度などに応じて、運転状態の遷移の際における運転者の意思を精度良く示している点を見出した。従って、運転状態判定部31は、検出部32で検出された操作情報に基づくヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて運転状態の遷移を判定する。このように、運転状態判定部31が、ヒストグラムに基づいた判定を行うことで、運転者の熟練度等に応じて、運転状態の遷移を適切に判定することができる。以上により、運転者の熟練度等を考慮して、フォークリフト50の運転状態の遷移を更に精度良く判定できる。
【0081】
状態遷移モデルは、少なくとも、荷役装置3からの荷降ろしが完了した荷降ろし完了状態S1と、荷役装置3に荷を積載していない状態で、車両2を荷の位置まで移動させる荷無移動状態S2と、荷役装置3へ荷を積載し、荷積みが完了した荷積み完了状態S4と、荷無移動状態S2から荷積み完了状態S4へ遷移する間の状態であって、荷役装置3を操作して荷役装置3に荷を積載する準備をしている状態である荷積み準備状態S3と、車両2を荷の運搬先まで移動させる荷運搬状態S5と、荷運搬状態S5から荷降ろし完了状態S1へ遷移する間の状態であって、荷役装置3を操作して荷役装置3から荷を運搬先へ荷降ろしする準備をしている状態である荷降ろし準備状態S6と、を運転状態として分類し、検出部32は、ステアリング13の操作に基づく、車両2のタイヤの位置を示すタイヤ位置を検出し、運転状態判定部31は、荷無移動状態S2又は荷積み完了状態S4の第1の状態から、荷積み準備状態S3又は荷運搬状態S5の第2の状態への遷移を判定する場合において、第1の状態に遷移したときのタイヤ位置に対する、第1の状態と第2の状態との間のタイヤ位置の変化量を算出し(前述の式(1)を参照)、当該算出結果に基づいてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて第1の状態から第2の状態への遷移を判定してよい。荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3へ遷移するまでの間、及び荷積み完了状態S4から荷運搬状態S5へ遷移するまでの間には、運転者がステアリング13の操舵操作を行うことで、フォークリフト50のタイヤ位置を変化させながら運転を行う傾向にある。また、操舵態様も運転者の熟練度等に応じて特徴がある。従って、運転状態判定部31は、タイヤ位置の変化量に基づくヒストグラムを用いることで、第1の状態から第2の状態への遷移を精度良く判定することができる。
【0082】
検出部32は、荷役レバー10のレバー操作に基づく、荷役装置3(リフトシリンダ24)への作動油圧力を検出し、運転状態判定部31は、荷積み準備状態S3又は荷降ろし準備状態S6の第3の状態から、荷積み完了状態S4又は荷降ろし完了状態S1の第4の状態への遷移を判定する場合において、第3の状態に遷移したときの作動油圧力に対する、第3の状態と第4の状態との間の作動油圧力の変化量を算出し(前述の式(2))、当該算出結果に基づいてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて第3の状態から第4の状態への遷移を判定してよい。荷積み準備状態S3から荷積み完了状態S4へ遷移するまでの間、及び荷運搬状態S5から荷降ろし準備状態S6へ遷移するまでの間には、運転者が荷役装置3に対するレバー操作を行うことで、荷役装置3への作動油圧力を変化させながら運転を行う傾向にある。また、レバー操作態様も運転者の熟練度等に応じて特徴がある。従って、運転状態判定部31は、作動油圧力の変化量に基づくヒストグラムを用いることで、第3の状態から第4の状態への遷移を精度良く判定することができる。
【0083】
検出部32は、荷役装置3に対するレバー操作を検出し、運転状態判定部31は、荷積み準備状態S3又は荷降ろし準備状態S6の第3の状態から、荷積み完了状態S4又は荷降ろし完了状態S1の第4の状態への遷移を判定する場合において、レバー操作の操作回数に基づいてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて第3の状態から第4の状態への遷移を判定してよい。荷積み準備状態S3から荷積み完了状態S4へ遷移するまでの間、及び荷運搬状態S5から荷降ろし準備状態S6へ遷移するまでの間には、運転者が荷役装置3に対するレバー操作を行うことで、荷役装置3に各種動作を行わせながら運転を行う傾向にある。また、レバー操作態様も運転者の熟練度等に応じて特徴がある。従って、運転状態判定部31は、レバー操作の操作回数に基づくヒストグラムを用いることで、第3の状態から第4の状態への遷移を精度良く判定することができる。
【0084】
運転状態判定部31は、算出結果に対して、ローパスフィルタを用いた結果をヒストグラムの作成に用いてよい。この場合、運転状態判定部31は、信号のノイズなどを低減することで精度の良いヒストグラムを作成することができる。
【0085】
運転状態判定部31は、カルバック・ライブラー・ダイバージェンス法を用いて、作成したヒストグラムと事前に作成された基準ヒストグラムとをマッチングすることによって、遷移の判定を行ってよい。この場合、運転状態判定部31は、マッチングの演算を容易に行うことができる。
【0086】
運転状態判定部31は、作成したヒストグラムと事前に作成された基準ヒストグラムとをマッチングすることによって、遷移の判定を行い、作成されたヒストグラムの結果は、基準ヒストグラムに反映されてよい。この場合、運転状態判定部31は、運転者の運転の癖などを更に反映した基準ヒストグラムを用いることができる。従って、運転状態判定部31は、精度良く遷移の判定を行うことができる。
【0087】
運転状態判定部31は、荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3への遷移の判定において、タイヤ位置の変化量を用いてよい(例えば、図10の条件Cfw23)。この場合、運転状態判定部31は、荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3への遷移のタイミングをより精度良く判定することができる。
【0088】
運転状態判定部31は、荷積み準備状態S3から荷積み完了状態S4への遷移の判定において、リフトシリンダ24(油圧シリンダ)の作動油の油圧の所定時間における変化量を用いてよい(例えば、図10の条件Cfw34)。この場合、運転状態判定部31は、荷積み準備状態S3から荷積み完了状態S4への遷移のタイミングをより精度良く判定することができる。
【0089】
運転状態判定部31は、荷降ろし準備状態S6から荷降ろし完了状態S1への遷移の判定において、リフトシリンダ24の作動油の油圧と、無負荷時の油圧の値との一致度を用いてよい(例えば、図10の条件Cfw61)。この場合、運転状態判定部31は、荷降ろし準備状態S6から荷降ろし完了状態S1への遷移のタイミングをより精度良く判定することができる。
【0090】
本実施形態に係るフォークリフト50は、上述のフォークリフト50の制御装置100を備えている。このフォークリフト50は、上述の制御装置100と同様な作用・効果を得ることができる。
【0091】
本実施形態に係るフォークリフト50の制御プログラムは、上述のフォークリフト50の制御装置100を運転状態判定部31として機能させる。このフォークリフト50の制御プログラムは、上述の制御装置100と同様な作用・効果を得ることができる。
【0092】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0093】
例えば、上述の実施形態では、産業車両の一例としてリーチ式のフォークリフトを例示したが、カウンター式のフォークリフトといった、各種フォークリフトを採用してもよい。また、走行駆動系が走行モータを備えている場合を例示したが、走行駆動系がエンジンを備えている場合であってもよい。
【0094】
また、上述の実施形態では、各実施形態に対応する判定パラメータを例示したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の判定パラメータを採用してもよい。また、判定条件も一例にすぎず、適宜変更してもよい。
【0095】
例えば、図10では、次の遷移状態へ遷移するための(フィードフォワード)条件を示した。これに加えて、図16に示すように、前の遷移状態へ戻るような(フィードバック)条件が追加されてもよい。具体的に、荷無移動状態S2から荷降ろし完了状態S1へ戻る条件Cfb21は、『走行中にアクセル入力がなくなれば荷降ろし完了状態S1へ遷移する』という条件である。荷積み準備状態S3から荷降ろし完了状態S1又は荷無移動状態S2へ戻る条件Cfb31,Cfb2は、『荷無で走行になり、荷積み準備状態S3の状態になったとき、ある程度荷積み準備状態S3の状態が続くがレバー(リフト、ティルト、リーチ)操作無し、または、リフト下降操作有りの場合』を前提条件としている。そして、条件Cfb31は、前提条件を満たした上で『アクセル入力無の場合、荷降ろし完了状態S1へ遷移する』という条件である。条件Cfb32は、前提条件を満たした上で『アクセル入力有の場合、荷無移動状態S2へ遷移する』という条件である。
【0096】
荷降ろし完了状態S1から荷積み準備状態S3へ戻る条件Cfb13は、『Cfb31で荷降ろし完了状態S1に戻った後、リフト上昇入力が入れば、荷積み準備状態S3へ遷移する』及び『Cfb21で荷降ろし完了状態S1に戻った後、リーチアウト入力があれば、荷積み準備状態S3へ遷移する』という条件である。荷無移動状態S2から荷積み準備状態S3へ戻る条件Cfb23は、『Cfb32で荷無移動状態S2に戻った後、リフト上昇入力があれば、荷積み準備状態S3へ遷移する』という条件である。荷降ろし完了状態S1から荷降ろし準備状態S6へ戻る条件Cfb16は、荷降ろし準備状態S6から荷降ろし完了状態S1に遷移し、かつ、リフト上昇入力がある場合、『荷物有から現状の油圧の差が事前に得られた差の1/12であれば、荷降ろし完了状態S1のままであり、そうでなければ、荷降ろし準備状態S6へ遷移する』及び『後退入力有、アクセル入力有、レバー(リフト、ティルト、リーチ)入力無であれば、荷無移動状態S2へ遷移する』という条件である。
【符号の説明】
【0097】
2…車両、3…荷役装置、10…荷役レバー、11…アクセルレバー、13…ステアリング、24…リフトシリンダ(油圧シリンダ)、31…運転状態判定部、32…検出部、50…フォークリフト(産業車両)、100…制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10
図11
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図16