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特開2021-18911電解液用添加剤、電解液、及びリチウム電池
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  • 特開2021018911-電解液用添加剤、電解液、及びリチウム電池 図000023
  • 特開2021018911-電解液用添加剤、電解液、及びリチウム電池 図000024
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-18911(P2021-18911A)
(43)【公開日】2021年2月15日
(54)【発明の名称】電解液用添加剤、電解液、及びリチウム電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0567 20100101AFI20210118BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20210118BHJP
【FI】
   H01M10/0567
   H01M10/052
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-133521(P2019-133521)
(22)【出願日】2019年7月19日
(71)【出願人】
【識別番号】591021028
【氏名又は名称】奥野製薬工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉兼 祐介
(72)【発明者】
【氏名】長尾 敏光
(72)【発明者】
【氏名】片山 順一
(72)【発明者】
【氏名】深見 一弘
(72)【発明者】
【氏名】中西 周次
【テーマコード(参考)】
5H029
【Fターム(参考)】
5H029AJ05
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK03
5H029AK05
5H029AL12
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029HJ02
5H029HJ10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】充放電の繰返しに対する電位安定性をより向上させることができる電解液の添加剤の提供。
【解決手段】CH=CH−C(=O)−NR(R及びRは同一又は異なって水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。)で表されるアミド化合物と、ヒドロキシ基又はアルキル基を置換体として1〜3個(同一又は異なってもよい)有するナフタレン誘導体とを混合した電解液用添加剤をリチウムイオン二次電池の非水電解液に加えて使用する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物、及び一般式(2):
【化2】
[式中、Rは同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1〜3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物を含有する、電解液用添加剤。
【請求項2】
前記アミド化合物が、アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、及びN−(ブトキシメチル)アクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の電解液用添加剤。
【請求項3】
前記芳香族化合物が、1−ナフトール、2−ナフトール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1,2−ジメチルナフタレン、1,3−ジメチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレン、1,5−ジメチルナフタレン、2,3−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、2,7−ジメチルナフタレン、2−メチル−1−ナフトール、3−メチル−1−ナフトール、4−メチル−1−ナフトール、5−メチル−1−ナフトール、6−メチル−1−ナフトール、7−メチル−1−ナフトール、1−メチル−2−ナフトール、1−メチル−3−ナフトール、1−メチル−6−ナフトール、及び1−メチル−7−ナフトールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の電解液用添加剤。
【請求項4】
一般式(1):
【化3】
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物を含有する、一般式(2):
【化4】
[式中、Rは同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1〜3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物と共に電解液に添加するために用いるための、電解液用添加剤。
【請求項5】
一般式(2):
【化5】
[式中、Rは同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1〜3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物を含有する、一般式(1):
【化6】
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物と共に電解液に添加するために用いるための、電解液用添加剤。
【請求項6】
リチウム電池用である、請求項1〜5のいずれかに記載の電解液用添加剤。
【請求項7】
リチウム塩と、溶媒と、請求項1〜3のいずれかに記載の電解液用添加剤、又は請求項4に記載の電解液用添加剤及び請求項5に記載の電解液用添加剤とを含有する、電解液。
【請求項8】
電解液中の前記アミド化合物の含有量が0.01〜10g/Lである、請求項7に記載の電解液。
【請求項9】
電解液中の前記芳香族化合物の含有量が0.01〜10g/Lである、請求項7又は8に記載の電解液。
【請求項10】
電解液中の前記リチウム塩の含有量が0.1〜10mol/Lである、請求項7〜8のいずれかに記載の電解液。
【請求項11】
リチウム電池用である、請求項7〜10のいずれかに記載の電解液。
【請求項12】
正極層、負極層、及び前記正極層と前記負極層との間に配置される電解質層を有し、前記電解質層が請求項7〜11のいずれかに記載の電解液を含む、リチウム電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解液用添加剤、電解液、リチウム電池等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギー問題および環境問題を背景に、電力をより有効に活用する技術が求められている。そのためには、小型で大量の電気を蓄え、かつ効率的にその電力を取り出すことができる電気貯蔵手段が必要である。金属リチウムは大きな放電容量と高い放電電圧を持つため、次世代材料として注目が集まっている。
【0003】
負極として金属リチウムを利用する金属リチウム電池が高容量を出すことができるため注目されている。リチウムは密度が0.54g/cmと低く、標準還元電位も−3.045V(SHE:標準水素電極を基準とする)と非常に低いので、高エネルギー密度電池の電極材料として注目されている。
【0004】
特許文献1では、特定のベース剤及び特定のレベリング剤を含む電解液が金属リチウム電池の電解液として好適に使用できることが報告されている。より詳細には、このような電解液を使用することにより、負極表面への金属リチウムのデンドライトの析出を抑制でき、充放電サイクル中のリチウムデンドライトの形成および核の成長を抑制することができることが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018−111860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は研究を進める中で、金属リチウム電池の充放電を繰り返すと、電位が上昇してしまう、という問題に着目した。そして、添加剤の組合せによっては、充放電の繰返しに対する電位安定性が不十分であることに着目した。
【0007】
そこで、本発明は、充放電の繰返しに対する電位安定性をより向上させることができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、特定の一般式で規定されるアミド化合物及び特定の一般式で規定される芳香族化合物を組合わせて電解液に配合することにより、充放電の繰返しに対する電位安定性をより向上させることができることを見出した。この知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
【0009】
項1. 一般式(1):
【0010】
【化1】
【0011】
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物、及び一般式(2):
【0012】
【化2】
【0013】
[式中、Rは同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1〜3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物を含有する、電解液用添加剤。
【0014】
項2. 前記アミド化合物が、アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、及びN−(ブトキシメチル)アクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の電解液用添加剤。
【0015】
項3. 前記芳香族化合物が、1−ナフトール、2−ナフトール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1,2−ジメチルナフタレン、1,3−ジメチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレン、1,5−ジメチルナフタレン、2,3−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、2,7−ジメチルナフタレン、2−メチル−1−ナフトール、3−メチル−1−ナフトール、4−メチル−1−ナフトール、5−メチル−1−ナフトール、6−メチル−1−ナフトール、7−メチル−1−ナフトール、1−メチル−2−ナフトール、1−メチル−3−ナフトール、1−メチル−6−ナフトール、及び1−メチル−7−ナフトールからなる群より選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載の電解液用添加剤。
【0016】
項4. 一般式(1):
【0017】
【化3】
【0018】
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物を含有する、一般式(2):
【0019】
【化4】
【0020】
[式中、Rは同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1〜3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物と共に電解液に添加するために用いるための、電解液用添加剤。
【0021】
項5. 一般式(2):
【0022】
【化5】
【0023】
[式中、Rは同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1〜3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物を含有する、一般式(1):
【0024】
【化6】
【0025】
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物と共に電解液に添加するために用いるための、電解液用添加剤。
【0026】
項6. リチウム電池用である、項1〜5のいずれかに記載の電解液用添加剤。
【0027】
項7. リチウム塩と、溶媒と、項1〜3のいずれかに記載の電解液用添加剤、又は項4に記載の電解液用添加剤及び項5に記載の電解液用添加剤とを含有する、電解液。
【0028】
項8. 電解液中の前記アミド化合物の含有量が0.01〜10g/Lである、項7に記載の電解液。
【0029】
項9. 電解液中の前記芳香族化合物の含有量が0.01〜10g/Lである、項7又は8に記載の電解液。
【0030】
項10. 電解液中の前記リチウム塩の含有量が0.1〜10mol/Lである、項7〜8のいずれかに記載の電解液。
【0031】
項11. リチウム電池用である、項7〜10のいずれかに記載の電解液。
【0032】
項12. 正極層、負極層、及び前記正極層と前記負極層との間に配置される電解質層を有し、前記電解質層が項7〜11のいずれかに記載の電解液を含む、リチウム電池。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、充放電の繰返しに対する電位安定性をより向上させることができる技術を提供することができる。具体的には、例えば、電解液用添加剤、電解液、リチウム電池等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】実施例の充放電試験結果の代表例(実施例2の結果)を示す。縦軸は電位を示し、横軸は試験開始からの経過時間を示す。
図2】比較例の充放電試験結果の代表例(比較例1の結果)を示す。縦軸は電位を示し、横軸は試験開始からの経過時間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
【0036】
1.電解液用添加剤
本発明は、その一態様において、一般式(1):
【0037】
【化7】
【0038】
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物、及び一般式(2):
【0039】
【化8】
【0040】
[式中、Rは同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1〜3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物を含有する、電解液用添加剤(本明細書において、「本発明の電解液用添加剤1」と示すこともある。)、に関する。以下にこれについて説明する。
【0041】
一般式(1)で表されるアミド化合物(以下、「アミド化合物」と示すこともある。)は、電解液に配合し得るものである限り、特に制限されない。
【0042】
及びRは、好ましくは一方が水素原子であり、他方が置換されていてもよい炭化水素基である。
【0043】
又はRで示される炭化水素基としては、特に制限されず、例えばアルキル基、アリール基等、さらにはこれらが任意に組み合わされてなる基(例えば、アラルキル基、アルキルアリール基、アルキルアラルキル基)等が挙げられる。充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、炭化水素基は、好ましくはアルキル基である。
【0044】
又はRで示されるアルキル基には、直鎖状、分岐鎖状、又は環状(好ましくは直鎖状又は分枝鎖状、より好ましくは分枝鎖状)のいずれのものも包含される。該アルキル基(直鎖状又は分枝鎖状の場合)の炭素数は、特に制限されず、例えば1〜18である。該炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6、よりさらに好ましくは3〜5、特に好ましくは4である。該アルキル基(環状の場合)の炭素数は、特に制限されず、例えば3〜7、好ましくは4〜6である。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、3−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
【0045】
又はRで示されるアリール基は、特に制限されないが、炭素数が6〜12のものが好ましく、6〜8のものがさらに好ましい。該アリール基は、単環式又は多環式(例えば2環式、3環式等)のいずれでも有り得るが、好ましくは単環式である。該アリール基としては、具体的には、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、アントラニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオレニル基、フェナントリル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基が挙げられる。
【0046】
又はRで示されるアラルキル基は、特に制限されないが、例えば上記アルキル基の水素原子(例えば1〜3つ、好ましくは1つの水素原子)が上記アリール基に置換されてなるアラルキル基等が挙げられる。該アラルキル基としては、具体的には、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0047】
又はRで示されるアルキルアリール基は、特に制限されないが、例えば上記アリール基の水素原子(例えば1〜3つ、好ましくは1つの水素原子)が上記アルキル基に置換されてなるアルキルアリール基等が挙げられる。該アルキルアリール基としては、具体的には、例えばトリル基、キシリル基等が挙げられる。
【0048】
又はRで示されるアルキルアラルキル基は、特に制限されないが、例えば上記アラルキル基の芳香環上の水素原子(例えば1〜3つ、好ましくは1つの水素原子)が、上記アルキル基に置換されてなるアルキルアラルキル基等が挙げられる。
【0049】
又はRで示される炭化水素基の置換基としては、例えばアセチル基、−NR(R及びRは同一又は異なって、水素原子、炭化水素基、又はアクリロイル基を示す。)、アルコキシ基等が挙げられる。充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、置換基は、好ましくはアセチル基である。
【0050】
又はRで示される炭化水素基としては、R又はRで示される上記炭化水素基と同様のものを挙げることができる。
【0051】
及びRは、一態様において、一方が水素原子であり、他方が炭化水素基である。
【0052】
アルコキシ基としては、特に制限はなく、直鎖状又は分岐鎖状(好ましくは直鎖状)の炭素数1〜8、好ましくは2〜6、より好ましくは3〜5、さらに好ましくは4のアルコキシ基が挙げられる。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
【0053】
又はRで示される炭化水素基の置換基の数は、特に制限されず、例えば0〜3、0〜2、0〜1、又は1である。
【0054】
アミド化合物としては、具体的には、充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、好ましくはアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド等が挙げられる。これらの中でも、充放電の繰返しに対する電位安定性をより一層高めることができるという観点から、ダイアセトンアクリルアミドが特に好ましい。
【0055】
アミド化合物は、1種単独で用いることもできるし、2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0056】
一般式(2)で表される芳香族化合物(以下、「芳香族化合物」と示すこともある。)は、電解液に配合し得るものである限り、特に制限されない。
【0057】
で示されるアルキル基には、直鎖状、分岐鎖状、又は環状(好ましくは直鎖状又は分枝鎖状、より好ましくは直鎖状)のいずれのものも包含される。該アルキル基(直鎖状又は分枝鎖状の場合)の炭素数は、特に制限されず、例えば1〜6である。該炭素数は、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。該アルキル基(環状の場合)の炭素数は、特に制限されず、例えば3〜7である。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、3−メチルペンチル基等が挙げられる。
【0058】
nは、充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、好ましくは1又は2である。
【0059】
充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、nが1である場合、Rは好ましくはヒドロキシ基であり、nが複数(特に2)である場合、Rの内の少なくとも1つはヒドロキシ基である。
【0060】
の置換位置は、充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、ナフタレン環上の1位又は2位であることが好ましい。
【0061】
充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、芳香族化合物として、好ましくは、一般式(2A):
【0062】
【化9】
【0063】
[式中、R31及びR32は同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、又はアルキル基を示す。但し、R31及びR32の少なくとも一方はヒドロキシ基である。]
で表される芳香族化合物が挙げられる。
【0064】
31又はR32で示されるアルキル基については、Rで示されるアルキル基と同様である。
【0065】
芳香族化合物としては、具体的には、充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、好ましくは1−ナフトール、2−ナフトール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1,2−ジメチルナフタレン、1,3−ジメチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレン、1,5−ジメチルナフタレン、2,3−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、2,7−ジメチルナフタレン、2−メチル−1−ナフトール、3−メチル−1−ナフトール、4−メチル−1−ナフトール、5−メチル−1−ナフトール、6−メチル−1−ナフトール、7−メチル−1−ナフトール、1−メチル−2−ナフトール、1−メチル−3−ナフトール、1−メチル−6−ナフトール、1−メチル−7−ナフトール等が挙げられる。これらの中でも、充放電の繰返しに対する電位安定性をより一層高めることができるという観点から、1−ナフトール、2−ナフトール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1−メチル−2−ナフトール等が特に好ましい。
【0066】
芳香族化合物は、1種単独で用いることもできるし、2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0067】
アミド化合物と芳香族化合物とを組合わせて電解液に配合することにより、充放電の繰返しに対する電位安定性をより向上させることができる。この観点から、本発明は、その一態様において、アミド化合物を含有する、芳香族化合物と共に電解液に添加するために用いるための、電解液用添加剤(本明細書において、「本発明の電解液用添加剤2A」と示すこともある。)、及び芳香族化合物を含有する、アミド化合物と共に電解液に添加するために用いるための、電解液用添加剤(本明細書において、「本発明の電解液用添加剤2B」と示すこともある。)に関する(本明細書において、本発明の電解液用添加剤1、本発明の電解液用添加剤2A、及び本発明の電解液用添加剤2Bをまとめて、「本発明の電解液用添加剤」と示すこともある)。
【0068】
本発明の電解液用添加剤には、本発明の効果を著しく低減させない限りにおいて、他の成分が含まれていてもよい。充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、本発明の電解液用添加剤には、硫黄及び/又は三重結合を有する化合物が含まれないことが好ましい。このような化合物としては、例えばサッカリン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン、2−プロピン−1−オール、1,4−ブチンジオール等が挙げられる。特に、サッカリン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン等の硫黄を有する化合物は、本発明の電解液用添加剤に含まれないことが好ましい。
【0069】
2.電解液
本発明は、その一態様において、リチウム塩と、溶媒と、本発明の電解液用添加剤1、又は本発明の電解液用添加剤2A及び本発明の電解液用添加剤2Bとを含有する、電解液(本明細書において、「本発明の電解液」と示すこともある。)に関する。以下にこれについて説明する。
【0070】
本発明の電解液中のアミド化合物の含有量は、特に制限されないが、充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、例えば0.01〜10g/Lである。該含有量は、同観点から、好ましくは0.1〜5g/L、より好ましくは0.1〜2g/Lである。
【0071】
本発明の電解液中の芳香族化合物の含有量は、特に制限されないが、充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、例えば0.01〜10g/Lである。該含有量は、同観点から、好ましくは0.1〜5g/L、より好ましくは0.1〜2g/Lである。
【0072】
本発明の電解液において、アミド化合物の含有量に対する芳香族化合物の含有量は、特に制限されない。放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、アミド化合物100質量部に対して、芳香族化合物が、例えば1〜5000質量部、好ましくは2〜3000質量部、より好ましくは5〜2000である。
【0073】
リチウム塩は、電解液に(特にリチウム電池の電解液に)配合し得るものである限り、特に制限されない。リチウム塩としては、本発明の電解液が含有する溶媒に十分な溶解性を示し、好適な電導性を付与することができるリチウム塩を好適に用いることができる。リチウム塩として、具体的には、例えば塩化リチウム、フッ化リチウム等のハロゲン化リチウム;酸化リチウム;硝酸リチウム;テトラフルオロホウ酸リチウム等のホウ素錯体のリチウム塩;ヘキサフルオロリン酸リチウム等のリン錯体のリチウム塩;ヘキサフルオロヒ酸リチウム等のヒ素錯体のリチウム塩;過塩素酸リチウム;リチウムトリフレート;リチウムイミド;リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[TFSI]);及び、それらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
【0074】
リチウム塩は、1種単独で用いることもできるし、2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0075】
本発明の電解液中のリチウム塩の含有量は、特に制限されないが、充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、例えば0.1〜10mol/Lである。該含有量は、同観点から、好ましくは0.2〜2mol/L、より好ましくは0.5〜1.5mol/Lである。
【0076】
溶媒は、電解液(特にリチウム電池の電解液)の溶媒として使用し得るものである限り、特に制限されない。このような溶媒としては、非水溶媒を好適に用いることができ、例えば、エステル系化合物、エーテル系化合物、カーボネート系化合物、複素環式化合物、芳香族化合物等を好適に用いることができる。
【0077】
エステル系化合物としては、モノカルボン酸の脂肪酸エステルが挙げられる。上記モノカルボン酸は、炭素数が1〜12の炭素原子を有することが好ましい。このようなエステル系化合物としては、具体的には、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、酪酸エチル、ギ酸メチル等が挙げられる。
【0078】
エーテル系化合物としては、直鎖状エーテル又は環状エーテルが挙げられる。直鎖状エーテルとしては、例えば、メチレンジメチルエーテル(DMM)、エチレンジメチルエーテル(モノグライム)、エチレンジエチルエーテル(DEE)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)が挙げられる。環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソフラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソランを用いることができる。
【0079】
カーボネート系化合物としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルが挙げられる。中でも、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトンを好適に用いることができる。
【0080】
複素環式化合物としては、フラン類又はピリジン類が挙げられる。上記フラン類としてはとしては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン等が挙げられる。ピリジン類としてはとしては、例えば、ピリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。
【0081】
芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン又はフルオロベンゼン類が挙げられる。上記フルオロベンゼン類としては、例えば、モノフルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、モノフルオロトルエン、ジフルオロトルエン、モノフルオロナフタレン等が挙げられる。
【0082】
溶媒としては、充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、エーテル系化合物を好適に用いることができる。
【0083】
溶媒は、1種単独で用いることもできるし、2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0084】
本発明の電解液中の溶媒の含有量は、例えば25〜97質量%が好ましく、60〜93質量%がより好ましく、67〜85質量%が更に好ましい。
【0085】
本発明の電解液には、本発明の効果を著しく低減させない限りにおいて、他の成分が含まれていてもよい。充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、本発明の電解液には、硫黄及び/又は三重結合を有する化合物が含まれないことが好ましい。このような化合物としては、例えばサッカリン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン、2−プロピン−1−オール、1,4−ブチンジオール等が挙げられる。特に、サッカリン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン等の硫黄を有する化合物は、本発明の電解液に含まれないことが好ましい。
【0086】
他の成分の含有量は、特に制限されず、本発明の電解液100質量%に対して、例えば20質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下、0.1質量%以下、0.01質量%以下である。
【0087】
本発明の電解液を製造する方法としては、リチウム塩、アミド化合物、芳香族化合物、及び溶媒を混合することができれば特に限定されず、例えば、溶媒に、リチウム塩、アミド化合物、及び芳香族化合物を順次添加する方法が挙げられる。リチウム塩、アミド化合物、芳香族化合物、及び溶媒を添加する順序は特に限定されず、任意の順序により添加すればよい。
【0088】
3.リチウム電池
本発明はその一態様において、正極層、負極層、及び前記正極層と前記負極層との間に配置される電解質層を有し、前記電解質層が本発明の電解液を含む、リチウム電池(本明細書において、「本発明のリチウム電池」と示すこともある。)に関する。
【0089】
リチウム電池としては、代表的にはリチウム金属電池(特に、リチウム金属二次電池)が挙げられる。以下、これについて説明する。
【0090】
本発明の電解液を用いて作製されるリチウム金属電池に含まれる正極層は、リチウム金属電池の正極活物質として利用可能な材料を含むことができる。正極活物質材料として、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、Li1+xMn2−x−y(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、及びZnから選ばれる1種以上の金属元素)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム(LiTiO)、リン酸金属リチウム(LiMPO、MはFe、Mn、Co、またはNi)、酸化バナジウム(V)及び酸化モリブデン(MoO)等の遷移金属酸化物、硫化チタン(TiS)、グラファイト及びハードカーボン等の炭素材料、リチウムコバルト窒化物(LiCoN)、リチウムシリコン酸化物(LiSi)、リチウム貯蔵性金属間化合物(MgMまたはNSb、MはSn、Ge、またはSb、NはIn、Cu、またはMn)等、並びにこれらの誘導体が挙げられる。
【0091】
正極層はバインダーを含んでもよい。バインダーの材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリエチレン、ニトリルゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、水素添加ブチレンゴム、ポリスチレン、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンラテックス、多硫化ゴム、ニトロセルロース、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等が望ましいが、特に制限されない。
【0092】
正極層は、所望により導電助材粒子を含んでもよい。導電助材粒子としては、特に制限されるものではなく、黒鉛、カーボンブラック等を用いることができる。
【0093】
負極活物質としては、例えば、リチウム金属またはリチウム合金を単独または混合したものを使用できる。リチウム金属との合金を形成できる物質としては、例えば、Al、Mg、K、Na、Ca、Sr、Ba、Si、Ge、Sb、Pb、Sn、In、及びZn等が挙げられる。
【0094】
また、本発明のリチウム電池は、正極及び負極の間に短絡を防止するセパレータを含むこともできる。セパレータとしては、特に限定されないが、従来からリチウム金属電池に用いられる材料を用いることができ、例えば、ポリプロピレン製不織布、ポリフェニレンスルフィド製不織布等の高分子不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等の微多孔フィルム、またはこれらの組み合わせを使用することができる。液体電解質等の電解質をセパレータに含浸させて電解質層を形成してもよい。
【0095】
正極層に隣接して正極集電体を配置することができる。正極集電体の材料としては、導電性を有し正極集電体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばSUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、およびカーボン等を挙げることができ、SUS及びアルミニウムが好ましい。さらに、正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。
【0096】
負極層に隣接して負極集電体を配置することができる。負極集電体の材料としては、導電性を有し負極集電体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばSUS、銅、ニッケル、およびカーボン等を挙げることができ、SUS及び銅が好ましい。さらに、負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。
【0097】
リチウム金属電池を包む電池ケースとしては、リチウム金属電池で使用可能な公知のラミネートフィルム等を用いることができる。
【0098】
リチウム金属電池は、円筒型、角型、ボタン型、コイン型、または扁平型等、所望の形状をとることができ、これらに限定されるものではない。
【0099】
電解質層には、本発明の効果を著しく低減させない限りにおいて、本発明の電解液以外の他の成分が含まれていてもよい。充放電の繰返しに対する電位安定性の観点から、電解質層には、硫黄及び/又は三重結合を有する化合物が含まれないことが好ましい。このような化合物としては、例えばサッカリン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン、2−プロピン−1−オール、1,4−ブチンジオール等が挙げられる。特に、サッカリン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン等の硫黄を有する化合物は、電解質層に含まれないことが好ましい。
【0100】
本発明のリチウム電池は、従来行われている任意の方法で形成することができる。
【実施例】
【0101】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0102】
(1)電解液の調製
表1〜6示す溶媒30mlに、リチウム含有電解質としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[TFSI])を溶解させた。次いで、表1〜6に示す配合により添加剤を加え、電解液を調製した。
【0103】
(2)充放電試験
上記のようにして調製された実施例及び比較例の電解液を用いて、以下の条件で30分間電流を流すことで金属リチウムを電析させた。その後、3分間の放電と3分間の充電とを繰り返し実施し、電位が1Vに達するまでのサイクル数を計測した。
作用極:ニッケル板(直径1cm)
対極:リチウム板(20mm×5mm×t0.3mm)
参照電極:リチウム板(20mm×5mm×t0.3mm)
液量:5ml
電解液の温度:25℃
雰囲気:Arガス(露点:<−60℃、酸素濃度:<5ppm)
電流密度:0.127mA/cm
【0104】
(3)結果
結果を表1〜6に示す。また、実施例の試験結果の代表例(実施例2の結果)を図1に示し、比較例の試験結果の代表例(比較例1の結果)図2に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
【表5】
【0110】
【表6】
【0111】
アミド化合物と芳香族化合物が無添加またはどちらか1種の場合(比較例1〜10)に比べて、アミド化合物及び芳香族化合物の両方を添加すると(実施例1〜28)サイクル数が増加することが分かった。
図1
図2