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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-190444(P2021-190444A)
(43)【公開日】2021年12月13日
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20211115BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20211115BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20211115BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20211115BHJP
【FI】
   H01L21/78 L
   H01L21/28 301R
   H01L29/58 Z
   H01L29/44 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-90873(P2020-90873)
(22)【出願日】2020年5月25日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土井 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 一介
(72)【発明者】
【氏名】一木 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】久徳 進次
(72)【発明者】
【氏名】為頭 美斗子
(72)【発明者】
【氏名】沼口 浩之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋平
(72)【発明者】
【氏名】日高 悠
【テーマコード(参考)】
4M104
5F063
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104BB02
4M104BB14
4M104DD34
4M104DD37
4M104FF01
4M104FF02
4M104FF17
4M104GG02
4M104GG09
4M104HH20
5F063AA05
5F063AA43
5F063BA07
5F063BA13
5F063BA22
5F063BA28
(57)【要約】
【課題】スクライブ領域に溝を形成した状態で半導体ウエハの裏面に金属膜を蒸着するときに生じる、半導体ウエハの反りを抑制する。
【解決手段】半導体基板と、半導体基板の主面に形成された複数の半導体素子と、複数の半導体素子間にあるスクライブ領域に形成された溝と、複数のスクライブラインの一部又は全部に沿って溝の底面に形成された表面金属膜と、半導体基板の裏面に形成された裏面金属膜と、を備えた半導体装置とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の主面に形成された複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子間にあるスクライブ領域に形成された溝と、
複数のスクライブラインの一部又は全部に沿って前記溝の底面に形成された表面金属膜と、
前記半導体基板の裏面に形成された裏面金属膜と、
を備えた半導体装置。
【請求項2】
前記表面金属膜の形状が、前記複数のスクライブラインの各々に沿って延びる複数の帯状の金属膜が交差した格子状である、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記表面金属膜が、前記複数のスクライブラインが交差する複数の交差領域の一部又は全部に形成され、
前記表面金属膜の形状が、スクライブラインに沿って延びる帯状、又は、各々がスクライブラインに沿って延びる二本の帯状の金属膜が交差した十字形状である、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記表面金属膜が、前記半導体基板の主面の中央部にある交差領域に形成される、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記表面金属膜が、前記半導体基板の主面の周辺部にある交差領域に形成される、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体基板が、シリコン基板であり、
前記表面金属膜が、アルミニウム膜であり、
前記裏面金属膜が、チタン、ニッケル、及び金の積層膜である、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体層を備えた半導体基板を準備する工程と、
前記半導体基板の主面であって複数の素子形成領域の各々に半導体素子のアクティブ領域を形成する工程と、
前記半導体基板の複数の素子形成領域の間にあるスクライブ領域にスクライブラインより幅が広い溝を形成する工程と、
前記アクティブ領域上に電極となる第1の表面金属膜を形成すると共に、前記溝の底面にスクライブラインに沿った第2の表面金属膜を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面に裏面金属膜を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハ上にある複数の素子形領域の各々に半導体素子を形成し、複数の半導体素子が形成された半導体ウエハを格子状に切断して、個々の半導体素子に分割する。半導体ウエハの反りは、切断時にチッピング等の不具合を引き起こす。したがって、半導体素子に分割する前に、半導体ウエハに反りが生じていないことが望まれる。
【0003】
半導体装置の製造工程で生じる反りを防止するために、半導体ウエハの複数の素子形成領域の間に在るスクライブ領域に、応力緩和用の溝を形成する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−332270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スクライブ領域に溝を形成した状態で、半導体ウエハの裏面に金属膜を蒸着すると、金属膜と半導体ウエハとの間の熱膨張率の差から応力が発生して溝が開き、半導体ウエハが反り易いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、スクライブ領域に溝を形成した状態で半導体ウエハの裏面に金属膜を蒸着するときに生じる、半導体ウエハの反りを抑制することができる、半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、スクライブ領域に溝だけを形成した場合に比べて、半導体ウエハの反りが抑制された半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の主面に形成された複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子間にあるスクライブ領域に形成された溝と、複数のスクライブラインの一部又は全部に沿って前記溝の底面に形成された表面金属膜と、前記半導体基板の裏面に形成された裏面金属膜と、を備えている。
【0009】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体層を備えた半導体基板を準備する工程と、前記半導体基板の主面であって複数の素子形成領域の各々に半導体素子のアクティブ領域を形成する工程と、前記半導体基板の複数の素子形成領域の間にあるスクライブ領域にスクライブラインより幅が広い溝を形成する工程と、前記アクティブ領域上に電極となる第1の表面金属膜を形成すると共に、前記溝の底面にスクライブラインに沿った第2の表面金属膜を形成する工程と、前記半導体基板の裏面に裏面金属膜を形成する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スクライブ領域に溝を形成した状態で半導体ウエハの裏面に金属膜を蒸着するときに生じる、半導体ウエハの反りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る半導体装置の全体構成の一例を示す平面図である。
図2図1に示す半導体装置の部分拡大図である
図3図2のA−A線の断面図である。
図4】(A)から(E)までは、半導体装置の製造工程の一例を示す部分断面図である。
図5】(A)及び(B)は半導体ウエハに反りが生じる原理を説明する図である。
図6】第2の実施形態に係る半導体装置の全体構成の一例を示す平面図である。
図7図6に示す半導体装置の部分拡大図である
図8図7のB−B線の断面図である。
図9】第3の実施形態に係る半導体装置の全体構成の一例を示す平面図である。
図10】第4の実施形態に係る半導体装置の全体構成の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
<第1の実施の形態>
まず、本実施形態の半導体装置の構成について説明する。
図1は第1の実施形態に係る半導体装置の全体構成の一例を示す平面図である。図2図1に示す半導体装置の部分拡大図である。図3図2のA−A線の断面図である。
【0014】
図1図3に示すように、半導体装置10は、その主面に複数の半導体素子12が形成された半導体ウエハ20である。複数の半導体素子12は、半導体ウエハ20上にマトリクス状に規則的に配列されている。複数の半導体素子12の各々は、平面視が矩形状であり、格子状に形成された溝14により互いに分離されている。溝14は、後述する通り、基板20Aに達する深さを有する。溝14の底面には、表面金属膜16Aが形成されている。
【0015】
半導体素子12が形成される領域を、素子形成領域22という。半導体ウエハ20には、複数の半導体素子12に対応する複数の素子形成領域22がある。素子形成領域22と素子形成領域22との間にある領域をスクライブ領域24という。スクライブ領域24のうち、スクライビングにより研削除去される部分をスクライブライン26という。スクライブ領域24及びスクライブライン26の各々は、溝14と同様に格子状である。溝14は、スクライブ領域24に形成される。
【0016】
表面金属膜16Aは、複数のスクライブライン26の各々に沿って延びる帯状の金属膜であり、半導体ウエハ20の主面全面に亘って形成されている。したがって、半導体装置10全体としてみれば、表面金属膜16Aは、複数の帯状の表面金属膜16Aが互いに交差した格子状である。溝14の幅はスクライブ領域24の幅とほぼ等しく、スクライブライン26の幅は溝14の幅より狭い。表面金属膜16Aの幅は、スクライブライン26の幅とほぼ同じか、それよりも狭い。
【0017】
半導体ウエハ20は、基板20Aと、基板20A上に形成された半導体層20Bとを備えている。ここで、半導体素子12の構成を説明する。半導体素子12は、基板20Aを備えている。基板20A上には、半導体層20B、半導体素子の主要構造であるアクティブ領域15、表面電極となる表面金属膜16B、及び表面保護のための絶縁膜17が順に積層されている。基板20Aの裏面には、裏面電極となる裏面金属膜18が形成されている。
【0018】
次に、半導体装置の製造方法について簡単に説明する。
図4(A)〜(E)までは、半導体装置の製造工程の一例を説明するための部分断面図である。図5(A)及び(B)は半導体ウエハに反りが生じる原理を説明する図である
【0019】
まず、図4(A)に示すように、準備した基板20Aの主面上に半導体層20Bを形成する。例えば、基板20Aとしてシリコン基板を準備し、シリコン基板上に単結晶シリコンをエピタキシャル成長させて半導体層20Bを形成する。
【0020】
次に、図4(B)に示すように、半導体層20Bに、半導体素子12の主要構造であるアクティブ領域15を形成する。そして、スクライブ領域24(図3参照)にある半導体層10Bを、フォトリソグラフィやエッチングにより基板20Aが露出するまで除去して、半導体素子12を分離する溝14を形成する。
【0021】
次に、図4(C)に示すように、アクティブ領域15上に半導体素子12の表面電極となる表面金属膜16Bを形成すると共に、溝14の底面に補強用の表面金属膜16Aを形成する。例えば、スパッタリングによりアルミニウム膜を積層し、フォトリソグラフィやエッチングを用いてアルミニウム膜をパターニングして、所望の形状の表面金属膜16A及び表面金属膜16Bを所望の位置に形成する。
【0022】
次に、図4(D)に示すように、基板20Aの裏面に半導体素子12の裏面電極となる裏面金属膜18を形成する。例えば、基板20Aの裏面に、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、及び金(Au)を蒸着した積層膜を形成する。
【0023】
次に、図4(E)に示すように、アクティブ領域15及び表面金属膜16Bの上に、表面を保護する絶縁膜17を形成して、複数の半導体素子12を備えた半導体装置10が完成する(図1〜3参照)。例えば、酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料を、CVD法等により堆積し、フォトリソグラフィやエッチングを用いて絶縁材料をパターニングして、所望の形状の絶縁膜17を所望の位置に形成する。例えば、絶縁膜17は、表面電極となる表面金属膜16Bを露出させるようにパターンニングされる。
【0024】
半導体素子12は、公知のトランジスタやダイオードとすることができる。例えば、半導体素子12がMOSFETである場合、ウエル領域、ソース領域、絶縁膜、及びゲート電極が「アクティブ領域15」に相当し、ソース電極が「表面金属膜16B」に相当し、ドレイン電極が「裏面金属膜18」に相当し、層間絶縁膜が「絶縁膜17」に相当する。
【0025】
図5(A)及び(B)は半導体ウエハに反りが生じる原理を説明する図である。本実施形態の製造方法よれば、図5(A)に示すように、表面金属膜16A及び表面金属膜16Bの形成により半導体ウエハ20に生じる応力は、スクライブ領域に形成された溝14により緩和されて反りが抑制され、半導体ウエハ20は平坦に維持される。
【0026】
また、図5(B)に示すように、複数の半導体素子12と溝14とは、折り曲がる関節のような働きをしている。溝14が形成された半導体ウエハ20の裏面に裏面金属膜18を蒸着すると、裏面金属膜18と半導体ウエハ20との間の熱膨張率の差から矢印で示す応力が発生し、溝14が開いて、半導体ウエハ20が反り易いという問題がある。
【0027】
本実施の形態では、溝14内に形成された表面金属膜16Aにより、隣接する半導体素子12間の隙間が埋められて、半導体ウエハ20が補強される。表面金属膜16Aにより補強された領域は折り曲がり難くなり、半導体ウエハ20の反りが抑制される。また、表面金属膜16Aにより半導体ウエハ20に逆方向の応力が発生し、応力の相殺により半導体ウエハ20の反りが抑制される。また、表面金属膜16Aを半導体ウエハ20の主面全面に亘って形成することで、半導体ウエハ20の全面を補強することができる。
【0028】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係る半導体装置は、溝の底面に形成される金属膜の形状及び形成位置が異なる以外は、第1の実施の形態と同じ構成であるため、同じ構成部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0029】
図6は第2の実施形態に係る半導体装置の全体構成の一例を示す平面図である。図7図6に示す半導体装置の部分拡大図である。図8図7のB−B線の断面図である。
【0030】
図6図8に示すように、第2の実施形態に係る半導体装置10Aでは、複数のスクライブライン26が交差する複数の交差領域の各々に、表面金属膜16Aが形成されている。交差領域に形成される表面金属膜16Aは、各々がスクライブラインに沿って延びる二本の短い帯状の表面金属膜16Aが交差した十字形状である。
【0031】
図示する通り、半導体装置10Aでは、一部のスクライブライン26に沿って表面金属膜16Aが形成され、残りのスクライブライン26に対しては表面金属膜16Aは形成されない(図8参照)。しかしながら、十字形状の表面金属膜16Aは、半導体ウエハ20の主面全面に亘って形成されており、半導体ウエハ20全体が補強されている。
【0032】
本実施の形態では、第1の実施形態と同様に、溝14内に形成された表面金属膜16Aにより半導体ウエハ20の全面が補強され、半導体ウエハ20の反りが抑制される。スクライブライン26が交差する交差領域は、溝14が十字に形成されて折り曲がり易い領域であるから、この交差領域を十字形状の表面金属膜16Aで補強することで、半導体ウエハ20は折り曲がり難くなる。
【0033】
また、表面金属膜16Aはスクライビングにより研削除去される部材である。スクライビング後に表面金属膜16Aが残存することは、半導体素子12の不具合の原因となり好ましくない。一部のスクライブライン26に沿って表面金属膜16Aを形成することで、全部のスクライブライン26に沿って表面金属膜16Aを形成する場合に比べて、表面金属膜16Aを取り除き易くなり、製造コストも削減される。
【0034】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態に係る半導体装置は、溝の底面に形成される金属膜の形状及び形成位置が異なる以外は、第1の実施の形態と同じ構成であるため、同じ構成部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0035】
図9は第3の実施形態に係る半導体装置の全体構成の一例を示す平面図である。図9に示すように、第3の実施形態に係る半導体装置10Bでは、スクライブライン26が交差する交差領域に、スクライブラインに沿って延びる短い帯状、又は上述した十字形状の表面金属膜16Aが形成されている。帯状または十字形状の表面金属膜16Aは、半導体ウエハ20の主面の周辺部にだけ形成されており、表面金属膜16Aが形成される領域は、第1、第2の実施の形態と比べると局所的である。
【0036】
帯状の表面金属膜16Aにより補強されるエリア19Aと、十字形状の表面金属膜16Aにより補強されるエリア19Bとを、網掛けで表す。網掛けの濃度が濃いエリアの方が、補強度合いが強いことを示している。図から分かるように、表面金属膜16Aを周辺部に局所的に形成することで、半導体ウエハ20を部分的に補強することができる。また、十字形状の表面金属膜16Aと比べると補強度合いは低いが、帯状の表面金属膜16Aによっても補強が可能である。
【0037】
本実施の形態では、半導体ウエハ20の主面の周辺部に形成された表面金属膜16Aにより、半導体ウエハ20の周辺部を部分的に補強することができ、半導体ウエハ20の反りが抑制される。
【0038】
また、スクライブライン26が交差する交差領域を補強することで、半導体ウエハ20は折り曲がり難くなるが、十字形状の表面金属膜16Aだけでなく、帯状の表面金属膜16Aによっても交差領域を補強することができる。
【0039】
また、表面金属膜16Aが形成される領域は局所的であり、半導体ウエハ20の主面全面に亘って表面金属膜16Aを形成する場合に比べて、表面金属膜16Aを取り除き易くなり、製造コストも削減される。
【0040】
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態に係る半導体装置は、溝の底面に形成される金属膜の形状及び形成位置が異なる以外は、第1の実施の形態と同じ構成であるため、同じ構成部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0041】
図10は第4の実施形態に係る半導体装置の全体構成の一例を示す平面図である。図10に示すように、第4の実施形態に係る半導体装置10Cでは、スクライブライン26が交差する交差領域に、十字形状の表面金属膜16Aが形成されている。十字形状の表面金属膜16Aは、半導体ウエハ20の主面の中央部にだけ形成されており、表面金属膜16Aが形成される領域は、第1、第2の実施の形態と比べると局所的である。
【0042】
十字形状の表面金属膜16Aにより直接補強されるエリア21Aと、間接的に補強されるエリア21Bとを、網掛けで表す。網掛けの濃度が濃いエリアの方が、補強度合いが強いことを示している。図から分かるように、十字形状の表面金属膜16Aを中央部に局所的に形成することで、半導体ウエハ20の中央部が強く補強される。また、半導体ウエハ20の中央部を補強した場合は、半導体ウエハ20の周辺部も間接的に補強される。
【0043】
本実施の形態では、半導体ウエハ20の主面の中央部に形成された表面金属膜16Aにより、半導体ウエハ20の中央部を部分的に補強することができ、半導体ウエハ20の反りが抑制される。また、半導体ウエハ20の中央部を補強することで、半導体ウエハ20の周辺部も間接的に補強することができる。
【0044】
また、表面金属膜16Aが形成される領域は局所的であり、半導体ウエハ20の主面全面に亘って表面金属膜16Aを形成する場合に比べて、表面金属膜16Aを取り除き易くなり、製造コストも削減される。
【0045】
以上、本発明の半導体装置及びその製造方法の例示的な実施の形態について説明したが、本発明は実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10、10A、10B、10C 半導体装置
12 半導体素子
14 溝
15 アクティブ領域
16A、16B 表面金属膜
17 絶縁膜
18 裏面金属膜
19A、19B エリア
20 半導体ウエハ
20A 基板
20B 半導体層
21A、21B エリア
22 素子形成領域
24 スクライブ領域
26 スクライブライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10