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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-196519(P2021-196519A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】画像形成方法、装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03C 8/44 20060101AFI20211129BHJP
【FI】
   G03C8/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2020-103263(P2020-103263)
(22)【出願日】2020年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】米山 博之
(57)【要約】
【課題】観察用画像を構成する複数の領域の間で画像出現認識時刻に意図的に時間差を設け、観察用画像に経時的変化を与える画像形成方法、装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】入力用画像を使用して写真感光材料を露光し、現像処理を行うことで観察用画像を形成する画像形成方法である。観察用画像は、現像処理開始後の画像出現認識時刻が相対的に早い第1画像領域の画像Aと遅い第2画像領域の画像Bを含む。まず、2枚の元画像を取得し、第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する第1元画像及び第2元画像を決定する。第1元画像及び第2元画像に対し、それぞれ第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第1描画条件、及び第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第2描画条件を作成する。第1元画像と第1描画条件、及び第2元画像と第2描画条件に基づいて観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に画像形成材料の前駆体を像様に描画形成させ、前記前駆体に化学反応を進行させて観察用画像を形成する画像形成方法において、
前記観察用画像は、画像出現認識時刻の異なる第1画像領域及び第2画像領域をそれぞれ少なくとも1領域以上含み、
1乃至複数の元画像を取得し、前記取得した元画像に対して前記第1画像領域及び前記第2画像領域にそれぞれに対応する第1画像及び第2画像を決定する工程と、
前記第1画像に対する第1描画条件であって、前記第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす前記第1描画条件を作成する工程と、
前記第2画像に対する第2描画条件であって、前記第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす前記第2描画条件を作成する工程と、
前記第1画像と前記第1描画条件、及び前記第2画像と前記第2描画条件に基づいて前記観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する工程と、
を含む画像形成方法。
【請求項2】
前記入力用画像を使用して前記前駆体を像様に描画形成し、前記第1画像領域と第2画像領域とで画像出現認識時刻の異なる前記観察用画像を形成する、
請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記画像出現認識時刻は、前記化学反応が開始してから画像領域の最高濃度部が認識可能に出現する時刻を表し、
前記第1画像領域の画像出現認識時刻と前記第2画像領域の画像出現認識時刻との差は、5秒以上12時間以下である、
請求項1又は2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に前記入力用画像を入力し、現像処理を行うことで前記観察用画像を形成する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料は、少なくとも感色性の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層及び該ハロゲン化銀乳剤層に対応した複数の色素放出層を含み、現像処理をきっかけとして放出された色素が色素受像層に固定されて前記観察用画像を形成するものであり、
前記第1画像領域の最高濃度部における色素受像層に最も近い色素層から放出された単位面積あたりの色素量は、前記第2画像領域の最高濃度部における前記色素層から放出された単位面積あたりの色素量よりも多い、
請求項4に記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記第1画像領域は、
前記現像処理の開始後、前記第1画像領域の最高濃度部の3原色の濃度のうちの少なくとも一つが0.04以上となる時刻をT1とし、
前記第1画像領域の最高濃度部の3原色の濃度の少なくとも一つが0.08以上となる時刻をT2としたとき、次式、
[数1]
1秒≦T2−T1≦15秒
を満たし、かつ前記現像処理が開始してから24時間後の前記第1画像領域の最高濃度部の3原色の濃度のうち最も高い濃度が、0.40以上3.0未満であり、
前記第2画像領域は、
前記画像出現認識時刻が前記第1画像領域より遅い画像領域であり、
前記現像処理が開始してから、前記第2画像領域の最高濃度部の3原色の濃度の少なくとも一つが0.04以上となる時刻をT3とすると、次式、
[数2]
5秒≦T3−T2≦12時間
を満たし、かつ前記現像処理が開始してから24時間後の前記第2画像領域の最高濃度部の3原色の濃度のうち最も高い濃度が、0.08以上2.5未満である、
請求項4又は5に記載の画像形成方法。
【請求項7】
前記現像処理が開始してから24時間後の前記第1画像領域の最高濃度点の3原色の各濃度値の合計ΣDaは、次式、
[数3]
0.50≦ΣDa≦8.0
を満たし、
前記現像処理が開始してから24時間後の前記第2画像領域の最高濃度点の3原色の各濃度値の合計ΣDbは、次式、
[数4]
0.20≦ΣDb≦3.5
を満たし、
更に前記合計ΣDaと前記合計ΣDbとの差は、次式、
[数5]
0.50≦ΣDa−ΣDb≦7.8
を満たす、
請求項4から6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項8】
前記第1画像領域の最高濃度部のCIELAB表色空間におけるL*値は、5以上70以下であり、
前記第2画像領域の最高濃度部のCIELAB表色空間におけるL*値は、60以上95以下であり、
前記第1画像領域の前記L*値と前記第2画像領域の前記L*値との差は、15以上80以下である、
請求項4から7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記第1画像領域の最高濃度点の色相角hは、0°以上75°以下、95°以上215°以下、及び235°以上340°以下のうちのいずれかの範囲にあり、
前記第2画像領域の最高濃度点の色相角hは、0°以上120°以下、135°以上235°以下、及び330°以上360°以下のうちのいずれかの範囲にあり、
前記色相角hは、CIELAB表色空間において、h=arctan(b*/a*)で表される角度である、
請求項4から8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項10】
前記観察用画像は、固体分散されたアニオン系染料をアルカリ溶液で処理し、色素受像層に拡散転写させて固定される画像であり、前記色素受像層からの距離が異なる複数の層領域に前記アニオン系染料により描画され、
前記第1描画条件及び前記第2描画条件を作成する工程において、それぞれ前記色素受像層からの距離が異なる複数の領域に前記アニオン系染料により描画する描画条件を作成し、
前記化学反応は、前記アルカリ溶液による処理であり、
前記第1画像領域の最高濃度部における色素受像層に最も近い固体分散色素含有層から放出される単位面積あたりの色素量は、前記第2画像領域の最高濃度部における前記固体分散色素含有層から放出された単位面積あたりの色素量よりも多い、
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項11】
前記観察用画像は、酸化発色型の色素と、酸素により酸化可能な還元剤とを含むインク組成物を支持体上に描画して、雰囲気中の酸素により還元剤及び色素が酸化されて有色色素画像として形成され、
前記第1描画条件及び前記第2描画条件を作成する工程において、それぞれ前記インク組成物の組成及び描画する条件を作成し、
前記化学反応は、雰囲気中の酸素による酸化であり、
前記第1画像領域は、前記第2画像領域よりも還元活性が低い状態になるように描画される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項12】
前記観察用画像は、銀イオンを含有するインク組成物により支持体上に描画された画像を、還元剤により還元して金属銀微粒子の画像として形成され、
前記第1描画条件及び前記第2描画条件を作成する工程において、それぞれ還元活性を与える前記インク組成物の組成及び描画する条件を作成し、
前記化学反応は、還元であり、
前記第1画像領域は、前記第2画像領域よりも還元活性が高い状態になるように描画される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項13】
支持体上に画像形成材料の前駆体を像様に描画形成させ、前記前駆体に化学反応を進行させて観察用画像を形成する画像形成方法において、
前記観察用画像は、画像出現認識時刻の異なる第1画像領域及び第2画像領域をそれぞれ少なくとも1領域以上含み、
被写体に含まれる複数の領域であって、前記第1画像領域及び前記第2画像領域にそれぞれに対応する第1領域及び第2領域を含む複数の領域を決定する工程と、
前記第1領域に対する第1撮影環境であって、前記第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす前記第1撮影環境を整える工程と、
前記第2領域に対する第2撮影環境であって、前記第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす前記第2撮影環境を整える工程と、
前記第1撮影環境及び前記第2撮影環境の下で前記被写体を撮影し、前記観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する工程と、
を含む画像形成方法。
【請求項14】
前記第1領域及び第2領域の少なくとも一つはディスプレイが存在する領域であり、
前記第1撮影環境を整える工程及び前記第2撮影環境を整える工程の少なくとも一つは、前記ディスプレイに表示させる画像を調整する、
請求項13に記載の画像形成方法。
【請求項15】
前記入力用画像を使用して前記前駆体を像様に描画形成し、前記第1画像領域と第2画像領域とで画像出現認識時刻の異なる前記観察用画像を形成する、
請求項13又は14に記載の画像形成方法。
【請求項16】
前記画像出現認識時刻は、前記化学反応が開始してから画像領域の最高濃度部が認識可能に出現する時刻を表し、
前記第1画像領域の画像出現認識時刻と前記第2画像領域の画像出現認識時刻との差は、5秒以上12時間以下である、
請求項13から15のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項17】
モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に前記入力用画像を入力し、現像処理を行うことで前記観察用画像を形成する、
請求項13から16のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項18】
支持体上に画像形成材料の前駆体が像様に描画形成され、前記前駆体の化学反応が進行して画像出現する観察用画像の形成に使用する入力用画像を、プロセッサが元画像から生成する画像形成装置において、
前記観察用画像は、画像出現認識時刻の異なる第1画像領域及び第2画像領域をそれぞれ少なくとも1領域以上含み、
前記プロセッサは、
1乃至複数の前記元画像を取得する処理と、
前記取得した元画像から前記第1画像領域及び前記第2画像領域にそれぞれに対応する第1画像及び第2画像を決定する処理と、
前記第1画像に対する第1描画条件であって、前記第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす前記第1描画条件を作成する処理と、
前記第2画像に対する第2描画条件であって、前記第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす前記第2描画条件を作成する処理と、
前記第1画像と前記第1描画条件、及び前記第2画像と前記第2描画条件に基づいて前記入力用画像を生成する処理と、
を行う画像形成装置。
【請求項19】
前記画像出現認識時刻は、前記化学反応が開始してから画像領域の最高濃度部が認識可能に出現する時刻を表し、
前記第1画像領域の画像出現認識時刻と前記第2画像領域の画像出現認識時刻との差は、5秒以上12時間以下である、
請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
支持体上に画像形成材料の前駆体が像様に描画形成され、前記前駆体の化学反応が進行して画像出現する観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する方法をコンピュータに実現させる画像形成プログラムにおいて、
前記観察用画像は、画像出現認識時刻の異なる第1画像領域及び第2画像領域をそれぞれ少なくとも1領域以上含み、
前記入力用画像を生成する方法は、
1乃至複数の元画像を取得し、前記取得した元画像に対して前記第1画像領域及び前記第2画像領域にそれぞれに対応する第1画像及び第2画像を決定する工程と、
前記第1画像に対する第1描画条件であって、前記第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす前記第1描画条件を作成する工程と、
前記第2画像に対する第2描画条件であって、前記第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす前記第2描画条件を作成する工程と、
前記第1画像と前記第1描画条件、及び前記第2画像と前記第2描画条件に基づいて前記観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する工程と、
を含む画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成方法、装置及びプログラムに係り、特に画像形成材料前駆体の化学反応により観察用画像を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料は、一つのフイルムユニット内に、ハロゲン化銀感光材料、処理液、色素受像層を内蔵することで、一般ユーザが撮影した後その場で処理し、観察用画像が形成されることを可能としている。ハロゲン化銀写真感光材料には、処理後に画像が完成するまでの時間は早いほど好ましく、特に低温で撮影、処理された場合でも早く画像を見たいとの要望が強く、かかる点において更なる改良が望まれていた。
【0003】
この課題の解決のために、ハロゲン化銀写真感光材料を用いたシステムは、各色素を速い速度で転写させる方針のもとで設計が行われてきた(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−112096号公報
【特許文献2】特開2006−113291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、モノシート型拡散転型写感光材料等の画像形成材料前駆体の化学反応により観察用画像を画像出現させる場合に、観察用画像を構成する領域ごとに画像出現認識時刻に意図的に間隔を設けることにより、観察用画像が変化する効果が得られる画像形成方法を提供することにある。
【0006】
この課題は、従来のように最終画像の形成に対して迅速性を求める画像形成方法においては、認識されていなかったものである。即ち、本発明においては、観察用画像において、一部の領域では画像認識速度を敢えて遅くすることにより、目的の効果が得られるものであり、従来の技術からは容易に想到し得るものではない。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、観察用画像を構成する複数の領域の間で画像出現認識時刻に意図的に時間差を設けることができ、観察用画像に経時的変化を与えることができる画像形成方法、装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために第1態様に係る発明は、支持体上に画像形成材料の前駆体を像様に描画形成させ、前駆体に化学反応を進行させて観察用画像を形成する画像形成方法において、観察用画像は、画像出現認識時刻の異なる第1画像領域及び第2画像領域をそれぞれ少なくとも1領域以上含み、1乃至複数の元画像を取得し、取得した元画像に対して第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する第1画像及び第2画像を決定する工程と、第1画像に対する第1描画条件であって、第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第1描画条件を作成する工程と、第2画像に対する第2描画条件であって、第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第2描画条件を作成する工程と、第1画像と第1描画条件、及び第2画像と第2描画条件に基づいて観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する工程と、を含む。
【0009】
本発明の第1態様によれば、第1画像に対して第1描画条件を適用し、第2画像に対して第2描画条件を適用して、観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成することができる。
【0010】
本発明の第2態様に係る画像形成方法において、入力用画像を使用して前駆体を像様に描画形成し、第1画像領域と第2画像領域とで画像出現認識時刻の異なる観察用画像を形成する。このようにして形成される観察用画像には、観察用画像内の第1画像領域と第2画像領域と間で画像出現認識時刻に意図的に時間差を設けることができる。
【0011】
本発明の第3態様に係る画像形成方法において、画像出現認識時刻は、化学反応が開始してから画像領域の最高濃度部が認識可能に出現する時刻を表し、第1画像領域の画像出現認識時刻と第2画像領域の画像出現認識時刻との差は、5秒以上12時間以下であることが好ましい。
【0012】
本発明の第4態様に係る画像形成方法において、モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に入力用画像を入力し、現像処理を行うことで観察用画像を形成することが好ましい。
【0013】
本発明の第5態様に係る画像形成方法において、モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料は、少なくとも感色性の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層及びハロゲン化銀乳剤層に対応した複数の色素放出層を含み、現像処理をきっかけとして放出された色素が色素受像層に固定されて観察用画像を形成するものであり、第1画像領域の最高濃度部における色素受像層に最も近い色素層から放出された単位面積あたりの色素量は、第2画像領域の最高濃度部における色素層から放出された単位面積あたりの色素量よりも多いことが好ましい。
【0014】
本発明の第6態様に係る画像形成方法において、第1画像領域は、現像処理の開始後、第1画像領域の最高濃度部の3原色の濃度のうちの少なくとも一つが0.04以上となる時刻をT1とし、第1画像領域の最高濃度部の3原色の濃度の少なくとも一つが0.08以上となる時刻をT2としたとき、次式、
[数1]
1秒≦T2−T1≦15秒
を満たし、かつ現像処理が開始してから24時間後の第1画像領域の最高濃度部の3原色の濃度のうち最も高い濃度が、0.40以上3.0未満であり、第2画像領域は、画像出現認識時刻が第1画像領域より遅い画像領域であり、現像処理が開始してから、第2画像領域の最高濃度部の3原色の濃度の少なくとも一つが0.04以上となる時刻をT3とすると、次式、
[数2]
5秒≦T3−T2≦12時間
を満たし、かつ現像処理が開始してから24時間後の第2画像領域の最高濃度部の3原色の濃度のうち最も高い濃度が、0.08以上2.5未満であることが好ましい。
【0015】
本発明の第7態様に係る画像形成方法において、現像処理が開始してから24時間後の第1画像領域の最高濃度点の3原色の各濃度値の合計ΣDaは、次式、
[数3]
0.50≦ΣDa≦8.0
を満たし、現像処理が開始してから24時間後の第2画像領域の最高濃度点の3原色の各濃度値の合計ΣDbは、次式、
[数4]
0.20≦ΣDb≦3.5
を満たし、更に合計ΣDaと合計ΣDbとの差は、次式、
[数5]
0.50≦ΣDa−ΣDb≦7.8
を満たすことが好ましい。
【0016】
本発明の第8態様に係る画像形成方法において、第1画像領域の最高濃度部のCIELAB表色空間におけるL*値は、5以上70以下であり、第2画像領域の最高濃度部のCIELAB表色空間におけるL*値は、60以上95以下であり、第1画像領域のL*値と第2画像領域のL*値との差は、15以上80以下であることが好ましい。
【0017】
本発明の第9態様に係る画像形成方法において、第1画像領域の最高濃度点の色相角hは、0°以上75°以下、95°以上215°以下、及び235°以上340°以下のうちのいずれかの範囲にあり、第2画像領域の最高濃度点の色相角hは、0°以上120°以下、135°以上235°以下、及び330°以上360°以下のうちのいずれかの範囲にあり、色相角hは、CIELAB表色空間において、h=arctan(b*/a*)で表される角度である。
【0018】
本発明の第10態様に係る画像形成方法において、観察用画像は、固体分散されたアニオン系染料をアルカリ溶液で処理し、色素受像層に拡散転写させて固定される画像であり、色素受像層からの距離が異なる複数の層領域にアニオン系染料により描画され、第1描画条件及び第2描画条件を作成する工程において、それぞれ色素受像層からの距離が異なる複数の領域にアニオン系染料により描画する描画条件を作成し、化学反応は、アルカリ溶液による処理であり、第1画像領域の最高濃度部における色素受像層に最も近い固体分散色素含有層から放出される単位面積あたりの色素量は、第2画像領域の最高濃度部における固体分散色素含有層から放出された単位面積あたりの色素量よりも多いことが好ましい。
【0019】
本発明の第11態様に係る画像形成方法において、観察用画像は、酸化発色型の色素と、酸素により酸化可能な還元剤とを含むインク組成物を支持体上に描画して、雰囲気中の酸素により還元剤及び色素が酸化されて有色色素画像として形成され、第1描画条件及び第2描画条件を作成する工程において、それぞれインク組成物の組成及び描画する条件を作成し、化学反応は、雰囲気中の酸素による酸化であり、第1画像領域は、第2画像領域よりも還元活性が低い状態になるように描画されることが好ましい。
【0020】
本発明の第12態様に係る画像形成方法において、観察用画像は、銀イオンを含有するインク組成物により支持体上に描画された画像を、還元剤により還元して金属銀微粒子の画像として形成され、第1描画条件及び第2描画条件を作成する工程において、それぞれ還元活性を与えるインク組成物の組成及び描画する条件を作成し、化学反応は、還元であり、第1画像領域は、第2画像領域よりも還元活性が高い状態になるように描画されることが好ましい。
【0021】
第13態様に係る発明は、支持体上に画像形成材料の前駆体を像様に描画形成させ、前駆体に化学反応を進行させて観察用画像を形成する画像形成方法において、観察用画像は、画像出現認識時刻の異なる第1画像領域及び第2画像領域をそれぞれ少なくとも1領域以上含み、被写体に含まれる複数の領域であって、第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する第1領域及び第2領域を含む複数の領域を決定する工程と、第1領域に対する第1撮影環境であって、第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第1撮影環境を整える工程と、第2領域に対する第2撮影環境であって、第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第2撮影環境を整える工程と、第1撮影環境及び第2撮影環境の下で被写体を撮影し、観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する工程と、を含む。
【0022】
本発明の第13態様によれば、被写体に含まれる第1画像領域及び第2画像領域に対する撮影環境をそれぞれ第1撮影環境及び第2撮影環境に整え、第1撮影環境及び第2撮影環境の下で被写体を撮影することで、観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成することができる。
【0023】
本発明の第14態様に係る画像形成方法において、第1領域及び第2領域の少なくとも一つはディスプレイが存在する領域であり、第1撮影環境を整える工程及び第2撮影環境を整える工程の少なくとも一つは、ディスプレイに表示させる画像を調整することが好ましい。
【0024】
本発明の第15態様に係る画像形成方法において、入力用画像を使用して前駆体を像様に描画形成し、第1画像領域と第2画像領域とで画像出現認識時刻の異なる観察用画像を形成する。
【0025】
本発明の第16態様に係る画像形成方法において、画像出現認識時刻は、化学反応が開始してから画像領域の最高濃度部が認識可能に出現する時刻を表し、第1画像領域の画像出現認識時刻と第2画像領域の画像出現認識時刻との差は、5秒以上12時間以下であることが好ましい。
【0026】
本発明の第17態様に係る画像形成方法において、モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に入力用画像を入力し、現像処理を行うことで観察用画像を形成することが好ましい。
【0027】
第18態様に係る発明は、支持体上に画像形成材料の前駆体が像様に描画形成され、前駆体の化学反応が進行して画像出現する観察用画像の形成に使用する入力用画像を、プロセッサが元画像から生成する画像形成装置において、観察用画像は、画像出現認識時刻の異なる第1画像領域及び第2画像領域をそれぞれ少なくとも1領域以上含み、プロセッサは、1乃至複数の元画像を取得する処理と、取得した元画像から第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する第1画像及び第2画像を決定する処理と、第1画像に対する第1描画条件であって、第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第1描画条件を作成する処理と、第2画像に対する第2描画条件であって、第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第2描画条件を作成する処理と、第1画像と第1描画条件、及び第2画像と第2描画条件に基づいて入力用画像を生成する処理と、を行う。
【0028】
本発明の第18態様によれば、第1画像に対して第1描画条件を適用し、第2画像に対して第2描画条件を適用して、観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成することができる。
【0029】
本発明の第19態様に係る画像形成装置において、画像出現認識時刻は、化学反応が開始してから画像領域の最高濃度部が認識可能に出現する時刻を表し、第1画像領域の画像出現認識時刻と第2画像領域の画像出現認識時刻との差は、5秒以上12時間以下であることが好ましい。
【0030】
第20態様に係る発明は、支持体上に画像形成材料の前駆体が像様に描画形成され、前駆体の化学反応が進行して画像出現する観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する方法をコンピュータに実現させる画像形成プログラムにおいて、観察用画像は、画像出現認識時刻の異なる第1画像領域及び第2画像領域をそれぞれ少なくとも1領域以上含み、入力用画像を生成する方法は、1乃至複数の元画像を取得し、取得した元画像に対して第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する第1画像及び第2画像を決定する工程と、第1画像に対する第1描画条件であって、第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第1描画条件を作成する工程と、第2画像に対する第2描画条件であって、第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第2描画条件を作成する工程と、第1画像と第1描画条件、及び第2画像と第2描画条件に基づいて観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、観察用画像を構成する複数の領域の間で画像出現認識時刻に意図的に時間差を設けることができ、これにより観察用画像の形成過程において出現する画像をアニメーションのように変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、観察用画像として出現する第1画像領域の画像A及び第2画像領域の画像Bの、現像処理開始後の時間と濃度との関係の一例を示すグラフである。
図2図2は、実施例1の観察用画像を示す概念図である。
図3図3は、実施例2の観察用画像を示す概念図である。
図4図4は、観察用画像の実施例1に対応する複数の観察用画像試料の特徴を示す図表である。
図5図5は、観察用画像の実施例2に対応する複数の観察用画像試料の特徴を示す図表である。
図6図6は、観察用画像の実施例3に対応する複数の観察用画像試料の特徴を示す図表である。
図7図7は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるスマートフォンの外観を示す図である。
図8図8は、図7に示したスマートフォンの内部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面に従って本発明に係る画像形成方法、装置及びプログラムの好ましい実施形態について説明する。
【0034】
[方法及び用語の定義]
本実施形態の説明に先立って、本明細書で使用する方法及び用語について説明する。
【0035】
<画像形成方法>
本発明に係る観察用画像は、支持体上に画像形成材料の前駆体を像様に描画形成させ、前駆体に化学反応を進行させて視覚的に観察可能な画像として形成されるものである。
【0036】
観察用画像の形成方法の一つの態様は、外部からは観察できない位置に存在する固定化された色素又はその前駆体を、化学反応を用いて拡散可能な状態とし、観察可能な位置まで拡散させて画像を形成する方法である。
【0037】
具体的な一つの例としては、白色顔料層の裏側の外部からは観察できない層に存在する固定化された色素を、像様に露光したハロゲン化銀乳剤の還元反応を利用して、露光像に対応して選択的に色素を拡散可能な状態とし、白色顔料層の表面側の観察可能な位置まで拡散させることにより画像を形成する方法である。
【0038】
別の具体的な例としては、上記のように白色顔料層の裏側から表側に色素を拡散させる系において、予め像様に色素を描画しておき、その色素をアルカリで可溶化し、拡散させる方法も挙げられる。
【0039】
観察用画像の形成方法の他の態様は、実質画像として認識されない程度の着色レベルの画像形成材料の前駆体を化学反応させて着色物とし、人間の視覚的に観察可能な画像に変換する方法である。
【0040】
具体的な一つの例としては、酸化すると着色する性質を有し、還元状態では実質無色のロイコ色素を支持体上に像様に描画し、酸化させて着色させ画像を形成する方法である。
【0041】
<像様に描画形成する方法>
本発明において、「像様に描画形成する方法」には、大別すると、3つの方法がある。
【0042】
一つの態様では、画像形成材料(物質)の直接の前駆体そのものを、化学反応の後に観察される像に応じた形で描画する方法である。
【0043】
他の態様では、画像形成物質の直接の前駆体そのものを像様に描画するのではなく、画像形成物質が像様に所望する化学反応を起こすように、系内にその反応を誘起する化学物質を像様に描画する方法であり、例えば、還元剤を像様に描画する方法などである。
【0044】
更に他の態様では、画像形成物質の直接の前駆体そのものを像様に描画するのではなく、画像形成物質が像様に所望する化学反応を起こすように、系内の他の化学物質に像様の反応開始のトリガーを入力する方法であり、例えば、ハロゲン化銀乳剤を露光する方法などである。
【0045】
像様に描画する際には、インク組成物を用いる場合には、公知の塗布、印刷技術を用いることができる。細かい画像の描画にはインクジェット方式を用いることが好ましい。ハロゲン化銀写真材料に描画する際には、公知の露光方法を用いて描画することができる。
【0046】
<化学反応>
本発明において、「化学反応」とは、反応の制御が容易などの観点から、色素の前駆体の酸化、還元、発色団の形成反応、金属イオンの還元による着色、固定化された色素の放出などが挙げられる。なかでも、化学反応を進行させる際には、還元剤や酸化剤の消費のような不可逆な材料の変化を含むことも好ましい。
【0047】
化学反応の開始とは、画像形成物質の前駆体及び化学反応に必要な成分が支持体上に供給開始された時点を指す。例えば、現像の場合には、現像液が感光材料に接触した時点を指し、空気による酸化の場合には、必要な成分が全て支持体上に塗設され空気に暴露された時点を指す。
【0048】
<画像出現認識時刻>
観察用画像は、前駆体に化学反応を進行させて視覚的に観察可能な画像として出現する。ここで、画像が認識可能に出現する時刻(以下、「画像出現認識時刻」という)とは、観察用材料上で化学反応が開始し、画像の濃度が上昇する過程で、その時点での画像の最高濃度部が観察者に認識できる時刻をいう。
【0049】
画像の出現を認識できる画像の濃度(=log10(入射光強度/反射光強度))の限界は、画像が形成される支持体のバックグランド濃度やその揺らぎなどによっても異なる。例えば、微小な反射率の揺らぎを有する和紙や布地様の微細な模様を有する支持体の場合には、画像の出現が認識しにくい。また、高濃度領域の面積は、1mmφ以上の画像領域か、0.3mm幅以上の領域が線状につながった領域であると認識しやすい。強いて数値として挙げるならば、反射率の揺らぎの小さい均一性の高い支持体の場合には、例えば、画像に直接隣接している周囲との濃度差が、0.04以上、好ましくは0.06以上あると、多くの人が画像出現を認識できる。
【0050】
観察者が、画像の出現を観察する温度に関しては特に制限はないが、例えば、−10℃〜50℃、好ましくは0℃〜40℃、より好ましくは10℃〜30℃程度の室温である。
【0051】
<モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料>
モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料は、感光性シート及び透明カバーシートとその間に展開されるアルカリ処理組成物含有体とを具備する。材料の構成成分は、例えば、アルカリ、現像薬、遮光材、増粘剤、透明支持体、受像層、白色反射層、色素像形成化合物、ハロゲン化銀乳剤、混色防止剤、高沸点有機溶媒、中和機能を有する層、界面活性剤、ポリマーラテックスなどがあり、特許文献1、2に記載されているものを用いることができる。
【0052】
ハロゲン化銀写真感光材料は、感色性の異なる多層のハロゲン化銀乳剤層を含むものが好ましい。一般には、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色(光の3原色)に感光し、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色(色の3原色)の色素を用いて減色法の色再現をする感光材料が好ましい。例えば、特許文献1、2等に記載されている技術を用いることができる。また、これら技術内容を一部含む“チェキ”用フィルム(インスタントフィルム instax mini (商品名))の感光材料などを用いることができる。
【0053】
[画像形成方法の第1実施形態]
以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本発明及び本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0054】
本発明に係る画像形成方法の第1実施形態は、モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料を使用する。
【0055】
このモノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に、以下の工程により生成した入力用画像を(光)入力し、現像処理を行うことで観察用画像を形成する。即ち、モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に入力用画像を入力することで、画像形成材料の前駆体を像様に描画形成させる。また、現像処理が化学反応に対応する。
【0056】
この画像形成により得られる観察用画像は、画像出現認識時刻の異なる第1画像領域及び第2画像領域をそれぞれ少なくとも1領域以上含み、本例では、観察用画像における第1画像領域は、現像処理開始後の画像出現が第2画像領域に対して相対的に早い画像領域である。
【0057】
上記の特徴を有する第1画像領域及び第2画像領域を含む観察用画像の形成に使用する入力用画像は、以下の工程により生成する。
【0058】
(1)1乃至複数の元画像を取得し、取得した元画像に対して第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する第1画像及び第2画像を決定する(工程(1))。
【0059】
(2)第1画像に対する第1描画条件であって、第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第1描画条件を作成する(工程(2))。
【0060】
(3)第2画像に対する第2描画条件であって、第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第2描画条件を作成する(工程(3))。
【0061】
(4)第1画像と第1描画条件、及び第2画像と第2描画条件に基づいて観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する(工程(4))。
【0062】
ここで、画像出現認識時刻とは、化学反応が開始してから画像領域の最高濃度部が認識可能に出現する時刻を表し、第1画像領域の画像出現認識時刻と第2画像領域の画像出現認識時刻との差は、5秒以上12時間以下であることが好ましい。
【0063】
具体的には、画像出現認識時刻とは、化学反応開始としての現像処理開始後、観察用画像において、画像最高濃度部の青(B)、緑(G)、赤(R)の3色(光の3原色)の濃度の少なくとも一つが0.04を超える時刻を表す。本発明において、B、G、R濃度とは、D65光源下で、ステータスAのフィルタ条件で測定した濃度を表す。
【0064】
また、第1画像領域は、現像処理の開始後、第1画像領域の最高濃度部のB、G、R濃度のうちの少なくとも一つが0.04以上となる時刻をT1とし、第1画像領域の最高濃度部のB、G、R濃度の少なくとも一つが0.08以上となる時刻をT2としたとき、次式、
[数1]
1秒≦T2−T1≦15秒
を満たし、かつ現像処理が開始してから24時間後の第1画像領域の最高濃度部のB、G、R濃度のうち最も高い濃度が、0.40以上3.0未満になる領域である。
【0065】
第1画像領域の画像出現認識時刻T1には特に制限はないが、例えば、5秒〜90秒であり、好ましくは10秒〜80秒、より好ましくは10秒〜70秒である。画像濃度が0.04のT1時点では、画像が出現してきたことは認識できるが、画像の内容までは瞬時に理解するのはやや困難である。画像濃度が0.08になるT2時点では、濃度の上昇及びT1からの経過時間があるため画像の内容に関しても十分に認識できるレベルである。
【0066】
尚、画像出現認識時刻T1、T2の差(T2−T1)は、[数1]式で示した範囲に限らず、好ましくは2秒〜12秒、より好ましくは2〜8秒とすることができる。
【0067】
一方、第2画像領域は、画像出現認識時刻が第1画像領域より遅い画像領域であり、現像処理の開始後、第2画像領域の最高濃度部のB、G、R濃度のうちの少なくとも一つが0.04以上となる時刻をT3としたとき、次式、
[数2]
5秒≦T3−T2≦12時間
を満たし、かつ現像処理が開始してから24時間後の第2画像領域の最高濃度部のB、G、R濃度のうち最も高い濃度が、0.08以上2.5未満になる領域である。
【0068】
尚、画像出現認識時刻T2、T3の差(T3−T2)は、[数2]式で示した範囲に限らず、好ましくは5秒〜30分、より好ましくは6秒〜20分とすることができる。
【0069】
このように、観察用画像の第1画像領域及び第2画像領域の各画像が、上記[数1]式及び[数2]式等に示した範囲を満たすことで、第1画像領域の画像(画像A)を認識した後に、第2画像領域の画像(画像B)を認識するまでに、十分で適切な時間間隔が得られる。
【0070】
本発明者は、色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料においては、各色の色素の組み合わせや濃度領域によって、画像として認識されるタイミングが必ずしも同一でないことに気づいた。逆に、色素放出拡散転写型感光材料の特性及び観察する人間の視覚特性に基づいて、最終的な観察用画像を作成すれば、それぞれの画像毎に画像出現認識時刻に有意な差をつけることができると考えた。例えば、観察用画像内の複数の領域の各画像を、時間間隔をおいて出現させ、各画像によるメッセージを順番に出現させることで、アニメーションのような効果を得ることが可能になると考えたのである。
【0071】
アニメーションのような効果には、第1画像領域及び第2画像領域の各画像が2コマ漫画のように1コマ目が認識された後に、2コマ目を初めて認識されるような効果、同一画面内でも、徐々に特定のものにフォーカスされていくような効果、第1画像の情報が時間の経過とともに第2画像の情報で消されるような効果を含む。
【0072】
第1実施形態では、断りの無い限り、画像出現に関連する上記の時刻T1、T2、T3、ハロゲン化銀写真感光材料の露光、現像処理、及び観察は、25℃で行なったときの値を表す。また、第1実施形態において、観察用画像とは、モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀社写真感光材料上に、転写色素が色素受像層に固定化されて形成される画像である。
【0073】
また、画像出現認識時刻を定めるときには、その時点での最低濃度をDminとして、画像部と最低濃度Dminとの差で、B、G、Rの濃度を定めるものとする。尚、ここでいう最低濃度部とは、感光材料の観察用画像面で意図的な色素による着色を行わない状態の部分の濃度を表すものとする。これは、現像処理の過程で処理液が感光材料中に浸透し、その後乾燥するなどの過程を経るため、反射散乱条件が時間と共に変化し、観察用画像の最低濃度は現像処理開始後の時間により変化するからである。
【0074】
<画像出現に関連する認識時刻>
図1は、観察用画像として出現する第1画像領域の画像A及び第2画像領域の画像Bの、現像処理開始後の時間と濃度との関係の一例を示すグラフである。
【0075】
図1において、実線のグラフで示す第1画像領域の画像Aは、現像処理後の時刻T1で第1画像領域の最高濃度部のB、G、R濃度のうちの少なくとも一つが、濃度0.04に達し、一方、破線のグラフで示す第2画像領域の画像Bは、現像処理後の時刻T3で第2画像領域の最高濃度部のB、G、R濃度のうちの少なくとも一つが、濃度0.04に達する。
【0076】
また、実線のグラフで示す第1画像領域の画像Aは、現像処理後の時刻T2で第1画像領域の最高濃度部のB、G、R濃度のうちの少なくとも一つが、濃度0.08に達する。
【0077】
ここで、第1画像領域の画像濃度に関し、画像濃度が0.04のT1時点では、画像Aが出現してきたことは認識できるが、画像Aの内容までは瞬時に理解するのはやや困難である。画像濃度が0.08になるT2時点では、濃度の上昇及びT1からの経過時間があるため画像Aの内容に関しても十分に認識できるレベルである。
【0078】
また、画像出現認識時刻T2に達してから画像出現認識時刻T3に達するまでの画像出現認識時刻T2、T3の差(T3−T2)が、[数2]式で示した範囲を満たすことで、第1画像領域の画像Aを認識した後に、第2画像領域の画像Bを認識するまでに、十分で適切な時間間隔が得られる。
【0079】
第2画像領域の画像出現が、例えば、[数2]式で示した範囲の最大値の12時間も要する場合とは、第1画像領域の画像A及び第2画像領域の画像Bの間で「問い」と「答え」のような関係を有している場合に、「答え」がでるまでに、約一晩考える時間があることを意味している。
【0080】
第2画像領域の画像出現認識時刻T3における、第1画像領域の最高濃度部のB、G、R濃度のうちの少なくとも一つの濃度D(T3時)は、好ましくは0.15〜3.0であり、より好ましくは0.25〜2.60、最も好ましくは0.30〜2.40である。第2画像領域の画像出現が認識される時刻T3において、第1画像領域の画像Aと第2画像領域の画像Bの濃度に十分な差があることで、第1画像領域の画像Aを明瞭に強く認識できる。尚、本実施形態においては、処理液が感光材料の膜面に接した瞬間を、現像処理の開始時刻の起点とする。
【0081】
また、画像出現認識時刻に関連して、少なくとも画像出現認識時刻が相対的に早い第1画像領域と遅い第2画像領域の2段階に分かれていることが必要であるが、更に第2画像領域の中でも、明確に画像出現時刻が更に遅い領域を存在させても良い。そのような場合には、画像出現認識時刻が異なる各画像の出現は、3段階又はそれ以上にすることもできる。
【0082】
第1画像領域は、ほぼ同じ画像出現認識時刻を有する複数の画像領域からなっても良い。
【0083】
同様に、第2画像領域も、ほぼ同じ画像出現認識時刻を有する複数の画像領域からなっても良い。
【0084】
<画像出現認識時刻の制御>
本発明の一つの態様としては、画像として観察者が認識する際の、人の目の分光感度分布も考慮すると、G濃度やR濃度の高い色相の画像であると、視認性が高く、第1画像領域の画像Aとして用いることが好ましい。逆に、第2画像領域の画像Bの色相としては、G濃度やR濃度が低く、B濃度が高い色相が好ましい。
【0085】
また、第1画像領域の画像Aは、早く色素画像として認識されることが必要であり、拡散色素量を増大させるには、感光材料中での色素の濃度勾配を高くすることが有効であるため、生成色素量を上昇させることが好ましい。
【0086】
本実施形態において、第1画像領域と第2画像領域の画像出現認識時刻を変更させる一つの好ましい態様について説明する。
【0087】
具体的には、観察用画像の現像処理が開始してから24時間後の第1画像領域の最高濃度点の3原色の各濃度値(R、G、B濃度値)の合計ΣDaは、次式、
[数3]
0.50≦ΣDa≦8.0
を満たし、現像処理が開始してから24時間後の第2画像領域の最高濃度点の3原色の各濃度値(R、G、B濃度値)の合計ΣDbは、次式、
[数4]
0.20≦ΣDb≦3.5
を満たし、更に合計ΣDaと合計ΣDbとの差は、次式、
[数5]
0.50≦ΣDa−ΣDb≦7.8
を満たすように、画像濃度を設定することが好ましい。
【0088】
ここで、ΣDaは、[数3]式に示したように、0.50〜8.0が好ましく、0.80〜8.0がより好ましく、最も好ましくは1.2〜7.00である。この範囲にすることで、第1画像領域の画像出現認識時刻を所望の早い時刻に設定することができて好ましい。
【0089】
また、ΣDbは、[数4]式に示したように、0.20〜3.50が好ましく、0.60〜3.0がより好ましく、最も好ましくは0.70〜2.8である。この範囲にすることで、最終的に24時間後の第2画像領域の画像Bとしての濃度もある程度十分に濃度を有した上で、画像出現認識時刻T3を一定値以上に遅くすることができて好ましい。
【0090】
また、ΣDa−ΣDbは、[数5]式に示したように、0.50〜7.80が好ましく、0.70〜6.5がより好ましく、最も好ましくは1.00〜5.50である。この範囲にすることで、T3−T2を一定の範囲に収めることができ、第1画像領域の画像A及び第2画像領域の画像Bの出現認識時刻の差を有意に感じることができる。
【0091】
また、画像として観察者が認識するときの印象は、画像の明るさに大きく影響されるため、現像処理が開始してから24時間後の観察用画像において、第1画像領域の画像Aの最高濃度部のCIELAB表色空間におけるL*値は、5以上70以下であり、第2画像領域の画像Bの最高濃度部におけるL*値は、60以上95以下であり、第1画像領域の画像AのL*値と第2画像領域の画像BのL*値との差(△L*値=画像BのL*値−画像AのL*値)は、15以上80以下であることが好ましい。
【0092】
ここで、△L*値は、20〜80であることがより好ましく、最も好ましくは30〜75である。この△L*値の条件を満たした上で、画像Aの最高濃度部のL*値は5〜70であることが好ましく、5〜60であることがより好ましく、最も好ましくは5〜55であり、画像Bの最高濃度部のL*値は60〜95が好ましく、70〜90がより好ましく、最も好ましくは75〜85である。
【0093】
L*がこの範囲にあることで、画像Aの出現と画像Bの出現認識時刻差が明確に付けやすくなり、出現後の画像も視認しやすい濃度とすることができる。
【0094】
本実施形態においては、色度値は、CIE1976L*a*b*表色空間(以後「CIELAB表色空間」と略す)で行ったものを表す。CIELAB表色空間の詳細は、日本写真学会・日本画像学会編「ファインイメージングとカラーハードコピー」354ページ(1999年、コロナ社刊行)に詳記されている。本実施形態においては、色度値は、写真感光材料の白地バックグランドを差し引きすることはせず、観察用画像そのものの色度値を表す。
【0095】
更に、本実施形態において、現像処理が開始してから24時間後の観察用画像において、上記L*の条件を満足した上で、更に画像A及び画像Bの最高濃度部の色相角は、以下の条件を満たすことが好ましい。
【0096】
具体的には、第1画像領域の画像Aの最高濃度点の色相角hは、0°以上75°以下、95°以上215°以下、及び235°以上340°以下のうちのいずれかの範囲にあり、第2画像領域の画像Bの最高濃度点の色相角hは、0°以上120°以下、135°以上235°以下、及び330°以上360°以下のうちのいずれかの範囲にあることが好ましい。
【0097】
ここで、色相角hとは、CIELAB表色空間において、h=arctan(b*/a*)で表される角度である。
【0098】
上記範囲を概略的なイメージで説明するならば、画像Aは、赤系、緑系、青系の色相であり、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の色素を用いた減色法の色再現を行う感光材料においては、2色、好ましくは3色の色素を混合して用いる色相である。また、画像Bは、イエロー単色を中心に一部マゼンタやシアンを混合した色相や、シアン単色を中心にイエローとマゼンタを混合した色相、またはマゼンタ単色である。このような色素の組み合わせとすることで、最終画像の視認性を高くしつつ、画像出現認識速度差を十分にすることができる。
【0099】
<色素放出層の制御>
本発明が適用されるモノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料は、少なくとも感色性の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層及び各ハロゲン化銀乳剤層に対応した複数の色素放出層を含み、現像処理をきっかけとして放出された色素が色素受像層に固定されて最終的な観察用画像を形成するものである。
【0100】
観察用画像の第1画像領域の最高濃度部における色素受像層に最も近い色素層から放出された単位面積あたりの色素量は、第2画像領域の最高濃度部における色素層から放出された単位面積あたりの色素量よりも多いことが好ましい。この態様にすることで、観察用画像の第1画像領域の画像Aと第2画像領域の画像Bの画像出現認識時刻の差を大きくすることができる。
【0101】
また特に、観察用画像の第1画像領域の画像Aに対応する入力用画像は、現像処理によって、主として色素受像層に最も近い色素放出層から色素を放出せしめる画像であり、第2画像領域の画像Bに対応する入力用画像は、現像処理によって、主として色素受像層から最も遠い色素放出層から色素を放出せしめる画像であることが好ましい。
【0102】
ここで、色素放出層が最下層、中層、最上層の3層からなる場合について記載すると、一つの実用的なカラー感光材料の態様としては、最下層がシアン色素放出層、中層がマゼンタ色素放出層、最上層がイエロー色素放出層である構成を挙げることができる。
【0103】
現像処理が開始してから速やかに画像を認識させる第1画像領域の画像Aを構成する色素の供給層は、最終的な画像濃度が高く視認性を高めるという点から、3層が最も好ましく、2層が好ましく、1層でも良い。
【0104】
また、色素の拡散距離が短いという点から、その位置としては、最下層+中層+最上層が最も好ましく、最下層+中層、最下層+最上層が好ましく、中層+最上層、最下層のみ、中層のみでも良い。
【0105】
また、相対的に画像出現の遅い第2画像領域の画像Bを構成する色素の供給層は、1層が最も好ましく、2層でも良く、3層を禁じるものではない。
【0106】
また、その位置としては、最も好ましくは、最上層のみであり、最上層+中層も好ましく、最上層+最下層、中層のみ、最下層のみでも良い。
【0107】
但し、最下層から放出された色素に由来する最終画像中の光学濃度は、画像A>画像Bであることが必須である。
【0108】
モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀感光材料の一つの態様として、R、G、Bの3色の波長領域に感光性を持ち、実質的にモノクロームの観察用画像を与える拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料も知られている。これは、例えば、以下のようにして実現できる。B、G、Rの3色のそれぞれの波長領域に感光性を持つハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ独立に設け、それぞれの感光層に対して、イエロー、マゼンタ、シアンの色素が混合して放出可能なようにしておくことで、3色の色素の混合物で実質的に黒画像を形成することができる。また、このような技術内容を含む“チェキ”用フィルム(チェキ専用フィルム モノクローム(商品名))の感光材料を用いることも好ましい。
【0109】
このような態様のモノクロームの感光材料を用いた場合にも、R、G、Bの露光波長を制御することで、現像する乳剤層を選択出来て、色素を放出させる層を適宜設定することができる。例えば、画像出現の認識速度差が顕著である態様としては、以下のような構成が挙げられる。
【0110】
観察用画像の第1画像領域の画像Aを形成する色素を放出させる層として、最下層+中層+最上層が最も好ましく、最下層+中層、又は最下層のみでも良い。
【0111】
また、観察用画像の第2画像領域の画像Bを形成する色素を放出させる層として、最上層のみが最も好ましく、中層のみでも良い。
【0112】
<入力用画像の生成方法>
第1実施形態の画像形成方法では、感光材料に入力用画像を入力し、現像処理を行い、観察用画像を形成する。感光材料をデジタル露光する場合には、一般的なカラーマネージメントとして、元画像の色域を感光材料で再現できる色域のなかにマッピングし、その色域内の画像を形成するように露光の条件を決定している。
【0113】
先ず、好ましい第1態様として、複数の元画像を組み合わせて入力用画像を生成する場合について説明する。
【0114】
この場合、工程(1)では、複数の元画像を取得し、取得した元画像に対して第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する第1画像及び第2画像を決定する。
【0115】
いま、2枚の元画像を使用して入力用画像を生成する場合、一方の元画像を第1画像として決定し、他方の画像を第2画像として決定することができる。
【0116】
2枚の元画像のうちのいずれの画像を第1画像領域用として使用するか、又は第2画像領域用として使用するかは、ユーザが、最終出力の観察用画像を想定しながら、画像内での各被写体の距離的な前後関係や、画像内の「意味の文脈」を元に、画像出現認識時刻の前後関係を決定することで設定することができる。
【0117】
「意味の文脈」の組み合わせ例としては、例えば、[質問vs.回答]、[予告vs.回答]、[表題vs.詳細]、[時間の流れの前期vs.後期]、[短歌の上の句vs.下の句]、[適用の有りvs.無し]などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0118】
元画像は、人物や風景を撮影したものでも良いが、画像ソフトなどを用いて作画したもの、イラスト、アイコン、文字情報であっても良い。
【0119】
複数の元画像から入力用画像を生成する場合には、各々個別に、画像出現時刻を調節して作画した画像や文字情報等の複数の画像を合体させて最終的な入力用画像にすることができる。
【0120】
尚、本例では、ユーザからの指示を受け付けて、複数の元画像に対して第1画像領域に対応する第1画像(第1元画像)、及び第2画像領域に対応する第2画像(第2元画像)を決定することができるが、人工知能(AI:artificial intelligence)により、第1画像領域の画像Aに適した第1元画像)、及び第2画像領域の画像Bに適した第2元画像を決定させるようにしてもよい。
【0121】
AIとしては、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolution Neural Network)による学習済みモデルを使用することができる。この場合、元画像と、その元画像が第1画像領域の画像Aに適した第1元画像か、又は第2画像領域の画像Bに適した第2元画像かを示す正解データとをペアとする学習用データのデータセットにより、CNNを機械学習させることで、学習済みモデルを構成することができる。
【0122】
続いて、第1画像として決定した第1元画像、及び第2画像として決定した第2元画像を使用し、以下の工程(2)〜(4)により入力用画像を生成する。
【0123】
工程(2)では、第1画像に対する第1描画条件であって、第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第1描画条件を作成する。
【0124】
工程(2)においては、画像の濃度や色相、拡散転写型色素の感光材料内での色素発生層を考慮して、第1画像領域の画像Aに適した第1画像(第1画像として決定した第1元画像)に対する第1描画条件を作成することができる。後述する工程(3)との関係で、画像出現認識時刻が相対的に早くなるような第1描画条件を作成する必要がある。
【0125】
一つの手段としては、第1画像領域の画像Aを形成すべく、高濃度で色素量が多く、シアン色やマゼンタ色を中心に混合させた色を中心とした、第1元画像に対する第1描画条件を作成することが好ましい。例えば、第1元画像において、画像濃度を高く変換したり、明るさや色相を調節したりすることができる。また、第1元画像として、黒、青、赤を中心とした文字情報を用いることも好ましい。
【0126】
このようにして作成される第1描画条件により第1元画像を画像処理し、第1画像領域に対応する入力用画像を生成することで、入力用画像内の第1画像領域の画像出現時刻は、相対的に早いものとなる。
【0127】
工程(3)では、第2画像に対する第2描画条件であって、第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第2描画条件を作成する。
【0128】
工程(3)においては、上記工程(2)に対して、入力用画像内の第2画像領域の画像出現時刻が、相対的に遅くなるように第2画像(第2画像として決定した第2元画像)に対する第2描画条件を作成する。第2画像の濃度、明るさ、色相、拡散転写型色素の感光材料内での色素発生層を考慮して、第2画像領域の画像Bに適した第2画像に対する第2描画条件を作成することができる。前述の工程(2)との関係で、第2画像に対する第2描画条件は、イエローを中心とした画像を形成する画像条件にすることが好ましい。
【0129】
工程(4)では、第1画像と第1描画条件、及び第2画像と第2描画条件に基づいて観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する。
【0130】
工程(4)においては、工程(1)で決定した第1画像(第1元画像)、及び第2画像(第2元画像)を、それぞれ工程(2)及び工程(3)で作成した第1描画条件及び第2描画条件にしたがって画像濃度や色相を調節する画像処理を行い、画像処理後の画像を組み合わせて最終的な入力用画像を生成する。
【0131】
最終的に一つの入力用画像として合成する際に、画像処理後の第1画像領域及び第2画像領域の各画像を上下又は左右等に並べて合成してもよいし、第2画像領域の画像B上に、文字情報などを第1画像領域の画像Aとして重ねてもよい。
【0132】
また、他の態様では、単一の元画像を起源として、入力用画像を形成するようにしてもよい。
【0133】
1枚の元画像から入力用画像を生成する場合には、例えば、元画像内で第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する各領域内の画像を、それぞれ第1画像及び第2画像として決定する(工程(1))。
【0134】
例えば、工程(1)において、第1画像領域及び第2画像領域を決定する際に、起源となる1枚の元画像内でのそれぞれの領域を区別して認識する基準としては、元画像内の位置情報([左側vs.右側]、[中央vs.周辺]、[上部vs.下部]、[近景vs.遠景]など)、元画像内の濃度や色相情報([高濃度vs.低濃度]、[青系統の色相vs.黄色系統の色相]など)、元画像内の意味情報([近景vs.遠景]、[人物vs.背景]、[文字情報vs.背景])などを挙げることができる。これら情報は、公知の技術で画像から特定の領域を抽出して認識する手法(AI等)を適用することができる。
【0135】
1枚の元画像内の第1画像領域として決定された領域の第1画像、及び第2画像領域として決定された領域の第2画像に対し、それぞれの画像出現認識時刻を調整するために第1描画条件及び第2描画条件が作成されるが、これらの第1描画条件及び第2描画条件は、複数の元画像の場合と同様に、工程(2)及び工程(3)により作成することができる。
【0136】
即ち、第1描画条件及び第2描画条件は、第1画像領域及び第2画像領域のそれぞれの画像出現認識時刻を満たすように色空間条件(画像濃度や色相条件)を調整することにより作成することができる。
【0137】
工程(4)では、第1画像と第1描画条件、及び第2画像と第2描画条件に基づいて観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成するが、この場合の第1画像及び第2画像は、それぞれ元画像内の第1画像領域及び第2画像領域に対応する画像であるため、第1描画条件及び第2描画条件で画像処理された各画像A、Bは合体させる必要はない。
【0138】
[画像形成方法の第2実施形態]
本発明に係る画像形成方法の第2実施形態は、入力用画像が被写体を撮影した画像のみから実質的になるものであって、撮影環境を整えて被写体を準備し、準備した被写体を撮影することで入力用画像を取得する方法である。
【0139】
画像形成方法の第2実施形態は、モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に入力用画像を入力し、現像処理を行うことで観察用画像を形成する点で、第1実施形態と共通するが、入力用画像の生成方法が第1実施形態と相違する。
【0140】
第2実施形態では、第1画像領域及び第2画像領域を含む観察用画像の形成に使用する入力用画像は、以下の工程により生成する。
【0141】
(11)被写体に含まれる複数の領域であって、第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する第1領域及び第2領域を含む複数の領域を決定する(工程11)。
【0142】
(12)第1領域に対する第1撮影環境であって、第1画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第1撮影環境を整える(工程12)。
【0143】
(13)第2領域に対する第2撮影環境であって、第2画像領域の画像出現認識時刻の条件を満たす第2撮影環境を整える(工程13)。
【0144】
(14)第1撮影環境及び第2撮影環境の下で被写体を撮影し、観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成する(工程14)。
【0145】
工程(11)は、最終的に得られる観察用画像において、画像領域内を、少なくとも第1画像領域と第2画像領域とに決める。第1画像領域及び第2画像領域以外に特に定めない領域を決めてもよい。
【0146】
工程(11)では、撮影しようとする被写体に対して、第1画像領域及び第2画像領域にそれぞれに対応する第1領域及び第2領域を含む複数の領域を決定する。
【0147】
第2実施形態の工程(12)及び工程(13)は、第1実施形態の工程(2)及び工程(3)との違いは、後者は、既にある画像(元画像)が、所望の画像出現の挙動を示すように、画像の濃度、明るさ、色相などを調節する描画条件を作成するのに対し、前者は、これから撮影しようとする被写体の画像が、所望の画像出現の挙動を示すように被写体側の撮影環境を調整することにある。
【0148】
具体的には、工程(12)及び工程(13)においては、被写体自身の着色、メイクアップ、照明条件(スペクトル、強度)などを、それぞれ被写体内の第1領域及び第2領域に応じて調整することで撮影環境を整える。
【0149】
例えば、ディスプレイ上に所望の画像を濃度、明るさ、色相などを調節して表示したものを、被写体の一部や背景(被写体の第1領域又は第2領域)に用いることも好ましい。また、白い壁や幕に、濃度、明るさ、色相などを調節した画像を投影することも可能である。
【0150】
工程(14)は、工程(11)、工程(12)及び(13)により撮影環境が整えられた被写体を撮影することで、観察用画像の形成に使用する入力用画像を生成(取得)する。
【0151】
画像形成方法の第2実施形態においては、入力用画像のハロゲン化銀写真感光材料への入力は、デジタル又はアナログの2つの手段をとることができる。
【0152】
一つの手段としては、入力用画像のデジタル画像を、予め露光系と感光材料の特性に基づき設定されたカラーマネージメントに従い露光条件に変換して、露光ヘッドを介してハロゲン化銀写真感光材料に露光するものである。この場合、デジタルカメラ、スマートフォンのカメラ等で被写体を撮影したデジタル画像をそのまま入力用画像とするものである。
【0153】
別の一つの手段としては、被写体をそのままカメラの光学系を通して、ハロゲン化銀写真感光材料で撮影し、入力用画像として入力する方法である。
【0154】
<感光材料の露光>
本発明の一つの態様では、入力用画像をデジタル画像として用意して感光材料が感光する光情報として露光する。
【0155】
本発明の写真感光材料に適用される好ましい露光方法は、波長の異なる複数種類の光源を有する露光ヘッドを用いて露光する方法である。例えば、特開平11−344772号公報などに記載の方法に準じて行うことができる。これら露光ヘッドとしては、LEDヘッド、有機EL(EL:Electro Luminescence)ヘッド、無機ELヘッドが好ましく、特に有機ELヘッドが好ましい。また、感光材料に密着してディスプレイの発光面を設け、平面的に露光することもできる。この場合は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイを用いることができる。感光材料がポジ型、ネガ型の場合でも、感光材料の分光感度に応じて、入力用画像を作成することができる。
【0156】
本発明の他の態様では、被写体を光学的なレンズを通して直接撮影して、アナログ方式で感光材料を露光することもできる。
【0157】
<入力用画像>
本発明において、入力用画像の生成に使用する元画像は、人物画像、風景画像、その場の撮影画像、イラスト画像、アイコン画像、テキスト画像、QRコード(登録商標)などの画像を単独又は複数枚を組み合わせて用いることができる。
【0158】
複数の元画像のうちの、最終の観察用画像の第1画像領域の画像Aに対応する第1画像(第1元画像)は、工程(2)により作成された第1描画条件により画像処理し、第1画像領域に対応する入力用画像のパーツ(第1パーツ)を作成し、同様に複数の元画像のうちの、最終の観察用画像の第2画像領域の画像Bに対応する第2画像(第2元画像)は、工程(3)により作成された第2描画条件により画像処理し、第2画像領域に対応する入力用画像のパーツ(第2パーツ)を作成し、これらの第1パーツ及び第2パーツをテンプレートのようにしておくことができる。これらテンプレートは随時用いることができ、必要な観察用画像に対応する入力用画像を作成する際に、第1パーツ及び第2パーツを含む複数のテンプレートを組み合わせて構成することも可能である。
【0159】
観察用画像の第1画像領域の画像A及び第2画像領域の画像Bは、それぞれ単数又は複数としても良い。画像Aと画像Bの境界領域は、最終画像において両者が違和感なくつながるように、入力用画像を生成(合成)することもできる。
【0160】
感光材料の感光性がポジ型の場合には、入力用画像と最終の観察用画像とでポジ/ネガの反転がなく入力用画像を作成できるという点で好ましい。
【0161】
また、第1画像領域の画像A及び第2画像領域の画像Bが決まれば、最終の観察用画像内で大きな意味を持たない領域の画像には、敢えて画像出現認識時刻を調整しない画像があっても良い。
【0162】
<撮影>
本発明の画像形成方法においては、撮影した画像を、上記元画像の一部又は全てとして、用いることができる。撮影に制限はないが、デジタルカメラやスマートフォンのカメラを用いることが好ましい。
【0163】
<現像処理>
本発明においては、感光材料は現像処理され、その際に用いることのできる現像処理剤としては、典型的にはアルカリ、増粘剤、遮光剤、現像薬、現像促進剤、現像抑制剤、酸化防止剤等を含有することができる。現像温度に特に制限はないが、例えば0℃〜40℃、好ましくは10℃から30℃である。現像時間や画像の画像出現認識時刻を算出する際には、本発明では25℃での測定値を用いる。
【0164】
本発明を以下実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0165】
<実施例1>
以下の手順に従って入力用画像を作成し、入力用画像をモノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に入力し、現像処理を行い、観察用画像を形成した。
【0166】
感光材料は、特許文献1に記載の感光要素No.103、圧力で破壊可能な容器に充填したアルカリ処理組成物(現像液)、カバーシートを用い、特開平7−159931号公報に記載の方法に準じて、モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に組み上げ、縦6.1cm×横4.5cmの観察用画面になるようにした。
【0167】
この感光材料の色素放出層の層構成順は、色素受像層に近い順にシアン色素放出層(下層)、マゼンタ色素放出層(中層)、イエロー色素放出層(上層)である。
【0168】
[入力用画像の作成]
観察用画像は、占いをテーマとしたもので、ラッキーアイテムは何かという問いに対して、その答えをアイコン画像として表示するものとした。
【0169】
図2は、実施例1の観察用画像を示す概念図である。
【0170】
まず工程(1)として以下の工程を行った。
【0171】
複数の元画像の中から、画像A用の画像として、「ラッキーアイテム占い」という文字情報画像を選択し、画像B用の画像として、「バナナ」のアイコン画像を選択し、画像A及び画像Bに用いる画像を決定した。
【0172】
続いて、工程(2)として以下の工程を行った。
【0173】
画像A用の画像の「ラッキーアイテム占い 本日のラッキーアイテムは?」という文字情報画像に対して、画像Aの画像出現にかかる時刻T1及びT2の条件を満たすように最終的な観察用画像の濃度、明るさ、及び色相の特性値を設定した。感光材料がその設定した最終画像濃度を与えるように感光材料の入力用画像を作成した。
【0174】
具体的には、文字情報はMSPゴシック体の太字でやや紺色がかった黒で、以下の条件になるようにした。
【0175】
T2−T1 4秒
D 1.50 (R濃度)
ΣDa 4.40
L* 21
h 270°
続いて、工程(3)として以下の工程を行った。
【0176】
画像B用の画像の「バナナ」のアイコン画像に対して、画像Bの画像出現にかかる時刻T3の条件を満たすように最終的な観察用画像の濃度、明るさ、及び色相の特性値を設定した。感光材料がその設定した最終画像濃度を与えるように感光材料への入力用画像を作成した。
【0177】
具体的には、バナナのアイコンは一定濃度の濃い黄色で、以下の条件になるようにした。
【0178】
T3−T1 13秒
D 1.00 (B濃度)
ΣDa 1.47
L* 77
h 90°
続いて、工程(4)として以下の工程を行った。
【0179】
工程(2)で得た画像と工程(3)で得た画像とを、観察画像用画面で適切な大きさ及び位置関係になるようにレイアウトして合成し、感光材料への入力用画像を作成した。
【0180】
[感光材料を用いた観察用画像試料101の形成]
このようにして得られた入力用画像を、上記のモノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に、特開平11−344772号公報の記載に準じてR、G、Bの3色の発光ダイオードを主走査方法に並べたマルチ発光ヘッドを用いて入力した。
【0181】
25℃で現像液を62μm厚展開し、現像処理を行い、入力用画像情報を色素画像情報に変換して観察用画像試料101を形成した。
【0182】
[感光材料を用いた観察用画像試料102の〜108の形成]
図4は、観察用画像の実施例1に対応する複数の観察用画像試料の特徴を示す図表である。
【0183】
上記観察用画像試料101の形成において、工程(2)及び工程(3)の画像出現にかかる時刻を、図4の様に変更した。その時の、各画像部の濃度、明るさ及び色相の特性値も合わせて図4に示す。
【0184】
[比較用の観察用画像試料109〜110の形成]
観察用画像試料109〜110の形成を例に用いて、比較用画像形成方法を説明する。
【0185】
観察用画像の試料101の作成において、画像出現時刻が本発明の範囲を満たさない条件を、図4に示すように設定した。その時の、各画像部の濃度、明るさ、及び色相の特性値も合わせて図4に示す。
【0186】
[画像出現の様子の官能評価]
これら、観察用画像試料101〜110の形成において、現像開始後の画像出現を観察し、画像Aと画像Bの出現がはっきり区別して認識されるかどうかを10人の被験者を用いて、以下の4ランクで評価した。
ランク4:画像A部とB部の画像出現は、充分きちんと区別して認識され、画像Bも十分高い濃度があり最終画像もメリハリがある。(4点)
ランク3:画像AとB部の画像出現は、区別して認識され、画像B部も十分高い濃度があり最終画像もメリハリがある。(3点)
ランク2:画像A部とB部の画像出現は、区別して認識されるが、画像B部の濃度が低めで画像としてはやや弱い。(2点)
ランク1:画像A部とB部が連続的に形成されてしまう印象で、両画像の出現を区別して認識しづらい。(1点)
10人の平均値を評価値として図4中に示す。
【0187】
以上、図4によれば、本発明に従い、画像A用と画像B用の画像出現にかかる時刻を設定した画像形成方法を用いれば、現像の進行に伴い変化する観察用画像は、第1段階と第2段階に明確に区別して認識されるようになることが分かる。
【0188】
<実施例2>
以下の手順に従って入力用画像を作成し、モノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に入力し、現像処理を行い、観察用画像を形成した。
【0189】
感光材料は、上記の実施例1の感光材料に対して以下の変更を行った感光材料である。
【0190】
イエロー色材層、マゼンタ色材層、及びシアン色材層の塗布組成物を塗設量の比率で混合した液を、3層それぞれの色材層の位置に3層の塗設量が同じになるように3等分して塗布した。このようにして得られた感光材料は、色素受像層に近い順に、赤感性乳剤層 (下層)、緑感性乳剤層(中層)、青感性乳剤層(上層)を有し、各色の感光性のハロゲン化銀乳剤の現像に起因して、イエロー、マゼンタ、シaアンの3色の色素が同時に転写するため、3色が混合したほぼ白黒のモノクローム調の色像が形成される感光材料である。
【0191】
[入力用画像の生成]
図3は、実施例2の観察用画像を示す概念図である。図3に示す観察用画像は、「問題」と「回答」の形式のものとした。
【0192】
問題: 明日の天気は?
回答: くもりマークのアイコン
まず工程(1)として以下の工程を行った。
【0193】
複数の元画像の中から、画像A用の画像として、「明日の天気は?」という文字情報画像を選択し、画像B用の画像として、「くもりマークのアイコン」の画像を選択し、画像A及び画像Bに用いる画像を決定した。
【0194】
続いて、工程(2)として以下の工程を行った。
【0195】
画像A用の画像の「明日の天気は?」という文字情報画像に対して、画像Aの画像出現にかかる時刻T1及びT2の条件を満たすように現像すべき層を設定し、そのような現像がされるように感光材料への入力用画像を作成した。
【0196】
具体的には、文字情報はMSPゴシック体の太字で、以下の条件になるようにした。
【0197】
T2−T1 4秒
D 1.50 (G濃度)
現像層 上層/中層/下層
3つの感光層による濃度への寄与は、それぞれ0.5ずつとした。具体的には、下層の露光現像により0.50の濃度を与える条件を決定した。その後に、それに加えて中層の露光現像により1.0になるように条件を決定し、更にそれに加えて上層の露光現像により1.5となるように、順番に露光条件を設定した。他の試料において、複数層を現像処理して画像を形成する場合も、同様に下層から順番に露光条件を決めた。
【0198】
続いて、工程(3)として以下の工程を行った。
【0199】
画像B用の画像の「くもりマークのアイコン」の画像に対して、画像Bの画像出現にかかる時刻T3の条件を満たすように現像すべき層を設定し、そのような現像がされるように感光材料への入力用画像情報を作成した。
【0200】
T3−T2 10秒
D 0.50 (G濃度)
現像層 上層のみ
続いて、工程(4)として以下の工程を行った。
【0201】
工程(2)で得た画像と工程(3)で得た画像とを、観察画像用画面で適切な大きさ及び位置関係になるようにレイアウトして合成し、感光材料への入力用画像を作成した。
【0202】
[感光材料を用いた観察用画像試料201の形成]
このようにして得られた入力用画像を、上記のモノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に、特開平11−344772号公報の記載に準じてR、G、Bの3色の発光ダイオードを主走査方法に並べたマルチ発光ヘッドを用いて入力した。
【0203】
25℃で現像液を62μm厚展開し、現像処理を行い、入力用画像情報を色素画像情報に変換して観察用画像試料201を形成した。
【0204】
[感光材料を用いた観察用画像試料202の〜204の形成]
図5は、観察用画像の実施例2に対応する複数の観察用画像試料の特徴を示す図表である。
【0205】
上記観察用画像試料201の形成において、工程(2)及び工程(3)の画像出現にかかる時刻を、図5の様に変更した。その時の、各画像部の濃度、現像層も合わせて図5に示す。
【0206】
[比較用の観察用画像試料205の形成]
観察用画像の試料201の作成において、画像出現時刻が本発明の範囲を満たさない条件を、図5に示すように設定した。その時の、各画像部の濃度、現像層も合わせて図5に示す。
【0207】
これら、観察用画像試料201〜205の形成において、現像開始後の画像出現を観察し、画像Aと画像Bの出現がはっきり区別して認識されるかどうかを10人の被験者を用いて、実施例1と同様の評価基準で評価した。10人の平均値を評価値として図5中に示す。
【0208】
以上、図5によれば、本発明に従い、現像処理によって色素が放出される色素放出層の位置を制御し、画像A用と画像B用の画像出現にかかる時刻を設定した画像形成方法を用いれば、現像の進行に伴い変化する観察用画像から読み取ることのできるメッセージが、第1段階と第2段階に明確に区別して認識されるようになることが分かる。
【0209】
<実施例3>
以下の手順に従って入力用画像を作成し、入力用画像をモノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に入力し、現像処理を行い、観察用画像を形成した。
【0210】
感光材料は、実施例1で使用した感光材料と同じものを用いた。
【0211】
[入力用画像の作成]
撮影済みの風景写真を1枚の元画像(起源画像)として、起源画像に対して以下の工程を含む入力用画像処理を行った。起源画像は、満開の桜の花を背景に日本寺院の建物のシルエットが浮かぶ画像である。
【0212】
起源画像に対して、まず工程(1)として以下の工程を行った。
【0213】
起源画像の中から、画像A用の画像領域として、「日本寺院の建物のシルエット」部分を選択し、画像B用の画像領域として、「満開の桜の花」部分を選択し、画像A及び画像Bのどちらに用いる画像であるかを決定した。
【0214】
続いて、工程(2)として以下の工程を行った。
【0215】
画像A用の画像の「日本寺院の建物のシルエット」部分の画像に対して、画像Aの画像出現にかかる時刻T1及びT2の条件を満たすように最終的な観察用画像の濃度、明るさ、及び色相の特性値を設定した。感光材料がその設定した最終画像濃度を与えるように感光材料への入力用画像を作成した。
【0216】
具体的には、起源画像はやや茶色味がかったL*が58の灰色であったが、色相角を維持したまま濃度を上昇させL*が21の暗い灰色となるようにした。
【0217】
続いて、工程(3)として以下の工程を行った。
【0218】
画像B用の画像の満開の桜の花」部分に対して、画像Bの画像出現にかかる時刻T3の条件を満たすように最終的な観察用画像の濃度、明るさ、及び色相特性値を設定した。感光材料がその設定した最終画像濃度を与えるように感光材料への入力用画像を作成した。
【0219】
具体的には、起源画像はピンク色でL*が60としっかり色が載っていたが、色相角を維持したまま明るさを上昇させL*が65になるようにした。
【0220】
続いて、工程(4)として以下の工程を行った。
【0221】
工程(2)で得た画像と工程(3)で得た画像とを再合成し、感光材料への入力用画像を生成した。
【0222】
[感光材料を用いた観察用画像試料301の形成]
図6は、観察用画像の実施例3に対応する複数の観察用画像試料の特徴を示す図表である。
【0223】
上記のようにして得られた入力用画像を、オートポジ型のモノシート型色素放出拡散転写型ハロゲン化銀写真感光材料に、特開平11−344772号公報の記載に準じてR、G、Bの3色の発光ダイオードを主走査方法に並べたマルチ発光ヘッドを用いて入力した。
【0224】
25℃で現像液を展開し、現像処理を行い、入力用画像情報を色素画像情報に変換して観察用画像試料301を形成した。その時の、各画像部の濃度、色相及び明るさの特性値も合わせて、図6に示す。
【0225】
[比較用の観察用画像試料302の形成]
起源画像をそのまま、入力用画像として用いた以外は、同様にして観察用画像試料302を形成した。その時の、各画像部の濃度、色相及び明るさの特性値も合わせて、図6に示す。
【0226】
これら、観察用画像試料301〜302の形成において、現像開始後の画像出現を観察し、画像Aと画像Bの出現がはっきり区別して認識されるかどうかを10人の被験者を用いて、実施例1に記載の方法で評価した。10人の平均値を評価値として図6中に示す。
【0227】
以上、図6によれば、起源画像をそのまま用いた場合には、画像の出現に特段の効果は認められないが、本発明の画像形成方法を用いれば、現像の進行に伴い変化する観察用画像が第1段階と第2段階に明確に区別して認識されるようになることが分かる。
【0228】
上記実施例では、工程(1)〜(4)を順次行ったが、起源画像の情報を読み取る際に画像の成り立ちを予め判断し、画像Aと画像Bの条件を満たす色域に画像をマッピングすることで、これらの工程を同時に行うことも可能である。
【0229】
<実施例4>
以下、クイズとその回答の画像を作成する例を説明する。
【0230】
元画像として、テンプレートを使用し、画像情報としては、テキストと画像からなる。
【0231】
[クイズの例]
(a)質問:聖徳太子が開いた寺院は?
(b)正解:法隆寺
<追加画像>
(c)聖徳太子肖像画写真
(d)補足説明文字情報
(e)法隆寺の5重塔の写
<画像収集>
上記(a)〜(e)の画像、テキスト情報を準備した。画像出現時間制御用プリントのソフトを起動させ、PC(personal computer)に画像を転送した。
【0232】
<画像処理工程>
工程(1)
クイズの形式に則り、画像認識速度の速い画像A用には、「質問部分=(a)」を、画像認識層度の遅い画像B用には、「正解部分=(b)」とした。
【0233】
追加画像解答部分のうち質問に関連する部分の(c)の画像は、画像A用とし、回答に関連する部分の(d)、(e)の画像は、画像B用とした。
【0234】
このような(a)〜(e)の画像のセットを、クイズ形式の画像構成の一つのテンプレートとすることができる。
【0235】
工程(2)および(3)
画像Aと画像Bが画像出現時刻を満たすように、画像の濃度、明るさ、色相をマッピングし、それぞれの画像情報を仮決めした。仮決めした画像情報に基づいて、感光材料に出力した場合の観察用画像出現のデモ画像動画を表示させることもできる。
【0236】
デモ画像を参考に、画像出現速度差をより大きくつけるか、より小さくするか、を適宜調節した。(=写真画像のマッピングのパターンを予め過去の画像データから学習させておき、典型的なパターンをシステムによって画像で表示させてもよい。)
例えば、正解に関連する、画像B用に割り当てた(b)、(d)、(e)の情報のうち、(e)の画像は他の画像よりも出現時刻を遅らせることとした。
【0237】
このように設定することで、画像B内において、法隆寺というテキスト情報に対して、それを示す画像情報が順番で出現させることができて、多段の画像出現を組むことが可能となる。
【0238】
工程(4)
上記工程を繰り返し、また(a)〜(e)の各画像のパーツの位置を整えて、最終的な入力用画像を作成した。
【0239】
<観察用画像の出力>
PCからインスタント写真のプリンタに出力用の入力用画像を転送する。プリンタは、入力用画像を露光データに変換して感光材料に露光を行う。続いて、プリンタから感光材料を押し出し、そのときに現像処理液が感材上に展開される。
【0240】
使用者は、感光材料の観察面で画像が形成されてくる過程を観察する。
【0241】
<実施例5>
実施例3の観察用画像301と同様の絵柄の観察用画像を形成することを目標として、以下の手順に従って入力用画像を作成した。それ以外は、実施例3の観察用画像301の形成と同様にして、観察用画像を形成し、評価した。
【0242】
[入力用画像の作成]
以下の工程に従って、木造のパネルの背景に大型の液晶ディスプレイを設置し、それらの撮影環境を整えて被写体を準備し、被写体を撮影して入力用画像を作成した。
【0243】
まず、工程(1)として以下の工程を行った。
【0244】
画像A用の画像領域として、「日本寺院の建物のシルエット」部分を選択し、画像B用の画像領域として、「満開の桜の花」部分を選択し、画像A及び画像Bのどちらに用いる画像領域であるかを決定した。
【0245】
続いて、工程(2)として以下の工程を行った。
【0246】
画像の出現認識時刻が画像Aの条件を満たすように、日本寺院の建物のシルエットを表す木造のパネルを作成し、適切に着色・照明して設置した。
【0247】
続いて、工程(3)として以下の工程を行った。
【0248】
画像B用の画像の満開の桜の花」部分に対して、画像の出現認識時刻が画像Bの条件を満たすように、液晶ディスプレイに表示させ、色相、濃度、明るさ等を調整した。
【0249】
続いて、工程(4)として以下の工程を行った。
【0250】
上記工程(2)で設置した木造パネルの背景に、上記工程(3)で準備した液晶ディスプレイを適切に配置し、照明等の微調整を行い、最終的な撮影用被写体の条件を確定した。
このようにして準備した被写体をデジタルカメラで撮影し、入力用画像とした。
【0251】
上記方法に従って、作成した入力用画像を用いて画像を形成させて評価した結果、現像の進行に伴い変化する観察用画像が第1段階と第2段階に明確に区別して認識されるようになることが分かった。
【0252】
また、この一連の写真の撮影から画像の出力指示までを含むプログラムをスマートフォンのアプリケーションソフトとして搭載すると、スマートフォン一台で簡単に処理することができた。
【0253】
[画像形成方法の第3実施形態]
本発明に係る画像形成方法の第3実施形態では、観察用画像は、固体分散されたアニオン系染料をアルカリ溶液で処理し、色素受像層に拡散転写させて固定される画像であり、色素受像層からの距離が異なる複数の層領域にアニオン系染料により描画される。
【0254】
画像形成材料前駆体を像様に描画形成させる、第1描画条件及び第2描画条件を作成する工程(2)及び工程(3)において、それぞれ色素受像層からの距離が異なる複数の領域(第1画像領域及び第2画像領域)にアニオン系染料により描画する描画条件を作成する。また、前駆体に化学反応を進行させて観察用画像を形成する「化学反応」とは、アルカリ溶液による処理である。
【0255】
第1画像領域の画像Aの最高濃度部における色素受像層に最も近い固体分散色素含有層から放出される単位面積あたりの色素量は、第2画像領域の画像Bの最高濃度部における固体分散色素含有層から放出された単位面積あたりの色素量よりも多いことを特徴とする。
【0256】
ここで、固体分散されたアニオン系染料は、常温では固体又はアモルファス状態のもので、球相当直径が0.05μm〜1.0μm程度の大きさのものを使用することができる。この程度の大きさを有することで、固体分散状態では媒体中の分子の拡散が抑制される。例えば、このような固体分散染料に関しては、特許第3619288号公報、特許第3545680号公報、特許第3264587号公報、及び特開平6−148802号公報等に記載の材料を用いることができる。
【0257】
例えば、固体分散されたアニオン系染料としては特許第3619288号公報の例示化合物I−1、併用染料(1)、併用染料(2)、特許第3545680号公報の染料1、11、特許第3264587号公報の染料1、4、5、6、20等を用いることができる。
【0258】
色素の分子量、親疎水性、母核構造などにより拡散速度を調節することができる。
【0259】
本態様では、色素受像層からの距離が異なる複数の位置に、固体分散染料で画像を描画することで、色素受像層までの拡散の距離を調節することができる。拡散距離を調節するには、固体分散染料で最初の描画を行なった面の上に、ゼラチンなどのバインダーで一定厚み又は領域により意図して異なる厚さの中間層を設け、更にその層の表面に2度目の固体分散染料での描画を行なうことで調節できる。中間層の厚みを調節することで、拡散距離を調節することができる。このような拡散距離の調節に用いることができる中間層は、複数層設けることができ、その度に表面に固体分散染料を描画することができる。固体分散染料は、色の異なる複数のものを用いることも好ましい。
【0260】
また、染料が固体分散状態から単分子状態に溶解する際の速度は、固体分散の粒子サイズにより調節することができる。即ち、染料の解離及び溶解は、粒子の表面で起こるため、粒子サイズを小さくすることで、単位色素量当たりの表面積を増やすことができ、溶解速度を高めることができる。また、粒子表面に吸着性物質を添加することで、溶解速度をコントロールすることもできる。
【0261】
本態様の具体的な構成例を以下に記す。
【0262】
特許文献1に記載の感光要素No.101において、バック層から第4層までを塗設した基材上に、第5層として第3層と同じ組成の中間層をゼラチン塗布量が0.29g/mになるように設け、その上に上記固体分散染料(特許第3619288号公報の例示化合物I−1)で第1画像領域の画像Aをインクジェット装置で描画した。その上に第6層として、第3層と同じ組成の中間層をゼラチン塗布量が2.50g/mになるように設けた。その上に上記固体分散染料で第2画像領域の画像Bをインクジェット装置で描画した。その上に第6層として、第3層と同じ組成の中間層をゼラチン塗布量が2.50g/mになるように設けた。圧力で破壊可能な容器に亜硫酸カリウムを除去したアルカリ処理液を充填し、特開平7−159931号公報に記載の方法に準じてモノシート型色素放出拡散転写型の材料を組み上げた。
【0263】
25℃でアルカリ処理液を62μmになるように展開し、画像の出現を観察すると、第1画像領域の画像Aが最初に出現し、それに遅れて第2画像領域の画像Bを出現させることが可能であった。
【0264】
[画像形成方法の第4実施形態]
本発明に係る画像形成方法の第4実施形態では、観察用画像は、酸化発色型の色素と、酸素により酸化可能な還元剤とを含むインク組成物を支持体上に描画して、雰囲気中の酸素により還元剤及び色素が酸化されて有色色素画像として形成される。
【0265】
画像形成材料前駆体を像様に描画形成させる、第1描画条件及び第2描画条件を作成する工程(2)及び工程(3)において、それぞれインク組成物の組成及び描画する条件を作成する。また、前駆体に化学反応を進行させて観察用画像を形成する「化学反応」とは、雰囲気中の酸素による酸化である。
【0266】
第1画像領域の画像Aは、第2画像領域の画像Bよりも還元活性が低い状態になるように描画される。
【0267】
本態様の画像形成材料前駆体の酸化発色型色素として用いることができるものとして、酸化により実質無色から有色に変化する材料、又は酸化により有色の材料が別の色に変色する材料が挙げられる。画像形成材料前駆体を含まない状態で画像を形成させる支持体自身に着色がある場合には、酸化前の材料に着色があっても画像形成材料前駆体が目立たないようにすることもある程度は可能である。好ましくは酸化前の状態では着色の少ない材料であると、支持体の白色度を上げることができて、濃度変化の大きい観察用画像を形成することが可能である。酸化発色型の色素としては、酸化により可視域での濃度が2倍以上になるものが好ましく、更に好ましくは3倍以上である。ここで可視域での濃度とは、B、G、Rの各濃度の合計値を表し、D65光源下で、ステータスAのフィルタ条件で測定した濃度を表す。
【0268】
このような材料は、ロイコ染料として知られているものを用いることができる。本態様で用いることのできるロイコ染料として、インドアニリン系ロイコ色素、インダミン系ロイコ色素、トリフェニルメタン系ロイコ色素、トリアリールメタン系ロイコ色素、スチリル系ロイコ色素、N−アシルオキサジン系ロイコ色素、N−アシルチアジン系ロイコ色素、N−アシルジアジン系ロイコ色素、キサンテン系ロイコ色素等を挙げることができる。
【0269】
また、酸化還元により色が変化する色素として、メチレンブルー、ニューメチレンブルー、フェノサフラニン、ラウスバイオレット,メチレングリーン、ニュートラルレッド、インジゴカルミン、アシッドレッド、サフラニンT、カプリブルー、ナイルブルー、ジフェニルアミン、キシレンシアノール、ニトロジフェニルアミン、フェロイン、N−フェニルアントラニル酸などを用いることができる。特に好ましくは、メチレンブルー、フェノサフラニン等の還元状態で無色を呈する色素である。
【0270】
酸化発色型色素としては、上述の有機系材料以外にも、無機系材料または金属錯体系材料が用いられる。無機系材料としては、例えば、NiO(酸化ニッケル)、Cr2O3(酸化クロム(III))、MnO2(二酸化マンガン)、またはCoO(酸化コバルト)が用いられる。金属錯体系材料としては、例えば、フェロセン、プルシアンブルー、又はタングステンシュウ酸錯体が用いられる。
【0271】
本態様においては、上記画像形成材料前駆体の酸化により観察用画像が形成されるが、その酸化の手段としては、以下の2つの方法に大別できる。
【0272】
画像形成材料の近傍の雰囲気中の酸素により酸化を進める方法、画像形成材料の近傍に酸化性の材料を存在させ、それとの化学反応で酸化を進める方法が挙げられる。画像形成材料の安全性や系を単純にすることができるなどの点から、空気中の酸素を用いた酸化を利用することが好ましい。
【0273】
支持体上の画像形成材料前駆体の酸化速度を制御し、画像出現の速度を制御するためには、一つの態様としては、雰囲気中の酸素による酸化を遅らせる還元性の化合物の量や種類を調節することにより、酸化反応を遅らせて、行うことができる。
【0274】
代表的な還元剤としては、ジヒドロキシベンゼン類(例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホネート)、3−ピラゾリドン類(たとえば1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(たとえばN−メチル−p−アミノフェノール、N−メチル−3−メチル−p−アミノフェノール類)、アスコルビン酸及びその異性体や誘導体などを、単独もしくは組合せて用いることができる。
【0275】
中でも、アスコルビン酸、ハイドロキノンモノスルホン酸カリウムまたはハイドロキノンモノスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0276】
また、上記還元剤と併用または単独で、それら還元剤の保恒剤または、自身が還元剤として亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン類、糖類、o−ヒドロキシケトン類、ヒドラジン類等を用いることができる。人体への安全性からは糖類が好ましく、フラボノイド系化合物として知られるルチンやその誘導体が好ましい。
【0277】
これら還元性の化合物は、画像形成材料前駆体と共存させ、酸化が進まない状態に保ったインク組成物を調製し、このインク組成物を支持体に描画することができる。画像領域ごとに還元活性を変えて、画像形成材料前駆体の酸化速度を制御する方法としては、インク組成物中の還元性化合物の量や種類を変更した複数種類のインク組成物を、画像領域ごとに使い分けることで達成することができる。また、画像形成材料前駆体を含まず還元性化合物のみを溶かしたインク組成物を支持体に像様に描画し、還元剤の塗設量や種類を制御することで、画像領域によって還元活性を変更することができる。画像領域によって還元活性を制御するために画像形成材料前駆体を含まないインク組成物を用いる場合には、支持体への塗設タイミングとしては、画像形成材料前駆体を含むインク組成物の塗設前、同時、塗設後のどのタイミングであっても良い。
【0278】
上記空気酸化に加えて、支持体上の画像形成材料前駆体の酸化速度を制御し、画像出現の速度を制御するためには、支持体に供給する酸化剤の量を変化させるか、酸化反応進行の活性を変化させる触媒の量を変化させることができる。例えば、支持体上の画像領域ごとにこれら成分を変化させて塗設することができる。酸化剤の例としては、過酸化水素(水)は、支持体上に残留した場合に反応後に着色物や危険な物質を残さないため、好ましい。酸化反応進行の活性変化のために、酸やアルカリを用いて、画像領域ごとにpHを調整することも好ましい。
【0279】
具体的な材料に関する構成例を以下に記す。
【0280】
以下は、酸化発色する色素の空気酸化速度差を、色素と共存する空気酸化を防止する還元剤の量を変えて付与する例である。
【0281】
紙支持体を用い、画像出現速度の速い画像用のインクと画像出現速度の遅い画像用のインクの2種のインクを用いて、インクジェット装置で描画した。
【0282】
第1画像領域の画像Aのインクには、メチレンブルー水溶液に酸化体の色が消えるまでアスコルビン酸を添加し、それに対して更に消えるのに要したアスコルビン酸と同質量のアスコルビン酸を加えたものを用いた。第2画像領域の画像Bには、画像Aのインクに使用したアスコルビン酸の3倍量のアスコルビン酸を添加したものを用いた。描画した画像を室内で観察した結果、画像Aが出現した後に、画像Bが出現し、画像出現速度の異なる2領域が観察された。
【0283】
[画像形成方法の第5実施形態]
本発明に係る画像形成方法の第5実施形態では、観察用画像は、銀イオンを含有するインク組成物により支持体上に描画された画像を、還元剤により還元して金属銀微粒子の画像として形成される。
【0284】
画像形成材料前駆体を像様に描画形成させる、第1描画条件及び第2描画条件を作成する工程(2)及び工程(3)において、それぞれ還元活性を与えるインク組成物の組成及び描画する条件を作成する。また、前駆体に化学反応を進行させて観察用画像を形成する「化学反応」とは、還元である。
【0285】
第1画像領域の画像Aは、第2画像領域の画像Bよりも還元活性が高い状態になるように描画される。
【0286】
本態様の画像形成材料に関して説明する。
【0287】
本態様の銀イオンを含有するインク用材料としては、硝酸銀水溶液を挙げることができる。また、硝酸銀水溶液にアンモニア水を加えて調製したトレンス試薬を用いることもできる。
【0288】
これらの材料は無色透明であり、支持体に描画した直後に着色が無いため、好ましい。銀イオンの還元剤としては、上述の画像形成方法の第4実施形態で挙げた還元剤を好ましく用いることができる。中でも、アスコルビン酸、ハイドロキノンモノスルホン酸カリウム又はハイドロキノンモノスルホン酸ナトリウムが好ましい。また、トレンス試薬を用いた場合には、還元糖類を好ましく用いることができる。
【0289】
画像領域ごとに、還元活性を変化させる方法としては、インク組成物中の還元性化合物の量や種類を変更した複数種類のインク組成物を、画像領域ごとに使い分けたり、塗設量を変更したりすることで達成することができる。これらインク組成物を用いる場合には、支持体への塗設タイミングとしては、画像形成材料前駆体を含むインク組成物の塗設前、同時、塗設後のどのタイミングであっても良い。また、銀イオンと還元剤が液体状態で混合する時間が長いと反応進行速度が速くなる。その点からは、水分塗布の絶対量を増やしたり、水分揮発の遅延のための保湿剤を使用することも、還元活性を高める手段となる。
【0290】
具体的な画像形成材料に関する構成例を以下に記す。
【0291】
以下は、硝酸銀の銀イオンを還元して黒色にする際に、還元活性を画像領域ごとに変えることで画像出現時刻差を付与する例である。
【0292】
最終の観察用画像から、画像出現速度の異なる2つの領域(第1画像領域、第2画像領域)を候補として分割した。
【0293】
還元剤としてアスコルビン酸を用い、フラボノイドの1種のルチンをアスコルビン酸の安定剤として用いたインクを調整した。調整したインクを紙支持体上に、インクジェット装置で塗設する際に、相対的に早く画像出現する画像Aには、アスコルビン酸量が、画像Bよりも大きくなるように塗設量を調節した。このようにして、還元活性が異なる2つの領域を形成した。
【0294】
その後、硝酸銀水溶液インクを用いて、還元剤を含有する紙支持体上にインクジェット装置で観察用画像を描画した。
【0295】
描画後の観察用画像を観察した結果、白地から次第に黒化した銀の画像が得られ、画像Aが出現した後に、画像Bが出現し、画像出現速度の異なる2領域が観察された。
【0296】
本発明において画像形成方法の第4の実施形態と第5の実施形態は、組み合わせて用いることも可能である。例えば、画像A用に第5の実施形態の硝酸銀インクを用い、画像B用に第4の実施形態のメチレンブルーインクを用いることも可能である。
【0297】
[画像形成装置]
本発明に係る画像形成装置としては、スマートフォン、デジタルカメラ、カメラ付き携帯情報端末、ゲーム装置、及びタブレット端末等の形態をとり得る。
【0298】
以下、画像形成装置として、スマートフォンを使用する場合について説明する。
【0299】
図7は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるスマートフォンの外観を示す図である。
【0300】
図7に示すスマートフォン100は、平板状の筐体102を有し、筐体102の一方の面に表示部としての表示パネル121と、入力部としての操作パネル122とが一体となって形成される表示入力部120が設けられる。また、その筐体102は、スピーカ131と、マイクロホン132と、操作部140と、カメラ部141とを備える。
【0301】
図8は、図7に示したスマートフォンの内部構成を示すブロック図である。
【0302】
図8に示すように、スマートフォン100の主たる構成要素として、無線通信部110と、表示入力部120と、通話部130と、操作部140と、カメラ部141と、記憶部150と、外部入出力部160(出力部)と、GPS(Global Positioning System)受信部170と、モーションセンサ部180と、電源部190と、主制御部101とを備える。また、スマートフォン100の主たる機能として、基地局装置と移動通信網とを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
【0303】
無線通信部110は、主制御部101の指示に従って、移動通信網に接続された基地局装置との間で無線通信を行う。その無線通信が使用されて、音声データ及び画像データ等の各種ファイルデータや電子メールデータなどの送受信、及びウェブデータやストリーミングデータなどの受信が行われる。
【0304】
表示入力部120は、表示パネル121の画面上に配設された操作パネル122を備えた,いわゆるタッチパネルであり、主制御部101の制御により、画像(静止画及び動画)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達し、また表示した情報に対するユーザ操作を検出する。尚、操作パネル122を便宜上、タッチパネルとも称す。
【0305】
表示パネル121は、LCD(Liquid Crystal Display)又はOELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いる。操作パネル122は、表示パネル121の表示面上に表示される画像が視認可能な状態で設けられ、ユーザの指や尖筆によって操作される1又は複数の座標を検出するデバイスである。そのデバイスがユーザの指や尖筆によって操作されると、操作パネル122は、操作に起因して発生する検出信号を主制御部101に出力する。次いで、主制御部101は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル121上の操作位置(座標)を検出する。
【0306】
図7に例示されるスマートフォン100の表示パネル121と操作パネル122とは一体となって表示入力部120を構成し、操作パネル122が表示パネル121を完全に覆うような配置となっている。その配置を採用した場合、操作パネル122は、表示パネル121外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。
【0307】
通話部130は、スピーカ131及びマイクロホン132を備え、マイクロホン132を通じて入力されたユーザの音声を主制御部101にて処理可能な音声データに変換して主制御部101に出力したり、無線通信部110或いは外部入出力部160により受信された音声データを復号してスピーカ131から出力したりする。また、図7に示すように、例えば、スピーカ131及びマイクロホン132を表示入力部120が設けられた面と同じ面に搭載することができる。
【0308】
操作部140は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付ける。例えば、図7に示すように、操作部140は、スマートフォン100の筐体102の側面に搭載され、指などで押下されるとスイッチオン状態となり、指を離すとバネなどの復元力によってスイッチオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
【0309】
記憶部150は、主制御部101の制御プログラムや制御データ、本発明に係る画像形成プログラムを含む各種のアプリケーションソフト、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、ウェブブラウジングによりダウンロードしたウェブデータ、及びダウンロードしたコンテンツデータ等を記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶する。
【0310】
また、記憶部150は、スマートフォン内蔵の内部記憶部151と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部152とにより構成される。尚、記憶部150を構成する内部記憶部151及び外部記憶部152のそれぞれは、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ、RAM(Random Access Memory)、或いはROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
【0311】
外部入出力部160は、スマートフォン100に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たし、通信等(例えば、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN(Local Area Network)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)により他の外部機器に直接的又は間接的に接続する。
【0312】
スマートフォン100に連結される外部機器としては、例えば、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、有線/無線接続されるプリンタ(本発明に係る観察用画像を出力するプリンタを含む)、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、及びイヤホンなどがある。外部入出力部160は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン100の内部の各構成要素に伝達したり、スマートフォン100の内部のデータが外部機器に伝送されたりするように構成されてもよい。
【0313】
GPS受信部170は、主制御部101の指示に従って、GPS衛星ST1、ST2〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、スマートフォン100の緯度、経度及び高度によって特定される位置情報(GPS情報)を取得する。
【0314】
モーションセンサ部180は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部101の指示に従って、スマートフォン100の物理的な動きを検出する。スマートフォン100の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン100の動く方向や加速度が検出される。その検出の結果は、主制御部101に出力される。
【0315】
電源部190は、主制御部101の指示に従って、スマートフォン100の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給する。
【0316】
主制御部101は、マイクロプロセッサを備え、記憶部150が記憶する制御プログラムや制御データに従って動作し、スマートフォン100の各部を統括して制御する。また、主制御部101は、無線通信部110を通じて音声通信及びデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能とを備える。
【0317】
アプリケーション処理機能は、記憶部150が記憶するアプリケーションソフトに従って主制御部101が動作することにより実現される。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部160を制御することで対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、及びウェブページを閲覧するウェブブラウジング機能の他、本発明に係る画像作成機能などがある。
【0318】
また、主制御部101は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画や動画のデータ)に基づいて、映像を表示入力部120に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部101が、上記画像データを復号し、その復号結果に画像処理を施して、その画像処理を経て得られる画像を表示入力部120に表示する機能のことをいう。
【0319】
更に、主制御部101は、表示パネル121に対する表示制御と、操作部140や操作パネル122を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御とを実行する。
【0320】
表示制御の実行により、主制御部101は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、或いは電子メールを作成するためのウィンドウを表示する。
【0321】
また、操作検出制御の実行により、主制御部101は、操作部140を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル122を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、或いはスクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
【0322】
カメラ部141は、主制御部101の制御により、撮像によって得た画像データを例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)などの圧縮した画像データに変換し、その画像データを記憶部150に記録したり、外部入出力部160や無線通信部110を通じて出力したりすることができる。図7に示すようにスマートフォン100において、カメラ部141は表示入力部120と同じ面に搭載されているが、カメラ部141の搭載位置はこれに限らず、表示入力部120が設けられる筐体102の表面ではなく筐体102の背面にカメラ部141が搭載されてもよいし、或いは複数のカメラ部141が筐体102に搭載されてもよい。
【0323】
また、カメラ部141はスマートフォン100の各種機能に利用することができる。例えば、カメラ部141で取得した画像を、本発明に係る観察用画像の形成に使用する元画像とすることができる。その他、操作部140により入力したテキスト情報、GPS受信部170により取得された位置情報、マイクロホン132により取得された音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)を、記憶部150に記録したり、外部入出力部160や無線通信部110を通じて出力したりすることもできる。
【0324】
さて、上記構成のスマートフォン100は、図示しないサーバからダウンロードした本発明に係る画像形成プログラム(画像出現時間制御用プリントのアプリケーションソフト)を主制御部101が実行することにより、以下の機能を備える。
【0325】
<写真撮影、データ転送>
スマートフォン100で写真画像を撮影する。画像出現時間制御用プリントのアプリケーションソフト(以下「本アプリ」という)を起動させ、その写真画像を本アプリに送付する。
【0326】
<画像処理工程>
スマートフォン100に撮影したオリジナル写真画像を表示する。
【0327】
工程(1)
本アプリにより写真画像のなかで被写体が何であるかを認識し、セグメントに分割した。分割後の各セグメントを予め学習しておいたパターンに従い、写真画像のなかでどの部分を画像A用と画像B用にするかの組み合わせ候補を6パタンーン程度作成し、そのうち採用頻度の高いパターンに沿ったものを2つ提示する。
【0328】
使用者は、2パターンから一つを仮に選ぶ。本アプリに提案されたものとは別のパターンにするなら、次の候補を2つずつ提示させ、使用者は提示されたパターンの中から希望のパターンを選択する。上位6番の中に希望のパターンが無ければ、撮影画像内での画像領域をセグメント化した画像から、使用者にどれを画像A用、画像B用にするか選ばせる。
【0329】
工程(2)(3)
選ばれたパターンについて、画像出現速度を満たすように、各セグメント内の画像の色度点をマッピングさせ、最終観察用画像のversion1を作成する。
【0330】
このversion1画像について、出現のデモ画像動画を表示させる。デモ動画画像を参考に、画像出現速度差をより大きくつけるか、より小さくするか、色相調整を行うかなどを選択する。(=写真画像のマッピングでより濃度差をつけるなどする)
調整を繰り返し、OKになったら各パーツは完成する。
【0331】
任意追加部分として、出力画像にタイトルを付けたり、テンプレート情報を入れ込むことができる。追加部分の情報は、画像A用か、又は画像B用か適宜選ぶことができる。
【0332】
工程(4)
画像A、画像Bの組み合わせ、必要に応じて画像タイトルも加えて入力用画像を完成させる。
【0333】
<観察用画像の出力>
スマートフォン100からインスタント写真のプリンタに入力用画像を転送する。プリンタは、入力用画像を露光データに変換して感光材料に露光を行う。続いて、プリンタから感光材料を押し出し、そのときに現像処理液が感光材料上に展開される。
【0334】
使用者は、感光材料の観察面で画像が形成されてくる過程を観察する。
【0335】
[その他]
本発明に係る画像形成装置を実現するハードウエアは、各種のプロセッサ(processor)で構成できる。各種プロセッサには、プログラムを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device;PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0336】
画像形成装置を構成する1つの処理部は、上記各種プロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサで構成されてもよい。例えば、1つの処理部は、複数のFPGA、あるいは、CPUとFPGAの組み合わせによって構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip;SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウエア的な構造として、上記各種プロセッサを1つ以上用いて構成される。更に、これらの各種のプロセッサのハードウエア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0337】
また、本発明は、コンピュータにインストールされることにより、コンピュータを本発明に係る画像形成装置として機能させる画像形成プログラム、及びこの画像形成プログラムが記録された記憶媒体を含む。
【0338】
更にまた、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0339】
100 スマートフォン
101 主制御部
102 筐体
110 無線通信部
120 表示入力部
121 表示パネル
122 操作パネル
130 通話部
131 スピーカ
132 マイクロホン
140 操作部
141 カメラ部
150 記憶部
151 内部記憶部
152 外部記憶部
160 外部入出力部
170 GPS受信部
180 モーションセンサ部
190 電源部
A、B 画像
D 濃度
Dmin 最低濃度
T1 画像出現認識時刻
T2 画像出現認識時刻
T3 画像出現認識時刻
h 色相角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8