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特開2021-53860立体造形装置、担持体、及び立体造形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-53860(P2021-53860A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】立体造形装置、担持体、及び立体造形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/205 20170101AFI20210312BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20210312BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20210312BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20210312BHJP
   B29C 64/141 20170101ALI20210312BHJP
【FI】
   B29C64/205
   B29C64/268
   B33Y10/00
   B33Y30/00
   B29C64/141
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-177817(P2019-177817)
(22)【出願日】2019年9月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】竹内 惇
(72)【発明者】
【氏名】藤田 貴史
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213AR07
4F213AR12
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL15
4F213WL32
4F213WL74
4F213WL76
4F213WL87
4F213WL92
(57)【要約】
【課題】造形品質を向上させること。
【解決手段】上述した課題を解決するために、本発明の立体造形装置は、造形材料を担持する担持体と、造形物の表面に、前記担持体に担持された前記造形材料が飛翔する手段と、を備え、前記担持体は、前記造形材料の飛翔方向を規定する方向規定部を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形材料を担持する担持体と、
造形物の表面に、前記担持体に担持された前記造形材料が飛翔する手段と、を備え、
前記担持体は、
前記造形材料の飛翔方向を規定する方向規定部を備える
立体造形装置。
【請求項2】
前記造形物の表面を加熱する加熱部を備え、
前記飛翔する手段は、
前記加熱部による加熱で溶融した前記造形物の表面に、前記造形材料が飛翔する
請求項1に記載の立体造形装置。
【請求項3】
前記方向規定部は、
前記担持体の前記造形物に対向する面に形成された凹部と、
前記担持体の前記凹部が形成された面とは反対側の面に、前記凹部に対向して設けられた開口部と、を備える
請求項1、又は2に記載の立体造形装置。
【請求項4】
前記飛翔する手段は、
前記担持体に担持された前記造形材料にレーザ光を照射するレーザ光源を備え、
前記レーザ光源が前記開口部を通して前記凹部に担持された前記造形材料に前記レーザ光を照射することで、前記造形材料は飛翔する
請求項1乃至3の何れか1項に記載の立体造形装置。
【請求項5】
前記凹部は、
テーパ状に形成されている
請求項3、又は4に記載の立体造形装置。
【請求項6】
前記開口部は、
前記レーザ光に対して非透過性を有する基材に形成された貫通孔である
請求項3乃至5の何れか1項に記載の立体造形装置。
【請求項7】
前記開口部は、
前記レーザ光に対して透過性を有する基材に、前記レーザ光に対して非透過性を有する遮光部を設けることで形成されている
請求項3乃至5の何れか1項に記載の立体造形装置。
【請求項8】
前記遮光部は、
前記透過性を有する基材の表面に形成され、前記レーザ光に対して非透過性を有する薄膜である
請求項7に記載の立体造形装置。
【請求項9】
前記開口部の開口径は、
前記造形材料を構成する造形粒子のうち、粒径が最小である前記造形粒子の粒径より小さい
請求項3乃至8の何れか1項に記載の立体造形装置。
【請求項10】
前記凹部の径は、
前記開口部の開口径以上である
請求項3乃至9の何れか1項に記載の立体造形装置。
【請求項11】
前記担持体は、
前記造形物に対向し、回転可能に設けられた筒状部材または、走行可能に設けられたベルト状部材または、走行可能に設けられたシート状部材である
請求項1乃至10の何れか1項に記載の立体造形装置。
【請求項12】
前記シート状部材を、回転により送出可能に巻き付けた送出ローラと、
前記送出ローラに巻き付けられた前記シート状部材を、回転により巻き取る巻取ローラと、を備える
請求項11に記載の立体造形装置。
【請求項13】
前記方向規定部は、
前記担持体の前記造形物に対向する面に形成された規定凹部を備え、
前記飛翔方向における前記規定凹部の長さは、
前記造形材料を構成する造形粒子のうち、粒径が最大である前記造形粒子の粒径の半分の長さより長い
請求項1、又は2に記載の立体造形装置。
【請求項14】
前記飛翔する手段は、
前記担持体に担持された前記造形材料にレーザ光を照射するレーザ光源を備え、
前記方向規定部は、
前記レーザ光に対して非透過性を有する基材に形成され、前記造形材料を構成する造形粒子のうち、粒径が最小の前記造形粒子の粒径より小さい径に形成された規定貫通孔を備え、
前記レーザ光源が前記規定貫通孔の前記造形物に対向する側に担持された前記造形材料に前記レーザ光を照射することで、前記造形材料は飛翔する
請求項1、又は2に記載の立体造形装置。
【請求項15】
造形材料を担持する担持体であって、
造形物の表面に向けて飛翔される前記造形材料の飛翔方向を規定する方向規定部を備える
担持体。
【請求項16】
造形材料の飛翔方向を規定する方向規定部を備えた担持体の表面に、前記造形材料を担持する工程と、
造形物の表面に、前記担持体に担持された前記造形材料が飛翔する工程と、を含む
立体造形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体造形装置、担持体、及び立体造形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、立体物(三次元物体)を造形する立体造形装置では、溶融堆積、光造形、粉体焼結、材料積層、粉末固着、シート積層、指向性エネルギー堆積等の技術を利用するものが知られている。
【0003】
また、光を吸収する造形材料に対して光渦レーザービームを照射して飛翔力を付与し、飛翔させた造形材料を被付着物に立体的に付着させる装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の装置では、造形材料を飛翔させているので、造形材料が飛散し、造形品質が得られにくい課題があった。
【0005】
本発明は、造形品質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の立体造形装置は、造形材料を担持する担持体と、造形物の表面に、前記担持体に担持された前記造形材料が飛翔する手段と、を備え、前記担持体は、前記造形材料の飛翔方向を規定する方向規定部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、造形品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る立体造形装置の構成例を示す図である。
図2】担持体の構成例を示す図である。
図3】担持体による造形材料の担持状態例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る立体造形装置の動作例を示す図である。
図5】担持体に回転ドラムを用いた場合の構成例を示す図である。
図6】第1変形例に係る担持体の構成を示す図である。
図7】第2変形例に係る担持体の構成を示す図である。
図8】第3変形例に係る担持体の構成を示す図である。
図9図8の凹部をテーパ状にした担持体の構成を示す図である。
図10】第4変形例に係る担持体の構成を示す図である。
図11】担持体による造形材料の担持状態の他の例を示す図である。
図12】第2実施形態に係る立体造形装置の構成例を示す図である。
図13】第3実施形態に係る立体造形装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
[第1実施形態]
<立体造形装置100の構成>
第1実施形態に係る立体造形物を造形する装置(立体造形装置という。)100の構成について図1を参照して説明する。図1は立体造形装置100の構成の一例を説明する図である。
【0011】
立体造形装置100は、造形する造形物(造形過程にある造形物)200を支持する支持部材であるステージ101を備えている。ステージ101は、矢印Y方向に往復移動可能であり、矢印Z方向に例えば造形厚み0.05mmピッチで上下動可能である。
【0012】
ステージ101の下側にはステージ加熱ヒータ102が配置され、ステージ101は造形材料201に合わせた温度に制御される。
【0013】
ステージ101の上方には、粒子状の造形材料201を担持する担持体111が配置されている。担持体111は、造形材料201を担持して矢印方向(移送方向)に周回走行する無端ベルト(ベルト状部材の一例)で構成され、ステージ101上の造形物200の上方まで造形材料201を移送する。担持体111はニッケルベルトが使用されている。担持体111は、ローラ151、152、155及び156に掛け回されている。
【0014】
造形材料201は、目的とする造形物200に応じて適宜選択されるべきものであるが、樹脂の場合、例えば、PA12(ポリアミド12)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PSU(ポリスルホン)、PA66(ポリアミド66)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、POM(ポリアセタール)、PSF(ポリサルホン)、PA6(ポリアミド6)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等である。また、造形材料201は、結晶性樹脂のみに限らず、非晶性樹脂であるPC(ポリカーボネート)やABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PEI(ポリエーテルイミド)、あるいは結晶性と非晶性の混合樹脂であってもよい。
【0015】
また、造形材料201は、樹脂の他、金属、セラミック、液体等の種々の材料を用いることができる。また、造形材料201は、1Pa・s以上の粘度を有する材料であってもよい。
【0016】
担持体111の周囲には、担持体111の周面(表面)に造形材料201を供給する供給部112が配置されている。
【0017】
供給部112は、内部に造形材料201が供給されて供給部112内で造形材料201を摺って擦るブレード122と、供給部112に造形材料201を供給する供給ノズル123と、担持体111を挟んでブレード122に対向して設けられた対向ローラ126とを備えている。この供給部112は、ブレード122で造形材料201を摺って擦りながら凝集を解くことで、担持体111の周面に形成された凹部1111に造形材料201を担持させる。
【0018】
供給部112による供給は、ブレード摺擦に限定されるものではない。例えば、担持体の開口部からの吸引による供給、又は吸引とブレード摺擦の併用も可能である。
【0019】
担持体111の内側には、造形物の表面に対し、担持体111に担持された造形材料201を飛翔させる飛翔用レーザ115が配置されている。ここで、飛翔用レーザ115は、飛翔する手段の一例である。
【0020】
飛翔用レーザ115はパルスレーザを備え、担持体111の内側から造形材料201に対してパルスレーザ光115aを照射する(照射位置を「造形位置」とする。)。また飛翔用レーザ115は、ガルバノミラー等の光走査部(図示を省略)を備えている。光走査部は、パルスレーザ光115aを反射するミラーの角度を変化させることで、矢印Y方向及び矢印Z方向の両者に直交するX方向に、パルスレーザ光115aの照射位置を変化させる。飛翔用レーザ115は、光走査部を用いて、X方向における所定の位置に選択的にパルスレーザ光115aを照射できる。
【0021】
造形材料201は、パルスレーザ光115aを受けることで、担持体から飛翔する。US006025110A等に開示されているレーザ転写LIFT(Laser Induced Forward Transfer)は、担持体に密着した箔状、液状の材料をレーザ照射により非接触転写するものであり、局部的に加熱されて材料が気化することにより、担持体111の周面からパルスレーザ光115aの方向に飛翔する。本実施形態ではこれと同様のメカニズムか、放射圧と呼ばれる力、若しくはその両方で造形材料201は飛翔すると考えられる。
【0022】
担持体111と造形物200との空隙距離は、造形材料201の平均粒径の3〜10倍を目安に維持することが好ましい。これにより、飛翔前後の上下の造形材料同士の接触を避け、飛翔による散逸を避けることができる。
【0023】
飛翔用レーザ115のレーザ光源としては、特に制限はなく、ピコ秒からナノ秒等のパルス発振可能なものが好ましい。固体レーザとしては、YAGレーザ、チタンサファイアレーザ等がある。気体レーザとしては、アルゴンレーザ、ヘリウムネオンレーザ、炭酸ガスレーザ等がある。半導体レーザも小型で好ましい。ファイバーレーザはそのピークエネルギーの高さと小型化可能な面で最も適した光源である。
【0024】
レーザの波長としては、適宜選択することができるが、300nm以上11μm以下が好ましい。特に、造形材料201が樹脂であるとき、2460nm付近はCHとCC結合の複合吸収帯で、カーボン入りのものも含む多様な樹脂で吸収率が80%以上であった。また、波長が2300nm〜2500nmは吸収率が65%以上であり、この範囲でも安定的な飛翔及び溶融のエネルギーを付与できる。
【0025】
また、担持体111には、造形物200の表面を加熱する加熱部の一例としての溶融用レーザ116が配置されている。溶融用レーザ116は、パルスを積極的に用いる必要はなく、連続波のレーザが適している。
【0026】
溶融用レーザ116は、ステージ101上で造形される造形物200の表面を加熱して溶融状態にする。溶融用レーザ116のレーザ光116aは、図1において、飛翔用レーザ115のパルスレーザ光115aの照射位置(造形材料201の着弾位置)を狙って照射されている。両者の位置は調整可能で、材料種や造形速度等で調整位置を切り替えることも考慮される。
【0027】
これにより、溶融用レーザ116のレーザ光116aで溶融状態になった造形物200の表面に、飛翔用レーザ115で飛翔される造形材料201が着弾することで造形物200に付着される。
【0028】
また、担持体111の周囲には、造形物200を造形する領域よりも担持体111の走行方向下流側に、担持体111上に残存する造形材料201を除去するクリーニングブラシ117を備えている。クリーニングブラシ117で掻き落とされた造形材料201は回収ケース118に回収される。クリーニングブラシ117は、担持体111の凹部1111のある面側に設置するほか、開口部1112のある面側に設置してもよい。またクリーニングは担持体111の凹部1111のある面側からの空気吸引、または開口部1112のある面側からの空気吹き出しによって行ってもよい。もちろんそれぞれのクリーニング方法を組み合わせてもよい。
【0029】
<担持体111の構成と作用>
次に、担持体111の構成と作用について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、無端ベルトである担持体111の構成の一例を説明する図であり、(a)はベルト厚み方向に沿う担持体111の断面図、(b)は担持体111の平面図である。また図3は、担持体による造形材料の担持状態の一例を説明する図である。
【0030】
担持体111は、パルスレーザ光115aの波長に対して非透過性の材料で構成された無端ベルトである。図2に示すように、担持体111は、造形材料の飛翔方向を規定する方向規定部1111を備えている。また、図2は方向規定部1111の一例として担持体の造形物に対向する面に形成された凹部1111と、担持体の前記凹部が形成された面とは反対側の面に、前記凹部に対向して設けられた開口部1112を含む。
【0031】
凹部1111は円形の窪みであり、担持体111の造形物200に対向する側の面に千鳥配置で形成されている。また凹部1111は、中心軸がベルト面にほぼ直交するように形成されている。
【0032】
開口部1112はベルトの厚み方向に貫通する円形の貫通孔であり、担持体111の凹部1111が形成された面とは反対側の面に、凹部1111に対向して、凹部1111と同軸に形成されている。
【0033】
供給部112内の造形材料201は、ブレード122で押し付けられること(図1参照)で、図3に示すように担持体111の凹部1111内に入り込む。凹部1111内に入り込んだ造形材料201は、ファンデルワールス力によって担持体111に付着し、凹部1111内で担持される。また造形材料201の抵抗値が高い場合には、静電的な付着力だけでも担持できる。さらに、開口部1112を通じてエア吸引して負圧状態にすることで、担持体111への造形材料201の吸着力をさらに高めることもできる。
【0034】
凹部1111内に造形材料201が担持された状態で、飛翔用レーザ115は担持体111の内側の面に向けてパルスレーザ光115aを照射する。パルスレーザ光115aは、開口部1112を通過して凹部1111内の造形材料201に照射される。
【0035】
凹部1111と開口部1112は同軸に形成されているため、造形材料201は、凹部1111に入り込むことで、その中央部分が開口部1112の中心軸上に配置された状態で担持されている。従って飛翔用レーザ115は、開口部1112を通過したパルスレーザ光115aを、造形材料201のほぼ中央部分に照射することができる。
【0036】
造形材料201におけるほぼ中央部分の限られた範囲にパルスレーザ光115aを照射することで、気化したガスが発生する造形材料201内の範囲を規定し、該範囲で決定される飛翔方向を規定できる。これにより造形材料201は、凹部1111の中心軸に沿ったベルト面に略直交する方向(矢印Z方向)に再現性よく飛翔する。
【0037】
ここで、凹部1111の直径WOは、造形材料201を構成する造形粒子2011の平均粒径WPよりやや大きいことが好ましい。これにより、凹部1111内に造形粒子2011を入り込ませることができる。
【0038】
また、開口部1112の開口径を造形粒子2011の最小の粒径より小さくすると、造形粒子2011の中央部分にパルスレーザ光115aを照射できるため、好適である。さらに、凹部1111の開口径を開口部1112の開口径以上にすると、造形粒子2011の中央部分にパルスレーザ光115aを照射できるため、好適である。ここで、最小の粒径とは、粒度分布をもつ粒子の相対粒子数が10%となる粒径(D10)に相当する粒径を指すこととする。粒径は例えばレーザ回折法により測定することができる。また、開口径は面積相当円の直径とする。
【0039】
また、パルスレーザ光115aのビームの直径WLは開口部1112の直径WAよりも大きいことが好ましい。これにより、パルスレーザ光115aの照射位置が矢印Y方向等にずれた場合にも、造形材料201へのパルスレーザ光115aの照射範囲を開口部1112の開口形状で規定して、造形材料201のほぼ中央部分にパルスレーザ光115aを適切に照射できる。
【0040】
担持体111におけるパルスレーザ光115aを照射する側の面には、パルスレーザ光115aを反射する反射膜を形成してもよい。パルスレーザ光115aを反射することで、担持体111がパルスレーザ光115aを吸収することを抑え、担持体111のダメージを抑制できる。
【0041】
また、造形物200の表面への造形材料201の付着密度(転写密度)を上げるために、凹部1111及び開口部1112を千鳥配置することが好ましい。図2は、矢印Y方向における凹部1111の間隔の1/3ずつ、各行の凹部1111の位置を矢印Y方向にずらし、凹部1111を千鳥配置した例を示している。但し、凹部1111の配置は千鳥配置に限定されるものではなく、格子配置等であってもよい。
【0042】
矢印Y方向における凹部1111の間隔を狭めるには限界があるため、担持体111の走行速度とステージ101の移動速度を同じにすると、矢印Y方向における造形材料201の転写密度が低くなる場合がある。そのため、担持体111の走行速度をステージ101の移動速度よりも速くすることが好ましい。これにより、造形物200の表面への造形材料201の転写密度を高めることができる。
【0043】
担持体111を構成する無端ベルトは、ニッケル材料の電鋳加工で製作できる。但し、無端ベルトの材料は、ニッケルに限定されるものではなく、他の金属材料であってもよいし、樹脂材料を用いてもよい。
【0044】
加工法も電鋳加工に限らず、エッチング加工等で製作してもよい。エッチング加工の場合、金属材料の薄肉の平面基材にエッチング加工で凹部1111と開口部1112を形成し、平面基材の端部を繋ぎ合わせることで、無端ベルトを製作できる。
【0045】
また、樹脂材料を用いる場合は、光硬化性樹脂材料の基材に光照射で凹部1111と開口部1112を形成し、基材を繋ぎ合せて無端ベルトを製作できる。また、大量生産に適した射出成形加工で製作してもよい。
【0046】
ここで、造形材料201を構成する造形粒子2011、凹部1111、開口部1112の形状、サイズ等の具体例を示す。図3に示すように、造形材料201を構成する造形粒子2011は球体であり、その平均粒径WPは約50μm(マイクロメートル)である。パルスレーザ光115aのビームの直径WLは約50μmである。凹部1111の直径WOは約70μmであり、開口部1112の直径WAは約30μmである。また、担持体111を構成する無端ベルトのベルト厚は約80μm、凹部1111の矢印Z方向の長さ(深さ)hは約50μmである。
【0047】
但し、造形粒子2011は球体に限定されるものではなく、任意の形状であってもよい。また凹部1111の形状も、造形粒子2011を入り込ませることができるものであれば任意の形状であってもよい。開口部1112の形状も、ベルト面に略直交する軸上に凹部1111の重心と開口部1112の重心を同軸配置できれば、任意の形状であってもよい。換言すると、凹部1111と開口部1112とを対向させることができれば、凹部1111及び開口部1112のそれぞれの形状を任意の形状としてもよい。
【0048】
<立体造形装置100の動作>
【0049】
次に、立体造形装置100の動作について図4のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
造形動作を開始すると、供給部112は、供給部112内の造形材料201をブレード122で摺って擦り(ステップS1、以下、単に「S1」というように表記する。)、担持体111に形成された凹部1111に造形材料201を入り込ませ、担持体111に造形材料201を担持させる(S2)。供給部112は、造形が完了するまで(S3)、担持体111に対する供給を継続する。
【0051】
このようにして、供給部112によって担持体111に造形材料201が供給され、造形物200を支持するステージ101の上方に配置された担持体111の凹部1111に造形材料201が担持される。
【0052】
そして、担持体111の走行によってステージ101の上方に移送され、ステージ101の上方に造形材料201の天井が形成される。
【0053】
一方、造形開始タイミングになると(S4)、溶融用レーザ116からレーザ光116aを照射して造形物200の表面のうち造形材料201を付着する部分を加熱して溶融する(S5)。但し、造形開始第一層だけはステージ加熱ヒータ102の温度により造形材料201が融着する。
【0054】
そして、飛翔用レーザ115から造形データに応じて所要の造形材料201に選択的にパルスレーザ光115aを照射して、担持体111に担持されている造形材料201を造形物200の溶融の部分に向けて飛翔させる(S6)。
【0055】
担持体111から飛翔する造形材料201は溶融状態にある造形物200の表面に着弾して造形物200と一体になり、造形物200が少なくとも1造形材料分成長する。
【0056】
このように、担持体111の連続回転によって造形材料201を順次ステージ101上の移送しながら、溶融用レーザ116による造形物200の表面に溶融化、飛翔用レーザ115による造形材料201の飛翔、着弾を、造形が完了するまで繰り返す(S7)。
【0057】
これによって、造形物200を所要の形状まで成長させて立体造形物を造形することができる。
【0058】
<立体造形装置100の作用効果>
以上説明してきたように、本実施形態では、造形物200の表面に飛翔させるための飛翔力を、飛翔用レーザ115が担持体111に担持された造形材料201に付与する。また、担持体111の造形物200に対向する面には凹部1111が形成され、担持体111の凹部1111が形成された面とは反対側の面には凹部1111に同軸に形成された開口部1112が設けられている。
【0059】
凹部1111と開口部1112が同軸に形成されているため、造形粒子2011は、凹部1111に入り込むことで、その中央部分が開口部1112の中心軸上に配置された状態で担持体111に担持される。従って、飛翔用レーザ115から射出されて開口部1112を通過したパルスレーザ光115aは、造形材料201のほぼ中央部分に照射される。
【0060】
造形材料201のほぼ中央部分の限られた範囲にパルスレーザ光115aを照射することで、気化したガスが発生する造形材料201内の範囲を規定し、該範囲で決定される飛翔方向を規定できる。これにより、造形材料201は凹部1111の中心軸に沿ったベルト面に略直交する方向に再現性よく飛翔する。
【0061】
このようにして造形材料201の飛翔方向のばらつきを抑制することで、造形材料201が拡散しなくなるため、造形物200のエッジ等でも高い精度を得ることができ、造形品質を向上させることができる。
【0062】
また本実施形態では、溶融用レーザ116による加熱で溶融した造形物200の表面に、飛翔用レーザ115により造形材料201を飛翔させる。飛翔された造形材料201は溶融状態にある造形物200の表面に着弾して付着し、衝突によって拡散しないため、造形品質を向上させることができる。
【0063】
但し担持体111の適用は、溶融状態にした造形物200の表面に造形材料201を着弾及び付着させて立体造形する方式に限定されるものではない。造形材料201を造形物200の表面に飛翔させ、着弾させた後でレーザによる加熱で造形材料201を焼結させるレーザ焼結等の立体造形方式にも、担持体111を適用可能である。この場合にも、造形材料201の飛翔方向のばらつきを抑制することで、造形品質を向上させることができる。
【0064】
なお造形材料201としては、結晶性樹脂のみならず、結晶性及び非結晶性樹脂の混合樹脂なども使用することができる。材料の多様性を確保するとともに、連続造形によって造形速度の高速化を図れ、更に、廃棄材料を減少することができる。
【0065】
また本実施形態では、無端ベルトで構成した担持体111を用いる例を示したが、図5に示すように、回転ドラムで構成した担持体111を用いることもできる。図5は、回転ドラムを備える立体造形装置100の構成の一例を説明する図である。
【0066】
図5において、ステージ101の上方には、粒子状の造形材料201を担持する担持体111が配置されている。また、ステージ101の上側には、断熱板301が配置され、その下面に造形物加熱ヒータ302が配置され、造形物200は造形材料201に合わせた温度に制御される。
【0067】
担持体111は、造形材料201を担持して矢印方向(移送方向)に回転可能に支持される回転ドラム(筒状部材の一例)で構成され、ステージ101上の造形物200の上方まで造形材料201を移送する。担持体111は、凹部1111と開口部1112を含む方向規定部1110を備えている。担持体111は、透明な部材であり、円筒形の金属部材で構成しているが、これに限るものではない。回転ドラムを担持体111として用いる場合にも、無端ベルトを担持体111として用いる場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0068】
また担持体111における凹部及び開口部は、各種の変形が可能である。以下に、図6図10を参照して、各種の変形例を説明する。なお、以下の各図における矢印Y方向は、図2における矢印Y方向と同じ方向であり、また矢印Z方向は、図1における矢印Z方向と同じ方向である。
【0069】
<第1変形例>
まず、図6は第1変形例に係る担持体111aの構成を説明する図である。担持体111aは、パルスレーザ光115aの波長に対して非透過性の材料で構成された無端ベルトである。
【0070】
図6に示すように、担持体111aは、テーパ状の凹部1111aを備えている。凹部1111aは、造形物200に対向する側の直径が最も大きく、矢印Z方向に沿って、造形物200から遠ざかるにつれて直径が徐々に小さくなるように形成されている。また、凹部1111aは、造形材料201に含まれる造形粒子2011のうち、最も大きいものが入り込めるように形成されている。
【0071】
担持体111aにおける造形物200に対向する側とは反対側には、開口部1112が凹部1111aと同軸に形成されている。担持体111aは、凹部1111a内に造形粒子2011を入り込ませることで、造形粒子2011の中央部分が開口部1112の中心軸上に配置された状態で造形粒子2011を担持する。飛翔用レーザ115は、開口部1112を通過したレーザ光を凹部1111aに担持された造形粒子2011の中央部分に向けて照射できる。
【0072】
凹部1111aはテーパ状に形成されているため、担持体111aは造形粒子2011のサイズにばらつきがある場合にも、様々なサイズの造形粒子2011を凹部1111a内に入り込ませ、テーパ面に接触させて担持できる。
【0073】
なお、凹部1111aの断面形状は円形に限定されるものではなく、矩形等の任意の形状であってもよい。
【0074】
<第2変形例>
次に、図7は第2変形例に係る担持体111bの構成を説明する図である。担持体111bは、パルスレーザ光115aの波長に対して非透過性の材料で構成された無端ベルトである。
【0075】
図7に示すように、担持体111bは、造形材料201を構成する造形粒子2011のうち、粒径が最小のものの粒径より小さい径で形成された規定貫通孔1111bを備えている。ここで、最小の粒径とは、粒度分布をもつ粒子の相対粒子数が10%となる粒径(D10)に相当する粒径を指すこととする。粒径は例えばレーザ回折法により測定することができる。また、規定貫通孔1111bの径は面積相当円の直径とする。
【0076】
規定貫通孔1111bは、造形物200に対向する側に、造形粒子2011の一部を入り込ませて造形粒子2011を担持する。飛翔用レーザ115は、造形物200に対向する側とは反対側から規定貫通孔1111b内にレーザ光を入射させ、規定貫通孔1111bに担持された造形粒子2011の中央部分に向けて、レーザ光を照射できる。つまり、規定貫通孔1111bは、第1実施形態に係る凹部1111の機能と開口部1112の機能を兼ね備えている。
【0077】
規定貫通孔1111bは、凹部1111及び開口部1112と比較して形成しやすいため、規定貫通孔1111bを用いることで、凹部1111の機能と開口部1112の機能を、第1実施形態と比較してより簡単に実現することができる。
【0078】
なお、規定貫通孔1111bの断面形状は例えば円形であるが、これに限定されるものではなく、円形以外の形状であってもよい。
【0079】
<第3変形例>
次に、図8は第3変形例に係る担持体111cの構成を説明する図である。担持体111cは、パルスレーザ光115aの波長に対して透過性の樹脂材料等で構成した透過性基材1113に、同波長に対して非透過性の金属等による薄膜である遮光部1114を設けた無端ベルトである。
【0080】
担持体111cの造形物200に対向する側には、断面形状が円形である凹部1111cが形成されている。担持体111cは、造形材料201を構成する造形粒子2011を凹部1111cに入り込ませて、造形粒子2011を担持できる。
【0081】
また、担持体111cの造形物200に対向する側とは反対側には、遮光部1114が設けられている。遮光部1114における凹部1111cと対向する部分には、凹部1111cより直径が小さい円形の開口部1112cが、凹部1111cと同軸に形成されている。飛翔用レーザ115から射出されたパルスレーザ光115aは、開口部1112cを通過し、透過性基材1113を透過して、凹部1111cに担持された造形粒子2011の中央部分に照射される。
【0082】
凹部1111cの機能は第1実施形態における凹部1111と同様であり、開口部1112cの機能は第1実施形態における開口部1112と同様である。凹部1111cと開口部1112cを備える担持体111cは、第1実施形態における担持体111と同様の作用効果を得ることができる。
【0083】
また、図9に示すように、図8における凹部1111cに代え、テーパ状の凹部1111dを形成して、担持体111dを構成することもできる。
【0084】
凹部1111dの機能は第1変形例における凹部1111aと同様であり、凹部1111dを備える担持体111dは、第1変形例における担持体111aと同様の作用効果を得ることができる。
【0085】
担持体111c及び111dのそれぞれにおける遮光部1114は、例えば、凹部1111c及び111dを有する透過性基材1113の凹部1111c及び111dの形成されている面と反対の面に蒸着またはスパッタリング等で形成された金属膜に対し、開口部1112cに対応する円形パターンを含むパターンをフォトリソグラフィおよびエッチング技術を適用することで形成できる。その結果、担持体111c及び111dを製作できる。遮光部1114は金属酸化物のような非透過性の誘電体で構成されてもよい。また、遮光部1114は印刷で形成された樹脂材料等でもよい。
【0086】
<第4変形例>
次に、図10は第4変形例に係る担持体111eの構成を説明する図である。担持体111eは、パルスレーザ光115aの波長に対して透過性の材料で構成された無端ベルトである。
【0087】
担持体111eは、造形物200に対向する側に規定凹部1111eが形成されている。造形材料201の飛翔方向(矢印Z方向)における規定凹部1111eの長さ(深さ)hは、造形材料201を構成する造形粒子2011のうち、造形粒子の粒径Wpが最大のものの粒径Wmaxの半分より長い。ここで、最大の粒径とは、粒度分布をもつ粒子の相対粒子数が90%となる粒径(D90)に相当する粒径を指すこととする。粒径は例えばレーザ回折法により測定することができる。また、担持体111eは、第1実施形態に係る担持体111と異なり、開口部1112を備えていない。
【0088】
開口部1112を備えていないため、飛翔用レーザ115が射出したレーザ光が造形粒子2011の中央部分に照射されず、造形粒子2011に対してベルト面に略直交する方向に飛翔力を付与できない場合がある。
【0089】
しかし、規定凹部1111e内に担持された造形粒子2011は、ベルト面に略直交する方向に対して斜め方向に飛翔しようとしても、規定凹部1111eの側壁にぶつかることで、飛翔方向がベルト面に略直交する方向に矯正される。これにより、造形粒子2011はベルト面に略直交する方向に再現性よく飛翔することができる。
【0090】
ここで、図11は、担持体111eによる造形材料201の担持状態の他の例を説明する図である。図11に示すように、造形粒子2011の直径が様々であると、1つの凹部内に複数の造形粒子2011が入り込む場合がある。
【0091】
この場合、各造形粒子の中央部分が規定凹部1111eの中心軸からずれるため、飛翔用レーザ115が射出したレーザ光が造形粒子2011の中央部分に照射されずに、造形粒子2011に対してベルト面に略直交する方向に飛翔力を付与できなくなる場合がある。
【0092】
これに対し、担持体111eを用いることで、造形粒子2011の飛翔方向をベルト面に略直交する方向に矯正でき、造形粒子2011をベルト面に略直交する方向に再現性よく飛翔させることができる。
【0093】
次に、以下において、第2〜第6実施形態について説明する。何れの実施形態でも、担持体111は、凹部1111と開口部1112を含む方向規定部1110を備えているものとする。
【0094】
[第2実施形態]
【0095】
次に、第2実施形態について図12を参照して説明する。図12は同実施形態に係る立体造形装置100の説明図である。
【0096】
本実施形態では、担持体111は周回走行する無端ベルトで構成されている。担持体111は、第1実施形態に示した担持体(第1、2変形例を含む)とすることができる。
【0097】
担持体111は、ローラ151、152及び固定部材161に掛け回されている。ここで、固定部材161は、造形物200を造形する位置(造形位置)でステージ101の上方に配置されている。
【0098】
供給部112は、造形材料201を担持体111に押し付けるブレード122と、供給部112に造形材料201を供給する供給ノズル123と、ブレード122の担持体111を挟んだ反対側に設けられた吸引ローラ124とを備える。吸引ローラ124は表面に空気が通過可能な多数の開口を有し、吸引ローラ124内の吸引ノズル125から吸引することによって担持体111の開口部1112を通して担持体の凹部1111に負圧が形成され、担持体111の凹部1111に造形材料201が入り込みやすくなる。吸引ノズル125には、開口部1112を通過した粒径の小さな造形材料を取り除くフィルタを備えるのがよい。
【0099】
飛翔用レーザ115のパルスレーザ光115aは、固定部材161でスリット部161aから担持体11へ照射できるようにしている。
【0100】
また、溶融物を吐出して塗布する塗布装置163を配置している。塗布装置163は3次元造形方法の一つである溶融堆積法(FDM)で使用される装置が好適である。例えば溶融堆積法で用いられる十分な耐熱性を有する水溶性サポート材の溶融物162を吐出する。これにより、造形物200の界面のサポート除去性の向上などを図っている。水溶性サポート材は例えば三菱ケミカル社製:商品名MELFIl(登録商標)やInfinite Material Solutions社製:商品名AquaSys120(登録商標)が挙げられる。
【0101】
溶融物の代わりに低粘度又は高粘度の塗布液を吐出する吐出装置を配置してもよい。吐出装置は、例えば加熱により析出する硫酸マグネシウムなどの耐熱性で水溶性の液体を吐出する。クリーニングブラシ117は担持体111の開口部1112が形成された面に設置するとともに、掻き出された造形材料を吸引するクリーニング吸引ノズル119を設置する。
【0102】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について図13を参照して説明する。図13は同実施形態に係る立体造形装置100の説明図である。
【0103】
本実施形態では、立体造形装置100は、一方向に走行可能なシート状部材で構成された担持体111を備えている。担持体111は、例えば第1実施形態で示した担持体(変形例を含む)とすることができる。
【0104】
担持体111は、送出ローラ157に送出可能に巻き付けられた状態で一端が引き出され、ローラ152、155及び156に掛け回された後、巻取ローラ158に接続している。
【0105】
担持体111は、供給部112から供給された造形材料201を担持し、送出ローラ157から送出され、巻取ローラ158の回転で巻取ローラ158に巻き取られながら矢印方向に走行する。
【0106】
飛翔用レーザ115は、造形位置で担持体111にパルスレーザ光115aを照射して、担持体111から造形材料201を造形物200上に向けて飛翔させる。溶融用レーザ116により溶融された造形物200の表面上に飛翔した造形材料201が着弾し、付着することで造形が行われる。なお、送出ローラ157には、造形物200を造形するために好ましい長さの担持体111が、予め巻き付けられている。
【0107】
造形が完了すると、送出ローラ157と巻取ローラ158は、セットで新品に交換され、次の造形が行われる。或いは、担持体111の十分な長さを巻き取った巻取ローラ158を送出ローラ157の位置に配置して送出ローラとし、また送出ローラ157を巻取ローラ158の位置に配置して巻取ローラとして用いて、次の造形を行ってもよい。
【0108】
このように、一方向に走行可能なシート状部材により構成した担持体111を用いて立体造形を行うこともできる。
【0109】
以上、本発明の実施形態の例について記述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0110】
また、実施形態は、立体造形方法も含む。例えば、立体造形方法は、造形材料の飛翔方向を規定する方向規定部を備えた担持体の表面に、前記造形材料を担持する工程と、造形物の表面に対し、前記担持体に担持された前記造形材料を飛翔させる工程と、を含む。このような立体造形方法により、上述した立体造形装置と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0111】
100 立体造形装置
101 ステージ
111 担持体
1110 方向規定部
1111 凹部
1111b 規定貫通孔
1111e 規定凹部
1112 開口部
1113 透過性基材
1114 遮光部
112 供給部
115 飛翔用レーザ(飛翔する手段の一例)
115a パルスレーザ光
116 溶融用レーザ
117 クリーニングブラシ
157 送出ローラ
158 巻取ローラ
200 造形物
201 造形材料
2011 造形粒子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0112】
【特許文献1】再表2016−136722号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13