特開2021-53879(P2021-53879A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-53879ノズル部材の製造方法、液体吐出ヘッドの製造方法、液体を吐出する装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-53879(P2021-53879A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】ノズル部材の製造方法、液体吐出ヘッドの製造方法、液体を吐出する装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/16 20060101AFI20210312BHJP
【FI】
   B41J2/16 401
   B41J2/16 507
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-178207(P2019-178207)
(22)【出願日】2019年9月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】青山 伝
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF30
2C057AF93
2C057AG44
2C057AP02
2C057AP12
2C057AP32
2C057AP34
2C057AQ02
2C057BA04
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】安定した吐出特性を得る。
【解決手段】第1シリコン層101、エッチング選択比がシリコン層101よりも大きい中間層である高選択比層102、第2シリコン層103の順に積層された基材100に対し、第1シリコン層101にノズル11を構成する第1穴部105を形成する工程と、高選択比層102に第1穴部105に通じる第2穴部106を形成する工程と、第2シリコン層103に第1穴部105よりも径の大きい第3穴部108を形成する工程と、を順次行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、第1シリコン層、エッチング選択比がシリコン層よりも大きい中間層、及び、第2シリコン層の順に積層された基材に対し、
前記第1シリコン層にノズルを構成する第1穴部を形成する工程と、
前記中間層に前記第1穴部に通じる第2穴部を形成する工程と、
前記第2シリコン層に前記第1穴部よりも径の大きい第3穴部を形成する工程と、を順次行う
ことを特徴とするノズル部材の製造方法。
【請求項2】
前記中間層がシリコン酸化膜である
ことを特徴とする請求項1に記載のノズル部材の製造方法。
【請求項3】
前記ノズルの穴形状が円形である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル部材の製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のノズル部材の製造方法でノズル部材を製造する工程を含む
ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法で液体吐出ヘッドを製造する工程を含む
ことを特徴とする液体を吐出する装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はノズル部材の製造方法、液体吐出ヘッドの製造方法、液体を吐出する装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルを有するノズル板などのノズル部材を備えている。
【0003】
従来、オリフィスプレートとして、SOI基板を使用し、第1のSi層にノズル穴をエッチングで形成し、第2のSi層に流路をエッチングで形成し、その後、SiO膜を貫通させる製造方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−087367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の構成にあっては、シリコン層間に介在する中間層としてのエッチング選択比の大きい層(高選択比層)が単層で残る状態が発生するため、内部応力によって高選択比層が破損し、噴射曲がりが発生するという課題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、安定した吐出特性を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係るノズル板の製造方法は、
少なくとも、シリコン層、エッチング選択比が前記シリコン層よりも大きい中間層、及び、シリコン層の順に積層された基材に対し、
一方の前記シリコン層にノズルを構成する第1穴部を形成する工程と、
前記中間層に前記第1穴部に通じる第2穴部を形成する工程と、
他方の前記シリコン層に前記第1穴部よりも径の大きい第3穴部を形成する工程と、を順次行う
構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、安定した吐出特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るノズル部材の製造方法で製造するノズル部材の一例の1つのノズル部分の断面説明図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るノズル部材の製造方法で製造するノズル部材の断面説明図、の説明図である。
図3】比較例1に係るノズル部材の製造方法の説明図である。
図4】比較例2に係るノズル部材の製造方法の説明図である。
図5】吐出曲がりの評価結果の説明図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るノズル部材の製造方法でノズル部材を製造する工程を行った液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
図7】本発明に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の一例の要部平面説明図である。
図8】同装置の要部側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係るノズル部材の製造方法で製造するノズル部材の一例について図1を参照して説明する。図1は1つのノズル部分の断面説明図である。
【0011】
ノズル部材10は、液体300を吐出するノズル11と、ノズル11と圧力室に通じるノズル連通路12とを備えている。
【0012】
ここで、ノズル部材10は、第1シリコン層101、エッチング選択比がシリコン層101よりも大きい中間層である高選択比層102、及び第2シリコン層103を含む基材で構成されている。
【0013】
ノズル11は、穴形状が円形状であり、第1シリコン層101の第1穴部105と高選択比層102の第2穴部106で構成されている。ノズル連通路12は、第2シリコン層103の第3穴部108で構成されている。なお、第3穴部108は、ノズル連通路12に代えて圧力室を構成することもできるし、ノズル11の一部を構成することもできる。
【0014】
次に、本発明の第1実施形態について図2を参照して説明する。図2は同実施形態に係るノズル部材の製造方法で製造するノズル部材の断面説明図、の説明図である。
【0015】
図2(a)に示すように、第1シリコン層101、エッチング選択比がシリコン層101よりも大きい中間層である高選択比層102、第2シリコン層103の順に積層された基材100を準備する。
【0016】
ここで、基材100としては、高選択比層102を酸化シリコン層(SiO層)とするSOI基板を使用している。「エッチング選択比」は、「マスク材料と被加工材料とのエッチング速度比」で定義される。
【0017】
次いで、図2(b)に示すように、第1シリコン層101の表面にノズル11を構成する第1穴部105を形成するためのレジストパターン104を形成する。
【0018】
その後、図2(c)に示すように、第1シリコン層101に対してボッシュプロセスによるドライエッチングによって小径ノズル部である第1穴部105を形成する。
【0019】
次いで、図2(d)に示すように、高選択比層102に第2穴部106を加工する。
【0020】
そして、図2(e)に示すように、レジストパターン104を除去する。
【0021】
その後、図2(f)に示すように、第2シリコン層103に大径ノズル部、流路液室でもある第3穴部108を形成するためのレジストパターン107を形成する。
【0022】
そして、図2(g)に示すように、第2シリコン層103に対してドライエッチングによって第3穴部108を形成する。
【0023】
最後に、図2(h)に示すように、レジストパターン107を除去する。
【0024】
これにより、第1穴部105及び第2穴部106で構成されたノズル11と、ノズル11に通じるノズル連通路12(あるいは、大径ノズル部、流路液室)を構成する第3穴部108を有するノズル部材10が得らえる。
【0025】
なお、本実施形態におけるボッシュプロセスのドライエッチングでは、デポ膜形成による側壁保護と底面のエッチングを交互に行うプロセスを用いる。そのため、第1穴部105に相当する領域の第2穴部106を貫通させた直後に、デポ膜による側壁保護が第1穴部105の側壁にも発生するため、第1穴部105の側壁の変形が防止される。また、エッチング後の第1穴部105の内壁にはフッ素を含んだSiOの極薄皮膜が形成されるため、純粋なSiに比べて、エッチングされにくくなっている。したがって、第2穴部106を形成した後に第3穴部108をエッチングで形成しても、第1穴部105の変形は発生せず、吐出特性に影響を与えない。
【0026】
このように、基材100に対し、第1シリコン層101にノズルを構成する第1穴部105を形成する工程と、中間層である高選択比層102に第1穴部105に通じる第2穴部106を形成する工程と、第2シリコン層103に第1穴部105よりも径の大きい第3穴部108を形成する工程と、を順次行う。
【0027】
これにより、高選択比層102が単層で残る状態が発生しないため、内部応力によって高選択比層102が破損することが防止され、安定した吐出特性を得ることができる。
【0028】
次に、比較例1の製造方法について図3を参照して説明する。図2は同比較例1に係るノズル部材の製造方法の説明図である。
【0029】
図3(a)に示すように、第1シリコン層101、エッチング選択比がシリコン層101よりも大きい中間層である高選択比層102、第2シリコン層103の順に積層された基材100を準備する。
【0030】
次いで、図3(b)に示すように、第1シリコン層101の表面にノズル11を構成する第1穴部105を形成するためのレジストパターン104を形成する。
【0031】
その後、図3(c)に示すように、第1シリコン層101に対してドライエッチングによって第1穴部105を形成する。
【0032】
次いで、図3(d)に示すように、レジストパターン104を除去する。
【0033】
その後、図3(e)に示すように、高選択比層102に第2穴部106を、第2シリコン層103に第3穴部108を形成するためのレジストパターン107を形成する。
【0034】
そして、図2(f)に示すように、第2シリコン層103に対してドライエッチングによって第3穴部108を形成する。
【0035】
次いで、図2(g)に示すように、高選択比層102に第2穴部106を加工する。
【0036】
そして、図2(h)に示すように、レジストパターン107を除去する。
【0037】
この比較例1では、第1穴部105でノズル11を構成し、第2穴部106と第3穴部108とが同じ大きさに形成されてノズル連通路12を構成する。
【0038】
次に、比較例2の製造方法について図4を参照して説明する。図4は同比較例2に係るノズル部材の製造方法の説明図である。
【0039】
図4(a)に示すように、第1シリコン層101、エッチング選択比がシリコン層101よりも大きい中間層である高選択比層102、第2シリコン層103の順に積層された基材100を準備する。
【0040】
次いで、図4(b)に示すように、第1シリコン層101の表面にノズル11を構成する第1穴部105を形成するためのレジストパターン104を形成する。
【0041】
その後、図4(c)に示すように、第1シリコン層101に対してドライエッチングによって第1穴部105を形成する。
【0042】
次いで、図4(d)に示すように、レジストパターン104を除去する。
【0043】
その後、図4(e)に示すように、第2シリコン層103に第3穴部108を形成するためのレジストパターン107を形成する。
【0044】
そして、図4(f)に示すように、第2シリコン層103に対してドライエッチングによって第3穴部108を形成する。
【0045】
次いで、図4(g)に示すように、高選択比層102に第2穴部106を加工する。
【0046】
そして、図4(h)に示すように、レジストパターン107を除去する。
【0047】
この比較例2では、第1穴部105及び第2穴部106でノズル11を構成し、第3穴部108でノズル連通路12を構成する。
【0048】
次に、本発明の実施例と比較例について説明する。
【0049】
<実施例1>
基材100として、厚さ10μmの第1シリコン層101、高選択比層(酸化シリコン層)102、厚さ40μmの第2シリコン層103が順次積層されたSOI基板を使用した。
【0050】
そして、第1シリコン層101及び高選択比層102に直径20μmの第1穴部105及び第2穴部106を形成した後、第2シリコン層103に直径85μmの流路液室となる第3穴部108を形成した。
【0051】
<比較例1>
実施例と同じ基材100を使用し、第1シリコン層101に直径20μmの第1穴部105を形成した後、第2シリコン層103に直径85μmの流路液室となる第3穴部108を形成した。その後、高選択比層102に第3穴部108と同じ大きさの第2穴部106を形成して貫通した。
【0052】
<比較例2>
基材100として、厚さ10μmの第1シリコン層101、高選択比層(酸化シリコン層)102、厚さ50μmの第2シリコン層103が順次積層されたSOI基板を使用した。
【0053】
そして、第1シリコン層101に直径20μmの第1穴部105を形成した後、第2シリコン層103に直径85μmの第3穴部108としての流路液室を形成した。その後、高選択比層102に第1穴部105と同じ大きさの第2穴部106を形成して貫通した。
【0054】
実施例及び比較例1,2の評価としては、ノズル11を400個設けたノズル部材10を作製し、吐出曲がり量で判断を行うこととし、400個のノズル11における吐出曲がり量が±0.3℃以内となっていることを合格基準とした。
【0055】
吐出曲がりの評価結果を図5に示している。実施例の吐出評価結果は、基準である±0.3℃以内を達成している。一方、比較例は共に基準である±0.3℃を超えている。比較例1においては図3(f)、比較例2においては図4(f)の状態になったときに、高選択比層102が割れ、その破片により液滴に抵抗がかかり、±0.3°以上のランダムな曲がりが発生した。
【0056】
次に、本発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。図6は第1実施形態に係るノズル部材の製造方法でノズル部材を製造する工程を行った液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
【0057】
この液体吐出ヘッド1は、ノズル部材10と、流路板20と、壁面部材としての振動板部材30とを積層接合している。そして、振動板部材30の振動領域(ダイアフラム領域、振動板)31を変位させる圧電アクチュエータ40と、ヘッドのフレーム部材を兼ねている共通流路部材50とを備えている。
【0058】
ノズル部材10は、複数のノズル11を配列したノズル列と、ノズル11と圧力室21とを通じるノズル連通路12とを有している。このノズル部材10は、前記第1実施形態に係るノズル部材の製造方法で製造し、流路板20と接着剤接合する工程を行って流路板20と接合している。
【0059】
流路板20は、複数のノズル11に通じる複数の圧力室21、各圧力室21にそれぞれ通じる流体抵抗部を兼ねる個別供給流路22、1又は複数の個別供給流路22に通じる1又は複数の中間供給流路23を形成している。
【0060】
振動板部材30は、流路板20の圧力室21の壁面を形成する変位可能な複数の振動領域31を有する。ここでは、振動板部材30は2層構造(限定されない)とし、流路板20側から薄肉部を形成する第1層30aと、厚肉部を形成する第2層30bで構成されている。
【0061】
そして、薄肉部である第1層30aで圧力室21に対応する部分に変形可能な振動領域31を形成している。振動領域31内には、第2層30bで圧電アクチュエータ40と接合する厚肉部である凸部31aを形成している。
【0062】
そして、振動板部材30の圧力室21とは反対側に、振動板部材30の振動領域31を変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ40を配置している。
【0063】
この圧電アクチュエータ40は、ベース部材44上に接合した圧電部材41にハーフカットダイシングによって溝加工をして、ノズル配列方向において、所要数の柱状の圧電素子42を所定の間隔で櫛歯状に形成している。
【0064】
そして、圧電素子42を振動板部材30の振動領域31に形成した厚肉部である凸部31aに接合している。
【0065】
この圧電部材41は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極(端面電極)に接続され、外部電極にフレキシブル配線部材が接続される。
【0066】
共通流路部材50は共通供給流路51を形成している。共通供給流路51は、振動板部材30に設けたフィルタ部32を介して中間供給流路23に通じている。
【0067】
この液体吐出ヘッド1においては、例えば圧電素子42に与える電圧を基準電位(中間電位)から下げることによって圧電素子42が収縮し、振動板部材30の振動領域31が引かれて圧力室21の容積が膨張することで、圧力室21内に液体が流入する。
【0068】
その後、圧電素子42に印加する電圧を上げて圧電素子42を積層方向に伸長させ、振動板部材30の振動領域31をノズル11に向かう方向に変形させて圧力室21の容積を収縮させることにより、圧力室21内の液体が加圧され、ノズル11から液体が吐出される。
【0069】
なお、ヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
【0070】
次に、本発明に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の一例について図7及び図8を参照して説明する。図7は同装置の要部平面説明図、図8は同装置の要部側面説明図である。
【0071】
この印刷装置500は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
【0072】
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法で製造した液体吐出ヘッド1とヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を製造する工程を行って製造した液体吐出ユニット440を搭載する工程を行って搭載している。
【0073】
液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド1は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド1は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
【0074】
この印刷装置500は、用紙4101搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
【0075】
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド1に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
【0076】
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
【0077】
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド1の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
【0078】
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド1のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
【0079】
主走査移動機構493、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
【0080】
このように構成したこの印刷装置500においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
【0081】
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
【0082】
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0083】
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
【0084】
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構、液体循環装置の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
【0085】
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
【0086】
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
【0087】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
【0088】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
【0089】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
【0090】
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
【0091】
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
【0092】
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を 気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0093】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0094】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0095】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0096】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0097】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0098】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0099】
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0100】
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【符号の説明】
【0101】
1 液体吐出ヘッド
10 ノズル部材
11 ノズル
20 流路板
21 圧力室
30 振動板部材
40 圧電アクチュエータ
50 共通流路部材
51 共通供給流路
100 基材
101 第1シリコン層
102 高選択比層(中間層)
103 第2シリコン層
105 第1穴部
106 第2穴部
107 第3穴部
403 キャリッジ
440 液体吐出ユニット
500 印刷装置(液体を吐出する装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8