特開2021-66873(P2021-66873A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-66873重合性液晶組成物、高分子分散型液晶材料、並びに該高分子分散型液晶材料を用いた液晶素子及び調光素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-66873(P2021-66873A)
(43)【公開日】2021年4月30日
(54)【発明の名称】重合性液晶組成物、高分子分散型液晶材料、並びに該高分子分散型液晶材料を用いた液晶素子及び調光素子
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20210402BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20210402BHJP
   G02F 1/137 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   C08F290/06
   G02F1/13 500
   G02F1/137
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2020-170361(P2020-170361)
(22)【出願日】2020年10月8日
(31)【優先権主張番号】特願2019-191940(P2019-191940)
(32)【優先日】2019年10月21日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100124143
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 嘉久
(72)【発明者】
【氏名】桑名 康弘
(72)【発明者】
【氏名】初阪 一輝
(72)【発明者】
【氏名】中田 秀俊
【テーマコード(参考)】
2H088
4J127
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088GA06
2H088GA10
4J127AA03
4J127BA151
4J127BB031
4J127BB111
4J127BB221
4J127BC021
4J127BC131
4J127BC141
4J127BD441
4J127BD471
4J127BD481
4J127BE241
4J127BE24Y
4J127BF191
4J127BF19X
4J127BF621
4J127BF62X
4J127BG281
4J127BG28X
4J127CA02
4J127CB131
4J127CB153
4J127CB162
4J127CC011
4J127CC183
4J127CC292
4J127DA15
4J127DA17
4J127EA12
4J127FA16
4J127FA21
4J127FA31
(57)【要約】
【課題】 高分子分散型液晶素子としての実用性を備えた電気光学特性を有し、基材との密着性を向上させることができ、加工時に液晶成分が染み出さない液晶組成物、該液晶組成物を用いた高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法、高分子分散型液晶素子を用いた物品を提供することである。
【解決手段】 第1成分として平均分子量が1000以上の多官能の(メタ)アクリレートモノマー化合物又は多官能の(メタ)アクリレートオリゴマー化合物を1種又は2種以上と、第2成分として一般式(ii)で表される重合性化合物を1種又は2種以上と、第3成分として一般式(iii)で表される重合性化合物を1種又は2種以上と、第4成分として非重合性の液晶化合物を1種又は2種以上を含有し、非重合性の液晶化合物の合計含有量は液晶組成物中の非重合性液晶化合物及び重合性化合物の合計含有量の内、30質量%以上70質量%以下の重合性液晶組成物である。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1成分として、平均分子量が1000以上の多官能の(メタ)アクリレートモノマー化合物、又は多官能の(メタ)アクリレートオリゴマー化合物から選択される重合性化合物を1種又は2種以上と、
第2成分として、以下の一般式(ii)
【化1】
(式中、Pii1は重合性官能基を表し、
ii1、Xii2、Xii3及びXii4はそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1〜22のアルキレン基を表すが、該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は−P(=O)(−OH)−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立してフッ素原子又は−OHで置換されていてもよく、
ii2、Rii3及びRii4はそれぞれ独立して水素原子、重合性官能基、又は炭素原子数1〜22のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の隣接しない−CH−は酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は−P(=O)(−OH)−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子、−OH、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のハロゲン化アルキル基で置換されていてもよい。)
で表される重合性化合物を1種又は2種以上と、
第3成分として、以下の一般式(iii)
【化2】
(式中、Piii1は重合性官能基を表し、
iii1は単結合、又は炭素原子数1〜3のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の隣接しない−CH−は酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、
iii1は一般式(iii−1)〜(iii−16)
【化3】
(式中、1つ以上の−CH−はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−NH−、−NCH−、又は−CO−で置換されていてもよいが、一般式(iii−1)〜(iii−12)中に酸素原子及び/又は硫黄原子が合計2個以上存在する場合には、これらは−O−O−、−O−S−又は−S−S−のようにお互い同士結合することは無く、また、一つ以上の−CH−CH−は、−CH=CH−基に置換されていてもよく、また、一般式(iii−1)〜(iii−12)中の水素原子は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の隣接しない−CH−は酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、式中の黒点はZiii1への結合手を表す。)
で表される非液晶性の重合性化合物を1種又は2種以上と、
第4成分として、非重合性の液晶化合物を1種又は2種以上
を含有し、前記非重合性の液晶化合物の合計含有量は、液晶組成物中の非重合性液晶化合物及び重合性化合物の合計含有量のうち、30質量%以上70質量%以下である、重合性液晶組成物。
【請求項2】
第1成分である多官能の(メタ)アクリレートモノマー化合物、又は多官能の(メタ)アクリレートオリゴマー化合物から選択される重合性化合物が、ウレタン系、又はポリエステル系(メタ)アクリレートオリゴマーである請求項1に記載の重合性液晶組成物。
【請求項3】
第2成分である一般式(ii)が、以下の一般式(ii−a)
【化4】
(式中、Piia1は重合性基を表し、
iia2は炭素原子数1〜22の直鎖又は分岐のアルキル基を表すが、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−又は−P(=O)(−OH)−で置換されていてもよく、該アルキル基中に存在する1又は2以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は−OHで置換されていてもよい。)
又は一般式(ii−b)
【化5】
(式中、Pii1、Xii1、Xii2、Xii3、Xii4、Rii3及びRii4は一般式(ii)中のPii1、Xii1、Xii2、Xii3、Xii4、Rii3及びRii4とそれぞれ同じ意味を表し、
ii2は重合性官能基を表す。)
である請求項1又は2に記載の重合性液晶組成物。
【請求項4】
第3成分である一般式(iii)中のAiii1が一般式(iii−a1)〜(iii−a11)
【化6】
(式中、1つ以上の−CH−はそれぞれ独立して−CO−で置換されていてもよく、また、一般式(iii−a1)〜(iii−a11)中の水素原子は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の隣接しない−CH−は酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、式中の黒点はZiii1への結合手を表す。)
である請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合性液晶組成物。
【請求項5】
第4成分である非重合性の液晶化合物が一般式(I)
【化7】
(式中、Rは炭素原子数1から10までのアルキル基を表し、該アルキル基中の非隣接の1つ又は2つのCH基は酸素原子、−COO−、−OCO−で置き換えられていてもよく、また一つ以上のメチレン基は−CH=CH−、又は−CH≡CH−よって置き換えられていてもよく、
は、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、CF基、OCF基、OCHF基、NCS基、又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、該アルキル基中の非隣接の1つ又は2つのCH基は酸素原子、−COO−、−OCO−で置き換えられていてもよく、また一つ以上のメチレン基は−CH=CH−、又は−CH≡CH−によって置き換えられていてもよく、
、及びZは、それぞれ独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CH−CH−、−CH=CH−、−CFO−、−OCF−、又は−C≡C−を表し、Zが複数個存在する場合は、同じであっても異なっていても良く、
、A、及びAは、それぞれ独立して、
(a) 炭素原子数3〜8の脂環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよく、また、この基中に存在する隣接している2個のメチレン基の内の一つが−CH=CH−に置き換えられてもよい)、
(b) 炭素原子数5〜14の芳香族環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個の−CH=又は相互に隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、又は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよく、Aが複数個存在する場合は、同じであっても異なっていてもよく、
mは0、1又は2である。)
である請求項1〜4のいずれか一項に記載の重合性液晶組成物。
【請求項6】
更に、重合開始剤を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の重合性液晶組成物。
【請求項7】
更に、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定剤、粒子径が1μm未満の粒子、染料、顔料から選択されるいずれか1種または2種以上含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性液晶組成物。
【請求項8】
高分子分散型用の液晶組成物である請求項1〜7のいずれか一項に記載の重合性液晶組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の第1成分、前記第2成分及び前記第3成分由来のポリマーネットワークを有する高分子分散型液晶材料。
【請求項10】
請求項9に記載の高分子分散型液晶材料を用いた液晶素子。
【請求項11】
一対の透明電極基板と、
前記透明電極基板の間に配された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の第1成分、第2成分及び第3成分由来のポリマーネットワーク及び第4成分の液晶化合物を含む複合層と、を有する、調光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合性液晶組成物、該重合性液晶組成物を重合させた高分子分散型液晶材料、並びに該高分子分散型液晶材料を用いた液晶素子、及び液晶素子を用いた調光素子に関する。液晶素子は、デジタルカメラやスマートフォン等の調光に使用される光シャッター、ディスプレイ用光源の光散乱板、導光板、反射型ディスプレイや透明ディスプレイの反射板、及び調光素子等を含む物品を含み、調光素子は、ガラス窓、ドア、パーティション、プライベートガラス等の住宅やビル等建築物に使用される調光素子、ガラス窓、鏡、屋根等の自動車、飛行機、船舶、電車等輸送媒体に使用される調光素子、サングラス、眼鏡、サンバイザー、時計、鏡、反射板等の装飾用調光素子等の物品を含む。
【背景技術】
【0002】
液晶材料がポリマーマトリックス中に分散している高分子分散型液晶素子や液晶材料がポリマーネットワーク中に介在している高分子分散型液晶素子は、一般的な液晶素子とは異なり、素子の透過/散乱度合いを調整可能である。前記特徴から、反射型ディスプレイ、透明ディスプレイ、ローカルディミング光拡散素子、可変型反射素子等の高付加価値ディスプレイへ等の応用が期待されている。一方、透過/散乱の調光機能を活用した建材用や輸送用の窓ガラス、インテリア、エクステリア、プライベートガラスや可変型プロジェクタースクリーン、デジタルサイネージ等のスマートガラスやスマートウィンドウ等への応用も、近年の通信技術の発展に伴い、モバイル端末を用いて工業用、家庭用に関わらず各種設備機器の制御も可能になってきていることから、それらを実現するための調光材料が望まれている。
特に、上記スマートガラスやスマートウィンドウに展開する場合、高分子分散型液晶素子や高分子分散型液晶素子全面の調光を行うことから、一般的には透明基材、透明電極層、前記液晶素子層、透明電極層、透明基材層のような単純な構成で全面に電圧を印加することになる。そのため、省電力化が必要であり、透過/散乱度合いの調整以外にも低駆動電圧が望まれている。また、生産性の観点から、ロールtoロール方式で、PETフィルムやPCフィルムのようなフレキシブルな基材に直接形成可能なことが重要である。
一方、使用上や加工性の観点から、基材と前記液晶素子との密着性(接着性)もなくてはならない特性の一つである。そのため、高分子分散型液晶素子や高分子分散型液晶素子中のポリマー成分が多い方が好ましい。しかしながら、前記液晶素子中の液晶材料成分が減ることによって、散乱度合いが悪化する、駆動電圧が上昇する、といった問題が発生する。
例えば、特許文献1では、駆動電圧の上昇を抑制するために特定の液晶化合物を使用しており、駆動電圧の低下には一定の効果はみられているものの、密着性が不十分という問題があった。また、特許文献2には、耐光性を改善するために特定の液晶化合物を使用しており、耐光性には一定の効果がみられたものの光散乱性が不十分であるという問題があった。さらに特許文献3には密着性を改善するために特定の重合性化合物を使用しており、密着性には一定の効果がみられたものの、得られた液晶素子を加工する際に液晶成分がしみ出すという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−208107号公報
【特許文献2】特開2007−91850号公報
【特許文献3】特開2011−105902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術で述べたように生産性を考慮した場合、前記のようなフレキシブルな基材を用いて生産する際に様々な工程において前記透明基材、あるいは、透明電極層と前記液晶素子層が剥がれない程度の良好な密着性が必要となる。また、使用上や加工性を考慮した場合も同様に密着性が必要となる。さらには、前記ポリマー分散型液晶素子やポリマーネットワーク液晶素子は、対応する用途に応じて適切な形状や大きさに切断されるため、切断時に液晶成分が染み出す、すなわち、素子から液晶組成物が漏れない必要がある。さらには、基本性能として、液晶素子として実用に耐えうるだけの電気光学特性が必要である。
【0005】
従って、本発明の課題は、高分子分散型液晶素子としての実用性を備えた電気光学特性を有しつつ、基材との密着性を向上させることができ、加工時に液晶成分が染み出さない液晶組成物、該液晶組成物を用いた高分子分散型液晶表示素子、及びその製造方法、並びに高分子分散型液晶素子を用いた物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題に対して鋭意検討した結果、第1成分として、密着性を高めるための少なくとも2つ以上の重合性官能基を有する高分子化合物、第2成分として、実用に耐えうるだけの優れた電気光学特性を得るための少なくとも1つ以上の重合性官能基、及び脂肪鎖を有する重合性化合物、第3成分として、密着性を高め、かつ、各成分を相溶させるための少なくとも1つ以上の重合性官能基、及び環状骨格を有する重合性化合物、並びに、第4成分として非重合性液晶組成物を用い、また、重合性液晶組成物全体における非重合性の液晶化合物の合計含有量を調節することで解決に至った。
【0007】
即ち、本発明は、第1成分として、平均分子量が1000以上の多官能の(メタ)アクリレートモノマー化合物、又は多官能の(メタ)アクリレートオリゴマー化合物から選択される重合性化合物を1種又は2種以上と、
第2成分として、以下の一般式(ii)
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、Pii1は重合性官能基を表し、
ii1、Xii2、Xii3及びXii4はそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1〜22のアルキレン基を表すが、該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は−P(=O)(−OH)−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立してフッ素原子又は−OHで置換されていてもよく、
ii2、Rii3及びRii4はそれぞれ独立して水素原子、重合性官能基、又は炭素原子数1〜22のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の隣接しない−CH−は酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は−P(=O)(−OH)−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子、−OH、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のハロゲン化アルキル基で置換されていてもよい。)
で表される重合性化合物を1種又は2種以上と、
第3成分として、以下の一般式(iii)
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、Piii1は重合性官能基を表し、
iii1は単結合、又は炭素原子数1〜3のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の隣接しない−CH−は酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、
iii1は一般式(iii−1)〜(iii−16)
【0012】
【化3】
【0013】
(式中、1つ以上の−CH−はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−COO−、−OCO−−NH−、−NCH−又は−CO−で置換されていてもよいが、一般式(iii−1)〜(iii−12)中に酸素原子及び/又は硫黄原子が合計2個以上存在する場合には、これらは−O−O−、−O−S−又は−S−S−のようにお互い同士結合することは無く、また、一つ以上の−CH−CH−は、−CH=CH−基に置換されていてもよく、また、一般式(iii−1)〜(iii−12)中の水素原子は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の隣接しない−CH−は酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、式中の黒点はZiii1への結合手を表す。)
で表される非液晶性の重合性化合物を1種又は2種以上と、
第4成分として、非重合性の液晶化合物を1種又は2種以上
を含有し、前記非重合性の液晶化合物の合計含有量は、液晶組成物中の非重合性液晶化合物及び重合性化合物の合計含有量のうち、30質量%以上70質量%以下である、重合性液晶組成物を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の重合性組成物は、高分子分散型液晶素子に用いた場合、実用に耐えうる良好な電気光学特性を有し、また、高分子分散型液晶素子として良好な密着性、及び、加工性を得ることができる。
【0015】
本発明の重合性組成物は、高分子分散型液晶素子に用いた場合、実用に耐えうるための良好な電気光学特性を有しつつ、低駆動電圧が可能であり、また、高分子分散型液晶素子として良好な密着性を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の重合性液晶組成物、及び、それを用いた高分子分散型液晶素子の実施について説明する。
【0017】
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をよりよく理解させるために具体的な例として説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
<重合性液晶組成物>
本発明の重合性液晶組成物は、前記したとおり、第1成分として平均分子量が1000以上の多官能の(メタ)アクリレートモノマー化合物、又は多官能の(メタ)アクリレートオリゴマー化合物から選択される重合性化合物、第2成分として、一般式(ii)で表される化合物、第3成分として一般式(iii)で表される化合物、第4成分として、非重合性の液晶化合物を、及び必要に応じて他の成分を含有する。以下、各成分について具体的に説明する。
(第1成分 平均分子量が1000以上の多官能の(メタ)アクリレートモノマー化合物、又は多官能の(メタ)アクリレートオリゴマー化合物)
第1成分の多官能(メタ)アクリレート化合物、又は多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリマーのネットワーク構造中に架橋構造を導入するために、また、良好な密着性を得るために必要な化合物である。多官能(メタ)アクリレート化合物、又は多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの中でも、2官能アクリレート、2官能アクリレートオリゴマーが好ましい。さらに、基板との密着性を重視するには、ウレタン系、又はポリエステル系アクリレートオリゴマーであることが好ましく、ウレタンアクリレートオリゴマーであることが更により好ましい。ウレタンアクリレートオリゴマーにはポリエステル系、ポリエーテル系などがあるが、ポリエーテル系の方が好ましい。分子量としては、平均分子量が1000以上であり、2000〜60000が好ましく、5000〜50000がより好ましく、10000〜40000が更により好ましい。これは、あまり分子量が小さいと1分子中に含まれる(メタ)アクリル基の増加によって引き起こる架橋密度の増加により、硬化収縮の度合いが大きくなり、密着性が悪化してしまい、逆にあまり分子量が大きいと架橋間距離が長くなるため、隙間が大きくなり、液晶を取り込みやすくなるために高分子分散型液晶としての散乱性が低下するからである。すなわち高温下での環境に放置すると、ポリマーが液晶を吸収してしまい、特性が大きく変化してしまうためである。また、分子量が大きいと重合性化合物添加による高分子分散型液晶の転移点Tnmの低下度合いが小さくなり、Tnmを室温以下にするには、液晶組成物自身のTniが低い材料を用いなければならなくなるため、結果的に動作温度範囲が狭くなってしまう問題も生じてしまう。
【0018】
多官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、水酸基含有アクリレートと、ポリオール、ポリイソシアネートを反応させて得られる。ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等があげられ、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等があげられる。
ポリイソシアネートとしては、2、4−および2、6−トリレンジイソシアネート(TDI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロペンタジエンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびカルボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等があげられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、ε−カプロラクトンで変性されたモノ(メタ)アクリレート等があげられる。
【0019】
具体的には、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート、ポリウレタンジアクリレートオリゴマーが好ましく、用いるポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが好ましく、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールが特に好ましく、用いるポリイソシアネートとしては、環状構造を有するポリイソシアネートが好ましく、脂環構造を有するポリイソシアネートが特に好ましい。より具体的には、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、ジシクロペンタジエンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、カルボジイミド変成MDIが好ましく、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、ジシクロペンタジエンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
用いる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、ε−カプロラクトンで変性されたモノ(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、以下の一般式(i−1)の化合物も好ましい。
【0020】
【化4】
【0021】
(式中、Xi1はそれぞれ独立して水素原子、又はメチル基を表し、Bi1は炭素原子数1〜4までのアルキル基を表し、該アルキル基中の一つ以上の−CH−は酸素原子、−CO−、−COO−、−OCO−で置換されていても良く、bは1〜20を表し、Bは、下記(i−2)、又は(i−3)
【0022】
【化5】
【0023】
を表し、Bは下記(i−4)
【0024】
【化6】
【0025】
(式中、Xi2は水素原子、又はメチル基を表し、tは20〜300を表す)
を表す。)
さらには、脂肪族ウレタンアクリレート、ポリウレタンジアクリレートオリゴマーが特に好ましい。
【0026】
第1成分である平均分子量が1000以上の多官能の(メタ)アクリレートモノマー化合物、又は多官能の(メタ)アクリレートオリゴマー化合物から選択される重合性化合物の含有量は、本発明の重合性液晶組成物が含有する重合性化合物の合計量100質量%に対し、密着性を高める観点から、5質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが特に好ましい。また、低電圧化の観点から、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。
(第2成分 一般式(ii)で表される化合物)
第2成分の一般式(ii)で表される化合物は、優れた電気光学特性を実現するため、特に駆動電圧を低減するために必要な化合物である。
【0027】
一般式(ii)で表される化合物において、
【0028】
【化7】
【0029】
式中Pii1は重合性官能基を表すが、好ましくは下記式(P−a)〜式(P−j)のいずれかが好ましい。
【0030】
【化8】
【0031】
(上記式(P−a)〜式(P−j)中、Ra1〜Ra7は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、又は炭素原子数1〜3のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基を表わし、na1〜na2はそれぞれ独立して、1〜3の整数を表し、na3は1を表し、na4〜na5はそれぞれ独立して、1〜3の整数を表わす。上記式(P−a)〜式(P−j)中、*は、炭素原子又は他の原子との結合を示す。)
重合性及び保存安定性を高める観点から、上記式(P−a)〜(P−j)で表わされる重合性基のうち、式(P−a)、式(P−c)及び式(P−e)が好ましい。
【0032】
i1及びPi2で表される重合性基としては、それぞれ独立して、下記式(P−1)〜式(P−20)のいずれかがより好ましい。また、下記式(P−1)〜式(P−20)中、*は、炭素原子又は他の原子との結合を示す。
【0033】
【化9】
【0034】
上記式(P−1)〜(P−20)で表わされる重合性基のうち、重合性及び保存安定性を高める観点から、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−12)、又は式(P−13)が好ましく、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)がより好ましく、特に式(P−1)、及び式(P−2)が好ましい。
一般式(ii)で表される化合物において、式中Xii1、Xii2、Xii3及びXii4はそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1〜22のアルキレン基を表すが、該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は−P(=O)(−OH)−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立してフッ素原子又は−OHで置換されていてもよいが、単結合又は炭素原子数1〜18のアルキレン基であることが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜12のアルキレン基であることがより好ましい。
【0035】
ii1、Rii2及びRii3はそれぞれ独立して水素原子、重合性官能基、又は炭素原子数1〜22のアルキル基を表すが、水素原子、重合性官能基、又は炭素原子数3〜16のアルキル基を表すことが好ましく、水素原子、重合性官能基、又は炭素原子数5〜14のアルキル基を表すことがさらに好ましく、水素原子、重合性官能基、又は炭素原子数6〜12のアルキル基を表すことが特に結晶性を抑制できる点から好ましい。
ii1、Rii2及びRii3がアルキル基を表す場合は、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の隣接しない−CH−は酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は−P(=O)(−OH)−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子、−OH、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のハロゲン化アルキル基で置換されていてもよい。
【0036】
ii1、Rii2及びRii3が重合性基を表す場合、好ましい重合性基はPii1が表す重合性基と同じである。
【0037】
一般式(ii)が、重合性基を1つのみ有する場合、すなわち、Rii1、Rii2及びRii3が重合性基を表さない場合は、以下の一般式(ii−a)を表すことが好ましい。
【0038】
【化10】
【0039】
(式中、Piia1は重合性基を表し、
iia2は炭素原子数1〜80の直鎖又は分岐のアルキル基を表すが、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は−P(=O)(−OH)−で置換されていてもよく、該アルキル基中に存在する1又は2以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は−OHで置換されていてもよい。)
一般式(ii−a)で表される化合物において、式中Piia1は重合性官能基を表すが、好ましくは一般式(ii)中のPii1が表す重合性基と同じである。
【0040】
一般式(ii−a)で表される化合物において、式中Riia2は炭素原子数3〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表すことがより好ましく、炭素原子数6〜18の直鎖又は分岐のアルキル基を表すことが特に結晶性を抑制できる点から好ましく、分岐のアルキル基を表すことが更により好ましく、炭素原子数9〜24の分岐のアルキル基を表すことが更により好ましい。
【0041】
iia2が直鎖アルキル基を表す場合、一般式(ii−a)で表される化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の直鎖状アルキル鎖を有するモノ(メタ)アクリレート、あるいは、下記の構造で表される直鎖状アルキル鎖を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0042】
また、一般式(ii−a)で表される化合物としては、一般式(ii−a)中のRiia1が直鎖状のエーテル鎖の構造を有するアクリレートが好ましい。当該エーテル鎖の構造を有するアクリレートとしては、下記の構造で表される化合物が好ましい。
【0043】
【化11】
【0044】
(上記一般式(ii−a1)〜(ii−a3)中、qは1〜12の整数を表す)
上記一般式(ii−a)のなかでも特に電圧無印加時の透明性を良好に維持しつつ、駆動電圧を低減効果が顕著なものとなる観点からは、直鎖状アルキル鎖を有するモノ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
【0045】
iia2が分岐アルキル基を表す場合、一般式(ii−a)で表される化合物としては、下記の構造で表される分岐状アルキル鎖を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0046】
【化12】
【0047】
また、一般式(ii−a)で表される化合物としては、一般式(ii−a)中のRiia1が直鎖状のエーテル鎖の構造を有するアクリレートが好ましい。当該エーテル鎖の構造を有するアクリレートとしては、下記の構造で表される化合物が好ましい。
【0048】
【化13】
【0049】
(式中qは1〜10の整数を表す)
これらのなかでも特に電圧無印加時の透明性を良好に維持しつつ、駆動電圧を低減効果が顕著なものとなる点から分岐状アルキル鎖を有するモノ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
【0050】
一般式(ii)が、重合性基を複数有する場合、すなわち、Rii1、Rii2及びRii3のいずれか一つ以上が重合性基を表す場合は、以下の一般式(ii−b)を表すことが好ましい。
【0051】
【化14】
【0052】
(式中、Pii1、Xii1、Xii2、Xii3、Xii4、Rii3及びRii4は一般式(ii)中のPii1、Xii1、Xii2、Xii3、Xii4、Rii3及びRii4とそれぞれ同じ意味を表し、
ii2は重合性官能基を表す。)
一般式(ii−b)で表される化合物において、式中Pii1及びPii2はそれぞれ独立して重合性官能基を表すが、好ましくは一般式(ii)中のPii1が表す重合性基と同じである。
【0053】
一般式(ii−b)で表される化合物において、式中Xii1、Xii2、Xii3、Xii4、Rii3及びRii4が表す好ましい基は、一般式(ii)中のPii1、Xii1、Xii2、Xii3、Xii4、Rii3が表す好ましい基と同じである。
【0054】
一般式(ii−b)で表される化合物が重合性基を2つ有する場合、すなわち、Rii3及びRii4が重合性基以外の基を表す場合、下記一般式(ii−b1)で表される重合性化合物を用いることが好ましい。
【0055】
【化15】
【0056】
(式中、Y、及びYは水素原子、又はメチル基を表し、
は直鎖、または分岐の炭素原子数2〜80のアルキレンを表し、該アルキレンの任意の炭素原子は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−、OH又は−P(=O)(−OH)−で置換されてよい。)
ここで、一般式(ii−b1)中、Xは直鎖、または分岐のアルキレンは、炭素原子数2〜70の範囲であるが、炭素原子数は6〜70の範囲であることが好ましく、中でも8〜60の範囲であることが好ましく、特に9〜50の範囲であることが駆動電圧低下の点から好ましい。
【0057】
また、一般式(ii−b1)中のXは、炭素原子数2〜80のアルキレン中にアルキリデン基を有するものが駆動電圧の低下の点から好ましい。ここでアルキリデン基としては、エチリデン基、2,2−プロピリデン基であることが好ましい。
【0058】
かかるXは、更に具体的には、下記構造式(ii―1)又は構造式(ii―2)で表される構造部位を部分構造として、又は繰り返し単位として有することが好ましい。
【0059】
【化16】
【0060】
(構造式(i―1)中、Y及びYはそれぞれメチル基又は水素原子を表すが、少なくとも一方はメチル基であり、Yは単結合、メチレン基、1,3−プロピレン基を表す。また、破線は結合手を表す。)
【0061】
【化17】
【0062】
(構造式(ii―2)中、Y及びYはそれぞれメチル基又は水素原子を表すが、少なくとも一方はメチル基であり、Yは単結合、メチレン基、1,3−プロピレン基を表す。また、破線は結合手を表す。)
上記した一般式(ii−b1)で表される重合性化合物は、例えば、下記の構造のものが挙げられる。
【0063】
【化18】
【0064】
(式中、n及びmはn+mが1〜10、n2は1〜18、n3及びm2はn3+m2が1〜18となる値、nは1〜23、nは1〜23、nは4〜30、nは2〜10、n及びnは2〜10をそれぞれ表す。)
一般式(ii)で表される化合物において、より密着性を重視した組成のためには、一般式(VI−1)
【0065】
【化19】
【0066】
で表される基を有する化合物を添加することが好ましい。具体的には下記の化合物を添加することが好ましい。
【0067】
【化20】
【0068】
(式中X、X、及びXはそれぞれ独立して水素原子、又はメチル基を表し、q、r、及びsは1から4を表す。)
第2成分である一般式(ii)で表される重合性化合物の含有量は、本発明の重合性液晶組成物が含有する重合性化合物の合計量100質量%に対し、電気光学特性向上の観点から、2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましく、ポリマーネットワークの強度を維持する観点から、50質量%以下であること、40質量%以下であること、30質量%以下であること、25質量%以下であることが特に好ましい。
(第3成分 一般式(iii)で表される化合物)
第3成分の一般式(iii)で表される化合物は、可撓性に優れる材料であり、この化合物を用いると、曲げた状態でも白濁性を維持することができる。また、密着性を高めると共に、重合性組成物中の各成分の相溶性を高めることができる。一般式(iii)で表される化合物は、非液晶性の化合物である。
【0069】
一般式(iii)で表される化合物において、式中Piii1は重合性官能基を表すが、好ましくは一般式(ii)中のPii1が表す重合性基と同じである。
【0070】
一般式(iii)で表される化合物において、式中Ziii1は単結合又は炭素原子数1〜9のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立してフッ素原子で置換されていてもよいが、単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜3のアルキレン基であることがより好ましい。
【0071】
一般式(iii)で表される化合物において、式中Aiii1は、密着性をより向上させる観点から、Aiii1中に窒素原子、酸素原子、硫黄原子を有する複素環構造を有することが好ましく、より具体的には、以下の一般式(iii−a1)〜(iii−a11)であることが好ましい。
【0072】
【化21】
【0073】
(式中、1つ以上の−CH−はそれぞれ独立して−CO−で置換されていてもよく、また、一般式(iii−a1)〜(iii−a11)中の水素原子は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の隣接しない−CH−は酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、式中の黒点はZiii1への結合手を表す。)
特に、環状構造が窒素原子を有する場合には、環状構造が窒素原子の存在により、密着性をより向上させることができる。
【0074】
一般式(iii)で表される化合物は、より具体的には以下の化合物が好ましい。
【0075】
【化22】
【0076】
(Xは水素原子、又はメチル基を表す。)
第3成分である一般式(iii)で表される化合物の含有量は、本発明の重合性液晶組成物が含有する重合性化合物の合計量100質量%に対し、密着性を向上させる観点から、また、重合性組成物中の各成分の相溶性を高める観点から、2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。また、低電圧化の観点から、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが特に好ましい。
(その他の重合性化合物)
その他の重合性化合物としては、メソゲン性骨格を有する重合性化合物が好ましく、下記一般式(2)〜(8)で表される化合物が好ましい化合物として挙げられる。一般式(2)〜(8)で表される化合物は液晶性を示すことが好ましい。
【0077】
【化23】
【0078】
上記式(2)〜(8)中、P11〜P74は重合性基を表し、好ましくは前記一般式(ii)のPii1が表す基として好ましい重合性基である式(P−a)〜式(P−j)から選択される重合性基を表すが、これらの重合性基のうち、重合性および保存安定性を高める観点から、式(P−a)、式(P−c)及び式(P−e)がより好ましい。
11〜X72は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、X11〜X72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く(ただし、各P−(S−X)−結合には−O−O−を含まない。)、特に単結合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-から選択される基が好ましい。
【0079】
11、M21、M31、M51、M71は、各々独立して、下記一般式(9−a)で表されるメソゲン基
【0080】
【化24】
【0081】
(一般式(9−a)中、A91、A92、A93は各々独立して少なくとも環構造を1つ以上有する2価の基であり、前記2価の基は1,2−シクロプロピレン基、1,3−シクロブチレン基、2,5−シクロペンチレン基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−1,5−ジイル基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−1,6−ジイル基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−2,5−ジイル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]−1,3−ジイル基、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフチレン−1,4−ジイル基、ナフチレン−1,5−ジイル基、ナフチレン−1,6−ジイル基、ナフチレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、ベンゾチアゾール基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良いが、A91及び/又はA92が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、
91及びZ92は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CHCH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、Z91及び/又はZ92が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、
j91及びj92は、各々独立して0〜4を表すが、j91+j92は1〜4の整数を表し、
はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−N=N−、−CR=N−N=CR−、又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状、分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い(なお、Rは水素原子、又は、炭素原子数1から20のアルキル基を表すが、当該アルキル基は直鎖状であっても分岐状であっても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、当該アルキル基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良い。)。)を表す。
【0082】
また、M41は、前記A91、A92、A93として例示した環構造を有する3価の有機基であり、M61は前記A91、A92、A93として例示した環構造を有する4価の有機基である。
【0083】
前記一般式(2)〜一般式(8)中、R11、R31はそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、又は、炭素原子数1から20のアルキル基を表すが、当該アルキル基は直鎖状であっても分岐状であっても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、当該アルキル基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良く、
m1〜m7、n2〜n7、l4〜l6、k6は各々独立して0から5の整数を表す。)
前記一般式(2)〜一般式(8)中、S11〜S72は各々独立してスペーサー基を又は単結合を表し、前記S11〜S72で表されるスペーサー基は、炭素原子数1〜18のアルキレン基を表し(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、CH(COOH)、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。これらのスペーサー基のうち、配向性の観点から、炭素原子数2〜8の直鎖アルキレン基、フッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基、アルキレン基の一部が−O−で置き換えられた炭素原子数5〜14のアルキレン基が好ましい。また、S11〜S72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良い。
【0084】
前記一般式(2)〜一般式(8)中、m1〜m7、n2〜n7、l4〜l6、k6は各々独立して0から5の整数を表し、m1〜m7、n2〜n7、l4〜l6、k6は各々独立して0または1が好ましい。
本発明の重合性液晶組成物において、前記重合性液晶組成物中に含まれる第1成分、第2成分及び第3成分等の重合性化合物の総量の割合の下限は、液晶組成物中の非重合性液晶化合物(第4成分)及び重合性化合物の合計含有量のうち、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが好ましい。また、本発明の重合性液晶組成物において、前記重合性液晶組成物中に含まれる重合性化合物の総量の割合の上限は、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることが好ましい。前記重合性液晶組成物中に含まれる重合性化合物の総量とは、重合性液晶組成物内に含有する全ての重合性化合物の合計量を意味するものであり、例えば、第1成分である平均分子量が1000以上の多官能の(メタ)アクリレートモノマー化合物、又は多官能の(メタ)アクリレートオリゴマー化合物と、第2成分である一般式(ii)で表される重合性化合物と、第3成分である一般式(iii)で表される重合性化合物と、その他の重合性化合物であるメソゲン性骨格を有する重合性化合物、そして、任意に含有する重合性化合物の総量で表される。
(第4成分 非重合性の液晶化合物)
第4成分の非重合性の液晶化合物は、以下の例えば、以下の一般式(I)で表わされる。
【0085】
【化25】
【0086】
(式中、Rは炭素原子数1から10までのアルキル基を表し、該アルキル基中の非隣接の1つ又は2つのCH基は酸素原子、−COO−、−OCO−で置き換えられていてもよく、また一つ以上のメチレン基は−CH=CH−、又は−CH≡CH−よって置き換えられていてもよく、好ましくは炭素原子数1から5までのアルキル基(該アルキル基中の一つ以上のメチレン基は−CH=CH−よって置き換えられていてもよい)であり、
は、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、CF基、OCF基、OCHF基、NCS基、又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、該アルキル基中の非隣接の1つ又は2つのCH基は酸素原子、−COO−、−OCO−で置き換えられていてもよく、また一つ以上のメチレン基は−CH=CH−、又は−CH≡CH−によって置き換えられていてもよく、好ましくはフッ素原子、シアノ基、又は炭素原子数1〜5のアルキル基(該アルキル基中の非隣接の1つ又は2つのCH基は酸素原子で置き換えられていてもよい。)であり、
、及びZは、それぞれ独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CH−CH−、−CH=CH−、−CFO−、−OCF−、又は−C≡C−を表し、Zが複数個存在する場合は、同じであっても異なっていても良く、好ましくは、単結合、−COO−、−CFO−、又は−C≡C−であり(Zが複数個存在する場合は、同じであっても異なっていても良い)、
、A、及びAは、それぞれ独立して、
(a) 炭素原子数3〜8の脂環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよく、また、この基中に存在する隣接している2個のメチレン基の内の一つが−CH=CH−に置き換えられてもよい)、
(b) 炭素原子数5〜14の芳香族環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個の−CH=又は相互に隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、又は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよく、Aが複数個存在する場合は、同じであっても異なっていてもよく、
mは0、1又は2である。)
本発明の重合性液晶組成物として使用する非重合性液晶化合物は、単独で液晶相を示す化合物であっても、2種以上を勘合した際に液晶相を示す化合物であっても良いが、通常は、2種以上の液晶組成物として用いる。
【0087】
本発明に係る重合性液晶組成物の総量に対しての、一般式(I)で表される化合物の合計含有量は、重合性液晶組成物中の非重合性液晶化合物及び重合性化合物の合計含有量100質量%のうち、好ましい含有量の下限値は30質量%であり、上限値は70質量%である。より好ましい含有量の下限値は35質量%であり、上限値は55質量%である。更により好ましい含有量の下限値は40質量%であり、上限値は60質量%である。
【0088】
2種以上の液晶分子を混合して使用する場合には、種々の組み合わせが可能であるが、少なくとも1種類は以下の一般式(L)を含み、液晶組成物の誘電率異方性が正の場合は、更に以下の一般式(2−A)又は(2−B)を含み、液晶組成物の誘電率異方性が負の場合は、以下の一般式(IIa)、(IIb)又は(IIc)で表される化合物を含有しても良い。
【0089】
一般式(L)で表される液晶化合物は誘電的にほぼ中性の化合物(誘電率異方性Δεの値が−2〜2)に該当する。
【0090】
一般式(L)で表される化合物を以下に示す。
【0091】
【化26】
【0092】
(式中、R21及びR22はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
21、M22及びM23はお互い独立して
(a) 炭素原子数3〜8の脂環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよく、また、この基中に存在する隣接している2個のメチレン基の内の一つが−CH=CH−に置き換えられてもよい)、
(b) 炭素原子数5〜14の芳香族環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個の−CH=又は相互に隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、及び、基(b)はそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、又は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよく、
oは0、1又は2を表し、
21及びL22はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=N−N=CH−、−COO−、−OCO−、又は−C≡C−を表し、L22が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、M23が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良い。)
一般式(L)で表される化合物において、R21及びR22はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されたもの、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されたものも含む。)が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシ基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数3から6のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から5のアルコキシ基が特に好ましい。
【0093】
信頼性を重視する場合にはRL1及びRL2はともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
【0094】
分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個が好ましく、0又は1が好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1が好ましい。
【0095】
21及びR22は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0096】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
【0097】
【化27】
【0098】
21、M22及びM23はお互い独立してトランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個のCH基が酸素原子に置換されているものを含む)、1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されているものを含む)、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又は1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基が特に好ましい。M21、M22及びM23はΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0099】
【化28】
【0100】
トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
【0101】
oは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましい。
【0102】
21及びL22はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=N−N=CH−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−又は−C≡C−がより好ましく、単結合、−CHCH−又は−C≡C−が更に好ましい。
【0103】
上記の選択肢の組み合わせにより形成される構造のうち、−CH=CH−CH=CH−、−C≡C−C≡C−及び−CH=CH−C≡C−は化学的な安定性から好ましくない。またこれら構造中の水素原子がフッ素原子に置き換わったものも同様に好ましくない。また酸素同士が結合する構造、硫黄原子同士が結合する構造及び硫黄原子と酸素原子が結合する構造となることも同様に好ましくない。また窒素原子同士が結合する構造、窒素原子と酸素原子が結合する構造及び窒素原子と硫黄原子が結合する構造も同様に好ましくない。
【0104】
本発明に係る液晶組成物において、一般式(L)で表される液晶化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0105】
本発明に係る重合性液晶組成物に用いる複数の非重合性液晶化合物からなる液晶組成物の総量に対しての、式(L)で表される化合物の、好ましい含有量の下限値は5質量%であり、上限値は90質量%である。より好ましい含有量の下限値は20質量%であり、上限値は80質量%である。更により好ましい含有量の下限値は25質量%であり、上限値は70質量%である。更により好ましい含有量の下限値は30質量%であり、上限値は60質量%である。
【0106】
該組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明に係る組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
【0107】
更に詳述すると、一般式(L)は具体的な構造として以下の一般式(L−a)から一般式(L−q)からなる群で表される化合物が好ましい。
【0108】
【化29】
【0109】
(式中、R23及びR24はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数2から10のアルケニル基又は炭素数3から10のアルケニルオキシ基を表す。)
23及びR24はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシ基又は炭素数2から10のアルケニル基がより好ましく、炭素数1から5のアルキル基又は炭素数1から10のアルコキシ基が更に好ましい。
【0110】
一般式(L−a)から一般式(L−q)で表される化合物中、一般式(L−a)、一般式(L−b)、一般式(L−c)、一般式(L−e)、一般式(L−h)、一般式(L−i)、一般式(L−m)、一般式(L−o)又は一般式(L−q)で表される化合物が好ましく、一般式(L−a)、一般式(L−c)、一般式(L−e)、一般式(L−h)又は一般式(L−i)で表される化合物が更に好ましい。
【0111】
本願発明では第4成分として、一般式(L)で表される化合物を少なくとも1種を含有し、1種〜10種含有することが好ましく、2種〜8種含有することが特に好ましい。
【0112】
本発明の重合性液晶組成物に含有する液晶組成物の誘電率異方性が正の場合は、更に一般式(2−A)及び一般式(2−B)で表される群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する。
【0113】
【化30】
【0114】
(式中、R2A1及びR2B1は、相互に独立して、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数2から7のアルケニル基であるが、R2A1及びR2B1上の1個又は2個以上の水素原子は、相互に独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
2A1及びC2B1は、相互に独立して、
(a) 炭素原子数3〜8の脂環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよく、また、この基中に存在する隣接している2個のメチレン基の内の一つが−CH=CH−に置き換えられてもよい)、
(b) 炭素原子数5〜14の芳香族環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個の−CH=又は相互に隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)
からなる群より選ばれる機を表し、上記の基(a)、及び、基(b)はそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、又は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよく、
2A1及びL2B1は、相互に独立して、単結合、−C−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−又は−OCF−を表し、
2A1及びX2B1は、相互に独立して、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、NCS基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜7のアルキル基又は少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜7のアルコキシ基又は炭素原子数2から7のアルケニル基を表し、X2A1及びX2B1上の少なくとも1個以上の水素原子は、相互に独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく
2A1、Y2A2、Y2B1及びY2B2は、相互に独立して、水素原子又はフッ素原子を表し、
2A1及びb2B1は、相互に独立して、1、2、3又は4を表す。)

一般式(2−A)及び一般式(2−B)中、R2A1及びR2B1は、相互に独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0115】
信頼性を重視する場合にはR2A1及びR2B1は、アルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0116】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0117】
アルケニル基としては、前記式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。
【0118】
【化31】
【0119】
各式中の黒点は結合手を表す。
【0120】
2A1及びC2B1は、相互に独立して、Δnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましい。
【0121】
【化32】
【0122】
2A1及びL2B1は、相互に独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−又は−OCF−が好ましく、単結合、−CHO−又は−CFO−が好ましく、単結合、−COO−、又は−CFO−が好ましく、環Cに挟まれるLは単結合であることが好ましい。
【0123】
2A1及びX2B1は、相互に独立して、フッ素原子、塩素原子、−CF又は−OCF又はシアノ基であることが好ましく、フッ素原子、又はシアノ基であることが好ましく、シアノ基であることが好ましい。
【0124】
2A1、Y2A2、Y2B1及びY2B2は、ともにフッ素原子であるか、同一分子内の一方がフッ素原子で他方が水素原子であることが好ましい。
【0125】
2A1及びb2B1は、相互に独立して、1、2又は3であることが好ましく、液晶組成物の液晶相の上限温度を重視する場合には2又は3であることが好ましく、液晶組成物の粘度及び誘電率異方性を重視する場合には、1又は2であることが好ましい。
【0126】
本発明の組成物において、一般式(2−A)及び/又は一般式(2−B)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0127】
本発明の重合性液晶組成物に用いる複数の非重合性液晶化合物からなる液晶組成物の総量に対しての一般式(2−A)及び一般式(2−B)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95質量%であり、85質量%であり、80質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
【0128】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0129】
一般式(2−A)で表される化合物としては、一般式(2―A―1)〜(2―A―42)で表される化合物が好ましい。
【0130】
【化33】
【0131】
【化34】
【0132】
【化35】
【0133】
【化36】
【0134】
【化37】
【0135】
(R2A1は炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基、又は炭素原子数2から7のアルケニル基を表し、Y2A1及びY2A2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
一般式(2−B)で表される化合物としては一般式(2−B−1)〜(2−B−5)で表される化合物が好ましい。
【0136】
【化38】
【0137】
(R2B1は炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数2から7のアルケニル基を表す。)
一般式(2−A)及び(2−B)で表される化合物は、どちらか一方の群からのみ選択して用いても良いし、それぞれの群から選択して組合わせて用いることもできる。
【0138】
本発明の重合性液晶組成物に用いる液晶組成物の信頼性を重視する場合は、一般式(2−A−1)〜(2−A−11)、(2−A−16)〜(2−A−20)及び一般式(2―B−1)〜(2−B−4)で表される群から選択される化合物を用いることが好ましく、中でも一般式(2−A−1)、(2−A−2)、(2−A−4)、(2−A−17)及び(2−A−20)で表される群から選択することがより好ましい。低い粘性を重視する場合は、一般式(2−A−12)〜(2−A−15)、(2−A−21)〜(2−A−28)及び(2―B−5)〜(2−B−6)で表される群から選択される化合物を用いることが好ましく、中でも(2−A−12)、(2−A−13)、(2−A−22)、(2−A−23)及び(2−A−26)で表される群から選択することがより好ましい。低い粘性を重視しつつ、透過率向上を重視する場合には、(2−A−14)、(2−A−15)、(2−A−25)、(2−A−27)及び(2−A−28)で表される群から選択される化合物を用いることが好ましい。散乱性を重視するのであれば(2−A−29)〜(2−A−42)で表される群から選択される化合物を用いることが好ましく、信頼性と散乱性を両立するのであれば(2−A−29)〜(2−A−36))で表される群から選択される化合物を用いることが好ましい。
【0139】
一般式(2−A)及び一般式(2−B)で表される化合物は、液晶表示素子に求める特性に応じて適宜選択し、必要に応じて複数種を組み合わせて用いることができるが、1〜12種用いることが好ましく、2〜10種用いることがより好ましく、3〜8種用いることが特に好ましい。
一般式(2−A)及び一般式(2−B)で表される化合物からなる群の含有率の下限値は、本発明の重合性液晶組成物に用いる複数の非重合性液晶化合物からなる液晶組成物の総質量に対して10質量%であることが好ましく、30質量%であることがより好ましく、50質量%であることが好ましく、上限値は95質量%が好ましく、80質量%が好ましく、75質量%が好ましく、70質量%が更に好ましい。
【0140】
本発明の重合性液晶組成物に用いる複数の非重合性液晶化合物からなる液晶組成物の誘電率異方性が負の場合は、更に一般式(IIa)で表される群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0141】
【化39】
【0142】
(式中R41及びR44はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
41、M42及びM43はお互い独立して、
(a) 炭素原子数3〜8の脂環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよく、また、この基中に存在する隣接している2個のメチレン基の内の一つが−CH=CH−に置き換えられてもよい)、
(b) 炭素原子数5〜14の芳香族環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個の−CH=又は相互に隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)
からなる群より選ばれる機を表し、上記の基(a)、及び、基(b)はそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、又は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよく、
41、L42及びL43はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M42、M4341及び/又はL43が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
41及びX42はフッ素原子、またはシアノ基を表し、
u及びvはお互い独立して、0、1又は2を表すが、u+vは2以下である。)
一般式(IIa)で表される化合物以外の負の誘電異方性を有する第2成分を含有していてもよい。例えば、1種類又は2種類以上の一般式(IIa)で表される化合物と共に、下記一般式(IIb)及び一般式(IIc)から選択される少なくとも1種又は2種以上の化合物を任意に組み合わせて構成することができる。一般式(IIa)、一般式(IIb)及び一般式(IIc)で表される化合物は誘電的に負の化合物(誘電率異方性の符号が負で、その絶対値が2より大きい)に該当する。
【0143】
【化40】
【0144】
(式中R42、R43、R45及び、R46はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
44、M45、M46、M47、M48及びM49はお互い独立して、
(a) 炭素原子数3〜8の脂環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよく、また、この基中に存在する隣接している2個のメチレン基の内の一つが−CH=CH−に置き換えられてもよい)、
(b) 炭素原子数5〜14の芳香族環構造を有する2価の基(この基中に存在する1個の−CH=又は相互に隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)
からなる群より選ばれる機を表し、上記の基(a)、及び、基(b)はそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、又は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよく、
44、L45、L46、L47、L48及びL49はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M45、M46、M48、M49、L44、L46、L47及び/又はL49が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
43及びX46は水素原子又はフッ素原子を表し、X44、X45、X47及びX48はフッ素原子を表し、Gはメチレン基又は−O−を表し、
w、x、y及びzはお互い独立して、0、1又は2を表すが、w+x及びy+zは2以下である。)
本発明に係る重合性液晶組成物に用いる複数の非重合性液晶化合物からなる液晶組成物の総量に対しての式(IIa)で表される液晶化合物の好ましい含有量の下限値は30質量%であり、上限値は95質量%である。より好ましい含有量の下限値は45%であり、上限値は80質量%である。
【0145】
本発明に係る液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。さらに、本発明に係る高分子分散型液晶素子用液晶組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
【0146】
上記一般式(IIa)、一般式(IIb)及び一般式(IIc)で表される化合物において、R41、R42、R43、R44、R45及びR46はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基、炭素数1〜15の直鎖状アルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されているもの、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されているものも含む。)が好ましく、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状アルコキシ基又は炭素数2〜10アルケニル基がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基が特に好ましい。M41、M42、M43、M44、M45、M46、M47、M48及びM49はお互い独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられているものも含む。)、1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられているものも含む)、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基で表す基(各々の基に含まれる水素原子がそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されているものも含む。)が好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が更に好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基が特に好ましい。L41、L42、L43、L44、L45、L46、L47、L48及びL49はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCO−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CHCH−、−OCH−又は−CHO−がより好ましい。X41、X42、X43、X44、X45、X46及びX47はお互い独立して水素原子、フッ素原子又はシアノ基が好ましく、Gはメチレン基又は−O−が好ましく、u、v、w、x、y及びzはお互い独立して、0、1又は2を表すが、u+v、w+x及びy+zは2以下が好ましい。
【0147】
一般式(IIa)で表される化合物において、具体的には以下の一般式(IIa−1)で示される構造を表すことが好ましい。
【0148】
【化41】
【0149】
(式中、R47及びR48はお互い独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L50、L51及びL52はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M50、M51及びM52はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基、2,5−テトラヒドロピラニル基を表し、該1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
及びvはそれぞれ独立して0又は1を表す。)
本発明の重合性液晶組成物において、第4成分である非重合性の液晶化合物の合計含有量は、重合性液晶組成物中の非重合性液晶化合物及び重合性化合物の合計含有量のうち、30質量%以上70質量%以下である。高分子分散型素子にした際の光散乱性を向上させる観点から、35質量%以上が好ましく、40質量%以上が好ましく、45質量%以上が好ましい。また、密着性を向上させる観点から、70質量%以下が好ましく、65質量%以下が好ましく、60質量%以下であることが好ましい。
【0150】
本発明の重合性液晶組成物は、重合開始剤を含有することができる。本発明で用いられる重合開始剤は、本発明の前記液晶組成物を重合させるために用いる。重合を光照射によって行う場合に使用する光重合開始剤としては、特に限定はないが、前記1つの重合性基を有し、かつ、式(I)を満たす重合性化合物、メソゲン性骨格を有する重合性化合物の配向状態を阻害しない程度で公知慣用のものが使用できる。
【0151】
例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「Omnirad184」、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン「オムニラッド1173」、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1「オムニラッド907」、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン「オムニラッドBDK」、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン「オムニラッド369」)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリノ−フェニル)ブタン−1−オン「オムニラッド379」、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド「オムニラッドTPO」、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−フォスフィンオキサイド「オムニラッド819」(IGM Resins株式会社製)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)],エタノン「イルガキュアOXE01」)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)「イルガキュアOXE02」、「イルガキュアOXE04」(BASF株式会社製)、「アデカアークルズNCI−831」、「アデカアークルズNCI−930」、「アデカアークルズN−1919」(ADEKA社製)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ−ドプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、「エサキュア ONE」、「エサキュアKIP150」、「エサキュアKIP160」、「エサキュア1001M」、「エサキュアA198」、「エサキュアKIP IT」、「エサキュアKTO46」、「エサキュアTZT」(lamberti株式会社製)、「スピードキュアBMS」、「スピードキュアPBZ」、「ベンゾフェノン」(LAMBSON社製)等が挙げられる。さらに、光カチオン開始剤としては、光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤としてはジアゾジスルホン系化合物、トリフェニルスルホニウム系化合物、フェニルスルホン系化合物、スルフォニルピリジン系化合物、トリアジン系化合物及びジフェニルヨードニウム化合物などが挙げられる。
【0152】
光重合開始剤の含有率は、本発明の重合性組成物に用いる重合性化合物の合計量100質量%に対し、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜6質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0153】
また、熱重合の際に使用する熱重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば、メチルアセトアセテイトパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカーボネイト、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、p−ペンタハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネイト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオン−アミヂン)ジハイドロクロライド等のアゾアミヂン化合物、2,2’アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、2,2’アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルアゾ化合物等を使用することができる。熱重合開始剤の含有利量は本発明の高分子分散型液晶素子用液晶組成物の重合性組成物に用いる重合性化合物の合計量100質量%に対し、0.1〜10質量が好ましく、1〜6質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0154】
本発明の重合性液晶組成物は、実用的な電気光学特性、及び、高分子分散型液晶素子にした場合の密着性を損なわない範囲で、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤、色素、顔料、粒子径が1μm未満の粒子、キラル化合物、あるいは、配向材料を添加することができる。
(重合禁止剤)
本発明で用いられる重合禁止剤は、本発明の重合性液晶組成物の重合反応を制御することによって、電気光学特性を制御するため、あるいは、第3成分である極性を有する重合性化合物の効能を補助するために用いることができる。そのような化合物としては、公知慣用のものが使用できる。
【0155】
例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2.2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2.2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4.4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4−メトキシ−1−ナフトール、4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビ−1−ナフトール、等のフェノール系化合物、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニルベンゾキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン、等のキノン系化合物が好ましく、p−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、tert−ブチルヒドロキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンが特に好ましい。
【0156】
重合禁止剤の含有量は、本発明の重合性液晶組成物の重合性組成物に用いる重合性化合物の合計量100質量%に対し、0〜2.0質量%であることが好ましく、0〜0.5質量%であることがより好ましい。
(酸化防止剤)
本発明で用いられる酸化防止剤は、本発明の高分子分散型液晶素子の実用的な耐久性を付与するために用いることができる。そのような化合物として、ヒドロキノン誘導体、ニトロソアミン系重合禁止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等を用いることができる。
【0157】
具体的には、tert-ブチルハイドロキノン、和光純薬工業社の「Q−1300」、「Q−1301」、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート「IRGANOX1010」、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート「IRGANOX1035」、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート「IRGANOX1076」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1330」、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール「IRGANOX1520L」、「IRGANOX1726」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」(以上、BASF株式会社製)、株式会社ADEKA製のアデカスタブAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−80、住友化学株式会社のスミライザーBHT、スミライザーBBM−S、およびスミライザーGA−80、及び下記の一般式で表される構造の化合物、等々が好ましい。
【0158】
【化42】
【0159】
一般式(H−1)から一般式(H−3)中、RH1は炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシル基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルケニルオキシ基を表すが、基中に存在する1個の−CH−又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−又は−S−に置換されても良く、また、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子に置換されてもよい。更に具体的には、炭素原子数2から7のアルキル基、炭素原子数2から7のアルコキシル基、炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数3から7のアルキル基又は炭素原子数2から7のアルケニル基であることが更に好ましい。
【0160】
中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、及び、前記一般式(H−2)〜(H−3)で表される化合物が特に好ましい。
酸化防止剤の含有量は、本発明の重合性液晶組成物に用いる重合性化合物の合計量100質量%に対し、0〜2.0質量%であることが好ましく、0〜0.5質量%であることがより好ましい。
(光安定剤)
本発明で用いられる光安定剤は、本発明の高分子分散型液晶素子の実用的な耐久性を付与するために用いることができる。そのような化合物として、例えば、「TINUVIN 111FDL」、「TINUVIN 123」、「TINUVIN 144」、「TINUVIN 152」、「TINUVIN 292」、「TINUVIN 622」、「TINUVIN 770」、「TINUVIN 765」、「TINUVIN 780」、「TINUVIN 905」、「TINUVIN 5100」、「TINUVIN 5050」、「TINUVIN 5060」、「TINUVIN 5151」、「CHIMASSORB 119FL」、「CHIMASSORB 944FL」、「CHIMASSORB 944LD」(以上、BASF株式会社製)、「アデカスタブLA−52」、「アデカスタブLA−57」、「アデカスタブLA−62」、「アデカスタブLA−67」、「アデカスタブLA−63P」、「アデカスタブLA−68LD」、「アデカスタブLA−77」、「アデカスタブLA−82」、「アデカスタブLA−87」(以上、株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は、本発明の重合性液晶組成物に用いる、少なくとも1の重合性基を有する液晶化合物の総量に対して、0.0〜2.0質量%であることが好ましく、0.0〜1.0質量%であることがより好ましい。
(連鎖移動剤)
本発明で用いられる連鎖移動剤は、重合性液晶組成物と基材との密着性をより向上させるために用いることができる。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n―ブチルメルカプタン、n―ペンチルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメル、n―ドデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン、t―ドデシルメルカプタン等のメルカプタン化合物、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等のチオール化合物、、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマー、アクロレイン、アリルアルコール、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルビネン、ジペンテン、等が挙げられるが、
具体的には下記一般式(9−1)〜(9−8)で表される化合物、α−メチルスチレンダイマー、α−テルピネンが好ましい。
【0161】
【化43】
【0162】
式中、R95は炭素原子数2〜18のアルキル基を表し、該アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であっても良く、該アルキル基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、R96は炭素原子数2〜18のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよい。
【0163】
連鎖移動剤の含有量は、本発明の重合性液晶組成物の重合性組成物に用いる重合性化合物の合計量100質量%に対し、0.0〜10質量%であることが好ましく、0.0〜5.0質量%であることがより好ましい。
(色素)
本発明で用いられる色素は、本発明の高分子分散型液晶素子に色を付与する、あるいは、色を制御するために用いることができる。そのような色素としては、特に制限はなく、液晶に可溶、あるいはポリマーネットワーク中に分散する範囲で公知慣用のものを用いることができる。前記色素としては、例えば、2色性色素、蛍光色素等が挙げられる。そのような色素としては、例えば、ポリアゾ色素、アントラキノン色素、キナクリドン色素、ジオキサジン色素、キノフタロン色素、シアニン色素、フタロシアニン色素、ペリレン色素、ペリノン色素、スクアリリウム色素等が挙げられるが、添加する観点から、前記色素は液晶性を示す色素が好ましい。例えば、特開昭51−2885号公報、特開昭61−21163号公報、特開昭62−555号公報、特開昭63−301850号公報、特開平7−48520号公報、特開平7−179858号公報、特開平10−279945号公報、特開平11−172252号公報、特開2000−239664号公報、特開2012−82400号公報等に示されているポリアゾ色素、特開昭59−20355号公報、特開昭59−172549号公報、特開昭61−148291号公報、特開平1−161086号公報、特開平8−67822号公報等に示されているアントラキノン色素、特開昭59−51947号公報、特開昭61−148292号公報等に示されているキノフタロン色素、特開2000−44825号公報、特開2001−49135号公報等に示されているジオキサジン色素が挙げられる。色素の含有量は、本発明の高分子分散型液晶素子用液晶組成物に用いる液晶性化合物の合計量100質量%に対し、0〜8質量%であることが好ましく、0〜4質量%であることがより好ましい。
(顔料)
本発明で用いられる顔料は、本発明の重合性液晶素子に色を付与する、あるいは色を制御するために用いることができる。そのような色素としては、特に制限はなく、液晶、あるいは、ネットワークポリマー中に分散する範囲で公知慣用のものを用いることができる。そのような顔料としては、アゾ顔料、ジケトピロロピロール顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料、カーボンブラック顔料、等が挙げられるが、効果的に着色性を付与する観点から、前記顔料は、ネットワークポリマーへの分散性が良好な顔料が好ましい。顔料の含有量は、本発明の重合性液晶組成物に用いる液晶性化合物の合計量100質量%に対し、0〜8質量%であることが好ましく、0〜4質量%であることがより好ましい。
(粒子径が1μm未満の粒子)
本発明で用いられる粒子径が1μm未満の粒子は、本発明の高分子分散型液晶素子に各種機能を付与するために用いることができる。そのような粒子としては、特に制限はないが、前記液晶素子の電気光学特性や密着性を損なわない範囲で用いることができる。そのような粒子としては、アルミナ、チタンホワイト、チタンブラック、水酸化アルミニウム、タルク、クレイ、マイカ、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、ガラス繊維等の無機質充填材、銀粉、銅粉などの金属粉末や窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ガリウム、炭化ケイ素、マグネシア(酸化アルミニウム)、シリカ、結晶性シリカ(酸化ケイ素)、溶融シリカ(酸化ケイ素)、グラファイト、カーボンナノファイバーを含む炭素繊維等などの熱伝導性フィラー、銀ナノ粒子、QD発光体粒子、ペロブスカイト型発光体粒子等が挙げられる。
前記顔料は、ネットワークポリマーへの分散性が良好な顔料が好ましい。顔料の含有量は、本発明の重合性液晶組成物に用いる液晶性化合物の合計量100質量%に対し、0〜5質量%であることが好ましく、0〜3質量%であることがより好ましい。
(キラル化合物)
本発明で用いられるキラル化合物は、本発明の高分子分散型液晶素子に各種機能を付与するために用いることができる。そのようなキラル化合物としては、特に制限はないが、前記液晶素子の電気光学特性や密着性を損なわない範囲で用いることができる。具体的には、例えば、キラル基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、キラル基として2−メチルブチル基を有するビーディーエイチ社製の「CB−15」、「C−15」、メルク社製の「S−1082」、チッソ社製の「CM−19」、「CM−20」、「CM」、キラル基として1−メチルヘプチル基を有するメルク社製の「S−811」、チッソ社製の「CM−21」、「CM−22」、キラル基としてイソソルビド骨格を有するBASF社の「LC756」、特表2009−515818号公報、特開2010−90108号公報、特開2013−87109号公報等に示されている重合性のキラル化合物などが挙げられる。
【0164】
キラル化合物を含有する場合は、本発明の重合性液晶組成物の重合体の用途によるが、得られる重合体の厚み(d)を重合体中での螺旋ピッチ(P)で除した値(d/P)が0.1〜100の範囲となる量を添加することが好ましく、0.1〜20の範囲となる量がさらに好ましい。
前記キラル化合物は、液晶組成物の特性を引き出すために所望の螺旋ピッチが得られるできる限り少ない含有量が好ましい。キラル化合物の含有量は、本発明の重合性液晶組成物に用いる液晶性化合物の合計量100質量%に対し、0〜8質量%であることが好ましく、0〜4質量%であることがより好ましい。
(配向材料)
本発明の重合性液晶組成物は、前記液晶素子の配向を制御するために配向材料を含有することができる。本発明に用いられる配向材料は、前記液晶組成物中に溶解する範囲で公知慣用のものが用いられる。そのような配向材料としては、例えば、メソゲン骨格の一方の末端に極性基、もう一方の末端に長鎖アルキル基を有する重合性化合物やメソゲン骨格のラテラル位に極性基を有する重合性液晶化合物、複数のメソゲン骨格を有し、かつ、一方のメソゲン骨格とメソゲン骨格を結合する長鎖アルキル基の側鎖に極性基を有する重合性化合物等が挙げられる。
<高分子分散型液晶素子>
本発明の重合性液晶組成物を用いた高分子分散型液晶素子は、少なくとも液晶とネットワークポリマーが相分離している層(相分離液晶層)、電極、及び、基材を備える。あるいは、相分離液晶層、配向膜相、電極、及び、前記相分離液晶層、配向膜相及び電極を支持する基材を備える。
【0165】
相分離液晶相は、前記重合性液晶組成物中に含有する重合性液晶化合物を重合することにより、前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分由来のポリマーネットワークを形成することにより得られる。
【0166】
本発明の前記液晶素子は、上記要素を備えるものであれば、具体的な実施形態は特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも一方に電極を有する2枚の基材と垂直配向膜とから構成される中空素子中に相分離液晶層が狭持された構成としてよい。
【0167】
本発明の液晶素子は、例えば、電圧無印加時には、ポリマーによるネットワーク構造とその空隙に存在する液晶分子によって光散乱状態とすることができる。一方、電圧印加時には、基板に対して液晶分子が垂直に配光することによって透明状態とすることができる。このように、本発明の垂直電界型液晶素子は電圧印加の有無により光の透過状態を変化させられるため、調光機能が求められる装置に組み込んで用いる液晶調光素子や、映像表示用ディスプレイに用いられる液晶表示素子として利用することができる。
【0168】
本発明の液晶素子は、電圧印加により液晶分子の配向を制御できるよう構成されればよいが、垂直電界型液晶素子として構成されることが好ましい。垂直電界型液晶素子は、配向膜に対して垂直に電界が生じるように電極が配置された液晶素子である。垂直電界型液晶素子においては、通常、相分離液晶層を狭持する2つの透明基板の両方に電極が設けられる。
【0169】
本発明に係る垂直電界型の液晶素子の構成は、それぞれ透明導電性材料からなる透明電極(層)を具備した第一の基板と第二の基板、前記第一の基板と第二の基板との間に挟持された相分離液晶層を有する。相分離液晶層は、液晶組成物に含まれる液晶分子とポリマー成分によって構成される高分子分散型液晶材料により構成される。
(基板)
本発明の液晶素子に用いられる基板は、液晶表示素子、有機発光表示素子、その他表示素子、光学部品、調光素子、着色剤、マーキング、印刷物や光学フィルムに通常使用する基板であって、前記液晶素子の製造工程における加熱、及び、使用される温度範囲において耐えうる耐熱性、あるいは、透過性を重視する用途においては、実用に耐えうる透明性を有する材料であれば、特に制限はない。
そのような基板としては、ガラス基材、金属基材、セラミックス基材、プラスチック基材や紙等の有機材料が挙げられる。特に基材が有機材料の場合、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ナイロン又はポリスチレン等が挙げられる。中でもポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチック基材を用いることが好ましい。
【0170】
2枚の基板を有する場合、一方の基板が液晶素子として実用性を有する透明性を具備すればよく、他方の基板は、透明性を具備していてもいなくてもよい。
【0171】
基板の形状としては、平板の形状を示したが、曲面を有するもののような他の形状であっても良い。また、基板は、必要に応じて、電極層、反射防止機能、反射機能を有していてもよい。
【0172】
本発明の液晶素子における密着性向上のために、これらの基板の表面処理を行っても良い。表面処理として、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、シランカップリング処理などが挙げられる。また、光の透過率や反射率を調節するために、基材表面に有機薄膜、無機酸化物薄膜や金属薄膜等を蒸着など方法によって設ける、あるいは、光学的な付加価値をつけるために、基材がピックアップレンズ、ロッドレンズ、光ディスク、位相差フィルム、光拡散フィルム、マイクロレンズシート、カラーフィルター、等であっても良い。
(電極:透明電極層)
本発明の液晶素子に用いられる電極は、液晶素子中において、相分離液晶層中の液晶分子を配向制御可能な電界を生じるように設けられる。電界強度は、電極への電圧印加の程度により制御される。
【0173】
電極の形状は特に限定されず、導電部がストライプ状もしくはメッシュ状、またはランダムな網目状であってよい。
【0174】
このような電極材料としては、金属材料で構成することが好ましく、具体的には、Al、Cu、Au、Ag、Cr、Ta、Ti、Mo、W、Niまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金が挙げられ、AlまたはAlを含む合金が好ましい。
【0175】
液晶素子の透明性を高めるためには、図1に示すように、電極を透明電極層2で構成することが好ましい。このような透明電極層は、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)のような公知の透明導電性材料で構成することができる。また、一方の基板が透明性を有さない材料で構成される場合には、該透明性を有さない基板上に設けられる電極も透明性を有する必要はなく、公知の金属材料から適宜選択することができる。
(垂直配向膜層)
上記基板には、本発明の高分子分散型液晶素子中の液晶分子が水平配向、あるいは、垂直配向するように、配向処理が施されていてもよく、あるいは配向膜が設けられていても良い。配向処理としては、延伸処理、ラビング処理、偏光紫外可視光照射処理、イオンビーム処理、基材へのSiOの斜方蒸着処理、等が挙げられる。そのような配向膜としては、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、アゾ化合物、クマリン化合物、カルコン化合物、シンナメート化合物、フルギド化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、アリールエテン化合物等の化合物、もしくは、前記化合物の重合体や共重合体が挙げられる。前記液晶分子にチルト角を付与するために、ラビング処理を行う場合、ラビングにより配向処理する化合物は、配向処理、もしくは配向処理の後に加熱工程を入れることで材料の結晶化が促進されるものが好ましい。ラビング以外の配向処理を行う化合物の中では光配向材料を用いることが好ましい。
【0176】
一般に、配向機能を有する基板に液晶組成物を接触させた場合、液晶分子は基板付近で基板を配向処理した方向に沿って配向する。液晶分子が基板と水平に配向するか、傾斜あるいは垂直して配向するかは、基板への配向処理方法による影響が大きい。
(液晶素子の製造方法の例)
本発明の液晶素子は、生産性の観点から、例えば基板と基板との間に空間を有するような形状の中空素子、いわゆる空セルに重合性液晶組成物を狭持させた重合性液晶素子から作製することが好ましい。
【0177】
中空素子に高分子分散型液晶素子用液晶組成物を狭持させる方法は、常法でよく、真空注入法、ODF法、ロールtoロール法、ロールtoシート法などを用いることができる。ODF法の前記液晶素子製造工程においては、中空素子のバックプレーンまたはフロントプレーンのどちらか一方の基板にエポキシ系光熱併用硬化性などのシール剤を、ディスペンサーを用いて閉ループ土手状に描画し、その中に脱気下で所定量の前記液晶組成物を滴下後、フロントプレーンとバックプレーンを接合することによって前記液晶素子を製造することができる。本発明に用いられる高分子分散型液晶素子用液晶組成物は、相安定性が高く揮発しにくいため、ODF工程に好適に使用することができる。
【0178】
また、ロールtoロール法による前記液晶組成の製造工程においては、第一の電極、または、配向膜と第一の電極を有するガラス基材、あるいは、プラスチック基材上に前記高分子分散型液晶素子用液晶組成物を塗布し、第二の電極、または、配向膜と第二の電極を有するガラス基材、あるいは、プラスチック基材の前記電極側、または前記配向膜側と前記液晶組成物が接するように貼り合せ、厚みを均一にすることで、前記液晶素子を製造することもできる。本発明に用いられる高分子分散型液晶素子用液晶組成物を塗布する方法としては、アプリケーター法、バーコーティング法、ロールコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、インクジェット法、ダイコーティング法、キャップコーティング法等、公知慣用の方法を行うことができる。
【0179】
本発明の重合性液晶組成物を、液晶素子の厚みを決定するための粒子を混合した組成物として、該組成物を中空素子に狭持させてもよい。そのような粒子としては、一般的な液晶表示素子や液晶ディスプレイに用いられる公知慣用のガラス粒子やポリマー粒子が用いられる。
【0180】
その場合、前記重合性液晶組成物、及び、前記液晶素子の厚みを決定する粒子を含む組成物を第一の電極を含有するプラスチック基材上に塗布した後、第二の電極を含有するプラスチック基材を前記第一の電極と前記第二の電極が対向するように貼り合せた後、すぐに紫外線を照射する方法、前記第一のプラスチック基材と前記第二のプラスチック基材に圧力をかけた状態で紫外線を照射する方法、あるいは、前記液晶素子用液晶組成物、及び、前記液晶素子の厚みを決定する粒子を含む組成物を第一の電極を含有する第一のプラスチック基材上に塗布した後、前記第一のプラスチック基材、及び、前記塗布された液晶組成物を真空状態にし、第二の電極を含有する第二のプラスチック基材を前記第一の電極と前記第二の電極が対向するように貼り合せた真空状態で紫外線を照射する方法が好ましい。
(重合方法)
本発明の重合性液晶組成物を重合させる方法としては、活性エネルギー線を照射する方法や熱重合法等が挙げられる。得られる高分子分散型液晶素子の用途に応じて、適宜選択される。
【0181】
紫外線等の光を照射する場合、照射時の温度は、本発明の前記液晶組成物が液晶相を保持できる温度とすることが好ましい。加熱をする場合は、前記液晶組成物中の重合性化合物成分が十分重合して液晶組成物成分と相分離構造を形成するまでは、本発明の前記液晶組成物が液晶相を保持できる温度が好ましく、前記相分離構造が形成された後は、液晶相を保持できる温度でなくても構わない。
【0182】
本発明の晶素子は、そのまま使用することも、他の基材に貼り合せて使用することもできる。また、接着剤や接着層、粘着剤や粘着層、保護フィルムや偏光フィルム等が積層されていてもよい。
(その他の電界型)
本発明の液晶素子には、上記垂直電界型の他、横電界型やその他の電界型を採用してもよい。FFS駆動モードに採用されるフリンジ電界を採用してもよい。この場合、垂直配向層に変えて水平配向層を設けてもよい。水平配向層は公知の材料で構成できる。
【0183】
本発明の液晶素子は、例えば、建材、調光ガラス、車載向けのスマートウィンドウ又はOLEDディスプレイにおける調光ユニット等に用いることが好ましい。本発明の液晶表示素子は、従来の高分子分散型液晶表示素子と同様な用途に用いることができるほか、特に透過型ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ等にも好ましく用いることができる。より具体的には、窓、天窓、屋根、壁、仕切り、間仕切り、扉等の建築用調光素子、扉、窓、ドア、ヘルメット、サンルーフ等の輸送用調光素子、サングラス、眼鏡、サンバイザー、時計、鏡、反射板等の装飾用調光素子、フレキシブル液晶表示素子、反射型液晶表示素子、透明液晶表示素子、可変式拡散フィルム等のディスプレイ用部材等の物品に用いることができる。
【実施例】
【0184】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「部」は「重量部」を意味する。
(合成例1)
攪拌羽根のついたフラスコにIPDI(イソホロンジイソシアネート)44.4部(0.2モル)を仕込み、攪拌を行いながらポリプロピレングリコール(平均分子量Mw:8100)810部(0.1モル)を発熱に注意しながら仕込み、70℃まで昇温した。この温度で反応を7時間行い、末端にイソシアネート基を有するウレタンポリマーを得た。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116)23.2部(0.2モル)を仕込み、この温度で更に7時間反応を行った。赤外吸収スペクトルでNCOの吸収が消失したことを確認して取り出し、ウレタンアクリレートUA−1(平均分子量Mw:29800)を得た。
(実施例1)
第1成分として、合成例1で作製したUA−1を14.0重量部、第2成分としてイソステアリルアクリレートS−1800A(新中村化学株式会社製)を10.0重量部、第3成分としてアクリロイルモルフォリンACMO(登録商標)(KJケミカルズ株式会社)を16.0重量部、第3成分として(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレートを10.0重量部混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物1を得た。
【0185】
得られた重合性組成物1に正の屈折率異方性を有する液晶組成物1(Tni:90.8℃、Δε:12.7、Δn0.202)50重量部を加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651(IGM Resins株式会社製)0.25重量部を加えて液晶高分子複合体用組成物1を得た。
なお、前記液晶組成物1は、4‘−エチルビフェニル−4−カルボニトリルを10重量部、4’−ブチルビフェニル−4−カルボニトリルを13重量部、4‘−ペンチルビフェニル−4−カルボニトリルを35重量部、2’−フルオロ−4“−プロピル−[1,1‘;4’,1”−]テルフェニル−4−カルボニトリルを10重量部、2,6−ジフルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリルを2重量部、trans,trans−4‘−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−プロピルビシクロヘキシルを4重量部、trans,trans−4‘−プロピルビシクロヘキシル−4−カルボン酸=4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニルを4重量部、trans,trans−4’−プロピルビシクロヘキシル−4−カルボン酸=4−(trans−4−ブチルシクロヘキシル)フェニルを4重量部、trans,trans−4−(4−メチルフェニル)−4‘−プロピルビシクロヘキシルを4重量部、trans,trans−4’−プロピル−4−(4−プロピルフェニル)ビシクロヘキシルを4重量部、4‘−エチル−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)ビフェニルを5重量部、4’−エチル−4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル5重量部を加熱混合することによって得られた。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物1を、厚み15μmのガラスセル(構成は、ガラス基材/透明電極層/空気層/透明電極層/ガラス基材)に室温で注入した後、室温で紫外線を照射することにより液晶高分子複合体を得た。このときの紫外線の条件は、光源が高圧水銀ランプ、強度が20mW/cm、時間は60秒であった。
(ヘイズ評価)
得られた液晶高分子複合体素子に電極配線を取り付け、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製NDH−7000)を用いて電圧−透過特性を評価した。電圧無印加時のヘイズは94.1%、AC20V印加時のヘイズは1.5%であった。
(密着性評価)
また、密着性の評価は、以下の方法で行った。まず、保護フィルム付、及び、透明電極付きのPETフィルムの透明電極面上に粒径15μmのガラスビーズを散布し、その上に前記組成物を滴下してアプリケーターで塗布した。その後、塗布面上の前記PETフィルムの透明電極面と塗布面が接するように貼り合せ、上下2枚のPETフィルム全面に均一に圧力をかけたフィルム積層体に室温で紫外線を照射することにより液晶高分子複合体を得た。得られた液晶高分子複合体素子をカッターで幅が1cmになるように切り出した。この際、液晶の染み出しはなかった。切り出した液晶高分子複合体素子を用いて180°剥離試験を行った。密着性評価には、エーアンドディー社製の引張試験機テンシロンRTG−1210を用いい、サンプルの幅25mm、引張速度300mm/分、23℃雰囲気下、ITO付きPETフィルムで挟んだ片側を180°方向に引き剥がした時の平均強度を求めた。強度は、1.1N/cmであった。
(実施例2)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を14.0重量部、第2成分としてS−1800Aを10.0重量部、第2成分としてライトエステルP−2M(共栄社化学株式会社製)を0.05重量部、第3成分としてACMO(登録商標)を17.5重量部、第3成分として(5−エチル1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレートを8.5重量部混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物2を得た。
【0186】
得られた重合性組成物2に実施例1で用いた液晶組成物1を50重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、添加剤としてキノパワー(登録商標)QS−20(川崎化成工業株式会社製)0.1重量部、及び重合開始剤としてOmnirad651を0.25重量部加えて液晶高分子複合体用組成物2を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物2を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例3)
実施例2において、第1成分として、UA−1の代わりにポリプロピレングリコール系ウレタンアクリレートオリゴマー紫光UV−3700B(三菱ケミカル株式会社製、Mw:36700)を用いた以外は、実施例2と同様にして、液晶高分子複合体用組成物3を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物3を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例4)
実施例2において、第1成分として、UA−1の代わりにポリプロピレングリコール系ウレタンアクリレートオリゴマーCN9023(SARTOMER社製、Mw:13500)を用いた以外は実施例2と同様にして、液晶高分子複合体組成物4を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物4を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例5)
実施例2において、第1成分として、UA−1の代わりにポリエステル系ウレタンアクリレートオリゴマーアートレジンUN−7700(根上工業株式会社製、Mw:17700)を用いた以外は実施例2と同様にして、液晶高分子複合体組成物5を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物5を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例6)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を14.0重量部、第2成分としてS−1800Aを5.0重量部、第2成分として2−エチルヘキシルアクリレート(東京化成株式会社製)を5.0重量部、第2成分としてライトエステルP−2Mを0.05重量部、第3成分としてACMO(登録商標)を16.0重量部、第3成分として(5−エチル1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレートを10.0重量部を混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物6を得た。
【0187】
得られた重合性組成物6に実施例1で用いた液晶組成物1を50重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.25重量部加えて液晶高分子複合体用組成物6を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物6を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例7)
実施例6において、第2成分として、2−エチルヘキシルアクリレートの代わりにラウリルアクリレートライトアクリレートL−A(共栄社化学株式会社製)を用いた以外は実施例6と同様にして液晶高分子複合体用組成物7を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物7を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例8)
実施例6において、第2成分として、S−1800A5.0重量部、第2成分として2−エチルヘキシルアクリレート5.0重量部の代わりにS−1800A(新中村化学株式会社製)7.0重量部、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリル酸付加物ライトアクリレートHPP−A(共栄社化学株式会社製)3.0重量部を用いた以外は実施例6と同様にして液晶高分子複合体用組成物8を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物8を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例9)
実施例8において、ライトアクリレートHPP−Aの代わりにトリメチロールプロパントリアクリレートTMPTA(ダイセル・オルネクス株式会社製)を用いた以外は実施例8と同様にして液晶高分子複合体用組成物9を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物9を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例10)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を14.0重量部、第2成分としてS−1800Aを10.0重量部、第2成分としてライトエステルP−2Mを0.05重量部、第3成分としてACMO(登録商標)(KJケミカルズ株式会社)を17.5重量部、第3成分として(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレートであるOXE−10(大阪有機化学工業株式会社製)8.5重量部を混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物10を得た。
【0188】
得られた重合性組成物10に実施例1で用いた液晶組成物1を50重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.25重量部加えて液晶高分子複合体用組成物10を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物10を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例11)
実施例10において、OXE−10の代わりに(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレートMODEL−10(大阪有機化学工業株式会社製)を用いた以外は実施例10と同様にして液晶高分子複合体用組成物11を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物11を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例12)
第1成分として、UA−1を18.0重量部、第2成分としてS−1800Aを10.0重量部、第2成分としてライトエステルP−2Mを0.05重量部、第3成分としてACMO(登録商標)(KJケミカルズ株式会社)を14.0重量部、第3成分として(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレートを8.0重量部混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物12を得た。
得られた重合性組成物12に液晶組成物2(Tni:67.0℃、Δε:17.2、Δn:0.219)を50重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.25重量部加えて液晶高分子複合体用組成物12を得た。
なお、前記液晶組成物2は、4‘−エチルビフェニル−4−カルボニトリルを10重量部、4’−ブチルビフェニル−4−カルボニトリルを15重量部、4‘−ペンチルビフェニル−4−カルボニトリルを35重量部、2’−フルオロ−4“−プロピル−[1,1‘;4’,1”−]テルフェニル−4−カルボニトリルを23重量部、4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸=4−シアノ−3−フルオロフェニルを2重量部、2,6−ジフルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリルを10重量部、trans,trans−4‘−プロピルビシクロヘキシル−4−カルボン酸=4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニルを2重量部、trans,trans−4’−プロピルビシクロヘキシル−4−カルボン酸=4−(trans−4−ブチルシクロヘキシル)フェニル2重量部を加熱混合することによって得られた。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物12を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例13)
第1成分として、UA−1を12.0重量部、第2成分としてS−1800Aを10.0重量部、第2成分としてライトエステルP−2Mを0.05重量部、第3成分としてACMO(登録商標)を20.0重量部、第3成分としてOXE−10を8.0重量部を混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物13を得た。
得られた重合性組成物12に液晶組成物1を50重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.5重量部加えて液晶高分子複合体用組成物13を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物13を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例14)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を17.5重量部、第2成分としてS−1800Aを1.5重量部、第3成分としてACMO(登録商標)を8.0重量部、第3成分として(5−エチル1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレートを8.0重量部を混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物14を得た。
【0189】
得られた重合性組成物14に実施例12で用いた液晶組成物2を65重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.5重量部加えて液晶高分子複合体用組成物14を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物14を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例15)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を20.0重量部、第2成分としてS−1800Aを11.0重量部、第2成分としてライトエステルP−2Mを0.1重量部、第3成分としてACMO(登録商標)を23.0重量部、第3成分として(5−エチル1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレートを11.0重量部を混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物15を得た。
【0190】
得られた重合性組成物15に液晶組成物3(Tni:114.6℃、Δε:13.2、Δn:0.205)を35重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.4重量部加えて液晶高分子複合体用組成物15を得た。
【0191】
なお、前記液晶組成物3は、4‘−エチルビフェニル−4−カルボニトリルを10重量部、4‘−ペンチルビフェニル−4−カルボニトリルを30重量部、2’−フルオロ−4“−プロピル−[1,1‘;4’,1”−]テルフェニル−4−カルボニトリルを16重量部、2,6−ジフルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリルを5重量部、trans,trans−4‘−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−プロピルビシクロヘキシルを2重量部、4’−(trans,trans−4‘−エチルビシクロヘキシル−4−イル)−3,4−ジフルオロビフェニルを2重量部、3,4−ジフルオロ−4’−(trans,trans−4‘−プロピルビシクロヘキシル−4−イル)ビフェニルを3重量部、4’−(trans,trans−4‘−ブチルビシクロヘキシル−4−イル)−3,4−ジフルオロビフェニルを2重量部、trans,trans−4‘−プロピルビシクロヘキシル−4−カルボン酸=4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニルを3重量部、trans,trans−4’−プロピルビシクロヘキシル−4−カルボン酸=4−(trans−4−ブチルシクロヘキシル)フェニルを3重量部、trans,trans−4−(4−メチルフェニル)−4‘−プロピルビシクロヘキシルを4重量部、trans,trans−4’−プロピル−4−(4−プロピルフェニル)ビシクロヘキシルを4重量部、4‘−エチル−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)ビフェニルを5重量部、4’−エチル−4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニルを5重量部、trans,trans−4−(4−メチルフェニル)−4‘−ビニルビシクロヘキシル6重量部を加熱混合することにより得られた。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物15を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(実施例16)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を12.0重量部、第一成分としてエポキシ樹脂であるEPICLON 1650−75MPX(DIC株式会社製)の固形成分にアクリル酸を付加したエポキシアクリレート(Mw:2600)を2.0重量部、第2成分としてS−1800Aを10.0重量部、第3成分としてACMO(登録商標)を17.5重量部、第3成分として(5−エチル1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレートを8.5重量部混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物16を得た。
【0192】
得られた重合性組成物16に実施例1で用いた液晶組成物1を50重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.5重量部加えて液晶高分子複合体用組成物16を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物16を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(比較例1)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を25.0重量部、第2成分としてS−1800Aを25.0重量部を混合しながら50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物C1を得た。
得られた重合性組成物C1に実施例12で用いた液晶組成物2を50.0重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.5重量部加えて液晶高分子複合体用組成物C1を得た。得られた前記組成物C1は、室温で相分離しており、液晶高分子複合体が作成できなかった。
(比較例2)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を15.0重量部、第2成分としてライトエステルP−2Mを0.1重量部、更にイソボニルアクリレートIBXA(大阪有機化学工業株式会社製)を35重量部混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物C2を得た。
【0193】
得られた重合性組成物C2に実施例12で用いた液晶組成物2を50.0重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.5重量部加えて液晶高分子複合体用組成物C2を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物C2を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(比較例3)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を15.0重量部、第3成分としてACMO(登録商標)を28.0重量部、第3成分として(5−エチル1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレート7.0重量部を混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物C3を得た。
【0194】
得られた重合性組成物C3に実施例1で用いた液晶組成物1を50.0重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.5重量部加えて液晶高分子複合体用組成物C3を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物C3を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(比較例4)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を13.5重量部、第3成分としてACMO(登録商標)を28.0重量部、更にIBXAを35重量部混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物C4を得た。
【0195】
得られた重合性組成物C4に実施例1で用いた液晶組成物1を50.0重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.5重量部加えて液晶高分子複合体用組成物C4を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物C4を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(比較例5)
第2成分としてS−1800Aを20.0重量部、第2成分としてライトアクリレートHPP−Aを10.0重量部、第3成分としてACMO(登録商標)を20.0重量部混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物C5を得た。
【0196】
得られた重合性組成物C5に実施例1で用いた液晶組成物1を50.0重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.25重量部加えて液晶高分子複合体用組成物C5を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物C5を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(比較例6)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を6.0重量部、第2成分としてS−1800Aを4.0重量部、第3成分としてACMO(登録商標)10.0重量部を混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物C6を得た。
【0197】
得られた重合性組成物C6に実施例12で用いた液晶組成物2を80.0重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.25重量部加えて液晶高分子複合体用組成物C6を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物C6を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
(比較例7)
第1成分として、実施例1で用いたUA−1を24.0重量部、第2成分としてS−1800Aを16.0重量部、第3成分としてACMO(登録商標)40.0重量部を混合し、50℃で攪拌しながら溶解させ、重合性組成物C7を得た。
【0198】
得られた重合性組成物C7に実施例12で用いた液晶組成物2を20.0重量部加え、50℃で攪拌しながら溶解させ、更に、重合開始剤としてOmnirad651を0.25重量部加えて液晶高分子複合体用組成物C7を得た。
得られた前記液晶高分子複合体用組成物C7を用いて、実施例1と同様にして、液晶高分子複合体を得て、ヘイズ評価と密着性の評価を行った。
【0199】
結果を以下の表1〜表5に示す。
【0200】
【表1】
【0201】
【表2】
【0202】
【表3】
【0203】
【表4】
【0204】
【表5】