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特開2021-69163充電可能電池状態検出装置および充電可能電池状態検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-69163(P2021-69163A)
(43)【公開日】2021年4月30日
(54)【発明の名称】充電可能電池状態検出装置および充電可能電池状態検出方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20210402BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   H02J7/00 X
   H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-191590(P2019-191590)
(22)【出願日】2019年10月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100130247
【弁理士】
【氏名又は名称】江村 美彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167863
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 恵
(72)【発明者】
【氏名】松下 雅
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA20
5G503CB13
5G503DA04
5G503DA08
5G503EA02
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5H030AA10
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】充電可能電池の容量によらず充電制御を正確に行うこと。
【解決手段】充電可能電池の状態を検出する充電可能電池状態検出装置において、充電可能電池の容量の推定値を取得し、容量の推定値に基づいて、充電可能電池の充電率を推定する第1推定手段(制御部10)と、充電可能電池に流れる電流を、電流センサから出力される電流検出値によって検出し、電流検出値に基づいて、充電可能電池の充電率を推定する第2推定手段(制御部10)と、第1推定手段および第2推定手段によって推定された充電率に基づいて、充電可能電池の容量の推定値を補正する補正手段(制御部10)と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能電池の状態を検出する充電可能電池状態検出装置において、
前記充電可能電池の容量の推定値を取得し、前記容量の推定値に基づいて、前記充電可能電池の充電率を推定する第1推定手段と、
前記充電可能電池に流れる電流を、電流センサから出力される電流検出値によって検出し、前記電流検出値に基づいて、前記充電可能電池の前記充電率を推定する第2推定手段と、
前記第1推定手段および前記第2推定手段によって推定された前記充電率に基づいて、前記充電可能電池の前記容量の推定値を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする充電可能電池状態検出装置。
【請求項2】
前記第1推定手段は、前記容量の推定値を外部から取得するか、または、前記充電可能電池の抵抗に基づいて前記容量の推定値を計算する、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電可能電池状態検出装置。
【請求項3】
前記第1推定手段は、前記充電可能電池が放電中の電圧および電流を測定し、これらに基づいて抵抗値を算出し、算出した前記抵抗値に基づいて前記容量を求めることを特徴とする請求項2に記載の充電可能電池状態検出装置。
【請求項4】
前記第1推定手段は、前記充電可能電池が放電中の電圧および電流を測定し、これらに基づいて時系列に変化する前記抵抗値を算出し、算出した前記抵抗値を一次関数にフィッティングし、得られた前記一次関数の傾きから前記容量を求めることを特徴とする請求項3に記載の充電可能電池状態検出装置。
【請求項5】
前記第2推定手段は、前記充電可能電池の充電抵抗が所定の閾値を超えた場合に、前記充電可能電池の前記充電率が満充電であると判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の充電可能電池状態検出装置。
【請求項6】
前記閾値は、前記充電可能電池を充電する際の充電電圧に応じて異なる前記閾値を用いることを特徴とする請求項5に記載の充電可能電池状態検出装置。
【請求項7】
前記閾値は同じ値を用い、前記充電可能電池を充電する際の充電電圧に応じて異なる充電率に補正することを特徴とする請求項5に記載の充電可能電池状態検出装置。
【請求項8】
前記補正手段は、前記第1推定手段と前記第2推定手段によって推定された前記充電率が所定の閾値以上異なる場合には、前記容量の推定値を補正するか、または、前記一次関数の傾きから前記容量を再度求めることを特徴とする請求項4に記載の充電可能電池状態検出装置。
【請求項9】
前記補正手段によって補正された前記容量の補正値を上位の装置に供給し、供給された前記容量の前記補正値に基づいて前記充電可能電池が充電制御されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の充電可能電池状態検出装置。
【請求項10】
充電可能電池の状態を検出する充電可能電池状態検出方法において、
前記充電可能電池の容量の推定値を取得し、前記容量の推定値に基づいて、前記充電可能電池の充電率を推定する第1推定ステップと、
前記充電可能電池に流れる電流を、電流センサから出力される電流検出値によって検出し、前記電流検出値に基づいて、前記充電可能電池の前記充電率を推定する第2推定ステップと、
前記第1推定ステップおよび前記第2推定ステップにおいて推定された前記充電率に基づいて、前記充電可能電池の前記容量の推定値を補正する補正ステップと、
を有することを特徴とする充電可能電池状態検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能電池状態検出装置および充電可能電池状態検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、充電可能電池が使用されているときの電力の残容量を、充電可能電池の初期容量に充放電電流の積算値を加算して求め、充放電電流の積算値を充電可能電池の充電効率により補正することで残容量を正確に求め、当該残容量に基づくことで充電制御を正確に実行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03−231175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された技術では、充電可能電池の容量が実際の容量と異なっているときには、残容量を正確に求めることができず、この結果、充電制御を正確に行うことができないという問題点がある。
【0005】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、充電可能電池の容量によらず充電制御を正確に行うことが可能な充電可能電池状態検出装置および充電可能電池状態検出方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、充電可能電池の状態を検出する充電可能電池状態検出装置において、前記充電可能電池の容量の推定値を取得し、前記容量の推定値に基づいて、前記充電可能電池の充電率を推定する第1推定手段と、前記充電可能電池に流れる電流を、電流センサから出力される電流検出値によって検出し、前記電流検出値に基づいて、前記充電可能電池の前記充電率を推定する第2推定手段と、前記第1推定手段および前記第2推定手段によって推定された前記充電率に基づいて、前記充電可能電池の前記容量の推定値を補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、充電可能電池の容量によらず充電制御を正確に行うことが可能となる。
【0007】
また、本発明は、前記第1推定手段は、前記容量の推定値を外部から取得するか、または、前記充電可能電池の抵抗に基づいて前記容量の推定値を計算する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、容量の推定値を場合に応じて取得することができる。
【0008】
また、本発明は、前記第1推定手段は、前記充電可能電池が放電中の電圧および電流を測定し、これらに基づいて抵抗値を算出し、算出した前記抵抗値に基づいて前記容量を求めることを特徴とする。
このような構成によれば、充電可能電池の種類によらず、容量を正確に求めることが可能になる。
【0009】
また、本発明は、前記第1推定手段は、前記充電可能電池が放電中の電圧および電流を測定し、これらに基づいて時系列に変化する抵抗値を算出し、算出した前記抵抗値を一次関数にフィッティングして、得られた前記一次関数の傾きから前記容量を求めることを特徴とする。
このような構成によれば、充電可能電池の種類によらず、容量をより正確に求めることが可能になる。
【0010】
また、本発明は、前記第2推定手段は、前記充電可能電池の充電抵抗が所定の閾値を超えた場合に、前記充電可能電池の前記充電率が満充電であると判定することを特徴とする。
このような構成によれば、充電抵抗に基づいて、充電率を正確に求めることが可能になる。
【0011】
また、本発明は、前記閾値は、前記充電可能電池を充電する際の充電電圧に応じて異なる前記閾値を用いることを特徴とする。
このような構成によれば、充電電圧が異なる場合でも、満充電を正確に判定することができる。
【0012】
また、本発明は、前記閾値は同じ値を用い、前記充電可能電池を充電する際の充電電圧に応じて異なる充電率に補正することを特徴とする。
このような構成によれば、満充電時の充電率を正確に求めることができる。
【0013】
また、本発明は、前記補正手段は、前記第1推定手段と前記第2推定手段によって推定された前記充電率が所定の閾値以上異なる場合には、前記容量の推定値を補正するか、または、前記一次関数の傾きから前記容量を再度求めることを特徴とする。
このような構成によれば、簡単な処理によって、容量を正確に求めることができる。
【0014】
また、本発明は、前記補正手段によって補正された前記容量の補正値を上位の装置に供給し、供給された前記容量の前記補正値に基づいて前記充電可能電池が充電制御されることを特徴とする。
このような構成によれば、充電可能電池の容量を正確に求め、正確な容量に基づいて充電制御を効率よく実行することができる。
【0015】
また、本発明は、充電可能電池の状態を検出する充電可能電池状態検出方法において、前記充電可能電池の容量の推定値を取得し、前記容量の推定値に基づいて、前記充電可能電池の充電率を推定する第1推定ステップと、前記充電可能電池に流れる電流を、電流センサから出力される電流検出値によって検出し、前記電流検出値に基づいて、前記充電可能電池の前記充電率を推定する第2推定ステップと、前記第1推定ステップおよび前記第2推定ステップにおいて推定された前記充電率に基づいて、前記充電可能電池の前記容量の推定値を補正する補正ステップと、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、充電可能電池の容量によらず充電制御を正確に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、充電可能電池の容量によらず充電制御を正確に行うことが可能な充電可能電池状態検出装置および充電可能電池状態検出方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る充電可能電池状態検出装置の構成例を示す図である。
図2図1の制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。
図3】パルス放電時における電圧および電流のサンプリングの状態を示す図である。
図4図3に示すパルス放電によって得られた抵抗値の時間変化を示す図である。
図5図4に示す結果に一次関数をフィッティングして得られた傾きの値と、SOHの関係を示す図である。
図6】充電電圧が異なる場合におけるSOCと充電抵抗の関係を示す図である。
図7】充電電圧が異なる場合におけるSOCと充電抵抗の関係を示す図である。
図8】本発明の実施形態において実行される処理の一例を説明するための図である。
図9図8に示す初期容量検出処理の詳細を説明するための図である。
図10図8に示す満充電検出処理の詳細を説明するための図である。
図11図8に示す初期容量変更処理の詳細を説明するための図である。
図12図8に示す処理の変形実施形態を示す図である。
図13】充電電圧によってSOCを補正する場合の実施形態を示す図である。
図14図13に示す補正を実行するための処理の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0019】
(A)本発明の実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係る充電可能電池状態検出装置を有する車両の電源系統を示す図である。この図において、充電可能電池状態検出装置1は、制御部10、電圧センサ11、電流センサ12、温度センサ13、および、放電回路15を主要な構成要素としており、充電可能電池14の充電状態を制御する。ここで、制御部10は、電圧センサ11、電流センサ12、および、温度センサ13からの出力を参照し、充電可能電池14の状態を検出するとともに、オルタネータ16の発電電圧を制御することで充電可能電池14の充電状態を制御する。電圧センサ11は、充電可能電池14の端子電圧を検出し、制御部10に通知する。電流センサ12は、充電可能電池14に流れる電流を検出し、制御部10に通知する。温度センサ13は、充電可能電池14の電解液または周囲の環境温度を検出し、制御部10に通知する。放電回路15は、例えば、直列接続された半導体スイッチと抵抗素子または定電流素子等によって構成され、制御部10によって半導体スイッチがオン/オフ制御されることにより充電可能電池14を充電可能電池状態検出装置1の命令に従って放電させる。
【0020】
充電可能電池14は、電解液を有する充電可能電池、例えば、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、または、ニッケル水素電池等によって構成され、オルタネータ16によって充電され、スタータモータ18を駆動してエンジンを始動するとともに、負荷19に電力を供給する。オルタネータ16は、エンジン17によって駆動され、交流電力を発生して整流回路によって直流電力に変換し、充電可能電池14を充電する。オルタネータ16は、制御部10によって制御され、発電電圧を調整することが可能とされている。
【0021】
エンジン17は、例えば、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジン等のレシプロエンジンまたはロータリーエンジン等によって構成され、スタータモータ18によって始動され、トランスミッションを介して駆動輪を駆動し、車両に推進力を与えるとともに、オルタネータ16を駆動して電力を発生させる。スタータモータ18は、例えば、直流電動機によって構成され、充電可能電池14から供給される電力によって回転力を発生し、エンジン17を始動する。負荷19は、例えば、電動ステアリングモータ、デフォッガ、シートヒータ、イグニッションコイル、カーオーディオ、および、カーナビゲーション等によって構成され、充電可能電池14からの電力によって動作する。
【0022】
図2は、図1に示す制御部10の詳細な構成例を示す図である。この図に示すように、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)10a、ROM(Read Only Memory)10b、RAM(Random Access Memory)10c、通信部10d、I/F(Interface)10eを有している。ここで、CPU10aは、ROM10bに格納されているプログラム10baに基づいて各部を制御する。ROM10bは、半導体メモリ等によって構成され、プログラム10ba等を格納している。RAM10cは、半導体メモリ等によって構成され、プログラム10baを実行する際に生成されるデータや、後述する数式またはテーブル等のデータ10caを格納する。通信部10dは、上位の装置であるECU(Electronic Control Unit)等との間で通信を行い、検出した情報または制御情報を上位装置に通知する。I/F10eは、電圧センサ11、電流センサ12、および、温度センサ13から供給される信号をデジタル信号に変換して取り込むとともに、放電回路15、オルタネータ16、および、スタータモータ18等に駆動電流を供給してこれらを制御する。なお、オルタネータ16、および、スタータモータ18等の制御は、ECUが実行するようにしてもよい。図1の構成には限定されない。
【0023】
なお、図2の例では、CPU10aを1つ有するようにしているが、複数のCPUによって分散処理を実行するようにしてもよい。また、CPU10aの代わりに、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、または、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成するようにしてもよい。あるいは、ソフトウエアプログラムを読み込むことで機能を実行する汎用プロセッサまたはクラウドコンピューティングによりサーバー上のコンピュータで処理が行われるようにしてもよい。また、図2では、ROM10bおよびRAM10cを有するようにしているが、例えば、これら以外の記憶装置(例えば、磁気記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive))を用いるようにしてもよい。
【0024】
(B)本発明の実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の実施形態の動作について説明する。なお、以下では、本発明の実施形態の動作の概略について説明した後、詳細な動作について説明する。
【0025】
まず、実施形態の動作の概略について説明する。本実施形態では、車両に搭載されている充電可能電池14が、例えば、劣化等によって、新たな充電可能電池14に交換された場合に、交換後の充電可能電池14が、想定されているものとは異なる初期容量を有するときや、放置等によって充電可能電池14が公称の容量とは異なる初期容量を有するときに、これを検出して補正することを可能とする。なお、充電可能電池14の容量とは、電池から取り出し可能な電気量を示し、例えば、Ah(アンペア・アワー)によって表される。また、充電可能電池14は、劣化に従って取り出し可能な電気量が減少する。そこで、劣化が生じていない初期状態の容量を初期容量とする。また、公称の容量とは、例えば、カタログに記載されている容量をいう。
【0026】
一例として、使用による経年劣化等により、車両の充電可能電池14が交換されたとする。その場合、充電可能電池14の取り外しの際に、制御部10への電源電力の供給が遮断された後に、新たな充電可能電池14の取り付けにより、電源の供給が再開される。このような電源電力の遮断および再開に起因して制御部10は後述する動作を実行する。
【0027】
すなわち、制御部10は、車両の図示しないECUから充電可能電池14の推奨される初期容量(以下「推奨初期容量」と称する)に関する情報を取得する。例えば、推奨初期容量に関する情報として50Ahを取得する。制御部10のCPU10aは、推奨初期容量を初期容量ICとする。
【0028】
なお、ECUが推奨初期容量に関する情報を有しない場合には、制御部10が交換後の充電可能電池14の初期容量を推定する以下のような処理を実行する。
【0029】
初期容量の推定処理では、制御部10は、放電回路15を制御して、充電可能電池14をパルス放電させ、そのときの電圧および電流の時間的変化を測定する。図3は、パルス放電時における電圧と電流の時間的変化を示す図である。この図3において横軸は時間を示し、縦軸は電流または電圧を示している。まず、CPU10aは、放電開始前電圧Vbと放電開始前電流Ibを測定する。つぎに、CPU10aは、放電回路15を制御して、充電可能電池14をパルス放電させる。このとき、CPU10aは、電圧センサ11および電流センサ12の出力を所定の周期でサンプリングする。図3の例では、タイミングt1,t2,t3,・・・,tNでサンプリングが実行され、充電可能電池14の電圧値と電流値が取得される。
【0030】
つぎに、CPU10aは、タイミングt1,t2,t3,・・・,tNでサンプリングされた時系列の電圧値V(tn)を、同じタイミングでサンプリングされた時系列の電流値I(tn)によってそれぞれ除算し、時系列の抵抗値R(tn)を得る。なお、電圧値をそのまま使用するのではなく、放電開始前電圧Vbからのドロップ電圧ΔV(tn)を求めて、このドロップ電圧ΔV(tn)を、電流値I(tn)によってそれぞれ除算し、時系列の抵抗値R(tn)を得るようにしてもよい。
【0031】
つぎに、CPU10aは、時系列の抵抗値R(tn)を、以下の式(1)に示す一次関数f(tn)によってフィッティングし、係数a,bを求める。具体的には、最小自乗演算またはカルマンフィルタ演算によって、フィッティングを行うことで、係数a,bを求める。
【0032】
f(tn)=a・tn+b ・・・(1)
【0033】
図4は、複数の種類の充電可能電池14に対する実測値を示している。この図4において、batt1,2、batt3,4、および、batt5,6はそれぞれ同じ初期容量(または公称容量)の充電可能電池を示しており、batt1,2は中程度の初期容量の充電可能電池を示し、batt3,4、および、batt5,6はbatt1,2よりも大きい初期容量の充電可能電池を示している。これらの図に示すように、充電可能電池の容量によって抵抗値は異なるが、容量が同じであれば、種類が異なっても傾きは殆ど変化しない。
【0034】
図5は、一次関数の傾きと、充電可能電池14の初期容量の関係を示す図である。この図5の横軸は一次関数の傾きaを示し、縦軸はSOH(State of Health)を示している。また、図中の菱形(SOH_ini)は実測された初期容量を示し、丸(SOH_nom)は公称容量を示している。公称容量と傾きとは0.8程度の決定係数を有している。また、実測された初期容量と傾きとは0.8程度の決定係数を有している。このように、充電可能電池14の初期容量の公称値または実測値と、傾きとは高い相関を有している。
【0035】
そこで、本実施形態では、ECUから推奨初期容量に関する情報を取得できない場合には、パルス放電における電圧値と電流値から式(1)に基づいて傾きaを求め、この傾きaの値から交換後の充電可能電池14の初期容量ICを求める。なお、傾きaと初期容量との関係は、実測によって予め求めて、ROM10bに格納しておくことができる。
【0036】
つぎに、CPU10aは、充電可能電池14の充電率SOC(State of Charge)を求め、これをSOCaとする。より詳細には、CPU10aは、電流センサ12の出力を参照し、充電可能電池14に対して入出力される電流を積算することで、電流の積算値IVを得る。また、CPU10aは、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)とSOCの相関関係に基づいて、充電開始時の充電率であるSOC0を求め、初期容量ICと電流の積算値IVとに基づいて充電率を求め、これをSOCa(=SOC0+IV/IC)とする。
【0037】
制御部10のCPU10aは、電流の積算値に基づいて算出したSOCaを参照して、充電可能電池14をオルタネータ16によって充電する制御を実施する。
【0038】
制御部10のCPU10aは、オルタネータ16によって充電されることで満充電になったか否かを、後述する充電抵抗の変化から判定する。なお、満充電とは、充電可能電池14が容量一杯に充電された状態をいい、例えば、充電可能電池14が新しい場合には公称値まで充電されたことをいい、経年劣化した場合にはその時点におけるSOHまで充電されたことをいう。
【0039】
ここで、充電可能電池14のSOCとオルタネータ16の発電電圧の間には図6に示すような関係がある。図6は、オルタネータ16の発電電圧を変化させて充電可能電池14を充電した場合における充電可能電池14のSOCと充電抵抗との関係を示す図である。なお、この図において、実線の曲線は15.5Vの電圧で充電した場合の充電可能電池14のSOCと充電抵抗の関係を示し、間隔の短い破線の曲線は14.5Vの電圧で充電した場合のSOCと充電抵抗の関係を示し、間隔の長い破線の曲線は13.5Vの電圧で充電した場合のSOCと充電抵抗の関係を示している。ここで、充電抵抗とは、充電可能電池14を充電する際に充電可能電池14に印加する電圧V、開回路電圧OCV、および、電流Iから求まる抵抗R(=(V−OCV)/I)をいう。
【0040】
図6において、充電電圧が15.5Vである場合には、充電抵抗が約30mΩ以上になると満充電(SOC=100%)であると判定することができる。すなわち、閾値として30mΩを用い、この閾値と充電抵抗の大小を比較することで満充電か否かを判定することができる。しかしながら、充電電圧が14.5Vまたは13.5Vである場合には、充電抵抗が30mΩの場合、SOCは100%未満となる。このため、オルタネータ16の発電電圧が固定でなく、変動する場合には、同じ閾値を用いて満充電の判定を行うと、正確な判定ができない。
【0041】
そこで、本発明の実施形態では、図7に示すように、オルタネータ16の発電電圧(=充電電圧)に応じて変動する閾値を用いることで、発電電圧が変化した場合でも充電可能電池14の満充電を検出するようにしている。例えば、図7の例では、オルタネータ16の発電電圧が15.5Vである場合には閾値Th1を用いて判定し、発電電圧が14.5Vである場合には閾値Th2を用いて判定し、発電電圧が13.5Vである場合には閾値Th3を用いて判定する。このような方法によれば、オルタネータ16の発電電圧が変化した場合でも、充電可能電池14が満充電状態になったことを正確に検出することができる。
【0042】
充電可能電池14の充電率が満充電状態になったことを検出した場合には、CPU10aは、満充電に関する充電率であるSOCb=100%とし、電流の積算によって求めた充電率SOCaと比較する。この結果、SOCa=SOCbである場合には、交換後の充電可能電池14の初期容量ICが推奨初期容量と同じであると判定する。あるいは、推奨初期容量がECUから取得できない場合には、交換後の充電可能電池14の推定された初期容量ICが正しいと判断する。
【0043】
一方、SOCa=SOCbでない場合には、交換後の充電可能電池14の初期容量ICが推奨初期容量と異なるか、または、交換後の充電可能電池14の推定された初期容量ICが正しくないと推定されるので、CPU10aは、充電可能電池14の初期容量を推定し直す処理を実行する。例えば、温度による誤差を低減するために環境温度が所定の範囲(例えば、25℃プラスマイナス5℃程度)内である場合に初期容量の推定を再実行したり、低い充電率から充電された場合には満充電検出が正常に行えないことから、高い充電率から充電された場合に初期容量の推定を再実行したりすることができる。これにより、正確な初期容量を推定することができる。なお、SOCaとSOCbの差分値が所定の閾値未満となるまで処理を繰り返すことで、より正確な初期容量を求めることができる。
【0044】
以上のようにして、正確な初期容量を得た場合には、この初期容量に基づいて、充電制御を行うことで、例えば、過充電を防ぐことができるので燃費性能を改善することができる。また、過放電を防ぐことで、例えば、エンジン17の再始動ができなくなることを防止できる。
【0045】
つぎに、図8図11を参照して、本発明の実施形態において実行される処理の詳細について説明する。
【0046】
図8は、充電可能電池14が交換された後に実行されるメインの処理の一例を説明するためのフローチャートである。図8に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
【0047】
ステップS10では、CPU10aは、車両のECUから推奨初期容量に関する情報を取得する。この結果、例えば、50Ahのような情報を得る。
【0048】
ステップS11では、CPU10aは、ステップS10において情報取得に成功したか否かを判定し、成功したと判定した場合(ステップS11:Y)にはステップS13に進み、それ以外の場合(ステップS11:N)にはステップS12に進む。
【0049】
ステップS12では、CPU10aは、充電可能電池14の初期容量ICを推定する処理を実行する。なお、この処理の詳細は図9を参照して後述する。
【0050】
ステップS13では、CPU10aは、充電可能電池14が満充電の状態となったか否かを判定するための満充電検出処理を実行する。なお、この処理の詳細は図10を参照して後述する。
【0051】
ステップS14では、CPU10aは、ステップS13の処理の結果、充電可能電池14が満充電であることが検出された場合(ステップS14:Y)にはステップS15に進み、それ以外の場合(ステップS14:N)にはステップS13に戻って同様の処理を繰り返す。
【0052】
ステップS15では、CPU10aは、初期容量SOC0と、エンジン17が稼働中に求めた電流の積算値IVと、初期容量ICとに基づいてSOCaを求める。より詳細には、CPU10aは、開回路電圧OCVとSOCの相関関係に基づいて、充電開始時の充電率であるSOC0を求め、初期容量ICと電流の積算値IVとに基づいて、充電率を求め、これをSOCa(=SOC0+IV/IC)とする。
【0053】
ステップS16では、CPU10aは、ステップS15で求めた充電率SOCaと、ステップS13の満充電検出処理によって検出された充電率SOCbとの差分の絶対値(|SOCa−SOCb|)を求め、これをdSOCとする。
【0054】
ステップS17では、CPU10aは、ステップS16で求めたdSOCが所定の閾値Th未満であるか否かを判定し、dSOC<Thである場合(ステップS17:Y)には処理を終了し、それ以外の場合(ステップS17:N)にはステップS18に進む。
【0055】
ステップS18では、CPU10aは、充電可能電池14の初期容量ICを変更する処理を実行する。なお、この処理の詳細は、図11を参照して後述する。
【0056】
つぎに、図9を参照して、図8のステップS12に示す「初期容量推定処理」の詳細について説明する。図9に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
【0057】
ステップS30では、CPU10aは、電圧センサ11の出力を参照し、図3に示す放電開始前電圧Vbを検出する。
【0058】
ステップS31では、CPU10aは、電流センサ12の出力を参照し、図3に示す放電開始前電流Ibを検出する。
【0059】
ステップS32では、CPU10aは、放電回路15を制御し、充電可能電池14のパルス放電を開始する。なお、パルス放電の方法としては、例えば、抵抗素子を介して放電する方法や、定電流回路を介して放電する方法がある。なお、後者の方法では、一定の電流が流れることから、後述する抵抗値を算出する処理が簡易化することができる。また、電流値を制限することにより、充電可能電池14の負荷を軽減することができる。
【0060】
ステップS33では、CPU10aは、充電可能電池14の電圧を測定する。より詳細には、CPU10aは、電圧センサ11の出力を参照し、充電可能電池14のタイミングtnにおける電圧V(tn)を測定し、RAM10cにデータ10caとして格納する。
【0061】
ステップS34では、CPU10aは、充電可能電池14の電流を測定する。より詳細には、CPU10aは、電流センサ12の出力を参照し、充電可能電池14のタイミングtnにおける電流I(tn)を測定し、RAM10cにデータ10caとして格納する。
【0062】
ステップS35では、CPU10aは、パルス放電の開始から所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS35:Y)にはステップS36に進み、それ以外の場合(ステップS35:N)にはステップS33に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。例えば、図3に示すように、N回のサンプリングが終了した場合には、Yと判定してステップS36に進む。
【0063】
ステップS36では、CPU10aは、パルス放電を終了する。より詳細には、CPU10aは、放電回路15を制御して、パルス放電を終了する。
【0064】
ステップS37では、CPU10aは、時系列の抵抗値R(tn)を求める。より詳細には、CPU10aは、ステップS33で測定した時系列の電圧値V(tn)を、時系列の電流値I(tn)によってそれぞれ除算することで、時系列の抵抗値R(tn)を求める。得られた時系列の抵抗値R(tn)はデータ10caとしてRAM10cに格納する。
【0065】
ステップS38では、CPU10aは、ステップS37で求めた時系列の抵抗値R(tn)を前述した式(1)に示す一次関数f(tn)によってフィッティングし、係数a,bを求める。より具体的には、例えば、最小自乗演算またはカルマンフィルタ演算を用いることで、一次関数のフィッティングを行い、係数a,bを得ることができる。
【0066】
ステップS39では、CPU10aは、ステップS38で求めた一次関数の傾きである係数aを取得する。
【0067】
ステップS40では、ステップS39で取得した係数aに基づいて、充電可能電池14の初期容量ICを推定する。より詳細には、図5に示すように、充電可能電池14は初期容量と傾きaとの間には相関関係があるので、当該相関関係に基づいて充電可能電池14の初期容量ICを推定することができる。
【0068】
なお、以上の処理では、ステップS33で測定した電圧値を、ステップS34で測定した電流値で直接除算することで抵抗値を得るようにしたが、例えば、測定された電圧値から放電開始前電圧Vbを減算して得られる差分の電圧ΔV(tn)を、電流値I(tn)で除算することで、抵抗値R(tn)を求めるようにしてもよい。
【0069】
また、充電可能電池14の温度による抵抗値の変化をテーブルとしてROM10bに格納しておき、温度センサ13の出力を参照して、充電可能電池14の温度を検出し、検出した温度に基づいて、ステップS37で求めた抵抗値を温度補正するようにしてもよい。そのような方法によれば、温度による誤差の発生を防ぐことができる。
【0070】
つぎに、図10を参照して、図8のステップS13に示す「満充電検出処理」の詳細について説明する。図10に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
【0071】
ステップS50では、制御部10は、電流センサ12の出力を参照し、充電可能電池14がオルタネータ16によって充電中か否かを判定し、充電中であると判定した場合(ステップS50:Y)にはステップS51に進み、それ以外の場合(ステップS50:N)には同様の処理を繰り返す。なお、充電中でない場合には、同様の処理を繰り返すのではなく、処理を終了するようにしてもよい。
【0072】
ステップS51では、制御部10は、電圧センサ11の出力を参照し、オルタネータ16の発電電圧Vを取得する。この結果、例えば、15.5V等の電圧が取得される。
【0073】
ステップS52では、制御部10は、充電抵抗Rを算出する。より詳細には、ステップS50で取得した電流Iと、ステップS51で取得した発電電圧Vと、例えば、車両が停車されてから所定の時間が経過した場合に充電可能電池14の電圧を測定することで得られる開回路電圧OCVを用いてR=(V−OCV)/Iによって求めることができる。
【0074】
ステップS53では、制御部10は、ステップS51で取得した発電電圧Vに基づいて、満充電か否かを判定するための閾値Thを、Th’に補正する。より詳細には、基準となる閾値Thに対して、g(V)を乗算することにより、Th’=Th×g(V)によって閾値Thを補正する。なお、g(V)は、発電電圧Vの値が小さくなるにつれて値が大きくなる関数である。図7の例では、発電電圧V=15.5Vである場合の閾値Th1を基準となる閾値Thとすると、発電電圧V=14.5Vである場合にはTh’=Th1×g(V)=Th2となり、発電電圧V=13.5Vである場合にはTh’=Th1×g(V)=Th3となるようにg(V)を設定する。
【0075】
なお、以上の例では、発電電圧Vのみを考慮するようにしたが、例えば、温度センサ13によって検出された充電可能電池14の温度も考慮して、閾値Thの補正を行うようにしてもよい。具体的には、発電電圧Vと温度θを変数とする関数g(V,θ)を用いて、Th’=Th×g(V,θ)によって補正するようにしてもよい。
【0076】
ステップS54では、制御部10は、ステップS52で算出した充電抵抗Rと、ステップS53で得られた補正後の閾値Th’とを比較し、R≧Th’を満たす場合(ステップS54:Y)にはステップS55に進み、それ以外の場合(ステップS54:N)にはステップS56に進む。
【0077】
ステップS55では、制御部10は、満充電(SOCb=100%)と判定する。この結果、制御部10は、エンジン17によるオルタネータ16の駆動を停止する。
【0078】
ステップS56では、制御部10は、満充電ではないと判定する。この結果、制御部10は、エンジン17によるオルタネータ16の駆動を継続することで、充電可能電池14が満充電になるまで充電を継続する。
【0079】
以上の処理によれば、オルタネータ16の発電電圧に応じて基準となる閾値Thを補正し、補正後の閾値Th’に基づいて満充電状態を判定できるので、発電電圧が変化した場合でも、満充電状態を正確に判定することができる。
【0080】
つぎに、図11を参照して、図8のステップS18に示す「初期容量変更処理」の詳細について説明する。図11に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
【0081】
ステップS70では、CPU10aは、充電可能電池14が満充電状態になったか否かを検出する「満充電検出処理」を実行する。なお、この処理は、図10に示す処理と同様であるのでその説明は省略する。
【0082】
ステップS71では、CPU10aは、ステップS70の処理によって満充電状態と判定されたか否かを判定し、満充電状態と判定した場合(ステップS71:Y)にはステップS72に進み、それ以外の場合(ステップS72:N)にはステップS70に戻って同様の処理を繰り返す。
【0083】
ステップS72では、CPU10aは、充電可能電池14の初期容量を推定する「初期容量推定処理」を実行する。なお、この処理は、図9に示す処理と同様であるのでその説明は省略する。
【0084】
ステップS73では、CPU10aは、ステップS72の推定の結果、初回に得た初期容量から変化したか否かを判定し、初回に得た初期容量から変化したと判定した場合(ステップS73:Y)にはステップS74に進み、それ以外の場合(ステップS73:N)には元の処理にリターンする。例えば、ステップS72で推定された初期容量が、図10のステップS10において取得された推奨初期容量、または、ステップS12で推定された初期容量と比較して変化した場合には、Yと判定してステップS74に進む。
【0085】
ステップS74では、CPU10aは、初期容量が変化したことを、例えば、ECUに対して通知する。
【0086】
ステップS75では、CPU10aは、変化後の初期容量に基づいて、充電制御を行うように、例えば、ECUに対して通知する。この結果、ECUは、変化後の初期容量に基づいて充電制御を実行するので、過充電になったり、過放電になったりすることを防止できる。
【0087】
以上に説明したように、図8図11に示すフローチャートの処理によれば、前述した本実施形態の動作を実現することができる。
【0088】
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の実施形態では、図8のステップS18において、初期容量再度推定して変更するようにしたが、例えば、図12に示すように、初期容量ICの値を増減させて、ステップS13に戻って同様の処理を繰り返すようにしてもよい。
【0089】
すなわち、図12示す処理では、図8と比較すると、ステップS18の処理が省略されるとともに、ステップS90の処理が追加されている。ここで、ステップS17において、dSOC<Thと判定された場合には、ステップS90に進み、初期容量ICを所定量(例えば、5Ah)だけ減少または増加させて、ステップS13に戻る。これにより、SOCaが変化するので、dSOC<Thとなるまで処理を繰り返し、dSOC<Thを満たした時点で、Yと判定されて処理を終了する。以上の処理によっても、図8と同様に、交換後の充電可能電池14の正確な初期容量を求めることができる。
【0090】
また、以上の実施形態では、図7に示すように、オルタネータ16の電圧毎に異なるTh1〜Th3を用いて満充電の判定を行うようにしたが、例えば、図13に示すように、同じ閾値Thを用いて、電圧毎に異なるSOC1〜SOC3を満充電値として適用するようにしてもよい。
【0091】
図14は、図13に示すように、電圧毎に異なるSOC1〜SOC3を満充電値として適用するフローチャートを示す図である。なお、図10と比較すると、図14では、ステップS53〜S56が除外され、ステップS101〜S103が追加されている。
【0092】
ここで、ステップS101では、CPU10aは、R≧Thを満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合(ステップS101:Y)にはステップS102に進み、それ以外の場合(ステップS101:N)には元の処理に復帰(リターン)する。
【0093】
ステップS102では、CPU10aは、補正の基準となる基準SOCを設定する。
【0094】
ステップS103では、CPU10aは、オルタネータ16の発電電圧に応じて、基準SOCを補正する。例えば、図13に示すように、発電電圧が13.5Vである場合には基準SOCをSOC1に補正し、発電電圧が14.5Vである場合には基準SOCをSOC2に補正し、発電電圧が15.5Vである場合には基準SOCをSOC3に補正する。具体的には、基準SOC=SOC3の場合には、発電電圧が15.5Vである場合にはSOC3=1×基準SOCによりSOC3を求め、発電電圧が14.5Vである場合にはSOC2=α1×基準SOCによりSOC2を求め、発電電圧が13.5Vである場合にはSOC3=α2×基準SOCによりSOC3を求める。なお、α2<α<1である。
【0095】
以上に説明したように、図14の処理によれば、発電電圧Vに応じてSOCを設定することができる。
【0096】
また、以上の各実施形態では、充電抵抗Rは、充電電圧Vと開回路電圧OCVの差分値を充電電流Iで除することで算出するようにしたが、例えば、充電可能電池14の成層化Stおよび分極Plを加味して算出するようにしてもよい。すなわち、以下の式(2)に基づいて充電抵抗Rを求めるようにしてもよい。
【0097】
R=(V−OCV−St−Pl)/I ・・・(2)
【0098】
また、以上の実施形態では、充電抵抗を用いて満充電を検出するようにしたが、充電電流に基づいて判定するようにしてもよい。具体的には、充電を開始してから端子電圧が所定の電圧値に達するまでは、充電電流を略一定とする定電流充電を行う。端子電圧が所定電圧値に達した時点以降は、端子電圧を略一定にして充電を行う定電圧充電に切り替える。定電圧充電に切り替えた後は、通常、満充電に近づくにつれて充電電流が低下していく。そして、充電電流が所定の電流値(電流閾値とする)まで低下すると、充電電流が電流閾値以下となっている継続時間を求め、この継続時間が所定時間(判定時間とする)に達したときに充電可能電池が所定の状態に達したと判定するようにしてもよい。
【0099】
また、以上の実施形態では、放電回路15による放電中の電圧および電流から充電可能電池14の内部抵抗を求めるようにしたが、放電回路15ではなく、負荷19に電流が流れる際に(例えば、スタータモータ18に電流が流れる際に)、充電可能電池14の抵抗を求めるようにしてもよい。
【0100】
また、以上の実施形態では、充電可能電池14が新たなものに交換された場合に、前述した図9等の処理を実行するようにしたが、新たなものに交換されない場合であっても、図9等の処理を実行し、充電可能電池14の容量が初期容量から減少していないかを検出するとともに、減少している場合には、減少後の容量を用いることで、正確なSOCを求めることができる。これにより、劣化が生じた場合であっても、過充電または過放電が生じることを防止できる。
【0101】
また、以上の実施形態では、一次関数の傾きaから充電可能電池14の容量を推定するようにしたが、例えば、一次関数の切片bから容量を推定するようにしたり、抵抗値R(tn)の平均値から容量を推定したりするようにしてもよい。
【0102】
また、以上の実施形態では、図8のステップS16およびステップS17において、SOCaとSOCbの差分値の絶対値dSOCが所定の閾値Thよりも小さい場合に、初期容量を変更する処理を実行するようにしたが、例えば、dSOCをSOCb(またはSOCa)によって除して得られた値に基づいて判定したり、これらの比に基づいて判定するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 充電可能電池状態検出装置
10 制御部
10a CPU
10b ROM
10c RAM
10d 通信部
10e I/F
11 電圧センサ
12 電流センサ
13 温度センサ
14 充電可能電池
15 放電回路
16 オルタネータ
17 エンジン
18 スタータモータ
19 負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14