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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-69870(P2021-69870A)
(43)【公開日】2021年5月6日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/42 20060101AFI20210409BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20210409BHJP
   A61F 13/532 20060101ALI20210409BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20210409BHJP
   A61F 13/495 20060101ALI20210409BHJP
【FI】
   A61F13/42 B
   A61F5/44 S
   A61F13/532 200
   A61F13/53 300
   A61F13/495
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-200013(P2019-200013)
(22)【出願日】2019年11月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 友美
(72)【発明者】
【氏名】宇都 祥太
(72)【発明者】
【氏名】深山 拓也
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200BA14
3B200DB01
3B200DB05
3B200DB27
3B200DF02
4C098AA09
4C098CC05
4C098CD07
4C098CE09
4C098CE13
(57)【要約】
【課題】排泄された便を精度良く検出することが可能な吸収性物品を提供する。
【解決手段】展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、吸収体(21)と、吸収体(21)よりも厚さ方向の非肌側に設けられ、便と接触することにより所定の反応を呈する便インジケータ(40)と、を有する吸収性物品(1)であって、吸収体(21)は、厚さ方向に見たときに、便インジケータ(40)と重複する重複領域(OA)と、便インジケータ(40)と重複しない非重複領域(NA)と、を有しており、重複領域(OA)における厚さ方向への人工便の平均透過率は、非重複領域(NA)における厚さ方向への人工便の平均透過率よりも大きい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
液吸収性の吸収体と、
前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、便と接触することにより所定の反応を呈する便インジケータと、
を有する吸収性物品であって、
前記吸収体は、前記厚さ方向に見たときに、
前記便インジケータと重複する重複領域と、
前記便インジケータと重複しない非重複領域と、を有しており、
前記重複領域における前記厚さ方向への人工便の平均透過率は、前記非重複領域における前記厚さ方向への前記人工便の平均透過率よりも大きい、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体は、他の領域よりも前記人工便の平均透過率が高い高透過領域を有し、
前記重複領域の少なくとも一部が、前記高透過領域に含まれている、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】
請求項2に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体は、液体吸収性繊維を含み、
前記高透過領域における前記液体吸収性繊維の坪量は50g/m以下であり、
前記他の領域における前記液体吸収性繊維の坪量は150g/m以上である、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項4】
請求項2または3に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体は、高吸収性ポリマーを含み、
前記高透過領域における前記高吸収性ポリマーの坪量は50g/m以下であり、
前記他の領域における前記高吸収性ポリマーの坪量は60g/m以上である、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体は、液体吸収性繊維及び高吸収性ポリマーを含み、
前記高透過領域における前記液体吸収性繊維と前記高吸収性ポリマーとの合計の密度は100kg/m以下であり、
前記他の領域における前記液体吸収性繊維と前記高吸収性ポリマーとの合計の密度は120kg/m以上である、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記高透過領域の前記長手方向の少なくとも一部の領域において、前記高透過領域の前記幅方向の長さは、前記重複領域の前記幅方向の長さよりも長い、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項7】
請求項6に記載の吸収性物品であって、
前記幅方向において、前記重複領域よりも外側に位置する前記高透過領域の長さは、前記重複領域の長さよりも短い、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項8】
請求項2〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記高透過領域の前記長手方向の少なくとも一部の領域において、前記高透過領域の前記幅方向の長さは、前記重複領域の前記幅方向の長さ以下である、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項9】
請求項8に記載の吸収性物品であって、
前記幅方向において、前記重複領域よりも内側に位置する前記高透過領域の長さは、前記重複領域の長さよりも短い、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項10】
請求項2〜9のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記長手方向において、前記高透過領域の長さは、前記便インジケータの長さよりも短い、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項11】
請求項2〜9のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記長手方向において、前記高透過領域の長さは、前記便インジケータの長さ以上である、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体よりも前記厚さ方向の肌側にトップシートを有し、
前記トップシートは、前記厚さ方向に見たときに、前記非重複領域と重複する領域の少なくとも一部に凹凸部を有し、前記重複領域と重複する領域の少なくとも一部に非凹凸部を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体よりも前記厚さ方向の肌側にトップシートを有し、
前記トップシートは、前記厚さ方向に見たときに前記重複領域と重複する領域に、前記トップシートを前記厚さ方向に貫通する貫通孔を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体よりも前記厚さ方向の肌側にトップシートを有し、
前記吸収体と前記トップシートとの前記厚さ方向の間にセカンドシートを有し、
前記セカンドシートのクレム吸水度は、前記トップシートのクレム吸水度よりも大きい、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記便インジケータは、前記吸収体の前記幅方向における中央部に配置されている、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、尿と接触することにより所定の反応を呈し、便と接触しても前記所定の反応を呈さない尿インジケータを有し、
前記尿インジケータは、前記便インジケータの前記幅方向の両側に配置されている、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記長手方向において、前記便インジケータは、前記吸収体の後側端部を跨いで配置されている、ことを特徴とする吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の一例として、使い捨ておむつが知られている。このような使い捨ておむつには、排泄物の吸収量を視覚化し、使用者に取り換え時期を知らせるためのインジケータ機能を有するものがある。例えば、特許文献1には、おむつの吸収体と裏面シートとの間に、尿と接触することによって色が変化する排尿インジケータを備え、該排尿インジケータと重なる部分において外装不織布を圧密化することで、インジケータの視認性を高めた使い捨ておむつが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−100886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の使い捨ておむつによれば、使用者(例えば、被着用者におむつを着用させる者)は、排尿が行われたことをおむつの外側から視覚的に認識することが可能となる。しかしながら、特許文献1の使い捨ておむつでは、排尿を検出することは可能であるが、排便を検出することができなかった。これに対して、仮に、排便を検出可能な便インジケータを吸収体の非肌側に取り付けて、おむつの外側から視覚的に排便を検出するようにしようとしても、便は尿と比較して流動性が低く、吸収体を厚さ方向に透過し難いため、便インジケータまで便が到達し難い。したがって、排便を精度良く検出することは困難である。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、排泄された便を精度良く検出することが可能な吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液吸収性の吸収体と、前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、便と接触することにより所定の反応を呈する便インジケータと、を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、前記厚さ方向に見たときに、前記便インジケータと重複する重複領域と、前記便インジケータと重複しない非重複領域と、を有しており、前記重複領域における前記厚さ方向への人工便の平均透過率は、前記非重複領域における前記厚さ方向への前記人工便の平均透過率よりも大きい、ことを特徴とする吸収性物品。
である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、排泄された便を精度良く検出することが可能な吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】テープ型使い捨ておむつ1が展開かつ伸長された状態における平面図である。
図2図1に示す線A−Aでの断面図である。
図3】吸収体21の具体的な構成について説明するための概略断面図である。
図4】吸収体21の変形例について説明するための概略断面図である。
図5】便インジケータ40の長手方向の配置の変形例について表す平面図である。
図6図6A及び図6Bは、トップシート22の構成について説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液吸収性の吸収体と、前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、便と接触することにより所定の反応を呈する便インジケータと、を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、前記厚さ方向に見たときに、前記便インジケータと重複する重複領域と、前記便インジケータと重複しない非重複領域と、を有しており、前記重複領域における前記厚さ方向への人工便の平均透過率は、前記非重複領域における前記厚さ方向への前記人工便の平均透過率よりも大きい、ことを特徴とする吸収性物品。
【0011】
このような吸収性物品によれば、厚さ方向において、便(便汁)の透過率が高い重複領域を透過した便は、そのまま便インジケータに到達しやすくなるため、排便を精度良く検出することができる。また、便(便汁)の透過率の低い非重複領域では、吸収体の肌側から非肌側に便が過度に透過してしまうことが抑制され、便漏れが生じ難くなる。
【0012】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、他の領域よりも前記人工便の平均透過率が高い高透過領域を有し、前記重複領域の少なくとも一部が、前記高透過領域に含まれている、ことが望ましい。
【0013】
このような吸収性物品によれば、重複領域のうち高透過領域(低坪量領域)と重複している部分は、厚さ方向への便の透過率が高くなり、便を便インジケータにより到達させやすくなる。これにより、便インジケータによって、排便をより精度良く検出することができる。
【0014】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、液体吸収性繊維を含み、前記高透過領域における前記液体吸収性繊維の坪量は50g/m以下であり、前記他の領域における前記液体吸収性繊維の坪量は150g/m以上である、ことが望ましい。
【0015】
このような吸収性物品によれば、低坪量領域(高透過領域)において、便中に含まれる水分(便汁)が液体吸収性繊維に吸収されにくくなり、便インジケータに便(便汁)が到達しやすくなる。したがって、排便の検出精度を高めることができる。また、低透過領域において、便汁が液体吸収性繊維に吸収され、非肌側に到達し難くなる。したがって、吸収性物品の非肌側に便が漏れてしまうことを抑制できる。
【0016】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、高吸収性ポリマーを含み、前記高透過領域における前記高吸収性ポリマーの坪量は50g/m以下であり、前記他の領域における前記高吸収性ポリマーの坪量は60g/m以上である、ことが望ましい。
【0017】
このような吸収性物品によれば、低坪量領域(高透過領域)において、便中に含まれる水分(便汁)が高吸収性ポリマーに吸収されにくくなり、便インジケータに便(便汁)が到達しやすくなる。したがって、排便の検出精度を高めることができる。また、低透過領域において、便汁が高吸収性ポリマーに吸収され、非肌側に到達し難くなる。したがって、吸収性物品の非肌側に便が漏れてしまうことを抑制できる。
【0018】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、液体吸収性繊維及び高吸収性ポリマーを含み、前記高透過領域における前記液体吸収性繊維と前記高吸収性ポリマーとの合計の密度は100kg/m以下であり、前記他の領域における前記液体吸収性繊維と前記高吸収性ポリマーとの合計の密度は120kg/m以上である、ことが望ましい。
【0019】
このような吸収性物品によれば、低坪量領域(高透過領域)において、毛細管現象が生じ難くなり、吸収体に便(便汁)が吸収されることが抑制される。したがって、便インジケータに便(便汁)が到達しやすくなり、排便の検出精度を高めることができる。また、低透過領域では、毛細管現象によって便汁が吸収体に吸収され、非肌側に到達し難くなる。したがって、吸収性物品の非肌側に便が漏れてしまうことを抑制できる。
【0020】
かかる吸収性物品であって、前記高透過領域の前記長手方向の少なくとも一部の領域において、前記高透過領域の前記幅方向の長さは、前記重複領域の前記幅方向の長さよりも長い、ことが望ましい。
【0021】
このような吸収性物品によれば、幅方向において、重複領域の全体に高透過領域(低坪量領域)が含まれやすくなり、重複領域の一部のみに高透過領域が含まれている場合と比較して、重複領域における便の平均透過率が高くなり、便インジケータに便をより到達させやすくすることができる。これにより、便の検出精度をより高めることができる。
【0022】
かかる吸収性物品であって、前記幅方向において、前記重複領域よりも外側に位置する前記高透過領域の長さは、前記重複領域の長さよりも短い、ことが望ましい。
【0023】
このような吸収性物品によれば、重複領域よりも幅方向の外側の領域(非重複領域)では高透過領域(低坪量領域)を狭くすることにより、非重複領域における便の平均透過率がなるべく低くなるようにする。これにより、幅方向において便インジケータが配置されていない非重複領域では、吸収体の非肌面側に便が到達し難くなり、便漏れを抑制しやすくすることができる。
【0024】
かかる吸収性物品であって、前記高透過領域の前記長手方向の少なくとも一部の領域において、前記高透過領域の前記幅方向の長さは、前記重複領域の前記幅方向の長さ以下である、ことが望ましい。
【0025】
このような吸収性物品によれば、高透過領域(低坪量領域)の幅方向における長さが重複領域の長さよりも小さいことにより、便インジケータが配置されていない非重複領域において便の厚さ方向への透過が抑制されやすく、便漏れを生じ難くすることができる。
【0026】
かかる吸収性物品であって、前記幅方向において、前記重複領域よりも内側に位置する前記高透過領域の長さは、前記重複領域の長さよりも短い、ことが望ましい。
【0027】
このような吸収性物品によれば、重複領域よりも幅方向の内側の領域では、坪量の高い領域(低透過領域)を狭くすることにより、重複領域における便の平均透過率が低くなることが抑制される。これにより、便インジケータが配置されている重複領域で、吸収体の非肌面側に便が到達しやすくなり、排便の検出精度を高めることができる。
【0028】
かかる吸収性物品であって、前記長手方向において、前記高透過領域の長さは、前記便インジケータの長さよりも短い、ことが望ましい。
【0029】
このような吸収性物品によれば、高透過領域(低坪量領域)のうち、長手方向のいずれの部分において厚さ方向に透過した便であっても、便インジケータに到達しやすくなるため、排便を精度良く検出することが可能となる。
【0030】
かかる吸収性物品であって、前記長手方向において、前記高透過領域の長さは、前記便インジケータの長さ以上である、ことが望ましい。
【0031】
このような吸収性物品によれば、長手方向において、高透過領域(低坪量領域)と重複して配置された便インジケータの全領域で便を検出することが可能となる。したがって、排便を検出しやすくすることができる。
【0032】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体よりも前記厚さ方向の肌側にトップシートを有し、前記トップシートは、前記厚さ方向に見たときに、前記非重複領域と重複する領域の少なくとも一部に凹凸部を有し、前記重複領域と重複する領域の少なくとも一部に非凹凸部を有している、ことが望ましい。
【0033】
このような吸収性物品によれば、トップシートのうち、凹凸部が形成されている部分では、便は、凹凸部の先端とのみ接触し、凹部とは接触し難くなるため、肌側から非肌側への便の浸透が抑制される。一方、非凹凸部では、便とトップシートとの接触面積が大きくなり、便が肌側から非肌側へ浸透しやすくなる。したがって、重複領域では便が厚さ方向に透過しやすく、非重複領域では便が厚さ方向に透過し難くなり、排便を検出しやすくすることができる。
【0034】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体よりも前記厚さ方向の肌側にトップシートを有し、前記トップシートは、前記厚さ方向に見たときに前記重複領域と重複する領域に、前記トップシートを前記厚さ方向に貫通する貫通孔を有している、ことが望ましい。
【0035】
このような吸収性物品によれば、重複領域において、トップシートの肌側に付着した便(便汁)は、複数の貫通孔(孔部)を通過して厚さ方向の肌側から非肌側へ移動しやすくなる。これにより、重複領域において便インジケータに便が到達しやすくなり、より高精度に排便を検出することができる。
【0036】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体よりも前記厚さ方向の肌側にトップシートを有し、前記吸収体と前記トップシートとの前記厚さ方向の間にセカンドシートを有し、前記セカンドシートのクレム吸水度は、前記トップシートのクレム吸水度よりも大きい、ことが望ましい。
【0037】
このような吸収性物品によれば、排便が行われた際に、トップシートの肌側に付着した便に含まれる水分(便汁)が、セカンドシートによって非肌側に引き込まれ、非肌側に設けられた便インジケータへ便が透過しやすくなる。これにより、便インジケータに便が到達しやすくなり、排便を精度良く検出することが可能となる。
【0038】
かかる吸収性物品であって、前記便インジケータは、前記吸収体の前記幅方向における中央部に配置されている、ことが望ましい。
【0039】
このような吸収性物品によれば、通常の場合、排便は吸収性物品の幅方向中央部にて行われるため、流動性の低い便は、幅方向に移動せずそのまま吸収体の肌側から非肌側へと厚さ方向に透過しやすい。したがって、便インジケータが幅方向の中央部に配置されていることにより、便インジケータに便をより到達させやすくすることができる。これにより、排便を検出しやすくすることができる。
【0040】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、尿と接触することにより所定の反応を呈し、便と接触しても前記所定の反応を呈さない尿インジケータを有し、前記尿インジケータは、前記便インジケータの前記幅方向の両側に配置されている、ことが望ましい。
【0041】
このような吸収性物品によれば、便インジケータと尿インジケータとを幅方向の異なる位置に配置することにより、使用者は、排泄されたのが尿であるのか便であるのかを視覚的に確認しやすくなる。また、流動性が高く拡散しやすい尿を、幅方向の広範囲で検出することができる。
【0042】
かかる吸収性物品であって、前記長手方向において、前記便インジケータは、前記吸収体の後側端部を跨いで配置されている、ことが望ましい。
【0043】
このような吸収性物品によれば、便インジケータは、吸収体の後側端よりも長手方向の後側でも便を検出することができるようになる。したがって、便の後漏れ等が発生したとしても、当該後漏れした便を便インジケータによって迅速に検出することができる。これにより、吸収性物品の交換タイミングを適切に知ることができる。また、便の後漏れによって、寝具等が汚れてしまうことを抑制しやすくすることができる。
【0044】
===実施形態===
本発明に係る吸収性物品として、乳幼児用のテープ型使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。ただし、これに限らず、例えば、パンツ型やパッドタイプの使い捨ておむつ、大人用のテープ型使い捨ておむつ等にも本発明を適用できる。
【0045】
<テープ型使い捨ておむつ1の基本構成>
図1は、テープ型使い捨ておむつ1(以下「おむつ1」ともいう)が展開かつ伸長された状態における平面図である。図2は、図1に示す線A−Aでの断面図である。おむつ1を伸長させた状態とは、おむつ1の展開状態において、おむつ1に生じていた皺が実質的に視認されなくなる程に伸長させた状態であり、おむつ1を構成する各部材(例えば後述するトップシート22等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまでおむつ1が伸長した状態である。
【0046】
本実施形態のおむつ1は、所謂オープンタイプの使い捨ておむつであり、図1に示すように、前部3と、股下部5と、後部7とを有する。前部3は、着用者の前部(腹側、前胴回り)に位置することになる部分である。また、後部7は、着用者の後部(背側、後胴回り)に位置することになる部分である。股下部5は、前部3と後部7との間に位置することになる部分である。
【0047】
以下の説明では、図1に示すように、各方向を定義する。すなわち、伸長状態のおむつ1において、前部3から後部7に向かう方向を「長手方向」とし、長手方向と直交する方向を「幅方向」とする。図1に示されている線B−Bは、長手方向におけるおむつ1の中心を示す線である。また、図2に示すように、長手方向及び幅方向と直交する方向を「厚さ方向」とし、着用者の肌の側を「肌側」とし、その逆側を「非肌側」とする。
【0048】
おむつ1は、中央帯状領域12と、サイドフラップ14と、レッグギャザー16と、レッグサイドギャザー17とを有する。一対のサイドフラップ14は、後部7において、ファスニングテープ30がそれぞれ取り付けられている。
【0049】
中央帯状領域12は、前部3、股下部5及び後部7によって構成された幅方向の中央部に位置する帯状の領域である(図1参照)。中央帯状領域12は、着用者によって排泄された尿等の液体を吸収し保持する部位である。中央帯状領域12は、液保持性の吸収体21を含む縦長の形状(長手方向に沿った形状)を有する。中央帯状領域12は、主に、吸収体21と、同吸収体21を肌側から覆う液透過性のトップシート22と、同吸収体21を非肌側から覆う液不透過性のバックシート23、及び、おむつ1の外装をなす外装シート27(例えば不織布)とを有する(図2参照)。中央帯状領域12には、更に、液透過性であるセカンドシート35が設けられている。ただし、セカンドシート25は必ずしも設けられている必要は無い。
【0050】
本実施形態の吸収体21は、図2に示すように、尿等の排泄物を吸収する吸収性コア24と、吸収性コア24を厚さ方向の肌側及び非肌側の両側からそれぞれ覆う液透過性のコアラップシート25とを有している。
【0051】
吸収体21(吸収性コア24)は、前部3、股下部5及び後部7に亘って配置されている。本実施形態の吸収性コア24は、所定形状の一例としての平面視略砂時計形状を有する。吸収性コア24を構成する液体吸収性素材としては、例えばパルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー(所謂SAP)等の液体吸収性粒状物を使用することができる。また、液体吸収性繊維及び液体吸収性粒状物以外の液体吸収性素材を含んでいても良い。
【0052】
また、吸収体21は、幅方向の中央部に低坪量領域21Aを有している(図1及び図2参照)。吸収体21のうち、低坪量領域21Aの坪量は、低坪量領域21Aに隣接する領域21Bの坪量よりも低くなっている。ここで、坪量とは、単位面積当たりの質量のことである。低坪量領域21Aの詳細については、後で説明する。
【0053】
サイドフラップ14は、中央帯状領域12の幅方向の両側部に位置する部位である。サイドフラップ14は、前部3、股下部5及び後部7に亘って形成されている(図1参照)。股下部5におけるサイドフラップ14の幅方向の長さ(幅)は、前部3及び後部7におけるサイドフラップ14の幅方向の長さ(幅)よりも狭い。サイドフラップ14は、主に、肌側シート26とバックシート23から構成されている(図2参照)。肌側シート26は、前部3、股下部5及び後部7に亘って形成された肌側の部材であり、例えば不織布で構成されている。肌側シート26は、レッグサイドギャザー17(立体ギャザー)を構成する部材でもあり、肌側シート26の外側の部位(図1の破線で表示された接合部26Aより外側の部位)がサイドフラップ14を構成する。
【0054】
中央帯状領域12のうち少なくとも股下部5には、トップシート22と肌側シート26との間に、長手方向に伸縮可能な一対の脚周り弾性部材28(例えば糸ゴム)が設けられている。脚周り弾性部材28は、股下部5の中央帯状領域12に伸縮性を付与する部材である。本実施形態では、長手方向に伸長させた状態で脚周り弾性部材28が取り付けられる。これにより、脚周り弾性部材28は中央帯状領域12の股下部5に対して長手方向に沿った収縮力を発現する。
【0055】
一対のサイドフラップ14には、長手方向に沿って伸縮するレッグギャザー弾性部材15がそれぞれ設けられている。レッグギャザー弾性部材15は、長手方向に沿って伸縮する弾性部材であり、おむつ1の着用時において、脚回り開口部に伸縮性を付与する部材である。すなわち、レッグギャザー弾性部材15はおむつ1の脚繰り部を着用者の脚に合わせてフィットさせる脚回り弾性部材である。また、レッグギャザー弾性部材15が股下部5の肌側シート26及びバックシート23に伸縮性を付与することによって、レッグギャザー16が構成される。
【0056】
レッグサイドギャザー17は、脚繰りの隙間からの液漏れを防ぐための立体ギャザーである。一対のレッグサイドギャザー17は、前部3、股下部5及び後部7に亘って長手方向に沿って形成されている(図1参照)。レッグサイドギャザー17は、サイドフラップ14の内側で中央帯状領域12の両縁を覆うように形成されている。
【0057】
レッグサイドギャザー17(立体ギャザー)は、主に肌側シート26の幅方向内側の部位から構成されている(図2参照)。股下部5の肌側シート26の内縁は糸ゴム等のレッグサイドギャザー弾性部材18によって伸縮性を有している。肌側シート26は、中央帯状領域12とサイドフラップ14との間の接合部26Aで長手方向に沿って接合されている。おむつ1の着用時には、レッグサイドギャザー弾性部材18の伸縮性によって肌側シート26の接合部26Aよりも内側の領域が、接合部26Aを基点として着用者の肌側に立ち上がり、排泄物等の横漏れを抑制する。
【0058】
ファスニングテープ30は、おむつ1の後部7においてサイドフラップ14の幅方向の両側部に配置されている(図1参照)。そして、後述するターゲットテープ29(図1参照)に各ファスニングテープ30を係止することにより、おむつ1の胴回り開口及び脚回り開口が形成され、着用者の身体(胴)に対しておむつ1の位置を固定することができる。
【0059】
中央帯状領域12の前部3には、ターゲットテープ29が設けられている(図1参照)。ターゲットテープ29は、前部3の外装シート27の非肌側に配置されている。ターゲットテープ29は、ファスニングテープ30と係合可能な部材であり、例えば不織布によって形成されている。ターゲットテープ29は、ファスニングテープ30を係合させるターゲット領域を構成する。なお、外装シート27の非肌側にターゲットテープ29を配置する代わりに、外装シート27を構成している最外層の不織布にターゲット領域を直接形成しても良い。そして、ファスニングテープ30をターゲットテープ29に係合させることによって、おむつ1を着用させることになる。
【0060】
本実施形態のおむつ1は、幅方向の中央部に便インジケータ40を有しており、更に、便インジケータ40に対して幅方向外側に離間して、一対の尿インジケータ50,50を有している。便インジケータ40及び尿インジケータ50は、厚さ方向において、それぞれ吸収体21よりも非肌側に配置されている(図2参照)。尿インジケータ50は、従来の一般的なおむつに採用されているpH指示薬を含むインジケータとして構成されている。例えば、尿インジケータ50は、尿のpHを反応因子(尿インジケータ反応因子)として、尿と接触することによって所定の反応(例えば呈色反応)を呈することにより、尿が排出されたことを検知する。
【0061】
<便インジケータ40の原理>
便インジケータ40は、おむつ1等の吸収性物品用の便インジケータであって、便中に含まれる所定の反応因子(便インジケータ反応因子)と接触することによって所定の反応(例えば呈色反応)を呈することにより、便が排出されたことを検知する。本実施形態では、便インジケータ40が便中の生体物質を検知する化学成分を含み、この化学成分の便への応答と、尿への応答が異なることにより、便の排出のみを検出することを可能としている。
【0062】
例えば、便インジケータ40に含まれる化学成分が検知する生体物質をたんぱく質とする場合、当該化学成分としては、pH指示薬を用いることが好ましい。一般に、たんぱく質は、アミノ酸が重合した構造を有しており、たんぱく質の主鎖の両末端や側鎖に酸性及び塩基性の官能基を有しているため、一定以上のたんぱく質が存在する場合、pH指示薬を変色させることができる(たんぱく誤差法)。本実施形態では、便中の食物由来の未消化のたんぱく質や、腸内細菌から分泌されるたんぱく質等を検知することで、pH指示薬が便に応答するようにしている。
【0063】
具体的なpH指示薬としては、例えば、テトラフェノールブルーを使用することができる。この場合、たんぱく質が存在すると、たんぱく質中の遊離アミノ基と結合して塩様青色化合物を形成し、真のpHより高めのpHに相当する青色を呈する。よって、テトラフェノールブルーを含んだ便インジケータ40が便と接触することで、黄色から青色を呈色する。なお、pH指示薬の変色を起こしやすくするためには、予めpH3程度の酸性側にしておくことが望ましい。そのため、pH指示薬にクエン酸緩衝剤等を含ませても良い。
【0064】
このように、所定のpH指示薬を用いることにより、尿や便自体のpH変化によって、pH指示薬が呈色せず、たんぱく質に応答して当該pH指示薬を呈色させることができる。なお、たんぱく誤差法に用いられるpH指示薬は、上記のテトラフェノールブルーに限定されるものではなく、他のpH指示薬を用いることもできる。例えば、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、チモールフタレイン等、若しくはその他の指示薬を用いることができる。更に、pH指示薬は、肌に対して安全であり、湿気や日光による保管性に優れたものであることが望ましい。
【0065】
また、便インジケータ40では、排泄物が便であるか尿であるかを誤検出しないように、便インジケータ40に含まれる化学成分が便に応答し、尿には応答しないようにすることが望ましい。そこで、本実施形態における便インジケータ40は、所定濃度以上の便インジケータ反応因子(たんぱく質等)に応答して呈色反応等の反応を示し、便インジケータ反応因子が所定濃度よりも小さい場合には、反応を生じ難くしている。
【0066】
一般に、健常者の尿中には、たんぱく質は含まれておらず、非健常者であっても、尿中のたんぱく質は、10,000mg/Lを下回る。よって、本実施形態においては、pH指示薬を使用したたんぱく質誤差法により、便インジケータ40が、150mg/L以上のたんぱく質に応答することが好ましく、5,000mg/L以上のたんぱく質に応答することがより好ましく、10,000mg/L以上のたんぱく質に応答することが更に好ましい。例えば、化学成分としてブロモフェノールブルーを使用する条件で、便インジケータ40が150mg/L以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ40における1cm2当たりのpH指示薬の適用量を、16.3μgとすることが好ましく、便インジケータ40が5,000mg/L以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ40における1cm2当たりのpH指示薬の適用量を、0.5μgとすることが好ましく、便インジケータ40が10,000mg/L以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ40における1cm2当たりのpH指示薬の適用量を、0.25μgとすることが好ましい。なお、pH指示薬の適用量を17.0μg以下とすることにより、吸収性物品の着用者に対する便インジケータ40の安全性が高まる。
【0067】
本実施形態では、このようにpH指示薬の塗布量を調整することによって、便インジケータ40が便に対して反応可能な範囲と比較して、尿に対して反応可能な範囲を相対的に小さくすることができる。言い換えると、便インジケータ40の便に対する反応と、便インジケータ40の尿に対する反応とを異ならせることができる。これにより、便インジケータ40を尿に対して反応し難くすることができる。
【0068】
また、便インジケータ40は、上述したたんぱく質を反応因子として限定するものではない。例えば、便中に含まれる腸内細菌や、便の比重と相関関係がある便のイオン強度、胆汁色素のビリルビン等、便に由来する物質に反応するようにしても良い。これらの成分は、一般に、尿に含まれていない、若しくは便と比較して尿に含有される量や比重が非常に小さい。したがって、たんぱく質を反応因子とする場合と同様に、便インジケータ40が尿に対して反応し難く、便に対して反応しやすくなる。したがって、おむつ1において排泄された便を精度良く検出することができる。
【0069】
便インジケータ40は、上述のような化学成分(例えばpH指示薬)を含んだ接着剤(例えばホットメルト接着剤HMA)をおむつ1のバックシート23の肌側面に塗工することによって形成されている。本実施形態では、図1に示されるように、幅方向の中央において、股下部5から後部7に亘って、長手方向に沿った帯状(若しくは線状)の領域に、コーターを用いてホットメルト接着剤(HMA)を塗工することによって便インジケータ40が形成されている。このようなコーター塗工によれば、均等な膜厚でムラの少ない便インジケータ40を形成することが可能となり、便の検出精度を高めることができる。また、製造コストを抑えることができる。なお、尿インジケータ50についても同様にして形成することができる。
【0070】
また、化学成分をインクと混ぜて、バックシート23やコアラップシート25に印刷塗工することによって便インジケータ40が形成されるのであっても良い。また、化学成分を染み込ませた濾紙や不織布を、ホットメルト接着剤(HMA)や超音波溶着でバックシート23やコアラップシート25に接合固定することによって便インジケータ40が形成されるのであっても良い。
【0071】
<吸収体21の具体的構成>
便インジケータ40によって便を検出するためには、便中に含まれる水分(便汁)を便インジケータ40と接触させる必要がある。つまり、おむつ1の最も肌側に設けられているトップシート22に排泄された便(便汁)を、吸収体21の厚さ方向に透過させ、バックシート23に設けられた便インジケータ40まで到達させる必要がある。しかしながら、通常、便は粘性が高く流動性が低いため、吸収体21の厚さ方向に透過し難い。そのため、便インジケータ40が吸収体21の非肌側に設けられている場合、当該便インジケータ40に便が到達し難くなるおそれがある。
【0072】
これに対して、本実施形態のおむつ1では、吸収体21の厚さ方向に見たときに、便インジケータ40と重複する領域(以下、「重複領域OA」とも呼ぶ)において、便インジケータ40と重複しない領域(以下、「非重複領域NA」とも呼ぶ)よりも、便(便汁)を透過させやすくすることにより、便(便汁)を便インジケータ40まで到達させやすくしている。すなわち、重複領域OAにおける厚さ方向への便の平均透過率が、非重複領域NAにおける厚さ方向への便の平均透過率よりも大きくなるように、吸収体21が構成されている。
【0073】
図3は、吸収体21の具体的な構成について説明するための概略断面図である。同図3に示されるように、吸収体21の重複領域OAと便インジケータ40とは厚さ方向に対向する位置関係となっている。したがって、透過率の高い重複領域OAを厚さ方向の肌側から非肌側へ透過した便は、そのまま便インジケータ40に到達し、該便インジケータ40によって排便を精度良く検出することができる。一方、透過率の低い非重複領域NAでは、便が厚さ方向に透過し難いため、便インジケータ40が設けられている領域以外では吸収体21の肌側から非肌側に便が過度に透過してしまうことが抑制され、便漏れが生じ難くなる。
【0074】
吸収体21において、便の厚さ方向への透過率を高める方法として、本実施形態では、吸収体21の所定の領域に上述した低坪量領域21Aが設けられている。この低坪量領域21Aは、その周囲に隣接する領域21Bよりも坪量が低くなった領域である。本実施形態の低坪量領域21Aの坪量は、0〜200g/m2程度であることが好ましく、100g/m2程度であることがより好ましい。また、低坪量領域21Aの周囲の領域21Bの坪量は、370g/m2程度が好ましい。なお、低坪量領域21Aの坪量が200g/m2を超えてしまうと、坪量が高すぎて便が低坪量領域21Aを透過することが困難になる。
【0075】
具体的に、低坪量領域21Aは、吸収体21において幅方向の中央部で長手方向に沿って設けられた略長方形状の領域であり(図1参照)、少なくとも一部(図3の例では幅方向の全体)が重複領域OAに含まれている。低坪量領域21Aではその他の領域21Bと比較して坪量が低いため、便(便汁)が厚さ方向に透過しやすい。そのため、重複領域OAにおいて低坪量領域21Aが設けられている部分では、厚さ方向への便の透過率が高くなり、便を便インジケータ40に到達させやすくなる。つまり、低坪量領域21Aは、他の領域21Bよりも厚さ方向における便の透過率が高い「高透過領域」である。また、他の領域21Bは、厚さ方向における便の透過率が低い「低透過領域」である。これにより、便インジケータ40によって、排便をより精度良く検出することができるようになる。
【0076】
なお、吸収体21の低坪量領域21A(高透過領域)において、吸収体21を構成する液体吸収性繊維(パルプ)の坪量は50g/m以下であることが望ましい。仮に、液体吸収性繊維の坪量が50g/mよりも大きいと、便中に含まれる水分(便汁)が液体吸収性繊維に吸収されやすくなってしまい、便インジケータ40に便(便汁)を到達させることが難しくなる。これに対して、低坪量領域21A(高透過領域)における液体吸収性繊維の坪量を50g/m以下とすることにより、便インジケータ40に便(便汁)が到達しやすくなり、排便の検出精度を高めることができる。なお、低坪量領域21Aにおける液体吸収性繊維の坪量がゼロg/mであっても良い。
【0077】
一方、低坪量領域21A以外の領域21B(低透過領域)における液体吸収性繊維の坪量は150g/m以上であることが望ましく、180〜300g/mであることがより望ましい。液体吸収性繊維の坪量が150g/m以上であれば、吸収体21中を便が透過する間に、便汁が吸収され、非肌側に到達し難くなる。したがって、便インジケータ40が配置されていない領域21Bにおいて便漏れを生じ難くすることができる。
【0078】
同様に、吸収体21の低坪量領域21A(高透過領域)において、吸収体21を構成する高吸収性ポリマー(SAP)の坪量は50g/m以下であることが望ましい。仮に、高吸収性ポリマーの坪量が50g/mよりも大きいと、便中に含まれる水分(便汁)が液体吸収性繊維に吸収されやすくなってしまい、便インジケータ40に便(便汁)を到達させることが難しくなる。これに対して、低坪量領域21A(高透過領域)における高吸収性ポリマーの坪量を50g/m以下とすることにより、便インジケータ40に便(便汁)が到達しやすくなり、排便の検出精度を高めることができる。なお、低坪量領域21Aにおける高吸収性ポリマーの坪量がゼロg/mであっても良い。
【0079】
一方、低坪量領域21A以外の領域21B(低透過領域)における高吸収性ポリマーの坪量は60g/m以上であることが望ましく、120〜270g/mであることがより望ましい。高吸収性ポリマーの坪量が60g/m以上であれば、吸収体21中を便が透過する間に、便汁が吸収され、非肌側に到達し難くなる。したがって、便インジケータ40が配置されていない領域21Bにおいて便漏れを生じ難くすることができる。
【0080】
また、吸収体21の低坪量領域21A(高透過領域)において、吸収体21を構成する液体吸収性繊維(パルプ)と高吸収性ポリマー(SAP)との合計の密度は100kg/m以下であることが望ましい。吸収体21の密度を100kg/m以下とすることにより、毛細管現象が生じ難くなり、便汁が吸収体21に吸収されてしまうことが抑制されやすくなる。したがって、坪量領域21A(高透過領域)において、便インジケータ40に便(便汁)が到達しやすくなり、排便の検出精度を高めることができる。なお、低坪量領域21Aにおける液体吸収性繊維(パルプ)と高吸収性ポリマー(SAP)との合計の密度はゼロg/mであっても良い。
【0081】
一方、低坪量領域21A以外の領域21B(低透過領域)における液体吸収性繊維(パルプ)と高吸収性ポリマー(SAP)との合計の密度は120kg/m以上であることが望ましく、130〜160kg/mであることがより望ましい。吸収体21のうち、液体吸収性繊維(パルプ)と高吸収性ポリマー(SAP)との合計の密度が120kg/m以上であれば、吸収体21中を便が透過する間に、毛細管現象によって便汁が吸収され、非肌側に到達し難くなる。したがって、便インジケータ40が配置されていない領域21Bにおいて便漏れを生じ難くすることができる。
【0082】
また、図3では、低坪量領域21A(高透過領域)の幅方向における長さ(幅)W21Aが、重複領域OAの幅方向における長さ(幅)WOA以上であり(W21A≧WOA)、幅方向において、重複領域OAの全体に亘って低坪量領域21A(高透過領域)が設けられている。したがって、幅方向において、重複領域OAの一部のみに低坪量領域21Aが設けられている場合と比較して、重複領域OAにおける便の平均透過率が高くなり、便インジケータ40に便をより到達させやすくすることができる。また、便インジケータ40の幅方向の全域に便が到達しやすくなるため、便インジケータ40による便の検出精度をより高めることができる。なお、図1に示される形状の低坪量領域21Aでは、長手方向の全領域においてW21A≧WOAの関係が成立しているが、低坪量領域21Aの長手方向における少なくとも一部の領域でW21A≧WOAの関係が成立していれば、当該一部の領域において上述の効果が得られる。
このとき、幅方向において、重複領域OAよりも外側に位置する低坪量領域21A(高透過領域)の長さ(幅)G21AL,G21ARの合計は、重複領域OAの幅方向における長さ(幅)WOAよりも短いことが望ましい(WOA>G21AR+G21AL)。すなわち、重複領域OAよりも幅方向の外側では、低坪量領域21A(高透過領域)をなるべく狭くすることが望ましい。重複領域OAよりも幅方向の外側の領域(すなわち、非重複領域NA)には便インジケータ40が設けられていないため、当該領域において便の透過率が高くなると、便インジケータ40による排便検出に寄与しない便が、吸収体21の非肌側に到達して便漏れが生じやすくなるおそれがある。そこで、重複領域OAよりも幅方向の外側の領域では低坪量領域21Aを狭くすることにより、該非重複領域NAにおける便の平均透過率がなるべく低くなるようにする。これにより、便インジケータ40が配置されていない領域(非重複領域NA)では、吸収体21の非肌面側に便が到達し難くなり、便漏れを抑制しやすくすることができる。
【0083】
ここで、「便の透過率」は、「便」に相当する粘度や流動性を有する「人工便」を用いて以下のようにして測定することができる。先ず、吸収体21のうち測定対象とする部分(例えば、重複領域OAや非重複領域NAの各々)について、肌側に設けられているトップシート22及びセカンドシート35と共に切り出して、試験片とする。なお、非肌側に設けられているバックシート23及び外装シート27は、吸収体21から取り外しておく。次に、試験片の非肌側に、予め重量を測定しておいたティッシュペーパー(15g/m)を4枚重ねて敷く。すなわち、ティッシュペーパーの上側に、試験片の肌側面(トップシート22が設けられている面)が上になるように、重ねて配置する。そして、試験片の肌側面(上面)のうち、所定の大きさの領域(例えば、長手方向に90mm,幅方向に10mmの領域)を人工便滴下領域とし、それ以外の領域にガムテープ等を張り付けてマスキングし、人工便滴下領域以外の領域には人工便が滴下されないようにする。
【0084】
続いて、人工便滴下領域に人工便を2g滴下し、滴下した後、試験片の肌側に900gの重りを乗せて3分間放置する。重りは、例えば、直径90mmの金属製の円柱(円盤)であって、重量が900gであるものを使用できる。そして、3分経過した後、試験片から重りをはずして、ティッシュペーパーの上から試験片を移動させる。この状態で、ティッシュペーパーの重量を測定することにより、試料を透過してティッシュペーパーに染み込んだ人工便の量が、ティッシュペーパーの重量増加分として求められる。そして、滴下した人工便の重量(2g)と、試験片を透過した人工便の重量から、人工便の透過率を算出する。このようにして、試験片における便(人工便)の平均透過率を測定することができる。
【0085】
測定に用いられる人工便としては、一例として、イオン交換水:73%、NaCl:1%、グリセリン:13.9%、NaCMC:2%、セルロース10%、色粉0.1%を含み、粘度を2000mPa・Sに調整したものを使用できる。粘度についてはイオン交換水で微調整することができる。また、試験片の大きさや試験片に重りを乗せて荷重を加える時間は、おむつ1の使用状況を考慮して変更しても良い。
【0086】
図4は、吸収体21の変形例について説明するための概略断面図である。図4の例では、低坪量領域21Aの幅方向における長さ(幅)W21Aが、重複領域OAの幅方向における長さ(幅)WOAよりも短く(W21A<WOA)なっている。すなわち、重複領域OAの一部にのみ低坪量領域21A(高透過領域)が設けられている。この場合、図3と比較して、重複領域OAに占める低坪量領域21Aの割合が小さくなるため、重複領域OAにおける便の平均透過率は低くなる。一方で、低坪量領域21Aの幅方向における長さ(幅)W21Aが小さいことにより、便インジケータ40が配置されていない領域(非重複領域NA)では便の厚さ方向への透過が抑制されやすく、便漏れを生じ難くすることができる。また、少なくとも幅方向において重複領域OAのうちW21Aの範囲では低坪量領域21Aが形成されているため、該重複領域OAにおける便の平均透過率は、非重複領域NAにおける便の平均透過率よりも高くなり、便を便インジケータ40に到達させやすくするという機能は維持される。したがって、排便を検出しつつ便漏れを抑制しやすい吸収体21を備えたおむつを実現することができる。なお、図3で説明した場合と同様に、
低坪量領域21Aの長手方向における少なくとも一部の領域でW21A<WOAの関係が成立していれば、当該一部の領域において上述の効果が得られる。
【0087】
なお、図4の場合、幅方向において、重複領域OAよりも内側に位置する坪量の高い領域21B(低透過領域)の長さ(幅)H21AL,H21ARの合計は、重複領域OAの幅方向における長さ(幅)WOAよりも短いことが望ましい(WOA>H21AR+H21AL)。すなわち、重複領域OAよりも幅方向の内側では、坪量の高い領域21B(低透過領域)をなるべく狭くすることが望ましい。重複領域OAと重複する部分には便インジケータ40が設けられていることから、当該重複領域OAにおいて低透過領域が占める割合が高くなると、便が厚さ方向に透過し難くなり、排便を精度良く検出することが困難になるおそれがある。そこで、重複領域OAよりも幅方向の内側の領域では低透過領域を狭くすることにより、重複領域OAにおける便の平均透過率が低くなりすぎることを抑制する。これにより、重複領域OAでは、吸収体21の非肌面側に便が到達しやすくなり、便インジケータ40による排便の検出精度を高めることができる。
【0088】
また、図3及び図4のいずれの場合であっても、便インジケータ40は、幅方向において中央部に配置されていることが望ましい。ここで、「中央部に配置されている」とは、幅方向において吸収体21を3等分したときの中央の領域中に便インジケータ40が配置されていることを言う。さらに、便インジケータ40は、幅方向において吸収体21の中央位置と重複する部分を有するように配置されていることが望ましく、便インジケータ40の中央位置とおむつ1(吸収体21)の中央位置とが同じ位置にあることがより望ましい。通常、着用者の肛門は、幅方向の中央に位置しているため、排便は、おむつ1の幅方向中央部にて行われる。そして、便は流動性が低いため、肛門から排出された後は、幅方向に移動すること無く、そのまま吸収体21の肌側から非肌側へと厚さ方向に透過しやすい。したがって、便インジケータ40(及び低坪量領域21A)が、幅方向の中央部に配置されていることにより、便インジケータ40に便をより到達させやすくすることができる。これにより、排便を検出しやすくすることができる。
【0089】
そして、便インジケータ40の幅方向の両側には、一対の尿インジケータ50,50が配置されている。このように、便インジケータ40と尿インジケータ50とを幅方向の異なる位置に配置することにより、使用者は、排泄されたのが尿であるのか便であるのかをおむつ1の外側から視覚的に確認しやすくなる。すなわち、便が排泄された場合は、幅方向中央部に配置されたインジケータ(便インジケータ40)が呈色反応を示し、尿が排泄された場合は、幅方向両側に配置されたインジケータ(尿インジケータ50)が呈色反応を示す。これにより、排便と排尿とを識別しやすくなる。
【0090】
また、尿は、便と比較して粘度が低く流動性が高いため、排泄された後、吸収体21の内部を拡散して幅方向及び長手方向に広がりつつ、厚さ方向の肌側から非肌側に透過しやすい。したがって、図1のように、尿インジケータ50が便インジケータ40の幅方向両側に配置されていたとしても、尿インジケータ50によって排尿を精度良く検出することが可能である。更に、尿インジケータ50が便インジケータ40の幅方向両側に配置されていることにより、使用者は、幅方向における尿の拡散状況を認識しやすくなる。すなわち、幅方向において拡散しやすい尿を広範囲で検出することができる。
【0091】
このように、排便と排尿とをそれぞれ精度良く検出できるようにすることで、使用者は、おむつ1の交換タイミングを正確に判断しやすくなり、着用者に不快感を生じ難くさせることができる。
【0092】
また、図1に示されるように、本実施形態のおおむつ1では、長手方向において、便インジケータ40の長さL40が、低坪量領域21Aの長さL21Aよりも長くなっている(L40>L21A)。このようにすれば、低坪量領域21Aのうち、長手方向のいずれの部分において厚さ方向に透過した便であっても、便インジケータ40に到達させることができるので、排便を精度良く検出することが可能となる。また、長手方向において便インジケータ40が配置されていない領域(すなわち、非重複領域NA)では、吸収体21の非肌面側に便が到達し難くなるため、便漏れを抑制しやすくすることができる。
【0093】
ただし、長手方向において、便インジケータ40の長さL40が、低坪量領域21Aの長さL21A以下となるようにしても良い(L40≦L21A)。この場合、便インジケータ40の長手方向における全域で便を検出することが可能となる。例えば、おむつ1を着用した状態で着用者が身体を動かすような場合には、便が長手方向に移動する可能性があるため、便インジケータ40の広い範囲において便を検出できることが望ましい。このような場合、低坪量領域21Aの長手方向における長さL21Aを、便インジケータ40の長さL40以上とすることにより、便インジケータ40の長手方向の全域において排便を検出することが可能となる。すなわち、長手方向の広範囲に亘って便インジケータ40に便を到達させやすくなるため、排便をより検出しやすくすることができる。
【0094】
また、便インジケータ40は、長手方向において、吸収体21の後側(背側)端21ebを跨いで配置されるようにしても良い。図5は、便インジケータ40の長手方向の配置の変形例について表す平面図である。図5では、長手方向において、便インジケータ40の後側端40ebが吸収体21の後側端21ebよりも後側に位置し、便インジケータ40の前側端40efが吸収体21の後側端21ebよりも前側に位置している。すなわち、便インジケータ40が吸収体21の後側端21ebを長手方向に跨ぐように配置されている。この場合、便インジケータ40は、吸収体21の後側端21ebよりも長手方向の後側でも便を検出することができるようになる。したがって、おむつ1の着用者(例えば、赤ん坊)が仰向けに寝ているような場合に、便が吸収体21からはみ出して後胴回り部まで回り込んでしまう、所謂「後漏れ」が生じたとしても、後漏れした便を便インジケータ40によって迅速に検出することができる。これにより、使用者(例えば、赤ん坊の保護者)はおむつ1の交換タイミングを適切に知ることができる。また、便の後漏れによって、寝具等が汚れてしまうことを抑制しやすくすることができる。
【0095】
また、吸収体21よりも厚さ方向の肌側に配置されているトップシート22を以下の様に構成することによっても、厚さ方向における便の透過率を高めることができる。図6A及び図6Bは、トップシート22の構成について説明する概略断面図である。
【0096】
図6Aにおいて、トップシート22は、厚さ方向に見たときに非重複領域NAと重複する領域において、厚さ方向の肌側及び非肌側に突出した凹凸部22Uを有している。一方、トップシート22は、厚さ方向に見たときに重複領域OAと重複する領域においては、厚さ方向の肌側及び非肌側に突出していない(すなわち平面状の)非凹凸部22Eを有している。
【0097】
排便時において、排出された便は、先ず、トップシート22の肌側面に付着し、トップシート22から吸収体21へと厚さ方向に移動しようとする。ここで、便が固形状で流動性が低い場合、トップシート22のうち凹凸部22Uが形成されている部分では、非凹凸部22Eと比較して便とトップシート22との接触面積が小さくなり、厚さ方向に便(便汁)が透過し難くなる。すなわち、便は、凹凸部22Uの凸部の先端とのみ接触し、凹部とは接触し難くなるため、トップシート22の肌側から非肌側への便の浸透が抑制される。これに対して、非凹凸部22Eでは、固形状の便とトップシート22(非凹凸部22E)とが面で接触することから接触面積が大きくなり、便(便汁)はトップシート22の肌側から非肌側へ浸透しやすくなる。また、便の流動性が高い場合、トップシート22のうち凹凸部22Uが形成されている部分では、便が凹部に滞留しやすく、非凹凸部22Eと比較して厚さ方向の肌側から非肌側への浸透が抑制されやすい。
【0098】
このようなトップシート22を設けることにより、重複領域OAでは便が厚さ方向に透過しやすく、非重複領域NAでは便が厚さ方向に透過し難くなる。これにより、便インジケータ40に対して便が到達しやすくなり、より高精度に排便を検出しやすくなる。
【0099】
また、トップシート22は、厚さ方向に見たときに重複領域OAと重複する領域において、該トップシート22を厚さ方向に貫通する貫通孔である孔部22hを有していても良い。図6Bでは、重複領域OAにおいて複数の孔部22hが形成されており、トップシート22の肌側に付着した便(便汁)は、これら複数の孔部22hを通過して厚さ方向の肌側から非肌側へ移動しやすくなる。これにより、重複領域OAにおいて便インジケータ40に対して便が到達しやすくなり、より高精度に排便を検出しやすくなる。
【0100】
また、おむつ1では、吸収体21(コアラップシート25)とトップシート22との厚さ方向に間に、セカンドシート35が設けられている(図2参照)。そして、これらのシート部材22,35,25の各々における液体(便汁や尿)の透過しやすさを適当に調整することによって、便インジケータ40まで便(便汁)を到達させやすくすることができる。具体的には、厚さ方向に積層された各シート部材の「クレム吸水度」の大きさを調整する。クレム吸水度は、紙の下端を鉛直に水の中に浸せきし、毛管現象によって、10分間に水が上昇した高さ(mm)によって表され(JIS P 8141:2004参照)、クレム吸水度が高いシート部材ほど液体を引き込みやすい。すなわち、液体を浸透させやすい。
【0101】
本実施形態では、トップシート22のクレム吸水度よりも、セカンドシート35及びコアラップシート25のクレム吸水度が大きくなるように、各々のシート部材のクレム吸水度を調整すると良い。すなわち、トップシート22と便インジケータ40との間に設けられたシート部材(セカンドシート35,コアラップシート25)のクレム吸水度が、トップシート22のクレム吸水度よりも大きくなるように調整する。
【0102】
このような構成であれば、排便が行われた際に、トップシート22の肌側に付着した便に含まれる水分(便汁)が、セカンドシート35及びコアラップシート25によって非肌側に引き込まれ、肌側のトップシート22から非肌側の便インジケータ40へと便が透過しやすくなる。これにより、便インジケータ40に便が到達しやすくなり、排便を精度良く検出することが可能となる。
【0103】
なお、トップシート22を構成するシート部材としては、坪量30g/m2のエアスルー不織布を例示できる。また、トップシート22の非肌側に積層されるセカンドシート35を構成するシート部材としては、坪量35g/m2のレーヨン及びパルプの混繊維を例示できる。また、セカンドシート35の非肌側に積層されるコアラップシート25を構成するシート部材としては、坪量10g/m2のSMS不織布を例示できる
===その他の実施の形態===
【0104】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱すること無く、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでも無い。
【0105】
上述の実施形態では、他の領域と比較して坪量が低くなった領域である低坪量領域21Aを有する吸収体21について説明されていたが、当該低坪量領域21Aの坪量はゼロであっても良い。例えば、低坪量領域21Aが、少なくとも幅方向の中央部において、坪量がゼロである領域を有するスリット状に形成されていても良い。低坪量領域21Aの坪量がゼロであれば、便(便汁)が厚さ方向により透過しやすくなり、便インジケータ40に到達しやすくなる。したがって、排便の検出精度をより向上させることができる。
【0106】
上述の実施形態では、セカンドシート35を厚さ方向においてトップシート22とコアラップシート25との間に配置しているが、吸収体21と便インジケータ40との間に、液体を拡散させる拡散シートとして配置しても良い。そうすることで、低坪量領域21Aを透過した便の水分を吸収体21の下層で拡散させ、便インジケータ40をより広い範囲で反応させることができる。それにより、おむつ1外面からの視認性を高めることができる。
【0107】
上述の実施形態では、便インジケータ40の形状は、図1に示す平面視において長手方向に長い長方形状であるが、形状はこの限りではない。例えば、正方形、幅方向に長い長方形状、ハート型等のパターン形状などでも良い。
【0108】
上述の実施形態では、低坪量領域21Aの数は、おむつ1の幅方向の中央部に1つであったが、低坪量領域21Aは複数設けられても良い。この場合、各低坪量領域21Aに対して長手方向及び幅方向において重複する部分を有するように便インジケータ40を複数配置することよって、排便の検知をより向上させることもできる。
【符号の説明】
【0109】
1 テープ型使い捨ておむつ(吸収性物品)、
3 前部、5 股下部、7 後部、
12 中央帯状領域、14 サイドフラップ、15 レッグギャザー弾性部材、
16 レッグギャザー、17 レッグサイドギャザー、
18 レッグサイドギャザー弾性部材、
21 吸収体、
21A 低坪量領域(高透過領域)、21B 領域(低透過領域)、
22 トップシート、
22U 凹凸部、22E 非凹凸部、22h 孔部(貫通孔)、
23 バックシート、
24 吸収性コア、25 コアラップシート、
26 肌側シート、26A 接合部、
27 外装シート、28 脚周り弾性部材、
29 ターゲットテープ、30 ファスニングテープ、
35 セカンドシート、
40 便インジケータ、
50 尿インジケータ、
OA 重複領域、
NA 非重複領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6