特開2021-69872(P2021-69872A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-69872(P2021-69872A)
(43)【公開日】2021年5月6日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/42 20060101AFI20210409BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20210409BHJP
【FI】
   A61F13/42 B
   A61F5/44 S
   A61F13/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-200022(P2019-200022)
(22)【出願日】2019年11月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宇都 祥太
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 友美
(72)【発明者】
【氏名】深山 拓也
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA02
3B200CA08
3B200DA16
3B200DF02
3B200DF05
4C098AA09
4C098CC05
4C098CD07
4C098CE09
4C098CE13
(57)【要約】
【課題】排便が行われたことを外観から使用者が視認でき、脚繰りや背中側から便が漏れ出す可能性を低減する吸収性物品を提供すること。
【解決手段】液吸収性の吸収体(21)と、幅方向の両側部の所定位置に、長手方向に沿って設けられる一対の防漏壁部(17g)と、吸収体(21)よりも厚さ方向の非肌側に設けられ、便のみに反応する便インジケータ(40)と、を有する吸収性物品(1)であって、便インジケータ(40)は、吸収性物品(1)の非肌側から視認可能であり、一対の防漏壁部(17g)は、長手方向に伸縮する弾性部材(18)を備え、起立不能な基端部(17k)と、基端部(17k)を支点として厚さ方向の肌側に起立可能な起立部(17s)と、を幅方向に並んで有し、便インジケータ(40)は、幅方向における一方側の基端部(17k)と他方側の基端部(17k)との間の基端部間(17kR)に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
液吸収性の吸収体と、
前記幅方向の両側部の所定位置に、前記長手方向に沿って設けられる一対の防漏壁部と、
前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、便のみに反応する便インジケータと、
を有する吸収性物品であって、
前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能であり、
前記一対の防漏壁部は、前記長手方向に伸縮する弾性部材を備え、起立不能な基端部と、前記基端部を支点として前記厚さ方向の肌側に起立可能な起立部とを前記幅方向に並んで有し、
前記便インジケータは、前記幅方向における一方側の前記基端部と他方側の前記基端部との間の基端部間に配置されている
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記基端部間は、前記幅方向において、中央領域と、前記中央領域の前記幅方向の両側に設けられた側部領域とを有し、
前記便インジケータは、前記中央領域に配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記基端部間は、前記幅方向において、中央領域と、前記中央領域の前記幅方向の両側に設けられた側部領域とを有し、
前記便インジケータは、前記側部領域に配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の吸収性物品であって、
前記便インジケータは、前記中央領域と、前記側部領域とに配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項5】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記便インジケータは、前記吸収体よりも前記幅方向の外側に配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項6】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体は、前記長手方向の中央部に、前記長手方向と前記幅方向の少なくとも一方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部を有し、
前記一対のクロッチ伸縮部は、前記幅方向に間隔を空けて設けられており、
前記幅方向において、前記一対のクロッチ伸縮部の間に前記便インジケータを配置する
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項7】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体は、前記長手方向の中央部に、前記長手方向と前記幅方向の少なくとも一方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部を有し、
前記一対のクロッチ伸縮部は、前記幅方向に間隔を空けて設けられており、
前記幅方向において、前記一対のクロッチ伸縮部の外側に前記便インジケータを配置する
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体は、前記幅方向の中央部に低坪量部を有し、
前記低坪量部の坪量は、前記低坪量部に前記幅方向の外側から隣接する領域の坪量よりも小さく、
前記長手方向及び前記幅方向において、前記低坪量部と前記便インジケータとが重複する部分を有する
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体は、前記幅方向の中央部よりも前記幅方向の外側に一対の低坪量部を有し、
前記一対の低坪量部の坪量は、前記一対の低坪量部それぞれに前記幅方向の外側から隣接する領域の坪量よりも小さく、
前記幅方向において、前記一対の低坪量部の間に前記便インジケータが配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、
前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、
前記便インジケータの前端は、前記伸縮領域の前端よりも長手方向内側に配置され、前記便インジケータの後端は、前記伸縮領域の後端よりも長手方向内側に配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項11】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、
前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、
前記便インジケータの前端は、前記伸縮領域の前端よりも前側に位置している
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項12】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、
前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、
前記便インジケータの後端は、前記伸縮領域の後端よりも後側に位置している
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、
前記背側胴回り部には、便を保持する便収容空間が設けられており、
前記便インジケータと前記便収容空間とが、前記厚さ方向に見て重なる部分を有している
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項14】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、
前記背側胴回り部には、便を保持する便収容空間が設けられており、
前記便インジケータは、前記厚さ方向に見て、少なくとも一部が前記便収容空間と重ならない非重複部を有し、
前記便収容空間と前記厚さ方向に見て重なるように配置された、前記便インジケータとは別の背部便インジケータを少なくとも一つ以上備え、
前記幅方向において、前記背部便インジケータのうち最も外側に位置する前記背部便インジケータの外側端は、前記便インジケータの外側端よりも外側に位置する
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項15】
請求項14に記載の吸収性物品であって、
前記便収容空間に設けられている、前記便インジケータ及び前記背部便インジケータの前記長手方向の単位長さ当たりの面積の合計は、前記便インジケータの前記非重複部の前記長手方向の単位長さ当たりの面積の合計よりも大きい
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項16】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、
前記幅方向の中央部において、前記背側胴回り部の一部を前記厚さ方向の肌側から覆うシート部材を用いて構成された、便を保持する便収容空間を有し、
前記シート部材には、前記便インジケータが設けられており、
前記シート部材に設けられている前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能である
ことを特徴とする吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の一例として、使い捨ておむつが挙げられる。このような使い捨ておむつには、排泄物の吸収量を視覚化し、使用者に取り替え時期を知らせるインジケータ機能を有するものがある。例として、特許文献1には、使い捨ておむつの吸収体と裏面シートとの間に、尿との接触によって色が変化する排尿インジケータを備え、当該排尿インジケータと重なる部分において外層不織布を圧密化することで、排尿インジケータの視認性を高めた使い捨ておむつが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−100886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の使い捨ておむつによれば、おむつの交換者は、排尿が行われたことをおむつの外側から視覚的に認識することが可能となる。しかし、便の水分を検知して排便の有無を知らせることはできないため、おむつ内の空間に留まっている軟便がおむつのトップシートを伝って広がり、おむつの脚繰りや背中側から漏れ出てしまう虞があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、排便が行われたことを外観から使用者が視認でき、脚繰りや背中側から便が漏れ出す可能性を低減する吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液吸収性の吸収体と、前記幅方向の両側部の所定位置に、前記長手方向に沿って設けられる一対の防漏壁部と、前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、便のみに反応する便インジケータと、を有する吸収性物品であって、前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能であり、前記一対の防漏壁部は、前記長手方向に伸縮する弾性部材を備え、起立不能な基端部と、前記基端部を支点として前記厚さ方向の肌側に起立可能な起立部とを前記幅方向に並んで有し、前記便インジケータは、前記幅方向における一方側の前記基端部と他方側の前記基端部との間の基端部間に配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排便が行われたことを外観から使用者が視認でき、脚繰りや背中側から便が漏れ出す可能性を低減する吸収性物品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】展開かつ伸長された状態におけるテープ型使い捨ておむつ1の平面図である。
図2図2Aは、図1に示す線A−Aでの断面図であり、図2Bは、防漏壁部17gの起立部17sが長手方向に収縮して起立した状態を示す断面図である。
図3A】便インジケータ40の配置の変形例1を示す図である。
図3B】便インジケータ40の配置の変形例2を示す図である。
図4】便インジケータ40の配置の変形例3を示す図である。
図5】便インジケータ40の配置の変形例4を示す図である。
図6】低坪量部21Aが複数設けられた変形例5を示す図である。
図7】便インジケータ40の配置の変形例6を示す図である。
図8】便インジケータ40の配置の変形例7を示す図である。
図9】便収容空間80を設けた、展開かつ伸長された状態におけるおむつ1の変形例の平面図である。
図10図10図9のB−B線に沿い、且つ、着用状態における模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液吸収性の吸収体と、前記幅方向の両側部の所定位置に、前記長手方向に沿って設けられる一対の防漏壁部と、前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、便のみに反応する便インジケータと、を有する吸収性物品であって、前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能であり、前記一対の防漏壁部は、前記長手方向に伸縮する弾性部材を備え、起立不能な基端部と、前記基端部を支点として前記厚さ方向の肌側に起立可能な起立部とを前記幅方向に並んで有し、前記便インジケータは、前記幅方向における一方側の前記基端部と他方側の前記基端部との間の基端部間に配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
【0010】
このような吸収性物品によれば、吸収性物品を着用中に排泄された軟便は、トップシートを伝って拡散し、吸収性物品の一対の防漏壁部によって塞き止められる。当該一対の防漏壁部の基端部間に便インジケータを備えることで、直ちに便を検出でき、吸収性物品の使用者(例えば、交換者)に排便が行われたことを知らせることができる。それにより、排便が行われたことに気づかずに便が吸収性物品内に留まり続けることに起因する肌トラブルや、脚繰りや背中側から便が漏れ出す可能性を低減できる。
【0011】
かかる吸収性物品であって、前記基端部間は、前記幅方向において、中央領域と、前記中央領域の前記幅方向の両側に設けられた側部領域とを有し、前記便インジケータは、前記中央領域に配置されることが望ましい。
【0012】
このような吸収性物品によれば、一般に、吸収性物品における排便位置は、基端部間の中央領域に当たり、当該中央領域に便インジケータを備えることで、早い段階で便を検知し易くなる。排便後、短時間で交換者に排便を知らせることにより、便が漏れ出す可能性を低減できる。
【0013】
かかる吸収性物品であって、前記基端部間は、前記幅方向において、中央領域と、前記中央領域の前記幅方向の両側に設けられた側部領域とを有し、前記便インジケータは、前記側部領域に配置されることが望ましい。
【0014】
このような吸収性物品によれば、側部領域に便インジケータを配置することで、防漏壁部付近に到達した便を検出でき、便が漏れ出る前に使用者に知らせることが可能になる。それにより、便が吸収性物品の脚繰りから漏れ出る可能性を低減する。
【0015】
かかる吸収性物品であって、前記便インジケータは、前記中央領域と、前記側部領域とに配置されることが望ましい。
【0016】
このような吸収性物品によれば、中央領域と側部領域の両方に便インジケータを配置することにより、幅方向に広範囲に便を検知することができ、漏れ出る可能性をより低減する。
【0017】
かかる吸収性物品であって、前記便インジケータは、前記吸収体よりも前記幅方向の外側に配置されることが望ましい。
【0018】
このような吸収性物品によれば、吸収体よりも幅方向の外側では吸収体が存在しないため、便が便インジケータに到達しやすく、便を検出しやすい。そのような箇所に便インジケータを配置することで、便の検出性を高める。
【0019】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、前記長手方向の中央部に、前記長手方向と前記幅方向の少なくとも一方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部を有し、前記一対のクロッチ伸縮部は、前記幅方向に間隔を空けて設けられており、前記幅方向において、前記一対のクロッチ伸縮部の間に前記便インジケータを配置することが望ましい。
【0020】
このような吸収性物品によれば、一対のクロッチ伸縮部と重なる吸収体部分は、着用者の肌に密着するように肌側に吊られる状態になり、一対のクロッチ伸縮部間は、凹部が形成されて、便が当該凹部に溜まりやすくなる。便は吸収に時間を要するが、溜まった部分では、時間が経過とともに便が浸透して便インジケータが反応する。そのような部分に便インジケータを配置することで便の検出性を高める。
【0021】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、前記長手方向の中央部に、前記長手方向と前記幅方向の少なくとも一方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部を有し、前記一対のクロッチ伸縮部は、前記幅方向に間隔を空けて設けられており、前記幅方向において、前記一対のクロッチ伸縮部の外側に前記便インジケータを配置することが望ましい。
【0022】
このような吸収性物品によれば、一対のクロッチ伸縮部と重なる吸収体部分は、着用者の肌に密着するように肌側に吊られる状態になり、当該クロッチ伸縮部から幅方向の外側に向かっては、便がトップシートを伝ってやや下降するように移動し、クロッチ伸縮部の両側は便が溜まりやすい。便は吸収に時間を要するが、溜まった部分では、時間が経過とともに便が浸透して便インジケータが反応する。そのような部分に便インジケータを配置することで便の検出性を高める。
【0023】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、前記幅方向の中央部に低坪量部を有し、前記低坪量部の坪量は、前記低坪量部に前記幅方向の外側から隣接する領域の坪量よりも小さく、前記長手方向及び前記幅方向において、前記低坪量部と前記便インジケータとが重複する部分を有することが望ましい。
【0024】
このような吸収性物品によれば、排泄された便(便汁)が吸収体の低坪量部を透過して肌側から非肌側へ移動し、便インジケータに到達しやすくなることで、より早く排便が行われたことを交換者に知らせることができる。
【0025】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、前記幅方向の中央部よりも前記幅方向の外側に一対の低坪量部を有し、前記一対の低坪量部の坪量は、前記一対の低坪量部それぞれに前記幅方向の外側から隣接する領域の坪量よりも小さく、前記幅方向において、前記一対の低坪量部の間に前記便インジケータが配置されることが望ましい。
【0026】
このような吸収性物品によれば、排泄された便(便汁)は、一対の低坪量部を透過して肌側から非肌側へと移動し易く、移動してきた便汁は、一対の低坪量部の間に溜まりやすい。そのような一対の低坪量部間に便インジを配置することで、便の検出性を高め、交換者に排便が行われたことを知らせる。
【0027】
かかる吸収性物品であって、前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、前記便インジケータの前端は、前記伸縮領域の前端よりも長手方向内側に配置され、前記便インジケータの後端は、前記伸縮領域の後端よりも長手方向内側に配置されることが望ましい。
【0028】
このような吸収性物品によれば、防漏壁部の伸縮領域(所謂、有効長の範囲)は、排泄された便が溜まりやすい領域であり、当該領域内に便インジケータを配置することで、便を効率的に検知でき、製造コストを抑えることができる。
【0029】
かかる吸収性物品であって、前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、前記便インジケータの前端は、前記伸縮領域の前端よりも前側に位置していることが望ましい。
【0030】
このような吸収性物品によれば、便インジケータを伸縮領域の前端よりもさらに前側にも配置することで、例えば、乳幼児等である使用者が四つん這いで移動する時などに腹側に拡散する便を検知でき、腹漏れを防ぐ。
【0031】
かかる吸収性物品であって、前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、前記便インジケータの後端は、前記伸縮領域の後端よりも後側に位置していることが望ましい。
【0032】
このような吸収性物品によれば、便インジケータを伸縮領域の後端よりもさらに後側にも配置することで、寝姿勢時に後ろに流れていく便を検知し易くなり、背漏れを防ぐ。
【0033】
かかる吸収性物品であって、着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、前記背側胴回り部には、便を保持する便収容空間が設けられており、前記便インジケータと前記便収容空間とが、前記厚さ方向に見て重なる部分を有していることが望ましい。
【0034】
このような吸収性物品によれば、寝姿勢時等においては、軟便がトップシートを伝って背側胴回り部まで移動していく可能性があり、そのような背側胴回りに到達した便を収容するために設けられた便収容空間と便インジケータとが重なる部分を有することで、効率的に便を検出できる。
【0035】
かかる吸収性物品であって、着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、前記背側胴回り部には、便を保持する便収容空間が設けられており、前記便インジケータは、前記厚さ方向に見て、少なくとも一部が前記便収容空間と重ならない非重複部を有し、前記便収容空間と前記厚さ方向に見て重なるように配置された、前記便インジケータとは別の背部便インジケータを少なくとも一つ以上備え、前記幅方向において、前記背部便インジケータのうち最も外側に位置する前記背部便インジケータの外側端は、前記便インジケータの外側端よりも外側に位置することが望ましい。
【0036】
このような吸収性物品によれば、幅方向において、便インジケータよりも更に外側に配置されるように別途背部便インジケータを備えることで、幅方向に広い範囲で便を検出しやすくなり、便の検出性が高まる。それにより、背漏れが発生する可能性をより低減できる。
【0037】
かかる吸収性物品であって、前記便収容空間に設けられている、前記便インジケータ及び前記背部便インジケータの前記長手方向の単位長さ当たりの面積の合計は、前記便インジケータの前記非重複部の前記長手方向の単位長さ当たりの面積の合計よりも大きいことが望ましい。
【0038】
このような吸収性物品によれば、便が溜まりやすい便収容空間における便インジケータ及び背部便インジケータの合計面積が大きいことで、便収容空間に到達した便をより検知し易くなり、背漏れの可能性を低減できる。
【0039】
かかる吸収性物品であって、着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、前記幅方向の中央部において、前記背側胴回り部の一部を前記厚さ方向の肌側から覆うシート部材を用いて構成された、便を保持する便収容空間を有し、前記シート部材には、前記便インジケータが設けられており、前記シート部材に設けられている前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能であることが望ましい。
【0040】
このような吸収性物品によれば、背側胴回り部の一部を厚さ方向の肌側から覆うシート部材を用いて構成される便収容空間は、非肌側面の一部が上方から視認可能(所謂、着衣をずらして上から覗き込んだ位置が視認可能)である。また、装着者が前かがみの姿勢になったときに着衣と肌との間にできやすい隙間から、当該便収容空間を視認することも可能である。便収容空間において、そのような視認可能な位置に便インジケータを設けることで、便の検出性を高めるだけでなく、交換者は排便が行われたことを気づき易くなる。
【0041】
===実施形態===
本発明に係る吸収性物品として、乳幼児用のテープ型使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。ただし、これに限らず、例えば、パンツ型やパッドタイプの使い捨ておむつ、大人用のテープ型使い捨ておむつ等にも本発明を適用できる。
【0042】
<テープ型使い捨ておむつ1の基本構成>
図1は、展開かつ伸長された状態におけるテープ型使い捨ておむつ1(以下「おむつ」ともいう)の平面図である。図2Aは、図1に示す線A−Aでの断面図であり、図2Bは、防漏壁部17gの起立部17sが長手方向に収縮して起立した状態を示す断面図である。おむつ1を展開させた状態とは、おむつ1をその長手方向に開くことで、おむつ1を平面上に展開した状態のことである。また、おむつ1を伸長させた状態とは、おむつ1の展開状態において、おむつ1に生じていた皺が実質的に視認されなくなる程に伸長させた状態であり、おむつ1を構成する各部材(例えば後述するトップシート22等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまでおむつ1が伸長した状態である。
【0043】
本実施形態のおむつ1は、所謂オープンタイプの使い捨ておむつであり、図1に示すように、長手方向において腹側部3と、股下部5と、背側部7とを有する。腹側部3は、おむつ1を着用する際に着用者の腹側(前側)に位置する部分である。背側部7は、おむつ1を着用する際に着用者の背側(後側)に位置する部分である。そして、腹側部3と背側部7との間に股下部5が設けられる。
【0044】
以下の説明では、図1に示すように、各方向を定義する。すなわち、展開状態の平面視にて、腹側部3から背側部7に向かう方向を「長手方向」とし、長手方向と直交する方向を「幅方向」とする。図1に示されている線A−Aは、長手方向におけるおむつ1の中心を示す線である。また、図2A及び図2Bに示すように、長手方向及び幅方向と直交する方向を「厚さ方向」とし、着用者の肌の側を「肌側」とし、その逆側を「非肌側」とする。
【0045】
おむつ1は、中央帯状領域12と、サイドフラップ14と、レッグギャザー16と、防漏壁部17gとを有する。一対のサイドフラップ14は、背側部7において、ファスニングテープ30がそれぞれ取り付けられている。
【0046】
中央帯状領域12は、腹側部3、股下部5及び背側部7によって構成された幅方向の中央部に位置する帯状の領域である(図1参照)。中央帯状領域12は、着用者によって排泄された尿等の液体を吸収し保持する部位である。中央帯状領域12は、液保持性の吸収体21を含む縦長の形状(長手方向に沿った形状)を有する。中央帯状領域12は、主に、液吸収性の吸収体21と、同吸収体21を肌側から覆う液透過性のトップシート22と、同吸収体21を非肌側から覆う液不透過性のバックシート23、及び、おむつ1の外装をなす外装シート27(例えば不織布)とを有する(図2参照)。中央帯状領域12には、さらに、液透過性であるセカンドシート35が設けられているが、セカンドシート35を必ずしも設けなくても良い。
【0047】
本実施形態の吸収体21は、図2Aに示すように、尿等の排泄物を吸収する吸収性コア24と、吸収性コア24を厚さ方向の肌側及び非肌側の両側からそれぞれ覆う液透過性のコアラップシート25とを有している。コアラップシート25に好適な材料としては、ティッシュペーパーや不織布等を例示できる。但し、これらコアラップシート25は必須の構成ではない。
【0048】
吸収体21(吸収性コア24)は、腹側部3、股下部5及び背側部7にわたって配置されている。本実施形態の吸収性コア24は、所定形状の一例としての平面視略砂時計形状を有する。吸収性コア24を構成する液体吸収性素材としては、例えばパルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー(所謂SAP)等の液体吸収性粒状物を使用することができる。また、液体吸収性繊維及び液体吸収性粒状物以外の液体吸収性素材を含んでいても良い。
【0049】
また、吸収体21は、幅方向の中央部に低坪量部21Aを有している(図1及び図2参照)。低坪量部21Aにおいては、坪量が、低坪量部21Aに幅方向の外側から隣接する領域21B、21Bの坪量よりも低くなっている。ここで、坪量とは、単位面積当たりの質量のことである。ただし、おむつ1において、低坪量部21Aは必ずしも設けられていなくても良い。すなわち、吸収体21が全体に亘って均等な坪量を有するように構成されていても良い。
【0050】
サイドフラップ14は、中央帯状領域12の幅方向の両側部に位置する部位である。サイドフラップ14は、腹側部3、股下部5及び背側部7にわたって形成されている(図1参照)。股下部5におけるサイドフラップ14の幅方向の長さ(幅)は、腹側部3及び背側部7におけるサイドフラップ14の幅方向の長さ(幅)よりも狭い。サイドフラップ14は、主に、肌側シート17とバックシート23から構成されている(図2参照)。
【0051】
肌側シート17は、腹側部3、股下部5及び背側部7にわたって形成された肌側の部材であり、例えば不織布で構成されている。また、肌側シート17は、トップシート22の肌側面から起立する立体ギャザー17g(以下、「防漏壁部17g」ともいう)を長手方向に沿って形成する。すなわち、各肌側シート17は、トップシート22にホットメルト接着剤等で固定されて起立不能な基端部17kと、同基端部17kを支点として厚さ方向の肌側に起立可能な起立部17sとを幅方向に並んで有している(図2A及び図2B参照)。そして、起立部17sの幅方向の先端部17sewには、長手方向に伸縮する糸ゴム等の防漏壁部弾性部材18が長手方向に伸長した状態でホットメルト接着剤等により固定されている。そのため、起立部17sには長手方向に収縮力が付与されており、かかる収縮力に基づいて起立部17sが長手方向に収縮することによって、起立部17sが複数の襞を形成しながら厚さ方向の肌側に起立して、排泄物等の横漏れを抑制する防漏壁部17gとして機能する(図2B参照)。
【0052】
また、図1に示すように、起立部17sのうちの長手方向の各端部17seLa,17seLbには、それぞれ当該各端部17seLa,17seLbをトップシート22に伏せた状態に固定する固定部19a,19bが長手方向に沿った帯状に形成されている。すなわち、各端部17seLa,17seLbにおいて固定部19a,19bに対応する部分とトップシート22との間には、固定部19a,19bとしてホットメルト接着剤が長手方向に沿った帯状に設けられており、当該接着剤によって、上記各端部17seLa,17seLbはそれぞれトップシート22に伏せられた状態に固定されている。
【0053】
中央帯状領域12のうち少なくとも股下部5には、トップシート22と肌側シート17との間に、長手方向に伸縮可能な一対の脚周り弾性部材28(例えば糸ゴム)が設けられている。脚周り弾性部材28は、股下部5の中央帯状領域12に伸縮性を付与する部材であり、長手方向に伸長させた状態で取り付けられる。これにより、脚周り弾性部材28は中央帯状領域12の股下部5に対して長手方向に沿った収縮力を発現する。
【0054】
一対のサイドフラップ14には、長手方向に沿って伸縮するレッグギャザー弾性部材15がそれぞれ設けられている。レッグギャザー弾性部材15は、長手方向に沿って伸縮する弾性部材であり、おむつ1の着用時において、脚回り開口部に伸縮性を付与する部材である。すなわち、レッグギャザー弾性部材15はおむつ1の脚繰り部を着用者の脚に合わせてフィットさせる脚回り弾性部材である。レッグギャザー弾性部材15は、例として、伸縮性を有する帯状の弾性シートや、複数の糸ゴム等であってもよい。そして、レッグギャザー弾性部材15が股下部5の肌側シート17及びバックシート23に伸縮性を付与することによって、レッグギャザー16が構成される。
【0055】
背側部7は、着用する際に着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部7Bを有している(図1参照)。該背側胴回り部7Bは、背側部7における長手方向の外側端から、サイドフラップ14が幅方向に延出している部分の長手方向の内側端までである。ファスニングテープ30は、おむつ1の背側胴回り部7Bにおいて、サイドフラップ14が幅方向に延出している部分の幅方向の両側部に配置されている。そして、後述するターゲットテープ29に各ファスニングテープ30を係止することにより、おむつ1の胴回り開口及び脚回り開口が形成され、着用者の身体(胴)に対しておむつ1の位置を固定することができる。
【0056】
腹側部3は、着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部3Fを有している(図1参照)。腹側胴回り部3Fは、着用時に、前述の背側胴回り部7Bに対応する領域である。そして、中央帯状領域12の腹側胴回り部3Fには、ターゲットテープ29が設けられている。ターゲットテープ29は、腹側胴回り部3Fの外装シート27の非肌側に配置されている。ターゲットテープ29は、ファスニングテープ30と係合可能な部材であり、例えば不織布によって形成されている。ターゲットテープ29は、ファスニングテープ30を係合させるターゲット領域を構成する。なお、外装シート27の非肌側にターゲットテープ29を配置する代わりに、外装シート27を構成している最外層の不織布にターゲット領域を直接形成しても良い。そして、ファスニングテープ30をターゲットテープ29に係合させることによって、おむつ1を着用させることになる。
【0057】
本実施形態のおむつ1は、図1及び図2に示すように、吸収体21よりも厚さ方向の非肌側に、便のみに反応する便インジケータ40と、尿のみに反応する尿インジケータ50とを有している。便インジケータ40と尿インジケータ50とは、幅方向に離間し、長手方向に沿って帯状に配置されているが、幅方向に離間していなくてもよい。また、便インジケータ40と尿インジケータ50とは、長手方向に連続的に設けなくてもよく、非連続的であってもよい。
【0058】
尿インジケータ50は、従来の一般的なおむつに採用されているpH指示薬を含むインジケータとして構成されている。例えば、尿インジケータ50は、尿のpHを反応因子(尿インジケータ反応因子)として、尿と接触することによって所定の反応(例えば呈色反応)を呈することにより、尿が排出されたことを検知する。便インジケータ40の詳細については後述する。
【0059】
<便インジケータ40の原理>
便インジケータ40は、おむつ1等の吸収性物品用の便インジケータであって、便中に含まれる所定の反応因子(便インジケータ反応因子)と接触することによって所定の反応(例えば呈色反応)を呈することにより、便が排出されたことを検知する。本実施形態では、便インジケータ40が便中の生体物質を検知する化学成分を含み、この化学成分の便への応答と、尿への応答が異なることにより、便の排出のみを検出することを可能としている。
【0060】
例えば、便インジケータ40に含まれる化学成分が検知する生体物質(便インジケータ反応因子)をたんぱく質とする場合、当該化学成分としては、pH指示薬を用いることができる。一般に、たんぱく質は、アミノ酸が重合した構造を有しており、たんぱく質の主鎖の両末端や側鎖に酸性及び塩基性の官能基を有しているため、一定以上のたんぱく質が存在する場合、pH指示薬を変色させることができる(たんぱく誤差法)。本実施形態では、便中の食物由来の未消化のたんぱく質や、腸内細菌から分泌されるたんぱく質等を検知することで、pH指示薬が便に応答するようにしている。
【0061】
具体的なpH指示薬としては、例えば、テトラフェノールブルーを使用することができる。この場合、たんぱく質が存在すると、たんぱく質中の遊離アミノ基と結合して塩様青色化合物を形成し、真のpHより高めのpHに相当する青色を呈する。よって、テトラフェノールブルーを含んだ便インジケータ40が便と接触することで、黄色から青色を呈色する。なお、pH指示薬の変色を起こしやすくするためには、予めpH3程度の酸性側にしておくことが望ましい。そのため、pH指示薬にクエン酸緩衝剤等を含ませても良い。
【0062】
このように、所定のpH指示薬を用いることにより、尿や便自体のpH変化によって、pH指示薬が呈色せず、たんぱく質に応答して当該pH指示薬を呈色させることができる。なお、たんぱく誤差法に用いられるpH指示薬は、上記のテトラフェノールブルーに限定されるものではなく、他のpH指示薬を用いることもできる。例えば、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、チモールフタレイン等、若しくはその他の指示薬を用いることができる。さらに、pH指示薬は、肌に対して安全であり、湿気や日光による保管性に優れたものであることが望ましい。
【0063】
また、便インジケータ40では、排泄物が便であるか尿であるかを誤検出しないように、便インジケータ40に含まれる化学成分が便に応答し、尿には応答しないようにすることが望ましい。そこで、本実施形態における便インジケータ40は、所定濃度以上の便インジケータ反応因子(たんぱく質等)に応答して呈色反応等の反応を示し、便インジケータ反応因子が所定濃度よりも小さい場合には、反応を生じ難くしている。
【0064】
一般に、健常者の尿中には、たんぱく質は含まれておらず、非健常者であっても、尿中のたんぱく質は、10,000mg/Lを下回る。よって、本実施形態においては、pH指示薬を使用したたんぱく質誤差法により、便インジケータ40が、150mg/L以上のたんぱく質に応答することが好ましく、5,000mg/L以上のたんぱく質に応答することがより好ましく、10,000mg/L以上のたんぱく質に応答することが更に好ましい。例えば、化学成分としてブロモフェノールブルーを使用する条件で、便インジケータ40が150mg/L以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ40における1cm2あたりのpH指示薬の適用量を、16.3μgとすることが好ましく、便インジケータ40が5,000mg/L以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ40における1cm2あたりのpH指示薬の適用量を、0.5μgとすることが好ましく、便インジケータ40が10,000mg/L以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ40における1cm2あたりのpH指示薬の適用量を、0.25μgとすることが好ましい。なお、pH指示薬の適用量を17.0μg以下とすることにより、吸収性物品の着用者に対する便インジケータ40の安全性が高まる。
【0065】
本実施形態では、このようにpH指示薬の塗布量を調整することによって、便インジケータ40が便に対して反応可能な範囲と比較して、尿に対して反応可能な範囲を相対的に小さくすることができる。言い換えると、便インジケータ40の便に対する反応と、便インジケータ40の尿に対する反応とを異ならせることができる。これにより、便インジケータ40を尿に対して反応し難くすることができる。
【0066】
また、便インジケータ40は、上述したたんぱく質を反応因子として限定するものではない。例えば、便中に含まれる腸内細菌や、便の比重と相関関係がある便のイオン強度、胆汁色素のビリルビン等、便に由来する物質に反応するようにしても良い。これらの成分は、一般に、尿に含まれていない、若しくは便と比較して尿に含有される量や比重が非常に小さい。したがって、たんぱく質を反応因子とする場合と同様に、便インジケータ40が尿に対して反応し難く、便に対して反応しやすくなる。したがって、おむつ1において排泄された便を精度よく検出することができる。
【0067】
<便インジケータ40の具体的構成>
便インジケータ40は、上述のような化学成分(例えばpH指示薬)を含んだ接着剤(例えばホットメルト接着剤HMA)をおむつ1のバックシート23の肌側面に塗工することによって形成されている。本実施形態では、図1に示されるように、股下部5及び背側部7にわたって、長手方向に沿った帯状(若しくは線状)の領域に、コーターを用いてホットメルト接着剤(HMA)を塗工することによって便インジケータ40が形成されている。このようなコーター塗工によれば、均等な膜厚でムラの少ない便インジケータ40を形成することが可能となり、便の検出精度を高めることができる。また、製造コストを抑えることができる。なお、尿インジケータ50についても同様にして形成することができる。
【0068】
また、化学成分をインクと混ぜて、バックシート23やコアラップシート25に印刷塗工することによって便インジケータ40が形成されるのであっても良い。また、化学成分を染みこませた濾紙や不織布を、ホットメルト接着剤(HMA)や超音波溶着でバックシート23やコアラップシート25に接合固定することによって便インジケータ40が形成されるのであっても良い。
【0069】
通常、排泄される便のうち、特に軟便はおむつ1のトップシート22を伝って広がりやすく、そのような軟便がおむつ1内の空間に留まり続けると、おむつ1の脚繰りや背中側から漏れ出てしまうことがある。そのため、迅速且つ効率的に便を検知できる位置に便インジケータ40を設ける必要があった。
【0070】
この点、本実施形態では、おむつ1を着用中に排泄された軟便は、トップシート22を伝って、幅方向の両側部の所定位置に長手方向に沿って設けられている一対の防漏壁部17gによって塞き止められる。そして、当該一対の防漏壁部17gの幅方向における一方側の基端部17kと他方側の基端部17kとの間の基端部間17kRに便インジケータ40を配置することによって、排泄された便を直ちに検出できるようにしている。便インジケータ40は、おむつ1の非肌側から視認可能であり、おむつ1の使用者(例えば、交換者)に排便が行われたことを知らせることができる。それにより、排便が行われたことに気づかずに便が吸収性物品内に留まり続けることに起因する肌トラブルや、脚繰りや背中側から便が漏れ出す可能性を低減できる。
【0071】
また、本実施形態における便インジケータ40の具体的な位置は、次の通りである。図1に示すように、基端部間kRは、幅方向において、中央領域17kRMと、中央領域17kRMの幅方向の両側に設けられた側部領域17kRSとを有している。中央領域17kRMは、基端部間17kRを幅方向において三等分したうちの真ん中の領域である。側部領域17kRSは、それぞれ当該中央領域17kRMの幅方向の両側に位置する領域である。そして、本実施形態では、便インジケータ40は、中央領域17kRMに配置されている。そのような配置により、おむつ1を着用した際に、幅方向において着用者の肛門の位置と便インジケータ40の位置とが重なりやすい。したがって、おむつ1に便が排泄された場合に、便中に含まれる水分(便汁)が便インジケータ40に到達しやすく、早い段階で便を検知し易くなる。排便後、短時間で交換者に排便を知らせることにより、便が漏れ出す可能性を低減できる。
【0072】
次に、便インジケータ40の配置の変形例を説明する。図3Aは、便インジケータ40の配置の変形例1を示す図であり、図3Bは、便インジケータ40の配置の変形例2を示す図である。
【0073】
図3Aに示すように、変形例1では、便インジケータ40が側部領域kRSにそれぞれ配置されている。特に、ここでは、側部領域kRS内において基端部17kに近い位置に便インジケータ40をそれぞれ配置している。側部領域kRSの基端部17k付近は、トップシート22を伝って移動した軟便が防漏壁部17gに塞き止められて溜まりやすい領域である。軟便が留まり続けると脚繰りから漏れ出る虞があるが、そのような領域に便インジケータ40を配置することで、防漏壁部17gに到達した便を検出でき、便が漏れ出る前に使用者(交換者)に知らせることが可能になる。それにより、便がおむつ1の脚繰りから漏れ出る可能性を低減する。
【0074】
図3Bに示す変形例2では、便インジケータ40が中央領域17kRMと、側部領域17kRSとに配置されている。基端部間17kRにおいて、中央領域17kRMと側部領域17kRSとの両方に便インジケータ40を配置することにより、幅方向に広範囲に便を検知することができ、便の検出性を高める。
【0075】
また、図3Bに示すように、側部領域17kRSに設けられた便インジケータ40は、吸収体21よりも幅方向の外側に配置されている。吸収体21よりも幅方向の外側では吸収体が存在しないため、トップシート22を伝った軟便が便インジケータ40に到達しやすく、便を検出しやすい。そのような部分に便インジケータ40を配置することで、便の検出性を高めることができる。また、吸収体21は、長手方向における一端部と他端部との間に括れ部21cを有しており、括れ部21cは、幅方向の寸法が一端部及び他端部の幅方向の寸法よりも小さくなっている。括れ部21cは、おむつ1の使用者の脚繰りに対応する部位であり、使用者の動きによって便が漏れ出る可能性が高い箇所である。図3Bのように、便インジケータ40が括れ部21cよりも幅方向の外側、且つ、長手方向において少なくとも一部が括れ部21cと重なるように配置されることで、脚繰りに溜まった便も検出しやすくなり、漏れ出る可能性を低減する。
【0076】
図4は、便インジケータ40の配置の変形例3を示す図である。図4では、吸収体21が、長手方向の中央部に、長手方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部60を幅方向に間隔を空けて有している。クロッチ伸縮部60においては、具体的には、糸ゴム等のクロッチ弾性部材61が幅方向に間隔を空けて複数設けられている。複数のクロッチ弾性部材61は、バックシート23と、バックシート23よりも厚さ方向の非肌側に配置されるクロッチ弾性部材被覆シート(不図示)との間に長手方向に沿って伸長した状態で取り付けられている。図4には、クロッチ弾性部材61のうち伸縮性を発現する部位のみを示す。そのため、図示するクロッチ弾性部材61の長手方向の外側に伸縮性を発現しない弾性部材の部位が存在していても良い。そして、伸縮性を発現するクロッチ弾性部材61が設けられた部位をクロッチ伸縮部60とする。
【0077】
なお、糸ゴム等の糸状の弾性部材でクロッチ伸縮部60を形成するに限らない。クロッチ伸縮部60として、例えば、帯状の糸ゴムや伸縮性シート(伸縮性フィルムや伸縮性不織布)等を幅方向に間隔を空けて複数配置してもよいし、クロッチ伸縮部60と同じ大きさの伸縮性シートを1枚配置してもよい。
【0078】
そして、クロッチ伸縮部60を形成するクロッチ弾性部材61はバックシート23を介して吸収体21に接着剤等で接合一体化されている。そのため、(厚さ方向の平面視で)クロッチ伸縮部60と重なる吸収体21の部位は、長手方向に収縮され、着用者に密着し易くなるとともに、平坦な形状が維持され易く、クロッチ伸縮部60の幅方向の両側端の位置で屈曲し易くなっている。
【0079】
よって、おむつ1の着用時には、一対のクロッチ伸縮部60と重なる吸収体21の部位が、トップシート22等を介して、着用者の股下部(排泄部)に密着し、それぞれのクロッチ伸縮部60の幅方向の内側端を基点に、一対のクロッチ伸縮部60の間の吸収体21の部位が非肌側に屈曲する。つまり、一対のクロッチ伸縮部60と重なる吸収体21の部分は、着用者の肌に密着するように肌側に吊られる状態になり、一対のクロッチ伸縮部60の間は、凹部が形成されて、便が当該凹部に溜まりやすくなる。変形例3では、幅方向において、そのような一対のクロッチ伸縮部60の間に便インジケータ40を配置している。通常、便が吸収体21に吸収されるには時間を要するが、便が溜まった部分では、時間の経過とともに便が浸透して便インジケータ40が反応する。そのような部分に便インジケータ40を配置することで便の検出性を高めることができる。
【0080】
なお、クロッチ伸縮部60は、長手方向に伸縮する形態に限らず、幅方向に伸縮してもよいし、幅方向と長手方向の両方に伸縮してもよい。幅方向に伸縮するクロッチ伸縮部60としては、例えば、幅方向に伸縮するようにギア延伸加工した伸縮性フィルムや伸縮性不織布を吸収体21に設ける方法を例示できる。
【0081】
図5は、便インジケータ40の配置の変形例4を示す図であり、変形例3で設けられていた一対のクロッチ伸縮部60が、同様に、幅方向に間隔を空けて設けられている。そして、当該一対のクロッチ伸縮部60の幅方向の外側に便インジケータ40が配置されている。一対のクロッチ伸縮部60と重なる吸収体21の部分は、着用者の肌に密着するように肌側に吊られる状態になり、それぞれのクロッチ伸縮部60の幅方向の外側端を基点に、クロッチ伸縮部60の幅方向外側の部位は非肌側に屈曲する。つまり、各クロッチ伸縮部60から幅方向の外側に向かっては、便がトップシート22を伝ってやや下降するように移動し、クロッチ伸縮部60の幅方向外側の側部領域17kRSは、便が溜まりやすい。そのような便が溜まる部分では、時間の経過とともに便が浸透して便インジケータ40が反応する。当該部分に便インジケータ40を配置することで便の検出性を高め、脚繰り等から便が漏れ出ることを抑制する。
【0082】
図1に戻り、本実施形態の便インジケータ40は、長手方向及び幅方向において、低坪量部21Aと重複する部分を有するように配置されている。吸収体21のうち、低坪量部21Aが設けられている部分はその他の部分と比較して、便(便汁)が厚さ方向に透過しやすい。そのため、排泄された便が、厚さ方向の肌側から非肌側へ透過しやすく、吸収体21の非肌側に配置されている便インジケータ40に便(便汁)が到達しやすくなる。その結果、排便が行われたことをより早くおむつ1の交換者に知らせることができる。
【0083】
図6は、低坪量部21Aが複数設けられた変形例5を示す図である。図6では、吸収体21が幅方向の中央部よりも幅方向の外側に、中央部を挟むように一対の低坪量部21Aを有している。そして、幅方向において、一対の低坪量部21Aの間に便インジケータ40が配置されている。通常、排泄された便(便汁)は、一対の低坪量部21Aを透過して肌側から非肌側へと移動し易く、移動してきた便汁は、一対の低坪量部21Aの間に溜まりやすい。そのような一対の低坪量部21A間に便インジケータ40を配置することで、便の検出性を高め、交換者に排便が行われたことを知らせる。尚、図6の便インジケータ40と一対の低坪量部21Aとは、幅方向にそれぞれ離間して配置されているが、幅方向に間隔を空けずに設けてもよい。
【0084】
図1に戻り、一対の防漏壁部17gは、防漏壁部弾性部材18が長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有している。図では、防漏壁部弾性部材18のうち伸縮性を発現する部位(所謂有効長の部位)のみを示している。よって、図示されている防漏壁部弾性部材18の長手方向の全ての部分が伸縮領域である(後述する図7及び図8の伸縮領域17sh参照)。長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、便インジケータ40の前端40fは、伸縮領域の前端17shfよりも長手方向内側に配置され、便インジケータ40の後端40rは、伸縮領域の後端17shrよりも長手方向内側に配置されている。防漏壁部17gの伸縮領域(所謂、弾性部材18の有効長の範囲)は、排泄された便が溜まりやすい領域であり、当該領域内に便インジケータ40を配置することで、便を効率的に検知でき、製造コストを抑制することもできる。
【0085】
また、図3Bの変形例2に示すように、長手方向において一対の防漏壁部17gの伸縮領域(17sh)内、且つ、基端部17k付近に便インジケータ40を設けてもよい。基端部17k付近に溜まった便を検出することによって、授乳時などの使用者が横向きの時にも股下部5から便が漏れることを防止する。
【0086】
図7は、便インジケータ40の配置の変形例6を示す図であり、便インジケータ40の前端40fは、防漏壁部17gの伸縮領域17shの前端17shfよりも前側に位置している。便インジケータ40を伸縮領域17shの前端17shfよりもさらに前側にも配置することで、例えば、使用者が四つん這いで移動する時等に腹側に拡散する便を検知でき、腹漏れを防ぐ。
【0087】
また、図7に示すように、便インジケータ40の後端40rは、防漏壁部17gの伸縮領域17shの後端17shrよりも後側に位置している。便インジケータ40を伸縮領域17shの後端17shrよりもさらに後側にも配置することで、寝姿勢時に後ろに流れていく便を検知し易くなり、背漏れを防ぐ。
【0088】
図8は、便インジケータ40の配置の変形例7を示す図である。変形例7では、便インジケータ40が基端部間kRのうち側部領域17kRS内、特に基端部17k寄りに、それぞれ1つ(1本)ずつ設けられている。そして、各便インジケータ40の前端40fは、防漏壁部17gの伸縮領域17shの前端17shfよりもさらに前側に配置されている。また、各便インジケータ40の後端40rは、防漏壁部17gの伸縮領域17shの後端17shrよりもさらに後側に配置されている。これにより、トップシートを伝って基端部17k付近に移動してきた軟便を検知するだけでなく、各伸縮領域17shの各前端17shfよりもさらに前側の各端部17seLaを固定する固定部19a、及び、各伸縮領域17shの各後端17shrよりもさらに後ろの各端部17seLbを固定する固定部19b付近に移動してきて留まる軟便をも検知することが可能になる。固定部19a及び19bは胴回り開口に近く、便が漏れ出しやすい部分である。そのような部分に便が到達したことを交換者に知らせることで、腹側からの漏れ及び背側からの漏れが発生する可能性を低減できる。
【0089】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【0090】
図9は、便収容空間80を設けた、展開かつ伸長された状態におけるおむつ1の変形例の平面図である。図10図9のB−B線に沿い、且つ、着用状態における模式的断面図である。本実施形態(図1)のおむつ1の構成と、図9に示すおむつ1の構成との主な相違点は、吸収体21の後端が背側胴回り部7Bよりも長手方向の内側に配置され、便インジケータ40が長手方向外側にさらに延在している点と、説明の便宜上、セカンドシート35を省略している点である。また、本変形例では、移動してきた軟便を留めて保持する便収容空間80を背側胴回り部7Bに設けている。そして、便インジケータ40と便収容空間80とが、厚さ方向に見て重なる部分を有している。
【0091】
便収容空間80は、おむつ1の幅方向の中央部において、背側胴回り部7Bの一部を厚さ方向の肌側から覆うシート部材70を用いて構成されている。具体的には、図10に示すように、便収容空間80は、シート部材70を長手方向の内側に向かって折り曲げられた折曲部87と、幅方向の内側へ向かって略「く」の字状に折り込まれた折込み部84(図9)と、胴回り開口に向かって折り曲げられた折曲部85とを有し、それぞれの折曲部及び折込み部で折り畳まれた状態で固定されることによって形成されている。シート部材70のうち、折曲部87から厚さ方向の肌側、且つ、長手方向の外側に向かう部分が背側胴回り当接域91(図10)である。そして、シート部材70は、折込み部84よりも幅方向の外側の部分からなる両側固定部86において、背側胴回り部7Bに接合されている。
【0092】
便収容空間80は、吸収体21側から胴回り開口側へ延びる収容空間外側域83と、収容空間外側域83と背側胴回り当接域91とにそれぞれ厚さ方向において対向し、折曲部85から下方に延びて背側胴回り当接域91とつながる収容空間内側域82と、収容空間内外域82及び83の両側部(不図示)から形成され、幅方向の内側へ折り込まれた折込み部84とによって画成される。
【0093】
背側胴回り当接域91が装着時に長手方向の外側に伸長されたときに、折込み部84が起立して、収容空間内側域82が背側胴回り当接域91から離間するように後方(厚さ方向の非肌側)へ移動する。収容空間内側域82は、背側胴回り当接域91に対して傾斜して位置し、それが後方(厚さ方向非肌側)へ移動するほどに背側胴回り当接域91に対する傾斜角度αは大きくなる(図10)。従って、傾斜角度αが大きくなるほどに、収容空間内側域82は倒伏した状態となって便収容空間80の天面としての役割を果たし、便収容空間80は、その内部に比較的多くの排泄物を収容、保持することが可能なポケット空間(収容空間)Sを有するボックス状を呈する。
【0094】
また、図10に示すように、シート部材70は、肌当接面側に位置する内面シート96と、非肌当接面側に位置する外面シート97と、内外面シート96、97間において幅方向に伸長状態で収縮可能に固定された複数の糸ゴム等の弾性部材98と、収容空間内側域82において内外面シート96、97間に幅方向に伸長状態で収縮可能に固定された弾性部材95とを有する。内外面シート96、97間には、さらに好ましくは通気性を有する、不織布又はプラスチックフィルムから形成された不透液性シート99が配置される。不透液性シート99を配置することにより、軟便の漏出を防ぐようにしている。但し、シート部材70の構成はこれに限らず、一枚のシート部材や、その他の任意のシート部材から設けられてもよい。また、おむつ1の非肌側のシート(例えば、外装シート27など)をおむつ1の長手方向の後端から肌側に折り返す等によって、便収容空間80を形成してもよい。また、図9に示す変形例では、折曲部85及び折曲部87等においてシート部材70を複数回折ることによって便収容空間80を設けていたが、資材(シート部材70)を1回だけ折り返す(所謂、V字状を形成する)ことによって設けてもよく、又は、資材を折り返さずにおむつ1に接合することによって設けてもよい。
【0095】
図9に示すように、ここでは、厚さ方向に見て、便インジケータ40の一部が便収容空間80と重なるように配置されている。おむつ1の使用者の寝姿勢時等においては、軟便がトップシート22を伝って背側胴回り部7Bまで移動していく可能性があるが、そのような背側胴回り部7Bに到達した便を収容するために設けられた便収容空間80に便インジケータ40を設けることで、効率的に便を検出でき、交換者に排便が行われたことを知らせることができる。
【0096】
また、図9に示す変形例においては、シート部材70に複数の背部便インジケータ40’が設けられている。換言すると、便収容空間80と厚さ方向に見て重なるように、便インジケータ40とは別の複数の背部便インジケータ40’を幅方向に離間させて配置している。便を収容及び保持する便収容空間80に便が留まり続けると漏れ出しやすくなるが、そのような便収容空間80の幅方向に沿って複数の背部便インジケータ40’を配置することで、便収容空間80に保持される便をより検知しやすくなる。但し、背部便インジケータ40’は複数に限らず、1つであってもよい。また、おむつ1において、背部便インジケータ40’を設けずに、便インジケータ40をシート部材70のみに設けてもよい。
【0097】
背部便インジケータ40’又は便インジケータ40をシート部材70に設けるときには、便収容空間80の天面として機能する収容空間内側域82の位置に配置することで、装着中に背部便インジケータ40(便インジケータ40)がおむつ1の非肌側から視認可能となる。つまり、装着者の着衣をずらして上から覗き込んだ位置においてインジケータが視認可能となり、交換者は排便の状態を確認しやすくなる。また、装着者が前かがみの姿勢になったときに着衣と肌との間にできやすい隙間からも、背部便インジケータ40(便インジケータ40)を視認することができる。そのような位置に背部便インジケータ40(便インジケータ40)が設けられることで、交換者は排便の有無に気づき易くなる。
【0098】
また、便インジケータ40は、厚さ方向に見て、少なくとも一部が便収容空間80と重ならない非重複部40nを有している。そして、幅方向において、背部便インジケータ40’のうち最も外側に位置する背部便インジケータ40’の外側端40’eは、便インジケータ40の外側端40eよりも外側に位置している。おむつ1の幅方向において、便インジケータ40よりも更に外側に配置されるように別途背部便インジケータ40’を備えることで、幅方向に広い範囲で便を検出しやすくなり、便の検出性が高まる。それにより、背漏れが発生する可能性をより低減できる。
【0099】
また、図9の便収容空間80に設けられている背部便インジケータ40’の長手方向の長さをS1とし、長さS1を長手方向における単位長さS1とすると、単位長さS1の領域にある便インジケータ40及び背部便インジケータ40’の面積の合計は、便インジケータ40の非重複部40nにおける単位長さS1と同等の長手方向の長さの領域にある便インジケータ40の面積の合計よりも大きい。便が溜まりやすい便収容空間80における便インジケータ40及び背部便インジケータ40’の合計面積が大きいことで、便収容空間80に到達した便をより検知し易くなり、背漏れの可能性をさらに低減できる。
【0100】
また、上述の実施形態においては、セカンドシート35を厚さ方向においてトップシート22とコアラップシート25との間に配置しているが、吸収体21と便インジケータ40との間に、液体を拡散させる拡散シートとして配置してもよい。そうすることで、便の水分を吸収体21の下層で拡散させ、便インジケータ40をより広い範囲で反応させることができる。それにより、おむつ1外面からの視認性を高めることができる。
【0101】
また、トップシート22は、開口を有していてもよい。開口を有することによって、セカンドシート35と便との接地面積を増やし、セカンドシート35への便の透過性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 テープ型使い捨ておむつ(吸収性物品)
3 腹側部、3F 腹側胴回り部
5 股下部
7 背側部、7B 背側胴回り部
12 中央帯状領域
14 サイドフラップ
15 レッグギャザー弾性部材
16 レッグギャザー
17 肌側シート
17g 防漏壁部(立体ギャザー)、17k 基端部、17kR 基端部間、
17s 起立部、17kRM 中央領域、17kRS 側部領域、
17seLa 端部、17seLb 端部、17sew 先端部、17sh 伸縮領域、
17shf 前端、17shr 後端
18 防漏壁部弾性部材
19a 固定部、19b 固定部、
21 吸収体、21A 低坪量部
22 トップシート
23 バックシート
24 吸収性コア
25 コアラップシート
27 外装シート
28 脚周り弾性部材
29 ターゲットテープ
30 ファスニングテープ
35 セカンドシート
40 便インジケータ、40e 外側端、
40f 前端、40n 非重複部、40r 後端
40’ 背部便インジケータ40、40’e 外側端
50 尿インジケータ
60 クロッチ伸縮部、61 クロッチ弾性部材、62 クロッチ弾性部材被覆シート
70 シート部材、80 便収容空間80、
82 収容空間内側域、83 収容空間外側域
84 折込み部、85 折曲部
86 両側固定部、87 折曲部、91 背側胴回り当接域
95 弾性部材、96 内面シート、97 外面シート
98 弾性部材、99 不透液性シート
S ポケット空間(収容空間)
S1 単位長さ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10