【実施例】
【0035】
以下、実施例を挙げて本実施形態の床版の効果について説明する。ただし、本発明がこれに限られることはない。
【0036】
[耐久性]
本実施形態の床版31は、前記したように軽量骨材およびセメントに加えて膨張材をコンクリートに含有し、且つその量は標準混和量(コンクリートの収縮補填量)程度としている。そこでまず、係る床版について輪荷重走行試験を行い、その耐久性について検討を行った結果を実施例1として以下説明する。
【0037】
(実施例1と比較例1)
水、セメント、膨張材、骨材(細骨材および粗骨材)、および混和剤であるAE減水剤、AE剤として以下の材料を使用し、これらを
図4に示す配合により混合して実施例1、比較例1のコンクリートを調製した。なお、
図4に示すAE減水剤、AE剤の量は結合材の重量に対する重量比(重量%)であり、膨張材は標準混和量がコンクリート1m
3あたり20kgのものである。また、比較例1は膨張材を使用しない例であり、実施例1の膨張材分をセメントで置き換えたものである。
【0038】
水;水道水
セメント;普通ポルトランドセメント 太平洋セメント株式会社製
膨張材;デンカパワーCSA デンカ株式会社製
細骨材;人工軽量骨材 メサライト細骨材 日本メサライト工業株式会社製
粗骨材;人工軽量骨材 メサライト粗骨材 日本メサライト工業株式会社製
AE減水剤;AE減水剤標準型(I種) ヤマソー09NL-P 山宋化学株式社製
AE剤;AE剤(I種) マスターエア202 BASFジャパン株式会社製
【0039】
(輪荷重走行試験)
図4の配合により調製したコンクリートを用いて床版である供試体を作成し、輪荷重走行試験を行った。
【0040】
図5はこの供試体30の平面を示す図である。
図5に示すように、供試体30は矩形平面を有する平板体であり、その寸法は縦2,800mm×横4,500mm×厚さ250mmである。供試体30の内部には、格子状の鉄筋301が上下2段に配置されており、図の上半分に上段の鉄筋301の配置を、図の下半分に下段の鉄筋301の配置を示した。
【0041】
また実施例1については、橋軸直角方向で0.5N/mm
2以上1.2N/mm
2以下の適度なケミカルプレストレスが導入されるよう配合を行っている。
図6は、実施例1の供試体30について、橋軸直角方向のケミカルプレストレスの値を材齢を横軸にとって示したものであり、材齢28日までで0.68N/mm
2程度以上のケミカルプレストレスが導入されていることがわかる。なお、橋軸直角方向は
図5の縦方向に対応し、
図5の横方向は橋軸方向に対応する。
【0042】
ここで、橋軸直角方向のケミカルプレストレスの値σcpは、橋軸直角方向の鉄筋301に取付けたひずみゲージの計測値を用い、以下の式(1)によって得ることができる。式(1)のεは上下段の橋軸直角方向の鉄筋301のひずみ計測値の平均であり、Esは当該鉄筋301のヤング係数である。またpは拘束鉄筋比であり、供試体30の橋軸方向の鉛直面の断面積A
1に対する橋軸直角方向の鉄筋301の径方向断面の総和A
2の割合(=A
2/A
1)である。
σcp=ε・Es・p…(1)
【0043】
輪荷重走行試験は、
図7(a)に示す試験装置10を用いて行った。この試験装置10は、門型のフレーム11の上辺から支持したレール12に負荷部13を設け、この負荷部13から供試体30に輪荷重を付加するものである。
【0044】
負荷部13にはクランクロッド14の一端が取付けられ、クランクロッド14の他端はフライホイール15に取付けられる。このフライホイール15が回転することにより、負荷部13がレール12に沿って図の矢印Aに示すように往復する。
【0045】
供試体30は架台16上に設けられた支持部17、18により支持される。
図7(b)は供試体30の平面における支持部17、18の配置を示す図である。供試体30は、長辺のそれぞれに沿った支持部17、17によって単純支持され、短辺のそれぞれに沿った支持部18、18によって弾性支持される。
【0046】
負荷部13の下端には車輪が設けられる。この車輪は負荷部13の往復移動に伴い供試体30上を往復移動する。負荷部13は、この車輪により供試体30に輪荷重を負荷するようになっている。
【0047】
輪荷重は載荷板19を介して供試体30に載荷される。
図7(b)の鎖線Cは載荷板19上の車輪の移動範囲を示し、ここでは供試体30の中央部の縦500mm×横3000mmの範囲に設定した。
【0048】
試験装置10を用いて実施例1の供試体30と比較例1の供試体30に対し行った輪荷重走行試験の結果を
図8に示す。また
図8では、参考例として膨張材を標準混和量の1.5倍配合した軽量コンクリート製床版(床版A)、および膨張材を使用しない普通コンクリート製床版(床版B)について同様の輪荷重走行試験を行った結果も示している。後者の試験結果は、国土技術政策総合研究所「道路橋床版の疲労耐久性に関する試験」国総研資料第28号,2002.3で示された普通コンクリート製床版RC8n-2の試験結果を後述する等価走行回数に換算したものである。
【0049】
輪荷重走行試験では、走行時の輪荷重について、比較例1では走行開始時の初期荷重を157kN(16tf)とし、走行回数40,000回ごとに19.6kN(2tf)ずつ荷重を増加させた。実施例1では、走行回数320,000回までは比較例1と同様に荷重を増加させ、320,000回以降は314kNの一定荷重で載荷を行った。なお、走行回数は、試験装置10の負荷部13の車輪が移動範囲の一端から他端まで移動した場合を1回として数えている。
【0050】
図8は横軸を等価走行回数(回)とし、縦軸を供試体30中央のたわみ量(mm)としたグラフである。等価走行回数は実走行回数を輪荷重157kNの一定載荷条件での走行回数に換算した結果であり、以下の算出式(2)によって等価走行回数Neqが算出できる。式(2)において、Pi(kN)は実際に載荷した荷重であり、Ni(回)は荷重Piでの走行回数である。mは等価換算のための係数であり、ここでは12.76を用いている。
Neq=Σ(Pi/157)
m×Ni…(2)
【0051】
図8に示すように、実施例1の供試体30では、等価走行回数約1.00×10
9万回走行時でひび割れが床版の上面から下面まで斜めに貫通し、押し抜きせん断破壊に至った。一方、膨張材を使用しない比較例1の供試体30では等価走行回数約2.17×10
8万回走行時に押し抜きせん断破壊に至った。
【0052】
このように、実施例1の供試体30は比較例1の供試体30に対して4倍以上の耐久性を有しており、膨張材を用いた軽量コンクリート床版が、十分な耐久性を有していることが確認できた。また、実施例1と床版Aの比較では、実施例1と床版Aの耐久性が同等あるいは実施例1の耐久性が若干低いが、実施例1と床版Bの比較では耐久性に大きな違いが無く、耐久性の面に関しては膨張材を標準混和量程度に抑えても普通コンクリート製床版と同等の性能が得られることもわかった。
【0053】
[圧送性]
本実施形態の床版31で用いる軽量コンクリートの単位水量(165〜175kg/m
3)は現場打ちとしては比較的少なく、その圧送性を確認し確実に施工する技術を構築することは重要である。そこで、圧送性の確認を目的として、ポンプ圧送試験を実施した。
【0054】
ここで、軽量コンクリートの圧送性を低下させる原因は、内部が水に接触していないセメント粒子の強凝集体の存在によるものと考えられる(岸田政彦他,膨張材併用軽量コンクリートの圧送性に関する検討,セメント・コンクリート論文集,69巻1号,pp.279-286(2015))。そこで、軽量コンクリートの圧送性へのこれらの影響を検討するため、加圧ブリーディング試験とブリーディング試験を併せて行った。
【0055】
(実施例2〜10)
水、セメント、膨張材、骨材(細骨材および粗骨材)、および混和剤であるAE減水剤、高性能AE減水剤、AE剤として以下の材料を使用し、これらを
図9に示す配合により混合して実施例2〜10のコンクリートを調製した。なお
図9に示すAE減水剤、高性能AE減水剤、AE剤の量は結合材の重量に対する重量比(重量%)である。また膨張材は標準混和量が1m
3あたり20kgのものであり、各実施例2〜10の水結合材比は37%程度である。各実施例2〜10は目標スランプ値を18±2.5cm、目標空気量を普通コンクリートと同等の4.5±1.5%として配合を行った。
【0056】
水;水道水
セメント;普通ポルトランドセメント 太平洋セメント株式会社製
膨張材HEx;ハイパーエクスパン 太平洋マテリアル株式会社製
膨張材PC;デンカパワーCSA タイプS デンカ株式会社製
細骨材;人工軽量骨材 メサライト細骨材 日本メサライト工業株式会社製
粗骨材;人工軽量骨材 メサライト粗骨材 日本メサライト工業株式会社製
AE減水剤AD
1;フローリックSV10 株式会社フローリック製
AE減水剤AD
2;ヤマソー09NLR-P 山宋化学株式社製
高性能AE減水剤SP;フローリックSF500S 株式会社フローリック製
AE剤AE
1;マスターエア101 BASFジャパン株式会社製
AE剤AE
2;マスターエア202 BASFジャパン株式会社製
【0057】
(ポンプ圧送試験)
ポンプ圧送試験は、年間を通して圧送可能な軽量コンクリートの実現のため、夏季と冬季に実施した。実施例2、3および実施例7−10については冬季にポンプ圧送試験を実施し、実施例4−6については夏季にポンプ圧送試験を実施した。
【0058】
本試験では、
図10に示すようにミキサー車21のコンクリートをポンプ車22を介して圧送するものとし、ポンプ車22のブーム221の先端に配管23、テーパ管24、フレキシブルホース25を図のように取り付けた。ブーム221、配管23、テーパ管24、フレキシブルホース25を合わせた水平換算距離は約150mとなっている。
【0059】
(ブリーディング試験と加圧ブリーディング試験)
コンクリート圧送前には、軽量コンクリートの圧送性についての検討を行うため、ブリーディング試験と加圧ブリーディング試験を実施した。
【0060】
ブリーディング試験は、JIS A 1123法(コンクリートのブリーディング試験方法)により行った。JIS A 1123法は、容器内に打ち込んだ試料について、上面に浸み出した水を所定の時間間隔で吸い取るものであり、試料中の水の質量に対する上記吸い取った水の合計質量の百分率をブリーディング率として算出する。ブリーディング率が大きい場合、コンクリートの練り混ぜによるセメント粒子の強凝集体の分散が進んでおらず、水とセメント粒子の強凝集体が分離していると考えられる。
【0061】
加圧ブリーディング試験は、土木学会「コンクリート標準示方書[基準編]」のJSCE-F502法(加圧ブリーディング試験方法)により行った。JSCE-F502法は、容器内に打ち込んだ試料を上面から加圧しながら、容器下部からの脱水量を測定するものであり、最終的な脱水量の合計を最終脱水量(ml)として測定し、試料中の水の質量に対する最終脱水量(質量)の百分率を最終脱水率(%)として算出する。加圧ブリーディング試験では加圧環境下でブリーディングを進行させるので、一般的に試料中の単位水量が大きい場合に最終脱水量が大きくなる。しかし、強固且つ大きな強凝集体が残存していると、圧密が進まずに最終脱水量が小さくなることもある。
【0062】
以上の試験について、
図11にその結果を示す。圧送試験の結果について見ると、実施例3のみ圧送不可(記号×で示す)であったが、その他の実施例2、4−10では圧送結果が良好(記号○で示す)であり、本実施形態の床版31に係る軽量コンクリートは、現場打ちとして一般的に少ないと考えられている単位水量(165〜175kg/m
3)であっても十分な圧送性を確保することが可能であり、夏季冬季問題なく圧送できることが確認された。
【0063】
ここで、圧送結果が否である実施例3の加圧ブリーディング試験結果を見ると、最終脱水量がほかの実施例に比べて小さいことがわかる。そこで、ブリーディング試験と加圧ブリーディング試験の試験結果に着目して圧送性との関係を検討するため、ブリーディング率を横軸、最終脱水率を縦軸にして、
図12に示すように圧送試験の結果をプロットした。
【0064】
図12のカッコ内に示すデータ点は、参考例として挙げる圧送性等の試験結果であり、前記した岸田らの文献で示されたものである。当該文献では、本実施形態の床版31に係る軽量コンクリートとは異なり、膨張材を標準混和量の1.5倍配合したコンクリートを用いているが、圧送性等の試験方法については上記と同様である。
【0065】
図12を見ると、ブリーディング率の値が小さく、最終脱水率が比較的大きな値となる場合、圧送性が良好となっていることがわかる。これは、このような値の組み合わせが、圧送性を確保するのに十分な水がコンクリート中にあり、且つコンクリートが十分に練り混ぜられた状況を表しているためと考えられる。従って、コンクリート圧送前にブリーディング試験と加圧ブリーディング試験を行うことで、軽量コンクリートの圧送性の良否が判定できると考えられる。
【0066】
図12の点線は、yを最終脱水率、xをブリーディング率とした圧送性の判定式y=ax+bの例であり、係数a、bは上記のような試験を予め行い、試験結果を蓄積することで得られる値である。例えばコンクリート圧送前にブリーディング試験と加圧ブリーディング試験を行い、最終脱水率y、ブリーディング率xの間に下式(3)の関係が成立すれば、コンクリート圧送性が良好であると判定できる。
y≧ax+b…(3)
【0067】
[耐凍害性]
軽量骨材として事前吸水させたものを用いる場合、軽量骨材内部の空隙が水で満たされた状態でコンクリートが製作される。ただしこの場合では、コンクリートの硬化後も軽量骨材内部に液相の水が存在するため、コンクリートが凍結融解作用を受けると軽量骨材内部から劣化が進行していく恐れがある。これに対し、前記したように低含水型の軽量骨材を使用することで凍結融解抵抗性(耐凍害性)を向上させることができるので、凍結融解試験を行い耐凍害性について検討を行った結果を実施例11として以下説明する。
【0068】
(実施例11および比較例2〜5)
水、セメント、膨張材、骨材(細骨材A、Bおよび粗骨材A、B)、中空微小球、および混和剤である高性能AE減水剤、AE剤として以下の材料を使用し、これらを
図13に示す配合により混合して実施例11および比較例2〜5のコンクリートを調製した。なお
図13に示す高性能AE減水剤、AE剤の量は結合材の重量に対する重量比(重量%)であり、膨張材は標準混和量がコンクリート1m
3あたり20kgのものである。また、比較例2〜5は本実施形態の床版31とは異なり膨張材を使用しない例である。
【0069】
水;水道水
セメント;普通ポルトランドセメント デンカ株式会社製
膨張材;エトリンガイト・石灰複合系膨張材(20型) デンカ株式会社製
細骨材A;人工軽量骨材 メサライト細骨材(プレソーキング(事前吸水)品) 日本メサライト工業株式会社製
細骨材B;人工軽量骨材 メサライト細骨材(低含水品) 日本メサライト工業株式会社製
粗骨材A;人工軽量骨材 メサライト粗骨材(プレソーキング(事前吸水)品) 日本メサライト工業株式会社製
粗骨材B;人工軽量骨材 メサライト粗骨材(低含水品) 日本メサライト工業株式会社製
中空微小球;KINDエア デンカ株式会社製
高性能AE減水剤;スーパー100pHX GCPアプライドテクノロジーズ社製
AE剤;マスターエア303A BASFジャパン株式会社製
【0070】
ここで、実施例11のコンクリートは低含水状態の粗骨材Bを使用することで耐凍害性を向上させることを目的としており、比較例3のコンクリートは外割りで中空微小球を混和することで、軽量骨材自体が包含する空気量相当分を中空微小球にて補い、コンクリート自体の耐凍害性を向上させることを想定している。中空微小球の平均粒径は80μmであり、みかけ密度は0.13g/cm
3である。
【0071】
これら実施例11および比較例2〜5のコンクリートのそれぞれを用いて、凍結融解試験に用いる供試体を作製した。供試体は縦100mm×横100mm×高さ400mmの角柱状である。
【0072】
(凍結融解試験)
凍結融解試験は、JIS A 1148 A法(水中凍結融解試験方法)により行った。JIS A 1148 A法では、全面が水に覆われるように容器内に配置した供試体に対し、凍結融解のサイクルを繰り返し、所定のサイクル時点でJIS A 1127 によるたわみ振動の一次共鳴振動数を測定する。
【0073】
一次共鳴振動数は相対動弾性係数の算出に用い、本試験では相対動弾性係数の変化により凍結融解抵抗性を評価した。試験の終了時期は、JIS A 1148に準じて300サイクル終了まで、もしくは、相対動弾性係数が60%以下になった時のサイクルとした。
【0074】
図14は試験結果を示す図である。細骨材、粗骨材ともに事前吸水品を用いた比較例2では60サイクルで相対動弾性係数が60%を下回る結果となったが、膨張材に加え、低含水状態の粗骨材(粗骨材B)を使用した実施例11では凍結融解抵抗性について若干の改善効果が見られ、これは中空微小球を用いた比較例3と同程度の改善効果であった。
【0075】
一方、細骨材と粗骨材の双方に低含水状態のもの(細骨材B、粗骨材B)を用いた比較例5では300サイクル終了時点においても相対動弾性係数が60%以上を保持しており、粗骨材のみに低含水状態のもの(粗骨材B)を用いた比較例4に比べて凍結融解抵抗性が高い。これは粗骨材だけでなく細骨材も低含水とすることで、軽量骨材中に水分が残存せず、凍結融解抵抗性が大きく改善されるためと考えられる。
【0076】
この関係は膨張材を混和した実施例11においても成立すると考えられ、細骨材と粗骨材の双方に低含水状態のものを用いることで、凍結融解抵抗性が大きく向上することが推定される。ただし、前記したように細骨材と粗骨材の双方に低含水状態のものを用いると圧送による打設が困難になる可能性があり、その場合はバケットなど圧送以外の方法により打設を行うことが望ましい。
【0077】
以上説明したように、本実施形態では、コンクリートの配合を前記のように設定することで、十分な強度すなわち耐久性が得られ且つ軽量なコンクリート床版を提供することができる。特に本実施形態の床版31に係る軽量コンクリートは、膨張材の量を標準混和量程度としても十分な耐久性が得られるので、膨張材自体の量が少なくなり、混和剤として高性能AE減水剤等の高性能のものを用いることも特に必要で無く或いは少量で済み、低コストとなる。
【0078】
また、本実施形態の床版31に係る軽量コンクリートは、前記のような比較的小さい単位水量であっても十分な施工性を確保することが可能であり、床版31の耐久性向上と高い施工性を実現でき、現場汎用性が高く誰でも施工可能である。また十分な施工性の確保が可能なことから、コンクリートの現場打設により床版31を構築する際にも問題なく用いることができる。
【0079】
また本実施形態では、コンクリート打設時に、ブリーディング試験と加圧ブリーディング試験の試験結果による圧送性の判定を予め行うことで、試験圧送を省略することも可能になり、工期短縮、施工性向上に寄与する。このようなコンクリート打設方法は閉塞等により圧送がうまく行かないことのある軽量コンクリートに適したものであるが、それ以外のコンクリートにも適用でき、圧送性の良否を事前に判定することで、コンクリートの閉塞等を未然に防ぐことができる。
【0080】
また、軽量骨材として、低含水型の細骨材および粗骨材を用いることで、床版31の耐凍害性を大きく向上させることができ、寒冷地での使用も可能になる。
【0081】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。