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特開2021-72231アルカリ電池用シール剤およびアルカリ電池用シール剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-72231(P2021-72231A)
(43)【公開日】2021年5月6日
(54)【発明の名称】アルカリ電池用シール剤およびアルカリ電池用シール剤組成物
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/183 20210101AFI20210409BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20210409BHJP
【FI】
   H01M2/08 V
   H01M2/08 R
   C09K3/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-199283(P2019-199283)
(22)【出願日】2019年10月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(72)【発明者】
【氏名】前田 耕一郎
【テーマコード(参考)】
4H017
5H011
【Fターム(参考)】
4H017AA04
4H017AA31
4H017AB07
4H017AB17
4H017AC17
4H017AD06
4H017AE05
5H011AA01
5H011FF03
5H011GG05
5H011HH03
5H011HH12
5H011JJ15
5H011JJ23
5H011JJ25
5H011KK02
(57)【要約】
【課題】金属容器および樹脂製ガスケットの双方に対して優れた接着力を発揮し得ると共に、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離し難く、塗膜の形成性に優れるシール剤を提供する。
【解決手段】非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーと、非変性のジブロックポリマーとを含む、アルカリ電池用シール剤。非変性のジエン系非ブロックポリマーはポリブタジエンであることが好ましく、酸変性したブロックポリマーは酸変性したスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマーであることが好ましく、非変性のジブロックポリマーはスチレンブロックを有することが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非変性のジエン系非ブロックポリマーと、
酸変性したブロックポリマーと、
非変性のジブロックポリマーと、
を含む、アルカリ電池用シール剤。
【請求項2】
前記非変性のジエン系非ブロックポリマーがポリブタジエンである、請求項1に記載のアルカリ電池用シール剤。
【請求項3】
前記酸変性したブロックポリマーが酸変性したスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマーである、請求項1または2に記載のアルカリ電池用シール剤。
【請求項4】
前記非変性のジブロックポリマーがスチレンブロックを有する、請求項1〜3の何れかに記載のアルカリ電池用シール剤。
【請求項5】
全ポリマー成分中、前記非変性のジエン系非ブロックポリマーの割合が5質量%以上60質量%以下であり、前記酸変性したブロックポリマーの割合が20質量%以上70質量%以下であり、前記非変性のジブロックポリマーの割合が5質量%以上50質量%以下である、請求項1〜4の何れかに記載のアルカリ電池用シール剤。
【請求項6】
酸変性したブロックポリマーの含有量に対する前記非変性のジエン系非ブロックポリマーの含有量の比が、質量基準で、1/7以上3以下である、請求項1〜5の何れかに記載のアルカリ電池用シール剤。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載のアルカリ電池用シール剤と、溶媒とを含む、アルカリ電池用シール剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ電池用シール剤およびアルカリ電池用シール剤組成物に関し、特には、酸化銀電池などのアルカリ一次電池に好適に使用し得るアルカリ電池用シール剤、および、当該アルカリ電池用シール剤を用いたアルカリ電池用シール剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電解液としてアルカリ水溶液を用いたアルカリ電池が、小型電子機器の電源などとして用いられている。
【0003】
ここで、酸化銀電池などのアルカリ電池は、金属容器に発電要素を収納してなり、発電要素を収納した金属容器の開口部には、絶縁および密閉のため、ナイロン66などの樹脂からなるガスケットおよびシール剤が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、アルカリ電池の開口部のシール剤としては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合ゴム(SEBS)および無水マレイン酸変性SEBS等のブロック共重合ゴムなどが用いられていた(例えば、特許文献2参照)。また、金属容器と樹脂製ガスケットとの間へのシール剤の配設は、例えば、シール剤を溶媒に溶解させてなるシール剤組成物を塗布し、乾燥させることにより行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−120549号公報
【特許文献2】特開平11−40118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来のシール剤には、金属容器および樹脂製ガスケットの双方に対する接着力を高めるという点において改善の余地があった。
【0007】
このような改善の余地に対し、本発明者は、非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーとを併用すれば、金属容器および樹脂製ガスケットの双方に対して優れた接着力を発揮し得るシール剤が得られることを新たに見出した。
【0008】
しかし、本発明者が更に検討を進めたところ、非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーとを併用したシール剤には、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に、2相に分離してしまうという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、金属容器および樹脂製ガスケットの双方に対して優れた接着力を発揮し得ると共に、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離し難く、均一な塗膜の形成性に優れるシール剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、鋭意検討の結果、非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーと、非変性のジブロックポリマーとを併用すれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のアルカリ電池用シール剤は、非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーと、非変性のジブロックポリマーとを含むことを特徴とする。このように、非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーと、非変性のジブロックポリマーとを併用すれば、金属容器および樹脂製ガスケットの双方に対して優れた接着力を発揮し得ると共に、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離し難いシール剤が得られる。
【0012】
ここで、本発明のアルカリ電池用シール剤は、前記非変性のジエン系非ブロックポリマーがポリブタジエンであることが好ましい。非変性のジエン系非ブロックポリマーとしてポリブタジエンを使用すれば、耐寒性に優れるシール剤を得ることができる。
【0013】
また、本発明のアルカリ電池用シール剤は、前記酸変性したブロックポリマーが酸変性したスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマーであることが好ましい。酸変性したブロックポリマーとして酸変性したスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマーを使用すれば、樹脂製ガスケットに対する接着力を更に向上させることができる。
【0014】
更に、本発明のアルカリ電池用シール剤は、前記非変性のジブロックポリマーがスチレンブロックを有することが好ましい。スチレンブロックを有する非変性のジブロックポリマーを使用すれば、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離の発生を更に抑制することができる。
【0015】
また、本発明のアルカリ電池用シール剤は、全ポリマー成分中、前記非変性のジエン系非ブロックポリマーの割合が5質量%以上60質量%以下であり、前記酸変性したブロックポリマーの割合が20質量%以上70質量%以下であり、前記非変性のジブロックポリマーの割合が5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。シール剤に含まれている全ポリマー成分中に占める、非変性のジエン系非ブロックポリマー、酸変性したブロックポリマーおよび非変性のジブロックポリマーの割合が上記範囲内であれば、金属容器および樹脂製ガスケットの双方に対する接着力の更なる向上と、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際の相分離の発生の更なる抑制と、耐寒性の向上とを並立させることができる。
なお、本発明において、各ポリマーの割合は、液体クロマトグラフィー/質量分析法を用いて測定することができる。
【0016】
そして、本発明のアルカリ電池用シール剤は、酸変性したブロックポリマーの含有量に対する前記非変性のジエン系非ブロックポリマーの含有量の比が、質量基準で、1/7以上3以下であることが好ましい。酸変性したブロックポリマーの含有量に対する非変性のジエン系非ブロックポリマーの含有量の比(非変性のジエン系非ブロックポリマーの含有量/酸変性したブロックポリマーの含有量)が上記範囲内であれば、樹脂製ガスケットに対する接着力の更なる向上と、耐寒性の向上とを両立させることができる。
【0017】
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のアルカリ電池用シール剤組成物は、上述したアルカリ電池用シール剤の何れかと、溶媒とを含むことを特徴とする。このように、上述したアルカリ電池用シール剤と、溶媒とを含有させれば、金属容器と樹脂製ガスケットとの間にシール剤層を容易に形成し、金属容器と樹脂製ガスケットとを良好に接着することができる。また、上述したアルカリ電池用シール剤を含むアルカリ電池用シール剤組成物は、相分離し難く、塗膜の形成性に優れている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、金属容器および樹脂製ガスケットの双方に対して優れた接着力を発揮し得ると共に、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離し難いシール剤を提供することができる。
また、本発明によれば、金属容器と樹脂製ガスケットとを良好に接着し得るシール剤層を容易に形成することができ、且つ、相分離し難いアルカリ電池用シール剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のアルカリ電池用シール剤およびアルカリ電池用シール剤組成物について説明する。ここで、本発明のアルカリ電池用シール剤組成物は、本発明のアルカリ電池用シール剤を含むものである。また、本発明のアルカリ電池用シール剤およびアルカリ電池用シール剤組成物は、アルカリ電池の金属製の容器と樹脂製のガスケットとを接着してアルカリ電池の開口部を密閉し、アルカリ電池を製造する際に用いることができる。
【0020】
(アルカリ電池用シール剤)
本発明のアルカリ電池用シール剤は、非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーと、非変性のジブロックポリマーとを含み、任意に、非変性のジエン系非ブロックポリマー、酸変性したブロックポリマーおよび非変性のジブロックポリマー以外のその他のポリマー成分、および/または、着色剤などの添加剤を更に含有し得る。
そして、本発明のアルカリ電池用シール剤は、非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーとを含んでいるので、金属容器および樹脂製ガスケットの双方に対して優れた接着力を発揮することができる。また、本発明のアルカリ電池用シール剤は、非変性のジブロックポリマーを含んでいるので、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離し難い。なお、非変性のジブロックポリマーを配合することで相分離が起こり難くなる理由は、明らかではないが、非変性のジブロックポリマーが非変性のジエン系非ブロックポリマーと酸変性したブロックポリマーとの相溶化剤として作用するからであると推察される。
【0021】
<非変性のジエン系非ブロックポリマー>
非変性のジエン系非ブロックポリマーとしては、例えば、1種類のジエン系単量体の単独重合体、2種類以上のジエン系単量体のランダム共重合体、並びに、ジエン系単量体および当該ジエン系単量体と共重合可能な共単量体のランダム共重合体が挙げられる。
これらの重合体は、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
ここで、非変性のジエン系非ブロックポリマーは、酸性基等の極性基を含まないことが好ましい。
【0023】
そして、ジエン系単量体としては、特に限定されることなく、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体が挙げられる。中でも、ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエンが好ましい。
なお、これらのジエン系単量体は、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
また、共単量体としては、特に限定されることなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ブトキシスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体などが挙げられる。中でも、共単量体としては、酸性基等の極性基を有さない単量体が好ましく、スチレンがより好ましい。
なお、これらの共単量体は、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
中でも、耐寒性に優れるシール剤を得る観点からは、非変性のジエン系非ブロックポリマーとしては、1種類のジエン系単量体の単独重合体が好ましく、1,3−ブタジエンの単独重合体(ポリブタジエン)がより好ましい。
【0026】
そして、全ポリマー成分(非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーと、非変性のジブロックポリマーと、その他のポリマー成分との合計)中、非変性のジエン系非ブロックポリマーが占める割合は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。非変性のジエン系非ブロックポリマーの割合が上記下限値以上であれば、シール剤の耐寒性を更に向上させることができる。また、非変性のジエン系非ブロックポリマーの割合が上記上限値以下であれば、シール剤の樹脂製ガスケットに対する接着力を更に高めつつ、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際の相分離の発生を更に良好に抑制することができる。
【0027】
<酸変性したブロックポリマー>
酸変性したブロックポリマーとしては、特に限定されることなく、任意のブロックポリマーの分子鎖にカルボキシル基や酸無水物基を導入した酸変性ブロックポリマーを用いることができる。具体的には、酸変性したブロックポリマーとしては、例えば、水添スチレン−ブタジエンブロックポリマー、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー、水添スチレン−イソプレンブロックポリマー、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロックポリマー等のスチレン系ブロックポリマーを公知の方法で酸変性して得られるものが挙げられる。即ち、酸変性したブロックポリマーとしては、特に限定されることなく、例えば、酸変性水添スチレン−ブタジエンブロックポリマー、酸変性水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー、酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー、酸変性水添スチレン−イソプレンブロックポリマー、酸変性水添スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマーおよび酸変性スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロックポリマーからなる群より選択される1種または2種以上を用いることができる。
なお、酸変性されるブロックポリマーに含まれているブロック数は、3以上であることが好ましく、3である(即ち、トリブロックポリマーである)ことがより好ましい。また、上述した水添スチレン−ブタジエンブロックポリマー、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー、水添スチレン−イソプレンブロックポリマーおよび水添スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマーは、分子内二重結合が部分水添されたものであってもよいし、完全水添されたものであってよい。
【0028】
ここで、ブロックポリマーの酸変性は、例えば、溶液状態または塊状状態のブロックポリマーに不飽和カルボン酸単量体をグラフト重合して分子鎖にカルボキシル基や酸無水物基を導入することにより行うことができる。
【0029】
そして、酸変性に用いる不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸およびそのハーフエステル化物類;無水イタコン酸、イタコン酸およびそのハーフエステル類;クロトン酸およびイソクロトン酸;無水シトラコン酸等があげられる。
【0030】
なお、酸変性したブロックポリマーは、例えば、クレイトンポリマー社製「クレイトンFG1901」、旭化成社製「タフテックM1911」等として市販されている。
【0031】
中でも、樹脂製ガスケットに対する接着力を更に向上させる観点からは、酸変性したブロックポリマーとしては、酸変性したスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマーが好ましく、マレイン酸変性したスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマーがより好ましい。
【0032】
そして、全ポリマー成分(非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーと、非変性のジブロックポリマーと、その他のポリマー成分との合計)中、酸変性したブロックポリマーが占める割合は、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。酸変性したブロックポリマーの割合が上記下限値以上であれば、シール剤の樹脂製ガスケットに対する接着力を更に向上させることができる。また、酸変性したブロックポリマーの割合が上記上限値以下であれば、シール剤の耐寒性を高めつつ、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際の相分離の発生を更に良好に抑制することができる。
【0033】
また、酸変性したブロックポリマーの含有量に対する上述した非変性のジエン系非ブロックポリマーの含有量の比(非変性のジエン系非ブロックポリマーの含有量/酸変性したブロックポリマーの含有量)は、質量基準で、1/7以上であることが好ましく、1/6以上であることがより好ましく、3以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましい。酸変性したブロックポリマーの含有量に対する非変性のジエン系非ブロックポリマーの含有量の比が上記下限値以上であれば、シール剤の耐寒性を向上させることができる。また、酸変性したブロックポリマーの含有量に対する非変性のジエン系非ブロックポリマーの含有量の比が上記上限値以下であれば、樹脂製ガスケットに対する接着力を更に向上させることができる。
【0034】
<非変性のジブロックポリマー>
非変性のジブロックポリマーとしては、特に限定されることなく、ブロック数が2つの任意の非変性ブロックポリマーを用いることができる。中でも、シール剤を溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離の発生を更に抑制する観点からは、非変性のジブロックポリマーとしては、スチレンブロックを有する非変性のジブロックポリマーを使用することが好ましい。具体的には、非変性のジブロックポリマーとしては、スチレン−ブタジエンブロックポリマー、水添スチレン−ブタジエンブロックポリマー、スチレン−イソプレンブロックポリマー、水添スチレン−イソプレンブロックポリマー等のスチレン系ブロックポリマーを用いることが好ましい。なお、上述した水添スチレン−ブタジエンブロックポリマーおよび水添スチレン−イソプレンブロックポリマーは、分子内二重結合が部分水添されたものであってもよいし、完全水添されたものであってよい。
【0035】
そして、非変性のジブロックポリマーは、酸性基等の極性基を含まないことが好ましい。
【0036】
なお、非変性のジブロックポリマーは、後述する非変性のトリブロックポリマーとの混合物の状態で、例えば、クレイトンポリマー社製「クレイトンG1657」、日本ゼオン社製「クインタック3520」等として市販されている。
【0037】
そして、全ポリマー成分(非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーと、非変性のジブロックポリマーと、その他のポリマー成分との合計)中、非変性のジブロックポリマーが占める割合は、5質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましく、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。非変性のジブロックポリマーの割合が上記下限値以上であれば、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際の相分離の発生を更に良好に抑制することができる。また、非変性のジブロックポリマーの割合が上記上限値以下であれば、シール剤の耐寒性および樹脂製ガスケットに対する接着力を更に向上させることができる。
【0038】
<その他のポリマー成分>
その他のポリマー成分としては、特に限定されることなく、ジエン系単量体単位を含有しない単独重合体またはランダム共重合体(例えば、ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、ポリブテン等)、および、ブロック数が3以上の非変性のブロックポリマー等が挙げられる。中でも、その他のポリマー成分としては、ブロック数が3以上の非変性のブロックポリマーを含むことが好ましく、非変性のトリブロックポリマーを含むことがより好ましい。
なお、ブロック数が3以上の非変性のブロックポリマーは、酸性基等の極性基を含まないことが好ましい。
【0039】
ここで、非変性のトリブロックポリマーとしては、カップリング剤を用いて上述した非変性のジブロックポリマーをカップリングさせてなるトリブロックポリマーや、上述した非変性のジブロックポリマーに任意のブロックを1つ付加してなるトリブロックポリマーが挙げられる。より具体的には、非変性のトリブロックポリマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロックポリマー等のスチレン系トリブロックポリマーが挙げられる。
【0040】
<添加剤>
シール剤に任意に配合し得る添加剤としては、特に限定されることなく、例えば着色剤などが挙げられる。ここで、添加可能な着色剤としては、電解液と反応せず、また電解液に溶解しないものが望ましく、各種の有機系・無機系の顔料が挙げられる。なかでもカーボンブラック、特にファーネスブラック、チャンネルブラック等の粒径0.1μm以下のカーボンブラックが好ましい。このような着色剤を添加する場合、シール剤中で十分均一に分散させる必要があり、造粒されているものや凝集構造を持ったものを用いる場合は、ボールミル、サンドミルや超音波などで分散させるのがよい。このような着色剤などの添加剤の添加量は、必要に応じ任意の量でよいが、全ポリマー成分の量(100質量%)に対して、通常0.01質量%以上20質量%以下、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下である。添加剤の添加量がこの範囲であると、添加剤の添加量が過度に多くてシール剤の柔軟性が小さくなり、ひび割れの原因となる、という現象を抑えることができる。
【0041】
(アルカリ電池用シール剤組成物)
本発明のアルカリ電池用シール剤組成物は、上述したアルカリ電池用シール剤と、溶媒とを含み、任意に、粘度調整剤や界面活性剤などの添加剤を更に含有し得る。即ち、本発明のアルカリ電池用シール剤組成物は、非変性のジエン系非ブロックポリマーと、酸変性したブロックポリマーと、非変性のジブロックポリマーと、溶媒とを含み、任意に、その他のポリマー成分および/または添加剤を更に含有し得る。
【0042】
<アルカリ電池用シール剤>
アルカリ電池用シール剤としては、上述した本発明のアルカリ電池用シール剤を用いることができる。なお、アルカリ電池用シール剤として配合される成分(非変性のジエン系非ブロックポリマー、酸変性したブロックポリマー、非変性のジブロックポリマー、その他のポリマー成分および添加剤)は、上述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0043】
<溶媒>
シール剤組成物に用いられる溶媒は、常温または加温下でシール剤中のポリマー成分を溶解し得る溶媒であり、特定の溶媒に限定されない。当該溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物;n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ノナン、デカン、デカリン、テトラリン、ドデカンなどの飽和脂肪族および脂環式炭化水素化合物;ガソリン、工業用ガソリンなどの炭化水素混合物;等の有機溶媒が挙げられる。中でも、キシレンおよびトルエンが好ましく、キシレンがより好ましい。
【0044】
<シール剤組成物の調製方法>
本発明のアルカリ電池用シール剤組成物は、非変性のジエン系非ブロックポリマー、酸変性したブロックポリマー、非変性のジブロックポリマーおよび溶媒と、任意成分としてのその他のポリマー成分および添加剤とを、任意の方法および順番で混合して調製することができる。
混合方法としては、特に限定されることなく、シール剤組成物の調製に用いられている既知の混合方法を用いることができる。
【0045】
(アルカリ電池)
本発明のシール剤およびシール剤組成物は、電解液としてアルカリ水溶液を用いたアルカリ電池に用いることができる。アルカリ電池としては、酸化銀電池、アルカリマンガン乾電池等のアルカリ一次電池、および、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池等のアルカリ二次電池などが挙げられる。中でもアルカリ電池は、アルカリ一次電池であることが好ましく、酸化銀電池であることがより好ましい。
なお、アルカリ電池の形状は特に限定されず、例えば、ボタン形、コイン形、円筒形などの任意の形状とすることができる。
【0046】
具体的には、本発明のシール剤またはシール剤組成物を用いたアルカリ電池としては、開口部を有し、且つ、発電要素を収納した金属製の容器と、シール剤を介して容器の開口部に装着された樹脂製のガスケット、或いは、容器の開口部に装着された金属製の封口体にシール剤を介して取り付けられた樹脂製のガスケットとを備え、シール剤が本発明のシール剤またはシール剤組成物を用いて形成したシール剤の層(シール剤層)であるアルカリ電池が挙げられる。
【0047】
ここで、発電要素としては、特に限定されることなく、例えば、電解液、正極および負極、並びに、セパレーターなどが挙げられる。
また、金属製の容器としては、特に限定されることなく、例えば、内面が銅製の容器などが挙げられる。
更に、樹脂製のガスケットとしては、特に限定されることなく、例えば、ナイロン66製のガスケットなどが挙げられる。
なお、本発明のシール剤またはシール剤組成物を用いて形成したシール剤層によれば、内面が銅製の容器とナイロン66製のガスケットとを用いた場合であっても、両者を良好に接着し、開口部を良好に密閉することができる。
【0048】
また、発電要素を収納した金属製の容器の開口部に装着された樹脂製のガスケットと金属製の容器との間、および/または、樹脂製のガスケットと金属製の封口体との間へのシール剤層の形成は、例えば次の手順により行うことができる。まず、所定量のシール剤組成物を、容器の表面および/またはガスケットの表面に、エアー駆動の定量ディスペンサー、ローラーポンプ、ギアポンプ等の定量ポンプで送液し塗布する。塗布後、シール剤組成物が片寄らないよう水平を維持した状態で自然乾燥を行い、溶媒を除去し薄層を形成する。
【0049】
なお、シール剤組成物の塗布は、定量ポンプを用いる方法に限定されることはなく、少量であれば刷毛を用いて人手で行うことも可能である。また、乾燥に際しては、自然乾燥に代えて、加熱装置を用いた強制乾燥を行ってもよく、この場合には短時間での乾燥が可能となり工業的により適した工程とすることができる。
【0050】
加熱装置を用いる場合には、通常、30〜150℃程度で5〜180分間程度乾燥して溶媒を除去する。シール剤層中の溶媒の残留濃度は、上記溶媒の乾燥除去により、5質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることがさらに好ましく、0.5質量%以下とすることが特に好ましい。溶媒の乾燥温度が溶媒の沸点以上、または沸点近傍だと、発泡が起こり、表面に凹凸が生じ得るので、乾燥温度は溶媒の特性に応じて決定することが好ましい。乾燥温度を溶媒の沸点より好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上低い温度を目安として決定し、通常、シール剤組成物を30〜150℃の範囲で沸点を考慮して乾燥する。
【0051】
上述の方法で形成されるシール剤層の厚さは、容器とガスケットの大きさにより任意に選択すれば良く、通常0.1μm以上1000μm以下である。シール剤層の厚さが上記範囲の上限値以下であることにより、シール剤層を容易に形成することができる。また、シール剤層の厚さが上記範囲の下限値以上であることにより、開口部を良好に密閉することができる。
【実施例】
【0052】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例における部および%は、特記しない限り質量基準である。実施例および比較例において、剥離強度、相分離の有無および耐寒性の評価は、以下のように行った。また、実施例および比較例で用いたポリブタジエンは以下のようにして調製した。
【0053】
<剥離強度>
試験片として、縦140mm×横35mm×厚さ3mmのナイロン66製の板および縦140mm×横35mm×厚さ0.5mmの銅板を準備した。
JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して、90°引きはがし法で剥離強度を測定した。
なお、試験装置(引張試験機)としては協和界面科学社製の角度自在タイプ粘着・皮膜剥離解析装置「VPA-2S」を使用し、シール剤組成物を用いて調製したテープは、手動圧着装置(2.0kgローラー)で2往復して圧着した。
剥離強度が大きいほど、接着力に優れていることを示す。
<相分離の有無>
調製したシール剤組成物をガラス容器に入れ、2週間静置した後、目視で観察し、液の上部に透明な層が存在している場合には「相分離あり」とし、液の上部に透明な層が存在していない場合には「相分離なし」とした。
<耐寒性>
寸法が縦130mm×横50mm×厚さ3mmのナイロン66製の板の端部の30mm×30mmの範囲に、厚さ2μmのシール剤組成物を塗布し、塗布部が重なるように縦130mm×横50mm×厚さ0.5mmの銅板を重ね、塗布部に1kgの重りを載せて5分間静置することにより、シール剤を挟んだ試験片を5サンプル準備した。そして、−30℃の恒温槽中にナイロン板側を上にして2週間吊るして、剥離(銅板の落下)の有無を調べた。5サンプル全てが落下しなければ、耐寒性が良好である。一方、1つ以上のサンプルが落下した場合は、耐寒性は不良である。
【0054】
(重合例1)
10リットルの攪拌機付きオートクレーブにトルエン5000g、1,3−ブタジエン810gを加え、十分攪拌した後、ジエチルアルミニウムクロライド0.27mol、塩化クロム・ピリジン錯体0.6mmolを加え、60℃で3時間攪拌しながら重合した。その後、メタノール100mlを加えて重合を停止した。
重合停止後、室温まで冷却した後、重合液を取り出した。得られた重合液を水蒸気凝固した後、60℃で48時間真空乾燥して、固体状のポリブタジエン(BR1)780gを得た。
得られたポリブタジエン(BR1)の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した結果、ポリスチレン換算で390,000であった。
【0055】
(重合例2)
10リットルの攪拌機付きオートクレーブにトルエン5000g、1,3−ブタジエン810gを加え、十分攪拌した後、ジエチルアルミニウムクロライド0.20mol、塩化クロム・ピリジン錯体0.6mmolを加え、60℃で3時間攪拌しながら重合した。その後、メタノール100mlを加えて重合を停止した。
重合停止後、室温まで冷却した後、重合液を取り出した。得られた重合液を水蒸気凝固した後、60℃で48時間真空乾燥して、固体状のポリブタジエン(BR2)760gを得た。
得られたポリブタジエン(BR2)の重量平均分子量は、THFを溶媒としたGPCを用いて測定した結果、ポリスチレン換算で520,000であった。
【0056】
(実施例1)
非変性のジエン系非ブロックポリマーとして、重合例1で得られたポリブタジエン(BR1)を40部と、酸変性したブロックポリマーとして、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(クレイトンポリマー社製、「クレイトンFG1901」)を40部と、非変性のジブロックポリマーとしての水添スチレン−ブタジエンブロックポリマーと非変性のトリブロックポリマー(その他のポリマー成分)としてのスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマーの混合物(クレイトンポリマー社製、「クレイトンG1657」、ジブロック含有量:29%)を20部と、着色剤としてのカーボンブラック5部と、溶媒としてのキシレン900部とを攪拌翼付きフラスコで50℃に加温しながら混合し、固形分濃度5%の均一な溶液(シール剤組成物)を得た。
そして、各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0057】
(実施例2)
非変性のジエン系非ブロックポリマーとして重合例2で得られたポリブタジエン(BR2)50部を使用し、酸変性したブロックポリマーとしての無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(クレイトンポリマー社製、「クレイトンFG1901」)の配合量を30部に変更した以外は実施例1と同様にしてシール剤組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0058】
(実施例3)
非変性のジエン系非ブロックポリマーとしてのポリブタジエン(BR1)の配合量を19部に変更し、酸変性したブロックポリマーとしての無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(クレイトンポリマー社製、「クレイトンFG1901」)の配合量を43部に変更し、クレイトンG1657に替えて非変性のジブロックポリマーとしてのスチレン−イソプレンブロックポリマーと非変性のトリブロックポリマー(その他のポリマー成分)としてのスチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマーの混合物(日本ゼオン社製、「クインタック3520」、カップリング率:22%)を38部使用した以外は実施例1と同様にしてシール剤組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0059】
(実施例4)
非変性のジエン系非ブロックポリマーとして重合例2で得られたポリブタジエン(BR2)30部を使用し、酸変性したブロックポリマーとして無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(旭化成社製、「タフテックM1911」)24部を使用し、クレイトンG1657に替えて非変性のジブロックポリマーとしてのスチレン−イソプレンブロックポリマーと非変性のトリブロックポリマー(その他のポリマー成分)としてのスチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマーの混合物(日本ゼオン社製、「クインタック3520」、カップリング率:22%)を46部使用した以外は実施例1と同様にしてシール剤組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0060】
(比較例1)
非変性のジエン系非ブロックポリマーとしてのポリブタジエン(BR1)の配合量を100部に変更し、クレイトンFG1901およびクレイトンG1657を使用しなかった以外は実施例1と同様にしてシール剤組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0061】
(比較例2)
非変性のジエン系非ブロックポリマーとしてのポリブタジエン(BR1)の配合量を50部に変更し、酸変性したブロックポリマーとしての無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(クレイトンポリマー社製、「クレイトンFG1901」)の配合量を50部に変更し、クレイトンG1657を使用しなかった以外は実施例1と同様にしてシール剤組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0062】
(比較例3)
非変性のジエン系非ブロックポリマーとしてのポリブタジエン(BR1)の配合量を60部に変更し、クレイトンFG1901を使用せず、クレイトンG1657に替えて非変性のジブロックポリマーとしてのスチレン−イソプレンブロックポリマーと非変性のトリブロックポリマー(その他のポリマー成分)としてのスチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマーの混合物(日本ゼオン社製、「クインタック3520」、カップリング率:22%)を40部使用した以外は実施例1と同様にしてシール剤組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】
(比較例4)
非変性のジエン系非ブロックポリマーとしてのポリブタジエン(BR1)の配合量を50部に変更し、クレイトンFG1901およびクレイトンG1657を使用せず、非変性のトリブロックポリマー(その他のポリマー成分)としてスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(旭化成社製、「タフテックH1062」)50部を使用した以外は実施例1と同様にしてシール剤組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
(比較例5)
ポリブタジエン(BR1)を使用せず、酸変性したブロックポリマーとしての無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(クレイトンポリマー社製、「クレイトンFG1901」)の配合量を60部に変更し、クレイトンG1657に替えて非変性のジブロックポリマーとしてのスチレン−イソプレンブロックポリマーと非変性のトリブロックポリマー(その他のポリマー成分)としてのスチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマーの混合物(日本ゼオン社製、「クインタック3520」、カップリング率:22%)を40部使用した以外は実施例1と同様にしてシール剤組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0065】
(比較例6)
非変性のジエン系非ブロックポリマーとしてのポリブタジエン(BR1)の配合量を50部に変更し、酸変性したブロックポリマーとしての無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(クレイトンポリマー社製、「クレイトンFG1901」)の配合量を30部に変更し、クレイトンG1657を使用せず、非変性のトリブロックポリマー(その他のポリマー成分)としてスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(旭化成社製、「タフテックH1062」)20部を使用した以外は実施例1と同様にしてシール剤組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1より、実施例1〜4のシール剤は、金属および樹脂の双方に対する接着力、並びに、耐寒性に優れ、且つ、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離し難いことが分かる。また、表1より、酸変性したブロックポリマーを使用しなかった比較例1,3,4のシール剤は樹脂に対する接着力に劣り、非変性のジブロックポリマーを使用しなかった比較例2,4,6のシール剤では溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離が起こり、非変性のジエン系非ブロックポリマーを使用しなかった比較例5のシール剤は耐寒性に劣ることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によれば、金属容器および樹脂製ガスケットの双方に対して優れた接着力を発揮し得ると共に、溶媒に溶解させてシール剤組成物とした際に相分離し難いシール剤を提供することができる。
また、本発明によれば、金属容器と樹脂製ガスケットとを良好に接着し得るシール剤層を容易に形成することができ、且つ、相分離し難いアルカリ電池用シール剤組成物を提供することができる。