特開2021-77510(P2021-77510A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧
特開2021-77510接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子
<>
  • 特開2021077510-接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子 図000003
  • 特開2021077510-接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子 図000004
  • 特開2021077510-接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子 図000005
  • 特開2021077510-接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子 図000006
  • 特開2021077510-接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子 図000007
  • 特開2021077510-接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子 図000008
  • 特開2021077510-接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子 図000009
  • 特開2021077510-接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-77510(P2021-77510A)
(43)【公開日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20210423BHJP
   H01R 4/48 20060101ALI20210423BHJP
【FI】
   H01R13/42 G
   H01R4/48 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-202632(P2019-202632)
(22)【出願日】2019年11月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】村上 弘国
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 猛
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 文孝
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE14
5E087FF03
5E087FF08
5E087FF16
5E087GG13
5E087GG16
5E087GG35
5E087MM05
5E087QQ04
5E087RR06
5E087RR49
(57)【要約】
【課題】端子と電線とを電気的に接続させる押し付け機構の変形を防止できる接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子を提供する。
【解決手段】接続構造体10は、接続構造体10は、導体21を有する電線20と、導体挿入口31aから挿入された導体21を押し付けて電気的に接続させる押し付け片33が備えられたメス型端子30とを接続させて構成され、押し付け片33に、導体21が押し付けられた状態において、導体21を押し付ける押し付け方向に向けた外力を外部から押し付け片33に対して作用させるハウジング上面40aと面接触する接触面部33iが設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体を有する電線と、挿入口から挿入された前記導体を押し付けて電気的に接続させる押し付け機構が備えられた端子とを接続させた接続構造体であって、
前記押し付け機構に、
前記導体が押し付けられた状態において、前記導体を押し付ける押し付け方向に向けた外力を外部から前記押し付け機構に対して作用させる作用部と面接触する接触面部が設けられた
接続構造体。
【請求項2】
前記作用部と前記接触面部との接触面積が、前記押し付け機構と前記導体との接触面積よりも広い
請求項1に記載の接続構造体。
【請求項3】
前記押し付け機構は、
前記導体の長手方向に沿って延出するとともに、前記導体を押し付ける押し付け部を弾性支持する弾性片で構成され、
前記弾性片は、
基端側に配置され、前記端子の外部に向けて延出する第一片部と、
曲げ部を介して前記第一片部と連結し、前記端子の内部に向けて曲げられた第二片部とで構成され、
第二片部は、前記押し付け部を有するとともに、前記作用部に対して面接触するように構成された
請求項1又は請求項2に記載の接続構造体。
【請求項4】
前記押し付け部は、
前記曲げ部よりも前記電線の挿入方向の先端側に設けられた
請求項3に記載の接続構造体。
【請求項5】
前記押し付け部は、前記第二片部の先端側に設けられるとともに、前記第二片部と一体構成された
請求項3又は請求項4に記載の接続構造体。
【請求項6】
前記作用部は、
前記端子を前記導体の長手方向に沿って移動させることにより、前記外力が前記押し付け機構に作用するように構成された
請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載の接続構造体。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のうちのいずれかに記載の接続構造体と、
前記端子を収納する収納部を備えたハウジングとで構成され、
前記作用部は、前記収納部を構成する内壁で構成された
ハウジング付接続構造体。
【請求項8】
挿入口から挿入された電線の導体を押し付けて電気的に接続させる押し付け機構を有し、
前記押し付け機構に、
前記導体が押し付けられた状態において、前記導体を押し付ける押し付け方向に向けた外力を外部から前記押し付け機構に対して作用させる作用部と面接触する接触面部が設けられた
端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電線と端子とを電気的に接続した接続構造体、前記接続構造体をハウジングに収納したハウジング付接続構造体、及び、電線と電気的に接続する端子に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には多数のワイヤーハーネスが配索されており、それらのワイヤーハーネスは、例えば、コネクタによって接続されている。このようなコネクタには、ワイヤーハーネスを構成する電線と端子とが電気的に接続された接続構造体が装着されている。
【0003】
この端子の一例として、特許文献1には、電線の導体を接続させる導体接続部に一対の押し付け機構を対向配置させた端子が開示されている。この端子は、コネクタを構成するハウジングの収納部に仮収納させた状態で電線挿入口から電線を挿入し、端子を電線の長手方向にスライドさせてハウジングに収納させることができる。
【0004】
また、端子をスライドさせることで、収納部の内壁が一対の押し付け機構を端子の内部に押し込むため、一対の押し付け機構が導体を挟持できる。これにより、電線と端子とを電気的に接続して接続構造体を構成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019−061742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、押し付け機構で導体を保持させる際に、押し付け機構を押し付ける収納部の内壁と押し付け機構とが線接触となるおそれがある。この場合、押し付け機構に対して応力が局所的に集中するため、押し付け機構が変形して、端子と電線との接続性能が低下することが懸念される。
【0007】
この発明は、端子と電線とを電気的に接続させる押し付け機構の変形を防止できる接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、導体を有する電線と、挿入口から挿入された前記導体を押し付けて電気的に接続させる押し付け機構が備えられた端子とを接続させた接続構造体であって、前記押し付け機構に、前記導体が押し付けられた状態において、前記導体を押し付ける押し付け方向に向けた外力を外部から前記押し付け機構に対して作用させる作用部と面接触する接触面部が設けられたことを特徴とする。
【0009】
またこの発明は、挿入口から挿入された電線の導体を押し付けて電気的に接続させる押し付け機構を有し、前記押し付け機構に、前記導体が押し付けられた状態において、前記導体を押し付ける押し付け方向に向けた外力を外部から前記押し付け機構に対して作用させる作用部と面接触する接触面部が設けられた端子である。
【0010】
前記端子は、電線と電気的に接続する構成であれば、特に限定はなく、例えば、メス型端子やオス型端子を含む。
前記押し付け機構は、前記押し付け機構が移動する方向と前記導体を押し付ける押し付け方向とが一致している場合のみならず、前記押し付け機構が移動する方向と前記導体を押し付ける押し付け方向とが交差する場合を含む。
【0011】
この発明により、押し付け機構で導体を保持させた際に、作用部と押し付け機構が面接触するため、押し付け機構に対して外力が局所的に集中することを防止できる。このため、外部の押し付け機構と接触している箇所や押し付け機構が変形することを防止でき、導体を安定して押し付けることができる。したがって、安定した接続状態とすることができ、端子と電線との接続性能を維持することができる。
【0012】
この発明の態様として、前記作用部と前記接触面部との接触面積が、前記押し付け機構と前記導体との接触面積よりも広くてもよい。
この発明により、導体の押し付けによる反力を確実に接触面部に伝達させることができ、導体を確実に押し付けながら、押し付け機構における接触面部側が変形することを防止できる。
【0013】
またこの発明の態様として、前記押し付け機構は、前記導体の長手方向に沿って延出するとともに、前記導体を押し付ける押し付け部を弾性支持する弾性片で構成され、前記弾性片は、基端側に配置され、前記端子の外部に向けて延出する第一片部と、曲げ部を介して前記第一片部と連結し、前記端子の内部に向けて曲げられた第二片部とで構成され、第二片部は、前記押し付け部を有するとともに、前記作用部に対して面接触するように構成されてもよい。
【0014】
この発明により、曲げ部の近傍に外力を作用させることにより、押し付け部に導体を押し付ける力が伝わるため、確実に導体を押し付けることができる。また、押し付け機構は弾性を有することから、導体を押し付ける力に対する反力が押し付け部に作用する。これにより、外力が作用した曲げ部の近傍を支点として、前記第二片部が作用部側に押し付けられ、接触面部が作用部と面接触することとなる。したがって、作用部と接触面部とが面接触し、曲げ部の近傍に外力が集中することを防止できるとともに、外力に対して反力が生じるため、導体が損傷することを防止できる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記押し付け部は、前記曲げ部よりも前記電線の挿入方向の先端側に設けられてもよい。
この発明により、導体を押し付ける際に押し付け部に生じる反力を、効率よく第二片部に伝えることができる。これにより、外力の作用する曲げ部の近傍を支点として第二片部を押し上げることができ、接触面部と作用部とを確実に面接触させることができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記押し付け部は、前記第二片部の先端側に設けられるとともに、前記第二片部と一体構成されてもよい。
この発明により、外力の作用する曲げ部の近傍を支点として、導体を押し付ける際に押し付け部に生じる反力を効率よく接触面部に伝達させることができるとともに、作用部と接触する接触面を増加させることができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記作用部は、前記端子を前記導体の長手方向に沿って移動させることにより、前記外力が前記押し付け機構に作用するように構成されてもよい。
前記作用部は、設けられる部材を特に限定する必要はなく、例えば、コネクタを構成するハウジングや、端子の少なくとも一部を保護する保護部材に設けられていてもよい。
【0018】
この発明によると、曲げ部に対して外力を作用させるために、押し付け方向に作用部を移動させる必要がなく、導体を押し付け機構で押し付ける際に必要なスペースを削減することができる。
【0019】
またこの発明は、上述の接続構造体と、前記端子を収納する収納部を備えたハウジングとで構成され、前記作用部は、前記収納部を構成する内壁で構成されてもよい。
【0020】
この発明により、収納部に収納すると同時に、電線と端子とを電気的に接続することができ、作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、端子と電線とを電気的に接続させる押し付け機構の変形を防止できる接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】メスコネクタの概略斜視図。
図2】電線とメスハウジングとメス型端子の分解斜視図。
図3】接続構造体の概略斜視図
図4】メス型端子の概略斜視図。
図5】メス型端子の断面図。
図6】メスハウジングの断面図。
図7】電線とメス型端子との接続構造を示す説明図。
図8】電線とメス型端子との接続構造を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
【0024】
図1は、メスコネクタ100の概略斜視図を示し、図2はメスハウジング付接続構造体1の分解斜視図を示し、図3は接続構造体10の概略斜視図を示す。図4はメス型端子30の概略斜視図を示し、図5はメス型端子30の断面図を示し、図6はハウジング40の断面図を示す。
【0025】
なお、図5はメス型端子30の縦断面図であり、図5(a)はメス型端子30の全体断面図を示し、図5(b)は図5(a)におけるα部の拡大図を示す。図6は、図2におけるA−A矢視断面図を示す。すなわち、図6は、メス型端子30が収納される部分、かつ電線20が挿入される部分を示す断面図である。
【0026】
図7及び図8は、メス型端子30に対して電線20を挿入し、電気的に接続する工程を示す説明図であり、図7(a)はハウジング40にメス型端子30を挿入した状態の断面図を示し、図7(b)はメス型端子30に電線20を挿入した状態の断面図を示す。なお、図7(c)及び図7(d)は図7(a)及び図7(b)におけるβ部の拡大図を示す。
【0027】
同様に、図8(a)及び図8(b)はメス型端子30をハウジング40にスライド挿入した状態の断面図を示し、図8(c)及び図8(d)は図8(a)及び図8(b)におけるβ部の拡大図を示す。
【0028】
ここで、図2において、電線20の長手方に沿う方向を長手方向Lとし、図2中の長手方向Lに沿って右側を先端側Lf、左側を基端側Lbとする。なお、この方向は図1図3乃至図8においても同様とする。
【0029】
メスコネクタ100は、図1に示すように、基端側Lbから複数の電線20が延出しているとともに、先端側Lfに図示しないオスコネクタと連結可能に構成されている。このメスコネクタ100は、ハウジングケース110とハウジングケース110の内部に装着されたメスハウジング付接続構造体1とで構成されている。
【0030】
ハウジングケース110は、例えば偏平な略直方体状に形成されており、後面には、メスハウジング付接続構造体1を構成するハウジング40が収納可能なハウジング収納部111が設けられている。
【0031】
メスハウジング付接続構造体1は、図2及び図3に示すように、接続構造体10と、ハウジング40とで構成されている。
接続構造体10は、図2及び図3に示すように、導電性を有する電線20と、電線20を基端側Lbから挿入可能なメス型端子30とで構成されている。
【0032】
電線20は、図2に示すように、導電性を有する芯線で構成された導体21と、導体21の外周を被覆する絶縁被覆22とで構成されている。電線20の先端側Lfは、絶縁被覆22を所定の長さ分剥ぐことで導体21が露出している。
【0033】
メス型端子30は、図4にも示すように、全体として長尺状に形成された中空状の四角筒形である。このメス型端子30は、導体21を挿通する導体挿通部31と、オス型端子と接続する端子接続部32とを備えている。つまり、メス型端子30は長手方向Lの基端側Lbに導体挿通部31を、先端側Lfに端子接続部32を備えている。
【0034】
なお、メス型端子30は、必ずしも四角筒形である必要はなく、例えば円筒形や多角筒形などの他の形状であってもよい。また、メス型端子30は一例であり、例えば、導体挿通部31と端子接続部32との間に他の機能を有する部位が存在する構成であってもよく、形状やサイズについても本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形された構成としてもよい。
【0035】
導体挿通部31は、導体21と電気的に接続させる部分であり、導体21を挿通できるように中空状の四角筒形に形成されている。導体挿通部31の内部の幅は、導体21の外径よりも長く、導体挿通部31の高さは、導体21の外径の2倍より少し長い長さとなっている。なお、導体挿通部31の基端側Lb端部には、導体21を挿入させる導体挿入口31aが設けられている。
【0036】
この導体挿通部31の上面部分には、図4及び図5に示すように、押し付け片33が備えられ、その先端には仮係止部34が備えられている。また、導体挿通部31の底面側には、図5に示すように、突出部35と、導体案内部36と、電線接続部37とが備えられている。
【0037】
押し付け片33は、弾性変形できるように構成された弾性片であり導体挿通部31に挿入された導体21を電線接続部37に押し付けて、メス型端子30と電線20とを電気的に接続する。この押し付け片33は、メス型端子30の軸周りの外面である上面と底面と左右の側面のうちの上面の一部を切り起こして形成されており、導体挿通部31の外側に突出している。
【0038】
押し付け片33について詳述すると、押し付け片33は導体挿通部31の上面の先端部分を屈曲させて、先端が側面視略三角形状となるように形成されている。なお、押し付け片33は、基端から先端まで同一の幅で構成されている。
【0039】
この押し付け片33は、図4及び図5に示すように、第一片部33aと、第二片部33bと、第三片部33cと、第四片部33dとで構成されている。
第一片部33aは、基端が導体挿通部31の上面と連結するとともに、先端側Lf斜め上方に向けて傾斜して延出している。
【0040】
第二片部33bは、第一片部33aの先端から先端側Lf斜め上方に向けて傾斜して延出している。なお、第二片部33bは、第一片部33aと比べて緩やかに傾斜している。すなわち、第一片部33aと第二片部33bは側面視において鈍角となるように連結されている。
この第一片部33aと第二片部33bとは、上方に向けて凸状の円弧となるように緩やかに湾曲した基端側湾曲部33eを介して連結されている。
【0041】
第三片部33cは、第二片部33bの先端から下方に向けて延出している。この第三片部33cは、第二片部33bに対して略90度となるように、第二片部33bの先端部分を屈曲させて形成されている。なお、第三片部33cは、屈曲させて形成された中間湾曲部33fを介して第二片部33bと連結されている。
このように構成された第三片部33cは、導体挿通部31の高さの半分、すなわち導体21の外径よりも長く、かつ導体挿通部31の高さよりも短く構成されている。
【0042】
押し付け片33の先端部分に対応する第四片部33dは、第三片部33cの先端から基端側Lbの上方に向けて傾斜するように延出しており、先端が基端側湾曲部33eの下方に配置されている。この第四片部33dは、下方に向けて凸状の円弧で形成された先端側湾曲部33gを介して第三片部33cと連結されている。なお、先端側湾曲部33gは、第三片部33cと第四片部33dのなす角が鋭角となるように湾曲している。また、先端側湾曲部33gは、導体挿通部31を構成する上面よりもわずかに上方に配置されている。
【0043】
このように導体挿通部31の上面の一部を湾曲させて形成された押し付け片33は、第二片部33bと第三片部33cと第四片部33dで側面視略直角三角形状を形成している。なお、第三片部33cと第四片部33dと先端側湾曲部33gは、第一片部33aと第二片部33bとで弾性支持する押し付け部33hを形成している。
【0044】
仮係止部34は、押し付け片33の先端側Lfに備えられた、弾性変形可能な弾性片である。詳述すると、仮係止部34は、端子接続部32の長手方向Lの基端側Lbにおいて、側面視三角形状に形成されており、上方に向けてわずかに突出している。この仮係止部34の突出高さは、押し付け片33の突出高さよりも低い。また、仮係止部34の幅は長手方向Lの全体にわたって同一である。
【0045】
突出部35は、第一片部33aの基端部分の下方において、導体挿通部31の底面から押し付け片33の移動方向と逆方向である上方に向けて突出している。突出部35の高さは、導体挿通部31の高さの半分である。すなわち、突出部35の高さは導体21の外径よりもわずかに高くなっており、導体挿通部31の上上面の内壁と突出部35の上面との間のクリアランスは導体21の外径よりも大きくなっている。
【0046】
また、突出部35の幅の長さは、導体挿通部31の幅と同じ長さである。すなわち、突出部35の突出方向の先端側(上方側)には、導体の外径よりも幅広い空間が設けられている。
なお、突出部35は、四角筒形の導体挿通部31を構成する一対の側面の一部分を、導体挿通部31の内部に折り曲げて形成している。
【0047】
導体案内部36は、図5に示すように、軸周りの外面である上面と底面と左右の側面のうちの底面の一部を切り起こして形成されており、導体挿通部31の内側に向けて延出している。
【0048】
電線接続部37は、押し付け片33で押し付けられた導体21と接触する部位である。この電線接続部37は、突出部35の長手方向Lの先端側Lfから先端側湾曲部33gよりも先端側Lfに亘って、導体挿通部31の底面の内壁に形成されたセレーションである。なお、図5図7及び図8において、電線接続部37を明確にするため、導体挿通部31の底面の上部に設けているように図示している。
【0049】
端子接続部32は、図示しないオス型端子の差込部を差し込んで、オス型端子と電気的に接続させる部分であり、導体挿通部31と同様に、中空状の四角筒形に形成されている。なお、端子接続部32の先端側Lf端部には、オス型端子の差込部を挿入させる端子挿入口32aが設けられている。
【0050】
端子接続部32は、図5及び図6に示すように、上面に位置決め部38が備えられているとともに、対となる側面の一方に、オス型端子の差込部を押圧する端子押圧部39が備えられている。
【0051】
位置決め部38は、端子接続部32の端部から所定の長さだけ、上面の幅方向の略半分の領域において上方へ突出するように折り曲げて形成されている。位置決め部38の高さは押し付け片33の高さよりも高いが、後述するハウジング40における対応する端子収納部42に収まる高さである。
【0052】
ハウジング40は、メス型端子30を先端側Lfから収納するとともに、電線20を基端側Lbから挿入する筐体であり、長手方向L(すなわち、電線20の挿入方向)の長さに対して幅方向の長さの方が長い偏平な略直方体状に形成されている。ハウジング40の基端側Lbには、電線20を挿入する電線挿入部41が複数設けられている。一方、ハウジング40の先端側Lfに電線挿入部41に対向する位置にメス型端子30を収納する端子収納部42が設けられている。
【0053】
電線挿入部41は、長手方向Lに沿って所定の長さの断面円形の穴部で構成されている。この電線挿入部41の基端側Lbの外径は電線20の外径と略等しく、また電線挿入部41の穴部の先端部分は、径が先端側Lfほど小さくなる縮径部41aと、電線20のうちの導体21が通る小径部41bを有している。
【0054】
端子収納部42は、電線挿入部41の小径部41bの先に連続して形成されており、断面形状はメス型端子30を挿入できる断面略四角形である。なお、長手方向Lに対する端子収納部42の長さはメス型端子30の長手方向Lに対する長さに対応している。
【0055】
この電線挿入部41と端子収納部42は、ハウジング40の一部を除いて厚み方向において上下二段に形成されている。そして、上段と下段の電線挿入部41及び端子収納部42は、メス型端子30がそれぞれ上下逆さまに挿入される形状である。すなわち、上段では、ハウジング40のハウジング上面40aがメス型端子30の上面に対応する面となる。また下段では、ハウジング40のハウジング下面40bがメス型端子30の上面に対応する面となる。
【0056】
端子収納部42のハウジング上面40a及びハウジング下面40bには、メス型端子30の押し付け片33が嵌る押付片貫通穴44と、仮係止部34が嵌る係止突起貫通穴45と、位置決め部38が収まる切り欠き部46が形成されている。
【0057】
押付片貫通穴44は、メス型端子30を端子収納部42に途中まで挿入したときに押し付け片33が嵌る位置に形成された貫通孔である。具体的には、押付片貫通穴44は位置決め部38を端子収納部42から出した状態において押し付け片33に対応する位置に形成されている。
【0058】
係止突起貫通穴45は、押し付け片33が押付片貫通穴44に嵌っている状態で仮係止部34に対応する位置に設けられた先端側係止穴45aと、メス型端子30を端子接続部32の先端まで収納した状態で仮係止部34に対応する位置に設けられた基端側係止穴45bとで構成される。
【0059】
切り欠き部46は、端子収納部42の先端から位置決め部38に対応する長さの範囲にわたって形成されている。切り欠き部46より前方部分のハウジング上面40a及びハウジング下面40bには、後端ほど下がる傾斜面で構成されている。
【0060】
次に、このように構成された電線20及びメス型端子30を接続する方法について、図7及び図8に基づいて簡単に説明する。
まず、図7(a)に示すように、導体挿通部31を基端側Lbに向けたメス型端子30をハウジング40の先端から基端側Lbに向けて挿入する。このときメス型端子30は奥まで挿入せずに、その手前で保持する。すなわち、押し付け片33が押付片貫通穴44に嵌まった状態(図7(c)参照)であり、仮係止部34が先端側係止穴45aに嵌まった状態とする。
【0061】
次に、ハウジング40の基端から電線20を先端側Lfに向けて挿入する。ここで、電線挿入部41の内径と略等しい外径を有する電線20が電線挿入部41に挿入することで、電線20の先端側Lfに露出させた導体21が小径部41bを挿通させることができる。このように小径部41bを挿通した導体21は、小径部41bの先端側Lfに嵌め込まれた導体挿通部31に挿通される。
【0062】
詳しくは、図7(b)に示すように、導体21が、導体案内部36に案内されて、突出部35の突出方向の先端側(上方側)に挿通される。なお、導体21の先端は押し付け片33の先端を越えた位置に配置される(図7(d)参照)。
【0063】
このように、導体21を導体挿通部31に挿通させた状態において、メス型端子30を基端側Lbに押し込むことで、図8(a)に示すように、押し付け片33が端子収納部42の内面と干渉し、下方に押し付けられる。
【0064】
より詳しくは、図8(c)に示すように、ハウジング40のハウジング上面40aが基端側湾曲部33eと干渉することにより、押し付け部33hが下方に向けて押し下げられる。これにより、押し付け部33hが導体21を下方に押し付け、導体21が電線接続部37と接続することとなる。
【0065】
これに対し、第三片部33cは導体挿通部31の高さの半分よりも少し長いため、導体21を押し付ける押し付け部33hには導体21からの反力が働くこととなる。この反力により、図8(d)に示すように、ハウジング上面40aと接触している基端側湾曲部33eを支点として、第二片部33bが上方位押し付けられ、第二片部33bの上面をハウジング上面40a(端子収納部42の内壁)に面接触させることができる。
【0066】
このように、第二片部33bにはハウジング上面40a(端子収納部42の内壁)と面接触する接触面部33iが設けられることとなる。これにより、第二片部33bが、ハウジング上面40aから作用する外力を分散することができ、押し付け片33の変形を防止することができる。
【0067】
また、図8(c)及び図8(d)に示すように、押し付け部33hが導体21を押し付けた状態において、先端側湾曲部33gが基端側湾曲部33eよりも先端側Lfに配置されるように構成されている。このため、押し付け部33hが導体21を押し付けた状態で、先端側湾曲部33gに作用する反力を、第三片部33cに伝達させて第二片部33bに効率よく作用させることができる。これにより、第二片部33bを効率よくハウジング上面40aに面接触させることができる。
【0068】
また、押し付け片33は、第二片部33bの先端に押し付け部33hが設けられているため、押し付け部33hに作用する反力により、第二片部33bの上面全体をハウジング上面40aと面接触させることができる。したがって、ハウジング上面40aと接触することにより押し付け片33に作用する外力を分散させることができるため、押し付け片33の変形を確実に防止できる。
【0069】
さらにまた、先端側湾曲部33gは高角度で湾曲しているため、先端側湾曲部33gと導体21との接触面積は小さくなる。このため、押し付け部33hが導体21を押し付けることによる反力が分散されることなく先端側湾曲部33gに掛かるため、確実に第三片部33cに反力を伝達することができる。
【0070】
このように、第二片部33bとハウジング上面40aとの接触面積よりも押し付け片33と導体21との接触面積が小さくすることで、効率よく反力を第二片部33bに伝達し、押し付け片33が変形することを防止できる。
【0071】
なお、第四片部33dの先端は、第一片部33aと接触することなく開放されているため、先端側湾曲部33gに過度に力が作用した場合であっても、反力を逃がすことができる。
【0072】
このように構成された接続構造体10は、導体21を有する電線20と、導体挿入口31aから挿入された導体21を押し付けて電気的に接続させる押し付け片33が備えられたメス型端子30とを接続させて構成されている。また、押し付け片33には、導体21が押し付けられた状態において、導体21を押し付ける押し付け方向に向けた外力を外部から押し付け片33に対して作用させるハウジング上面40aと面接触する接触面部33iが設けられている。このため、押し付け片33で導体21を保持させた際に、ハウジング上面40aと第二片部33bが面接触し、ハウジング上面40aの押し付け片33に接触している部位及び押し付け片33に対して外力が局所的に集中することを防止できる。これにより、ハウジング40の押し付け片33に接触している箇所及び押し付け片33が変形することを防止でき、導体21を安定して押し付けることができる。したがって、電線20とメス型端子30との接続状態を安定させることができ、メス型端子30と電線20との接続性能を維持することができる。
【0073】
また、ハウジング上面40aと第二片部33bとの接触面積が、押し付け片33と導体21との接触面積よりも広いことにより、導体21の押し付けによる反力を確実に第二片部33bに伝達させることができる。加えて、導体21を確実に押し付けながら、押し付け片33における第二片部33b側が変形することを防止できる。
【0074】
さらにまた、押し付け片33は、導体21の長手方向Lに沿って延出するとともに、導体21を押し付ける押し付け部33hを弾性支持する第一片部33a及び第二片部33bで構成されている。また、第一片部33aは、基端側Lbに配置され、メス型端子30の外部に向けて延出し、第二片部33bは、基端側湾曲部33eを介して第一片部33aと連結し、メス型端子30の内部に向けて曲げられている。
【0075】
また、第二片部33bは、押し付け部33hを有するとともに、ハウジング上面40aと面接触する接触面部33iを備え、外力が基端側湾曲部33eの近傍に作用する。これにより、基端側湾曲部33eの近傍に作用させた外力が、押し付け部33hに対して導体21を押し付ける力が伝わる。これにより、確実に導体21を押し付けることができる。
【0076】
また、導体21を押し付ける力に対する反力が押し付け部33hに作用する。これにより、外力が作用した基端側湾曲部33eの近傍を支点として、第二片部33bがハウジング上面40a側に押し付けられ、第二片部33bがハウジング上面40aと面接触することとなる。したがって、ハウジング上面40aと第二片部33bとが面接触し、基端側湾曲部33eの近傍に外力が集中することを防止できる。
【0077】
さらにまた、押し付け部33hは、基端側湾曲部33eよりも電線20の挿入方向(長手方向L)の先端側Lfに設けられていることにより、導体21を押し付ける際に押し付け部33hに生じる反力を、効率よく第二片部33bに伝えることができる。これにより、外力の作用する基端側湾曲部33eの近傍を支点として第二片部33bを押し上げることができ、第二片部33bとハウジング上面40aとを確実に面接触させることができる。
【0078】
また、押し付け部33hは、第二片部33bの先端側Lfに設けられるとともに、第二片部33bと一体構成されている。これにより、外力の作用する基端側湾曲部33eの近傍を支点として、導体21を押し付ける際に押し付け部33hに生じる反力を効率よく第二片部33bに伝達させることができるとともに、ハウジング上面40aと接触する接触面を増加させることができる。
【0079】
さらにまた、ハウジング上面40aは、メス型端子30を導体21の長手方向Lに沿って移動させることにより、外力が押し付け片33に作用するように構成されている。これにより、基端側湾曲部33eに対して外力を作用させるために、押し付け方向にハウジング上面40aを移動させる必要がなく、導体21を押し付け片33で押し付ける際に必要なスペースを削減することができる。
【0080】
また、メスハウジング付接続構造体1は、接続構造体10と、メス型端子30を収納する端子収納部42を備えたハウジング40とで構成され、ハウジング上面40aは、端子収納部42を構成する内壁で構成されている。これにより、端子収納部42にメス型端子30を収納すると同時に、電線20とメス型端子30とを電気的に接続することができ、作業効率を向上させることができる。
【0081】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の導体は、導体21に対応し、同様に、
電線は、電線20に対応し、
挿入口は、導体挿入口31aに対応し、
押し付け機構は、押し付け片33に対応し、
接続構造体は、接続構造体10に対応し、
作用部は、ハウジング上面40aに対応し、
押し付け部は、押し付け部33hに対応し、
面接触部は、接触面部33iに対応し、
押し付け片は、第一片部33a及び第二片部33bに対応し、
第一片部は、第一片部33aに対応し、
曲げ部は、基端側湾曲部33eに対応し、
第二片部は、第二片部33bに対応し、
ハウジングは、ハウジング40に対応し、
収納部は、端子収納部42に対応し、
ハウジング付接続構造体は、メスハウジング付接続構造体1に対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0082】
例えば、本実施形態において、端子に対応しているメス型端子30は必ずしもメス型である必要はない。メス型端子30は、電線20と電気的に接続できればよく、例えば、端子として、導体挿通部31と同じ構成を先端側Lfに備えるとともに、基端側Lbに端子接続部32に対して差し込み可能な構成を備えたオス型端子であってよい。
【0083】
また、押し付け片33は、押し付け片33が移動する方向と導体21を押し付ける押し付け方向(下方)とが一致している構成のみならず、押し付け片33が移動する方向と導体21を押し付ける押し付け方向(下方)とが交差する構成を含む。すなわち、押し付け片33が下方側に移動し、導体21を導体挿通部31の側面に設けた電線接続部37に接続させる構成としてもよい。
【0084】
また、本実施形態において、ハウジング40は、コネクタの一部であるハウジングに対応しているが、必ずしもハウジングである必要はない。例えば、メス型端子30の導体挿通部31に組み付けて導体挿通部31を保護する別部材などであってもよい。
なお、端子収納部42は、メス型端子30全体を収納する構成に限らず、導体挿通部31の一部を収納する構成としてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、メス型端子30に突出部35及び導体案内部36を備えた構成としているが、突出部35及び導体案内部36は必ずしも必要ではない。例えば、突出部35及び導体案内部36を備えてない構成としても、押し付け片33の変形は防止できる。
【符号の説明】
【0086】
1 メスハウジング付接続構造体
10 接続構造体
20 電線
21 導体
31a 導体挿入口
33 押し付け片
33a 第一片部
33b 第二片部
33e 基端側湾曲部
33h 押し付け部
33i 面接触部
40 ハウジング
40a ハウジング上面
42 端子収納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8