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特開2021-77512接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-77512(P2021-77512A)
(43)【公開日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20210423BHJP
   H01R 4/48 20060101ALI20210423BHJP
【FI】
   H01R13/42 G
   H01R4/48 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-202634(P2019-202634)
(22)【出願日】2019年11月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 文孝
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 猛
(72)【発明者】
【氏名】村上 弘国
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE14
5E087FF03
5E087FF08
5E087FF16
5E087GG13
5E087GG16
5E087GG35
5E087MM05
5E087QQ04
5E087RR06
5E087RR49
(57)【要約】
【課題】端子と電線とを電気的に接続させる押し付け機構の変形を防止できる接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子を提供する。
【解決手段】接続構造体10は、導体21を有する電線20と、導体挿入口31aから挿入された導体21を押し付けて電気的に接続させる押し付け片33が備えられたメス型端子30とを接続させ、メス型端子30の外部には、少なくとも一部で、押し付け片33に対して導体21を押し付ける押し付け方向に向けた外力を作用させるハウジング上面40aが設けられ、押し付け片33には、導体21をメス型端子30に押し付けた状態において、ハウジング上面40aに対して面接触する第二片部33bが設けられていること。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体を有する電線と、挿入口から挿入された前記電線の前記導体を挿通する中空状の導体挿通部を備えた端子とを接続させた接続構造体であって、
前記導体挿通部は、
挿入された前記導体と電気的に接続される導体接続部と、
前記導体挿通部に挿通された前記導体を前記導体接続部に押し付ける押し付け機構と、
前記導体を押し付ける押し付け方向と反対方向に向けて突出する突出部と、
前記突出部よりも前記挿入口側に配置されるとともに、前記突出部の突出方向の先端側に前記導体を案内する案内部とが備えられ、
前記突出部の前記突出方向の先端側に挿通させた前記導体を、前記押し付け機構が前記導体接続部に押し付けて接続させた
接続構造体。
【請求項2】
前記押し付け機構は、
前記導体挿通部の外部に突出した外力作用部が備えられ、
外力の作用によって、前記外力作用部を前記導体挿通部の内部に向けて押し付け、前記導体と前記導体接続部とを電気的に接続させた
請求項1に記載の接続構造体。
【請求項3】
前記突出部は、前記導体接続部よりも前記挿入口側に設けられた
請求項1又は請求項2に記載の接続構造体。
【請求項4】
前記押し付け機構は、
前記電線の挿入方向に向けて延出するとともに、前記導体を押し付ける導体押し付け部を弾性支持する弾性片で構成され、
前記弾性片の基端が前記導体接続部よりも前記挿入口側に設けられた
請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の接続構造体。
【請求項5】
前記突出部が、前記弾性片の基端と前記導体接続部との間に設けられた
請求項4に記載の接続構造体。
【請求項6】
前記導体接続部は、前記電線の挿入方向の端部周辺に比べ前記突出方向に向けて底上げされた
請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載の接続構造体。
【請求項7】
前記突出部の基端側には、前記導体の外径よりも幅広な空間が設けられた
請求項1乃至請求項6のうちのいずれかに記載の接続構造体。
【請求項8】
前記突出部の基端側に配置された前記導体の中心軸と、前記押し付け機構により前記導体接続部と電気的に接続した前記導体の中心軸との間隔が、前記導体の外径以上の長さとなるように構成された
請求項1乃至請求項7のうちのいずれかに記載の接続構造体。
【請求項9】
請求項2に記載の接続構造体と、
前記端子を収納する収納部を有するハウジングとで構成され、
前記収納部を構成する壁部は、前記押し付け機構に対して前記押し付け方向に向けた外力を作用させる
ハウジング付接続構造体。
【請求項10】
前記ハウジングは、
前記電線を挿入する電線挿入部を、前記収納部の収納口とは反対側に備え、
前記電線挿入部に対する前記電線の挿入軸と、前記端子に対する前記導体の挿入軸とが同軸に構成された
請求項9に記載のハウジング付接続構造体。
【請求項11】
前記ハウジングは、
前記電線を挿入する電線挿入部を、前記収納部の収納口とは反対側に備え、
前記電線挿入部に、前記電線の長手方向と交差する方向に向けて前記電線を押し付ける電線押し付け部材が備えられた
請求項9又は請求項10に記載のハウジング付接続構造体。
【請求項12】
挿入口から挿入された電線の導体を挿通する中空状の導体挿通部を備えた端子であって、
前記導体挿通部は、
挿入された前記導体と電気的に接続される導体接続部と、
前記導体挿通部に挿通された前記導体を前記導体接続部に押し付ける押し付け機構と、
前記導体を押し付ける押し付け方向と反対方向に向けて突出する突出部と、
前記突出部よりも前記挿入口側に配置されるとともに、前記突出部の突出方向の先端側に前記導体を案内する案内部とが備えられ、
前記突出部の前記突出方向の先端側に挿通させた前記導体を、前記押し付け機構が前記導体接続部に押し付けて接続させる
端子。
【請求項13】
導体を有する電線と、挿入口から挿入された前記電線の前記導体を挿通する中空状の導体挿通部を備えた端子とを接続させた接続構造体であって、
前記導体挿通部は、
挿入された前記導体と電気的に接続される導体接続部と、
前記導体挿通部に挿通された前記導体を前記導体接続部に押し付ける押し付け機構と、
前記導体を押し付ける押し付け方向と反対方向に向けて突出する突出部とが備えられ、
少なくとも、前記突出部の突出方向の先端側を挿通するように、前記突出方向の先端側に前記導体を配置し、前記押し付け機構が前記導体を前記導体接続部に押し付けて接続させた
接続構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電線と端子とを電気的に接続した接続構造体、前記接続構造体をハウジングに収納したハウジング付接続構造体、及び、電線と電気的に接続する端子に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には多数のワイヤーハーネスが配索されており、それらのワイヤーハーネスは、例えば、コネクタによって接続されている。このようなコネクタには、ワイヤーハーネスを構成する電線と端子とが電気的に接続された接続構造体が装着されている。
【0003】
この端子の一例として、特許文献1には、電線の導体を接続させる導体接続部に一対の押し付け機構を対向配置させた端子が開示されている。この端子は、コネクタを構成するハウジングの収納部に仮収納させた状態で電線挿入口から電線を挿入し、端子を電線の長手方向にスライドさせてハウジングに収納させることができる。
【0004】
また、端子をスライドさせることで、収納部の内壁が一対の押し付け機構を端子の内部に押し込むため、一対の押し付け機構が導体を挟持できる。これにより、電線と端子とを電気的に接続して接続構造体を構成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019−061742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1に開示された接続構造体は、端子と電線とを電気的に接続することができる。しかしながら、より安定した電気的接続を得るため、電線を保持する電線保持力を向上させることが望まれている。
【0007】
この発明は、電線を保持する電線保持力を向上させることができる接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、導体を有する電線と、挿入口から挿入された前記電線の前記導体を挿通する中空状の導体挿通部を備えた端子とを接続させた接続構造体であって、前記導体挿通部は、挿入された前記導体と電気的に接続される導体接続部と、前記導体挿通部に挿通された前記導体を前記導体接続部に押し付ける押し付け機構と、前記導体を押し付ける押し付け方向と反対方向に向けて突出する突出部と、前記突出部よりも前記挿入口側に配置されるとともに、前記突出部の突出方向の先端側に前記導体を案内する案内部とが備えられ、前記突出部の前記突出方向の先端側に挿通させた前記導体を、前記押し付け機構が前記導体接続部に押し付けて接続させたことを特徴とする。
【0009】
またこの発明は、挿入口から挿入された電線の導体を挿通する中空状の導体挿通部を備えた端子であって、前記導体挿通部は、挿入された前記導体と電気的に接続される導体接続部と、前記導体挿通部に挿通された前記導体を前記導体接続部に押し付ける押し付け機構と、前記導体を押し付ける押し付け方向と反対方向に向けて突出する突出部と、前記突出部よりも前記挿入口側に配置されるとともに、前記突出部の突出方向の先端側に前記導体を案内する案内部とが備えられ、前記突出部の前記突出方向の先端側に挿通させた前記導体を、前記押し付け機構が前記導体接続部に押し付けて接続させることを特徴とする。
【0010】
前記端子は、電線と電気的に接続する構成であれば特に限定はなく、例えば、メス型端子やオス型端子を含む。
前記押し付け機構は、前記押し付け機構が移動する方向と前記導体を押し付ける押し付け方向とが一致している構成のみならず、前記押し付け機構が移動する方向と前記導体を押し付ける押し付け方向とが交差する構成を含む。
【0011】
この発明によると、案内部を介して突出方向に寄せられた導体を、押し付け機構を用いて突出方向の反対側に押し付けることができる。これにより、導体挿通部の内部において、導体は、突出部の先端側に挿通された部位と導体接続部に押し付けられた部位とが、突出方向に沿って十分に変位したクランク状となる。これにより、導体挿通部内において、導体を偏心させることができるため、導体に対して外力が作用した場合に、導体が突出部のエッジに引っ掛かることで保持される。したがって、導体を係止させることができ、電線を端子に保持することができる。
【0012】
詳述すると、導体挿通部の内部において導体を偏心させることにより、導体接続部と突出部の間で導体を十分な角度で傾斜させることができるため、導体は傾いた状態で突出部に押し付けられることとなる。このため、挿入方向と反対方向の外力が導体に作用しても、導体を挿入方向と反対方向に移動させる力が小さくなるように外力を分解できるとともに、導体接続部と突出部とに導体を押し付けることができる。これにより、挿入方向と反対方向に外力が作用した場合に導体が突出部のエッジに引っ掛かることで保持され、確実に導体挿通部内に導体を保持できる。したがって、電線を保持する電線保持力を向上させることができ、電線と端子との間でより安定した電気的接続を得ることができる。
【0013】
この発明の態様として、前記押し付け機構は、前記導体挿通部の外部に突出した外力作用部が備えられ、外力の作用によって、前記外力作用部を前記導体挿通部の内部に向けて押し付け、前記導体と前記導体接続部とを電気的に接続させてもよい。
【0014】
この発明により、簡易な構成で、容易に導体挿通部の外部から押し付け機構に外力を作用させることができる。これにより、電線と端子との間でより安定した電気的接続を容易に得ることができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記突出部は、前記導体接続部よりも前記挿入口側に設けられてもよい。
この発明により、導体が突出部の挿入方向の先端側に押し付けられることとなる。このため、挿通方向と反対方向に向けて意図せぬ外力が電線に作用した場合でも、突出部に導体を係止させることができ、導体が挿通方向の反対側に移動することを確実に防止できる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記押し付け機構は、前記電線の挿入方向に向けて延出するとともに、前記導体を押し付ける導体押し付け部を弾性支持する弾性片で構成され、前記弾性片の基端は、前記導体接続部よりも前記挿入口側に設けられてもよい。
【0017】
この発明により、例えば挿通方向と反対方向に向けて意図しない外力が電線に作用した場合でも、導体押し付け部が挿通方向と反対方向に引っ張られるため、導体押し付け部が導体を導体接続部に押し付けることとなる。このため、電線が端子から抜出することを防止できるとともに、端子と電線との電気的な接続を維持できる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記突出部が、前記弾性片の基端と前記導体接続部との間に設けられてもよい。
この発明により、弾性片と突出部とで導体を挟み込むことができるため、電線保持力を向上させることができる。また、導体接続部と突出部との距離が近いため、導体挿通部において、導体の傾きを大きくすることができる。これにより、確実に導体を突出部に押し付けることができる。
【0019】
さらにまた、突出部と導体接続部との間の導体が急勾配で配置されるため、勾配が緩やかな場合と比べて、挿入方向と反対方向に向けて外力が電線に作用した場合でも、電線を移動させる力をより小さくできるとともに、導体が突出部に係止する力をより大きくすることができる。したがって、より確実に端子の電線保持力を向上させることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記導体接続部は、前記電線の挿入方向の端部周辺に比べ前記突出方向に向けて底上げされてもよい。
この発明により、導体接続部と押し付け機構との距離が近くなるため、導体接続部に導体を押し付けやすくでき、より確実に電線と端子との電気的接続を確保することができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記突出部の先端側には、前記導体の外径よりも幅広な空間が設けられてもよい。
この発明により、より容易かつ確実に導体を突出部の突出方向の先端側に挿通させることができる。したがって、押し付け機構で導体を押し付けた際に、押し付け機構と突出部とで導体を確実に保持することができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記突出部の先端側に配置された前記導体の中心軸と、前記押し付け機構により前記導体接続部と電気的に接続した前記導体の中心軸との間隔が、前記導体の外径以上の長さとなるように構成されてもよい。
【0023】
この発明により、導体接続部に接続した導体の中心軸と、突出部の先端側における導体の中心軸とが、突出方向に対して電線の外径以上の変位を有するため、導体挿通部において、導体を確実に傾斜させることができる。これにより、確実に導体を突出部に押し付けることができ、また電線の挿入方向と逆方向に向けて外力が作用した場合でも、導体が確実に突出部に位置規制されるため、端子は電線を確実に保持することができる。
【0024】
またこの発明は、上述の接続構造体と、前記端子を収納する収納部を有するハウジングとで構成され、前記収納部を構成する壁部は、前記押し付け機構に対して前記押し付け方向に向けた外力を作用させるハウジング付接続構造体であることを特徴とする。
【0025】
前記ハウジングは、コネクタの一部である場合や、端子に組み付ける別部材である場合を含む。
また前記収納部は、端子全体を収納する構成や、端子における導体挿通部の一部または全部を収納する構成を含む。
【0026】
なお、端子を収納部に収納するとは、押し付け機構を壁部で押し付けることができればどのような構成でもよく、例えば、端子を収納部に対してスライドさせて収納する場合や、押し付け方向に沿ってハウジングを組み付けることにより端子を収納する場合などを含む。
【0027】
この発明によると、ハウジングに備えた収納部に端子を収納させる工程で、電線を端子に保持させることができる。これにより、電線を端子に保持させる工程を削減することができ、作業効率を向上させることができる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記ハウジングは、前記電線を挿入する電線挿入部を、前記収納部の収納口とは反対側に備え、前記電線挿入部に対する前記電線の挿入軸と、前記端子に対する前記導体の挿入軸とが同軸に構成されてもよい。
【0029】
この発明によると、ハウジングの外部から端子に挿入する電線の挿入性を向上させることができる。すなわち、ハウジングの外部から収納部に収納された端子に電線を確実に挿入することができるため、端子をハウジングに収納した状態で、電線と端子とを確実に電気的に接続することができる。
【0030】
またこの発明の態様として、前記ハウジングは、前記電線を挿入する電線挿入部を、前記収納部の収納口とは反対側に備え、前記電線挿入部に、前記電線の長手方向と交差する方向に向けて前記電線を押し付ける電線押し付け部材が備えられてもよい。
【0031】
この発明によると、端子に保持された電線をハウジング内でさらに保持することができる。これにより、電線が端子から抜かれることをより確実に防止することができる。
【0032】
さらにまたこの発明は、導体を有する電線と、挿入口から挿入された前記電線の前記導体を挿通する中空状の導体挿通部を備えた端子とを接続させた接続構造体であって、前記導体挿通部は、挿入された前記導体と電気的に接続される導体接続部と、前記導体挿通部に挿通された前記導体を前記導体接続部に押し付ける押し付け機構と、前記導体を押し付ける押し付け方向と反対方向に向けて突出する突出部とが備えられ、少なくとも、前記突出部の突出方向の先端側を挿通するように、前記突出方向の先端側に前記導体を配置し、前記押し付け機構が前記導体を前記導体接続部に押し付けて接続させたことを特徴とする。
【0033】
この発明により、突出方向の先端側に寄せられた導体を、押し付け機構を用いて突出方向の反対側に押し付けることができる。これにより、導体挿通部の内部において、導体は、突出部の先端側に挿通された部位と導体接続部に押し付けられた部位とが、突出方向に沿って十分に変位したクランク状とすることができる。これにより、導体挿通部内において、導体を偏心させることができるため、導体に対して外力が作用した場合に、導体が突出部のエッジに引っ掛かることで保持される。したがって、導体を係止させることができ、電線を端子に保持することができる。
【発明の効果】
【0034】
この発明によれば、電線を保持する電線保持力を向上させることができる接続構造体、ハウジング付接続構造体、及び、端子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】メスコネクタの概略斜視図。
図2】電線とメスハウジングとメス型端子の分解斜視図。
図3】接続構造体の概略斜視図
図4】メス型端子の概略斜視図。
図5】メス型端子の断面図。
図6】メスハウジングの断面図。
図7】電線とメス型端子との接続構造を示す説明図。
図8】電線とメス型端子との接続構造を示す説明図。
図9】電線とメス型端子との接続構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
【0037】
図1は、メスコネクタ100の概略斜視図を示し、図2はメスハウジング付接続構造体1の分解斜視図を示し、図3は接続構造体10の概略斜視図を示す。図4はメス型端子30の概略斜視図を示し、図5はメス型端子30の断面図を示し、図6はハウジング40の断面図を示す。
【0038】
なお、図5はメス型端子30の縦断面図であり、図5(a)はメス型端子30の全体断面図を示し、図5(b)は図5(a)におけるα部の拡大図を示す。図6は、図2におけるA−A矢視断面図を示す。すなわち、図6は、メス型端子30が収納される部分、かつ電線20が挿入される部分を示す断面図である。
【0039】
図7及び図8は、メス型端子30に対して電線20を挿入し、電線20とメス型端子30とを電気的に接続する工程を示す説明図である。詳述すると、図7(a)はハウジング40にメス型端子30を仮固定した状態の断面図を示し、図7(b)はメス型端子30に電線20を挿入した状態の断面図を示す。なお、図7(c)及び図7(d)は図7(a)及び図7(b)におけるβ部の拡大図を示す。
【0040】
同様に、図8(a)はメス型端子30をハウジング40にスライド挿入した状態の断面図を示し、図8(b)は電線保持部43で電線20をハウジング40に保持させた状態の断面図を示す。図8(c)及び図8(d)は図8(a)及び図8(b)におけるβ部の拡大図を示す。
図9は、図8(b)におけるβ部の拡大図を示す。
【0041】
ここで、図2において、電線20の長手方に沿う方向を長手方向Lとし、図2中の長手方向Lに沿って右側を先端側Lf、左側を基端側Lbとする。なお、この方向は図1図3乃至図9においても同様とする。
【0042】
メスコネクタ100は、図1に示すように、基端側Lbから複数の電線20が延出しているとともに、先端側Lfに図示しないオスコネクタと連結可能に構成されている。このメスコネクタ100は、ハウジングケース110とハウジングケース110の内部に装着されたメスハウジング付接続構造体1とで構成されている。
【0043】
ハウジングケース110は、例えば偏平な略直方体状に形成されており、後面には、メスハウジング付接続構造体1を構成するハウジング40が収納可能なハウジング収納部111が設けられている。
【0044】
メスハウジング付接続構造体1は、図2及び図3に示すように、接続構造体10と、ハウジング40とで構成されている。
接続構造体10は、図2及び図3に示すように、導電性を有する電線20と、電線20を基端側Lbから挿入可能なメス型端子30とで構成されている。
【0045】
電線20は、図2に示すように、導電性を有する芯線で構成された導体21と、導体21の外周を被覆する絶縁被覆22とで構成されている。電線20の先端側Lfは、絶縁被覆22を所定の長さ分剥ぐことで導体21が露出している。
【0046】
メス型端子30は、図4にも示すように、全体として長尺状に形成された中空状の四角筒形である。このメス型端子30は、導体21を挿通する導体挿通部31と、オス型端子と接続する端子接続部32とを備えている。つまり、メス型端子30は長手方向Lの基端側Lbに導体挿通部31を、先端側Lfに端子接続部32を備えている。
【0047】
なお、メス型端子30は、必ずしも四角筒形である必要はなく、例えば円筒形や多角筒形などの他の形状であってもよい。また、メス型端子30は一例であり、例えば、導体挿通部31と端子接続部32との間に他の機能を有する部位が存在する構成であってもよく、形状やサイズについても本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形された構成としてもよい。
【0048】
導体挿通部31は、導体21と電気的に接続する部分であり、導体21を挿通できるように中空状の四角筒形に形成されている。導体挿通部31の内部の幅は、導体21の外径よりも長く、導体挿通部31の高さは、導体21の外径の2倍より少し長い長さとなっている。なお、導体挿通部31の基端側Lb端部には、導体21を挿入させる導体挿入口31aが設けられている。
【0049】
この導体挿通部31の上面部分には、図4及び図5に示すように、押し付け片33が備えられ、その先端には仮係止部34が備えられている。また、導体挿通部31の底面側には、図5に示すように、突出部35と、導体案内部36と、導体接続部37とが備えられている。
【0050】
押し付け片33は、弾性変形できるように構成された弾性片であり、導体挿通部31に挿入された導体21を導体接続部37に押し付けて、メス型端子30と電線20とを電気的に接続する。この押し付け片33は、メス型端子30の軸周りの外面である上面と底面と左右の側面のうちの上面の一部を切り起こして形成されており、導体挿通部31の外側に突出している。
【0051】
押し付け片33について詳述すると、押し付け片33は導体挿通部31の上面の先端部分を屈曲させて、先端が側面視略三角形状となるように形成されている。なお、押し付け片33は、基端から先端まで同一の幅で構成されている。
【0052】
この押し付け片33は、図4及び図5に示すように、弾性片部33aと、押し込み部33bとで構成されている。
弾性片部33aは、基端が導体挿通部31の上面と連結するとともに、先端側Lf斜め上方に向けて傾斜して延出した板状体であり、先端に押し込み部33bが一体に連結されている。また、弾性片部33aは中央部分が上方に凸状となるようにわずかに屈曲している。このように構成された弾性片部33aは、導体挿通部31よりも上部側に突出している。
【0053】
押し込み部33bは、押し付け片33の先端に設けられた側面視略三角形状の部分であり、導体挿通部31の上面のうちの一部分を切り起こした先端部分を導体挿通部31の内部側に向けて二回折り曲げて形成されている。なお、押し込み部33bは側面視において、略直角三角形状に形成されており、その高さは、導体挿通部31の高さの半分よりも長く、かつ導体挿通部31の高さよりも短くなるように構成されている。また、押し込み部33bの下端は導体挿通部31の上面と略同じ高さとなるように配置されている。
【0054】
このように構成された押し付け片33は、押し込み部33bを弾性片部33aが弾性支持しており、弾性片部33aの上面側に下向きの外力が作用することにより、押し込み部33bを下方に移動できるように構成されている。
【0055】
仮係止部34は、押し付け片33の先端側Lfに備えられた、弾性変形可能な弾性片である。詳述すると、仮係止部34は、端子接続部32の長手方向Lの基端側Lbにおいて、側面視三角形状に形成されており、上方に向けてわずかに突出している。この仮係止部34の突出高さは、押し付け片33の突出高さよりも低い。また、仮係止部34の幅は長手方向Lの全体にわたって同一である。
【0056】
突出部35は、弾性片部33aの基端部分の下方において、導体挿通部31の底面から押し付け片33の移動方向と逆方向である上方に向けて突出している。突出部35の高さは、導体挿通部31の高さの半分である。すなわち、突出部35の高さは導体21の外径よりも少し高くなっており、導体挿通部31の上面の内壁と突出部35の上面との間のクリアランスは導体21の外径よりも大きくなっている。
【0057】
また、突出部35の幅の長さは、導体挿通部31の幅と同じ長さである。すなわち、突出部35の突出方向の先端側(上方側)には、導体21の外径よりも幅広い空間が設けられている。
なお、突出部35は、四角筒形の導体挿通部31を構成する一対の側面の一部分を、導体挿通部31の内部に折り曲げて形成している。
【0058】
導体案内部36は、図5に示すように、突出部35の基端側Lbにおいて、軸周りの外面である上面と底面と左右の側面のうちの底面の一部を切り起こして形成されており、導体挿通部31の内側に向けて延出している。
【0059】
詳述すると、導体案内部36は、基端が導体挿通部31の底面と連結するとともに、先端側Lf斜め上方に向けて延出している基端傾斜部36aと、基端傾斜部36aの先端から導体挿通部31の長手方向Lに沿う先端平坦部36bとで構成されている。先端平坦部36bの先端は、弾性片部33aの基端に対応する位置に配置されている。
【0060】
また、先端平坦部36bの先端の高さは、突出部35の高さと同じである。したがって、先端平坦部36bの上方に形成される空間は、導体21の外径と略同じ長さの幅と高さを有する。すなわち、突出部35と導体案内部36の上方には導体21を挿通可能な挿通空間Sが形成されている。
【0061】
このように構成された導体案内部36は、突出部35の導体挿入口31a側に配置されており、後述するように、導体21を導体挿通部31に挿入させた際に、導体21を突出部35の突出方向の先端側(上方)に案内することができる。
【0062】
導体接続部37は、押し付け片33で押し付けられた導体21と接触する部位である。この導体接続部37は、突出部35の長手方向Lの先端側Lfから弾性片部33aよりも先端側Lfに亘って、導体挿通部31の底面の内壁に形成されたセレーションである。なお、図5図7図9において、導体接続部37を明確にするため、導体挿通部31の底面の上部に設けているように図示している。
また、導体接続部37が設けられている導体挿通部31の底面は、端子接続部32の底面よりも底上げされている。
【0063】
端子接続部32は、図示しないオス型端子の差込部を差し込んで、オス型端子と電気的に接続させる部分であり、導体挿通部31と同様に、中空状の四角筒形に形成されている。なお、端子接続部32の先端側Lf端部には、オス型端子の差込部を挿入させる端子挿入口32aが設けられている(図5(a)参照)。
【0064】
端子接続部32は、図4及び図5に示すように、上面に位置決め部38が備えられているとともに、対となる側面の一方に、オス型端子の差込部を押圧する端子押圧部39が備えられている。
【0065】
位置決め部38は、端子接続部32の端部から所定の長さだけ、上面の幅方向の略半分の領域において上方へ突出するように折り曲げて形成されている。位置決め部38の高さは押し付け片33の高さよりも高いが、後述するハウジング40における対応する端子収納部42に収まる高さである。
【0066】
ハウジング40は、メス型端子30を先端側Lfから収納するとともに、電線20を基端側Lbから挿入する筐体であり、長手方向L(すなわち、電線20の挿入方向)の長さに対して幅方向の長さの方が長い偏平な略直方体状に形成されている。ハウジング40の基端側Lbには、電線20を挿入する電線挿入部41が複数設けられている。一方、ハウジング40の先端側Lfには、電線挿入部41に対向する位置にメス型端子30を収納する端子収納部42が設けられている。
【0067】
電線挿入部41は、長手方向Lに沿って所定の長さの断面円形の穴部で構成されている。この電線挿入部41の基端側Lbの外径は電線20の外径と略等しく、また電線挿入部41の穴部の先端部分は、径が先端側Lfほど小さくなる縮径部41aと、電線20のうちの導体21が通る小径部41bを有している。
【0068】
また、電線挿入部41の主面の外側には、電線保持部43が電線挿入部41の幅方向に沿って設けられている(図2参照)。電線保持部43は、図5に示すように、電線挿入部41の外部から押し込むことで内部に向けて移動可能に構成された押し込み部材43aと、電線挿入部41に設けられた被嵌合部43bとで構成されている。
【0069】
押し込み部材43aは、図6に示すように、ハウジング40の内側に向けて突出している。この押し込み部材43aの突出量は、ハウジング40のハウジング上面40a及びハウジング下面40bの板厚のおよそ二倍となるように構成されている。
被嵌合部43bは、電線挿入部41の主面に形成された貫通孔であり、押し込み部材43aを嵌合可能に構成されている。
【0070】
このように構成された電線保持部43は、押し込み部材43aを被嵌合部43bに嵌め込むことができる。この場合、押し込み部材43aの底面部分は、電線挿入部41の高さの半分程度の位置に配置される。
【0071】
端子収納部42は、電線挿入部41の小径部41bの先に連続して形成されており、断面形状はメス型端子30を挿入できる断面略四角形である。また、先端側Lfにはメス型端子30を挿入する端子収納口42aが設けられている。なお、長手方向Lに対する端子収納部42の長さはメス型端子30の長手方向Lに対する長さに対応している。
【0072】
この電線挿入部41と端子収納部42は、ハウジング40の一部を除いて厚み方向において上下二段に形成されている。そして、上段と下段の電線挿入部41及び端子収納部42は、メス型端子30がそれぞれ上下逆さまに挿入される形状である。すなわち、上段では、ハウジング40のハウジング上面40aがメス型端子30の上面に対応する面となる。また下段では、ハウジング40のハウジング下面40bがメス型端子30の上面に対応する面となる。
【0073】
端子収納部42のハウジング上面40a及びハウジング下面40bには、メス型端子30の押し付け片33が嵌る押付片貫通穴44と、仮係止部34が嵌る係止突起貫通穴45と、位置決め部38が収まる切り欠き部46が形成されている。
【0074】
押付片貫通穴44は、メス型端子30を端子収納部42に途中まで挿入したときに押し付け片33が嵌る位置に形成された貫通孔である。具体的には、押付片貫通穴44は位置決め部38を端子収納部42から露出させた状態において押し付け片33に対応する位置に形成されている。
【0075】
係止突起貫通穴45は、押し付け片33が押付片貫通穴44に嵌っている状態で仮係止部34に対応する位置に設けられた先端側係止穴45aと、メス型端子30を端子接続部32の先端まで収納した状態で仮係止部34に対応する位置に設けられた基端側係止穴45bとで構成される。
【0076】
切り欠き部46は、端子収納部42の先端から位置決め部38に対応する長さの範囲にわたって形成されている。切り欠き部46より前方部分のハウジング上面40a及びハウジング下面40bには、後端ほど下がる傾斜面で構成されている。
【0077】
なお、メス型端子30の底面に対応する中央部40cは、基端側Lbが先端側Lfよりも厚くなっている。詳述すると、導体挿通部31に対応する基端側中央部40dの板厚が、端子接続部32に対応する先端側中央部40eの板厚に比べて厚くなっている。
【0078】
また、中央部40cのうち、電線保持部43に対応する箇所は、ハウジング40の高さ方向の中央に向けて窪んだ凹部40fが設けられている。凹部40fの長手方向Lの長さは、押し込み部材43aの長手方向Lの長さよりも一回り長くなっている。
【0079】
次に、このように構成された電線20及びメス型端子30を接続する方法について、図7及び図8に基づいて簡単に説明する。
まず、図7(a)に示すように、導体挿通部31を基端側Lbに向けたメス型端子30をハウジング40の先端から基端側Lbに向けて挿入する。このときメス型端子30は奥まで挿入せずに、その手前で保持する。すなわち、押し付け片33が押付片貫通穴44に嵌まった状態(図7(c)参照)であり、仮係止部34が先端側係止穴45aに嵌まった状態とする。
【0080】
次に、ハウジング40の基端から電線20を先端側Lfに向けて挿入する。ここで、電線挿入部41の内径と略等しい外径を有する電線20が電線挿入部41に挿入することで、電線20の先端側Lfに露出させた導体21が小径部41bを挿通させることができる。
【0081】
ここで、小径部41bの先端側Lfには、端子収納部42に仮固定されたメス型端子30の端子挿入口32aが配置されている。詳しくは、長手方向Lに沿った小径部41bの中心軸は、端子収納部42に配置された導体挿通部31の挿通空間Sを通っている。このため、小径部41bを挿通した導体21は、小径部41bの先端側Lfに嵌め込まれた導体挿通部31に挿通される。
【0082】
詳しくは、図7(b)に示すように、導体21は、導体案内部36に案内されて挿通空間Sを挿通する。なお、導体21の先端は押し付け片33の先端を越えた位置に配置される(図7(d)参照)。
【0083】
このように、導体21を導体挿通部31に挿通させた状態において、メス型端子30を基端側Lbに押し込むことで、図8(a)及び図8(c)に示すように、押し付け片33が端子収納部42を構成する内壁と干渉し、下方に押し付けられる。これにより、押し込み部33bが導体挿通部31の内部に押し込まれて、導体21を導体接続部37に押し付けることとなる。
【0084】
また、導体21が突出部35に位置規制されることで、導体21は側面視においてクランク状に湾曲されることとなる。これにより、導体21が押し付け片33と導体接続部37とに保持されるとともに、押し付け片33により突出部35に押し付けられる。したがって、メス型端子30は電線20を確実に保持することができる。
【0085】
続いて、上述の電線20を保持させつつメス型端子30をハウジング40に収納する工程を、ハウジング40に設けられた複数の電線挿入部41及び端子収納部42に対して繰り返し行う。その後、図8(b)に示すように、押し込み部材43aを電線挿入部41の内側に嵌め込んで、電線保持部43で絶縁被覆22を挟み込む。これにより、電線挿入部41において絶縁被覆22が側面視クランク状に形成されるため、電線20の挿入方向と反対方向(基端側Lb)に向けて外力Fが作用したとしても、導体21が導体挿通部31から抜出することを確実に防止できる。
【0086】
なお、本実施形態では、電線保持部43による電線20の挟み込みを、端子収納部42にメス型端子30を収納した後で行っているが、メス型端子30を仮固定している状態で電線保持部43による電線20の挟み込みを行っても構わない。この場合、導体挿通部31に挿通された導体21を固定することができるため、確実に導体21を導体接続部37に押し付けることができる。
【0087】
また、電線20に対して電線20の挿入方向と反対方向に外力Fが作用した場合について、図9に基づいて簡単に説明する。
導体21は、図9に示すように、突出部35と導体接続部37との間で傾斜した状態で保持されている。この状態で、電線20に対して電線20の挿入方向と反対方向に外力Fが作用した場合、外力Fは、導体21の移動する方向に作用する移動外力F1と、移動外力F1に直交する直交外力F2とに分解される。
【0088】
突出部35の高さは導体21の外径よりもわずかに高くなっている。このため、突出部35の突出方向(上方)の先端に形成された挿通空間Sを挿通する導体21の中心軸L1と、導体接続部37と接触した導体21の中心軸L2との間隔D(突出部35の突出方向(上下方向)に沿った長さ)は、導体21の外径以上となる。
【0089】
このため、突出部35と導体接続部37との間で導体21を急勾配に傾斜させることができる。これにより、導体21を移動させる方向に作用する移動外力F1は小さくなるとともに、突出部35の方向に作用する直交外力F2が大きくなる。したがって、電線20に対して外力Fを作用させた場合であっても、導体21は突出部35に押し付けられ、電線20の挿通方向の反対方向へ移動することがより確実に防止される。
【0090】
このように構成された接続構造体10は、導体21を有する電線20と、導体挿入口31aから挿入された電線20の導体21を挿通する中空状の導体挿通部31を備えたメス型端子30とを接続させて構成されている。この導体挿通部31は、挿入された導体21と電気的に接続される導体接続部37と、導体挿通部31に挿通された導体21を導体接続部37に押し付ける押し付け片33とを備えている。また、導体挿通部31は、導体21を押し付ける押し付け方向(下方)と反対方向に向けて突出する突出部35と、突出部35よりも導体挿入口31a側に配置されるとともに、突出部35の突出方向の先端側(上方)に導体21を案内する導体案内部36とが備えられている。そして、突出部35の突出方向の先端側(上方)に挿通させた導体21を、押し付け片33が導体接続部37に押し付けて接続させることで、導体案内部36を介して突出方向(上方)に寄せられた導体21を、押し付け片33を用いて突出方向(上方)の反対側に押し付けることができる。
【0091】
これにより、導体21は、導体挿通部31の内部において、突出部35の先端側に挿通された部位と導体接続部37に押し付けられた部位とが、突出方向(上方)に沿って十分に変位したクランク状となる。これにより、導体挿通部31内において、導体21を偏心させることができるため、導体21に対して外力Fが作用した場合に、導体21が突出部35のエッジに引っ掛かることで保持される。したがって、導体21を係止させることができ、電線20をメス型端子30に保持することができる。
【0092】
すなわち、導体挿通部31の内部において導体21を偏心させることにより、導体挿通部31の内部において導体21を十分な角度で傾斜させることができるため、導体21は傾いた状態で突出部35に押し付けられることとなる。このため、挿入方向と反対方向の外力Fが導体21に作用しても、導体21を挿入方向と反対方向に移動させる力が小さくなるように外力Fを分解できるとともに、導体接続部37と突出部35とに導体21を押し付けることができる。これにより、挿入方向と反対方向に外力Fが作用した場合に導体21が突出部35のエッジに引っ掛かることで保持され、このため、導体挿通部31内に導体21を保持できる。したがって、電線20を保持する電線保持力を向上させることができ、電線20とメス型端子30との間でより安定した電気的接続を得ることができる。
【0093】
また、押し付け片33は、導体挿通部31の外部に突出した弾性片部33aが備えられ、外力の作用によって、弾性片部33aを導体挿通部31の内部に向けて押し付け、導体21と導体接続部37とを電気的に接続させる。これにより、簡易な構成で、容易に導体挿通部31の外部から押し付け片33に外力を作用させることができる。これにより、電線20とメス型端子30との間でより安定した電気的接続を容易に得ることができる。
【0094】
さらにまた、突出部35は、導体接続部37よりも導体挿入口31a側に設けられているため、導体21が突出部35の先端側に押し付けられることとなる。このため、電線20の挿通方向と反対方向に向けて意図せぬ外力Fが電線20に作用した場合でも、突出部35に導体21を係止させることができ、導体21が挿通方向の反対側に移動することを確実に防止できる。
【0095】
また、押し付け片33は、電線20の挿入方向に向けて延出するとともに、導体21を押し付ける押し込み部33bを弾性支持する弾性片部33aで構成され、弾性片部33aの基端は、導体接続部37よりも導体挿入口31a側に設けられている。これにより、例えば挿通方向と反対方向に向けて意図しない外力Fが電線20に作用した場合でも、押し込み部33bが挿通方向と反対方向に引っ張られる。このため、押し込み部33bが導体21を導体接続部37に押し付けることとなり、電線20がメス型端子30から抜出することを防止できるとともに、メス型端子30と電線20との電気的な接続を維持できる。
【0096】
また、突出部35が、弾性片部33aの基端と導体接続部37との間に設けられていることにより、押し付け片33と突出部35とで導体21を挟み込むことができるため、電線保持力を向上させることができる。また、導体接続部37と突出部35との距離が近いため、導体挿通部31において、導体21の傾きを大きくすることができる。これにより、確実に導体21を突出部35に押し付けることができる。
【0097】
さらにまた、突出部35と導体接続部37との間の導体21が急勾配で配置される。このため、勾配が緩やかな場合と比べて、挿入方向と反対方向に向けて外力Fが作用した場合でも、図9に示すように、電線20を移動させる移動外力F1を小さくできるとともに、導体21が突出部35に係止する力(直交外力F2)を大きくすることができる。したがって、より確実にメス型端子30の電線保持力を向上させることができる。
【0098】
また、導体接続部37は、電線20の挿入方向の端部周辺に比べ突出方向(上方)に向けて底上げされていることにより、導体接続部37と押し付け片33との距離が近くなる。このため、導体接続部37に導体21を押し付けやすくできるため、より確実に電線20とメス型端子30との電気的接続を確保することができる。
また、対応する基端側中央部40dに板厚を厚くできるため、ハウジング40の剛性を向上させることができる。
【0099】
さらにまた、突出部35の先端側には、導体21の外径よりも幅広な空間が設けられていることにより、より確実に導体21を突出部35の突出方向(上方)の先端側に挿通させることができる。したがって、押し付け片33で導体21を押し付けた際に、押し付け片33と突出部35とで導体21を確実に保持することができる。
【0100】
また、図9に示すように、突出部35の先端側に配置された導体21の中心軸L1と、押し付け片33により導体接続部37と電気的に接続した導体21の中心軸L2との間隔Dが、導体21の外径以上の長さとなる。これにより、導体接続部37に接続した導体21の中心軸L2と、突出部35の先端側における導体21の中心軸L1とが、突出方向(上下方向)に対して電線20の外径以上の変位を有する。このため、導体挿通部31において、導体21を確実に傾斜させることができ、確実に導体21を突出部35に押し付けることができる。また電線20の挿入方向と逆方向に向けて外力Fが作用した場合でも、確実に導体21が突出部35に位置規制されるため、メス型端子30は電線20を確実に保持することができる。
【0101】
また、上述の接続構造体10と、メス型端子30を収納する端子収納部42を有するハウジング40とで構成されているメスハウジング付接続構造体1は、端子収納部42を構成する壁部が、押し付け片33に対して押し付け方向(下方)に向けた外力を作用させることを特徴とする。これにより、ハウジング40に備えた端子収納部42にメス型端子30を収納させる工程で、電線20をメス型端子30に保持させることができる。これにより、電線20をメス型端子30に保持させる工程を削減することができ、作業効率を向上させることができる。
【0102】
また、ハウジング40は、電線20を挿入する電線挿入部41を、端子収納部42の端子収納口42aとは反対側に備えている。そして、電線挿入部41に対する電線20の挿入軸と、端子収納部42に収納するメス型端子30に対する導体21の挿入軸とが同軸に構成されたメスハウジング付接続構造体1である。
【0103】
このため、ハウジング40の外部からメス型端子30に挿入する電線20の挿入性を向上させることができる。すなわち、ハウジング40の外部から端子収納部42に収納されたメス型端子30に電線20を確実に挿入することができるため、メス型端子30をハウジング40に収納した状態で、電線20とメス型端子30とを確実に電気的に接続することができる。
【0104】
また、ハウジング40は、電線挿入部41に、電線20の長手方向Lと交差する方向に向けて電線20を押し付ける電線保持部43が備えられている。この電線保持部43により、導体挿入口31aよりも挿通方向の反対方向側において、メス型端子30に保持された電線20をハウジング40内でさらに保持することができる。したがって、電線20がメス型端子30から抜かれることをより確実に防止することができる。
【0105】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の導体は、導体21に対応し、同様に、
電線は、電線20に対応し、
挿入口は、導体挿入口31aに対応し、
導体挿通部は、導体挿通部31に対応し、
端子は、メス型端子30に対応し、
接続構造体は、接続構造体10に対応し、
導体接続部は、導体接続部37に対応し、
押し付け機構は、押し付け片33に対応し、
突出部は、突出部35に対応し、
案内部は、導体案内部36に対応し、
外力作用部は、弾性片部33aに対応し、
導体押し付け部は、押し込み部33bに対応し、
収納部は、端子収納部42に対応し、
収納口は、端子収納口42aに対応し、
ハウジングは、ハウジング40に対応し、
電線挿入部は、電線挿入部41に対応し、
電線押し付け部材は、電線保持部43に対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0106】
例えば、本実施形態において、端子に対応しているメス型端子30は必ずしもメス型である必要はない。メス型端子30は、電線20と電気的に接続できればよく、例えば、端子として、導体挿通部31と同じ構成を先端側Lfに備えるとともに、基端側Lbに端子接続部32に対して差し込み可能な構成を備えたオス型端子であってよい。
【0107】
また、押し付け片33は、押し付け片33が移動する方向と導体21を押し付ける押し付け方向(下方)とが一致している構成のみならず、押し付け片33が移動する方向(下方)と導体21を押し付ける押し付け方向とが交差する構成を含む。すなわち、押し付け片33が下方側に移動し、導体21を導体挿通部31の側面に設けた導体接続部37に接続させる構成としてもよい。
【0108】
また、本実施形態において、ハウジング40は、コネクタの一部であるハウジングに対応しているが、必ずしもハウジングである必要はない。例えば、メス型端子30の導体挿通部31に組み付けて導体挿通部31を保護する別部材などであってもよい。
なお、端子収納部42は、メス型端子30全体を収納する構成に限らず、導体挿通部31の一部を収納する構成としてもよい。
【0109】
また、メス型端子30を端子収納部42に収納する際に、メス型端子30を端子収納部42に対してスライドさせて収納する構成としているが、この構成に限らない。押し付け片33を壁部で押し付けることができれば端子収納部42にメス型端子30を収納する方法は特に限定はなく、例えば、押し付け方向(下方)に沿ってハウジング40を組み付けることによりメス型端子30を収納してもよい。
【0110】
さらにまた、本実施形態では、導体案内部36を用いて電線20を突出部35の突出方向の先端側(上側)に配置できるように構成されている。しかしながら、電線20を突出部35の突出方向の先端側(上側)に配置する方法は、導体案内部36に限定されず、例えば、電線20を突出部35の突出方向の先端側(上側)に寄せて挿通させる構成としてもよい。導体挿入口31aが突出部35の突出方向の先端側(上側)のみ開口している構成としてもよい。
【0111】
これにより、突出部35の突出方向の先端側(上側)に配置させた導体21を、導体21を押し付け片33で導体接続部37に押し付けて接続させることができる。このとき、導体21を、突出部35に対応する箇所と、導体接続部37に対応する箇所とで偏心したクランク状とすることができる。したがって、導体21に対して外力が作用した場合に、導体21が突出部35のエッジに引っ掛かることで保持される。したがって、導体21を係止させることができ、電線20をメス型端子30に保持することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 メスハウジング付接続構造体
10 接続構造体
20 電線
21 導体
30 メス型端子
31 電線挿通部
31a 導体挿入口
33 押し付け片
33a 弾性片部
33b 押し込み部
35 突出部
36 導体案内部
37 電線接続部
40 ハウジング
41 電線挿入部
42 端子収納部
42a 端子収納口
43 電線保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9