特開2021-84866(P2021-84866A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-84866(P2021-84866A)
(43)【公開日】2021年6月3日
(54)【発明の名称】芳香族アルコール類の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 29/132 20060101AFI20210507BHJP
   C07C 33/26 20060101ALI20210507BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20210507BHJP
【FI】
   C07C29/132
   C07C33/26
   C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-213486(P2019-213486)
(22)【出願日】2019年11月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小池 弘文
(72)【発明者】
【氏名】澤野 直人
(72)【発明者】
【氏名】吉井 政之
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC41
4H006BA25
4H006BA55
4H006BD10
4H006BE20
4H006FC52
4H006FE11
4H039CA60
4H039CB40
(57)【要約】
【課題】アルミナ担持遷移金属触媒の存在下、芳香族過酸化物類の水素化反応を、アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で行う場合に、濾過器の目詰まりを減少させ、生産効率を向上させることができる芳香族アルコール類の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】芳香族過酸化物類、アルカリ金属、及び有機溶媒を含む原料組成物を水洗浄する水洗浄工程を含めることにより前記課題を解決する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族過酸化物類、アルカリ金属、及び有機溶媒を含む組成物を水洗浄する水洗浄工程と、
アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で、前記水洗浄工程にて水洗浄された組成物中の前記芳香族過酸化物類を、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下で水素化する水素化工程と、
を含む、芳香族アルコール類の製造方法。
【請求項2】
前記水洗浄工程にて水洗浄された前記組成物のアルカリ金属濃度は、0.0005mmol/kg以上0.18mmol/kg以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記芳香族過酸化物類が、(ヒドロペルオキシイソプロピル)(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン、又はこれらの混合物であり、前記水素化工程により得られる芳香族アルコール類の主成分が、ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンである、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記芳香族過酸化物類が、1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンであり、前記水素化工程により得られる芳香族アルコール類の主成分が、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記アルカリ金属が、ナトリウムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記遷移金属が、パラジウム、ニッケル、及び白金から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は芳香族アルコール類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(ヒドロペルオキシイソプロピル)(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンを主成分とするメチルイソブチルケトン溶液である原料液を、遷移金属触媒の存在下、液相で水素化反応に付し、ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンを製造する方法は公知である(特許文献1参照)。特許文献1には、パラジウム触媒の活性を長期間にわたって維持することを目的として、水素化反応を所定の条件下で行うビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−194411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術には、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下、芳香族過酸化物類の水素化反応を、アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で行う場合に、反応時間の経過とともに、濾過器が目詰まりを起こすという問題がある。濾過器が目詰まりを起こすと、差圧の上昇により反応液を抜き出しにくくなることから、目詰まりを解消するためにプラントを止める必要があり、生産効率が低下するという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下、芳香族過酸化物類の水素化反応を、アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で行う場合に、濾過器の目詰まりを減少させ、生産効率を向上させることができる芳香族アルコール類の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の[1]〜[6]に示す発明を含む。
【0007】
[1]芳香族過酸化物類、アルカリ金属、及び有機溶媒を含む組成物を水洗浄する水洗浄工程と、アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で、前記水洗浄工程にて水洗浄された組成物中の前記芳香族過酸化物類を、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下で水素化する水素化工程と、を含む、芳香族アルコール類の製造方法。
【0008】
[2]前記水洗浄工程にて水洗浄された前記組成物のアルカリ金属濃度は、0.0005mmol/kg以上0.18mmol/kg以下である、[1]に記載の製造方法。
【0009】
[3]前記芳香族過酸化物類が、(ヒドロペルオキシイソプロピル)(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン、又はこれらの混合物であり、前記水素化工程により得られる芳香族アルコール類の主成分が、ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンである、[1]又は[2]に記載の製造方法。
【0010】
[4]前記芳香族過酸化物類が、1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンであり、前記水素化工程により得られる芳香族アルコール類の主成分が、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンである請求項[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
【0011】
[5]前記アルカリ金属が、ナトリウムである、請求項[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
【0012】
[6]前記遷移金属が、パラジウム、ニッケル、及び白金から選ばれる少なくとも1つである、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施形態に係る芳香族アルコール類の製造方法は、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下、芳香族過酸化物類の水素化反応を、アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で行う場合に、濾過器の目詰まりを減少させ、生産効率を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に関して、詳細に説明する。尚、本出願において、「A〜B」とは、「A以上、B以下」であることを示している。
【0015】
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、濾過器の目詰まりは、アルミナ担持遷移金属触媒に由来するものであることを見出した。そして、原料液である、芳香族過酸化物類の有機溶媒溶液中に含まれているアルカリ金属により濾過器の目詰まりが生じることをつきとめた。そして、かかる知見に基づき、原料液である、アルカリ金属を含む芳香族過酸化物類の有機溶媒溶液、言い換えれば、芳香族過酸化物類、アルカリ金属、及び有機溶媒を含む組成物を水洗浄した後、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下、水素化反応を行ったところ、フィルターの目詰まりを減少させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0016】
即ち、本発明の一実施形態に係る芳香族アルコール類の製造方法は、芳香族過酸化物類、アルカリ金属、及び有機溶媒を含む組成物を水洗浄する水洗浄工程と、アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で、前記水洗浄工程にて水洗浄された組成物中の前記芳香族過酸化物類を、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下で水素化する水素化工程と、を含む。
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る芳香族アルコール類の製造方法について、〔1.1〕 水洗浄工程、〔1.2〕 水素化工程、〔1.3〕その他の工程の順に説明する。
【0018】
〔1.1〕 水洗浄工程
本発明の一実施形態に係る芳香族アルコール類の製造方法は、芳香族過酸化物類、アルカリ金属、及び有機溶媒を含む組成物を水洗浄する水洗浄工程を含む。
【0019】
(芳香族過酸化物類)
本発明の一実施形態において、前記芳香族過酸化物類は、ヒドロペルオキシ基を有する芳香族化合物であれば特に限定されるものではなく、単一の化合物からなる物質であっても、2種類以上の化合物を含む混合物からなる物質であってもよい。中でも、前記芳香族過酸化物類は、ヒドロペルオキシ基を有する炭化水素基が少なくとも1つ、環構成炭素に結合している芳香族化合物であることがより好ましい。前記ヒドロペルオキシ基を有する炭化水素基は少なくとも1つ、環構成炭素に結合していればよく、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ結合していてもよい。前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよいが、飽和炭化水素基であることがより好ましい。前記炭化水素基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、環状であってもよい。前記炭化水素基は、炭素数が1〜8であればよいが、2〜8であることがより好ましく、2〜6であることがさらに好ましく、2〜5であることが特に好ましい。前記炭化水素基は、特に好ましくは、炭素数2〜5のアルキル基である。前記芳香族化合物も特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等を挙げることができる。ヒドロペルオキシ基を有する炭化水素基は、炭化水素基のどの炭素原子で環構成炭素に結合していてもよい。
【0020】
前記芳香族化合物は、他の置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。前記他の置換基としては、ヒドロキシ基を有する炭化水素基、ハロゲンを有する炭化水素基、ニトロ基を有する炭化水素基、アミノ基を有する炭化水素基、カルボニル基を有する炭化水素基、アルコキシ基を有する炭化水素基等を挙げることができる。これらの他の置換基の、1種類又は2種類以上が、前記芳香族化合物の環構成炭素に結合しうる。前記芳香族化合物の環構成炭素に結合しうる前記他の置換基の数も特に限定されるものではなく、1種又は2種以上で、合計置換数が1つ、2つ、3つ、4つ又は5つでありうる。
【0021】
前記芳香族化合物が、他の置換基として、ヒドロキシ基を有する炭化水素基を有している場合、前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよいが、飽和炭化水素基であることがより好ましい。前記炭化水素基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、環状であってもよい。また、前記炭化水素基は、炭素数が1〜8であればよいが、2〜8であることがより好ましく、2〜6であることがさらに好ましく、2〜5であることが特に好ましい。前記炭化水素基は、特に好ましくは、炭素数2〜5のアルキル基である。ヒドロキシ基を有する炭化水素基は、炭化水素基のどの炭素原子で環構成炭素に結合していてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記芳香族過酸化物類のより好ましい一例としては、例えば、(ヒドロペルオキシイソプロピル)(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン、又はこれらの混合物を挙げることができる。これらは、オルト体、メタ体及びパラ体のいずれでもよく、それらの混合物でもよい。
【0023】
前記芳香族過酸化物類のより好ましい一例としては、例えば、1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0024】
また、本発明の一実施形態において、前記芳香族過酸化物類のより好ましい一例としては、例えば、(ヒドロペルオキシイソプロピル)(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンを主成分として含む芳香族過酸化物類を挙げることができる。ここで、本明細書において、「主成分として」とは、芳香族過酸化物類全量に対して、50重量%以上、より好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは65重量%以上であることをいう。
【0025】
(アルカリ金属)
本発明の一実施形態において、アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、及びフランシウムからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0026】
(有機溶媒)
本発明の一実施形態において、前記有機溶媒は、特に限定されるものではないが、前記芳香族過酸化物類を溶解できるものであることがより好ましい。かかる有機溶媒としては、炭素数4〜10のケトン類、炭素数4〜10のエーテル類、炭素数4〜8のアルコール類等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、前記有機溶媒は、メチルイソブチルケトンであることが特に好ましい。
【0027】
(組成物)
本発明の一実施形態において、前記芳香族過酸化物類、前記アルカリ金属、及び前記有機溶媒を含む組成物は、後述する水素化工程により芳香族アルコール類を製造するための原料液である。
【0028】
前記組成物は、水素化反応の観点から、前記芳香族過酸化物類を0.1重量%以上50重量%以下含むことが好ましい。前記芳香族過酸化物類の濃度が0.1重量%以上であれば反応器を過度に大きくする必要がないため好ましい。また、前記芳香族過酸化物類の濃度が50重量%以下であれば前記芳香族過酸化物類が十分に溶解するため反応性の点で好ましい。前記組成物に含まれる前記芳香族過酸化物類の含有量の下限はより好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上である。また、前記組成物に含まれる前記芳香族過酸化物類の含有量の上限はより好ましくは45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下である。
【0029】
本発明の一実施形態において、前記芳香族過酸化物類が、例えば1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンを主成分として含む芳香族過酸化物類である場合、前記組成物として、例えば、後述する「(芳香族過酸化物類製造工程)」に記載の方法により得られる反応液を用いることができる。
【0030】
(水洗浄)
本発明の一実施形態において、水洗浄工程にて用いる水洗浄の方法は特に限定されるものではなく、操作方式は、バッチ方式でも連続方式でも良い。水洗浄には、例えば、混合装置及び油水分離装置を備えた装置を用いることができる。前記混合装置としては、例えば、撹拌機を備えた槽、前記組成物を輸送する撹拌機を備えた配管等を用いることができる。本工程において、混合装置及び油水分離装置を備えた装置を用いる場合は、前記混合装置にて、前記組成物と水とを撹拌下混合し、その後油水分離装置で、水相と油相とを分離した後、水相を油水分離装置から抜き出せばよい。
【0031】
或いは、水洗浄は、前記組成物を輸送する撹拌機を備えていない配管に水を供給して配管中で水洗浄する連続方式で行ってもよい。前述の連続方式で水洗浄を行う場合も、配管内で混合された前記組成物と水との混合物は、例えば油水分離装置で、水相と油相とを分離した後、水相を油水分離装置から抜き出せばよい。
【0032】
水の使用量は、アルカリ金属を効率的に除去する観点から、前記組成物に対し、0.001重量比以上が好ましく、0.01重量比以上がより好ましい。水の使用量の上限は、排水量の観点から、前記組成物に対し、5重量比以下が好ましく、3重量比以下がより好ましく、特に好ましくは0.02重量比以下である。
【0033】
水の温度は、省エネの観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下である。また、操作性の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上である。
【0034】
水洗浄の時間は、好ましくは1秒〜600分であり、より好ましくは10秒〜300分である。
【0035】
水洗浄は1回でも複数回でもよく、例えば2回、3回繰り返してもよい。
【0036】
本発明の一実施形態において、前記水洗浄工程にて水洗浄された前記組成物のアルカリ金属濃度は、好ましくは0.0005mmol/kg以上0.18mmol/kg以下であり、より好ましくは0.001mmol/kg以上0.18mmol/kg以下であり、さらに好ましくは0.005mmol/kg以上0.18mmol/kg以下であり、特に好ましくは0.01mmol/kg以上0.18mmol/kg以下であり、最も好ましくは、0.01mmol/kg以上0.05mmol/kg以下である。前記水洗浄工程にて水洗浄された前記組成物のアルカリ金属濃度が、前記の範囲内であれば、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下、水素化反応を、アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で行う場合に、濾過器の目詰まりを減少させ、生産効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0037】
〔1.2〕 水素化工程
本発明の一実施形態に係る芳香族アルコール類の製造方法は、アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で、前記水洗浄工程にて水洗浄された組成物中の前記芳香族過酸化物類を、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下で水素化する水素化工程を含む。
【0038】
本水素化工程は、水洗浄された組成物中の前記芳香族過酸化物類を水素化することにより芳香族アルコール類を含む反応液を得る工程である。
【0039】
本発明の一実施形態において、水素化は、アルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための濾過器を備えた装置の中で行う。これにより、得られた反応液を、アルミナ担持遷移金属触媒と分離して、連続的に芳香族アルコール類を含む反応液を得ることができる。前記濾過器の形態は特に限定されるものではないが、例えばフィルターであり、より好ましくは金属フィルターである。
【0040】
前記濾過器は、前記装置の反応容器内に備えられていても、反応容器外に備えられていてもよいが、反応容器内に備えられていることがより好ましい。前記濾過器が反応容器内に備えられていれば、分離したアルミナ担持遷移金属触媒を反応器内に戻す必要がない。それゆえ、装置の構造が複雑にならないため好ましい。
【0041】
本発明の一実施形態において、水素化は、アルミナ担持遷移金属触媒の存在下で行う。アルミナ担持遷移金属触媒とは、遷移金属触媒がアルミナに担持されてなる触媒であればよい。前記遷移金属触媒としては、特に限定されるものではないが、周期律表第8属の貴金属をより好適に用いることができる。かかる遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム、ニッケル、白金等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。即ち、前記遷移金属触媒は、パラジウム、ニッケル、及びプラチナから選ばれる少なくとも1つでありうる。中でも、パラジウム触媒が活性、選択性の観点から特に好ましく使用できる。アルミナ担体上の遷移金属触媒の担持濃度は、アルミナ担体の重量に対して通常0.01〜20重量%である。
【0042】
本発明の一実施形態において、水素化に用いる水素は純粋である必要はなく、窒素、二酸化炭素、メタン、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを含んでいてもよい。水素化の反応圧力は通常0〜10MPa(ゲージ圧)である。また、反応温度は通常20〜200℃であり、反応時間は通常1〜300分である。反応方法としては、液相での固定床流通反応、又は撹拌槽スラリー反応などで実施できるが、活性、選択性及び触媒寿命などの点から粉体触媒を用いる撹拌槽スラリー反応が好適である。アルミナ担持遷移金属触媒の形態としては、液相での固定床流通反応の場合は打錠、押出などにより成形したペレット触媒を用いることができ、撹拌槽スラリー反応の場合は粉体触媒又は前記のペレット触媒を用いることができる。撹拌槽スラリー反応の場合、触媒濃度は通常0.01〜10重量%の範囲である。
【0043】
本発明の一実施形態においては、水素化を撹拌槽スラリー反応において実施した場合に、本発明の効果が特に著しい。
【0044】
本発明の一実施形態において、本水素化工程で得られる芳香族アルコール類は、芳香環構成炭素以外の炭素にヒドロキシ基を有する芳香族化合物であれば特に限定されるものではなく、単一の化合物からなる物質であっても、2種類以上の化合物を含む混合物からなる物質であってもよい。中でも、前記芳香族アルコール類は、ヒドロキシ基を有する炭化水素基が少なくとも1つ、環構成炭素に結合している芳香族化合物であることがより好ましい。前記ヒドロキシ基を有する炭化水素基は少なくとも1つ、環構成炭素に結合していればよく、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ結合していてもよい。前記ヒドロキシ基を有する炭化水素基は2つ、環構成炭素に結合していることがより好ましい。前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよいが、飽和炭化水素基であることがより好ましい。前記炭化水素基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、環状であってもよい。前記炭化水素基は、炭素数が1〜8であればよいが、2〜8であることがより好ましく、2〜6であることがさらに好ましい。前記炭化水素基は、特に好ましくは、炭素数2〜5のアルキル基である。前記芳香族化合物も特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等を挙げることができる。ヒドロキシ基を有する炭化水素基は、炭化水素基のどの炭素原子で環構成炭素に結合していてもよい。
【0045】
本発明の一実施形態において、前記芳香族アルコール類のより好ましい一例としては、例えば、ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンを主成分として含む芳香族アルコール類を挙げることができる。ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンとしては、オルト体、メタ体及びパラ体のいずれでもよく、それらの混合物でもよい。
【0046】
中でも、前記芳香族アルコール類は、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンを主成分として含む芳香族アルコール類であることがより好ましい。
【0047】
〔1.3〕その他の工程
本発明の一実施形態に係る芳香族アルコール類の製造方法は、さらにその他の工程を含み得る。その他の工程としては、前記水洗浄工程に供する前記組成物に含まれる前記芳香族過酸化物類を製造する芳香族過酸化物類製造工程、及び、前記水素化工程にて得られた芳香族アルコール類を精製する後処理工程等を挙げることができる。
【0048】
(芳香族過酸化物類製造工程)
本発明の一実施形態において、芳香族過酸化物類製造工程は特に限定されるものではない。以下に、前記芳香族過酸化物類が、例えば1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンを主成分として含む場合を例に挙げて説明するが、芳香族過酸化物類製造工程はこれに限定されるものではない。
【0049】
例えば、以下に示す芳香族過酸化物類製造工程により得られる反応液を前記組成物として好適に用いることができる。
【0050】
前記芳香族過酸化物類製造工程により得られる反応液としては、メタジイソプロピルベンゼンを酸化反応に供すことにより1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼンを含む酸化反応液を得、さらに有機溶媒による抽出等により前記酸化反応液中の1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼンを分離後、1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼンを分解反応に供すことによりレゾルシンを得る工程において、該酸化反応液から1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼンを分離した残部の液、あるいは残部の液から有機溶媒の一部を蒸留などの操作で留出して濃縮した液を挙げることができる。以下に、各工程について説明する。
【0051】
酸化工程:メタジイソプロピルベンゼンを空気酸化反応に付し、1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン及び1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンを含有する酸化反応液を得る工程
酸化工程は、ジイソプロピルベンゼンを含有する酸化原料液を酸素又は空気で酸化する工程である。酸化原料液中には、主原料であるメタジイソプロピルベンゼン1〜100重量%が通常含有される。通常の反応条件としては、温度70〜110℃、圧力0〜1MPa(ゲージ圧)、滞留時間0〜50時間等を挙げることができる。酸化工程に用いることができる装置としては、例えば流通式反応槽、回分式反応槽、及び反応塔を挙げることができる。酸化工程で得られる酸化反応液としては、1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン及びメタジイソプロピルベンゼンを含む液を挙げることができる。
【0052】
分離工程:酸化工程で得られた酸化反応液を水酸化ナトリウム水溶液による抽出操作及び有機溶媒による抽出操作に供すことにより、1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼンと1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンとを、各々を含む液に分離する工程
分離工程は、酸化工程で得られた酸化反応液を水酸化ナトリウム水溶液による抽出操作及び有機溶媒による抽出操作に供すことにより、1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼンと1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンとを、各々を含む液に分離する工程である。
【0053】
酸化工程で得られた酸化反応液は、先ず水酸化ナトリウム水溶液による抽出操作に付される。酸化反応液は未反応のジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン及びその他の副生物を含有する。これらのうち、1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン及び1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンは水酸化ナトリウム水溶液中に抽出される。この際、油水の分液性及び抽出効率を高めるために、酸化反応液に、水酸化ナトリウム水溶液及び/又はメタジイソプロピルベンゼンを、別途適当量添加してもよい。
【0054】
抽出温度は通常0〜100℃の範囲である。1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン及び1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンを抽出する際の水酸化ナトリウム水溶液の濃度としては、2〜30重量%が好ましく、4〜15重量%がさらに好ましい。該濃度が低過ぎると抽出効率が悪くなる場合があり、一方該濃度が高過ぎるとアルカリ使用量の増加及びビス1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼンや1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンなどの有効成分の劣化を招く場合がある。
【0055】
水酸化ナトリウム水溶液による抽出操作により得られた1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン及び1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンを含む水酸化ナトリウム水溶液は、次に有機溶媒による抽出操作に付される。このことにより、1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼンと1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンとを、各々分離することができる。
【0056】
分離工程で用いる有機溶媒としては、炭素数4〜10のケトン類、炭素数4〜10のエーテル類、炭素数4〜8のアルコール類が好ましく、抽出効率及び溶媒回収の観点からメチルイソブチルケトンが最も好ましい。溶媒は、一種を単独で用いてもよく、又は、二種以上を混合して用いてもよい。
【0057】
(後処理工程)
本発明の一実施形態において、後処理工程は、水素化工程で得られた芳香族アルコール類を含む反応液から芳香族アルコール類を、晶析、濾過及び乾燥を含む操作を用いて精製する工程である。晶析操作の前に蒸留により有機溶媒の一部を留去する濃縮操作を行ってもよい。
【0058】
晶析操作は、芳香族アルコール類を選択的に析出させる操作であり、例えば芳香族アルコール類を含む反応液又はその濃縮液を、攪拌下の晶析槽で冷却しながら、芳香族アルコール類を選択的に析出させる。
【0059】
濾過操作は、芳香族アルコール類結晶と有機溶媒とを分離する操作であり、減圧、加圧、遠心等があるが、操作性の観点から遠心濾過が好ましい。
【0060】
乾燥操作は、濾過操作で得られた芳香族アルコール類結晶に付着している有機溶媒及び水分を留出し、製品の芳香族アルコール類を得る操作である。乾燥は、圧力5〜100KPa、温度20〜100℃で実施することができる。
【0061】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0062】
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0063】
〔実施例1〕
メタジイソプロピルベンゼンの空気による酸化反応により、1−(ヒドロペルオキシイソプロピル)−3−(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン(以下、CHPOと称することがある)及び1,3−ビス(ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンゼン(以下、DHPOと称することがある)を含有する酸化油を得た。得られた酸化油に対し、7重量%水酸化ナトリウム水溶液による抽出操作、次いで、メチルイソブチルケトンによる抽出操作を行い、CHPO及びDHPOを含有するメチルイソブチルケトン溶液(溶液I、芳香族過酸化物類、アルカリ金属、及び有機溶媒を含む組成物)を得た。
【0064】
得られた溶液Iに対し、0.018重量比の水を添加して、配管内混合することにより溶液Iの水洗浄を行った。水洗浄後、この水を添加した溶液Iを静置した。その後、分液した水相を分離して、メチルイソブチルケトン溶液(溶液II−1)を得た。溶液II−1は、0.040mmol/kgのナトリウム、5.4重量%のCHPO及び0.2重量%のDHPOを含有していた。
【0065】
撹拌機、及び、反応液を抜き出すためにアルミナ担持遷移金属触媒と反応液とを分離するための金属製フィルターを備え、かつ、反応器内のパラジウム触媒の濃度が2kg/mとなるようにアルミナに対して1重量%のパラジウムを担持させた、アルミナ担持パラジウム触媒を触媒として存在させた反応器に、溶液II−1中のCHPOに対する水素のモル比が3.7となるように、水素及び溶液II−1を連続供給した。反応器内の液温度98℃、圧力700kPa(ゲージ圧)の条件下で、溶液II中のCHPO及びDHPOと水素とを反応させた。得られた液を金属製フィルターに通し、アルミナ担持遷移金属触媒と分離した後に、反応器外に連続的に抜き出し、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン及びメチルイソブチルケトンを含有する反応液を得た。その時のフィルターにおける差圧上昇は1.0kPa/日であった。
【0066】
得られた反応液から、濃縮操作によりメチルイソブチルケトンの一部を留去して濃縮液を得た。得られた濃縮液から、晶析操作、分離操作、次いで、乾燥操作により、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンの白色結晶を得た。
【0067】
〔実施例2〕
水洗浄に用いた水の量を、溶液Iに対し、0.018重量比から0.014重量比に変更した以外は、実施例1と同じ操作を行い、溶液II−2を得た。溶液II−2は、0.048mmol/kgのナトリウム、5.4重量%のCHPO及び0.2重量%のDHPOを含有していた。
【0068】
得られた溶液II−2に対し、実施例1と同じ操作を行い、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンの白色結晶を得た。フィルターにおける差圧上昇は0.8kPa/日であった。
【0069】
〔実施例3〕
水洗浄に用いた水の量を、溶液Iに対し、0.018重量比から0.011重量比に変更した以外は、実施例1と同じ操作を行い、溶液II−3を得た。溶液II−3は、0.061mmol/kgのナトリウム、5.3重量%のCHPO及び0.2重量%のDHPOを含有していた。
【0070】
得られた溶液II−3に対し、溶液II−3中のCHPOに対する水素のモル比が3.8となるように、水素及び溶液II−3を連続供給し、反応器内のパラジウム触媒の濃度を3kg/mに変更した以外は、実施例1と同じ操作を行い、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンの白色結晶を得た。フィルターにおける差圧上昇は1.3kPa/日であった。
【0071】
〔実施例5〕
水洗浄に用いた水の量を、溶液Iに対し、0.018重量比から0.009重量比に変更した以外は、実施例1と同じ操作を行い、溶液II−4を得た。溶液II−4は、0.10mmol/kgのナトリウム、5.5重量%のCHPO及び0.3重量%のDHPOを含有していた。
【0072】
得られた溶液II−4に対し、溶液II−4中のCHPOに対する水素のモル比が3.6となるように、水素及び溶液II−4を連続供給し、反応器内のパラジウム触媒の濃度を4kg/mに変更した以外は、実施例1と同じ操作を行い、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンの白色結晶を得た。フィルターにおける差圧上昇は1.5kPa/日であった。
【0073】
〔比較例1〕
水洗浄を行わないこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、溶液II−5を得た。溶液II−5は、0.19mmol/kgのナトリウム、5.8重量%のCHPO及び0.2重量%のDHPOを含有していた。
【0074】
得られた溶液II−5に対し、溶液II−5中のCHPOに対する水素のモル比が3.5となるように、水素及び溶液II−5を連続供給した以外は、実施例1と同じ操作を行い、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンの白色結晶を得た。フィルターにおける差圧上昇は6.6kPa/日であった。
【0075】
実施例1〜4及び比較例1における、溶液Iに対する洗浄水の重量比、溶液II(溶液II−1〜II−5)中のNa濃度、CHPO濃度及びDHPO濃度、水素化反応の反応条件、並びに差圧上昇を以下の表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
(まとめ)
表1に示されるように、溶液Iを水洗浄する工程が含まれる実施例1〜4の製造方法では、溶液Iを水洗浄して得られた、水素化の原料液である溶液II(II−1〜II−4)は、溶液II中のアルカリ金属濃度が、溶液Iを水洗浄する工程が含まれない比較例1の製造方法と比べて減少していることがわかる。また、溶液II中のアルカリ金属濃度が低いほど差圧上昇が減少する傾向にあることがわかる。また、溶液Iを水洗浄して得られた、水素化の原料液である溶液II(II−1〜II−4)を原料液として使用した実施例1〜4では、溶液Iを水洗浄する工程が含まれない比較例1と比較して、差圧上昇が顕著に減少していることが示された。これは、溶液II中のアルカリ金属濃度が低いと金属フィルターの目詰まりが減少していることを示す。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の一実施形態に係る製造方法によれば、1,3−ジ−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−ベンゼン等の芳香族アルコール類を効率的に製造できる。よって、本発明は、前記芳香族アルコール類を利用する分野において有用である。