(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
突状のピンを備えた雄端子と、前記ピンの挿着を許容する挿入孔を備えた雌端子とで構成するとともに、前記挿入孔における内周面に挿着するとともに、該挿入孔に挿入したピンの外周面に接触する、導電性を有して筒状に形成した雌端子用接触ばねを、前記雌端子に備えたコネクタ端子接続構造であって、
前記ピンを前記挿入孔に対して挿脱する挿脱方向に沿って前記雌端子用接触ばねの周方向の少なくとも一部分を分断する分断部を、該一部分に構成し、
前記分断部を構成する前記周方向の一方の分断端辺部と、他方の分断端辺部との該周方向における相対位置関係に応じて前記雌端子用接触ばねの径を変動させる径変動手段を、前記雌端子と前記雄端子とのうち少なくとも一方に備え、
前記雌端子用接触ばねを、
前記一方の分断端辺部と前記他方の分断端辺部とでなる一対の分断端辺部が、所定間隔を隔てて対向した状態において互いに近接する方向に付勢させて形成し、
前記径変動手段を、
挿入開始前状態において、前記接触ばねを前記ピンの外径よりも大きな内径となるまで拡径するとともに、前記ピンの前記挿入孔に対する挿入完了状態において、前記挿入孔に挿入された前記ピンの外周面に接触する径にまで拡径状態を解除して前記接触ばねを前記ピンに接触させる拡径手段で構成し、
前記拡径手段を、
前記分断部に介在して前記ピンの外径よりも大径となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔となるように該一対の分断端辺部を押し広げる介在手段と、
前記介在手段による前記一対の分断端辺部を押し広げた押し広げ状態と、該押し広げ状態を解除した押し広げ解除状態とのいずれかの状態に切換える切換え手段とで構成した
コネクタ端子接続構造。
前記ピンを前記挿入孔へ挿入する挿入力を、前記押し広げ状態と前記押し広げ解除状態とのうち、いずれか一方の状態から他方の状態に変更する変更力として前記拡径手段に伝達するピン挿入力伝達手段を、
前記ピンを前記挿入孔へ挿入するに伴って前記拡径手段に接触可能に構成した
請求項1、又は2に記載のコネクタ端子接続構造。
雄端子に備えた突状のピンの嵌挿を許容する挿入孔の内周面に対して嵌着するとともに、該挿入孔に挿入した前記ピンの外周面に対して接触可能に構成した導電性を有する筒状の雌端子用接触ばねを備え、前記雄端子とともにコネクタ端子接続構造を構成する雌端子であって、
前記ピンを前記挿入孔に対して挿脱する挿脱方向に沿って前記雌端子用接触ばねの周方向の少なくとも一部分を分断する分断部を、該一部分に構成し、
前記分断部を構成する前記周方向の一方の分断端辺部と、他方の分断端辺部との該周方向における相対位置関係に応じて前記雌端子用接触ばねの径を変動させる径変動手段を、前記コネクタ端子接続構造に備え、
前記接触ばねを、
前記径変動手段によって前記ピンの外径よりも大きな内径となるまで拡径可能であるとともに、前記挿入孔に挿入された前記ピンの外周面に接触する径にまで拡径可能な周方向における弾性を備えて構成した
雌端子。
雌端子における雄端子に備えた突状のピンの挿着を許容する挿入孔の内周面に嵌着するとともに、該挿入孔に挿着したピンの外周面に接触する筒状の筒状本体部を備え、導電性を有して形成した雌端子用接触ばねであって、
前記ピンを前記挿入孔に対して挿脱する挿脱方向に沿って前記筒状本体部の周方向の少なくとも一部分を分断する分断部を、該一部分に構成し、
前記分断部を構成する前記周方向の一方の分断端辺部と、他方の分断端辺部との該周方向における相対位置関係に応じて前記筒状本体部の径を変動させる径変動手段を、前記雌端子と前記雄端子とのうち少なくともいずれか一方に備え、
前記筒状本体部を、
前記径変動手段によって前記ピンの外径よりも大きな内径となるまで拡径可能であるとともに、前記挿入孔に挿入された前記ピンの外周面に接触する径にまで拡径可能な周方向における弾性を備えて構成した
雌端子用接触ばね。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこでこの発明は、雄端子を挿入孔にスムーズに挿入することができ、しかも電気的な接触抵抗の低減を図ることにより、電力損失を抑制することができる大電流対応のコネクタ端子用接触ばね、並びに、雌端子、端子接続構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は突状のピンを備えた雄端子と、前記ピンの挿着を許容する挿入孔を備えた雌端子とで構成するとともに、前記挿入孔における内周面に挿着するとともに、該挿入孔に挿入したピンの外周面に接触する、導電性を有して筒状に形成した雌端子用接触ばねを、前記雌端子に備えたコネクタ端子接続構造であって、前記ピンを前記挿入孔に対して挿脱する挿脱方向に沿って前記雌端子用接触ばねの周方向の少なくとも一部分を分断する分断部を、該一部分に構成し、前記分断部を構成する前記周方向の一方の分断端辺部と、他方の分断端辺部との該周方向における相対位置関係に応じて前記雌端子用接触ばねの径を変動させる径変動手段を、前記雌端子と前記雄端子とのうち少なくとも一方に備え、
前記雌端子用接触ばねを、前記一方の分断端辺部と前記他方の分断端辺部とでなる一対の分断端辺部が、所定間隔を隔てて対向した状態において互いに近接する方向に付勢させて形成し、前記径変動手段を、挿入開始前状態において、前記接触ばねを前記ピンの外径よりも大きな内径となるまで拡径するとともに、前記ピンの前記挿入孔に対する挿入完了状態において、前記挿入孔に挿入された前記ピンの外周面に接触する径にまで拡径状態を解除して前記接触ばねを前記ピンに接触させる拡径手段
で構成し、前記拡径手段を、前記分断部に介在して前記ピンの外径よりも大径となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔となるように該一対の分断端辺部を押し広げる介在手段と、前記介在手段による前記一対の分断端辺部を押し広げた押し広げ状態と、該押し広げ状態を解除した押し広げ解除状態とのいずれかの状態に切換える切換え手段とで構成したことを特徴とする。
【0012】
上述した構成により、雄端子を挿入孔にスムーズに挿入することができ、しかも、電気的な接触抵抗の低減を図ることにより、電力損失を抑制することができる。
【0013】
詳しくは、前記径変動手段を備えることにより、前記分断部において、前記周方向の一方の分断端辺部と、他方の分断端辺部との該周方向における相対位置関係に応じて前記雌端子用接触ばねの径を変動させることができる。
【0014】
例えば、前記径変動手段を前記拡径手段で構成した場合には、挿入開始前状態において、前記拡径手段により、予め前記雌端子用接触ばねを拡径しておくことで、前記ピンを前記挿入孔に挿入する際に、ピンの外周面と前記雌端子用接触ばねの内周面とが接触することなく、ピンを前記挿入孔にスムーズに挿入させることができる。
【0015】
そして、挿入完了時においては、前記挿入孔に挿入された前記ピンの外周面に接触する径にまで前記拡径手段による前記雌端子用接触ばねの拡径状態を解除して縮径することで前記雌端子用接触ばねの内周面とピンの外周面とを確実に接触させることができる。
【0016】
よって、大電流対応コネクタにおける接触抵抗の低減を図ることができ、電力損失の影響が大きい大電流対応コネクタであっても電力損失を抑制することができる。
【0017】
以上により、本発明によれば、ピンを前記挿入孔に対してスムーズに挿入することができるという効果と、挿入孔に挿入したピンに対して前記雌端子用接触ばねを確実に接触させることにより、前記大電流対応コネクタにおける接触抵抗の低減を図ることができ、大電流対応コネクタの電力損失を大幅に抑制できるという効果の双方の効果を両立して奏することができる。
【0018】
さらに、上述したように、前記ピンを前記挿入孔に挿入する際に、前記拡径手段により予め前記雌端子用接触ばねを拡径しておくことで、ピンの外周面に対して前記雌端子用接触ばねの内周面が接触することにより、前記ピンと前記雌端子用接触ばねとのうち、少なくとも一方の表面に施したメッキが剥離することを防ぐことができる。
【0019】
また、前記雌端子用接触ばねを、前記一方の分断端辺部と前記他方の分断端辺部とでなる一対の分断端辺部が、所定間隔を隔てて対向した状態において互いに近接する方向に付勢させて形成し、前記径変動手段を前記拡径手段で構成し、前記拡径手段を、前記分断部に介在して前記ピンの外径よりも大径となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔となるように該一対の分断端辺部を押し広げる介在手段と、前記介在手段による前記一対の分断端辺部を押し広げた押し広げ状態と、該押し広げ状態を解除した押し広げ解除状態とのいずれかの状態に切換える切換え手段とで構成することにより、前記拡径手段を、前記介在手段と前記切換え手段とで構成することで、前記雌端子用接触ばねを拡径、又は縮径することができる。
詳しくは、前記切換え手段を前記押し広げ状態に切換えることで、前記分断部に前記介在手段が介在して一対の分断端辺部を押し広げ、前記雌端子用接触ばねを確実に拡径することができる。
【0020】
また、前記切換え手段を前記押し広げ解除状態に切換えることで、前記介在手段による前記分断部の前記押し広げ状態が解除される。そして、前記雌端子用接触ばねは、前記一対の分断端辺部が互いに近接する方向に付勢しているため、この付勢力によって、確実に縮径することができる。
【0021】
以上により、前記雌端子用接触ばねを拡径することで、ピンを前記挿入孔に対してスムーズに挿入することができ、さらに、前記雌端子用接触ばねを縮径することで、挿入孔に挿入したピンに対して前記雌端子用接触ばねを確実に接触させることができ、前記大電流対応コネクタにおける電気的な接触抵抗の低減を図ることにより、大電流対応コネクタの電力損失を大幅に抑制できる。
【0022】
また、前記分断部は、前記周方向の一方の分断端辺部と、前記他方の分断端辺部とが、互いに所定間隔を隔てて対向した状態で分断した構成のみに限らず、前記一方の分断端辺部と、前記他方の分断端辺部とが、互いに重複している状態で分断した構成をも含む。
【0023】
なお、前記一方の分断端辺部と、前記他方の分断端辺部とが互いに重複している状態で分断した構成の場合には、一方の分断端辺部と他方の分断端辺部との重複部分が少なくなる方向、すなわち、これら一対の分断端辺部とにおける互いの相対位置関係が近くなる方向に移動したときに雌端子用接触ばねが拡径することになる。
【0024】
前記径変動手段による前記雌端子用接触ばねの拡径や縮径といった径の変動は、手動式、或いは、例えば、リレー回路などを用いたスイッチの切り替えなどによる自動式、又は、雄端子を挿入孔に挿入する際の挿入力を径変動力として変換する方式など、様々な方式を採用することができる。
【0025】
また、前記径変動手段による前記雌端子用接触ばねの径の変動は、前記雌端子用接触ばねの周方向の各部が均等に径変動するに限らず、例えば、断面視Uの字形状のように周方向の一部のみが他の部分と異なる径となるよう変動する場合も含むものとする。
【0026】
さらにまた、前記挿入開始前状態とは、挿入孔に対してピンの挿入を開始する前の状態を示すが、例えば、先端部分をテ―パ状に形成したピンを挿入孔に挿入する場合においては、ピンにおけるテ―パ状の先端部分のみが挿入孔に挿入された状態をも含む。
【0027】
またこの発明の態様として、前記介在手段を、前記ピンの外径よりも大径となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔となるように該一対の分断端辺部を押し広げ可能な長さを有した長辺部と、前記ピンの外径と同等以下となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔よりも短い長さを有した短辺部とを備えたカムで構成することができる。
【0028】
前記カムにおける前記長辺部を、前記ピンの外径よりも大径となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔となるように該一対の分断端辺部を押し広げ可能な長さを有して形成しているため、前記切換え手段を、前記カムにおける前記長辺部が前記分離部に介在するよう切換えることで、前記雌端子用接触ばねを前記ピンの外径よりも大径となるよう拡径することができる。
【0029】
また、前記カムにおける前記短辺部を、前記ピンの外径と同等以下となるよう前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔よりも短い長さを有して形成するとともに、前記雌端子用接触ばねは、前記一対の分断端辺部が互いに近接する方向に付勢して形成することにより、前記切換え手段を、前記カムにおける前記短辺部が前記分離部に介在するよう切換えることができ、前記雌端子用接触ばねを、前記ピンの外径に対して同等以下となるよう縮径することができる。
【0030】
上述したカムを備えることにより、簡素な構成によって、前記雌端子用接触ばねを、確実に縮径、或いは、拡径することができる。
【0031】
またこの発明の態様として、前記ピンを前記挿入孔へ挿入する挿入力を、前記押し広げ状態と前記押し広げ解除状態とのうち、いずれか一方の状態から他方の状態に変更する変更力として前記拡径手段に伝達するピン挿入力伝達手段を、前記ピンを前記挿入孔へ挿入するに伴って前記拡径手段に接触可能に構成することができる。
【0032】
前記ピン挿入力伝達手段を構成することにより、前記ピンを前記挿入孔へ挿入する挿入力を、前記押し広げ状態と前記押し広げ解除状態とのうち、いずれか一方の状態から他方の状態に変更する変更力として前記拡径手段に伝達することができる。
【0033】
よって、例えば、前記押し広げ状態と前記押し広げ解除状態とのうち、いずれか一方の状態から他方の状態に、前記切換え手段を手動で切り換えて変更するという手間を要することがなく、ピンを挿入孔に挿着する際に、前記挿入力を利用して前記雌端子用接触ばねを意識せずとも拡径、或いは、縮径することができる。
【0034】
またこの本発明は、雄端子に備えた突状のピンの嵌挿を許容する挿入孔の内周面に対して嵌着するとともに、該挿入孔に挿入した前記ピンの外周面に対して接触可能に構成した導電性を有する筒状の前記雌端子用接触ばねを備え、前記雄端子とともにコネクタ端子接続構造を構成する雌端子であって、前記ピンを前記挿入孔に対して挿脱する挿脱方向に沿って前記雌端子用接触ばねの周方向の少なくとも一部分を分断する分断部を、該一部分に構成し、前記分断部を構成する前記周方向の一方の分断端辺部と、他方の分断端辺部との該周方向における相対位置関係に応じて前記雌端子用接触ばねの径を変動させる径変動手段を、前記コネクタ端子接続構造に備え、前記接触ばねを、前記径変動手段によって前記ピンの外径よりも大きな内径となるまで拡径可能であるとともに、前記挿入孔に挿入された前記ピンの外周面に接触する径にまで拡径可能な周方向における弾性を備えて構成したことを特徴とする。
【0035】
この発明の態様として、前記雌端子用接触ばねを、前記一方の分断端辺部と前記他方の分断端辺部とでなる一対の分断端辺部が、所定間隔を隔てて対向した状態において互いに近接する方向に付勢させて形成し、前記径変動手段を、挿入開始前状態において、前記接触ばねを前記ピンの外径よりも大きな内径となるまで拡径するとともに、前記ピンの前記挿入孔に対する挿入完了状態において、前記挿入孔に挿入された前記ピンの外周面に接触する径にまで拡径状態を解除して前記接触ばねを前記ピンに当接させる拡径手段で構成し、前記拡径手段を、前記分断部に介在して前記ピンの外径よりも大径となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔となるように前記一対の分断端辺部を押し広げる介在手段と、前記介在手段による前記一対の分断端辺部を押し広げた押し広げ状態と、該押し広げ状態を解除した押し広げ解除状態とのいずれかの状態に切換える切換え手段とで構成することができる。
【0036】
またこの発明の態様として、前記介在手段を、前記ピンの外径よりも大径となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記一対の分断端辺部の間隔となるように該一対の分断端辺部を押し広げ可能な長さを有した長辺部と、前記ピンの外径と同等以下となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔よりも短い長さを有した短辺部とを備えたカムで構成することができる。
【0037】
またこの本発明は、雌端子における雄端子に備えた突状のピンの挿着を許容する挿入孔の内周面に嵌着するとともに、該挿入孔に挿着したピンの外周面に接触する筒状の筒状本体部を備え、導電性を有して形成した雌端子用接触ばねであって、前記ピンを前記挿入孔に対して挿脱する挿脱方向に沿って前記筒状本体部の周方向の少なくとも一部分を分断する分断部を、該一部分に構成し、前記分断部を構成する前記周方向の一方の分断端辺部と、他方の分断端辺部との該周方向における相対位置関係に応じて前記筒状本体部の径を変動させる径変動手段を、前記雌端子と前記雄端子とのうち少なくともいずれか一方に備え、前記筒状本体部を、前記径変動手段によって前記ピンの外径よりも大きな内径となるまで拡径可能であるとともに、前記挿入孔に挿入された前記ピンの外周面に接触する径にまで拡径可能な周方向における弾性を備えて構成したことを特徴とする。
【0038】
なお、本発明は、以下のような雄端子として構成してもよい。
本発明は、雌端子に形成した挿入孔に挿着するとともに、該挿入孔の内周面に嵌着した導電性を有して形成した雌端子用接触ばねに対して、該挿入孔に挿着した状態において外周面が接触する突状のピンを備えた雄端子であって、前記雌端子用接触ばねの周方向の少なくとも一部分に、前記ピンを前記挿入孔に対して挿脱する挿脱方向に沿って該一部分を分断した分断部を構成し、前記雌端子用接触ばねの周方向における前記分断部に対して一方の分断端辺部と、他方の分断端辺部との周方向における相対位置関係に応じて前記雌端子用接触ばねの径を変動させる径変動手段を、前記雌端子に備え、前記径変動手段を、前記ピンの前記挿入孔に対する挿入完了状態において、前記挿入孔に挿入された前記ピンの外周面に接触する径にまで縮径可能に、挿入開始前状態において、前記接触ばねを前記ピンの外径よりも大きな内径となるまで拡径する拡径手段で構成し、前記拡径手段に、前記雌端子用接触ばねの周方向において互いに対向する前記一対の分断端辺部の間に介在して前記ピンの外径よりも大径となる前記雌端子用接触ばねの径に対応する前記分断部の間隔となるように該一対の分断端辺部を押し広げる介在手段と、前記介在手段による前記一対の分断端辺部を押し広げた押し広げ状態と、該押し広げ状態を解除した押し広げ解除状態とのいずれかの状態に切換える切換え手段とで構成し、前記ピンを前記挿入孔へ挿入する挿入力を、前記介在手段による前記押し広げ状態と前記押し広げ解除状態とのうち、いずれか一方の状態から他方の状態に変更する変更力として前記拡径手段に伝達するピン挿入力伝達手段を、前記ピンを前記挿入孔へ挿入するに伴って前記拡径手段に接触可能に前記ピンの外周面に対して径外方向に突出させて構成した雄端子として構成してもよい。
【発明の効果】
【0039】
この発明によれば、雄端子を挿入孔にスムーズに挿入することができ、しかも電気的な接触抵抗の低減を図ることにより、電力損失を抑制することができる大電流対応のコネクタ端子用接触ばね、並びに、雌端子、端子接続構造を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態におけるコネクタ1は、大電流対応コネクタであり、
図1(a),(b),(c)に示すように、雌端子20と雄端子50とを備え、雌端子20には、導電性材料により形成した端子本体21を備えるとともに、該端子本体21には、雌端子用接触ばね30(以下、「接触ばね30」という。)、及び、拡径手段40を備えている。
なお、
図1(a)は、雌端子20の一部を断面で示したコネクタ1の構成説明図であり、
図1(b)は、端子本体21を省略して示した
図1(a)中のA−A矢視図である。
図1(c)は、端子本体21を省略して示した
図1(a)中のB−B矢視図である。また、以下の説明において、挿入孔22に対してピン51を挿脱する方向を挿脱方向Dとするとともに、挿入する方向を挿入方向D1として説明する。
【0042】
雌端子20における端子本体21は、円筒状に形成し、ハウジング70に形成した嵌合穴70Aに嵌合保持される。端子本体21は、内部に雄端子50における突状のピン51を嵌挿可能な中空状の挿入孔22を構成している。
【0043】
挿入孔22は、挿脱方向Dにおける、ピン51を挿入する側の端部に挿入口22Aを構成し、該挿入口22Aを通じて外部と連通している。
挿入口22Aの縁部には、挿入孔22へ挿入するピン51をガイド可能に、挿入孔22の内周径よりも小径としたガイド周面23を形成している。
【0044】
挿入孔22の内周面における挿脱方向Dの挿入口22Aを有する側端部には、該挿脱方向Dの他の部分と比較して接触ばね30を嵌合状態で保持可能に大径に形成することによって断面視凹段状とした保持段部24を形成している。保持段部24の挿脱方向Dにおける両端部は、保持段部24に接触ばね30を嵌着したとき、接触ばね30の端部を係合する接触ばね係止部25(25a,25b)を形成している。
なお、奥側接触ばね係止部25bは、挿入孔22の内周面の挿脱方向Dにおいて、雄端子50のピン51を挿入孔22に完全に挿入した状態におけるピン51の先端部の近傍位置に形成している。
【0045】
端子本体21における、挿脱方向Dの挿入口22Aを有する側に対して他端側は、電線100の長さ方向の一端側において絶縁被覆を露出させた導体露出部分101を圧着接続する圧着部26を連設している。
【0046】
また、
図1(a),(c)に示すように、接触ばね30は、保持段部24に嵌着するとともに、雄端子50のピン51の外周面に接触可能な略円筒状の筒状本体部30Xによって形成している。
【0047】
接触ばね30は、導電性材料により形成するとともに、弾性筒状部31と支持部32で構成している。弾性筒状部31は、周方向において所定間隔を隔てて複数のばね片33を配置している。複数のばね片33は、挿脱方向Dの両側から支持部32によって支持されている。
【0048】
また、接触ばね30は、
図1(b)に示すように、導電性材料により形成したシート状の薄板を円筒状に丸めて構成することで、一方の分断端辺部35aと他方の分断端辺部35bとでなる一対の分断端辺部35(35a,35b)が、所定間隔を隔てて対向した状態に配置し、その間に、ピン51を挿入孔22に対して挿脱する挿脱方向Dに沿って周方向の少なくとも一部分を分断する分断部34を構成している。
分断部34は、
図1(b)に示すように、挿脱方向Dに形成し、該挿脱方向Dの挿入口22Aの側の端部に、後述するカム41が介在可能な介在許容部36を構成している。
【0049】
接触ばね30は、端子本体21に備えた上述した挿入孔22に挿入されたピン51の外周面に接触する径にまで拡径状態を解除可能に、径変動手段によってピン51の外径よりも大きな内径となるまで拡径可能となる周方向の弾性を備えて構成している。
【0050】
すなわち、雌端子用接触ばね30を、拡径した状態とすると、一方の分断端辺部35aと他方の分断端辺部35bとでなる一対の分断端辺部35が、所定間隔を隔てて対向した状態において互いに近接する方向に付勢させて形成している。
【0051】
また、上述した拡径手段40は、
図1(a)中のX1部分拡大図に示すように、拡径した接触ばね30の拡径を解除可能に接触ばね30を拡径する手段であり、カム41と切換え手段42とで構成している。拡径手段40は、雌端子20の端子本体21における保持段部24の挿脱方向Dの挿入口22Aの側に形成した拡径手段収容部46に収容している。なお、拡径手段収容部46は、端子本体21とハウジング70とを連通するとともに、ハウジング70と外部とを連通する中空空間である。
【0052】
カム41は、介在許容部36に介在した状態で配置され、平面視楕円形状、換言すると、周方向の所定の半径が該所定の半径に直交する直交方向の長さに対して長い長円形状で形成し、長軸に相当する長辺部41Lと短軸に相当する短辺部41Sとを備えている。
カム41の長辺部41Lが接触ばね30の周方向に一致するようにカム41を介在許容部36に介在させた状態において、長辺部41Lは、ピン51の外径よりも大径となる雌端子用接触ばね30の径に対応する分断部34の間隔となるように該一対の分断端辺部35を押し広げ可能な長さを有している。
【0053】
一方、カム41の短辺部41Sが接触ばね30の周方向に一致するようにカム41を介在許容部36に介在させた状態において、短辺部41Sは、ピン51の外径と同等以下となる雌端子用接触ばね30の径に対応する分断部34の間隔よりも短い長さを有している。
【0054】
切換え手段42は、枢動軸44と枢動軸支持部45と操作レバー43とで構成している。
枢動軸44は、長手方向の一端側(
図1のX1部分拡大図中の下端側)が、カム41の回転中心軸としてカム41の中心部分と一体に連結している。
【0055】
枢動軸支持部45は、端子本体21やハウジング70に対して枢動軸44を支持可能に枢動軸44に対して鍔状に突出して形成している。
【0056】
操作レバー43は、枢動軸44の長手方向の中途部分からハウジング70の外側に向けて突出し、揺動操作に伴って、枢動軸44を介してカム41を略90度の角度で揺動可能に構成している。
【0057】
詳しくは、
図1(b)に示すように、操作レバー43を揺動可能な振幅の一方側に配置することで、カム41の長辺部41Lが接触ばね30の周方向と一致する方向に配置することができ、これにより、介在許容部36において、カム41は、ピン51の外径よりも大径となる接触ばね30の径に対応する分断部34の間隔となるように該一対の分断端辺部35を押し広げた押し広げ状態で介在する。
【0058】
一方、操作レバー43を揺動可能な振幅の他方側に配置することで(
図2(b)参照)、カム41は略90度回転し、カム41の短辺部41Sが接触ばね30の周方向と一致する方向に配置する。これにより、カム41は、介在許容部36に介在した状態において、一対の分断端辺部35を押し広げることなく配置されるため、拡径した接触ばね30を、挿入孔22に挿入されたピン51の外周面に接触する径にまで縮径する。
【0059】
ここで、操作レバー43の振幅において、カム41による一対の分断端辺部35を押し広げ状態とした際における操作レバー43の揺動位置を、押し広げ位置に設定するとともに(
図1(b)の操作レバー43の位置)、カム41による一対の分断端辺部35を押し広げ解除状態とした際における操作レバー43の揺動位置を、押し広げ解除位置に設定する(
図2(b)の操作レバー43の位置)。
【0060】
上述した構成のコネクタ1において、雌端子20の挿入孔22に、雄端子50のピン51を挿入する際に奏する際の作用について
図2、及び
図3を用いて説明する。
なお、
図2(a)は、操作レバー43を押し広げ解除位置に設定した
図1(a)に対応する作用説明図であり、
図2(b)は、操作レバー43を押し広げ解除位置に設定した
図1(b)に対応する作用説明図であり、
図2(c)は、操作レバー43を押し広げ解除位置に設定した
図1(c)に対応する作用説明図である。
図3は、端子本体21を省略して示した挿入孔22にピン51を挿入する際のコネクタ1の作用説明図であり、
図3(a)は、挿入孔22にピン51を挿入する前の状態を示し、
図3(b)は、挿入孔22に対してピン51の挿入を完了した状態を示す。
【0061】
挿入孔22に対してピン51の挿入を開始する前の挿入開始前状態においては、操作レバー43を、押し広げ位置に位置させておき(
図1(b),(c)及び
図3(a)参照)、予め、接触ばね30をピン51の外径よりも大きな内径となるまで拡径させておく。その状態で、ピン51を挿入孔22に挿入すると、ピン51の外周面が接触ばね30の内周面から大きな接触抵抗(摩擦抵抗)を受けることなく、挿入孔22の奥までスムーズに挿入することができる。
【0062】
そして、ピン51の挿入孔22に対する挿入が完了した挿入完了状態においては、
図2(b)、及び、
図3(b)に示すように、操作レバー43を押し広げ解除位置となるよう操作することで、カム41による分断端辺部35の押し広げ状態を解除することができる。カム41による分断端辺部35の押し広げ状態が解除されると、接触ばね30は、ピン51の外周面に接触する径にまで縮径可能な周方向の弾性を備えているため、接触ばね30を縮径することができる。
【0063】
換言すると、分断部34において、互いに所定間隔を隔てて対向する一対の分断端辺部35が互いに近接する方向に付勢することができる。
【0064】
これにより、
図2(a),(b),(c)、及び、
図3(b)に示すように、接触ばね30の内周面を、挿入孔22に挿入されたピン51の外周面に接触させることができる。
【0065】
上述した構成のコネクタ1は、以下のような効果を奏することができる。
上述したコネクタ1は、挿入開始前状態においては、拡径手段40により、予め接触ばね30を拡径しておくことで、ピン51を挿入孔22に挿入する際に、接触ばね30の内周面にピン51の外周面が接触することなく、ピン51を挿入孔22にスムーズに挿入させることができる。
【0066】
そして、挿入完了時においては、挿入孔22に挿入されたピン51の外周面に接触する径にまで拡径手段40による接触ばね30の拡径状態を解除して縮径することで接触ばね30の内周面とピン51の外周面とを確実に接触させることができる。
【0067】
以上により、ピン51を挿入孔22に対してスムーズに挿入することができるという効果と、挿入孔22に挿入したピン51に対して接触ばね30を確実に接触させることにより、電気的な接触抵抗の低減を図ることができ、大電流対応コネクタの電力損失を大幅に抑制できるという効果の双方の効果を両立して奏することができる。
【0068】
また、拡径手段40には切換え手段42を備えるとともに、該切換え手段42を操作レバー43と枢動軸44とで構成することにより、操作レバー43の振幅において、操作レバー43を前記押し広げ位置に操作することで、カム41による一対の分断端辺部35を前記押し広げ状態とすることができるとともに、操作レバー43を前記押し広げ解除位置に操作することで、カム41による一対の分断端辺部35を前記押し広げ解除状態とすることができる。
このような操作レバー43を用いた手動によるレバー操作により接触ばね30の拡径、或いは縮径を容易に切り換えることができる。
【0069】
さらに、拡径手段40にカム41を備えることにより、カム41の長辺部41Lを接触ばね30の周方向に一致させた状態で配置することで、一対の分断端辺部35を前記押し広げ状態とすることができ、接触ばね30を拡径することができるとともに、短辺部41Sを接触ばね30の周方向に一致させた状態で配置することで、一対の分断端辺部35を前記押し広げ解除状態とすることができる。
【0070】
従って、カム41を長辺部41Lと短辺部41Sとのうちいずれかを接触ばね30の周方向に一致させた状態で配置するかに応じて、接触ばね30を確実に拡径、或いは縮径させることができる。
【0071】
さらに、上述したように、ピン51を挿入孔22に挿入する際に、拡径手段40により予め接触ばね30を拡径しておくことで、ピン51の外周面に対して接触ばね30のばね片33が接触することにより、ピン51の外周面と接触ばね30のばね片33の内周面に施したメッキが剥離することを防止できる。
【0072】
続いて、他の実施形態におけるコネクタ1A,1B,1C,1Dについて説明する。
但し、以下で説明するコネクタ1A,1B,1C,1Dの構成のうち、上述した第1実施形態におけるコネクタ1と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0073】
(第2実施形態)
第2実施形態におけるコネクタ1Aの構成について
図4、及び、
図5(a),(b),(c)を用いて説明する。
なお、
図4は、コネクタ1Aの要部の構成を一部拡大して示した外観図であり、詳しくは、第2実施形態のコネクタ1Aにおける端子本体21を省略して示した外観図である。
図5(a)は、挿入孔22にピン51を挿入する挿入直前状態における接触ばね30と拡径手段40との状態を示すとともに、
図5(b)は、挿入孔22にピン51を挿入完了状態における接触ばね30と拡径手段40Aとの状態を示すコネクタ1Aの作用説明図を示し、いずれもコネクタ1Aの一部を省略して平面視した状態で示した作用説明図である。
図5(c)は、接触ばねを拡径した状態から縮径した状態に径変動させた様子を示す
図1(c)に対応する作用説明図である。
【0074】
第2実施形態のコネクタ1Aは、ピン51を挿入孔22へ挿入する挿入力を利用してカム41を揺動可能に構成している。
詳しくは、
図4中のX4部分拡大図に示すように、コネクタ1Aに備えた拡径手段40は、枢動軸44Aと枢動軸支持部45とで構成した切換え手段42を備えている。拡径手段40に備えたカム41は、該カム41の長辺部41Lと短辺部41Sとのうち、いずれか一方が接触ばね30の周方向に一致させた状態に配置可能に、枢動軸44Aを回転軸として該枢動軸44Aの軸回りを少なくとも90度回転自在に構成している。
【0075】
一方、
図4中のX5部分拡大図に示すように、雄端子50におけるピン51の外周面には、ピン51を挿入孔22へ挿入する際に、介在許容部36において、長辺部41Lを接触ばね30の周方向に一致させた状態で配置したカム41に接触可能にピン51の外周面に対して径外方向に突出したピン挿入力伝達突部52を形成している。
【0076】
ピン挿入力伝達突部52は、ピン51の挿脱方向Dにおいて、挿入孔22に対してピン51を挿入完了深さまで挿入した状態において、分断部34における介在許容部36に相当する箇所に位置するよう形成している。
さらに、ピン挿入力伝達突部52は、挿入方向の先端部を先細り形状で形成し、介在許容部36の幅よりも幅小であって、詳しくは、介在許容部36の枢動軸44Aと他方の分断端辺部35bとの間部分よりも幅小に形成している。
【0077】
上述した構成のコネクタ1Aにおいて、雌端子20の挿入孔22に、雄端子50のピン51を挿入する際に奏する作用について
図5を用いて説明する。
ピン51を挿入孔22に対しての挿入を開始する前の挿入開始前状態においては、
図5(a)に示すように、一対の分断端辺部35を、カム41を、その長辺部41Lが接触ばね30の周方向と一致する方向に配置しておく。
【0078】
これにより、
図5(d)に示すように、介在許容部36において、カム41は、ピン51の外径よりも大径となる接触ばね30の径に対応する分断部34の間隔となるように該一対の分断端辺部35を押し広げた押し広げ状態で介在することになる。
【0079】
よって、挿入開始前状態においては、記接触ばね30をピン51の外径よりも大きな内径となるまで拡径状態に保持しておくことができるため、ピン51の外周面が接触ばね30の内周面から大きな接触抵抗(摩擦抵抗)を受けることなく、スムーズに挿入孔22の奥まで挿入することができる。
【0080】
また、
図5(a)に示すように、ピン51を挿入孔22に挿入する際には、ピン51のピン挿入力伝達突部52が、接触ばね30の介在許容部36と周方向において略一致させた状態で挿入する。
そうすると、ピン51の挿入孔22に対する挿入が完了する直前においては、ピン51を挿入孔22に挿入するに伴って、前記押し広げ状態に配置したカム41の長辺部41Lの両端のうち、枢動軸44Aの有する側と反対側の端部に、ピン挿入力伝達突部52を当接させることができる。
これにより、
図5(b)中のX7部分拡大図に示すように、ピン挿入力伝達突部52によって、カム41は、押し広げ状態から略90度回転し、押し広げ解除状態に達するまで案内される。
【0081】
よって、カム41による一対の分断端辺部35の押し広げが解除され、接触ばね30は、
図5(c1)に示した拡径状態から
図5(c2)に示した縮径状態となり、挿入孔22に挿入されたピン51の外周面に接触することになる。
【0082】
上述した構成のコネクタ1Aは、以下のような効果を奏することができる。
コネクタ1Aは、第1実施形態のコネクタ1と同様に、ピン51を挿入孔22に対してスムーズに挿入することができるという効果と、挿入孔22に挿入したピン51に対して接触ばね30を確実に接触させることにより、電気的な接触抵抗の低減を図ることができ、大電流対応コネクタの電力損失を大幅に抑制できるという効果の双方の効果を両立して奏することができる。
【0083】
さらに、コネクタ1Aは、ピン挿入力伝達手段としてピン挿入力伝達突部52を構成することにより、ピン51を挿入孔22へ挿入する挿入力を、一対の分断端辺部35を前記押し広げ状態から前記押し広げ解除状態に変更する変更力として拡径手段40Aにおけるカム41に伝達することができる。
【0084】
よって、例えば、一対の分断端辺部35を押し広げ状態から押し広げ解除状態に、手動により切り換えて変更するという手間を要することがなく、ピン51を挿入孔22に挿着する際に必要となる挿入力を利用して接触ばね30を意図的に操作せずとも縮径することができる。
【0085】
さらに、上述したように、ピン51を挿入孔22に挿入する際に、拡径手段40Aにより予め接触ばね30を拡径しておくことで、ピン51の外周面に対して接触ばね30のばね片33が接触することにより、ピン51の外周面と接触ばね30のばね片33の内周面に施したメッキが剥離することを防止できる。
【0086】
(第3実施形態)
第3実施形態におけるコネクタ1Bの構成について
図6乃至
図8を用いて説明する。
なお、
図6(a),(b)は、ピン51の挿入孔22に対しての挿入開始前状態における第3実施形態のコネクタ1Bの構成説明図であり、
図7は、ピン51の挿入孔22に対しての挿入途中状態の第3実施形態のコネクタ1Bの構成説明図であり、
図8は、ピン51の挿入孔22に対しての挿入完了状態の第3実施形態のコネクタ1Bの構成説明図である。詳しくは、
図6(a)、
図7(a)、
図8(a)は、第3実施形態のコネクタ1Bを平面視した状態で一部省略して断面により示した構成説明図であり、
図6(b)、
図7(b)、
図8(b)は、第3実施形態のコネクタ1Bを側面視した状態で一部省略して断面により示した構成説明図である。
【0087】
第3実施形態におけるコネクタ1Bに備えた拡径手段40Bは、レバー41Bと切換え手段42とで構成し、切換え手段42は、支持杆48と枢動軸47とレバー挿通孔53とで構成している。接触ばね30は、分断部34において介在許容部36を形成しておらず、分断部34は、接触ばね30の挿脱方向Dの全長に亘って直線状に形成している。
【0088】
図6(b)中のX6部分拡大図に示すように、支持杆48は、棒状に形成し、拡径手段収容部46に格納され状態で端子本体21に固定されている。支持杆48は、その長さ方向が端子本体21の径方向と一致する配置され、その長さ方向の一端が挿入孔22に向けて突出している。該支持杆48の長さ方向の一端部には、枢動軸47を介して棒状のレバー41Bが枢支されている。
【0089】
レバー41Bは、挿入孔22における径内方向に向けて突出した径内方向突出状態と、挿入方向Dに向けて突出する挿入方向突出状態とのいずれかの状態に変更可能に少なくとも略90度の角度を枢動自在に構成している。
【0090】
レバー41Bが径内方向突出状態に配置したときは、
図6(b)に示すように、挿入孔22の挿脱方向Dにおける接触ばね30よりも挿入孔22A側に配置された状態となる。
【0091】
一方、レバー41Bが挿入方向突出状態に配置したときは、
図7(a),(b)に示すように、接触ばね30の分断部34に当接するように配置される。すなわち、レバー41Bが挿入方向突出状態に配置したときは、接触ばね30の挿脱方向Dにおける挿入孔22A側の端部であって、接触ばね30の周方向における分断部34に相当する部分に配置された状態となる。
なお、レバー41Bは、外力が付与されていない状態においては、
図6(b)に示すように、該レバー41Bの自重により、挿入方向突出状態に配置される。
【0092】
また、操作レバー43に備えた上述したレバー挿通孔53は、
図6(a),(b)に示すように、ピン51の外周面に形成し、径内方向突出状態のレバー41Bを挿入可能な挿脱方向Dに沿った長孔形状で形成している。レバー挿通孔53は、ピン51の挿脱方向Dにおいて、ピン51を挿入孔22に完全に挿入した挿入完了状態において、径内方向突出状態のレバー41Bの挿入を許容する外周面の位置に形成している。
【0093】
上述した構成のコネクタ1Bは、以下のような作用を奏することができる。
ピン51を挿入孔22に対しての挿入を開始する前の挿入開始前状態において、接触ばね30は、
図6(a)に示すように、周方向の弾性力により、ピン51の外径よりも内径が縮径した状態、すなわち、一対の分断端辺部35が互いに当接し、分断部34に間隔が無くなるまで縮径した状態で保持段部24に嵌着されている。
【0094】
また、
図6に示すように、レバー41Bは、挿入開始前状態においては、前記径内方向突出状態で配置される。
【0095】
なお、ピン51を挿入孔22に挿入する際には、
図6(a)に示すように、ピン51のピン挿入力伝達突部52と、接触ばね30の介在許容部36とが、周方向において略一致させた状態で挿入する。
【0096】
ピン51を挿入孔22に対して挿入すると、
図7(a),(b)に示すように、前記径内方向突出状態のレバー41Bがピン51に当接し、レバー41Bの挿入に伴って、枢動軸47を中心にレバー41Bは枢動し、やがて挿入方向突出状態で配置される。レバー41Bは、ピン51の外周面に当接することにより、挿入方向突出状態で規制される。
【0097】
レバー41Bを、前記径内方向突出状態から前記挿入方向突出状態となるまで枢動軸47を中心として枢動する過程において、
図7(c1)から
図7(c2)に示すように、レバー41Bは、レバー41Bの挿入に伴って、接触ばね30の分断部34を径外方向へ押し上げようにして該分断部34に当接する。
【0098】
これにより、
図7(a),(b)に示すように、接触ばね30の分断部34において、分断端辺部35の間隔が離間し、挿入方向突出状態に配置されたレバー41Bが、分断部34に介在した状態となり、
図7(c2)に示すように、接触ばね30は、ピン51の挿入孔22に対する挿入開始直後にピン51の外径よりも大径となるまで拡径される。
【0099】
よって、接触ばね30は、ピン51を挿入孔22に挿入開始状態においてピン51の外径よりも大きな内径となるまで拡径させておくことができるため、ピン51の外周面が接触ばね30の内周面から大きな接触抵抗(摩擦抵抗)を受けることなく、スムーズに挿入孔22の奥まで挿入することができる。
【0100】
さらに、レバー41Bは、
図7(b)中のX11部分拡大図に示すように、ピン51を挿入孔22に対して挿入する間、挿入方向突出状態に保つようピン51の外周面によって規制されるが、挿入完了状態に近づくと、
図8(b)中のX13部分拡大図に示すように、ピン51の外周面に形成したレバー挿通孔53に挿入される。これにより、レバー41Bは、挿入方向突出状態に保たれる規制が解除され、レバー挿通孔53に挿入された状態で径内方向突出状態に配置される。
【0101】
すなわち、ピン51の挿入孔22に対する挿入が完了する直前において、一対の分断端辺部35をレバー41Bによる押し広げ状態が解除されるため、
図8(c1)から
図8(c2)に示すように、接触ばね30は、縮径し、挿入孔22に挿入されたピン51の外周面に接触することになる。
【0102】
上述した構成のコネクタ1Bは、以下のような効果を奏することができる。
コネクタ1Bは、第1実施形態のコネクタ1と同様に、ピン51を挿入孔22に対してスムーズに挿入することができるという効果と、挿入孔22に挿入したピン51に対して接触ばね30を確実に接触させることにより、電気的な接触抵抗の低減を図ることができ、大電流対応コネクタの電力損失を大幅に抑制できるという効果の双方の効果を両立して奏することができる。
【0103】
さらに、コネクタ1Bは、ピン51の外周面により、ピン51を挿入孔22へ挿入する挿入力を、一対の分断端辺部35を前記押し広げ解除状態から前記押し広げ状態に変更する変更力としてレバー41Bに伝達することができる。
【0104】
さらにまた、コネクタは、ピン51の外周面に形成しレバー挿通孔53より、ピン51を挿入孔22へ挿入する挿入力を、一対の分断端辺部35を押し広げ状態から押し広げ解除状態に変更する変更力としてレバー41Bに伝達することができる。
【0105】
よって、例えば、一対の分断端辺部35を押し広げ状態と押し広げ解除状態とのうちいずれか一方の状態から他方の状態に、手動により切り換えて変更するという手間を要することがなく、ピン51を挿入孔22に挿着する際に必要となる挿入力を利用して接触ばね30を意図的に操作せずとも拡径、或いは、縮径することができる。
【0106】
さらに、上述したように、ピン51を挿入孔22に挿入する際に、拡径手段40Bにより予め接触ばね30を拡径しておくことで、ピン51の外周面に対して接触ばね30のばね片33が接触することにより、ピン51の外周面と接触ばね30のばね片33の内周面に施した剥離することを防止できる。
【0107】
(第4実施形態)
第4実施形態におけるコネクタ1Cの構成について
図9、及び
図10を用いて説明する。
なお、
図9(a),(b),(c)は、それぞれ第4実施形態のコネクタ1Cを一部断面で示した側面図である。詳しくは、
図9(a)は、ピン51の挿入孔22に対する挿入開始前状態における第4実施形態のコネクタ1Cの構成説明図であり、
図9(b)は、ピン51の挿入孔22に対する挿入途中状態の第4実施形態のコネクタ1Cの構成説明図であり、
図9(c)は、ピン51の挿入孔22に対する挿入完了状態の第4実施形態のコネクタ1Cの構成説明図である。さらに、
図10(a)は、挿入開始前状態から挿入途中状態に至るまでの接触ばね30の径変動状態とカム41Cとの配置状態とを示す断面図であり、
図10(b)は、挿入途中状態から挿入完了状態に至るまでの接触ばね30の径変動状態とカム41Cとの配置状態とを示す断面図である。
また、
図11は、第4実施形態の拡径手段40Cにおけるテンションばね49とカム41Cの外観図を示している。
【0108】
拡径手段40Cは、第2実施形態の拡径手段40Bの配置箇所に相当する箇所に配置され、介在部材41Cと、切換え手段42Cとしてのテンションばね49とで構成している。介在部材41Cは、
図11に示すように、ばね固着部41aとピン当接部41bと分断端辺押上げ部41cとで側面視略L字型ブロックで構成している。
【0109】
介在部材41Cを
図11のように配置した状態から視て、ばね固着部41aは、介在部材41Cの上端部においてテンションばね49の下端部に固着され、ピン当接部41bは、介在部材41Cの下面においてピン51の外周面を当接可能に平坦状に形成し、分断端辺押上げ部41cは、ばね固着部41aに対して一方側(挿入方向D1)に突出した突出部分の上部に形成し、幅方向の中間部に対して幅方向の両側が低くなるよう傾斜した屋根形状の上面で形成している。
【0110】
テンションばね49は、拡径手段収容部46において端子本体21に一端が固着されるとともに、径内方向側の他端部が介在部材41Cにおけるばね固着部41aに固着されている。
【0111】
介在部材41Cは、テンションばね49の伸縮に伴って、径内方向、或いは、径外方向にスライド自在に形成している。詳しくは、介在部材41Cは、テンションばね49が収縮した状態においては、
図9(b)に示すように、挿入孔22に挿入したピン51に対して径外方向に退避した径外方向退避状態に配置されるとともに、テンションばね49が伸長した状態においては、
図9(a),(c)に示すように、挿入孔22に挿入したピン51に当接可能に径内方向に突出した径内方向突出状態に配置される。
【0112】
介在部材41Cが径外方向退避状態に配置されたときは、
図9(b)中のX15部分拡大図に示すように、接触ばね30の分断部34に当接するように配置される。すなわち、接触ばね30の挿脱方向Dにおける挿入孔22側の端部であって、接触ばね30の周方向における分断部34に相当する部分に配置された状態となる。
【0113】
一方、ピン51の外周面には、上述した介在部材挿通孔53Cを形成している。介在部材挿通孔53Cは、前記径内方向突出状態の介在部材41Cを挿入可能な挿脱方向Dに沿った長孔形状で形成している(
図9(c)参照)。さらに、介在部材挿通孔53Cは、ピン51の挿脱方向Dにおいて、ピン51を挿入孔22に完全に挿入した挿入完了状態において、径内方向突出状態の介在部材挿通孔53Cの挿入を許容する外周面の位置に形成している。
【0114】
上述した構成のコネクタ1Cは、以下のような作用を奏することができる。
挿入開始前状態においては、
図10(a1)に示すように、接触ばね30は、周方向の弾性力により、ピン51の外径よりも該接触ばね30の内径が縮径した状態、すなわち、一対の分断端辺部35が互いに当接し、分断部34に間隔が無くなるまで縮径した状態で保持段部24に嵌着されている。
【0115】
また、介在部材41Cは、挿入開始前状態においては、径内方向突出状態で配置される(
図9(a)、及び、
図10(a1)参照)。
【0116】
ピン51を挿入孔22に対して挿入すると、
図9(b)、及び、
図10(a2)に示すように、径内方向突出状態の介在部材41Cがピン51に当接し、ピン51の挿入に伴って、テンションばね49は収縮し、やがて径外方向退避状態に配置される。介在部材41Cは、ピン51の外周面に当接することにより、径外方向退避状態で規制される。
【0117】
なお、ピン51を挿入孔22に挿入する際には、ピン51の介在部材挿通孔53Cが、接触ばね30の分断部34と周方向において略一致させた状態で挿入している。
介在部材41Cが径内方向突出状態から径外方向退避状態となるまでの過程において、介在部材41Cにおける分断端辺押上げ部41cが、接触ばね30の分断部34を径外方向へ押し上げように、該分断部34に当接する。
【0118】
これにより、接触ばね30の分断部34において、分断端辺部35の間隔が離間し、径外方向退避状態に配置された介在部材41Cにおける分断端辺押上げ部41cが、分断部34に介在した状態となり、接触ばね30を、ピン51を挿入孔22に挿入する間、ピン51の外径よりも大径となるまで拡径されておくことができる(
図10(a)参照)。
【0119】
従って、ピン51を挿入孔22に挿入する際に、ピン51の外周面が接触ばね30の内周面から大きな接触抵抗(摩擦抵抗)を受けることなく、スムーズに挿入孔22の奥まで挿入することができる。
【0120】
さらに、介在部材41Cは、
図10(b1)に示すように、ピン51を挿入孔22に対して挿入する間、径外方向退避状態に保つようピン51の外周面によって規制されるが、ピン51の挿入孔22に対する挿入が挿入完了状態に近づくと、
図9(c)、
図10(b2)に示すように、ピン51の外周面に形成した介在部材挿通孔53Cに挿入される。これにより、介在部材41Cは、径外方向退避状態に保たれる規制が解除され、介在部材挿通孔53Cに挿入された状態で径内方向突出状態に配置される。
【0121】
すなわち、ピン51の挿入孔22に対する挿入が完了する直前において、介在部材41Cにおける分断端辺押上げ部41cによる一対の分断端辺部35による押し広げ状態が解除されるため、接触ばね30は、
図10(b1)に示す状態から
図10(b2)に示す状態に縮径し、挿入孔22に挿入されたピン51の外周面に該接触ばね30の内周面が接触することになる。
【0122】
上述した構成のコネクタ1Cは、以下のような効果を奏することができる。
コネクタ1Cは、第1実施形態のコネクタ1と同様に、ピン51を挿入孔22に対してスムーズに挿入することができるという効果と、挿入孔22に挿入したピン51に対して接触ばね30を確実に接触させることにより、電気的な接触抵抗の低減を図ることができ、大電流対応コネクタの電力損失を大幅に抑制できるという効果の双方の効果を両立して奏することができる。
【0123】
さらに、コネクタ1Cは、第3実施形態のコネクタ1Bと同様に、例えば、一対の分断端辺部35を押し広げ状態と押し広げ解除状態とのうちいずれか一方の状態から他方の状態に、手動により切り換えて変更するという手間を要することがなく、ピン51を挿入孔22に挿着する際に必要となる挿入力を利用して接触ばね30を意図的に操作せずとも拡径、或いは、縮径することができる。
【0124】
さらに、上述したように、ピン51を挿入孔22に挿入する際に、拡径手段40Cにより予め接触ばね30を拡径しておくことで、ピン51の外周面に対して接触ばね30のばね片33が接触することにより、ピン51の外周面と接触ばね30のばね片33の内周面に施した剥離することを防止できる。
【0125】
(第5実施形態)
第5実施形態におけるコネクタ1Dの構成について
図12を用いて説明する。
なお、
図12(a)は、挿入開始前状態における第5実施形態のコネクタ1Dの構成説明図であり、
図12(b)は、挿入完了状態における第5実施形態のコネクタ1Dの構成説明図であり、いずれも第5実施形態のコネクタ1Dを一部断面で示すとともに、一部省略して平面視した状態で示した構成説明図である。
図12(c)は、挿入開始状態、及び挿入途中状態から挿入完了状態となった場合の接触ばね30の径変動状態を示す第5実施形態におけるコネクタ1Dの
図1(c)に対応する構成説明図である。
【0126】
コネクタ1Dは、
図12(a)に示すように、挿入完了状態において、ピン51の外径よりも大きな内径を有する接触ばね30を挿入孔22に挿入されたピン51の外周面に接触する径にまで縮径する縮径手段として、縮径案内鍔状部54をピン51の外周面に形成している。
【0127】
縮径案内鍔状部54は、ピン51の挿脱方向Dにおいて、ピン51を挿入孔22に完全に挿入した挿入完了状態において、接触ばね30の挿脱方向Dの挿入口22A側の端部に当接可能に、ピン51の挿脱方向Dにおける外周面の位置に形成している。
【0128】
さらに、縮径案内鍔状部54の内周面は、挿入方向D1に向けて開口するとともに、挿入方向D1と反対方向に進むに連れ徐々に縮径したテーパ状の内周面で形成している。
【0129】
上述した構成のコネクタ1Dは、以下のような作用を奏することができる。
上述した構成によれば、接触ばね30は、ピン51の外径よりも大きな内径となるまで拡径する周方向の弾性を備えて構成しているため、ピン51を挿入孔22に挿入する際においては、ピン51の外周面が接触ばね30の内周面から大きな接触抵抗(摩擦抵抗)を受けることなく、ピン51を挿入孔22の奥までスムーズに挿入することができる。
【0130】
前記挿入完了状態においては、
図12(b)に示すように、縮径案内鍔状部54が、接触ばね30の挿脱方向Dの挿入口22A側の端部に当接し、縮径案内鍔状部54のテーパ状の内周面によって、接触ばね30は、
図12(c1)から
図12(c2)に示すように、周方向の弾性に抗して縮径されるため、挿入孔22に挿入したピン51に対して接触する。
【0131】
以上により、ピン51を挿入孔22に対してスムーズに挿入することができるという効果と、挿入孔22に挿入したピン51に対して接触ばね30を確実に接触させることにより、電気的な接触抵抗の低減を図ることができ、大電流対応コネクタの電力損失を大幅に抑制できるという効果の双方の効果を両立して奏することができる。
【0132】
さらに、コネクタ1Dは、ピンに縮径案内鍔状部54を備えることで、挿入完了状態において、ピン51を挿入孔22へ挿入する挿入力を、拡径した接触ばね30を縮径させる力として接触ばね30に伝達することができる。
よって、挿入完了状態において、ピン51を挿入孔22に挿着する際に必要となる挿入力を利用して接触ばね30を意図的に操作せずとも縮径することができる。
【0133】
さらに、上述したように、ピン51を挿入孔22に挿入する際に、予め接触ばね30を拡径しておくことで、ピン51の外周面に対して接触ばね30のばね片33が接触することにより、ピン51の外周面と接触ばね30のばね片33の内周面に施した剥離することを防止できる。
【0134】
この発明のコネクタ端子接続構造は、この実施形態のコネクタ1,1A,1B,1C,1Dに対応するも、この発明は、上述した実施形態に限らず、その他にも様々な実施形態で形成することができる。
【0135】
例えば、接触ばね30の形状は接続相手によって決まるので、接触ばね30は、前述のような円筒状のほか、三角筒状や四角筒状に形成することもできる。
【0136】
さらに、接触ばね30は、板状に形成したものを嵌着相手側部分に対して嵌着可能に筒状に丸めた構成に限らず、筒状の部材の周方向の一部を切り欠いて分断した分断部を備えた構成であってもよい。
【0137】
上述したように、本発明は、上述した実施形態に限定せず、様々な実施形態で構成することができる。