【課題を解決するための手段】
【0011】
新規な1−アルキルシンノリン−4(1H)−オン誘導体が今般見出され、これはカンナビノイドCB
2受容体に対して高い親和性および高い選択性を示す。これらの化合物は、CB
2受容体の活性に調節作用を有する。調節作用は、特にアゴニスト、アンタゴニストおよび/またはインバースアゴニスト作用を意味すると理解される。
【0012】
本発明の主題は、式(I)に対応する化合物である:
【0013】
【化2】
式中:
−Xは、非置換またはAlk基で1回以上置換される二価(C
2−C
5)アルキレンラジカルを表し:
−R
1は:
・ハロゲン原子、Alk基、OAlk基、シアノまたは−NHSO
2Alk基から独立して選択される置換基で1回以上置換されるフェニル;
・非置換またはハロゲン原子、Alk基またはOAlk基から独立して選択される置換基で1回以上置換されるナフチル;
・非置換またはハロゲン原子、Alk基またはOAlk基から独立して選択される置換基で1回以上置換されるピリジル;
・非置換またはハロゲン原子、Alk基またはOAlk基から独立して選択される置換基で1回以上置換される1−ベンゾチエニル;
・非置換またはハロゲン原子、Alk基またはOAlk基から独立して選択される置換基で1回以上置換される1,3−ベンゾジオキソリル;
を表し、
−R
2は、水素原子、ハロゲン原子、Alk基、OAlk基、またはさらに−S−Alk、−SO−Alk、−SO
2−Alk、−CO−N(R
4)−Alk、−N(R
4)SO
2−Alk、−N(R
4)CO−Alk、もしくは−N(R
4)SO
2−N(Alk)
2から選択される基を表し;
−R
3は、水素原子、ハロゲン原子、Alk基、またはOAlk基を表し;
−R
4は、水素原子または(C
1−C
4)アルキルを表し;
−Alkは、非置換またはフッ素原子で1回以上置換される(C
1−C
4)アルキルを表す。
【0014】
式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含み得る。故にこれらは、エナンチオマーおよびジアステレオ異性体の形態で存在し得る。これらのエナンチオマーおよびジアステレオ異性体、およびラセミ混合物を含むこれらの混合物は本発明の範囲内である。
【0015】
式(I)の化合物は、塩基または酸との付加塩の形態で存在し得る。こうした付加塩も本発明の範囲内である。
【0016】
これらの塩は、有利なことには、医薬的に許容される酸を用いて調製されるが、式(I)の化合物の精製または単離に有用な他の酸の塩も本発明の範囲内である。
【0017】
式(I)の化合物が硫黄原子を含む場合、すべての光学異性体およびいずれかの割合でのこれらの混合物は、本発明の主題である。
【0018】
(C
2−C
5)アルキレンは、2から5個の炭素原子の二価ラジカル、例えばエチレン、トリメチレン、テトラメチレンまたはペンタメチレンラジカルを意味すると理解される。
【0019】
(C
1−C
4)アルキルは、1から4個の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキルラジカル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルラジカルを意味すると理解される。
【0020】
(C
1−C
4)アルコキシは、1から4個の炭素原子の直鎖または分岐鎖の炭素を含むラジカルに結合した酸素原子、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシラジカルを意味すると理解される。
【0021】
ハロゲン原子は、臭素、塩素、フッ素またはヨウ素原子を意味すると理解される。
【0022】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、塩基または酸との付加塩の形態である次の化合物が選び出される:
−Xは、非置換またはAlk基で1回以上置換される二価(C
2−C
5)アルキレンラジカルを表し;
−R
1は:
・ハロゲン原子、Alk基またはOAlk基から独立して選択される置換基で1回以上置換されるフェニル
・ハロゲン原子またはAlk基から独立して選択される置換基で1回以上置換されるピリジル
を表し;
−R
2は、水素原子、ハロゲン原子、Alk基、OAlk基、−S−Alk基、−SO−Alk基、−SO
2−Alk基、−CO−N(R
4)−Alk基、−N(R
4)SO
2−Alk基、−N(R
4)CO−Alk基、または−N(R
4)−SO
2−N(Alk)
2基を表し;
−R
3は、水素原子、ハロゲン原子、Alk基またはOAlk基を表し;
−R
4は、水素原子または(C
1−C
4)アルキルを表し;
−Alkは、非置換またはフッ素原子で1回以上置換される(C
1−C
4)アルキルを表す。
【0023】
好ましくは特に、塩基または酸との付加塩の形態である次のような式(I)の化合物を挙げることができる:
−Xは、非置換またはメチルで1回以上置換される二価(C
2−C
5)アルキレンラジカルを表し;
−R
1は、3−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、4−フルオロ−2−メトキシフェニル、2,3−ジクロロフェニル、または2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イルを表し;
−R
2は、アルキル鎖の末端位置に配置される、水素原子、フッ素または塩素原子、トリフルオロメチルラジカル、−OCH
3基、−OCH
2CH
3基、−S−CH
3基、−S−CH
2−CH
3基、−SO−CH
2−CH
3基、−SO
2CH
3基、−SO
2CH
2CH
3基、−NHSO
2−CH
3基、−NHSO
2−CF
3基、−NHSO
2CHF
2基、−N(CH
3)−SO
2CH
3基、−NH−CO−CF
3基、−N(CH
3)−CO−CF
3基、−NH−SO
2−N(CH
3)
2基、または−CO−N(CH
3)
2基を表し;
−R
3は、水素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基、またはトリフルオロメチルラジカルを表す。
【0024】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、特に、塩基の形態または酸との付加塩の形態である次の化合物を挙げることができる:
−3−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−1−ペンチルシンノリン−4(1H)−オン;
−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−1−ペンチルシンノリン−4(1H)−オン;
−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ペンチルシンノリン−4(1H)−オン;
−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(5,5,5−トリフルオロペンチル)シンノリン−4(1H)−オン;
−8−メトキシ−1−ペンチル−3−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(4,4,4−トリフルオロブチル)シンノリン−4(1H)−オン;
−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−[3−(メチルチオ)プロピル]シンノリン−4(1H)−オン;
−1−(4−フルオロブチル)−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−3−[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−1−ペンチルシンノリン−4(1H)−オン;
−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(5,5,5−トリフルオロペンチル)シンノリン−4(1H)−オン;
−3−[2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(5,5,5−トリフルオロペンチル)シンノリン−4(1H)−オン;
−1−(3−クロロプロピル)−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−1−ペンチル−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−1−[3−(メチルチオ)プロピル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−3−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1−(4,4,4−トリフルオロブチル)シンノリン−4(1H)−オン;
−3−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1−(4,4,4−トリフルオロブチル)シンノリン−4(1H)−オン;
−7−クロロ−3−[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(5,5,5−トリフルオロペンチル)−シンノリン−4(1H)−オン;
−N−(3−[3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル]プロピル)メタンスルホンアミド;
−N−[3−[3−[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル]プロピル]メタンスルホンアミド;
−N−[3−[3−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル]プロピル]メタンスルホンアミド;
−N−[3−[3−(2,3−ジクロロフェニル−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル)プロピル]メタンスルホンアミド;
−N−[3−[8−メトキシ−4−オキソ−3−[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シンノリン−1(4H)−イル]プロピル]メタンスルホンアミド;
−N−[3−[3−(2,3−ジクロロフェニル)−4−オキソ−7−(トリフルオロメチル)シンノリン−1(4H)−イル]プロピル]メタンスルホンアミド;
−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(3−メタンスルホニル)プロピル)−8−メトキシ−1H−シンノリン−4−オン;
−N−{3−[3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4H−シンノリン−1−イル]プロピル}メタンスルホンアミド;
−N−{3−[3−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4H−シンノリン−1−イル]プロピル}メタンスルホンアミド;
−N−{3−[3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−オキソ−4H−シンノリン−1−イル]−プロピル}メタンスルホンアミド;
−N−{3−[3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−メトキシ−4−オキソ−4H−シンノリン−1−イル]プロピル}メタンスルホンアミド;
−1−[2−(エチルチオ)エチル]−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン;
−1−[2−(エチルスルフィニル)エチル]−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン;
−1−[2−(エチルスルホニル)エチル]−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン;
−3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−[2−(エチルチオ)エチル]−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン;
−3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−[2−(エチルスルフィニル)エチル]−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン;
−3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−[2−(エチルスルホニル)エチル]−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン;
−N−(3−{8−メトキシ−4−オキソ−3−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シンノリン−1(4H)−イル}プロピル)メタンスルホンアミド;
−1,1,1−トリフルオロ−N−(3−{3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル}プロピル)メタンスルホンアミド;
−2,2,2−トリフルオロ−N−(3−{3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル}プロピル)アセトアミド;
−N−(3−{7−クロロ−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル}プロピル)メタンスルホンアミド;
−N−{3−[3−(2,3−ジクロロフェニル)−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル]プロピル}−N−メチルメタンスルホンアミド;
−1−[2−(エチルチオ)エチル]−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−(トリフルオロメトキシ)シンノリン−4(1H)−オン;
−7−クロロ−1−[2−(エチルチオ)エチル]−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−7−クロロ−1−[2−(エチルスルホニル)エチル]−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−7−クロロ−3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−[2−(エチルチオ)エチル]シンノリン−4(1H)−オン;
−2,2,2−トリフルオロ−N−(3−{3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル}プロピル)−N−メチルアセトアミド;
−N−(3−{7−クロロ−3−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル}プロピル)メタンスルホンアミド;
−7−クロロ−1−[2−(エチルチオ)エチル]−3−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−7−クロロ−3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−[2−(エチルスルフィニル)エチル]シンノリン−4(1H)−オン;
−7−クロロ−3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−[2−(エチルスルホニル)エチル]シンノリン−4(1H)−オン;
−1−[2−(エチルチオ)エチル]−8−メトキシ−3−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−1−[2−(エチルスルホニル)エチル]−8−メトキシ−3−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン;
−3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−(2−エトキシエチル)−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン;
−1−(2−エトキシエチル)−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン;
−N’−{3−[3−(2,3−ジクロロフェニル)−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル]プロピル}−N,N−ジメチルスルファミド;
−1,1−ジフルオロ−N−(3−{3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル}プロピル)メタンスルホンアミド;
−N−(2−{3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル}エチル)メタンスルホンアミド;
−3−{3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル}−N,N−ジメチルプロパンアミド;
−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−1−(3−メトキシ−3−メチルブチル)シンノリン−4(1H)−オン;
−3−(2,3−ジクロロフェニル)−8−メトキシ−1−(3−メトキシ−3−メチルブチル)シンノリン−4(1H)−オン;
−3−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−8−メトキシ−1−(3−メトキシ−3−メチルブチル)シンノリン−4(1H)−オン;
−8−フルオロ−3−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(3−メトキシ−3−メチルブチル)シンノリン−4(1H)−オン。
【0025】
以降、保護基PGは、一方で、反応性官能基、例えばヒドロキシルまたはアミンを合成の間保護し、他方で合成の終わりにそのままの反応性官能基を再生することができる基を意味すると理解される。保護基ならびに保護および脱保護方法の例は、「Protective Group in Organic Synthesis」,Green et al.,4th Edition(John Wiley&Sons Inc.,New York),2007に与えられる。
【0026】
脱離基は、以降、電子対の離脱を伴う不均等結合を開裂することによって分子から容易に開裂し得る基を意味すると理解される。故にこの基は、例えば置換反応の間、別の基で容易に交換され得る。こうした脱離基は、例えばハロゲンまたは活性化ヒドロキシル基、例えばメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート、トリフラート、アセタートなどである。脱離基の例およびこれらの調製のための参照は、「Advanced Organic Chemistry」,M.B.Smith and J.March,6th edition,Wiley Interscience,2007,pp.496−501に与えられる。
【0027】
本発明によれば、式(I)の化合物は、以下を特徴とする方法に従って調製できる:
次式の化合物:
【0028】
【化3】
式中、X、R
2およびR
3は、式(I)の化合物について定義された通りであり、Halはハロゲン原子を表す
を、塩基の存在下、次式の化合物と反応させる:
R
1−B(OH)
2 (III)
式中、R
1は式(I)の化合物について定義された通りである。
【0029】
反応は、パラジウム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、塩基、例えば炭酸ナトリウムの存在下、溶媒、例えばトルエン、メタノール、エタノール、またはこれらの溶媒の混合物など中、周囲温度から100℃までの温度にて行うことができる。
【0030】
場合により、式(I)の化合物は、無機および/または有機酸を用いてこの付加塩の1つに転化される。
【0031】
こうして得られた式(I)の化合物は、続いて反応媒体から分離でき、従来の方法、例えば結晶化またはクロマトグラフィに従って精製できる。
【0032】
こうして得られた式(I)の化合物は、従来の技術に従って遊離の塩基または塩の形態で単離される。
【0033】
この方法の代替形態によれば、R
2が−S−Alk基を表す式(I)の化合物も、次式の化合物:
【0034】
【化4】
式中、X、R
1およびR
3は、式(I)の化合物について定義された通りであり、Halはハロゲン原子を表す
を、次式のナトリウムアルカンチオラート誘導体と反応させることによって調製できる:
NaS−R
2 (V)
式中、R
2は式(I)の化合物について定義された通りである。
【0035】
反応は、溶媒、例えばエタノール中、周囲温度から溶媒の還流温度までの温度で行われる。
【0036】
上記方法の別の代替形態によれば、R
2が−SOAlkまたは−SO
2Alkを表す式(I)の化合物は、R
2が−SAlkを表す式(I)の化合物の酸化剤との反応によって調製できる。酸化剤として、例えば過酸化水素水溶液またはジクロロメタンのような溶媒中の3−クロロ過安息香酸を0℃から周囲温度までの温度で使用できる。
【0037】
この反応温度に従って、使用される酸化剤の当量数によれば、スルホキシド(R
2=−SOAlk)またはスルホン(R
2=−SO
2Alk)が得られる。2つの化合物の混合物を得ることもでき、これらは当業者に既知の方法、例えば分取クロマトグラフィを用いて分離される。
【0038】
式(II)の化合物は、次式の化合物:
【0039】
【化5】
式中、R
3は、式(I)の化合物について定義された通りであり、Halはハロゲン原子を表す
を、次式の化合物と反応させることによって調製される:
Y−X−R
2 (VII)
式中、XおよびR
2は式(I)の化合物について定義された通りであり、Yはハロゲン原子またはヒドロキシルを表す。
【0040】
Y=Halである場合、反応は、強塩基、例えば水素化ナトリウムなどの存在下、溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなど中、0℃から溶媒の還流温度までの温度にて行われる。
【0041】
Y=OHである場合、反応は、ジエチルアゾジカルボキシラートおよびトリフェニルホスフィンの存在下、溶媒、例えばテトラヒドロフランなど中、0℃から周囲温度までの温度にて行われる。
【0042】
この方法の代替形態によれば、R
2が−N(R
4)−SO
2Alkであり、R
4=Hである式(II)の化合物はまた、次式の化合物:
【0043】
【化6】
式中、XおよびR
3は、式(I)の化合物について定義された通りであり、Halはハロゲン原子を表す
を、次式の化合物と反応させることによって調製できる:
Hal−SO
2Alk (XX)
式中、Alkは式(I)の化合物について定義された通りであり、Halはハロゲン原子を表す。
【0044】
反応は、塩基、例えばトリエチルアミンなどの存在下、溶媒、例えばジクロロメタンなど中、0℃から周囲温度までの温度にて行われる。
【0045】
R
2=−N(R
4)SO
2Alkであり、R
4がH以外である式(II)の化合物は、R
2=−NHSO
2Alkである式(II)の化合物を塩基の存在下でアルキル化剤と反応させることによって調製できる。例えばアルキル化剤として、式SO
4(R
4)
2のジアルキルスルファートまたは式R
4Halのアルキルハライドが、例えば、強塩基、例えば水素化ナトリウムなどの存在下で使用され、式中、式R
4=(C
1−C
4)アルキルであり、Halがハロゲン原子を表す。
【0046】
R
2=−N(R
4)SO
2−N(Alk)
2である式(II)の化合物は、式(XIX)の化合物および式Hal−SO
2−N(Alk)
2(XXa)の化合物から出発して、R
2=−N(R
4)SO
2Alkに関して上記で記載された同じ手順に従って調製できる。
【0047】
式(III)の化合物は、市販されており、既知であり、または当業者に既知の方法に従って調製される。
【0048】
式(IV)の化合物は、次式の化合物と式(III)の化合物とを反応させることによって調製される:
【0049】
【化7】
式中、XおよびR
3は、式(I)の化合物について定義された通りであり、Halはハロゲン原子を表す。
【0050】
反応は、パラジウム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどの存在下、塩基、例えば炭酸ナトリウムなどの存在下、溶媒、例えばトルエン、メタノール、エタノールまたはこれらの溶媒の混合物など中、周囲温度から100℃までの温度で行われる。
【0051】
式(V)の化合物は、市販されており、既知であり、または当業者に既知の方法に従って調製される。
【0052】
Halが臭素原子を表す式(VI)の化合物は、次式の化合物から、塩基、例えばカリウムエトキシドなどの存在下、溶媒、例えば酢酸など中、周囲温度から溶媒の還流温度までの温度で臭素と反応させることにより調製される:
【0053】
【化8】
式中、R
3は、式(I)の化合物について定義された通りである。
【0054】
Halがヨウ素原子を表す式(VI)の化合物は、フェニル[ビス(2,2,2−トリフルオロアセトキシ)]−λ
3−ヨーダンおよび塩基、例えばピリジンなどの存在下、溶媒、例えばジクロロメタンなど中、周囲温度にてヨウ素と式(IX)の化合物を反応させることによって調製される。
【0055】
式(VII)の化合物は、市販されており、既知であり、または当業者に既知の方法に従って調製される。
【0056】
式(VIII)の化合物は、R
3が式(I)の化合物について定義された通りである式(VI)の化合物と次式の化合物との反応によって調製される:
Hal−X−Hal (X)
式中、Halはハロゲン原子を表し、Xは式(I)の化合物について定義された通りである。反応は、強塩基、例えば水素化ナトリウムなどの存在下、溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなど中、0℃から溶媒の還流温度までの温度にて行われる。
【0057】
式(IX)の化合物は、窒素化ナトリウムの存在下、溶媒、例えば塩酸など中、0℃から周囲温度までの温度で、次式の化合物の環化により調製される:
【0058】
【化9】
式中、R
3は、式(I)の化合物について定義された通りである。
【0059】
式(X)の化合物は、市販されており、既知であり、または当業者に既知の方法に従って調製される。
【0060】
R
3が式(I)の化合物について定義された通りである式(XI)の化合物は、以下のスキームIに従って調製される。
【0061】
スキームI
【0062】
【化10】
スキームIの段階a1において、式(XII)の化合物の塩化スルホニルとの反応は、周囲温度から100℃までの温度で行われる。
【0063】
段階b1において、こうして得られた式(XIII)の化合物は、マグネシウムの存在下、溶媒、例えばエーテル(例えばジエチルエーテル)など中、周囲温度から溶媒の還流温度までの温度にて、ジエチルマロナートと反応させる。
【0064】
こうして得られた式(XIV)の化合物は、段階c1において、亜鉛および酢酸の存在下、溶媒、例えばテトラヒドロフランなど中、0℃から周囲温度までの温度において還元される。
【0065】
式(XII)の化合物は、市販されており、既知であり、または当業者に既知の方法に従って調製される。
【0066】
この方法の代替形態によれば、R
3が式(I)の化合物について定義された通りである式(XI)の化合物もまたスキームIIに従って調製可能である。
【0067】
スキームII
【0068】
【化11】
スキームIIの段階a2において、式(XV)の化合物のアミンは、当業者に既知の方法に従って保護される。
【0069】
段階b2において、こうして得られた式(XVI)の化合物は、ペプチド化学に使用されるカップリング剤、例えば1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)または(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP)または2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−l,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラートなどの存在下、塩基、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジンなどの存在下、溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなど中、−10℃から溶媒の還流温度までの温度でN−メトキシメタンアミンと反応させる。
【0070】
こうして得られた化合物(XVII)は、段階c2において、溶媒、エーテル(例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン)など中、−100℃から周囲温度までの温度にて、有機金属化合物、メチルマグネシウムブロミドなどと反応させる。
【0071】
こうして得られた化合物(XVIII)は段階d2にて脱保護される。
【0072】
化合物(XIX)は、溶媒、例えばメタノールなど中、周囲温度から溶媒の還流温度までの温度にて、次式の化合物:
【0073】
【化12】
式中、XおよびR
3は、式(I)の化合物について定義された通りであり、Halはハロゲン原子を表す
と、ヒドラジン一水和物とを反応させることによって調製される。
【0074】
式(XX)および(XXa)の化合物は、市販されており、既知であり、または当業者に既知の方法に従って調製される。
【0075】
式(XXI)の化合物は、R
3が式(I)の化合物について定義された通りである式(VI)の化合物と、次式の化合物とを反応させることによって調製される:
【0076】
【化13】
式中、Xは、式(I)の化合物について定義された通りであり、Yはハロゲン原子またはヒドロキシルを表す。
【0077】
化合物(XXII)の代替として、式(VI)の化合物と共に式Hal−X−NHBOCの化合物が使用できる。
【0078】
Y=Halである場合、反応は、強塩基、例えば水素化ナトリウムなどの存在下、溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなど中、0℃から溶媒の還流温度までの温度にて行われる。
【0079】
Y=OHである場合、反応は、ジエチルアゾジカルボキシラートおよびトリフェニルホスフィンの存在下、溶媒、例えばテトラヒドロフランなど中、0℃から周囲温度までの温度にて行われる。
【0080】
式(XXII)の化合物は、市販されており、既知であり、または当業者に既知の方法に従って調製される。
【0081】
次の実施例は、本発明に従う一部の化合物の調製を記載する。これらの実施例は、限定ではなく、本発明の例示としてのみ作用する。実施例中の化合物の番号は、以下の表Iに記載される番号を指し、表には本発明に従う幾つかの化合物の化学的構造および物理的特性が例示される。
【0082】
調製および実施例には次の略号が使用される:
AcOEt:酢酸エチル、
AcONa:酢酸ナトリウム、
BOC:tert−ブチルオキシカルボニル、
HPLC:高速液体クロマトグラフィ、
DCM:ジクロロメタン、
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、
DMSO:ジメチルスルホキシド、
エーテル:ジエチルエーテル、
イソエーテル:ジイソプロピルエーテル、
M.p.:融点、
HBr:臭化水素酸、
MeOH:メタノール、
AT:周囲温度、
テトラキス:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、
TFA:トリフルオロ酢酸、
THF:テトラヒドロフラン。
【0083】
プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)スペクトルは、d
6−DMSO中200MHzで記録される。化学シフトδは、100万部あたりの部(ppm)で表される。スペクトルを示す際には次の略号を使用する:s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:分解されないピーク、mt:多重線、bs:広い一重線、sd:スプリット二重線。
【0084】
溶媒の混合物は、体積比で定量される。
【0085】
本発明に従う化合物は、組み合わせたLC/UV/MS(液体クロマトグラフィ/UV検出/質量分析)によって分析される。分子ピーク(MH
+)および分単位の保持時間(rt)を測定する。
【0086】
使用される条件は次の通りである:
条件A
カラム:Symmetry C
18(2.1×50mm)3,5μm;
溶出液:A:H
2O+0.005%TFA pH=3;
B:アセトニトリル/0.005%TFA;
勾配:
【0087】
【表1】
流速:0.4ml/分;
UV検出:λ=210−220nm;
【0088】
条件B
XTerra MS C
18(2.1×50mm)3.5μmカラムを使用する;
溶出液:A:10mM AcONH
4 pH=7;
B:アセトニトリル;
勾配:
【0089】
【表2】
流速:0.4ml/分;
UV検出:λ=220nm;
【0090】
条件C
Acquity BEH C
18(2.1×50mm)1.7μmカラムを使用する;
溶出液:A:H
2O+0.05%TFA pH=3;アセトニトリル(97/3)
B:アセトニトリル/0.035%TFA;
勾配:
【0091】
【表3】
流速:1ml/分;
UV検出:λ=220nm;
質量スペクトルは、分析される化合物のプロトン化から(MH
+)または他のカチオン、例えばNa
+、K
+などとの付加体の形成から生じるイオンを観察するために、正の電気スプレー(ESI)モードにて記録される。
【0092】
調製
1.式(XI)の化合物の調製
調製1.1
1−(2−アミノ−3−メトキシフェニル)エタノン
(XI):R
3=3−OMe
A− 3−メトキシ−2−ニトロベンゾイルクロリド
塩化チオニル60ml中の3−メトキシ−2−ニトロ安息香酸10gの混合物を75℃で3時間加熱する。反応混合物を減圧下で濃縮して、10.9gの予測化合物を得て、この生成物を次の段階にそのまま使用する。
【0093】
B− 1−(3−メトキシ−2−ニトロフェニル)エタノン
ジエチルマロナート20mLのEtOH(12ml)中の溶液を、エーテル10ml中のマグネシウム3.2gの混合物にATで滴下し、次いでエーテル40ml中の先行段階からの化合物10.9gの溶液を滴下し、混合物を18時間還流加熱する。反応混合物をエーテル50mlに注ぎ、不溶性物質をろ過する。不溶性物質を飽和NH
4Cl溶液にとり、クロロホルム100mlで抽出を行い、10%HCl溶液20mlを添加することによって水相を酸性化し、この水相をクロロホルム100mlで再抽出し、合わせた有機相をMgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、酢酸10ml、H
2SO
41.5mlおよび水7mlの混合物中にとり、次いで5時間還流加熱する。酢酸を減圧下で濃縮して、反応混合物を水100ml中にとり、NH
4OHを添加することによって水相を塩基性にし、クロロホルム100mlで抽出を行い、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物の80/20(v/v)から20/80(v/v)の勾配を用いて行う。3.3gの予測化合物が得られる。
【0094】
C− 1−(2−アミノ−3−メトキシフェニル)エタノン
先行段階からの化合物3.3gのTHF100ml中の溶液を、0℃まで冷却し、亜鉛13.27gおよび酢酸15.7mlを添加し、次いでこの混合物を、温度をATまで上昇させながら撹拌し続け、ATで4時間撹拌し続ける。反応混合物をCelite(登録商標)を通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。残渣をTHFで抽出し、有機相を10%NaOH100ml溶液および飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物の80/20(v/v)から60/40(v/v)の勾配を用いて行う。2gの予測化合物が得られる。
【0095】
調製1.2
1−(2−アミノ−4−クロロフェニル)エタノン
(XI):R
3=4−Cl
A− 2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−クロロ安息香酸
2−アミノ−4−クロロ安息香酸10gのジオキサン45mlおよび水15ml中の混合物に、トリエチルアミン19.5mlを添加し、次いでジ(tert−ブチル)ジカルボナート14.73gのジオキサン30ml中の溶液を滴下し、この混合物をATで48時間撹拌し続ける。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を水/AcOEt混合物100ml中にとり、沈降により相が分離し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物の80/20(v/v)から50/50(v/v)の勾配を用いて行う。5.35gの予測化合物が得られる。
【0096】
B− tert−ブチル[5−クロロ−2−[メトキシ(メチル)カルバモイル]フェニル]カルバマート
トリエチルアミン8.78mlおよび次いでN−メトキシメタンアミン2.11gおよびPyBOP(11.27g)を、先行段階からの化合物5.35gのDCM200ml中の溶液に添加し、この混合物をATで一晩撹拌し続ける。反応混合物を、水、10%NaOH溶液、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物の80/20(v/v)から60/40(v/v)の勾配を用いて行う。5.7gの予測化合物が得られる。
【0097】
C− tert−ブチル(2−アセチル−5−クロロフェニル)カルバマート
先行段階からの化合物5.7gのTHF445ml中の溶液を、−40℃に冷却し、メチルマグネシウムブロミド38.8mlを滴下し、混合物をATで一晩撹拌し続ける。反応混合物を10%HCl溶液に注ぎ、抽出をAcOEtで行い、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物(80/20;v/v)および次いで100%AcOEtまでで行う。2.05gの予測化合物が得られる。
【0098】
D− 1−(2−アミノ−4−クロロフェニル)エタノン
トリフルオロ酢酸2.55mlを、先行段階からの化合物0.9gのDCM17ml中の溶液に滴下し、この混合物をATで一晩撹拌し続ける。反応混合物を10%NaOH溶液および飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を蒸発させる。0.6gの予測化合物が得られる。
【0099】
2.式(IX)の化合物の調製
調製2.1
8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン
(IX):R
3=8−OMe
調製1.2からの化合物2gの濃縮HCl(8ml)中の溶液を0℃に冷却し、NaNO
21.25gの水2.7ml中の溶液を、10℃未満の反応混合物温度を維持しながら滴下し、この混合物を0℃で2時間、およびATで一晩撹拌し続ける。反応混合物を減圧下で濃縮して、AcONa溶液50mlを添加し、形成された沈殿をろ過し、水20mlで洗浄する。1.95gの予測化合物が得られる。
【0100】
調製2.2
7−クロロシンノリン−4(1H)−オン
(IX):R
3=7−Cl
調製1.2からの化合物1.8gの濃縮HCl(7ml)中の溶液を0℃に冷却し、NaNO
21.1gの水2.39ml中の溶液を、10℃未満の反応混合物温度を維持しながら滴下し、この混合物を0℃で2時間、およびATで一晩撹拌し続ける。反応混合物を減圧下で濃縮して、AcONa溶液50mlを添加し、形成された沈殿をろ過し、水20mlで洗浄する。1.6gの予測化合物が得られる。
【0101】
3.式(VI)の化合物の調製
調製3.1
3−ブロモ−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン
(VI):R
3=8−OMe;Hal=Br
EtOK(1.4g)を、調製2.1からの化合物1.95gのAcOH20ml中の混合物に添加し、合わせた混合物を還流加熱する。臭素0.68mlのAcOH2ml中の溶液を続いて滴下し、この混合物を1時間30分還流加熱する。AcOHを減圧下で濃縮して、残渣を水にとり、形成された沈殿物をろ過し、水で洗浄し、乾燥する。2.8gの予測化合物が得られる。
【0102】
調製3.2
3−ブロモ−7−クロロシンノリン−4(1H)−オン
(VI):R
3=7−Cl;Hal=Br
EtOK(1.26g)を、調製2.2からの化合物1.8gのAcOH15ml中の混合物に添加し、合わせた混合物を還流加熱する。臭素0.77mlのAcOH5ml中の溶液を続いて滴下し、この混合物を3時間還流加熱する。AcOHを減圧下で濃縮して、残渣を水にとり、形成された沈殿物をろ過し、水で洗浄し、乾燥する。2.4gの予測化合物が得られる。
【0103】
調製3.3
3−ブロモシンノリン−4(1H)−オン
(VI):R
3=H;Hal=Br
化合物を調製3.1に記載される手順に従って調製した。
【0104】
調製3.4
3−ヨード−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン
(VI):R
3=8−OMe;Hal=I
ヨウ素8.2gおよびピリジン5.19mlを、調製2.1からの化合物9.5gおよびフェニル[ビス(2,2,2−トリフルオロアセトキシ)]−λ
3−ヨーダン13.91gのDCM270ml中の混合物に添加する。混合物をATで一晩撹拌し続ける。形成された沈殿物をろ過し、n−ペンタンで洗浄し、次いで乾燥する。13.2gの予測化合物が得られる。
【0105】
4.式(II)の化合物の調製
調製4.1
3−ブロモ−8−メトキシ−1−ペンチルシンノリン−4(1H)−オン
(II):X=−(CH
2)
5−;R
2=H;R
3=8−OMe;Hal=Br
60%での油中のNaH0.33gのDMF15ml中の懸濁液を0−5℃に冷却し、調製3.1からの化合物1.4gのDMF15ml中の溶液、および次いで1−ヨードペンタン1.08mlのDMF10ml中の溶液を滴下し、この混合物を75℃で3時間加熱する。反応混合物を水に注ぎ、DCMで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物の80/20(v/v)から50/50(v/v)の勾配を用いて行う。0.65gの予測化合物が得られる。
【0106】
調製4.2
3−ブロモ−7−クロロ−1−(5,5,5−トリフルオロペンチル)シンノリン−4(1H)−オン
(II):X=−(CH
2)
4−;R
2=CF
3;R
3=7−Cl;Hal=Br
60%での油中のNaH0.55gのDMF20ml中の懸濁液を0から5℃に冷却し、調製3.2からの化合物2.4gのDMF30ml中の溶液を滴下し、次いで5−ブロモ−1,1,1−トリフルオロペンタン2.8gのDMF10ml中の溶液を滴下し、この混合物を75℃で3時間加熱する。反応混合物を水に注ぎ、DCMで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物の80/20(v/v)から40/60(v/v)の勾配を用いて行う。1.4gの予測化合物が得られる。
【0107】
調製4.3
N−[3−(3−ブロモ−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル)プロピル]メタンスルホンアミド
(II):X=−(CH
2)
3−;R
2=−NHSO
2Me;R
3=8−OMe;Hal=Br
A− 2−[3−(3−ブロモ−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル)プロピル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(XXI)
60%での油中のNaH0.77gのDMF15ml中の懸濁液を0−5℃に冷却し、調製3.1からの化合物3.3gのDMF50ml中の溶液を滴下し、次いで2−(3−ブロモプロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン5.2gのDMF20ml中の溶液を滴下し、この混合物を75℃で6時間加熱し、ATまで一晩で戻す。
【0108】
反応混合物を水に注ぎ、DCMで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物の90/10(v/v)から40/60(v/v)の勾配を用いて行う。5gの予測化合物が得られる。
【0109】
B− 1−(3−アミノプロピル)−3−ブロモ−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン(XIX)
ヒドラジン一水和物0.66mlを、先行段階からの化合物3gのMeOH20ml中の溶液に添加し、この混合物を4時間還流加熱する。この反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を10%NaOH溶液にとり、DCMで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。1.87gの予測化合物が得られる。
【0110】
C− N−[3−(3−ブロモ−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル)プロピル]メタンスルホンアミド
先行段階からの化合物1.87g、トリエチルアミン1.84mlおよびメタンスルホニルクロリド0.51mlのDCM75ml中の混合物をATで一晩撹拌し続ける。反応混合物を10%HCl溶液および10%NaOHで洗浄し、形成された沈殿物をろ過し、乾燥する。2gの予測化合物が得られる。
【0111】
調製4.4
1,1,1−トリフルオロ−N−[3−(3−ヨード−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル)プロピル]メタンスルホンアミド
(II):X=−(CH
2)
3−;R
2=−NHSO
2CF
3;R
3=8−OMe;Hal=I
60%での油中のNaH0.3gのDMF5ml中の懸濁液を5℃に冷却し、調製3.4からの化合物0.75gのDMF10ml中の溶液を滴下し、次いで調製7からの化合物2gのDMF10ml中の溶液を滴下し、この混合物をATまで温度上昇させながら撹拌し続ける。反応混合物を100℃にて48時間加熱する。反応混合物を水に注ぎ、DCMで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物の80/20(v/v)から50/50(v/v)の勾配を用いて行う。予測化合物が得られる。
【0112】
調製4.5
8−フルオロ−3−ヨード−1−(3−メトキシ−3−メチルブチル)シンノリン−4(1H)−オン
(II):X=−CH
2CH
2C(CH
3)
2−;R
2=−OCH
3;R
3=8−F;Hal=I
8−フルオロ−3−ヨードシンノリン−4(1H)−オン0.72gおよび3−メトキシ−3−メチルブタン−1−オール0.48mlのTHF20ml中の混合物を5℃に冷却し、トリフェニルホスフィン0.97gを添加し、次いでジエチルアゾジカルボキシラート0.65gを徐々に添加し、この混合物をATで一晩撹拌し続ける。この反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物(75/25;v/v)、および次いでAcOEtを用いて行う。予測化合物が得られる。
【0113】
調製4.6
N−[2−(3−ヨード−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル)エチル]メタンスルホンアミド
(II):X=−(CH
2)
2−;R
2=−NHSO
2Me;R
3=8−OMe;Hal=I
A− 2−[2−(3−ヨード−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル)エチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(XXI)
調製3.4からの化合物2gおよび2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン2.5gのTHF50ml中の混合物を5℃に冷却し、トリフェニルホスフィン3.47gを添加し、次いでジエチルアゾジカルボキシラート2.3gを徐々に添加する。ATで45分間撹拌した後、この反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣をDCMにとり、形成された沈殿物をろ過する。3.15gの予測化合物が得られる。
【0114】
B− 1−(2−アミノエチル)−3−ヨード−8−メトキシシンノリン−4(1H)−オン塩酸塩(XIX)
ヒドラジン一水和物0.31mlを、先行段階からの化合物1.5gのMeOH12ml中の溶液に添加し、この混合物を65℃で3時間加熱する。この反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を10%のNaOH溶液中にとり、DCMで抽出し、有機相を飽和NaC1溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。こうして得られた生成物を、DCM/MeOH混合物中に溶解し、2Nのエーテル性塩酸を添加し、形成された沈殿物をろ過する。0.88gの予測化合物が得られる。
【0115】
C− N−[2−(3−ヨード−8−メトキシ−4−オキソシンノリン−1(4H)−イル)エチル]メタンスルホンアミド
先行段階からの化合物0.4g、トリエチルアミン0.58mlおよびメタンスルホニルクロリド0.09mlのDCM20ml中の混合物をATで48時間撹拌し続ける。この反応混合物をDCM/水混合物の添加により希釈し、形成された沈殿物をろ過する。0.21gの予測化合物が得られる。
【0116】
5.式(VIII)の化合物の調製
3−ブロモ−1−(3−クロロプロピル)シンノリン−4(1H)−オン
(VIII):X=−(CH
2)
3−;R
3=H;Hal=Cl
60%での油中のNaH(1.06g)のDMF80ml中の懸濁液を5℃に冷却し、調製3.3からの化合物4gのDMF50ml中の溶液を滴下し、次いで1−ブロモ−3−クロロプロパン2.64mlのDMF50ml中の溶液を滴下し、この混合物をATまで温度上昇させながら一晩撹拌し続ける。反応混合物を水に注ぎ、DCMで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。4.9gの予測化合物が得られる。
【0117】
6.式(IV)の化合物の調製
1−(3−クロロプロピル)−3−[2−フルオロ−(3−トリフルオロメチル)フェニル]シンノリン−4(1H)−オン
(IV):X=−(CH
2)
3−;R
1=
【0118】
【化14】
;R
3=H;Hal=Cl
2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸1.16gを、調製5からの化合物1.4gのトルエン/MeOHの混合物(70/30;v/v)90ml中の混合物に続いて添加し、この後2MのNa
2CO
3溶液7.66mlを添加する。窒素を反応混合物に30分間分散させ、テトラキス1.07gを続けて添加し、この混合物を1時間30分還流添加する。反応混合物をCelite(登録商標)を通してろ過し、次いでろ液を減圧下で濃縮する。残渣をDCMで抽出し、有機相を10%NaOH溶液および飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣に対してシリカゲル上でクロマトグラフィを行い、溶出はシクロヘキサン/AcOEt混合物(70/30;v/v)から100%AcOEtを用いて行う。3.3gの予測化合物が得られる。
【0119】
7.式(VII)の化合物の調製
N−(3−ブロモプロピル)−1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド
(VII):X=−(CH
2)
3−;Y=Br;R
2=−NHSO
2CF
3
トリエチルアミン5.1mlおよび次いでトリフルオロメタンスルホニルクロリド1.06mlを、窒素雰囲気下、3−ブロモプロパン−1−アミン2gのDCM180ml中の溶液に添加し、この混合物をATで一晩撹拌し続ける。反応混合物を緩衝剤溶液pH=2;および飽和NaCl溶液で洗浄し、有機相をMgSO
4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。0.48gの予測化合物が油の形態で得られる。