(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
樹脂材料によって構成される成形体と、前記成形体にそれぞれ埋設され、金属材料によって構成される第1リード及び第2リードと、によって構成されており、底面と、前記底面に対向する上面と、前記底面及び前記上面に連なる光出射面である前面と、前記前面に対向する背面と、前記前面及び前記背面にそれぞれ連なる第1側面及び第2側面と、を有する略直方体形状のパッケージと、
前記パッケージに載置される発光素子と、
を備え、
前記第1リードは、前記発光素子と電気的に接続される第1接続部と、前記底面、前記背面及び前記第1側面に連なって前記成形体から露出する第1端子部と、前記第1端子部に形成され、前記底面、前記背面及び前記第1側面に連なって開口する第1端子凹部と、前記第1端子部のうち前記前面側に設けられる第1埋設面上に配置され、前記成形体に埋設される第1埋設絶縁シートと、を含み、
前記第2リードは、前記発光素子と電気的に接続される第2接続部と、前記底面、前記背面及び前記第2側面の境界において前記成形体から露出する第2端子部と、前記第2端子部に形成され、前記底面、前記背面及び前記第2側面に連なって開口する第2端子凹部と、を含み、
前記第1埋設絶縁シートは、前記成形体及び前記第1埋設面それぞれと密着し、
前記第1端子部は、前記第1埋設絶縁シートの背面側に形成され、前記第1端子凹部に開口する第1孔部を有する、
発光装置。
樹脂材料によって構成される成形体と、前記成形体にそれぞれ埋設され、金属材料によって構成される第1リード及び第2リードと、によって構成されており、底面と、前記底面に対向する上面と、前記底面及び前記上面に連なる光出射面である前面と、前記前面に対向する背面と、前記前面及び前記背面にそれぞれ連なる第1側面及び第2側面と、を有する略直方体形状のパッケージと、
前記パッケージに載置される発光素子と、
を備え、
前記第1リードは、前記発光素子と電気的に接続される第1接続部と、前記底面、前記背面及び前記第1側面に連なって前記成形体から露出する第1端子部と、前記第1端子部に形成され、前記底面、前記背面及び前記第1側面に連なって開口する第1端子凹部と、前記第1端子凹部内において前記背面に平行に設けられる第1平行面上に配置される第1露出絶縁シートと、を含み、
前記第2リードは、前記発光素子と電気的に接続される第2接続部と、前記底面、前記背面及び前記第2側面の境界において前記成形体から露出する第2端子部と、前記第2端子部に形成され、前記底面、前記背面及び前記第2側面に連なって開口する第2端子凹部と、を含み、
前記第1露出絶縁シートは、前記第1端子凹部と密着し、
前記第1露出絶縁シートの半田濡れ性は、前記第1端子凹部の半田濡れ性よりも低く、
前記第1端子部は、前記第1露出絶縁シートの前面側に形成される第1孔部を有する、
発光装置。
第1面と前記第1面と反対の第2面とを有する第1厚みの金属板からなり、第1部分と、所定方向において前記第1部分から離間する第2部分と、前記所定方向に直交する直交方向における前記第1部分及び前記第2部分それぞれの端部に連結される第3部分と、をそれぞれ有し、前記所定方向において互いに隣接する第1フレーム部及び第2フレーム部を備えたリードフレームの前記第1面を凹み加工することによって、前記第1フレーム部の前記第3部分に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部の周辺をプレス加工することによって、前記第1厚みを有する環状肉厚部と、前記第1厚みよりも小さい第2厚みを有し、前記環状肉厚部の内側に形成される環内肉薄部とを、前記第1フレーム部の前記第3部分に形成するプレス工程と、
前記第1面を金型の内面に当接させた状態で前記金型内に樹脂を注入することによって、前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部と樹脂成形板とが一体成形されたパッケージアレイを形成するトランスファモールド工程と、
前記パッケージアレイに発光素子を載置することによって、発光装置アレイを形成する発光素子接続工程と、
前記第1フレーム部の前記環内肉薄部を通るように前記直交方向に沿って前記発光装置アレイを切断し、前記第2フレーム部の前記第3部分を通るように前記直交方向に沿って前記発光装置アレイを切断し、かつ、前記第1フレーム部の前記環内肉薄部及び前記第2フレーム部の前記第3部分を通るように前記所定方向に沿って前記発光装置アレイを切断することによって、前記発光装置アレイから発光装置を切り出すダイシング工程と、
を備える発光装置の製造方法。
第1面と前記第1面と反対の第2面とを有する第1厚みの金属板からなり、第1部分と、所定方向において前記第1部分から離間する第2部分と、前記所定方向に直交する直交方向における前記第1部分及び前記第2部分それぞれの端部に連結される第3部分と、をそれぞれ有し、前記所定方向において互いに隣接する第1フレーム部及び第2フレーム部を備えたリードフレームと、
前記リードフレームの一部を露出するようにして被覆した樹脂成形板と、
を備え、
前記リードフレームは、前記第1厚みを有して前記第1フレーム部の前記第3部分に形成される第1環状肉厚部と、前記第1厚みよりも小さい第2厚みを有して前記第1環状肉厚部の内側に形成され、前記樹脂成形板から露出された第1環内肉薄部と、前記第1環内肉薄部の前記第2面上に配置され、前記樹脂成形板に埋設された第1埋設絶縁シートと、を有し、
前記第1埋設絶縁シートは、前記樹脂成形板及び前記第1環内肉薄部それぞれと密着する、
発光装置用パッケージアレイ。
前記リードフレームは、前記第1厚みを有して前記第2フレーム部の前記第3部分に形成される第2環状肉厚部と、前記第1厚みよりも小さい第2厚みを有して前記第2環状肉厚部の内側に形成され、前記樹脂成形板から露出された第2環内肉薄部と、前記第2環内肉薄部の前記第2面上に配置され、前記樹脂成形板に埋設された第2埋設絶縁シートと、を有し、
前記第2埋設絶縁シートは、前記樹脂成形板及び前記第2環内肉薄部それぞれと密着する、
請求項16に記載の発光装置用パッケージアレイ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0015】
(発光装置の概略構成)
実施形態に係る発光装置の構成について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る発光装置100を前方から見た斜視図である。
図2は、実施形態に係る発光装置100を後方から見た斜視図である。
【0016】
発光装置100は、発光素子10と、パッケージ20と、を備える。本実施形態に係る発光装置100は、いわゆるサイドビュー型の発光装置であり、発光素子10から出射される光は、後述する実装基板200の実装面200A(
図8参照)に平行な方向に取り出される。
【0017】
本実施形態において、発光装置100の外形は、第1方向に沿って延びる略直方体形状である。本実施形態において、発光装置100のサイズは、第1方向において約3mm程度、第1方向に直交し、実装面200Aに平行な方向(以下、「第2方向」という。)において1mm程度、第1方向及び第2方向に直交する方向(すなわち、実装面200Aに直交する方向。以下、「第3方向」という。)において1mm程度である。発光装置100のサイズは、これに限られるものではない。
【0018】
なお、発光装置100のようなサイドビュー型の発光装置では、トップビュー型の発光装置に比べて、第2方向の奥行きに対する第3方向の高さの割合が大きくなりやすい。すなわち、サイドビュー型の発光装置は、トップビュー型の発光装置に比べて、前方又は後方に倒れやすい形状になりやすい。
【0019】
〈発光素子10〉
発光素子10は、パッケージ20に載置される。発光素子10は、第1ワイヤ11及び第2ワイヤ12を介して、パッケージ20と電気的に接続される。
【0020】
発光素子10は、板状に形成されており、第2方向に対して垂直に配置されている。発光素子10の出射光は、後述する前面開口20Fから第2方向に取り出される。
発光素子10は、例えば、いわゆる発光ダイオードと呼ばれる半導体発光素子である。発光素子10としては、基板上にGaAlN、ZnS、SnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として有するものが好適に用いられるが、これに限られるものではない。
【0021】
発光素子10には、フェイスアップ構造やフェイスダウン構造を採用することができる。発光素子10のサイズは特に限定されないが、350μm角、500μm角、1mm角程度であればよい。
【0022】
〈パッケージ20〉
パッケージ20は、第1方向に沿って延びる略直方体形状を有する。パッケージ20は、底面20Aと、上面20Bと、前面20Cと、背面20Dと、第1側面20E
1と、第2側面20E
2とを有する。
【0023】
底面20Aは、発光装置100が実装された場合、実装面200A(
図8参照)に当接される。上面20Bは、底面20Aに対向して設けられる。前面20Cは、底面20Aと上面20Bとに連なる光出射面である。前面20Cは、発光素子10の出射光をパッケージ20の外部に導くための前面開口20Fを有する。前面開口20Fの内部に露出する第1接続面41A(
図3参照)上には、発光素子10が載置される。背面20Dは、底面20Aと上面20Bとに連なっており、前面20Cに対向して設けられる。第1側面20E
1は、背面20Dと前面20Cとに連なっており、第1方向に対して垂直である。第2側面20E
2は、第1側面20E
1に対向して設けられており、第1方向に対して垂直である。
【0024】
また、パッケージ20は、成形体30と、第1リード40と、第2リード50と、封止樹脂60と、によって構成される。以下、パッケージ20を構成する各部について説明する。
【0025】
(1)成形体30
成形体30は、パッケージ20の外形を成す。成形体30は、発光素子10の出射光や外光などが透過しにくい絶縁性材料によって構成されており、耐熱性と適度な強度を有する。このような絶縁性材料としては、熱硬化性樹脂であるトリアジン誘導体エポキシ樹脂が好適である。このような熱硬化性樹脂には、酸無水物、酸化防止剤、離型材、光反射部材、無機充填材、硬化触媒、光安定剤、滑剤が含有されていてもよい。光反射部材としては、0〜90wt%、好ましくは10〜60wt%充填される二酸化チタンを用いることができる。ただし、成形体30を構成する材料はこれに限られるものではなく、例えば、熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を用いることができる。特に、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂は、成形体30の材料として好適である。また、成形体30を構成する材料として、液晶ポリマー、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性樹脂を用いることもできる。
【0026】
(2)第1リード40及び第2リード50
第1リード40及び第2リード50は、比較的大きな熱伝導率(例えば、200W/(m・K)程度以上)を有する材料によって構成されることが好ましい。これにより、発光素子10から発生する熱を効率的に伝達できる。このような材料としては、例えば、Ni、Au、Cu、Ag、Mo、W、アルミニウム、金、鉄等の金属又は鉄−ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅等の合金等の単層又は複数層を用いることができる。また、第1リード40及び第2リード50それぞれの表面には、メッキが施されていてもよい。
【0027】
第1リード40及び第2リード50の大部分は、成形体30に埋設されており、第1リード40及び第2リード50の一部分のみが、成形体30から露出している。本実施形態において、第1リード40及び第2リード50は、背面側下部両端において成形体30から露出する一対の外部電極(後述する第1端子部42及び第2端子部52、
図3及び
図4参照)を有する。
【0028】
(3)封止樹脂60
封止樹脂60は、前面開口20Fの内部に充填されており、発光素子10を封止する。このような封止樹脂60としては、透光性を有する樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、メタクリル樹脂(PMMA等)、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリノルボルネン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、変性エポキシ樹脂等から選択される少なくとも1種の樹脂を用いることができる。また、このような材料には、例えば、WO2006/038502号、特開2006−229055号に記載の蛍光体又は顔料、フィラー又は拡散材等が含有されていてもよい。
【0029】
(リードの構成)
次に、実施形態に係るリードの構成について、図面を参照しながら説明する。
図3は、
図1の透視図である。
図4は、
図2の透視図である。
図3及び
図4では、成形体30の輪郭が示されている。
【0030】
〈第1リード40の構成〉
第1リード40は、第1接続部41と、第1端子部42と、土台部43と、第1延出部44と、によって構成される。本実施形態において、第1端子部42、土台部43及び第1延出部44は、第1接続部41に一体的に連結されている。
【0031】
(1)第1接続部41
第1接続部41は、板状に形成されており、背面20Dに沿って配置される。第1接続部41は、第1接続面41A(「載置面」の一例)を有する。第1接続面41Aは、第1接続部41のうち前面20C側の表面である。第1接続面41Aには、発光素子10が載置されるとともに、第1ワイヤ11が接続される。第1接続面41Aの一部は、前面開口20Fの内部で成形体30から露出するとともに、封止樹脂60によって封止されている(
図1参照)。
【0032】
(2)第1端子部42
第1端子部42は、第1接続部41の第1側面20E
1側下端に連結される。第1端子部42は、底面20A、背面20D及び第1側面20E
1の境界において成形体30から露出しており、発光装置100の外部電極として機能する。第1端子部42は、第1露出面42Aと、第2露出面42Bと、埋設面42C(「第1埋設面」の一例)と、第1端子凹部42Sと、第1切り欠き42Dと、を有する。
【0033】
第1露出面42Aは、パッケージ20の背面20Dにおいて成形体30から露出する。第1露出面42Aは、背面20Dの一部を形成する。第2露出面42Bは、パッケージ20の第1側面20E
1において成形体30から露出する。第2端面42Bは、第1側面20E
1の一部を形成する。埋設面42Cは、第1端子部42の前面20C側の表面である。埋設面42Cは、成形体30に埋設されている。埋設面42Cは、前面20C及び背面20Dに略平行である。埋設面42Cは、第1接続部41の第1接続面41Aと面一に連なっている。
【0034】
ここで、
図3に示すように、埋設面42Cには、第1埋設絶縁シート61(「第1埋設絶縁シート」の一例)が配置されている。第1埋設絶縁シート61は、成形体30に埋設される。第1埋設絶縁シート61の端面は、底面20A及び第1側面20E
1に露出している。第1埋設絶縁シート61は、シート状の絶縁性材料によって構成される。このような絶縁性材料としては、成形体30を構成する樹脂材料及び第1リード40を構成する金属材料それぞれとの高い密着性を有するポリイミド樹脂が好適であるが、これに限られるものではない。
【0035】
第1端子凹部42Sは、底面20A、背面20D及び第1側面20E
1の境界に形成される切り欠きである。第1端子凹部42Sは、底面20A、背面20D及び第1側面20E
1の3面それぞれに連なって開口している。発光装置100が実装された場合、第1端子凹部42Sには、半田(第1半田フィレット311の一部、
図9参照)が収容される。
【0036】
ここで、
図5は、第1端子凹部42Sを下方から見た斜視図である。
図5に示すように、第1端子凹部42Sの内部には、第1内壁421(「第1せん断面」の一例)と、第2内壁422(「第1せん断面」の一例)と、第3内壁423(「第1平行面」の一例)とが設けられている。
【0037】
第1内壁421及び第2内壁422それぞれは、金属板70をプレスした際に、パンチの先端でせん断されることによって形成される“せん断面”である(
図17に示される第1環状肉厚部113aの内周面T
1を参照)。ただし、第1内壁421及び第2内壁422には、いわゆる“だれ”や“破断面”が含まれていてもよい。本実施形態において、第1内壁421は第1側面20E
1に平行であり、第2内壁422は底面20Aに平行である。
【0038】
第3内壁423は、金属板70をプレスした際に、パンチの先端で押圧されることによって形成される面である(
図17に示される第1環内肉薄部113bの上面U
1を参照)。第3内壁423は、背面20Dに平行である。第3内壁423には、第1露出絶縁シート64が配置されている。第1露出絶縁シート64は、第1端子凹部42S内に露出している。第1露出絶縁シート64は、シート状の絶縁性材料によって構成される。このような絶縁性材料としては、半田ぬれ性の低いポリイミド樹脂が好適であるが、これに限られるものではない。
【0039】
第1切り欠き42Dは、第3内壁423(「第1平行面」の一例)と、第1側面20E
1と、底面20Aと、に連なるように形成される。また、本実施形態において、第1切り欠き42Dは、埋設面42Cにも連なっている。すなわち、第1切り欠き42Dは、第2方向に沿って第1端子部42を貫通するように形成されている。
【0040】
また、第1切り欠き42Dは、第1埋設絶縁シート61の背面20D側、かつ、第1露出絶縁シート64の前面20C側に形成されている。すなわち、第1切り欠き42Dは、第2方向において、第1埋設絶縁シート61と第1露出絶縁シート64とに挟まれている。
【0041】
(3)土台部43
土台部43は、第1接続部41の底面20A側、すなわち、第1接続部41の下端部に連結されている。これにより、土台部43は、発光装置100の土台であり、前方又は後方に倒れやすい発光装置100を安定させるための“重り”として機能する。
【0042】
また、土台部43は、背面20Dにおいて成形体30から露出する第1露出面43Aを有する。これにより、土台部43は、発光素子10から発生する熱を放出するヒートシンクとして機能する。
【0043】
本実施形態において、土台部43は、埋設面43Cと、土台凹部43Sと、第3切り欠き43Dと、を有する。埋設面43Cは、土台部43の前面20C側の表面である。埋設面43Cは、成形体30に埋設されている。埋設面43Aは、第1接続部41の第1接続面41Aと面一に連なっている。
【0044】
ここで、
図3に示すように、埋設面43Cには、第3埋設絶縁シート63が配置されている。第3埋設絶縁シート63は、成形体30に埋設される。第3埋設絶縁シート63の端面は、底面20Aに露出している。第3埋設絶縁シート63は、シート状に加工された絶縁性材料によって構成される。このような絶縁性材料としては、第1埋設絶縁シート61と同様にポリイミド樹脂が好適であるが、これに限られるものではない。
【0045】
土台凹部43Sは、底面20Aと背面20Dとの境界の一部に形成される切り欠きである。土台凹部43Sは、底面20A及び背面20Dに連なって開口する。発光装置100が実装された場合、土台凹部43Sには、半田(一対の第3半田フィレット313a、313b、
図9参照)が収容される。
【0046】
ここで、
図6は、土台凹部43Sを下方から見た斜視図である。
図6に示すように、土台凹部43Sの内部には、第1内壁431と、第2内壁432と、第3内壁433と、第4内壁434と、が設けられている。
【0047】
第1乃至第3内壁431〜433それぞれは、金属板70をプレスした際に、パンチの先端でせん断されることによって形成される“せん断面”である(
図17に示される第2環状肉厚部114aの内周面T
2を参照)。ただし、第1乃至第3内壁431〜433には、いわゆる“だれ”や“破断面”が含まれていてもよい。本実施形態において、第1内壁431及び第2内壁432は第1側面20E
1に平行であり、第3内壁433は底面20Aに平行である。
【0048】
第4内壁434は、金属板70をプレスした際に、パンチの先端で押圧されることによって形成される面である(
図17に示される第2環内肉薄部114bの上面U
2を参照)。本実施形態において、第4内壁434は、背面20Dに平行である。本実施形態において、第4内壁434には、第3露出絶縁シート66が配置されている。第3露出絶縁シート66は、土台凹部43S内に露出している。第3露出絶縁シート66は、シート状に加工された絶縁性材料によって構成される。このような絶縁性材料としては、第1露出絶縁シート64と同様にポリイミド樹脂が好適であるが、これに限られるものではない。
【0049】
第3切り欠き43Dは、底面20Aに形成される。第3切り欠き43Dは、第2方向に沿って形成されている。本実施形態において、第3切り欠き43Dは、第3埋設絶縁シート63の背面20D側、かつ、第3露出絶縁シート66の前面20C側に形成されている。すなわち、第3切り欠き43Dは、第2方向において、第3埋設絶縁シート63と第3露出絶縁シート66とに挟まれている。
【0050】
(4)第1延出部44
第1延出部44は、第1接続部41上に配置されており、第1端子部42に接続されている。第1延出部101は、第1接続部41の背面20D側の表面から背面20Dに向かって延出しており、背面20Dにおいて成形体30から露出している。第1延出部44は、背面20Dの一部を形成する第1延出面44Aを有する。
【0051】
〈第2リード50の構成〉
第2リード50は、第2接続部51と、第2端子部52と、第2延出部53と、によって構成される。本実施形態において、第2端子部52及び第2延出部53は、第2接続部51に一体的に連結されている。
【0052】
(1)第2接続部51
第2接続部51は、板状に形成されており、背面20Dに沿って配置される。第2接続部51は、第2接続面51Aを有する。第2接続面51Aは、第2接続部51のうち前面20C側の表面である。第2接続面51Aには、第2ワイヤ12が接続される。第2接続面51Aの一部は、前面開口20Fの内部で成形体30から露出するとともに、封止樹脂60によって封止されている(
図1参照)。
【0053】
(2)第2端子部52
第2端子部52は、第2接続部51の第2側面20E
2側下端に連結される。第2端子部52は、底面20A、背面20D及び第2側面20E
2の境界において成形体30から露出しており、発光装置100の外部電極として機能する。第2端子部52は、第1露出面52Aと、第2露出面52Bと、埋設面52C(「第2埋設面」の一例)と、第2端子凹部52Sと、第2切り欠き52Dと、を有する。
【0054】
第1露出面52Aは、パッケージ20の背面20Dにおいて成形体30から露出する。第1露出面52Aは、背面20Dの一部を形成する。第2露出面52Bは、パッケージ20の第2側面20E
2において成形体30から露出する。第2端面52Bは、第2側面20E
2の一部を形成する。埋設面52Cは、第2端子部52の前面20C側の表面である。埋設面52Cは、成形体30に埋設されている。埋設面52Cは、第2接続部51の第2接続面51Aと面一に連なっている。
【0055】
ここで、
図3に示すように、埋設面52Cには、第2埋設絶縁シート62(「第2埋設絶縁シート」の一例)が配置されている。第2埋設絶縁シート62は、成形体30に埋設される。第2埋設絶縁シート62の端面は、底面20A及び第2側面20E
2に露出している。第2埋設絶縁シート62は、シート状に加工された絶縁性材料によって構成される。このような絶縁性材料としては、第1埋設絶縁シート61と同様にポリイミド樹脂が好適であるが、これに限られるものではない。
【0056】
第2端子凹部52Sは、底面20A、背面20D及び第2側面20E
2の境界に形成される切り欠きである。第2端子凹部52Sは、底面20A、背面20D及び第2側面20E
2の3面それぞれに連なって開口している。発光装置100が実装された場合、第2端子凹部52Sには、半田(第2半田フィレット312の一部、
図9参照)が収容される。
【0057】
ここで、
図7は、第2端子凹部52Sを下方から見た斜視図である。
図7に示すように、第2端子凹部52Sの内部には、第1内壁521(「第2せん断面」の一例)と、第2内壁522(「第2せん断面」の一例)と、第3内壁523(「第2平行面」の一例)とが設けられている。
【0058】
第1内壁521及び第2内壁522それぞれは、金属板70をプレスした際に、パンチの先端でせん断されることによって形成される“せん断面”である(
図17に示される第1環状肉厚部113aの内周面T
1を参照)。ただし、第1内壁521及び第2内壁522には、いわゆる“だれ”や“破断面”が含まれていてもよい。本実施形態において、第1内壁521は第2側面20E
2に平行であり、第2内壁522は底面20Aに平行である。
【0059】
第3内壁523は、金属板70をプレスした際に、パンチの先端で押圧されることによって形成される面である(
図17に示される第1環内肉薄部113bの上面U
1を参照)。第3内壁523は、背面20Dに平行である。第3内壁523には、第2露出絶縁シート65が配置されている。第2露出絶縁シート65は、第2端子凹部52S内に露出している。第2露出絶縁シート65は、シート状に加工された絶縁性材料によって構成される。このような絶縁性材料としては、第1露出絶縁シート64と同様にポリイミド樹脂が好適であるが、これに限られるものではない。
【0060】
第2切り欠き52Dは、第3内壁523(「第2平行面」の一例)と、第2側面20E
2と、底面20Aと、に連なるように形成される。また、本実施形態において、第2切り欠き52Dは、埋設面52Cにも連なっている。すなわち、第2切り欠き52Dは、第2方向に沿って第2端子部52を貫通するように形成されている。
【0061】
また、第2切り欠き52Dは、第2埋設絶縁シート62の背面20D側、かつ、第2露出絶縁シート65の前面20C側に形成されている。すなわち、第2切り欠き52Dは、第2方向において、第2埋設絶縁シート62と第2露出絶縁シート65とに挟まれている。
【0062】
(3)第2延出部53
第2延出部53は、第2接続部51上に配置されており、第2端子部52に接続されている。第2延出部53は、第2接続部51の背面20D側の表面から背面20Dに向かって延出しており、背面20Dにおいて成形体30から露出している。第2延出部53は、背面20Dの一部を形成する第2延出面53Aを有する。
【0063】
(実装基板の構成)
次に、実施形態に係る実装基板の構成について、図面を参照しながら説明する。
図8は、実施形態に係る実装基板200の実装面の斜視図である。なお、
図8では、発光装置100が実装される領域を実装領域100Rとして示している。
【0064】
図8に示すように、実装基板200は、実装面200Aと、第1ランド201と、第2ランド202と、電気回路203と、を有する。
実装面200Aには、発光装置100が実装される。第1ランド201は、第1端子部42及び土台部43を接続するための金属部材である。第2ランド202は、第2端子部52を接続するための金属部材(例えば、銅箔)である。
【0065】
電気回路203は、第1ランド201及び第2ランド202それぞれに接続されている。これにより、第1ランド201は、第1端子部42及び土台部43に対応する外部端子として機能し、第2ランド202は、第2端子部52に対応する外部端子として機能する。
【0066】
(回路基板の構成)
次に、実施形態に係る回路基板の構成について、図面を参照しながら説明する。
図9は、実施形態に係る回路基板300の実装面の斜視図である。
【0067】
図9に示すように、回路基板300は、発光装置100と、実装基板200と、半田フィレット310(第1半田フィレット311、第2半田フィレット312、一対の第3半田フィレット313a,313bを含む。)を備える。半田フィレット310は、フラックスを含む半田材料を用いたリフロー半田付けによって形成される。
【0068】
第1半田フィレット311は、実装面200Aと背面20D及び第1側面20E
1とに跨って接続される。また、第1半田フィレット311の一部は、第1端子凹部42S内に収容される。これによって、第1端子部42と第1ランド201とが、電気的かつ機械的に接続される。第1半田フィレット311は、第1端子凹部42S内において、第1露出絶縁シート64と接触する。
【0069】
第2半田フィレット312は、実装面200Aと背面20D及び第2側面20E
2とに跨って接続される。また、第2半田フィレット312の一部は、第2端子凹部52S内に収容される。これによって、第2端子部52と第2ランド202とが、電気的かつ機械的に接続される。第2半田フィレット312は、第2端子凹部52S内において、第2露出絶縁シート65と接触する。
【0070】
一対の第3半田フィレット313a,313bは、土台凹部43Sの内部に配置される。具体的に、第3半田フィレット313aは、実装面200Aと第1内壁431とに跨って接続され、第3半田フィレット313bは、実装面200Aと第2内壁432とに跨って接続される。一対の第3半田フィレット313a,313bによって、土台部43と第1ランド201とが、電気的かつ機械的に接続される。
【0071】
(発光装置の製造方法)
次に、実施形態に係る複数の発光装置100を一括して製造する方法について、
図10〜
図24を参照しながら説明する。
【0072】
〈押し抜き工程〉
図10は、本実施形態に係る金属板70の平面図である。
図11は、
図10のA−A線における断面図である。
図12は、本実施形態に係る第1リードフレーム71の平面図である。
図13は、
図12のB−B線における断面図である。
【0073】
まず、
図10及び
図11に示すように、第1主面70Aと、第1主面70Aの反対に設けられる第2主面70Bとを有する金属板70を準備する。金属板70は、第1厚みt
1(例えば、0.5mm程度)を有する。
【0074】
次に、
図12及び
図13に示すように、金属板70を所定の金型で押し抜き加工して、金属板70に押し抜き孔Pを形成することによって、第1リードフレーム71を作製する。第1リードフレーム71は、第1フレーム部110と、第2フレーム部120と、第3フレーム部130と、を含む。第1フレーム部110と第2フレーム部120とは、所定方向において隣接する。第3フレーム部130は、直交方向において第1フレーム部110及び第2フレーム部120に隣接しており、両者に連結されている。第1リードフレーム71は、第1フレーム部110、第2フレーム部120及び第3フレーム部130を1つのフレームセットとして、複数のフレームセットがマトリクス状に連結されることで構成されている。なお、
図12では、マトリクス状に連結された複数のフレームセットの一部のみが図示されている。
【0075】
以下において、第1リードフレーム71の詳細な構成について説明する。
第1フレーム部110は、第1部分111と、第2部分112と、第3部分113と、第4部分114とを有する。第1部分111は、発光装置100の第1接続部41、土台部43及び第1延出部44に対応しており、所定方向に沿って延びる略長方形状(例えば、2.5mm×0.8mm程度)に形成されている。第2部分112は、発光装置100の第2接続部51及び第2延出部53に対応しており、矩形状(例えば、0.9mm×0.7mm程度)に形成されている。第2部分112は、所定方向において第1部分111から離間している。第3部分113は、発光装置100の第1端子部42及び第2端子部52に対応しており、矩形状(例えば、0.8mm×0.6mm程度)に形成されている。第3部分113は、所定方向において第1部分111と第2部分112との間に配置される。第3部分113は、所定方向に直交する直交方向における第1部分111及び第2部分112それぞれの端部に跨って連結される。すなわち、第1部分111と第2部分112とは、第3部分113を介して連結されている。第4部分114は、発光装置100の土台凹部43Sに対応しており、矩形状(例えば、1.0mm×0.6mm程度)に形成されている。第4部分114は、所定方向において第3部分113から離間しており、直交方向における第1部分111の端部に連結される。
【0076】
第2フレーム部120は、第1フレーム部110と同じ構成を有する。第3フレーム部130は、第1フレーム部110の構成のうち第1部分111及び第2部分112のみを有する。第3フレーム部130の第1部分111及び第2部分112は、第1フレーム部110の第3部分113の中心点Qを基準として、第1フレーム部110の第1部分111及び第2部分112と点対称に配置されている。また、第3フレーム部130の第1部分111及び第2部分112は、第2フレーム部120の第4部分114の中心点Rを基準として、第2フレーム部120の第1部分111及び第2部分112と点対称に配置されている。第3フレーム部130の第1部分111は、第1フレーム部110の第3部分113と第2フレーム部120の第4部分114とに連結されており、第3フレーム部130の第2部分112は、第1フレーム部110の第3部分113に連結されている。
【0077】
〈凹部形成工程〉
図14は、本実施形態に係る第2リードフレーム72の平面図である。
図15は、
図14のC−C線における断面図である。なお、1つの発光装置100は、1対の第1フレーム部110及び第2フレーム部120に基づいて形成されるので、以下においては、第1フレーム部110及び第2フレーム部120の構成について主に説明する。
【0078】
まず、
図14及び
図15に示すように、第1リードフレーム71の第1面70Aを凹み加工して、第1フレーム部110及び第2フレーム部120それぞれに第1貫通孔113S(「凹部」の一例)及び第2貫通孔114Sを形成することによって、第2リードフレーム72を作製する。凹み加工には、所定形状のパンチを備える金型やドリルなどを用いることができる。
【0079】
図14に示すように、第1貫通孔113Sは、第1フレーム部110及び第2フレーム部120それぞれの第3部分113の中央に形成される。第2貫通孔114Sは、第1フレーム部110及び第2フレーム部120それぞれの第4部分114の中央に形成される。
図15に示すように、第1貫通孔113S及び第2貫通孔114Sは、第2リードフレーム72の第1面70Aから第2面70Bまで連通している。
【0080】
〈プレス工程〉
図16は、本実施形態に係る第3リードフレーム73の平面図である。
図17は、
図16のD−D線における断面図である。
【0081】
図16及び
図17に示すように、第2リードフレーム72の第1面70Aをプレス加工して、肉厚部と肉薄部とを形成することによって、第3リードフレーム73を作製する。プレス加工には、所定形状のパンチを備える金型を用いることができる。以下において、肉厚部と肉薄部との詳細な構成について説明する。
【0082】
第3リードフレーム73において、第1フレーム部110及び第2フレーム部120それぞれは、第1肉厚部111a、第1肉薄部111b、第2肉厚部112a、第2肉薄部112b、第1環状肉厚部113a、第1環内肉薄部113b、第2環状肉厚部114a、第2環内肉薄部114bを有する。
【0083】
第1肉厚部111aは、第1部分111の第2部分112側に形成される。第1肉厚部111aは、平面視において矩形状に形成される。第1肉厚部111aは、第1厚みt
1を有する。第1肉厚部111aは、第1延出部44(第1接続部41の一部を含む)に対応する。
【0084】
第1肉薄部111bは、第1肉厚部111a及び第1環状肉厚部113aを取り囲むように形成され、両者と一体的に連結されている。第1肉薄部111bは、第2厚みt
2を有する。第1肉薄部111bは、第1接続部41の外縁部分及び中央部分に対応する。
【0085】
第2肉厚部112aは、第2部分112の中央に形成される。第2肉厚部112aは、所定方向において、第1肉厚部111aから離間している。第2肉厚部112aは、平面視において矩形状に形成される。第2肉厚部112aは、第1厚みt
1を有する。第2肉厚部112aは、第2延出部53(第2接続部51の一部を含む)に対応する。
【0086】
第2肉薄部112bは、第2肉厚部112aを取り囲むように形成され、第2肉厚部112aと一体的に連結されている。第2肉薄部112bは、第2厚みt
2を有する。第2肉薄部112bは、第2接続部51の外縁部分に対応する。
【0087】
第1環状肉厚部113aは、第3部分113の外縁に沿って環状に形成される。第1環状肉厚部113aは、第1肉薄部111b及び第2肉厚部112aに連結される。第1環状肉厚部113aは、第1厚みt
1を有する。
図17に示すように、第1環状肉厚部113aの内周面T
1は、金型のパンチの先端でせん断されることによって形成される“せん断面”である。第1環状肉厚部113aの内周面T
1は、第1端子凹部42Sの第1内壁421及び第2内壁422と、第2端子凹部52Sの第1内壁521及び第2内壁522と、に対応する。
【0088】
第1環内肉薄部113bは、平面視において第1環状肉厚部113aの内側に形成される。第1環内肉薄部113bは、第2厚みt
2を有する。第1環内肉薄部113bは、第1端子凹部42S及び第2端子凹部52Sに対応する。
図17に示すように、第1環内肉薄部113bの上面U
1は、金型のパンチの先端で押圧されることによって形成される面である。第1環内肉薄部113bの上面U
1は、第1端子凹部42Sの第3内壁423と、第2端子凹部52Sの第3内壁523と、に対応する。
【0089】
第2環状肉厚部114aは、第1部分111と第4部分114とに跨って環状に形成される。第2環状肉厚部114aは、所定方向において第1環状肉厚部113aから離間している。第2環状肉厚部114aは、第1厚みt
1を有する。第2環状肉厚部114aは、土台部43(第1接続部41の一部を含む)に対応する。
図17に示すように、第2環状肉厚部114aの内周面T
2は、金型のパンチの先端でせん断されることによって形成される“せん断面”である。第2環状肉厚部114aの内周面T
2は、土台凹部43Sの第1乃至第3内壁431〜433に対応する。
【0090】
第2環内肉薄部114bは、平面視において第2環状肉厚部114aの内側に形成される。第2環内肉薄部114bは、第2厚みt
2を有する。第2環内肉薄部114bは、土台凹部43Sに対応する。
図17に示すように、第2環内肉薄部114bの上面U
2は、金型のパンチの先端で押圧されることによって形成される面である。第2環内肉薄部114bの上面U
2は、土台凹部43Sの第4内壁434に対応する。
【0091】
ここで、
図17に示すように、本実施形態の第3リードフレーム73では、プレス工程後においても第1貫通孔113S及び第2貫通孔114Sが残存しているが、金属材料が各貫通孔内に押し出される(すなわち、「逃げる」)ことによって、各貫通孔の直径は小さくなっている(
図15及び
図17参照)。
【0092】
〈貫通孔閉塞工程〉
図18は、本実施形態に係る第4リードフレーム74の平面図である。
図19は、
図18のE−E線における断面図である。
【0093】
図18及び
図19に示すように、第1貫通孔113S及び第2貫通孔114Sそれぞれを第2絶縁シート150及び第1絶縁シート160によって閉塞することによって、第4リードフレーム74を作製する。
【0094】
具体的には、第1貫通孔113S及び第2貫通孔114Sそれぞれの第1表面70A側の開口を第2絶縁シート150によって塞ぐとともに、第1貫通孔113S及び第2貫通孔114Sそれぞれの第2表面70B側の開口を第1絶縁シート160によって塞ぐ。
【0095】
第2絶縁シート150は、第1乃至第3露出絶縁シート64〜66に対応する。第2絶縁シート150は、シート状の絶縁性材料によって構成される。このような絶縁性材料としては、成形体30を構成する樹脂材料及び金属板70を構成する金属材料との良好な密着性を有するポリイミド樹脂が好適であるが、これに限られるものではない。
【0096】
第1絶縁シート160は、第1乃至第3埋設絶縁シート61〜63に対応する。第1絶縁シート160は、シート状の絶縁性材料によって構成される。このような絶縁性材料としては、半田ぬれ性の低いポリイミド樹脂が好適であるが、これに限られるものではない。
【0097】
〈トランスファモールド工程〉
図20は、本実施形態に係る第4リードフレーム74を金型90内に固定した状態を示す断面図である。
図21は、本実施形態に係るパッケージアレイ80を第1面70A側から見た平面図である。
【0098】
まず、第1表面70Aを金型400の内面に当接させた状態で第4リードフレーム74を金型400内に固定する。
次に、金型400の注入口400Aから樹脂材料を注入する。この際、樹脂材料は、第1絶縁シート160によって遮られるので、第1貫通孔113S及び第2貫通孔114S内に流入しない。従って、樹脂材料は、第1環状肉厚部113a及び第2環状肉厚部114aの内側に流入しない。第1絶縁シート160は、樹脂材料に埋設される。
【0099】
次に、樹脂材料を所定の温度で加熱硬化させる。これによって、
図20及び
図21に示すように、成型板170と第4リードフレーム74とが一体成型されたパッケージアレイ80が完成する。
【0100】
なお、第1面70A側から見た場合、パッケージアレイ80には前面開口20Fが形成されており、第1フレーム部110の第2部分112と第2フレーム部120の第1部分111とが前面開口20Fに露出している(
図22参照)。
【0101】
〈発光素子接続工程〉
図22は、本実施形態に係る発光装置アレイ90を第2面70B側から見た平面図である。
【0102】
図22に示すように、パッケージアレイ80に発光素子10を接続することによって、発光装置アレイ90を作製する。具体的には、まず、前面開口20Fにおいて露出する第2フレーム部120の第1部分111上に発光素子10を載置する。続いて、発光素子10と第2フレーム部120の第1部分111とを第1ワイヤ11によって接続するとともに、発光素子10と第1フレーム部110の第2部分112とを第2ワイヤ12によって接続する。
【0103】
〈ダイシング工程〉
図23は、本実施形態に係る発光装置アレイ90における切断線を示す平面図である。
図24は、
図23のF−F線における断面図である。
【0104】
図23及び
図24に示すように、発光装置アレイ90を所定の切断線に沿って切断することによって、発光装置アレイ90から発光装置100を切り出す。
具体的には、まず、第1フレーム部110の第1環内肉薄部113bを通るように直交方向に沿って発光装置アレイ90を切断する。この際、
図24に示すように、第1貫通孔113Sを通る切断線H1に沿ってダイシングソーを移動させることによって、第1貫通孔113Sを通るように発光装置アレイ90を切断する。
【0105】
次に、第2フレーム部120の第1環内肉薄部113bを通るように直交方向に沿って発光装置アレイ90を切断する。この際、
図24に示すように、第1貫通孔113Sを通る切断線H2に沿ってダイシングソーを移動させることによって、第1貫通孔113Sを通るように発光装置アレイ90を切断する。
【0106】
次に、
図23に示すように、第1フレーム部110及び第2フレーム部120それぞれの第1環内肉薄部113b及び第2環内肉薄部114bを通るように所定方向に沿って発光装置アレイ90を切断する。この際、第1貫通孔113S及び第2貫通孔114Sを通る切断線J1に沿ってダイシングソーを移動させることによって、第1貫通孔113S及び第2貫通孔114Sを通るように発光装置アレイ90を切断する。
【0107】
以上によって、発光装置アレイ90から発光装置100が切り出される。その後、
図23に示すように、切断線J2,J3に沿って発光装置アレイ90を切断することによって、発光装置アレイ90から複数の発光装置100を切り出す。
【0108】
(作用及び効果)
(1)実施形態に係る発光装置100において、第1リード40は、底面20A、背面20D及び第1側面20E
1の境界において成形体30から露出する第1端子部42を有しており、第2リード50は、底面20A、背面20D及び第2側面20E
2の境界において成形体30から露出する第2端子部52を有する。従って、第1端子部42及び第2端子部52は、光出射面である前面20Cに露出していないので、前面開口20Fを大きく形成できるとともに、前面20C周辺にフラックスが浸潤することを抑制できる。
【0109】
また、第1リード40は、第1端子凹部42Sを有し、第2リード50は、第2端子凹部52Sを有している。従って、第1端子凹部42S及び第2端子凹部52Sに半田(第1フィレット301及び第2半田フィレット302の一部)を収容できるので、第1端子部42及び第2端子部52と半田との接触面積を大きくできる。
【0110】
また、第1リード40は、埋設面42C(「第1埋設面」の一例)上に配置され、成形体30に埋設される第1埋設絶縁シート61を有する。従って、樹脂と金属の双方と良好な密着性を有する絶縁材料で第1埋設絶縁シート61を構成することによって、成形体30と第1リード40との密着性を向上することができる。
【0111】
(2)実施形態に係る発光装置100において、第1端子部42は、第1埋設絶縁シート61の背面側に形成され、第3内壁423(「第1平行面」の一例)と、第1側面20E
1と、底面20Aと、に連なる第1切り欠き42Dを有する。
【0112】
このように、第1切り欠き42Dが第3内壁423に形成されているので、第3内壁423の面積を小さくすることができる。そのため、第3内壁423と第1半田フィレット301との接触面積を低減できるので、第1半田フィレット301が第3内壁423を引っ張る力を低減できる。その結果、発光装置100の立位安定性をより向上できる。
【0113】
(3)実施形態に係る発光装置100において、第1リード40は、第1端子凹部42S内の第3内壁423(「第1平行面」の一例)上に配置される第1露出絶縁シート64を有する。
【0114】
従って、半田ぬれ性の低い材料で第1露出絶縁シート64を形成することによって、第3内壁423と第1半田フィレット301との密着性を低下させることができる。そのため、第1半田フィレット301が第3内壁423を引っ張る力を低減できるので、発光装置100の立位安定性を向上できる。
【0115】
(4)実施形態に係る発光装置100において、第2リード50は、埋設面52C(「第2埋設面」の一例)上に配置され、成形体30に埋設される第2埋設絶縁シート62を有する。
【0116】
従って、樹脂と金属の双方と良好な密着性を有する絶縁材料で第2埋設絶縁シート62を構成することによって、成形体30と第2リード50との密着性を向上することができる。
【0117】
(5)実施形態に係る発光装置100において、第2端子部52は、第2埋設絶縁シート62の背面側に形成され、第3内壁523(「第2平行面」の一例)と、第2側面20E
2と、底面20Aと、に連なる第2切り欠き52Dを有する。
【0118】
このように、第2切り欠き52Dが第3内壁523に形成されているので、第3内壁523の面積を小さくすることができる。そのため、第3内壁523と第2半田フィレット302との接触面積を低減できるので、第2半田フィレット302が第3内壁523を引っ張る力を低減できる。その結果、発光装置100の立位安定性をより向上できる。
【0119】
(6)実施形態に係る発光装置100において、第2リード50は、第2端子凹部52S内の第3内壁523(「第2平行面」の一例)上に配置される第2露出絶縁シート65を有する。
【0120】
従って、半田ぬれ性の低い材料で第2露出絶縁シート65を形成することによって、第3内壁523と第2半田フィレット302との密着性を低下させることができる。そのため、第2半田フィレット302が第3内壁523を引っ張る力を低減できるので、発光装置100の立位安定性をより向上できる。
【0121】
(7)実施形態に係る発光装置100の製造方法では、プレス加工によって第1フレーム部110の第3部分113に第1環内肉薄部113b(すなわち、微細な凹部)を形成する。
【0122】
一般的に、プレス加工による加工限界寸法は、エッチング加工による加工限界寸法よりも微細であるので、プレス加工を用いることによって、エッチング加工を用いる場合に比べて、平面視における第1環内肉薄部113bの面積を小さくできる。従って、第1リード部における第3部分113の寸法を小さくできる。
【0123】
また、凹部形成工程において第1フレーム部110の第3部分113に第1貫通孔113S(「凹部」の一例)を形成した後に、プレス工程において第1貫通孔113S周辺をプレス加工する。従って、プレス工程において、第1貫通孔113S内に金属材料を逃がすことができるので、金型に金属材料を逃がすための凹部を設ける必要性を低くすることができる。そのため、発光装置100の寸法が変更された場合であっても、金型を変更しなくてもよいので、金型の設計自由度を向上できる。
【0124】
(8)実施形態に係る発光装置100の製造方法では、プレス加工によって第2フレーム部120の第3部分113に第1環内肉薄部113b(すなわち、微細な凹部)を形成する。従って、第2リード部120における第3部分113の寸法を小さくできるので、リードフレームにおける各リード部の集積率を向上できる。
【0125】
また、凹部形成工程において第2フレーム部120の第3部分113に第1貫通孔113S(「凹部」の一例)を形成した後に、プレス工程において第1貫通孔113S周辺をプレス加工する。従って、プレス工程において、第1貫通孔113S内に金属材料を逃がすことができるので、金型の設計自由度をより向上できる。
【0126】
(9)実施形態に係る発光装置100の製造方法では、凹部形成工程において、「凹部」として第1貫通孔113Sを形成する。
従って、凹みとして窪みを形成する場合に比べて、より多くの金属材料を凹部内に逃がすことができる。そのため、金型に金属材料を逃がすための凹部を設ける必要性をより低くすることができる。そのため、金型の設計自由度をより向上できる。
【0127】
(10)実施形態に係る発光装置100の製造方法は、プレス工程後に第1貫通孔113Sの第2面70B側の開口を第1絶縁シート160(「第1絶縁シート」の一例)によって塞ぐ工程を備える。
【0128】
従って、トランスファモールド工程において、樹脂材料が第1環状肉厚部113aの内側に流入することを抑制できるので、第1端子凹部42Sに成形体30の一部が侵入することを抑制できる。
【0129】
(11)実施形態に係る発光装置100の製造方法は、プレス工程後に第1貫通孔113Sの第1面70A側の開口を第2絶縁シート150によって塞ぐ工程を備える。
従って、トランスファモールド工程において、樹脂材料が第1環状肉厚部113aの内側に流入することを抑制できるので、第1端子凹部42Sに成形体30の一部が侵入することを抑制できる。
【0130】
(12)実施形態に係る発光装置100の製造方法では、ダイシング工程において、第1貫通孔113Sを通るように発光装置アレイ90を切断する。
従って、第1貫通孔113Sを通らない位置で発光装置アレイ90を切断する場合に比べて、より迅速に発光装置アレイ90を切断することができる。
【0131】
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0132】
(A)上記実施形態では、第1リードフレーム71は、
図12に示すように、第1フレーム部110、第2フレーム部120及び第3フレーム部130を1つのフレームセットとして、複数のフレームセットがマトリクス状に連結されることとしたが、これに限られるものではない。第1リードフレーム71は、第1フレーム部110と第2フレーム部120とを有していればよい。
【0133】
(B)上記実施形態では、金属板70に形成される「凹部」として、第1貫通孔113Sを第1リードフレーム71に形成したが、これに限られるものではない。第1貫通孔113Sに代えて、第1面70Aに形成される凹みを配置してもよい。すなわち、金属板70に形成される「凹部」は、金属板70を貫通していなくてもよい。また、「凹部」の平面形状は円形に限定されず、矩形などであってもよい。
【0134】
(C)上記実施形態では、第2貫通孔114Sを第1リードフレーム71に形成したが、これに限られるものではない。第2貫通孔114Sに代えて、第1面70Aに形成される凹みを配置してもよい。また、第2貫通孔114Sの平面形状は円形に限定されず、矩形などであってもよい。
【0135】
(D)上記実施形態では、押し抜き工程と凹部形成工程とを別工程として説明したが、押し抜き工程と凹部形成工程とは、一工程に併合されていてもよい。すなわち、押し抜き孔Pと第1貫通孔113S(「凹部」の一例)及び第2貫通孔114Sとは、同時に形成することができる。
【0136】
(E)上記実施形態では、第1リード40は、土台部43及び第1延出部44を有することとしたが、これに限られるものではない。第1リード40は、土台部43及び第1延出部44それぞれを有していなくてもよい。
【0137】
(F)上記実施形態では、第2リード40は、第2延出部53を有することとしたが、これに限られるものではない。第2リード40は、第2延出部53を有していなくてもよい。
【0138】
(G)上記実施形態では、発光装置100は、一つの発光素子10のみを備えることとしたが、これに限られるものではない。発光装置100は、複数の発光素子10を備えていてもよい。この場合、複数の発光素子10は、全て同種類であってもよいし、互いに異なる発光色を示す異種類の発光素子の組み合わせであってもよい。
【0139】
(H)上記実施形態では、ダイシング工程においてダイシングソーを用いることとしたが、レーザダイシング装置を用いてもよい。
(I)上記実施形態では、発光素子10は、第1ワイヤ11及び第2ワイヤ12を介して、パッケージ20と電気的に接続されることとしたが、これに限られるものではない。発光素子10は、ワイヤを介さずに直接パッケージ20と電気的に接続されていてもよい。
【0140】
(J)上記実施形態では、第1リード40は、互いに離間する土台部43及び第1延出部44を有していたが、これに限られるものではない。第1リード40が有する土台部43及び第1延出部44は直接連結されていてもよい。
【0141】
(K)上記実施形態では、第1端子部42は、第1切り欠き42Dを有することとしたが、これに限られるものではない。第1端子部42は、第1切り欠き42Dを有していなくてもよく、また、第1切り欠き42Dに代えて「第2方向に沿った貫通孔」を有していてもよい。
【0142】
また、第2端子部52は、第2切り欠き52Dを有することとしたが、これに限られるものではない。第2端子部52は、第2切り欠き52Dを有していなくてもよく、また、第2切り欠き52Dに代えて「第2方向に沿った貫通孔」を有していてもよい。
【0143】
また、土台部43は、第3切り欠き43Dを有することとしたが、これに限られるものではない。土台部43は、第3切り欠き43Dを有していなくてもよく、また、第3切り欠き43Dに代えて「第2方向に沿った貫通孔」を有していてもよい。
【0144】
なお、以上のように、切り欠き又は貫通孔のいずれが形成されるのかどうか、或いは切り欠き及び貫通孔のいずれも形成されないのかどうかは、第2リードフレーム72に形成される凹部(第1貫通孔113及び第2貫通孔114S)の位置や大きさによって決定される(
図14参照)。
【0145】
(L)上記実施形態では、第1切り欠き42Dは、第3内壁423(「第1平行面」の一例)と埋設面42Cとに連なることとしたが、埋設面42Cには連なっていなくてもよい。この場合であっても、第3内壁423の面積を小さくできるので、発光装置100の立位安定性をより向上できる。
【0146】
同様に、第2切り欠き52Dは、第3内壁523(「第2平行面」の一例)と埋設面52Cとに連なることとしたが、埋設面52Cには連なっていなくてもよい。この場合であっても、第3内壁523の面積を小さくできるので、発光装置100の立位安定性をより向上できる。
【0147】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。