(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ミラー(M1からM4;M2からM5;M1からM8;M1からM6)のうちの少なくとも1つは、非球面ミラーであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の結像光学器械。
前記ミラー(M3、M2からM4、M1からM4、M1からM3)のうちの少なくとも1つは、非球面ミラーであることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の結像光学器械。
湾曲ミラーの前記視野関連の対は、前記物体視野(14)から来る前記結像光(15)を誘導するミラーの物体関連の対(35;45;50)であり、この物体関連の対は、結像光学器械の前記全トラック長(T)の60%よりも小さい該物体視野からの距離(DP)のところに配列された物体視野対面ミラー(M1)を有することを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか1項に記載の結像光学器械。
湾曲ミラーの前記視野関連の対は、前記像視野(17)に前記結像光(15)を誘導するミラーの像関連の対(36;46;48;51)であり、ミラーの該像関連の対は、結像光学器械の前記全トラック長(T)の60%よりも小さい該像視野(17)からの距離(DP)のところに配列された像視野対面ミラー(M5;M6;M4)を有し、
ミラーの前記像関連の対のうちの少なくとも1つのミラー(M5;M6;M4)は、球面ミラーであることを特徴とする請求項10から請求項17のいずれか1項に記載の結像光学器械。
瞳面(38)の近くに屈折要素(39から41;53から57)の群(37;52)を有することを特徴とする請求項10から請求項18のいずれか1項に記載の結像光学器械。
瞳面(38)に又はそれに隣接して配列された少なくとも1つの瞳ミラー(M3)を有することを特徴とする請求項10から請求項22のいずれか1項に記載の結像光学器械。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、非常に大きい光学面を有するミラーを含む必要がなく、及び/又は平面折り返しミラーを含む必要がないコンパクトな結像光学器械を開発することである。更に、本発明による結像光学器械を用いると、像収差の良好な制御が可能であるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の結像光学器械、及び請求項20に記載の結像光学器械によって達成される。
請求項1に記載の結像光学器械は、偶数回の反射により、対物面と像面の自動的な分離をもたらす。公知の設計においてそのような分離に用いられる平面折り返しミラーは、省略することができる。
請求項2に記載の4ミラー光学器械は、反射回数の好ましい低減をもたらす。例えば、US2004/0001191A1による2つの折り返しミラーを有するWynne−Dyson設計では、5回の反射が必要である。
【0006】
請求項3に記載の設計は、最も大きいミラーの製造に関するコストの低減をもたらす。
相応の利点は、請求項4の設計に対しても成り立つ。
請求項5から請求項7に記載の設計は、良好な収差制御の可能性を与える。
特定の視野高さが与えられると、請求項8の設計は、小さいミラーを有利に用いる。最も大きい光学構成要素の最大光学面寸法は、特に、最大視野寸法の1.4倍よりも小さく、1.3倍よりも小さく、1.2倍よりも小さく、又は更に1.15倍よりも小さいものとすることができる。
【0007】
請求項9に記載の作業距離は、物体、例えばマスクを保持する台、及び像担体、例えばフラットパネルディスプレイのための基板を保持する台に関する設置要件を緩和する。対物面と像面が光学構成要素に関して対向する側に位置する結像光学器械では、全トラック長は、これらの平面の間の距離であり、又はこれらの平面が平行ではない場合は、物体視野と像視野の間の距離である。対物面と像面が光学構成要素の同じ側に位置する結像光学器械では、全トラック長は、これらの平面の一方と最も遠くの光学構成要素との間の最大距離として定められる。
【0008】
請求項10に記載の開口数は、良好な構造的像分解能を達成するのに役立つ。
請求項11に記載の結像光学器械は、色収差を回避する。
請求項12に記載の点対称設計は、両方とも結像光学器械に用いることができるミラー対を製造する可能性を与える。
請求項13に記載の2つの中間像面は、これらの像面の少なくとも一方に位置する要素を通じて像視野の大きさ及び形状の付加的な制御の可能性を与える。
【0009】
請求項14に記載の視野半径を有する像視野は、結像される複数のダイを一度に用いることを可能にする。本発明による像環状視野半径は、更に大きいものとすることができ、500mmの範囲のものとすることができる。
請求項15に記載の非対称設計は、一方で物体側、更に他方で像側における独立した収差制御の可能性を提供する。
請求項16に記載の中間像面の利点は、請求項13のものに対応する。
請求項17に記載の瞳ミラーは、瞳補正及び従って照明角度分散の補正の可能性を与える。瞳ミラーの瞳面までの距離は、50mmよりも小さく、又は10mmよりも小さいものとすることができる。
【0010】
多くの場合に、瞳ミラーは、結像光学器械の設計の最も大きいミラーである。瞳ミラーが極めて大きい公知のWynne−Dyson手法では、これは明らかに真である。これらの公知の設計と比較すると、請求項18に記載の瞳ミラー寸法は、比較的低コストで製造することができる。更に、瞳ミラーの光学面の最大標準寸法は、最大視野寸法の0.7倍よりも大きくなく、0.5倍よりも大きくなく、更には0.4倍よりも大きくないものとすることができる。
請求項19に記載の非球面瞳ミラーは、良好な収差制御をもたらす。
【0011】
請求項20に記載の結像光学器械の視野に関連した対は、比較的小さい光学面の大きさを有するミラーを用いる可能性を与える。本発明による視野関連ミラー対は、ビーム経路に関して視野平面、特に結像光学器械の対物面又は像面の次のミラーであるミラー対であり、このミラー対は、関連視野から、結像光学器械の全トラック長の60%よりも小さい距離のところに配列される。そのような視野関連ミラー対は、結像光学器械の製造コストを低減する。これらの結像光学器械設計では、結像光のビーム経路が対物面及び像面を横断する場所が、一方においては物体視野のみ、他方においては像視野のみであるという事実に起因して、そのような結像光学器械の統合は、物体及び基板を保持及び/又は平行移動するための構成要素が結像光学器械の光学構成要素と干渉しないところで可能である。そのような干渉は、US2005/0237505A1の実施形態に関する場合であると考えられる。視野対面ミラーを有するミラー対の関連視野からの距離は、結像光学器械の全トラック長の50%よりも小さく、40%よりも小さく、30%よりも小さく、20%よりも小さく、又は10%よりも小さいものとすることができる。ミラー結像光学器械のある一定の実施形態に関して、共通光軸を定めることができ、ミラーのそれぞれの反射面の全ての対称中心は、この光軸上に位置する。視野対面ミラーを有するミラー対を形成するミラーは、両方のミラーの用いられる反射面がこの光軸の同じ側に位置し、すなわち、視野関連ミラー対を形成するこれらの2つのミラーの間のビーム経路内で光軸を横断する結像光線が存在しないように設計することができる。
【0012】
請求項21から請求項25の主題の利点は、請求項3から請求項7のものに対応する。
請求項26及び請求項27に記載の物体視野関連の対、並びに請求項29及び請求項30に記載の像視野関連の対は、これらに続く結像光学器械の光学構成要素の大きさを縮小するのに役立つ。物体関連のミラー対の最初のミラーは、600mmよりも小さい焦点距離を有することができる。像関連のミラー対の最後のミラーは、600mmよりも小さい焦点距離を有することができる。
【0013】
請求項28の主題の利点は、請求項3及び請求項4のものに対応する。
請求項31の主題の利点は、請求項3及び請求項4のものに対応する。
大きい視野高さが与えられる場合には、請求項32に記載の設計は、コンパクトである。
請求項33の主題の利点は、請求項8のものに対応する。
請求項34の主題の利点は、請求項9のものに対応する。
請求項35及び請求項36の主題の利点は、請求項10及び請求項11のものに対応する。
【0014】
請求項37に記載の瞳面に近い屈折要素の群は、結像光学器械の高感度瞳制御の可能性を与える。これは、請求項39の主題において特に成り立つ。
請求項40から請求項42の主題の利点は、請求項17から請求項19のものに対応する。
請求項43及び請求項44に記載の設計は、対称な設置の可能性を与える。
請求項45に記載の対称設計は、請求項12に記載の対称設計のものに対応する利点を有する。
【0015】
請求項46に記載の偶数回の反射は、折り返しミラーの必要なく、物体と像の自動的な分離をもたらす。
請求項47に記載の倍率は、結像される非常に大きい物体に対する必要性を省く。
請求項48に記載の投影露光装置の利点は、請求項1から請求項47に記載の結像光学器械に関して上述したものに対応する。
これより本発明の例示的な実施形態を図面を参照して説明する。これらは、以下に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面に対する構成要素の相対位置を示すために、直交xyz−座標系を用いる。
図1では、x軸は、水平に左に向いている。y軸は、作図面に対して垂直であり、閲覧者から作図面に向いている。
図1では、z軸は垂直に下に向いている。
投影露光装置1は、対物面3内の物体視野を照明するための照明システム2を含む。物体視野は、部分環又はピッチ円視野であり、これに対しては、下記により詳細に説明する。投影露光装置1は、走査システムである。投影露光装置1によって結像されることになる構造を保持するマスク4は、物体視野を通じて走査される。
図1では、走査方向は、y軸に対して平行である。マスク4は、マスク台7の横方向の保持構成要素5、6の間に保持される。投影露光装置1のフラットパネルディスプレイ製造用途では、物体視野は、走査方向に対して垂直な寸法に数十又は数百ミリメートルの標準幅を有する。走査方向に対して平行に、物体視野は、数ミリメートルの標準スリット幅を有する。
【0018】
結像光学器械8により、対物面3内の物体視野は、像面9内の像視野内に結像される。
図1は、2の倍率βを有する結像光学器械8を略示している。下記に説明するように、この倍率は、例えば1と3の間の範囲で異なる値を有することができる。
像面9内では、投影露光装置1の結像光に敏感なコーティングを有するフラットパネルディスプレイのための基板11の表面10が、y軸に対して平行に、すなわち、マスク4の走査方向に対して平行に走査される。基板11は、基板台12上に保持される。
投影露光装置1は、投影露光装置の線状アレイの一部とすることができ、これに対しては、US6、512、573B2に詳細に説明されている。
【0019】
図2は、投影露光装置1において用いることができる結像光学器械13の例を示している。
図1に示している結像光学器械8とは対照的に、結像光学器械13は、1の倍率βを有する。結像光学器械13は、物体視野14から始まるミラーM1、M2、M3、及びM4を含むミラー配列を有する。従って、結像光学器械13は、4つのミラーM1からM4を有する。
図2に5つの代表的な結像光線16を含む束として示している結像光15は、偶数回の反射を受ける。
結像光学器械13は、開口数0.10を有する。
物体視野14及びそれに対応する像視野17は、500mmの半径及び数ミリメートル、例えば、1mm、2mm、3mmのスリット幅を有するピッチ円の形状を有する。
【0020】
全てのミラーM1からM4は、湾曲反射面を有する。ミラーM1及びM4は、凹ミラーである。ミラーM2及びM3は、凸ミラーである。全てのミラーM1からM4は、非球面ミラーである。これらの非球面ミラーは、1つのパラメータだけに依存し、すなわち、光軸までの距離rに依存する数学的定義、すなわち、非球面公式に従う母表面の一部として説明することができる反射面を有する。従って、ミラーM1からM4は、回転対称非球面ミラーである。代替的に、ミラーM1からM4のうちで選択されたミラー又はこれらのミラーの全てを回転非対称非球面ミラー、すなわち、1つよりも多くのパラメータに依存する自由形状表面とすることができる。
【0021】
図13は、物体視野14、及び大きさのみが異なり、形状は異ならない像視野17の外形を示している。視野14、17のx寸法をS(x)で表している。y寸法をS(y)で表している。
物体視野14及び像視野17は、ほぼ半円形状を有する。従って、x方向に沿って測定された光学視野14及び像視野17の最大視野寸法は、視野半径Rと同程度、すなわち、500mmと同程度である。
ミラーM1及びM4の最大光学面寸法Dx、Dyは、このx方向の最大視野寸法S(x)の1.5倍よりも小さい。寸法Dx、Dyを
図13及びそれに続く表に関して下記に定める。
【0022】
図2、3、4、6、7、9、10、11、及び12による結像光学器械実施形態のミラーは、結像光15が当たるこれらのミラーの光学面の寸法を意味する受光域寸法Dx、Dyを有する。これらのそれぞれの受光域寸法をDx及びDyで表している。Dxは、xz面に対して平行に測定されるそれぞれのミラーの受光域寸法である。受光域寸法Dyは、これらの図内に示している子午面、すなわち、y−z面内で測定される受光域寸法である。
図2、3、4、6、7、9、10、11、12には、受光域寸法Dyの例を提供している。
【0023】
以下の表は、
図2、3、4、6、7、8、10、11、及び12の結像光学器械の実施形態のミラーに対して、像視野17における寸法R、S(y)及びS(x)、並びに受光域寸法Dy、Dxも示している。
【0027】
結像光学器械13は、2、000mmのトラック長、すなわち、対物面3と像面9の間の距離を有する。像面9と、それに隣接する最も近いミラーM1の光学面との間の作業距離Wは、約800mmであり、従って、結像光学器械13の全トラック長Tの約40%である。
結像光学器械13では、結像光15は、反射手段だけにより、すなわち、ミラーM1からM4だけによって誘導される。
【0028】
結像光学器械13では、光学構成要素、すなわち、ミラーM1からM4の配列、結像光15の誘導は、中心主光線16cの中間点に関して点対称である。この中間点Pは、物体視野14から始まって像視野17で終わるこの中心主光線16cの結像光学器械13の光路の半分に達する点によって定められる。また、中間点Pは、結像光学器械13の瞳面内に位置する。この点対称性により、一方でミラーM1とM4、他方でミラーM2とM3が等しい光学面を有する。中間点Pは、xz−ミラー面MPを定める。
図2の子午断面内では、ミラーM1及びM2は、ミラー面MPより上に位置し、ミラーM3及びM4は、このミラー面MPより下に位置する。
結像光学器械13は、テレセントリックである。結像光学器械13の対称性により、このテレセントリック性は、結像光学器械13の物体側と像側の両方で成り立つ。
結像光学器械13では、物体視野14と像視野17は、付加的な折り返しミラーを採用せずに分離することができる。
【0029】
以下に続く2つの表は、結像光学器械13の設計パラメータを示している。「半径」(r)は、それぞれの表面の曲率の逆数値を意味する。「厚み」は、問題とする表面のそれに続く表面までのミリメートルでの距離を意味する。「モードREFL」は、それぞれの表面が反射ミラー表面であることを意味する。係数K、A、B、C、D、E、F、及びGは、次の非球面公式の係数である。
p(h)=[((1/r)h
2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)
2h
2)]+A
*h
4+B
*h
6+...
p(h)は、それぞれの表面のz方向の矢状又は立ち上がり高さを表している。h
2=x
2+y
2
NA=0.1;|β|=1.0
【0032】
図3は、投影露光装置1において用いることができる別の実施形態の結像光学器械18を示している。これまでに解説した結像光学器械に関して既に説明したこの結像光学器械の構成要素は、同じ参照番号を有し、再度詳細に説明しないことにする。
結像光学器械18も同様に、1の倍率βを有する。結像光学器械18は、物体視野14から始まって光路内で連続して番号が振られた6つのミラーM1、M2、M3、M4、M5、及びM6を有する。従って、結像光学器械18においても、結像光15は、偶数回の反射を受ける。全てのミラーM1からM6は、湾曲反射面を有する。ミラーM1及びM6は、凹面である。ミラーM2及びM5は、凸面である。ミラーM1及びM6は、球面反射面を有し、すなわち、球面ミラーである。全ての他のミラーM2からM5は、回転対称非球面ミラーである。
【0033】
結像光学器械18も同様に、中間点Pに関して点対称である。
図3の子午断面では、ミラーM1からM3は、ミラー面MPより上に位置する。ミラーM4からM6は、ミラー面MPよりも下に位置する。
ミラーM1及びM6の最大光学面寸法Dは、それぞれ333mmである。
結像光学器械18は、約2、500mmの全トラック長Tを有する。像面9と、それに隣接する最も近いミラーM3との間の作業距離Wは、約970mmである。従って、作業距離Wは、結像光学器械18の全トラック長Tの約40%である。
結像光学器械18では、結像光15は、反射手段だけによって誘導される。
【0034】
以下に続く2つの表は、結像光学器械13の設計パラメータを示している。「半径」(r)は、それぞれの表面の曲率の逆数値を意味する。「厚み」は、問題とする表面のそれに続く表面までのミリメートルでの距離を意味する。「モードREFL」は、それぞれの表面が反射ミラー表面であることを意味する。係数K、A、B、C、D、E、F、及びGは、次の非球面公式の係数である。
p(h)=[((1/r)h
2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)
2h
2)]+A
*h
4+B
*h
6+...
p(h)は、それぞれの表面のz方向の矢状又は立ち上がり高さを表している。h
2=x
2+y
2
NA=0.1;|β|=1.0
【0037】
図4は、結像光学器械の別の実施形態を示している。これまでに解説した結像光学器械に関して既に説明したこの結像光学器械の構成要素は、同じ参照番号を有し、再度詳細に説明しないことにする。
結像光学器械(19)は、1の倍率βを有する。結像光学器械19は、物体視野14から始まって結像光15の光路に従って連続して番号が振られた8つのミラーM1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、及びM8を有する。
【0038】
図4では、結像光15の光路を物体点20、21から始まる2つの光線束16を用いて例示しており、これらの物体点20、21のy−方向の距離は、物体視野14のスリット幅に対応する。これらの物体点20、21の各々から、物体視野14の10個の異なる照明角度を表す10個の光線16が始まる。
結像光学器械19では、ミラーM1からM8の配列は、結像光15が、偶数回の反射を受けるようなものである。
【0039】
ミラーM1からM8の全ては、湾曲反射面を有する。
結像光学器械18では、ミラーM1及びM6は、最も大きい最大光学面寸法を有する。
全てのミラーM1からM8は、回転対称非球面ミラーである。
ミラーM1とミラーM2の間の光路には、瞳面22が配列される。この面は、必ずしも平面である必要はなく、湾曲面とすることができる。
ミラーM2とミラーM3の間の光路には、中間像面23が配列される。また中間像面23も同様に、必ずしも平面である必要はなく、湾曲面とすることができる。
【0040】
ミラーM1からM8の配列も同様に、中間点Pに関して点対称である。この中間点Pは、xzミラー面MP上に位置し、更にxy面である別の瞳平面24上にも位置する。
図4に示している子午断面では、ミラーM1の大部分及びミラーM5からM7は、ミラー面MPよりも上に位置する。この子午断面では、ミラーM2からM4及びミラーM8の大部分は、ミラー面MPよりも下に位置する。ミラーM1、M3、M6、及びM8は、凹面である。ミラーM2、M4、M5、及びM7は、凸面である。
【0041】
結像光学器械19の点対称により、別の中間像面25は、ミラーM6とミラーM7の間の光路内に位置する。同様に、別の瞳面26は、ミラーM7とミラーM8の間の光路内に位置する。
結像光学器械19は、約1、000mmの全トラック長Tを有する。物体視野14の環状視野半径Rは、約50mmである。結像光学器械19による結像は、約1nmRMS(二乗平均平方根)の最大波面誤差で可能である。
結像光学器械19の開口数は、NA=0.3である。
【0042】
以下に続く2つの表は、結像光学器械19の設計パラメータを示している。「半径」(r)は、それぞれの表面の曲率の逆数値を意味する。「厚み」は、問題とする表面のそれに続く表面までのミリメートルでの距離を意味する。「モードREFL」は、それぞれの表面が反射ミラー表面であることを意味する。係数K、A、B、C、D、E、F、及びGは、次の非球面公式の係数である。
p(h)=[((1/r)h
2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)
2h
2)]+A
*h
4+B
*h
6+...
p(h)は、それぞれの表面のz方向の矢状又は立ち上がり高さを表している。h
2=x
2+y
2
NA=0.3;|β|=1.0
【0045】
図5は、結像光学器械19の物体視野14を平面図で示している。約60mmの環状視野半径Rにより、物体視野14のx寸法、すなわち、走査方向に対して垂直な寸法は、約100mmである。従って、
図5に示しているように、約25mmのx寸法を有する4つのマスク又はウェーハダイ4及びそれに応じて4つの基板11を並行して走査することができる。それによって単一のマスク4を走査することしかできない投影露光装置と比較して、それぞれの処理機能の改善がもたらされる。
【0046】
図6は、投影露光装置1において用いることができる別の実施形態の結像光学器械27を示している。これまでに解説した結像光学器械に関して既に説明したこの結像光学器械の構成要素は、同じ参照番号を有し、再度詳細に説明しないことにする。
結像光学器械27は、1の倍率βを有する。
結像光学器械27は、6つのミラー、すなわち、物体視野14から始まって光路に沿って連続して番号が振られたM1、M2、M3、M4、M5、及びM6を有する。2つの物体点20、21から始まる結像光15の光線16を
図6に示している。各物体点20、21から、3つの異なる照明角度に応じて、3つの光線16が始まる。
【0047】
結像光学器械27は、結像光15が偶数回の反射を受けるようなミラー配列を有する。全てミラーのM1からM6は、光軸OAを定める湾曲反射面を有する。全てのミラーM1からM6は、非球面反射面を有する。
ミラーM1、M3、及びM6は、凹面である。ミラーM2、M4、及びM5は、凸面である。
結像光学器械27は、約1000mmの全トラック長Tを有する。像平面9と、それに隣接する最も近いミラーM5との間の作業距離Wは、約110mmである。従って、作業距離Wは、結像光学器械27の全トラック長Tの約10%である。
【0048】
結像光学器械27は、0.16の開口数を有する。
物体視野14及び像視野17は、両方ともに3mmの環幅を有する。
結像光学器械27の物体視野14及び像視野17の寸法は、
図5に示している結像光学器械19の物体視野14の視野領域に対応する。
結像光学器械27の環状視野半径は55mmである。
結像光学器械27では、結像光15は、反射手段だけによって誘導される。
結像光学器械27における光学構成要素の配列は、点対称性又は
図6の作図面である子午面以外のミラー面に対する鏡面対称性のいずれも持たず、従って、結像光15をもたらす光学構成要素の配列、すなわち、ミラーM1からM6の配列は、中心主光線の中間点Pに関して非対称である。
【0049】
結像光学器械27は、ミラーM1とミラーM2の間に瞳面28を有する。結像光学器械27は、ミラーM2とミラーM3の間に中間像面29を有する。結像光学器械27は、隣接するミラーM5に別の瞳面30を有する。従って、ミラーM5は、結像光学器械27の瞳ミラーである。
瞳ミラーM5は、
図6に示しているように、子午面に、物体視野14の最大視野寸法の65%である約65mmの最大標準寸法、及びx−方向に100mmの像視野17を有する。
結像光学器械27の別の実施形態では、ミラーM3は、凸面であり、ミラーM4は、凹面である。結像光学器械27のこの別の実施形態の全ての他の設計パラメータは、ほぼ同じに留まる。
【0050】
以下に続く2つの表は、結像光学器械27の設計パラメータを示している。「半径」(r)は、それぞれの表面の曲率の逆数値を意味する。「厚み」は、問題とする表面のそれに続く表面までのミリメートルでの距離を意味する。「モードREFL」は、それぞれの表面が反射ミラー表面であることを意味する。係数K、A、B、C、D、E、F、及びGは、次の非球面公式の係数である。
p(h)=[((1/r)h
2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)
2h
2)]+A
*h
4+B
*h
6+...
p(h)は、それぞれの表面のz方向の矢状又は立ち上がり高さを表している。h
2=x
2+y
2
NA=0.16;|β|=1.0
【0053】
図7は、投影露光装置1において用いることができる別の実施形態の結像光学器械31を示している。
結像光学器械31は、物体側及び結像側でテレセントリックである。
結像光学器械31は、物体視野14から始まって連続して番号が振られた5つのミラーM1、M2、M3、M4、M5を有する。全てのミラーM1からM5は、湾曲反射面を有する。ミラーM1及びM5は、凹面である。ミラーM2及びM4は、凸面である。
【0054】
結像光学器械31は、結像光15をもたらす2つの視野関連湾曲ミラー対35、36、すなわち、ミラーM1及びM2を含む第1の視野関連の対35、並びにミラーM4及びM5を含む第2の視野関連の対36を有する。これらの視野関連の対35、36の各々は、それぞれ、関連視野、すなわち、ミラー対35の場合は物体視野14、及びミラー対36の場合は像視野17から、約720mmである距離D
Pのところに配列された最初のミラー又は視野対面ミラーM1及びM5を有する。結像光学器械31の全トラック長T、すなわち、視野面14、16の一方と最も分離した光学構成要素であるミラーM3との間の最大距離は、約1、150mmである。ミラーM2、M4の視野面14、16までの作業距離Wは、約570mmであり、従って、結像光学器械の全トラック長Tの約50%である。
ミラーM1、M2、M4、及びM5は、球面ミラーである。ミラーM3は、非球面ミラーである。
【0055】
結像光学器械31の物体視野14及び像視野17の各々は、500mmの環状視野半径R及び10mmのスリット幅sを有するピッチ円形状を有する。結像光学器械31の物体視野14及び像視野17のx方向の最大視野寸法は、約850mmである。従って、結像光学器械31を用いると、非常に大きいマスク4及び/又は多数の並列レチクル又はダイ4を走査することができる。
物体視野14のこの大きいx寸法とトラック長Tとは、850対1、150の関係、すなわち、約0.74の関係を有する。従って、結像光学器械31は、その視野高さとの相関から非常にコンパクトである。
【0056】
図7の子午面では、最も大きいy寸法を有するミラーは、ミラーM3である。ミラーM3の光学面のこのy寸法は、約250mmである。この寸法は、物体視野14の最大x寸法の約29%である。
結像光学器械31は、0.12の開口数を有する。
結像光学器械31は、ミラーM3の光学面に対応する瞳面38の近くに屈折要素群37を有する。
この群37の焦点距離は、結像光学器械31のトラック長Tよりも大きい。
【0057】
群37は、3つのレンズ39、40、41を含む。レンズ39は両凸である。レンズ39と41の間に位置するレンズ40は両凹である。レンズ41は、レンズ40とミラーM3の間に配列され、ミラーM3に非常の近く配列される。レンズ39のミラーM2及びM4に対面する表面は、非球面表面である。レンズ39から41の他の表面は球面である。
結像光学器械31は、1の倍率βを有する。
【0058】
結像光学器械31の光学構成要素の配列は、対称面MPに関して鏡面対称である。この面MPは、対物面14に対して垂直であり、また、
図7の作図面である子午面に対しても垂直である。この子午面は、結像光学器械31の結像光15の中心主光線16cの中間点Pを有する。この中間点Pは、ミラーM3の光学面の中心に配列される。結像光学器械31のこの鏡面対称性の結果として、一方でミラーM1及びM5と、他方でミラーM2及びM4とが等しい曲率を有する。また、ミラー面MPは、屈折群37の要素の中心を通る。
結像光学器械31のミラーM1の焦点距離は、608.6mmである。
図7に破線で示している2つの付加的な折り返しミラー41aを用いると、結像光学器械31を
図1に実線で示している投影露光装置1内に収まるような方式で修正することができる。この場合には、対物面3及び像面9は、折り返しに起因して分離した平行な面として配列される。
【0059】
以下に続く3つの表は、結像光学器械42の設計パラメータを示している。「半径」(r)は、それぞれの表面の曲率の逆数値を意味する。「厚み」は、問題とする表面のそれに続く表面までのミリメートルでの距離を意味する。「モードREFL」は、それぞれの表面が反射ミラー表面であることを意味する。係数K、A、B、C、D、E、F、及びGは、次の非球面公式の係数である。
p(h)=[((1/r)h
2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)
2h
2)]+A
*h
4+B
*h
6+...
p(h)は、それぞれの表面のz方向の矢状又は立ち上がり高さを表している。h
2=x
2+y
2
【0060】
連続する第3の表は、レンズ39、40、41のガラス種類の屈折率を表す(連続する第1の表の「モード」と比較されたい)。連続する第1の表では、各レンズは、2つの表面、すなわち、入射表面及び出射表面によって特徴付けられる。
NA=0.12;|β|=1.0
【0063】
図9は、
図1に示している投影露光装置1において用いることができる別の実施形態の結像光学器械42を示している。これまでに解説した結像光学器械に関して既に説明したこの結像光学器械の構成要素は、同じ参照番号を有し、再度詳細に説明しないことにする。
結像光学器械42も同様に、物体側及び像側でテレセントリックである。
ミラーの構成に関しては、結像光学器械42は、
図7の結像光学器械31のものに対応する。結像光学器械42も同様に、5つのミラーM1、M2、M3、M4、及びM5を有する。
【0064】
原理的には、ミラーM2及びM4は、1つの同じミラー基板によって保持することができるが、これは必要ではない。
ミラーM1からM5の全ては、湾曲反射面を有する。ミラーM1、M3、及びM5は、凹面である。ミラーM2及びM4は、凸面である。結像光学器械42も、それぞれ、ミラーM1、M2及びM4、M5の2つの視野関連の対35、36を有する。これらの対35、36の配列は、結像光学器械31のものに対応する。
【0065】
対35の最初のミラーM1及び対36の最初のミラーM5は、約540mmの距離D
Pのところに配列される。
結像光学器械31の全トラック長Tは、約1、900mmである。従って、関係DP/Tは、約28%である。
ミラーM1及びM5は、球面である。ミラーM2、M3、及びM4は、回転対称非球面ミラーである。
結像光学器械31のミラーM1の焦点距離は、555mmである。
【0066】
図9の結像光学器械42の物体視野14及び像視野17のxy−形状は、
図8から見ることができる。最大視野高さ、すなわち、x軸に対して平行な最大視野寸法は、約850mmである。
図9の作図面である子午面では、ミラーM3は、約620mmの最大光学面寸法を有する。この寸法は、最大視野寸法の約73%である。
像平面16と、それに隣接する最も近いミラーM4との間の作業距離Wは、約400mmである。この距離は、結像光学器械42の全トラック長Tの約21%である。
【0067】
結像光学器械42は、0.12の開口数を有する。
結像光学器械42では、結像光15は、反射手段だけによって誘導される。従って、結像光学器械31と比較すると、結像光学器械42では屈折要素群が存在しない。
ミラーM3の光学面は、結像光学器械42の瞳面43内に位置する。従って、ミラーM3は、結像光学器械42の瞳ミラーである。
【0068】
結像光学器械42は、ミラー面MPに関して
図7の結像光学器械31と同じ鏡面対称配列を有する。結像光学器械42の中間点Pは、ミラーM3の中心に位置する。
図7の実施形態における折り返しミラー41aと同様に配列することができる2つの付加的な折り返しミラーを用いると、結像光学器械42を
図1に実線で示している投影露光装置1内に収まるような方式で修正することができる。
【0069】
以下に続く2つの表は、結像光学器械42の設計パラメータを示している。「半径」(r)は、それぞれの表面の曲率の逆数値を意味する。「厚み」は、問題とする表面のそれに続く表面までのミリメートルでの距離を意味する。「モードREFL」は、それぞれの表面が反射ミラー表面であることを意味する。係数K、A、B、C、D、E、F、及びGは、次の非球面公式の係数である。
p(h)=[((1/r)h
2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)
2h
2)]+A
*h
4+B
*h
6+...
p(h)は、それぞれの表面のz方向の矢状又は立ち上がり高さを表している。h
2=x
2+y
2
NA=0.12;|β|=1.0
【0072】
図10は、
図1に示している投影露光装置1において用いることができる別の実施形態の結像光学器械44を端から端まで引かれた線で示している。これまでに解説した結像光学器械に関して既に説明したこの結像光学器械の構成要素は、同じ参照番号を有し、再度詳細に説明しないことにする。
結像光学器械44は、物体側及び像側でテレセントリックである。
結像光学器械44は、約1.8の倍率βを有する。従って、像は、物体に比較して約1.8の係数で拡大される。
結像光学器械44の開口数は、0.10である。
【0073】
結像光学器械44は、物体視野14から始まって連続して番号が振られた6つのミラー、M1、M2、M3、M4、M5、M6を有する。ミラーM1、M2、M3、及びM4は、光軸OAを定める回転対称非球面ミラーである。ミラーM1、M3、及びM6は、凹面である。ミラーM2及びM4は、凸面である。ミラーM5は、平面である。ミラーM6は、球面ミラーである。
ミラーM1及びM2は、結像光学器械44の物体視野関連の対45を構成する。この物体対45の最初のミラーM1の対物面3までの距離D
Pは、約270mmである。結像光学器械44の場合には、対物面3と像面9の間の距離である全トラック長Tは、約640mmである。従って、物体対45に関する距離D
Pは、全トラック長Tの約42%である。
【0074】
更に、結像光学器械44は、ミラーM5及びM6から成る像視野関連の対46を含む。この像対46のミラーM6の像面9までのそれぞれの距離D
Pは、約525mmである。この距離は、全トラック長Tの約82%である。
結像光学器械44の像視野17は、
図8に関して解説したものに対応する形状を有する。従って、結像光学器械44の像視野17の最大x寸法は、850mmである。従って、この大きい視野寸法は、全トラック長Tよりも1.33倍大きい。
ミラーM3は、
図10に示している子午面内に、約420mmの最大光学面寸法を有する。この寸法は、像視野17の最大寸法の約50%である。
結像光学器械44では、結像光15は、反射手段だけによって誘導される。
【0075】
以下に続く2つの表は、結像光学器械44の設計パラメータを示している。「半径」(r)は、それぞれの表面の曲率の逆数値を意味する。「厚み」は、問題とする表面のそれに続く表面までのミリメートルでの距離を意味する。「モードREFL」は、それぞれの表面が反射ミラー表面であることを意味する。係数K、A、B、C、D、E、F、及びGは、次の非球面公式の係数である。
p(h)=[((1/r)h
2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)
2h
2)]+A
*h
4+B
*h
6+...
p(h)は、それぞれの表面のz方向の矢状又は立ち上がり高さを表している。h
2=x
2+y
2
NA=0.1;|β|=1.8
【0077】
図11は、
図1に示している投影露光装置1において用いることができる別の実施形態の結像光学器械47を端から端まで引かれた線で示している。これまでに解説した結像光学器械に関して既に説明したこの結像光学器械の構成要素は、同じ参照番号を有し、再度詳細に説明しないことにする。
結像光学器械47は、物体側及び像側でテレセントリックである。
結像光学器械47は、物体視野14から始まって連続して番号が振られた6つのミラー、M1、M2、M3、M4、M5、及びM6を有する。全てのミラーM1からM6は、湾曲反射面を有するミラーM1及びM4は、凹面である。ミラーM3は、凸面である。
【0078】
結像光学器械47は、ミラーM5、M6から成る像視野関連の対48を含む。この像対48の最初のミラーM6の像面9までの距離D
Pは、約150mmである。結像光学器械47の全トラック長Tは、約1、850mmである。従って、DPは、全トラック長Tの約8.1%である。
ミラーM1、M2、M3、及びM4は、光軸OAを定める回転対称非球面ミラーである。ミラーM5及びM6は、両方ともに球面ミラーである。
【0079】
結像光学器械47のミラーM6の焦点距離は、502.5mmである。
結像光学器械47の像視野17は、
図8に関して解説したものと同様の形状を有する。従って、像視野17の最大x寸法は、約850mmである。この最大視野寸法は、全トラック長Tの約46%である。
結像光学器械47では、ミラーM1は、
図11に示している子午面内に約450mmの最大寸法を有する。この寸法は、像視野17の最大x寸法の約53%である。
結像光学器械47は、約2の倍率βを有する。結像光学器械47は、0.10の開口数を有する。
結像光学器械47では、結像光15は、反射手段だけによって誘導される。
ミラーM2の対物面3までの作業距離Wは、約360mmである。この距離は、結像光学器械47の全トラック長Tの約19%である。
【0080】
以下に続く2つの表は、結像光学器械47の設計パラメータを示している。「半径」(r)は、それぞれの表面の曲率の逆数値を意味する。「厚み」は、問題とする表面のそれに続く表面までのミリメートルでの距離を意味する。「モードREFL」は、それぞれの表面が反射ミラー表面であることを意味する。係数K、A、B、C、D、E、F、及びGは、次の非球面公式の係数である。
p(h)=[((1/r)h
2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)
2h
2)]+A
*h
4+B
*h
6+...
p(h)は、それぞれの表面のz方向の矢状又は立ち上がり高さを表している。h
2=x
2+y
2
NA=0.1;|β|=2.0
【0083】
図12は、
図1に示している投影露光装置1において用いることができる別の実施形態の結像光学器械49を端から端まで引かれた線で示している。これまでに解説した結像光学器械に関して既に説明したこの結像光学器械の構成要素は、同じ参照番号を有し、再度詳細に説明しないことにする。
結像光学器械49は、像側及び物体側でテレセントリックである。
結像光学器械49は、物体視野14から始まって連続して番号が振られた4つのミラー、M1、M2、M3、M4を有する。ミラーM1からM4の全ては、湾曲反射面を有する。ミラーM1及びM4は、凹面である。ミラーM2及びM3は、凸面である。
【0084】
ミラーM1及びM2は、物体視野関連の対50を構成する。
この物体対50の最初のミラーM1の物体視野3までの距離D
Pは、約220mmである。結像光学器械49の全トラック長Tは、約1、335mmである。従って、D
Pは、全トラック長Tの約16%である。ミラーM1、M2、及びM3は、回転対称非球面ミラーである。
ミラーM1、M2、及びM3は、回転対称非球面ミラーである。ミラーM4は、球面である。これらの回転対称表面は、光軸OAを定める。
【0085】
ミラーM3及びM4は、像視野関連ミラー対51を構成する。像視野17に対面するミラーM4は、像面9までの約750mmの距離D
Pを有する。この距離は、結像光学器械49の全トラック長Tの約56%である。
結像光学器械49のミラーM1の焦点距離は、310.6mmである。結像光学器械49のミラーM4の焦点距離は、512.4mmである。
像視野17の形状は、
図8に関して解説したものである。従って、像視野の最大x寸法は、約850mmである。この寸法は、全トラック長Tの約63%である。
【0086】
ミラーM4は、
図12に示している子午面内に最も大きい光学面寸法を有する。この最大寸法は、約240mmである。この寸法は、最大視野寸法の約28%である。ミラーM2と対物面3の間の作業距離Wは、約125mmである。この距離は、結像光学器械49の全トラック長Tの約9%である。
ミラーM3と像面9の間の作業距離Wは、約610mmである。この距離は、結像光学器械49の全トラック長Tの約46%である。
結像光学器械49は、0.12の開口数を有する。
【0087】
結像光学器械49は、ミラーM2とミラーM3の間の瞳面の近くに屈折要素群52を有する。この群52は、ミラーM2から始まって光路内で連続して番号が振られた5つのレンズ、53、54、55、56、57を含む。レンズ53は、両凸面である。レンズ54は、両凹面である。レンズ55は凹凸面である。レンズ56は両凹面である。レンズ57は両凸面である。
結像光学器械49のレンズ群52の全焦点距離は、543mmである。
結像光学器械49の瞳面は、レンズ55の物体側表面に配列される。
レンズ53及び55の物体側表面及びレンズ57の像側表面は、非球面表面である。レンズ53から57の他の表面は、球面である。
【0088】
以下に続く3つの表は、結像光学器械49の設計パラメータを示している。「半径」(r)は、それぞれの表面の曲率の逆数値を意味する。「厚み」は、問題とする表面のそれに続く表面までのミリメートルでの距離を意味する。「モードREFL」は、それぞれの表面が反射ミラー表面であることを意味する。係数K、A、B、C、D、E、F、及びGは、次の非球面公式の係数である。
p(h)=[((1/r)h
2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)
2h
2)]+A
*h
4+B
*h
6+...
p(h)は、それぞれの表面のz方向の矢状又は立ち上がり高さを表している。h
2=x
2+y
2
連続する第3の表は、レンズ39、40、41のガラス種類の屈折率を表す(連続する第1の表の「モード」と比較されたい)。連続する第1の表では、各レンズは、2つの表面、すなわち、入射表面及び出射表面によって特徴付けられる。
NA=0.12;|β|=2.0
【0091】
図7、9、10、11、及び12による結像光学器械実施形態は、物体側及び像側の両方でテレセントリックである。