特許第5655794号(P5655794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5655794ポジ型感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655794
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】ポジ型感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/023 20060101AFI20141225BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20141225BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   G03F7/023
   G03F7/004 501
   H01L21/30 502R
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2011-550840(P2011-550840)
(86)(22)【出願日】2011年1月18日
(86)【国際出願番号】JP2011000216
(87)【国際公開番号】WO2011089877
(87)【国際公開日】20110728
【審査請求日】2012年6月18日
(31)【優先権主張番号】特願2010-11354(P2010-11354)
(32)【優先日】2010年1月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398008295
【氏名又は名称】日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 喜平
(74)【代理人】
【識別番号】100112977
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 有子
(74)【復代理人】
【識別番号】100141944
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 猛
(72)【発明者】
【氏名】小谷 真志
(72)【発明者】
【氏名】大江 匡之
(72)【発明者】
【氏名】紺野 琢
(72)【発明者】
【氏名】峯岸 知典
(72)【発明者】
【氏名】小野 敬司
【審査官】 倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−139328(JP,A)
【文献】 特開2008−224970(JP,A)
【文献】 特開2008−145579(JP,A)
【文献】 特開2008−107512(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/022732(WO,A1)
【文献】 特開2006−008740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F7/00;G03F7/004−7/18;7/26−7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アルカリ性水溶液に可溶な樹脂であって、フェノール性水酸基を有するポリマー、
(b)下記式(b−1)又は(b−2)で表される化合物
(c)下記C1で表されるジアゾナフトキノン化合物、及び
(d)溶剤を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物(但し、アルミニウム錯体、活性ケイ素化合物及び前記(c)成分ではない酸発生剤からなる群から選択される、少なくとも1つを含む場合を除く。)。
【化8】
(式中、nは0〜3の整数である。)
【請求項2】
前記(a)成分が、下記式(I)で表される構造単位を有するポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【化9】
(式中、Xは2〜8価の有機基である。Yは2〜8価の有機基である。Rはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の有機基である。Rはそれぞれ水素又は1価の有機基である。p及びqはそれぞれ0〜4の整数である。l及びmはそれぞれ0〜2の整数である。l+m+p+qは1以上である。nはポリマー中の構造単位の数を示す2以上の整数である。)
【請求項3】
メチロール基含有化合物、及びエポキシ基含有化合物を実質的に含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(a)〜(c)成分が溶剤を除く組成物の全量に対して90重量%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項5】
(a)成分100重量部に対し、(b)成分を1〜40重量部、(c)成分を1〜50重量部含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化させたことを特徴とする硬化膜。
【請求項7】
請求項1〜のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を支持基盤上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像してパターン樹脂膜を得る工程と、及び前記パターン樹脂膜を加熱処理してパターン硬化膜を得る工程とを含むことを特徴とするパターン硬化膜の製造方法。
【請求項8】
請求項に記載の硬化膜が層間絶縁膜層又は表面保護膜層として設けられている電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、パターン硬化膜、その製造方法及び電子部品に関する。さらに詳しくは、例えば半導体素子の表面保護膜及び/又は層間絶縁膜を成膜可能なポジ型感光性樹脂組成物、及び当該組成物を用いた耐熱性パターン硬化膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子の層間絶縁膜及び表面保護膜には、優れた耐熱性、電気特性及び機械特性を併せ持つポリイミド樹脂や、ポリベンゾオキサゾール樹脂が用いられていた。
近年、半導体素子のさらなる高集積化及び大型化が進む中、封止樹脂パッケージの薄型化、小型化が要求されている。また、LOC(リード・オン・チップ)や半田リフローによる表面実装等の方法がとられてきており、これまで以上に機械特性、耐熱性等に優れたポリイミド樹脂が必要とされるようになってきた。
【0003】
これらの要求に対し、ポリイミド樹脂自身に感光性を付与した感光性ポリイミドが用いられてきている。感光性ポリイミドを用いることにより、パターン作製工程を簡略化でき、煩雑な製造工程を短縮することができる。従来の感光性ポリイミド又はその前駆体を用いてなる耐熱性フォトレジストや、その用途についてはよく知られている。
【0004】
これらの技術の発展として、最近では、アルカリ水溶液で現像できるポジ型感光性樹脂組成物の提案がなされている。ポジ型感光性ポリイミドでは、ポリイミド前駆体にエステル結合を介して2−ニトロベンジル基を導入する方法(例えば非特許文献1)、可溶性ジヒドロキシルイミド又はポリベンゾオキサゾール前駆体にナフトキノンジアジド化合物を混合する方法(例えば特許文献1及び2)、ポリイミド前駆体にナフトキノンジアジドを混合する方法(例えば特許文献3)等が挙げられる。
【0005】
ポジ型感光性樹脂組成物にオキセタン化合物を添加する方法は、現像時の現像残り(スカム)発生を防止したり、リフロー耐性、耐溶剤性を向上するために用いられることがあるが(例えば特許文献4,5)、これらの組成物にはオキセタン化合物の開環を促進させるためのアルミニウム錯体、活性ケイ素化合物が必須である。
【0006】
一方、近年、短納期及び低コストの観点から、無電解めっきを用いてNi膜及びAu膜を形成し、半田ボールをレーザーで付けるという表面実装工程への移行がみられる。無電解めっきには、特にpHが13以上の強アルカリ性溶液で処理されるジンケート処理とよばれる工程があり、この強アルカリ性溶液への耐性に優れたポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂が必要とされている(例えば非特許文献2)。
ところが、これまでのポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂を使用したポジ型感光性樹脂組成物では、g線とi線に高感度かつ高解像度で、汎用現像液での現像が可能で、さらに強アルカリ耐性に優れる性能を同時に満たすことは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公昭64−60630号公報
【特許文献2】米国特許第4395482号明細書
【特許文献3】特開昭52−13315号公報
【特許文献4】特開2008−145579号公報
【特許文献5】国際公開第07/063721号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J.Macromol.Sci.,Chem.,vol.A24,12, 1407(1987年)
【非特許文献2】「表面技術」社団法人 表面技術協会発行、vol.47(1996),p.529
【発明の概要】
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は汎用現像液での現像が可能であり、無電解めっき工程で用いられる強アルカリ性溶液に対する耐性に優れるポジ型感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
本発明は、以下のものに関する。
1.(a)アルカリ性水溶液に可溶な樹脂、
(b)2個以上のオキセタニル基を有する化合物、
(c)ジアゾナフトキノン化合物、及び
(d)溶剤を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
2.前記(a)成分が、フェノール性水酸基を有するポリマーであることを特徴とする1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
3.前記(a)成分が、下記式(I)で表される構造単位を有するポリマーであることを特徴とする1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【化1】
(式中、Xは2〜8価の有機基である。Yは2〜8価の有機基である。Rはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の有機基である。Rはそれぞれ水素又は1価の有機基である。p及びqはそれぞれ0〜4の整数である。l及びmはそれぞれ0〜2の整数である。l+m+p+qは1以上である。nはポリマー中の構造単位の数を示す2以上の整数である。)
4.前記(b)成分が下記式で表される化合物であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【化2】
(式中、Xは単結合、又はアルキレン基、芳香環、酸素原子、硫黄原子の少なくとも1つを含む2価の有機基を示し、Aは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
5.(a)成分100重量部に対し、(b)成分を1〜40重量部、(c)成分を1〜50重量部含有することを特徴とする1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
6.1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化させたことを特徴とする硬化膜。
7.1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を支持基盤上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像してパターン樹脂膜を得る工程と、及び前記パターン樹脂膜を加熱処理してパターン硬化膜を得る工程とを含むことを特徴とするパターン硬化膜の製造方法。
8.6に記載の硬化膜が層間絶縁膜層又は表面保護膜層として設けられている電子部品。
【0011】
本発明によれば、汎用現像液での現像が可能であり、無電解メッキ工程で用いられる強アルカリ性溶液に対する耐性に優れるポジ型感光性樹脂組成物が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図である。
図2】本発明の一実施形態による多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態による多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図である。
図4】本発明の一実施形態による多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図である。
図5】本発明の一実施形態による多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)溶剤を含む。
(a)アルカリ性水溶液に可溶な樹脂
(b)2個以上のオキセタニル基を有する化合物
(c)ジアゾナフトキノン化合物
(d)溶剤
【0014】
(a)成分はアルカリ性水溶液に可溶である。アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等のアルカリ性の水溶液が挙げられる。
一般に、濃度が2.38重量%のテトラブチルアンモニウム水溶液が用いられるので、(a)成分はこの水溶液に対して可溶性であることがより好ましい。
【0015】
(a)成分がアルカリ性現像液で可溶であることの1つの基準を以下に説明する。(a)成分単独又は以下に順を追って説明する(b)、(c)の各成分を(d)溶剤に溶解して得られたワニスを、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して形成された膜厚5μm程度の塗膜とする。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか1つに、20〜25℃において浸漬する。この結果、均一な溶液として溶解しうるとき、用いた(a)成分はアルカリ性現像液で可溶である。
【0016】
(a)成分はより好ましくは下記式(I)で表される構造単位を有するポリマーである。このようなポリマーは一般に耐熱性を有する。
【化3】
式中、Xは2〜8価の有機基である。Yは2〜8価の有機基である。Rはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の有機基である。Rはそれぞれ水素又は1価の有機基である。p及びqはそれぞれ0〜4の整数である。l及びmはそれぞれ0〜2の整数である。l+m+p+qは1以上であり、好ましくは1以上のRの少なくとも1つは水素原子である。Rが水素原子のとき、ORに結合するX又はYは芳香環を有する有機基であり、ORは芳香環に結合する。nはポリマー中の構造単位の数を示す2以上の整数であり、好ましくは3〜10の整数である。
【0017】
式(I)で表される構造単位を有するポリマーは、式(I)に示されるように、2つのアミド結合が1構造単位に含まれる。このアミド結合は一般に、カルボン酸(ジ−、トリ−、テトラ−等のポリカルボン酸)、その無水物又はその誘導体(単にカルボン酸という場合がある)とジアミンとの反応によって形成される。
従って、式(I)中のXの2〜8価の有機基は、カルボン酸の構造において、アミンとの反応によりアミド結合を形成したカルボキシ基と、その他の酸官能基(即ち、カルボキシ基若しくはそれがエステル化した基と、フェノール性水酸基又はその水素原子が置換基で置換された基)を除く部分の構造を示す有機基である。
例えばテトラカルボン酸二無水物又はジカルボン酸のカルボキシ基及び酸官能基以外の構造に対応する有機基である。Xは一般に芳香環を含むことが好ましく、カルボキシ基及びその他の酸官能基は芳香環に直接結合していることが好ましい。
【0018】
上記テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、N,N’−(5,5’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロプロパン−2,2−ジイル)ビス(2−ヒドロキシ−1,5−フェニレン))ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロベンゾフラン−5−カルボキシイミド)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用される。また、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
【0019】
上述のテトラカルボン酸二無水物のうち、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、N,N’−(5,5’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロプロパン−2,2−ジイル)ビス(2−ヒドロキシ−1,5−フェニレン))ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロベンゾフラン−5−カルボキシイミド)が、耐熱性の高い良好な膜物性を得る上で好ましい。
【0020】
上記ジカルボン酸としては、例えば2−フルオロイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、3−フルオロフタル酸、4−フルオロフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1’−ジカルボン酸、パ−フルオロスベリン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
また、これらの誘導体、例えば前記各種ジカルボン酸ジハライド(ジクロライドなど)を用いることもできる。
【0021】
上述のジカルボン酸及びその誘導体のうち、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸及びその誘導体が耐熱性の高い良好な膜物性を得る上で好ましく、中でも4,4’−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸及びその誘導体(例えば、4,4’−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸ジハライド)が好ましい。
【0022】
また、アルカリ溶解性を調整するために、上記ジカルボン酸はアルカリ溶解性を示す酸官能基を有してもよい。
酸官能基を有するジカルボン酸としては、例えば4,4’−(5,5’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロプロパン−2,2−ジイル)ビス(2−ヒドロキシ−1,5−フェニレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(5,5’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(2−ヒドロキシ−1,5−フェニレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシビフェニル−4,4‘−ジイル)ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(4,4’−スルホニルビス(2−ヒドロキシ−1,4−フェニレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(6,6’−オキシビス(2−ヒドロキシ−1,6−フェニレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(6,6’−(プロパン−2−ジイル)ビス(2−ヒドロキシ−1,6−フェニレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(2,5−ジヒドロキシ−1,4−フェニレン)ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。また、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
【0023】
上述の酸官能基を有するジカルボン酸のうち、4,4’−(5,5’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロプロパン−2,2−ジイル)ビス(2−ヒドロキシ−1,5−フェニレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(5,5’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(2−ヒドロキシ−1,5−フェニレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(4,4’−スルホニルビス(2−ヒドロキシ−1,4−フェニレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(6,6’−オキシビス(2−ヒドロキシ−1,6−フェニレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸、4,4’−(4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)二安息香酸が耐熱性の高い良好な膜物性を得る上で好ましい。
さらにトリメリット酸又はその無水物のようなトリカルボン酸を用いることもできる。
【0024】
式(I)中のYの2〜8価の有機基は、例えばジアミン及び/又は酸官能基を有するジアミンの、2つのアミノ基及び酸官能基を除く部分の構造に対応する有機基である。
【0025】
上記ジアミンとしては、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。また、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
【0026】
上述のジアミンのうち、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニルが耐熱性の高い良好な膜物性を得る上で好ましい。
【0027】
また、アルカリ溶解性を調整するために、上記ジアミンはアルカリ溶解性を示す酸官能基を有してもよい。
酸官能基を有するジアミンとしては、例えば2,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジアミノビフェニル−5,5’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−5,5’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−5,5’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン−5,5’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド−5,5’−ジカルボン酸又はそれらの異性体のようにカルボキシ基を1つ以上持つか、あるいは4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−2,4−ジアミノフェノール、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−2,4−ジアミノフェノール、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼンのようなフェノール基を有するもの等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。また、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
【0028】
上述の酸官能基を有するジアミンのうち、3,5−ジアミノ安息香酸、並びに、フェノール基を有する、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン及びN,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンが良好なアルカリ現像特性を得る上で好ましい。
【0029】
また、(a)成分は、Rに水素原子以外の1価の有機基として、官能基を導入することで、現像時の溶解性の制御でき、光反応を利用したパターン加工も可能となる。また、これら官能基を部分的に有して、Rとして水素原子を残すことで、アルカリ可溶性を制御することもできる。
式(I)中のRに1価の有機基として官能基を導入する方法としては、エーテル結合もしくはエステル結合を介して導入する方法が挙げられる。具体的には、Rを置換基とするハロゲン化合物もしくは酸ハライド化合物を、Rが水素原子の基と反応させる脱酸ハロゲン反応を利用した付加反応、又はビニルエーテルとの付加反応等が挙げられる。
【0030】
の炭素数1〜20の有機基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロプロぺニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキセニル、ノルボルニル、ノルボルネニル、アダマンチル、ベンジル、p−ニトロベンジル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエトキシメチル、ベンゾキシメチル、テトラヒドロピラニル,エトキシテトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、2−トリメチルシリルエトキシメチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、3−オキソシクロヘキシル、9−フルオレニルメチル、メチルチオメチル等の有機基が挙げられる。
【0031】
また、Rの炭素数1〜20の有機基として、アリルアルコール、2−メチル−2−プロペン−1−オル、クロチルアルコール、3−ブテン−1−オル、3−ブテン−2−オル、3−メチル−2−ブテン−1−オル、2−メチル−3−ブテン−1−オル、3−メチル−3−ブテン−1−オル、2−メチル−3−ブテン−2−オル、2−ペンテン−1−オル、4−ペンテン−1−オル、3−ペンテン−2−オル、4−ペンテン−2−オル、1−ペンテン−3−オル、4−メチル−3−ペンテン−1−オル、3−メチル−1−ペンテン−3−オル、2−へキセン−1−オル、3−ヘキセン−1−オル、4−ヘキセン−1−オル、5−ヘキセン−1−オル、1−ヘキセン−3−オル、1−ヘプタン−3−オル、6−メチル−5−ヘプタン−2−オル、1−オクタン−3−オル、シトロネロール、3−ノネン−1−オル、5−デカン−1−オル、9−デカン−1−オル、7−デカン−1−オル、1,4−ペンタジエン−3−オル、2,4−ヘキサジエン−1−オル、1,5−ヘキサジエン−3−オル、1,6−ヘプタジエン−4−オル、2,4−ジメチル−2,6−ヘプタジエン−1−オル、ネロール、ゲラニオール、リナロール、2−シクロヘキセン−1−オル、3−シクロヘキセン−1−メタノール、イソプレゴール、5−ノルボルネン−2−オル、5−ノルボルネン−2−メタノール、エチレングリコールビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、カプロラクトン2−(メタクリロイロキシ)エチルエステル、ジカプロラクトン2−(メタクリロイロキシ)エチルエステル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート等の化合物を、X又はYに結合するカルボキシ基と反応させて得られる官能基等が挙げられる。また、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。また、ポリマーの末端が酸性官能基を有する場合には、これら官能基を導入することも可能である。
【0032】
上述の炭素数1〜20の有機基のうち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエトキシメチル、テトラヒドロピラニル、エトキシテトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルが溶解性を良好に制御する上で好ましい。
【0033】
式(I)のRは好ましくは炭素数1〜20の誘導体であり、Rと同じ基を例示できる。RがRと同様の官能基であると、現像時溶解性の制御及び/又は光反応を利用したパターン加工が可能となる。また、これら官能基を部分的に有することで、アルカリ可溶性を制御することもできる。また、(a)成分のポリマーの末端が酸性官能基を有する場合には、これら官能基を導入することも可能である。
【0034】
(a)成分は両末端部が同一でも異なってもよく、例えば、アミン官能基、その誘導置換基、酸性官能基又はその誘導置換基である。
【0035】
末端部のアミン官能基が一級アミンである場合には、副反応により感光性樹脂組成物の安定性が劣化するおそれがあるため、アミン官能基上の2つ水素原子のうち少なくとも1つは他原子もしくは他官能基で置換されている方が、感光性樹脂組成物としての安定性を得る上で好ましい。また、上記他原子もしくは他官能基の置換割合は、30%〜100%の範囲である方が十分な安定性を得る上でより好ましい。
【0036】
(a)成分の末端部がアミン官能基の誘導置換基である場合、アミン官能基から誘導される窒素上置換基としては、アミド、イミド、カーバメイト、スルホニル、スルフェニル、ホスフィニル、アルキルシリル等がある。このうちアミド、イミド、カーバメイト、スルホニルがより優れた硬化樹脂性質を得る点で好ましい。
【0037】
(a)成分の末端部は好ましくは、水素原子か、又は、上記アミン官能基から誘導される窒素上置換基としての下記式(VIII)で表される置換基のいずれかである。
【化4】
(式中、R24〜R26は1価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜20の有機基である。R27は2価の有機基である。Xは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子であり、Xが酸素原子又は硫黄原子である場合、n=1であり、Xが窒素原子の場合、n=2である。)
【0038】
24〜R26の1価の有機基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロプロぺニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキセニル、ノルボルニル、ノルボルネニル、アダマンチル、ベンジル、p−ニトロベンジル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエトキシメチル、ベンゾキシメチル、エトキシテトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、2−トリメチルシリルエトキシメチル,トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、3−オキソシクロヘキシル、9−フルオレニルメチル、フェニル、トルイル、キシリル、9,10−ジヒドロアンスラニル、トリメチルフェニル、ペンタメチルフェニル、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、ジメチルビフェニル、ナフタレニル、メチルナフタレニル、フルオレニル、フルオロフェニル、フルオロビフェニル、イソプロピリデンビフェニル、テトラフルオロイソプロピリデンビフェニル、ベンジルフェニルエーテル、フェニルエーテル、フェノキシトルエイル、メトキシビフェニル、ジメトキシビフェニル、メトキシナフタレニル、ジメトキシナフタレニル及びニトロフェニルが挙げられる。
【0039】
27の2価の有機基としては、例えばメタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ジメチルメタン、ブタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、イソプロピリデンジシクロヘキサン、メトキシメタン、メトキシエタン、エトキシエタン、メトキシエトキシメタン、ベンゾキシメタン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、クメン、ジフェニルメタン、キシレン、9,10−ジヒドロアンスラセン、メシチレン、ヘキサメチルベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、トリフェニルベンゼン、クォーターフェニル、ジメチルビフェニル、アズレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アンスラセン、フルオレン、フルオロベンゼン、フルオロビフェニル、イソプロピリデンビフェニル、テトラフルオロイソプロピリデンビフェニル、アニソール、ベンジルフェニルエーテル、フェニルエーテル、フェノキシトルエン、トリルエーテル、メトキシビフェニル、ジメトキシビフェニル、メトキシナフタレン、ジメトキシナフタレン、ニトロベンゼン等に対応する2価の有機基が挙げられる。また、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
【0040】
(a)成分の末端部における酸性官能基及び/又はその誘導置換基としては、式(I)の−COOR又は−ORで表される基が挙げられる。
【0041】
(a)成分の分子量は特に制限されないが、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量で、好ましくは5,000〜80,000である。
尚、当該分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて算出することができる。
【0042】
(a)成分は好ましくは、例えばテトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸、これらがさらに酸官能基を有する化合物又はこれらの誘導体と、ジアミン又はこれがさらに酸官能基を有する化合物をポリマーの主たる原料として得られるポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、これらの共重合体及びこれらの混合物である。熱硬化膜の機械特性(延伸性、弾性率等)の観点から、ポリベンゾオキサゾール前駆体が好ましい。
【0043】
テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸及び/又は酸官能基を有するジカルボン酸と、ジアミン及び/又は酸官能基を有するジアミンとを重合させることにより(a)成分を調製することができる。
例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン及び/又は酸官能基を有するジアミンを重合させることで(a)成分であるポリイミド前駆体を調製できる。同様に、活性化エステル化されたジカルボン酸及び/又は酸官能基を有するジカルボン酸とフェノール酸官能基を有するジアミンを重合させることで(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体を調製できる。また、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸及び/又は活性エステル化された酸官能基を有するジカルボン酸と、ジアミン及び/又は酸官能基を有するジアミンを共重合させることで(a)成分であるポリイミド/ポリベンゾオキサゾール前駆体の共重合体を調製することができる。
【0044】
(b)成分は、1分子中に2個以上のオキセタニル基を有する化合物であり、例えば2〜4個のオキセタニル基を有する化合物である。(b)成分が持つオキセタニル基とは、4員環状エーテル構造であり、(b)成分は2位置換体、3位置換体のいずれでもよい。熱硬化膜の機械特性(延伸性、弾性率等)の観点から(b)成分は1分子中にオキセタニル基を2〜4個有することが好ましく、2個有することがより好ましい。
【0045】
(b)成分は、感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後に加熱処理する工程においてポリマー((a)成分)と反応し、即ち橋架けするオキセタン化合物である。このとき、他の触媒を用いることなく(a)成分と反応することが好ましい。または加熱処理する工程において(b)成分自身が重合する。これによって硬化膜の機械特性(延伸性、弾性率等)、薬品耐性、基板との密着性、熱特性等を向上させることができる。
(b)成分は、好ましくは(a)成分中のフェノール性水酸基と、塗布、露光、現像後に加熱処理する工程において付加反応し、ポリマー間を橋架けする。
【0046】
(b)成分は、効果膜の機械特性(延伸性、弾性率等)、熱特性(ガラス転移温度、熱膨張率等)の観点から、以下の式で表わされる化合物であることが好ましい。
【化5】
(式中、Xは単結合、又はアルキレン基、芳香環、酸素原子、硫黄原子の少なくとも1つを含む2価の有機基を示し、Aは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
【0047】
(b)成分は、熱特性(ガラス転移温度、熱膨張率)の観点から、以下の式で表わされる化合物であるとより好ましい。
【化6】
式中、nは0〜3の整数である。また(b)成分は、nが異なる化合物の混合物であってもよい。
【0048】
(b)成分として、例えば1,4−ビス{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3,3’−[4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(4,1−フェニレン)ビス(メチレン)]ビス(オキシ)ビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス{(4−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンジルオキシ)メチル}ベンゼン、3−エチル−3−{[3−(エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン等が挙げられるが、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。また、これらは単独でも複数組み合わせて用いてもよい。この中でも特に、現像性の観点から、1,4−ビス{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−{[3−(エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンを用いることが好ましい。
(b)成分は(a)成分100重量部に対し、1〜40重量部含有することが好ましく、5〜30重量部がより好ましく、5〜15重量部がさらに好ましい。40重量部よりも多いと耐薬品性が低下し、1重量部よりも少ないと硬化膜が脆くなる。
【0049】
(b)成分の耐薬品性を向上させる効果を妨げないために、メチロール基含有化合物、エポキシ基含有化合物などは実質的には含まないことが好ましい。実質的にとは5%以下であることである。
【0050】
(c)成分であるジアゾナフトキノン化合物は感光剤であり、活性光照射により酸を発生させる機能を有する。(c)成分を含むことにより、本発明の組成物から得られる樹脂膜の光照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させることができる。ナフトキノンジアジド化合物は、好ましくはo−ナフトキノンジアジド化合物である。
【0051】
上記ナフトキノンジアジド化合物は、例えばナフトキノンジアジドスルフェニルクロリードとポリヒドロキシ化合物を常法に従って縮合反応させることにより得られ、例えばポリヒドロキシ化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドをトリエチルアミン等の塩基性触媒存在下で反応させることで得られる。
【0052】
感光剤のバラストとなる上記ポリヒドロキシ化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロ−ル、ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシフェニル−4’−ヒドロキシフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル]プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。また、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
(c)成分は(a)成分100重量部に対し、感度の観点から、1〜50重量部含有することが好ましく、1〜30重量部がより好ましく、5〜20重量部がさらに好ましい。
【0053】
(d)成分である溶剤は、上述の(a)、(b)、及び(c)成分等を溶解して組成物をワニス状にする。
用いる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコ−ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコ−ルアセテート、1,3−ブチレングリコールアセテ−ト、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、単独でも混合して用いてもよい。
【0054】
また、(d)成分は(a)成分100重量部に対し、適正な膜厚を得る観点から、100〜350重量部含有することが好ましい。また、100〜250重量部がより好ましく、100〜200重量部がさらに好ましい。
【0055】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の汎用現像液での現像が可能であり、強アルカリ耐性に優れる性能を持つ。
【0056】
本発明の組成物は、組成物の全量に対して、(a)〜(c)成分が70%重量以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。本発明の組成物は、これらの成分の他に下記の添加剤等本発明の基本的な特性を実質的に損なわない物質を含むことができる。
本発明の組成物は、上述の(a)〜(d)成分の他に、接着性付与剤、界面活性剤又はレベリング剤、その他の架橋剤等の添加剤を含有してもよい。
【0057】
接着性付与剤は、本発明の組成物から得られる硬化膜の基盤との接着性を高めることができる。接着性付与剤としては、有機シラン化合物、アルミキレ−ト化合物等が挙げられる。
【0058】
上記有機シラン化合物としては、例えばビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
【0059】
上記アルミキレート化合物としては、例えばトリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
【0060】
密着性付与剤を含有する場合の含有量は、(a)成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
【0061】
界面活性剤又はレベリング剤は、例えばストリエ−ション(膜厚のムラ)を防いだり、本発明の組成物の現像性を向上させることができる。
上記界面活性剤又はレベリング剤としては、例えばポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられる。また、界面活性剤又はレベリング剤の市販品としては、メガファックF171、F173、R−08(大日本インキ化学工業株式会社製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社製)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
【0062】
本発明においては、さらに、(e)成分として(a)成分であるベース樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物である溶解阻害剤を含有することができる。ただし、(e)成分は、ジアゾナフトキノン化合物は含まない。
(e)成分は樹脂組成物への添加の前後で、(a)成分単独あるいは(b)、(c)の各成分とともに任意の溶剤に溶解して得られたワニスを、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して形成された塗膜の溶解速度を低下させる効果が発現するものであれば、特に制限はない。
【0063】
好ましいものとして、オニウム塩が挙げられる。オニウム塩の例としては、ジフェニルヨードニウム塩のようなジアリールヨードニウム塩、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩のようなジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩、トリメチルスルホニウム塩のようなトリアルキルスルホニウム塩、ジメチルフェニルスルホニウム塩のようなジアルキルモノアリールスルホニウム塩、ジフェニルメチルスルホニウム塩のようなジアリールモノアルキルヨードニウム塩等を挙げることができる。これらオニウム塩は溶解阻害剤の目的で用いるため、露光に用いる波長領域に対して吸収を持たないものを選択することが好ましい。吸収を持つものは、(c)成分の光反応を阻害し感度低下を招く恐れがある。
この観点から、特に好ましいものはジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨーダイド等である。
【0064】
これら(e)成分の添加により、残膜厚や現像時間を適正なものにコントロールすることができるため、他成分の添加量の許容量に幅を持たせ、より個々の成分の効果を際立たせることができる。(e)成分の配合量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(a)成分(ベース樹脂)100重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、0.01〜20重量部がより好ましく、0.01〜10重量部がさらに好ましい。
尚、本発明の組成物は、上記(a)〜(d)成分、及び任意に(e)成分から実質的になっていてもよく、また、これらの成分のみからなっていてもよい。「実質的になる」とは、上記組成物が、主に上記(a)〜(d)成分、及び任意に(e)成分からなることであり、これらの成分の他に上記の添加剤を含み得ることである。
【0065】
次に、本発明によるパターン硬化膜の製造方法について説明する。
本発明の組成物を用いて、パターン硬化膜を成膜することができる。特に、本発明の組成物より得られる硬化膜は、耐熱性及び機械特性に優れる。
【0066】
本発明のパターン硬化膜の製造方法は、本発明の組成物を支持基板上に塗布し乾燥して感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程と、成膜した感光性樹脂膜を所定のパターンに露光する露光工程と、露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像してパターン樹脂膜を得る現像工程と、パターン樹脂膜を加熱処理してパターン硬化膜を得る加熱処理工程を含む。
【0067】
本発明の組成物を塗布する支持基板としては、シリコンウエハ、金属基板、セラミック基板等が挙げられる。また、塗布方法としては、浸漬法、スプレー法、スクリ−ン印刷法、回転塗布法等が挙げられる。支持基板上に塗布した本発明の組成物を適度に加熱乾燥することにより、感光性樹脂塗膜が得られる。
【0068】
得られた感光性樹脂塗膜上に、所望のパターンが描かれたマスクを通して活性光線又は化学線を照射する露光処理を行う。
照射する活性光線又は化学線としては、超高圧水銀灯を用いるコンタクト/プロキシミティ露光機、ミラープロジェクション露光機、i線ステッパ、g線ステッパ、その他の紫外線、可視光源や、X線、電子線を用いることができる。
【0069】
露光後の樹脂膜をアルカリ性水溶液を用いて、露光部を溶解除去することで所望のポジパターン(パターン樹脂膜)を得ることができる。
現像液であるアルカリ性水溶液としては、例えば苛性カリ、苛性ソ−ダ等のアルカリ金属水酸化物の水溶液;テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の水酸化四級アンモニウム;エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン等のアミン水溶液等を用いることができる。
【0070】
現像後は必要に応じて水又は貧溶媒でリンスをしてもよい。
用いるリンス液としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ−ル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、水等が挙げられる。
【0071】
得られたパターン樹脂膜を加熱することにより、溶媒、又は溶媒及び感光剤を除去して安定な高耐熱性パターン硬化膜を得ることができる。
上記加熱温度は、好ましくは150〜500℃であり、より好ましくは200〜400℃である。加熱温度が150℃未満の場合、膜の機械特性及び熱特性が低下するおそれがある。一方、加熱温度が500℃超の場合、膜の機械特性及び熱特性が低下するおそれがある。
また、加熱時間は、好ましくは0.05〜10時間である。加熱時間が0.05時間未満の場合、膜の機械特性及び熱特性が低下するおそれがある。一方、加熱時間が10時間超の場合、膜の機械特性及び熱特性が低下するおそれがある。
【0072】
本発明の組成物からなるパターン硬化膜は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができる。具体的には、半導体装置の表面保護膜層や層間絶縁膜層、多層配線板の層間絶縁膜層等として使用することができる。
【0073】
本発明の電子部品は、本発明の組成物を用いて形成される表面保護膜層及び/又は層間絶縁膜層を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。また、電子部品としては、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等を含む。
【0074】
本発明のパターン硬化膜の製造方法及び本発明のパターン硬化膜を備える電子部品を、パターン硬化膜を有する半導体装置の製造工程を一例に図面に基づいて説明する。図1図5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図であり、第1の工程から第5の工程へと一連の工程を表している。
【0075】
図1図5において、回路素子(図示しない)を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。上記半導体基板1上にスピンコート法等で層間絶縁膜層4が形成される(第1の工程、図1)。
層間絶縁膜層4は、本発明の樹脂組成物を用いて形成することができる。
【0076】
次に、塩化ゴム系、フェノールノボラック系等の感光性樹脂層5が、マスクとして層間絶縁膜層4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜層4が露出するように窓6Aが設けられる(第2の工程、図2)。
【0077】
この窓6Aに露出する層間絶縁膜層4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bが空けられる。次いで、窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(第3の工程、図3)。
【0078】
さらに、公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(第4の工程、図4)。3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0079】
次に、表面保護膜8を形成する。図5では、本発明の樹脂組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターン樹脂膜を形成する。その後、このパターン樹脂膜を加熱して表面保護膜層8としての感光性樹脂のパターン硬化膜とする(第5の工程、図5)。
この表面保護膜層(パターン硬化膜)8は、導体層を外部からの応力、α線等から保護し、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
【実施例】
【0080】
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0081】
合成例1
ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g(60mmol)、N−メチルピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル23.9g(120mmol)を滴下し、30分間反応させて、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン87.5gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.30g(50mmol)とm−アミノフェノール2.18g(20mmol)を攪拌溶解した後、ピリジン9.48g(120mmol)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥して水酸基末端のポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は23,400、分散度は1.8であった。
【0082】
合成例2
合成例1でm−アミノフェノールを添加しなかった以外は合成例1と同様にして合成を行った。得られたカルボキシ基末端のポリヒドロキシアミドの標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は17,600、分散度は1.6であった。
このポリマー20gを次に、攪拌機及び温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン100gとともに仕込み、攪拌溶解させた後、温度を0〜5℃に保ちながら、クロロメチルエチルエーテル6.0gを滴下し、さらにトリエチルアミン6.0gを滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を2リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥して末端にエトキシメチル基を導入したポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIIとする)。H−NMRによりエトキシメチル基の導入率を求めた結果、末端カルボキシ基は99%エトキシメチル基に変換されており、分子鎖中のフェノール性水酸基は全体の8%だけが置換されていた。
【0083】
合成例3
合成例1でジフェニルエーテルジカルボン酸を用いず、ドデカン二酸に置き換えた。それ以外は合成例1と同様の条件にて合成を行った。得られたポリヒドロキシアミド(以下、ポリマーIIIとする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は29,500、分散度は2.1であった。
【0084】
合成例4
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物20.16g(66mmol)、N−メチルピロリドン83.93g、イソプロピルアルコール7.81g(130mmol)、ジアザビシクロウンデセン0.30g(1mmol)を仕込み、室温で120時間攪拌し反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジイソプロピルエステルのN−メチルピロリドン溶液を得た。次に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジイソプロピルエステルのN−メチルピロリドン溶液103.56gをフラスコに入れて0℃に冷却し、塩化チオニル12.44g(106mmol)を滴下し、30分反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジイソプロピルエステルジクロリドのN−メチルピロリドン溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン53.72gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン25.63g(70mmol)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン16.32gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジイソプロピルエステルジクロリドのN−メチルピロリドン溶液107.56gを20分間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。得られた溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧してポリイミド前駆体(以下、ポリマーIVとする)を得た。
標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は、28,000、分散度は1.5であった。
【0085】
GPC法による重量平均分子量の測定条件
測定装置:検出器 株式会社島津製作所製SPD−M20A
ポンプ:株式会社島津製作所製LC−20A
システムコントローラー:CBM−20A
測定条件:カラム 日立化成工業製Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)/DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)=1/1(容積比)臭化リチウム一水和物(0.03mol/L)、リン酸(0.06mol/L)
流速:1.0mL/分、検出器:190〜800nm(270nmのクロマトグラムにより分子量を算出)
ポリマー0.5mgに対して、溶媒1mLの溶液を用いて希釈したサンプルを測定した。
【0086】
実施例1〜3、5〜13、参考例4、比較例1〜3
(a)成分であるポリマー100重量部に対し、(b)、(c)、(d)成分を溶剤とともに表1に示した所定量にて配合し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0087】
表中、BLOはγ−ブチロラクトンを表し、PGMEAはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表し、NMPはN−メチルピロリドンを表し、BLO/PGMEAは両者を重量比9:1で混合して用いたことを表す。表内にはポリマー100重量部に対する添加量を重量部で示した。溶剤の使用量はいずれもポリマー100重量部に対し150重量部である。
【0088】
また、表1中、B1〜4、C1〜2、D1は、それぞれ下記化合物である。
【化7】
【0089】
[感度及び解像度の評価] 組成物をシリコンウエハ上にスピンコートして、乾燥膜厚7〜12μmの塗膜を形成し、その後干渉フィルターを介して、超高圧水銀灯を用いて100〜1000mJ/cmのi線露光を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38重量%水溶液にて露光部のシリコンウエハが露出するまで現像した後、水でリンスし、残膜率(現像前後の膜厚の比)70%以上が得られるパターン形成に必要な最小露光量(感度)と解像度を求めた。結果を表1に示す。最小露光量は小さいほど、パターンを形成しやすいといえる。また解像度は小さいほど、より微細なパターンを形成することができるといえる。
【0090】
[機械強度の評価] 組成物をシリコンウエハ上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚15μmの塗膜を形成した。 その後、塗膜をイナートガスオーブン中、窒素雰囲気下で200℃で10分加熱した後、さらに320℃で1時間加熱して硬化膜を得た。この硬化膜をシリコン基板ごとフッ酸水溶液に浸漬し、基板から硬化膜を剥離し、水洗、乾燥した後、破断伸び(引っ張り試験機で測定)を測定した。結果を表1に示す。
【0091】
[耐薬品性の評価] 組成物を、アルミを蒸着したアルミウエハ上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し膜厚8μmの塗膜を形成した。これを露光、現像してパターン形成し、イナートガスオーブン中、窒素雰囲気下で200℃で10分加熱した後、さらに320℃で1時間加熱して硬化膜を得た。このアルミ基板上でパターン化した硬化膜を23℃で、アルカリ性水溶液を主成分とするメルテックス株式会社製無電解ニッケルめっき用薬液(メルプレートFZ−7350、同FBZ2の混合水溶液(FZ−7350/FBZ2/水=200ml/10ml/790ml))に10分間浸漬した。開口パターンから、基板と樹脂層の界面への薬液の染み込みの有無(耐薬品性)を、上方からの金属顕微鏡観察、又は断面SEM(走査型電子顕微鏡)による観察により確認した。結果を表1に示す。
【0092】
表中、金属顕微鏡で染み込みが確認できるものをCと表記し、金属顕微鏡では確認できないが、SEMにより断面観察することで確認できるものをBと標記し、金属顕微鏡、さらにSEMによっても染み込みが見られないものをAと表記した。
【0093】
[保存安定性の評価]組成物を23℃の恒温層で2週間保管した後、保管前と同一回転数でウェハ上にスピンコートし、塗布膜厚の変化を確認した。また、干渉フィルターを介して、超高圧水銀灯を用いて100〜1000mJ/cmのi線露光を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38重量%水溶液にて露光部のシリコンウエハが露出するまで現像した後、水でリンスし、残膜率(現像前後の膜厚の比)70%以上が得られるパターン形成に必要な最小露光量(感度)と解像度を求めた。塗布膜厚の変化が保管前に比べて±1.0μm未満で且つ感度変化が±25mJ/cm未満であるものをA、塗布膜厚変化が±1.0μm未満で且つ感度が±50mJ/cm未満であるものをB、塗布膜厚が1.0μm以上変化するか、感度が40mJ/cm以上変化するものをCとした。
【0094】
【表1】
【0095】
尚、比較例3は硬化時にパターンが溶融したため、感度及び解像度の測定はできなかった。
表1に示したように、実施例1〜13で示したものはいずれも実用上問題ない感度及び解像度を示した。また、優れた機械強度及び耐薬品性を有することが分かった。一方、(b)成分を用いなかった比較例1〜3では、基板への密着性が弱く、薬液の染み込みが大きかった。さらに、架橋剤を全く用いない比較例3では、熱硬化時にパターンが溶融(メルト)し、また機械強度も低い値を示した。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、電子部品の表面保護膜や層間絶縁膜等となる硬化膜の材料として使用できる。
【0097】
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献の内容を全てここに援用する。
図1
図2
図3
図4
図5