(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを前記試料のレジストに描画する描画部と、
前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する図形が設計データに含まれている場合に、処理の実行後の前記図形の形状が、前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように、前記設計データに含まれている前記図形の形状を変更する処理を実行する任意角分割部と、
前記設計データのフォーマットを変換して描画データを生成するフォーマット変換部と、
任意角分割部による処理の実行前に、前記設計データに含まれている図形のうち、前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する多角形図形に対し、頂点の数を削減する処理を実行する図形形状変更部とを具備することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
少なくとも第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを前記試料のレジストに描画する描画部と、
前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する多角形図形が設計データに含まれている場合に、前記設計データに含まれている前記多角形図形を分割することによって、共通辺を有する複数の互いに隣接する台形図形を生成すると共に、中間データを生成する中間データ生成部と、
前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する図形が中間データに含まれている場合に、処理の実行後の前記図形の形状が、前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように、中間データに含まれている前記図形の形状を変更する処理を実行する任意角分割部と、
前記中間データのフォーマットを変換して描画データを生成するフォーマット変換部と、
任意角分割部による処理の実行前に、前記中間データに含まれている図形のうち、試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する複数の互いに隣接する台形図形に対し、共通辺を削除し、前記複数の互いに隣接する台形図形を1つの台形図形に形状を変更する処理を実行する図形形状変更部とを具備することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
少なくとも第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを前記試料のレジストに描画する荷電粒子ビーム描画装置で用いられる描画データを生成する描画データ生成方法において、
前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する多角形図形が設計データに含まれている場合に、前記多角形図形の頂点の数を削減するための条件を満足するか否かを判断し、次いで
前記多角形図形の頂点の数を削減するための条件を満足する場合に、前記多角形図形の頂点の数を削減する処理を実行し、次いで
前記頂点の数を削減する処理が実行された図形の形状を、前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように変更する処理を実行すると共に、前記設計データのフォーマットを変換して描画データを生成することを特徴とする描画データ生成方法。
少なくとも第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを前記試料のレジストに描画する荷電粒子ビーム描画装置で用いられる描画データを生成する描画データ生成方法において、
前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する多角形図形が設計データに含まれている場合に、前記設計データに含まれている前記多角形図形を分割することによって、共通辺を有する複数の互いに隣接する台形図形を生成すると共に、前記複数の互いに隣接する台形図形のデータを含む中間データを生成し、
前記中間データを生成する時に、前記複数の互いに隣接する台形図形のデータを前記中間データ上で連続して定義すると共に、分割前の多角形図形が前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する旨の情報を、前記複数の互いに隣接する台形図形のデータに含め、
前記中間データに含まれている図形のうち、前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する前記複数の互いに隣接する台形図形に対し、共通辺を削除するための条件を満足するか否かを判断し、次いで
前記共通辺を削除するための条件を満足する場合に、前記共通辺を削除する処理を実行し、次いで
前記共通辺を削除する処理が実行された前記複数の互いに隣接する台形図形の形状を、前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように1つの台形図形に変更する処理を実行すると共に、前記中間データのフォーマットを変換して描画データを生成することを特徴とする描画データ生成方法。
少なくとも第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを前記試料のレジストに描画する荷電粒子ビーム描画装置で用いられる描画データを生成する描画データ生成方法において、
前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する多角形図形が設計データに含まれている場合に、前記設計データに含まれている前記多角形図形を分割することによって、共通辺を有する複数の互いに隣接する台形図形を生成すると共に、前記複数の互いに隣接する台形図形のデータを含む中間データを生成し、
前記中間データを生成する時に、前記複数の互いに隣接する台形図形のデータを前記中間データ上で連続して定義すると共に、分割前の多角形図形が前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する旨の情報を、前記複数の互いに隣接する台形図形のデータに含め、
前記中間データに含まれている図形のうち、前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する前記複数の互いに隣接する台形図形に対し、処理の実行後の前記図形の形状が、前記試料のレジストに照射される荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように、前記台形図形の形状を変更する処理を実行し、次いで
前記形状を変更する処理が実行された前記複数の互いに隣接する図形に対し、前記図形の形状をグリッドの形状に変更し、前記図形の数を削減するためのマージ処理を実行し、前記マージ処理に伴って複数の図形が重複する部分を除去する処理を実行すると共に、中間データのフォーマットを変換して描画データを生成することを特徴とする描画データ生成方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の荷電粒子ビーム描画装置の第1の実施形態について説明する。
図1は第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の概略的な構成図である。
図2は
図1に示す制御部10bの制御計算機10b1の詳細図である。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1に示すように、レジストが上面に塗布された例えばマスク、ウエハなどのような試料Mに荷電粒子ビーム10a1bを照射することによって試料Mのレジストに目的のパターンを描画する描画部10aが設けられている。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、荷電粒子ビーム10a1bとして例えば電子ビームが用いられるが、第2の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、代わりに、荷電粒子ビーム10a1bとして例えばイオンビーム等の電子ビーム以外の荷電粒子ビームを用いることも可能である。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1に示すように、荷電粒子銃10a1aと、荷電粒子銃10a1aから照射された荷電粒子ビーム10a1bを偏向する偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fと、偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fによって偏向された荷電粒子ビーム10a1bによる描画が行われる試料Mを載置する可動ステージ10a2aとが、描画部10aに設けられている。
【0015】
詳細には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1に示すように、描画部10aの一部を構成する描画室10a2に、試料Mが載置された可動ステージ10a2aが配置されている。この可動ステージ10a2aは、例えば、X軸(
図3参照)方向(
図1の左右方向)およびY軸(
図3参照)方向(
図1の手前側−奥側方向)に移動可能に構成されている。更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1に示すように、描画部10aの一部を構成する光学鏡筒10a1に、荷電粒子銃10a1aと、偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fと、レンズ10a1g,10a1h,10a1i,10a1j,10a1kと、第1成形アパーチャ10a1lと、第2成形アパーチャ10a1mとが配置されている。
具体的には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図2に示すように、描画データ生成部10b1a、ショットデータ生成部10b1g、偏向制御部10b1hおよびステージ制御部10b1iが制御計算機10b1に設けられている。また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図2に示すように、設計データD1が荷電粒子ビーム描画装置10の制御計算機10b1に入力されると、描画データ生成部10b1aによって描画データD2が生成される。次いで、描画データD2に基づいて、ショットデータ生成部10b1gにより、試料Mのレジストにパターンを描画する荷電粒子ビーム10a1bを照射するためのショットデータが生成される。例えば、ショットデータ生成部10b1gによって生成されたショットデータが、偏向制御部10b1hに送られる。次いで、
図1および
図2に示すように、ショットデータに基づいて偏向制御部10b1hによって偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fが制御され、その結果、荷電粒子銃10a1aからの荷電粒子ビーム10a1bが試料Mのレジストの所望の位置に照射される。
【0016】
詳細には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1および
図2に示すように、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b2を介してブランキング偏向器10a1cを制御することにより、荷電粒子銃10a1aから照射された荷電粒子ビーム10a1bが、例えば第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’(
図3(A)参照)を透過せしめられて試料Mに照射されるか、あるいは、例えば第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’以外の部分によって遮られて試料Mに照射されないかが、切り換えられる。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、ブランキング偏向器10a1cを制御することにより、荷電粒子ビーム10a1bの照射時間を制御することができる。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1および
図2に示すように、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b3を介してビーム寸法可変偏向器10a1dを制御することにより、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’(
図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bが、ビーム寸法可変偏向器10a1dによって偏向される。次いで、ビーム寸法可変偏向器10a1dによって偏向された荷電粒子ビーム10a1bの一部が、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられる。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、ビーム寸法可変偏向器10a1dによって荷電粒子ビーム10a1bが偏向される量、向きなどを調整することにより、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状、大きさなどを調整することができる。
【0017】
図3は第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10において荷電粒子ビーム10a1bの1回のショットで試料Mのレジストに描画することができるパターンPの一例を説明するための図である。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1および
図3(A)に示すように、荷電粒子ビーム10a1bによって試料MのレジストにパターンP(
図3(A)参照)が描画される時に、荷電粒子銃10a1a(
図1参照)から照射された荷電粒子ビーム10a1bの一部が、第1成形アパーチャ10a1lの例えば正方形の開口10a1l’(
図3(A)参照)を透過せしめられる。その結果、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状が、例えば概略正方形になる。次いで、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bの一部が、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられる。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1および
図3(A)に示すように、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’(
図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bを偏向器10a1d(
図1参照)によって偏向することにより、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられる荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状を、例えば矩形(正方形または長方形)にしたり、例えば二等辺三角形にしたりすることができる。更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1および
図3(A)に示すように、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bを、試料Mのレジストの所定の位置に所定の照射時間だけ照射し続けることにより、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられ、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と概略同一形状のパターンP(
図3(A)参照)を試料Mのレジストに描画することができる。
【0018】
つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1および
図3(A)に示すように、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’(
図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bが偏向器10a1d(
図1参照)によって偏向される量および向きを偏向制御部10b1h(
図2参照)によって制御することにより、例えば、
図3(B)、
図3(C)、
図3(D)および
図3(E)に示すようなX軸に平行な1組の辺およびY軸に平行な1組の辺を有する概略矩形(正方形または長方形)のパターンP、
図3(F)、
図3(G)、
図3(H)および
図3(I)に示すようなX軸に平行な辺とY軸に平行な辺とX軸に対して45°の角度をなす斜辺とを有する概略二等辺三角形のパターンPなどを、荷電粒子ビーム10a1bの1回のショットで試料Mのレジストに描画することができる。
更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1および
図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b4を介して主偏向器10a1eを制御することにより、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bが、主偏向器10a1eによって偏向される。また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1および
図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b5を介して副偏向器10a1fを制御することにより、主偏向器10a1eによって偏向された荷電粒子ビーム10a1bが、副偏向器10a1fによって更に偏向される。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、主偏向器10a1eおよび副偏向器10a1fによって荷電粒子ビーム10a1bが偏向される量、向きなどを調整することにより、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの照射位置を調整することができる。
更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図1および
図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、ステージ制御部10b1iによってステージ制御回路10b6を介して可動ステージ10a2aの移動が制御される。
【0019】
図1および
図2に示す例では、例えば半導体集積回路の設計者などによって作成された設計データ(CADデータ、レイアウトデータ)D1が荷電粒子ビーム描画装置10の制御計算機10b1に入力され、次いで、描画データ生成部10b1aによって、設計データD1が荷電粒子ビーム描画装置10用のフォーマットに変換され、描画データD2が生成される。一般的に、設計データD1には、多数の微小なパターンが含まれており、設計データD1のデータ量はかなりの大容量になっている。更に、一般的に、設計データD1等を他のフォーマットに変換すると、変換後のデータのデータ量は更に増大してしまう。この点に鑑み、設計データD1および描画データD2では、データの階層化が採用され、データ量の圧縮化が図られている。
図4は
図2に示す描画データD2の一例を概略的に示した図である。
図4に示す例では、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10に適用される描画データD2(
図2参照)が、例えば、チップ階層CP、チップ階層CPよりも下位のフレーム階層FR、フレーム階層FRよりも下位のブロック階層BL、ブロック階層BLよりも下位のセル階層CL、および、セル階層CLよりも下位の図形階層FGに階層化されている。詳細には、
図4に示す例では、例えば、チップ階層CPの要素の一部であるチップCP1が、フレーム階層FRの要素の一部である3個のフレームFR1,FR2,FR3に対応している。また、例えば、フレーム階層FRの要素の一部であるフレームFR2が、ブロック階層BLの要素の一部である18個のブロックBL00,…,BL52に対応している。更に、例えば、ブロック階層BLの要素の一部であるブロックBL21が、セル階層CLの要素の一部である複数のセルCLA,CLB,CLC,CLD,…に対応している。また、例えば、セル階層CLの要素の一部であるセルCLAが、図形階層FGの要素の一部である多数の図形FG1,FG2,…に対応している。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、描画データD2(
図2参照)に含まれる多数の図形FG1,FG2,…(
図4参照)に対応する多数のパターンが、荷電粒子ビーム10a1b(
図1参照)によって試料M(
図1参照)のレジストに描画される。
【0020】
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1成形アパーチャ10a1l(
図3(A)参照)の開口10a1l’(
図3(A)参照)および第2成形アパーチャ10a1m(
図3(A)参照)の開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられ、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する形状を有する図形(非任意角図形)のみが設計データD1(
図1および
図2参照)に含まれており、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’および第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を透過せしめられ、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致しない形状を有する図形(任意角図形)が設計データD1(
図1および
図2参照)に含まれていない場合に、任意角図形の形状を、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致する形状(非任意角図形の形状)に変更する処理(任意角分割処理)が、描画データ生成部10b1a(
図2参照)の任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって実行されることなく、設計データD1に含まれているすべての非任意角図形に対応するパターンが、荷電粒子ビーム10a1bによって試料Mのレジストに描画される。
一方、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1成形アパーチャ10a1l(
図3(A)参照)の開口10a1l’(
図3(A)参照)および第2成形アパーチャ10a1m(
図3(A)参照)の開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられ、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致しない形状を有する図形(任意角図形)が設計データD1(
図1および
図2参照)に含まれている場合に、描画データ生成部10b1a(
図2参照)の任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって、設計データD1に含まれている任意角図形の形状を、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する形状(非任意角図形の形状)に変更する処理(任意角分割処理)が実行される。その結果、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、任意角分割処理によって任意角図形の形状から非任意角図形の形状に変更された図形を含む設計データD1中のすべての図形に対応するパターンを、荷電粒子ビーム10a1bによって試料Mのレジストに描画することができる。
【0021】
図5は描画データ生成部10b1a(
図2参照)の任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって実行される任意角分割処理を説明するための図である。
図5(A)に示す例では、図形FGAの辺ABがX軸と平行な線分によって構成され、辺BCがY軸と平行な線分によって構成され、辺CAがX軸に対して例えば20°のような45°以外の角度θをなす線分によって構成されている。つまり、
図3(A)に示すような形状の第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’および第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を有する第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と、図形FGA(
図5(A)参照)の辺CA(
図5(A)参照)とを合致させることができない。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図形FGA(
図5(A)参照)が、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致しない形状を有する図形(任意角図形)に該当する。
そこで、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、描画データ生成部10b1a(
図2参照)の任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって、例えば
図5(A)および
図5(B)に示すような任意角分割処理が、任意角図形FGA(
図5(A)参照)に対して実行される。具体的には、
図5(A)および
図5(B)に示す例では、任意角図形FGAの幅寸法WAが所定の閾値Sminより大きいため、任意角図形FGAが、閾値Smin以下の幅寸法SAを有する複数の任意角図形FGA1’,FGA2’に分割される。次いで、複数の任意角図形FGA1’,FGA2’の形状が変更され、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する形状を有する非任意角図形FGA1,FGA2が生成される。
図5(A)および
図5(B)に示す例では、形状が変更される前の任意角図形FGAと、形状が変更された後の非任意角図形FGA1,FGA2との誤差δAin,δAoutが互いに等しくなり、かつ、誤差δAin,δAoutが例えば数nmの所定の下限値δminと例えば数十nmの所定の上限値δmaxとの範囲内になるように(δmin≦δAin=δAout≦δmax)、分割後の任意角図形FGA1’,FGA2’の数(分割数)が設定される。
【0022】
また、
図5(C)に示す例では、図形FGBの辺DEがX軸と平行な線分によって構成され、辺EFがY軸と平行な線分によって構成され、辺FDがX軸に対して例えば20°のような45°以外の角度θをなす線分によって構成されている。つまり、
図3(A)に示すような形状の第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’および第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を有する第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と、図形FGB(
図5(C)参照)の辺FD(
図5(C)参照)とを合致させることができない。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図形FGB(
図5(C)参照)が、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致しない形状を有する図形(任意角図形)に該当する。
そこで、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、描画データ生成部10b1a(
図2参照)の任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって、例えば
図5(C)および
図5(D)に示すような任意角分割処理が、任意角図形FGB(
図5(C)参照)に対して実行される。具体的には、
図5(C)および
図5(D)に示す例では、任意角図形FGBの幅寸法WBが閾値Smin以下であるため、
図5(A)および
図5(B)に示す例とは異なり、任意角図形FGBが分割されない。次いで、任意角図形FGBの形状が変更され、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する形状を有する非任意角図形FGB1が生成される。
図5(C)および
図5(D)に示す例では、形状が変更される前の任意角図形FGBと、形状が変更された後の非任意角図形FGB1との誤差δBin,δBoutが互いに等しくなり、かつ、誤差δBin,δBoutが上限値δmax以下の値になるように(δAin=δAout≦δmax)、閾値Sminの値が設定される。
【0023】
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば
図5(A)〜
図5(D)に示す例のように、形状が変更される前の任意角図形FGAと、形状が変更された後の非任意角図形FGA1,FGA2との誤差δAin,δAoutが上限値δmax以下になり、形状が変更される前の任意角図形FGBと、形状が変更された後の非任意角図形FGB1との誤差δBin,δBoutが上限値δmax以下になるように任意角分割処理が実行されるため、設計データD1(
図1および
図2)に任意角図形FGA,FGBが含まれている場合であっても、所望の描画精度を達成することができる。
図5(A)〜
図5(D)に示す例では、任意角分割処理の実行後の非任意角図形FGA1,FGA2,FGB1が、X軸と平行な辺およびY軸と平行な辺のみによって構成されているが、
図3(A)に示すような形状の第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’および第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を有する第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、任意角分割処理の実行後の非任意角図形が、X軸に対して45°の角度をなす辺を有するように、任意角分割処理を実行することも可能である。
【0024】
ところで、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10に入力される設計データD1(
図1および
図2参照)には、例えば楕円形図形などのような任意角図形が含まれる場合がある。一般的に、設計データ(CADデータ)D1では、楕円形図形が、多数の微小な辺を有する多角形図形によって近似的に表現される。一方、
図3(A)に示すような形状の第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’および第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を有する第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と、楕円形図形の多数の微小な辺の大部分とが合致しない。従って、例えば
図3(A)に示すような形状の第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’および第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を有する従来の一般的な荷電粒子ビーム描画装置、あるいは、その荷電粒子ビーム描画装置に適用可能な描画データD2(
図2参照)を設計データD1(
図1および
図2参照)から生成するための従来の一般的な描画データ生成装置では、
図5(C)および
図5(D)に示すような任意角分割処理(具体的には、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致しない辺FD(
図5(C)参照)を、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致する辺GH(
図5(D)参照)に変更する処理)が、楕円形図形の多数の微小な辺のそれぞれに対して実行されていた。
その結果、例えば
図3(A)に示すような形状の第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’および第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を有する従来の一般的な荷電粒子ビーム描画装置、あるいは、その荷電粒子ビーム描画装置に適用可能な描画データD2(
図2参照)を設計データD1(
図1および
図2参照)から生成するための従来の一般的な描画データ生成装置では、例えば楕円形図形などのような多数の微小な辺を有する任意角図形が設計データD1(
図1および
図2参照)に含まれる場合に、任意角分割処理の負荷が増大し、スループットが低下する問題が生じていた。この問題点に鑑み、
図3(A)に示すような形状の第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’および第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を有する第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば楕円形図形などのような多数の微小な辺を有する任意角図形が設計データD1(
図1および
図2参照)に含まれる場合における任意角分割処理の負荷を低減するために、描画データ生成部10b1a(
図2参照)の図形形状変更部10b1a1(
図2参照)によって、多数の微小な辺を有する任意角図形の頂点の数を削減する処理が実行される。
【0025】
図6および
図7は描画データ生成部10b1a(
図2参照)の図形形状変更部10b1a1(
図2参照)によって実行される任意角図形の頂点数削減処理を説明するための図である。
図8は描画データ生成部10b1aの図形形状変更部10b1a1による任意角図形の頂点数削減処理が実行される前における多角形図形FGPL(
図6(A)参照)のデータ、および、描画データ生成部10b1aの図形形状変更部10b1a1による任意角図形の頂点数削減処理が実行された後における多角形図形FGPL’(
図7(C)参照)のデータを示した図である。
図9は描画データ生成部10b1aの図形形状変更部10b1a1によって実行される任意角図形の頂点数削減処理のフローチャートを示した図である。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図2に示すように、設計データD1が描画データ生成部10b1aに入力されると、設計データD1に含まれている各図形に対し、
図9に示す頂点数削減処理のルーチンが図形形状変更部10b1a1によって実行される。
詳細には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図9に示すように、頂点数削減処理が開始されると、ステップS100において、設計データD1(
図1および
図2参照)に含まれている各図形に対し、図形の頂点数を削減するステップS106の処理が必要な図形(多角形図形)であるか否かの判断が実行される。YESと判断された場合には、ステップS101に進み、頂点数削減処理が実質的に開始される。一方、NOと判断された場合には、頂点数削減処理が実質的に実行されることなく、次いで、任意角分割部10b1a2(
図2参照)によってフラクチャ処理が実行される。
【0026】
一例として、描画データ生成部10b1a(
図2参照)に入力された設計データD1(
図1および
図2参照)に、多数の微小な辺を有する多角形図形(任意角図形)FGPL(
図6(A)参照)が含まれている場合について説明する。
図6(A)および
図8(A)に示す例では、設計データD1に含まれている多角形図形(任意角図形)FGPL(
図6(A)参照)のデータが、
図8(A)に示すように、頂点列によって表現された図形データである旨の情報および頂点数が10である旨の情報を含むヘッダと、頂点p1(
図6(A)参照)の座標データ(x1,y1)と、頂点p2(
図6(A)参照)の座標データ(x2,y2)と、頂点p3(
図6(A)参照)の座標データ(x3,y3)と、頂点p4(
図6(A)参照)の座標データ(x4,y4)と、頂点p5(
図6(A)参照)の座標データ(x5,y5)と、頂点p6(
図6(A)参照)の座標データ(x6,y6)と、頂点p7(
図6(A)参照)の座標データ(x7,y7)と、頂点p8(
図6(A)参照)の座標データ(x8,y8)と、頂点p9(
図6(A)参照)の座標データ(x9,y9)と、頂点p10(
図6(A)参照)の座標データ(x10,y10)とによって構成されている。
【0027】
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図9に示すように、ステップS100において、多角形図形(任意角図形)FGPLのデータ(
図8(A)参照)のヘッダ(
図8(A)参照)中の頂点数が10である旨の情報が読み込まれ、図形の頂点数を削減するステップS106の処理が必要な図形(任意角図形)であると判断され、ステップS101に進む。次いで、ステップS101において、係数iの値が1に設定されると共に、多角形図形(任意角図形)FGPLのデータ(
図8(A)参照)から、多角形図形(任意角図形)FGPL(
図6(A)参照)の頂点p1(
図6(A)参照)の座標データ(x1,y1)が読み込まれる。更に、係数kの値が1に設定される。
次いで、ステップS102において、多角形図形(任意角図形)FGPLのデータ(
図8(A)参照)から、多角形図形(任意角図形)FGPL(
図6(A)参照)の頂点p2(
図6(A)参照)の座標データ(x2,y2)が読み込まれる。次いで、ステップS103において、頂点p1と頂点p2との間隔のX軸方向成分L12x(
図6(A)参照)およびY軸方向成分L12y(
図6(A)参照)が算出される。次いで、ステップS104において、X軸方向成分L12xが所定の閾値Sm(
図6(A)参照)より小さいか否かが判断される。
図6(A)に示す例では、YESと判断され、ステップS105に進む。次いで、ステップS105において、Y軸方向成分L12yが閾値Sm(
図6(A)参照)より小さいか否かが判断される。
図6(A)に示す例では、YESと判断され、ステップS106に進む。次いで、ステップS106において、
図6(A)および
図6(B)に示すように、頂点p2を削除する処理が実行されると共に、係数kの値に1が加算されてkの値が2になり、ステップS102に戻る。
【0028】
次いで、ステップS102において、多角形図形(任意角図形)FGPLのデータ(
図8(A)参照)から、多角形図形(任意角図形)FGPL(
図6(A)参照)の頂点p3(
図6(A)参照)の座標データ(x3,y3)が読み込まれる。次いで、ステップS103において、頂点p1と頂点p3との間隔のX軸方向成分L13x(
図6(A)参照)およびY軸方向成分L13y(
図6(A)参照)が算出される。次いで、ステップS104において、X軸方向成分L13xが閾値Sm(
図6(A)参照)より小さいか否かが判断される。
図6(A)に示す例では、NOと判断され、ステップS106において頂点p3を削除する処理が実行されることなく、ステップS107に進む。次いで、ステップS107において、係数iの値(この段階では1)と係数kの値(この段階では2)との和(この段階では3)が新たな係数iの値に設定される。
同様に、ステップS102からステップS107までの処理が残りの7回分ほどループして実行される。その結果、
図6(B)および
図6(C)に示すように、頂点p4を削除する処理が実行され、頂点p5を削除する処理が実行されない。また、
図6(C)および
図7(A)に示すように、頂点p6を削除する処理が実行され、頂点p7を削除する処理が実行されない。更に、
図7(A)および
図7(B)に示すように、頂点p8を削除する処理が実行され、頂点p9を削除する処理が実行されない。また、
図7(B)および
図7(C)に示すように、頂点p10を削除する処理が実行される。その結果、
図7(C)に示すように、多角形図形(任意角図形)FGPL(
図6(A)参照)の頂点p2,p4,p6,p8,p10(
図6(A)参照)が削除され、形状が変更された多角形図形(任意角図形)FGPL’(
図7(C)参照)が生成される。次いで、
図9に示すように、多角形図形(任意角図形)FGPL’(
図7(C)参照)に対し、任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって任意角分割処理が実行される。
【0029】
図7(C)および
図8(B)に示す例では、図形形状変更部10b1a1によって頂点数削減処理が実行された後の多角形図形(任意角図形)FGPL’(
図7(C)参照)のデータが、
図8(B)に示すように、頂点列によって表現された図形データである旨の情報および頂点数が5である旨の情報を含むヘッダと、頂点p1(
図7(C)参照)の座標データ(x1,y1)と、頂点p3(
図7(C)参照)の座標データ(x3,y3)と、頂点p5(
図7(C)参照)の座標データ(x5,y5)と、頂点p7(
図7(C)参照)の座標データ(x7,y7)と、頂点p9(
図7(C)参照)の座標データ(x9,y9)とによって構成されている。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば
図6および
図7に示す例のように、多数の微小な辺を有する多角形図形(任意角図形)FGPL(
図6(A)参照)の頂点p2,p4,p6,p8,p10(
図6(A)参照)を削除する処理が、描画データ生成部10b1a(
図2参照)の図形形状変更部10b1a1(
図2参照)によって実行されるため、多数の微小な辺を有する多角形図形の頂点数を削減する処理が実行されない場合よりも、描画データ生成部10b1a(
図2参照)の任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって実行される任意角分割処理の負荷を低減することができる。
【0030】
図10および
図11は多数の微小な辺を有する多角形図形の頂点数を削減する処理が実行される第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の描画データ生成処理と、多数の微小な辺を有する多角形図形の頂点数を削減する処理が実行されない描画データ生成処理とを比較して説明するための図である。
図10および
図11に示す例では、描画データ生成部10b1a(
図2参照)に入力される設計データD1(
図1および
図2参照)に、多数の微小な辺を有する多角形図形(任意角図形)FGEP(
図10(A)および
図11(A)参照)によって近似的に表現された楕円形図形と、第1成形アパーチャ10a1l(
図3(A)参照)の開口10a1l’(
図3(A)参照)および第2成形アパーチャ10a1m(
図3(A)参照)の開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられ、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する辺ab,bc,cd,de,ef,fg,gh,hi,ij,ja(
図10(A)および
図11(A)参照)のみを有する非任意角図形FGC(
図10(A)および
図11(A)参照)とが含まれている。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、多数の微小な辺を有する多角形図形(任意角図形)FGEP(
図10(A)参照)と非任意角図形FGC(
図10(A)参照)とが含まれている設計データD1(
図1および
図2参照)が描画データ生成部10b1a(
図2参照)に入力されると、多数の微小な辺を有する多角形図形(任意角図形)FGEPに対して頂点数を削減する処理(
図9のステップS106)が、図形形状変更部10b1a1(
図2参照)によって実行される。その結果、
図6および
図7に示す例と同様に、頂点数が削減された多角形図形(任意角図形)FGEP’(
図10(B)参照)が生成される。次いで、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって、
図5(A)および
図5(B)に示すような任意角分割処理が、多角形図形(任意角図形)FGEP’(
図10(B)参照)に対して実行される。
【0031】
具体的には、
図10(B)および
図10(C)に示す例では、任意角分割部10b1a2(
図2参照)による任意角分割処理において、多角形図形(任意角図形)FGEP’(
図10(B)参照)が複数の任意角図形FGEPa,FGEPb(
図10(B)参照)に分割される。次いで、各任意角図形FGEPa,FGEPbの形状が変更され、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する形状を有する非任意角図形FGEPa1,FGEPb1(
図10(C)参照)が生成される。詳細には、
図10に示す例では、形状が変更される前の任意角図形FGEP(
図10(A)参照)と、形状が変更された後の非任意角図形FGEPa1,FGEPb1(
図10(C)参照)との誤差が例えば数十nmの所定の上限値δmax(
図5(B)および
図5(D)参照)以下になるように、頂点数削減処理において用いられる閾値Sm(
図6および
図7参照)の値が設定される。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図10(C)および
図10(D)に示すように、非任意角図形FGCに対するフラクチャ処理が、任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって実行され、非任意角図形FGC1,FGC2,FGC3が生成される。具体的には、
図10(C)および
図10(D)に示す例では、フラクチャ処理によって、非任意角図形FGCが、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する辺ab,bk,kj,jaのみを有する矩形図形FGC1と、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致する辺cd,de,ek,kcのみを有する台形図形FGC2と、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致する辺fg,gh,hi,ifのみを有する台形図形FGC3とに分割される。
次いで、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、フォーマット変換部10b1a3(
図2参照)によって、非任意角図形FGEPa1,FGEPb1,FGC1,FGC2,FGC3(
図10(D)参照)が含まれている設計データD1(
図1および
図2参照)のフォーマットが変換され、描画データD2(
図2参照)が生成される。
【0032】
一方、描画データ生成処理中に多数の微小な辺を有する多角形図形の頂点数を削減する処理が実行されない荷電粒子ビーム描画装置あるいは描画データ生成装置では、多数の微小な辺を有する多角形図形(任意角図形)FGEP(
図11(A)参照)と非任意角図形FGC(
図11(A)参照)とが含まれている設計データD1(
図1および
図2参照)が描画データ生成部10b1a(
図2参照)に入力されると、多数の微小な辺を有する多角形図形(任意角図形)FGEPに対して頂点数を削減する処理(
図9のステップS106)が実行されることなく、任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって、多角形図形(任意角図形)FGEP(
図11(A)参照)に対する任意角分割処理が実行される。
具体的には、
図11に示す例では、任意角分割部10b1a2(
図2参照)による任意角分割処理において、多角形図形(任意角図形)FGEP(
図11(A)参照)が、多角形図形(任意角図形)FGEPの多数の微小な辺のそれぞれに対応する多数の台形図形(任意角図形)FGEP1’,FGEP2’,FGEP3’,…,FGEPn’(
図11(B)参照)に分割される。次いで、
図5(C)および
図5(D)に示す例と同様に、多数の台形図形(任意角図形)FGEP1’,FGEP2’,FGEP3’,…,FGEPn’(
図11(B)参照)の形状が変更され、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する形状を有する多数の非任意角図形FGEP1,FGEP2,FGEP3,…,FGEPn(
図11(C)参照)が生成される。
つまり、描画データ生成処理中に多数の微小な辺を有する多角形図形FGEP(
図11(A)参照)の頂点数を削減する処理が実行されない荷電粒子ビーム描画装置あるいは描画データ生成装置では、描画データ生成処理中に多数の微小な辺を有する多角形図形FGEP(
図10(A)参照)の頂点数を削減する処理が実行される第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10に比べ、任意角分割部10b1a2(
図2参照)によって任意角分割処理される任意角図形FGEP1’,FGEP2’,FGEP3’,…,FGEPn’(
図11(B)参照)の数が非常に多いため、任意角分割処理の負荷が増大し、スループットが低下してしまう。
【0033】
また、描画データ生成処理中に多数の微小な辺を有する多角形図形の頂点数を削減する処理が実行されない荷電粒子ビーム描画装置あるいは描画データ生成装置では、フォーマット変換部10b1a3(
図2参照)によって、非任意角図形FGEP1,FGEP2,FGEP3,…,FGEPn,FGC1,FGC2,FGC3(
図11(D)参照)が含まれている設計データD1(
図1および
図2参照)のフォーマットが変換され、描画データD2(
図2参照)が生成される。
つまり、描画データ生成処理中に多数の微小な辺を有する多角形図形FGEP(
図11(A)参照)の頂点数を削減する処理が実行されない荷電粒子ビーム描画装置あるいは描画データ生成装置では、描画データ生成処理中に多数の微小な辺を有する多角形図形FGEP(
図10(A)参照)の頂点数を削減する処理が実行される第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10に比べ、フォーマット変換部10b1a3(
図2参照)によってフォーマットが変換される設計データD1(
図1および
図2参照)に含まれている非任意角図形FGEP1,FGEP2,FGEP3,…,FGEPn,FGC1,FGC2,FGC3(
図11(D)参照)の数が非常に多いため、フォーマット変換の処理負荷が増大し、スループットが低下してしまい、更に、フォーマット変換後の描画データD2(
図2参照)のデータ量が増大してしまう。
換言すれば、描画データ生成処理中に多数の微小な辺を有する多角形図形FGEP(
図10(A)参照)の頂点数を削減する処理が実行される第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、描画データ生成処理中に多数の微小な辺を有する多角形図形FGEP(
図11(A)参照)の頂点数を削減する処理が実行されない荷電粒子ビーム描画装置あるいは描画データ生成装置に比べ、任意角分割処理の負荷を低減すると共に、フォーマット変換の処理負荷を低減することによってスループットを向上させることができ、更に、フォーマット変換後の描画データD2(
図2参照)に含まれる図形の数を低減することができ、その結果、フォーマット変換後の描画データD2のデータ量を低減することができる。
【0034】
図12はX軸方向寸法LxおよびY軸方向寸法Lyが閾値Smより小さい多角形図形(任意角図形)FGPL2に対して描画データ生成部10b1a(
図2参照)の図形形状変更部10b1a1(
図2参照)によって実行される頂点数削減処理を説明するための図である。
X軸方向寸法Lx(
図12参照)およびY軸方向寸法Ly(
図12参照)が閾値Sm(
図6、
図7および
図12参照)より小さい多角形図形(任意角図形)FGPL2(
図12(A)参照)が設計データD1(
図1および
図2参照)に含まれている場合、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図6、
図7および
図9に示すような頂点数削減処理ではなく、
図12(A)および
図12(B)に示すような頂点数削減処理が、描画データ生成部10b1a(
図2参照)の図形形状変更部10b1a1(
図2参照)によって多角形図形(任意角図形)FGPL2(
図12(A)参照)に対して実行される。
具体的には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図12(A)および
図12(B)に示すように、描画データ生成部10b1a(
図2参照)の図形形状変更部10b1a1(
図2参照)によって、多角形図形(任意角図形)FGPL2の頂点p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7,p8,p9,p10の数を削減する処理が多角形図形(任意角図形)FGPL2に対して実行され、その結果、多角形図形(任意角図形)FGPL2の重心Gと同一位置に重心G’を有し、かつ、多角形図形(任意角図形)FGPL2と同一のX軸方向寸法LxおよびY軸方向寸法Lyを有する矩形図形(非任意角図形)FGPL2’が生成される。
図6、
図7および
図12に示す例では、一定値の閾値Smが用いられているが、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、ステップS104,S105(
図9参照)の処理が実行される頂点のそれぞれに対して異なる値の閾値Smを用いることも可能である。具体的には、例えば頂点p2(
図6(A)参照)を削除するか否かが判断される時に頂点p1,p2間の辺の傾きに基づいて計算された閾値Smを用い、例えば頂点p3(
図6(B)参照)を削除するか否かが判断される時に頂点p1,p3間の辺の傾きに基づいて計算された閾値Smを用い、例えば頂点p4(
図6(B)参照)を削除するか否かが判断される時に頂点p3,p4間の辺の傾きに基づいて計算された閾値Smを用いることも可能である。あるいは、多角形図形(任意角図形)FGPL(
図6(A)参照)に対する頂点数削減処理が実行される時に、多角形図形(任意角図形)FGPLのすべての辺の傾きの平均値に基づいて計算された閾値Smを用いることも可能である。いずれの場合においても、図形形状変更部10b1a1(
図2参照)の処理によって形状が変更される前の例えば図形FGEP(
図10(A)参照)のような任意角図形と、図形形状変更部10b1a1および任意角分割部10b1a2(
図2参照)の処理によって形状が変更された後の例えば図形FGEPa1,FGEPb1(
図10(D)参照)のような非任意角図形との誤差δBin,δBout(
図5(D)参照)が上限値δmax(
図5(D)参照)以下になるように、閾値Smの値が設定される。
【0035】
以下、本発明の荷電粒子ビーム描画装置の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10とほぼ同様に構成されている。
図13は第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の制御計算機10b1の詳細図である。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図2に示すように、描画データ生成部10b1aによって中間データD3が生成されないが、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図13に示すように、描画データ生成部10b1aの中間データ生成部10b1a4によって設計データD1から中間データD3が生成される。
つまり、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1成形アパーチャ10a1l(
図3(A)参照)の開口10a1l’(
図3(A)参照)および第2成形アパーチャ10a1m(
図3(A)参照)の開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられ、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致しない形状を有する図形(任意角図形)が設計データD1(
図1および
図13参照)に含まれている場合に、設計データD1から生成された中間データD3に含まれている任意角図形の形状を、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する形状(非任意角図形の形状)に変更する処理(任意角分割処理)が、描画データ生成部10b1a(
図13参照)の任意角分割部10b1a2(
図13参照)によって実行される。その結果、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、任意角分割処理によって任意角図形の形状から非任意角図形の形状に変更された図形を含む中間データD3中のすべての図形に対応するパターンを、荷電粒子ビーム10a1bによって試料Mのレジストに描画することができる。
【0036】
図14は第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の描画データ生成部10b1a(
図13参照)の中間データ生成部10b1a4(
図13参照)によって実行される中間データ生成処理および図形形状変更部10b1a1(
図13参照)によって実行される複数の互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLdの共通辺削除処理を説明するための図である。
図15は第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の描画データ生成部10b1aの中間データ生成部10b1a4による中間データ生成処理が実行される前における多角形図形FGPL(
図14(A)参照)のデータ、および、中間データ生成処理が実行された後における複数の互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図14(B)参照)のデータを示した図である。詳細には、
図15(A)は設計データD1(
図13参照)に含まれている多角形図形FGPLのデータを示しており、
図15(B)は中間データD3に含まれている複数の互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLdのデータを示している。
第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図13に示すように、設計データD1が描画データ生成部10b1aに入力されると、中間データ生成部10b1a4によって中間データ生成処理が実行され、中間データD3が生成される。
【0037】
一例として、描画データ生成部10b1a(
図13参照)に入力された設計データD1(
図1および
図13参照)に、多数の微小な辺を有する多角形図形(任意角図形)FGPL(
図14(A)参照)が含まれている場合における中間データ生成処理について説明する。
図14および
図15に示す例では、設計データD1に含まれている多角形図形(任意角図形)FGPL(
図14(A)参照)のデータが、
図15(A)に示すように、頂点列によって表現された図形データである旨の情報および頂点数が10である旨の情報を含むヘッダと、頂点A(
図14(A)参照)の座標データと、頂点B(
図14(A)参照)の座標データと、頂点C(
図14(A)参照)の座標データと、頂点D(
図14(A)参照)の座標データと、頂点E(
図14(A)参照)の座標データと、頂点F(
図14(A)参照)の座標データと、頂点G(
図14(A)参照)の座標データと、頂点H(
図14(A)参照)の座標データと、頂点I(
図14(A)参照)の座標データと、頂点J(
図14(A)参照)の座標データとによって構成されている。
図14および
図15に示す例では、中間データ生成処理が実行されると、多角形図形(任意角図形)FGPL(
図14(A)参照)が分割され、その結果、共通辺BI,CH,DG(
図14(B)参照)を有する4個の互いに隣接する台形図形(任意角図形)FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図14(B)参照)が生成される。
図14および
図15に示す例では、4個の互いに隣接する台形図形(任意角図形)FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLdのデータが、
図15(B)に示すように構成されている。
【0038】
詳細には、
図15(B)に示すように、台形図形FGPLa(
図14(B)参照)のデータに、例えば「ヘッダ」と、「台形タイプ(例えばY軸に平行な1組の辺AJ,BI(
図14(B)参照)を有する旨)」と、「配置位置(例えば頂点A(
図14(B)参照)の座標データ)」と、「高さ寸法(例えば辺BI(
図14(B)参照)の長さ)」と、「幅寸法(辺AJ,BI(
図14(B)参照)間の距離)」と、「任意角図形情報」とが含まれている。
「任意角図形情報」には、例えば「ヘッダ」と、「データ長(詳細には、台形図形FGPLaのデータ、台形図形FGPLbのデータ、台形図形FGPLcのデータ、および台形図形FGPLdのデータの合計のデータ長)」と、「図形数(詳細には、互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図14(B)参照)の数4)」と、「元図形タイプ(詳細には、
図15(A)の「ヘッダ」内の情報、つまり、元の図形FGPL(
図14(A)参照)が多角形図形(任意角図形)であった旨の情報)」と、「元図形(多角形図形FGPL)のX軸方向寸法Lx(
図14(A)参照)」と、「元図形(多角形図形FGPL)のY軸方向寸法Ly(
図14(A)参照)」とが含まれている。つまり、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図形形状変更部10b1a1(
図13参照)によって設計データD1(
図13参照)中の多角形図形FGPLのデータ(
図15(A)参照)のヘッダ(
図15(A)参照)を読み込むことができない場合であっても、中間データD3(
図13参照)中の台形図形FGPLaのデータ(
図15(B)参照)の「任意角図形情報」(
図15(B)参照)を読み込むことによって、互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図14(B)参照)が任意角図形である旨を把握することができる。
【0039】
また、
図15(B)に示すように、台形図形FGPLb(
図14(B)参照)のデータに、例えば「ヘッダ」と、「台形タイプ(例えばY軸に平行な1組の辺BI,CH(
図14(B)参照)を有する旨)」と、「配置位置(例えば頂点B(
図14(B)参照)の座標データ)」と、「高さ寸法(例えば辺CH(
図14(B)参照)の長さ)」と、「幅寸法(辺BI,CH(
図14(B)参照)間の距離)」とが含まれている。更に、台形図形FGPLc(
図14(B)参照)のデータに、例えば「ヘッダ」と、「台形タイプ(例えばY軸に平行な1組の辺CH,DG(
図14(B)参照)を有する旨)」と、「配置位置(例えば頂点C(
図14(B)参照)の座標データ)」と、「高さ寸法(例えば辺CH(
図14(B)参照)の長さ)」と、「幅寸法(辺CH,DG(
図14(B)参照)間の距離)」とが含まれている。また、台形図形FGPLd(
図14(B)参照)のデータに、例えば「ヘッダ」と、「台形タイプ(例えばY軸に平行な1組の辺DG,EF(
図14(B)参照)を有する旨)」と、「配置位置(例えば頂点D(
図14(B)参照)の座標データ)」と、「高さ寸法(例えば辺DG(
図14(B)参照)の長さ)」と、「幅寸法(辺DG,EF(
図14(B)参照)間の距離)」とが含まれている。
更に、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば台形図形FGPLaのデータ、台形図形FGPLbのデータ、台形図形FGPLcのデータおよび台形図形FGPLdのデータ(
図15(B)参照)のような、複数の互いに隣接する台形図形のデータが、中間データD3(
図13参照)上で一塊で定義されている。また、2つの互いに隣接する台形図形のデータが中間データD3上で連続して定義されている。具体的には、
図14(B)および
図15(B)に示す例では、互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLbのデータが中間データD3上で連続して定義され、互いに隣接する台形図形FGPLb,FGPLcのデータが中間データD3上で連続して定義され、互いに隣接する台形図形FGPLc,FGPLdのデータが中間データD3上で連続して定義されている。
【0040】
次いで、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、「任意角図形情報」(
図15(B)参照)がデータに含まれている複数の互いに隣接する台形図形に対し、
図13に示すように、図形形状変更部10b1a1によって共通辺削除処理が実行される。具体的には、
図14(B)に示す例では、4個の互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLdのデータ(
図15(B)参照)に「任意角図形情報」が含まれているため、4個の互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLdに対し、図形形状変更部10b1a1によって共通辺削除処理が実行される。
詳細には、
図14(B)に示す例では、4個の互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLdに対する共通辺削除処理が開始されると、まず最初に、2個の互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLbの共通辺BIを削除するか否かが判断される。
図14(B)に示す例では、共通辺BIに直交する方向(X軸方向)の台形図形FGPLaの幅寸法Laが閾値Smより小さいため、
図14(C)に示すように、共通辺BIが削除される。次いで、2個の互いに隣接する台形図形FGPLb,FGPLcの共通辺CHを削除するか否かが判断される。
図14(B)に示す例では、共通辺CHに直交する方向(X軸方向)の台形図形FGPLaの幅寸法Laおよび台形図形FGPLbの幅寸法Lbの合計値Labが閾値Sm以上になるため、
図14(C)に示すように、共通辺CHが削除されない。その結果、
図14(B)および
図14(C)に示す例では、図形形状変更部10b1a1(
図13参照)によって、2個の互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLbがマージ処理され、2個の互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLbの形状が、1個の台形図形FGPLabの形状に変更される。
【0041】
次いで、
図14(B)に示す例では、2個の互いに隣接する台形図形FGPLc,FGPLdの共通辺DGを削除するか否かが判断される。
図14(B)に示す例では、共通辺DGに直交する方向(X軸方向)の台形図形FGPLcの幅寸法Lcが閾値Smより小さいため、
図14(C)に示すように、共通辺DGが削除される。その結果、
図14(B)および
図14(C)に示す例では、図形形状変更部10b1a1(
図13参照)によって、2個の互いに隣接する台形図形FGPLc,FGPLdがマージ処理され、2個の互いに隣接する台形図形FGPLc,FGPLdの形状が、1個の台形図形FGPLcdの形状に変更される。
次いで、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図13に示すように、任意角分割部10b1a2によって、例えば台形図形(任意角図形)FGPLab,FGPLcd(
図14(C)参照)などのような任意角図形に対し、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10と同様に、例えば
図5に示すような任意角分割処理が実行され、非任意角図形(図示せず)が生成される。詳細には、
図14に示す例では、形状が変更される前の任意角図形FGPL(
図14(A)参照)と、形状が変更された後の非任意角図形(図示せず)との誤差が例えば数十nmの所定の上限値δmax(
図5(B)および
図5(D)参照)以下になるように、共通辺削除処理において用いられる閾値Sm(
図14(B)および
図14(C)参照)の値が設定される。
また、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図13に示すように、任意角分割部10b1a2によって、中間データD3(
図13参照)に含まれている非任意角図形FGC(
図10(C)参照)に対し、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10と同様に、例えば
図10(C)および
図10(D)に示すようなフラクチャ処理が実行され、非任意角図形FGC1,FGC2,FGC3(
図10(D)参照)が生成される。
次いで、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図13に示すように、フォーマット変換部10b1a3によって、非任意角図形(図示せず)が含まれている中間データD3のフォーマットが変換され、描画データD2が生成される。
換言すれば、描画データ生成処理中に多数の互いに隣接する台形図形の共通辺を削除し、台形図形の数を削減する処理が実行される第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、描画データ生成処理中に多数の互いに隣接する台形図形の共通辺が削除されず、台形図形の数が削減されない荷電粒子ビーム描画装置あるいは描画データ生成装置に比べ、フォーマット変換後の描画データD2(
図13参照)に含まれる図形の数を低減することができ、その結果、フォーマット変換後の描画データD2のデータ量を低減することができる。
【0042】
以下、本発明の荷電粒子ビーム描画装置の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10は、後述する点を除き、上述した第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10とほぼ同様に構成されている。
図16は第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の制御計算機10b1の詳細図である。
第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1成形アパーチャ10a1l(
図3(A)参照)の開口10a1l’(
図3(A)参照)および第2成形アパーチャ10a1m(
図3(A)参照)の開口10a1m’(
図3(A)参照)を透過せしめられ、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致しない形状を有する図形(任意角図形)が設計データD1(
図1および
図16参照)に含まれている場合に、設計データD1から生成された中間データD3に含まれている任意角図形の形状を、試料M(
図3(A)参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)の水平断面形状と合致する形状(非任意角図形の形状)に変更する処理が、描画データ生成部10b1a(
図16参照)の任意角分割部10b1a2(
図16参照)および図形形状変更部10b1a1(
図16参照)によって実行される。その結果、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、その処理によって任意角図形の形状から非任意角図形の形状に変更された図形を含む中間データD3中のすべての図形に対応するパターンを、荷電粒子ビーム10a1bによって試料Mのレジストに描画することができる。
【0043】
図17および
図18は第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の描画データ生成部10b1a(
図16参照)の任意角分割部10b1a2(
図16参照)によって実行される任意角分割処理および図形形状変更部10b1a1(
図16参照)によって実行される図形形状変更処理を説明するための図である。
第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図16に示すように、設計データD1が描画データ生成部10b1aに入力されると、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10と同様に、中間データ生成部10b1a4によって中間データ生成処理が実行され、中間データD3が生成される。
一例として、描画データ生成部10b1a(
図16参照)に入力された設計データD1(
図1および
図16参照)に、多数の微小な辺を有する多角形図形(任意角図形)FGPL(
図14(A)参照)が含まれている場合における中間データ生成処理について説明する。
図17および
図18に示す例では、中間データ生成処理が実行されると、多角形図形(任意角図形)FGPL(
図14(A)参照)が分割され、その結果、共通辺BI,CH,DG(
図17(A)参照)を有する4個の互いに隣接する台形図形(任意角図形)FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図17(A)参照)が生成される。
【0044】
第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10と同様に、中間データD3(
図16参照)中の台形図形FGPLaのデータ(
図15(B)参照)の「任意角図形情報」(
図15(B)参照)を読み込むことによって、互いに隣接する台形図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図17(A)参照)が任意角図形である旨を把握することができる。
更に、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10と同様に、例えば台形図形FGPLaのデータ、台形図形FGPLbのデータ、台形図形FGPLcのデータおよび台形図形FGPLdのデータ(
図15(B)参照)のような、複数の互いに隣接する台形図形のデータが、中間データD3(
図16参照)上で一塊で定義されている。また、2つの互いに隣接する台形図形のデータが中間データD3上で連続して定義されている。
次いで、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図16に示すように、任意角分割部10b1a2によって、例えば台形図形(任意角図形)FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図17(A)参照)のような任意角図形に対し、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10と同様に、例えば
図5に示すような任意角分割処理が実行され、非任意角図形FGPLa’,FGPLb’,FGPLc’,FGPLd’(
図17(B)参照)が生成される。
【0045】
また、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図16に示すように、任意角分割部10b1a2によって、中間データD3(
図16参照)に含まれている非任意角図形FGC(
図10(C)参照)に対し、第1および第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10と同様に、例えば
図10(C)および
図10(D)に示すようなフラクチャ処理が実行され、非任意角図形FGC1,FGC2,FGC3(
図10(D)参照)が生成される。
次いで、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、任意角分割部10b1a2(
図16参照)による任意角分割処理が実行される前の時点で「任意角図形情報」(
図15(B)参照)がデータに含まれている複数の互いに隣接する台形図形(任意角図形)FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図17(A)参照)だった非任意角図形FGPLa’,FGPLb’,FGPLc’,FGPLd’(
図17(B)参照)に対し、
図16に示すように、図形形状変更部10b1a1によって図形形状変更処理が実行される。具体的には、
図17(B)および
図17(C)に示す例では、4個の互いに隣接する非任意角図形FGPLa’,FGPLb’,FGPLc’,FGPLd’(
図17(B)参照)に対応する複数のグリッドG11,G12,…,G53,G54(
図17(C)参照)が設定される。詳細には、
図17(C)に示す例では、各グリッドG11,…,G54のX軸方向寸法txおよびY軸方向寸法tyが、上限値δmax(
図5(B)および
図5(D)参照)と所定の係数との積に設定されている。
詳細には、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図形形状変更部10b1a1(
図16参照)によって4個の互いに隣接する非任意角図形FGPLa’,FGPLb’,FGPLc’,FGPLd’(
図17(D)参照)に対する図形形状変更処理が開始されると、まず最初に、各非任意角図形FGPLa’,FGPLb’,FGPLc’,FGPLd’(
図17(D)参照)の形状が、1個以上のグリッドG11,…,G54(
図17(C)参照)の形状に変更される。具体的には、
図17(D)および
図18(A)に示す例では、非任意角図形FGPLa’(
図17(D)参照)の形状が2個のグリッドG12,G13(
図17(C)参照)の形状に変更され、非任意角図形FGPLa”(
図18(A)参照)が生成される。詳細には、
図17(D)および
図18(A)に示す例では、グリッドG12(
図17(C)参照)内における非任意角図形FGPLa’(
図17(D)参照)のパターン面積密度が例えば50%以上になるため、図形形状変更処理の結果、グリッドG12(
図17(C)参照)が非任意角図形FGPLa”(
図18(A)参照)の一部分を構成すると判断される。更に、グリッドG13(
図17(C)参照)内における非任意角図形FGPLa’(
図17(D)参照)のパターン面積密度が例えば50%以上になるため、図形形状変更処理の結果、グリッドG13(
図17(C)参照)が非任意角図形FGPLa”(
図18(A)参照)の一部分を構成すると判断される。一方、グリッドG22(
図17(C)参照)内における非任意角図形FGPLa’(
図17(D)参照)のパターン面積密度が例えば50%未満になるため、図形形状変更処理の結果、グリッドG22(
図17(C)参照)が非任意角図形FGPLa”(
図18(A)参照)の一部分を構成しないと判断される。また、グリッドG23(
図17(C)参照)内における非任意角図形FGPLa’(
図17(D)参照)のパターン面積密度が例えば50%未満になるため、図形形状変更処理の結果、グリッドG23(
図17(C)参照)が非任意角図形FGPLa”(
図18(A)参照)の一部分を構成しないと判断される。
【0046】
同様に、
図17(D)および
図18(A)に示す例では、非任意角図形FGPLc’(
図17(D)参照)の形状が4個のグリッドG32,G33,G42,G43(
図17(C)参照)の形状に変更され、非任意角図形FGPLc”(
図18(A)参照)が生成される。更に、
図17(D)および
図18(B)に示す例では、非任意角図形FGPLb’(
図17(D)参照)の形状が4個のグリッドG22,G23,G32,G33(
図17(C)参照)の形状に変更され、非任意角図形FGPLb”(
図18(B)参照)が生成される。また、非任意角図形FGPLd’(
図17(D)参照)の形状が2個のグリッドG52,G53(
図17(C)参照)の形状に変更され、非任意角図形FGPLd”(
図18(B)参照)が生成される。
次いで、
図18に示す例では、図形形状変更部10b1a1(
図16参照)によって、4個の非任意角図形FGPLa”,FGPLb”,FGPLc”,FGPLd”(
図18(A)および
図18(B)参照)がマージ処理され、1個の非任意角図形FGPL”(
図18(D)参照)が生成される。一方、
図18に示す例では、非任意角図形FGPLb”(
図18(B)参照)と非任意角図形FGPLc”(
図18(A)参照)とが、2個のグリッドG32,G33(
図17(C)参照)の位置で重複している。そのため、仮に、4個の非任意角図形FGPLa”,FGPLb”,FGPLc”,FGPLd”(
図18(A)および
図18(B)参照)のマージ処理のみを実行すると、試料M(
図3(A)参照)のレジストのうち、2個のグリッドG32,G33(
図17(C)参照)に対応する位置に荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)が2回重複して照射される描画データD2(
図16参照)が生成されてしまう。この点に鑑み、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、4個の非任意角図形FGPLa”,FGPLb”,FGPLc”,FGPLd”(
図18(A)および
図18(B)参照)がマージ処理される時に、重複部分FGD(
図18(C)参照)を除去する処理が実行され、1個の非任意角図形FGPL”(
図18(D)参照)が生成される。その結果、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、試料M(
図3(A)参照)のレジストのうち、2個のグリッドG32,G33(
図17(C)参照)に対応する位置に荷電粒子ビーム10a1b(
図3(A)参照)が2回重複して照射されない描画データD2(
図16参照)を生成することができる。
【0047】
つまり、
図17および
図18に示す例では、図形形状変更部10b1a1(
図16参照)によって、4個の互いに隣接する非任意角図形FGPLa’,FGPLb’,FGPLc’,FGPLd’(
図17(B)参照)の形状が、1個の非任意角図形FGPL”(
図18(D)参照)の形状に変更される。
詳細には、
図17および
図18に示す例では、形状が変更される前の任意角図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図17(A)参照)と、形状が変更された後の非任意角図形FGPL”(
図18(D)参照)との誤差が例えば数十nmの上限値δmax(
図5(B)および
図5(D)参照)以下になるように、各グリッドG11,…,G54(
図17(C)参照)のX軸方向寸法tx(
図17(C)参照)およびY軸方向寸法ty(
図17(C)参照)が設定される。
第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図16に示すように、図形形状変更部10b1a1による図形形状変更処理の前に任意角分割部10b1a2による任意角分割処理(具体的には、
図17(A)および
図17(B)に示す処理)が実行されるが、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の変形例では、代わりに、任意角分割部10b1a2による任意角分割処理を省略し、図形形状変更処理によって、任意角図形FGPLa,FGPLb,FGPLc,FGPLd(
図17(A)参照)の形状を、1個以上のグリッドG11,…,G54(
図17(C)参照)の形状に変更することも可能である。
【0048】
次いで、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、
図16に示すように、フォーマット変換部10b1a3によって、非任意角図形(図示せず)が含まれている中間データD3のフォーマットが変換され、描画データD2が生成される。
換言すれば、描画データ生成処理中に複数の図形FGPLa’,FGPLb’,FGPLc’,FGPLd’(
図17(B)参照)の形状がグリッドG11,…,G54(
図17(C)参照)の形状に変更されると共に、図形の数を削減するためのマージ処理が実行される第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、描画データ生成処理中に図形の数が削減されない荷電粒子ビーム描画装置あるいは描画データ生成装置に比べ、フォーマット変換後の描画データD2(
図16参照)に含まれる図形の数を低減することができ、その結果、フォーマット変換後の描画データD2のデータ量を低減することができる。
第1、第3および第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、描画データ生成処理が荷電粒子ビーム描画装置10の制御計算機10b1(
図1、
図2、
図13および
図16参照)に含まれている描画データ生成部10b1a(
図2、
図13および
図16参照)によって実行されるが、他の例では、代わりに、設計データ(CADデータ、レイアウトデータ)D1を荷電粒子ビーム描画装置10用のフォーマットに変換して描画データD2(
図2、
図13および
図16参照)を生成する描画データ生成装置(図示せず)によって、描画データ生成処理を実行することも可能である。
第5の実施形態では、上述した第1から第4の実施形態ならびに各例を適宜組み合わせることも可能である。