(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661913
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】コアレスパッケージを使用した機能化キャリア構造の形成
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20150108BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L23/12 N
H01L23/00 C
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-501547(P2013-501547)
(86)(22)【出願日】2011年4月15日
(65)【公表番号】特表2013-524491(P2013-524491A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】US2011032794
(87)【国際公開番号】WO2011130717
(87)【国際公開日】20111020
【審査請求日】2012年9月24日
(31)【優先権主張番号】12/761,782
(32)【優先日】2010年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ナラ、ラヴィ、ケー.
(72)【発明者】
【氏名】アジミ、ハミド、アール.
(72)【発明者】
【氏名】グゼク、ジョン、エス.
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレズ、ハビエル サト
(72)【発明者】
【氏名】デラネイ、ドリュー、ダブリュー.
【審査官】
山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−327856(JP,A)
【文献】
特開2004−058578(JP,A)
【文献】
特開2009−099752(JP,A)
【文献】
特開2006−032379(JP,A)
【文献】
特開2000−058589(JP,A)
【文献】
特開2005−209689(JP,A)
【文献】
特開2009−194322(JP,A)
【文献】
特開2004−140325(JP,A)
【文献】
特開2008−010705(JP,A)
【文献】
特開平01−258458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/00
H01L 23/12−23/15
H01L 25/10−25/11
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング停止層によって分離される上層及び下層を含むキャリア材に、キャビティを形成する段階と、
前記キャビティ内にダイを取り付ける段階と、
前記キャリア材の前記下層上で、前記ダイに隣接して誘電体を形成する段階と、
前記誘電体上に複数の層を形成することにより、コアレス基板を形成する段階と、
前記キャリア材の前記下層から、前記キャリア材の前記上層及び前記エッチング停止層を除去する段階と
を備えるパッケージ構造の製造方法。
【請求項2】
前記キャリア材の前記下層は、前記コアレス基板に付着されている請求項1に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項3】
前記キャリア材の前記下層は、熱拡散体、EMIシールド構造及び補強材のうちの少なくとも1つを有する請求項1または2に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項4】
前記補強材は、前記ダイの周りに設けられた銅のリングを含む請求項3に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項5】
前記コアレス基板上に前記キャリア材の前記上層及び前記エッチング停止層を配置した状態で、前記キャリア材の前記上層及び前記エッチング停止層を除去する段階を行う請求項1から4の何れか一項に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項6】
前記補強材は、前記基板に接着剤を使用せずに取り付けられる請求項3または4に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項7】
前記キャリア材は、銅を含む請求項1から6の何れか一項に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項8】
前記コアレス基板は、コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージの一部分を含む請求項1から7の何れか一項に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項9】
エッチング停止層によって分離される上層及び下層を含むキャリア材に、キャビティを形成する段階と、
前記キャビティ内にダイを取り付ける段階と、
前記キャリア材の前記下層上で、前記ダイに隣接して誘電体を形成する段階と、
前記ダイが設けられている領域に、ダイパッド接続構造を形成する段階と、
前記ダイが設けられていない領域に、前記キャリア材の前記下層と接続するためのビアを形成する段階と、
前記誘電体上に複数の層を形成することにより、コアレス基板を形成する段階と、
前記キャリア材の前記下層から、前記キャリア材の前記上層及び前記エッチング停止層を除去する段階と
を備えるパッケージ構造の製造方法。
【請求項10】
インダクタ及びPoPランド構造のうちの少なくとも一方を形成するべく、前記キャリア材の前記下層をパターニングする段階を更に備える請求項9に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項11】
前記キャリア材の前記下層は、接着剤を使用せずにコアレスパッケージに取り付けられる請求項9または10に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項12】
前記コアレス基板は、コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージの一部分を含む請求項9から11の何れか一項に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項13】
前記PoPランド構造の上面は、コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージの上面と同一平面を成す請求項10に記載のパッケージ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プロセッサの性能向上のために半導体技術が進歩し、パッケージ構造の進化には、コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ(BBUL−C)パッケージ構造及びその他同様なアセンブリが含まれる。BBUL−Cパッケージの現在のプロセスフローは、銅箔で覆われた仮のコア/キャリア上に基板を構築し、パッケージがコアから分離された後に、仮のコア/キャリアがエッチングにより取り除かれる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1a】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図1b】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図1c】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図1d】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図1e】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図1f】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図1g】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図1h】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図2a】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図2b】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図2c】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図2d】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図2e】本発明の一実施形態に係る構造を形成する方法を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るシステムを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本明細書には、本発明の特定の実施形態を指す及び明瞭に特許請求された特許請求の範囲が添付されるが、本発明の利点は、添付の図面及び以下に記す詳細な説明を参照することにより、明らかとなるであろう。
【0004】
以下の詳細な説明は、方法を実行可能な特定の実施形態を例示した添付の図面を参照して行われる。これらの実施形態は、当業者が実施形態を実施可能なように十分詳細に記載されている。様々な実施形態は、その構成が異なってはいても、必ずしも相互に排他的ではないことは理解されるべきである。例えば、一実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性は、実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく、その外の実施形態に実装されてもよい。また、開示される実施形態のそれぞれにおいて、個々の要素の位置又は配置は、実施形態の精神及び範囲内において修正可能である。したがって、以下の詳細な説明は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定され、特許請求の範囲の均等物の全範囲に沿って適切に解釈される。図面において、同一の又は同様な機能に対しては、複数図面間で同様な参照番号が付与されている。
【0005】
以下、パッケージ構造のようなマイクロ電子構造を形成及び利用する方法及び関連する構造について記載する。方法は、ダイをキャリア材に取り付ける段階を備えてもよく、キャリア材は、エッチング停止層で互いに分離される上層及び下層を含む。方法はまた、ダイに隣接して誘電体を形成する段階と、複数の層を構築することによりコアレス基板を形成する段階と、キャリア材の上層及びエッチング停止層をキャリア材の下層から除去する段階とを備える。実施形態の方法は、キャリア材の機能化を可能として、例えば、EMI(電磁干渉)シールド、補強材、熱拡散体、インダクタ、PoPランド構造のように、機能化されたキャリア構造を形成することができる。
【0006】
図1a〜1hには、例えば、パッケージ構造のようなマイクロ電子構造を形成する方法の実施形態が示されている。
図1a〜1hには、キャリア材100、100'が示されている。一実施形態において、キャリア材100は、マイクロ電子ダイキャリアのような、キャリアとして機能する多層銅箔を含んでもよい。別の実施形態において、キャリア材は、任意の好適な導電キャリア材100を含んでもよい。一実施形態において、キャリア材100は、図に示すように、上層100及び下層100'の2層を含んでもよく、別の実施形態では、1層又は3層以上の層を含んでもよい。
【0007】
一実施形態において、キャリア材100は、これに限定されないが、例えば、銅のような導電材料で形成され、薄いエッチングバリア(停止)層102によって分離される2つの層を含んでもよい。一実施形態において、エッチング停止層102は、例えば、ニッケルのような材料を含んでもよく、キャリア層間のエッチングを停止させる機能を有するエッチング停止層として機能する任意の材料を含んでもよい。一実施形態において、エッチング停止層102は、例えば、エッチングプロセスの間に特に、キャビティ104(
図1b)の形成を助長してもよい。一実施形態において、キャリア材の下層100'の厚み103は、次の組み立て段階においてキャリア材100'に埋め込まれるダイの厚み及び埋め込み深さによって決定されてもよい。
【0008】
例えば、キャリア材の下層100'の一部分を取り除くことにより、キャビティ104がキャリア材の1層に形成されてもよい。キャビティ104は、当技術分野で周知のエッチング工程のような好適な除去プロセスを利用して形成されてもよい。例えば、マスク材料がキャリア材の下層100'上に積層されて、キャリア材100'がパターニングされて、次にダイが配置されるキャビティ104が形成されてもよい。キャリア材料層100、100'間のエッチング停止層102は、キャビティ104の形成のためのエッチング停止層として機能してもよく、ダイを配置するための平面を画定してもよい。形成されるキャビティ104は、下部101、傾斜部105及び上部107を含んでもよく、上部107は、エッチング停止層102の一部分を含む。
【0009】
別の実施形態において、キャビティ104が形成され、キャリア材100の下部は、
図1cに示すようにほぼ平坦のままであってもよい。一実施形態において、マイクロ電子ダイ106のようなダイは、例えば、キャビティ104内に取り付けられる(
図1c)。一実施形態において、ダイ106は、厚みの小さいダイ106であってもよく、約150ミクロン未満の厚みを有してもよい。一実施形態において、ダイ106は、キャビティ104の上部107に取り付けられてもよい。一実施形態において、ダイ106は、少なくとも1つの側壁108、背面111及び能動面112を有してもよい。一実施形態において、ダイ106の背面111は、キャビティ104内のエッチング停止層102の一部分上に直接配置されてもよい。ある場合には、キャリア材100'のキャビティ104内にダイ106を取り付けるのに、接着フィルム(図示せず)及び/又は取り付けプロセスを使用してもよい。一実施形態において、銅のようなキャリア材料の表面を粗面化して、ダイ106の取り付けを容易にしてもよい。
【0010】
一実施形態において、ダイ106の背面111を保護するべく、最終的なパッケージに残る部分として接着フィルムを使用することができ、例えば、マーキングを行うための面を提供する、及び/又は、ダイ106内に発生する可能性がある撓みを緩和するのに使用されてもよい。一実施形態において、接着剤として、ダイを配置する前に、ダイ106の背面111に塗布される背面フィルム(DBF)を使用してもよい。DBFには、例えば、後の工程で接続されるマクロチャネル・ヒートスプレッダのような熱拡散デバイスとの導電性を改善するべく、金属粒子(例えば、銅又は銀)が充
填されている。
【0011】
キャリア材100'上であって、キャリア材100'のキャビティ104内のダイ106に隣接して、誘電体110が形成されてもよい。一実施形態において、誘電体110は、例えば、積層プロセスによって形成されてもよい。誘電体110は、ダイ106を囲むキャリア材100'の、キャビティ104の下面101、キャビティ104の傾斜部105及びキャビティ104の上部107の一部に形成されてもよい。誘電体110は、次の堆積工程のために、平坦な面を提供してもよい。一実施形態において、堆積を行う前に、誘電体110の接着を助長させるべく、キャリア材100'の粗面化を行ってもよい。
【0012】
一実施形態において、ビア113は、ダイ106のランディングであるダイ領域における誘電体110に形成されてもよく、例えば、銅のダイパッドであるダイパッドが、ダイ106の能動側112で露出されてもよい。一実施形態において、セミアディティブプロセス(SAP)を使用して、ダイ106のダイパッド上にダイパッド接続構造112を形成し、第1金属層114が、ダイ106に隣接する誘電体110上に形成されてもよい(
図1f)。標準的な基板SAPビルドアップ処理を使用して、次の層が形成されてもよく、例えば、更なる誘電体層110'及び金属層114'が積層されて、ビルドアッププロセスを利用して、コアレスパッケージ構造120のコアレス基板部分116が形成されてもよい(
図1g)。一実施形態において、コアレスパッケージ構造120は、BBULコアレスパッケージ構造120を含んでもよく、ダイ106は、コアレスパッケージ120に完全に埋め込まれていてもよく、ここで、"完全に埋め込まれている"とは、ダイ106がキャビティ104を使用せずに直接、誘電体層110'に取り付けられていることを指す。
【0013】
一実施形態において、ビルドアップが完了すると、上部キャリア材100及びエッチング停止層102が除去されて、コアレスパッケージ構造120(
図1h)に接合された下部キャリア材100'が露出されてもよい。場合によっては、キャリア材100'には、後の酸化を低減させるべく化学的処理が行われてもよい。一実施形態において、下部キャリア材100'は、少なくとも1つの機能化キャリア構造100'を形成するべく、パターニングされてもよい。一実施形態において、機能化キャリア構造100'は、コアレスパッケージ構造120の深さ122内に配置されてもよい。機能化キャリア材100'は、様々な機能を提供するべく形成されてもよい。例えば、一実施形態において、コアレスパッケージ120上又は内に保持されるキャリア材100'は、補強材100'として機能してもよい。コアレス基板部分116は、ある場合には、外側から付加されるマクロ的接着剤の供給を行うことなく、補強材/機能化キャリア構造100'上に直接構築されてもよい。一実施形態において、コアレスパッケージ構造120は更に、パッケージ構造120に付加されるボールグリッドアレイ(BGA)ボールのような接続構造125を備えてもよい。
【0014】
一実施形態において、適切な材料の特性を調整することにより、ダイ106の周りに存在するキャリア材100'(ある場合には、銅のリングである)によって、コアレスパッケージ構造120の撓みを緩和することができる。ある従来のコアレスBBULパッケージ構造では、製品に必要に小さなフォームファクター(〜12×12mm)が採用されている。補強材としてのポストパッケージを製造することは、パッケージの製造に更なるコストがかかることを意味することから、更なるポストパッケージを製造することなく、補強材100'をBBULパッケージ構造120に付加する構成は、特に、大きなフォームファクターを有する製品の場合に有益である。このように、本実施形態の補強材は、チップセット及びlow−zモバイルCPUのような、価格重視のマーケット/アーキテクチャに対する技術の拡張を可能とする。その他の実施形態では、キャリア材100'は、これに限定されないが、熱拡散材の形成、EMI(電磁干渉)シールド等の複数の付加機能を提供するべく機能化/形成されてもよい。一実施形態において、少なくとも1つの機能化キャリア構造100'の上面115は、コアレスバンプレス・ビルドアップパッケージ120の上面113と同一平面であってもよく、ダイ106の背面111と同一平面であってもよい。
【0015】
別の実施形態において、セミアディティブプロセスを使用して、ダイ206のダイパッド上にダイパッド接続構造212を形成してもよく、第1金属層214が、ダイ206に隣接して誘電体210上に形成されてもよい(
図2a)。下キャリア層200'との接続を行うべく、ビア215がダイ領域の外側(ダイが形成されていない領域)に形成されてもよく、エッチング停止層202が下キャリア層200'上に配置され、上キャリア層200がエッチング停止層202上に配置されてもよい(
図2a)。
【0016】
次に、パッケージ220の残りの部分を形成するべく、標準的な基板SAPビルドアップ方法を使用して次の層が形成されてもよく、例えば、更なる誘電体層210'及び金属層214'が積層されて、ビルドアッププロセスを利用して、コアレスパッケージ構造220のコアレス基板部分216が形成されてもよい(
図2b)。一実施形態において、コアレスパッケージ構造220は、BBULコアレスパッケージ構造220を含んでもよい。一実施形態において、キャリア材200の上層及びエッチング停止層202は、取り除かれてもよい(
図2c)。そして、インダクタ構造201を形成するべく、下層200'がパターニングされてもよい。一実施形態において、下キャリア材層200上にドライフィルムを積層して、インダクタ構造201を形成するべく、減法パターニングが実行されてもよい。ある場合には、化学的及び環境的損傷からインダクタ構造201を保護するべく、更なる化学処理又はエポキシ材のオーバーモールドを実行してもよい。
【0017】
図2dには、ダイ206の両側に設けられる螺旋形状のインダクタ構造201が描かれており、その開始点と終了点の下にパッケージ220との電気的接続を行うべくビアが設けられる(ビアは図示せず)。別の実施形態では、キャリア材200の上層及びエッチング停止層202が除去された後、ダイ206に隣接するPoP(パッケージオンパッケージ)ランド構造203を形成するべく、キャリア材下層200'がパターニングされてもよい(
図2e)。一実施形態において、キャリア材200'の上層にドライフィルムが積層されて、PoP構造203を形成するべく、減法パターニングが実行されてもよい。
【0018】
ある場合には、PoP構造203の上面に所望の表面仕上げを形成するべく、更なる処理が実行されてもよい。本実施形態の利点は、PoPパッド203の上面231を、ダイ206の上面(背面)230の高さと同じにする/同一平面にして、Z−高さを改善し、コアレスパッケージ構造220に別のパッケージを付加する能力を改善させることができることである。
図3には、本発明の一実施形態に係るコンピュータシステムが示されている。システム300は、プロセッサ310、メモリデバイス320、メモリコントローラ330、グラフィックスコントローラ340、入出力(I/O)コントローラ350、ディスプレイ352、キーボード354、ポンティングデバイス356及び周辺デバイス358を備え、ある実施形態では、これらは、バス360を介して互いに通信可能に接続されていてもよい。プロセッサ310は、汎用プロセッサ又は特定用途向け集積回路(ASIC)であってもよい。I/Oコントローラ350は、有線通信又は無線通信のための通信モジュールを有してもよい。メモリデバイス320は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は、これらメモリデバイスの組み合わせであってもよい。したがって、幾つかの実施形態では、システム300内のメモリデバイス320は、DRAMデバイスを備えなくてもよい。
【0019】
システム300に示す1以上の構成要素は、例えば、
図1h、
図2c及び
図2eに示した機能化キャリア材を含むパッケージ構造のような、1以上の集積回路パッケージに含まれてもよい、及び/又は、このような1以上の集積回路パッケージを含んでもよい。例えば、プロセッサ310又はメモリデバイス320、又は、I/Oコントローラ350の少なくとも一部、又は、これら構成要素の組み合わせが、上記の様々な実施形態で説明された様々な機能化キャリア材構造のような少なくとも1つの実施形態の構造を備える集積回路パッケージに含まれてもよい。
【0020】
これら構成要素は、当技術分野で周知の従来の機能を実行してもよい。具体的には、メモリデバイス320を、本発明の実施形態に係るパッケージ構造を形成する方法の実行可能命令を長期的に格納するのに使用してもよく、別の実施形態では、プロセッサ310による実行の間に本発明の実施形態に係るパッケージ構造を形成する方法の実行可能命令を短期的に格納するのに使用してもよい。更に、例えば、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)及びフロッピー(登録商標)ディスクのようなシステム、搬送波及び/又はその他の搬送信号と通信可能に接続される機械アクセス可能媒体に、命令が格納される又は関連付けられてもよい。一実施形態において、メモリデバイス320は、実行のための実行可能命令をプロセッサ310に供給してもよい。
【0021】
システム300は、コンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、ハンドヘルドデバイス、サーバ、ウェブアプライアンス、ルータ等)、無線通信デバイス(例えば、携帯電話、コードレス電話、ページャ、PDA等)、コンピュータ関連周辺機器(例えば、プリンタ、スキャナ、モニタ等)、エンターテーメントデバイス(例えば、テレビ、ラジオ、ステレオ、テープ及びコンパクトディスクプレーヤ、ビデオカセットレコーダ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、MP3(Motion Picture Experts Group, Audio Layer 3)プレーヤ、ビデオゲーム、腕時計等)等を含んでもよい。
【0022】
本実施形態の利点により、将来のモバイル/携帯システムオンチップ(SoC)プロセッサの設計条件を満足可能な新規のパッケージ構造を、現在のパッケージ構造のコストのほぼ半分で製造することが可能になる。様々な実施形態によれば、ポストパッケージ製造コストを掛けることなく、撓み改善の補強材、EMIシールド、インダクタ構造、PoPランド構造及び熱拡散構造を付加することが可能となる。パッケージ内のダイの厚みを考慮してインターポーザを採用する必要なく、様々な実施形態のPoPランド構造を形成することができる。
【0023】
コアレスBBULパッケージの従来技術のプロセスフローでは、パッケージがコアから分離された後にエッチングで除去される銅箔で被覆された仮コア/キャリア上に基板を構築していた。本発明の実施形態は、キャリア上のキャリア材/銅箔を機能化する方法を含み、熱拡散構造、撓み改善構造、RF構成要素の電磁干渉(EMI)シールド、パッケージオンパッケージ(PoP)アプリケーションのパッドの形成等の機能を付与することができ、コスト削減及びスループットの向上を図ることができる。
【0024】
上記の説明では、本発明の方法で使用されてもよい特定の段階及び材料が記載されたが、当業者であれば数多くの変形及び代替が可能であることが理解できる。したがって、そのような変形、代替、置換及び付加についても、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲内に含まれると考えられる。また、パッケージ構造のような様々なマイクロ電子構造は、当技術分野において周知であることは明らかである。したがって、添付の図面には、本発明の実施に関するマイクロ電子デバイスの一例の一部分しか描かれていない。また、本発明は、本明細書に記載される構造に限定されない。
[項目1]
エッチング停止層によって分離される上層及び下層を含むキャリア材に、キャビティを形成する段階と、
前記キャビティ内にダイを取り付ける段階と、
前記キャリア材の前記下層上で、前記ダイに隣接して誘電体を形成する段階と、
前記誘電体上に複数の層を形成することにより、コアレス基板を形成する段階と、
前記キャリア材の前記下層から、前記キャリア材の前記上層及び前記エッチング停止層を除去する段階とを備える方法。
[項目2]
前記キャリア材の前記下層は、前記コアレス基板に付着されている項目1に記載の方法。
[項目3]
前記キャリア材の前記下層は、熱拡散体、EMIシールド構造及び補強材のうちの少なくとも1つを有する項目2に記載の方法。
[項目4]
前記補強材は、前記ダイの周りに設けられた銅のリングを含む項目3に記載の方法。
[項目5]
前記コアレス基板上に前記キャリア材の前記上層及び前記エッチング停止層を配置した状態で、前記キャリア材の前記上層及び前記エッチング停止層を除去する段階を行う項目1に記載の方法。
[項目6]
前記補強材は、前記基板に接着剤を使用せずに取り付けられる項目4に記載の方法。
[項目7]
前記キャリア材は、銅を含む項目1に記載の方法。
[項目8]
前記コアレス基板は、コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージの一部分を含む項目1に記載の方法。
[項目9]
エッチング停止層によって分離される上層及び下層を含むキャリア材に、ダイを取り付ける段階と、
前記キャリア材の前記下層上で、前記ダイに隣接して誘電体を形成する段階と、
前記ダイが設けられている領域に、ダイパッド接続構造を形成する段階と、
前記ダイが設けられていない領域に、前記キャリア材の前記下層と接続するためのビアを形成する段階と、
前記誘電体上に複数の層を形成することにより、コアレス基板を形成する段階と、
前記キャリア材の前記下層から、前記キャリア材の前記上層及び前記エッチング停止層を除去する段階と
を備える方法。
[項目10]
インダクタ及びPoPランド構造のうちの少なくとも一方を形成するべく、前記キャリア材の前記下層をパターニングする段階を更に備える項目9に記載の方法。
[項目11]
前記キャリア材の前記下層は、接着剤を使用せずに前記コアレスパッケージに取り付けられる項目9に記載の方法。
[項目12]
前記コアレス基板は、コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージの一部分を含む項目9に記載の方法。
[項目13]
前記PoPランド構造の上面は、前記コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージの上面と同一平面を成す項目10に記載の方法。
[項目14]
コアレス基板に埋め込まれたダイと、
前記ダイに隣接する誘電体と、
前記ダイのダイパッド領域に設けられたダイパッド接続構造と、
前記コアレス基板内に設けられた少なくとも1つの機能化キャリア構造とを備え、
前記少なくとも1つの機能化キャリア構造の上面は、前記コアレス基板の上面と同一平面をなす構造。
[項目15]
前記少なくとも1つの機能化構造は、銅材を含む項目14に記載の構造。
[項目16]
前記コアレス基板は、コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージの一部分を含む項目14に記載の構造。
[項目17]
前記少なくとも1つの機能化キャリア構造は、補強材、熱拡散体及びEMIシールドのうちの少なくとも1つを含む項目14に記載の構造。
[項目18]
前記機能化キャリア構造は、接着剤を使用せずに前記コアレスパッケージに取り付けられる項目14に記載の構造。
[項目19]
前記機能化キャリア構造は、銅を含む項目18に記載の構造。
[項目20]
前記ダイは、前記機能化キャリア構造の上面と同一平面をなし、前記コアレス基板に完全に埋め込まれている項目16に記載の構造。
[項目21]
コアレス基板に埋め込まれたダイと、
前記ダイに隣接する誘電体と、
前記ダイのダイパッド領域に設けられたダイパッド接続構造と、
前記コアレス基板のダイが設けられていない領域に配置され、機能化キャリア構造に接続されるビアとを備え、
前記機能化キャリア構造は、前記コアレス基板内に設けられ、
前記機能化キャリア構造の上面は、前記コアレス基板の上面と同一平面をなす構造。
[項目22]
前記機能化キャリア構造は、銅材を含む項目21に記載の構造。
[項目23]
前記コアレス基板は、コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージの一部分を含む項目21に記載の構造。
[項目24]
前記機能化キャリア構造は、インダクタ及びPoPランド構造のうちの少なくとも一方を含む項目21に記載の構造。
[項目25]
前記PoPランド構造の上面は、コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージの上面と同一平面をなす項目24に記載の構造。
[項目26]
前記コアレス・バンプレス・ビルドアップレイヤ・パッケージは、インターポーザを含まない項目25に記載の構造。
[項目27]
前記少なくとも1つのインダクタは、前記ダイに隣接する少なくとも1つの螺旋形状インダクタを含み、
前記少なくとも1つの螺旋形状インダクタの上面は、前記ダイの上面と同一平面をなす項目24に記載の構造。
[項目28]
前記構造に通信可能に接続されるバスと、前記バスに通信可能に接続されるDRAMとを有するシステムを更に備える項目21に記載の構造。
[項目29]
前記ダイは、前記機能化キャリア構造の上面と同一平面をなし、前記ダイは、前記コアレス基板に完全に埋め込まれている項目21に記載の構造。
[項目30]
前記機能化キャリア構造は、接着剤を使用せずに前記コアレスパッケージに取り付けられる項目21に記載の構造。