(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板処理時にプラズマ処理システムの処理チャンバにおける1組の閉じ込めリングによって囲まれたチャンバ容積である閉じ込め領域内の圧容積を制御するための直接駆動装置であって、前記直接駆動装置は、
前記1組の閉じ込めリングを垂直に移動させることによって前記閉じ込め領域内の前記圧容積を変化させるように少なくとも構成されている複数のプランジャーアセンブリと、
前記複数のプランジャーアセンブリを垂直に移動させ、
前記複数のプランジャーアセンブリの複数の設定点位置の値を記録するように
少なくとも構成されている複数のモーターアセンブリと、
前記複数のモーターアセンブリを駆動し、
前記複数のプランジャーアセンブリを移動させて閉じ込め領域内の前記圧容積を変化させ、前記複数のプランジャーアセンブリを移動させるために前記複数のモーターアセンブリに電源を供給し、
前記複数のモーターアセンブリから前記複数の設定点位置の値を受信するように
少なくとも構成されている1組の回路と、を備える直接駆動装置。
基板処理時にプラズマ処理システムの処理チャンバにおける1組の閉じ込めリングによって囲まれたチャンバ容積である閉じ込め領域内の圧容積を制御するための装置であって、
前記閉じ込め領域内の前記圧容積を制御するために前記1組の閉じ込めリングを移動させるように構成されている複数のプランジャー軸と、
複数のモーターであって、前記複数のモーターの各モーターは前記複数のプランジャー軸の各プランジャー軸を移動するように少なくとも構成されている複数のモーターと、
複数のエンコーダであって、前記複数のエンコーダの各エンコーダは各プランジャー軸の設定点位置の値を記録するように構成されている複数のエンコーダと、
複数のモーターを駆動して前記複数のプランジャー軸を移動させ、前記閉じ込め領域内の前記圧容積を変化させるように少なくとも構成されている1組の回路と、
前記圧容積が所定の閾値範囲を越える場合に前記各プランジャー軸の新しい設定点位置を計算するように少なくとも構成されている制御モジュールと、を備える装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、添付図面に示すように、いくつかの実施形態を参照して詳しく記載する。以下の記載では、本発明全体を理解するために多くの詳細を用いて説明する。しかし、本発明は、これらの詳細の一部または全部がなくても、実施してもよいことは当業者には明らかであろう。他の例では、本発明が不必要に不明瞭とならないように、周知の処理のステップおよび/または構造を詳しく記載しない。
【0010】
以下に、方法や手法を含めてさまざまな実施形態を記載する。本発明は、発明的技術の実施形態を実施するためのコンピュータ読み取り可能命令が格納されるコンピュータ読み取り可能媒体を含む製品を含んでもよいことに留意する必要がある。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能コードを格納するたとえば半導体形態、磁気形態、光磁気形態、光学形態または他の形態のコンピュータ読み取り可能媒体を含んでもよい。さらに、本発明は、本発明の実施形態を実施するための装置を含んでもよい。そのような装置は、本発明の実施形態に関するタスクを実行するために専用回路および/またはプログラマブル回路を含んでもよい。そのような装置の実施例は、適切にプログラムされた汎用コンピュータおよび/または専用コンピュータ装置を含み、コンピュータ/コンピュータ装置と、本発明の実施形態に関係するさまざまなタスクに適合される専用回路/プログラマブル回路との組み合わせを含んでもよい。
【0011】
上記したように、プラズマは半導体装置に基板をエッチングするために使用される。当業者は、基板処理時に安定したプラズマが重要であることを知っている。したがって、プラズマ安定性には、基板処理時に処理パラメータの厳格な管理を維持する能力が不可欠である。処理パラメータが狭い所定のウインドウ外にある場合、処理パラメータは、安定したプラズマを維持するように調整する必要がある場合がある。
【0012】
処理チャンバ内の圧力は処理パラメータであり、これを監視しないでおくと基板上に形成されるプラズマが不安定となりうる。たとえば、基板がプラズマ処理システムの処理チャンバ内で処理される状況を検討する。基板は、下側の電極(静電チャックなど)上に配置される。基板処理時には、プラズマはエッチングを実施するために基板上に形成される。このプラズマを囲むものが閉じ込めリングである。閉じ込めリングは、固定領域内にプラズマを閉じ込め、閉じ込め領域内の圧力を制御するために使用され得る。閉じ込めリング間の間隙は、基板面の圧容積を制御するために調整され得る。
【0013】
閉じ込めリングを動作させるためには、従来技術ではCAMリング装置を備えることができる。
図1は、トッププレート102上の従来技術のCAMリング装置100の概略図を示す。CAMリング装置100は、CAMリング104を含んでもよく、CAMリングはベルト106を介して単一のステッピングモーター108に取り付けられる。張力装置124は、単一のステッピングモーター108がベルト106を動作させる際に張力を与えるために利用することができ、これにより、CAMリング104が回転する。CAMリング装置を動作させるのに必要となる電力量を考慮すると、単一のステッピングモーター108は5相モーターなどのかなり大型のモーターとなりうる。
【0014】
また、CAMリング装置100は、プランジャー112、114および120などの1組のプランジャーを含んでもよい。各プランジャーは、ボールベアリング軸装置などの軸装置(図示せず)を介してCAMリング104に取り付けられる。CAMリング104が回転すると、1組のプランジャー(112、114および120)は上下に移動して閉じ込めリング間の間隙を調整する。
【0015】
CAMリング104は、CAM領域(CAM領域126など)に分割され、各CAM領域は各プランジャーに関連する。一実施例では、CAMリング装置100が3つのプランジャーを含む場合には、3つのCAM領域がある。各CAM領域のトッププレートに面する側はくさび形となっている。CAMリング104が回転すると、プランジャーが移動する深さは各CAM領域の輪郭によって制御される。したがって、各CAM領域のCAMリング104の角度は各プランジャーが移動する垂直距離が求められる。
【0016】
基板処理の開始前に、CAMリング装置100は最初に初期化位置に配置される。初期化位置はレシピの圧力設定に基づいて設定される。当業者は、処理モジュールのためのレシピをユーザーインタフェースコンピュータ(クラスタツール制御装置など)を介して入力できることを知っている。続いて、レシピは処理モジュール制御装置に送信される。処理モジュール制御装置は、アルゴリズムを実施して、各プランジャーの初期設定点の値を求める。続いて、初期設定点の値は2軸ステッピング基板130に送信され、2軸ステッピング基板は命令をモーター駆動基板110に送信する。CAMリング装置100の大きさに起因して、ステッピング基板130は直接モーターを駆動する動力を有していないため、CAMリング装置の動作を制御するためには通常2つの基板(基板110および130)が必要となる。命令を受信すると、モーター駆動基板110は単一の5相ステッピングモーター108を動作させることができ、これにより、CAMリング104が回転し、プランジャーが垂直方向(つまり上または下)に動作する。CAMリング装置100は光センサー122を含んでもよく、光センサーは各プランジャーを初期設定点の値(ホームポジションなど)に設定するために使用される。メカニカルストップ(116や118など)は、光センサー122が正常に動作しない場合にハードストップをかけるために、使用することができる。
【0017】
基板処理時には、モノメーターなどのセンサー(図示せず)が処理チャンバ内の圧力を測定するために使用される。測定値は処理モジュール制御装置に送り返される。圧力が変化すると、処理モジュール制御装置はアルゴリズムを実施して新しい設定点の値を求める。次に、処理モジュール制御装置はステッピング基板130に命令を送信し、命令はプランジャーの垂直移動の方向とステップ位置とを含む。次に、この命令は、モーター駆動基板110に中継され、モーター駆動基板はステッピングモーター108を起動し、次にCAMリング104を回転させてプランジャーを新しい設定点の値に移動させる。次に、各プランジャーの位置を正確に求めるためにリニアエンコーダ114を使用してもよい。各プランジャーの新しい設定点位置の値に関する値は処理制御モジュールに送り返してもよい。新しい設定点位置の値は、新しい設定点の値を計算する必要がある場合に参照点として利用してもよい。
【0018】
トッププレート102は物理的空間が限られているため、製造者は、機能を犠牲にすることなくトッププレートの構成要素数を削減する新しい方法を追求し続けている。本発明の実施形態によれば、直接駆動装置およびその方法が提供される。本発明の実施形態は、プラズマ処理システムのトッププレートを占有する物理的空間を減らしながら圧力制御を実施するように構成される直接駆動装置を含む。また、本発明の実施形態は、直接駆動装置を較正して初期化する方法を含む。さらに、本発明の実施形態は基板処理時に圧力を制御する方法を含む。
【0019】
本発明の一実施形態において、直接駆動装置は処理チャンバ内で圧容積を制御するために備えられる。従来技術のCAMリング装置と異なり、直接駆動装置は、閉じ込め領域内の圧力環境を制御するために必要となる機械的/電気的な構成要素を多く必要としない。一実施形態では、直接駆動装置は回路基板と通信する1組のプランジャー装置を含む。
【0020】
各プランジャー装置は、プラズマが形成されるチャンバ容積の周囲を囲む1組の閉じ込めリングの上側閉じ込めリングに接続されるプランジャー軸を含む。従来技術のCAMリング装置では、プランジャー軸を移動させるためには複雑なアセンブリ(CAMリング、ベルト、張力装置、軸装置、モーターなど)が必要となる。一方で、直接駆動装置では、プランジャー軸はモーター軸に直接接続される。
【0021】
従来技術のCAMリング装置では、各プランジャー軸が移動可能な距離は、各CAM領域のCAMリングのくさび形によって求めることができる。従来技術と異なり、プランジャー軸が移動しうる距離は1対のセンサーによって求められ、これらのセンサーはプランジャー装置に配置される。1対のセンサー間の間隙は、プランジャー軸が移動することが可能な最大距離を備える。1対のセンサーを再配置することによって、プランジャー軸が移動しうる最大距離を変化させてもよい。
【0022】
一実施形態では、プランジャー軸にフラグ(機械的なフラグなど)を固定してもよい。プランジャー軸が垂直方向(上および下)に移動すると、フラグは2つのセンサー間を移動しうる。プランジャー軸上のフラグがいずれかのセンサーの光学ビームを遮断する場合には、センサーは、プランジャー軸が同じ方向に移動し続けないようにする。一実施例では、プランジャー軸は、フラグが第2のセンサーの光学ビームを遮断すると下方へ移動しないようになる。記載するように、第1のセンサーを上側センサーまたはホームセンサーと呼び、第2のセンサーを下側センサーまたは遠方のセンサーと呼ぶ。
【0023】
従来技術のCAMリング装置では、CAMリングアセンブリは大型モーター(5相モーターなど)によって制御される。従来技術と異なり、直接駆動装置のモーターはプランジャーアセンブリの上部に配置される。また、モーター軸はプランジャー軸に直接接続される。各プランジャーアセンブリはそれ自体個別のモーターに関連しているため、モーターは小型モーター(2相モーターなど)であってもよい。モーターは、プランジャーアセンブリの上に配置されるため、トッププレートの上に物理的空間をさらに必要としない。
【0024】
直接駆動装置の設計を簡素化することによって、閉じ込め領域内の圧力を制御する機能を実施するために必要となる機械的構成要素が少なくなる。その結果、従来はCAMリングアセンブリによって占有されていた空間は他の機能のために利用可能となる。機械的/電気的な構成要素が少ないため、直接駆動装置は信頼性がより高く、直接駆動装置を維持して修理するコストが安い。
【0025】
本発明の特徴および利点は、添付図面および以下の記載を参照することによってより良く理解される。
【0026】
図2は、一実施形態における処理チャンバ内の直接駆動装置の概略断面図を示す。たとえば、基板202が下側の電極204の上部に配置される状況を検討する。製造時に基板202を処理するために、プラズマ206は基板202と上部電極208との間で形成してもよい。いくつかの処理チャンバでは、閉じ込めリング210はプラズマ206を閉じ込めるために使用されてもよい。
【0027】
閉じ込めリング210を利用する典型的な処理チャンバでは、閉じ込めリングは取付点を有してもよい。従来技術では、CAMリング装置は各取付点に配置される真空密閉プランジャー軸を含んでもよい。同じように、直接駆動装置は各取付点にプランジャー装置(たとえば214や216など)を含む。一実施形態では、各プランジャー装置はモーター軸を介してモーターと結合されるプランジャー軸を含んでもよい。
図4A、4B、4Cおよび4Dではプランジャー装置に関してさらに詳細に記載する。一実施形態では、プランジャー装置の数は取付点の数と直接相関させてもよい。
【0028】
閉じ込め領域218内の圧容積を制御するためには、各プランジャー装置のプランジャー軸は、垂直(上または下)に移動させて閉じ込めリング間の間隙を調整し、これにより、処理チャンバ内の圧力量を制御してもよい。従来技術のCAMリング装置では、モーターがCAMリング装置を回転させ、これにより、プランジャー軸が上下に移動する。従来技術と異なり、最初にCAMリング装置を回転させずに、各プランジャー装置のモーターはプランジャー軸を移動させる。
【0029】
プランジャー軸は、マノメータなどの1組のセンサー(図示せず)によって収集される処理データ(圧力データなど)に応じて移動させてもよい。処理データは、分析のために基板222を介して制御モジュール220に送信してもよい。処理データが閾値範囲を越える場合には、命令が基板222に送信されてもよく、基板は、閉じ込め領域218内の圧容積を変化させるために、各モーター(図示せず)を駆動して各プランジャー軸を垂直に移動させてもよい。一実施例では、処理データが圧力レベルは所定の閾値未満であることを示す場合に、閉じ込めリング間の間隙は閉じ込め領域218内の圧力レベルを補正するように調整されてもよい。
【0030】
本願明細書に記載するように、「越える」という用語は、「上回る」、「下回る」、「範囲内にある」などを含んでもよい。「越える」という単語の意味は、閾値/範囲の要件に依存してもよい。一実施例では、たとえば、レシピが少なくとも一定である圧力値を必要とする場合は、圧力値が閾値/範囲を満たすか、あるいは、超えた場合には処理データは閾値/範囲を越えたと見なされる。別の実施例では、たとえば、レシピがある値未満になる圧力値を必要とする場合は、圧力値が閾値/範囲未満になった場合に処理データは閾値/範囲を越えている。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態におけるトッププレート302の直接駆動装置300の概略図である。直接駆動装置300は、1組のプランジャー装置(304、306および308)およびプリント回路基板(PCB)などの回路基板310を含む。従来技術と異なり、閉じ込めリング内の圧容積を管理するために、機械的/電気的な構成要素はさらに必要ではない。上記記載からわかるように、直接駆動装置300は、トッププレート302を占有する物理的空間が従来技術のCAMリング装置より小さくなる簡易かつコンパクトな装置である。つまり、従来技術のCAMリング装置に必要となりうる機械的/電気的な部品の多くは、直接駆動装置300では不要となり、取り除かれている。たとえば、直接駆動装置300は、閉じ込め領域内の圧力を管理する機能を実施するために、CAMリング、ベルト、張力装置、さらには第2の回路基板(モーター駆動基板など)も必要としない。上の記載からわかるように、好適な実施形態は1つの回路基板を含むが、必要に応じて、直接駆動装置は2つ以上の回路基板を実装してもよい。
【0032】
機械的構成要素および電気的構成要素を取り除くことによって、他の機能を支持するために利用可能なトッププレート302上の物理的空間が増大する。さらに、機械的/電気的な構成要素が少なくなると、支持する部品も少なくなり、これにより、修理コストおよび部品コストが低減される。また、機械的/電気的な部品が少なくなると、調整時に動作制御が多くなり、発生する振動が少なくなるため、圧力範囲を良好に制御し、解像度を上げることが可能になる。さらには、機械的構成要素が少なくなると、垂直方向(上下方向)に1組のプランジャー軸を移動させるために機械的構成要素が互いに接触する際に、生成される粒子が少なくなる。粒子は処理チャンバの基板を汚染する可能性があるため、生成される粒子状物質を減らすことによって清浄な生産環境が得られる。
【0033】
図4A、4B、4Cおよび4Dは、本発明の実施形態のプランジャー装置400のさまざまな図を示す。
図4Aは、本発明の一実施形態におけるプランジャー装置400の断面図を示す。プランジャー装置400は、モーターアセンブリ402およびプランジャーアセンブリ404を含んでもよい。
【0034】
図4Bに示すモーターアセンブリ402は、一実施形態ではモーター422の上方に配置されるエンコーダ420を含む。一実施形態では、モーター422は2相ステッピングモーターである。従来技術のCAMリング装置と異なり、モーター422はきわめて小型のモーターである。従来技術のCAMリング装置では、さまざまなプランジャーおよびCAMリングアセンブリを支持するためにさらに大型のモーター(5相ステッピングモーターなど)が必要となる。しかし、直接駆動装置では、各プランジャー装置はそれ自体のモーターに関連しているため、モーターは、支持の必要がある構成要素が少なくなることから、さらに小型のモーターであってもよい。一実施形態におけるモーターは小型であるが、1組の閉じ込めリングの重さの2倍超を持ち上げ/保持することができる。したがって、ロボットアームが処理チャンバ内/内へ基板を配置/除去する際に動力が喪失しても、1組の閉じ込めリングは誤って基板および/またはロボットアーム上に落下しないため、基板および/またはロボットアームを損傷することはない。
【0035】
一実施形態では、エンコーダ420はプランジャー軸の設定点位置の値を記録するように構成される。設定点位置の値は回路基板に中継され、次に回路基板はデータを制御モジュールに転送する。設定点位置の値は、閉じ込め領域内の圧力レベルが、所定でありうる閾値範囲外にある場合に、プランジャー軸の新しい設定点位置の値を計算するために格納され、利用される。
【0036】
エンコーダ420をモーター422に接続するものはモーター軸424である。
図4Cに示すように、モーター軸424はモーターアセンブリからプランジャーアセンブリ404の上部に延伸してもよい。
図4Cは、本発明の一実施形態におけるプランジャーアセンブリ404の本体の断面図を示す。プランジャーアセンブリ404の本体は、トッププレート408の上に配置されるプランジャーアセンブリ404の一部である。
【0037】
プランジャーアセンブリ404はハウジング430を含んでもよい。ハウジング430には結合器432があり、結合器は、一方の端がモーター軸424に接続し、他方の端がプランジャー軸434に接続するように構成される。結合器432の直下にはフラグ436がある。一実施形態では、フラグ436は、プランジャー軸434の一部を囲み、止めねじ(図示せず)を介してプランジャー434に取り付けられる。プランジャー軸434上にフラグ436を直接取り付けることによって、フラグはプランジャー軸434に対して固定位置になる。つまり、フラグ436はプランジャー軸434と共に移動する。
【0038】
プランジャーアセンブリ404は、第1のセンサー438(ホームセンサーとして知られる)および第2のセンサー440(遠方のセンサーとして知られる)を含んでもよい。センサー(438および440)間の最大間隙は、プランジャー軸434がプラズマを囲む閉じ込めリングを調整するために使用される場合に、垂直(上下方向)に移動しうる最大距離を備える。一実施形態では、センサー(438および440)間の最大間隙は、止めねじ(ねじ422aおよび422bなど)を手動で回転させることによって調整してもよい。一実施形態では、止めねじは、固定位置にセンサーを取り付けるために使用される。
【0039】
別の実施形態では、センサー(438および440)は固定ブロックに取り付けられ、第2のセンサー440は固定位置にあり、第1のセンサー438の位置は調整可能である。つまり、両方の止めねじを調整してセンサー間の間隙を調整する代わりに、ねじ422a(第1のセンサー438に関係する)のみを調整する必要がある。
【0040】
一実施形態では、フラグ436は2つのセンサー(438および440)間を移動するように構成される。基板処理前には、フラグ436が第1のセンサー438の光学ビームを遮断するまで、フラグ436はプランジャー軸434によってホームポジションに上向きに取り付けられる。初期化および較正に関しては以下にさらに詳しく記載する。
【0041】
フラグ436は2つのセンサー間の距離を移動するように構成されるが、一実施形態では、フラグ436が第2のセンサー440の光学ビームを遮断する場合にアラームを送信してもよい。つまり、第2のセンサー440は、フラグ436が第2のセンサー440の光学ビームを遮断するような位置に設定してもよく、閉じ込めリングの領域内の生産環境は基板処理には許容できない加圧レベルにあってもよい。
【0042】
図4Dに示すように、一実施形態ではプランジャーアセンブリ404は、鼻端部を含んでもよい。鼻端部はトッププレート408の上面の下方に配置される。プランジャーアセンブリ404の鼻端部は、プランジャー軸434に結合される軸端アダプター480を含む。軸端アダプター480はリングアダプター482を含んでもよく、リングアダプター482は1組の閉じ込めリング484に係止するように構成され、プランジャー軸434が垂直(上下方向)に移動すると1組の閉じ込めリング484が移動可能となる。
【0043】
トッププレート408の上方の領域は大気環境にあるが、トッププレート408の下方の領域は真空環境にあることを当業者は知っている。大気環境から真空環境を密封するためには、ブッシング構成要素486および1組の封止要素474(たとえばクワッドシールおよびOリングなど)は2つの環境の圧力差を密封するために使用してもよい。さらに一実施形態では、ブッシング構成要素486は、プランジャー軸434が垂直方向(上または下)に移動する際に、プランジャー軸434を誘導するために使用してもよい。つまり、ブッシング構成要素486を利用して、プランジャー軸434を真っすぐに保つ(つまり、首振り運動を防ぐ)ことによって、1組の閉じ込めリングの振動、制御されない基板処理環境の発生、粒子の生成の引き起こし、を最小限に抑える。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態における回路基板(PCB500)の概略機能図を示す。一実施形態では、PCB500は3軸ステッピングドライバ基板であってもよい。従来技術のCAMリング装置と異なり、モーターが小型になると、プランジャー軸を駆動するためにPCB500が必要とする電力が少なくなるため、3つのステッピングモーター全てを制御するためには単一の回路基板(プリント基板など)のみが必要となる。上記記載からわかるように、好適な実施形態は単一の回路基板のみを含むが、直接駆動装置は2つ以上の回路基板を実装してもよい。
【0045】
一実施形態では、PCB500は制御モジュールコネクタ522を含んでもよく、このコネクタはPCB500が制御モジュール520と通信することを可能にする。一実施形態では、制御モジュール520は、ユーザーインタフェースコンピューティングモジュール(クラスタツール制御装置など)と、1つの処理モジュール制御装置(VOIP基板を有する基板を1つ含む)とを含んでもよい。ユーザーインタフェースコンピューティングモジュールは、レシピを入力するために使用してもよく、処理モジュール制御装置は、比較を実施し、圧力レベルが所定の閾値範囲を越えた場合にプランジャー装置の新しい設定点位置の値を求めるために使用してもよい。
【0046】
一実施形態では、PCB500は制御モジュール520から1組の命令を受信するように構成されてもよい。一実施例では、基板処理時に圧力レベルが所定の閾値範囲外になった場合は、制御モジュール520は、1組の命令をPCB500に送信し、プランジャー装置を移動させて閉じ込め領域内の圧力レベルを調整することができる。1組の命令は、プランジャー装置を新しい設定点位置の値に移動させるためのステップ信号および方向信号を含んでもよい。
【0047】
一実施形態では、PCB500は1組のプランジャー装置コネクタ(コネクタ524、526および528など)を含んでもよい。1組のプランジャー装置コネクタは、PCB500が1組のプランジャー装置(504、506および508)と直接通信することを可能にする。従来技術のCAMリング装置と異なり、PCB500は別の回路基板(モーター駆動基板など)に1組の命令を中継しない。代わりに、PCB500は、1組のプランジャー装置コネクタ(524、526および528)を介して1組のプランジャー装置(504、506および508)に1組の命令を直接送信するように構成される。上記記載からわかるように、コネクタ数はプランジャー装置数に依存してもよい。
【0048】
一実施形態では、PCB500は1組のプランジャー装置から処理データを受信するように構成されてもよい。
図4A〜4Dに示すように、各プランジャー装置はエンコーダを含んでもよい。一実施形態では、各プランジャー装置の設定点位置の値は、各エンコーダにより記録され、PCB500に転送される。各プランジャー装置の設定点位置の値は、制御モジュール520に転送される。設定点位置の値は、閉じ込め領域内の圧力レベルが所定の閾値範囲外にあると求められる場合、各プランジャー装置に新しい設定点位置の値を計算するために制御モジュール520によって使用される。
【0049】
一実施形態では、PCB500は1組のプランジャー装置に電源を供給するように構成される。PCB500は、各プランジャー装置のモーターへの電源を入れたり切ったりするために使用することができる1組のスイッチ510を含んでもよい。
【0050】
一実施形態では、PCB500は1組の較正ボタン514を含んでもよい。1組の較正ボタン514は、プラズマ処理システムが最初に初期化されるか、または、プラズマ処理システムの修理後に1組のプランジャー装置を較正するために使用され得る。較正の説明は後述する図面に示す。
【0051】
一実施形態では、PCB500は表示装置512(LCDディスプレイなど)を含んでもよい。表示装置512は、プランジャー装置に関するデータを表示するために使用され得る。一実施例では、表示装置512は、各プランジャー装置の現在の設定点位置の値、プランジャー装置の設定点位置の値の最大差、センサーに対するフラグの位置、各プランジャー装置によって利用される電力量などを表示してもよい。
【0052】
一実施形態では、表示装置512はアラーム警告を表示するために使用され得る。一実施例では、利用される電力量が所定の閾値を超えた場合に、アラームを表示し、これにより、潜在的な問題に関して、技術者に視覚的に通知してもよい。別の実施例では、プランジャー装置の1つのフラグが第2のセンサーの光学ビームを遮断した場合に、潜在的な問題に関して技術者に通知するためにアラームを表示してもよい。
【0053】
図6は、本発明の一実施形態における直接駆動環境の論理図を示す。直接駆動環境は基板604(プリント基板など)を含んでもよい。上記したように、基板604は、制御モジュール602および1組のプランジャー装置(620、630および640)と通信する。
【0054】
一実施形態において、基板604は、制御モジュール602および1組のプランジャー装置(620、630および640)と双方向の関係を有している。一実施例では、基板604は、制御モジュール602から1組の命令を受信し、処理データを制御モジュール602に送り返すように構成される。別の実施例では、基板604は、1組のプランジャー装置(620、630および640)に一組の命令を送信し、1組のプランジャー装置(620、630および640)から処理データを受信するように構成される。
【0055】
一実施形態では、基板604はホームポジション監視モジュール654を含んでもよい。つまり、基板604は、各プランジャー装置を較正した後に各プランジャー装置のホームポジションを確認するように構成される。一実施形態において、較正の方法は
図7に示すようなものであってもよい。
【0056】
最初のステップ702では、モーターをオフの位置に切り換える。一実施形態では、3軸ステッピング基板は、各プランジャー装置のモーターを制御するように構成されるスイッチを含んでもよい。各スイッチをオフの位置に設定することによって、各プランジャー装置のモーターは電源が切られる。
【0057】
次のステップ704では、1組の閉じ込めリングを初期高さに設定する。モーターの電源が切られると、1組の閉じ込めリングの初期高さは手動で設定され得る。一実施形態では、トッププレートの底面と1組の閉じ込めリングの上面との間の望ましい間隙は、ブロックゲージを使って設定してもよい。ブロックゲージの厚さは、望ましい初期高さによって異なってもよい。
【0058】
1組の閉じ込めリングを初期高さに移動させるために、モーター軸が調整され得る。モーター軸を作動させることによって、プランジャー軸は垂直方向(上または下)に動作する。プランジャー軸が一番上の閉じ込めリングに接続されている、1組の閉じ込めリングも移動させられる。一実施形態では、エンコーダの上方でモーター軸を囲むように位置する軸ノブ(
図4Bのノブ426など)は、1組の閉じ込めリングの望ましい高さが得られるまで、手動で回転させてモーター軸を手動で調整することができる。別の実施形態では、回路基板(3軸ステッピング基板)に位置する1組の較正ボタンを押して望ましい初期高さを実現することができる。このステップは、3つのプランジャー装置の全てに対して実施される。
【0059】
次のステップ706では、センサーを較正する。上記したように、センサーは第1のセンサーおよび第2のセンサーを含む。基板処理の実施前に、プランジャー装置はホームポジションに設定される。一実施形態では、ホームポジションを設定するために、各プランジャー装置のフラグが第1のセンサーの光学ビームを遮断するまでモーター軸が回転される。このステップは、3つのプランジャー装置の全てに対して実施される。
【0060】
較正が終了するとブロックゲージは取り外され、次のステップ708ではモーターに再び電源が入る。一実施例では、モーター(回路基板上に位置する)に関連するスイッチは電源オンの位置に設定され、これにより、モーターに電力を流すことが可能となる。
【0061】
プランジャー装置が較正されると、プランジャー軸はホームポジションに移動する。次のステップ710では、各エンコーダ(エンコーダ626、636および646など)を使用して、各プランジャー装置の初期の設定点位置の値を記録してもよい。プランジャー装置の設定点位置の値の差が設定閾値(ゼロなど)を通り越す場合には、センサーは再較正される必要がある。
【0062】
次のステップ712では、直接駆動装置は基板処理の準備ができている状態である。一実施形態では、各プランジャー装置の設定点位置の値が確認されると、各設定点位置の値は経路606に沿って制御モジュール602に送信される。設定点位置の値は、閉じ込め領域内の圧力レベルが閾値範囲外であって、プランジャー装置を調整する必要がある場合にアルゴリズム内で使用され、新しい設定点位置の値が求められる。それに加えて、またはその代わりに、各プランジャー装置の設定点位置の値をLCDディスプレイ660に表示され得る。
【0063】
図7に記載するように、較正方法はさまざまな状況で発生しうる。一実施例では、新しいプラズマ処理システムが設定される際、または、処理システムの修理後に較正が発生しうる。たとえば、プランジャー装置の構成要素部品を取り替えた後に較正は発生しうる。別の実施例では、閉じ込めリングを取り替えた場合にも較正が発生しうる。上記記載からわかるように、トッププレートと1組の閉じ込めリングとの間の間隙に影響を及ぼす構成要素が取り替えられた場合、および/または、修理された場合を除いて、較正は通常必要ない。
【0064】
図6に戻って、基板604はエンコーダ監視モジュール650を含んでもよく、このモジュールは各プランジャー装置の設定点位置の値を監視するように構成される。一実施形態では、エンコーダ(エンコーダ626、636および646など)は、各プランジャー装置の設定点位置の値を取得してもよい。設定点位置の値は、分析のために基板604に送信される。設定点位置の値の最大差が設定閾値(所定である)を通り越す場合には、アラームが制御モジュール602に送信される。また、3つのモーターは全て、損傷を受けないように停止される。一実施形態では、設定点位置の値および最大差は、経路606を介して制御モジュール602に送信され、および/または、LCDディスプレイ660に表示される。
【0065】
さらに、基板604は、各プランジャー装置のモーターに流れる電流を監視するように構成される電源監視モジュール652を含んでもよい。一実施形態では、容易に監視するためにLCDディスプレイ660に電流フローが表示されてもよい。電流フローが閾値を超えた場合は、アラームが経路608に沿って制御モジュール602に送信され得る。また、電流の設定閾値を超えた場合には、損傷を受けないようにプランジャー装置の3つのモーターは全て停止される。
【0066】
一実施形態では、基板604は第2のセンサー監視モジュール656を含んでもよく、このモジュールは各プランジャー装置の第2のセンサーを監視するように構成される。フラグが第2のセンサー(センサー628、638および648など)の光学ビームを遮断する場合、基板604は3個のモーターを全て停止するように構成される。他のステップと同じように、アラームがLCDディスプレイ660に表示され、経路612に沿って制御モジュール602に送信され得る。
【0067】
別の実施形態では、基板604は、各プランジャー装置のモーターに新しい設定点位置の値に移動するよう命令するように構成される実行モジュール658を含んでもよい。たとえば、閉じ込め領域内の圧力が設定した閾値範囲を超えた状況を検討する。制御モジュール602は、閉じ込め領域内の圧力レベルを調整するために、1組の命令を基板604に送信して、各プランジャー装置を新しい設定点位置の値に移動させてもよい。
【0068】
一実施例では、1組の命令は、ステップ信号および方向信号を含んでもよく、経路614に沿って送信されてもよい。この1組の命令を受信すると、基板604は、各プランジャー装置(620、630および640)のステッピングモーター(622、632および642)に命令して、制御モジュール602により提供されるステップ信号および方向信号に従ってプランジャー軸を移動することができる。一実施例では、モーターは、プランジャー軸を5ステッピングのパルス分上向きに移動するように命令してもよい。
【0069】
図8は、本発明の一実施形態において、基板処理時に直接駆動装置を管理するための制御戦略を示す概略フローチャートである。
【0070】
第1のステップ802では、各プランジャー装置はホームポジションに設定される。つまり、フラグが第1のセンサーの光学ビームを遮断するまでプランジャー軸は上向きに移動する。フラグは、光学ビームを遮断する場合にホームポジションにあると見なされる。続いて、このホームポジションは制御モジュール(回路基板を介して処理モジュール制御装置など)に送信される。
【0071】
次のステップ804では、基板処理を開始してもよい。
【0072】
次のステップ806では、1組の閉じ込めリングをレシピの初期設定点位置の値に移動する。通常、基板処理の開始前に、新しいレシピパラメータは、ユーザーインタフェースコンピューティングモジュールに入力され、格納される。次に、このレシピパラメータは処理モジュール制御装置に転送される。処理モジュール制御装置は、ホームポジションおよびレシピに基づくアルゴリズムを実施して、各プランジャー装置の新しい設定点位置の値を求める。新しい設定点位置の値が計算されると、1組の命令(ステップ信号および方向信号を含む)が回路基板に送信される。次に、回路基板はモーターに信号を中継し、次にモーターはモーター軸を回転させる。モーター軸が回転すると、プランジャー軸が移動し、これにより、1組の閉じ込めリングが初期設定点位置の値に移動する。
【0073】
次のステップ808では、基板処理時に圧力レベルを監視する。処理チャンバ内の状態により圧力レベルが変動しうるため、閉じ込め領域内の圧力レベルを監視するためにモノメーターなどのセンサーを使用してもよい。閉じ込め領域内の圧力レベルに関する処理データは、分析のために制御モジュールに送信してもよい。
【0074】
次のステップ810では、基板処理時に圧力レベルを1組の閉じ込めリングを調整することによって維持する。制御モジュールは、閉じ込め領域内の圧力レベルが許容可能な所定の閾値範囲外にあると判定した場合、圧力レベルが許容できる範囲内に戻るように調整するために、閉じ込めリングを移動するのに必要となる設定点位置の値を再計算してもよい。新しい設定点位置の値は回路基板に送信してもよい。新しい設定点位置の値を受信すると、回路基板は、各プランジャー装置のモーターに命令を送信して、特定の方向に特定のステッピングパルス分移動させてもよい。
【0075】
次のステップ812では、レシピステップが終了した場合に1組の閉じ込めリングをホームポジションに戻す。
【0076】
上の記載からわかるように、本発明の1または複数の実施形態は、処理チャンバ環境内の圧力レベルを調整するために、閉じ込めリング位置を操作するための直接駆動装置を備える。設計を簡素化することによって、直接駆動装置は占有する物理的空間は小さくなるが、CAMリング装置などのさらに複雑な装置の機能は依然として実施される。機械的/電気的な部品が減ると直接駆動装置は信頼性が高くなる。さらに、所有コストは最小となる。
【0077】
本発明はいくつかの好適な実施形態の観点から説明してきたが、これらの変形、置換および均等物も本発明の特許請求の範囲に含まれる。さまざまな実施例を本願明細書に示しているが、これらの実施例は説明目的であり、本発明に関して限定することを意図しない。
【0078】
また、発明の名称および概要を本願明細書に便宜上示しているが、本願明細書の特許請求の範囲を解釈するために使用すべきではない。さらに、要約は、きわめて概略した形式で記載して本願明細書に便宜上示しているため、発明全体を解釈したり、限定したりするために使用するべきではなく、発明は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。「1組」という用語は、本願明細書に使用される場合に0、1または1つ以上要素を含むというように一般に理解されるような数学的意味を有することが意図される。また、本発明の方法および装置を実装する多くの代替の方法があることに留意する必要がある。したがって、本願特許請求の範囲は、本発明の本来の趣旨および範囲に含まれるような変更、置換および均等物を全て含むと解釈されることが意図される。
適用例1:基板処理時にプラズマ処理システムの処理チャンバにおける1組の閉じ込めリングによって囲まれたチャンバ容積である閉じ込め領域内の圧容積を制御するための直接駆動装置であって、前記直接駆動装置は、前記1組の閉じ込めリングを垂直に移動させることによって前記閉じ込め領域内の前記圧容積を変化させるように少なくとも構成されている複数のプランジャーアセンブリと、前記複数のプランジャーアセンブリを垂直に移動させ、前記複数のプランジャーアセンブリの複数の設定点位置の値を記録するように少なくとも構成されている複数のモーターアセンブリと、前記複数のモーターアセンブリを駆動し、前記複数のプランジャーアセンブリを移動させて閉じ込め領域内の前記圧容積を変化させ、前記複数のプランジャーアセンブリを移動させるために前記複数のモーターアセンブリに電源を供給し、前記複数のモーターアセンブリから前記複数の設定点位置の値を受信するように少なくとも構成されている1組の回路と、を備える直接駆動装置。
適用例2:適用例1に記載の直接駆動装置はさらに、前記基板処理時に前記閉じ込め領域内の前記圧容積に関する圧力データを収集するように少なくとも構成されているセンサーと、前記1組の回路から前記複数の設定点位置の値を受信し、前記センサーから前記圧力データを受信し、前記複数のプランジャーアセンブリの1組の新しい設定点位置の値を計算し、1組の新しい設定点位置の値を1組の命令として前記1組の回路に送信するように少なくとも構成される制御モジュールと、を備えている直接駆動装置。
適用例3:適用例2に記載の直接駆動装置において、前記複数のモーターアセンブリの各モーターアセンブリは、前記複数のプランジャーアセンブリのプランジャーアセンブリを移動させるように構成されているモーターと、前記プランジャーアセンブリの設定点位置の値を記録するように構成されているエンコーダと、前記モーターを前記プランジャーアセンブリに接続するように構成されるモーター軸と、を含む直接駆動装置。
適用例4:適用例3に記載の直接駆動装置において、記複数のプランジャーアセンブリの各プランジャーアセンブリは、前記処理チャンバのトッププレートの上側面上に配置されるように構成されているプランジャー本体と、前記トッププレートの前記上側面下に配置されるように構成されている鼻端部と、を含む直接駆動装置。
適用例5:適用例4に記載の直接駆動装置において、前記プランジャー本体は、前記1組の閉じ込めリングを移動させるように少なくとも構成されているプランジャー軸と、前記モーター軸を前記プランジャー軸に少なくとも接続するように構成されている結合器と、前記プランジャー軸が垂直に移動して少なくとも最大距離を規定するように構成されている1対のセンサーであって、前記1対のセンサーはホームセンサーと遠方のセンサーとを含む1対のセンサーと、前記プランジャー軸の上部に装着されているフラグであって、前記フラグが前記ホームセンサーの第1の光学ビームを遮断する際には前記プランジャー軸はホームポジションにあり、前記フラグが前記遠方のセンサーの第2の光学ビームを遮断する際にはアラームが起動され、前記プランジャー軸、前記結合器、前記1対のセンサーおよび前記フラグを含むように少なくとも構成されているハウジング構成要素と、を含む直接駆動装置。
適用例6:適用例5に記載の直接駆動装置において、前記鼻端部は前記プランジャー軸に接続されている軸端アダプターと、前記軸端アダプターは少なくとも前記1組の閉じ込めリングに接続するように構成されているリングアダプターを含み、前記1組の閉じ込めリングは、前記プランジャー軸が前記第1の方向に移動する際に第1の方向に移動し、前記プランジャー軸が垂直に移動する際に前記プランジャー軸を誘導するように少なくとも構成されるブッシング構成要素と、を含む直接駆動装置。
適用例7:前記1組の回路は、3軸ステッピング基板である適用例6に記載の直接駆動装置。
適用例8:前記1組の回路は、前記各プランジャーアセンブリの前記プランジャー軸の前記ホームポジションを確認するように少なくとも構成されているホームポジション監視モジュールと、前記複数の設定点位置の値を監視するように少なくとも構成されているエンコーダ監視モジュールと、前記各モーターアセンブリの前記モーターに流れる電流を監視するように少なくとも構成されている電源監視モジュールと、前記各プランジャーアセンブリの前記遠方のセンサーを監視するように少なくとも構成されている第2のセンサー監視モジュールと、を含む直接駆動装置。
適用例9:適用例8に記載の直接駆動装置において、前記1組の回路は表示装置を含み、前記表示装置は、前記複数の設定点位置の値と、前記複数の設定点位置の値の最大差と、電力利用率と、アラーム通知と、を表示するように少なくとも構成されている直接駆動装置。
適用例10:前記モーターは、2ステッピングモーターである適用例1の直接駆動装置。
適用例11:基板処理時にプラズマ処理システムの処理チャンバにおける1組の閉じ込めリングによって囲まれたチャンバ容積である閉じ込め領域内の圧容積を制御するための装置であって、前記閉じ込め領域内の前記圧容積を制御するために前記1組の閉じ込めリングを移動させるように構成されている複数のプランジャー軸と、複数のモーターであって、前記複数のモーターの各モーターは前記複数のプランジャー軸の各プランジャー軸を移動するように少なくとも構成されている複数のモーターと、複数のエンコーダであって、前記複数のエンコーダの各エンコーダは各プランジャー軸の設定点位置の値を記録するように構成されている複数のエンコーダと、複数のモーターを駆動して前記複数のプランジャー軸を移動させ、前記閉じ込め領域内の前記圧容積を変化させるように少なくとも構成されている1組の回路と、前記圧容積が所定の閾値範囲を越える場合に前記各プランジャー軸の新しい設定点位置を計算するように少なくとも構成されている制御モジュールと、を備える装置。
適用例12:適用例11に記載の装置はさらに、前記各プランジャー軸が垂直に移動する最大距離を少なくとも規定するように構成されている1対のセンサーであって、前記1対のセンサーはホームセンサーと遠方のセンサーとを含む1対のセンサーと、前記各プランジャー軸の上部に装着されているフラグと、前記フラグが前記ホームセンサーの第1の光学ビームを遮断する際には前記各プランジャー軸はホームポジションにあり、前記フラグが前記遠方のセンサーの第2の光学ビームを遮断する際にはアラームが起動すること、を備える適用例11に記載の装置。
適用例13:適用例12に記載の装置はさらに、前記1組の閉じ込めリングに前記各プランジャー軸を接続するように少なくとも構成されているリングアダプターと、前記1組の閉じ込めリングは前記各プランジャー軸が前記第1の方向に移動する際に第1の方向に移動し、前記プランジャー軸が垂直に移動する際に前記各プランジャーを誘導するように少なくとも構成されているブッシング構成要素と、を備える適用例12に記載の装置。
適用例14:前記1組の回路は、3軸ステッピング基板である適用例13に記載の装置。
適用例15:適用例14に記載の装置において、前記1組の回路は、前記各プランジャー軸の前記ホームポジションを確認するように少なくとも構成されているホームポジション監視モジュールと、前記各プランジャー軸の前記設定点位置の値を監視するように少なくとも構成されているエンコーダ監視モジュールと、前記各モーターに流れる電流を監視するように少なくとも構成されている電源監視モジュールと、前記各プランジャー軸の前記遠方のセンサーを監視するように少なくとも構成されている第2のセンサー監視モジュールと、を含む装置。
適用例16:適用例15に記載の装置において、前記1組の回路は表示装置を含み、前記表示装置は、前記各プランジャー軸の前記設定点位置の値と、電力利用率と、アラーム通知と、を表示するように少なくとも構成されている装置。
適用例17:前記各モーターは、2ステッピングモーターである適用例16に記載の装置。
適用例18:基板処理時にプラズマ処理チャンバの処理チャンバにおける1組の閉じ込めリング間の領域である閉じ込め領域内の圧容積を制御するための方法であって、複数のプランジャー装置の各プランジャー装置をホームポジションに設定し、前記1組の閉じ込めリングをレシピ初期設定点位置の値に移動させ、前記基板処理時に前記圧容積に関する圧力データを収集し、前記圧力データを、分析のために制御モジュールに送信し、前記圧力データを所定の閾値範囲と比較し、前記圧力データが前記所定の閾値範囲外を通り越す場合には前記各プランジャー装置の新しい設定点位置を求め、前記新しい設定点位置を1組の命令として送信し、前記新しい設定点位置に前記各プランジャー装置を移動すること、を備える方法。
適用例19:適用例18に記載の方法はさらに、前記基板処理前に前記各プランジャー装置を較正することを含み、前記較正は、前記各プランジャー装置への電源を切り、前記1組の閉じ込めリングを初期高さに設定し、前記各プランジャー装置の1対のセンサーを較正し、前記各プランジャー装置を前記ホームポジションに移動させることを含む方法。
適用例20:前記各プランジャー装置のフラグが遠方のセンサーの光学ビームを遮断する場合には前記各プランジャー装置を停止することをさらに含む適用例18に記載の方法。