【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明の生成物は、特に、AKTリン酸化(P−AKT)の阻害により変調され得る状態の予防または治療のために使用することができる。P−AKTの阻害は、とりわけ、PI3K/AKT/mTOR経路の阻害によって、および特に、この経路に属するキナーゼ、例えば、受容体チロシンキナーゼ、例えばEGFR、IGFR、ErbB2、3’−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ−1(PDK1)、PI3Kホスホイノシチドキナーゼ、AKTセリン−トレオニンキナーゼまたはm−TORキナーゼの阻害によって、達成することができる。
【0005】
PI3K/AKT/mTOR経路の阻害および調節は、特に、固形および液体腫瘍をはじめとする多数の癌疾患の治療のための新しい強力な作用メカニズムの構成要素である。
【0006】
本出願の生成物によって治療することができる前述の状態は、ヒト固形または液体腫瘍である。
【0007】
本発明は、新規ピリミジノン誘導体にも、およびオートファジーの変調による影響を受ける状態の予防および治療におけるこれらの薬学的使用にも関する。オートファジーの阻害および調節は、固形および液体腫瘍をはじめとする多数の癌疾患を治療するための新しい作用メカニズムの構成要素である。
【0008】
本発明は、新規ピリミジノン誘導体にも、および寄生虫病、例えばマラリア、睡眠病、シャーガス病またはリーシュマニア症の治療におけるこれらの薬学的使用にも関する。
【0009】
PI3K/AKT/mTOR経路の役割
PI3K/AKT/mTORシグナリング経路は、腫瘍新生における重要な過程である多数の細胞機能、例えば成長、生存、増殖および細胞成長を調節する複雑なネットワークである。
【0010】
このシグナリング経路は、この経路のエフェクターの大部分がヒト腫瘍では改変されるので、癌の治療における重要な標的である。この経路の活性化に寄与する主なエフェクターは、i)突然変異、増幅または過発現によって活性化される癌遺伝子、例えばErbB1(EGFR)、ErbB2(HER2)、PIK3CAおよびAKT;ii)突然変異または欠失に従って不活性化される腫瘍サプレッサー遺伝子、例えばPTEN、TSC1/2、LKBおよびPMLの欠損である(Jiang L−ZおよびLiu L−Z、「Biochim Biophys Acta」、2008、1784:150;Vivanco IおよびSawyers CL、2002、「Nat Rev Cancer」、2:489;Cully Mら、「Nature Rev.Cancer」、2006、6:184)。
【0011】
このシグナリング経路の癌遺伝子の活性化が、多くのヒト癌疾患において見られる:
PIK3CA活性化突然変異は、結腸癌、乳癌、子宮内膜癌、肝癌、卵巣癌および前立腺癌の15から30%に存在する(TL YuanおよびLC Cantley、「Oncogene」、2008、27:5497;Y.Samuelsら、「Science」、2004、304:554;KE.Bachmanら、「Cancer Biol Ther」、2004、3:772;Da Levineら、「Clin Canc Res.」、2005、11:2875;C.Hartmannら、「Acta Neuropathol.」、2005,109:639);
脳癌、乳癌および肺癌(NSCLC)におけるRTK、例えばEGFRおよびHER2の増幅、活性化突然変異および過発現;
脳癌、肺癌(NSCLC)、乳癌、腎癌、卵巣癌および膵臓癌におけるAKTの増幅および活性化過発現(Testa JR.およびBellacosa A.、「Proct.Natl.Acad.Sci.USA」、2001、98:10983;Chengら、「Proct.Natl.Acad.Sci.USA」、1992、89:9267;Bellacosaら、「Int.J.Cancer」、1995、64:280;Chengら、「Proct.Natl.Acad.Sci.USA」、1996、93:3636;Yuanら、「Oncogene」、2000、19:2324)。
【0012】
このシグナリング経路の腫瘍サプレッサー遺伝子の欠損も多くのヒト癌疾患において見られる:
肺癌(NSCLC)、肝癌、腎癌、前立腺癌、乳癌、脳癌、膵臓癌、子宮内膜癌および結腸癌の50%におけるPTENの欠失(Maxwell GLら、Canc.Res.1998、58:2500;Zhou X―Pら、Amer.J.Pathol.」、2002、161:439;Endersby RおよびBaker SJ、「Oncogene」、2008、27:5416;Liら、Science」、1997、275:1943;Steack PAら、「Nat.Genet.」、1997、15:356);
結節性硬化症の50%超のTSC1/2の突然変異;
胃腸管癌のおよび膵臓癌の素因を作るならびに特に肺腺癌の10−38%において見られる、LKB1(またはSTK11)の突然変異または欠失(Shah U.ら、Cancer Res.)、2008,68:3562);
ヒト腫瘍における特に転座によるPMLの修飾(Gurrieri Cら、「J.NAtl Cancer Inst.」、2004,96:269)。
【0013】
加えて、このシグナリング経路は、例えば、化学療法に対する、放射線療法に対するおよび標的療法薬、例えばEGFRおよびHER2阻害剤に対する耐性の主要因子である(C.Sawyersら、Nat Rev)、2002)。
【0014】
AKTの役割
AKT(プロテインキナーゼB;PKB)は、主要細胞シグナリング経路の1つ、PI3K/AKT経路において中心的位置を占めるセリン−トレオニンキナーゼである。AKTは、特に、腫瘍細胞の成長、増殖および生存に関与する。AKT活性化は、(i)PDK1によるトレオニン308のリン酸化(P−T308)により、および(2)mTORC2(またはmTOR−リクター複合体)によるセリン473のリン酸化(P S473)により、二段階で起こって、完全に活性化する結果となる。また、AKTは、mTOR(哺乳動物のラパマイシン標的)、BAD、GSK3、p21、p27、FOXOまたはFKHRL1をはじめとする多数のタンパク質を調節する(Manning BDおよびCantley LC、「Cell」、2007、129:1261)。AKTの活性化は、栄養の内在化を促進し、この促進により、細胞成長および増殖を支援する同化代謝を誘発する。特に、AKTは、シグナリング経路の2つの必須標的、p70S6Kおよび4EBPを生じさせる結果となるようなTSC1/2(結節性硬化症複合体)、RhebおよびTORによって起こる段階的な相互作用によりタンパク質合成の開始を制御する。AKTは、アポトーシスの阻害および細胞周期の進行を生じさせる結果となるフォークヘッド転写因子のリン酸化およびGSK3βの不活性化の阻害も誘導する(Franke TF、「Oncogene」、2008、27:6473)。従って、AKTは、抗癌療法の標的であり、AKTのリン酸化の阻害によるAKTの阻害は、悪性細胞のアポトーシスを誘導することができ、および同様の理由で癌の治療をもたらすことができる。
【0015】
IGF1Rなどの受容体チロシンキナーゼ
異常に高いプロテインキナーゼ活性レベルは、異常細胞機能の結果として生ずる多くの疾患に関係づけられている。この異常に高い活性レベルは、例えば、この酵素の不適切な突然変異、過発現もしくは活性化に関連した、またはこのキナーゼの上流もしくは下流シグナルの伝達にも関与するサイトカインのもしくは成長因子の過発現もしくは生産不足に帰する、このキナーゼ活性の制御メカニズムの機能不全から直接または間接的に生じ得る。これらのすべての場合、このキナーゼの作用の選択的阻害は、有益な効果の希望をもたらす。
【0016】
インスリン様成長因子1型受容体(IGF−I−R)は、先ずIGFIに結合するがより弱い親和性でIGFIIにおよびインスリンにも結合する、膜貫通型受容体チロシンキナーゼである。IGF1の受容体へのIGF1の結合は、この受容体のオリゴマー化、チロシンキナーゼの活性化、中間分子の自己リン酸化および細胞基質のリン酸化(主基質:IRS1およびShc)をもたらす。この受容体のリガンドによるこの受容体の活性化は、正常細胞において有糸分裂誘起活性を誘導する。しかし、IGF−I−Rは、「異常」成長に重要な役割を果たす。
【0017】
幾つかの臨床報告は、ヒト癌の発現におけるIGF−I経路の重要な役割を強調している:
多くの腫瘍タイプ(乳房、結腸、肺、肉腫、前立腺、多発性骨髄腫)において過発現されてたIGF−IR−Rが見つかることが多く、およびこのIGF−I−Rの存在は、より攻撃性の高い表現型を随伴することが多い。
【0018】
高い循環IGF1濃度は、前立腺、肺および乳癌のリスクと強く相関している。
【0019】
さらに、IGF−I−Rがまさにインビボと同じようにインビトロで形質転換表現型の確立および維持に必要であることは広く実証されている[Baserga R、「Exp.Cell.Res.」、1999、253、1−6頁]。IGF−I−Rのキナーゼ活性は、幾つかの癌遺伝子:EGFR、PDGFR、SV40ウイルスブロードT抗原、活性化Ras、Rafおよびv−Srcの形質転換活性に必須である。正常線維芽細胞におけるIGF−I−Rの発現は、後にインビボでの腫瘍形成につながり得る、新生物性表現型を誘導する。IGF−I−R発現は、基質依存性成長に重要な役割を果たす。IGF−I−Rは、化学療法誘導および放射線誘導アポトーシスならびにサイトカイン誘導アポトーシスの保護因子であることも証明されている。さらに、ドミナントネガティブな、三重螺旋の形成またはアンチセンスの発現による、内因性IGF−I−Rの阻害は、インビトロで形質転換活性の抑制および動物モデルにおいて腫瘍成長の減少を生じさせた。
【0020】
PDK1
3’−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ−1(PDK1)は、PI3K−AKTシグナリング経路の必須成分の1つである。PDK1は、セリン−トレオニン(Ser/Thr)キナーゼであり、PDK1の役割は、細胞成長、増殖および生存の制御にならびに代謝の調節に関与するAGCファミリーの他のSer/Thrキナーゼをリン酸化および活性化することである。これらのキナーゼとしては、プロテインキナーゼB(PKBまたはAKT)、SGK(または血清およびグルココルチコイド調節キナーゼ)、RSK(またはp90リボソームS6キナーゼ)、p70S6K(またはp70リボソームS6キナーゼ)、およびまたプロテインキナーゼC(PKC)の様々なアイソフォームが挙げられる(Vanhaesebroeck B.およびAlessi DR.、「Biochem J」、2000、346:561)。従って、PDK1の重要な役割の1つは、AKTの活性化である:PI3Kによって生成されるセカンドメッセンジャーであるPIP3の存在下、PDK−1は、このPH(プレクストリン(plekstrin)相同性)ドメインにより形質膜に動員され、活性化ロープ内に位置するトレオニン308上のAKTをリン酸化する(このリン酸化は、AKT活性化の必須修飾である。)。PDK1は、遍在的に発現され、構成活性キナーゼである。PDK1は、腫瘍発生における重要な過程、例えば細胞増殖および生存を調節するためのPI3K/AKTシグナリング経路の重要な要素である。この経路は、ヒト癌の50%超で活性化されるので、PDK1は、抗原療法の標的の代表である。PDK1の阻害は、結果として癌細胞の増殖および生存を有効に阻害し、このためヒト癌に治療的恩恵をもたらす(Bayascas JR、「Cell cycle」、2008、7:2978;Peifer C.およびAlessi DR、「ChemMedChem」、2008、3:1810)。
【0021】
ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)
PI3K脂質キナーゼは、腫瘍学のためのこのシグナリング経路における重要な標的である。クラスI PI3Kは、受容体チロシンキナーゼ(RTK)、Gタンパク質結合受容体(GPCR)、ファミリーRhoおよびp21−RasのGTPアーゼによって活性化されるクラスIa(PI3Kα、β、δ)と、GPCRおよびp21−Rasによって活性化されるクラスIb(PI3Kγ)とに分けられる。クラスIa PI3Kは、触媒性サブユニットp110α、βまたはδと調節性サブユニットp85またはp55とから成るヘテロ二量体である。クラスIb(p110γ)は、単量体性である。クラスI PI3Kは、膜動員後にRTK、GPCRまたはRasによって活性化される、脂質/プロテインキナーゼである。これらのクラスI PI3Kは、イノシトールの位置3のホスファチジルイノシトール4,5−二リン酸(PIP2)をリン酸化して、ホスファチジルイノシトール3,4,5−三リン酸(PIP3)、このシグナリング経路の重要なセカンドメッセンジャーを生じさせる。また、PIP3は、AKTおよびPDK1を膜に動員し、そこでこれらはこれらのプレクストリン相同性ドメイン(PHドメイン)により結合して、トレオニン308に対するPDK1リン酸化によりAKTの活性化をもたらす。AKTは、多くに基質をリン酸化し、このようにして、細胞形質転換を生じさせる結果となる多くの過程、例えば細胞増殖、成長および生存においてならびに血管新生においても、重要な役割を果たす。
【0022】
クラスI PI3Kは、ヒト癌に関係づけられる:PI3KαをコードするPIK3CA遺伝子の体細胞突然変異は、特に2つの主発癌性突然変異、(キナーゼドメイン内の)H1047Rおよび(螺旋ドメイン内の)E545K/E542Kに関して、ヒト腫瘍の15−35%において見つけられる(Y.Samuelsら、「Sience」、2004、304:554;TL YuanおよびLC Cantley、「Oncogene」、2008、27:5497)。PI3K阻害剤は、PI3K/AKT/mTOR経路の活性化を生じさせる結果となる遺伝子改変を示す多くのヒト癌の治療において有効であると予想される(Vogt P.ら、「Virology」、2006、344:131;Zhao LおよびVogt PK、「Oncogene」、2008、27:5486)。
【0023】
mTOR
mTOR(哺乳動物のラパマイシン標的)は、PI3Kファミリーの脂質キナーゼに関連したセリン−トレオニンキナーゼである。mTORは、細胞成長、増殖、運動性および生存をはじめとする様々な生物学的過程に関係づけられている。mTORは、成長因子に由来するシグナルと栄養に由来するシグナルの両方を統合してタンパク質翻訳、栄養取り込み、オートファジーおよびミトコンドリア機能を調節する、多機能性キナーゼである。mTORは、mTORC1およびmTORC2と呼ばれる2つの異なる複合体の形態で存在する。mTORC1は、ラプターサブユニットを含有し、およびmTORC2は、リクターサブユニットを含有する。これら2つの複合体は、異なって調節される:mTORC1は、S6キナーゼ(S6K)および4EBP1キナーゼをリン酸化し、従って翻訳およびリボソーム生合成を刺激して、細胞成長および細胞周期進行を助長する。S6Kは、AKTの活性化を低減するためのフィードバック経路においても作用する。mTORC1は、ラパマイシンに対して感受性であり、これに対してmTORC2は、一般に対して非感受性である。mTORC2は、セリン残基473上のAKTをリン酸化することにより成長因子シグナリングを変調するようである。mTORは、特に癌、糖尿病、肥満、心血管疾患および神経障害をはじめとする、様々な病的状態に関係づけられている。mTORは、細胞内および細胞外シグナル、例えば成長因子、栄養、エネルギーレベルおよび細胞ストレスによって輸送されるシグナルを統合することにより翻訳、オートファジーおよびリボソーム生合成をはじめとする多くの生物学的過程を変調する(Guertin D.A.およびSabatini D.、「Cancer Cell」、2007、12:9;Menon S.およびManning B.D.、「Oncogene」、2009、27:S43)。
【0024】
オートファジーの役割
オートファジーは、リソソーム依存性細胞内分解メカニズム(オルガネラ、長寿タンパク質など)である。オートファジー過程は、オートファゴソームと呼ばれる特殊な小胞の形成を含む。クラスIII PI3K脂質キナーゼ(Vps34)は、オートファゴソームの形成に関与する。このクラスIII PI3Kは、イノシトールの位置3のホスファチジルイノシトール(PI)をリン酸化して、ホスファチジルイノシトール−3−三リン酸(PI3P)を生じさせる。PI3Pは、タンパク質、例えばWIPI、DFCP1およびAlfyの動員によるオートファゴソーム形成の重要なセカンドメッセンジャーである。オートファジーは、ストレス状況下の、例えば代謝ストレスに直面している、細胞の生存を可能にする細胞生存メカニズムである。癌の場合、オートファジーは、環境ストレス(例えば、低酸素状態、酸化ストレス、栄養不足)に直面しているが、治療ストレス(抗癌剤、イオン化放射線での治療)にも直面している腫瘍細胞の耐性に関係づけられる。
【0025】
抗マラリア化学療法における用途
マラリアは、世界の死亡率の主な感染原因の1つであり、毎年、1億から2億人を罹患させる。過去数年にわたって観察されたこの疾患の激しい急増は、以下のもの含む幾つかの要因に起因する:
従来の安価な殺虫剤に対して耐性になる媒介動物、即ちアノフェレス蚊、
リスクの高いエリア内の人口の増加、および、主として、
プラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum)(致死型のこの疾患の原因となる寄生虫)の非常に多数の株の、従来から使用されている薬物、例えばクロロキンおよびメフロキンに対する耐性。
【0026】
抗マラリア薬の大部分に対する耐性の、プラスモジウム(Plasmodium)、特にP.ファルシパルム(P.falciparum)、株間での伝播は、新たな作用方式を有するおよび従って交差耐性のリスクの低下を可能にする、新たな化合物の開発が緊急に必要とされていることを明示している。ヒトキナーゼは、非常に多くの病的状態の治療において検証されている標的であり、P.ファルシパルム(P.falciparum)のカイノームは、マラリアの治療にはまだ活用されていない新たな薬物を開発するための新たな標的のレザバーとして提案されている。
【0027】
プラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum)カイノームは、64のキナーゼから成り、これらのキナーゼの一部は、ヒトキナーゼのオルソログである。キナーゼシグナリング経路阻害剤は、インビトロおよびインビボでP.ファルシパルム(P.falciparum)のおよびマラリアの原因となる他の病原種の成長を阻害する能力について試験されている。
【0028】
本発明の分子は、表2に示すように、感染したヒト赤血球を使用するインビトロ試験において1μMおよび0.1μMでP.ファルシパルム(P.falciparum)(高クロロキン耐性株Fam29−カメルーン)の成長を阻害する。
【0029】
類似のカイノームがすべてのプラスモジウム(Plasmodiumu)種、例えば、P.ファルシパルム(P.falciparum)、P.ビバックス(P.vivax)、P.マラリア(P.malariae)、P.オバール(P.ovale)およびP.ノウレシ(P.knowlesi)に存在する。このため、本発明の化合物は、上記で述べたすべての寄生虫によって誘導されるマラリアの治療において使用することができる。加えて、キナーゼは、他の寄生虫、例えばトリパノソーマ(Trypanosoma)(例えば、T.ブルセイ(T.brucei)、T.クルゼイ(T.cruzei))およびリーシュマニア(Leishmania)(例えば、L.メジャー(L.major)、L.ドノバニ(L.donovani))において見つけられる。従って、本発明の化合物は、睡眠病、シャーガス病、様々な形のリーシュマニア症および他の寄生虫感染症の治療において使用することができる。
【0030】
キナーゼ阻害性モルホリノ−ピリミジノン誘導体は、当業者に公知である。
【0031】
出願WO2008/148074には、mTOR阻害活性を有する生成物が記載されている。これらの生成物は、これらの全体的な原子の性質およびこれらの置換のため本発明の生成物とは異なるピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンである。
【0032】
出願WO2008/064244には、癌の、および特に乳癌の、治療において有用であるPI3Kβ阻害生成物TGX−221およびTGX−155の用途が記載されている。これらの生成物は、出願WO2004/016607および国際公開第2001/053266に以前に記載されたピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンであり、これらの全体的な原子の性質およびこれらの置換のため本発明の生成物とは異なる。
【0033】
出願WO2006/109081、WO第2006/109084およびWO第2006/126010には、ATM欠損癌の治療において有用であるDNA−PK阻害生成物が記載されている。これらの生成物は、これらの全体的な原子の性質およびこれらの置換のため本発明の生成物とは異なるピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンである。
【0034】
出願WO2003/024949には、ATM欠損癌の治療において有用であるDNA−PK阻害生成物が記載されている。これらの生成物は、これらの全体的な原子の性質およびこれらの置換のため本発明の生成物とは異なるピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンである。
【0035】
本発明の主題は、すべての可能なラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性体形態での式(I)の生成物:
【0036】
【化1】
(式中、
R1は、Lが、
1から6個の炭素原子を含有するおよびヒドロキシル基で場合により置換されている、線状もしくは分岐アルキル基、
またはCO基、
またはL’−X基(この場合、L’は、1から6個の炭素原子を含有する線状もしくは分岐アルキル基を表し、およびXは、酸素もしくは硫黄原子を表す。)
のいずれかを表すような、−L−アリールまたは−L−ヘテロアリール基を表し;
前記アリールおよびヘテロアリール基は、1つ以上の基で場合により置換されており、該1つ以上の基は、同一であることもありまたは異なることもあり、ハロゲン原子ならびにヒドロキシル、CN、ニトロ−、−COOH、−COOalk、−NRxRy、−CONRxRy、−NRxCORy、NRxCO
2Rz、−CORy、アルコキシ、フェノキシ、アルキルチオ、アルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル基から選択され;
後者のアルコキシ、フェノキシ、アルキルチオ、アルキルおよびヘテロシクロアルキル基は、これら自体、1つ以上の基で場合により置換されており、該1つ以上の基は、同一であることもありまたは異なることもあり、ハロゲン原子およびNRvRwから選択され;
前記ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリール基は、オキソ基を追加で含有する可能性があり;
R2は、水素原子またはアルキル基を表し;
R3は、1個以上のハロゲン原子で場合により置換されているアルキル基を表し;
R4は、水素原子またはハロゲン原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子またはアルキル基を表しならびにRyが水素原子またはシクロアルキル基またはアルキル基(この基は、ヒドロキシル、アルコキシ、NRvRwおよびヘテロシクロアルキル基から選択される、同一であることもありもしくは異なることもある、1つ以上の基で場合により置換されている。)を表すようなものであり;またはRxおよびRyが、これらが結合している窒素原子と一緒に、環状基を形成するようなものであり、該環状基は、3から10の環員を含有し、ならびにO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含有し、この環状基は、場合により置換されており;
NRvRwは、Rvが水素原子またはアルキル基を表しならびにRwが水素原子またはシクロアルキル基またはアルキル基(この基は、ヒドロキシル、アルコキシおよびヘテロシクロアルキル基から選択される、同一であることもあり、もしくは異なることもある、1つ以上の基で場合により置換されている。)を表すようなものであり;またはRvおよびRwが、これらが結合している窒素原子と一緒に、環状基を形成するようなものであり、該環状基は、3から10の環員を含有し、ならびにO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含有し、この環状基は、場合により置換されており;
RxおよびRyまたはRvおよびRwそれぞれが、これらが結合している窒素原子と共に形成することができる環状基は、ハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2、NHalkおよびN(alk)2基から選択される、同一であることもありまたは異なることもある、1つ以上の基で場合により置換されており;
Rzは、水素以外のRyの値を表し;
−NRxCORy、−CORyおよびNRxCO
2Rz基中のRx、RyおよびRzは、Rx、RyおよびRzについて上記に示した意味から選択される。)
ならびにまた該式(I)の生成物の、無機および有機酸とのまたは無機および有機塩基との付加塩である。
【0037】
式(I)の生成物において、
−用語「アルキル(またはalk)基」は、線状の、および適切な場合には分岐した、基メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシルならびにまたヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシル、ならびにまたこれらの線状のまたは分岐した位置異性体を示す:上のリストのうちの1から6個の炭素原子を含有するアルキル基およびさらに特に1から4個の炭素原子を含有するアルキル基が好ましい;
−用語「アルコキシ基」は、線状の、および適切な場合には分岐した、基メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、線状、第二級または第三級ブトキシ、ペントキシまたはヘキソキシ、およびまたこれらの線状のまたは分岐した位置異性体を示す:上のリストのうち1から4個の炭素原子を含有するアルコキシ基が好ましい;
−用語「アルキルチオ基」は、線状の、および適切な場合には分岐した、基メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、線状、第二級または第三級ブチルチオ、ペンチルチオまたはヘキシルチオ、およびまたこれらの線状のまたは分岐した位置異性体を示す:上のリストのうちの1から4個の炭素原子を含有するアルキルチオ基が好ましい;
−用語「ハロゲン原子」は、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素原子、および好ましくは塩素、臭素またはフッ素原子を示す;
−用語「シクロアルキル基」は、3から10個の炭素原子を含有する飽和炭素環式基を示し、従って、特に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基、および最も特にシクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基を示す;
−−O−シクロアルキル基において、シクロアルキルは、上記で定義したとおりである;
−従って、用語「ヘテロシクロアルキル基」は、酸素、窒素または硫黄原子から選択される、同一であることもあり異なることもある、1個以上のヘテロ原子が割り込んでいる、3から10の環員を含有する単環式または二環式の炭素環式基を示す:例えば、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、アジリジル、アゼチジル、ピペラジニル、ピペリジニル、ホモピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラン、オキソジヒドロピリダジニルでなければオキセタニル基の名を挙げることができ;特に、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ホモピペラジニルでなければピロリジニル基の名を挙げることができる;
−用語「アリール」および「ヘテロアリール」は、−C(O)環員を場合により含有することがある、最大で12の環員を含有する単環式または二環式の、それぞれ、炭素環式および複素環式不飽和または部分不飽和基を示し、該複素環式基は、O、NまたはSから選択される、同一であることもありまたは異なることもある、1個以上のヘテロ原子を含有し、前記Nは、適切な場合には、場合により置換されている;
−従って、用語「アリール基」は、6から12の環員を含有する単環式または二環式基、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インデニル、フルオレニルおよびアントラセニル基など、さらに特にフェニルおよびナフチル基、ならびにさらにいっそう特にフェニル基を示す。−C(O)環員を含有する炭素環式基が例えばテトラロン基であることを特筆することができる;
−従って、用語「ヘテロアリール基」は、5から12の環員を含有する単環式または二環式基:単環式ヘテロアリール基、例えば、基:チエニル、例えば2−チエニルおよび3−チエニル、フリル、例えば2−フリルまたは3−フリル、ピラニル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、例えば2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ジアゾリル、チアジアゾリル、チアトリアゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、例えば3−または4−イソオキサゾリル、フラザニル、遊離または塩化テトラゾリルなど(これらの基のすべてが、場合により置換されており、これらの基の中で、特に、基:チエニル、例えば2−チエニルおよび3−チエニル、フリル、例えば2−フリル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジルおよびピリダジニル(これらの基は、場合により置換されている。)である。);二環式ヘテロアリール基、例えば、基:ベンゾチエニル、例えば3−ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ジヒドロキノリル、キノロン、テトラロン、アダマンチル(adamentyl)、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ジヒドロベンゾフラン、エチレンジオキシフェニル、チアントレニル、ベンゾピロリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、チオナフチル、インドリル、アザインドリル、インダゾリル、プリニル、チエノピラゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロシクロペンタピラゾリル、ジヒドロフロピラゾリル、テトラヒドロピロロピラゾリル、オキソテトラヒドロピロロピラゾリル、テトラヒドロピラノピラゾリル、テトラヒドロピリジノピラゾリルまたはオキソジヒドロピリジノピラゾリルなど(これらの基のすべてが、場合により置換されている。)を示す。
【0038】
ヘテロアリールまたは二環式基の例として、上記に示したように同一であることもあり異なることもある1つ以上の置換基で場合により置換されている、ピリミジニル、ピリジル、ピロリル、アザインドリル、インダゾリルまたはピラゾリル、ベンゾチアゾリルまたはベンゾイミダゾリル基の名をさらに特に挙げることができる。
【0039】
式(I)の生成物のカルボキシル基は、当業者に公知の様々な基で塩化またはエステル化されていることがあり、これらの中では、例えば、以下のものの名を挙げることができる:
−塩化化合物の中では、無機塩基、例えば、当量のナトリウム、当量のカリウム、当量のリチウム、当量のカルシウム、当量のマグネシウムもしくは当量のアンモニウムなど、または有機塩基、例えば、メチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エタノールアミン、ピリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、ベンジルアミン、プロカイン、リシン、アルギニン、ヒスチジンおよびN−メチルグルカミンなど;
−エステル化化合物の中では、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルなどを形成するためのアルキル基。これらのアルキル基は、例えばハロゲン原子ならびにヒドロキシル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アミノまたはアリール基から選択される基で置換されている可能性がある(例えば、クロロメチル、ヒドロキシプロピル、メトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、メチルチオメチル、ジメチルアミノエチル、ベンジルまたはフェネチル基の場合のものなど)。
【0040】
式(I)の生成物の無機または有機酸との付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アルコキシモノスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸またはプロパンスルホン酸など、アルコイルジスルホン酸、例えばメタンジスルホン酸またはアルファ,ベータ−エタンジスルホン酸など、アリールモノスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸、およびアリールジスルホン酸とで形成される塩であり得る。
【0041】
立体異性を、この語の広い意味で、同じ構造式を有するが、様々な基が空間内で異なって配置されている化合物の異性、例えば、特に、置換基がアキシアル位にあることもありまたはエクトリアル位にあることもある一置換シクロヘキサンおよび様々な可能な回転配座のエタン誘導体におけるもの、と定義できることを想起することができる。しかし、二重結合上のまたは環上の固定置換基の異なる空間配置に起因する別のタイプ立体異性が存在し、このタイプの立体異性は、多くの場合、幾何異性またはシス−トランス異性と呼ばれる。用語「立体異性体」は、この用語の最も広い意味で本出願では用いており、従って、上記に示した化合物すべてに関する。
【0042】
本発明の主題は、すべての可能なラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー形態での、上記で定義したとおりの式(I)の生成物(式中、
R1は、Lが
1から6個の炭素原子を含有するおよびヒドロキシル基で場合により置換されている、線状もしくは分岐アルキル基、
またはCO基、
またはL’−X基(この場合、L’は、1から6個の炭素原子を含有する線状もしくは分岐アルキル基を表し、およびXは、酸素もしくは硫黄原子を表す。)
のいずれかを表すような、−L−フェニルまたは−L−ヘテロアリール基を表し;
該フェニルおよびヘテロアリール基は、1つ以上の基で場合により置換されており、該1つ以上の基は、同一であることもありまたは異なることもあり、ハロゲン原子ならびに−NRxRy、アルコキシおよびアルキル基から選択され;
後者のアルコキシおよびアルキル基は、これら自体、ハロゲン原子から選択される1つ以上の基で場合により置換されており;
R2は、アルキル基を表し;
R3は、1個以上のハロゲン原子で場合により置換されているアルキル基を表し;
R4は、水素原子またはフッ素原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子もしくはアルキル基基を表し、およびRyが水素原子もしくはアルキル基を表すようなものであり;またはRxおよびRyが、これらが結合している窒素原子と一緒に、モルホリノ基を形成するようなものであり;
すべての上記アルキル(alk)またはアルコキシ基は、線状でありまたは分岐しており、および1から6個の炭素原子を含有する。)、
ならびにまた該式(I)の生成物の、無機および有機酸とのまたは無機および有機塩基との付加塩である。
【0043】
特に、NRxRyまたはNRvRwが、上記で定義したように環を形成するとき、このようなアミン環は、特に、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、アゼピニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、ピペラジニルまたはホモピペラジニル基から選択することができ、これらの基は、上記で示したまたは下記に示すように、これら自体、場合により置換されている。
【0044】
さらに特に、NRxRyまたはNRvRw環は、基:ピロリジニル、1つもしくは2つのアルキル基で場合により置換されているモルホリニル、または第二の窒素原子がアルキル、フェニルまたはおよびCH2−フェニル基(これらの基自体が、ハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択される、同一であることもありまたは異なることもある、1つ以上の基で場合により置換されている。)で場合により置換されているピペラジニルから選択することができる。
【0045】
本発明の主題は、最も特に、以下の式に対応する、上記で定義したとおりの式(I)の生成物:
−(2S)−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−ベンジル−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(2−フェニルエチル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(3−フェニルプロピル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(2−フェノキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[2−(フェニルスルファニル)エチル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(2R)−2−フェニルプロピル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(2S)−2−フェニルプロピル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(2S)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(2S)−1−フェニルプロパン−2−イル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(1S)−1−フェニルプロピル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(1R)−1−フェニルプロピル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−{2−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(1−フェニルエチル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2−ジメチル−7−(モルホリン−4−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン、ならびにまた該式(I)の生成物の、無機および有機酸とのまたは無機および有機塩基との付加塩である。
【0046】
本発明の主題は、特に、以下の式に対応する、上記で定義したとおりの式(I)の生成物:
−(2S)−6−フルオロ−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−ベンジル−6−フルオロ−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−6−フルオロ−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−ベンジル−6−フルオロ−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(5−クロロ−1−ベンゾチオフェン−3−イル)メチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(フェニルカルボニル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(1Rまたは1S)−1−(3−フルオロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キノリン(quinolein)−6−イル]メチル}−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン・トリフルオロ酢酸塩
−(2S)−1−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−(2,3−ジフルオロベンジル)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[2−(3−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[2−(2−クロロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(1Rまたは1S)−1−フェニルエチル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(1Rまたは1S)−1−フェニルエチル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(2−クロロフェニル)カルボニル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−1−[(2−メチルフェニル)カルボニル]−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(1Rまたは1S)−1−(2−フルオロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(1Rまたは1S)−1−(2−フルオロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(S)−1−[2−(2−フルオロ−4,5−ジメトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン
−(S)−1−[(S)−2−ヒドロキシ−2−(2−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン
−(S)−1−[(S)−2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン
−(S)−1−[(S)−2−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン
−(S)−1−[(S)−2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン、ならびにまた該式(I)の生成物の、無機および有機酸とのまたは無機および有機塩基との付加塩である。
【0047】
本発明の主題は、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の任意の調製方法でもある。
【0048】
本発明の生成物は、従来の有機化学法を用いて調製することができる。
【0049】
式(I)の化合物の調製
下の一般スキーム1は、式(I)の生成物を調製するために用いる方法を図解するものである。この態様において、これらのスキームは、請求項記載の化合物を調製する方法に関しての本発明の範囲の制限となることはあり得ない。
【0050】
例えば、本発明による上記で定義したとおりの式(I)の生成物は、特に、スキーム1に記載する方法に従って調製することができる。
【0051】
例えば、本発明の主題は、下記で定義するとおりの一般スキーム1に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0052】
一般スキーム1:
【0053】
【化2】
一般スキーム1において:
ジアミンAは、市販されているか、R2=CF
3およびR3=MeのときにはT.Brigaudらにより「J.Org.Chem.」2006、71(18)、7075−7078に記載された方法に従ってキラルまたはラセミバージョンで、または他の場合にはこの同じ参考文献の類推により調製される。
【0054】
グアニジンBは、例えば、T.Galletら(EP1340761 2003)によって記載された条件に従って、水またはアセトニトリルなどの溶媒中、0℃と溶媒の沸点の間の温度で、ジアミンAとシアノゲンブロミドを反応させることによって得ることができる。
【0055】
化合物Dは、例えば、Badawey E.−S.A.M.ら(「Eur J Med Chem」、1998、33(5)、349―361)によって記載されたように、ナトリウムメトキシドなどの塩基の存在下、60℃と100℃の間の温度でのグアニジンBとマロン酸ジアルキル(好ましくは、ジエチル)Cとの縮合によって得ることができる。
【0056】
化合物Eは、化合物Dから、溶媒不在下、20℃と120℃の間の温度で、またはジクロロメタンなどの溶媒の存在下、20℃と溶媒の沸点の間の温度で、例えばYamashita,Aら(「Syn.Commun.」(2004),34(5),795−803))によって記載された条件下記で、オキシ塩化リンなどの塩素化剤での処理によって得ることができる。
【0057】
化合物Fは、化合物Dから、例えば、Aliabiev S.B.(「Lett.Org.Chem.」(2007),4(4),273−280)によって記載されたように、溶媒の不在下、20℃と120℃の間の温度での、またはアセトニトリルなどの溶媒の存在下、20℃と溶媒の還流温度の間の温度でのモルホリンとの反応によって得ることができる。
【0058】
化合物(I)は、0℃と80℃の間の温度で、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの溶媒中の化合物Fと過剰な塩基、例えば水素化ナトリウムまたは炭酸セシウムの混合物への化合物G(R1−X、式中、R1=上記で定義したとおりのL−アリールまたはヘテロアリール、ならびにアルキル化の場合にはX=Cl、Br、IまたはOTfおよびアシル化の場合にはX=Cl)の添加により、アルキル化またはアシル化反応によって、アルキル化反応の場合には例えばTing P.C.ら(「J.Med.Chem.」(1990)、33(10)、2697−2706)によって記載されたように、得ることができる。
【0059】
E.P.Seestらによって「Tet.Assymetry」、17(2006)2154−2182に記載された手順に従って、キラル1−アリール−2−クロロエタノールまたは1 ヘテロアリール−2−クロロエタノールに対応する化合物Gを、対応するクロロケトン誘導体から合成した(誘導体自体は、市販のアセチル誘導体の、標準条件下記での、塩素化から誘導される。)。
【0060】
または、化合物(I)は、化合物Jから、例えばAliabiev S.B.(「Lett.Org.Chem.」(2007),4(4),273−280)によって記載されたように、溶媒の不在下、20℃と120℃の間の温度での、またはアセトニトリルなどの溶媒の存在下、20℃と溶媒の還流温度の間の温度でのモルホリンとの反応によって得ることができる。
【0061】
化合物Jは、0℃と80℃の間の温度で、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの溶媒中の化合物Fと過剰な塩基、例えば水素化ナトリウムまたは炭酸セシウムの混合物への化合物G(R1−X、式中、R1=上記で定義したとおりのL−アリールまたはヘテロアリール、ならびにアルキル化の場合にはX=Cl、Br、IまたはOTfおよびアシル化の場合にはX=Cl)の添加により、アルキル化またはアシル化反応によって、アルキル化反応の場合には例えばTing P.C.ら(「J.Med.Chem.」(1990)、33(10)、2697−2706)によって記載されたように、得ることができる。
【0062】
または、化合物Jは、例えば、Mitsunobu O.ら、(「Synthesis」、(1981)、1−28)によって記載されたように、アゾジカルボン酸ジエチルのおよび(場合により樹脂に固定されている。)トリフェニルホスフィンの存在下、テトラヒドロフランなどの溶媒中、0℃と65℃の間の温度での化合物EとアルコールHとの光延(Mitsunobu)反応によって得ることができる。
【0063】
R2がR3と異なるとき、および合成が立体選択的でない場合、合成中間体のまたは化合物(I)のエナンチオマーまたは可能なジアステレオ異性体をキラル支持体でのクロマトグラフィーによって分離することができる。
【0064】
式(I)の下記の例は、本発明の例証となるが、本発明を限定しない。
【0065】
式A、BまたはCの出発化合物の中で、一部は公知であり、商業的に得ることができ、または市販製品から当業者に公知の常法に従って得ることができる。
【0066】
上記で説明した本発明による方法を実行するために、アミノ、カルボキシルおよびアルコール官能基のための保護基を導入して副反応を防止する必要がある場合があることは、当量者には理解される。
【0067】
反応性官能基の保護についての例の以下の非包括的リストに記述することができる:
−ヒドロキシル基は、例えば、アルキル基、例えばtert−ブチル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジルまたはアセチル、で保護することができる、
−アミノ基は、例えば、アセチル、トリチル、ベンジル、tert−ブトキシカルボニル、BOC、ベンジルオキシカルボニルもしくはフタルイミド基またはペプチド化学において公知の他の基で保護することができる。
【0068】
酸官能基は、例えば、容易に切断可能なエステル、例えばベンジルまたはtert−ブチルエステル、またはペプチド化学において公知のエステルを用いて形成されたエステルの形態で、保護することができる。
【0069】
使用することができる様々な保護基のリストは、当業者に公知のマニュアルにおいて、および例えば、BF2,499,995において見つけられるだろう。
【0070】
所望される場合にはおよび必要な場合には、上記に示した方法によりこのようにして得た中間生成物または式(I)の生成物を、単中間体または式(I)の他の生成物を得るために、当業者に公知の1つ以上の転化反応、例えば、
a)酸官能基のエステル化のための反応、
b)酸官能基を得るための、エステル官能基の鹸化のための反応、
c)アルコール官能基を得るための、遊離またはエステル化カルボキシル官能基の還元のための反応、
d)ヒドロキシル官能基を得るためのアルコキシ官能基の、でなければアルコキシ官能基を得るためのヒドロキシル官能基の、転化のための反応、
e)保護された反応性基を有し得る保護基の除去のための反応、
f)対応する塩を得るための、無機もしくは有機酸でのまたは塩基での塩化のための反応、
g)分割された生成物を得るための、ラセミ形を分割するための反応、
に付すことが可能であること、このようにして式(I)の生成物をすべての可能なラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性体形態で得られることを特筆することができる。
【0071】
反応a)からg)は、例えば下記に示すものなどの、当業者に公知の通常の条件下記で行うことができる。
【0072】
a)上記で説明した生成物は、所望される場合には、可能なカルボキシル官能基がエステル化反応の対象になり得、該反応は、当業者に公知の常法に従って行うことができる。
【0073】
b)上記で説明した生成物の酸官能基を得るためのエステル官能基の可能な転化は、当業者に公知の通常の条件下記で、特に、メタノールなどのアルコール媒体中−での例えば水酸化ナトリウムまたは水酸カリウムでの、でなければ塩酸または硫酸での、酸またはアルカリ加水分解により行うことができる。
【0074】
鹸化反応は、例えば、メタノールまたはエタノール、ジオキサンまたはジメトキシエタンなどの溶媒中、水酸化ナトリウムのまたは水酸化カリウムの存在下などの、当業者に公知の常法に従って行うことができる。
【0075】
c)所望される場合には、上記で説明した生成物の可能な遊離またはエステル化カルボキシル官能基を、当業者に公知の方法によって還元してアルコール官能基を得ることができる:所望される場合には、可能なエステル化カルボキシル官能基を、当業者に公知の方法により、および特に、例えばテトラヒドロフランでなければジオキサンもしくはエチルエーテルなどの溶媒中、水素化アルミニウムリチウムで、還元してアルコール官能基を得ることができる。
【0076】
所望される場合には、上記で説明した生成物の可能なカルボキシル官能基を、特に水素化ホウ素で、還元してアルコール官能基を得ることができる。
【0077】
d)必要な場合には、上記で説明した生成物の可能なアルコキシ官能基、例えば、特にメトキシ官能基を、当業者に公知の通常の条件下記で、例えば、溶媒(例えば塩化メチレンなど)中の三臭化ホウ素で、ピリジン臭化水素酸塩または塩酸塩で、でなければ還流させながら水またはトリフルオロ酢酸中の臭化水素酸または塩酸で、ヒドロキシル官能基に転化させることができる。
【0078】
e)例えば上記に示したものなどの保護基の除去は、当業者に公知の通常の条件下記で、特に、酸、例えば塩酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、ギ酸またはトリフルオロ酢酸を用いて行う酸加水分解により、でなければ接触水素化により、行うことができる。
【0079】
フタルイミド基は、ヒドラジンで除去することができる。
【0080】
f)上記で説明した生成物は、所望される場合には、当業者に公知の常法による、例えば無機もしくは有機酸でのまたは無機もしくは有機塩基での塩化反応の対象に成り得:このような塩化反応は、例えば、塩酸の存在下記でなければ酒石酸、クエン酸またはメタンスルホン酸の存在下、エタノールまたはメタノールなどのアルコール中で行うことができる。
【0081】
g)上記で説明した生成物の可能な光学活性形は、当業者に公知の常法に従ってラセミ混合物を分割することにより調製することができる。
【0082】
上記で定義したとおりの式(I)の生成物、およびまたこれらの生成物の酸との付加塩は、上記で示したように、特にこれらのキナーゼ阻害特性のため、有利な薬理特性を有する。
【0083】
本発明の生成物は、特に、腫瘍療法において使用することができる。
【0084】
従って、本発明の生成物は、一般に用いられる抗腫瘍剤の治療効果を増加させることもできる。
【0085】
これらの特性が療法におけるこれらの使用を正当化する。本発明の主題は、特に、薬物としての、すべての可能なラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性体形態での、上記で定義したとおりの式(I)の生成物、ならびにまた該式(I)の生成物の、無機および有機酸とのまたは無機および有機塩基との医薬的に許容される付加塩である。
【0086】
本発明の主題は、最も特に、薬物としての、以下の式に対応する生成物:
−(2S)−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−ベンジル−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(2−フェニルエチル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(3−フェニルプロピル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(2−フェノキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[2−(フェニルスルファニル)エチル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(2R)−2−フェニルプロピル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(2S)−2−フェニルプロピル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(2S)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(2S)−1−フェニルプロパン−2−イル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(1S)−1−フェニルプロピル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(1R)−1−フェニルプロピル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−{2−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(1−フェニルエチル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2−ジメチル−7−(モルホリン−4−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−6−フルオロ−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−ベンジル−6−フルオロ−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(5−クロロ−1−ベンゾチオフェン−3−イル)メチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−(フェニルカルボニル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(1Rまたは1S)−1−(3−フルオロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キノリン(quinolein)−6−イル]メチル}−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン・トリフルオロ酢酸塩
−(2S)−1−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−(2,3−ジフルオロベンジル)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[2−(3−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[2−(2−クロロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(1Rまたは1S)−1−フェニルエチル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−1−[(1Rまたは1S)−1−フェニルエチル]−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(2−クロロフェニル)カルボニル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−2−メチル−1−[(2−メチルフェニル)カルボニル]−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(1Rまたは1S)−1−(2−フルオロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(2S)−1−[(1Rまたは1S)−1−(2−フルオロフェニル)エチル]−2−メチル−7−(モルホリン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オン
−(S)−1−[2−(2−フルオロ−4,5−ジメトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン
−(S)−1−[(S)−2−ヒドロキシ−2−(2−メトキシフェニル)エチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン
−(S)−1−[(S)−2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン
−(S)−1−[(S)−2−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン
−(S)−1−[(S)−2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5−オン、ならびにまた該式(I)の生成物の、無機および有機酸とのまたは無機および有機塩基との医薬的に許容される付加塩である。
【0087】
本発明は、上記で定義したとおりの式(I)の生成物またはこの生成物の医薬的に許容される塩またはこの生成物のプロドラッグのうちの少なくとも1つを活性成分として含有すると共に適切な場合には医薬的に許容される担体を含有する、医薬組成物にも関する。
【0088】
従って、本発明は、上記で定義したとおりの少なくとも1つの薬物を活性成分として含有する医薬組成物にわたる。
【0089】
本発明のこのような医薬組成物は、適切な場合には、他の細胞分裂抑制薬の活性成分、例えば、特に、タキソール、シス−プラチン、DNA介在物質これらに類するものに基づくものも含有することがある。
【0090】
これらの医薬組成物を経口的に、非経口的に、または皮膚もしくは粘膜への局所適用により局部的に、または静脈内もしくは筋肉内注射により投与することができる。
【0091】
これらの組成物は、固体であることもありまたは液体であることもあり、および人間用薬物に一般に使用されるすべての製剤形態、例えば、単純もしくは糖衣錠剤、ピル、ロゼンジ、ゲルカプセル、滴剤、顆粒、注射用製剤、軟膏、クリームまたはゲルであり得;これらは、常法に従って調製される。これらの医薬組成物に通常使用される賦形剤、例えば、タルク、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、カカオ脂、水性もしくは非水性担体、動物もしくは植物由来の脂肪物質、パラフィン誘導体、グリコール、様々な湿潤剤、分散剤もしくは乳化剤、または保存薬中の前記活性成分を、これらの医薬組成物に組み込むことができる。
【0092】
通常の投薬量は、使用される生成物、治療を受ける個体および問題の状態に依存して可変的であり、例えば、成体では1日あたり0.05から5g、または好ましくは1日あたり0.1から2gであり得る。
【0093】
本発明の主題は、プロテインキナーゼまたは脂質キナーゼの活性の調節不全を特徴とする疾患の治療または予防において使用するための薬物の調製のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の使用でもある。
【0094】
本発明の主題は、特に、様々な疾患、例えば心血管疾患(特に、血栓症を含む。)、予防または治療において使用するための薬物の調製のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の使用である。
【0095】
前述の薬物は、特に、哺乳動物における疾患の治療または予防における使用を意図したものであり得る。
【0096】
本発明の主題は、特に、無制御増殖に関連した疾患の予防または治療において使用するための薬物の調製のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の使用である。
【0097】
従って、最も特に、本発明の主題は、腫瘍学に関する疾患の治療および予防において使用するための、および特に癌の治療において使用するための薬物の調製のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の使用である。
【0098】
これらの癌の中で、固形または液体腫瘍の治療に、および細胞傷害剤に対して耐性の癌の治療に焦点を置く。
【0099】
本発明の特記する化合物は、特に、胃、肝(hepaptic)、腎、卵巣、結腸、前立腺、子宮内膜および肺(NSCLCおよびSCLC)癌、膠芽腫、甲状腺、膀胱および乳癌における、黒色腫における、リンパ性または骨髄性造血器腫瘍における、肉腫における、脳、咽頭およびリンパ系癌、骨および膵癌における、ならびに過誤腫における、原発性腫瘍および/または転移の治療にとりわけ使用することができる。特に、PI3K/AKT/mTOR経路の活性化および/またはMAPキナーゼ経路の活性化を生じさせる結果となる遺伝子異常を示す疾患も含まれる。
【0100】
本発明の主題は、癌化学療法において使用するための薬物の調製のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の使用でもある。
【0101】
従って、本発明の主題は、癌の治療において使用するための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物である。
【0102】
本発明の主題は、固形または液体腫瘍の治療において使用するための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物である。
【0103】
従って、本発明の主題は、細胞傷害剤に対して耐性の癌の治療において使用するための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物である。
【0104】
従って、本発明の主題は、特に、胃、肝、腎、卵巣、結腸、前立腺、子宮内膜および肺(NSCLCおよびSCLC)癌、膠芽腫、甲状腺、膀胱および乳癌における、黒色腫における、リンパ性または骨髄性造血器腫瘍における、肉腫における、脳、咽頭およびリンパ系癌、骨および膵癌における、ならびに過誤腫における、原発性腫瘍のおよび/または転移の治療において使用するための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物である。
【0105】
従って、本発明の主題は、癌化学療法において使用するための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物である。
【0106】
従って、本発明の主題は、癌化学療法において単独使用または併用するための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物である。
【0107】
癌化学療法において使用するための上記の薬物は、単独使用することができ、または併用することができる。
【0108】
詳細には、本発明の生成物は、単独で、または化学療法もしくは放射線療法と併用で、でなければ例えば他の治療薬と併用で投与することができる・
前述の治療薬は、一般に使用されている抗腫瘍薬である場合がある。
【0109】
特に、本発明の生成物を様々な標的療法と併用で投与することにより治療的恩恵を期待することができる。これらの標的療法は、特に、次のものである:i)MAPキナーゼシグナリング経路を阻害する療法、例えば、RAS、RAF、MEKまたはERKを阻害する療法;ii)PI3K/AKT/mTOR経路のキナーゼまたは偽キナーゼ、例えばEGFR、HER2、HER3、ALK、MET、PI3K、PDK1、AKT、mTORおよびS6Kを阻害する標的療法。
【0110】
本発明の主題は、特に、リソソーム病、例えば糖原病II型またはポンぺ病の予防または治療において使用するための薬物の調製のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の使用である。リソソーム病の治療において使用するための前述の薬物は、単独で使用することができ、または例えば他の治療薬と、併用することができる。
【0111】
従って、本発明の主題は、リソソーム病、例えば糖原病II型またはポンぺ病の予防または治療のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物である。
【0112】
従って、本発明の主題は、リソソーム病、例えば糖原病II型またはポンぺ病の予防または治療において使用するための薬物の調製のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の使用である。
【0113】
従って、本発明の主題は、前記式(I)の生成物が単独または併用でのものである、上記で定義したとおり使用である。
【0114】
本発明の主題は、寄生虫病、例えばマラリア、睡眠病、シャーガス病またはリーシュマニア症の治療のために使用する薬物の調製のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の使用でもある。寄生虫感染症の治療において使用するための前述の薬物は、単独で使用することができ、または例えば他の治療薬と、併用することができる。
【0115】
従って、本発明の主題は、寄生虫病、例えばマラリア、睡眠病、シャーガス病またはリーシュマニア症の治療のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物である。
【0116】
従って、本発明の主題は、寄生虫病、例えばマラリア、睡眠病、シャーガス病またはリーシュマニア症を治療するための薬物の調製のための、上記で定義したとおりの式(I)の生成物の使用である。
【0117】
本発明の主題は、新規工業製品としての、上記で定義したおよび下記に再記するとおりの式C、D、FおよびJの合成中間体でもある:
【0118】
【化3】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、請求項1および2のいずれか一項に示す定義を有する。)。