特許第5666455号(P5666455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5666455-粉末調味料およびその製造方法 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666455
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】粉末調味料およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 1/22 20060101AFI20150122BHJP
   A23L 1/317 20060101ALN20150122BHJP
   A23L 1/48 20060101ALN20150122BHJP
【FI】
   A23L1/22 D
   !A23L1/317 Z
   !A23L1/48
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-530846(P2011-530846)
(86)(22)【出願日】2010年9月8日
(86)【国際出願番号】JP2010065393
(87)【国際公開番号】WO2011030779
(87)【国際公開日】20110317
【審査請求日】2013年8月27日
(31)【優先権主張番号】特願2009-209386(P2009-209386)
(32)【優先日】2009年9月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004477
【氏名又は名称】キッコーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
(72)【発明者】
【氏名】中村 覚
【審査官】 渡邉 潤也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/081800(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/66437(WO,A1)
【文献】 特開2000−014394(JP,A)
【文献】 特開2001−037440(JP,A)
【文献】 特開2007−125002(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/077359(WO,A1)
【文献】 特開昭48−098095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 1/22
A23L 1/317
A23L 1/48
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Thomson Innovation
G−Search
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目開き0.3mmのふるいを通過する大きさに粉砕した小麦ふすまを含有する培地で培養した液体麹で蛋白質原料を加水分解し、加水分解後に固形分を除去することなく、これを噴霧乾燥することを特徴とする粉末調味料の製造方法。
【請求項2】
目開き0.3mmのふるいを通過する大きさに粉砕した小麦ふすまを含有する培地で培養した液体麹で蛋白質原料を加水分解した加水分解生成物を含有し、不溶性固形分を5%(w/w)以上含む粉末調味料。
【請求項3】
請求項2記載の粉末調味料を含有する飲食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末調味料およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末調味料の保存安定性を高めるために、一般には、得られる粉末の20〜40重量%となるように、デキストリンなどの賦形剤を添加混合し、粉末化する方法が用いられている。また、蛋白質加水分解調味液から得られる粉末調味料では、その水分含量を著しく低くすると、保存期間中の色の増加や固結などの保存安定性の低下が著しく改善されること(例えば、特許文献1参照)、微細な水不溶性食物ファイバーを添加して調味料の固結を防止する方法(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
【0003】
一方、醤油諸味を強制的に網濾過して、原料由来の不可食部分を除去して、噴霧乾燥などを行い乾燥粉末にする粉末調味料の製造方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。諸味から不可食部分を除去せずに乾燥粉末を製造する方法としては、ドラムドライヤーなどによりフィルム状にして乾固するか、凍結乾燥を行った後に粉砕する方法が知られているが、乾燥工程と粉砕工程が別々に必要であり、しかも、乾燥した調味料の全量を粉砕する必要がある。また、乾燥と同時に粉末を作ることができる噴霧乾燥では、諸味の不可食部分がノズルに詰まるために噴霧乾燥は行えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−37440号公報
【特許文献2】特許第3027977号公報
【特許文献3】特開平11−32718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、圧搾や濾過などの固形分を除去する工程を必要とせず、そのまま噴霧乾燥が可能で、工業的に実施するのに有利なうえに、従来知られている蛋白質加水分解液から得られる粉末調味料よりも粉末化後の保存期間中に色の増加や固結が少なく保存安定性の高い粉末調味料を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、小麦ふすまを目開き0.3mmのふるいを通過する大きさに粉砕し、これを培地として培養した液体麹で蛋白質原料を加水分解すれば、加水分解後に固形分を除去することなく噴霧乾燥が可能で、しかも、意外なことに、このようにして得られた粉末調味料は、従来知られている蛋白質加水分解調味液から得られる粉末調味料よりも保存中に色が濃くなりにくく、固結しにくいことを知り、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は以下に示す粉末調味料およびその製造方法である。
(1)目開き0.3mmのふるいを通過する大きさに粉砕した小麦ふすまを含有する培地で培養した液体麹で蛋白質原料を加水分解し、加水分解後に固形分を除去することなく、これを噴霧乾燥することを特徴とする粉末調味料の製造方法。
(2)目開き0.3mmのふるいを通過する大きさに粉砕した小麦ふすまを含有する培地で培養した液体麹で蛋白質原料を加水分解した加水分解生成物を含有し、不溶性固形分を5%(w/w)以上含む粉末調味料。
(3)上記(2)の粉末調味料を含有する飲食品。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、圧搾や濾過などの固形分を除去する工程を必要とせず、そのまま噴霧乾燥が可能で、工業的に実施するのに有利なうえに、従来知られている蛋白質加水分解液から得られる粉末調味料よりも粉末化後の保存期間中に色の増加や固結が少なく保存安定性の高い粉末調味料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】対照例(従来品)に対する本発明の評価(一対比較法)の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するには、まず、小麦ふすまを目開き0.3mmのふるいを通過する大きさになるまで粉砕する。小麦ふすまとしては、液体麹の製造に従来から使用されているものを特に制限なく使用することができる。小麦ふすまの粉砕は常法により行えばよい。
【0011】
次に、目開き0.3mmのふるいを通過する大きさになるまで粉砕した小麦ふすまを培地に使用して常法にしたがって液体麹を製造する。液体麹の製造は、例えば特開2002−218970号公報の記載に準じて行うことができる。液体麹の好ましい製造方法を以下に述べる。
【0012】
まず、目開き0.3mmのふるいを通過する大きさになるまで粉砕した小麦ふすまと水を混合して培地とする。その際、小麦ふすまに対して10〜30重量倍の水を混合することが好ましい。次に、培地をpH6〜9に調整することが好ましい。pH調整は常法により行えばよい。その後、この培地を加熱滅菌処理することが好ましい。
次に、上記培地に液体培養物を混和する。液体培養物は、上記培地100kgに対し液体培養物0.05〜0.3Lの割合で混和することが好ましい。液体培養物としては、従来より液体麹の製造に使用されているものを用いることができる。例えば、液体培養物は、アスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・ソーヤ等の微生物を用いた麹を液体培地に接種し、pH6〜9、25〜35℃で、48〜96時間通気攪拌培養することによって得ることができる。通気量は0.25〜0.75vvmとすることが好ましい。液体培地への麹の接種量は、液体培地中の胞子濃度が100〜500個/mlになるように接種することが好ましい。液体培養物の調製に使用する上記液体培地としては、上記微生物が生育できるものであればどのような培地でもよい。例えば、可溶性澱粉、グルコースなどの炭素源:大豆粉、分離大豆蛋白、酵母エキスなどの窒素源:微量栄養素(CaCl2、KH2PO4、MgSO4)及びシリコン油、醤油油などの消泡剤などを適宜含有する液体培地が挙げられる。
続いて、液体培養物を混和した小麦ふすま含有培地を通気攪拌培養することによって液体麹が得られる。ここでの培養は、通気量0.25〜0.75vvm、25〜35℃で、48〜96時間行うことが好ましい。
【0013】
本発明の粉末調味料の製造方法においては、蛋白質原料をこの液体麹で加水分解する。より詳しくは、蛋白質原料に対し液体麹と必要に応じて水とを混和し、これに食塩を加え、または加えることなく加水分解を行って諸味(加水分解生成物)を調製する。加水分解は、食塩濃度0〜15%、温度15〜60℃、期間1〜7日の条件下に保持することによって行なうことが好ましい。蛋白質原料と液体麹と水の混和割合は、液体麹100Lに対し、蛋白質原料40〜80kg、水0〜50Lの割合が好ましい。
得られた加水分解生成物は、圧搾や濾過などによる固形分の除去をしないで、そのまま噴霧乾燥する。
【0014】
本発明で使用される蛋白質原料としては、蛋白質含量の多い原料、例えば、穀類などの植物性蛋白質を含有するものや家畜、鯨や魚などの動物性蛋白質を含有するものなどが挙げられる。
植物性蛋白質としては、例えば、大豆から得られる大豆蛋白や小麦、トウモロコシなどから得られる小麦グルテン、トウモロコシグルテンなどが挙げられる。動物性蛋白質としては、例えば、動物の皮のコラーゲンから得られるゼラチン、動物の肉や卵、乳から得られるアルブミンやグロブリンなどが挙げられる。これらのうち、コストの点から小麦グルテンが最も好適に用いられる。
【0015】
さらに、本発明では、これらの植物性蛋白質や動物性蛋白質などを公知の方法により抽出したものや必要により部分精製や精製した精製蛋白質も、蛋白質を含有する原料として挙げられる。精製工程において、炭水化物の含量を極力低下させたもの、例えば、蛋白質含量を50重量%以上に精製したものが、本発明において好適に用いられる。上記蛋白質は変性した物でも、未変性の物でもいずれでも用いることができる。例えば、抽出・精製工程において、適宜、物理的や化学的な変性を受けたものでもよい。物理的な変性としては、加熱、加圧、凍結などによる変性、化学的な変性としては、酸、アルカリ、アルコールなどによる変性などが挙げられる。これらの精製蛋白質を単独または組み合わせて用いることもできる。
【0016】
噴霧乾燥は、加水分解生成物に賦形剤を添加してから行うことができる。加水分解時の食塩濃度が5%以上の場合は賦形剤を添加することが好ましい。噴霧乾燥のために添加する賦形剤としては、デキストリン、ゼラチン、可溶性デンプン等が用いられる。賦形剤の添加量は、加水分解生成物に対して5〜30%(w/v)が好ましく、15〜25%(w/v)がより好ましい。5%(w/v)未満では粉末調味料の回収率が悪くなり、30%(w/v)を超えると粉末調味料の風味がぼやけてしまう。
【0017】
噴霧乾燥は、通常の噴霧乾燥装置(スプレードライヤー)を用いて行うことができる。噴霧乾燥の条件は、熱風入口温度160〜200℃、出口温度70〜100℃、特に80〜100℃が好ましい。温度が低すぎると噴霧乾燥の効率が低下し、反対に高すぎると粉末調味料に焦臭が付着するので好ましくない。
【0018】
このようにして、圧搾や濾過などの固形分を除去する工程を必要とせず、そのまま噴霧乾燥が可能で、工業的に実施するのに有利なうえに、従来知られている蛋白質加水分解液から得られる粉末調味料よりも粉末化後の保存期間中に色の増加や固結が少なく保存安定性の高い粉末調味料を得ることができる。
【0019】
保存安定性を一層確実にする上で、該粉末調味料は、不溶性固形分を5%(w/w)以上含んでいることが好ましい。粉末調味料の風味の観点から、粉末調味料中に含まれる不溶性固形分の量は、多くても10%(w/w)であることが好ましい。なお、本発明における不溶性固形分とは、粉末調味料を水に溶解し、濾紙濾過して得られる水に溶解しない固形分のことである。不溶性固形分は、主に液体麹由来の小麦ふすまからなり、その他に、液体麹由来の菌体、蛋白質原料が含まれる。不溶性固形分量を測定する際に使用する濾紙としては、JIS P 3801に規定される2種のもの(例えば、アドバンテック社製No.2)を用いる。
【0020】
本発明の粉末調味料は、安価で、保存後の加水復元性が非常に良好で、その混濁液は、旨味が濃厚で、しかも淡色であるため、種々の飲食品に好適に利用できる。例えば、即席麺(即席ラーメン、即席うどん、即席そばなど)の調味素材、各種のスープの素、各種たれ(焼肉たれ、すき焼きたれなど)、つゆ類の調味料、各種漬物用調味料、ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセージ、ビーフジャーキー等の畜肉加工食品の調味料、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、ちくわ、はんぺん等の水産加工食品の調味料、うに、イカの塩辛、魚、貝の干物などの各種珍味加工食品、のり、小魚、するめ、野菜、山菜、茸、昆布等で作られる佃煮類の調味料、即席カレー、レトルトカレーの調味料、ケチャップ、マヨネーズ等の各種調味料の旨味増強材、各種レンジ食品または冷凍食品等の旨味増強材、として好適に利用することができる。これらの飲食品における粉末調味料の使用量は、飲食品の種類等によって適宜決定することができるが、通常、0.1〜5.0%(v/v)の範囲から選択することが好ましい。
【0021】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明する。
【実施例1】
【0022】
(液体麹の製造)
小麦ふすまを常法により粉砕し、目開き0.3mmのふるいを使用して分別し、目開き0.3mmのふるいを通過する大きさに粉砕した小麦ふすまを得た。
次に、タンク内に2段6枚平羽根タ−ビンを有し、底部に多数の通気ノズルを開口した容量2000Lの発酵タンクに、上記小麦ふすま80kgを水1600Lとともに投入し、pHを6.5に調整して、常法により加熱滅菌処理した。これに、別に調製したアスペルギルス・オリゼの液体培養物4Lを混和して、通気量0.5vvm、撹拌数200rpm、温度30℃の条件で通気撹拌培養を72時間行い、液体麹を得た。
【0023】
(粉末調味料の製造)
上記液体麹100Lに小麦グルテン60kg、飽和食塩水55Lを混和し、これを45℃で96時間加水分解し、小麦グルテンの加水分解生成物を得た。得られた加水分解生成物は、圧搾や濾過をせずに、加水分解生成物に対し15%(w/v)のデキストリンを添加溶解し、噴霧乾燥装置(スプレードライヤー)にて、入口温度180〜200℃、出口温度80〜100℃の条件で乾燥粉末化し、本発明の粉末調味料を得た。
【0024】
(対照例の粉末調味料)
比較のため、上記本発明の粉末調味料の製造法において、小麦グルテンの加水分解生成物を圧搾濾過して、固形分を除去したのちに噴霧乾燥する以外は同様に対照例の粉末調味料(従来品)を得た。
【0025】
(不溶性固形分量の測定)
本発明の粉末調味料10gを水100mlに溶解し、これを濾紙(アドバンテック社製No.2)で濾過し、105℃で6時間乾燥、放冷後、固形分の重量を測定して、粉末調味料中の不溶性固形分の含有割合を算出した。
【0026】
(色の安定性試験)
上記本発明と対照例の粉末調味料をPET製のパウチに入れ密封して温度35℃で191日間保存し、保存前後のL*値を測定して、L*値の変化(色の変化)を求めた。粉末調味料のL*値(数値が高いほど色が明るい)の測定は分光色差計(日本電色工業社製SA−4000型)を使用して測定した。結果を表1に示す。
【0027】
(固結安定性試験)
粉末調味料1gを秤量皿へ計り採り、これを温度30℃、相対湿度52%の一定に調整した雰囲気下で保存して、一定時間毎に粉末調味料の水分および状態について観察し、本発明と対照例の粉末調味料の固結安定性について評価を行った。結果を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
表1の結果から、小麦ふすまを含有する本発明品は、小麦ふすまを除去した対照例(従来品)に比べてL*値の変化が少なく、保存中に色が濃くなりにくい性質があることがわかる。また、表2の結果から、本発明品は、対照例に比べて吸湿性が少なく、固結安定性に優れていることがわかる。
【実施例2】
【0031】
(小麦ふすまと小麦グルテンの加水分解生成物の関係)
(比較例の粉末調味料)
比較のため、上記本発明の粉末調味料の製造において、目開き0.3mmのふるいを通過する大きさに粉砕した小麦ふすまに代えて、目開き0.5mmのふるいを通過する大きさに粉砕した小麦ふすま(比較例1)、または、粉砕処理をしない小麦ふすま(比較利2)を使用する以外は、全く同様にして、比較例1および2の小麦グルテンの加水分解生成物をそれぞれ得た。
【0032】
噴霧乾燥する際のノズルの目詰まりの指標として、本発明と比較例1、2の小麦グルテンの加水分解生成物500mlを目開き0.7mmのふるいで濾過して、ふるいを通過する小麦グルテンの加水分解生成物の量を測定した。目開き0.7mmのふるいを通過すれば、噴霧乾燥のノズルを通過できる。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
表3の結果から、噴霧乾燥のノズルを通過できるように、加水分解生成物の固形分が目開き0.7mmのふるいを通過する大きさにするためには、液体麹の培地に使用する小麦ふすまは、比較例2のように粉砕処理をしないものや、比較例1のように目開き0.5mmのふるいを通過する大きさでは大きすぎるので、本発明品のように目開き0.3mmのふるいを通過する大きさである必要があることがわかる。
【実施例3】
【0035】
(ハンバーグの調製)
実施例1で調製した本発明と対照例(従来品)をそれぞれ使用して、ハンバーグを調製した。牛豚合挽き肉500gに本発明品または対照例(従来品)をそれぞれ5gを添加し、常法に従ってハンバーグを調製した。
【0036】
(官能評価)
パネル7名に本発明を添加したハンバーグと対照例(従来品)のハンバーグを供し、対照例(従来品)を添加したハンバーグに対する本発明を添加したハンバーグの肉の臭み、および、味の濃厚感について評価した。ここで味の濃厚感とは、試食中に持続するうまみの濃さを言う。評価は、差なしを0として、対照例(従来品)より強い場合はプラス、弱い場合はマイナスとして、強弱それぞれ3段階に点数をつけ、平均値を取った。結果を図1に示す。なお、図の棒グラフ中の数字はパネル7名の平均値である。
【0037】
図1の結果から、本発明は、対照例(従来品)に比べてハンバーグの肉の臭みを抑え、味の濃厚感を増加させる効果があることがわかる。
図1