特許第5666537号(P5666537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666537
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】分析システム及び管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20150122BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20150122BHJP
   G01N 1/22 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   G06F21/62 318
   G06F21/31
   G01N1/22 G
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-245083(P2012-245083)
(22)【出願日】2012年11月7日
(65)【公開番号】特開2014-93061(P2014-93061A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2014年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100182121
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 紘子
(72)【発明者】
【氏名】浦谷 勝己
【審査官】 宮司 卓佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−327080(JP,A)
【文献】 特開2003−273577(JP,A)
【文献】 特開2002−229538(JP,A)
【文献】 特開2008−112968(JP,A)
【文献】 特開平08−103739(JP,A)
【文献】 特開2010−231473(JP,A)
【文献】 特開平11−031019(JP,A)
【文献】 特開2007−003900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
G01N 1/22
G06F 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の排ガス分析装置と、前記排ガス分析装置を管理する管理装置とを具備した排ガス分析システムであって、
前記管理装置が、入力されたユーザ情報に基づいてユーザを認識するとともに、該ユーザの管理装置に対する操作可能範囲を、ユーザ毎に予め定められた初期操作可能範囲に設定する一方、前記ユーザの操作が一定期間中断した場合には、該ユーザの操作可能範囲を、予め定められた基底操作可能範囲に自動変更するように構成されており、
前記管理装置が、前記排ガス分析装置を構成する各機器のメンテナンスに関する情報を示す予防保全ウインドウを表示するように構成されており、
前記予防保全ウインドウは、
操作可能範囲が基底操作可能範囲に自動変更されている場合には前記排ガス分析装置を構成する各機器のメンテナンスに関する情報の変更はできないが、前記排ガス分析装置を構成する各機器のメンテナンスに関する情報は表示されるように構成されていることを特徴とする排ガス分析システム
【請求項2】
前記管理装置が、該管理装置に対する初期操作可能範囲をそれぞれ定めた複数段階のアクセスレベル及び各アクセスレベル毎に許可されたユーザを記憶しているアクセスレベル記憶部と、入力されたユーザ情報に基づいてユーザを認識するとともに、前記アクセスレベル記憶部を参照して該ユーザに設定されているアクセスレベルを特定し、該ユーザの管理装置に対する操作可能範囲を前記アクセスレベルに定められた初期操作可能範囲に設定する操作可能範囲設定部とを具備するものであり、
前記操作可能範囲設定部は、一のアクセスレベルに基づいて行われている操作が一定期間中断した場合には、前記基底操作可能範囲が定められているアクセスレベルである基底アクセスレベルに自動変更することを特徴とする請求項1記載の排ガス分析システム
【請求項3】
前記基底アクセスレベルが、最小操作可能範囲のアクセスレベルであることを特徴とする請求項2記載の排ガス分析システム
【請求項4】
前記操作可能範囲設定部は、操作可能範囲を変更した場合に、変更直前の画面を、消去操作されない限り、そのまま表示することを特徴とする請求項2又は3いずれか記載の排ガス分析システム
【請求項5】
測定開始や校正開始など、排ガス分析装置に対する所定の実行命令が指示された場合には、前記操作可能範囲設定部は、排ガス分析装置による該実行が終了してから操作が一定期間なされなかった場合に、前記基底操作可能範囲に自動変更することを特徴とする請求項2〜4いずれか記載の排ガス分析システム
【請求項6】
1以上の排ガス分析装置を管理する管理装置であって、
入力されたユーザ情報に基づいてユーザを認識するとともに、該ユーザの管理装置に対する操作可能範囲を、ユーザ毎に予め定められた初期操作可能範囲に設定する一方、前記ユーザの操作が一定期間中断した場合には、該ユーザの操作可能範囲を、予め定められた基底操作可能範囲に自動変更するように構成されており、
前記管理装置が、前記排ガス分析装置を構成する各機器のメンテナンスに関する情報を示す予防保全ウインドウを表示するように構成されており、
前記予防保全ウインドウは、
操作可能範囲が基底操作可能範囲に自動変更されている場合には前記排ガス分析装置を構成する各機器のメンテナンスに関する情報の変更はできないが、前記排ガス分析装置を構成する各機器のメンテナンスに関する情報は表示されるように構成されていることを特徴とする管理装置。
【請求項7】
前記予防保全ウインドウは、
操作可能範囲が基底操作可能範囲に自動変更されている場合には、前記排ガス分析装置を構成する各機器のメンテナンスに関する情報を変更するためのボタンが表示されないように構成されている請求項1乃至5いずれかに記載の排ガス分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排ガス等を分析する1以上の分析装置とそれらを統括管理する管理装置とを具備した分析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の設定や校正、準備操作、メンテナンス等を必要とするこの種の分析装置では、従来、特許文献1の段落0048に示されているように、アクセスレベルを複数段階に分け、IDやパスワード入力によりアクセスレベルを特定することにより、アクセスレベルに応じた操作可能範囲を定めるようにしている。分析装置に係る全ての操作をユーザ一律に可能とすると、例えば未熟なユーザの使用により、データの改竄、消去や分析装置の誤動作、破損などの不測の事態が起こり得るからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4303492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、アクセスレベルの高いハイレベルユーザがログオフせずにコンソールを離れたりすると、不特定第三者による操作が可能となり、上述したと同様の問題が発生し得る。
【0005】
そこで、パソコンのように、一定期間操作が中断するとログイン画面に戻り、再ログインしなければ操作不能となるように構成することも考えられる。しかし、分析システムにおいては、各分析装置の動作状況を常に見えるようにしておくことが重要で、これが一時的にせよ、確認できなくなったり、操作不能になったりするのは好ましくない。
【0006】
本発明は、このような分析システム特有の事情に鑑みてなされたものであって、権限のないユーザによる不測の操作を防止できるようにしながらも、管理装置の最低限の操作や分析装置の動作監視は不断に行えるようにすべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る分析システムは、1以上の分析装置と、前記分析装置を管理する管理装置とを具備したものであって、
前記管理装置が、入力されたユーザ情報に基づいてユーザを認識するとともに、該ユーザの管理装置に対する操作可能範囲を、ユーザ毎に予め定められた初期操作可能範囲に設定する一方、前記ユーザの操作が一定期間中断した場合には、該ユーザの操作可能範囲を、予め定められた基底操作可能範囲に自動変更することを特徴とするものである。
【0008】
ここで、操作とは、管理装置における画面の開閉、分析装置へのコマンド入力、種々の設定入力、印字命令などのことである。また、基底操作可能範囲とは、例えば、管理装置や分析装置に対する最低限の操作や動作監視等を行うことができる操作範囲のことである。
【0009】
より具体的には、前記管理装置が、該管理装置に対する操作可能範囲をそれぞれ定めた複数段階のアクセスレベル及び各アクセスレベル毎に許可されたユーザを記憶しているアクセスレベル記憶部と、入力されたユーザ情報に基づいてユーザを認識するとともに、前記アクセスレベル記憶部を参照して該ユーザに設定されているアクセスレベルを特定し、該ユーザの管理装置に対する操作可能範囲を前記アクセスレベルに定められた操作可能範囲を設定する操作可能範囲設定部とを具備するものであり、前記操作可能範囲設定部が、一のアクセスレベルに基づいて行われている操作が一定期間中断した場合には、前記基底操作可能範囲が定められているアクセスレベルである基底アクセスレベルに自動変更するものであることが望ましい。
【0010】
履歴の改竄や分析装置の誤操作、破損などのような不測の事態をより確実に防止するには、前記操作可能範囲設定部による基底アクセスレベルを、最小操作可能範囲のアクセスレベルにしておくことが望ましい。
【0011】
継続的な監視や状況把握が必要な事項等を画面に表示している場合は、それが下位レベルユーザ(より操作可能範囲の小さいユーザ)では見ることのできないものであっても、消去操作されない限り、基底操作可能範囲に自動変更後も、そのまま表示されるように構成してよい。ただし、その画面において、下位レベルユーザの操作は不可能なようにロックしておく必要がある。
【0012】
操作が不必要に煩雑になることを防ぐには、測定開始や校正開始など、分析装置に対する所定の実行命令が入力された場合には、分析装置による該実行が終了してから操作が一定期間なされなかった場合に、基底操作可能範囲に自動変更するように構成しておくことが好適である。
【発明の効果】
【0013】
このように構成した本発明によれば、操作可能範囲の大きい上位レベルユーザがログオフせずにコンソールを離れたりして一定期間が過ぎると、基底操作可能範囲に自動ダウンし、当該上位レベルユーザに設定された重要度の高い操作は不可能になるので、権限のないユーザによる不測の操作を防止できる。
【0014】
一方、下位レベルユーザに許されている基底操作は途切れることなく担保されるので、管理装置の最低限の操作や分析装置の動作監視等を不断に行うことができるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態における分析システムの全体構成図。
図2】同実施形態において表示されるウィンドウの一例を示す画面構成図。
図3】同実施形態において表示されるウィンドウの一例を示す画面構成図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態に係る分析システム1は、図1に示すように、車両内燃機関の排ガスをサンプリングしてその成分濃度や燃費、EGR率等を分析・算出するものであって、複数の排ガス分析装置2(例えばCVS装置やEGR率測定装置、あるいは内部に複数の排ガス分析ユニットを有した排ガス総合分析装置など)と、各分析装置2に動作コマンドを送信したり、設定や校正をしたり、測定データを吸い上げたりしてこれらを統括管理する管理装置3とを具備している。
【0018】
しかしてこの実施形態では、この管理装置3において、ユーザのアクセスレベルを複数段階に分けるとともに、ユーザによる管理装置3の操作が一定期間(以下、パーミッションタイムとも言う。)なされなかったときには、アクセスレベルが自動的に基底アクセスレベルである最低レベルにダウンするように構成している点に特徴を有する。
そこで、このアクセスレベルに係る管理装置3の種々の機能について、以下に説明する。
【0019】
管理装置3は、物理的には、CPU、メモリ、通信デバイス、ディスプレイ、入力手段(マウスやキーボード等)等を具備したものである。そして、前記メモリに記憶された所定のプログラムにしたがってCPUやその周辺機器が協働することにより、アクセスレベル記憶部31、操作可能範囲設定部32等としての機能を発揮する。
【0020】
アクセスレベル記憶部31には、当該管理装置に対する操作可能範囲を定めるための複数段階のアクセスレベル及び各アクセスレベル毎に許可されたユーザが記憶されている。
【0021】
アクセスレベルとして、ここでは、最低レベルから順に、Operator、Supervisor、Administrator、Service、Manufacture、Developerの5つが例えば設定してある。そして、各アクセスレベルに対して、操作可能範囲が紐付けられているとともに、ユーザを識別するためのユーザ識別子が紐付けられている。
【0022】
操作可能範囲設定部32は、図示しないログイン画面においてユーザから入力されたユーザ情報(ここでは、ユーザ識別子及びパスワード)に基づいて該ユーザを認識するとともに、前記アクセスレベル記憶部31を参照して該ユーザに設定されているアクセスレベルを特定し、該アクセスレベルに定められた操作可能範囲を設定するものである。
【0023】
さらに、ここでは、前記操作可能範囲設定部32によって、あるアクセスレベルに基づいて行われているコンソール操作(例えば、ウィンドウ画面の開閉、分析装置への実行指令入力や種々設定入力、印字操作など)が一定期間中断した場合は、最小操作可能範囲のアクセスレベルであるOperatorレベルに自動変更されるように構成してある。例えば、このOperatorレベルのユーザが操作できる範囲とは、分析装置や管理装置(あるいは分析システムを含む車両試験設備全体)の起動や停止に加え、試験(分析装置による測定や車両試験設備が有するダイナモなどの機器動作)の準備、運転、片付けなど、本分析システムの通常動作・運用に係る操作範囲のことである。一方、例えばSupervisorレベルになると、本分析システムの管理、すなわち、定期メンテナンスや診断、調整などの操作ができるようにしてある。
【0024】
次に、この管理装置3の動作の一例を以下に説明する。
この管理装置3には、例えば、分析装置2を構成する種々の機器それぞれの通算動作時間を示すとともに、機器毎に定められた許容時間を超えたときや近づいたときに警告を発生する機能があり、この機能は、例えば、図2に示すような画面(予防保全ウィンドウ)W1を開くことによって発揮される。
【0025】
この予防保全ウィンドウW1には、例えば、機器名と、機器毎の現在の通算動作時間や許容時間、残時間がリスト形式で表示されており、残時間が0に近づくと、残時間が表示されて警告を発するように構成されている。また、機器毎にリセットボタンB1と詳細ボタンB2とが設けられており、リセットボタンB1をクリックすると、該機器の通算動作時間を0にすることができるとともに、詳細ボタンB2をクリックすると、図示しない詳細設定ウィンドウが別に開いて、許容時間や警告タイミング等の設定を変更できるようにしてある。
【0026】
Operatorレベルのユーザは、前記操作可能範囲設定部32の規制によって、前記予防保全ウィンドウW1を開いて各機器の通算動作時間等を見ることはできるが、リセットボタンB1と詳細ボタンB2を操作することはできない。例えば、各ボタンB1、B2が、表示されないか、薄字になってクリック不能となる。
一方、例えば、Administratorレベルのユーザは、リセットボタンB1を操作することはできるが、詳細ボタンB2を操作することはできない。
Serviceレベル以上のユーザは、いずれのボタンB1、B2も操作することができ、かつ詳細設定ウィンドウ内で、各設定を変更することができる。
【0027】
そこで、Serviceレベル以上のユーザが、前記予防保全ウィンドウW1を開いた状態で、なんら操作を行わないまま、パーミションタイムが過ぎると、前記操作可能範囲設定部32が動作して、アクセスレベルをOperatorレベルに自動ダウンし、リセットボタンB1と詳細ボタンB2との操作を禁止する。
【0028】
別の例を挙げると、この管理装置3において、最上位レベルであるDeveloperレベルのユーザは、図3に示すユーザ設定ウィンドウW2を開くことができ、各ユーザのアクセスレベルやユーザ情報などを変更することができる。
【0029】
なお、アクセスレベルは、リスト欄L1に表示され、このリスト欄L1で選択されたアクセスレベルに属するユーザ名が、リスト欄L2に表示される。そして、リスト欄L2で選択したユーザの詳細情報がユーザ情報欄L3に表示されるので、Developerレベルユーザは、このユーザ情報欄L3を編集することにより、該ユーザのアクセスレベルやユーザ情報などを変更することができる。
【0030】
そして、このユーザ設定ウィンドウW2を開いたまま、操作を行わないでパーミションタイムが過ぎると、アクセスレベルがOperatorレベルに自動ダウンし、該ウィンドウW2は表示されるものの、その操作を、ウィンドウW2のClose操作を除き、一切行えなくなる。
【0031】
また、アクセスレベルの自動ダウン後は、ウィンドウW2を一旦Closeすると、Operatorレベルの権限のままでは、もはやこのウィンドウW2を開くことはできなくなる。
【0032】
さらに他の例を挙げると、例えば、分析結果が逐次表示されている図示しない分析データ表示ウィンドウの中には、種々のボタンやタブが設定されているが、このうちの所定のものは、所定アクセスレベル以上のユーザのみが使用できる。このようなボタンやタブは、アクセスレベルの自動ダウンが行われると、操作できなくなるか、非表示となる。
【0033】
しかして、かかる構成の本実施形態によれば、上位アクセスレベルユーザがログオフせずにコンソールを離れたりして一定期間が過ぎると、最下位アクセスレベルに自動ダウンし、当該上位アクセスレベルに設定された重要度の高い操作はできなくなるので、権限のないユーザによる不測の操作を防止できる。
【0034】
一方、最下位アクセスレベルユーザの操作については、再ログイン不要で途切れることなく担保されるので、管理装置の最低限の操作や分析装置の動作監視等を不断に行うことができるという効果を得られる。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、各ユーザの操作可能範囲を、アクセスレベルという複数段階の範囲に分類して、いずれかのアクセスレベルに各ユーザが属するように構成していたが、アクセスレベルという概念を介さず、ユーザ毎に許可された操作可能範囲、すなわち請求項で言う初期操作可能範囲を設定できるようにしてもよい。
【0036】
具体的には、ユーザ毎に対応付けられた初期操作可能範囲をメモリに設定した初期操作可能範囲記憶部(図示しない)に記憶させておく。また、前記最下位アクセスレベルの操作可能範囲に対応する操作可能範囲である基底操作可能範囲を予め規定し、これをメモリに設定した基底操作可能範囲記憶部(図示しない)に記憶させておく。
【0037】
そして、前記ユーザがログイン等したときに、前記操作可能範囲設定部が、前記初期操作可能範囲記憶部を参照して該ユーザの操作可能範囲を該ユーザに対応付けられた初期操作可能範囲に設定する一方、該ユーザによる操作が一定期間中断した場合には、該ユーザの操作可能範囲を、前記基底操作可能範囲に自動変更する。
このようなものであれば、ユーザ毎に、よりきめ細やかな初期操作可能範囲を設定することができる。
【0038】
また、例えば、元来、最下位アクセスレベルのユーザが開くことのできないウィンドウを、上位アクセスレベルユーザが開いており、パーミッションタイムが過ぎたときは、そのウィンドウを自動的に閉じるようにしても構わない。そもそも最下位アクセスレベルのユーザが開くことのできないウィンドウは、監視等の観点からは不要なものだからである。
【0039】
パーミションタイムは、機能毎、アクセスレベル毎に異ならせても構わない。下位レベルユーザに操作されては困る重要性の高いものほど、パーミションタイムを小さくするといった態様が考えられる。
【0040】
分析装置に対する動作実行命令等においては、命令入力後、分析装置の該動作が終了するまでは、操作が不要で待機期間が発生する場合がある。例えば、校正コマンドを押してから校正が終了するまでには待機期間が発生するが、この待機期間の間にパーミションタイムが過ぎてアクセスレベルが自動ダウンすると、待機後、再度ログインしなければならず、操作が煩雑になる。そこで、このような場合は、待機期間の終了後、パーミションタイムが進むようにしても構わない。
【0041】
パーミションタイムが過ぎたとき、アクセスレベルを必ずしも最下位レベルにまで落とす必要はなく、順次、アクセスレベルがダウンするような態様でも構わない。つまり、基底アクセスレベルとは、必ずしも最下位アクセスレベルである必要はなく、上述したように時間的に変動させることも可能であるし、分析システムの運用態様によっては、基底アクセスレベルを最下位レベルよりも上位のアクセスレベルに設定することも可能である。基底操作可能範囲についても同様である。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・分析システム
2・・・分析装置
3・・・管理装置
31・・・アクセスレベル記憶部
32・・・操作可能範囲設定部
図1
図2
図3