特許第5669087号(P5669087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669087
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】蛍光測定方法及び蛍光測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20150122BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   G01N21/64 F
   A61B10/00 E
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-217958(P2010-217958)
(22)【出願日】2010年9月28日
(65)【公開番号】特開2012-73109(P2012-73109A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2013年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(73)【特許権者】
【識別番号】597125601
【氏名又は名称】旭テクネイオン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000141598
【氏名又は名称】株式会社吉田製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】504196610
【氏名又は名称】有限会社ペプチドサポート
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100123168
【弁理士】
【氏名又は名称】大▲高▼ とし子
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(72)【発明者】
【氏名】西野 憲和
(72)【発明者】
【氏名】深町 光宏
(72)【発明者】
【氏名】大林 文夫
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−201859(JP,A)
【文献】 特表2008−541139(JP,A)
【文献】 特開2005−140683(JP,A)
【文献】 特開2007−113996(JP,A)
【文献】 特表平08−500183(JP,A)
【文献】 特開2010−122146(JP,A)
【文献】 特開2004−163257(JP,A)
【文献】 特表2007−521485(JP,A)
【文献】 特開2000−088752(JP,A)
【文献】 特表2009−510475(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0194247(US,A1)
【文献】 特開2007−256279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/74
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光された測定ボックス内に、対象液体試料を注入したマイクロチューブを装着し、脱蓋状態にあるマイクロチューブの側面水平方向から特定ピーク波長を有する励起光を照射し、マイクロチューブの側壁面を励起光導波路とするチューブ内対象液全域への配光、及び側壁面よりの漏洩光により励起された対象液体試料蛍光量を、測定ボックス上部で、かつ装着されたマイクロチューブの上方に設けられた、検出された蛍光の強度を数値化して表示する表示手段を備えている特定波長領域蛍光検出部により測定することを特徴とする蛍光測定方法。
【請求項2】
対象液体試料の周辺温度を制御することを特徴とする請求項1記載の蛍光測定方法。
【請求項3】
355nm〜375nmの波長帯域を有する励起光を照射することを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光測定方法。
【請求項4】
励起光の光源として、LEDを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の蛍光測定方法。
【請求項5】
マイクロチューブが、励起光を遮断しないエッペンドルフチューブ(登録商標)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の蛍光測定方法。
【請求項6】
対象試料蛍光量が、波長帯域430nm〜455nmの蛍光量であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の蛍光測定方法。
【請求項7】
対象試料蛍光量が、試料に含まれる7−アミノ−4−メチル−クマリンによることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の蛍光測定方法。
【請求項8】
マイクロチューブを装着する遮光された測定ボックスと;
測定ボックス内に配設された、マイクロチューブを垂直に支持する容器支持部と;
測定ボックス内に配設された、装着されるマイクロチューブの側壁面に励起光を水平に照射する光源を備えた励起光源部と;
測定ボックス上部で、かつ装着されるマイクロチューブの上方に設けられた、特定波長領域の対象試料蛍光量を測定する、検出された蛍光の強度を数値化して表示する表示手段を備える蛍光検出部と;
を備えたことを特徴とする蛍光測定装置。
【請求項9】
容器支持部が、マイクロチューブ内の液体試料の温度を調節しうる温度制御手段を備えていることを特徴とする請求項8記載の蛍光測定装置。
【請求項10】
励起光源部が、LED光源を備えていることを特徴とする請求項8又は9記載の蛍光測定装置。
【請求項11】
励起光源部が、励起光の照射位置を水平方向又は上下方向に調節する光源位置制御手段を備えていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか記載の蛍光測定装置。
【請求項12】
蛍光検出部が、干渉フィルターを備えていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか記載の蛍光測定装置。
【請求項13】
蛍光検出部が、データ処理用コンピュータを備えていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか記載の蛍光測定装置。
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか記載の蛍光測定装置を備えていることを特徴とする歯周病診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象液体試料を注入したマイクロチューブを装着し、脱蓋状態にあるマイクロチューブの側面水平方向から特定ピーク波長を有する励起光を照射することで、マイクロチューブの上方に設けられた特定波長領域蛍光検出部により蛍光を測定することを特徴とする蛍光測定方法や蛍光測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蛍光検出装置は、疾患がタンパク質分解酵素等によって惹起される酵素等の量的変化を元に行う医療診断や、環境中に存在する微生物等のマーカーとして酵素活性を利用する環境評価や、化学反応により継時的に蛍光強度を上昇させる検出系におけるモニター等幅広い分野で利用されている。
【0003】
かかる蛍光検出装置として、例えば、試料を保持する試料容器、試料容器を保持した試料容器中の試料の温度を変化させ得る容器保持部、試料からの蛍光を測定するための蛍光検出器及び試料を蛍光励起するための励起光を発する光源を有する蛍光検出器であって、光源と容器保持部及び容器保持部と蛍光検出器は光ファイバーにより光学的に連結されており、該光ファイバーは、容器保持部に保持された試料容器の下方向から該容器中の試料を蛍光励起しかつ試料容器の下方向から試料が発した蛍光を受光し得るように前記容器保持部に設置されていることを特徴とする前記装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、エッペンドルフチューブ底部から励起照射した場合、チューブ製造過程から、底部の厚み形状コントロールは十分とは言えず、光学的にはばらつきも大きい。
【0004】
その他、蛍光キューブを用いた落射照明光学系の対物レンズの励起光集光位置に配置される液状サンプルを、光軸に平行に貫通する穴を有するサンプル保持プレートの当該穴に保持することを特徴とする蛍光測定装置(例えば、特許文献2参照)や、励起光を発する光源と、一端から入射した前記励起光を内部において伝搬させて他端からエバネッセント光を出射させ、該他端が浸漬された試料液中の測定対象物質の存在を示す蛍光体を前記励起光により励起するセンサ部と、前記励起により前記蛍光体から発せられた蛍光を検出する光検出器とを備えてなる蛍光測定装置において、前記センサ部は、略柱状のセンサ部本体と、該センサ部本体の少なくとも前記他端に隣接する外周面との間に空間を介して該センサ部本体を囲む筒状のカバー部とを備えてなり、該カバー部は、前記他端側の端部において前記空間を閉塞する閉塞部を有するものであることを特徴とする蛍光測定装置(例えば、特許文献3参照)や、基質又は基質代謝産物の多光子励起過程を誘導する近赤外フェムト秒レーザー光のレーザー光源と、基質又は基質代謝産物の多光子励起過程から生ずる放射波を検出する放射波検出部と、近赤外フェムト秒レーザー光を酵素存在部位へ導入し、かつ、放射波を放射波検出部へ導入する光学経路とを少なくとも備える酵素活性測定装置(例えば、特許文献4参照)や、試料中の蛍光物質を励起させるための光源と、前記蛍光物質から発せられる蛍光を集光する集光レンズと、前記集光レンズで集光された蛍光を通す空間フィルターと、前記空間フィルターを通った蛍光を検出する光検出器と、前記光検出器からの出力信号を解析する信号解析部と、前記信号解析部により得られた解析結果に基づいて、前記集光レンズ及び前記空間フィルターの少なくとも一方の配置位置を調整する調整部と、を具備したことを特徴とする蛍光測定装置(例えば、特許文献5参照)や、白色光源と、前記白色光源から出た光を分光する励起側分光手段と、レンズを含まず鏡を組み合わせてなる結像光学系を含み前記励起側分光手段により分光された光を励起光として試料に照射する励起光学系と、レンズを含まず鏡を組み合わせてなる結像光学系を含み前記励起光により励起された試料から発生した蛍光を集光する蛍光光学系と、前記蛍光光学系により集光された蛍光を分光する蛍光側分光手段と、前記蛍光側分光手段により分光された蛍光を検出する検出器とを備えたことを特徴とする蛍光検出装置(例えば、特許文献6参照)が提案されている。
【0005】
一方、歯周病原因菌としてはPorphyromonas gingivalis、Treponema denticola及び Tannerella forsythiaが知られており、これらの菌は、歯垢(バイオフィルム)の内部に菌巣を形成し、歯根と歯肉界面に炎症を惹起して血液成分を摂取し繁殖する。上記炎症に伴って好中球が浸潤し、その結果放出されるleukocyte elastase等の活性が増加することが知られている。これら知見に基づいて、患者の口腔からのサンプルを分析することにより患者の歯周病を検出するためのテストキットが提案されている(例えば、特許文献7参照)。このテストキットは、細菌P. gingivalis由来のArg−ジンジパインである第一の物質を検出するための第一の検出アッセイ、及び患者の免疫系または炎症系に由来するヒトの好中球エラスターゼである第二の物質を検出するための第二の検出アッセイを含んでいる。
【0006】
また、歯肉縁下プラーク中のP. gingivalis、T. denticola及び T. forsythiaの3菌種がもつBANA(N−ベンゾイル−DL−アルギニルβーナフチルアミド)分解活性を利用して、検体塗布膜中のBANA基質が分解されることにより遊離するβーナフチルアミンを検出することによりこれらの菌の存在を調べるシート状の体外診断用医薬品が市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−34546号公報
【特許文献2】特開2010−190713号公報
【特許文献3】特開2008−185440号公報
【特許文献4】特開2008−289437号公報
【特許文献5】特開2004−354347号公報
【特許文献6】特開2004−325431号公報
【特許文献7】特表2007−519923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献に示される従来の蛍光測定装置は、複雑な構成からなる上に非常に高価であり、研究分野では利用されていたが、クリニックレベルの使用は想定されていなかった。しかしながら、例えば、歯周病診断を含め、患者と歯科医師とのコミュニケーションツールとして応用するには、安価で簡便な蛍光測定装置が不可欠である。また、光ファイバーを用いた計測システムは、端面損失、接合損失、紫外領域等における材質問題などファイバーの持つ固有の問題点も無視できない。特に、ファイバーによる底部よりのガイドの場合、短波長による材質劣化は勿論、照射端面接合構造、測定スポット底部の汚れ、光ファイバーの開口数(NA)等を勘案すると、問題点が多いと考えられる。
【0009】
本発明の課題は、より簡単な構造からなる、より安価な、かつ非常に少量の試料を用いて蛍光量を測定することができる、蛍光測定方法や蛍光測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、より簡単な構造からなる、より安価な構成による蛍光測定方法を検討してきたが、励起光照射面で底部構造には関係のないチューブ管厚み、形状、材質に着目し、これら特性に合致した励起光をチューブ横方向から照射することを思いつき、遮光された測定ボックス内に、対象液体試料を注入したマイクロチューブを装着し、脱蓋状態にあるマイクロチューブの側面水平方向から特定ピーク波長を有する励起光を照射し、マイクロチューブの側壁面を励起光導波路とするチューブ内対象液全域への配光、及び側壁面よりの漏洩光により励起された対象液体試料蛍光量を、測定ボックス上部で、かつ装着されたマイクロチューブの上方に設けられた特定波長領域蛍光検出部により測定することができることを確認したことで、従来一般的には既存の光ファイバーを包摂する概念であった、光導波路としての役割をマイクロチューブの側壁が果たすことができることを見いだし、また、本発明の蛍光測定方法によれば励起光の分光手段や、集光レンズや、ダイクロイックミラーや、光ファイバー等の構成要素を必要としないことを確認した。さらに、バックグランドを最小とし、受光効率を最大とする最適化のために、1)マイクロチューブ側壁〜励起光トップ間の距離調節、2)マイクロチューブ内試料液面〜励起光中心上下位置、3)照射エネルギーレベルの調整について検討を行い、本発明を完成した。
【0011】
すなわち本発明は、(1)遮光された測定ボックス内に、対象液体試料を注入したマイクロチューブを装着し、脱蓋状態にあるマイクロチューブの側面水平方向から特定ピーク波長を有する励起光を照射し、マイクロチューブの側壁面を励起光導波路とするチューブ内対象液全域への配光、及び側壁面よりの漏洩光により励起された対象液体試料蛍光量を、測定ボックス上部で、かつ装着されたマイクロチューブの上方に設けられた、検出された蛍光の強度を数値化して表示する表示手段を備えている特定波長領域蛍光検出部により測定することを特徴とする蛍光測定方法や、(2)対象液体試料の周辺温度を制御することを特徴とする上記(1)記載の蛍光測定方法や、(3)355nm〜375nmの波長帯域を有する励起光を照射することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の蛍光測定方法や、(4)励起光の光源として、LEDを用いることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の蛍光測定方法や、(5)マイクロチューブが、励起光を遮断しないエッペンドルフチューブ(登録商標)であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の蛍光測定方法や、(6)対象試料蛍光量が、波長帯域430nm〜455nmの蛍光量であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか記載の蛍光測定方法や、(7)対象試料蛍光量が、試料に含まれる7−アミノ−4−メチル−クマリン(以下、「AMC」ともいう)によることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか記載の蛍光測定方法に関する。
【0012】
また、本発明は、(8)マイクロチューブを装着する遮光された測定ボックスと;測定ボックス内に配設された、マイクロチューブを垂直に支持する容器支持部と;測定ボックス内に配設された、装着されるマイクロチューブの側壁面に励起光を水平に照射する光源を備えた励起光源部と;測定ボックス上部で、かつ装着されるマイクロチューブの上方に設けられた、特定波長領域の対象試料蛍光量を測定する、検出された蛍光の強度を数値化して表示する表示手段を備える蛍光検出部と;を備えたことを特徴とする蛍光測定装置や、(9)容器支持部が、マイクロチューブ内の液体試料の温度を調節しうる温度制御手段を備えていることを特徴とする上記(8)記載の蛍光測定装置や、(10)励起光源部が、LED光源を備えていることを特徴とする上記(8)又は(9)記載の蛍光測定装置や、励起光源部が、励起光の照射位置を水平方向又は上下方向に調節する光源位置制御手段を備えていることを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれか記載の蛍光測定装置や、(12)蛍光検出部が、干渉フィルターを備えていることを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれか記載の蛍光測定装置や、(13)蛍光検出部が、データ処理用コンピュータを備えていることを特徴とする上記(8)〜(1)のいずれか記載の蛍光測定装置や、(1)上記(8)〜(1)のいずれか記載の蛍光測定装置を備えていることを特徴とする歯周病診断装置に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、極めて少量の試料であっても蛍光量を検出することにより、非侵襲的に極めて安全に極めて少量の試料を容易に採取して短時間で試料の分析を行うことができる蛍光検出装置を極めて安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の蛍光測定装置の基本構成を示す図である。
図2】本発明の蛍光測定装置の主要部の詳細を示す図である。
図3】本発明の蛍光測定装置の励起光源部の配置関係を示す図である。
図4】励起光源部の各種配置(上下方向)におけるAMC基準溶液に対する蛍光強度(FI)をプロットした検量線を示す図である。
図5】励起光源部の各種配置(水平方向)におけるAMC基準溶液に対するFI強度をプロットした検量線を示す図である。
図6】本発明の蛍光測定装置を用いて、AMC基準溶液に対して、365nm±10nmのピークを有する光を照射し、442nmで受光する条件を設定して測定した蛍光強度の結果を示す図である。
図7】本発明の蛍光測定装置を用いて、基質溶液に対してトリプシンを作用させた後、365nm±10nmのピークを有する光を照射し、442nmで受光する条件を設定して測定した蛍光強度の結果を示す図である。
図8】本発明の蛍光測定装置を用いて、基質溶液に対して歯周病患者の歯肉浸出液を作用させた後、365nm±10nmのピークを有する光を照射し、442nmで受光する条件を設定して測定した蛍光強度の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の蛍光測定方法としては、遮光された測定ボックス内に、対象液体試料を注入したマイクロチューブを装着し、脱蓋状態にあるマイクロチューブの側面水平方向から特定ピーク波長を有する励起光を照射し、マイクロチューブの側壁面を励起光導波路とするチューブ内対象液全域への配光、及び側壁面よりの漏洩光により励起された対象液体試料蛍光量を、測定ボックス上部で、かつ装着されたエッペンドルフチューブの上方に設けられた特定波長領域蛍光検出部により測定する方法であれば特に制限されず、また、本発明の蛍光測定装置としては、マイクロチューブを装着する遮光された測定ボックスと;測定ボックス内に配設された、マイクロチューブを垂直に支持する容器支持部と;測定ボックス内に配設された、装着されるマイクロチューブの側壁面に励起光を水平に照射する光源を備えた励起光源部と;測定ボックス上部で、かつ装着されるマイクロチューブの上方に設けられた、特定波長領域の対象試料蛍光量を測定する蛍光検出部と;を備えた装置であれば特に制限されず、本発明の蛍光測定装置は、歯周病診断装置として有利に用いることができる。そしてまた、微量遠心管とも呼ばれる上記マイクロチューブとしては、反応・抽出・培養・遠心分離等の操作に用いることができる、蓋を装着しうる、先の閉じた円錐形等の形状のチューブであって、特定ピーク波長を有する励起光の減衰又は遮断効果がなく、その側壁面を励起光導波路とすることができるものであれば特に制限されるものでなく、その材質としてはプラスチックやガラスなど、好ましくはポリプロピレンやポリエチレンを挙げることができ、有機溶媒に対する耐久性があるものが好ましい。また、マイクロチューブの容積は1.0〜2.0mL用、好ましくは1.5mL用;外径は5〜20mm、好ましくは8〜15mm;側壁肉厚は0.5〜1.5mm、好ましくは0.8〜1.2mmのチューブを好適に例示することができる。そしてまた、マイクロチューブの形状として具体的には、アシスト社製のアシストチューブ型のマイクロチューブやエッペンドルフ社製のエッペンドルフチューブ型のマイクロチューブを挙げることができるが、他社で販売されているほぼ同規格の製品の形状のものも使用することができる。
【0016】
本発明の蛍光測定装置における測定ボックスを構成する素材としては、遮光性を有し、マイクロチューブを垂直に支持しうる剛性を備えたアルミニウム等の金属素材又はエンジニアリングプラスティックスを例示することができ、また、測定ボックス内に配設された容器支持部としては、マイクロチューブを垂直に支持しうる底部を有する円筒中空状で上部が開放された構造を例示することができる。かかる容器支持部に装着される対象液体試料を注入したマイクロチューブは脱蓋状態にあり、それにより、マイクロチューブの側壁面を励起光導波路とするチューブ内対象液全域への配光、及び側壁面よりの漏洩光により励起された対象液体試料蛍光量を、測定ボックス上部で、かつ装着されたマイクロチューブの上方に設けられた特定波長領域蛍光検出部により測定することができる。
【0017】
本発明の蛍光測定方法においては、さらに、対象液体試料の周辺温度を制御することが好ましく、そのため本発明の蛍光測定装置における容器支持部が、マイクロチューブ内の液体試料の温度を調節しうる温度制御手段を備えていることが好ましい。かかる温度制御手段としては公知のものを用いることができ、例えば、対象液体試料の周辺温度を感知する温度センサーと、前記センサーからのフィードバック信号と前もって策定されたプログラム内容とを比較し、必要に応じて対象液体試料の周辺を加熱する指示を出力することができる温度制御手段を例示することができ、この目的を達成するためにマイクロコンピュ−タ−等を利用することもできる。対象液体試料の周辺温度として、例えば30℃、37℃等の対象液体試料中の酵素や微生物の至適温度に制御することもでき、また、70℃以上にボックス内が温度上昇した場合に備えて、異常温度上昇時の安全制御装置を組み込んでもよい。
【0018】
本発明の蛍光測定方法においては、S/N比の向上を図るため、いわゆる「かぶり」を制御することが重要であり、その一つの手段として、励起光においては、より小さい角度の指向特性、及びより小さい半値幅を有する励起光の光源を選択することが好ましく、上記指向特性としては、1°〜45°が好ましく、2°〜30°がより好ましく、3°〜20°がさらに好ましく、5°〜15°が特に好ましい。また、上記半値幅としては、40nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、20nm以下がさらに好ましく、10nm以下が特に好ましい。
【0019】
上記「かぶり」を制御する別の手段としては、対象液体試料に含まれる励起光と蛍光のピークの波長ができるだけ離れた蛍光物質を選択することを挙げることができ、例えば、60nm以上離れている蛍光物質が好ましく、70nm以上離れている蛍光物質がより好ましく、80nm以上離れている蛍光物質がより好ましく、90nm以上離れている蛍光物質がさらに好ましく、100nm以上離れている蛍光物質が特に好ましい。
【0020】
上記励起光は、脱蓋状態にあるマイクロチューブの側面水平方向から照射され、マイクロチューブの側壁面を励起光導波路として、チューブ内対象液全域への配光、及び側壁面よりの漏洩光により対象液体試料を励起するものであれば特に制限されないが、チューブ内の対象液体試料の水面と同じ高さ又はほぼ同じ高さに、水平又はほぼ水平に照射することが好ましく、そのため本発明の蛍光測定装置における励起光源部は、励起光の照射位置を水平方向及び/又は上下方向に調節する光源位置制御手段を備えていることが好ましい。かかる光源位置制御手段として、公知のvertical・horizontal スライディングセットを有利に用いることができる。
【0021】
また、上記励起光としては、対象液体試料中の蛍光物質が励起し、励起された対象液体試料蛍光量を測定することができるものであれば特に制限されないが、例えば、7−アミノ−4−メチル−クマリン誘導体及び類似化合物が対象液体試料に含まれている場合には、励起光の波長帯域としては、330nm〜400nmが好ましく、350nm〜380nmがより好ましく、355nm〜375nmがさらに好ましく、360nm〜370nmが特に好ましく、かかる励起光は、例えば、試料に含まれる被検酵素の基質が、7−アミノ−4−メチル−クマリン誘導体及び類似化合物である場合に好適に用いることができる。
【0022】
本発明の蛍光測定装置における励起光源部が備える励起光の光源の具体例としては、キセノンランプ、水銀ランプ、ハロゲンランプ、レーザー光、UVランプ、LED(発光ダイオード)等を挙げることができるが、小型、安価、長寿命であり、温度特性が安定しており、また、点灯後の光量の変化が短時間に安定し、低価格安定化電流回路を用いた場合に通電電流による紫外励起出力変動、波長変動を制御することに適しており、マイクロチューブ側壁への励起光最適注入を図るための照射角度、照射距離の調整が容易である点でLEDが好ましく、中でも砲弾型トップ形状を有するLEDが特に好ましく、かかる光源を用いた場合、励起フィルター、集光レンズ、及びダイクロイックミラーを用いた複雑な構成が不要となる。
【0023】
上記対象試料蛍光量を測定する波長帯域としては、波長帯域410nm〜475nmが好ましく、425nm〜465nmがより好ましく、430nm〜455nmがさらに好ましく、435nm〜450nmが特に好ましく、かかる波長域は、対象試料蛍光量が、試料に含まれる7−アミノ−4−メチル−クマリンによる場合に好適に用いることができる。
【0024】
本発明の蛍光測定装置における蛍光検出部には、さらに干渉フィルターを備えることが好ましい。本発明の蛍光測定方法における励起光の照射は、上部方向に行われるものではないが、内部反射散乱等により、励起光源のもつ励起光半値幅のかぶりの影響を皆無にすることはできないため、励起光をカットし、蛍光に対応する特定の波長域を透過させる干渉フィルターを用いて蛍光を受光素子に導く構成にすることが好ましく、例えば対象蛍光試料が、7−アミノ−4−メチル−クマリン誘導体及び類似化合物による場合には、上記干渉フィルターの特定の波長域としては、430nm〜455nmが好ましく、432nm〜452nmがより好ましく、435nm〜450nmがさらに好ましい。
【0025】
本発明の蛍光測定装置における蛍光検出部としては、検出された蛍光の強度を数値化して表示する表示手段や、データ処理用コンピュータを備えているものが好ましく、かかる数値化表示手段やデータ処理用コンピュータは市販品を用いることができる。上記表示手段は、あらかじめ設定された基準又は入力装置からの命令に従って、必要に応じ測定関連データをリンクされた上位システムに伝送、それぞれ目的に応じたデータ解析、データ加工を行い、所望する表示形式、表示対象項目として表示することができるものが好ましい。
【0026】
上記対象液体試料としては、歯肉浸出液、唾液、血液、尿、汗、涙等の液体試料他、細胞・組織・器官等の固体試料の抽出液、磨砕液、懸濁分散液等を例示することができ、本発明の蛍光測定方法において必要な対象液体試料の量は、10μL程度で十分であり、マイクロチューブの先細りの先端部分の試料の量であっても対象試料蛍光量を測定することができる。かかる対象液体試料蛍光量は、例えば対象試料中の特定の酵素の活性を測定する場合には、かかる特定の酵素の基質を蛍光物質で標識した蛍光標識基質を対象液体試料に添加し、上記特定酵素が作用することにより遊離した蛍光物質の蛍光量として測定され、具体的には、被検者から採取した試料をかかる試料中に含まれていることが予想される酵素の蛍光標識基質と共にマイクロチューブに注入することにより測定することができる。
【0027】
上記酵素としては、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、ズブチリシン、コラーゲナーゼ、ジンジパイン、デンチリシン、好中球エラスターゼ、トロンビン、グルコシダーゼ、酸性グルコシダーゼを例示することができる。また、上記蛍光標識基質としては、ジンジパインやトリプシンが作用するBoc−Gly−Gly−Arg−MCA (isobutyloxycarbonyl-glycyl-glycyl-arginine-7-amino-4-methylcoumarinamide)、及び、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が作用するヒストンH4由来配列をもつAc−Lys−Gly−Leu−Gly−Lys(Ac)−MCA、Ac−Leu−Gly−Lys(Ac)−MCA、及びBoc−Gly−Lys(Ac)−MCAや、p53由来配列を持つAc−Ser−Arg−His−Lys−Lys(Ac)−MCA、チューブリン由来配列を持つAc−Met−Pro−Ser―Asp―Lys(Ac)−MCA等の種々のオリゴペプチドのカルボキシ末端にアセチル化リシンと蛍光基MCAを結合させたペプチジルLys(Ac)−MCAを例示することができる。
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の蛍光測定方法や蛍光測定装置を具体的に説明するが、本発明はこれら図面に記載された実施態様に限定されるものではない。図1は、本発明の蛍光測定装置の基本構成を示し、図2は、本発明の蛍光測定装置の主要部の詳細を示す。
【0029】
測定ボックス1内に設けられたマイクロチューブ2を垂直に支持する容器支持部3に、対象液体試料を注入し、脱蓋したマイクロチューブ2が挿入される。このマイクロチューブ2の側面水平方向から特定ピーク波長を有する励起光を照射するLED4が励起光源として装着され、マイクロチューブ内対象液体試料に特定ピーク波長として365nmを有する励起光が照射される。照射光源レベルの最適調整は、電流制御部21、上下水平位置制御部5、6で行われる。この励起光は、マイクロチューブ側壁を導波路として側壁面を励起光導波路としてチューブ内対象液全域へ配光され、及び側壁面よりの漏洩光により対象液体試料が励起される。この励起により発光した蛍光は、所定干渉フィルター7(中心波長442nm±10nm)を通して遮光ボックス上部の受光素子8により検出され、制御ボックス20内制御部に配置された信号増幅器22(電流―電圧変換増幅+信号増幅:検出レンジスケール調整)に入力され、ダイナミックレンジ調節は勿論、この信号は、主制御部(PIC+ADC)処理、結果を所定の表示内容(初期値、最終値、時間経過、状態表示、温度表示)をLCDディスプレイ23によって報知される。更にデータ処理を要する場合は、主制御部24より、ホストシステム27へ伝送される。
【0030】
上記対象液体試料の温度制御については、即応性、安全性を考慮して、測定ボックス内に設けられた温度制御加熱体PTC(Positive Temperature Control)9で行われ、近傍にセットされた対象液体試料の周辺温度を感知するフィードバック用温度センサー10よりのフィードバック信号と前もって策定されたプログラム内容とを比較し、必要に応じて対象液体試料の周辺を加熱する指示を出力することができる温度制御が温度制御部25、26で行われる。
【0031】
また、マイクロチューブ側壁へ横方向から照射するため、エッペンチューブ対象試料量のほぼ水面上に励起光が照射できるように、LEDの縦横位置の調節を上下水平位置制御部5、6で最適化し、マイクロチューブの有する固有のバックグラウンド蛍光レベルをミニマムにできるようにしている。
【0032】
図2においては、対象液体試料が注入されたマイクロチューブ2、励起光源LED4、検出受光素子8、受光干渉フィルター7、フィードバック用温度センサー10、温度制御加熱体PTC9、測定ボックス上部操作キャップ11から構成され、本測定装置の中間部に装着されていることが示されている。
【0033】
前記測定ボックス内に配設された容器支持部3は、マイクロチューブ2を垂直に支持することができ、例えば0.2mL,1.5mL,2.0mL等各種容量のマイクロチューブ、特に汎用されている1.5mLマイクロチューブを垂直に支持することができるように構成されている。
【0034】
励起光の光源としては、365nm±10nmにピークを有する日亜化学社製NSHU590Bトップレンズつき砲弾型LEDが用いられている。
【0035】
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【実施例1】
【0036】
(励起光源部の位置の最適化)
本発明において対象試料蛍光量は、試料の吸収される単色光量ベールの法則から誘導し
F=φP(1−10exp(−abc))
−abc<0.01のとき
F=2.303φPabc
ここで F:蛍光強度
φ:量子収率
b:光路長
c:濃度
で表現される。これらを基本として、最適な構成要素仕様を求めることとした。
【0037】
励起光源部の位置について図3に示すとおり、上下方向(V−0,V−1,V−2)又は水平方向(H(1),(2),(3))に光源を配設して検討を行った。
【0038】
上下方向の検討に際しては、水平方向(H(3))に固定して、V位置:V−0,V−1,V−2について、0〜5μMのAMC基準溶液に対するFI強度をプロットした検量線を図4に示す。図中、
・ 1は、V−(0)
・ 2は、V−(1)
・ 3は、V−(2)の位置での測定値を示す。
吃水面であるV−(0)を示す1のグラフが一番傾きが大きく、AMC基準溶液としての検量線として一番適していることが示された。
【0039】
次に、水平方向の調節については、照射エネルギー、照射指向特性との関連で、主として、ダイナミックレンジに影響すると考えられる。図5に、1はH−(3)の位置,2はH−(2)の位置での測定値を示す(上下方向V−(0)に固定)。なお、H−(1)の位置、H−(0)の位置での測定値については省略した。
【実施例2】
【0040】
(蛍光強度vs生成物濃度)
AMCを0.1MのHEPESバッファー、pH7.2に溶解して、1〜10μM溶液を準備し、これらを 100μLずつマイクロチューブ(A−1500、株式会社アシスト製;容積、1.5mL;長さ、450mm;ネジ式蓋止め以下、350mm;テーパー位置、下から20mm;外径、10mm;内径、8mm;側壁肉厚、1mm)に注入し、図1に示す本発明の蛍光測定装置を用いて、365nm±10nmのピークを有する光を照射し、442nmで受光する条件を設定して、蛍光強度を測定した。結果を図6に示す。蛍光強度とAMCの濃度が、ほぼ直線的な関係を示した。これらの結果から、本発明によると、高感度にAMCの蛍光を検知し、AMC濃度を測定することができることが示された。
【実施例3】
【0041】
(蛍光強度vsトリプシン濃度)
Boc−Gly−Gly−Arg−MCA、0.1MのHEPESバッファー、pH7.2に溶解して100μLをエッペンドルフチューブに注入し、濃度を調整したトリプシン溶液を5μL添加した後、10分間蛍光強度を測定し、10分間の蛍光強度の差分をΔFIとして得た。結果を図7に示す。ΔFI−トリプシン濃度の関係でプロットして、直線性のある相関関係を得た。これらの結果から、本発明によると、Boc−Gly−Gly−Arg−MCAを基質として、トリプシンがAMCを切り出す速度は、AMCの濃度上昇から測定することが可能であることが確認された。
【実施例4】
【0042】
(蛍光強度vs歯周ポケットの深さ)
Boc−Gly−Gly−Arg−MCA0.1MのHEPESバッファー、pH7.2に溶解して100μLをエッペンドルフチューブに注入し、歯周病患者の歯肉浸出液をペーパーポイントで0.1μL採取し、これを試料として エッペンドルフチューブ内のBoc−Gly−Gly−Arg−MCA溶液に添加した。10分間蛍光強度を測定し、10分間の蛍光強度の差分ΔFIを、歯科医師の測定による歯周ポケット (pocket depth:PD)とプロットした。結果を図8に示す。これらの結果から、歯周病原因菌であるP. gingivalisが産生するAMCを切り出す能力を有する酵素Arg−ジンジパインの歯肉浸出液中の酵素活性を測定することにより、歯周病が活動期にあるか否かを判断することによって、治療方針を策定するのに有用であることが確認された。
【符号の説明】
【0043】
1 測定ボックス
2 マイクロチューブ
3 容器支持部
4 LED
5 上下位置制御部
6 水平位置制御部
7 干渉フィルター
8 受光素子
9 温度制御加熱体PTC
10 温度センサー
11 測定ボックス上部操作キャップ
20 制御ボックス
21 電流制御部
22 信号増幅器
23 LCDディスプレイ
24 主制御部
25 温度制御部(1)
26 温度制御部(2)
27 ホストシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8