(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669583
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】流量算出システム、集積型ガスパネル装置及びベースプレート
(51)【国際特許分類】
G01F 1/36 20060101AFI20150122BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20150122BHJP
H01L 29/84 20060101ALI20150122BHJP
G01L 19/00 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
G01F1/36
F16L55/00 Z
H01L29/84 B
G01L19/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-537197(P2010-537197)
(86)(22)【出願日】2010年9月17日
(86)【国際出願番号】JP2010066185
(87)【国際公開番号】WO2011040268
(87)【国際公開日】20110407
【審査請求日】2013年7月29日
(31)【優先権主張番号】特願2009-228726(P2009-228726)
(32)【優先日】2009年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100113468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】安田 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】畑板 剛久
(72)【発明者】
【氏名】林 繁之
(72)【発明者】
【氏名】高倉 洋
【審査官】
岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−078383(JP,A)
【文献】
特表2001−521120(JP,A)
【文献】
特開2006−242222(JP,A)
【文献】
特開2006−319190(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/114016(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/36
F16L 55/00
G01L 19/00
G05D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体抵抗体の少なくとも上流側又は下流側に圧力センサが設けられ、流路方向が互いに略同一である複数の測定ラインと、
前記各測定ラインにおける圧力センサから得られる圧力によって、各ラインを流れる流体の流量を算出する算出部と、を備え、
互いに隣接する測定ラインに設けられた圧力センサが、前記測定ラインの流路方向に沿って互い違いに配置されるとともに、互いに隣接する測定ラインに設けられた圧力センサの一部が、前記測定ラインの流路方向から見て重なり合って見えるように配置されている流量算出システム。
【請求項2】
各測定ラインの上流側に設けられた圧力センサと流体を導入する導入ポートとの間の流路の流体特性が、略同一となるように構成されている請求項1記載の流量算出システム。
【請求項3】
前記各測定ラインの圧力センサが共通のベースプレートの一面に固定され、そのベースプレートの内部に流体が通過する内部流路が形成されている請求項1記載の流量算出システム。
【請求項4】
請求項1記載の流量算出システムを有する集積型ガスパネル装置。
【請求項5】
流路方向が互いに略同一である複数の測定ライン毎に形成された内部流路と、当該内部流路と連通し、圧力センサが取り付けられるセンサ取付部と、を有するベースプレートであって、
互いに隣接する測定ラインを構成する内部流路に連通するセンサ取付部が、前記測定ラインの流路方向に沿って互い違いに配置されるとともに、当該センサ取付部に前記圧力センサが取り付けられた状態において、前記圧力センサの一部が前記測定ラインの流路方向から見て重なり合って見えるように配置されているベースプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばダイアフラム式等の圧力センサを用いた流量算出システム、この質量流量計を用いた集積型ガスパネル装置及び流量算出システムに用いられるベースプレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、質量流量計としては、特許文献1に示すように、流体抵抗体の上流側及び下流側に圧力センサを設け、その圧力センサにより得られる差圧に基づいて流路を流れる流体の質量流量を測定するものがある。この質量流量計を用いたマスフローコントローラとしては、質量流量計の圧力センサの上流側又は下流側に設けた流量制御バルブの弁開度を制御するものである。そして、圧力センサとしては、流体の圧力に基づいて変形するダイアフラムを有し、このダイアフラムの変化量に基づいて流体の圧力を検出するダイアフラム式のものを用いている
【0003】
ところで、半導体プロセスにおいては、複数種のプロセスガスが使用されることが一般的であり、各プロセスガスの流量制御を独立して行うものであって、各ガス供給制御ラインが集積化されたガスパネルが考えられている。このガスパネルは、特許文献2に示すように、ベースプレート上に複数のガス供給制御ラインが並列に設けられて構成されている。
【0004】
しかしながら、このガスパネルをさらに高集積化するためには、ベースプレート上に配置する構成部品の小型化が考えられるところ、流量制御性能及び安全性を考慮すると部品を小型化することは望ましいことではない。特に、圧力センサを小さくして高集積化することが考えられるが、ダイアフラム式の圧力センサを用いた場合には小型化に制限(最小径;約20mm)がある。なぜなら、圧力の測定感度の関係から、ダイアフラムを小径化すると受圧面が小さくなってしまい、感度性能の低下につながってしまうからである。したがって、このような圧力センサを用いて高集積化を試みると、ガスパネルのライン並列方向(幅方向)の寸法が大きくなってしまうだけでなく、設置スペースも大きくなってしまう。また、ベースプレートも大型化してしまい、製造に用いる資源も多くなってしまうという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−196858号公報
【特許文献2】特開平10−169881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、例えばダイアフラム式等の圧力センサを有する複数の測定ラインを備えた流量算出システム又は集積型ガスパネル装置において、小型化、省スペース化及び省資源化することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る流量算出システムは、流体抵抗体の少なくとも上流側又は下流側に圧力センサが設けられ、
流路方向が互いに略同一である複数の測定ラインと、前記各測定ラインにおける圧力センサから得られる圧力によって、各ラインを流れる流体の流量を算出する算出部と、を備え、互いに隣接する測定ラインに設けられた圧力センサが、前記測定ラインの流路方向に沿って互い違いに配置されるとともに、互いに隣接する測定ラインに設けられた圧力センサの一部が、前記測定ラインの流路方向から見て重なり合って見えるように配置されていることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、互いに隣接する測定ラインの圧力センサを測定ラインの流路方向に沿って互い違いに配置するとともに、測定ラインの流路方向から見て重なり合うように配置しているので、圧力センサを密に配置することができ、流量算出システムを小型化することができるとともに、設置スペースを省スペース化することができる。また、流量算出システムを小型化することにより省資源化することもできる。さらに、圧力センサを不必要に小型化することがないので、圧力センサの感度性能を保ちつつ、システム全体を小型化することができる。その上、限られたスペースに圧力センサを配置する場合には、圧力センサのサイズを可及的に大きくすることができるので、流量算出システムの測定精度を可及的に向上させることができる。
【0009】
上記のとおり、小型化、省スペース化及び省資源化だけでなく、各測定ライン間の測定精度を均一にするためには、各測定ラインの上流側に設けられた圧力センサと流体を導入する導入ポートとの間の流路の流体特性が、略同一となるように構成されていることが望ましい。
【0010】
各測定ライン間の測定精度を簡単な構成に均一するためには、各測定ラインの上流側に設けられた圧力センサと流体を導入する導入ポートとの間の流路の容積又は長さが、略同一となるように構成されていることが望ましい。
【0011】
システムの構成を簡単化すると共に、部品点数を削減し、さらに省資源化を可能にするためには、前記各測定ラインの圧力センサが共通のベースプレートの一面に固定され、そのベースプレートの内部に流体が通過する内部流路が形成されていることが望ましい。
【0012】
上記の流量算出システムを集積型ガスパネルに用いた場合には、小型化、省スペース化及び省資源化しながら、さらに高集積化を可能にすることができる。
【0013】
また、上記流量算出システム又は集積型ガスパネルに好適に用いられるベースプレートとしては、
流路方向が互いに略同一である複数の測定ライン毎に形成された内部流路と、当該内部流路と連通し、圧力センサが取り付けられるセンサ取付部と、を有するベースプレートであって、互いに隣接する測定ラインを構成する内部流路に連通するセンサ取付部が、前記測定ラインの流路方向に沿って互い違いに配置されるとともに、当該センサ取付部に前記圧力センサが取り付けられた状態において、前記圧力センサの一部が前記測定ラインの流路方向から見て重なり合って見えるように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本発明によれば、例えばダイアフラム式等の圧力センサを有する複数の測定ラインを備えた流量算出システム又は集積型ガスパネル装置において、小型化、省スペース化及び省資源化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る集積型ガスパネル装置の上面視における模式的構成図である。
【
図2】同実施形態における流路方向に沿った断面を模式的に示す図である。
【
図3】同実施形態における流路方向から見た断面を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0016】
100 ・・・集積型ガスパネル装置
L1〜L4・・・測定ライン
PT1 ・・・導入ポート
V ・・・流量制御バルブ
R ・・・流体抵抗体
PS1 ・・・上流側圧力センサ
PS2 ・・・下流側圧力センサ
2 ・・・ベースプレート
211 ・・・内部主流路
212 ・・・内部枝流路
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る流量算出システムを用いた集積型ガスパネル装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態の集積型ガスパネル装置100は、半導体製造システムの一部を構成するものであり、成膜用の各種ガスを図示しないガス供給源からそれぞれ導入し、半導体の成膜チャンバ(不図示)に供給するために用いられる。
【0019】
具体的にこのものは、
図1に示すように、流体を内部に導入するための導入ポートPT1と、当該導入ポートPT1により内部に導入された流体の抵抗となる例えばオリフィス又はキャピラリ等の流体抵抗体Rと、当該流体抵抗体Rの上流側及び下流側に設けられた上面視概略円形をなす圧力センサPS1、PS2と、当該上流側圧力センサPS1及び導入ポートPT1の間に設けられた流量制御バルブVとを有する複数の測定ラインL1〜L4を備えている。各測定ラインLは、各ガスの質量流量をコントロールするマスフローコントローラとして機能する。なお、
図1においては4つの測定ラインL1〜L4を有する集積型ガスパネル装置100を示しているが、複数の測定ラインは4つに限定されない。
【0020】
本実施形態の圧力センサPS1、PS2は、概略円柱状をなすものであり、流体の圧力に基づいて変形するダイアフラムを有し、このダイアフラムの変化量に基づいて流体の圧力を検出するダイアフラム式圧力センサである。
【0021】
また、この集積型ガスパネル装置100は、各測定ラインL1〜L4における圧力センサPS1、PS2から得られる差圧に基づいて、各ラインL1〜L4を流れる流体の質量流量を算出する算出部(不図示)と、その測定流量値と目標流量である設定流量値に基づいて流量制御バルブVの弁開度を制御する制御部(不図示)と、を備えている。
【0022】
そして、複数の測定ラインL1〜L4は、1つのベースプレート2に等間隔に設けられている。このベースプレート2は、概略矩形状をなすものであり、その上面に各測定ラインL1〜L4の流量制御バルブVを取り付けるためのバルブ取付部(例えば凹部)2a、上流側圧力センサPS1及び下流側圧力センサPS2を取り付けるためのセンサ取付部(例えば凹部)2b、2cが形成されている。(
図2参照)。また、内部には、測定ラインL1〜L4のガス流路を形成する内部流路21が形成されている。さらに、ベースプレート2の一端面に、測定ラインL1〜L4の導入ポートPT1を形成する付属配管具が取り付けられ、他端面に測定ラインL1〜L4の導出ポートPT2を形成する付属配管具が取り付けられる。
【0023】
内部流路21は、
図2及び
図3に示すように、導入ポートPT1及びバルブ取付部2a、又はバルブ取付部2a及び導出ポートPT2を連通する内部主流路211と、内部主流路211と各センサ取付部2b、2cとを連通する内部枝流路212とを有する。
【0024】
内部主流路211は、上面視においてベースプレート2に略直線状に形成されている(
図1参照)。本実施形態では、各測定ラインL1〜L4を構成する内部主流路211は、互いに並行となるように設けられ、且つ等間隔に設けられている。また、内部主流路211において、上流側圧力センサPS1への内部枝流路212と、下流側圧力センサPS2への内部枝流路212との間に流体抵抗体Rが設けられている。
【0025】
しかして本実施形態の集積型ガスパネル装置100は、
図1に示すように、互いに隣接する測定ラインL1〜L4に設けられた圧力センサPS1、PS2が、その測定ラインL1〜L4の圧力センサPS1、PS2の設置面に垂直な方向から見た流路方向(上面視における流路方向(
図1における矢印方向))に沿って互い違いに配置されている。つまり、隣接する測定ラインL1〜L4の圧力センサPS1、PS2は、上面視における流路方向においてずれて配置され、1つの測定ライン(例えばL1)の圧力センサPS1、PS2間に、これに隣接する測定ライン(例えばL2)の圧力センサの1つ(例えばPS1)が位置するように配置されている。なお、各測定ラインL1〜L4の流路方向は、測定ラインL1〜L4の全体的な流路の方向であり、
図1及び
図2に示すように、互いに略同一であり、内部主流路211の流路方向と一致し、ベースプレート2の長手方向と略同一方向である。
【0026】
また、集積型ガスパネル装置100は、互いに隣接する測定ラインL1〜L4に設けられた圧力センサPS1、PS2の一部が、その上面視における流路方向上流側から下流側に見て重なり合って見えるように配置されている(
図3参照)。つまり、本実施形態では、ベースプレート2の長手方向から見て隣接する測定ラインL1〜L4の圧力センサPS1、PS2の一部が重なり合うように配置されている。ここで、
図1においては、互いに隣接する測定ライン(例えばL1とL2)において、それら測定ラインL1、L2の間隔が、測定ラインL1に設けられた圧力センサPS1の半径(r
A)及び測定ラインL2に設けられた圧力センサPS1の半径(r
B)の和(r
A+r
B)よりも小さくなるように、測定ラインL1、L2が設けられている。
【0027】
ここで、互いに隣接する測定ラインL1〜L4の圧力センサPS1、PS2を互い違いに配置することによって、隣接する測定ラインL1〜L4における導入ポートPT1及び上流側圧力センサPS1の間の流路長さが異なることになる。このとき、それらの流路を同一径にすると、内部流路の長い測定ラインが、短いものに比べて流路抵抗が大きくなってしまう。その結果、互いに隣接する測定ラインL1〜L4は、流体特性が異なる。そこで、各測定ラインL1〜L4の上流側圧力センサPS1と導入ポートPT1との間の流路の流体特性を、略同一となるように構成している。
【0028】
流体特性を略同一にするための構成としては、上流側圧力センサPS1と導入ポートPT1との間の内部主流路211の容積又は長さを略同一となるように構成している。より具体的には、隣接する測定ライン(例えばL1及びL2)の内部主流路211の容積を略同一にし、2つ隣りの測定ライン(例えばL1及びL3)の内部主流路211の長さを略同一にしている。さらに、本実施形態では、各測定ラインL1〜L4の内部枝流路212の構成、具体的には内径及び長さを略同一にしている。
【0029】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る集積型ガスパネル装置100によれば、互いに隣接する測定ライン(例えばL1とL2)の圧力センサPS1、PS2を上面視における流路方向に沿って互い違いに配置するとともに、上面視における流路方向から見て重なり合うように配置しているので、圧力センサPS1、PS2を密に配置することができ、高集積化しながら、測定ラインL1〜L4の並列方向(幅方向)の寸法を小型化することができる。またこれによって設置スペースにおいても省スペース化することができとともに、ガスパネル装置100を小型化することにより省資源化することもできる。さらに、圧力センサPS1、PS2を不必要に小型化することがないので、圧力センサPS1、PS2の感度性能を保ちつつ、装置全体を小型化することができる。その上、限られたスペースに圧力センサPS1、PS2を配置する場合には、圧力センサPS1、PS2のサイズを可及的に大きくすることができるので、集積化ガスパネル装置100の測定精度及びコントロール精度を可及的に向上させることができる。
【0030】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0031】
例えば前記実施形態では、前記実施形態では、圧力センサは、ダイアフラム式のものであったが、その他の圧力センサを用いたものであっても良い。
【0032】
また、流体抵抗体の上流側及び下流側に圧力センサを設けているが、音速ノズル式のものであれば、上流側又は下流側に圧力センサを設けるようにしても良い。
【0033】
さらに、前記実施形態では、互いに隣接する測定ラインの導入ポート及び上流側圧力センサの間の流路の長さが異なる構成であるが、互いに隣接する測定ラインの導入ポート及び上流側圧力センサの間の流路の長さを略同一とするように導入ポートを配置しても良い。
【0034】
その上、前記実施形態の複数の測定ラインは、共通のベースプレートに設けられるものであったが、1又は複数の測定ラインが設けられたブロック体を組み合わせて構成しても良い。
【0035】
加えて、各測定ラインの上流側圧力センサ及び下流側圧力センサの配列方向が同一であれば、測定ラインの構成及び内部主流路の構成は前記実施形態に限られない。なお、このとき上流側圧力センサ及び下流側圧力センサの配列方向を測定ラインの上面視の流路方向とする。
【0036】
さらに加えて、複数の測定ラインL1〜L4のうち、互いに隣接する第1の測定ラインL1、第2の測定ラインL2のみ等、複数の測定ラインのうち一部の互いに隣接する測定ラインに設けられた圧力センサが、その設置面に垂直な方向から見た測定ラインの流路方向に沿って互い違いに配置されるとともに、互いに隣接する測定ラインに設けられた圧力センサの一部が、設置面に垂直な方向から見た測定ラインの流路方向から見て重なり合うように配置されているものでも良い。
【0037】
また、前記実施形態では、圧力センサの配置について説明したものであったが、その他、バルブ等の流路上に配置される構成部材の配置についても適用できる。この場合、流量算出システムは、バルブ等の流路上に配置される構成部材が設けられた複数の測定ラインを備え、互いに隣接する測定ラインに設けられた構成部材が、前記測定ラインの流路方向に沿って互い違いに配置されるとともに、互いに隣接する測定ラインに設けられた構成部材の一部が、前記測定ラインの流路方向から見て重なり合って見えるように配置されていることを特徴とする。各測定ラインを流れる流体が大流量となればバルブ等の構成部材も大型化してしまうが、これならば、システム全体として小型化、省スペース化及び省資源化しながら、さらに高集積化を可能にすることができる。
【0038】
さらに上記の流量算出システムに好適に用いられるベースプレートとしては、複数の測定ライン毎に形成された内部流路と、当該内部流路と連通し、バルブ等の構成部材が取り付けられる取付部と、を有するベースプレートであって、互いに隣接する測定ラインを構成する内部流路に連通する取付部が、前記測定ラインの流路方向に沿って互い違いに配置されるとともに、当該取付部に前記構成部材が取り付けられた状態において、前記構成部材の一部が前記測定ラインの流路方向から見て重なり合って見えるように配置されていることを特徴とする。
【0039】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明により、例えばダイアフラム式等の圧力センサを有する複数の測定ラインを備えた流量算出システム又は集積型ガスパネル装置において、小型化、省スペース化及び省資源化することができる。