特許第5671202号(P5671202)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5671202フォトレジストテンプレートマスクを用いて頻度を倍にする方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671202
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】フォトレジストテンプレートマスクを用いて頻度を倍にする方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20150129BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20150129BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   H01L21/30 570
   G03F7/40 511
   H01L21/302 105A
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2008-274120(P2008-274120)
(22)【出願日】2008年10月24日
(65)【公開番号】特開2009-124134(P2009-124134A)
(43)【公開日】2009年6月4日
【審査請求日】2011年10月24日
(31)【優先権主張番号】60/983,058
(32)【優先日】2007年10月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ディー ベンチャー
(72)【発明者】
【氏名】フイキショング ダイ
(72)【発明者】
【氏名】リ ヤン ミアオ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ ディー チェン
【審査官】 松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−245634(JP,A)
【文献】 特開昭64−035916(JP,A)
【文献】 特開平01−124219(JP,A)
【文献】 特開平03−270227(JP,A)
【文献】 特開平05−088375(JP,A)
【文献】 特開平06−077180(JP,A)
【文献】 特開平07−326562(JP,A)
【文献】 特開2004−186285(JP,A)
【文献】 特開2006−198457(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0046422(US,A1)
【文献】 国際公開第2006/101695(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205、21/027、21/302、
21/3065、21/31、21/365、
21/461、21/469、21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムをパターン化する方法であって、
フォトレジスト層をデバイス層上に形成する工程と、
前記フォトレジスト層をパターン化して、各々が側壁及び端部を有する一連のラインから成るフォトレジストテンプレートマスクを形成する工程と、
スペーサ形成材料層を、前記フォトレジストテンプレートマスク上に堆積する工程と、
前記スペーサ形成材料層をエッチングして、スペーサマスクを形成し、前記フォトレジストテンプレートマスクを露出する工程であって、前記スペーサマスクは、前記フォトレジストテンプレートマスクの前記一連のラインの各ラインの前記側壁に隣接したスペーサラインと、前記フォトレジストテンプレートマスクの前記一連の線の各線の端部の周りを覆うスペーサ端部を有する工程と、
前記スペーサマスクをトリミングして、前記スペーサラインを除去するのではなく、前記スペーサ端部を除去することによって、トリミングされたスペーサマスクを形成する工程と、
前記スペーサマスクをトリミングした後、前記フォトレジストテンプレートマスクを除去する工程と、
前記フォトレジストテンプレートマスクを除去した後、前記トリミングされたスペーサマスクの画像を、前記デバイス層に転写する工程とを含む方法。
【請求項2】
前記スペーサ形成材料層が凝縮プロセスにより形成され、前記フォトレジストテンプレートマスクが昇華プロセスにより除去される請求項1記載の方法。
【請求項3】
アモルファスカーボンハードマスク層が前記デバイス層上及び前記フォトレジスト層下に配置され、前記トリミングされたスペーサマスクの前記画像は、前記画像が前記デバイス層に転写される前に、前記アモルファスカーボンハードマスクに転写される請求項1記載の方法。
【請求項4】
上部ハードマスク層が、前記アモルファスカーボンハードマスク層上及び前記フォトレジスト層下に配置され、前記トリミングされたスペーサマスクの前記画像は、前記画像が前記アモルファスカーボンハードマスク層に転写される前に、前記上部ハードマスク層に転写され、前記上部ハードマスク層が、窒化ケイ素、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群より選択される材料を含み、前記フォトレジストテンプレートマスクを除去する工程が、Oを用いてエッチングする工程を含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記スペーサ形成材料層が酸化ケイ素又は炭素ドープ酸化ケイ素を含み、前記スペーサ形成材料層をエッチングして、前記スペーサマスクを形成する工程が、C、CH及びCHFからなる群より選択されるガスによるドライエッチングプロセスを用いる工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
フィルムをパターン化する方法であって、
フォトレジスト層をデバイス層上に形成する工程と、
前記フォトレジスト層をパターン化して、各々が側壁及び端部を有する一連のラインから成るフォトレジストテンプレートマスクを形成する工程と、
スペーサ形成材料層を、前記フォトレジストテンプレートマスク上に堆積する工程と、
前記スペーサ形成材料層をエッチングして、スペーサマスクを形成し、前記フォトレジストテンプレートマスクを露出する工程であって、前記スペーサマスクは、前記フォトレジストテンプレートマスクの前記一連のラインの各ラインの前記側壁に隣接したスペーサラインと、前記フォトレジストテンプレートマスクの前記一連の線の各線の端部の周りを覆うスペーサ端部を有する工程と、
前記スペーサマスクをトリミングして、前記スペーサラインを除去するのではなく、前記スペーサ端部を除去することによって、トリミングされたスペーサマスクを形成する工程と、
前記スペーサマスクをトリミングした後、前記デバイス層又は前記スペーサマスクを溶融することなく、昇華により、前記フォトレジストテンプレートマスクを除去するのに十分な温度まで、前記フォトレジストテンプレートマスクを加熱する工程と、
前記フォトレジストテンプレートマスクを除去するのに十分な温度まで、前記フォトレジストテンプレートマスクを加熱した後、前記トリミングされたスペーサマスクの画像を、前記デバイス層に転写する工程とを含む方法。
【請求項7】
前記フォトレジストテンプレートマスクを加熱する工程が、摂氏約550度の温度まで加熱する工程からなる請求項6記載の方法。
【請求項8】
アモルファスカーボンのハードマスク層が、前記デバイス層の上かつ前記フォトレジスト層に下に配置され、前記トリミングされたスペーサマスクの前記画像は、前記画像を前記デバイス層に転写する前に、前記アモルファスカーボンハードマスク層に転写される請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記フォトレジスト層は、248nmのレジスト、193nmのレジスト、157nmのレジスト、EUVレジスト、ジアゾナフトキノン感光剤とのフェノール樹脂マトリックス、ポリーシスーイソプレン、及びポリービニルーシンナメートから成る群より選択される材料から成る請求項8記載の方法。
【請求項10】
最上部のハードマスク層は、前記アモルファスカーボンハードマスク層の上かつ前記フォトレジスト層の下に配置され、前記トリミングされたスペーサマスクの前記画像は、前記画像を前記アモルファスカーボンハードマスク層に転写する前に、前記最上部のハードマスク層に転写され、前記最上部のハードマスク層は、窒化珪素、アモルファスシリコン、及び多結晶シリコンから成る群より選択される材料から成る請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記スペーサ形成材料層が、酸化ケイ素又は炭素ドープ酸化ケイ素を含み、前記スペーサ形成材料層をエッチングして、前記スペーサマスクを形成する工程が、C、CH及びCHFからなる群より選択されるガスによるドライエッチングプロセスを用いる工程を含む請求項6記載の方法。
【請求項12】
フィルムをパターン化する方法であって、
フォトレジスト層をデバイス層上に形成する工程と、
前記フォトレジスト層をパターン化して、各々が側壁及び端部を有する一連のラインから成るフォトレジストテンプレートマスクを形成する工程と、
スペーサ形成材料層を、前記フォトレジストテンプレートマスクで直接凝縮する工程であって、前記フォトレジストテンプレートマスク及び前記デバイス層が、前記スペーサ形成材料層の均一且つコンフォーマルな層を提供するのに十分低い温度に維持される工程と、
前記スペーサ形成材料層をエッチングして、スペーサマスクを形成し、前記フォトレジストテンプレートマスクを露出する工程であって、前記スペーサマスクは、前記フォトレジストテンプレートマスクの前記一連のラインの各ラインの前記側壁に隣接したスペーサラインと、前記フォトレジストテンプレートマスクの前記一連の線の各線の端部の周りを覆うスペーサ端部を有する工程と、
前記スペーサマスクをトリミングして、前記スペーサラインを除去するのではなく、前記スペーサ端部を除去することによって、トリミングされたスペーサマスクを形成する工程と、
前記スペーサマスクをトリミングした後、前記フォトレジストテンプレートマスクを除去する工程と、
前記フォトレジストテンプレートマスクを除去した後、前記トリミングされたスペーサマスクの画像を、前記デバイス層に転写する工程とを含む方法。
【請求項13】
前記フォトレジストテンプレートマスク及び前記デバイス層が、前記スペーサ形成材料層の凝縮中、摂氏0〜100度の範囲の温度に維持される請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記スペーサ形成材料層が、5〜15%の範囲の炭素原子の原子濃度を有する炭素ドープ酸化ケイ素を含む請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記スペーサ形成材料層をエッチングして、前記スペーサマスクを形成する工程が、C、CH及びCHFからなる群より選択されるガスによるドライエッチングプロセスを用いる工程を含む請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記フォトレジストテンプレートマスクを除去する工程が、前記デバイス層又は前記スペーサマスクを溶融することなく、昇華により、前記フォトレジストテンプレートマスクを除去するのに十分な温度まで、前記フォトレジストテンプレートマスクを加熱する工程を含む請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記フォトレジストテンプレートマスクを加熱する工程が、摂氏約550度の温度まで加熱する工程からなる請求項16記載の方法。
【請求項18】
アモルファスカーボンのハードマスク層が、前記デバイス層の上かつ前記フォトレジスト層に下に配置され、前記トリミングされたスペーサマスクの前記画像は、前記画像を前記デバイス層に転写する前に、前記アモルファスカーボンハードマスク層に転写される請求項12記載の方法。
【請求項19】
最上部のハードマスク層は、前記アモルファスカーボンハードマスク層の上かつ前記フォトレジスト層の下に配置され、前記トリミングされたスペーサマスクの前記画像は、前記画像を前記アモルファスカーボンハードマスク層に転写する前に、前記最上部のハードマスク層に転写され、前記最上部のハードマスク層は、窒化珪素、アモルファスシリコン、及び多結晶シリコンから成る群より選択される材料から成る請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記フォトレジストテンプレートマスクを除去する工程が、Oを用いてエッチングする工程を含む請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2007年10月26日に出願された米国特許仮出願第60/983,058号の利益を主張し、この出願は引用により本明細書に一体化される。
【発明の背景】
【0002】
1)発明の分野
本発明は、半導体処理の分野に属する。
2)関連技術の説明
過去数十年にわたって、集積回路のフィーチャーの縮小が、成長し続ける半導体業界を支える駆動力となってきた。フィーチャーが縮小されればされるほど、半導体チップの限られた有効面積での機能単位の密度を増大することができる。例えば、トランジスタのサイズを縮小すると、数多くの論理及びメモリデバイスをマイクロプロセッサに組み込むことができ、より複雑な製品の製造につながる。
【0003】
しかしながら、問題なく縮小はできていない。マイクロ電子回路の基本構築ブロックの寸法が減じ、特定の領域における基本構築ブロックが非常に多くなるにつれて、これらの構築ブロックをパターン化するのに用いるリソグラフィープロセスに対する制限が多大なものとなってくる。特に、半導体スタックにパターン化されたフィーチャーの最小寸法(限界寸法)と、かかるフィーチャー間の間隔にはトレードオフがある。図1A〜Cは、先行技術による従来の半導体リソグラフィープロセスを示す断面図である。
【0004】
図1Aを参照すると、フォトレジスト層104が半導体スタック102上に提供されている。マスク又はレチクル106が、フォトレジスト層104上に配置されている。リソグラフィープロセスには、フォトレジスト層104を、図1Aの矢印により示されるように、特定の波長の光(hv)に露光することが含まれる。図1Bを参照すると、フォトレジスト層104は、後に現像されて、半導体スタック102上にパターン化されたフォトレジスト層108となっている。即ち、露光されたフォトレジスト層104の部分が除去されている。パターン化されたフォトレジスト層108の各フィーチャーの幅は、幅「x」で示されている。各フィーチャー間の間隔は、間隔「y」で示されている。典型的に、特定のリソグラフィープロセスに、フィーチャー間の間隔に等しい、即ち、図1Bに示すようにx=yの限界寸法を有するフィーチャーとなるという制限がある。
【0005】
図1Cを参照すると、フィーチャーの限界寸法(即ち、幅「x」)が減じて、半導体スタック102上にパターン化されたフォトレジスト層110が形成される。限界寸法は、図1Aに図示するリソグラフィー工程中、フォトレジスト層104を過露光したり、図1Bからパターン化されたフォトレジスト層108を後にトリミングすることにより収縮できる。しかしながら、限界寸法のこの減少は、図1Cの間隔「y」に示されるように、フィーチャー間の間隔の増加を犠牲にして成り立っている。即ち、パターン化フォトレジスト層110からの各フィーチャーの最小達成可能寸法と、各フィーチャー間の間隔の間にトレードオフがある。
【0006】
ここには、半導体リソグラフィープロセスの頻度を倍にする方法が記載されている。
【詳細な説明】
【0007】
半導体リソグラフィープロセスの頻度を倍にする方法が記載されている。以下の説明において、製造条件や材料レジーム等の数多くの具体的な詳細が規定されている。本発明を詳細に理解するためのものである。当業者であれば、本発明は、これらの具体的な詳細なしでも実施できることは明白であろう。他の例では、周知の構成、例えば、集積回路設計レイアウトやフォトレジスト現像プロセス等は、本発明を不必要に不明瞭にしないために、詳細には説明しない。更に、図面に示す様々な実施形態は、例示であり、必ずしも縮尺は合っていないものと考えられる。
【0008】
ここに開示されているのは、フォトレジストテンプレートマスクを用いて、リソグラフィープロセスの頻度を倍にする方法である。層状構造が提供されており、層状構造にはフォトレジスト層が形成されている。一実施形態において、フォトレジスト層をパターン化して、フォトレジストテンプレートマスクを形成し、層状構造の一部を露出する。次に、スペーサ形成材料層を、フォトレジストテンプレートマスク上及び層状構造の露出部分上に堆積する。一実施形態において、スペーサ形成材料層をエッチングして、スペーサマスクを形成し、フォトレジストテンプレートマスクを露出する。フォトレジストテンプレートマスクは、次に除去してもよい。具体的な実施形態において、スペーサマスクの層は、最終的に、層状構造に転写される。
【0009】
フォトレジストテンプレートマスクを頻度倍増スキームで用いると、かかる統合スキームで必要なプロセス構成の数が最少になる。例えば、本発明の一実施形態によれば、フォトレジストテンプレートマスクは、スペーサマスクの形成の基礎として用いられる。このように、まず、フォトレジスト層をパターン化してから、パターン化されたフォトレジスト層をマスク層に転写して、テンプレートマスクを形成する代わりに、パターン化されたフォトレジスト層自体を、テンプレートマスクとして直接用いる。一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスクのフィーチャーの頻度が、後にスペーサマスクを製造することにより倍になる。例えば、本発明の実施形態によれば、フォトレジストテンプレートマスクの側壁近傍に形成されたスペーサラインを有するスペーサマスクが製造される。即ち、フォトレジストテンプレートマスクの各ラインについて、スペーサマスクの2つのスペーサラインが生成される。各ラインについて実質的に同じ限界寸法(即ち、同じフィーチャー幅)を与えるが、特定の領域におけるラインの密度が倍のスペーサマスクは、このように、フォトレジストテンプレートマスクの除去の際に製造される。例えば、一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスクのピッチは、4となるように選択して、ピッチが2のスペーサマスクを最終的に与える。
【0010】
フォトレジストテンプレートマスクを直接用いると、フォトレジスト層とは異なる層に、テンプレートマスクを製造する必要性を排除できるものの、フォトレジストテンプレートマスクを様々なプロセス条件に晒す時は、注意を要する。例えば、本発明の実施形態によれば、フォトレジストテンプレートマスクは、高温プロセス工程に感度がある、即ち、高温プロセス工程に晒されると劣化する。このように、スペーサ形成材料層(スペーサマスクを形成するのに最終的に用いられる材料)をフォトレジストテンプレートマスクに堆積する時、低温堆積技術を用いるのが望ましい。一実施形態において、低温凝縮プロセスを用いて、スペーサ形成材料層を、フォトレジストテンプレートマスク上に堆積する。本発明の他の実施形態によれば、フォトレジストテンプレートマスクが、アモルファスカーボンハードマスク層上に直接形成される。フォトレジストテンプレートマスクは、アモルファスカーボンハードマスク層のエッチング特性と同様のエッチング特性を有するため、フォトレジストテンプレートマスクを、エッチングプロセスにより除去するのは実際的ではない。しかしながら、一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスクの熱特性は、アモルファスカーボンハードマスク層の熱特性とは実質的に異なる。熱特性のこの差を利用して、フォトレジストテンプレートマスクを、アモルファスカーボンハードマスク層から選択的に除去してよい。具体的な実施形態において、フォトレジストテンプレートマスクは、昇華プロセスにより、アモルファスカーボンハードマスクハードマスク層に対して高選択性で除去される。
【0011】
半導体リソグラフィープロセスの頻度は、フォトレジストテンプレートマスクを用いることにより倍にできる。図2は、本発明の実施形態による、頻度倍増製造プロセスにおける一連の操作を示すフローチャート200である。図3A〜Gは、本発明の実施形態による層状構造に適用された図2のフローチャート200の一連の操作を示す断面図である。
【0012】
フローチャート200の操作202及び対応の図3Aを参照すると、フォトレジスト層302が上に形成された構造300が提供される。本発明の一実施形態によれば、構造300の少なくとも一部は、フォトレジストテンプレートマスクを組み込むプロセスを用いることにより、最終的にパターン化される。一実施形態において、図3Aに示す通り、構造300は層状構造である。デバイス層は、フォトレジストテンプレートマスクを直接形成することにより、パターン化されてもよい。或いは、デバイス層上にあるハードマスク構造をまずパターン化し、後に、パターンを、ハードマスク構造からデバイス層へ転写してもよい。このように、具体的な実施形態において、構造300は、図3Aに示す通り、第1のハードマスク層304、第2のハードマスク層306及びデバイス層308を含む。特定の実施形態において、第1のハードマスク層304及び第2のハードマスク層306は、パターン化プロセス後に除去され、デバイス層308はパターン化され、最終的に保持される。
【0013】
フォトレジスト層302は、リソグラフィープロセスに用いるのに好適な材料で構成すればよい。即ち、フォトレジスト層302は、最終的に光源に露光された後、現像される。一実施形態において、光源に露光されるフォトレジスト層302の部分が、フォトレジスト層302現像の際に除去される。即ち、フォトレジスト層302は、正のフォトレジスト材料から構成されている。具体的な実施形態において、フォトレジスト層302は、248nmのレジスト、193nmのレジスト、157nmのレジスト、超紫外線(EUV)レジスト及びジアゾナフトキノン感光剤とのフェノール樹脂マトリックスからなる群より選択される正のフォトレジスト材料から構成されている。他の実施形態において、光源に露光されるフォトレジスト層302の部分は、フォトレジスト層302現像の際に保持される。即ち、フォトレジスト層302は、負のフォトレジスト材料から構成されている。具体的な実施形態において、フォトレジスト層302は、ポリ−シス−イソプレン及びポリ−ビニル−シンナメートからなる群より選択される負のフォトレジスト材料から構成されている。フォトレジスト層302の厚さは、後に形成されたスペーサマスクが形成されたスペーサマスクラインが壊れないよう十分に薄く、スペーサマスクラインの限界寸法コントロールができるよう十分に厚い。一実施形態において、フォトレジスト層302の厚さは、後に形成されたスペーサマスクのターゲットとするライン幅の4.06〜5.625倍の範囲である。
【0014】
第1のハードマスク層304は、フォトレジストテンプレートマスクに基づいてスペーサマスクを形成するのに用いるエッチングプロセスに耐えるのに好適な、即ち、フォトレジストテンプレートマスクに基づいたスペーサマスクの形成中、第2のハードマスク層306を保護するのに好適な材料で構成されていればよい。本発明の実施形態によれば、後に形成されたスペーサマスクは、酸化ケイ素で構成されており、第1のハードマスク層304は、窒化ケイ素、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群より選択される材料で構成されている。第1のハードマスク層304の厚さは、ピンホールを排除するのに十分に厚い。ピンホールは、スペーサマスクを形成するのに用いるエッチングプロセスにとって、第2のハードマスク層306を露出するため望ましくない。一実施形態において、第1のハードマスク層304の厚さは、15〜40ナノメートルの範囲である。
【0015】
第2のハードマスク層306は、スペーサマスクの転写画像に基づいて、パターン化マスクを形成するのに好適な材料で構成されていればよい。本発明の実施形態によれば、第2のハードマスク層306は、フォトレジスト層302のエッチング特性と同様のエッチング特性を有している。このように、一実施形態において、第2のハードマスク層306は、図3B及び3Eに関して後述する通り、フォトレジスト層302トリミング又は除去プロセス中、第1のハードマスク層304により保護される。例えば、具体的な実施形態において、フォトレジスト層302及び第2のハードマスク層306は、実質的に炭素原子から構成されている。一実施形態において、第2のハードマスク層306は、炭化水素前駆体分子を用いて、化学蒸着プロセスから形成されたsp(ダイヤモンドライク)−、sp(グラファイト)−及びsp(熱分解)−ハイブリダイズドカーボン原子の混合物から実質的になる。かかるフィルムは、アモルファスカーボンフィルムとして業界では公知である。その一例は、アプライドマテリアルズ製アドバンスドパターン化フィルム(商標名)(APF(商標名))である。本発明の実施形態において、第2のハードマスク層306は、アモルファスカーボンフィルムであり、フォトレジスト層302の熱特性とは異なる熱特性を有している。一実施形態において、熱特性のこの差を利用して、フォトレジスト層302を、アモルファスカーボンフィルムから構成された第2のハードマスク層306から選択的に除去する。第2のハードマスク層306の厚さは、後に形成されるパターン化マスクに用いるのに、実際的なアスペクト比を与えるのに好適な厚さである。特定の実施形態において、第2のハードマスク層306の厚さは、後に形成されるパターン化マスクの各ラインのターゲットとする幅の3.125〜6.875倍の範囲である。
【0016】
デバイス層308は、デバイス製造又は倍頻度マスクを必要とする他の構造製造(例えば、半導体構造、MEMS構造及び金属線構造)に望ましい層であればよい。例えば、本発明の実施形態によれば、デバイス層308は、明確に定義された半導体構造のアレイへと好適にパターン化できる厚さを有する材料で構成されている。一実施形態において、デバイス層308は、IV族系材料又はIII−V材料で構成されている。更に、デバイス層308は、明確に定義された半導体構造のアレイへと好適にパターン化できるモルホロジーを有する。一実施形態において、デバイス層308のモルホロジーは、アモルファス、単結晶及び多結晶からなる群より選択される。一実施形態において、デバイス層308は、電荷担体ドーパント不純物原子を含む。具体的な実施形態において、デバイス層308は、50〜1000ナノメートルの範囲の厚さを有する。デバイス層308は金属から構成されている。一実施形態において、デバイス層308は、これらに限られるものではないが、金属窒化物、金属炭化物、金属ケイ化物、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム、ルテニウム、パラジウム、白金、コバルト、銅及びニッケルを含む金属種から構成されている。デバイス層308は、更に、基板310上にあってもよい。基板310は、製造プロセスに耐えるのに好適な材料で構成されていればよい。一実施形態において、基板310は、可撓性プラスチックシートから構成されている。基板310は更に、製造プロセスに耐えるのに好適で、半導体層が好適には上にある材料で構成されていてもよい。一実施形態において、基板310は、結晶シリコン、ゲルマニウム又はシリコン/ゲルマニウム等のIV族系材料で構成されている。他の実施形態において、基板310は、III−V材料で構成されている。基板310はまた、絶縁層を含んでいてもよい。一実施形態において、絶縁層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び高−k誘電体層からなる群より選択される材料で構成されている。
【0017】
フローチャート200の操作204及び対応の図3Bを参照すると、フォトレジスト層302がパターン化されて、フォトレジストテンプレートマスク312が形成される。構造300の一部、及び、特に、第1のハードマスク層304の上面の一部を、図3Bに示す通り、フォトレジスト層302のパターン化の際に露出する。
【0018】
フォトレジスト層302をパターン化して、第1のハードマスク層302の所望の部分を露出しながら、フォトレジストテンプレートマスク312に良好に定義されたフィーチャーを提供するのに好適な方法により、フォトレジストテンプレートマスク312を形成する。本発明の実施形態によれば、フォトレジスト層302をパターン化して、248nmリソグラフィー/現像、193nmリソグラフィー/現像、157nmリソグラフィー/現像、超紫外線(EUV)リソグラフィー/現像及び直接書き込みリソグラフィー/現像からなる群より選択されるリソグラフィー/現像プロセスにより、フォトレジストテンプレートマスク312を形成する。
【0019】
フォトレジストテンプレートマスク312は、スペーサマスク製造プロセスに用いるのに好適な寸法を有していればよい。本発明の実施形態によれば、フォトレジストテンプレートマスク312の各フィーチャーの幅「x」を選択する。これは、後に形成される半導体デバイスフィーチャーの所望の限界寸法と実質的に相互に関連している。例えば、一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク312の各フィーチャーの幅「x」を選択して、ゲート電極の所望の限界寸法と相互に関連させる。一実施形態において、幅「x」は、10〜100ナノメートルの範囲である。ライン「y」間の間隔を選択して、頻度倍増スキームを最適化してもよい。即ち、本発明の実施形態によれば、後に製造されるスペーサマスクは、スペーサマスクのスペーサラインの幅が、フォトレジストテンプレートマスク312の各フィーチャーの幅「x」と実質的に同じとなるようにする。更に、後に形成されるスペーサライン間の間隔は、各スペーサ領域の幅と実質的に等しくなるようにする。このように、一実施形態において、頻度は、最終的に倍になるため、フォトレジストテンプレートマスク312中の各フィーチャー間の間隔「y」は、図3Bに示す通り、値「x」の3倍に略等しい。即ち、フォトレジストテンプレートマスク312のピッチは、約4となるように選択し、ピッチが約2のスペーサラインのスペーサマスクを最終的に提供する。
【0020】
フォトレジストテンプレートマスク312のフィーチャーの約3:1の間隔:幅比は、リソグラフィープロセスの露光工程で、正のフォトレジスト層を過露光したり、リソグラフィー/現像プロセスの後、フォトレジスト層302をトリミングすることにより達成される。一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク312は、193nmの正のフォトレジストから構成されており、Oガスベースのプラズマエッチング化学を用いることにより、トリミング後現像される。トリミングプロセスはまた、第2のハードマスク層306にも影響するため、本発明の実施形態によれば、第1のハードマスク層304を存在させて、かかるトリミングプロセス中、第2のハードマスク層306を保護する。
【0021】
フローチャート200の操作206及び図3Cを参照すると、スペーサ形成材料層320が、フォトレジストテンプレートマスク312及び第1のハードマスク層304の露出部分上にコンフォーマルに堆積する。スペーサ形成材料層320は、フォトレジストテンプレートマスクに基づく頻度倍増スキームに用いるスペーサマスクに最終的になる材料源である。
【0022】
スペーサ形成材料層320は、フォトレジストテンプレートマスク312と相溶性があり、後のエッチングプロセスで用いるのに信頼性のあるマスクを形成するのに好適な材料で構成されていればよい。フォトレジストテンプレートマスク312を直接用いると、フォトレジスト層とは異なる層に、テンプレートマスクを製造する必要性を排除できるものの、本発明の実施形態によれば、フォトレジストテンプレートマスク312を様々なプロセス条件に晒す時は、注意を要する。例えば、一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク312は、典型的にスペーサ形成材料層を堆積するのに用いられる高温(例えば、従来の化学蒸着技術で用いられる摂氏120度を超える温度)に晒されると劣化する。このように、スペーサ形成材料層320を堆積する時、低温堆積技術を用いるのが望ましい。例えば、一実施形態において、スペーサ形成材料層320を、フォトレジストテンプレートマスク312のガラス転移温度より低い温度で堆積する。本発明の一実施形態によれば、低温凝縮プロセスを用いて、フォトレジストテンプレートマスク312上にスペーサ形成材料層320を堆積する。凝縮プロセスは、ガス状前駆体からの材料層の堆積が、ガス状前駆体の温度に対して冷たい表面に、得られる材料層が堆積することによりなされるプロセスであればよい。例えば、一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク312及び構造300は、フォトレジストテンプレートマスク312上でのスペーサ形成材料層320の凝縮中、摂氏0〜100度の範囲の温度に維持される。具体的な実施形態において、凝縮プロセスは、約60秒未満の間にわたって、0〜100度の範囲の温度で実施される。一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク312及び構造300は、フォトレジストテンプレートマスク312上でのスペーサ形成材料層320の凝縮中、摂氏80度未満の温度に維持される。具体的な実施形態において、凝縮プロセスは、約90秒未満の間にわたって、約80度未満の温度で実施される。特定の実施形態において、スペーサ形成材料層320は、凝縮プロセスにより形成された酸化ケイ素から構成されている。他の特定の実施形態において、スペーサ形成材料層320は、5〜15%の範囲の炭素原子の原子濃度を有し、凝縮プロセスにより形成された炭素ドープ酸化ケイ素で構成されている。一実施形態において、スペーサ形成材料層320は、炭素原子7%の原子濃度を有する炭素ドープ酸化ケイ素で構成されている。他の実施形態において、高濃度のOを用いることによって、スペーサ形成材料層320の極めてコンフォーマルな凝縮堆積がなされる。
【0023】
スペーサ形成材料層320の厚さを選択して、後に形成されるスペーサマスクのフィーチャーの幅を決める。このように、本発明の実施形態によれば、スペーサ形成材料層320の厚さは、図3Cに図示する通り、フォトレジストテンプレートマスク312のフィーチャーの幅と実質的に同じである。頻度倍増スキームについては、スペーサ形成材料層320の理想的な厚さは、フォトレジストテンプレートマスク312のフィーチャーの幅と同じであるが、初期のターゲットとする幅は、スペーサ形成材料層320を後にパターン化するために用いるエッチングプロセスを補うために、僅かに厚くする必要がある。一実施形態において、スペーサ形成材料層320の厚さは、フォトレジストテンプレートマスク312のフィーチャーの幅の約1.06倍、即ち、後に形成されるスペーサマスクのラインの所望のフィーチャー幅の1.06倍である。
【0024】
フローチャート200の操作208及び対応の図3Dを参照すると、スペーサ形成材料層320がエッチングされて、スペーサマスク330が提供される。スペーサマスク330のラインは、フォトレジストテンプレートマスク312のフィーチャーの側壁とコンフォーマルである。このように、スペーサマスク300には、フォトレジストテンプレートマスク312の各ラインについて、2つのラインがある。構造300の一部、特に、第1のハードマスク層304の上面の一部は、図3Dに示す通り、スペーサ形成材料層320をエッチングする際に、再び露出する。
【0025】
スペーサ形成材料層320をエッチングして、良好にコントロールされた寸法を与えるのに好適なプロセスにより、スペーサマスク330を提供する。例えば、一実施形態において、スペーサ形成材料層320をエッチングして、フォトレジストテンプレートマスク312の限界寸法に略等しいスペーサを与えるプロセスによりスペーサマスク330を形成する。本発明の実施形態によれば、フォトレジストテンプレートマスク312のフィーチャーが露出するまで、即ち、フォトレジストテンプレートマスク312の上面を覆う全ての部分が除去されるまで、スペーサ形成材料層320をエッチングする。一実施形態において、スペーサマスク330のラインが、図3Dに示す通り、フォトレジストテンプレートマスク312のフィーチャーと実質的に同じ高さになるまで、スペーサ形成材料層320をエッチングする。しかしながら、他の実施形態において、スペーサマスク330のラインは、フォトレジストテンプレートマスク312のフィーチャーの上面よりやや下にリセスがある。これは、スペーサ形成材料層320の連続性が、スペーサマスク330のラインの上及びその間で途切れないようにするためである。スペーサ形成材料層320をエッチングすると、スペーサマスク330のスペーサラインは、スペーサ形成材料層320の元の厚さの大部分を保持する。特定の実施形態において、スペーサマスク330の各ラインの上面の幅は、図3Dに示す通り、スペーサマスク330と第1のハードマスク層304の界面の幅と実質的に同じである。
【0026】
スペーサマスク330を提供するためのスペーサ形成材料層320のエッチングを実施して、第1のハードマスク層304に対して高エッチング選択性でスペーサマスク330を形成して、第2のハードマスク層306を保護する。特定の実施形態において、第1のハードマスク層304は、窒化ケイ素、アモルファスシリコン及び多結晶シリコンからなる群より選択される材料で構成されており、スペーサ形成材料層320は、酸化ケイ素又は炭素ドープ酸化ケイ素で構成され、スペーサ形成材料層320をエッチングして、C、CH及びCHFからなる群より選択されるガスによりドライエッチングプロセスを用いて、スペーサマスク330を形成する。
【0027】
フローチャート200の操作210及び対応の図3Eを参照すると、フォトレジストテンプレートマスク312が除去されて、構造300上にスペーサマスク330のみが残っている。本発明の実施形態によれば、スペーサマスク300を直接用いて、デバイス層をパターン化する。他の実施形態において、スペーサマスク330は、デバイス層をパターン化するのに用いるエッチングプロセスに耐えられずに、スペーサマスク330の画像は、まず、ハードマスク層に、それからデバイス層に転写される。一実施形態において、ハードマスク層は、二重ハードマスク層である。具体的な実施形態において、構造300の一部、特に、フォトレジストテンプレートマスク312によりマスクされていた第1のハードマスク層304の上面の一部が今度は、図3Eに示す通り、露出する。
【0028】
フォトレジストテンプレートマスク312は、フォトレジストテンプレートマスク312により覆われていた第1のハードマスク層304の部分を完全に露出するのに好適なプロセスにより除去すればよい。本発明の実施形態によって、フォトレジストテンプレートマスク312を昇華プロセスにより除去する。昇華プロセスは、エッチングプロセス等の化学変化に対し、物理変化である。フォトレジストテンプレートマスク312を除去するのに用いる昇華プロセスは、フォトレジストテンプレートマスク312を気相に最終的に変換するプロセスである。このように、昇華という用語は、固体を気相に直接変換するのを説明するのに従来から用いられているが、ここでは、フォトレジストテンプレートマスク312の気相除去に最終的に導くプロセスを、昇華プロセスと呼ぶ。このように、本発明によれば、ガス状になるまで、フォトレジストテンプレートマスク312を加熱するが、加熱の際、材料は、ガス状になる前に、液相及び気相からなる群より選択される中間相を示す。特定の実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク312は、摂氏約550度の温度まで加熱することにより除去される。他の具体的な実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク312は、凝縮プロセスにより事前に形成されたスペーサマスク330の特性及び寸法を大幅に変更しない十分に低い温度まで、十分に短い間、加熱することにより除去される。更に、フォトレジストテンプレートマスク312は、ポリマーで構成されており、以前から固体材料としては定義されていない。それでも、ここでは、昇華という用語は、ポリマーで構成されたフォトレジストテンプレートマスク312の気相への変換を説明するのにも用いられる。
【0029】
本発明の変形実施形態によれば、フォトレジストテンプレートマスク312は、第2のハードマスク層306もエッチングするプロセスにより除去されるが、第1のハードマスク層304によりブロックされている。一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク312は、Oガスベースのプラズマを用いるエッチング又はアッシングプロセスにより除去される。
【0030】
フローチャート200の操作212及び対応の図3Fを参照すると、スペーサマスク330の画像が、第1及び第2のハードマスク層304及び306に夫々転写されて、構造300にパターン化マスク340が形成される。パターン化マスク340は、第1のハードマスク部分340A及び第2のハードマスク部分340Bで構成されている。
【0031】
スペーサマスク330の画像は、転写プロセス中、スペーサマスク330のパターン及び寸法を信頼性良く維持するのに好適なプロセスにより、第1及び第2のハードマスク層304及び306に転写される。一実施形態において、スペーサマスク330の画像は、単一工程エッチングプロセスで、第1及び第2のハードマスク層304及び306に転写される。本発明の他の実施形態によれば、スペーサマスク330の画像は、夫々、2つの異なるエッチング工程で、第1のハードマスク層304及び第2のハードマスク層に転写される。一実施形態において、第1のハードマスク層304は、アモルファス又は多結晶シリコンから実質的に構成されており、ガスCHFを用いるドライエッチングによりエッチングされて、第1のハードマスク部分340Aを形成する。他の実施形態において、第1のハードマスク層304は、窒化ケイ素で実質的に構成され、C、Cl及びHBrからなる群より選択されるガスを用いたドライエッチングによりエッチングされて、第1のハードマスク部分340Aを形成する。
【0032】
本発明の実施形態によれば、スペーサマスク330の画像が、第2のエッチング工程において、第1のハードマスク部分340Aから、第2のハードマスク層306まで転写される。第2のハードマスク層306、及びパターニングマスク340の第2のハードマスク340Bは、デバイス層308を後にパターン化するのに用いるエッチングプロセスに実質的に耐える好適な材料で構成されていればよい。一実施形態において、第2のハードマスク層306は、アモルファスカーボンから実質的になり、図3Fに示す通り、パターニングマスク340の各ラインについて、実質的に垂直な断面を維持するエッチングプロセスによりスペーサマスク330の画像でパターン化される。特定の実施形態において、第2のハードマスク層306は、アモルファスカーボンで構成されており、OおよびNの組み合わせ、又はCH、N及びOの組み合わせからなる群より選択されるガスを含むプラズマを用いるドライエッチングプロセスにより、パターン化マスク340の第2のハードマスク部分340Bを形成する。スペーサマスク330また、図3Fに示す通り、除去される。本発明の実施形態によれば、スペーサマスク330は、スペーサ形成材料層320をエッチングするのに用いるエッチングプロセスと同様のエッチングプロセスにより除去して、図3Dに関連して記載した通りに、スペーサマスク330を提供する。このように、一実施形態において、スペーサマスク330は、C、CH及びCHFからなる群より選択されるガスを用いるエッチングプロセスにより除去される。パターン化マスク340の画像は、デバイス層308に転写されて、図3Gに示す通り、パターン化されたデバイス層350を提供する。一実施形態において、パターン化されたデバイス層350は、基板310の上に配置される。
【0033】
このように、フォトレジストテンプレートマスクからのラインの頻度を倍にするラインで構成されたパターン化マスク340を製造する方法について説明してきた。パターン化マスク340を用いて、例えば、集積回路のためのデバイス製造について、デバイス層308をパターン化することができる。本発明の実施形態によれば、パターン化マスク340は、アモルファスカーボンから実質的になる第2のハードマスク部分340Bを有する。デバイス層308をパターン化するのに用いるエッチングプロセス中、アモルファスカーボン材料は、パッシベートされ、デバイス層308の全エッチング中、その画像及び寸法性を保持することができる。従って、スペーサマスク330は、デバイス層308をパターン化するのに所望の寸法を有しているが、スペーサマスク330の材料は、デバイス層308への正確な画像転写に耐えるには好適ではなく、即ち、エッチングプロセス中に劣化する恐れがある。従って、本発明の実施形態によれば、図3E及び3Fに関連して記載した通り、スペーサマスク330の画像はまず、画像をデバイス層308に転写する前に、アモルファスカーボンから実質的になる層へ転写される。
【0034】
スペーサマスク330の画像を、第1及び第2のハードマスク層304及び306へ転写する前に、まず、スペーサマスク330をトリミングして、トリミングされたスペーサマスクを形成するのが望ましい。例えば、図3Dに関連して記載した通り、スペーサマスク330を形成するのに用いるエッチング工程において、スペーサマスク330からのスペーサラインは、フォトレジストテンプレートマスク312の近接するライン間を断絶させた。しかしながら、フォトレジストテンプレートマスク312からの同じラインに関連するスペーサマスク330のスペーサラインは、フォトレジストテンプレートマスク312の各ラインの端部周囲で連続したままである。本発明の他の実施形態によれば、スペーサマスク330のスペーサライン対間の連続性が、フォトレジストテンプレートマスク312のライン端部周囲で絶たれると、後の半導体デバイス製造について設計レイアウトをより柔軟にすることができる。図4は、本発明の実施形態によるスペーサマスクトリミングプロセスにおける工程を示す断面図である。一実施形態において、フォトレジスト490の層は、スペーサマスク430及びフォトレジストテンプレートマスク412の上で堆積及びパターン化される。一実施形態において、スペーサマスク430からスペーサライン480の端部をエッチングして、フォトレジストテンプレートマスク412の除去前に、トリミングされたスペーサマスクを形成する。変形実施形態において、スペーサマスク430からスペーサライン480の端部をエッチングして、フォトレジストテンプレートマスク412の除去後、トリミングされたスペーサマスクを形成する。特定の実施形態において、トリミングプロセスで用いるフォトレジスト層490は、後に、フォトレジストテンプレートマスク412の除去と同じ時に除去される。
【0035】
スペーサマスク330を形成する際、側壁フォトレジストテンプレートマスク312とコンフォーマルなスペーサ形成材料層320の部分よりも上に保持されるのが望ましい。このように、本発明の他の実施形態によれば、領域保護部分が、スペーサマスク330形成中に保持される。図5は、本発明の実施形態による領域保護プロセスにおける工程を示す断面図である。一実施形態において、フォトレジスト590層が、エッチング前に、スペーサ形成材料層530上に配置される。スペーサマスク形成に用いるエッチング工程では除去されることになるスペーサ形成材料層530の一部は、かかる領域保護プロセスにおいて保持される。このように、スペーサマスクは、領域保護部分を含んでいてもよい。特定の実施形態において、領域保護プロセスに用いるフォトレジスト層590は、フォトレジストテンプレートマスク512の除去と同じ時に除去される。
【0036】
半導体リソグラフィープロセスの頻度は、露出したアモルファスカーボン層の存在下、フォトレジストテンプレートマスクを用いることにより倍になる。図2は、本発明の実施形態による頻度倍増製造プロセスにおける一連の操作を表すフローチャート200である。図6A〜Gは、本発明の実施形態により、層状構造として適用された、図2のフローチャート200の一連の操作を示す断面図である。
【0037】
フローチャート200の操作202及び対応の図6Aを参照すると、フォトレジスト層602を有する構造600が提供される。構造600は、アモルファスカーボンハードマスク層606、デバイス層608及び基板610で構成されている。本発明の実施形態によれば、フォトレジスト層602は、図6Aに示す通り、アモルファスカーボンハードマスク606上に直接形成される。フォトレジスト層602、デバイス層608及び基板610は、図3Aのフォトレジスト層302、デバイス層308及び基板310に関連して夫々記載した材料及び寸法で構成されている。アモルファスカーボンハードマスク層606は、図3Aの第2のハードマスク層306に関連して記載したアモルファスカーボンフィルム及び寸法で構成されている。
【0038】
フローチャート200の操作204及び対応の図6Bを参照すると、フォトレジスト層602がパターン化されて、フォトレジストテンプレートマスク612が形成される。構造600の一部、特に、アモルファスカーボンハードマスク層606の上面の一部が、図6Bに示す通り、フォトレジスト層602のパターン化の際に露出する。フォトレジスト層602をパターン化して、図3Bのフォトレジスト層302のパターン化に関して記載した技術及び寸法により、フォトレジストテンプレートマスク612を形成する。しかしながら、本発明の実施形態によれば、アモルファスカーボンハードマスク層606の上面が、フォトレジスト層602のパターン化の際に露出して、フォトレジストテンプレートマスク612を形成するため、フォトレジスト層602の寸法をトリミングするのに用いるOベースのプラズマによるトリミングプロセスは、アモルファスカーボンハードマスク層606に大きく影響しないよう十分に短い時間とする。
【0039】
フローチャート200の操作206及び図6Cを参照すると、スペーサ形成材料層620が、フォトレジストテンプレートマスク612及びアモルファスカーボンハードマスク層606の露出部分上にコンフォーマルに堆積する。スペーサ形成材料層620は、フォトレジストテンプレートマスクに基づく頻度倍増スキームに用いるスペーサマスクに最終的になる材料源である。スペーサ形成材料層620は、図3Cのスペーサ形成材料層320に関連して記載した材料及び寸法で構成されている。このように、本発明の実施形態によれば、スペーサ形成材料層620は、低温凝縮プロセスにより堆積した材料で構成されている。
【0040】
フローチャート200の操作208及び対応の図6Dを参照すると、スペーサ形成材料層620がエッチングされて、スペーサマスク630が提供される。スペーサマスク630のラインは、フォトレジストテンプレートマスク612のフィーチャーの側壁とコンフォーマルである。このように、スペーサマスク630には、フォトレジストテンプレートマスク612の各ラインについて、2つのラインがある。構造600の一部、特に、アモルファスカーボンハードマスク層606の上面の一部は、図6Dに示す通り、スペーサ形成材料層620をエッチングする際に、再び露出する。スペーサ形成材料層620をエッチングして、スペーサ形成材料層320のエッチングに関連して記載したプロセスによりスペーサマスク630を提供して、図3Dに示すスペーサマスク330を得る。しかしながら、本発明の実施形態によれば、スペーサ形成材料層620には、アモルファスカーボンハードマスク層606に対して実質的に選択性のあるエッチングがなされる。例えば、一実施形態において、スペーサ形成材料層620のエッチング中に除去されたアモルファスカーボンハードマスク層606の露出部分の厚さは、アモルファスカーボンハードマスク層606の合計厚さの0〜5%の範囲である。特定の実施形態において、スペーサ形成材料層620は、酸化ケイ素又は炭素ドープ酸化ケイ素で構成され、スペーサ形成材料層620のエッチングを完了するほど十分に長いが、アモルファスカーボンハードマスク層606には大きな影響を与えないほど十分に短い間にわたって、C、CH及びCHFからなる群より選択されるガスによりドライエッチングプロセスを用いて、スペーサマスク630を形成する。
【0041】
フローチャート200の操作210及び対応の図6Eを参照すると、フォトレジストテンプレートマスク612を除去して、構造600上にスペーサマスク630のみを残す。構造の600の一部、特に、フォトレジストテンプレートマスク612によりマスクされていたアモルファスカーボンハードマスク層606の上面の一部が今度は、図6Eに示す通り、露出する。
【0042】
フォトレジストテンプレートマスク612は、アモルファスカーボンハードマスク層606に実質的に影響することのない、フォトレジストテンプレートマスク612により覆われていたアモルファスハードマスク層606の部分を完全に露出するのに好適なプロセスにより除去すればよい。このように、本発明の実施形態によれば、フォトレジストテンプレートマスク612は、アモルファスカーボンハードマスク層606に対して高選択性のプロセスにより除去される。第2のハードマスク層306、そして、アモルファスカーボンハードマスク層606に関連して記載したアモルファスカーボンフィルムは、フォトレジストテンプレートマスク612のエッチング特性と同様のエッチング特性を有している。このように、フォトレジストテンプレートマスク612は、エッチングプロセスにより、アモルファスカーボンハードマスク層606に対して選択性をもって除去できない恐れがある。しかしながら、第2のハードマスク層306、そしてアモルファスカーボンハードマスク層606に関連して記載したアモルファスカーボンフィルムは、典型的に、摂氏1000度を優に超える融点を有している。従って、一実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク612及びアモルファスカーボンハードマスク層606のエッチング特性は同様であるものの、それらの熱挙動は異なる。具体的な実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク612は、図3Eのフォトレジストテンプレートマスク312の除去に関連して記載した昇華プロセスにより、アモルファスカーボンハードマスク層606に対する完全な選択性をもって除去される。特定の実施形態において、フォトレジストテンプレートマスク612は、摂氏約550度の温度まで加熱することにより除去される。
【0043】
フローチャート200の操作212及び対応の図6Fを参照すると、スペーサマスク630の画像が、アモルファスカーボンハードマスク層606に転写されて、構造600にパターン化マスク640が形成される。スペーサマスク630の画像は、図3Fのスペーサマスク330の画像の第2のハードマスク層306への転写に関連して記載したプロセスにより、アモルファスカーボンハードマスク層606に転写される。このように、本発明の実施形態によれば、スペーサマスク630の画像は、スペーサマスク630からアモルファスカーボンハードマスク層606に直接転写される。特定の実施形態において、アモルファスカーボンハードマスク層606は、OおよびNの組み合わせ、又はCH、N及びOの組み合わせからなる群より選択されるガスを含むプラズマを用いるドライエッチングプロセスにより、エッチングされて、パターン化マスク640を形成する。スペーサマスク630は、図6Fに示す通り、除去される。パターン化マスク340の画像は、デバイス層608に転写されて、図6Gに示す通り、パターン化されたデバイス層650を提供する。一実施形態において、パターン化されたデバイス層650は基板610上に配置される。
【0044】
図4に関連して記載した通り、スペーサマスク630の画像をアモルファスカーボンハードマスク層606に転写する前に、まず、スペーサマスク630をトリミングして、トリミングされたスペーサマスクを形成するのが望ましい。このように、本発明の実施形態によれば、フォトレジストの層は、スペーサマスク630及びアモルファスカーボンハードマスク層606の露出部分上で堆積及びパターン化される。一実施形態において、トリミングプロセスに用いられるフォトレジスト層は、昇華プロセスにより除去される。アモルファスカーボンハードマスク層606の露出部分に大きな影響を与えないようにするためである。
【0045】
図5に関連して記載した通り、スペーサマスク630の形成において、領域保護部分を保持するのが望ましい。このように、本発明の実施形態によれば、エッチングの前に、フォトレジストの層は、スペーサ形成材料層620上で堆積及びパターン化され、アモルファスカーボンハードマスク層606の上面の部分の露出の際にも存在している。一実施形態において、領域保護プロセスに用いるフォトレジスト層は、昇華プロセスにより除去される。アモルファスカーボンハードマスク層606の露出部分に大きな影響を与えないようにするためである。
【0046】
このように、フォトレジストテンプレートマスクを用いるリソグラフィープロセスの頻度を倍にする方法を開示してきた。本発明の実施形態によれば、フォトレジスト層が上に形成された層状構造がまず提供される。フォトレジスト層は、次に、パターン化されて、フォトレジストテンプレートマスクを形成し、層状構造の一部を露出する。一実施形態において、スペーサ形成材料層を、フォトレジストテンプレートマスク及び層状構造の露出部分上に堆積する。スペーサ形成材料層は、後にエッチングされて、スペーサマスクを形成し、フォトレジストテンプレートマスクを露出する。具体的な実施形態において、フォトレジストテンプレートマスクは、最終的に除去され、スペーサマスクの画像は、層状構造に転写される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A】〜
図1C】先行技術による従来の半導体リソグラフィープロセスを示す断面図である。
図2】本発明の実施形態による頻度を倍にする製造プロセスにおける一連の操作を表すフローチャート200である。
図3A】〜
図3G】本発明の実施形態による層状構造に適用された図2のフローチャート200からの一連の操作を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態によるスペーサマスクトリミングプロセスにおける工程を示す断面図である。
図5】本発明の実施形態による領域保護プロセスにおける工程を示す断面図である。
図6A】〜
図6G】本発明の実施形態による層状構造に適用された図2のフローチャート200からの一連の操作を示す断面図である。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G