(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3サンプラおよび前記第4サンプラは、前記クロック信号の前記逆相の同じ遷移エッジを使用して、前記データ信号の前記第2積分部分および前記第2エッジサンプルをサンプリングする請求項5から7の何れか一項に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
典型的な入出力(I/O)送受信機では、プロセッサの受信機は、受信信号を処理して、受信した信号に含まれるデータを確かにする。このような処理では、少なくとも2つの位相補間器(phase interpolator:PI)によって、受信信号のデータサンプルおよびエッジサンプルを決定することが必要となり、各位相補間器(PI)は、一対のクロック信号を生成する。PIの出力は、4つの位相を有する直交クロック信号である。4つの位相のうち2つは、受信データ信号をサンプリングするのに使用され、残りの2つは、受信データ信号のエッジをサンプリングするのに使用される。ここで"エッジ(edge)"という言葉は、データ信号が、論理的ロー(low)または論理的ハイ(high)信号レベルから、論理的ハイまたは論理的ロー信号レベルに遷移する時点を指す。直交クロック信号の4つの位相間における遅延のミスマッチは、データサンプリング位相にオフセットを生じさせ、ビット誤り率(BER)の増加、および、受信機のジッタ耐性の低下につながる。
【0003】
図2には、典型的な受信機200が示されている。受信機200は、例えば、
図1の103に示すような送信機から、入力信号rxpおよび信号rxnを受信する。受信された信号rxpおよびrxnは、必要に応じて、イコライザによってイコライズされた後に、サンプラによってサンプリングされる。サンプラは、位相が付与された4つの直交クロック信号、すなわち、iclk、iclkb、qclk、qclkbを、クロック分配回路から受信する。クロック分配回路は、2つのPIからの直交クロック信号をサンプラに供給する。サンプラの出力は、データサンプルおよびエッジサンプル(d0、d1およびe0、e1)であり、クロックおよびデータ再生(CDR)回路がこれらサンプルを使用して、2つのPIに直交クロック信号の遅延を制御するよう命令するためのコードを2セット(pidac1およびpidac2)を生成する。CDR回路では、直交クロック信号の遅延が調整されて、iclk信号が、データ信号のアイ(eye)の真ん中におけるデータ信号をサンプリングし、qclk信号が、データ信号の遷移点におけるデータ信号のエッジをサンプリングするようになる。4位相を有する直交クロック信号は、クロック分配回路によってクロック信号を入力として受信する2つのPIによって生成される。2つのPIに入力される入力クロック信号、cki、ckib、ckq、ckqbと、位相が付与された4つの直交クロック信号iclk、iclkb、qclk、qclkbとの間のタイミングのずれは、データサンプリングの位相にオフセットを生じさせ、BERの増加及び受信機のジッタ耐性の低下につながる。
【0004】
このような入力クロック信号と出力クロック信号との間のタイミングのずれは、2つのPIを実装するのに使用されたデバイスにおけるシステマチックなおよびランダムなプロセスにおける差異によって引き起こされる場合があり、2つのPIが同じ設計であっても、電気的振る舞い(例えば、遅延、立ち上がり/立下り時間等)にずれが生じる。このような入力クロック信号(ki、ckib、ckq、ckqb)と出力クロック信号(iclk、iclkb、qclk、qclkb)との間のタイミングのずれは、2つのPIにおけるミスマッチに加えて、位相が与えられた4つの直交クロック信号iclk、iclkb、qclkおよびqclkb間で、クロック分配回路におけるルーティング遅延のずれにより発生する場合がある。4つの直交クロック信号iclk、iclkb、qclkおよびqclkb間でのずれは、プロセッサ内の受信機の性能(BER、タイミングマージン、ジッタ耐性等によって測定される性能)を制限するものとなっている。
【0005】
以下の詳細な説明及び発明の様々な実施形態の図面から、本発明の実施形態の完全な理解が得られるであろう。しかしながら、これらは、発明を特定の実施形態に限定することを意図しておらず、例および理解を提供することのみを目的としている。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態は、
図2に示すような受信機構造と比較して簡単な構造であり、低消費電力で、低いビット誤り率(BER)を有し、高いジッタ耐性を提供する受信機構造により、プロセッサ内でタイミング再生を行うための装置、システム及び方法に関する。
【0008】
一実施形態では、
図2のように2つの位相補間器(PI)ではなく、1つの位相補間器(PI)が使用される。一実施形態において、PIは、
図2のように4つの位相を有する直交クロック信号ではなく、2つの位相を有する1つのクロック信号を生成する。以下に説明される実施形態では、整合させる対象となる別のクロック信号が存在しないことから、クロック信号の2つの位相間のずれの原因が取り除かれている。入力クロック信号(PIへの入力)におけるずれは、PIの出力クロック信号におけるずれを生じささせないが、PIの出力における位相ステップの直線性に影響を与える。
【0009】
一実施形態において、データ信号のサンプリングの前に、積分器が使用される。このような一実施形態において、積分器により、受信機は、1つのクロックエッジを適用して、受信したデータ信号のデータサンプルおよびエッジサンプルをサンプリングする。データ信号のデータおよびエッジのサンプルをサンプリングするのに、1つのサンプリングクロックエッジを使用することは、
図2を参照して説明したクロックのずれに関する問題を解決する。したがって、クロック信号の2つの位相におけるずれの原因が最小限に抑えられる結果、受信機設計が単純になり、高いジッタ耐性および低いBERを提供することができる。一実施形態において、1つのPIを使用してクロック信号を生成すると、
図2に示したような2つのPIおよび少なくとも2つの制御信号をPIに供給する複雑なCDRを必要とする受信機構造と比較して、低消費電力につながり、より単純化されたクロックデータ再生(CDR)回路を提供できる。
【0010】
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態を理解するために多くの詳細事項が記される。しかしながら、これら詳細事項がなくとも本発明を実施可能であることは、当業者にとって明らかである。また、本発明を不明瞭にしない目的から、周知の構造及びデバイスについては詳細に示されず、ブロック図の形態で示している。
【0011】
また、実施形態に対応する図面では、信号が、線として描かれている。一部の線は、より多くの構成信号経路を示すべく太い線として描かれている、および/または、主要な情報の流れの方向を示すべく1以上の端部において矢印が付されている場合がある。しかしながら、これらは、構成を限定していると解釈されるべきではない。回路または論理ユニットの理解を容易にするべく、これらの線が1以上の実施形態例に関して使用される。図に示されている任意の信号線は、設計要件又は所望の要件によって決定され、複数の方向に伝達可能な1以上の信号を含んでもよく、例えば、任意の好適な種類の信号スキーム(例えば、差動対、シングルエンド等)を使用して実装されてもよい。
【0012】
図1には、本発明の一実施形態に係る、タイミング回路105を有する受信機104を備えるハイレベルシステム100が示されている。一実施形態において、システム100は、通信リンク106を介してプロセッサ102と通信可能に連結されたプロセッサ101を備える。一実施形態において、通信リンク106は、マザーボード(図示せず)上の導電経路である。別の実施形態では、通信リンク106は、ユニバーサルシリアルバス(USB)とインターフェースするフレキシブル導電ケーブルである。一実施形態において、送信機103および受信機104(受信ユニットとも称される)は、USBベースの送信機および受信機ユニットである。一実施形態において、USBベース送信機および受信機は、USB3ベースの送信機および受信機である。別の実施形態では、送信機103および受信機104は、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)、PCIエクスプレス(Peripheral Component Interconnect Express:PCI−E)等の別のI/O規格に対応してもよい。
【0013】
一実施形態において、通信リンク106は、
図6の無線アンテナ678によって示されるような無線通信媒体である。一実施形態において、無線通信媒体は、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、および、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)の1以上と連結される。
【0014】
図1に戻り、一実施形態において、プロセッサ101およびプロセッサ102はそれぞれ、マイクロプロセッサおよび対応するチップセットプロセッサである。一実施形態において、プロセッサ101およびプロセッサ102は共に、マイクロプロセッサ(CPU)である。一実施形態において、プロセッサ102は、メモリ(
図6のメモリ630、660、662)に連結される。一実施形態において、メモリは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)である。一実施形態において、メモリは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)である。
図1に戻り、プロセッサ102が受信機104を有し、プロセッサ101が送信機103を有するように描かれているが、一実施形態では、プロセッサ101およびプロセッサ102の両方が、同じダイ上に送信機および受信機を有してもよく、1以上の通信リンクを介してデータの送受信を行ってもよい。
【0015】
一実施形態において、受信機104は、受信信号107を処理可能なロジックユニット105を有し、ロジックユニット105は、高いジッタ耐性および低いBERを有する。一実施形態において、受信機104は、タイミングロジックユニット105内に1つのPIを使用し、受信データ信号107のデータサンプルおよびエッジサンプルをサンプリングするための、サンプリングクロックを生成する。一実施形態において、同じサンプリングクロック信号遷移を使用して、受信データ信号107のデータサンプルおよびエッジサンプルの両方をサンプリングする。タイミングロジックユニット105の詳細については、
図3Aから
図6を参照して説明する。受信機104からの出力信号108は、プロセッサ102による更なる処理(図示せず)に使用される。
【0016】
図3Aには、本発明の一実施形態に係る、1つの位相補間器、および、
図2の受信機構造と比較して単純化されたクロック信号分配回路を有する(
図1の受信機104と同様な)受信機300が示されている。一実施形態において、受信機300は、例えば、
図1の送信機103である、送信機からの受信する入力信号をイコライズするイコライザ301を有する。一実施形態において、イコライザ301は、連続時間線形等化器(Continuous Time Linear Equalizer:CTLE)のような線形等化器である。一実施形態において、イコライザ301は、差動入力信号rxpおよびrxnを受信可能であり、シングルエンドのイコライズされた信号309を出力する。別の実施形態では、受信機300は、本発明の実施形態の本質を変更することなく、送信機(例えば、
図1の送信機103)からシングルエンド信号を受信可能である。
【0017】
一実施形態において、受信機300は、クロックバッファ311として示されるクロックツリーを使用して、入力クロック信号cki、ckib、ckqおよびckqbを受信可能な1つのPI302を有し、2つのクロック信号iclk312およびiclkb313を生成する。一実施形態において、入力クロック信号cki、ckib、ckqおよびckqbは、直交クロック信号である。一実施形態において、PI302は、直交入力クロック信号から、iclk312およびそのの逆相信号iclkb313のみを生成する。入力クロック信号ckiおよびckibは、ckqおよびckqbと同様に、互いに逆相となっている、すなわち、ckiはckibを反転させたものであり、ckqはckqbを反転させたものであり、クロック信号ckiとckqとは、互いに90°位相シフトされている。一実施形態において、入力クロック信号cki、ckib、ckqおよびckqbは、本発明の実施形態を曖昧にしない目的から図示されていない位相ロックループ(PLL)によって生成される。一実施形態において、PI302は、クロックデータ再生(CDR)ユニット310からの制御/更新信号314を受信する。一実施形態において、CDR310は、PI302に、クロック信号ckiおよび/またはckqに対して出力信号iclk312を遅延させるまたは変更するように命令し、データ信号309が、サンプラ305a−bおよび306a−bによって適切にサンプリングされるようにする。
【0018】
図4Aを参照して、"適切にサンプリングされる"という言葉は、データ信号309が即時にサンプリングされてデータ信号309のエッジサンプルが生成されること、且つ、データ信号の一位相期間にわたってデータ信号を積分した後に(位相は、データ遷移点から開始する)データ信号がサンプリングされて、データ信号のデータサンプルが生成されることを指す。
図4Bに示す別の実施形態では、"適切にサンプリングされる"という言葉は、データ信号のアイ(eye)の中央においてデータ信号が即時にサンプリングされてデータ信号のデータサンプルが生成されること、且つ、データ信号の中央から開始するデータ信号の一位相期間にわたって積分された積分データ信号をサンプリングして、データ信号309のエッジサンプルが生成されることを指す。
【0019】
図3Aに戻り、一実施形態において、データ信号309は、サンプラ305a−bによってサンプリングされる前に、データ信号309の一位相期間にわたって積分される。一実施形態において、データ信号309の前半部分(すなわち、データ信号309の第1位相)が、積分器303a(第1積分器とも称される)によって積分される。一実施形態において、データ信号309の後半部分(すなわち、データ信号309の第2位相)が、積分器303b(第2積分器とも称される)によって積分される。一実施形態において、積分器303aおよび積分器303bの出力307aおよび出力307bは、それぞれサンプラ305a(第1サンプラとも称される)およびサンプラ305b(第3サンプラとも称される)によってサンプリングされ、データサンプルd0 307cおよびデータサンプルd1 307dが生成される。
【0020】
一実施形態において、データ信号309の第1エッジ308aは、サンプラ306a(第2サンプラとも称される)によって即時にサンプリングされて、サンプル信号e0 308cが生成される。ここで、データ信号309の第1エッジは、データ信号309の前半部分のエッジに対応する。一実施形態において、データ信号309の第2エッジ308bは、サンプラ306b(第4サンプラとも称される)によって即時にサンプリングされて、サンプル信号e1 308dが生成される。ここで、データ信号309の第2エッジe1 308dは、データ信号309の後半部分のエッジに対応する。一実施形態において、データ信号309の第1エッジおよび第2エッジをサンプリングする前に、整合積分器304a(第1回路とも称される)および整合積分器304b(第2回路とも称される)が使用されて、整合積分器304aおよび整合積分器304bは、積分器303aおよび積分器303bの遅延を整合して、サンプラ306aおよびサンプラ306bがそれぞれ、データ信号309を即時にサンプリングできるようにしている。
【0021】
ここで、"遅延を整合する"とは、一の回路(例えば、整合積分器304a)の遅延を調整して、この回路の遅延が、別の回路(例えば、積分器303a)の遅延と実質的に等しくなるようにすることを指す。また、"実質的に等しい"とは、2つの量(例えば、ピコ秒単位の遅延)が、互いにその10%以内にあることを指す。
【0022】
一実施形態において、サンプラ305a、305b、306aおよび306bは、フリップフロップとして実装される。別の実施形態では、サンプラ305a、305b、306aおよび306bは、サンプルホールド回路として実装される。さらに別の実施形態では、本発明の実施形態の本質を変更することなく、データ信号点およびエッジ信号点において、データ信号をサンプリングするのに別の種類のサンプラを使用してもよい。
【0023】
以下に説明される実施形態では、サンプラ305aおよびサンプラ306aによるデータサンプリングおよびエッジサンプリングは、クロック信号iclk312の同じ遷移エッジによって実行される。同様に、サンプラ305bおよびサンプラ306bによるデータサンプリングおよびエッジサンプリングは、クロック信号iclk312の逆相の同じ遷移エッジ、すなわち、クロック信号iclkb313を使用して実行される。クロック信号の同じ遷移点におけるデータサンプリングおよびエッジサンプリングを実行することにより、
図2の場合のように、更なるPIを設けて4相の直交クロック信号を生成する必要がない。このような一実施形態では、クロック信号iclk312とクロック信号iclkb313との間のずれの原因が低減されていることから、BERが低減されると同時に、受信機300のジッタ耐性が向上する。上記の実施形態において、PIを1つ取り除くことができることは、消費電力の低減につながり、また、受信機300のシリコン面積も小さくすることができる。
【0024】
一実施形態において、CDRユニット310は、それぞれデータおよびエッジサンプル307c−dおよび308c−dに基づいて、クロック信号iclk312およびクロック信号iclkb313の位相を調整または更新するのに、1つの制御(更新)信号314を生成するのみでよいことから、
図2のCDRユニットと比較して、CDRユニット310は単純化されている。ここで、"調整する"または"更新する"とは、クロック信号iclk312およびクロック信号iclkb313の遅延を、入力クロック信号ckiおよびckqに対して、有効に変更するまたは修正することを指す。
【0025】
図3Bには、本発明の一実施形態に係る、
図1および
図3Aの受信機で使用される積分器303aおよび対応する整合回路304aのトランジスタレベルの回路330が示されている。整合回路304aの目的の1つは、積分器303aにおけるオンダイプロセス変動の効果を最小化(低減)することである。一実施形態において、データ信号309の第1エッジおよび第2エッジをサンプリングする前に、整合積分器304aが使用され、整合積分器304aは積分器303aの遅延を整合することができる。
図3Bの積分器303aは、iclk312が論理的ロー(low)レベルにある時に、入力データ信号309を積分するプロセスを実行し、積分器303aの出力は、iclk312の立ち上がりエッジでサンプラ305aによってサンプリングされる。
【0026】
図3Bの積分器303aが差動入力積分器である場合、本発明の実施形態の本質を変更することなく、この積分器を、差動積分信号又はシングルエンド積分信号を出力するシングルエンド入力積分器に置き換えることができる。同様に、本発明の実施形態の本質を変更することなく、
図3BのPMOS入力ベースの積分器303aを、NMOS入力ベースの積分器に置き換えることができる。
【0027】
一実施形態において、整合積分器304aは、iclkb313の立ち上がりエッジ、すなわち、iclk312の立ち下りエッジで、入力データ信号309をサンプリングする。一実施形態において、データ信号309は、1以上のトランジスタ332によってサンプリングされて、サンプリングされた信号331が生成される。一実施形態において、サンプリングされた信号331は、iclk312が論理的ロー(low)レベルである時に積分され、積分器304aの出力がサンプラ306aによってサンプリングされる。サンプリングされた信号331の極性は、積分された信号308aの極性と同じであることから、整合積分器304aの効果は、サンプラ306aが即時にデータ信号309をサンプリングすることを可能にして、サンプラ306aによりエッジサンプルe0 308cを生成するようにすることである。一実施形態において、整合積分器304aは、積分器303aの回路トポロジーと同一の回路トポロジーを有することにより、積分器303aの遅延および特性と一致させる。
【0028】
図4Aは、本発明の一実施形態に係る、
図3Aの受信機300のタイミング図である400である。Y軸は電圧を示し、X軸は時間を表す。データ信号309の斜線をつけた部分は、積分器303aによって積分されるデータ信号309の第1位相部分を表す。一実施形態において、データ信号309の第1位相部分は、クロック信号iclk312のローまたはハイの位相の期間と等しい。a
kで示されている、クロック信号iclk312の立ち上がりエッジにおいて、データ信号309がサンプリングされて、データサンプル307cが生成される。クロック信号iclk312の同じ立ち上がりエッジにおいて、e
kで示されるように、非積分データ信号309がサンプリングされて、エッジサンプル308cが生成される。
【0029】
iclkb313の立ち上がりエッジ(iclk312の立ち下がりエッジ)を使用して、a
k+1で示されるように、データ信号309の積分された第2位相部分がサンプリングされて、データサンプル307dが生成される。iclkb313の同じ立ち上がりエッジを使用して、e
k+1で示されるように、データ信号をサンプリングして、エッジサンプル308dが生成される。一実施形態において、データ信号309の第2位相部分は、クロック信号iclkb313の逆相のロー(low)の位相部分またはハイ(high)の位相部分に等しい。上記の実施形態では、iclk312およびiclkb313の立ち上がりエッジによりデータ信号309がサンプリングされたが、当業者であれば上記の説明から、その他のサンプリングの態様が明らかである。例えば、信号307c−dおよび308c−dを生成するのに、iclk312の立ち上がりエッジおよびiclk312の立ち下がりエッジを使用してもよい。
【0030】
図5は、本発明の一実施形態に係る、
図1の受信データ信号107からデータ信号およびクロック信号を生成する方法を示したフローチャート500である。方法500について、
図1、
図3Aおよび
図4Aを参照して説明する。ブロック501において、クロック信号iclk312およびiclkb313を、位相補間器302により生成する。ブロック502において、第1積分器303aは、クロック信号iclk312の一位相期間にわたって、データ信号309の第1部分を積分する。ブロック503において、データ信号309の積分された第1部分d0 307cが、クロック信号iclk312によってサンプリングされる。ブロック504において、第1積分器303aの遅延が、整合回路304aによって整合されて、データ信号309の第1エッジサンプル308aが生成される。ブロック505において、データ信号309の第1エッジサンプルe0 308cが、クロック信号iclk312によってサンプリングされる。ブロック506において、位相補間器302が、少なくともデータ信号309のサンプリングされた第1積分部分307cおよびサンプリングされた第1エッジサンプル308cに基づいて更新され、クロック信号iclk312の同じ遷移エッジによって、データ信号309の第1積分部分307cおよび第1エッジサンプル308cのサンプリングが実行される。一実施形態において、
図5の方法は、記憶媒体(例えば、フラッシュドライブ)に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行することにより実装される。
【0031】
図6は、本発明の一実施形態に係る、
図1および
図3Aの受信機104を有するシステムレベルの図である。一実施形態において、システム600は、これに限定されないが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブック、タブレット、ノートブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、サーバ、ワークステーション、携帯電話、モバイルコンピュータ、スマートフォン、インターネット機器またはその他のコンピュータ装置を備える。別の実施形態では、システム600は、本明細書に開示する方法を実装するシステムオンチップ(SOC)システムであってもよい。
【0032】
一実施形態において、プロセッサ610は1以上のプロセッシングコア612から612Nを含み、ここで、612Nとは、プロセッサ610内のN番目のプロセッサコアを表し、ここで、Nは正の整数である。一実施形態において、システム600は、プロセッサ610および605を含む複数のプロセッサを備え、プロセッサ605は、プロセッサ610のロジックと同様なまたは同一のロジックを有する。一実施形態において、プロセッサコア612は、これらに限定されないが、命令をフェッチするプリフェッチロジック、命令を解読するデコードロジックおよび命令を実行するロジックなどを含む。一実施形態において、プロセッサ610は、システム600の命令および/またはデータをキャッシュするキャッシュメモリ616を有する。一実施形態において、キャッシュは、
図5の方法を実行するための命令を格納する。本発明の別の実施形態において、キャッシュメモリ616は、レベル1、レベル2及びレベル3キャッシュメモリ、または、プロセッサ610内に備えられたその他のキャッシュメモリ構造を含む。
【0033】
一実施形態において、プロセッサ610は、メモリ制御ハブ(MCH)614を有し、メモリ制御ハブ(MCH)614の機能により、揮発性メモリ632および/または不揮発性メモリ634を含むメモリ630にアクセス可能および通信可能となる。一実施形態において、プロセッサ610は、
図1および
図3Aの受信機104を有する。一実施形態において、プロセッサ610は、メモリ630およびチップセット620と通信を行うのに、
図1の受信機104を使用する。一実施形態において、プロセッサ610は、無線アンテナ678に接続されて、無線信号を送信および/または受信をするように構成された任意のデバイスと通信を行う。
【0034】
一実施形態において、揮発性メモリ632としては、これらに限定されないが、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)、および/またはその他のランダムアクセスメモリデバイスが含まれる。不揮発性メモリ634としては、これらに限定されないが、フラッシュメモリ、相変化メモリ(PCM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM:登録商標)、または、他の不揮発性メモリデバイスを含む。
【0035】
メモリ630は、プロセッサ610によって実行される情報および命令を格納する。一実施形態において、メモリ630は、プロセッサ610が命令を実行している間に、一時変数または他の中間情報を記憶してもよい。一実施形態において、チップセット620は、ポイント・ツー・ポイント(PtPまたはP−P)インターフェース617および622を介して、プロセッサ610との接続を行う。一実施形態において、チップセット620は、システム600におけるその他のモジュールとプロセッサ610とを接続することを可能にする。本発明の一実施形態において、インターフェース617および622は、インテル(登録商標)のクイックパス・インターコネクト(QPI)、等のポイント・ツー・ポイント通信プロトコルに従って動作する。
【0036】
一実施形態において、プロセッサ610は、
図1および
図3Aの受信機104を備える。一実施形態において、チップセット620は、
図1および
図3Aの受信機104を使用して、プロセッサ610、605N、ディスプレイ装置640及びその他のデバイス672、676、674、660、662、664、666、677等と通信を行う。一実施形態において、チップセット620は、無線アンテナ678と接続されて、無線信号を送信および/または受信をおこなう任意のデバイスと通信を行う。
【0037】
一実施形態におて、チップセット620は、インターフェース626を介して、ディスプレイ装置640と接続される。一実施形態において、ディスプレイ640としては、これに限定されないが、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)ディスプレイ、および他の視覚表示装置を含む。本発明の一実施形態において、プロセッサ610およびチップセット620は、1つのSOCに統合される。さらに、チップセット620は、様々なモジュール674、660、662、664および666を相互接続する1以上のバス650及び655に接続される。一実施形態において、バスの速度または通信プロトコルが一致しない場合には、バス650および655は、バスブリッジ672を介して共に接続されてもよい。一実施形態において、チップセット620は、これに限定されないが、不揮発性メモリ660、マスストレージデバイス662、キーボード/マウス664、インターフェース624および/または104を介したネットワークインターフェース666、スマートTV676、消費家電677等に接続される。
【0038】
一実施形態において、マスストレージデバイス662としては、これに限定されないが、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、ユニバーサルシリアルバスフラッシュメモリデバイス、およびその他のコンピュータデータ記憶媒体が含まれる。一実施形態において、ネットワークインターフェース666は、周知のネットワークインターフェース規格のいずれかを使用して実装され、そのような規格としては、これらに限定されないが、例えば、イーサーネットインターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、PCI(ペリフェラル コンポーネント インターコネクト)エクスプレスインターフェース、無線インターフェース、および/または他の適合するインターフェースが含まれる。一実施形態において、無線インタフェースは、電気電子技術者協会(IEEE)の802.11規格、HomePlug AV(HPAV)、超広帯域無線(Ultra Wide Band:UWB)、Bluetooth(登録商標)、WiMax、または、その他の無線通信プロトコルに従って、動作する。
【0039】
図6に示すモジュールでは、システム600内に複数のブロックが個別に存在するように描かれているが、これらのブロックのうちの、いくつかのブロックによって実行される機能を一つの半導体回路内に集積してもよいし、あるいは、二つ以上の個別の集積回路に実装するようにしてもよい。例えば、キャッシュメモリ616が、プロセッサ610内で別個のブロックとして描かれているが、キャッシュメモリ616をプロセッサコア612に組み込んでもよい。本発明の別の実施形態において、システム600は、1以上のプロセッサまたはプロセッシングコアを備えるようにしてもよい。
【0040】
本明細書において、本発明の、「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施例」、「他の実施形態」等は、少なくとも本発明の実施形態が、実施形態に関連した特定の特徴、構造及び特性を含むことを示唆するが、必ずしも全ての実施形態が、これら特定の特徴、構造及び特性を含むことを意味しない。したがって、本明細書中の様々な箇所で使用されている「一実施形態」、「ある実施形態」又はいくつかの実施例」という表現は、必ずしも同一の実施形態を示していない。明細書で、ある構成要素、特徴、構造、又は特性を、例えば、「含んでもよい(may)」、「含まれる場合がある(might)」、「含むことができる(can)」、又は「含まれる可能性がある(could)」と記載されている場合には、その構成要素、特徴、構造、又は特性が必ずしも含まれている必要がないことを示している。明細書又は特許請求の範囲において、「一つの」又は「一の」との記載は、要素が一つのみ存在していることを意味するのではない。また、明細書又は特許請求の範囲において、「さらなる一つの」要素との記載は、追加要素が複数存在することを除外していない。
【0041】
特定の実施形態を参照して本発明が説明されたが、上記の説明から、このような実施形態の数多くの代替、改良及び変形が当業者に明らかである。例えば、一実施形態では、
図3Bの積分器および対応する整合回路を、差動入力またはシングルエンド入力を受信し、シングルエンド出力を生成するシングルエンド回路として実装することができる。一実施形態において、
図3Bの積分器および対応する整合回路を、
図3BのPMOSベースの実装の代わりに、NMOS差動入力ベースの積分器および対応する整合回路として実装することができる。
【0042】
図4Bは、本発明の一実施形態に係る、別の受信機のタイミング図である410である。このような別の実施形態において、再生されたクロック信号、
図3Aのiclk312およびiclkb313は、データ信号309のアイの真ん中に整列されて、データ信号309を即時にサンプリングして、サンプリングされた信号d0 307cおよびd1 307dを生成する。一実施形態において、
図3Aの積分器303aおよび303bは、
図3Aの整合回路304aおよび304bと交換される。このような一実施形態において、同じ再生されたクロック信号、
図3Aのiclk312およびiclkb313が使用され、積分器303aおよび303b(これらは、上記の実施形態では、整合回路304aおよび304bであった)の積分された出力をサンプリングすることにより、データ信号309のエッジがサンプリングされる。
図4Aと同様、本実施形態は、
図4Bのタイミング図である410のようになり、データ信号309のデータおよびエッジの両方をサンプリングするのに、同じクロック遷移エッジが使用される。
【0043】
本発明の実施形態は、添付の特許請求の範囲に含まれるような、様々な代替、改良および変形例を包括することを意図している。