【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年6月〜7月23日、証明書別紙一覧の配布又は開示場所にて、複合菓子の試供品を商談先に配布又は開示した。
【文献】
SAMBA(choco christmas),2013年 2月20日,URL,http://blogs.yahoo.co.jp/cacochocolat/37268469.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
焼成菓子シートと、前記焼成菓子シート上に載置されたマシュマロと、前記焼成菓子シート及び前記マシュマロの外周を被覆するチョコレートとを備えた複合菓子において、
前記焼成菓子シートの下面は、前記チョコレートで覆われて平坦な底面をなし、
前記マシュマロの外周は、前記チョコレートで覆われて、最大高さの頂部及びそれ以外の部分の側面をなし、
前記底面の外周から前記頂部に至る直線の長さAに対する、同直線から前記側面の最も外方に出っ張っている部分の距離Bの割合(B/A)が0.17以下であり、
全体がピロー包装により密封個包装されていることを特徴とする複合菓子。
前記焼成菓子シートの周縁は、前記底面に向かって次第に拡径するテーパー状をなし、その外周に被覆された前記チョコレートによって、平面視において、前記底面の外周が、最外周をなす請求項1又は2記載の複合菓子。
前記マシュマロは、前記糖として、(A)砂糖と、(B)麦芽糖、ソルビトール、水飴、乳糖及びトレハロースから選ばれた少なくとも2種以上の糖とを含有し、前記マシュマロ全体中、前記(A)砂糖の含有量が20〜60質量%、前記(B)麦芽糖、ソルビトール、水飴、乳糖及びトレハロースから選ばれた少なくとも2種以上の糖の含有量が39〜79質量%である請求項7記載の複合菓子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、本発明者らの研究によれば、ビスケット、クッキー等の焼成菓子とマシュマロとを接合し、更にそれをチョコレートで被覆してなる複合菓子において、複合菓子の頂部から側面部分にかけてマシュマロとそれを被覆するチョコレートで構成して、マシュマロの食感がより一層際立つものを得ようとした場合に、そのマシュマロ部分を被覆したチョコレートに輸送時の衝撃などによってひび割れが生じやすいという問題があった。特に、口溶けが良好で、軽くてやわらかい食感を呈するように調製したマシュマロを用いる場合において、そのような障害が顕著であった。また、常温流通を可能とするために密封個包装された製品とする場合において、そのような障害が顕著であった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、焼成菓子とマシュマロとを接合し、更にそれをチョコレートで被覆してなる複合菓子であって、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生が軽減されるようにした複合菓子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の複合菓子は、焼成菓子シートと、前記焼成菓子シート上に載置されたマシュマロと、前記焼成菓子シート及び前記マシュマロの外周を被覆するチョコレートとを備えた複合菓子において、
前記焼成菓子シートの下面は、前記チョコレートで覆われて平坦な底面をなし、
前記マシュマロの外周は、前記チョコレートで覆われて、最大高さの頂部及びそれ以外の部分の側面をなし、
前記底面の外周から前記頂部に至る直線の長さAに対する、同直線から前記側面の最も外方に出っ張っている部分の距離Bの割合(B/A)が0.17以下であり、
全体がピロー包装により密封個包装されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の複合菓子によれば、複合菓子の形状として、上記特定の構成を採用したので、複合菓子の頂部及び底面の外周が包装材料に接して、包装材料が頂部と底部との間で内部空間を有した状態で膨らみ、もっともひび割れしやすい、マシュマロの側面に被覆されたチョコレート層が包装材料に接しにくくなるので、チョコレート層のひび割れを効果的に軽減できる。また、全体がピロー包装により密封個包装されているので、必要時に必要な分だけ飲食することができ、また、保存性が高く、例えば常温流通することも可能である。
【0009】
本発明の複合菓子においては、前記密封個包装された複合菓子の複数個が、更に箱詰めされていることが好ましい。箱詰めによって、密封個包装された複合菓子の個々が自由に転がったり、位置ずれしたりすることが防がれ、また、隣接する複合菓子の包装材料の膨らみがクッションとして作用するので、輸送時の衝撃などによるチョコレートのひび割れの発生がより一層抑えられる。
【0010】
本発明の複合菓子においては、前記焼成菓子シートの周縁は、前記底面に向かって次第に拡径するテーパー状をなし、その外周に被覆された前記チョコレートによって、平面視において、前記底面の外周が、最外周をなすことが好ましい。これによれば、複合菓子が包装内で傾いた状態となった場合でも、その底面の最外周をなす部分が焼成菓子シートを下地にして耐衝撃性が良いので、その部分が包装材料に当接して、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生をより一層抑えることができる。
【0011】
本発明の複合菓子においては、前記底面の外周の最大径が2〜6cmであり、前記頂部の高さが前記最大径の0.55〜0.90倍であることが好ましい。これによれば、個包装したとき、底面の外周及び頂部が包装材料に接し、包装材料が頂部と底部との間で内部空間を形成しやすくなるので、マシュマロの側面に被覆されたチョコレート層のひび割れをより効果的に軽減できる。頂部の高さが上記よりも低いと、マシュマロの側面に被覆されたチョコレート層が包装材料に接しやすくなり、頂部の高さが上記よりも高いと、頂部にかかる荷重が大きくなる傾向がある。
【0012】
本発明の複合菓子においては、前記焼成菓子シートの厚さが2〜8mmであることが好ましい。これによれば、焼成菓子シートによる耐衝撃性を保持すると共に、マシュマロの相対的な割合を多くして、ソフトなマシュマロの食感を強調することができる。
【0013】
本発明の複合菓子においては、前記焼成菓子シートは、小麦粉、油脂、糖及び卵を含有する原料からなることが好ましい。これによれば、食感及び風味が良好な焼成菓子シートを提供することができる。
【0014】
本発明の複合菓子においては、前記マシュマロは糖及びゼラチンを含む原料からなり、前記ゼラチンはブルーム強度150〜250のゼラチンであることが好ましい。上記範囲のブルーム強度のゼラチンを用いることにより、口溶けが良好で、軽くてやわらかい食感のマシュマロを得やすくなる。
【0015】
また、前記マシュマロは、前記糖として、(A)砂糖と、(B)麦芽糖、ソルビトール、水飴、乳糖及びトレハロースから選ばれた少なくとも2種以上の糖とを含有し、前記マシュマロ全体中、前記(A)砂糖の含有量が20〜60質量%、前記(B)麦芽糖、ソルビトール、水飴、乳糖及びトレハロースから選ばれた少なくとも2種以上の糖の含有量が39〜79質量%であることが好ましい。上記範囲の糖の配合により、マシュマロの保水性が高まり、程よい甘味とすることができるうえ、口溶けが良好で、軽くてやわらかい食感のマシュマロを得やすくなる。
【0016】
本発明の複合菓子においては、前記複合菓子を密封個包装したときの該包装内の容積が、前記複合菓子の体積の3〜9倍であることが好ましい。これによれば、包装内の気体がクッションになって、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生をより一層抑えることができる。
【0017】
本発明の複合菓子においては、前記複合菓子100質量部に対するアルコールの濃度が0.4〜1.5質量部であることが好ましい。これによれば、保存性が更に良くなり、長期常温流通を実現できる。
【0018】
本発明の複合菓子においては、前記焼成菓子シート100質量部に対してアルコール含有水を2.5〜20質量部付与したものであることが好ましい。これによれば、焼成菓子シートにアルコール含有水がマシュマロ分注前に予め含浸されているので、マシュマロ分注後にマシュマロから焼成菓子シートへの水分移行が抑えられ、焼成シートの経時的変化を抑制するとともに、企図したマシュマロの食感、特に、口溶けが良好で、軽くてやわらかい食感がよく保たれる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、焼成菓子とマシュマロとを接合し、更にそれをチョコレートで被覆してなる複合菓子の形状として特定の構成を採用したので、複合菓子の頂部及び底面の外周が包装材料に接して、包装材料が頂部と底部との間で内部空間を有した状態で膨らみ、もっともひび割れしやすい、マシュマロの側面に被覆されたチョコレート層が包装材料に接しにくくなるので、チョコレート層のひび割れを効果的に軽減できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、
図1〜
図3を参照しつつ、本発明に係る複合菓子の一実施形態を説明する。ただし、本発明の範囲はその実施形態によって限定されるものではない。
【0022】
図1には、本発明に係る複合菓子の一実施形態を示す。
図1(a)はその外観の斜視図であり、
図1(b)は側面方向から見た断面図である。
【0023】
図1(a),(b)に示すように、この複合菓子10は、円板形状の焼成菓子シート11と、焼成菓子シート11上に載置されたマシュマロ12と、焼成菓子シート11及びマシュマロ12の外周を被覆するチョコレート13とを備えている。焼成菓子シート11の下面はチョコレート13で覆われて、平坦な底面20をなしている。また、マシュマロ12は、その外周がチョコレート13で覆われて、最大高さの頂部21及びそれ以外の部分の側面22をなしている。頂部21及びその周辺は、側面方向から見たとき、全体として下方から上方に向けて次第に縮径した略円錐形状をなしている。
【0024】
図2は、複合菓子10を包材30にてピロー包装した状態を示す。
図2(a)は表側から見た斜視透視図であり、
図2(b)は裏側から見た斜視透視図である。本発明においては、このように複合菓子10を密封個包装することにより、保存性が高まり、例えば常温流通することも可能となっている。また、必要時に必要な分だけ飲食することができる形態となっている。焼成菓子シート11には、アルコール、例えばアルコール含有水などを付与してもよい。これにより、ピロー包装した内部にアルコールが充満するので、保存性が更に良くなる。真菌類の発生も、より抑制される。
【0025】
図2(a),(b)に示すように、この実施形態では、複合菓子10の頂部21又はその周辺と底面20及びその外周がピロー包装の包材30に接触し、頂部21と底面20外周との間で包材30が広げられて、その内側に内部空間31が形成される。このため、複合菓子10の側面22の部分は、内部空間31に位置して、ピロー包装の包材30に接触しにくくなっている。ただし、本発明において、個包装したときの複合菓子と包材との配置関係が、常時この図に示すような状態にあることを要するわけではない。その配置関係によっては、複合菓子10の底面20が包材30のシート面に対して斜めになって、底面30の外周の一部が包材30に接触していてもよい。その場合でも、頂部21及び底面20の外周の一部との間で包材30が広げられるので、その内側に内部空間31が形成されて、複合菓子10の側面22の部分は、内部空間31に位置して、ピロー包装の包材30に接触しにくくなる。
【0026】
本発明においては、
図1(a)に示すように、複合菓子10の底面20の外周から頂部21に至る直線の長さAに対する、同直線から側面22の最も外方に出っ張っている部分の距離Bの割合はできるだけ小さい方が好ましく、具体的にはB/Aが0.17以下であることが好ましく、0.15以下であることが更に好ましい(
図1(a)参照)。そのような形状にすることにより、チョコレートで覆われているマシュマロの外周面と包材との接触をできるだけ避けて、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生を抑えることができる。なお、本発明において、B/Aが0.17以下であるとは、複合菓子10を底面20で立設した状態の任意の垂直断面における上記B/Aの値が、上記範囲を満たすという意味である。
【0027】
図1(b)には、複合菓子10の底面20の外周の最大径Lと、頂部21の高さHと、焼成菓子シート11の厚さTが図示されている。
【0028】
本発明においては、上記最大径Lが2〜6cmであることが好ましく、3〜5cmであることがより好ましい。また、上記高さHが最大径Lの0.55〜0.90倍であることが好ましく、0.55〜0.75倍であることがより好ましい。この形状によれば、上記最大径Lによって規定される大きさが食べやすさやボリューム感の観点から適度であると共に、複合菓子の底面の大きさに対する最大高さのバランスが良いので、チョコレートで覆われているマシュマロの外周面と個包装の包材との接触をできるだけ避けて、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生をより一層効果的に抑えることができる。
【0029】
また、複合菓子10の底面20の外周から頂部21に至る直線Aと、底面20とのなす角度θは、33〜74度であることが好ましく、45〜63度であることがより好ましい。なお、上記角度θの値は、複合菓子10を底面20で立設した状態の、頂部21を通る任意の垂直断面において、上記範囲を満たすという意味である。角度θが上記範囲よりも大きいと、頂部21の高さHが高くなりすぎたり、頂部21の位置が偏って形状がアンバランスになる可能性があり、角度θが上記範囲よりも小さいと、側面22が包材30に接触しやすくなり、ひび割れしやすくなる可能性がある。
【0030】
また、複合菓子10の頂部21は、できるだけなだらかであることが好ましい。この実施形態では、マシュマロ12をデポジターのノズルから押出して焼成菓子シート11上に堆積させた後に、最後にノズルを横方向に相対移動させて、角状の突起ができないようにしている。このような形状にすることで、複合菓子10を個包装したとき頂部21及びその周辺が包材30に接触しても、その部分における耐衝撃性が良く、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生をより一層抑えることができる。
【0031】
また、本発明においては、上記厚さTが2〜8mmであることが好ましい。厚さが上記範囲より薄いと、載置するためのシートとしての強度や剛性が保てず、また、載置するマシュマロの量に対するアルコール、例えばアルコール含有水などを付与する場合に、その付与量を十分に稼げないので、好ましいとはいえない。一方、厚さが上記範囲より厚いと、焼成菓子の食感や風味が口残りして、マシュマロの食感や風味に勝ちすぎてしまうので、好ましいとはいえない。
【0032】
図1(b)及び
図2(b)に示すように、この実施形態では、焼成菓子シート11の周縁11aは、底面20に向かって次第に拡径するテーパー状をなし、その外周に被覆されたチョコレート13によって、平面視において、底面20の外周が、最外周をなすように構成されている。このような形状にすることで、複合菓子10の底面20のおよそ全面が包材30に接することなく、ピロー包装の中で傾いた状態となった場合でも、その最外周をなす部分が焼成菓子シート11を下地にして耐衝撃性が良いので、その部分が包材30に当接して、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生をより一層抑えることができる。
【0033】
更に、マシュマロ12は、その載置端部12aが焼成菓子シート11の周縁11aからはみ出したり、大きく離れたりすることなく、できるだけ近接する位置まで載置されていることが好ましい(
図1(b)参照)。具体的には、マシュマロ12の載置端部12aが、焼成菓子シート11の周縁11aの上端に位置する焼成菓子シート11の上面の周縁から1mm以内、より好ましくは0.5mm以内の部分にあって、しかも周縁11aからはみ出さないように載置されていることが好ましい。このようにすることにより、その部分を被覆するチョコレートに凸状又は凹状の角部ができにくくなり、ひび割れしにくくなる。また、外観上もなだらかな外周面となるので、好ましい。
【0034】
図3には、ピロー包装した複合菓子10の複数個を、開口41と、背面側部の上端から延出して開口41に対する開閉を可能にする蓋42とを有し、蓋42を閉じた状態で全体として直方体又は立方体形状となる包装箱40に箱詰めした状態を示す。このような形態で流通させることにより、包装箱40の中でピロー包装された複合菓子10の個々が自由に転がったり、位置ずれしたりすることが防がれ、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生をより一層抑えることができる。
【0035】
また、本発明においては、
図2に示すように複合菓子10を個包装したときの包材30による包装内の容積が、複合菓子10の体積の3〜9倍であることが好ましく、3〜7倍であることがより好ましい。これによれば、包装内の気体がクッションになって、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生をより一層抑えることができる。複合菓子の体積に対する包装内の容積が上記範囲未満であると、複合菓子10と包材30との隙間が小さくなって、包材30の内部空間によるクッショ作用が弱められ、ひび割れ防止効果が低減する傾向がある。また、複合菓子の体積に対する包装内の容積が上記範囲を超えると、複合菓子10がピロー包装内で自由に移動しやすくなって、かえって側面22が包材30に接しやすくなり、ひび割れの原因となる場合があるので、好ましいとはいえない。また、不必要に包装材料を用いることになるので不経済であると共に、包材30がかさばって箱詰めできる個数が低減するので、好ましいとはいえない。
【0036】
本発明の複合菓子に用いられるマシュマロは、例えば、糖及び起泡剤を含む原料をエアミキサー等で含気することによって得られる。
【0037】
マシュマロの原料である糖としては、砂糖、麦芽糖、ソルビトール、水飴、乳糖、トレハロース、ショ糖、ブドウ糖、糖アルコール、オリゴ糖などが挙げられる。これらの糖は、予め水に溶かして煮詰め、その糖溶液を調製して用いることが好ましい。これにより作業性よくマシュマロの生地を調製することができる。その糖溶液のブリックス糖度は60度〜90度が好ましい。ブリックス糖度が60度未満であると糖溶液にカビが発生しやすく、またマシュマロの保形性が低下して生産性や商品価値を下げ、90度超であるとマシュマロの生地の起泡性が低下してべとついた食感となるため、好ましいとはいえない。また、複数種の糖を使用することが好ましい。これにより糖溶液ならびにマシュマロ中での糖の結晶化が防がれる。
【0038】
マシュマロ中の糖の含有量は40〜80質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがより好ましい。糖の含有量が40質量%未満であると製品の水分活性が上昇し日もちがしなくなるため好ましくなく、80質量%超であると甘すぎてくどい甘味を有する製品になるため、好ましいとはいえない。
【0039】
本発明においては、マシュマロ中の糖の配合とその含有量として、(A)砂糖と、(B)麦芽糖、ソルビトール、水飴、乳糖及びトレハロースから選ばれた少なくとも2種以上の糖とを含有することが好ましく、マシュマロ全体中、(A)砂糖の含有量が20〜60質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましく、(B)麦芽糖、ソルビトール、水飴、乳糖及びトレハロースから選ばれた少なくとも2種以上の糖の含有量が39〜79質量%であることが好ましく、49〜69質量%であることがより好ましい。上記範囲で砂糖を配合することにより、マシュマロの食感として、口溶けが良好で、軽くてやわらかい食感のものを得やすい。また、乳糖やトレハロースの配合により、甘すぎず程よい甘味を付与することができる。また、ソルビトールや水飴の配合により、保水性を高めることができる。また、麦芽糖の配合により、糖溶液やマシュマロの結晶化を抑制することができる。ただし、水飴は、その配合量が多いと、弾力がありねばつきがあるような食感となり、本発明が指向するマシュマロの食感とは相反するようになるので、そのような食感とならない限度で配合する必要がある。
【0040】
マシュマロの原料である起泡剤としては、食品一般に用いられているゼラチン、卵白等の起泡剤を用いることができ、特に制限はないが、マシュマロの食感として、口溶けが良好で、軽くてやわらかい食感のものを得るには、ブルーム強度150〜250のゼラチンを用いることが好ましく、また、マシュマロの経時変化を抑えるという点から、ブルーム強度150〜200のゼラチンを用いることがより好ましい。ブルーム強度はゼラチンの品質規格であり日本工業規格JIS K6503−1996に定められた測定方法により測定することができる。ゼラチンは予め水で膨潤・溶解させて、濃度10〜20質量%に調整したゼラチン溶液として用いることが好ましいこれにより作業性よくマシュマロの生地を調製することができる。
【0041】
マシュマロ中のゼラチンの含有量は1〜5質量%であることが好ましく、1〜3質量%であることがより好ましい。ゼラチンの含有量が1質量%未満であると含気させにくく、保形性が悪くなるので、好ましいとはいえない。ゼラチンの含有量が5質量%超であると食感が硬くなるため、好ましいとはいえない。なお、起泡剤はマシュマロの生地に起泡性を付与して含気させやすくするために用いられるものであり、このような機能を有する食品素材はゼラチン以外にも種々知られているので、ゼラチンに加えて、又はその一部もしくは全部に代えて他の起泡剤を用いてもよいが、本発明が指向する食感のものを得るには、マシュマロの起泡剤としてゼラチンのみを使用することが好ましい。
【0042】
マシュマロには、上記の原料以外にも、マシュマロの風味や食感に悪影響を与えない範囲で、必要に応じて他の原料を配合してもよい。例えば、油脂、乳化剤、蛋白質、安定剤、増粘剤、香料、着色料、調味料、果汁、ビタミン類、ミネラル類などを適宜含むことができる。また、甘味調整のために、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビアなどの高甘味度甘味料を添加してもよい。また、風味を付与する目的で、ラズベリー果汁(ラズベリー味)、レモン果汁(レモン味)、チョコレート(チョコレート味)、バニラパウダー(バニラ味)、ココアパウダー(ココア味)、コーヒー粉末(コーヒー味)などを添加してもよい。また、ジャムやクリームをマシュマロ中に充填してもよいし、別途焼成菓子シートに載置してもよい。
【0043】
マシュマロの調製法としては、常法に従えばよく、特に制限はない。具体的には、例えば、所定量の糖溶液とゼラチン溶液とを混合して、必要に応じて他の原料を加えて、40〜50℃に保温しながらエアミキサー等によりホイップする。このときホイップの程度を調節することにより、得られるマシュマロの比重を調整することができる。
【0044】
本発明の複合菓子に用いられるマシュマロは、水分を除いて計算した比重(単位:g/cm
3)が0.13〜0.27であることが好ましく、0.13〜0.25であることがより好ましく、0.13〜0.21であることが更により好ましい。。マシュマロの比重が0.27超であると、マシュマロの保型性が悪くなる傾向があり、焼成菓子シートに載置しようとしてもダレてしまいシート上に載置しづらいという問題が生じることがあるので、好ましいとはいえない。一方、マシュマロの比重が0.13未満であると、軽過ぎて(ふわっとし過ぎて)、焼成菓子シートに載置するときにズレやすく、またシートへの結着性が悪くなるという問題が生じることがあるので、好ましいとはいえない。また、マシュマロの比重が上記範囲であれば、焼成菓子シートへの水分移行が生じても、口溶けが良好で、軽くてやわらかい食感を保持することができ、また、経時的な食感変化を抑えることができる。
【0045】
なお、マシュマロの比重(g/cm
3)は、一定容積(cm
3)の計量カップにマシュマロを充填し、固化後に摺り切りし、一定容積あたりのマシュマロの重量(g)を測定することにより算出することができるが、ここで、水分を除いて計算した比重とは、マシュマロの質量(g)から、そのマシュマロに含まれる水分の質量(g)を引き、それをマシュマロの容積(cm
3)で割って得られる値を意味する。マシュマロの水分を除いて計算した比重は、焼成菓子シートと接合される前も、複合菓子となってマシュマロから水分移行が生じた後でも、変わらない値となる。また、焼成菓子シートへ分注後のマシュマロの比重にあっては、一定体積に切り取り、重量を測定することにより算出したり、3Dレーザースキャン(例えば、株式会社アステックス製、商品名「3D Laser Scanner SELNAC−VM」)などによりマシュマロの体積を測定することにより算出することも可能である。
【0046】
本発明の複合菓子に用いられる焼成菓子シートは、例えば、小麦粉、油脂、糖及び卵を含有する原料を混合して調製した生地をシート状に成形し、焼成することによって得られる。小麦粉としては、強力粉、中力粉及び薄力粉から選ばれた少なくとも1種を使用することができる。また、油脂としては、食用に供せられるものであれば、植物性油脂、動物性油脂、それらの加工油脂のいずれでもよい。また、油脂の融点も特に限定されず、液状油脂、固形油脂のいずれでもよい。例えば、マーガリン、ショートニング、オリーブ油、サフラワー油、コーン油、やし油、カカオ脂、パーム油などが挙げられ、特に、より良好な風味を付与するためには、マーガリン、バター、あるいはショートニングなどの加工食用油脂が好ましく用いられる。また、糖としては、砂糖、ショ糖、蜂蜜、水飴、ブドウ糖、麦芽糖、異性化糖、トレハロース、各種オリゴ糖、更には、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、イノシトール、キシリトール、オリゴ糖アルコールなどの糖アルコールなどが挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種を使用することができる。また、卵としては、全卵、卵黄、卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、調味料含有全卵、調味料含有卵黄、調味料含有卵白などが挙げられ、特に、より良好な風味を付与するためには、鶏全卵が好ましく用いられる。なお、油脂は焼成菓子シートにやわらかさやしっとりとした食感を付与することに寄与する。また、卵は焼成菓子シートの強度や骨格を維持することに寄与する。
【0047】
焼成菓子シートには、上記の原料以外にも、必要に応じて脱脂粉乳、全粉乳、練乳、濃縮ホエイ、生乳、濃縮乳、発酵乳、クリーム等の乳製品、ベーキングパウダー等の膨脹剤、食塩、食物繊維、ビタミン類、甘味料、食品添加物、ナッツ、乾果などを適宜配合してもよい。
【0048】
焼成菓子シートの調製法としては、焼成菓子シートの食感や形状等の目的とする種類に応じて常法に従えばよいが、生地中のグルテンが焼成後に焼成菓子シートの表面に被膜を形成すると、アルコール、例えばアルコール含有水などを付与する場合に、その浸透性が悪く、また、マシュマロとの結着性が悪くなるので、なるべくグルテンが生じないように生地を調製することが好ましい。そのためには、例えば、油脂、糖、卵に必要に応じて適量の水を加えて混合することにより、予め比重0.8〜1.1程度のクリームを調製し、これに小麦粉を添加して、必要に応じて適量の水を加えて混合して、比重が1.6〜2.0程度の生地を調製することにより、生地中のグルテンが焼成後に焼成菓子シートの表面に被膜を形成することなく、細孔が表面に現われた組織を有する焼成菓子シートを得ることができる。このように調製された細孔が表面に現われた組織を有する焼成菓子シートであれば、アルコール、例えばアルコール含有水などを付与する場合に、その浸透性が良い。また、マシュマロを分注して載置するときに横ズレしてしまうことも防がれる。
【0049】
焼成菓子シートの原料の好ましい配合割合としては、例えば、小麦粉100質量部に対して、ショートニング15〜30質量部、砂糖20〜40質量部、鶏全卵3〜8質量部、ならびに水0.1〜3質量部などである。
【0050】
生地を成形する方法としては、ロータリーモールドで一定の生地の厚さに成形する方法や、デポジッターやワイヤーカットにより分注する方法、また、必要に応じて、ロールで展延する方法等を採用することができるが、一定の大きさ・厚みを安定して成形できるロータリーモールドによる方法が好ましい。また、シート表面に模様や突起を付すために、モールド内に加工を施しても良い。成形した生地の焼成は、常法に従い、トンネルオーブン等で行うことができ、焼成温度150〜240℃、焼成時間5〜12分などの条件で焼成すればよい。
【0051】
焼成菓子シートの形状に特に制限がなく、四角板形状や円板形状など通常の焼成菓子シートが有する形状であればよいが、デポジターによる分注の方法により載置する場合に、マシュマロが焼成菓子シートからはみ出したり、逆にマシュマロの載置端部が焼成菓子シート端部から大きく離れたりすることなく、できるだけ近接する位置まで載置されているようにするため、焼成菓子シートは円板形状であることが好ましい。また、焼成菓子シートの周縁の形状としては、底面に向かって垂直に形成されていてもよいが、前述したように、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生の抑止の観点からは、焼成菓子シートの周縁は底面に向かって次第に拡径するテーパー状となっていることが好ましい。
【0052】
本発明の複合菓子に用いられる焼成菓子シートは、水分を除いて計算した比重(単位:g/cm
3)が0.30〜0.70であることが好ましく、0.40〜0.60であることがより好ましい。シート比重が0.30未満であると、シート強度が弱まり、焼成菓子シートの搬送やマシュマロの載置などの工程が困難となる傾向があるので、好ましいとはいえない。一方、シート比重が0.70超であると、焼成菓子シートが硬い食感となってしまう傾向があるので、好ましいとはいえない。更に、焼成菓子シートの比重が上記範囲であれば、最終製品(複合菓子)としたときの硬さや口残りなどの食感において、マシュマロとのバランスが良い。
【0053】
ここで、水分を除いて計算した比重とは、焼成菓子シートの質量(g)から、そのシートに含まれる水分の質量(g)を引き、それを焼成菓子シートの容積(cm
3)で割って得られる値を意味する。なお、焼成菓子シートの容積は、菜種置換法や3Dレーザースキャン(例えば、株式会社アステックス製、商品名「3D Laser Scanner SELNAC−VM」)などで求めることができる。焼成菓子シートの水分を除いて計算した比重は、マシュマロと接合される前も、複合菓子となってマシュマロから水分移行が生じた後でも、変わらない値となる。
【0054】
なお、焼成菓子シートの比重は、生地の配合や焼成条件、膨張剤の添加量などによって、適宜調整することができる。
【0055】
以下、本発明の複合菓子を得る製造方法について説明する。ただし、本発明の範囲はその製造方法によって限定されるものではない。
【0056】
まず、上記に説明したようにして、小麦粉、油脂、糖及び卵を含有する原料からなり、水分を除いて計算した比重が好ましくは0.30〜0.70、より好ましくは0.40〜0.60であり、水分が好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%である焼成菓子シートを製造する。焼成菓子シートの水分は、生地の配合や焼成条件などによって、適宜調整することができる。マシュマロと接合する前の焼成菓子シートの水分を上記範囲とすることにより、複合菓子となったときに、焼成菓子シートにやわらかさやしっとり感を与えるための水分が好適となる。
【0057】
本発明の好ましい態様においては、この焼成菓子シートに、アルコール、例えばアルコール含有水などを付与してもよい。その付与方法は、特に限定されないが、例えば、アルコール濃度が8〜60v/v%、より好ましくは20〜60v/v%のアルコール含有水を使用し、マシュマロを載置する焼成菓子シートの表面に噴霧したり、滴下したりする方法が挙げられる。アルコール含有水としてはエタノール含有水やエタノールを含有する酒類などが好ましい。
【0058】
上記アルコール含有水の付与量は、焼成菓子シート100質量部に対して、2.5〜20質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。アルコール含有水の付与量が上記範囲より少ないと、焼成菓子シートにやわらかさやしっとり感を与えたり、マシュマロからの水分移行を抑えたり、保存性を高めたりする効果が得にくくなるので、好ましいとはいえない。一方、アルコール含有水の付与量が上記範囲より多いと、シート強度が弱まり、焼成菓子シートの搬送やマシュマロの載置などの工程が困難となるとともに、複合菓子となったときの焼成菓子シートがフニャッとした、ベタついた食感となるので、好ましいとはいえない。
【0059】
なお、密封個包装後の気中アルコール濃度としては、包装材料のサイズにもよるが、菓子1個をピロー包装する場合を想定した場合、0.5〜1.5v/v%程度となるようにすることが好ましい。この範囲であれば、真菌類の発生を抑制するとともに、開封した時のアルコール臭が気にならない。また、菓子中のアルコール濃度としては、複合菓子100質量部に対して、0.4〜1.5質量部であることが好ましく、0.5〜1.0質量部であることがより好ましい。この範囲であれば、真菌類の発生を抑制するとともに、飲食した時のアルコール臭が気にならない。
【0060】
一方、マシュマロとしては、上記に説明したようにして、糖及び起泡剤を含む原料からなり、水分を除いて計算した比重が好ましくは0.13〜0.27、より好ましくは0.13〜0.25であり、更により好ましくは0.13〜0.21であり、水分が好ましくは20〜35質量%、より好ましくは20〜30質量%であるマシュマロを製造する。マシュマロの水分は、マシュマロの生地の水分量などによって、適宜調整することができる。焼成菓子シートと接合する前のマシュマロの水分を上記範囲とすることにより、複合菓子となったときに、マシュマロからの水分移行により焼成菓子シートにやわらかさやしっとり感を与えるとともに、マシュマロのやわらかさを保つための水分が好適となる。
【0061】
上記マシュマロを、焼成菓子シートの上に分注して載置する。この焼成菓子シートには、上述したように、必要に応じて、アルコール、例えばアルコール含有水を付与し、その後にマシュマロを載置してもよい。具体的には、マシュマロの生地をホイップして含気させた後に、マシュマロが自然冷却により固化してしまう前に、例えばデポジターによる分注等の公知の方法により、マシュマロを焼成菓子シートの上に載置する。このとき、そのノズルから所定時間間隔をあけて連続的に所定量が押し出されるようにしたり、そのノズルを多重列に配列したりすれば、効率的に製造を行うことができる。なお、デポジターによる分注の方法によれば、マシュマロの形状は、ノズルの形状や、ノズルから押し出される生地の分量と保形性などの要因によって自律的に決定され、例えば円板形状の焼成菓子シートの上に、マシュマロが焼成菓子シートからはみ出さず、且つ、マシュマロの載置端部が焼成菓子シート端部にできるだけ近接する位置まで載置した場合には、全体としてお椀を伏せたような形状をなす。その際、マシュマロ分注時のノズル位置および吐出量を調節すれば、本発明の上記形状を実現しやすい。また、チョコレートで覆われているマシュマロの外周面と個包装の包材との接触をできるだけ避けて、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生をより一層抑えるという観点からは、できるだけ左右対称の形状とすることが好ましい。また、前述したように、マシュマロ12をデポジターのノズルから押出して焼成菓子シート11上に堆積させた後に、最後にノズルを横方向に相対移動させて、角状の突起ができないようにすることが好ましい。
【0062】
焼成菓子シートの上にマシュマロを分注して載置した後、その焼成菓子シート及びマシュマロの外周を、チョコレート液でコーティングして固化させる。コーティングの方法について特に制限はなく、一般に利用されているエンローバーによる方法などで行えばよい。チョコレート液を固化させる方法についても、コーティング時にチョコレート液が流動性を保つように調整した品温から、その品温を低下させる等により固化させればよく、特に制限はないが、コーティング後のチョコレートには、エージング処理を施すことが好ましい。エージング処理は、コーティング後に、例えば18〜24℃で1〜7日間、より好ましくは18〜24℃で2〜4日間、保管庫内に保持することによって行うことができる。このエージング処理によりチョコレートの結晶がより安定化するので、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生をより一層良好に抑えることができる。
【0063】
コーティングに使用するチョコレート液については、一般にコーティング用チョコレートとして使用されるものであれば、いずれも利用可能である。例えば、純チョコレート、純ミルクチョコレート、チョコレート、ミルクチョコレート、準チョコレート、準ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート、クーベルチュール、ビターチョコレートなどが挙げられる。マシュマロや焼成菓子シートとの風味のマッチングの観点からは純チョコレート、純ミルクチョコレートなどの使用が好ましい。チョコレート液の粘度は30〜60ポイズが好ましい。また、チョコレートのテンパリング状態を測定する「TEMPERMETER2」(sollich社製)で測定したときのテンパーインデックスがおよそ3〜7、好ましくは4〜6のものを使用することが好ましい。テンパーインデックスが上記範囲未満であると、チョコレートのテンパリングが不十分であり、冷却固化後のチョコレートが柔らかいため、チョコレートのひび割れの発生を抑える効果が得にくいので、好ましいとはいえない。また、上記範囲を超えると粘度が上昇する傾向があり、コーティングの作業性が悪くなるので、好ましいとはいえない。
【0064】
こうして得られた複合菓子を、包装材料で密封個包装することにより、本発明の複合菓子が得られる。包装材料としては、エタノール透過量の少ない包装材料、例えば30℃におけるエタノール透過度が5g/m
2・day以下の包装材料が、好ましく使用される。
【0065】
このような包装材料としては、エタノール透過量の少ない基材フィルムと、ヒートシール可能なシーラントフィルムとを2層以上に積層したフィルムや、エタノール透過量が少なくヒートシール可能な共押出しフィルムを好適に用いることができる。
【0066】
エタノール透過量の少ない基材フィルムとしては、基材となる2軸延伸ポリエステル(PET)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、2軸延伸ナイロン(ONY)等のベースフィルムに、バリア層として、アルミ蒸着層、アルミナ、シリカ等の透明蒸着層、ポリ塩化ビニリデンコート(Kコート)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)コート等が形成されているバリアフィルムを用いることができる。エタノール透過量の少ない基材フィルムの厚さは適宜選択可能であるが、5〜30μmであることが好ましい。
【0067】
また、シーラントフィルムとしては、従来公知のポリエチレン(PE)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー等が使用可能であり特に限定されない。また、エタノール透過量の少ないシーラントフィルムとしてアルミ蒸着未延伸ポリプロピレン(ALVMCPP)を用いてもよく、この場合には上記の基材フィルムはエタノール透過量が少なくなくてもよい。なお、上記のシーラントフィルムのうち、菓子の包装における高速充填適性よりCPPフィルムを用いることが好ましい。シーラントフィルムの厚さは適宜選択可能であるが、20〜100μmであることが好ましい。
【0068】
複合菓子の包装方法は、特に限定されず、例えば、ピロー包装、トレーに積載後にピロー包装したり、ラミネートする方法などが採用でき、生産性の上から、特にピロー包装が好ましい。
【0069】
本発明の複合菓子は、マシュマロと焼成菓子シートの質量の比が2:1〜1:2とされていることが好ましい。これによれば焼成菓子とマシュマロとの風味や食感のバランスが良い。
【0070】
また、マシュマロと焼成菓子シートの合計質量に対する、上記チョコレートの質量の比が、3:1〜1:1とされていることが好ましい。チョコレートの量が上記範囲より少ないと、チョコレートの被覆層の厚さが薄くなり、ひび割れが生じやすくなるので、好ましいとはいえない。
【0071】
また、食べやすさの観点から、複合菓子の全体質量としては、6〜15gとされていることが好ましい。
【0072】
また、互いに接合する前の状態のマシュマロや焼成菓子の水分、アルコール含有水の付与量などを調整することにより、マシュマロの水分が18〜25質量%とされていることが好ましく、18〜23質量%とされていることがより好ましい。これによれば、マシュマロのやわらかさを保つことができる。また、焼成菓子シートの水分が10〜16質量%とされていることが好ましく、10〜14質量%とされていることがより好ましい。これによれば、焼成菓子シートのやわらかさやしっとり感を保つことができる。
【0073】
また、マシュマロのやわらかさの客観的な指標として、テクスチャーアナライザー(例えば、英弘精機株式会社製、商品名「TA.XT plus」)を用いた測定により数値化された硬さ(単位:g)を用いることができる。具体的には、例えば、複合菓子の底面より約2〜2.5cmのところで水平にカットした後、テクスチャーアナライザーの試料台に固定し、テクスチャーアナライザーの測定プローブをマシュマロのカット面に進入させ、測定プローブにかかる応力(Force)を測定し、その最大値に対応する荷重(単位:g)をマシュマロの硬さとみることができる。本発明の複合菓子においては、そのマシュマロの硬さが、テクスチャーアナライザーを使用し、直径10mmの円柱プローブを用い、侵入速度5mm/秒、侵入距離10mmの条件下に測定したときの最大応力に対応する荷重として50〜250gであることが好ましく、50〜200gであることがより好ましい。これによればマシュマロの強度を保ちつつ、柔らかい食感を保持することが可能である。
【実施例】
【0074】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0075】
なお、以下の試験例において、マシュマロと焼成菓子シートの比重と水分の測定は、以下のようにして行った。
【0076】
[マシュマロの水分の測定]
常圧加熱乾燥助剤法(103℃、5時間)にて測定した。
[マシュマロの比重の測定]
マシュマロを計量カップに充填して、固化後に摺り切りし、重量を測定することにより算出した。なお、複合菓子のマシュマロの比重は、マシュマロの水分を測定して水分移行による重量減少分を差し引いて算出した。
[焼成菓子シートの水分の測定]
常圧加熱乾燥法(105℃、4時間)にて測定した。
[焼成菓子シートの比重の測定]
焼成菓子シートの重量を測定し、菜種置換法により容積を測定することにより算出した。なお、水分を除いた比重は、焼成菓子シートの水分を測定し算出した。
【0077】
<実施例1>
以下のようにして実施例1の複合菓子(体積:約13cm
3)を調製した。なお、その調製の際にマシュマロの分注位置を下から上に向けて移動させることにより、複合菓子の形状を、
図4(a)に示す断面を有する形状とした。即ち、最大高さの頂部及びその周辺において、側面方向から見たときできるだけ角度をなすようにし、全体として下方から上方に向けて次第に縮径した略円錐形状とした。
【0078】
1.マシュマロ
砂糖30質量部、麦芽糖25質量部、ソルビトール液25質量部(固形分17.5質量部)、水20質量部を混合し、Brix85になるまで煮詰めた。この糖容液に、予め膨潤・溶解したゼラチン(ブルーム強度:160)の溶液25質量部を、ゼラチン濃度が最終的に2w/v%になるように添加し、45℃に保温しながらホイッパーを用いて混合し、水分を除いて計算した比重0.16(水分を入れて計算した比重は0.23)のマシュマロを調製した。
【0079】
2.焼成菓子シート
小麦粉(薄力粉)100質量部に、ショートニング20質量部、砂糖30質量部、粉乳2質量部、鶏全卵5質量部、食塩1質量部、膨張剤2質量部、及び水6質量部をミキサーで予め混合したクリームを添加し、焼成菓子生地を調製した。その生地を約3mmの厚みのシート状に延ばし、直径3.6cmの円柱状の型抜きで円板形状に成形した。成形した生地をオーブンの天板に載せ、220℃で6分間焼成した。得られた焼成菓子シートの水分を除いて計算した比重は0.42(水分を入れて計算した比重は0.43)であった。
【0080】
3.アルコール含有水の付与
焼成菓子シート1枚(約3g)に対して、エタノール濃度30v/v%のアルコール含有水0.3gをシートの片側表面に滴下した。
【0081】
4.マシュマロの分注
アルコール含有水がシート中に浸透したことを確認した後に、焼成菓子シート1枚(約3g)に対して、マシュマロの約4gをシートの片側表面にデポジターにより分注した。
【0082】
5.チョコレートの被覆
マシュマロ分注後の菓子全体にコーティング用チョコレートを被覆し、冷却してチョコレートを固化させた。なお、コーティング用チョコレートとしては、チョコレートのテンパリング状態を測定する「TEMPERMETER2」(sollich社製)で測定したときのテンパーインデックスがおよそ5のものを使用し、被覆したチョコレートのエージング処理は行わなかった。
【0083】
6.包装密封
アルミ蒸着フィルム(密封包装内径:6.5cm×8.0cm、最大容積:約81cm
3)で1個ずつピロー包装した。
【0084】
なお、このように調製された複合菓子は、その包装内の気中アルコール濃度が約0.70v/v%程度で、また、菓子中のアルコール濃度が複合菓子100質量部に対して約1質量%程度であり、製造後3か月後にもカビの発生は認められなかった。
【0085】
<比較例1>
複合菓子の形状を、その調製の際にマシュマロの分注を下の位置である程度吐出してから上に移動させることにより、
図4(b)に示す断面を有する形状とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の複合菓子を調製した。即ち、比較例1の複合菓子は、最大高さを実施例1の複合菓子より低く、頂部及びその周辺には角状の突起ができて、側面がやや膨らんだ、全体として栗のような扁平形状である。
【0086】
<比較例2>
複合菓子の形状を、その調製の際にマシュマロの分注を下の位置で固定しながら吐出することにより、
図4(c)に示す断面を有する形状とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の複合菓子を調製した。即ち、比較例2の複合菓子は、最大高さが実施例1より低く、その上面はなだらかな形状であって、側面が膨らんだ、全体として丸餅のような扁平形状である。
【0087】
<実施例2>
コーティング用チョコレートとしてテンパーインデックスがおよそ3のものを使用し、被覆後に、20℃で2日間、被覆したチョコレートのエージング処理を行った以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様な形状の、実施例2の複合菓子を調製した。
【0088】
<実施例3>
コーティング用チョコレートとしてテンパーインデックスがおよそ5のものを使用し、被覆後に、20℃で2日間、被覆したチョコレートのエージング処理を行った以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様な形状の、実施例3の複合菓子を調製した。
【0089】
<実施例4>
コーティング用チョコレートとしてテンパーインデックスがおよそ5のものを使用し、被覆後に、20℃で2日間、被覆したチョコレートのエージング処理を行った以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様な形状の、実施例4の複合菓子を調製した。
【0090】
[試験例1]
実施例1,比較例1,比較例2の複合菓子について、それぞれおよそ100個程度を段ボール(縦20cm×横43cm×高さ14cm)に詰め、トラックに載せて150km輸送した後、被覆したチョコレートに一部でもひび割れが生じているものの割合(不良率)を調べた。また、実施例2〜4についても、それぞれ別の輸送日を設けて、同様にして、トラック輸送後の不良率を求めた。その結果を、各複合菓子における被覆したチョコレートの性状、及び複合菓子の形状に関するパラメータとともに表1に示す(形状の数値については代表的な一例である)。
【0091】
【表1】
【0092】
その結果、同じ輸送トラックで試験を行った実施例1,比較例1,2の複合菓子について比較すると、実施例1では不良率が9%であったのに対して、比較例1では18%であり、比較例2では19%であった。被覆したチョコレートの性状は同じであることから、複合菓子の形状がひび割れ率に影響していることが考えられた。
【0093】
即ち、実施例1の複合菓子の形状では、複合菓子の頂部又はその周辺にピロー包装の包材が接触しやすいものの、チョコレートで覆われているマシュマロの外周面であって、頂部及びその周辺以外の上面側ならび側面側の部分は、ピロー包装の包材のいずれからも遠く、衝撃を受けにくいのではないかと考えられた。また、複合菓子の底面の部分はおよそピロー包装の包材に最も接する部分であるものの、焼成菓子シートが下地であるため、ひび割れは生じにくいものと考えられた。更に、複合菓子の頂部又はその周辺に被覆したチョコレートのひび割れが生じた例もあったが、意外にも、その発生率は、全不良率の半分程度であり、総じて低かった。
【0094】
これに対して、比較例1の複合菓子の形状では、複合菓子の頂部及びその周辺に角のような形状を有するが、高さが低く扁平形状をしているため、複合菓子の上面や側面に膨らんだ部分が、ピロー包装の包材と接しやすいため、衝撃を受けやすいのではないかと考えられた。また、比較例2の複合菓子の形状では、複合菓子の上面がなだらかな扁平形状をしているため、比較例1同様、複合菓子の上面や側面に膨らんだ部分が、ピロー包装の包材と接しやすいため、衝撃を受けやすいのではないかと考えられた。
【0095】
なお、複合菓子の形状が、その底面の直径に対して最大高さが長すぎると、複合菓子の側面がピロー包装の包材と接しやすくなるのではないかと考えられた。一方、その底面の直径に対して最大高さが短すぎると、複合菓子の上面がピロー包装の包材と接しやすくなるのではないかと考えられた。
【0096】
一方、トラック輸送の状況に差異があるものの、形状を同様とした実施例2,実施例3,実施例4について、実施例1と比較すると、被覆したチョコレートのエージング処理を施した実施例2〜4のほうが、エージング処理を施さない実施例1に比べ、不良率がより抑制された。更に、複合菓子の形状に関するパラメータが類似する実施例2と実施例3との比較から、コーティング用チョコレートとして、適度なテンパーインデックスを示すものを用いたほうが、テンパリング不足を示すものを用いるより、不良率がより抑制されるものと考えられた。
【0097】
[試験例2]
・試験例2−1(マシュマロ1)
砂糖30質量部、麦芽糖25質量部、ソルビトール液25質量部(固形分17.5質量部)、水20質量部を混合し、Brix85になるまで煮詰めた。この糖容液に、予め膨潤・溶解したゼラチン(ブルーム強度:160)の溶液25質量部を、ゼラチン濃度が最終的に2w/v%になるように添加し、45℃に保温しながらホイッパーを用いて混合し、水分を除いて計算した比重0.14(水分を入れて計算した比重は0.20)のマシュマロ1を調製した。
【0098】
・試験例2−2(マシュマロ2)
ホイッパーによる混合時間を調整して水分を除いて計算した比重0.21(水分を入れて計算した比重は0.30)とした以外は試験例2−1と同様にしてマシュマロ2を調製した。
【0099】
・試験例2−3(マシュマロ3)
ホイッパーによる混合時間を調整して水分を除いて計算した比重0.25(水分を入れて計算した比重は0.35)とした以外は試験例2−1と同様にしてマシュマロ3を調製した。
【0100】
・試験例2−4(マシュマロ4)
糖容液として、砂糖55質量部、ソルビトール液25質量部(固形分17.5質量部)、水20質量部を混合し、Brix85になるまで煮詰めたものを用いた以外は試験例2−1と同様にして水分を除いて計算した比重0.21(水分を入れて計算した比重は0.30)のマシュマロ4を調製した。
【0101】
・試験例2−5(マシュマロ5)
糖容液として、砂糖20質量部、麦芽糖35質量部、ソルビトール液25質量部(固形分17.5質量部)、水20質量部を混合し、Brix85になるまで煮詰めたものを用いた以外は試験例2−1と同様にして水分を除いて計算した比重0.21(水分を入れて計算した比重は0.30)のマシュマロ5を調製した。
【0102】
上記のように調製したマシュマロの4gを、ソフトビスケットの円板形状シート(厚さ:約3mm、直径:約3.9cm)の上にデポジターにより分注し(分注温度約40℃)、マシュマロの外観や保形性を評価した。結果を表2に示す。
【0103】
【表2】
【0104】
その結果、保形性に関し、試験したマシュマロ比重の範囲で、生地ダレが生じずにソフトビスケットシートに載置することができた。一方、外観に関しても、試験したマシュマロ比重の範囲で、艶があり良好であった。
【0105】
[試験例3]
・試験例3−1(複合菓子1)
マシュマロの調製において、ホイッパーによる混合時間を調整してその水分を除いて計算した比重が0.14(水分を入れて計算した比重は0.20)となるように調製し、焼成菓子シートの調製において、膨張剤の配合量を1.5質量部にすることでシート比重を0.53(水分を入れて計算した比重は0.55)に調整した以外は、実施例1と同様にして複合菓子1を調製した。
【0106】
・試験例3−2(複合菓子2)
マシュマロの調製において、ホイッパーによる混合時間を調整してその水分を除いて計算した比重が0.21(水分を入れて計算した比重は0.30)となるように調製した以外は、試験例3−1と同様にして複合菓子2を調製した。
【0107】
・試験例3−3(複合菓子3)
焼成菓子シートにアルコール含有水の付与を行わない以外は、試験例3−2と同様にして複合菓子3を調製した。
【0108】
・試験例3−4(複合菓子4)
マシュマロの調製において、ホイッパーによる混合時間を調整してその水分を除いて計算した比重が0.25(水分を入れて計算した比重は0.35)となるように調製した以外は、試験例3−1と同様にして複合菓子4を調製した。
【0109】
上記複合菓子を密封包装した状態で常温下に保管し、1日後、1週間後、2週間後に包装材を開封して複合菓子を取り出し、4名のパネラーにより複合菓子の食感の評価を行った。食感の評価は、マシュマロの食感について、口溶けが良いか、弾力がないか、ねばつきがないかの観点から、焼成菓子シートの食感について、やわらかさ・しっとり感があるか、ざらつき・ぱさつきがないかの観点から、複合菓子の総合評価としては、マシュマロとシートとのバランスが良いか、一緒に口どけするかの観点から、それぞれ2…とても良い、1…良い、0…良くない、の3段階評価とし、4名のパネラーの平均を求めた。また、別途マシュマロと焼成菓子シートの水分を測定した。結果を表3に示す。
【0110】
【表3】
【0111】
その結果、マシュマロ比重が0.14の複合菓子1(試験例3−1)、マシュマロ比重が0.21の複合菓子2(試験例3−2)、マシュマロ比重が0.25の複合菓子4(試験例3−4)において、マシュマロの食感、焼成菓子シートの食感、総合評価がいずれも良好であった。ただし、焼成菓子シートにアルコール含有水を付与しない複合菓子3(試験例3−3)では、焼成菓子シートにアルコール含有水を付与する場合に比べて、マシュマロからの水分移行がより多くなり、マシュマロの食感、焼成菓子シートの食感、総合評価において、その評価が若干低くなった。
【課題】焼成菓子とマシュマロとを接合し、更にそれをチョコレートで被覆してなる複合菓子であって、輸送時の衝撃などによる被覆したチョコレートのひび割れの発生が抑止されるようにした複合菓子を提供する。
【解決手段】焼成菓子シート11は、その下面がチョコレート13で覆われて平坦な底面20をなし、マシュマロ12は、その外周が前記チョコレート13で覆われて、最大高さの頂部21及びそれ以外の部分の側面22をなし、前記底面20の外周から前記頂部21に至る直線の長さAに対する、同直線から前記側面22の最も外方に出っ張っている部分の距離Bの割合(B/A)が0.17以下であり、全体がピロー包装により密封個包装されている。