特許第5674148号(P5674148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674148
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】ガラス基板の研磨方法及び研磨装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/00 20120101AFI20150205BHJP
【FI】
   B24B37/00 K
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-112075(P2011-112075)
(22)【出願日】2011年5月19日
(65)【公開番号】特開2012-11539(P2012-11539A)
(43)【公開日】2012年1月19日
【審査請求日】2014年2月3日
(31)【優先権主張番号】特願2010-126083(P2010-126083)
(32)【優先日】2010年6月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】旭硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】小暮 祐二
(72)【発明者】
【氏名】石丸 直彦
(72)【発明者】
【氏名】城山 厚
(72)【発明者】
【氏名】河内 辰朗
【審査官】 橋本 卓行
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−136927(JP,A)
【文献】 特開2006−305650(JP,A)
【文献】 特開平06−246623(JP,A)
【文献】 特開平07−041169(JP,A)
【文献】 特開2004−276133(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/047894(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/00−37/34
B24B 7/00−7/24
H01L 21/304
B24B 41/06
B24B 9/00−9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板の非研磨面を吸着固定するテーブルに向けて、前記テーブルのガラス基板の非研磨面の全域が吸着固定される領域に、第1のノズルから乾燥防止用液を噴霧し、次いで前記テーブルに対して、前記テーブルのガラス基板の非研磨面の縁部が吸着固定される領域に、第2のノズルから緩衝液を噴霧する液体噴霧工程であって、前記テーブルの単位面積当たりの前記緩衝液の塗布量が、前記テーブルの単位面積当たりの前記乾燥防止用液の塗布量よりも多めに設定された液体噴霧工程と、
ガラス基板の非研磨面の全域を、前記乾燥防止用液を介して前記テーブルに吸着固定するとともに、前記ガラス基板の非研磨面の縁部を、前記緩衝液を介して前記テーブルに吸着固定するガラス基板固定工程と、
前記テーブルに非研磨面が吸着固定された前記ガラス基板の研磨面に、研磨液を供給しながら該研磨面を研磨具によって研磨する研磨工程と、
を備えているガラス基板の研磨方法。
【請求項2】
前記液体噴霧工程は、前記テーブル及び前記第1、第2のノズルの少なくとも一方を相対的に移動させながら、前記第1のノズルから前記乾燥防止用液を噴霧するとともに、前記第2のノズルから前記緩衝液を噴霧する、請求項1に記載のガラス基板の研磨方法。
【請求項3】
前記乾燥防止用液と前記緩衝液とは同一の液体である、請求項2に記載のガラス基板の研磨方法。
【請求項4】
前記液体は多価アルコールである、請求項3に記載のガラス基板の研磨方法。
【請求項5】
前記第1のノズルと前記第2のノズルとを共通化した同一の共通ノズルを、前記テーブルの相対的な移動方向と直交する方向で前記テーブルの上方に複数配置し、前記共通ノズルから前記液体を前記テーブルに向けて噴霧する、請求項3又は4に記載のガラス基板の研磨方法。
【請求項6】
ガラス基板の非研磨面を吸着固定するテーブルと、
前記テーブルに向けて、前記テーブルのガラス基板の非研磨面の全域が吸着固定される領域に乾燥防止用液を噴霧する第1のノズル、及び前記テーブルに対して、前記テーブルのガラス基板の非研磨面の縁部が吸着固定される領域に緩衝液を噴霧する第2のノズルと、を有する液体噴霧部であって、前記テーブルの単位面積当たりの前記緩衝液の塗布量が、前記テーブルの単位面積当たりの前記乾燥防止用液の塗布量よりも多めに設定された液体噴霧部と、
ガラス基板の非研磨面の全域を、前記乾燥防止用液を介して前記テーブルに吸着固定させるとともに、前記ガラス基板の非研磨面の縁部を、前記緩衝液を介して前記テーブルに吸着固定させるガラス基板固定部と、
前記テーブルに非研磨面が吸着固定された前記ガラス基板の研磨面に研磨液を供給しながら該研磨面を研磨具によって研磨する研磨部と、
を備えているガラス基板の研磨装置。
【請求項7】
前記液体噴霧部は、前記テーブル及び前記第1、第2のノズルの少なくとも一方を相対的に移動させながら、前記第1のノズルから前記乾燥防止用液を噴霧するとともに、前記第2のノズルから前記緩衝液を噴霧する、請求項6に記載のガラス基板の研磨装置。
【請求項8】
前記乾燥防止用液と前記緩衝液とは同一の液体である、請求項7に記載のガラス基板の研磨装置。
【請求項9】
前記液体は多価アルコールである、請求項8に記載のガラス基板の研磨装置。
【請求項10】
前記第1のノズルと前記第2のノズルとを共通化した同一の共通ノズルが、前記テーブルの相対的な移動方向と直交する方向で前記テーブルの上方に複数配置され、前記共通ノズルから前記液体が前記テーブルに向けて噴霧される、請求項8又は9に記載のガラス基板の研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板の研磨方法及び研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ等のFPD(Flat Panel Display)用ガラス基板は、例えばフロート窯等のガラスリボン成形装置によって帯状に成形されたガラスリボンを、切折工程で所定の矩形状サイズのガラス基板に切り折り加工し、これを面取工程で端面を面取加工することにより、所定の外形寸法のガラス基板に製造される。そして、このガラス基板は、面取工程の後段に配された洗浄工程、及び検査工程を経て研磨工程に移送され、表面の微小な凹凸やうねりを研磨除去することにより、FPD用ガラス基板で要求される平坦度を満足した薄板状に製造される。
【0003】
前記研磨工程では、ガラス基板の非研磨面をテーブルに吸着固定して、テーブルを研磨部に搬送し、ガラス基板の研磨面に研磨液(スラリ)を供給しながら研磨具によってガラス基板の研磨面を研磨する。
【0004】
この研磨時において、研磨液がガラス基板の縁部からガラス基板の非研磨面の縁部に浸入し、研磨液の成分である酸化セリウムや研磨によって削り落とされたガラスの成分がガラス基板の非研磨面の縁部に固着して縁部を汚染するという不具合が発生する。
【0005】
この不具合を防止するために、特許文献1のウェーハの研磨方法では、ウェーハの非研磨面に、合成樹脂製の保護材からなる保護膜を形成している。この保護膜を介してウェーハの非研磨面を研磨治具に固定することにより、ウェーハの非研磨面の縁部を研磨液から保護している。
【0006】
また、特許文献2に開示されたウェーハの研磨方法では、ウェーハの非研磨面とウェーハ載置用プレートとの間に、多価アルコール等の緩衝材を介在させることにより、ウェーハの非研磨面の縁部を研磨液から保護している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−51226号公報
【特許文献2】特開平6−61203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、連続式研磨装置と称されるガラス基板の研磨装置は、ガラス基板の非研磨面を吸着固定するテーブルを、所定のループで搬送しながらガラス基板の研磨面を研磨する。つまり、ループを構成するテーブルの搬送路には、ガラス基板の吸着固定部、研磨部、ガラス基板の取外部、テーブル洗浄部が順に設けられている。研磨前のガラス基板は、前記吸着固定部に位置したテーブルにその非研磨面が吸着固定され、この後、テーブルにより前記研磨部に搬送されて研磨される。そして、研磨後のガラス基板は、テーブルによって前記取外部に搬送され、ここでテーブルから取り外される。ガラス基板が取り外されたテーブルは、前記洗浄部を通過中に洗浄され、次のガラス基板の吸着用テーブルとして準備される。
【0009】
ここで、特許文献1に開示された研磨方法は、ウェーハの非研磨面に保護膜を予め形成した後、研磨を行う方法である。また、特許文献2に開示された研磨方法は、ウェーハの非研磨面とウェーハ載置用プレートとの間に保護膜を設けるものである。
【0010】
しかしながら、ガラス基板のサイズは縦横寸法が1000mmを超えるものが主流であり、このような大型のガラス基板に前記保護膜を予め形成することは取り扱いの難しさから困難である。また、保護膜形成のための設備が別途必要になることから、特許文献1の研磨方法をガラス基板の研磨方法に採用することは困難であるという問題があった。
【0011】
一方で、テーブルによってガラス基板を直接吸着するガラス基板の研磨装置に、ウェーハの非研磨面とウェーハ載置用プレートとの間に保護膜を設ける特許文献2の研磨方法を採用することは、研磨時にガラス基板が不安定になることから、不可能であった。
【0012】
前記ガラス基板の研磨装置のテーブルは、その吸着面が自己吸着性のあるシート材によって構成されている。シート材の表面が乾燥すると、シート材の自己吸着性が弱くなり、ガラス基板の研磨中にガラス基板が割れる恐れがある。したがって、このシート材に吸着固定されるガラス基板の非研磨面の乾燥を防止したり、シート材の自己吸着性を高めたりするためには、乾燥防止用液を介してガラス基板をシート材に吸着固定する必要がある。この場合も乾燥防止用液をガラス基板とシート材との間に良好に供給する必要があった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、研磨液によるガラス基板の非研磨面の縁部の汚染を防止でき、かつ、ガラス基板の非研磨面をテーブルに良好に吸着固定することができるガラス基板の研磨方法及び研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のガラス基板の研磨方法は、前記目的を達成するために、ガラス基板の非研磨面を吸着固定するテーブルに向けて、前記テーブルのガラス基板の非研磨面の全域が吸着固定される領域に、第1のノズルから乾燥防止用液を噴霧し、次いで前記テーブルに対して、前記テーブルのガラス基板の非研磨面の縁部が吸着固定される領域に、第2のノズルから緩衝液を噴霧する液体噴霧工程であって、前記テーブルの単位面積当たりの前記緩衝液の塗布量が、前記テーブルの単位面積当たりの前記乾燥防止用液の塗布量よりも多めに設定された液体噴霧工程と、ガラス基板の非研磨面の全域を、前記乾燥防止用液を介して前記テーブルに吸着固定するとともに、前記ガラス基板の非研磨面の縁部を、前記緩衝液を介して前記テーブルに吸着固定するガラス基板固定工程と、前記テーブルに非研磨面が吸着固定された前記ガラス基板の研磨面に、研磨液を供給しながら該研磨面を研磨具によって研磨する研磨工程と、を備えている。
【0015】
本発明のガラス基板の研磨装置は、前記目的を達成するために、ガラス基板の非研磨面を吸着固定するテーブルと、前記テーブルに向けて、前記テーブルのガラス基板の非研磨面の全域が吸着固定される領域に乾燥防止用液を噴霧する第1のノズル、及び前記テーブルに対して、前記テーブルのガラス基板の非研磨面の縁部が吸着固定される領域に緩衝液を噴霧する第2のノズルと、を有する液体噴霧部であって、前記テーブルの単位面積当たりの前記緩衝液の塗布量が、前記テーブルの単位面積当たりの前記乾燥防止用液の塗布量よりも多めに設定された液体噴霧部と、ガラス基板の非研磨面の全域を、前記乾燥防止用液を介して前記テーブルに吸着固定させるとともに、前記ガラス基板の非研磨面の縁部を、前記緩衝液を介して前記テーブルに吸着固定させるガラス基板固定部と、前記テーブルに非研磨面が吸着固定された前記ガラス基板の研磨面に研磨液を供給しながら該研磨面を研磨具によって研磨する研磨部と、を備えている。
【0016】
本発明によれば、まず、第1のノズルからテーブルに向けて乾燥防止用液を噴霧して、ガラス基板の非研磨面の全域が吸着固定される領域に乾燥防止用液を塗布し、次いで第2のノズルからテーブルに向けて緩衝液を噴霧して、テーブルに対してガラス基板の非研磨面の縁部が吸着固定される領域に緩衝液を塗布する。
【0017】
次に、ガラス基板固定部でガラス基板の非研磨面の全域を、前記乾燥防止用液を介してテーブルに吸着固定するとともに、ガラス基板の非研磨面の縁部を、前記緩衝液を介してテーブルに吸着固定する。
【0018】
次いで、研磨部でガラス基板の研磨面に研磨液を供給しながら研磨面を研磨具によって研磨する。この研磨中において、ガラス基板の非研磨面の縁部は緩衝液によって保護されているので、前記縁部は研磨液によって汚染されることはない。
【0019】
以上の如く、本発明は、テーブルに向けて液体噴霧部から乾燥防止用液及び緩衝液を噴霧するので、研磨液によるガラス基板の非研磨面の縁部の汚染を防止でき、かつ、ガラス基板の非研磨面をテーブルに良好に吸着固定することができる。
【0020】
本発明のガラス基板の研磨方法によれば、前記液体噴霧工程は、前記テーブル及び前記第1、第2のノズルの少なくとも一方を相対的に移動させながら、前記第1のノズルから前記乾燥防止用液を噴霧するとともに、前記第2のノズルから前記緩衝液を噴霧することが好ましい。
【0021】
本発明のガラス基板の研磨装置によれば、前記液体噴霧部は、前記テーブル及び前記第1、第2のノズルの少なくとも一方を相対的に移動させながら、前記第1のノズルから前記乾燥防止用液を噴霧するとともに、前記第2のノズルから前記緩衝液を噴霧することが好ましい。
【0022】
テーブルを移動させる場合には、まず、空のテーブルをテーブル搬送路に沿って液体噴霧部に搬送する。そして、このテーブルをテーブル搬送路に沿って搬送しながら、第1のノズルからテーブルに向けて乾燥防止用液を噴霧し、テーブルに乾燥防止用液を塗布するとともに、第2のノズルからテーブルに向けて緩衝液を噴霧し、テーブルに緩衝液を塗布する。
【0023】
また、第1、第2のノズルを移動させる場合には、固定されたテーブルの上面に対して第1、第2のノズルを移動させてテーブルに乾燥防止用液及び緩衝液を噴霧する。しかしながら、テーブルを搬送路に沿って移動させながらガラス基板を研磨する場合には、第1、第2のノズルを固定型とし、既存のテーブル搬送設備を利用して搬送中のテーブルに向けて乾燥防止用液及び緩衝液を噴霧する構成とすることが、ノズル移動設備を付加することなく乾燥防止用液及び緩衝液を噴霧することができるので好ましい。
【0024】
本発明のガラス基板の研磨方法及び研磨装置によれば、前記乾燥防止用液と前記緩衝液とは同一の液体であることが好ましい。
【0025】
本発明のガラス基板の研磨方法及び研磨装置によれば、前記液体は多価アルコールであることが好ましい。
【0026】
本発明によれば、乾燥防止用液及び緩衝液として同一の液体を使用する場合には、多価アルコールが好適である。なお、乾燥防止用液として水を例示することができる。しかしながら、多価アルコールは水よりも乾燥防止作用が高いため、多価アルコールが好適である。また、多価アルコールは、研磨液によるガラス基板の縁部の汚染防止液としても好適である。
【0027】
なお、多価アルコールの種類は特に限定されず、具体的には、グリセリン、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどが例示される。また、乾燥防止用液及び緩衝液は、2種以上の多価アルコールからなってもよく、多価アルコールと水とを混合させて多価アルコール水溶液としてもよい。
【0028】
本発明のガラス基板の研磨方法によれば、前記第1のノズルと前記第2のノズルとを共通化した同一の共通ノズルを、前記テーブルと直交する方向で前記テーブルの上方に複数配置し、前記共通ノズルから前記液体を前記テーブルに向けて噴霧することが好ましい。
【0029】
本発明のガラス基板の研磨装置によれば、前記第1のノズルと前記第2のノズルとを共通化した同一の共通ノズルが前記テーブルと直交する方向で前記テーブルの上方に複数配置され、前記共通ノズルから前記液体が前記テーブルに向けて噴霧されることが好ましい。
【0030】
本発明によれば、複数の共通ノズルから噴霧される多価アルコール等の同一の液体を、ガラス基板の非研磨面の全域が吸着固定されるテーブルの領域に塗布するとともに、ガラス基板の非研磨面の全縁部が吸着固定されるテーブルの領域に前記液体を塗布する。このように同一の液体を使用することで第1、第2のノズルを共通化できるため、ノズルに対する液体供給系を簡素化できる。よって、本発明は、簡単な設備で液体噴霧部を構成することができる。
【0031】
なお、本発明では、テーブルに向けて乾燥防止用液及び緩衝液を噴霧する液体噴霧工程を設けているが、この工程に代えて、ガラス基板の非研磨面の全域に乾燥防止用液を塗布し、前記非研磨面の縁部に緩衝液を塗布する工程を設けてもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係るガラス基板の研磨方法及び研磨装置によれば、テーブルに向けて液体噴霧部から乾燥防止用液及び緩衝液を噴霧するので、研磨液によるガラス基板の非研磨面の縁部の汚染を防止でき、かつ、ガラス基板の非研磨面をテーブルに良好に吸着固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、実施の形態に係るガラス基板の研磨装置の全体構成を示す平面図である。
図2図2は、液体噴霧部の構成をテーブル搬送路の下流側から見た正面図である。
図3図3は、図2に示した液体噴霧部の平面図である。
図4図4は、第2のノズル群によって緩衝液が噴霧される領域と噴霧されない領域を示した説明図である。
図5図5は、第2のノズル群の電磁弁の開閉動作を示したタイミングチャートである。
図6図6は、他の実施の形態の液体噴霧部の構成をテーブル搬送路の下流側から見た正面図である。
図7図7は、図6に示した液体噴霧部の平面図である。
図8図8は、共通ノズルに多価アルコールを供給する液配管系を示したブロック図である。
図9図9は、共通ノズルに供給された多価アルコールの噴射をON−OFF制御するためのエア配管系を示したブロック図である。
図10図10は、液体噴霧部におけるテーブルの速度が変更される領域を示した説明図である。
図11図11は、液体噴霧部におけるテーブルの速度を示したタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って本発明の実施の形態に係るガラス基板の研磨方法及び研磨装置の好ましい形態について詳説する。
【0035】
図1は、実施の形態に係るガラス基板の研磨装置10の全体構成を示す平面図である。図1では、矩形状のガラス基板Gの非研磨面を吸着固定する矩形状のテーブル12のテーブル搬送路が矢印で示されている。
【0036】
テーブル搬送路には、テーブル搬送路の上流側から下流側に向けて液体噴霧部14、ガラス基板固定部16、及び研磨部18が順に配置されている。また、研磨部18の下流側には、不図示のガラス基板取外部とテーブル洗浄部とが設けられている。
【0037】
研磨部18においてガラス基板Gは、ガラス基板Gの非研磨面がテーブル12に吸着固定された状態でテーブル搬送路に沿って搬送されながら、テーブル搬送路に沿って配置された複数台の研磨具によって連続的に研磨される。この時、ガラス基板Gの研磨面に研磨液が供給されながら、回転する前記研磨具によって研磨面が研磨される。そして、研磨部18の出口においてガラス基板Gは、FPD用ガラス基板で要求される平坦度等を満足した薄板状に製造される。なお、研磨部18に配置される研磨具の台数は複数台に限定されるものではない。すなわち、ガラス基板Gのサイズに応じて、1台の研磨具であっても構わない。
【0038】
研磨終了したガラス基板Gは、研磨部18から搬出されて前述したガラス基板取外部に搬入され、ここでテーブル12から取り外される。そして、ガラス基板Gが取り外されたテーブル12は、前述したテーブル洗浄部を通過中に洗浄液により洗浄されて、次のガラス基板Gを吸着固定するために、液体噴霧部14に再搬送される。以上の如く、テーブル搬送路は、テーブル12が液体噴霧部14、ガラス基板固定部16、研磨部18、ガラス基板取外部、及びテーブル洗浄部を順に通過するようにループ状に構成されている。
【0039】
実施の形態のテーブル12は、テーブル搬送路上に複数台配置されており、また、1台のテーブル12には、2枚のガラス基板Gが吸着固定される。なお、テーブル搬送路上に配置されるテーブル12の台数は限定されるものではなく、また、テーブル12に吸着固定されるガラス基板Gの枚数も2枚に限定されるものではない。すなわち、ガラス基板Gのサイズに応じて1枚であっても3枚以上であっても構わない。
【0040】
図2は、液体噴霧部14の構成をテーブル搬送路の下流側から見た正面図である。すなわち、テーブル12は図2の紙面奥から手前に向けて搬送される。また、図3は、液体噴霧部14の平面図である。図3において、テーブル12上に図示されている二点鎖線は、テーブル12に位置決めされて吸着固定される、ガラス基板Gの縁部を示している。
【0041】
図2の如く、テーブル搬送路の上方には、テーブル上の吸着領域に乾燥防止用液を噴霧する4個の第1のノズル20a、20b、20c、20dからなる第1のノズル群22が配置されている。これらの第1のノズル20a〜20dは、テーブル搬送路に直交する方向で、テーブル12の上方に不図示の架台に固定されるとともに、液体供給系24を介して乾燥防止用液供給部(不図示)に連結されている。これらの第1のノズル20a〜20dから噴霧される乾燥防止用液によって、図3に示す二点鎖線で囲まれたガラス基板Gの非研磨面の全域が吸着固定される吸着領域26に乾燥防止用液が塗布される。なお、乾燥防止用液の噴霧領域は、テーブル12の全面でも良いが、乾燥防止用液を節約する観点から、吸着領域26が好ましい。
【0042】
この第1のノズル20a〜20dは、電磁弁を介して前記乾燥防止用液供給部に連結されている。この電磁弁は、第1のノズル20a〜20dの下方で吸着領域26が通過中のみ開放されるように不図示の制御部によって間欠開閉制御されている。したがって、第1のノズル20a〜20dによって吸着領域26のみに乾燥防止用液が塗布される。
【0043】
また、テーブル搬送路の上方には、テーブル12に対してガラス基板Gの非研磨面の縁部が吸着固定される領域に緩衝液を噴霧する14個の第2のノズル28a、28b、28c、28d、28e、28f、28g、28h、28i、28j、28k、28l、28m、28nからなる第2のノズル群30が配置されている。これらの第2のノズル28a〜28nは、テーブル搬送路に直交する方向で、テーブル12の上方に不図示の架台に固定されるとともに、液体供給系32を介して緩衝液供給部(不図示)に連結されている。なお、緩衝液とは、研磨液によるガラス基板Gの非研磨面の汚染を防止するための液体である。
【0044】
第2のノズル28a〜28nのうち両側に配置された2個の第2のノズル28a、28nは、図3中二点鎖線で示すガラス基板Gの縁部のうち対向する短辺部が通過する領域34A、34Bにそれぞれ対向配置されている。この2個の第2のノズル28a、28nは、電磁弁を介して前記緩衝液供給部に連結されている。この電磁弁は、2個の第2のノズル28a、28nの下方で領域34A、34Bが通過中のみ開放されるように不図示の制御部によって間欠開閉制御されている。したがって、2個の第2のノズル28a、28nによって領域34A、34Bのみに緩衝液が塗布される。
【0045】
一方、第2のノズル28a及びノズル28nを除く他のノズル28b〜28mは、図3中二点鎖線で示すガラス基板Gの縁部のうち対向する長辺部が通過する領域36A、36Bに対向配置されている。また、これらの第2のノズル28b〜28mは、電磁弁を介して前記緩衝液供給部に連結されている。この電磁弁は、第2のノズル28b〜28mの下方で領域36A、36Bが通過中のみ開放されるように、不図示の制御部によって間欠開閉制御されている。
【0046】
すなわち、第2のノズル28b〜28mは、図4に示すA〜Eの分割領域において、図3の領域36A、36Bに相当する分割領域A、C(Eも同様)が第2のノズル28b〜28mの下方を通過中に、図5の如く、電磁弁が開放(ON)するように、前記制御部によって電磁弁の開閉(ON−OFF)が制御されている。したがって、12個の第2のノズル28b〜28mによって領域36A、36Bのみに緩衝液が塗布される。
【0047】
以上により、図3中二点鎖線で囲まれたガラス基板Gの非研磨面の略全域が吸着固定される吸着領域26に乾燥防止用液が塗布されるとともに、図3中、二点鎖線で示すガラス基板Gの非研磨面の縁部の領域34A、34B、36A、36Bに緩衝液が塗布される。また、第1のノズル群22がテーブル搬送路の上流側に配置され、第2のノズル群30がテーブル搬送路の下流側に配置されているため、領域34A、34B、36A、36Bにおいては、乾燥防止用液の上層に緩衝液が塗布される。
【0048】
このように、乾燥防止用液と緩衝液とが塗布されたテーブル12は、テーブル搬送路に沿って、図1に示したガラス基板固定部16に搬送される。ここで、ガラス基板Gの非研磨面がテーブル12上において、図3中、二点鎖線で示したガラス基板Gの位置に位置決めされて吸着固定される。
【0049】
テーブル12に吸着固定された2枚のガラス基板Gは、テーブル搬送路に沿って図1の研磨部18に搬送され、ここで前述の如く、ガラス基板Gの研磨面が複数の研磨具によって連続研磨される。
【0050】
次に、前記の如く構成されたガラス基板の研磨装置の作用について説明する。
【0051】
まず、空のテーブル12をテーブル搬送路に沿って液体噴霧部14に搬送する。そして、このテーブル12をテーブル搬送路に沿って搬送しながら、第1のノズル群22からテーブル12に向けて乾燥防止用液を噴霧し、図3の吸着領域26に乾燥防止用液を塗布する。そして、第2のノズル群30からテーブル12に向けて緩衝液を噴霧し、ガラス基板Gの非研磨面の縁部の領域34A、34B、36A、36Bに緩衝液を塗布する。
【0052】
次に、このテーブル12をガラス基板固定部16に搬送し、ここでガラス基板Gの非研磨面の全域を、前記乾燥防止用液を介してテーブル12に吸着固定するとともに、ガラス基板Gの非研磨面の全縁部を、前記緩衝液を介してテーブル12に吸着固定する。
【0053】
次いで、このテーブル12を研磨部18に搬送し、ここでガラス基板Gの研磨面に研磨液を供給しながら研磨面を研磨具によって研磨する。この研磨中において、ガラス基板Gの非研磨面の縁部は緩衝液によって保護されているので、前記縁部は研磨液によって汚染されない。
【0054】
このように、上記実施形態に係る研磨装置10によれば、テーブル搬送路に液体噴霧部14を設け、テーブル搬送路に沿って搬送中のテーブル12に向けて第1のノズル群22から乾燥防止用液を噴霧するとともに、第2のノズル群30から緩衝液を噴霧する。
【0055】
したがって、このガラス基板の研磨装置10によれば、テーブル12に非研磨面が吸着固定されたガラス基板Gを、テーブル12を搬送しながら研磨するガラス基板の研磨装置10において、研磨液によるガラス基板Gの非研磨面の縁部の汚染を防止でき、かつ、ガラス基板Gの非研磨面をテーブル12に良好に吸着固定することができる。
【0056】
なお、乾燥防止用液としては多価アルコール、多価アルコール水溶液、水を例示でき、緩衝液としては多価アルコール、多価アルコール水溶液を例示できる。
【0057】
図6図11は、液体噴霧部の他の実施の形態を説明するための図である。図6は、他の実施の形態の液体噴霧部40の構成をテーブル搬送路の下流側から見た正面図である。また、図7は、液体噴霧部40の平面図である。なお、図7のテーブル12上に図示されている二点鎖線は、テーブル12に位置決めされて吸着固定されるガラス基板Gの縁部を示している。
【0058】
図6図7に示す液体噴霧部40では、乾燥防止用液及び緩衝液として同一の液体である多価アルコールが噴霧される。また、液体噴霧部40は、第1のノズルと第2のノズルとを共通化した同一構成の14個の共通ノズル42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42h、42i、42j、42k、42l、42m、42nからなる共通ノズル群44を備えている。これらの共通ノズル42a〜42nは、テーブル搬送路に直交する方向で、テーブル12の上方に不図示の架台に固定されるとともに、液体供給系46を介して、図8に示す多価アルコール供給部48に連結されている。なお、図8には、共通ノズル42a〜42nに多価アルコールを供給する液配管系が示されており、図9には、共通ノズル42a〜42nに供給された多価アルコールの噴射をON−OFF制御するためのエア配管系が示されている。すなわち、ポンプ72からの圧縮空気を、電磁弁52、60、62、64によってON−OFF制御し、このように制御された圧縮空気を用いて共通ノズル42a〜42nの各々のピストンを動作させることにより、多価アルコールの噴射がON−OFF制御される。
【0059】
共通ノズル42a〜42nのうち両側に配置された2個の共通ノズル42a、42nは、図7中二点鎖線で示すガラス基板Gの縁部のうち対向する短辺部が通過する領域50A、50Bに対向配置されている。この2個の共通ノズル42a、42nは、図8に示すように流量計43a、43n、液体供給系46、フィルタ78を介して多価アルコール供給部48に連結されている。また、図9に示した電磁弁52は、2個の共通ノズル42a、42nの下方で、領域50A、50Bが通過中のみ開放されるように、不図示の制御部によって間欠開閉制御されている。したがって、2個の共通ノズル42a、42nによって領域50A、50Bのみに多価アルコールが塗布される。
【0060】
一方、共通ノズル42a及びノズル42nを除く他の共通ノズル42b〜42mは、図7中、二点鎖線で示すガラス基板Gの縁部のうち対向する長辺部が通過する領域52A、52Bに対向配置されている。また、これらの共通ノズル42b〜42mは、図9の如く、共通ノズル42b〜42e、共通ノズル42f〜42i、及び共通ノズル42j〜42mに系統が三分割されて共通ノズル小群54、56、58を構成している。これらの共通ノズル小群54、56、58が電磁弁60、62、64を介してポンプ72に連結され、また、図8に示すように流量計43b〜43m、液体供給系46、フィルタ78を介して多価アルコール供給部48に連結されている。電磁弁60、62、64は、12個の共通ノズル42b〜42mの下方で、領域52A、52Bを含む、図7中二点鎖線で囲まれたガラス基板Gの吸着領域66が通過中のみ開放されるように、不図示の制御部によって間欠開閉制御されている。
【0061】
多価アルコール供給部48は、図8に示すように、多価アルコールが溜められたタンク70、タンク70に圧縮空気を供給する不図示のポンプ、タンク70に供給する圧縮空気量を計測する流量計74、及びタンク70から液体供給系46に送液される多価アルコールの逆流を防止する逆止弁76から構成されている。
【0062】
この多価アルコール供給部48によれば、前記ポンプからタンク70に圧縮空気を供給することにより、タンク70内の多価アルコールが、逆止弁76からフィルタ78を介して液体供給系46に送液される。なお、タンク70、流量計74、及び逆止弁76を図8の如く、2台並設することも可能である。
【0063】
ところで、研磨液によるガラス基板の非研磨面の縁部の汚染を防止するという緩衝液の機能を発揮するためには、緩衝液としてテーブル12に塗布される多価アルコールの量(単位面積当たりの塗布量)を、乾燥防止用液として塗布される多価アルコールの量(単位面積当たりの塗布量)よりも多めに設定することが好ましい。
【0064】
換言すると、テーブル12の搬送速度を一定として、全ての共通ノズル42a〜42nからの多価アルコール噴霧量を同量にしたのでは、上記設定が不可能である。また、全ての共通ノズル42a〜42nからの多価アルコール噴霧量を、縁部に対応する領域50A、50B、52A、52Bに噴霧される緩衝液としての塗布量に設定したのでは、領域66に余分な多価アルコールが塗布されることになり、多価アルコールが無駄になる。
【0065】
そこで、実施の形態の液体噴霧部40では、両側の共通ノズル42a、42nを除く12個のノズル42b〜42mからの噴霧量を、領域52A、52Bに噴霧される緩衝液としての噴霧量に設定している。また、両側の共通ノズル42a、42nからの噴霧量を他の共通ノズル42b〜42mからの噴霧量よりも若干量多めに設定し、そして、テーブル12の搬送速度を下記の如く制御している。ここで、若干量多めとは、共通ノズル42a、42nからの噴霧量が他の共通ノズル42b〜42mからの噴霧量の100倍以上であることを意味する。
【0066】
すなわち、図10に示すA〜Eの分割領域において、図7の領域52A、52Bに相当する分割領域A、C(Eも同様)を、図11の如く、通常のテーブル搬送速度S1に設定し、図7の領域66に相当する分割領域B(Dも同様)を、図11の如く、S1よりも高速のS2に設定している。
【0067】
なお、縁部に対応する領域50A、50B、52A、52Bに噴霧される緩衝液としての塗布量は0.001ml/cm2であることが好ましく、領域66に噴霧される緩衝液としての塗布量の100倍以上となることが好ましい。
【0068】
これにより、図7の領域52A、52Bに塗布される多価アルコールの量は、緩衝液として好ましい量となり、領域66に噴霧される多価アルコール量は、緩衝液として好ましい量よりも少ない、乾燥防止用液として好ましい量となる。また、テーブル搬送速度S2は高速であるが、両側の共通ノズル42a、42nからの噴霧量は、他の共通ノズル42b〜42mからの噴霧量よりも若干量多めに設定しているため、領域50A、50Bに噴霧される多価アルコールの量は緩衝液として好ましい量となる。ここで、若干量多めとは、共通ノズル42a、42nからの噴霧量が他の共通ノズル42b〜42mからの噴霧量の100倍以上であることを意味する。
【0069】
このように噴霧する液体として同一液体の多価アルコールを使用することで、図2図3に示した第1のノズル群22と第2のノズル群30とを共通化できるため、共通ノズル42a〜42nに対する液体供給系を簡素化できる。よって、この実施の形態の液体噴霧部40は、図2図3で示した液体噴霧部14と比較して簡単な設備となる。
【0070】
なお、液体噴霧部40では、テーブル12の搬送速度を可変して多価アルコールの塗布量を制御したが、これに限定されるものではない。
【0071】
例えば、テーブル12の搬送速度を一定とし、両側の共通ノズル42a、42nからの噴霧量を緩衝液として最適な量に設定し、その他の12個の共通ノズル42b〜42mの噴霧量を制御する。すなわち、共通ノズル42b〜42mの下方に領域52A、52Bが通過する際には、噴霧量を緩衝液として最適な量に設定し、共通ノズル42b〜42mの下方に領域66が通過する際には、噴霧量を乾燥防止用液として最適な量に設定すればよい。このような流量制御は、流量可変バルブを使用するとともに、流量可変バルブの開度をテーブル12の走行位置に応じて制御する制御部を備えることで達成できる。
【0072】
また、実施の形態では、テーブルを移動型とし、第1、第2のノズルを固定型とした構成について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、テーブルを固定型とし、第1、第2のノズルを移動型として、固定されたテーブルの上方で第1、第2のノズルを移動させながらテーブルに乾燥防止用液、緩衝液を噴霧し、テーブルに所望の噴霧パターンを形成してもよい。
【0073】
一方でテーブル、及び第1、第2のノズルを固定型としてもよい。この場合に、テーブル上で所望の噴霧パターンをテーブルに形成するためには、テーブルの上方にメタルマスク等のマスク部材を配置してテーブル全体に共通の液体(多価アルコール)を噴霧する。これにより、噴霧パターンをテーブルに形成することができる。また、噴霧パターンに合わせて第1のノズル、第2のノズルの配置位置を、テーブルの上方において調整することによっても、テーブルに所望の噴霧パターンを形成することができる。
【符号の説明】
【0074】
G…ガラス基板、10…ガラス基板の研磨装置、12…テーブル、14…液体噴霧部、16…ガラス基板固定部、18…研磨部、20a〜20d…第1のノズル、22…第1のノズル群、24…液体供給系、26…吸着領域、28a〜28n…第2のノズル、30…第2のノズル群、32…液体供給系、34A、34B…領域、36A、36B…領域、40…液体噴霧部、42a〜42n…共通ノズル、43a〜43n…流量計、44…共通ノズル群、46…液体供給系、48…多価アルコール供給部、50A、50B…領域、52…電磁弁、54、56、58…共通ノズル小群、60、62、64…電磁弁、66…吸着領域、70…タンク、72…ポンプ、74…流量計、76…逆止弁、78…フィルタ
図1
図3
図4
図7
図8
図10
図11
図2
図5
図6
図9