(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1及び3〜6いずれかに記載の照明制御回路において、前記デューティ・サイクル検出回路は、前記入力波形の電圧が入力閾値レベルよりも高い間は第1電圧レベルを出力し、前記入力波形の電圧が前記入力閾値レベルよりも低い間は第2電圧レベルを出力するように構成されていることを特徴とする照明制御回路。
請求項1及び3〜6いずれかに記載の照明制御回路において、前記デューティ・サイクル検出回路は、前記入力波形の電圧が第1入力閾値レベルよりも高いときに第1電圧レベルを出力し、前記入力波形の電圧が前記第1入力閾値レベルよりも上に上昇した後、前記入力波形の電圧が第2入力閾値レベル未満に低下するまで、前記第1電圧レベルを出力し続け、前記入力波形の電圧が前記第2入力閾値レベル未満に低下したときに、第2電圧レベルを出力し、前記入力波形の電圧が前記第1入力閾値レベル未満に低下した後、前記入力波形の電圧が前記第1入力閾値レベルよりも高く上昇するまで、前記第2電圧レベルを出力し続けるように構成されていることを特徴とする照明制御回路。
請求項1及び3〜8いずれかに記載の照明制御回路において、前記比較回路デューティ・サイクルは、前記入力波形デューティ・サイクルに線形に関係付けられていることを特徴とする照明制御回路。
請求項1及び3〜8いずれかに記載の照明制御回路において、前記比較回路デューティ・サイクルは、前記入力波形デューティ・サイクルに非線形に関係付けられていることを特徴とする照明制御回路。
請求項12〜14いずれかに記載の方法において、前記第1周期的波形は、前記入力波形の電圧が入力閾値レベルよりも高い間は第1電圧レベルを有し、前記入力波形の電圧が前記入力閾値レベルよりも低い間は第2電圧レベルを有することを特徴とする方法。
【背景技術】
【0002】
多くの照明制御回路は、位相カット調光を利用している。位相カット調光では、線電圧の先端又は後端を操作して、照明に供給するRMS電圧を低下させる。白熱光ランプと共に用いる場合、このRMS電圧を低下させると電流も対応して減少し、したがって電力消費及び光出力も低減する。RMS電圧が低下するにつれて、白熱光ランプからの光出力も減少する。
【0003】
全波整流AC信号の1サイクルの一例を
図1の(A)に示し、位相カット整流AC波形の1サイクルを
図1の(B)に示し、逆位相カットAC波形の1サイクルを
図1の(C)に示す。
図1の(A)〜(C)から明らかなように、位相カット調光を利用すると、その結果得られる整流波形のデューティ・サイクルが変化する。このデューティ・サイクルの変化が十分に大きい場合、白熱光ランプからの光出力の減少となって、目に見えてわかる。「オフ」時間によって白熱光ランプのフリッカが生ずることはない。これは、白熱光ランプのフィラメントは、ある程度の熱慣性を有し、電流がフィラメントを通過しない「オフ」時間の間であっても、光を放出するのに十分な温度に留まるからである。
【0004】
近年、一般的な照明のために光を供給するソリッド・ステート照明システムが開発されている。これらのソリッド・ステート照明システムは、発光ダイオード又はその他のソリッド・ステート光源を利用し、これらを電源に接続する。電源は、AC線電圧を受電し、その電圧を、ソリッド・ステート発光器を駆動するのに適した電圧及び/又は電流に変換する。発光ダイオード光源の典型的な電源は、線形電流調整電源、及び/又はパルス幅変調電流/電圧調整電源を含む。
【0005】
ソリッド・ステート光源を駆動するための多くの異なる技法が、多くの異なる出願に記載されている。例えば、Millerの米国特許第3,755,697号、Hasegawa et alの米国特許第5,345,167号、Ortizの米国特許第5,736,881号、Perryの米国特許第6,150,771号、Bebenrothの米国特許第6,329,760号、Latham, II et al,の米国特許第6,873,203号、Dimmickの米国特許第5,151,679号、Petersonの米国特許第4,717,868号、Choi et al,の米国特許第5,175,528号、Delayの米国特許第3,787,752号、Anderson et al,の米国特許第5,844,377号、Ghanemの米国特許第6,285,139号、Reisenauer et al,の米国特許第6,161,910号、Fislerの米国特許第4,090,189号、Rahm et al,の米国特許第6,636,003号、Xu et al,の米国特許第7,071,762号、Biebl et al,の米国特許第6,400,101号、Min et al,の米国特許第6,586,890号、Fossum et alの米国特許第6,222,172号、Kileyの米国特許第5,912,568号、Swanson et al,の米国特許第6,836,081号、Mickの米国特許第6,987,787号、Baldwin et al,の米国特許第7,119,498号、Barth et al,の米国特許第6,747,420号、Lebens et al,の米国特許第6,808,287号、Berg-johansenの米国特許第6,841,947号、Robinson et al,の米国特許第7,202,608号、Kamikawa et al,の米国特許第6,995,518号、米国特許第6,724,376号、米国特許第7,180,487号、Hutchinson et al,の米国特許第6,614,358号、Swanson et al,の米国特許第6,362,578号、Hochsteinの米国特許第5,661,645号、Lys et al,の米国特許第6,528,954号、Lys et al,の米国特許第6,340,868号、Lys et al,の米国特許第7,038,399号、Saito et al,の米国特許第6,577,072号、及びIllingworthの米国特許第6,388,393号に記載されているものが含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これより、添付図面を参照しながら本発明について更に詳しく説明する。図面においては、本発明の実施形態が示されている。しかしながら、本発明の主題は、ここに明記する実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態は、本開示が余すところなく完全であり、本発明の主題の範囲を当業者に完全に伝えるように設けられている。同様の番号は、全体を通じて、同様の要素を示すこととする。本明細書において用いる場合、「及び/又は」という用語は、関連のある一覧項目の1つ以上の任意の組み合わせも、そして全ての組み合わせを含む。
【0013】
本明細書において用いられる用語は、特定的な実施形態を説明することを目的とするに過ぎず、本発明の主題を限定する意図はない。本明細書において用いる場合、単数形は、文脈からそうでないことが明白に示されない限り、複数形も含むことを意図している。更に、「備える」及び/又は「備えている」という用語が本明細書において用いられる場合、述べられた特徴、整数(integer)、ステップ、動作、要素、及び/又は構成素子の存在を指定するが、1つ以上のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成素子、及び/又はその集合体の存在や追加を除外するものではない。
【0014】
先に注記したように、本発明の種々の実施態様は、電子的構成素子(変圧器、スイッチ、ダイオード、キャパシタ、トランジスタ等)の種々の組み合わせを含む。当業者は、多種多様なこのような構成素子に精通し利用しており、このような構成素子はいずれも、本発明の主題によるデバイスを作成する際に用いることができる。加えて、当業者は、回路における他の構成素子の負荷及び選択の必要性に基づいて、種々の選択肢から適した構成素子を選択することができる。本明細書において記載する回路(及び/又はこのような回路のあらゆる部分)は、そのいずれも、(1)1つ以上の離散的構成素子、(2)1つ以上の集積回路、又は(3)1つ以上の離散的構成素子及び1つ以上の集積回路の組み合わせという形態で設けることができる。
【0015】
本明細書において、デバイスにおける2つの構成素子が「電気的に接続されている」という文章がある場合、これらの構成素子間に、このデバイスによって設けられる1つ又は複数の機能に著しい影響を及ぼす構成素子がないことを意味する。例えば、2つの構成素子が、それらの間に小さな抵抗器を有していても、この抵抗器が、デバイスによって設けられる1つ又は複数の機能に著しい影響を及ぼさないのであれば、これらは電気的に接続されていると言うことができる(実際、2つの構成素子を接続するワイヤは、小さな抵抗器と考えることができる)。同様に、2つの構成素子が、それらの間に追加の電子構成素子を有していても、この構成素子が、デバイスによって設けられる1つ又は複数の機能に著しい影響を及ぼすことなく、この追加の構成素子を含むこと以外同一であるのであれば、2つの構成素子は電気的に接続されていると言うことができる。同様に、互いに直接接続されている2つの構成素子、あるいは回路ボード又はその他の媒体上にあるワイヤ又はトレースの対向端に直接接続されている2つの構成素子も、電気的に接続されているものとする。
【0016】
「第1」、「第2」等の用語は、本明細書では、種々の要素、構成素子、領域、層、区間、及び/又はパラメータを記述するために用いられる場合があるが、これらの要素、構成素子、領域、層、区間、及び/又はパラメータはこれらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、1つの要素、構成素子、領域、層、又は区間を別の領域、層、又は区間から区別するために用いられるに過ぎない。つまり、第1要素、構成素子、領域、層、又は区間が以下で論じられている場合、これらを第2要素、構成素子、領域、層、又は区間と呼ぶこともでき、本発明の主題の教示から逸脱することにはならない。
【0017】
特に定められていない場合、本明細書において用いられる全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明の主題が属する分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有するものとする。更に、極普通に用いられる辞書において定義されているような用語は、関連技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本明細書において明示的に定義されていない限り、理想化した意味又は過度に形式的な意味で解釈しないことは言うまでもない。
【0018】
図2は、本発明の実施形態を組み込んだ照明デバイス10のブロック図である。
図2に示すように、照明デバイス10は、LED駆動回路20、及び1又は複数のLED22を含む。LED駆動回路20は、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路24に応答する。デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路24は、第1周波数の可変デューティ・サイクル入力信号を受け取り、固定振幅信号を出力する。この固定振幅信号は、第1周波数とは異なる第2周波数を有し、そのデューティ・サイクルは、可変デューティ・サイクル入力信号のデューティ・サイクルに依存する。
【0019】
デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路24の出力波形のデューティ・サイクルは、入力信号のデューティ・サイクルと実質的に同一でもよく、又は既定の関係にしたがって異なってもよい。例えば、出力波形のデューティ・サイクルは、入力信号のデューティ・サイクルに対して線形又は非線形の関係を有することもできる。同様に、出力波形のデューティ・サイクルは、サイクル毎に入力波形のデューティ・サイクルに追従しないのが通例である。このようなことは、可変デューティ・サイクル波形のデューティ・サイクルに、例えば、調光器の設定を変更しなくても従来のAC位相カット調光器の出力において発生するような、大きな変動が発生する可能性がある場合には有効である。したがって、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路24の出力波形は、実施形態によっては、そのデューティ・サイクルが、入力信号のデューティ・サイクルを平滑化したもの又は平均を取ったものに関係付けられている場合もある。この入力デューティ・サイクルの平滑化又は平均化により、入力波形のデューティ・サイクルに不意の変動が発生して、照明デバイス10によって出力される光の強度の望ましくない変化が発生する可能性を低下させつつ、調光レベルの変化には対処することが可能になる。以下に、本発明の実施形態によるデューティ・サイクル検出及び周波数変換回路の動作について、更に詳細に説明する。
【0020】
駆動回路20は、LED22の調光レベルを反映するパルス幅変調入力に応答することができる、適した駆動回路であればいずれでもよい。LED駆動回路20の具体的な構成は、照明デバイス10の用途によって異なる。例えば、駆動回路は、昇圧電源又は減圧電源の場合もある。同様に、LED駆動回路20は、定電流又は定電圧パルス幅変調電源の場合もある。例えば、LED駆動回路は、米国特許第7,071,762号に記載されているようなものでもよい。あるいは、LED駆動回路20は、米国特許第7,038,399号、及び"BOOST/FLYBACK POWER SUPPLY TOPOLOGY WITH LOW SIDE MOSFET CURRENT CONTROL"(ロー側MOSFET電流制御を備えたブースト/フライバック電源トポロジ)と題し2006年9月13日に出願された米国特許出願第60/844,325号(発明者:Peter Jay Myeres、代理人整理番号931_020 PRO)、並びに"Circuitry for Supplying Electrical Power to Loads"(電力を負荷に供給する回路)と題し、2007年9月13日に出願された米国特許第11/854,744号に記載されているような、線形調整を用いる駆動回路であってもよい。これらをここで引用したことにより、その開示内容は、あたかもその全体が明記されているかのように、本願にも含まれるものとする。LED駆動回路20の具体的な構成は、照明デバイス10の用途によって異なる。
【0021】
図3は、AC線入力のデューティ・サイクルが変動する場合において、AC線入力から照明デバイス30に給電する、本発明の別の実施形態を示す。このような入力は、例えば、位相カット調光器を利用することによって、AC線入力のデューティ・サイクルを制御するために供給することができる。照明デバイス30は、1つ以上のLED22、LED駆動回路40、電源42、並びにデューティ・サイクル検出及び周波数変換回路44を含む。電源42は、AC線入力を受けて、電力をLED駆動回路40並びにデューティ・サイクル検出及び周波数変換回路44に供給する。電源42は、適した電源であれば任意のものでよく、例えば、米国特許出願第11/854,744号に記載されているような減圧又は昇圧電源を含む。また、LED駆動回路40は、可変デューティ・サイクルの固定振幅信号に応答してLED22の出力の強度を変化させることができる、適したLED駆動回路であれば任意のものでよい。LED駆動回路40及び/又は電源42の具体的な構成は、照明デバイス30の用途によって異なる。
【0022】
更に
図3に示すように、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路44は、整流AC入力を電源42から受け取り、この整流AC入力のデューティ・サイクルを検出する。RMS電圧ではなくてデューティ・サイクルを検出することによって、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路44は、AC入力電圧の変動に対する感度を低くすることができる(例えば、代わりにRMS電圧を追跡することによってデューティ・サイクルを推定する場合、120VACから108VACへのAC線電圧の降下があると、推定デューティ・サイクルに正しくない低減が発生する。即ち、入力電圧の変動が、デューティ・サイクルの変化として誤って解釈され、光出力に望ましくない調光が生ずる虞れがある)。対照的に、RMS電圧ではなくデューティ・サイクルを検出することによって、電圧レベルの変動は、電圧が異なる電圧レベルに達するためのスルー・レートの変化によって生ずる、検出デューティ・サイクルの小さな変動として反映されるだけとなる。
【0023】
入力波形のデューティ・サイクルに関係付けられたデューティ・サイクルを有する周波数変換固定波形を発生することに加えて、
図2及び/又は
図3のデューティ・サイクル検出及び周波数変換回路24及び/又は44は、入力波形のデューティ・サイクルが最小閾値以下に低下したときを検出し、遮断信号を出力することもできる。遮断信号は、電源42及び/又はLED駆動回路20又は40に供給することができる。実施形態によっては、照明デバイス10又は30の入力電力が、照明デバイス10又は30の最小動作レベルよりも低いレベルであるレベルに達する前の時点で、LEDをオフに切り換えるために遮断信号を提供することもできる。あるいは又は加えて、照明デバイス10又は30によって引き出される電力が、トライアック調光器又はその他の位相カット調光器のような、調光器制御デバイスに対する最小動作電力よりも低いレベルに達する前の時点で、LEDをオフに切り換えるために遮断信号を供給することもできる。
【0024】
図4は、本発明の実施形態による、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路100の機能ブロックを示す。デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路100は、可変デューティ・サイクル波形のパルス幅検出を利用して、デューティ・サイクル検出回路110を設けている。デューティ・サイクル検出回路110の出力は、入力波形(例えば、本発明の実施形態に応じて、入力波形のデューティ・サイクルと同様、多少低い、関係付けられている、又は逆に関係付けられている)のデューティ・サイクルに対応する(即ち、基づくが、必ずしも異なるのではない)デューティ・サイクルを有する固定振幅波形である。「関係付けられている」という表現は、デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルの分散が、入力波形のデューティ・サイクルの分散に比例する場合(即ち、これら2つの間に線形関係がある)、又は線形関係がなく、出力波形のデューティ・サイクルが増大すると、デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルも増大する、又はその逆の場合(即ち、入力波形のデューティ・サイクルが減少すると、デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルも減少する)における関係を包含する。逆に、「逆に関係付けられている」という表現は、デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルの分散が、入力波形のデューティ・サイクルの分散に反比例する場合、又は線形逆関係がなく、入力波形のデューティ・サイクルが減少すると、デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルが増大する、又はその逆の場合における関係を包含する。
【0025】
デューティ・サイクル検出回路の出力は、平均回路120に供給され、平均回路120は、デューティ・サイクル検出回路の出力の平均値を計算する。実施形態によっては、平均値は電圧レベルとして反映される。高周波波形が波形発生器130によって供給される。波形発生器130は、三角形、鋸歯、又はその他の周期的波形を発生することができる。実施形態によっては、波形発生器130によって出力される波形の周波数は、200Hzよりも高く、特定的な実施形態では、周波数は約300Hz(又はそれ以上)である。波形の形状は、入力信号のデューティ・サイクルと周波数変換パルス幅変調(PWM)出力のデューティ・サイクルとの間に所望の関係が得られるように選択することができる。波形発生器130の出力、及び平均回路120の出力は、比較器140によって比較され、波形発生器130の出力の周波数、及び平均回路120の出力に基づくデューティ・サイクルを有する周期的波形を発生する。
【0026】
これより、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路100の第1実施形態の動作について、
図5の(A)及び(B)、
図6の(A)及び(B)の波形図を参照しながら説明する。即ち、
図5の(A)及び(B)は、対称閾値(
図5の(A))を利用するデューティ・サイクル検出、及び非対称閾値(
図5の(B))を利用する代替実施形態を示す。いずれの場合でも、入力波形の電圧レベルが、閾値電圧と比較される。
【0027】
対称の例(
図5の(A))では、入力電圧が閾値電圧よりも高い場合、デューティ・サイクル検出回路110の出力は第1電圧レベル(この実施形態では、10ボルト)に設定され、入力電圧レベルが閾値電圧よりも低い場合、デューティ・サイクル検出回路110の出力は第2電圧レベル(この実施形態では、0ボルト、即ち、接地)に設定される。つまり、デューティ・サイクル検出回路110の出力は、方形波であり、第1電圧レベルと第2電圧レベル(例えば、10Vと接地)との間で遷移する。第1及び第2電圧レベルは、適した電圧レベルであればいずれでもよく、利用する個々の平均回路に基づいて選択することができる。
【0028】
非対称の例(
図5の(B))では、入力電圧が第1閾値よりも高い場合、デューティ・サイクル検出回路110の出力は第1電圧レベルにセットされ、入力電圧レベルが第2閾値電圧よりも下に低下するまで、その電圧レベルに留まる。入力電圧レベルが第2閾値電圧よりも下に低下した時点で、デューティ・サイクル検出回路110の出力は第2電圧レベルに設定される。つまり、非対称の例では、デューティ・サイクル検出回路110の出力も、第1電圧レベルと第2電圧レベル(例えば、10V及び接地)の間で遷移する方形波である。前述のように、第1及び第2電圧レベルは、適した電圧レベルであればいずれでもよく、利用する個々の平均回路に基づいて選択することができる。非対称検出は、入力波形変動の補償に対処することができる。例えば、位相カット波形の先端又は後端が間欠的に、傾斜が浅い区間を含み、その前又は後ろに傾斜がきつい区間がある場合、傾斜がきつい区間と位置合わせするように別々の閾値を設定し、波形の傾斜が浅い部分によって増幅されるデューティ・サイクルの些細な変動を回避することができる。
【0029】
図6の(A)は、平均回路120の動作を示す。
図6の(A)に示すように、平均回路120は、デューティ・サイクルが変動する固定振幅周期的波形を平均して、入力波形のデューティ・サイクルを表す(この実施形態では)電圧を有する平均化方形波信号を供給する。平均化のレベルは、入力信号を平滑化してそのデューティ・サイクルの変動を排除するように設定することができる。
【0030】
つまり、この実施形態は、入力電圧のデューティ・サイクルに関係付けられた平均方形波信号を供給する。例えば、(1)入力電圧のデューティ・サイクルが60%であり、(2)デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルが55%であり、(3)第1電圧レベルが10Vであり、(4)第2電圧レベルが0Vである場合、平均方形波信号の電圧は約5.5Vとなる。あるいは、本発明の主題による別の実施形態では、平均方形波信号は、代わりに、入力電圧のデューティ・サイクルに逆に関係付けることもできる。例えば、第1電圧レベルが接地であり、第2電圧レベルが10Vである場合、逆関係が得られる(例示のために、このような実施形態では、(1)入力電圧のデューティ・サイクルが85%であり、閾値が0Vである(例えば、ゼロ交差検出AC検知を採用する)場合、デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルは15%となり(即ち、時間の85%において、電圧レベルが第1電圧レベルである接地となり、時間の15%において、電圧レベルが第2電圧レベルである10Vとなる)、平均方形波信号の電圧が1.5Vとなる(入力電圧のデューティ・サイクルは10%である一方、平均方形波信号の電圧は約9Vとなる)。
【0031】
また、第1電圧レベル又は第2電圧レベルのいずれかが必ずしも0である必要はない。例えば、(1)入力電圧のデューティ・サイクルが80%であり、(2)デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルが70%であり、(3)第1電圧レベルが20Vであり、(4)第2電圧レベルが10Vである場合、平均方形波信号の電圧は約17Vとなる(即ち、平均方形波信号の電圧は10Vと20Vとの間となり、デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルに比例する範囲で変動する)。
【0032】
図6の(B)は、周波数偏移可変デューティ・サイクル出力の発生を示す。
図6の(B)に示すように、平均方形波信号の電圧(即ち、平均回路120の出力)が波形発生器130の出力の電圧よりも高い間、比較器140の出力は第1電圧レベルに設定され、平均回路120の出力の値が波形発生器130の出力の電圧より低い間、比較器140の出力は第2電圧レベル、例えば、接地に設定される(即ち、平均回路の電圧のプロットが波形発生器の出力のプロットを交差して、波形発生器の出力よりも大きくなるときはいつでも、比較器の出力は第1電圧レベルに切り換えられ、平均回路の電圧のプロットが波形発生器の出力のプロットを交差して波形発生器の出力よりも小さくなるときはいつでも、比較器の出力は第2電圧レベルに切り換えられる。つまり、比較器140の出力は方形波となり、第1電圧レベルと第2電圧レベル(例えば、10Vと接地)との間で遷移し、平均回路120によって出力される電圧のレベルに比例するデューティ・サイクルを有し、更に、波形発生器130の出力の周波数に対応する周波数を有する。第1及び第2電圧レベルは、適した電圧レベルであればいずれでもよく、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路100と共に利用する個々のLED駆動回路に基づいて選択することができる。
【0033】
デューティ・サイクル検出回路のデューティ・サイクルが入力電圧に逆に関係付けられる実施形態では(先に論じたような)、平均方形波信号(即ち、平均化信号120の出力)の電圧が波形発生器130の出力の電圧よりも高い間、比較器140の出力は、代わりに第2電圧レベル(例えば、接地)に設定され、平均回路120の出力の値が波形発生器130の出力の電圧よりも低い間、比較器140の出力は代わりに第1電圧レベルに設定され、その結果、
図6の(B)に示す実施形態と同様、比較器140は、第1電圧レベルと第2電圧レベル(例えば、10Vと接地)との間で遷移する方形波となり、平均回路120によって出力される電圧のレベルに対応するデューティ・サイクルを有し、波形発生器130の出力の周波数に対応する周波数を有する。
【0034】
図6の(B)は、三角鋸波の形状とした発生波形を示すが、任意所望の波形形状でも採用することができる。例えば、波形は、
図15の(A)〜(E)に示する形状のいずれでも可能である。
図15の(A)は、線形部201及び曲線部202を繰り返しパターンで含む非線形波形を示す。
図15の(B)は、同様に線形部201及び曲線部202を繰り返しパターンで含む非線形波形を示す。
図15の(C)は、鋭さ(即ち、傾きの絶対値)が異なる線形部201及び203を含む線形波形を示す。
図15の(D)は、2つの異なる形状のサブ部分204及び205を含む繰り返しパターンから成る線形波形を示す。
図15の(E)は、2つの異なる形状のサブ部分206及び207から成る非線形波形を示す。可能な波形は無限にあり、所望の特性を達成するためには、当業者はいずれの所望の波形でも容易に選択できる。
【0035】
図5及び
図6からわかるように、波形発生器130から出力される波形の形状は、入力電圧のデューティ・サイクルとデューティ・サイクル検出及び周波数変換回路100の出力のデューティ・サイクルとの間の関係に影響を及ぼす。平均回路120によって出力される電圧が動作する範囲において波形が線形である(即ち、線形及び/又は実質的に線形のセグメントから成る)場合、入力デューティ・サイクルと出力デューティ・サイクルとの間の関係は線形となる。平均回路120によって出力される電圧が動作する範囲の少なくとも一部において波形が非線形である場合、入力デューティ・サイクルと出力デューティ・サイクルとの間の関係は非線形となる。
【0036】
同様に、入力デューティ・サイクルと出力デューティ・サイクルとの間のオフセットを、DCオフセットによって与えることができる。このDCオフセットは、波形発生器130から出力される波形、及び/又は平均回路120から出力される電圧レベルを調節する。例えば、平均方形波の電圧レベルが入力電圧のデューティ・サイクルに関係付けられて(又は比例して)おり、平均方形は信号の電圧が波形発生器の出力の電圧よりも高いときに周波数偏移可変デューティ・サイクル出力が第1電圧レベルとなるシステムでは、波形発生器130の出力がオフセットされて、波形が到達する最高電圧レベルが平均回路120によって出力される電圧よりも低くなり、デューティ・サイクルが90%以上となる場合、入力波形のデューティ・サイクルが90%より低く(即ち、未満に)なる場合を除いて、比較器の出力は第1電圧レベルの一定(DC)信号となる。このような変動は、例えば、ユーザによって調節可能及び/又は選択可能にすることもできる。種々のその他の関係も用いることができる。例えば、平均方形波の電圧レベルが入力電圧のデューティ・サイクルに逆に関係付けられており、平均方形波信号の電圧が波形発生器の出力の電圧未満であるときに周波数偏移可変デューティ・サイクル出力が第1電圧レベルとなる場合、波形発生器をオフセットして、波形が到達する最低電圧レベルが、平均回路によって出力される電圧よりも高くなり、デューティ・サイクルが90%以上となるようにすることができ、入力波形のデューティ・サイクルが90%より低く低下するときを除いて、同様に、比較器の出力が第1電圧レベルの一定(DC)信号となるようにすることができる。
【0037】
任意に供給することができるオフセットの別の代表的な例は、平均回路によって出力される電圧を特定量だけ増大させる(即ち、平均方形波の電圧レベルが入力電圧のデューティ・サイクルと関係付けられているシステム)、又は特定量だけ減少させる(即ち、平均方形波の電圧レベルが入力電圧のデューティ・サイクルに逆に関係付けられているシステム)DCオフセットである。このようなオフセットは、種々の目的に有用であることができる。例えば、デューティ・サイクルの検出(対称又は非対称)にゼロ交差検出を用いない回路を補償して、100%デューティ・サイクルの整流電力信号であっても、一定信号を生成しないようにする(
図6の(A)に示す電圧が100%の時間第1電圧レベルにある場合)場合に有用である。このような状況では、整流電力信号のデューティ・サイクルが100%であるときに、平均回路の出力が100%デューティ・サイクルの電力信号を表すように、平均回路によって出力される電圧を増大させることができる(入力波形に応答して発生したデューティ・サイクル検出回路の出力が、一部の時間、例えば、95%の時間だけ、第1電圧レベルを示したとしても(つまり、AC位相カットの方形波表現が第1電圧レベルを示す時間の割合よりも、平均方形波が、例えば、5%だけ高いデューティ・サイクルのパーセンテージを表すとしても)。
【0038】
図7は、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路200が最小パルス幅検出機構も含む場合における、本発明の別の実施形態を示す。多くのトライアック主体の調光器には、軽負荷レベルにおいて性能上の問題がある。この問題は、LEDを用いる照明製品が低デューティ・サイクル調光レベルのときに発生する可能性がある。トライアック調光器がその最低負荷レベルよりも低下すると、その出力は予測不能になる場合があり、その結果、調光器に接続されている照明デバイスからの出力も予測不能になる。同様に、パルス幅が小さ過ぎる場合、照明デバイスの最低電圧要件が満たされなくなる虞れがあり、電源が電力不足となる可能性がある。この条件も望ましくないであろう。したがって、線入力における低パルス幅に起因する望ましくない条件が生ずる前に、電源又は照明デバイスを切断できれば、照明デバイスの予測不能で望ましくない振る舞いを回避することができる。つまり、最小パルス幅検出回路150は、平均回路120によって出力される電圧が、照明デバイス及び/又は調光器が信頼性高く動作する最小デューティ・サイクルと関連付けられた閾値電圧よりも低くなるとき(又はデューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルが入力電圧のデューティ・サイクルに逆に関係付けられている実施形態では、高くなるとき)を検出することによって、低レベル調光点を設定することを可能にする。
【0039】
図8は、本発明の更に別の実施形態を示す。
図8に示すように、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路300は、傾き(スロープ)調節回路160を含む。傾き調節回路160は、位相カット調光を行った整流ACラインのような可変デューティ・サイクル波形から決定されたデューティ・サイクルと、LED駆動回路に供給されるPWM出力との間で、デューティ・サイクルをずらす方法を備えている。これによって、照明デバイスに給電するための十分なAC電圧をトライアック調光器から維持しつつも、低い方の光レベルにも対処する。
【0040】
図9は、本発明の実施形態によるデューティ・サイクル検出及び周波数変換回路100の回路図である。
図9に示すように、整流AC線電圧は、例えば、抵抗分圧ネットワークを通じて電圧を分圧することによって、しかるべき電圧レベルに倍率調整し、第1比較器U1の正入力に送られる。比較器U1は、倍率調整及び整流したACを、負入力における固定電圧基準(V
thr)と比較する。正入力が負入力よりも大きい場合、比較器U1の出力は高レベル(ハイ)になる。この逆が成立した場合、出力は定レベル(ロー)となる(一方、デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルが入力電圧のデューティ・サイクルに逆に関係付けられている実施形態では、比較器U1は、整流AC入力が比較器U1の負入力に供給され、固定電圧基準が比較器U1の正入力に供給されるように、反対の構成となる)。結果的に得られた波形は、AC線の非ゼロ電圧デューティ・サイクルの緊密な表現となる(固定電圧基準V
thrが0に近い程、結果的に得られる波形は、AC線の非ゼロ電圧デューティ・サイクルに増々近似する)。結果的に得られた波形は、整流AC線のデューティ・サイクル及び周波数と対応するデューティ・サイクル及び周波数を有する固定振幅方形波となる。基準電圧V
thrは、比較器U1の方形波出力の最大パルス幅を設定する。基準電圧V
thrが0ボルトに近い程、最大パルス幅は大きくなる(例えば、V
thrが5Vの場合、最大パルス幅は、100%から、パルスが5V未満となる時間のパーセンテージを減算した値となる(パルスが5V未満となる時間のパーセンテージは、X軸に沿って見た場合の、プロットが5V未満となるプロットのパーセンテージに対応する))。実施形態によっては、基準電圧は、整流トライアック位相カットAC波形における半サイクル不均衡を低減又は排除した値に設定するとよい場合もある。当業者であれば、例えば、ゼロ交差検出のようなAC検知検出を設けることによって、基準電圧を0にする(又は0に非常に近付ける)方法には精通しているであろう。
【0041】
デューティ・サイクル検出回路110からの可変デューティ・サイクル固定振幅方形波は、次に、平均回路120によって濾波されて、平均値が求められる。レベルが高い程デューティ・サイクルが高くなり、レベルが低い程デューティ・サイクルは小さくなる(勿論、デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルが入力電圧のデューティ・サイクルに逆に関係付けられている場合、逆が成立する)。方形波は振幅が固定であるので、平均値は、方形波のデューティ・サイクルに比例し、方形波は、AC線入力のような、入力波形のデューティ・市明くるに比例する。平均回路120は、抵抗器R1及びキャパシタC1を含むフィルタとして図示されている。
図9には単一段RCフィルタが示されているが、他のフィルタリング又は平均化技法も利用することができる。例えば、実施形態によっては、2段以上を有するRCフィルタを用いてもよい。
【0042】
RCフィルタの出力は、第2比較器U3の正入力に供給され、オペアンプ(即ち、演算増幅器)U2、抵抗器R2、R3、及びR4、並びにキャパシタC2によって発生される固定周波数固定振幅三角/鋸歯波と比較される。三角/鋸歯波形は、比較器U3の負入力に接続される(デューティ・サイクル検出回路の出力のデューティ・サイクルが入力電圧のデューティ・サイクルに逆に関係付けられている実施形態では、この波形は、代わりに、比較器U3の正入力に接続される)。比較器U3の出力は、方形波となり、比較器U3の正入力における電圧レベルに比例するデューティ・サイクル(平均回路120の出力)、及び三角/鋸歯波の周波数に等しい周波数を有する。このように、例えば、低周波AC線のデューティ・サイクルは、高周波方形波に変換することができる。この方形波は、LEDをオン及びオフにゲート(gate)して調光効果を得るために用いることができる。
【0043】
図9は、波形発生器130として単一オペアンプ鋸歯状波発生器を使用する例を示す。しかるべき波形を発生するためには、他の回路を利用してもよい。例えば、"Op Amps for Everyone" (みんなのためのオペアンプ)R. Mancini, Editor, September 2000のA−44頁に記載されているような2オペアンプ三角波発振器を用いても良い。当業者には周知のほかの回路を用いてもよい。
図9に示すような波形発生器を用いる場合、線形関係(又は実質的な線形関係)を入力及び出力デューティ・サイクルの間に備えるためには、得られる波形の内、平均値電圧が変動する範囲に対応する部分が線形(又は実質的に線形)でなければならない。例えば、
図9に示す波形発生器は、線形領域と、「シャーク・フィン」(shark fin)に類似する非線形領域とを有する波形を供給することができる。平均回路120によって出力される電圧の範囲が、この非線形領域と重複する場合、入力デューティ・サイクルにおける小さな変化が、出力デューティ・サイクルにおける大きな変化を引き起こす可能性があり、またその逆も起こる可能性がある。このような状況では、回路全体がノイズの影響を受けやすくなるか、又は入力デューティ・サイクルの変動に過度に敏感になる(例えば、調光器におけるユーザ入力に過度に敏感になる)こともある。その結果、
図9に示す回路は、平均回路120の電圧範囲が、波形発生器130からの出力波形の1箇所又は複数箇所の線形部分に対応するように実現するとよい。
【0044】
図10は、デューティ・サイクル検出のために非対称閾値電圧を供給するデューティ・サイクル検出及び周波数変換回路の回路
図100’である。
図10に示すように、デューティ・サイクル検出回路110’は、第2比較器U4、論理ANDゲートA1、並びに独立して設定可能なオン及びオフ閾値を供給するセット/リセット・ラッチL1を含む。先に論じたように、トライアックを用いるAC波形は、半サイクル不均衡を有する可能性があり、限界電圧閾値(1つ又は複数)は、安定したPWMデューティ・サイクルの発生に基づいて設定するとよい。
【0045】
動作において、デューティ・サイクル検出回路110’は、入力電圧が閾値電圧V
1よりも高くなったときにラッチL1をセットし、入力電圧が閾値電圧V
2よりも低くなったときにラッチL1をリセットする。ここで、V
1>V
2である。即ち、入力電圧がV
1よりも高いとき、比較器U1の出力はハイであり、ラッチL1のセット入力Sはハイであり、ラッチL1の出力Qをハイに移行させる。入力電圧がV
1未満に低下すると、比較器U1の出力はローになるが、ラッチL1の出力Qはハイのままである。入力が更にV
2未満に低下すると、比較器U4の出力がハイになり、したがってANDゲートA1の両入力がハイになるので、ANDゲートA1の出力はハイになって、ラッチL1をリセットし、出力Qはローになる。
図10に示す回路はV
1>V
2に合わせて設計されているが、V
1<V
2となる対応する回路は、ラッチL1の反転出力と比較器U1の出力の論理ANDを取り、ANDの出力をラッチL1のセット信号として用いることによって、容易に設けることができる。このような場合、ANDゲートA1を除去し、比較器U4の出力を直接ラッチL1の残りの部分に供給することができる。
【0046】
図11は、最小パルス幅検出回路150を組み込んだ、ディーティ・サイクル検出及び周波数変換回路200を示す回路図である。
図11に示すように、最小パルス幅検出回路150は、比較器U5によって設けられる。即ち、基準電圧V
shutを比較器U5の一方の入力に供給し、平均回路120の出力を他方の入力に供給する。この実施形態では、平均回路の出力は、デューティ・サイクル検出回路の出力に関係付けられている。平均回路の出力が基準電圧V
shut未満に低下すると、比較器U5の出力はハイになり、遮断信号を供給する。平均回路の出力がデューティ・サイクル検出回路の出力に逆に関係付けられている代替実施形態では、平均回路の出力が基準電圧V
shutよりも高く上昇すると、比較器U5の出力がハイになって遮断信号を供給する。
【0047】
図12は、LED駆動回路に結合されているデューティ・サイクル検出回路100の回路図であり、一連のLED(LED1、LED2、及びLED3)が、トランジスタT1によって高周波駆動信号に変調された入力信号によって駆動される。ダイオードD1、キャパシタC3、及びインダクタL1が、高周波駆動信号のサイクル間で、電流を平滑化する。抵抗器R5は電流検知抵抗であり、検知した電流は駆動コントローラにフィードバックされる。駆動コントローラは、LEDに一定電流を供給するために、高周波駆動信号のデューティ・サイクルを変化させる。トランジスタT1のゲートは、ドライバDR1によって制御される。このドライバは、高周波駆動信号がデューティ・サイクル検出及び周波数変換回路100によって制御されるように、デューティ・サイクル検出及び周波数変換回路100の出力によってイネーブルされる。トランジスタT1はデューティ・サイクル検出及び周波数変換回路100の出力によって制御されるので、トランジスタT1がオフのときには、コントローラへの電流検知フィードバックをディスエーブルするか、あるいはそれ以外の方法で制御又は補償する必要がある場合もある。何故なら、検知電流フィードバックが有効なのは、トランジスタT1がオンであるときだけだからである。
【0048】
図13及び
図14は、本発明の主題の一部の実施形態による動作を示すフローチャートである。尚、
図13及び
図14に示す動作は、本発明の主題の教示から逸脱することなく、同時に実行することも、異なるシーケンスで実行することもできる。つまり、本発明の主題の実施形態は、これらのフローチャートに示す動作の特定的なシーケンスに限定されるというように解釈してはならない。更に、これらのフローチャートに示す動作は、全体的にハードウェアで実行すること、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実行することもできる。
【0049】
図13において、入力波形のデューティ・サイクルを検出して、固定振幅デューティ・サイクル信号を供給する(ブロック500)。固定振幅信号の平均を決定して、電圧レベルとして反映することができる平均値を発生する(ブロック510)。入力信号の周波数から異なる周波数の波形を発生し(ブロック520)、この波形の値を平均値(電圧レベル)と比較して、発生した波形の周波数に対応する周波数の入力デューティ・サイクルに対応する(即ち、必ずしも同一ではないが、それに「基づく」)デューティ・サイクルを有する波形を発生する(ブロック530)。
【0050】
図14は、本発明の実施形態による更に別の動作を示す。
図14に示すように、入力波形のデューティ・サイクルを検出して、入力波形のデューティ・サイクルに対応するデューティ・サイクルを有する固定振幅信号を供給する(ブロック600)。固定振幅信号の平均値を決定し、この固定振幅信号の平均値に対応する平均電圧を発生する(ブロック610)。この平均電圧を、最小パルス幅の電圧レベルと比較して、入力信号のパルス幅が最小許容パルス幅未満か否か判断する(ブロック620)。平均電圧レベルがこのレベルよりも低い場合(ブロック620)、遮断信号を供給する(ブロック670)。平均電圧レベルが最小許容パルス幅レベルよりも高い場合(ブロック620)、平均電圧レベルを、発生した波形の電圧と比較する(ブロック640)。発生した電圧の周波数は、入力信号の周波数とは異なる(ブロック630)。平均電圧レベルが、発生した波形の電圧よりも高い場合(ブロック640)、ハイ信号を出力する(ブロック660)。平均電圧が、発生した波形の電圧よりも低い場合(ブロック640)、ロー信号を出力する(ブロック650)。
【0051】
図16A〜
図16Fは、本発明の主題による回路の一実施形態を示す回路図である。
図16Aは、照明制御回路を示し、この照明制御回路は、デューティ・サイクル検出回路110、ACスケーリング回路115、電源116、平均回路120、波形発生器130、比較器140、及び最小パルス幅検出回路150を含む。
図16Bは、デューティ・サイクル検出回路110、ACスケーリング回路115、及び電源116の拡大図(blown-up view)である。
図16Cは、平均回路120の拡大図である。
図16Dは、波形発生器130の拡大図である。
図16Eは、比較器140の拡大図である。
図16Fは、最小パルス幅検出回路150の拡大図である。
【0052】
AC線電圧のような、入力波形デューティ・サイクルの方形波表現の発生は、このような態様では、線電圧及び周波数の変動に耐性がある。即ち、ユーティリティ発生、負荷追加又は低下(shedding)、あるいはその他の理由のためにAC線電圧又は周波数が増減しても、方形波は同一のままである。本発明と異なり、整流線を濾波する回路は、デューティ・サイクルの変化と線電圧の変化との間で区別することができず、代表的濾波レベルが呼応して変化する。本発明はこれらの欠点を克服する。
【0053】
最終出力用比較源として用いられる発生波形は、周波数又は形状を変化させてもよい。発生波形の形状を変化させると、出力のAC入力に対する比例応答を変化させることができ、例えば、AC入力に対する非常に非線形な調光応答を得ることも、それが望ましいのであれば、行うことができる。
LEDをオン及びオフに切り換える方法として用いる場合、出力の周波数を高くすると、人間に見えるフリッカ、及び/又はビデオ・カメラのような電子機器によって記録されるフリッカを排除することができる。
【0054】
本発明による方法及び回路を用いると、電源からの電圧の周波数及び/又は電源の電圧レベルに関係なく、本明細書に記載したようなドライバに接続されている照明又は1組の照明を、本発明の主題による回路を介して、電源に接続することができる。例示のために、線電圧の周波数が50Hz、60Hz、100Hz、又はその他の値(例えば、発電機等に接続されている場合)である種々の状況、及び/又は線電圧が変化又は変動する可能性がある種々の状況、並びに照明又は1組の照明をこのような線電圧に接続するときに、特に従来の調光器を用いる場合に、それが原因で発生する可能性がある問題に、当業者は精通しているであろう。本明細書において説明した回路を用いると、照明又は1組の照明を、広範囲に異なる周波数の線電圧、及び/又は電圧レベルが変動する線電圧に接続することができ、良好な結果が得られる。
【0055】
加えて、本発明の主題は、調光に関して説明したが、本発明の主題は、光出力のその他の態様を変更するためにも適用可能であり、例えば、色温度、色、色相、明るさ、光の出力の特性、CRI Ra等にも適用可能である。例えば、小径制御回路は、入力電圧のデューティ・サイクルがあるパーセンテージ(例えば、10%)であるときに、この回路がデバイスの出力に特定の色温度(例えば、2000K)を持たせるように構成することができる。例えば、自然光では、光が弱まるに連れて、色温度が低下するのが通例であり、照明デバイスがこの挙動を真似ることが望ましいと見なされる場合もある。加えて、セキュリティ用の照明では、調光照明が低いCRIを有し、侵入者を観察できる十分な光があるが、侵入者自身は何をしているのか見るのに困難を来す程にCRI Raが低くなるようにすることが望ましい場合がある。
【0056】
本発明による回路及び方法は、AC電力やAC位相カット調光器に限定されるのではない。逆に、本発明の主題は、波形デューティ・サイクルを用いる(例えば、パルス幅変調を含む)あらゆる種類の調光にも適用可能である。
【0057】
以上、具体的な要素の組み合わせを参照しながら本発明の主題の実施形態について例示したが、本発明の主題の教示から逸脱することなく、種々のその他の組み合わせも設けることができる。つまり、本発明の主題は、本明細書に記載し図面に示した特定的な実施形態例に限定されるように解釈してはならず、種々の図示した実施形態の要素の組み合わせも包含することができる。
【0058】
本開示の利点を考えれば、本発明の主題の主旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変形や変更も当業者には容易に行うことができる。したがって、図示した実施形態は、一例をあげる目的で明記したに過ぎず、以下の請求の範囲によって定義される本発明の主題を限定するように捕らえてはならないことは理解されなければならない。したがって、以下の特許請求の範囲は、文言通りに明記されている要素の組み合わせだけでなく、実質的に同じ結果を得るために実質的に同じ方法で実質的に同じ機能を実行するためのあらゆる同等の要素も含むように解読することとする。つまり、特許請求の範囲は、先に具体的に図示及び説明したこと、概念上同等であること、そして本発明の主題の本質的な考えを組み込んだものも含むように理解するものとする。
【0059】
本明細書において記載したデバイスのいずれの2つ以上の構造的部分でも、統合することができる。本明細書において記載したデバイスのいずれの構造部分でも、2つ以上の部分(必要であれば、一緒に保持する)に設けることができる。同様に、いずれの2つ以上の機能も同時に実行することができ、及び/又はいずれの機能も一連のステップにおいて実行することができる。