(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】従来技術のLEDランプの一実施例の断面図である。
【
図2】従来技術のLEDランプの別の実施例の断面図である。
【
図3】A19代替電球に対するサイズ指定を示す図である。
【
図4】本発明によるランプの一実施例の断面図である。
【
図5】本発明によるランプの一実施例の側面図である。
【
図6】本発明によるランプの別の実施例の側面図である。
【
図7】本発明によるランプのさらに別の実施例の側面図である。
【
図8】本発明によるランプの一実施例の放射特性を示すグラフである。
【
図10】本発明による別のディフューザの側面図である。
【
図11】本発明による別の実施例のディフューザの側面図である。
【
図12】本発明によるさらに別のディフューザの側面図である。
【
図13】
図9に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図14】
図9に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図15】
図9に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図16】
図9に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図17】
図10に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図18】
図10に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図19】
図10に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図20】
図10に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図21】
図11に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図22】
図11に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図23】
図11に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図24】
図11に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図25】
図12に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図26】
図12に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図27】
図12に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図28】
図12に示されているディフューザ及び
図30に概略が示されている平面遠隔リン光体円板を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図29】ディフューザ・ドームを有する本発明によるランプの別の実施例の断面図である。
【
図30】本発明によるランプの別の実施例の断面図である。
【
図31】ディフューザ・ドームを有する本発明によるランプの別の実施例の断面図である。
【
図32】異なる形状のディフューザ・ドームを有する本発明によるランプの別の実施例の斜視図である。
【
図35】本発明による三次元リン光体キャリアの一実施例の断面図である。
【
図36】本発明による三次元リン光体キャリアの別の実施例の断面図である。
【
図37】本発明による三次元リン光体キャリアの別の実施例の断面図である。
【
図38】本発明による三次元リン光体キャリアの別の実施例の断面図である。
【
図39】三次元リン光体キャリアを備える本発明によるランプの別の実施例の斜視図である。
【
図42】ヒート・シンク及び光源を備える本発明によるランプの一実施例の斜視図である。
【
図43】ドーム形リン光体キャリアを備える
図42に示されているランプの斜視図である。
【
図44】本発明によるドーム形ディフューザの一実施例の側面図である。
【
図45】寸法とともに
図44に示されているドーム形ディフューザの実施例の断面図である。
【
図46】
図43の球形リン光体キャリア並びに
図44及び45に示されているドーム形ディフューザを備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図47】
図43の球形リン光体キャリア並びに
図44及び45に示されているドーム形ディフューザを備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図48】
図43の球形リン光体キャリア並びに
図44及び45に示されているドーム形ディフューザを備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図49】
図43の球形リン光体キャリア並びに
図44及び45に示されているドーム形ディフューザを備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図50】
図10に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図51】
図10に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図52】
図10に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図53】
図10に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図54】
図11に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図55】
図11に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図56】
図11に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図57】
図11に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図58】
図12に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図59】
図12に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図60】
図12に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図61】
図12に示されているディフューザ及び
図43に示されている球形リン光体を備えるランプの放射特性を示すグラフである。
【
図62】本発明によるランプに対する視野角度特性に関する色分布を示すCIE色度図である。
【
図63】本発明によるディフューザのさらに別の実施例の断面図である。
【
図64】三次元リン光体キャリアを備える本発明によるランプの別の実施例の斜視図である。
【
図67】本発明によるランプの別の実施例の断面図である。
【
図68】本発明によるカラーキャビティの一実施例の断面図である。
【
図69】本発明によるランプの一実施例の異なる特徴体のフットプリントを示す概略図である。
【
図70】本発明によるランプのさらに別の実施例の側面図である。
【
図72】本発明によるランプのさらに別の実施例の側面図である。
【
図74】本発明によるランプの別の実施例の斜視図である。
【
図77】リン光体キャリアが破線で示され、
図74に示されているランプの側面図である。
【
図78】リン光体キャリアが破線で示されている本発明によるランプの別の実施例の側面図である。
【
図78】本発明によるディフューザ・ドームの側面図である。
【
図79】本発明によるディフューザ・ドームの側面図である。
【
図80】本発明によるディフューザ・ドームの側面図である。
【
図81】本発明によるディフューザ・ドームの側面図である。
【
図82】本発明によるディフューザ・ドームの側面図である。
【
図83】本発明によるディフューザ・ドームの別の実施例の側面図である。
【
図84】本発明によるランプに対する比較放射プロファイルを示すグラフである。
【
図85】本発明によるランプに対する放射プロファイルを示すグラフである。
【
図86】本発明によるランプの一実施例に対する放射特性を示す表である。
【
図87】本発明によるいくつかのランプ実施例に対する放射プロファイルを示すグラフである。
【
図88】本発明によるランプの一実施例に対する放射特性を示す表である。
【
図89】本発明によるディフューザ内のディフューザ層厚さの一実施例を示すグラフである。
【
図90】本発明によるディフューザ・ドームの異なる実施例を示す図である。
【
図91】本発明によるディフューザ・ドームの異なる実施例を示す図である。
【
図92】本発明によるディフューザ・ドームの異なる実施例を示す図である。
【
図93】本発明によるディフューザ・ドームの異なる実施例を示す図である。
【
図94】本発明によるディフューザ・ドームの異なる実施例を示す図である。
【
図95】本発明によるディフューザ・ドームの異なる実施例を示す図である。
【
図96】本発明によるランプの別の実施例の断面図である。
【
図97】本発明によるランプの別の実施例の断面図である。
【
図98】本発明によるランプの別の実施例の断面図である。
【
図99】本発明によるランプのさらに別の実施例の断面図である。
【
図100】本発明によるランプの別の実施例の上面図である。
【
図101】本発明によるランプの投光照明型の実施例の断面図である。
【
図102】本発明による投光照明型ランプの別の実施例の断面図である。
【
図103】本発明による投光照明型ランプの別の実施例の断面図である。
【
図104】本発明によるランプの二次元パネルの実施例の断面図である。
【
図105】本発明によるランプの別の二次元パネルの実施例の断面図である。
【
図106】本発明によるランプの別の二次元パネルの実施例の断面図である。
【
図107】本発明によるランプのチューブ形状の実施例の断面図である。
【
図108】本発明によるランプの別のチューブ形状の実施例の断面図である。
【
図109】本発明によるランプの別のチューブ形状の実施例の断面図である。
【
図110】本発明によるランプの発光パネルの実施例の断面図である。
【
図111】本発明によるランプの別の投光照明の実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、効率、信頼性、及び費用効果が高く、いくつかの実施例では、前方放射光源などの、指向性光源から本質的に無指向性の放射パターンを構成することができるランプ又は電球構造の異なる実施例を対象とする。本発明は、遠隔変換材料(又はリン光体)及び遠隔拡散要素若しくはディフューザとともに固体発光体を使用するランプ構造も対象とする。いくつかの実施例では、ディフューザは、ランプの使用者から見えないようにリン光体をマスクするために使用されるだけでなく、遠隔リン光体及び/又はランプの光源から出た光を所望の放射パターンに分散若しくは再分配することもできる。いくつかの実施例では、ディフューザ・ドームは、前方に向けられた放射パターンを一般的な照明用途に使用されうるより無指向性の高いパターンに分散するように配置構成されうる。ディフューザは、二次元形状だけでなく三次元形状の遠隔変換材料を有する実施例において、LED光源からの前方に向けられた放射を標準的な白熱電球に匹敵するビーム・プロファイルに変換することができる特徴体の組み合わせとともに使用されうる。
【0023】
本発明は変換材料、波長変換材料、遠隔リン光体、リン光体、リン光体層、及び関係する用語を参照しつつ本明細書において説明される。これらの用語の使用は、制限的であるものとして解釈すべきでない。遠隔リン光体、リン光体、又はリン光体層という用語の使用は、すべての波長変換材料を包含し、それらに等しく適用可能であることを意味するものと理解される。
【0024】
ランプのいくつかの実施例は、光源の上にあり、また光源から相隔てて並ぶドーム形(又は球錐台形状)の三次元変換材料、並びに変換材料から相隔てて並び、また変換材料の上にあるドーム形のディフューザを有することができ、ランプは二重ドーム構造を示す。さまざまな構造の間の空間は、ランプの発光の分散、及び色均一性を促進しうる光混合室を備えることができる。光源と変換材料との間の空間、さらには変換材料間の空間は、光混合室として使用されうる。他の実施例は、追加の混合室を形成することができる追加の変換材料若しくはディフューザを備えることができる。ドーム変換材料及びドーム形ディフューザの順序は、いくつかの実施例では、ディフューザが変換材料の内側に入り、間の空間が光混合室を形成するように異なりうる。これらは、本発明による多くの異なる変換材料及びディフューザ配置構成のうちのごく一部に過ぎない。
【0025】
本発明によるいくつかのランプ実施例は、1つ又は複数のLEDチップ若しくはパッケージの同一平面配置構成を有し、放射体が平坦な表面若しくは平面状表面に実装されている光源を備えることができる。他の実施例では、LEDチップは、台又は他の三次元構造上など、同一平面上になくてもよい。同一平面上にある光源は、放射体配置構成の複雑さを低減し、製造しやすくするとともに製造コストも低減することができる。しかし、同一平面上の光源は、ランベルト放射パターンなど、主に前方の方向に放射する傾向を持つ。異なる実施例において、異なる放射角度でほぼ均一な放射強度及び色均一性をもたらしうる従来の白熱電球の光パターンを模した光パターンを放射することが望ましい場合がある。本発明の異なる実施例は、放射パターンを一定の視野角度範囲内において非均一なパターンから実質的に均一なパターンに変換することができる特徴体を備えることができる。
【0026】
いくつかの実施例では、光源からの光を少なくとも部分的に透過する熱伝導材料、及びそれぞれが光源からの光を吸収し異なる波長の光を放射する少なくとも1つのリン光体材料を含みうるリン光体キャリアを備えることができる変換層若しくは領域がある。ディフューザは、散乱フィルム/粒子及びガラスエンクロージャなどの付随するキャリアを備えることができ、光源及び/又はリン光体キャリアによって放射される光の少なくとも一部を散乱若しくは再配向し、所望のビーム・プロファイルを構成するために使用されうる。いくつかの実施例では、本発明によるランプは、標準的な白熱電球と互換性のあるビーム・プロファイルの光を放射することができる。
【0027】
幾何学的形状、散乱層の散乱特性、表面粗さ又は平滑性、散乱層特性の空間的分布などの、ディフューザの特性を使用して、色均一性及び光強度分布などのさまざまなランプ特性を視野角度の関数として制御することができる。ディフューザは、多くの異なる仕方で配置構成された散乱要素を備えることができ、いくつかの実施例ではディフューザの少なくとも1つの寸法にそって変化する散乱特性をもたらす散乱要素を有する。いくつかの実施例では、表面の散乱性の変化、及び/又はその特定の寸法にそった散乱材料の量の変動による変動があり得る。ディフューザは、光源を少なくとも部分的に取り囲む光学素子をさらに備えることができ、この光学素子は少なくとも1つの寸法にそって変動する散乱特性を有する。変動散乱特性は、光源から放射パターンを変動させて所望のランプ放射パターンを生成するように構成され得る。いくつかの実施例では、変動散乱要素は、光源によって放射される光の角分布を修正し得る。
【0028】
本発明によるディフューザは、光源とディフューザとの間にあるリン光体キャリアで光源を少なくとも部分的に囲むことができることは理解される。リン光体キャリアは、平面状及び三次元の両方の光源を備えることができる。リン光体キャリアの拡散特性は、ディフューザの拡散特性とともに、光源の放射パターンを所望のランプ放射パターンに変換し得る。いくつかの実施例では、光源は、一般的に前方に向けられるパターン若しくはランベルト放射パターンを形成することができ、リン光体キャリア及びディフューザの拡散特性は、光源放射パターンを一般的に均一な放射パターンに変換することができる。一般的に均一とは、所望の変動割合の範囲内にある異なる視野角度での放射強度変動を意味し得る。
【0029】
ディフューザは、一般的に白色の外観をユーザーに見せることもでき、ディフューザの下の、又は中の特徴体をマスクすることができる。これらは、ランプ若しくは電球が点灯していない場合に所望の商業的に受け入れ可能なランプ外観全体を示す、リン光体キャリア及び他の内部ランプ特徴体を備えることができる。別の言い方をすると、リン光体キャリア及びランプの放射体の色は、ランプが点灯していないときには見えない。
【0030】
光源及びリン光体層内に発生する熱を周囲に放散するために光源と熱的に接触し、リン光体キャリアと熱的に接触しうるヒート・シンク構造を備えることができる。光源、及び調光などの他の機能に電力を供給するための電子回路を備えることもでき、これらの回路は、エジソン・ソケットなどの、電力をランプに印加するための手段を備えることができる。
【0031】
ランプの異なる実施例は、多くの異なる形状及びサイズを有することができ、いくつかの実施例では
図3に示されているようなA19サイズのエンベロープ30などの、標準サイズのエンベロープに嵌入する寸法を有する。これにより、ランプは従来の白熱及び蛍光ランプ若しくは電球の代替として特に有用なものとなり、本発明によるランプは固体光源からもたらされるエネルギー消費量の低減と長寿命化が実現される。本発明によるランプは、限定はしないがA21及びA23を含む他の種類の標準サイズのプロファイルにも適合しうる。
【0032】
いくつかの実施例では、光源は、異なる種類のLED、LEDチップ、又はLEDパッケージなどの、固体光源を含みうる。いくつかの実施例では、単一のLEDチップ又はパッケージを使用することができるが、他の複数のLEDチップ又はパッケージを異なる種類のアレイの配置構成で使用することができる。リン光体をLEDチップから断熱し、熱放散を十分に行うことによって、LEDチップは、リン光体の変換効率及びその長期間信頼性に悪影響を及ぼすことなくより大きな電流レベルによって駆動することができる。これにより、LEDチップをオーバードライブする柔軟性を持たせることで、所望の光束を発生するのに必要なLEDの個数を減らすことが可能になる。このことにより、延いては、ランプの複雑度に対するコスト低減を達成できる。これらのLEDパッケージは、高い光束に耐えられる材料とともにカプセル封入されたLEDを備えるか、又はカプセル封入されていないLEDを備えることができる。
【0033】
いくつかの実施例では、光源は、1つ又は複数の青色発光LEDを備えることができ、リン光体キャリア内のリン光体層は、青色光の一部を吸収し、ランプが青色LED及び変換材料から白色の光の組み合わせを放射するように1つ又は複数の異なる波長の光を放射する1つ又は複数の材料を含むことができる。変換材料は、青色LED光を吸収し、限定はしないが黄色及び緑色を含む異なる色の光を放射することができる。光源は、ランプが色温度及び演色などの所望の特性を有する光を放射するように異なる色の光を放射する異なるLED及び変換材料を備えることもできる。
【0034】
赤色と青色の両方のLEDチップを組み込んだ従来のランプは、異なる動作温度及び減光による色の不安定性に曝されうる。これは、異なる温度及び動作電力(電流/電圧)における赤色及び青色のLEDの異なる挙動、さらには時間の経過により異なる動作特性のせいであるものとしてよい。この効果は、ランプ全体に対するコスト及び複雑度を増す可能性がある能動制御システムの実装を通じて幾分緩和されうる。本発明による異なる実施例では、本明細書で開示されている熱放散配置構成を通じて比較的冷たい状態を保つリン光体の複数の層を備えうる遠隔リン光体キャリアと、同じ種類の放射体を備える光源を組み合わせることでこの問題に対処することができる。いくつかの実施例では、遠隔リン光体キャリアは、放射体からの光を吸収することができ、リン光体に対する低くなった動作温度の効率及び信頼性をそのまま保ちながら異なる色の光を再放射することができる。
【0035】
リン光体要素をLEDから分離することで、カラービニングがより容易に、より一貫性のあるものとなるという利点がさらにもたらされうる。これは、いく通りもの仕方で達成できる。さまざまなビンからのLED(例えば、さまざまなビンからの青色LED)を組み立てて1つにし、異なるランプで使用されうる実質的に波長が均一である励起源を実現することができる。次いで、これらを所望のビン内で発光するランプを構成する実質的に同じ変換特性を有するリン光体キャリアと組み合わせることができる。それに加えて、異なる変換特性に応じて多数のリン光体キャリアを製造し、事前にビニングを行うことができる。異なるリン光体キャリアを異なる特性の発光をする光源と組み合わせてターゲットとなる色のビンの範囲内の光を放射するランプを構成することができる。
【0036】
本発明によるいくつかのランプは、反射面によって光源を囲むことによる改善された放射効率を備えることもできる。この結果、変換材料から光源の方へ再放射され戻される光の大半を反射することによって光子のリサイクリングが強化される。効率をさらに高め、所望の放射プロファイルを得るために、リン光体層、キャリア層、又はディフューザの表面は、滑らか、又は散乱性を有しているものとしてよい。いくつかの実施例では、キャリア層及びディフューザの内面は、リン光体層から後方に向かう光(ダウンコンバートされた光又は散乱光)の量を低減する全反射挙動を促進するように光学的に滑らかであるものとしてよい。これにより、ランプのLEDチップ、関連する基板、又はランプの内側内の他の理想的でない反射面によって吸収されうる後方放射光の量が低減される。
【0037】
本発明は、いくつかの実施例を参照しつつ本明細書において説明されているが、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書で述べられている実施例に限定されると解釈すべきではないことは理解される。特に、本発明は、異なる構成の1つ若しくは複数のLED又はLEDチップ又はLEDパッケージを有するいくつかのランプに関して以下で説明されるが、本発明は、多くの異なる構成を有する他の多くのランプに使用されうることは理解される。
【0038】
以下の実施例は、1つ又は複数のLEDを参照しつつ説明されているが、これはLEDチップ及びLEDパッケージを包含することが意図されていることは理解される。これらのコンポーネントは、示されているものと異なる形状及びそれを超えるサイズを有していてもよく、異なる数のLEDを備えることもできる。以下で説明される実施例は同一平面上の光源を使用することも理解されるが、同一平面上にない光源も使用できることは理解される。ランプのLED光源は1つ又は複数のLEDからなり、複数のLEDを備えるいくつかの実施例では、LEDは異なる放射波長を有していてもよいことも理解される。同様に、いくつかのLEDは、隣接するか、又は接触しているリン光体層若しくは領域を有することができるが、他のLEDは、異なる組成の隣接するリン光体層を有するか、又はリン光体層を全く有しない場合もある。
【0039】
本発明は、本明細書では、互いに遠隔にある変換材料、リン光体層、並びにリン光体キャリア及びディフューザを参照しつつ説明される。この文脈における遠隔とは、直接熱接触しないよう相隔てられていること、及び/又は表面上で若しくは中で直接熱接触していないことを指す。
【0040】
層、領域、又は基板などの要素が、別の要素の「上に」あるという場合、要素は、直接他の要素上にありうるか、又は介在要素も存在しうることは理解される。さらに、「内側」、「外側」、「上側」、「より高い」、「下側」、「真下」、及び「より低い」などの相対語、並びに類似の語は、本明細書では、一方の層又は別の領域の関係を記述するために使用されうる。これらの単語は、図中に示されている配向に加えてデバイスの異なる配向をも包含することが意図されていると理解される。
【0041】
第1、第2などの語は、本明細書では、さまざまな要素、コンポーネント、領域、層、及び/又はセクションを記述するために使用される場合があるけれども、これらの要素、コンポーネント、領域、層、及び/又はセクションは、その語によって限定されるべきでない。これらの語は、一方の要素、コンポーネント、領域、層、又はセクションを他方の領域、層、又はセクションから区別するためにのみ使用される。そのため、後述の第1の要素、コンポーネント、領域、層、又はセクションは、本発明の教示から逸脱することなく第2の要素、コンポーネント、領域、層、又はセクションと称することが可能である。
【0042】
本発明の実施例は、本明細書では、本発明の実施例の概略図である断面図を参照しつつ説明される。そのようなものとして、層の実際の厚さが異なることもあり、例えば、製造技術及び/又は許容誤差があるため図の形状と異なることが予想される。本発明の実施例は、本明細書に例示されている領域の特定の形状に制限されるものとして解釈されるべきでないが、例えば、製造から結果として生じる形状の逸脱を含むものとすべきである。正方形若しくは矩形として例示又は説明されている領域は、典型的には、通常の製造公差により丸い若しくは湾曲した特徴体を有する。そのため、図に例示されている領域は、本質的に概略を示すものであり、その形状は、デバイスの領域の正確な形状を示すことを意図されておらず、また本発明の範囲を制限することも意図されていない。
【0043】
図4は、光源58を保持するためのプラットフォーム56を備える光キャビティ54を有するヒート・シンク構造を具備する本発明によるランプ50の一実施例を示している。この実施例及び以下のいくつかの実施例は、光キャビティを参照しつつ説明されているけれども、他の多くの実施例を光キャビティなしで構成することができることは理解される。これらは、限定はしないが、ランプ構造の平面状表面上に、又は台上にある光源を備えることができる。光源58は、LEDを備えるように図示されている実施例を伴う多くの異なる放射体を備えることができる。限定はしないが、ノースカロライナ州ダラム所在のCree,Inc.社から市販されているものを含む、多くの異なる市販LEDチップ若しくはLEDパッケージを使用することができる。ランプの実施例は、光キャビティを備えることなく、これらの他の実施例において異なる方法で実装されたLEDを備えて構成されうることは理解される。例えば、光源をランプ内の平面状表面に実装することができるか、又はLEDを保持するために台を備えることができる。
【0044】
光源58は、多くの異なる公知の実装方法及び材料を使用してプラットフォーム56に実装することができ、光源58からの光はキャビティ54の頂部開口部から外に放射される。いくつかの実施例では、光源58をプラットフォーム56に直接実装することができるが、他の実施例では、光源を、プラットフォーム56にその後実装されるサブマウント又はプリント基板(PCB)上に備えることができる。プラットフォーム56及びヒート・シンク構造52は、電気信号を光源58に印加するための導電経路を備えることができ、導電経路のうちのいくつかは導電性トレース又は導線である。プラットフォーム56の一部は、熱伝導性材料で作ることができ、いくつかの実施例では、動作中に発生する熱は、プラットフォームに、次いでヒート・シンク構造に拡散することができる。
【0045】
ヒート・シンク構造52は、熱伝導性材料を少なくとも部分的に含むものとしてよく、銅若しくはアルミニウムなどの異なる金属、又は金属合金を含む多くの異なる熱伝導性材料を使用することができる。銅は、最大400W/m−kまで又はそれ以上の熱伝導率を有することができる。いくつかの実施例では、ヒート・シンクは、室温で約210W/m−kの熱伝導率を有することができる高純度アルミニウムを含むことができる。他の実施例では、ヒート・シンク構造は、約200W/m−kの熱伝導率を有するダイ・カスト・アルミニウムを含むことができる。ヒート・シンク構造52は、周囲への効率的放散を促すためにヒート・シンクの表面積を増大させるヒート・フィン60などの他の放熱特徴体を備えることもできる。いくつかの実施例では、ヒート・フィン60は、ヒート・シンクの残り部分に比べて高い熱伝導率を持つ材料で作ることができる。図示されている実施例では、フィン60は、一般的に水平方向の向きに示されるが、他の実施例では、フィンは、垂直の向き若しくはある角度の向きをなすことができることは理解される。さらに他の実施例では、ヒート・シンクは、ファンなどの能動冷却要素を備え、これにより、ランプ内の熱抵抗を下げることができる。いくつかの実施例では、リン光体キャリアからの熱放散は、対流熱放散とヒート・シンク構造52を通る伝導との組み合わせを通して達成される。異なる熱放散配置構成及び構造は、Tongらの米国特許出願第
61/339,516号、名称「LED Lamp Incorporating Remote Phosphor with Heat Dissipation Features and Diffuser Element」において説明されており、またCree, Inc.社に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれている。
【0046】
反射層53は、光キャビティ54の表面上など、ヒート・シンク構造52上に備えることもできる。光キャビティを有していない実施例では、反射層は、光源の周りに備えることができる。いくつかの実施例では、光源58及び/又は波長変換材料によって放射されるランプ可視光線(「ランプ光」)に対して約75%以上の反射率を有する材料を表面にコーティングすることができるが、他の実施例では、この材料は、ランプ光に対して約85%以上の反射率を有することができる。さらに他の実施例では、この材料は、約95%以上のランプ光に対する反射率を有することができる。
【0047】
ヒート・シンク構造52は、電源に接続する、例えば、異なる電気的レセプタクルなどに接続するための特徴体も備えることができる。いくつかの実施例では、ヒート・シンク構造は、従来の電気的レセプタクルに嵌入するタイプの特徴体を備えることができる。例えば、これは、エジソン・ソケット内にねじ込むことができるネジ山付き部分を備えることができる、標準的なエジソン・ソケットに装着するための特徴体を具備することができる。他の実施例では、これは標準的なプラグを備えることができ、また電気的レセプタクルは標準的なコンセントであるか、若しくはGU24ベースのユニットを備えることができるか、又は、これは、クリップであってもよく、電気的レセプタクルは、クリップを受け入れ保持するレセプタクルとすることができる(例えば、多くの蛍光灯で使用されているようなもの)。これらは、ヒート・シンク構造及びレセプタクルに対するオプションのうちのごく一部に過ぎず、レセプタクルから電力をランプ50に安全に供給する他の配置構成も使用することができる。本発明によるランプは、AC線間電圧/電流から電球を点灯させ、光源に調光機能を持たせるドライバを備えることができる電源若しくは電力変換ユニットを具備することができる。いくつかの実施例では、電源は、非絶縁型疑似共振フライバック・トポロジーを使用するオフライン定電流LEDドライバを備えることができる。LEDドライバは、ランプ内に嵌合し、いくつかの実施例では、25立方センチメートル未満の体積を有することができるが、他の実施例では、約20立方センチメートルの体積を備えることができる。いくつかの実施例では、電源は非調光型であってもよいが、低コストである。使用される電源は、異なるトポロジー又は幾何学的形状を有することができ、また調光型であってもよいことは理解される。
【0048】
リン光体キャリア62は、キャビティ54の頂部開口部の上に備えられ、ドーム形ディフューザ76は、リン光体キャリア62の上に備えられる。図示されている実施例では、リン光体キャリアは開口部全体を覆い、キャビティ開口部は円形として図示されており、リン光体キャリア62は、円板である。キャビティ開口部及びリン光体キャリアは、多くの異なる形状及びサイズのものであってよいことは理解される。また、リン光体キャリア62は、キャビティ開口部全体ではなくそれより小さな部分を覆うことができることも理解される。以下でさらに説明されるように、ディフューザ76は、リン光体キャリア及び/又はLEDからの光を所望のランプ放射パターンに分散させるように配置構成され、所望のランプ放射パターンから受ける光に応じて多くの異なる形状及びサイズを備えることができる。
【0049】
本発明によるリン光体キャリアの実施例は、変換材料及び熱伝導性光伝送材料を備えるものとして特徴付けられうるが、熱伝導性でないリン光体キャリアを備えることもできることは理解される。光伝送材料は、光源54から放射された光に対して透過的であるものとしてよく、変換材料は、光源からの波長の光を吸収し、それと異なる波長の光を再放射するタイプのものであるべきである。図示されている実施例では、熱伝導性光伝送材料は、キャリア層64を備え、変換材料は、リン光体キャリア上にリン光体層66を備える。以下でさらに説明されるように、異なる実施例は、熱伝導性光伝送材料及び変換材料の多くの異なる配置構成を備えることができる。
【0050】
光源58からの光は、リン光体層66内のリン光体によって吸収されると、等方に再放射され、光の約50%が前方に放射され、50%が後方に出てキャビティ54内に入る。コンフォーマル・リン光体層を有する従来のLEDでは、後方に放射される光のかなりの部分は、後ろへ向けられLED内に入る可能性があり、漏出する可能性は、LED構造の抽出効率によって制限される。いくつかのLEDについては、抽出効率は、約70%となる可能性があり、したがって、変換材料から逆向きにLED内に入る一定割合の光が失われうる。キャビティ54の底部のところのプラットフォーム56上のLEDとともに遠隔リン光体構成を有する本発明によるランプでは、後ろ向きのリン光体光のうちのより高い割合の光がLEDの代わりにキャビティの表面に当たる。これらの表面に反射層53をコーティングすることで、反射してリン光体層66内に戻る光の割合が高まり、そこで光がランプから放射されうる。これらの反射層53は、光キャビティで光子のリサイクルを効果的に行うことを可能にし、ランプの放射効率を高める。反射層は、限定はしないが分布ブラッグ反射器などの反射性金属又は多重層反射構造を含む多くの異なる材料及び構造を備えることができることは理解される。反射層は、光キャビティを有していないこれらの実施例におけるLEDの周りに備えることもできる。
【0051】
キャリア層64は、石英、炭化ケイ素(SiC)(熱伝導率約120W/m−k)、ガラス(熱伝導率1.0〜1.4W/m−k)、又はサファイア(熱伝導率約40W/m−k)などの、0.5W/m−k以上の熱伝導率を有する多くの異なる材料で作ることができる。他の実施例では、キャリア層64は、1.0W/m−kより大きい熱伝導率を有することができ、他の実施例では、5.0W/m−kより大きい熱伝導率を有することができる。さらに他の実施例では、これは10W/m−kより大きい熱伝導率を有することができる。いくつかの実施例では、キャリア層は、1.4から10W/m−kまでの範囲内の熱伝導率を有することができる。リン光体キャリアは、使用される材料に応じて異なる厚さを有することもでき、厚さの好適な範囲は0.1mmから10mm以上である。他の厚さも、キャリア層に対する材料の特性に応じて使用することができることは理解される。材料は、特定の動作条件に対して十分な横方向熱拡散をもたらす十分な厚さを有しているべきである。一般に、材料の熱伝導率が高ければ高いほど、必要な熱放散を維持しながら材料をより薄くすることができる。限定はしないが光源からの光に対するコスト及び透過性を含むさまざまな要因が、どのキャリア層材料を使用するかについて影響を及ぼしうる。いくつかの材料は、ガラス又は石英などの、より大きな直径により適しているとも考えられる。これらは、より大きな直径のキャリア層上にリン光体層を形成し、次いで、より小さなキャリア層に個片切断することによって製造コストを低減することが可能になる。
【0052】
多くの異なるリン光体がリン光体層66において使用されうるが、本発明は白色光を放射するランプに特に適合されている。上で説明されているように、いくつかの実施例では、光源58は、LEDベースであり、青色波長スペクトルの光を放射することができる。リン光体層は、青色光の一部を吸収し、黄色光を再放射することができる。これにより、ランプは、青色光と黄色光を組み合わせて得られる白色光を放射することができる。いくつかの実施例では、青色LED光は、市販のYAG:Ceリン光体を使用して黄色変換材料によって変換されうるけれども、Y
3Al
5O
12:Ce(YAG)などの(Gd,Y)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce系をベースとするリン光体で作られた変換粒子を使用してあらゆる種類の広範な黄色スペクトル放射が可能である。青色発光LEDベースの放射体とともに使用したときに白色光を生成するために使用されうる他の黄色リン光体は、限定はしないが、
Tb
3−xRE
xO
12:Ce(TAG); RE=Y,Gd,La,Lu; 又は
Sr
2−x−yBa
xCa
ySiO
4:Eu
を含む。
【0053】
リン光体層は、リン光体層66と一緒に混ぜ合わされた複数のリン光体を使用して、又はキャリア層64上の第2のリン光体層として配置構成することもできる。いくつかの実施例では、2つのリン光体のそれぞれが、LED光を吸収し、それと異なる色の光を再放射することができる。これらの実施例では、2つのリン光体層からの色を組み合わせることで、異なる白色の色調(暖白色)のより高いCRIの白色を形成することができる。これは、赤色リン光体からの光と組み合わせることができる上記の黄色リン光体からの光を含むことができる。
Sr
xCa
1−xS:Eu,Y; Y=ハロゲン化物、
CaSiAlN
3:Eu、又は
Sr
2−yCa
ySiO
4:Eu;
を含む異なる赤色リン光体を使用することができる。
【0054】
実質的にすべての光を特定の色に変化することによってカラー発光させるために他のリン光体を使用することができる。例えば、リン光体
SrGa
2S
4:Eu;
Sr
2−yBa
ySiO
4:Eu; 又は
SrSi
2O
2N
2:Eu
を使用して緑色光を発生することができる。
【0055】
以下に、変換粒子リン光体層66として使用されるいくつかの追加の好適なリン光体の一覧を示すが、他のものも使用することができる。それぞれ、青色及び/又はUV発光スペクトルの励起を示し、望ましいピーク発光をもたらし、効率的な光変換を行い、許容可能なストークスシフトを有する。
黄色/緑色
(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga)
2S
4:Eu
2+
Ba
2(Mg,Zn)Si
2O
7:Eu
2+
Gd
0.46Sr
0.31Al
1.23O
xF
1.38:Eu
2+0.06
(Ba
1−x−ySr
xCa
y)SiO
4:Eu
Ba
2SiO
4:Eu
2+
赤色
Lu
2O
3:Eu
3+
(Sr
2−xLa
x)(Ce
1−xEu
x)O
4
Sr
2Ce
1−xEu
xO
4
Sr
2−xEu
xCeO
4
SrTiO
3:Pr
3+,Ga
3+
CaAlSiN
3:Eu
2+
Sr
2Si
5N
8:Eu
2+
【0056】
限定はしないが、10ナノメートル(nm)から30マイクロメートル(μm)までの範囲内、又はそれ以上の粒子を含む、異なるサイズのリン光体粒子を使用することができる。より小さなサイズの粒子は、典型的には散乱し、より大きなサイズの粒子に比べて色の混合がよく、より均一な光が発生する。より大きな粒子は、典型的には、より小さな粒子に比べて光の変換効率が高いが、均一な光を放射しにくい。いくつかの実施例では、リン光体は、結合剤中のリン光体層66で形成され、リン光体は、結合剤中に異なる濃度又は装荷量のリン光体を有することもできる。典型的な濃度は、30〜70質量%の範囲内である。一実施例では、リン光体濃度は、約65質量%であるが、好ましくは、遠隔リン光体全体にわたって均一に分散される。リン光体層66は、異なる変換材料及び異なる濃度の変換材料とともに異なる領域を有することもできる。
【0057】
結合剤に異なる材料を使用することができ、材料は好ましくは硬化させた後頑丈なものとなり、可視波長スペクトルにおいて実質的に透過性を有する。好適な材料として、シリコーン、エポキシ、ガラス、無機ガラス、誘電体、BCB、ポリイミド、ポリマー、及びこれらの混成物が挙げられ、好ましい材料は高出力LEDにおいて透過性及び信頼性が高いことからシリコーンである。好適なフェニル及びメチル系のシリコーンが、Dow(登録商標)Chemical社から市販されている。結合剤は、使用される結合剤の種類などの異なる要因に応じて多くの異なる硬化法を使用して硬化させることができる。異なる硬化法として、限定はしないが、熱、紫外線(UV)、赤外線(IR)、又は空気による硬化が挙げられる。
【0058】
リン光体層66は、限定はしないが、スピン・コーティング、スパッタリング、印刷、粉体塗装、電気泳動塗装(EPD)、静電塗装などを含む異なるプロセスを使用して施すことができる。上述のように、リン光体層66は、結合剤材料とともに施すことができるが、結合剤は必要ないことは理解される。さらに他の実施例では、リン光体層66は、別々に加工され、次いで、キャリア層64に実装されうる。
【0059】
一実施例では、リン光体−結合剤混合物をキャリア層64の上に噴霧するか、又は分散させ、次いで、結合剤を硬化させてリン光体層66を形成することができる。これらの実施例のいくつかにおいて、リン光体−結合剤混合物を、リン光体結合剤混合物がキャリア層64に接触すると、キャリア層64からの熱が結合剤中に拡散して結合剤を硬化させるように加熱されたキャリア層64上に、若しくはその上に被さるように噴霧するか、又は注ぎ込むか、又は分散させることができる。これらのプロセスは、混合物を液化しその粘度下げ、噴霧との親和性を持たせることができるリン光体−結合剤中の溶剤も含みうる。限定はしないが、トルエン、ベンゼン、ザイレン、又はDow Corning(登録商標)社から市販されているOS−20を含む多くの異なる溶剤を使用することができ、また溶剤の異なる濃度も使用することができる。溶剤−リン光体−結合剤混合物を加熱されたキャリア層64上に噴霧又は分散させたときに、キャリア層64からの熱が溶剤を蒸発させ、キャリア層の温度は溶剤が蒸発する速度に影響を及ぼす。キャリア層64からの熱は、この混合物中の結合剤を硬化し、キャリア層上に固定されたリン光体層を残すようにすることもできる。キャリア層64は、使用される材料並びに所望の溶剤蒸発及び結合剤硬化速度に応じて多くの異なる温度に加熱されうる。好適な温度範囲は、90から150℃までの範囲内であるが、他の温度も使用できることは理解される。さまざまな塗装方法及びシステムが、Donofrioらの米国特許出願第
12/717,048号、名称「Systems and Methods for Application of Optical Materials to Optical Elements」において説明されており、これもまたCree, Inc.社に譲渡されている。
【0060】
リン光体層66は、少なくとも部分的にリン光体材料の濃度及びリン光体層66によって変換される光の所望の量に応じて多くの異なる厚さを有することができる。本発明によるリン光体層は、30%より高い濃度レベル(リン光体装荷量)で施すことができる。他の実施例では、50%より高い濃度レベルを有することができるが、さらに他の実施例では、60%より高くすることもできる。いくつかの実施例では、リン光体層は、10〜100ミクロンまでの範囲内の厚さを有することができるが、他の実施例では、40〜50ミクロまでの範囲内の厚さを有することができる。
【0061】
上述の方法は、異なるリン光体材料の同じものの複数の層を施すために使用することができ、知られているマスキング・プロセスを使用してキャリア層の異なる領域内に異なるリン光体材料を施すことができる。上述の方法は、リン光体層66に対する何らかの厚さ制御を行うが、さらに大きな厚さの制御の場合には、知られている方法を使用してリン光体層を研磨し、リン光体層66の厚さを薄くするか、又は層全体にわたって厚さを均すことができる。この研磨するという特徴では、CIE色度グラフ上の単一のビンの範囲内で発光するランプを生産することができるという利点が加わる。ビニングは、一般的に当技術分野で知られており、最終的な顧客に提供されるLED又はランプが許容可能な色範囲内の光を放射することを確実にすることを意図したものである。LED又はランプをテストし、色若しくは輝度によりソートして異なるいくつかのビンに分けることができるが、これは一般的に当技術分野ではビニングと称される。それぞれのビンは、典型的には、ある色及び輝度のグループからのLED若しくはランプを含み、典型的には、ビン・コードによって識別される。白色発光LED又はランプは、色度(色)及び光束(輝度)によってソートされうる。リン光体層の厚さ制御は、リン光体層によって変換される光源光の量を制御することによってターゲット・ビンの範囲内の光を放射するランプの生産をより精密に制御する。リン光体層66の厚さが同じである複数のリン光体62を形成することができる。実質的に同じ放射特性を持つ光源58を使用することによって、いくつかの場合において単一のビンの範囲内に収まりうるほぼ同じ放射特性を有するランプを製造することができる。いくつかの実施例では、ランプ放射は、CIE図上の1つの点からの標準偏差の範囲内にあり、またいくつかの実施例では、標準偏差は、10ステップ未満のマクアダム楕円を含む。いくつかの実施例では、ランプの放射は、CIExy(0.313,0.323)を中心とする4ステップ・マクアダム楕円内に収まる。
【0062】
リン光体キャリア62は、熱伝導結合材又は熱グリースなどの異なる公知の方法若しくは材料を使用してキャビティ54の開口部の上に載せて、接着することができる。従来の熱伝導性グリースは、酸化ベリリウム及び窒化アルミニウムなどのセラミック材料又はコロイド状銀などの金属粒子を含んでいる可能性がある。他の実施例では、クランプ機構、ネジ、又は熱接着剤などの熱伝導性デバイスを使用してリン光体キャリアを開口部の上に取り付け、リン光体キャリア62をヒート・シンク構造にきつく留めて、熱伝導性を最大にすることができる。一実施例では、厚さが約100μm、熱伝導率がk=0.2W/m−kである熱グリース層が使用される。この配置構成は、リン光体層66から熱を放散するための効率的な熱伝導経路をなす。上述のように、異なるランプ実施例を、キャビティなしで構成することができ、またリン光体キャリアは、キャビティの開口部の上に実装することを超える多くの異なる方法で装着することができる。
【0063】
ランプ50の動作中、リン光体変換加熱が、LED光の大半がリン光体キャリア62に当たりそこを通過するリン光体層66の中心など、リン光体層66内に集中する。キャリア層64の熱伝導性により、この熱は第1の熱流70に示されているようなリン光体キャリア62の縁の方へ横方向に拡散する。そこでは、第2の熱流72によって示されているように熱が熱グリース層を通過して、ヒート・シンク構造52内に入り、そこで、効率よく周囲に放散されうる。
【0064】
上述のように、ランプ50において、プラットフォーム56及びヒート・シンク構造52は、熱的に接続又は結合されうる。この結合された配置構成の結果、リン光体キャリア62が得られ、光源58は熱放散用の熱伝導経路を少なくとも部分的に共有することになる。第3の熱流74によって示されているように光源58からプラットフォーム56を通過する熱は、ヒート・シンク構造52にも拡散しうる。ヒート・シンク構造52内に流れ込むリン光体キャリア62からの熱も、プラットフォーム56内に流れ込むものとしてよい。以下でさらに説明されるように、他の実施例では、リン光体キャリア62及び光源54は、熱放散用の分離した熱伝導経路を有することができ、これらの分離した経路は「減結合されている」と称される。
【0065】
リン光体キャリアは、
図4に示されている実施例を超える多くの異なる方法で配置構成されうることは理解される。リン光体層は、キャリア層の表面上にあるか、又はキャリア層と一緒に混ぜ合わされてもよい。リン光体キャリアは、リン光体層若しくはキャリア層上に含まれるか、又はそれと一緒に混ぜ合わされるものとしてよい散乱層も備えることができる。リン光体及び散乱層は、キャリア層の表面の全体ではなく一部を覆うことができ、いくつかの実施例では、変換層及び散乱層は、異なる領域内で異なる濃度を有するものとしてよいことも理解される。リン光体キャリアは、リン光体キャリアを通る放射を増強するために異なる粗面化された、又は整形された表面を有することができることも理解される。
【0066】
上述のように、ディフューザは、リン光体キャリア及びLEDからの光を所望のランプ放射パターンに分散させるように配置構成され、多くの異なる形状及びサイズを有することができる。いくつかの実施例では、ディフューザは、ランプが発光していないときにリン光体キャリアをマスクするようにリン光体キャリアの上に配置構成することもできる。ディフューザは、ランプが発光していないときに電球が白色に見えるように実質的に白色に見せる材料を有することができる。
【0067】
ランプ50の出力ビーム特性を制御するために使用できるディフューザの属性又は特性は少なくとも4つある。第1は、リン光体層の幾何学的形状に無関係なディフューザの幾何学的形状である。第2は、リン光体層の幾何学的形状に関係するディフューザの幾何学的形状である。第3は、散乱層の性質及びディフューザ表面の滑らかさ/粗さを含むディフューザの散乱特性である。第4は、散乱の意図的な非均一性などの表面全体にわたるディフューザの分布である。これらの属性により、例えば、「横向き」放射光に関する(約90°)、また「高角度」に関する(>約130°)、軸方向放射光の比を制御することができる。これらの属性は、リン光体キャリア及び光源によって放射される光の幾何学的形状及びパターンに応じて異なる形で適用することもできる。
【0068】
図4に示されているような二次元リン光体キャリア及び/又は光源については、放射される光は、一般的に前方に向けられる(例えば、ランベルト)である。これらの実施例について、上に列挙された属性では、前方に向けられた放射パターンを広いビーム強度プロファイルに分散させることができる。第2及び第4の属性の変更形態は、前方に向けられた放射プロファイルからの広いビーム無指向性放射を達成することに対して特に適用可能であると思われる。
【0069】
三次元リン光体キャリア(以下でさらに詳しく説明する)及び三次元光源について、放射される光は、すでに、放射がヒート・シンクなどの他のランプ表面によって阻止されていない場合に90°を超える角度で著しい放射強度を有することができる。その結果、上に列挙されているディフューザ属性を使用して、リン光体キャリア及び光源からのビーム・プロファイルに対するさらなる調整又は微調整を行い、所望の出力ビーム強度、色の均一性、色点などにより正確に一致するようにできる。いくつかの実施例では、ビーム・プロファイルは、従来の白熱電球からの出力と実質的に一致するように調整されうる。
【0070】
リン光体の幾何学的形状に無関係なディフューザの幾何学的形状に関する上記の第1の属性の場合と同様に、ディフューザ表面から光が均一に放射される実施例において、横向き(約90°)に関する「前方」に向けられた(軸方向若しくは約0°の)光、及び「高角度」(>約130°)に関する「前方」に向けられた(軸方向若しくは約0°の)光の量は、その角度から見たときにディフューザの断面積に大きく依存しうる。
図5は、小さな二次元リン光体キャリア81を有する、本発明による背が高く狭いディフューザ80の一実施例を示している。第1の視野角度82にそって軸方向に見たときには円形の領域を、第2の視野角度84にそって側面から見たときにはより大きな領域を持たせることによって特徴付けられる。それに対応して、そのようなディフューザは、「横向き」放射に関して低い軸方向光放射を行うことになる。ヒート・シンク又は他の遮光特徴体が、ディフューザの底部のところに存在している場合、ディフューザの高さを大きくすることで、後方若しくは高角度放射の量を増やすことができる。
【0071】
図6は、同一平面上にある光源及び/又はリン光体キャリア91の放射パターンに応じて均一な無指向性放射に特に適用可能である本発明によるディフューザ90の別の実施例を示している。ディフューザ90は、すべての角度から見たときにほぼ一定の断面積を備える、ほぼ均一な球状の幾何学的形状を有する。これは、均一な、又はほぼ無指向性の放射強度を高める。
【0072】
第2の属性、リン光体キャリアの幾何学的形状に関するディフューザの幾何学的形状の場合と同様に、
図7は、前方に向けられた、又はランベルト放射パターンを典型的にはもたらす二次元リン光体キャリア及び同一平面上にあるLED光源に特に適用可能である配置構成されているディフューザ100の別の実施例を示している。ディフューザ100は、楕円形であり、狭いネック部102を有する。ディフューザ100の底部に光源及び/又はリン光体キャリアを置くことによって、他の方法では光源から前角へ向けられる光は、ディフューザ表面の散乱性により、「インターセプト」され、より高い角度に又は横向きに(約90°)向き付けられる。この効果は、三次元光源及びリン光体キャリアの場合も発生しうるものであるが、効果はそれほどない可能性がある。これらの三次元の実施例のうちのいくつかの実施例では、ディフューザは、ネック形状部を必要としなくてもよいが、むしろ球体の形状をとることができる。
【0073】
図8は、二次元リン光体キャリア及び同一平面上のLED光源からの前方に向けられた又はランベルト放射パターン112の一実施例を示すグラフ110である。放射パターン114は、
図7に示されているように直線112によって表される放射パターンがディフューザを通過した後のランプ放射パターンを示す。パターン114は、軸方向(約0°)では低い放射強度を、横向き(約90°)では著しく高い放射を示している。これは、前方に向けられた放射パターン112に比較してより均一な放射パターンを反映する、
【0074】
上に列挙されている第3の属性、ディフューザ散乱特性についてと同様に、ディフューザの異なる実施例は、ガラス又はプラスチックなどの異なる材料、及び1つ又は複数の散乱フィルム、層、若しくは領域で作られたキャリアを備えることができる。散乱層は、リン光体層の塗装に関して上で説明されている方法を使用して塗装(deposition)することができ、また粒子の密充填物を含みうる。散乱粒子は、リン光体層とともに使用される結合剤を参照しつつ上で説明されているものと同じものであってよい結合剤材料に含まれるものとしてもよい。散乱粒子層は、使用される用途及び材料に応じて異なる濃度の散乱粒子を有することができる。散乱粒子濃度に対する好適な範囲は、0.01%から0.2%までであるが、濃度は加減できることは理解される。いくつかの実施例では、濃度は、0.001%と低くてもよい。散乱粒子層は、異なる領域内で異なる濃度の散乱粒子を有することができることも理解される。いくつかの散乱粒子について、より高い濃度に対して吸収があるため損失が増大しうる。そこで、散乱粒子の濃度は、許容損失値を維持するように選択することができ、それと同時に、光を分散させ所望の放射パターンを得ることができる。
【0075】
散乱粒子は、限定はしないが以下のものを含む多くの異なる材料で構成されるものとすることができる。
シリカ;
カオリン;
酸化亜鉛(ZnO);
酸化イットリウム(Y
2O
3);
二酸化チタン(TiO
2);
硫酸バリウム(BaSO
4);
アルミナ(Al
2O
3);
溶融シリカ(SiO
2)、
フュームド・シリカ(SiO
2);
窒化アルミニウム ;
ガラス・ビーズ ;
二酸化ジルコニウム(ZrO
2);
炭化ケイ素(SiC);
酸化タンタル(TaO
5);
窒化ケイ素(Si
3N
4);
酸化ニオブ(Nb
2O
5);
窒化ホウ素(BN);又は
リン光体粒子(例えば、YAG:Ce、BOSE)
材料のさまざまな組み合わせ又は同じ材料の異なる形態の組み合わせにおける複数の散乱材料を使用して、特定の散乱効果をもたらすことができる。
【0076】
散乱層は、ディフューザの内側表面上に配置されるか、又は外側表面に配置されるか、又はキャリアと一緒に混ぜ合わされうる。散乱層のキャリアの表面は、光学的に滑らか又は粗いものとすることができる。散乱層は、粒子間の空気とともにキャリアの表面に付着されたシリカ若しくはカオリン粒子などのフィルム若しくは粒子からなるものとしてよい。散乱層は、シリカ、アルミニウムなどの結合剤マトリックス層内の粒子、シリコーン中の粒子も含むことができる。この層はキャリアの内面又は外面上にスプレー・コーティングされうるか、又はキャリアそれ自体が散乱粒子を含みうる。ディフューザの形状に成形されうる散乱フィルムの一実例は、FusionOptix,Inc.社から市販されているファイルである。
【0077】
一般に、散乱材料若しくは粒子は、粒子に入射する光がその元のコースから再配向された程度によって特徴付けられうる。個別の粒子の場合、より大きな粒子は、ミー散乱する傾向を有し、そのため、光の方向の変化が比較的小さい。より小さな粒子では、レーリー散乱する傾向を有し、そのため、方向の変化が大きく、粒子との相互作用の後の光の分配が本質的に均一又は等方的である。粒子からなるフィルムも類似の振る舞いをするものとしてよい。さまざまな表面特徴体及び/又は散乱粒子を使用することができ、その有効性は、吸収(低ければ低いほどよい)、及び周囲マトリックス/周辺との屈折率の差(差が大きいほどより有効な散乱が生じる)によって決定される。
【0078】
ディフューザ表面の滑らかさは、全内側反射(TIR)効果によりリン光体キャリアの光源の方へ戻される光の量に影響を及ぼすために使用できる。滑らかな内面は、TIRを引き起こし、他の方法では光源に向かうことになる光の方向を変える。対照的に、粗面化された内面は、このような効果を示さない。他の内部ランプ表面の光源の方へ再配向されて戻る光は吸収され、そのためランプ効率が低下しうる。リン光体層の方へ戻り散乱される光は、ダウンコンバージョンの量が増加し、そのため、ディフューザによるランプの色温度又は色点のシフトが生じる。しかし、後方散乱度が高いことで、光がディフューザ内で内部的に反射される「ライトボックス」効果を生じさせることによって均一性を改善し、ディフューザ表面上の分布の均一性を高め、ランプ放射ビーム・プロファイルの色点及び強度分布の均一性を高めることができる。
【0079】
第4の属性、表面上のディフューザ散乱分布については、ディフューザ表面上の散乱特性の均一性を使用して、特定の領域内の表面から放射される光の量及びしたがってその結果得られるビーム・プロファイルを制御することができる。これは、ディスパーサ内のネック形状部を有する
図7に示されているような2番目の属性などの他の属性と組み合わせたときに特に有用である可能性がある。狭いネック領域を有する楕円形のディフューザ、及び二次元リン光体キャリア及び同一平面上のLED光源の放射を示すランプ内の粗い高散乱(レーリー又は等方的)内部粗面フィルムを使用することによって、
図8に示されているように光のかなりの部分を横向きに向き付けることができる。この効果は、ディフューザのネック領域内の散乱フィルムを透過する光の量を増やすことによって拡大されうる。リン光体キャリア及び光源によって放射される光のかなりの部分が散乱層と相互作用する場合、光はディフューザの本体部内であちこちに跳ね返り、均一な放射を増強しうる。散乱フィルムがより透過的である領域を、そのような領域内で散乱フィルムをより薄く又はより滑らかにすることなどによって形成することにより、その表面から出る相対強度を高めることが可能である。
図7に示されている実施例では、ネック領域から出て横向きのビーム方向に入る光の量は、その領域内で散乱層をより薄く又はより滑らかにすることによって増加させることができる。
【0080】
これらは、所望の放射パターンを構成するために異なる仕方でこれらの属性を組み合わせる方法のうちの一部に過ぎない。この組み合わせの結果、無指向性を超える多くの異なるランプ放射パターンを構成することができる多くの異なる形状が得られる。
図9〜12は、本発明によるランプ内の二次元キャリア・リン光体(及び後述のような三次元リン光体)とともに使用されうるいくつかの追加のディフューザの形状及びサイズを示している。
図9は、
図7に示されている実施例に類似しており、より短く狭いネック部分を持つ形状の一般的な球体である、ディフューザ130を示す。ディフューザ130の一実施例の寸法は、
図9に示されており、
図10〜12のディフューザの寸法も図示されている。
図10は、より短いネック部を有する、球体形状の大半を保持するディフューザ140の別の実施例を示している。
図11は、ネック領域を有しないが、球体形状の大半を保持するディフューザ150の別の実施例を示している。
図12は、ディフューザ160のさらに別の実施例を示しており、このディフューザはむしろ半球形状となっている。これらの形状は、以下で説明され、添付図面に示されているように、異なるパターン及び異なる効率レベルを持つ放射体を構成する。これらは、ディフューザがとりうる無数の他の形状であり、いくつかの追加の形状としてマッシュルーム形、弾丸形、円筒形、卵形、長円形などがある。他の実施例では、ディフューザは、底部では広く、少なくとも底部から離れて行く1つの部分にそって狭まる形状をとりうる。これらの実施例は、頂部に比べて底部において広くなる形状をとりうる。
【0081】
図13〜16は、リン光体キャリアからの光がディフューザを通過するようにディフューザ130がリン光体の上に配置構成されている二次元リン光体キャリアを有する本発明によるランプに対する放射特性を示すグラフである。
図13及び14は、ディフューザなしのランプと比較したときの、さらに標準のGeneral Electric 60W Extra Soft Light Bulbと比較したときのランプの放射特性を示している。
図15及び16は、視野角度0から180°までの範囲の放射強度の変動を示している。
【0082】
図17〜20は、
図13から16のグラフに類似しており、ディフューザ140がリン光体キャリアの上に配置構成されている二次元リン光体キャリアも有する本発明によるランプに対する放射特性を示している。
図21〜24も、
図13〜16のグラフに類似しており、ディフューザ150がリン光体キャリアの上に配置構成されている二次元リン光体キャリアも有する本発明による別のランプに対する放射特性を示している。同様に、
図25〜28も、
図13〜16のグラフに類似しており、ディフューザ160がリン光体キャリアの上に配置構成されている二次元リン光体キャリアも有する本発明による別のランプに対する放射特性を示している。
【0083】
本発明によるランプは、上述のものを超える多くの異なる特徴を備えることができる。
図4を再び参照すると、キャビティ54を有するこれらのランプ実施例に、透明な熱伝導性材料を充填し、ランプの熱放散をさらに高めることができることがわかる。キャビティ伝導性材料は、光源58から熱を放散するための二次経路を構成することが可能である。光源からの熱は、そのままプラットフォーム56を通って伝導するが、キャビティ材料を通過してヒート・シンク構造52に至ることも可能である。これにより、光源58の動作温度を下げることができるが、リン光体キャリア62の動作温度が上昇する危険性がある。この配置構成は、多くの異なる実施例において使用することができるが、リン光体キャリアのものと比べて光源の動作温度が高いランプに特に適用可能である。この配置構成により、リン光体キャリア層の熱の上昇に耐えられる用途の光源から熱をより効率的に拡散させることができる。
【0084】
上で説明されているように、本発明による異なるランプ実施例は、多くの異なる種類の光源を用いて配置構成されうる。
図29は、上で説明され、
図4に示されているランプ50に類似しているランプ210の別の実施例を示している。ランプ210は、プラットフォームが光源218を保持するように配置構成されているキャビティ214を有するヒート・シンク構造212を備える。リン光体キャリア220は、キャビティ214への開口部の上に、また少なくとも部分的にそれを覆うように備えられうる。この実施例では、光源218は、個別のLEDパッケージに配置構成されるか、又は単一の複数LEDパッケージ内にアレイ状に配置構成された複数のLEDを備えることができる。個別のLEDパッケージを備える実施例については、LEDのそれぞれは、それ専用の一次光学系又はレンズ222を備えることができる。単一の複数LEDパッケージを有する実施例では、単一の一次光学系又はレンズ224がすべてのLEDを覆うことができる。LED若しくはLEDアレイは、二次光学系を有することができるか、又は一次光学系と二次光学系の組み合わせを備えることができることも理解される。LEDはレンズを備えないようにすることができること、またアレイの実施例では、LEDのそれぞれがそれ専用のレンズを有することができることは理解される。ランプ50と同様に、ヒート・シンク構造及びプラットフォームは、必要な電気的トレース又は導線を備えて電気信号を光源218に送るように配置構成されうる。それぞれの実施例において、放射体を異なる直列及び並列の配置構成で結合することができる。一実施例では、2本の導線で回路基板に直列に接続される8個のLEDを使用することができる。次いで、導線を上述の電源ユニットに接続することができる。他の実施例では、8個より多い、又は少ないLEDを使用することができ、上述のように、8個のXLamp(登録商標)XP−E LED又は4個のXLamp(登録商標)XP−G LEDを含むCree,Inc.社から市販されているLEDを使用することができる。異なる単一列のLED回路が、参照により本明細書に組み込まれている、van de Venらの米国特許出願第12/566,195号、名称「Color Control of Single String Light Emitting Devices Having Single String Color Control」並びにvan de Venらの米国特許出願第12/704,730号、名称「Solid State Lighting Apparatus with Compensation Bypass Circuits and Methods of Operation Thereof」に説明されている。
【0085】
上述のランプ50及び210では、光源及びリン光体キャリアは、熱を放散するための熱経路を共有する、つまり熱的に結合されている。いくつかの実施例では、リン光体キャリアの熱放散は、リン光体キャリア及び光源に対する熱経路が熱的に接続されていない、つまり熱的に減結合されている場合に増強されうる。
【0086】
図30は、ヒート・シンク構造305内に光キャビティ302を備える本発明によるランプ300のさらに別の実施例を示している。上記の実施例と同様に、ランプ300は、ランプ・キャビティを備えなくてもよく、LEDがヒート・シンクの表面上に、又は異なる形状を有する三次元若しくは台構造上に実装される。平面状LEDベースの光源304は、プラットフォーム306に実装され、リン光体キャリア308は、キャビティ302の頂部開口部に実装され、リン光体キャリア308は上述のものの特徴のうちのどれかを有する。図示されている実施例において、リン光体キャリア308は、平らな円板形状とすることができ、熱伝導性透明材料及びリン光体層を備える。これは、上述のように熱伝導性材料又はデバイスとともにキャビティに実装されうる。キャビティ302は、上述のように放射効率を高めるために反射面を有することができる。
【0087】
光源304からの光は、リン光体キャリア308を通過し、そこで、その一部がリン光体キャリア308内のリン光体によって異なる波長の光に変換される。一実施例では、光源304は、青色発光LEDを備えることができ、リン光体キャリア308は、上述のように、青色光の一部を吸収し、黄色光を再放射する黄色リン光体を備えることができる。ランプ300は、LED光と黄色リン光体光を組み合わせて得られる白色光を放射する。上記と同様に、光源304は、異なる色の光を放射する多くの異なるLEDも備えることができ、リン光体キャリアは、所望の色温度及びレンダリングにより発光する他のリン光体を含むことができる。
【0088】
ランプ300は、上に列挙されているような拡散若しくは散乱粒子を含むキャビティ302の上に実装された整形ディフューザ・ドーム310も備える。散乱粒子は、一般的なドーム形状に形成された硬化性結合剤中に提供されうる。図示されている実施例では、ドーム310は、ヒート・シンク構造305に実装され、ヒート・シンク構造305の反対側にある端部のところに拡大された部分を有する。シリコーン、エポキシ、ガラス、無機ガラス、誘電体、BCB、ポリイミド、ポリマー、及びこれらの混成物などの異なる結合剤材料を上述のように使用することができる。いくつかの実施例では、白色散乱粒子を、光キャビティ内のリン光体キャリア308内のリン光体の色を隠す白色を有するドームとともに使用することができる。これにより、ランプ300全体が白色に見え、一般的にリン光体の色に比べて消費者に視覚的に受け入れられるか、又はアピールする。一実施例では、ディフューザは、白色二酸化チタン粒子を含むものとしてよく、これはディフューザ・ドーム310を全体的に白色に見せることができる。
【0089】
ディフューザ・ドーム310は、光キャビティから放射される光をより均一なパターンで分配する利点をさらにもたらしうる。上述のように、光キャビティ内の光源からの光は、一般的ランベルト・パターンで放射することができ、散乱粒子の散乱特性とともにドーム310の形状により、光はより無指向性の放射パターンでドームから放射される。設計されたドームは、異なる領域内で異なる濃度の散乱粒子を有することができるか、又は特定の放射パターンに合わせて整形することができる。いくつかの実施例では、ランプからの放射パターンが米国エネルギー省(DOE)のEnergy Starで定められている無指向性分配の基準に適合するように設計することができる。ランプ300が満たすこの標準の必要条件の1つは、放射の均一性が0から135°までの範囲の視野角度の平均値の20%以内でなければならず、ランプからの全光束の5%超が、135〜180°の放射域内で放射されなければならないというものであり、測定は0、45、90°の方位角で行った。上述のように、本明細書で説明されている異なるランプ実施例は、DOE Energy Star規格準拠のA型改造LED電球も備えることができる。本発明は、効率的で、信頼性が高く、費用効果も高いランプを実現する。いくつかの実施例では、ランプ全体が、素早く容易に組み立てられる5つのコンポーネントを備えることができる。
【0090】
上記の実施例と同様に、ランプ300は、従来の電気的レセプタクルに嵌入するタイプの装着機構を備えることができる。図示されている実施例では、ランプ300は、標準エジソン・ソケットに装着するためのネジ山付き部分312を備える。上記の実施例と同様に、ランプ300は、標準プラグを備えることができ、また電気的レセプタクルは標準的なコンセントであるか、若しくはGU24ベースのユニットを備えることができるか、又は、これは、クリップであってもよく、電気的レセプタクルは、クリップを受け入れ保持するレセプタクルとすることができる(例えば、多くの蛍光灯で使用されているようなもの)。
【0091】
上述のように、ランプ300の特徴体のうちのいくつかの間の空間を混合室とみなすことができ、光源306とリン光体キャリア308との間の空間は第1の光混合室を備える。リン光体キャリア308とディフューザ310との間の空間は、第2の光混合室を備えることができ、混合室は前記ランプに対する均一な色及び強度の発光を促す。異なる形状のリン光体キャリア及びディフューザを有する以下の実施例にも同じことが言える。他の実施例では、追加の混合室を形成する追加のディフューザ及び/又はリン光体キャリアを備えることができ、またディフューザ及び/又はリン光体キャリアを異なる順序で配置構成することができる。
【0092】
本発明による異なるランプ実施例は、多くの異なる形状及びサイズを有することができる。
図31は、ランプ300に類似し、ヒート・シンク構造325内に光キャビティ322を同様に備え、光源324が光キャビティ322内のプラットフォーム326に実装されている、本発明によるランプ320の別の実施例を示している。上記のように、ヒート・シンク構造は、光キャビティを有している必要はなく、ヒート・シンク構造を超える他の構造上に光源を備えることができる。これらは、光源を有する平面状表面又は台を備えることができる。リン光体キャリア328は、熱的接続部を持つキャビティ開口部の上に実装される。ランプ320は、光キャビティの上に、ヒート・シンク構造325に実装されたディフューザ・ドーム330も備える。ディフューザ・ドームは、上で説明され、
図15に示されているディフューザ・ドーム310と同じ材料で作ることができるが、この実施例では、ドーム300は、リン光体キャリア328内のリン光体から色をそのままマスクしながら異なるランプ放射パターンをもたらすように長円形又は卵形である。また、ヒート・シンク構造325及びプラットフォーム326は熱的に減結合されていることに留意されたい。つまり、熱を放散するために熱経路を共有しないようにプラットフォーム326とヒート・シンク構造との間に空間があるということである。上述のように、これは、減結合された熱経路を有しないランプと比べてリン光体キャリアからの熱放散を改善することができる。ランプ300は、エジソン・ソケットに装着するためのネジ山付き部分332も備える。
【0093】
図32〜34は、
図31に示されているランプ320に類似する本発明によるランプ340の別の実施例を示している。これは、光源344がプラットフォーム346上に置かれている光キャビティと光キャビティの上に載るリン光体キャリア348を有するヒート・シンク構造345を備える。これは、ネジ山付き部分352をさらに備える。これはディフューザ・ドーム350も備えるが、この実施例では、ディフューザ・ドームは、頂部で平たくなっており、リン光体の色をそのままマスクしながら所望の放射パターンを生み出す。
【0094】
ランプ340は、光源344と光源344からのヒート・シンク構造345との間に界面層354も備える。いくつかの実施例では、界面層は、断熱材料を備えることができ、光源344は、放射体から光源の基板の縁に熱が放散するのを促進する特徴体を有することができる。これは、ヒート・シンク構造345の外縁への熱放散を促進することができ、熱はヒート・フィンを通して放散することができる。他の実施例では、界面層354は、ヒート・シンク構造345を光源344から電気的に絶縁する電気的絶縁性を有するものとしてよい。次いで、光源の上面に電気的接続を形成することができる。
【0095】
上記の実施例では、リン光体キャリアは、光源内のLEDが同一平面上にある二次元(又はフラット/平面)状のものである。しかし、他のランプ実施例では、リン光体キャリアは、異なる三次元形状を含む多くの異なる形状をとりうることは理解される。三次元という語は、上記の実施例に示されているように平面以外の形状を意味することが意図されている。
図35〜38は、本発明による三次元リン光体キャリアの異なる実施例を示しているが、これらは多くの他の形状もとりうることは理解される。上述のように、リン光体は光の吸収及び光の再放射を行うときに、光は等方的に再放射され、したがって、三次元リン光体キャリアは光源からの光を変換して、また分散する。上述のディフューザと同様に、三次元キャリア層の異なる形状は、光源の放射パターンに部分的に依存する異なる特性を有する放射パターンで光を放射することができる。次いで、所望のランプ放射パターンが得られるように、ディフューザとリン光体キャリアの放射との整合をとることができる。
【0096】
図35は、半球状キャリア355及びリン光体層356を備える半球形状リン光体キャリア354を示している。半球状キャリア355は、上述のキャリア層と同じ材料で作ることができ、またリン光体層は、上述のリン光体層と同じ材料で作ることができ、また散乱粒子は、上述のようにキャリア及びリン光体層内に含むことができる。
【0097】
この実施例では、リン光体層356は、キャリア355の外面上にあるように示されているけれども、リン光体層は、キャリアの内側の層上にあるか、又はキャリアと混ぜ合わされているか、又はこれら3つの任意の組み合わせとすることができることは理解される。いくつかの実施例では、外面上にリン光体層を有することによって、放射損失を最小限度に抑えることができる。放射体の光がリン光体層356によって吸収されると、光は全方向に放射され、光の一部は後方に放射され、LEDなどのランプ要素によって吸収されうる。リン光体層356は、リン光体層から前方に放射される光がキャリア355の内面から反射されて戻るように半球状キャリア355と異なる屈折率を有することもできる。この光は、ランプ要素による吸収のせいで失われる可能性もある。リン光体層356がキャリア355の外面上にあるので、前方に放射された光は、キャリア355を通過する必要はなく、反射に失われることはない。後方に放射された光は、キャリアの頂部に当たり、そこで、光の少なくとも一部が反射されて戻る。この配置構成の結果、光が吸収されうるキャリア内に放射されて戻るリン光体層356からの光が低減される。
【0098】
リン光体層356は、上述と同じ方法の多くを使用して塗装することができる。いくつかの場合において、キャリア355の三次元形状は、必要な被覆を行うために追加のステップ若しくは他のプロセスを必要とすることがある。上述のように溶剤−リン光体−結合剤混合物を噴霧し、キャリアを加熱することができる実施例では、おおよそ均一な被覆などの、キャリアへの所望の被覆を行うために複数の噴霧ノズルが必要になることがある。他の実施例では、所望の被覆を行うためにキャリアを回転させながら噴霧ノズルを使用することで、噴霧ノズルを減らせる。上記のように、キャリア355からの熱は、溶剤を蒸発させ、結合剤の硬化を助長することができる。
【0099】
さらに他の実施例では、リン光体層は、浸漬プロセスを通じて形成することができ、これにより、リン光体層は、キャリア355の内面若しくは外面上に形成されうるが、内面上に形成することに特に適用可能である。キャリア355は、キャリアの表面に接着するリン光体混合物で少なくとも部分的に充填されるか、又は他の何らかの形でキャリアの表面に接着するリン光体混合物と接触するものとしてよい。次いで、この混合物をキャリアから排出して、その後硬化されうる表面上のリン光体混合物の層を残すことができる。一実施例では、この混合物は、ポリエチレンオキシド(PEO)及びリン光体を含むものとしてよい。キャリアを充填し、次いで排出して、その後熱硬化されうるPEO−リン光体混合物の層を残すことができる。PEOは、蒸発するか、又は熱によって追い出され、リン光体層を残す。いくつかの実施例では、結合剤を塗布して、リン光体層をさらに固定することができるが、他の実施例では、リン光体は結合剤なしで残すこともできる。
【0100】
平面状キャリア層をコーティングするために使用されるプロセスと同様に、これらのプロセスを三次元キャリアにおいて使用し、同じ又は異なるリン光体材料を有することができる複数のリン光体層を施すことができる。このリン光体層は、キャリアの内側と外側の両方に施すこともでき、キャリアの異なる領域内に異なる厚さを有する異なる種類のものを有することができる。さらに他の実施例では、キャリアに熱形成されうるリン光体材料のシートでキャリアをコーティングするなどの異なるプロセスを使用することができる。
【0101】
キャリア355を使用するランプでは、放射体からの光が上に放射され、キャリア355を通過するように放射体をキャリアの基部に配置構成することができる。いくつかの実施例では、これらの放射体は、一般的ランベルト・パターンで光を放射することができ、キャリアは、光をより均一なパターンで分散させることを助けることができる。
【0102】
図36は、弾丸形キャリア358及びキャリアの外面上のリン光体層359を備える本発明による三次元リン光体キャリア357の別の実施例を示している。キャリア358及びリン光体層359は、上述と方法を使用して同じ材料で形成することができる。全体的な所望のランプ放射パターンを得るために、異なる形状のリン光体キャリアを異なる放射体とともに使用することができる。
図37は、球体形状のキャリア361及びキャリアの外面上のリン光体層362を備える本発明による三次元リン光体キャリア360のさらに別の実施例を示している。キャリア361及びリン光体層362は、上述と方法を使用して同じ材料で形成することができる。
【0103】
図38は、狭いネック部分365とともに一般的に球体形状のキャリア364を有する本発明によるさらに別の実施例のリン光体キャリア363を示している。上記の実施例と同様に、リン光体キャリア363は、上で説明されているのと同じ材料で作られ、同じ方法を使用して形成されたキャリア364の外面上にリン光体層366を備える。いくつかの実施例では、キャリア364に類似の形状を有するリン光体キャリアは、放射体の光及び光源からのランベルト・パターンの再放射光をより均一な放射パターンに変換することをより効率的に実行することができる。
【0104】
台座などのLEDを保持する三次元構造物を有する実施例は、三次元リン光体キャリアからなおいっそう分散された光パターンをもたらすことができる。これらの実施例では、LEDは、平面状LED光源に比べてランベルト性が低い発光パターンをもたらすように異なる角度でリン光体キャリア内に置くことができる。次いで、これは、三次元リン光体キャリアによってさらに分散され、ディスパーサがランプの放射パターンを微調整することができる。
【0105】
図39〜41は、ヒート・シンク構造372、光キャビティ374、光源376、ディフューザ・ドーム378、及びネジ山付き部分380を有する本発明によるランプ370の別の実施例を示している。この実施例は、熱伝導性透明材料及び1つのリン光体層を含む三次元リン光体キャリア382も備える。これは、熱的接続によりヒート・シンク構造372にも実装される。しかし、この実施例では、リン光体キャリア382は半球形状であり、放射体は、光源からの光がリン光体キャリア382を通過しそこで光の少なくとも一部が変換されるように配置構成される。
【0106】
三次元リン光体キャリア382の形状は、それと光源376との間に自然な分離をもたらす。したがって、光源376は、光キャビティを形成するヒート・シンク内の陥凹部内に装着されない。その代わりに、光源376はヒート・シンク構造372の上面に装着され、光キャビティ374がリン光体キャリア382とヒート・シンク構造372の頂部との間の空間によって形成される。
【0107】
光源376用の青色発光LD及び黄色リン光体を使用するランプ370の実施例では、リン光体キャリア382は黄色に見えることがあり、ディフューザ・ドーム378は、ランプ光を所望の放射パターンに分散させている間にこの色をマスクする。ランプ370では、プラットフォーム及びヒート・シンク構造に対する伝導経路が結合されるが、他の実施例では、これらは減結合されうることは理解される。
【0108】
図42は、上で説明されているようにヒート・シンク構造394上に装着された8個のLED光源392を備える本発明によるランプ390の一実施例を示している。放射体は、多くの異なる方法で結合されうるが、図示されている実施例では、直列に接続されている。しかし、放射体は、多くの異なる直列及び並列の相互接続方式の組み合わせで結合されうることは理解される。この実施例では、放射体は、光キャビティ内に装着されないが、その代わりに、ヒート・シンク394の頂部平面状表面に装着されることに留意されたい。
図43は、ドーム形リン光体キャリア396が光源392の上に装着されている
図42に示されているランプ390を示している。
図43に示されているランプ390は、
図44及び45に示されているようにディフューザ398と組み合わされ、ランプ分散光放射を形成することができる。
【0109】
図46〜49は、リン光体キャリアからの光がディフューザを通過するようにディフューザ398がリン光体の上に配置構成されているドーム形三次元リン光体キャリアを有する本発明によるランプ390に対する放射特性を示すグラフである。
図46及び47は、ディフューザなしのランプと比較したときの、さらに標準のGeneral Electric 60W Extra Soft Light Bulbと比較したときのランプの放射特性を示している。
図48及び49は、視野角度0から180°までの範囲の放射強度の変動を示している。
【0110】
図50〜53は、
図46〜49のグラフに類似しており、
図10に示されているようなディフューザ140がリン光体キャリアの上に配置構成されているドーム形三次元リン光体キャリアも有する本発明によるランプに対する放射特性を示している。
図54〜57は、
図46〜49のグラフに類似しており、
図11に示されているようなディフューザ150がリン光体キャリアの上に配置構成されているドーム形三次元リン光体キャリアも有する本発明による別のランプに対する放射特性を示している。同様に、
図58〜61は、
図46〜49のグラフに類似しており、
図12に示されているようなディフューザ160がリン光体キャリアの上に配置構成されているドーム形三次元リン光体キャリアも有する本発明による別のランプに対する放射特性を示している。
【0111】
図62は、上で説明され、
図42〜61に示されている、異なるランプ実施例に対する視野角度にわたる色の変化を示すCIE図を主に含んでいる。上述のように、ディフューザは、所望の放射パターンに応じて、また他のランプ・コンポーネントの配置構成に応じて、多くの異なる形状及びサイズをとりうる。一実例として、
図63は、ヒート・シンクの縁などを通して、リン光体キャリアの光の漏れが生じる実施例において使用されうるディフューザ400の別の実施例を示している。ディフューザ400の基部402は、これらの縁を通り過ぎる光を拡散することができる。
【0112】
図64〜66は、本発明によるランプ410のさらに別の実施例を示している。これは、上記の
図39〜41に示されているランプ370と同じ特徴の多くを備える。しかし、この実施例では、リン光体キャリア412は弾丸形状であり、上で説明されているリン光体キャリアの他の実施例と大部分同じ機能を有する。これらは、本発明の異なる実施例においてリン光体キャリアがとりうる異なる形状のうちのいくつかに過ぎないことは理解される。
【0113】
図67は、光源426及びリン光体キャリア428を有する光キャビティ424とともにヒート・シンク422も備える本発明によるランプ420の別の実施例を示している。ランプ420は、ディフューザ・ドーム430及びネジ山付き部分432も備える。しかし、この実施例では、光キャビティ424は、ヒート・シンク422から取り外し可能である
図68に示されているような分離したカラー構造434を備えることができる。これは、ヒート・シンク全体に比べて、反射材料によりコーティングしやすい分離した構成要素をなす。カラー構造434は、ヒート・シンク構造422内のネジ山と嵌合するようにねじ込むことができる。カラー構造434は、PCBをヒート・シンクに機械的にしっかり締め付けるという利点をさらにもたらしうる。他の実施例では、カラー構造434は、製造しやすいようにネジ山の代わりに機械的スナップ式デバイスを備えることができる。
【0114】
上述のように、三次元リン光体キャリアの形及び幾何学的形状は、放射体の放射パターンを別のより望ましい放射パターンに変換するのを補助することができる。一実施例では、これは、ランベルト放射パターンを異なる角度のより均一な放射パターンに変更するのに役立ちうる。次いで、ディスパーサは、リン光体キャリアからの光を最終的な所望の放射パターンにさらに変換することができ、それと同時に、光がオフにされたときにリン光体の黄色の外観をマスクすることができる。他の要因も、放射体、リン光体キャリア、及びディスパーサの組み合わせが所望の放射パターンを生成する能力に寄与しうる。
図69は、本発明による一ランプ実施例に対する放射体のフットプリント440、リン光体キャリアのフットプリント442、及びディスパーサのフットプリント444の一実施例を示している。リン光体キャリアのフットプリント442及びディスパーサのフットプリント444は、放射体440の周りのこれらの特徴体の両方の下側縁を示している。これらの特徴体の実際の形状を超えて、これらの特徴体の縁の間の距離D1及びD2も、リン光体キャリア及びディスパーサが所望の放射パターンをもたらす能力に影響を及ぼしうる。これらの特徴体の形状は縁の間の距離とともに、所望のランプ放射パターンが得られるように放射体の放射パターンに基づき最適化されうる。
【0115】
他の実施例において、光キャビティ全体などのランプの異なる部分を取り除くことができることは理解される。カラー構造414を取り外し可能にするこれらの特徴体を使用することで、光キャビティを反射層でコーティングすることが容易になり、また故障した場合も光キャビティの取り外し及び交換を行うことが可能になる。
【0116】
本発明によるランプは、異なる多数のLEDを備える光源を有することができ、いくつかの実施例では30個未満、他の実施例では20個未満を有する。さらに他の実施例では、10個未満のLEDを有することができ、ランプ光源のコスト及び複雑度はLEDチップが少ないほど低くなる。いくつかの実施例における複数チップの光源によって覆われる面積は、30mm
2未満であり、他の実施例では、20mm
2未満である。さらに他の実施例では、10mm
2未満とすることができる。本発明によるランプのいくつかの実施例では、400ルーメンを超える定常状態ルーメン出力も可能であり、また他の実施例では、600ルーメンを超える。さらに他の実施例では、ランプは、800ルーメンを超える定常状態ルーメン出力をもたらしうる。いくつかのランプ実施例では、このルーメン出力を、ランプを触れても比較的冷たいままに保てるランプの熱管理機能によって行うことができる。一実施例では、そのランプは触れてみると60℃未満のままであり、他の実施例では、触れてみると50℃未満のままである。さらに他の実施例では、ランプは触れてみると40℃未満のままである。
【0117】
本発明によるランプのいくつかの実施例は、40ルーメン/ワットを超える効率で動作することも可能であり、また他の実施例では、50ルーメン/ワットを超える効率で動作可能である。さらに他の実施例では、そのランプは、55ルーメン/ワットを超えて動作可能である。本発明によるランプのいくつかの実施例は、70を超える演色評価数(CRI)で光を発生することができ、他の実施例では、80を超えるCRIで光を発生することができる。さらに他の実施例では、ランプは、90を超えるCRIで動作可能である。本発明によるランプの一実施例は、80を超えるCRI、及び320ルーメン/光学ワット@3000K相関色温度(CCT)を超えるルーメン放射当量(lumen equivalent of radiation)(LER)でランプ発光を行うリン光体を有することができる。
【0118】
本発明によるランプは、0〜135°の視野角度における平均値の40%以内にある分布の光を放射することもでき、また他の実施例では、この分布は同じ視野角度における平均値の30%以内であるものとしてよい。さらに他の実施例は、Energy Star規格に準拠して同じ視野角度における平均値の20%の分布を有することができる。これらの実施例は、135〜180°の視野角度において全光束の5%を超える光を放射することもできる。
【0119】
上述のように、本発明によるディフューザは、所望のランプ放射パターンを得るためにランプ光源からの異なる量の光を散乱させ、伝送する異なる領域を有することができる。
図7及び9に示されているディフューザの形状をここでまた参照すると、無指向性の放射を得るために、ディフューザの異なる領域は、異なる散乱及び透過特性を持つ領域を有し得ることがわかる。
図70は、上側部分454と異なる散乱(反射)及び透過特性を有することができるディフューザの基部の下側部分452を持つディフューザ451を備える本発明によるランプ450の一実施例を示している。この実施例では、下側部分452は、これを通過する光の約20%を散乱若しくは反射し、約80%を透過する。上側部分454は、これを通過する光の80%を散乱若しくは反射し、約20%を透過する。
図71は、同一平面上の光源及び平面状若しくは二次元リン光体キャリアを伴う、ディフューザ451を備えるランプによって実現され得る改善されたランプ放射特性を示すグラフ460である。ネック部の幾何学的形状の透過性により、軸方向(〜0°)に放射される光に関して横向き(〜90°)に向き付けられた光の量が増加し得る。
【0120】
図72は、
図6に示されているディフューザ90に類似する形状を持つディフューザ472を有する本発明によるランプ470の別の実施例を示している。ディフューザの基部の下側部分474は、上側部分476と異なる散乱(反射)及び透過特性を有するものとしてよい。この実施例では、下側部分474は、これを通過する光の約20%を散乱若しくは反射し、約80%を透過する。上側部分476は、これを通過する光の80%を散乱若しくは反射し、約20%を透過する。
図73は、同一平面上の光源及び平面状若しくは二次元リン光体キャリアを伴う、ディフューザ472を備えるランプによって実現され得る改善された放射特性を示すグラフ480である。ディフューザ472の下側部分を透過する光の量を増やすことによって、平面(ランベルト)光をほぼ球面のディフューザと組み合わせたときにほぼ白熱灯に似た強度分布パターンを達成することが可能である。この分布は、例えば、下側部分474に塗装された散乱層の厚さが上側部分476に塗装された散乱層の厚さより小さくなるように、厚さ、散乱粒子密度、粒度、又は性質などを修正することによっても生成され得る。
【0121】
多くの異なるランプ実施例が、異なる要素を異なる仕方で配置構成されて上で説明されているが、本発明によるランプは、上で説明されている実施例を超える仕方で配置構成され得ることは理解される。
図74から77は、限定はしないが
図31に示されているランプ320を含む、上で説明されているランプの多くに類似する本発明によるランプ500の別の実施例を示している。これは、光キャビティのプラットフォーム508上に光源506が置かれている光キャビティ504を有するヒート・シンク構造502を備える。上記の実施例のように、これは、多くの異なる形状をとり得るが、図示されている実施例では球形である、リン光体キャリア510も備える。ランプ500は、図示されている実施例ではエジソン型ソケットと互換性のあるネジ山付き部分512をさらに備える。これは、内部ランプ本体部514も有し、光源506とヒート・シンク構造502との間に界面層(図示せず)を備える。これらの要素は、上で説明されている類似の特徴体の同じ特徴及び特性の多くを有することができるが、同じ方法を使用して製造され得る。
【0122】
ランプ500は、ディフューザ・ドーム516をさらに備えるが、この実施例では、ドームは、上で説明されているのと異なり、一般的に非対称の「スクワット」形を有する。「スクワット」という用語は、一般的に、幅520より小さい高さ518を有するドームを指す(
図76に示されているように)。このドーム形では、結果として、リン光体キャリア510と異なる配置にあるディフューザ・ドーム516との間の距離が異なることになる。例えば、ランプに対して視野角度0°で(つまり、直接上へ)リン光体キャリアから放射される光は、リン光体キャリアから90°で(つまり横方向に)放射される光と比較して小さな距離をディフューザ・ドームまで進行する。この結果、リン光体キャリア上のリン光体からディフューザ・ドームまでの距離は動的な距離となる。つまり、これは、放射角度に応じて変化するということである。
【0123】
このディフューザ・ドームの形状の結果、限定はしないが、以下のうちの一方又は両方を含む、いくつかの利点が得られる。
図3の上に示されているようにランプ500の高さを下げることでA19代替電球に対するサイズ仕様に容易に合わせることができるという機械的利点が得られる。それに加えて、上で説明されているように、ランプ500を米国エネルギー省(DOE)のEnergy Star放射特性に適合させることができる追加の利点も得られる。このドーム形状ではランプ500の側部の周りにディフューザ領域が大きく確保され、ランプ500から横方向に強度プロファイルを高めることができる。
【0124】
ディフューザ、リン光体キャリア、光源などのランプ特徴体は、多くの異なる形状及びサイズを有することができることは理解される。
図78は、光源536を保持する光キャビティ534とともにヒート・シンク532を備えるランプ530の別の実施例を示している。これは、エジソン・ネジ部538及びスクワット形のディフューザ・ドーム540をさらに備える。この実施例では、リン光体キャリア542は球形状ではなく、弾丸形状をとる。上記の実施例のように、この結果、リン光体キャリア上のリン光体からディフューザ・ドームまでの距離は上で説明されているように動的な距離となる。
【0125】
ディフューザ・ドームは、
図74から78に示されている形状を超える多くの異なる形状をとることができ、リン光体キャリアとディフューザ・ドームとの間に動的な関係を構成することができることは理解される。いくつかの実施例では、ディフューザ・ドームの形状は、所望のランプ・サイズ及び放射特性を得るためにリン光体キャリアの形状に少なくとも部分的に依存し得る。
図79から82は、本発明によるスクワット型ディフューザ・ドーム560の一実施例に対する寸法を示している。
【0126】
いくつかの場合において、均一なディフューザ・コーティングは、ディフューザ・ドーム上に内部的に塗装されようと外部的に塗装されようと、高い効率で(>85%)Energy Star Compliance(0°から135°までの範囲で最大/平均の比<20%及び最小/平均の比<20%)に適した所望の広範な放射強度プロファイルを効果的に生成することができない。これは、リン光体キャリアとディフューザ・ドームとの間の動的関係を構成するように整形されたディフューザを有する実施例であっても当てはまると思われる。
【0127】
上述のように(
図70から73などを参照)、本発明によるディフューザ・ドームは、所望のランプ放射パターンを生成するのを補助するために、ランプ光源からの異なる量の光を散乱させ、伝送する異なる領域を有することができる。このアプローチは、
図74から82に示されている異なる実施例にも適用可能である。いくつかの実施例では、異なる量の光を散乱し、伝送する異なる領域は、異なる領域において異なる量の拡散材料でディフューザ・ドームをコーティングすることによって構成され得る。これは、次いで、上で説明されているように改善された放射特性が得られるように光源の出力ビーム強度プロファイルを修正することができる。
【0128】
いくつかの実施例では、本発明は、ランプの所望の遠距離場強度プロファイルを生成するためにディフューザ要素(つまり、ディフューザ・ドーム)とディフューザ・コーティング散乱特性との組み合わせに頼ることができる。異なる実施例では、ディフューザの厚さ及び配置は、ディフューザ・ドームの幾何学的形状、光源の配置構成、及びリン光体キャリアから放射される光のパターンなどの異なる要因に依存し得る。
【0129】
一実施例では、ディフューザ・ドームは、二次元LED、LEDアレイ、平面リン光体変換層(flat phosphor conversion layer)、又は三次元リン光体キャリアの放射強度プロファイルを、A19白熱灯サイズ及び米国エネルギー省(DOE)のEnergy Star放射特性に関連するものなどのより広いビーム・プロファイルに変換するように配置構成され得る。これにより、従来の白熱電球に対するLEDベースの代替品を製造することが可能になる。
【0130】
部分的な、及び/又は不均一なコーティングは、白熱灯代替品に対し望ましく、均一な光強度分布に関してEnergy Star Complianceの条件を満たす広いビーム強度プロファイルを生成することがわかっている。不均一なコーティングには、ヒート・シンク及びディフューザの球体幾何学的形状に関係なくEnergy Star Complianceを達成する能力もあり得る。一般に、透明な、又は均一にコーティングされたディフューザ・ドームのいずれかに十分な、部分的コーティングを適切に配置することで、好ましい角度に合わせてディフューザ・ドームを通過する光子の散乱及び強度プロファイルを操作することができる。Energy Star Complianceの場合、好ましい配置構成では、高角度での放射強度が120°より大きくなるように光子の方向を再配向する。これらの配置構成では、安価な二次元光源を使用するランプを形成することができるが、それと同時にA19サイズ及びEnergy Star放射標準を満たす。これらの実施例の部分的コーティングは、ディフューザのある割合の部分を覆い、特異的明領域のみを有するコーティングとして存在することができるか、又はコーティングは、ディフューザの特定の領域にそって置かれるリング又はバンドとして配置され得る。
【0131】
図83は、表面の大半を覆う均一なコーティング582及びより拡散性の高い材料を有するより厚いバンドのコーティング584を有するディフューザ・ドーム580の一実施例を示している。図示されている実施例では、より厚いバンドのコーティング584は、特定の範囲の視野角度でディフューザ・ドーム580の周りに広がり、バンド・コーティング584はその特定の領域内でより多くの光が漏れるのを防ぎ、より高い又は低い角度で光を出す。
【0132】
図84は、典型的な白熱ランプ592、均一な拡散特性594を有するディフューザ・ドームを備えるLEDランプ、及びより拡散性の高い材料596を備えるバンド(又は領域)を有するディフューザ・ドームを備えるLEDランプに対する放射強度プロファイルを示すグラフ590である。プロファイル594は、均一なコーティングの低視野角度若しくは軸方向光強度が45°から105°までの範囲の角度における強度に比べて低いことを示している。次にプロファイル596を参照すると、45から105°までの間の強度は、軸方向の光の強度に比べて小さい。この強度のシフトの結果、光は、105°より大きい角度でより強い。プロファイル596は、不均一なコーティングを備えるランプは、白熱ランプと同等の、また場合によっては、白熱ランプよりよい、配光をもたらし得る。
【0133】
図85は、不均一なコーティング(つまり、より大きな光散乱又は拡散のあるバンド又は領域)を備えるディフューザを有するLEDランプに対する放射強度対視野角度曲線を示す、
図84に示されている放射プロファイル596のより近接した図を示している。
図86は、
図85に示されているプロファイルを発光するランプの性能と比較したEnergy Star Complianceデータをリストした表である。Energy Star Complianceに関連する要因の1つは、最小/平均の比である。均一なコーティングを備えるいくつかのランプは、最大26%に近い値に達し得る。比較により、
図86に示されている放射プロファイルは、17%程度の値を達成することができ、「20%より低い」要求条件に従う。この場合、45から105°までの範囲内である、ディフューザ・ドーム上の、又はディフューザ・ドーム内の正しい位置において追加の拡散材料を備えるバンド・コーティングの配置により、所望の広くなった放射プロファイルが得られる。
【0134】
上述のように、ディフューザ・ドーム上の多くの異なるバンド又は領域内に追加のディフューザを設けることができる。本発明の別の実施例は、複数の部分的コートを備えることができる不均一なコーティングを具備する。部分的コートは、本出願で説明されているどれかの方法を使用して施すことができ、この一方法はディフューザ・ドーム上へのスプレー・コーティングである。追加のディフューザの一コートは、約45から105°の視野角度範囲などで、ディフューザ球体の真ん中近くに塗装され得る。次いで、追加のディフューザの第2のコートは、0から約45°の視野角度を覆うようにディフューザ・ドームの頂部に塗装され得る。これらの組み合わされたコーティングは、0から105°までの間の光子の有意な部分をブロックし、より多くの光をより高い角度でディフューザ・ドームに通すことができる。次に、
図87を参照すると、この2つの部分からなるコーティングを有するディフューザ・ドームを有するランプの放射強度プロファイル600が典型的な白熱ランプからのプロファイル602の放射強度と比較されている。これらのプロファイルは、非常によく似ており、
図88の表610に示されているとおりであり、この2つの部分からなる不均一な構成により、Energy Star Complianceが達成される。
【0135】
いくつかの実施例の実験から、薄い第1のバンドの適用で、最小/平均の比のある程度の減少(例えば、30%から27%に)が生じることがわかったことに留意されたい。第1のバンドを厚くすることによって、さらに、この比は27%から24%により大きく下がった。実験を通して、追加のディフューザがディフューザ・ドームの頂部に適用された後(約0から45°までの範囲内で)、13から19%の最小/平均の比が得られることも判明した。これは、所望のランプ放射特性を生み出すために本発明により使用され得る多数の異なるディフューザ・バンド配置構成のうちの1つにすぎない。
【0136】
本発明によるディフューザの異なる実施例は、内面及び外面の方向にそって散乱特性を変化させることを含み得る。いくつかの実施例では、ディフューザは、変化する散乱特性を有する散乱フィルムを内側表面上に備える透明材料(基板)を具備することができる。他のものは、内面及び/又は外面上に散乱フィルムを有する透明球体を備えることができる。散乱フィルムは、使用されるフィルム/結合剤材料、散乱材料の種類、及びフィルム内の散乱材料の密度に少なくとも一部は依存する多くの異なる厚さを有することができる。いくつかの実施例では、透明球体は、0.1から1000ミクロンまでの範囲内の厚さの散乱フィルムを有することができ、このフィルムは球体の内部及び/又は外部にある。セルロース系結合剤を使用する実施例では、フィルムの厚さは、0.1から100ミクロンまでの範囲内であり、このフィルムは球体の内部及び/又は外部にある。セルロース系結合剤を使用するいくつかの実施例では、アルミナ系散乱粒子を、0.1から4.0ミクロンまでの範囲内の直径を有するいくつかの粒子とともに使用することができる。
【0137】
さらに他の実施例では、ディフューザは、透明球体を備えることができ、散乱フィルムは、メチル・シリコーン系結合剤を備えることができ、これらのフィルムは球体の内部及び/又は外部にある。これらの実施例におけるフィルムは、0.1から700ミクロンまでの範囲内の厚さとすることができ、また異なる材料から作られた散乱粒子を含むことができる。いくつかの実施例は、アルミナ散乱粒子を含むことができ、これらの実施例は0.1から4.0ミクロンまでの範囲内の平均粒子サイズを有する。
【0138】
これらのフィルムの厚さは、上で説明されているものより大きく、異なる結合剤及び粒子材料を使用することができる。説明されているように、ディフューザ・ドーム及びディフューザは、上で説明されている材料を備えることができ、また上で説明されている方法のどれかを使用して施すことができる。いくつかの実施例では、ディフューザの結合剤材料は、エチル・セルロース、ニトロセルロース、又はポリ(エチレン・オキシド)などの有機ポリマー、又はシリコーン若しくはポリケイ酸エチルなどの無機ポリマー系とすることができる。さらに他の実施例では、結合剤は、エナメルを含み得る。いくつかの実施例では、ディフューザは、アルミナ、シリカ、及びチタニアの散乱粒子を、0.1から1.0ミクロンまでの範囲内の粒子サイズを有するいくつかの実施例内に含み得る。いくつかの実施例では、ディフューザ球体材料は、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、又はポリカーボネート熱可塑性プラスチックとすることができる。他の実施例は、エチル・セルロース結合剤中に分散された直径約0.5から0.8ミクロンまでの範囲内のアルミナ粒子を含み得る。アルミナ粒子及びエチル・セルロースを含有する溶液に対する溶剤は、酢酸エチル、エチル・アルコール、イソプロピル・アルコール、エチレン・グリコール・モノエチル・エーテル・アセテート、及びフタル酸ジブチルとすることができる。上で説明されている範囲は、85%を超えるような、所望の放射効率を持つランプに適用可能である。層を厚くすると、その結果、ランプの放射効率が低下する可能性がある。
【0139】
図89は、上で説明されているようなスクワット型ディフューザ624の内側表面上に形成された、本発明による不均一な散乱フィルム622の一実施例に対する厚さ変動を示すグラフ620である。フィルム622の厚さは、異なる高さで測定されており、厚さ約21ミクロンから厚さ約200ミクロンまで、高さ10mmから高さ30mmまでの範囲内である。フィルムの厚さは、ディフューザの頂部のところで約44ミクロンである。これらの厚さは、ディフューザの形状、結合剤の材料、散乱粒子の種類など、上で説明されているような多くの要因に応じて変化し得ることは理解される。フィルムは、噴霧又はディッピングなどの本明細書で説明されている多くの異なる方法を使用してディフューザ上に形成され得ることも理解される。他の実施例では、このプロファイルは、比較的厚いディフューザに散乱粒子を含めて一体化させることによって実現することができる。次いで、ドームの一部を除去し、厚さが他よりあり、散乱特性が高い領域若しくはバンドを残すことができる。このディフューザ材料は、研削又はエッチングなどの多くの異なる方法を使用して除去することができる。
【0140】
グラフ620は、約30mmから40mmまでの範囲の高さからのより厚いディフューザ・フィルムのバンドを示しているが、バンドはディフューザのこの部分又はバンドを通過する光に対する高い散乱特性を有している。グラフは、底部の高さ10mmのところで約20ミクロン、頂部の高さ約47mmのところで約50ミクロンのフィルム厚も示している。このプロファイルの結果、ディフューザの異なる領域に対して厚さがいくつかの範囲内に収まる。底部の高さから頂部の高さまでについて、厚さの比は2〜5の範囲内に収まり得る。他の実施例では、厚さの比は1.5から10までの範囲内に収まり得るが、他の実施例では、これらの比はこの範囲から外れることもある。図示されている実施例では、底部の高さと頂部の高さとの厚さの比は、約2.5である。底部の高さとバンドとの間の厚さの比は、2〜30までの範囲内にあるものとしてよいか、又はこの範囲内のより小さな範囲内にある。図示されている実施例におけるこの比は、約20である。フィルム622では、その結合剤としてシリコーンを使用しており、セルロース系結合剤などの他の結合剤を使用すると、結果として、一般的にこれより薄い、又は厚いフィルムであってもこれらの比の範囲内に収まり得ることが理解される。
【0141】
図90から95は、本発明により異なる仕方で配置構成された異なるディフューザ層を有するディフューザ・ドームの異なる実施例を示している。これらは、例としてのみ取りあげられており、多くの異なる配置構成が本発明に従って実現され得ることは理解される。
【0142】
図90は、均一な外部ディフューザ・コーティング632、及び均一なコーティング632上の外部部分的コーティング634を有するディフューザ・ドーム630を示している。部分的コーティング634は、噴霧又は浸漬被覆などによって多くの異なる方法を使用して施すことができる。
図91は、均一な内部拡散コーティング642、及び噴霧若しくは浸漬被覆などの異なる方法を使用して施すことができる部分的外部コーティング644を備えるディフューザ・ドーム640を示している。
図92は、均一な外部コーティング652、及び部分的内部コーティング654を有するディフューザ・ドーム650を示している。
図93は、均一な外部コーティング662、及び厚さが可変である部分的内部コーティング664を有するディフューザ・ドーム660を示している。
図94は、厚さが可変である部分的内部コーティング672を有するクリアな、若しくは透明なディフューザ・ドーム670を示している。
図95は、全部又は一部において厚さが可変であり得る複数の内部コーティング682、684を有するクリアな、若しくは透明なディフューザ・ドーム680も示している。
【0143】
上記の説明の大部分はディフューザ・ドームの領域内で拡散特性を変化させることに主眼を置いているが、遠隔リン光体は、変換材料の濃度が異なる領域を有し得ることは理解される。これは、所望の放射プロファイル、さらには所望の光特性も生成することを補助することができる。いくつかの実施例では、遠隔リン光体は、頂部のところ又は頂部の周りに変換を増大させた材料を有することができるが、この増大は他の領域内にもあり得る。
【0144】
上で説明されている配置構成は、上で説明されている電球型を超える照明用途にも等しく適用可能であることは理解される。上記の特徴の全部又は一部は、面照明及び管型照明にも適用可能である。つまり、これらの異なる種類の照明では、異なる形状の遠隔変換材料及び異なる形状の遠隔ディフューザを使用することができる。上記の実施例の場合のように、遠隔ディフューザは、増大させた拡散特性を備える領域を有することができるか、又は所望の放射プロファイルを生成するのを助長する形状も有することができる。
【0145】
本発明によるランプ又は電球は、上で説明されている実施例を超える多くの異なる方法で配置構成され得ることは理解される。上記の実施例は、遠隔リン光体を参照しつつ説明されているが、代替的実施例はコンフォーマル・リン光体層を持つ少なくともいくつかのLEDを備えることができることは理解される。これは、異なる種類の放射体から異なる色の光を放射する光源を有するランプに特に適用可能であるものとしてよい。これらの実施例は、他の何らかの形で、上で説明されている特徴の一部又は前部を有することができる。
【0146】
図96から111は、本発明により配置構成された追加のランプ又は電球の実施例を示している。
図96は、ヒート・シンク752の頂面上に同一平面上のLED 754のアレイを有する平面状サブマウント又はヒート・シンク752を備えるランプ750の一実施例を示している。三次元又は非平面状リン光体キャリア756は、LED 754の上のヒート・シンク752に実装され、LED 754とリン光体キャリア756との間に空間が設けられている。ディフューザ758は、この2つの間の空間を設けてリン光体キャリア756の上に備えられている。ランプ750の要素及び
図97から111において以下で説明されている実施例は、同じ特性を有することができ、上記の実施例で説明されているランプ内の対応する要素と同じ仕方で加工され得る。この実施例では、リン光体キャリア756及びディフューザ758は本質的に球形であり、ディフューザ758がリン光体キャリア756をマスクしている。
【0147】
図97は、同一平面上にあるLED 764がヒート・シンク762に実装され、リン光体キャリア766がLED 764の上に、相隔てて並ぶ形で実装されている、サブマウント又はヒート・シンク762を有する本発明によるランプ760の別の実施例である。ディフューザ768は、リン光体キャリア766の上に、相隔てて並ぶ形で実装され、両方ともここでもまた本質的に球形である。この実施例では、ヒート・シンク762は、より大きな深さを有し、一実施例では、立方体の形状をとり得る。ディフューザ768は、ヒート・シンク762の側面に実装され、リン光体キャリア766は、ヒート・シンク762の頂面に実装される。
図98は、
図97のランプ760に示されているような類似のヒート・シンク772、同一平面上にあるLED 774、及びディフューザ778を有する本発明によるランプ770の別の実施例を示している。ヒート・シンク772の側面に実装されるリン光体キャリア776も、備えられている。
【0148】
図99は、
図96のランプ750に類似し、サブマウント又はヒート・シンク782を備え、リン光体キャリア786及びディフューザ788を備える、本発明によるランプ780の別の実施例を示している。これは、この実施例において、LED 784が同一平面上になく、また異なる方向に光を放射できるように角度付き表面を有する台789上に実装されたLED 784も備える。
図100は、立方体の形状のサブマウント又はヒート・シンク792、リン光体キャリア796、及びディフューザ798を有する本発明によるランプ790の別の実施例を示している。LED 794も含まれているが、この実施例では、これらはLED 794が異なる方向に発光するようにヒート・シンク792の側面上にある。LED 794が、ヒート・シンク792の他の表面上にもあり得ること、またリン光体796及びディフューザ798が、球形状又はチューブ形状などの他の多くの形状であってよいことは理解される。
【0149】
図101から103は、異なる用途に合わせて配置構成され得るランプの異なる実施例を示しており、これらの実施例は投光照明として配置構成される。
図101は、ランプの光に対して不透明である可能性があり、また反射性を有することができる、側面805を有するハウジング804の基部に実装された同一平面上にあるLED 802を有するランプ800の一実施例を示している。リン光体キャリア806は、LED 802の上に、相隔てて並ぶ形でハウジング804内に実装される。ディフューザ808は、リン光体キャリア806の上に、相隔てて並ぶ形でハウジングに実装される。
図102は、ランプ800に類似する本発明によるランプ810の別の実施例を示しているが、この実施例では、LED 812は、それらが同一平面上にないように台814上に実装される。
図103は、ランプ810に類似する本発明によるランプ820の別の実施例を示しているが、LED 824の上に実装された球形状のリン光体キャリア822を有している。
【0150】
異なる実施例は、多くの異なる配置構成及び形状を有することができ、
図104は、二次元ランプ・パネルを備えるランプ830の別の実施例を示している。LED 833は、不透明/反射側面835を有するハウジング834内に実装される。リン光体コンバータ836及びディフューザ838は、LED 833の上に、相隔てて並ぶ形でハウジング834に実装される。
図105は、二次元両面発光パネル/ボックスを備えるランプ840の別の実施例を示している。この実施例では、LED 842は、互いの方へ発光するボックスの対向する側部に実装することができる。リン光体キャリア844は、LED 842の縁にあるボックスの長さにそって延在し、ディフューザ846は、リン光体キャリア844から相隔てて並ぶ部分の外側のボックスの長さにそって延在する。
図106は、ランプ840に類似する本発明によるランプ850のさらに別の実施例を示しているが、この実施例では、これは裏面反射体852を有する二次元片面発光パネル/ボックスである。
【0151】
図107は、
図105に示されているランプ840に類似する本発明によるランプ860の別の実施例を示している。しかし、この実施例では、リン光体キャリア862及びディフューザ864はチューブ形状であり、LED 866の間のリン光体キャリアの長さに少なくとも部分的にそった導波路又は空気を備えることができる。
図108は、ランプ860に類似する本発明によるランプ870の別の実施例を示しており、これはチューブ形状のリン光体キャリア872及びディフューザ874を有する。この実施例において、ランプ870は、LED 878の間のリン光体キャリア872の長さに少なくとも部分的にそって延在する段階的抽出要素導波路876をさらに備える。
図109は、ランプ860にも類似する本発明によるランプ880の別の実施例を示しているが、この実施例では、チューブ形状のディフューザの一部は反射体882を備えることができる。
【0152】
図110は、二次元均一光放射パネルを備える本発明によるランプ890のさらに別の実施例を示している。同一平面上にあるLED 892のアレイが、キャビティ又は基板894の縁に実装される。リン光体キャリア896は、LED 892の上に、相隔てて並ぶ形で実装され、また複数のディフューザ層898が、リン光体キャリアの上に、相隔てて並ぶ形で実装される。基板894の底面は反射面を備えることができ、この配置構成では少なくとも一部は基板894に垂直な方向に発光するパネル光源を備える。
【0153】
図111は、上で説明されている実施例に類似する投光照明として配置構成され得るランプ900のさらに別の実施例を示している。ランプ900は、不透明な、又は反射する側面を持つハウジング902を備え、LED 904はこのハウジング902の基部に実装されている。ディフューザ906も、ハウジング 902に実装され、LED 904から相隔てて並ぶ。三次元導波路908は、LED 904とディフューザとの間のハウジング902内に備えられ、LED 904は導波路908内に光を放射する。導波路908の表面の少なくとも一部は、リン光体若しくはリン光体キャリア910によって覆われており、導波路を通過したLED光はリン光体908と相互作用し、変換される。
【0154】
本発明は、そのいくつかの好ましい構成に関して詳しく説明されているが、他の形態も可能である。したがって、本発明の精神及び範囲は、上述の形態に限定されるべきではない。