特許第5679154号(P5679154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5679154顆粒状ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5679154
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月4日
(54)【発明の名称】顆粒状ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C08K 5/527 20060101AFI20150212BHJP
   C08K 5/13 20060101ALI20150212BHJP
   C08K 5/098 20060101ALI20150212BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20150212BHJP
【FI】
   C08K5/527
   C08K5/13
   C08K5/098
   C08L23/00
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-81722(P2010-81722)
(22)【出願日】2010年3月31日
(65)【公開番号】特開2011-213808(P2011-213808A)
(43)【公開日】2011年10月27日
【審査請求日】2012年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100161458
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 淳郎
(72)【発明者】
【氏名】清水 伴紀
(72)【発明者】
【氏名】丹治 直子
(72)【発明者】
【氏名】酒井 敦史
【審査官】 河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−179056(JP,A)
【文献】 特開平06−091152(JP,A)
【文献】 特開2005−162867(JP,A)
【文献】 特開2003−313444(JP,A)
【文献】 特開2000−063595(JP,A)
【文献】 特開2001−123021(JP,A)
【文献】 特開2008−231143(JP,A)
【文献】 特開2002−332383(JP,A)
【文献】 特開2009−062417(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/039997(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 3/00 − 13/08
C08L 1/00 − 101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)、
(式中、R、R、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Xは直接結合、または、炭素原子数1〜4のアルキリデン基を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、または、アルミニウムを表し、nはMがアルカリ金属のときは1を、Mがアルカリ土類金属のときは2を、Mがアルミニウムのときは2または3を表し、mはMがアルカリ金属またはアルカリ土類金属のときは0を、Mがアルミニウムでnが2なら1を、nが3なら0を表す。)で表されるリン酸エステル塩化合物と、フェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを含有する顆粒状ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物であって、脂肪酸カルシウム塩の含有量が、該顆粒状ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物100質量部に対して1〜6質量部であることを特徴とする顆粒状ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物。
【請求項2】
前記一般式(I)のR、R、RおよびRが、第三ブチル基であり、Xがメチレン基であり、Mがアルカリ金属である請求項1記載の顆粒状ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物。
【請求項3】
前記一般式(I)で表されるリン酸エステル塩化合物及びフェノール系酸化防止剤の合計量が、50質量%以上含むものである請求項1記載の顆粒状ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物。
【請求項4】
ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物のポリオレフィン系樹脂への添加方法であって、
一般式(I)、
(式中、R、R、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Xは直接結合、または、炭素原子数1〜4のアルキリデン基を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、または、アルミニウムを表し、nはMがアルカリ金属のときは1を、Mがアルカリ土類金属のときは2を、Mがアルミニウムのときは2または3を表し、mはMがアルカリ金属またはアルカリ土類金属のときは0を、Mがアルミニウムでnが2なら1を、nが3なら0を表す。)で表されるリン酸エステル塩化合物と、フェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを含有するポリオレフィン系樹脂添加剤組成物を、
該ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物100質量部に対して脂肪酸カルシウム塩を1〜6質量部含有する顆粒状にしてポリオレフィン系樹脂に添加することを特徴とするポリオレフィン系樹脂添加剤組成物の樹脂への添加方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顆粒状樹脂添加剤組成物に関し、詳しくは、樹脂に配合した場合に、得られる樹脂組成物の物性を向上させることのできる顆粒状樹脂添加剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィンなどの合成樹脂は、単独では加工時・使用時の熱や紫外線により急速に劣化して使用に耐えないなどの問題点を有するため、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、造核剤、難燃剤、帯電防止剤などの種々の添加剤が配合されている。
【0003】
従来、これら添加剤は、樹脂への分散性に優れる粉末で添加されていたが、粉塵による製品汚染や作業者の健康への配慮から顆粒化やマスターバッチ化が求められるようになってきている。例えば、特許文献1や特許文献2には顆粒化方法が、特許文献3や特許文献4にはマスターバッチ化方法が提案されている。
【0004】
マスターバッチ化は粉塵対策には優れるものの、用いる樹脂の熱履歴が長くなることや用いる樹脂によって最終製品の物性が左右されやすい。特に、樹脂への相溶性に乏しい添加剤は高濃度でマスターバッチ化できないためマスターバッチに用いる樹脂が最終製品中に占める割合が高くなり、製品組成の設計が制約されるといった問題があった。一方、顆粒化品は樹脂成分を含まないか少量のみ含有するため、最終製品の組成や物性を任意に設定しやすい点で優れている。
【0005】
顆粒化にはバインダーを用いる方法もあるが、バインダーが樹脂物性に影響するため、必要な添加剤のみで顆粒化することが好ましい。一方、融点が200℃以下のフェノール系酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤を溶融させてバインダーとして機能させることで他の高融点の添加剤を顆粒化させることができる為、広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−179056号公報
【特許文献2】特開平06−091152号公報
【特許文献3】特開平09−157437号公報
【特許文献4】特開2009−062417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、樹脂組成物の機械強度や透明性の向上効果を示し、造核剤として用いられている芳香族リン酸エステル金属塩を、フェノール系酸化防止剤と混合して顆粒化しようとすると、滑性が乏しい為に顆粒化に困難を伴う場合があることや、顆粒を樹脂に配合する際に成形性が悪くなり曲げ弾性率などの機械強度が低下するといった問題があった。
【0008】
また、滑性を付与する為に、ポリオレフィン系樹脂用添加剤組成物ではステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸を用いることが通常行われているが、芳香族リン酸エステル金属塩をステアリン酸カルシウムの樹脂組成物における必要量と一緒に顆粒化すると性能が著しく低下して透明性や機械強度の向上効果が得られないという欠点があり、芳香族リン酸エステル金属塩とのステアリン酸カルシウムの組み合わせは顆粒化には適さないものであった。
【0009】
そこで本発明の目的は、芳香族リン酸エステル金属塩とフェノール系酸化防止剤を含有する顆粒状樹脂添加剤組成物であって、樹脂に配合した場合に得られる樹脂組成物の機械強度と透明性に優れる顆粒状樹脂添加剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、リン酸エステル塩化合物とフェノール系酸化防止剤を顆粒化するに際して、特定量の脂肪酸カルシウムを配合すると上記課題を解決しうることを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、一般式(I)、
(式中、R、R、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Xは直接結合、または、炭素原子数1〜4のアルキリデン基を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、または、アルミニウムを表し、nはMがアルカリ金属のときは1を、Mがアルカリ土類金属のときは2を、Mがアルミニウムのときは2または3を表し、mはMがアルカリ金属またはアルカリ土類金属のときは0を、Mがアルミニウムでnが2なら1を、nが3なら0を表す。)で表されるリン酸エステル塩化合物と、フェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを含有する顆粒状ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物であって、脂肪酸カルシウム塩の含有量が、該顆粒状ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物100質量部に対して1〜6質量部であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明のポリオレフィン系顆粒状樹脂添加剤組成物は、前記一般式(I)のR、R、RおよびRが、第三ブチル基であり、Xがメチレン基であり、Mがアルカリ金属であることが好ましい。
【0015】
本発明のポリオレフィン系樹脂添加剤組成物のポリオレフィン系樹脂への添加方法は、
ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物のポリオレフィン系樹脂への添加方法であって、
一般式(I)、
(式中、R、R、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Xは直接結合、または、炭素原子数1〜4のアルキリデン基を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、または、アルミニウムを表し、nはMがアルカリ金属のときは1を、Mがアルカリ土類金属のときは2を、Mがアルミニウムのときは2または3を表し、mはMがアルカリ金属またはアルカリ土類金属のときは0を、Mがアルミニウムでnが2なら1を、nが3なら0を表す。)で表されるリン酸エステル塩化合物と、フェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを含有するポリオレフィン系樹脂添加剤組成物を、
該ポリオレフィン系樹脂添加剤組成物100質量部に対して脂肪酸カルシウム塩を1〜6質量部含有する顆粒状にしてポリオレフィン系樹脂に添加することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、樹脂に配合した場合に得られる樹脂組成物の機械強度と透明性に優れる顆粒状樹脂添加剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に用いられる一般式(I)におけるR、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、または、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、第三ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチルなどが挙げられる。R、R、RおよびRはそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、同一の置換基を表すことが好ましい。
【0018】
本発明に用いられる一般式(I)におけるXで表される炭素原子数1〜4のアルキリデン基としては、メチレン、エチリデン、2,2−プロピリデン、1,1−ブチリデンなどが挙げられる。
【0019】
本発明に用いられる一般式(I)におけるMで表されるアルカリ金属としては、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができる。これらのうち、ナトリウムが好ましい。
【0020】
本発明に用いられる一般式(I)におけるMで表されるアルカリ土類金属としては、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等を挙げることができる。
【0021】
一般式(I)で表されるリン酸エステル塩化合物として、より具体的には、以下の化合物No.1〜No.4の化合物が挙げられる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
本発明に用いられるフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、2−メチル−4,6−ビス(オクチルチオメチル)フェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられる。テトラキス{3(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタンは融点が適度に高く、合成樹脂の安定化効果に優れるので特に好ましい。
【0027】
上記フェノール系酸化防止剤は、中間体を含め反応溶媒、触媒、反応温度、晶析方法などの製造条件、結晶形、融点、副生成物や触媒や溶媒の残存物などの不純物の含有量、赤外線吸収スペクトル、X線回折ピークなどは特に限定されず用いることができる。
【0028】
上記脂肪酸カルシウム塩としては、公知のものを特に制限無く使用することができる。例えば、ウンデシル酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、トリデシル酸カルシウム、ドデシル酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ペンタデシル酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム、ヘプタデシル酸カルシウム、アラキン酸カルシウム、モンタン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、リノール酸カルシウム、アラキドン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム等を挙げることができる。上記の内、ステアリン酸カルシウムが好ましい。
【0029】
本発明の顆粒状樹脂添加剤組成物は、製造に際しての混合装置や温度などの混合条件などは特に制限されず、ヘンシェルミキサーなど各種の混合装置を用いて樹脂添加剤を混合した後、ローラーコンパクター、ディスクペレッター、押出し機、その他の顆粒化装置により顆粒化することができる。
【0030】
本発明の顆粒状樹脂添加剤組成物は、必要に応じてリン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、他の造核剤、帯電防止剤、重金属不活性化剤、ハイドロタルサイト、赤外線吸収剤、防曇剤、防霧剤、充填剤、抗菌・抗カビ剤などの汎用の樹脂添加剤を含む組成で顆粒化してもよい。ただし、一般式(I)で表されるリン酸エステル塩化合物とフェノール系酸化防止剤の合計量が顆粒の50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。他の成分が多くなるとリン酸エステル塩化合物の透明性や物理強度の向上効果が低下したり、所望の透明性が得られる程度に配合すると、他の成分においては必要以上の添加量になって、コストが嵩むだけでなく、ブリードなどのトラブルを引き起こす原因にもなる。
【0031】
本発明の顆粒状樹脂添加剤組成物は、ポリオレフィン系樹脂、特に、ポリプロピレン系樹脂の透明性向上に特に有効であり、ポリオレフィン系樹脂用樹脂添加剤組成物として好適に用いることができる。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレンと他のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)少量(1〜10質量%)との共重合体、プロピレンとエチレンプロピレンとの共重合体(TPO)などが挙げられる。
【0032】
上記のポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂は、重合触媒・助触媒の種類や有無、立体規則性、平均分子量、分子量分布、特定の分子量成分の有無や比率、比重、粘度、各種溶媒への溶解度、伸び率、衝撃強度、結晶化度、X線回折、不飽和カルボン酸(マレイン酸、イタコン酸、フマル酸など)およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステルなど)や有機過酸化物またはエネルギー線の照射およびこれら処理の組合せによる変性・架橋処理の有無などによらず用いることができる。
【0033】
本発明の顆粒状樹脂添加剤組成物を配合するポリオレフィン系樹脂組成物には、使用条件や要求特性に応じてリン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、難燃剤、難燃助剤、他の造核剤、帯電防止剤、重金属不活性化剤、可塑剤、軟化剤、滑剤、ハイドロタルサイト、脂肪酸金属塩、顔料、赤外線吸収剤、防曇剤、防霧剤、充填剤、抗菌・抗カビ剤などの汎用の樹脂添加剤を別途添加することが好ましい。これらの添加剤を別途顆粒化して樹脂へ添加してもよい。
特に上記脂肪酸金属塩に関しては、本発明の顆粒状樹脂添加剤組成物中の脂肪酸カルシウム塩の含有量が、組成物100質量部に対して6質量部以下という少量である為に、顆粒状樹脂添加剤組成物を樹脂に配合した場合に触媒残渣の失活や成形時の滑性などが不足する可能性があり、そのような場合には別途顆粒化して樹脂へ配合することが好ましい。別途顆粒化して配合することで添加剤における粉塵対策を万全として、かつ、優れた透明性と物理強度を両立できる顆粒状樹脂添加剤組成物とすることができる。
脂肪酸金属塩を別途顆粒化して樹脂に配合することが好ましいという点について、その理由は必ずしも定かではないが、下記のように考えられる。本発明の顆粒状樹脂添加剤組成物において脂肪酸カルシウム塩の含有量が多すぎると上記式(I)で表されるリン酸エステル塩化合物が脂肪酸カルシウム塩に取り込まれる様な形となり、樹脂に配合した場合に透明性や樹脂強度の向上効果が阻害されてしまう。それに対して、脂肪酸金属塩を本発明の顆粒状樹脂添加剤組成物とは別途顆粒化して樹脂に配合した場合には、上記のような脂肪酸金属塩による取り込みが起こらず、上記リン酸エステル塩化合物の添加による効果が大きく阻害されることはない。
【0034】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイトなどがあげられる。
【0035】
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジパルミチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、テトラキス(3−ラウリルチオジプロピオン酸メチル)メタン、ビス(2−メチル−4−(アルキル(C〜C18の単独または混合)チオプロピオニルオキシ)−5−第三ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾールおよびその亜鉛塩などが挙げられる。
【0036】
紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類があげられる。
【0037】
ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物があげられる。
【0038】
難燃剤としては、デカブロモジフェニルエーテルやテトラブロモビスフェノールAなどのハロゲン系難燃剤、トリフェニルホスファイト、レゾルシノールやビスフェノールAなどの多価フェノールとフェノールや2,6−キシレノールなどの1価フェノールの縮合リン酸エステル;赤燐、リン酸メラミンなどの無機リン化合物;メラミンシアヌレートなどの含窒素難燃剤;水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの無機系難燃剤;酸化アンチモンや酸化ジルコニウムなどの難燃助剤;ポリテトラフルオロエチレンなどのドリップ防止剤などが用いられる。
【0039】
難燃助剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、(メタ)アクリル変性PTFEなどのフッ素樹脂やシリコン樹脂などが挙げられる。
【0040】
他の造核剤としては、安息香酸ナトリウム、アルミニウム−p−tert−ブチルベンゾエート、リチウム−p−tert−ブチルベンゾエート等の安息香酸類の金属塩;2,2−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)リン酸エステルナトリウムなどのリン酸エステル金属塩;ジベンジリデンソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(4−エチルベンジリデン)ソルビトール等の他のベンジリデンソルビトール類;グリセリン亜鉛等の金属アルコラート類;グルタミン酸亜鉛等のアミノ酸金属塩;ビシクロヘプタンジカルボン酸またはその塩などのビシクロ構造を有する脂肪族二塩基酸およびその金属塩、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸リチウムなどの芳香族スルホン酸金属塩などがあげられる。2,2−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)リン酸エステルナトリウムなどのリン酸エステル金属塩などの金属塩系化合物のように透明性だけでなく、ポリオレフィン系樹脂などの合成樹脂のガラス転移温度を向上する造核剤との併用は、本発明のみでは得られない効果が期待できるので好ましい。
【0041】
重金属不活性化剤としては、例えば、2−ヒドロキシベンズアミド−N−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルやドデカンジオイックアシッドビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]などが挙げられる。
【0042】
上記ハイドロタルサイト化合物としては、下記一般式(II)で表されるマグネシウム及びアルミニウム、またはマグネシウム、及びアルミニウムからなる複塩化合物が好ましく用いられ、また、結晶水を脱水したものであってもよい。
【0043】
Mgx1Znx2Al・(OH)2(x1+x2)+4・(CO1−y1/2・mHO (II)
(式中、x1、x2及びy1は各々下記式で表される条件を満足する数を示し、mは0または任意の整数を示す。
0≦x2/x1≦10、2≦x1+x2<20、0≦y1≦2)
【0044】
上記ハイドロタルサイト化合物は、天然物であってもよく、合成品であってもよい。該合成品の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特公平3−36839号公報、特開昭61−174270号公報、特開2001−164042号公報、特開2002−53722号公報等に記載の公知の合成方法を例示することができる。また、本発明においては、上記ハイドロタルサイト化合物は、その結晶構造、結晶粒子径等に制限されることなく使用することが可能である。また、原料中に含まれる鉄などの重金属分の残存量は精製コストが実用的な範囲で少ないことが好ましい。
【0045】
また、上記ハイドロタルサイト化合物としては、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックス等で被覆したものも使用できる。
【0046】
本発明の顆粒状樹脂添加剤組成物をポリオレフィン樹脂などの樹脂へ配合する方法や配合した樹脂組成物の成形方法、用途などは特に制限されず、押出成形、射出成形、ブロー、カレンダー、プレス成形、真空成形など公知の成形加工技術を用いて、フィルム、シート、成形品などとして、自動車の内外装材、家電製品、建築資材、包装資材、農業用資材、雑貨、医療用器具などに用いられ、使用形態は、単独または他の樹脂や金属などと直接または接着剤層を介して張り合わせるなどして用いることできる。
【0047】
本発明の樹脂添加剤組成物の樹脂への添加方法は、
一般式(I)、
(式中、R、R、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Xは直接結合、または、炭素原子数1〜4のアルキリデン基を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、または、アルミニウムを表し、nはMがアルカリ金属のときは1を、Mがアルカリ土類金属のときは2を、Mがアルミニウムのときは2または3を表し、mはMがアルカリ金属またはアルカリ土類金属のときは0を、Mがアルミニウムでnが2なら1を、nが3なら0を表す。)で表されるリン酸エステル塩化合物と、フェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを含有する樹脂添加剤組成物を、
該樹脂添加剤組成物100質量部に対して脂肪酸カルシウム塩を1〜6質量部含有する顆粒状にして樹脂に添加することを特徴とするものである。リン酸エステル塩化合物、フェノール系酸化防止剤、脂肪酸カルシウム塩は、それぞれ上記したものを用いることができる。
【実施例】
【0048】
化合物No.1、テトラキス{3(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタンおよびカルシウムステアレートを下記表1に記載の配合でヘンシェルミキサーを用いて3分間混合し、二軸押出し機(池貝(株)製PCM−30)にて130℃で顆粒にした。なお、表1の配合は質量部を表す。
【0049】
ホモポリプロピレン(MA3:日本ポリプロ(株)製:メルトフローインデックス=8〜10g/10分)100質量部に、表1に記載の各実施例、各比較例の顆粒0.5質量部を配合し、二軸押出し機(池貝(株)製PCM−30)にて230℃で押出してペレットとし、240℃で成形し、機械強度としてJIS K 7171に従って島津製作所(株)製曲げ試験機AG−ISを用いて曲げ弾性率を、透明性としてJIS K 7361−1に従って東洋精機製作所(株)製ヘイズ・ガード2を用いて霞度を測定した。結果を表1に示す。
【0050】
比較例5として、顆粒化せずに粉末として実施例1と同様の組成になるように配合したポリプロピレン樹脂組成物の曲げ強度および霞度を評価した。
【0051】
【表1】
*1:化合物No.1
(ADEKA STAB NA−11:株式会社ADEKA製)
*2:テトラキス{3(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン
(ADEKA STAB AO−60:株式会社ADEKA製)
*3:カルシウムステアレート
【0052】
実施例1、2と比較例2〜4との比較から顆粒化時のカルシウムステアレートの配合量を顆粒状樹脂添加剤組成物100質量部に対して1〜6質量部の範囲にすることで曲げ強度に優れたポリプロピレン組成物が得られることが確認できた。また、実施例1と比較例5の比較から少量配合において単純にポリプロピレンに添加するよりも顆粒化して配合したほうが性能に優れることが明らかとなった。
上記のように、本発明の脂肪酸カルシウム塩を顆粒状樹脂添加剤組成物100質量部に対して1〜6質量部の範囲で配合した場合に特異的な効果を示していることは明らかである。