特許第5679196号(P5679196)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5679196
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月4日
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/02 20060101AFI20150212BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20150212BHJP
   H01M 2/08 20060101ALI20150212BHJP
【FI】
   H01M2/02 K
   H01M2/06 K
   H01M2/08 K
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-136088(P2011-136088)
(22)【出願日】2011年6月20日
(65)【公開番号】特開2012-4122(P2012-4122A)
(43)【公開日】2012年1月5日
【審査請求日】2011年6月20日
(31)【優先権主張番号】61/357024
(32)【優先日】2010年6月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/085412
(32)【優先日】2011年4月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung SDI Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】安 昶範
【審査官】 宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−311713(JP,A)
【文献】 特開2005−116270(JP,A)
【文献】 特開2009−224218(JP,A)
【文献】 特開2002−343314(JP,A)
【文献】 特開2003−007264(JP,A)
【文献】 特開2000−182579(JP,A)
【文献】 特開平11−162421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/02− 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーと、第1空間及び第1表面部を持つ本体と、を含むケースと、
前記第1空間内に位置して電極組立体から外部へ延長された少なくとも一つの電極タップを含む電極組立体と、
前記カバーの一部分と接触して前記カバーと前記第1表面部とを接着するインターフェース部と、を備え、
前記インターフェース部は、厚さが前記カバーまたは前記ケースの第1表面部の厚さより厚く、前記ケースの第1表面部に位置する少なくとも一つの接着部材を含み、
前記少なくとも一つの接着部材は、第1層及び第2層を含む複数の層で形成され、前記第1層と前記第2層との間に介在するスペーサを含み、
前記スペーサは、金属またはエンジニアリングプラスチックで形成され、前記スペーサの厚さは前記電極組立体の厚さに相当し、
前記少なくとも一つの電極タップは、前記複数の層のうちの前記カバーと接触する層を通じて前記ケースの第1空間から外部へ延長され、
前記複数の層のうちの前記カバーと接触する層は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリアクリロナイトリルのうちいずれか一つ以上を含み、100μm〜200μmの厚さであることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記電極タップは、前記第1空間の外部へ延長され、前記接着部材の少なくとも一部分が前記電極タップと第1表面部との間に介在されたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記ケースは、内部樹脂層、外部樹脂層及びこれらの間に介在された金属層を持つラミネートに形成されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記内部樹脂層は接着層を含むことを特徴とする請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記内部樹脂層は、キャストポリプロピレンで形成されて、前記金属層はアルミニウム層を含み、
前記外部樹脂層は延伸ナイロンフィルムを含むことを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記少なくとも一つの接着部材は、第1層、第2層及び第3層を含み、前記第1層は前記カバーと接触して、前記第3層は前記ケースの第1表面部と接触することを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記第1層、第2層及び第3層は、同じ物質で形成されることを特徴とする請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第1層及び第2層は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリアクリロナイトリルのうちいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記スペーサは、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのうちいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記スペーサには、少なくとも一つの段差が形成されて、前記少なくとも一つの電極タップは少なくとも一つの段差を介して前記ケースの第1空間から外部へ延長されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記ケースの第1表面部は、前記第1空間を取り囲むように延長されたフランジを含み、前記第1空間は前記電極組立体を少なくとも部分的に収納する収納部を備えることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項12】
前記少なくとも一つの接着部材は、前記カバー及びフランジの間に介在されるように前記フランジ上に位置することを特徴とする請求項11に記載の二次電池。
【請求項13】
前記ケースの第1表面部は、平坦面を含み、前記第1空間は平坦面および少なくとも一つ以上の接着部材によって形成され、前記少なくとも一つの接着部材によって前記第1空間の深みが決定されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項14】
前記接着部材の少なくとも一部分は少なくとも一つの電極タップと直接接触されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電極組立体に備えられる電極タップは、パウチ型ケースとの短絡を防止するために絶縁テープが付着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】大韓民国特許出願公開第2004−0014351号公報
【特許文献2】大韓民国特許出願公開第2009−0076280号公報
【特許文献3】大韓民国特許出願公開第2009−0076281号公報
【特許文献4】特開2007−123003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような二次電池において、前記電極タップに付着する絶縁テープは、前記ケースとの密封を邪魔して電解液の漏出を誘発することがありえる。したがって、本発明は上記問題を鑑みてなされたものであって、その目的は、電極タップに絶縁テープを使わずに、前記電極タップとパウチ型ケースと短絡が発生しない二次電池を提供することである。
【0005】
また、本発明の他の目的は、電解液の漏出などを防止することができる二次電池を提供することである。
【0006】
また、本発明の他の目的は、パウチ型ケースに内蔵する電極組立体の厚さを多様に変化させて大容量の二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一実施例によるパウチ型二次電池は、互いに異なる極性を持つ二つの電極にそれぞれ連結された電極タップを備える電極組立体と、前記電極タップが外部に引き出される状態で前記電極組立体を収納するケースと、前記ケースを接着するための接着部材とを含み、前記接着部材は前記ケースが接着される部位に備えられる。
【0008】
即ち、本開示によれば、カバーと、第1空間及び第1表面部を持つ本体と、を含むケースと、前記第1空間内に位置して電極組立体から外部へ延長された少なくとも一つの電極タップを含む電極組立体と、前記カバーの一部分と接触して前記カバーと前記第1表面部とを接着するインターフェース部と、を備え、前記インターフェース部は、前記ケースの第1表面部に位置する少なくとも一つの接着部材を含むことを特徴とする二次電池が提供される。
【0009】
また、前記ケースは内部樹脂層、金属層及び外部樹脂層を含む直放型ラミネート(Laminate)シートである。また、前記内部樹脂層は接着層をさらに含むことができる。
【0010】
前記接着部材は、前記ケースが接着される部分のみに備えることができる。
【0011】
また、前記接着部材は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリアクリルロナイトリルのうちいずれか一つ以上で形成されうる。
【0012】
また、前記接着部材の厚さは100μmないし200μmであることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の他の実施例によるパウチ型二次電池は、互いに異なる極性を持つ二つの電極にそれぞれ連結された電極タップを備える電極組立体と、前記電極タップが外部に引き出される状態で前記電極組立体を収納するケースを含み、前記ケースが接着される部位に一つ以上の層で構成された接着部材が備えられる。
【0014】
また、前記接着部材は一つ以上の層で構成されうる。この際、前記接着部材は第1、第2及び第3接着部材を含む。前記第1接着部材は前記電極タップと接触する部分でポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリアクリロナイトリルのうちいずれか一つ以上で形成されることが好ましい。
【0015】
また、前記第1接着部材は厚さが100μmないし200μmである仕事ことがある。
【0016】
前記第2接着部材は前記第1及び第3接着部材の間に存在することで、例えばCPPキャストポリプロピレンフィルムでなりうる。
【0017】
前記第3接着部材は前記第2接着部材と前記ケースの間に存在することで、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタルレートまたはポルリアクリルロナイトリルのうちいずれか一つ一つ以上で形成されうる。
【0018】
本発明の他の実施例によるパウチ型二次電池は互いに異なる極性を持つ二つの電極にそれぞれ連結された電極タップを備える電極組立体と、前記電極タップが外部に引き出しされる状態で前記電極組立体を収納するケースを含み、前記ケースが接着される部位に第1及び第2接着部材と前記接着部材の間にスペーサを含む接着部材が備えられる。
【0019】
前記第1接着部材は前記電極タップと接触する部分でポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタルレートまたはポルリアクリルロナイトリルのうちいずれか一つ以上で形成されることが好ましい。前記第1接着部材は厚さが100μmないし200μmにすることができる。
【0020】
また、前記スペーサは金属やエンジニアリングプラスチックで形成することができる。好ましくは、前記金属はアルミニウム、ステンレススチール、ニッケルを含む。また、前記エンジニアリングプラスチックは、ポリカーボネート(Polycarbonate)、ナイロン(Nylon)、ポリアミド(Polyamide)、ポリエステル樹脂(Polybutyleneterephthalate;PBT、Polyethylene terephthalate;PET)を含むことができる。
【0021】
また、前記スペーサは二つの段差をさらに含むことができる。前記段差は互いに離隔されて存在することが好ましい。
【0022】
また、前記第2接着部材は前記スペーサと前記ケースとの間に存在することで、例えばCPP、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリアクリロナイトリルのうちいずれか一つ以上で形成される。また、前記接着部材の少なくとも一部分は、少なくとも一つの電極タップと直接接触されうる。
【0023】
さらに本発明の他の好ましい実施例では、カバーおよび第1空間が具備される第1表面部と前記第1表面部を持つ本体を含むケースを含むパウチ型二次電池に関し、前記ケースは第1表面部を具備し、前記ケースは第1厚さを持つパウチ型二次電池を含むことができる。
【0024】
本実施例において、本発明はまた前記第1空間内に位置する電極組立体で、前記電極組立体は前記電極組立体から外部へ延長された少なくとも一つの電極タップを含むことができる。
【0025】
また、本実施例において、本発明は前記カバーの一部分と接触して前記カバーとケースの第1表面部を接着するインターフェース部(Interface portion)を備えるように、前記ケースの第1表面部に位置する少なくとも一つの接着部材を含むパウチ型二次電池を含むことができ、前記少なくとも一つの接着部材は前記接着部材の厚さによって第1厚さから離隔された第1空間の周辺部に対して、前記インターフェース部の厚さを実質的に増加させることができる。
【0026】
さらに、本発明の他の実施例において、本発明は周辺に沿って少なくとも部分的に取り囲まれた第1空間を備えるケースで、前記ケースはカバーを含み、前記ケースは第1表面部を具備して、前記ケースは第1厚さを持つパウチ型二次電池を含むことができる。
【0027】
また、本実施例において、本発明はまた前記第1空間内に位置する電極組立体をさらに含むことができ、前記電極組立体は前記電極組立体から外部へ延長された少なくとも一つの電極タップを含むことができる。
【0028】
また、本実施例において、本発明は第1空間の周辺に対して第1厚さで実質的に接触するインターフェース部を備えるように前記ケースの第1表面部上に位置する少なくとも一つの接着部材をさらに含むことができ、前記少なくとも一つの電極タップは前記電極タップと第1表面部との間に介在される接着部材の少なくとも一部分を持つ前記ケースの第1空間から外側へ延長されて、前記接着部材の少なくとも一部分は前記少なくとも一つの電極タップと前記少なくとも一つの接着部材とを直接接触させるために前記ケースから少なくとも一つの電極タップを充分に絶縁させることができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明による二次電池を構成する電極組立体の電極タップには絶縁テープが付着されていない。したがって、前記二次電池は絶縁テープ及び絶縁テープ付着の工程が不要なのでコストを減少させることができる。
【0030】
また、本発明による二次電池はパウチ型二次電池で、前記二次電池のケースが接着される部分に絶縁テープが存在しない。したがって、前記二次電池の接着程図を高めることができるので、電解液の漏出などを防止することができるという効果がある。
【0031】
また、本発明による二次電池を構成するケースにおいて、前記ケースの内部に存在する電極組立体収納部はスペーサを含む接着部材によって形成されうる。したがって、前記ケースには収納部を形成するためのディップドローイング工程を必要としないので、コストを低減することができる。また、前記ディップドローイング工程による電極組立体収納部の大きさの制限から自由である。これによって、前記電極組立体の厚さを多様に変化させることができるので、特に、大容量の二次電池を製造するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本実施例によるパウチ型二次電池の斜視図である。
図2図1に示した二次電池の分解図である。
図3図2のAを拡大した図面である。
図4】本実施例によるパウチ型二次電池の斜視図である。
図5図4に示した二次電池の分解図である。
図6図6図5のBを拡大した図面である。
図7】本実施例によるパウチ型二次電池の斜視図である。
図8図7に示した二次電池の分解図である。
図9図8のCを拡大した図面である。
図10】本実施例によるパウチ型二次電池の斜視図である。
図11図10に示した二次電池の分解図である。
図12図12図11のDを拡大した図面である。
図13図13は本実施例によるパウチ型二次電池の全面を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0034】
以下、添付された図面を参照して本発明に他の実施例の構成及び作用を詳しく説明する。図1は、本実施例によるパウチ型二次電池の斜視図で、図2図1に示した二次電池の分解図であり、図3図2のAを拡大した図面である。
【0035】
以下、図1ないし図3を参照して本発明の一実施例によるパウチ型二次電池に対して説明する。本実施例によるパウチ型二次電池100は、周辺に沿って少なくとも部分的に取り囲まれた第1空間を備えるケース110で、前記ケース110はカバー120と、第1表面部及び第1空間を含む本体130とを備えることができる。
【0036】
また、前記第1空間を含む収納部130a内に位置する前記電極組立体10は、前記電極組立体10から外部へ延長された少なくとも一つの電極タップ20、30を含み、前記カバー120の一部分と接触して前記カバー120とケース110の第1表面部を接着するインターフェース部を備えるように前記ケース110の第1表面部に位置する少なくとも一つの接着部材150を含むことができる。即ち、インターフェース部は、接着部材150を備える。
【0037】
図1及び図2を参照すれば、本実施例によるパウチ型二次電池100は、電極組立体10と前記電極組立体10とを収納するパウチ型ケース110及び前記パウチ型ケース110を密封するための接着部材150を含む。前記ケース110にはケース110を密封するために接着部材150が備えられる接着部140が存在する。例えば、前記接着部140はフランジを含むことができる。
【0038】
まず、電極組立体10を見れば、前記電極組立体10は第1極板及び第2極板と、前記極板らの間に介在されるセパレーターを巻取して形成される。第1極板には第1電極タップ20が付着され、第2極板には第2電極タップ30が付着される。前記極板らに付着された第1及び第2電極タップ20、30によって、前記電極組立体10は外部と電気的に連結される。以下では、便宜上前記第1極板は陽極板とし、前記第2極板は陰極板とする。
【0039】
前記陽極板は、陽極活物質層と無地部とを含む。前記陽極活物質層は陽極集電体の両面あるいは断面に陽極活物質が塗布された部分であり、前記無地部は前記陽極集電体に陽極活物質が塗布されない部分である。
【0040】
一般に、陽極集電体は高い導電性を持つ物質であり、化学的変化を誘発しないものであれば特に制限されない。例えば、前記陽極集電体はアルミニウム、ニッケル、チタン、焼性炭素などが使用可能である。陽極活物質層はリチウムを含む層状化合物である陽極活物質と、伝導性を高める導電材と、前記層状化合物と導電材との間の結合力を高めるバインダーとを含む。陽極活物質層は前記陽極活物質と導電材及びバインダーを溶媒とともに混合してスラリ形態で作った後、前記スラリを陽極集電体に塗布することで形成される。望ましくは、溶媒としてははNMP(N−Methyl−2−Pyrrolidone)、陽極活物質としてはリチウムコバルト酸化物(LiCoO)、導電材としてはアセチレンブラック、バインダーとしてはポリフッ化ビニリデンを使用することができるが、これに制限されるのではない。
【0041】
前記陰極板は陰極活物質層と無地部とを含む。前記陰極活物質層は陰極集電体の両面あるいは断面に陰極活物質が塗布された部分で、前記無地部は前記陰極集電体に陰極活物質が塗布されない部分である。
【0042】
一般に、陰極集電体は伝導性金属板で、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケルなどで形成されうる。陰極活物質層は、陰極活物質及び前記陰極活物質の結合力を高めるバインダーを溶媒と混合してスラリ形態で作った後、前記スラリを陰極集電体に塗布して形成される。望ましくは、溶媒としては NMP(N−Methyl−2−Pyrrolidone)、陰極活物質では黒鉛、バインダーとしてはポリフッ化ビニリデンを使用することができるが、これに制限されるのではない。
【0043】
このように、前記陰極活物質として黒鉛が使用される場合には、前記陰極板に対応する陽極板は陰極板に比べて小さな面積で形成することができる。一方、前記陰極活物質121として錫酸化物SnOまたはリチウムチタン酸化物LTOが使用され場合には、前記陰極板に対応する陽極板が陰極板に比べて大きい面積で形成されうる。
【0044】
セパレーターは、前記陽極板及び陰極板との間に介在される。前記セパレーターはイオンの通路になると同時に陽極板と陰極板が直接接触することを防止する。したがって、セパレーターは高いイオン透過度と機械的強度を持つ絶縁性の薄い薄膜である。例えば、前記セパレーターとしてはポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリフッ化ビニリデンを含む多孔質フィルムや不織布などを取りあげることができる。
【0045】
電極組立体10は、前記陽極板及び陰極板をその間にセパレーターを介在して取り巻くことで形成される。このように巻き取られた電極組立体10を電解液とともにパウチケース110に収納させて、前記パウチケース110を密封させることで二次電池100が形成される。
【0046】
また、前記電極組立体10は第1電極タップ20及び第2電極タップ30を含む。前記電極タップ20、30はそれぞれ陽極板及び陰極板の無地部に付着する。前記第1及び第2電極タップ20、30はニッケルまたはアルミニウムなどで形成することができる。また、前記電極タップ20、30は超音波溶接、抵抗溶接及びレーザー溶接の中でいずれか一つ以上の方式によって前記極板に付着する。本発明のようなパウチ型二次電池100で、前記第1及び第2電極タップ20、30はパウチ型ケース110の接着部140を介して前記ケース110の外部に露出される。したがって、前記極板に付着された第1及び第2電極タップ20、30によって、前記電極組立体10は外部と電気的に連結される。
【0047】
本発明による二次電池100において、前記電極組立体10を収納するパウチ型ケース110は、カバー120と本体130で構成される。前記パウチ型ケース110の本体130には電極組立体10を収納する空間である収納部130aと、前記収納部130aの入口側に外方へ拡張されて形成された接着部140がある。前記収納部130aは一体で形成される直放型ラミネートシートをディップドローイング(Deep drawing)工程によって形成させることができる。前記カバー120は接着部140の一側辺と一体で連結されて形成される。二次電池100は電極組立体10を本体130の収納部130aに配置させた後、本体130とカバー120を密着させた状態で接着部140を熱接着して製作する。したがって、前記少なくとも一つの電極タップ20、30は前記電極タップ20、30と本体130である第1表面部の間に介在される接着部材150の少なくとも一部分を持つ前記ケース110の収納部130aである第1空間から外部へ延長されうる。
【0048】
前記パウチ型ケース110を構成するラミネートシートは、内部樹脂層、金属層及び外部樹脂層を含む。一般的に金属層は、アルミニウム薄膜であり、前記アルミニウム薄膜の上面と下面にはナイロン、ポリプロピレンやポリエチレンなどの合成樹脂で覆われている。したがって、前記ラミネートシートは金属層と内部樹脂層及び外部樹脂層を含む積層構造で構成される。また、内部樹脂層は前記ケース110を密封するために熱接着性樹脂でなる。したがって、前記ケース110は内部樹脂層、特に接着部を加熱、加圧して密封される。
【0049】
一般に、パウチ型二次電池を構成する電極タップには絶縁テープがたびたび付着されている。一方、本実施例による二次電池を構成する電極組立体10には電極タップ20、30に絶縁テープが付着されていない。
【0050】
絶縁テープは、パウチ型ケース110を密封させる時、前記ラミネートシートの金属層と電極タップ20、30の間に互いに接触して短絡されることを防止または予防するためである。しかし、前記絶縁テープはパウチ型ケース110のカバー120と接着部140が接着されるのを妨害する。したがって、前記絶縁テープの存在によって前記パウチ型ケース110の接着が不完全になることがあり、外部から湿気が侵入したりまたは内部の電解液が外部へ流出される経路が形成されることが有り得る。以下、これを詳細に調べて見る。
【0051】
パウチ型ケース110は、その内部に電極組立体10及び電解液を収納させた後、熱接着などの方式を利用して密封される。具体的に、前記パウチ型ケース110の接着部140と前記接着部140と接するカバー120を別途の圧着ジグを利用して圧着しつつ、一定の温度以上に加熱する。ところが、前記接着部140を介して外部へ露出される電極タップ20、30は、前記ケース110を熱接着過程で要求される温度及び圧力の制御を妨害する。また、前記電極タップ20、30と前記電極タップ20、30に付着されている絶縁テープの厚さによって不均一な圧力を受ける。すなわち、前記接着部140において、電極タップ20、30の存在する部位は前記熱接着温度より高い温度及び高い圧力を受ける。特に、接着部140で前記電極タップ20、30が存在する部位に温度と圧力が集中される。したがって、前記電極タップ20、30に付着されている絶縁テープが損傷しやすい。
【0052】
前記絶縁テープが損傷される場合、前記電極タップ20、30とパウチ型ケース110を構成する金属層が接触して短絡などが発生しえる。特に、前記電極タップ20、30が前記金属層と同じ種類の金属でない場合、前記絶縁テープの損傷をさらに増加させる。このように、一般的に電極タップ20、30に付着する絶縁テープでは二次電池100の安全性を充分に保障することができないという問題を持つ。しかし、本発明による二次電池は絶縁テープを使用せず、電極タップとケースとの短絡の危険を防止することができ、パウチ型ケース110の密封強度をも向上するのである。
【0053】
図1及び図3を参照すれば、本実施例による二次電池100の第1及び第2電極タップ20、30には絶縁テープが付着されていない。また、本実施例による二次電池100のケース110は収納部130aと接着部140に別途の接着部材150をさらに含む。前記接着部材150は、前記ケース110が接着される部分、すなわち接着部140のみに形成される。
【0054】
前述したように、ケース110は内部樹脂層110a、金属層110b及び外部樹脂層110cからなる。内部樹脂層110aは、電極組立体10を収納させた状態で加えられる熱と圧力によって熱接着される層であり、主にCPP(キャストポリプロピレン、無延伸ポリプロピレンフィルム)からなる。また、前記内部樹脂層110aは接着層をさらに含むことができる。前記接着層は金属層110bに対する内部樹脂層110aの低い接着力を補う役目をする。金属層110bは空気、湿気などが電池の内部に流入されることを防止する層で、主にアルミニウムが使用される。外部樹脂層110cは外部から電池を保護する役目をするので、厚さに対比して優秀な引張強度と耐候性などが要求される。前記外部樹脂層としては、例えば延伸ナイロンフィルムなどが使用可能である。
【0055】
接着部材150は、別に製作されて、前記ケース110の接着部140の上面である前記内部樹脂層110aに備えられる。すなわち、前記接着部140の上面には別途の接着部材150が備えられるようになる。したがって、前記ケース110で接着される部分である接着部140は、その他の部位との厚さが異なるようになる。例えば、前記接着部140はインターフェース部を備えることができる。すなわち、前記インターフェース部を含む前記接着部140は別途の接着部材150が備えられることで、前記ケース110の接着部140は接着部材150が持つ厚さほどさらに厚くなる。したがって、前記接着部140の厚さは前記カバー120または、ケース110で接着部材150が備えられる部分である第1表面部の厚さより厚いことがある。前記接着部材150はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリアクリロナイトリルのうちいずれか一つ以上を選択して形成することができる。
【0056】
また、接着部材150の厚さは100μmないし200μmで形成されうる。前記接着部材150の厚さが100μmより薄ければ、接着過程や熱接着過程で前記接着部材150が損傷されやすい。したがって、接着部位の損傷された部分で通電されるなどの問題が発生しえる。また、接着部材150の厚さが200μmより厚ければ、ケース110の密封を阻害することが有り得る。
【0057】
図2を参照すれば、接着部材150を含むパウチ型ケース110を利用して二次電池100を製造する場合、前記電極組立体10の第1及び第2電極タップ20、30には絶縁テープが具備されなくても短絡などの問題が発生しない。図面に示したように、前記電極組立体10の第1及び第2電極タップ20、30は前記ケース110の接着部140を介して外部に露出される。前記ケース110は接着部140を高温で加圧して接着される。
【0058】
このような熱接着過程で、本実施例による二次電池100は前記電極タップ20、30と絶縁テープが付着されていなくとも前記ケース110との短絡などが発生しない。また、前記接着部材150によってケース110の接着部140が均一に接着されることで、前記ケース110の密封強度を高める。前述したように、前記接着部材150はパウチ型ケース110の接着部140とは別に製作されて前記接着部140に付着させる。
【0059】
図4は本実施例によるパウチ型二次電池の斜視図で、図5図4に示した二次電池の分解図であり、図6図5のBを拡大した図面である。
【0060】
以下、図4ないし図6を参照して本発明の他の実施例によるパウチ型二次電池について説明する。図4及び図5を参照すれば、本実施例によるパウチ型二次電池200は電極組立体10と前記電極組立体10を収納するパウチ型ケース210及び前記パウチ型ケース210を密封するための複数の層で構成された接着部材250を含む。前記ケース210には接着部材250が備えられる接着部240が存在する。
【0061】
前記電極組立体10は、陽極板及び陰極板と、前記極板の間に介在されるセパレーターを巻き取って形成される。陽極板は第1電極タップ20が付着され、陰極板には第2電極タップ30が付着される。前記極板らに付着された第1及び第2電極タップ20、30によって、前記電極組立体10は外部と電気的に連結される。前述したように、前記電極タップ20、30には絶縁テープが付着されていない。前記内容以外の本実施例による二次電池200を構成する電極組立体10の構成及び作用は、図1ないし図3を構成する電極組立体10と同一であるため、詳しい説明は略する。
【0062】
本実施例による二次電池200において、前記電極組立体10を収納するパウチ型ケース210は、カバー220本体230で構成される。前記パウチ型ケース210の本体230には電極組立体10を収納する空間である収納部230aと、前記収納部230aの入口側に外方へ拡張されて形成された接着部240がある。前記収納部230aは一体で形成される直放型ラミネートシートをディップドローイング加工などによって形成する。前記カバー220は、接着部240の一側辺と一体で連結されて形成される。
【0063】
本実施例による二次電池200は電極組立体10を本体230の収納部230aに配置させた後、本体230とカバー220を密着させた状態で前記接着部材250が具備されている接着部240を熱接着して製作される。前述したように、ケース210は外部樹脂層210a、金属層210b及び内部樹脂層210cからなる。内部樹脂層210aは主にCPPでなるが、接着力を補うために接着層をさらに含むことができる。金属層210bでは主にアルミニウムが使用され、外部樹脂層210cは、延伸ナイロンフィルムなどが使用可能である。前述の内容以外の前記ケース210に対する内容は図1ないし図3を構成するケース110と同一であるため、これに対する詳しい説明は略する。
【0064】
図5及び図6を参照すれば、本実施例による二次電池200を構成するケース210は別に製作された複数の層で構成された接着部材250を含む。前記接着部材250はケース210の接着部240の上面に備えられる。また、前記接着部材250は図5に示したように個別的に製作されて前記接着部240に備えられる。したがって、前記ケース210から接着部240は接着部材250が持つ厚さほどさらに厚くなるので、前記接着部材250が具備されないその他の部位との厚さが異なるようになる。
【0065】
図6は、接着部240と前記接着部240の上面に具備された接着部材250を拡大した図面である。本実施例において、前記接着部材250は複数の層で構成されうる。例えば、前記接着部材250は、第1、第2及び第3接着部材250a、250b、250c(第1層、第2層、第3層)に区分することができる。また、第1接着部材250aは前記カバー220と接触して、前記第3接着部材250cは前記ケース210の第1表面部と接触することができる。
【0066】
図6に示したように、前記第2接着部材250bは前記第1及び第3接着部材250a、250cの間に存在する。また、前記第2接着部材250bは、前記ケース210の内部樹脂層210aと同じ材質で形成されうるが、これに制限されるのではない。前記第2接着部材250bは二次電池の設計によって多様な高分子を利用することができる。望ましくは、前記第2接着部材250bはCPPで構成することができる。
【0067】
前記第1接着部材250aは、第1及び第2電極タップ20、30と接触する部分である。前記第1及び第2電極タップ20、30は、前記第1接着部材250aを経って外部に露出される。また、前記ケース210のカバー220本体230と熱接着させる場合、前記接着部240は実質的に前記第1接着部材250aによって密封される。
【0068】
また、第1接着部材250aの厚さは100μmないし200μmで形成されうる。前記第1接着部材250aの厚さが100μmより薄ければ、接着過程や熱接着過程で前記第1接着部材250aが損傷しやすい。また、第1接着部材250aの厚さが200μmより厚ければケース210の密封を妨害することが有り得る。
【0069】
第3接着部材250cは、前記ケース210の接着部240と直接接触する部分である。前記第3接着部材250cは、前記第2接着部材250bと同じ材質で形成することができる。また、前記第3接着部材250cは、前記第1接着部材250aと同じ材質で形成することも可能である。前記第3接着部材250cが第2接着部材250bと同じ材質である場合、前記第2接着部材250bと第3接着部材250cとの間の境界が消える。したがって、前記接着部材250は二つの層のみでなることと同じことになる。また、前記第3接着部材250cが第1接着部材250aと同じ材質である場合、前記接着部材250は前記接着部材250からケース210のカバー220と接する部分、または本体230と接する部分を区別する必要がなくなる。すなわち、前記接着部材250の上面及び下面の区分がなくなる。したがって、前記接着部材250を個別的に製作して前記ケース210に付着させる場合、前記接着部材250の方向を区別する必要がないので工程の效率が高くなる。
【0070】
本実施例による二次電池210の接着部材250は三つの層で構成されることに示したが、前述のように前記接着部材250の層は三つより少ないこともありえる。また、前記接着部材250の層は三つより多いこともありえる。これは接着部材250を構成する層を構成する材料の種類によって決定される。
【0071】
前述のように、本実施例によるパウチ型ケース210の接着部240には複数の層で構成された接着部材250が備えられる。したがって、前記接着部240には接着部材250の厚さが加わるようになり、これによって反射的に本体230の収納部230aの深みが深くなる。
【0072】
前記本体230の収納部230aは、電極組立体10を収納する空間である。前記収納部230aの深みは、前記電極組立体10の厚さに対応して決められる。前記収納部230aは、ディップドローイングなどの工程によって形成させることができる。ディップドローイングと言うのは、加工平板で継ぎ目がないまま容器形態で成形する方法を言う。円筒、角をなした筒、あるいは複雑な形状をこの加工法によって作ることができる。前記ラミネートを構成する樹脂層は、金属層に比べて耐久性が弱い。したがって、前記ディップドローイング工程によって具現することができる収納部230aの深みは樹脂層によって制限されるようになる。
【0073】
一方、本実施例による接着部材250を含むケース210の場合は、複数の層で構成された接着部材250によって反射的に収納部230aの深みが増加する結果をもたらす。すなわち、複数の層で構成された前記接着部材250自らの厚さによって前記接着部材250が備えられる接着部240の厚さは、前記接着部材250の厚さほど相対的にさらに厚くなる。したがって、通常収納部230aの深みは、前記ディップドローイングによって具現することができる深みに、前記接着部材250の厚さを加えたほどの厚さを持つ電極組立体10を収納することができる。
【0074】
図7は、本実施例によるパウチ型二次電池の斜視図で、図8図7に示した二次電池の分解図であり、図9図8のCを拡大した図面である。
【0075】
以下、図7ないし図9を参照して本発明のまた他の実施例によるパウチ型二次電池に対する説明をする。図7及び図8を参照すれば、本実施例によるパウチ型二次電池300は電極組立体10と前記電極組立体10を収納するパウチ型ケース310及び前記パウチ型ケース310を密封するための複数の層で構成された接着部材350を含む。前記ケース310にはケース310を接着部材350が備えられる接着部340が存在する。
【0076】
電極組立体10をよく見れば、前記電極組立体10は陽極板及び陰極板と、前記極板らの間に介在されるセパレーターを巻き取って形成される。陽極板は第1電極タップ20が付着され、陰極板には第2電極タップ30が付着される。前述のように、前記電極タップ20、30には絶縁テープが付着されていない。本実施例による二次電池300を構成する電極組立体10は、図1ないし図3を構成する電極組立体10と同一であるため、詳しい説明は略する。
【0077】
本実施例による二次電池300において、前記電極組立体10を収納するパウチ型ケース310で前記カバー320は、本体の一側辺と一体で連結され、離隔されて存在する。実際に、本実施例によるケース310はディップドローイング工程を経ることがない。したがって、前記ケース310のそのものだけでは本体とカバーの区分がつかない。すなわち、前記ケース310には電極組立体10を収納することができる空間が存在しない。
【0078】
本実施例において、前記二次電池300を構成するケース310は、接着部材350を具備しない場合、前記ケース310のカバー320と本体は互いに区分されずに同じである。したがって、前記ケース310からカバー320と本体を区別する必要がないので、前記接着部材350は前記ケース310の上面または下面のどこにも具備させることができる。
【0079】
以下、便宜上前記接着部材350が具備されて前記電極組立体10の収納部330aが形成される面を本体とし、前記本体に対応して存在する面をカバー320とする。図面では、前記接着部材350を個別的に製作して前記ケース310に具備させた。例えば、前記本体は平坦面を含む第1表面部を含み、前記収納部330aは第1空間を含むことができる。したがって、前記第1空間は前記電極組立体10を収納して、前記第1空間は平坦面及び少なくとも一つの接着部材450によって備えられるが、前記少なくとも一つの接着部材450は、前記第1空間の深みを決定することができる。
【0080】
ケース310は、外部樹脂層310a、金属層310b及び内部樹脂層310cからなる。内部樹脂層310aは主にCPPでなり、接着力を補うために接着層をさらに含むことができる。金属層310bでは主にアルミニウムが使用され、外部樹脂層310cは、延伸ナイロンフィルムなどが使用可能である。前述したように、本実施例によるケース310はそのものでは電極組立体10を収納する空間が具備されていない。
【0081】
一方、前記電極組立体10を収納する空間である収納部330aは、接着部材350によって形成されうる。具体的には、前記ケース310の接着部340の上面に所定の厚さを持った接着部材350を具備させる。したがって、前記ケース310は前記接着部材350が持つ厚さによって反射的に前記電極組立体10を収納することができる収納部330aを持つようになる。このように形成される収納部330aはその深みなどは前記接着部340に備えられる接着部材350の厚さによって決められる。
【0082】
本実施例によるケース310は、前記実施例とは異なるようにディップドローイングなどの工程を必要としない。したがって、ディップドローイング工程を略することができるので、前記二次電池300のコストを低減することができる。また、前記ディップドローイング工程によって具現することができる収納部330aは、その深みの制限があった。その反面、本実施例による二次電池300は、ケース310を前記ディップドローイング工程によって収納部330aを形成させないので、前記収納部330aの深みに制限を受けない。すなわち、前記ケース310に収納される前記電極組立体10の厚さに制限を受けずに、多様な厚さを持った電極組立体10を収納させることができる。したがって、電極組立体10の厚さが厚い、すなわち、大容量の二次電池を製造するのに有利である。前記内容以外の前記ケース310に対する内容は、図1ないし図3を構成するケース310と同一であるため、詳しい説明は略する。
【0083】
このように、本実施例による二次電池300のケース310において、前記ケース310内部に電極組立体10を収納する空間は、接着部材350によって形成される。以下、本実施例に使われる接着部材350に対して詳しく調べて見る。
【0084】
図8及び図9を参照すれば、本実施例による二次電池300を構成するケース310及び前記ケース310を密封するためのスペーサ351が具備された接着部材350を含む。前記接着部材340は、ケース310の接着部340の上面に具備されている。また、前記接着部材350は個別的に製作されて前記接着部340に備えられる。
【0085】
図9は、接着部340と前記接着部340の上面に具備された接着部材350を拡大した図面である。本実施例において、前記接着部材350はスペーサ351を含む。すなわち、前記接着部材350は第1及び第2接着部材350a、350bと、前記第1及び第2接着部材350a、350bの間に存在するスペーサ351で構成される。
【0086】
前記第1接着部材350aは、第1及び第2電極タップ20、30と接触する部分である。前記第1及び第2電極タップ20、30は前記第1接着部材350aを介して外部に露出される。また、前記第1接着部材350aは、前記ケース310のカバー320と実質的に熱接着される部分である。
【0087】
前記第1接着部材350aは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリアクリロナイトリルのうちいずれか一つ以上を選択して形成することができる。また、第1接着部材350aの厚さは100μmないし200μmで形成されることが好ましい。前記第1接着部材350aの厚さが100μmより薄ければ、熱接着過程で前記第1接着部材350aが損傷しやすい。また、第1接着部材350aの厚さが200μmより厚ければ、ケース310の密封が不完全で電解液が漏洩することがある。
【0088】
また、前記第2接着部材350bは、前記ケース310の内部樹脂層310aと接触する部分である。前記第2接着部材350bは、前記ケース310の内部樹脂層310aと同じ材質で形成される場合、前記第2接着部材350bは前記内部樹脂層310aと境界が曖昧になる。また、前記第2接着部材350bは前述の第1接着部材350aと同じ材質でも形成させることができる。このような場合、前記接着部材350を前記ケース310と個別的に製作して付着させる時に利点がある。すなわち、接着部材350の上面及び下面を別に区別する必要がないので、これに係わる工程によって惹起される不良を減少させることができる。
【0089】
また、前記接着部材350を前記ケース310に付着させる場合、工程を単純化させることができる。すなわち、前記接着部材350を個別的に前記ケース310に付着させ、再度カバー320と接着部材350を付着させる必要がなく、前記ケース310のカバー320と本体との間に前記接着部材350を配置させた後、一括的に前記カバー320、接着部材350及び本体を付着させることができる。したがって、前記接着部材350を前記ケース310に付着させる工程が不要となりコストを低減することができる。前述した前記第2接着部材350bの材質は例示的なもので、前記材質は多様な高分子を利用することができる。
【0090】
図8及び図9を参照すれば、スペーサ351の上面には第1接着部材350aが覆われており、下面には第2接着部材350bが覆われている。前記接着部材350は前記第1及び第2接着部材350a、350bとその間に存在するスペーサ351を含む。接着部材350、特に、前記スペーサ351によって前記カバー320と本体との間の距離が離隔されて、これによってケース310の内部には前記電極組立体10を収納させる収納部330aが備えられる。
【0091】
また、スペーサ351は電極組立体10が外部圧力によって影響されないように、前記ケース310のカバー320と本体が互いに離隔されて存在するようにし、電解液と反応してはならない。したがって、前記スペーサ351は機械的強度がよく、かつ耐腐食でなければならない。一般的に、前記スペーサ351は高強度の成形性の良い金属やプラスチック(特にエンジニアリングプラスチック)をモールディングさせて形成することができる。この際、金属としてはアルミニウム、ステンレススチール、ニッケルなどを取り上げることができ、エンジニアリングプラスチックとしてはポリカーボネート(Polycarbonate)、ナイロン(Nylon)、ポリアミド(Polyamide)、ポリブチレンテレフタレート(Polybutylene Terephtahlate;PBT)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate;PET)などを取り上げることができる。前述のように、前記スペーサ351は、ケース310の内部に一定の空間を維持させ、同時に内部に収納される電解液と反応しない材質であれば可能であるから、前記材料等に制限されるのではない。
【0092】
図10は、本実施例によるパウチ型二次電池の斜視図で、図11図10に示した二次電池の分解図であり、図12図11のDを拡大した図面で、図13は本実施例によるパウチ型二次電池の全面を示した図面である。
【0093】
以下、図10ないし図12を参照して本発明のまた別の実施例によるパウチ型二次電池について説明する。図10及び図11を参照すれば、本実施例によるパウチ型二次電池400は、電極組立体10と前記電極組立体10を収納するパウチ型ケース410及び前記パウチ型ケース410を密封するための複数の層で構成された接着部材450を含む。前記ケース410には接着部440が存在し、前記接着部440には個別的に製作された接着部材450が備えられる。
【0094】
前記電極組立体10は、陽極板及び陰極板と、前記極板の間に介在されるセパレーターを巻き取って形成される。陽極板は第1電極タップ20が付着され、陰極板には第2電極タップ30が付着される。前述のように、前記電極タップ20、30には絶縁テープが付着されていない。本実施例による二次電池400を構成する電極組立体10は、図1ないし図3を構成する電極組立体10と同一であるため詳しい説明は略する。
【0095】
本実施例による二次電池400において、前記電極組立体10を収納するパウチ型ケース410は、カバー420と前記カバー420の一側辺と一体で連結されて形成される本体で構成される。本実施例によるケース410はディップドローイング工程を経ることがない。したがって、ケース410はそれ自体には電極組立体10を収納することができる空間が形成されていない。すなわち、前記二次電池400を構成するケース410は、接着部材450を具備しない時、前記ケース410には収納部430aが存在しないので、実在的に前記ケース410からカバー420と本体は互いに区分されない。すなわち、前記接着部材450は、前記ケース410の上面または下面のどこにも備えることができ、前記接着部材450が具備された面に収納部430aが形成される。以下、便宜上前記接着部材450によって収納部430aが形成される面を本体と言って、前記本体に対応する面をカバー420であるとする。
【0096】
本実施例による二次電池400は、電極組立体10を前記収納部430aに配置させた後、本体430とカバー420とを密着させた状態で前記接着部材450を熱接着して製作される。ケース410は、外部樹脂層410a、金属層410b及び内部樹脂層410cからなる。内部樹脂層410aは主にCPPでなり、接着力を補うために接着層をさらに含むことができる。金属層410bとしては主にアルミニウムが使用され、外部樹脂層410cは、延伸ナイロンフィルムなどが使用可能である。また、本実施例による二次電池400を構成するケース410は、ディップドローイングなどの工程を必要としない。したがって、コストを低減することができ、前記ディップドローイング工程によって具現することができる厚さの制限がない。前記電極組立体10の厚さに制限はない。前記内容以外の前記ケース410に対する内容は、図1ないし図3を構成するケース110及び図7ないし図9を構成するケース310と同一であるため、詳しい説明は略する。
【0097】
以下、図11ないし図12を参照して本実施例による二次電池400に備えられる接着部材450に対して詳細に調べて見る。本実施例による二次電池400のケース410において、前記ケース410内部に電極組立体10を収納する空間は、接着部440の上面に備えられる接着部材450によって形成される。前記ケース410はスペーサ451が具備された接着部材450を含む。前記接着部材450はケース410の接着部440の上面に具備されている。また、前記接着部材450は図8に示したように一体で形成されることもできるが、個別的に製作されて付着することもできる。
【0098】
図12を参照すれば、前記接着部材450は第1及び第2接着部材450a、450bと前記第1及び第2接着部材450a、450bの間に存在するスペーサ451を含む。前記第2接着部材450bは、前記ケース410の内部樹脂層410aと同じ材質で形成されうるが、これに制限されるのではない。前記第2接着部材450bは二次電池の設計によって多様な高分子を利用することができる。望ましくは、前記第2接着部材450bはCPPでなりえる。
【0099】
前記第1接着部材450aは、第1及び第2電極タップ20、30と接触する部分で、前記ケース410のカバー420と実質的に熱接着される部分である。前記第1接着部材450aはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリアクリロナイトリルのうちいずれか一つ以上を選択して形成することができる。また、第1接着部材450aの厚さは100μmないし200μmで形成されることが好ましい。前記第1接着部材450aの厚さが100μmより薄ければ熱接着過程で前記第1接着部材450aが損傷しやすい。また、第1接着部材450aの厚さが200μmより厚ければケース410の密封が不完全になり電解液が漏洩することが有り得る。
【0100】
また、前記第2接着部材450bは、前記ケース410の内部樹脂層410aと接触する部分である。前記第2接着部材450bは、前記ケース410の内部樹脂層410aと同じ材質で形成される場合、前記第2接着部材450bは、前記内部樹脂層410aに吸収されて区別されない。結果的に、前記接着部材450は前記第1接着部材450aとスペーサ451のみでなることになる。また、前記第2接着部材450bは前記第1接着部材450aと同じ材質でも形成させることができる。このような場合、前記接着部材450を前記ケース410と個別的に製作して付着させる場合、前記ケース410を熱接着させる過程で同時に接着させることができるという利点がある。したがって、前記接着部材450を前記ケース410に付着させる工程がなく、コストを低減することができる。前述した前記第2接着部材450bの材質は例示的なもので、前記材質は多様な高分子を利用することができる。
【0101】
図11及び図12を参照すれば、スペーサ451の上面には第1接着部材450aが覆われており、下面には第2接着部材450bが覆われているし、前記第1及び第2接着部材450a、450bとスペーサ451を含んで接着部材450を構成する。前記スペーサ451によってケース410の内部に収納部430aが備えられる。前記スペーサ451はケース410のカバー420と本体との間隔を維持する役目をする。また、スペーサ451は、電極組立体10が外部圧力によって影響されないように、高強度の成形性の良い金属やエンジニアリングプラスチックをモールディングさせて形成することができる。この際、金属としてアルミニウム、ステンレススチール、ニッケルなどを取り上げることができ、エンジニアリングプラスチックポリカーボネート(Polycarbonate)、ナイロン(Nylon)、ポリアミド(Polyamide)ポリエステル樹脂(Polybutylene Terephtahlate;PBT)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate;PET)などを取り上げることができる。前記スペーサ451はケース410の内部に一定の空間を維持させ、同時に内部に収納される電解液と反応ない材質であれば可能なので、これに制限されるのではない。
【0102】
図11及び図13を参照すれば、前記スペーサ451は二つの段差451aを含む。前記二つの段差451aは、互いに離隔されて存在し、前記スペーサ451の上面に形成される。したがって、前記段差451aは前記第1接着部材450aと接する。また、段差451aは、収納部430aとケース410の外部とを連通する開口部となる。即ち、前記段差451aは電極組立体10に備えられる第1及び第2電極タップ20、30の通過する通路になる。したがって、本実施例による二次電池400のケース410を接着させる場合、前記段差451aによって形成された空間によって第1及び第2電極タップ20、30による干渉を受けないので、接着部440の接着がさらに良くなる。前記段差451aは、前記スペーサ451を製作する過程で形成させることができるので、追加の工程を必要としない。また、前記段差451aによって第1及び第2電極タップ20、30を離隔させ、短絡を防止することができる。前記内容以外のスペーサ451の構成及び機能は、図7ないし図9に示したスペーサ351と同一であるため詳しい説明は略する。
【0103】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0104】
10 電極組立体
20 第1電極タップ
30 第2電極タップ
100、200、300、400 二次電池
110、210、310、410 ケース
140、240、340、440 接着部
150、250、350、450 接着部材
351、451 スペーサ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13