(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送液モータはステップモータあるいは第1のブラシレスDCモータであり、かつ、前記分注モータは第2のブラシレスDCモータであることを特徴とする請求項1に記載の多段式ポンプ。
前記分注ブロックのただ一つの面に対して結合された弁板をさらに備え、前記弁板および分注ブロックは、前記流入弁、隔離弁、遮断弁および浄化弁のための弁チャンバを画定し、前記弁チャンバは、前記分注ブロックに面する前記弁板のただ一つの側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の多段式ポンプ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明およびその利点のより完全な理解は、同様の参照番号が同様の特性を示す添付の図面と併せて、以下の説明を参照することによって得られ得る。
【0016】
好ましい本発明の実施形態を図に例示し、同様の数表示は、種々の図面の同様の、および対応する部分を言及するために使用されている。寸法が提供されている範囲について、それらは特定の実践の一例として提供されており、限定する目的で提供されるものではない。実施形態は、種々の構成で実践することができる。
【0017】
本発明の実施形態は、形状要因が減少された多段(「多段式」)ポンプを使用して、流体を正確に分注するポンプシステムに関する。本発明の実施形態は、半導体製造において、フォトレジストおよび他の光感受性化学物質の分注に利用することができる。
【0018】
図1は、ポンプシステム10の図である。ポンプシステム10は、ウエハ25上に流体を分注するために協働する、流体源15、ポンプ制御装置20および多段式ポンプ100を含むことができる。多段式ポンプ100の動作は、多段式ポンプ100に内蔵されるか、または制御信号、データもしくは他の情報を通信するための1つ以上の通信リンクを介して、多段式ポンプ100に接合されることが可能なポンプ制御装置20によって制御することができる。さらに、ポンプ制御装置20の機能性は、内蔵制御装置と別の制御装置とに分散するができる。ポンプ制御装置20は、多段式ポンプ100の動作を制御するための制御命令30一式を包含するコンピュータ可読の媒体27(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気ドライブまたは他のコンピュータ可読の媒体)を含むことができる。プロセッサ35(例えば、CPU、ASIC、RISC、DSPまたは他のプロセッサ)は、命令を実行することができる。プロセッサの一例は、Texas Instruments TMS320F2812PGFA 16−bit DSP(Texas Instrumentsは、テキサス州ダラスを本拠地とする企業である)である。
図1の実施形態では、制御装置20は、通信リンク40および45を介して多段式ポンプ100と通信する。通信リンク40および45は、ネットワーク(例えば、Ethernet(登録商標)、無線ネットワーク、グローバルエリアネットワーク、DeviceNetネットワークまたは当技術分野で既知または開発された他のネットワーク)、バス(例えば、SCSIバス)または他の通信リンクであってもよい。制御装置20は、内蔵PCBボードとして、遠隔制御装置として、または他の適切な方法で実装することができる。ポンプ制御装置20は、多段式ポンプ100と通信するために制御装置への、適切なインターフェース(例えば、ネットワークインターフェース、入出力インターフェース、アナログデジタル変換器および他の部品)を含むことができる。さらに、ポンプ制御装置20は、プロセッサ、記憶装置、インターフェース、表示デバイス、周辺機器、または簡単にするために示さないが他のコンピュータ部品を含み、当技術分野で既知の種々のコンピュータ部品を含むことができる。ポンプ制御装置20は、多段式ポンプの種々の弁およびモータを制御することができ、多段式ポンプに、低粘性流体(すなわち、100センチポアズ未満)または他の流体を含む流体を正確に分注させる。参照することによって本明細書に全面的に組み込まれる、「I/O INTERFACE SYSTEM AND METHOD FOR A PUMP」の名称で、Cedroneらが2005年12月2日に出願した米国仮特許出願第60/741,657号(弁理士事件整理番号第ENTG1810号)に記載されている入出力インターフェースコネクタは、ポンプ制御装置20を種々のインターフェースおよび製造ツールに接合するために使用することができる。
【0019】
図2は、多段式ポンプ100の図である。多段式ポンプ100には、送液ステージ部分105および別個の分注ステージ部分110が含まれる。不純物をプロセス流体から濾過するために、流体の流れの観点から、フィルタ120が、送液ステージ部分105と分注ステージ部分110との間に位置する。例えば、入口弁125、隔離弁130、遮断弁135、浄化弁140、ガス抜き弁145および出口弁147を含む種々の弁が、多段式ポンプ100を通して流体の流れを制御することができる。分注ステージ部分110は、分注ステージ110で流体圧力を測定することができる圧力センサ112をさらに含むことができる。圧力センサ112によって測定された圧力は、以下に記載するように種々のポンプの速度を制御するために使用することができる。圧力センサの例には、Metallux AG(Korb,Germany)製のものを含み、セラミックおよびポリマーのピエゾ抵抗および容量性圧力センサが含まれる。一実施形態によると、プロセス流体に接する圧力センサ112の面は、ペルフルオロポリマーである。ポンプ100は、送液チャンバ155内の圧力を読み取るための圧力センサ等、さらなる圧力センサを含むことができる。
【0020】
送液ステージ105および分注ステージ110は、多段式ポンプ100内の流体をポンプで汲み上げるために、回転ダイヤフラムポンプを含むことができる。例えば、送液ステージポンプ150(「送液ポンプ150」)には、流体を収集する送液チャンバ155、送液チャンバ155内で動いて流体を排出する送液ステージダイヤフラム160、送液ステージダイヤフラム160を動かすピストン165、親ねじ170およびステッピングモータ175が含まれる。親ねじ170は、ナット、ギア、またはモータから親ねじ170へエネルギーを伝えるための他の機構を通してステッピングモータ175に結合する。一実施形態によると、送液モータ170はナットを回転させ、それはそれで親ねじ170を回転させ、ピストン165に作動させる。同様に、分注ステージポンプ180(「分注ポンプ180」)は、分注チャンバ185、分注ステージダイヤフラム190、ピストン192、親ねじ195、および分注モータ200を含むことができる。分注モータ200は、ねじ式ナット(例えば、Torlonまたは他の材料のナット)を通して、親ねじ195を駆動することができる。
【0021】
他の実施形態によると、送液ステージ105および分注ステージ110は、空気圧または液圧によって作動するポンプ、液圧ポンプまたは他のポンプを含む、種々の他のポンプであってもよい。送液ステージ用の空気圧によって作動するポンプ、およびステッピングモータ駆動の液圧ポンプを使用した多段式ポンプの一例は、参照することによって本明細書に組み込まれる、「PUMP CONTROLLER FOR PRECISION PUMPING APPARATUS」の名称で、発明者Zagarsらが2005年2月4日に出願した米国特許出願番号第11/051,576号(弁理士事件整理番号第ENTG1420−2号)に記載されている。しかしながら、両方のステージでモータを使用することは、液圧パイプ、制御システムおよび流体が不要となり、それによって空間および潜在的漏洩を減少させるという利点を提供する。
【0022】
送液モータ175および分注モータ200は、任意の適切なモータであってもよい。一実施形態によると、分注モータ200は、永久磁石同期モータ(「PMSM」)である。PMSMは、モータ200、多段式ポンプ100内蔵の制御装置、または別個のポンプ制御装置(例えば、
図1に示すような)で、現場志向の制御(「FOC」)または当技術分野で既知の他の型の位置/速度制御部を利用するデジタルシグナルプロセッサ(「DSP」)によって制御することができる。PMSM200は、分注モータ200の位置のリアルタイムフィードバックのためのエンコーダ(例えば、細いラインの回転位置エンコーダ)をさらに含むことができる。
図17〜
図19は、PMSMモータの一実施形態を記載する。位置センサを使用すると、ピストン192の位置の正確で反復可能な制御が得られ、ひいては分注チャンバ185内での流体運動に正確で反復可能な制御をもたらす。例えば、一実施形態に従い、DSPに8000パルスをもたらす2000ラインエンコーダを使用して、0.045度の回転で正確に測定し、制御することが可能となる。さらに、PMSMは、振動がほとんどまたは全くない状態の低速で駆動することができる。さらに、送液モータ175が、PMSMまたはステッピングモータであってもよい。さらに、送液ポンプは、送液ポンプがホーム位置にある場合を表示するホームセンサを含むことができることに留意すべきである。
【0023】
多段式ポンプ100の作動の間、多段式ポンプ100の弁は、多段式ポンプ100の種々の部分に流体の流れを許容または制限するために開閉する。一実施形態によると、これらの弁は、圧力または真空が加えられるかどうかに応じて開閉する、空気圧によって作動する(すなわち、ガスで作動する)ダイヤフラム弁であってもよい。しかしながら、他の本発明の実施形態では、任意の適切な弁を使用することができる。弁板および対応する弁の部品の一実施形態を
図9〜
図16と併せて以下に記載する。
【0024】
多段式ポンプ100の動作の種々のステージの要約を以下に示す。しかしながら、多段式ポンプ100は、弁および制御圧力を配列するために、それぞれが参照することによって本明細書に全面的に組み込まれる、「SYSTEM AND METHOD FOR PRESSURE COMPENSATION IN A PUMP」の名称で、発明者Cedroneらが2005年12月2日に出願した米国仮特許出願第60/741,682号(弁理士事件整理番号第ENTG1800号)、「SYSTEMS AND METHODS FOR FLUID FLOW CONTROL IN AN IMMERSION LITHOGRAPHY SYSTEM」の名称で、発明者Clarkeらが2006年8月11日に出願した米国出願番号第11/502,729号(弁理士事件整理番号第ENTG1840号)、「SYSTEM AND METHOD FOR CORRECTING FOR PRESSURE VARIATIONS USING A MOTOR」の名称で、発明者Gonnellaらが_______に出願した米国特許出願番号第_____号(弁理士事件整理番号第ENTG1420−4号)、「SYSTEM AND METHOD FOR CONTROL OF FLUID PRESSURE」の名称で、発明者Gonnellaらが2005年12月2日に出願した米国特許出願番号第11/292,559(弁理士事件整理番号第ENTG1630号)、「SYSTEM AND METHOD FOR MONITORING OPERATION OF A PUMP」の名称で、発明者Gonnellaらが2006年2月28日出願した米国特許出願番号第11/364,286号(弁理士事件整理番号第ENTG1630−1号)、「SYSTEM AND METHOD FOR PRESSURE COMPENSATION IN A PUMP」の名称で、発明者Cedroneらが______に出願した米国特許出願番号第______(弁理士事件整理番号第ENTG1800−1号)、「I/O SYSTEMS,METHODS AND DEVICES FOR INTERFACING A PUMP CONTROLLER」の名称で、発明者Cedroneらが______に出願した米国特許出願番号第______(弁理士事件整理番号第ENTG1810−1号)に記載されているものを含むが、これらに限定されるものではない種々の制御スキームにより制御することができる。一実施形態によると、多段式ポンプ100は、準備完了区分、分注区分、充填区分、前濾過区分、濾過区分、ガス抜き区分、浄化区分および静的浄化区分を含むことができる。送液区分の間には、入口弁125は開状態となり、送液ステージポンプ150は、送液ステージダイヤフラム160を動かし(例えば、引く)、流体を送液チャンバ155の中に汲み上げる。十分な量の流体が送液チャンバ155に充満されると、入口弁125は閉状態となる。濾過区分の間には、送液ステージポンプ150は送液ステージダイヤフラム160を動かし、送液チャンバ155から流体を排出する。隔離弁130および遮断弁135は開状態となり、流体はフィルタ120を通って分注チャンバ185へ流れることが可能となる。一実施形態によると、最初に隔離弁130が開状態となることができ(例えば、「前濾過区分」において)、圧力をフィルタ120内で高めることが可能となり、その後、遮断弁135が開状態となり、分注チャンバ185の中への流体の流れが可能となる。他の実施形態によると、隔離弁130および遮断弁135の両方が開状態となることができ、送液ポンプは、フィルタの分注側で圧力を高めるように動く。濾過区分の間には、分注ポンプ180は、ホーム位置に持って来られることができる。両方とも参照することによって本明細書の組み込まれる、「SYSTEM AND METHOD FOR A VARIABLE HOME POSITION DISPENSE SYSTEM」の名称で、Laverdiereらが2004年11月23日に出願した米国仮特許出願第60/630,384号(弁理士事件整理番号第ENTG1590号)および「SYSTEM AND METHOD FOR VARIABLE HOME POSITION DISPENSE SYSTEM」の名称で、出願人Entegris Inc.および発明者Laverdiereらが2005年11月21日に出願したPCT出願番号第PCT/US2005/042127号(弁理士事件整理番号第ENTG1590−WO号)に記載されるように、分注ポンプのホーム位置は、分注サイクルに対して分注ポンプでの利用可能な最大量をもたらす位置であり得るが、分注ポンプが提供できる利用可能な最大限の量に満たない位置であってもよい。ホーム位置は、多段式ポンプ100の未使用の保持量を減らすために、分注サイクルに対する種々のパラメータに基づき選択される。同様に、送液ポンプ150は、利用可能な最大限の量に満たない量を提供するホーム位置に持って来ることができる。
【0025】
ガス抜き区分の始まりでは、隔離弁130は開状態となり、遮断弁135は閉状態となり、またガス抜き弁145は開状態となる。他の実施形態では、遮断弁135は、ガス抜き区分の間には開状態を維持し、ガス抜き区分の終わりで閉状態となることができる。この間に、遮断弁135が開状態である場合、圧力センサ112によって測定することができる、分注チャンバ内の圧力が、フィルタ120内の圧力によって作用されるので、圧力は、制御装置によって理解することができる。送液ステージポンプ150は、流体に圧力を加え、フィルタ120から開状態のガス抜き弁145を通して気泡を除去する。送液ステージポンプ150は、所定の率でガス抜きが起こるように制御することができ、ガス抜き時間の延長およびガス抜き率の低下が可能となり、それによってガス抜き消耗量の精密制御が可能となる。送液ポンプが空気型ポンプである場合は、流体の流れの制限は、ガス抜き流体路内で行うことができ、送液ポンプに加えられる空気圧は、「ガス抜き」設定点圧力を維持するために増減することができ、他の賢明な非制御方法のある制御をもたらす。
【0026】
浄化区分の始まりでは、隔離弁130は閉状態、遮断弁135は、ガス抜き区分で開状態の場合には閉状態、ガス抜き弁145は閉状態、浄化弁140は開状態、および入口弁125は開状態となる。分注ポンプ180は、分注チャンバ185内の流体に圧力を加え、浄化弁140を通して気泡をガス抜きする。静的浄化区分の間には、分注ポンプ180は停止するが、浄化弁140は開状態を維持し、継続して空気を排出する。浄化区分または静的浄化区分の間に除去される余分なあらゆる流体は、多段式ポンプ100から送出される(例えば、流体源へ戻るもしくは廃棄される)か、または送液ステージポンプ150へ再循環させることができる。準備完了区分の間には、入口弁125、隔離弁130および遮断弁135は開状態となり、また浄化弁140は閉状態となることができるので、送液ステージポンプ150は、ソース(例えば、ソースボトル)の周囲圧力に達することができる。他の実施形態によると、すべての弁は、準備完了区分では閉状態であってもよい。
【0027】
分注区分の間には、出口弁147は開状態となり、また分注ポンプ180は、分注チャンバ185内の流体に圧力を加える。出口弁147は、分注ポンプ180よりも制御に対する反応が遅い場合があるので、出口弁147は最初に開状態となり、所定の時間が経過すると、分注モータ200が起動する。これは、分注ポンプ180が部分的に開状態の出口弁147に流体を通過させるのを阻止する。さらに、これは、弁を開状態にすることにより流体が分注ノズルを上方に移動すること、続いて、モータ作用により流体が前方に動くことを阻止する。他の実施形態では、出口弁147は開状態となり、同時に分注ポンプ180によって分注を開始され得る。
【0028】
追加的な吸液区分は、分注ノズル内の過剰な流体を除去する際に行うことができる。吸液区分の間には、出口弁147は閉状態となり得、二次的なモータまたは真空部が、出口ノズルから過剰な流体を吸い取るために使用され得る。あるいは、出口弁147は開状態を維持することができ、また分注モータ200は、流体を分注チャンバの中へ吸い戻すために反転させることができる。吸液区分は、過剰な流体がウエハ上に滴下しないように助ける。
【0029】
図3を簡単に参照すると、この図は、
図2の多段式ポンプ100の動作の種々の区分に対する弁および分注モータのタイミングの図を提供している。他のシーケンス
図20Aおよび
図20C〜
図20Fに示す。いくつかの弁が、区分が変化する間に同時に閉状態として図示されているが、弁の閉状態は、圧力スパイクを軽減するために、時刻が若干ずれている(例えば、100ミリ秒)。例えば、ガス抜き区分と浄化区分との間では、隔離弁130は、ガス抜き弁145の直前に閉状態となることができる。しかしながら、他の弁のタイミングも、種々の本発明の実施形態において利用できることが留意されるべきである。さらに、区分のうちのいくつかは、一緒に行うことができる(例えば、充填/分注ステージは同時に行うことができ、その場合、入口および出口弁の両方が、分注/充填区分で開状態となることができる)。特定の区分は、サイクルの度に反復される必要がないことがさらに留意されるべきである。例えば、浄化区分または静的浄化区分は、すべてのサイクルの度には行わない場合がある。同様に、ガス抜き区分は、すべてのサイクルの度には行わない場合がある。
【0030】
種々の弁の開閉は、多段式ポンプ100内の流体に圧力スパイクを引き起こす可能性がある。出口弁147は、静的浄化区分の間に閉状態であるので、例えば、静的浄化区分の終わりで浄化弁140を閉状態にすると、分注チャンバ185内で圧力の上昇を引き起こす可能がある。それぞれの弁は、閉状態となるとき少量の流体を排出する可能性があるため、これが起こり得る。より具体的には、多くの場合、流体がチャンバ185から分注される前に、浄化サイクルおよび/または静的浄化サイクルは、多段式ポンプ100から流体を分注する際に、スパッタリングまたは他の摂動を阻止するために、分注チャンバ185から空気を抜くように使用される。しかしながら、静的浄化サイクルの終わりには、浄化弁140は、分注の開始に備えて分注チャンバ185を密閉するために閉状態となる。浄化弁140が閉状態になるとき、それは余分の流体(おおよそ浄化弁140の保持量に等しい)を分注チャンバ185の中へ無理に送り、それはそれで、流体の分注のために意図した基準圧力より高く、分注チャンバ185内の流体の圧力を上昇させる。この過剰な圧力(基準より高い)は、その後の流体の分注に問題を引き起こす場合がある。浄化弁140を閉状態にすることによって発生する圧力上昇は、分注に望ましい基準圧力より高いパーセンテージになる場合があるので、これらの問題は、低圧力用途の際に悪化することになる。
【0031】
より具体的には、浄化弁140を閉状態にすることによって発生する圧力上昇のために、圧力が低下しない場合は、ウエハ上への流体の「吐き出し」、二重分注、または他の望ましくない流体による現象が、その後の分注区分の間に起こることがある。さらに、この圧力上昇は、多段式ポンプ100の動作の間に一定ではない場合があるので、これらの圧力上昇は、連続的な分注区分の間に、分注される流体の量、または分注の他の特性に変動を引き起こすことがある。分注におけるこれらの変動は、それはそれで、ウエハのスクラップおよびウエハの再加工の増加の原因になることがある。本発明の実施形態は、分注区分の始まりに対して望ましい始動圧力を達成するために、システム内の種々の弁を閉状態にすることに起因する圧力上昇に対処し、分注の前に分注チャンバ185内で達成されるほぼどんな基準圧力も可能にすることによって、システムにより異なる水頭圧および機材における他の差異に対処する。
【0032】
一実施形態では、分注チャンバ185内の流体に対する不要な圧力上昇に対処するために、静的浄化区分の間に、分注モータ200は、遮断弁135、浄化弁140を閉状態にすること、および/または分注チャンバ185内の圧力上昇を引き起こす可能性がある他の任意のソースによって引き起こされる任意の圧力上昇を補うために、所定の距離だけピストン192を後退して戻すように反転させられ得る。
【0033】
このようにして、本発明の実施形態は、緩徐な流体操作を特性とする多段式ポンプを提供する。分注区分の前に分注チャンバ内の圧力変動を補うことによって、不利な潜在的圧力スパイクを回避または軽減することができる。さらに、本発明の実施形態は、プロセス流体上の圧力の悪影響を緩和するのに役立つ他のポンプ制御機構および弁のタイミングを用いることができる。
【0034】
図4Aは、多段式ポンプ100のためのポンプ組立体の一実施形態の図である。多段式ポンプ100は、多段式ポンプ100を通して種々の流体流路を画定し、また送液チャンバ155および分注チャンバ185を少なくとも部分的に画定する分注ブロック205を含むことができる。一実施形態によると、分注ポンプブロック205は、PTFE、変性PTFEまたは他の材料から成る単一ブロックであってもよい。これらの材料は、多くのプロセス流体と反応しない、または反応性が少ないので、これらの材料を使用すると、流通路およびポンプチャンバは、最低限の機械設備の追加をもって、分注ブロック205に直接機械加工することができる。ひいては、分注ブロック205は、一体型流体マニホールドを提供することによって、パイピングの必要性を軽減する。
【0035】
分注ブロック205は、例えば、流体を受ける入口210、ガス抜き区分の間に流体をガス抜きするためのガス抜き出口215、および流体が分注区分の間に分注される分注出口220を含み、種々の外部入口および外部出口を含むことができる。
図4Aの例では、浄化された流体は、送液チャンバに送り戻されるので(
図5Aおよび
図5Bに示す)、分注ブロック205は、外部浄化出口を含まない。しかしながら、他の本発明の実施形態では、流体は、外部に空抜きすることができる。参照することによって本明細書に全面的に組み込まれる、「O−RING−LESS LOW PROFILE FITTING AND ASSEMBLY THEREOF」の名称で、Iraj Gashgaeeが2005年12月2日に出願した米国仮特許出願第60/741,667号(弁理士事件整理番号第ENTG1760号)は、分注ブロック205の外部入口および外部出口を流体管路に接合するために利用することができる接続金具の実施形態を記載している。
【0036】
分注ブロック205は、流体を送液ポンプ、分注ポンプおよびフィルタ120に送る。ポンプカバー225は、送液モータ175および分注モータ200を破損から保護することができるが、ピストンハウジング227は、ピストン165およびピストン192を保護することができ、本発明の一実施形態により、ポリエチレンまたは他のポリマーから形成することができる。弁板230は、流体の流れを多段式ポンプ100の種々の部品へ誘導するように構成することができる弁(例えば、
図2の入口弁125、隔離弁130、遮断弁135、浄化弁140およびガス抜き弁145)のシステムのための弁ハウジングを提供する。一実施形態によると、入口弁125、隔離弁130、遮断弁135、浄化弁140およびガス抜き弁145のそれぞれは、弁板230に少なくとも部分的に統合され、圧力または真空が対応するダイヤフラムに加えられるかどうかに応じて開状態または閉状態となるダイヤフラム弁である。他の実施形態では、弁のいくつかのは、分注ブロック205の外部にあってもよく、またはさらなる弁板に配置してもよい。一実施形態によると、1枚のPTFEが、弁板230と分注ブロック205との間に挟入され、種々の弁のダイヤフラムを形成する。弁板230は、それぞれの弁のための弁制御入口を含み、対応するダイヤフラムに圧力または真空を加える。例えば、入口235は遮断弁135に、入口240は浄化弁140に、入口245は隔離弁130に、入口250はガス抜き弁145に、また入口255は入口弁125に対応する(この場合、出口弁147は外部にある)。入口へ圧力または真空を選択的に加えることによって、対応する弁は、開状態および閉状態となる。
【0037】
弁制御ガスおよび真空は、弁制御マニホールド(上蓋263またはハウジングカバー225の真下の領域)から分注ブロック205を通って弁板230へ達する、弁制御供給管路260を介して弁板230に提供される。弁制御ガス供給入口265は、加圧ガスを弁制御マニホールドに提供し、真空入口270は、真空(または低圧力)を弁制御マニホールドに提供する。弁制御マニホールドは、対応する弁を作動させるために、供給管路260を介して弁板230の適切な入口に加圧ガスまたは真空を送る三方弁の役割をする。
図9〜
図16と併せて以下に記載するように、弁板は、弁の保持量を減少し、真空ゆらぎに起因する量の変動を除去し、真空要件を緩和し、また弁ダイヤフラムの応力を減少するために使用することができる。
【0038】
図4Bは、多段式ポンプ100の他の実施形態の図である。
図4Bに示す特徴の多くは、上記の
図4Aとともに記載したものと類似している。しかしながら、
図4Bの実施形態は、流体液滴が、電子機器を収納する多段式ポンプ100の領域に入らないようにするいくつかの特徴を含む。流体液滴は、例えば、操作者が管を入口210、出口215またはガス抜き220に接合または切断する場合に発生する可能がある。「防滴」の特性は、潜在的に有害な化学物質の液滴がポンプ、特に電子チャンバに入らないように設計されており、必ずしもポンプが「防水性」(例えば、漏洩のない流体中の潜水艇)であることを要求しない。他の実施形態によると、ポンプは完全に密閉され得る。
【0039】
一実施形態によると、分注ブロック205は、垂直に突出しているフランジ、または上蓋263と接する分注ブロック205の端縁部から外側に突出しているリップ272を含むことができる。上端縁部では、一実施形態によると、上蓋263の上部は、リップ272の上表面と同一平面上にある。これにより、分注ブロック205および上蓋263の上部接合部分付近の液滴は、接合部分を通過するよりはむしろ分注ブロック205上に達する傾向になる。しかしながら、側面では、上蓋263は、リップ272の基部と同一平面上にあるか、さもなければリップ272の外部表面から内部にオフセットする。これにより、液滴は、上蓋263と分注ブロック205の間よりはむしろ上蓋263およびリップ272によってできる角を流れ落ちる傾向になる。さらに、ゴム製密閉部が、上蓋263の上端縁部と裏板271との間に設置され、液滴が上蓋263と裏板271との間に漏れることを阻止する。
【0040】
さらに、分注ブロック205は、電子機器を収納するポンプ100の領域から離れるように下方に傾斜する分注ブロック205内で画定される傾斜表面を含む傾斜特徴273を含むことができる。その結果として、分注ブロック205の上部付近の液滴は、電子機器から離れるように導かれる。さらに、ポンプカバー225はまた、分注ブロック205の外部側端縁部から若干内側にオフセットすることができるので、ポンプ100の側部の液滴は、ポンプカバー225の接合部分およびポンプ100の他の部分を流れ過ぎる傾向にある。
【0041】
本発明の一実施形態によると、金属カバーが分注ブロック205と結合される時はいつも、金属カバーの鉛直表面は、分注ブロック205の対応する鉛直表面から若干内部にオフセットする(例えば、1/64インチまたは0.396875ミリメートル)。さらに、多段式ポンプ100は、密閉部、傾斜特徴、または電子機器を収納する多段式ポンプ100の部分に液滴が入らないようにするための他の特徴を含むことができる。さらに、
図5Aに示し、以下に論じるように、裏板271は、多段式ポンプ100をさらに「防滴」する特性を含むことができる。
【0042】
図5Aは、そこに画定される流体の流れの通路を示すために透明にされる分注ブロック205を有する多段式ポンプ100の一実施形態の図である。分注ブロック205は、多段式ポンプ100のための種々のチャンバおよび流体の流れの通路を画定する。一実施形態によると、送液チャンバ155および分注チャンバ185は、分注ブロック205に直接機械加工することができる。さらに、種々の流通路は、分注ブロック205に機械加工することができる。流体の流れの通路275(
図5Cに示す)は、入口210から入口弁に達する。流体の流れの通路280は、入口弁から送液チャンバ155へ達し、入口210から送液ポンプ150へのポンプ入口路を終了する。弁ハウジング230内の入口弁125は、入口210と送液ポンプ150との間の流れを調節する。流通路285は、弁板230内で送液ポンプ150から隔離弁130へ流体を送る。隔離弁130からの流出は、他の流通路(図示せず)によってフィルタ120へ送られる。これらの流路は、フィルタ120への送液ステージ出口流路の役割をする。流体は、フィルタ120から、フィルタ120をガス抜き弁145および遮断弁135に接合する流通路を通って流れる。ガス抜き弁145からの流出は、ガス抜き出口215へ送られ、ガス抜き流路を終了するが、遮断弁135からの流出は、流通路290を介して分注ポンプ180へ送られる。このようにして、フィルタ120から遮断弁135への流通路および流通路290は、送液ステージ入口流路の役割をする。分注ポンプは、分注区分の間では、流通路295(例えば、ポンプ出口流路)を介して出口220へ、または浄化区分の間では、流通路300を通って浄化弁へ流体を流出することができる。浄化区分の間では、流体は、流通路305を通って送液ポンプ150に戻ることができる。このようにして、流通路300および流通路305は、流体を送液チャンバ155に戻す浄化流路の役割をする。流体の流れ通路は、PTFE(または他の材料)ブロック内に直接形成することができるので、分注ブロック205は、多段式ポンプ100の種々の部品の間のプロセス流体のためのパイピング、さらなる管類の必要性を除去または軽減する役割をすることができる。他の場合には、管類は、流体の流れの通路を画定するために、分注ブロック205に挿入することができる。
図5Bは、一実施形態による、流通路のうちのいくつかを示すために透明にされた分注ブロック205の図を提供する。
【0043】
図5Aに戻ると、
図5Aは、送液ステージモータ190を含む送液ポンプ150、分注モータ200を含む分注ポンプ180、および弁制御マニホールド302を表示するためにポンプカバー225および上蓋263を外した状態の多段式ポンプ100をさらに示す。本発明の一実施形態によると、送液ポンプ150、分注ポンプ180および弁板230の部分は、分注ブロック205内の対応する空洞に挿入される棒(例えば、金属棒)を使用して、分注ブロック205に結合されることができる。それぞれの棒は、ねじを受けるための1つ以上のねじ穴を含むことができる。一例として、分注モータ200およびピストンハウジング227は、棒316内の対応する穴にねじ山をつけるために、分注ブロック205内のねじ穴を通って達する1つ以上のねじ(例えば、ねじ312およびねじ314)によって分注ブロック205に取り付けることができる。部品を分注ブロック205に結合するためのこの機構は、例証として提供され、任意の適切な添着機構を使用できることが留意されるべきである。
【0044】
本発明の一実施形態によると、裏板271は、上蓋263およびポンプカバー225が取り付けられる、内部に延びているタブ(例えば、ブラケット274)を含むことができる。上蓋263およびポンプカバー225は、ブラケット274に重なるので(例えば、上蓋263の下と背の端縁部およびポンプカバー225の上と背の端縁部で)、液滴は、上蓋263の下端縁部とポンプカバー225の上端縁部との間、または上蓋263およびポンプカバー225の背端縁部での任意の空間において電気機器領域に流れることを阻止される。
【0045】
本発明の一実施形態によると、マニホールド302は、圧力/真空を弁板230に選択的に誘導するために、電磁弁一式を含むことができる。特定のソレノイドを作動させ、それによって真空または圧力を弁へ誘導する場合には、実践形態にもよるが、ソレノイドは発熱する。一実施形態によると、マニホールド302は、分注ブロック205、特に分注チャンバ185から離してPCBボード(裏板271に取り付けられ、
図5Cにより明瞭に示される)の下方に取り付けられる。マニホールド302は、ブラケットに取り付けることができ、それはそれで、裏板271に取り付けられるか、または裏板271に結合させることができる。これは、マニホールド302内のソレノイドからの熱が、分注ブロック205内の流体に作用しないように助ける。裏板271は、熱をマニホールド302およびPCBから消散させることができる、ステンレス鋼機械加工アルミニウムまたは他の材料から製作することができる。言い換えれば、裏板271は、マニホールド302およびPCBのために放熱ブラケットの役割をすることができる。ポンプ100は、熱が裏板271によって伝導され得る表面または他の構造にさらに取り付けることができる。このようにして、裏板271およびそれが添着される構造は、マニホールド302およびポンプ100の電子機器のための放熱板の役割をする。
【0046】
図5Cは、弁板230へ圧力または真空を加えるための供給管路260を示す多段式ポンプ100の図である。
図4と併せて論じたように、弁板230内の弁は、流体が多段式ポンプ100の種々の部品に流れるように構成することができる。弁の作動は、それぞれの供給管路260に圧力か、または真空を誘導する弁制御マニホールド302によって制御される。それぞれの供給管路260は、小さな開口部を有する接続金具(接続金具の例は318に示す)を含むことができる。この開口部は、接続金具318が添着される、対応する供給管路260の直径より小さな直径から製作してもよい。一実施形態では、開口部は、直径約0.010インチであってもよい。このようにして、接続金具318の開口部は、供給管路260内に制限を設けるように役立つことがある。それぞれの供給管路260内の開口部は、供給管路へ加えられる圧力と真空との間の急激な圧力差の影響を軽減するのに役立ち、ひいては、弁へ加えられる圧力と真空との間の遷移を円滑にする。言い換えれば、開口部は、下流弁のダイヤフラムでの圧力変化の衝撃を軽減するのに役立つ。これにより、弁は、より円滑に、またより緩慢に開閉でき、システム内での弁の開閉によって引き起こされる、より円滑な圧力転移をもたらし、実のところ弁自体の寿命を延ばすことがある。
【0047】
さらに、
図5Cは、PCB397を例示する。本発明の一実施形態によると、マニホールド302は、PCBボード397から信号を受信することができ、ソレノイドを、種々の供給管路260に真空/圧力を誘導するために開/閉させ、多段式ポンプ100の弁を制御する。この場合もやはり、
図5Cに示すように、マニホールド302は、分注ブロック205からPCB397の遠位端に位置することができ、分注ブロック205内の流体への熱作用を軽減する。さらに、PCBの設計および空間的制約に基づいて実行可能な範囲まで、発熱する部品は、分注ブロック205から離してPCBの側部に設置することができ、この場合もやはり、熱作用を軽減する。マニホールド302およびPCB397からの熱は、裏板271によって消散することができる。他方では、
図5Dは、マニホールド302が分注ブロック205に直接取り付けられるポンプ100の実施形態の図である。
【0048】
図6は、多段式ポンプ100の一実施形態の部分的組立体を例示する図である。
図6では、弁板230は、上記のように、分注ブロック205に既に結合されている。送液ステージポンプ150については、親ねじ170を有するダイヤフラム160は、送液チャンバ155の中に挿入することができ、分注ポンプ180については、親ねじ195を有するダイヤフラム190は、分注チャンバ185の中に挿入することができる。ピストンハウジング227は、それを通して達する親ねじを有する送液および分注チャンバ上に設置される。この場合は、単一形状ブロックは、分注ステージピストンおよび送液ステージピストンのためのピストンハウジングの役割をするが、それぞれのステージは、別個のハウジング部品を有することができる。分注モータ200は親ねじ195に結合し、回転雌ねじ式ナットを通して親ねじ195に直線運動を伝えることができる。同様に、送液モータ175は親ねじ170に結合され、回転雌ねじ式ナットを通して親ねじ170に直線運動を伝えることができる。スペーサ319は、ピストンハウジング227から分注モータ200をオフセットするために使用することができる。図示している実施形態のねじは、
図5に併せて記載したように、分注ブロック205に挿入されるねじ穴を有する棒を使用して、送液モータ175および分注モータ200を多段式ポンプ100に添着する。例えば、ねじ315は、棒320内のねじ穴にねじ込まれることができ、ねじ325は、送液モータ175を結合する棒330内のねじ穴にねじ込まれることができる。
【0049】
図7は、多段式ポンプ100の一実施形態の部分的組立体をさらに例示する図である。
図7は、分注ブロック205にフィルタ接続金具335、340および345を加えるところを例示する。ナット350、355、360は、フィルタ接続金具335、340、345を保持するために使用することができる。参照することによって本明細書に全面的に組み込まれる、「O−RING−LESS LOW PROFILE FITTING AND ASSEMBLY THEREOF」の名称で、2005年12月2日にIraj Gashgaeeが出願した米国仮特許出願第60/741,667号(弁理士事件整理番号第ENTG1760号)は、フィルタ120と分注ブロック205との間に使用することができる薄型の接続金具の実施形態を記載している。しかしながら、任意の適切な接続金具を使用することができ、例示されている接続金具は、一例として提供されることが留意されるべきである。それぞれのフィルタ接続金具は、送液チャンバ、ガス抜き出口または分注チャンバへの流通路のうちの1つへ(すべて弁板230を介して)通じる。圧力センサ112は、圧力感知面が分注チャンバ185に面する状態で、分注ブロック205の中に挿入することができる。Oリング365は、圧力センサ112の分注チャンバ185との接合部分を密閉する。圧力センサ112は、ナット367によって適所に確実に保持される。弁制御管路(図示せず)は、弁マニホールド(例えば、弁マニホールド302)の出口から分注ブロック205の開口部375中に、そして分注ブロック205の上部を出て弁板230(
図4に示す)に達する。他の実施形態では、圧力センサが、送液チャンバ内で圧力を読み取るために位置付けることができ、または複数の圧力センサが、送液チャンバ、分注チャンバまたはポンプ内の他の場所内の圧力を測定するために使用されることができる。
【0050】
さらに、
図7は、ポンプ制御装置(例えば、
図1のポンプ制御装置20)と通信するためのいくつかのインターフェースを例示する。圧力センサ112は、1つ以上の線(380で表す)を介して制御装置20に圧力読み取りを通信する。分注モータ200は、分注モータ200を動かすポンプ制御装置20から信号を受信するモータ制御インターフェース385を含む。さらに、分注モータ200は、位置情報(例えば、位置ラインエンコーダから)を含む情報をポンプ制御装置20に通信することができる。同様に、送液モータ175は、ポンプ制御装置20からの制御信号を受信し、またポンプ制御装置20に情報を通信する通信インターフェース390を含むことができる。
【0051】
図8Aは、分注ブロック205、弁板230、ピストンハウジング227、親ねじ170および親ねじ195を含む、多段式ポンプ100の一部分の側面図を例示する。
図8Bは、分注ブロック205、分注チャンバ185、ピストンハウジング227、親ねじ195、ピストン192および分注ダイヤフラム190を示す、
図8Aの断面図を例示する。
図8Bに示すように、分注チャンバ185は、分注ブロック205によって少なくとも部分的に画定され得る。親ねじ195が作動するにつれて、ピストン192は、分注ダイヤフラム190を移動させるために上方(
図8Bに示す配列に対して)に動かすことができ、それによって、分注チャンバ185内流体が出口流通路295または浄化流通路300を介してチャンバから出るようにさせる。他の実施形態では、親ねじ195は、上下に動くように回転することができる。流通路の出入口は、分注チャンバ185内に様々に設置することができ、
図22bは、浄化流通路300が、分注チャンバ185の上部から出る実施形態を示す。
図8Cは、
図8Bの一部分を例示する。
図8Cに示す実施形態では、分注ダイヤフラム190は、分注ブロック205内のグローブ400に嵌入するトング395を含む。このようにして、この実施形態では、分注ダイヤフラム190の端縁部は、ピストンハウジング227と分注ブロック205との間で密閉される。一実施形態によると、分注ポンプおよび/または送液ポンプ150は、回転ダイヤフラムポンプであってもよい。
【0052】
図1〜
図8Cと併せて記載した多段式ポンプ100は、一例として提供されているが、限定されるものではなく、本発明の実施形態は、他の多段式ポンプの構成として実践することができることが留意されるべきである。
【0053】
図9は、本発明の一実施形態による、流入弁125、隔離弁130、遮断弁135、浄化弁140およびガス抜き弁145を形成する際に使用される種々の部品の一実施形態を例示する。流出弁147は、この実施形態では、ポンプの外部にある。
図9に示すように、分注ブロック205は、ダイヤフラム1002が設置される横断面1000を有する。Oリング1004は、横断面1000上の対応するリングと位置合わせされ、ダイヤフラム1002を分注ブロック205内のリングに部分的に圧入する。さらに、弁板230は、Oリング1004が少なくとも部分的に着座される対応するリングを含む。弁板230は、座金およびねじ(1006および1008で図示)を使用して分注ブロック205に接合される。このようにして、
図9に示すように、それぞれの弁の本体は、分注ブロック(またはポンプ本体の他の部分)および弁板等の複数の部分品から形成することができる。ダイヤフラム1002として例示される1枚のエラストマー材料は、弁板230と分注ブロック205との間に挟入され、種々の弁のダイヤフラムを形成する。本発明の一実施形態によると、ダイヤフラム1002は、流入弁125、隔離弁130、遮断弁135、浄化弁140およびガス抜き弁145のそれぞれに使用される単一のダイヤフラムであってもよい。ダイヤフラム1002は、PTFE、変性PTFE、異なる層タイプの組成材料、またはプロセス流体と反応しない他の適切な材料であってもよい。一実施形態によると、ダイヤフラム1002は、厚さ約0.013インチであってもよい。他の実施形態では、別個のダイヤフラムが、それぞれの弁に使用でき、他の型のダイヤフラムが使用できることが留意されるべきである。
【0054】
図10Aは、端表面1000を有する分注ブロック205の側面図の一実施形態を例示する。
図10Bは、分注ブロック205の端表面1000の一実施形態を例示する。それぞれの弁について、図示する実施形態では、端表面1000は、Oリングが、ダイヤフラムの一部分を部分的に押し込むアニュラリングを含む。例えば、リング1010は流入弁125に対応し、リング1012は隔離弁130に対応し、リング1014は遮断弁135に対応し、リング1016は浄化弁130に対応し、またリング1018はガス抜き弁145に対応する。さらに、
図10Bは、それぞれの弁に対する流入/流出流通路を例示する。流通路1020は、入口210(
図4に示す)から入口弁125へ通じ、流通路280は、入口弁125から送液チャンバへ通じ、隔離弁130については、流通路305は、送液チャンバから隔離弁130へ通じ、流通路1022は、隔離弁130からフィルタへ通じ、遮断弁135については、流通路1024は、フィルタから遮断弁135へ通じ、流通路290は、遮断弁135から分注チャンバへ通じ、浄化弁140については、流通路300は、分注チャンバから通じ、流通路305は、送液チャンバへ通じ、またガス抜き弁145については、流通路1026は、フィルタから通じ、流通路1027は、ポンプの外側へ通じている(例えば、
図4に示す、外部ガス抜き口215)。上記の流通路のいくつかは、上記の
図5A〜
図5Dの分注ブロック205を通して達しているのが見ることができる。
【0055】
図11は、弁板230の外側の一実施形態の図である。
図11に示すように、弁板230は、弁板230に分注ブロック205を添着するために、ねじを挿入することができる種々の穴(例えば、1028で表す)を含む。さらに、圧力または真空を対応するダイヤフラムに加えるそれぞれの弁のための弁制御入口を
図11に示す。例えば、入口235は遮断弁135に、入口240は浄化弁140に、入口245は隔離弁130に、入口250はガス抜き弁145に、および入口255は入口弁125に対応する。圧力または真空を入口に選択的に加えることによって、対応する弁は、開状態および閉状態となる。
【0056】
図12は、弁板230の内部表面(すなわち、分注ブロック205に面する表面)を示す弁板230の図である。入口弁125、隔離弁130、遮断弁135、浄化弁140およびガス抜き弁145のそれぞれについては、弁板230は、弁が開状態になるとダイヤフラム(例えば、ダイヤフラム1002)が移動する弁チャンバを少なくとも部分的に画定する。
図12の例では、チャンバ1025は入口弁125に、チャンバ1030は隔離弁130に、チャンバ1035は遮断弁135に、チャンバ1040は浄化弁140に、およびチャンバ1045はガス抜き弁140に対応する。好ましくは、それぞれの弁チャンバは、弁チャンバの端縁部から、ダイヤフラムが移動する弁チャンバの中心まで、円弧状の弁座を有する。例えば、弁チャンバの端縁部が円形であり(
図12に示すように)、また円弧状の表面の半径が一定である場合は、弁チャンバは、部分的半球形状を有する。
【0057】
流通路は、ダイヤフラムを、弁の開位置と閉位置との間に移動するようにさせる、弁制御ガス/真空または他の圧力を加えるために、それぞれの弁に対して画定される。一例として、流通路1050は、弁制御板230上の流入部から浄化弁チャンバ1040の円弧状表面の対応する開口部へと達する。流通路1050を通して真空または低圧力を選択的に加えると、ダイヤフラム1002は、チャンバ1040の中に移動することができ、それによって浄化弁140を開状態にさせる。それぞれの弁チャンバの周囲のアニュラリングは、Oリング1004を用いて密閉を提供する。例えば、アニュラリング1055は、浄化弁140を密閉するoリングを部分的に含むために使用される。
図13は、それぞれの弁に対して圧力または真空を加えるために、流通路1050を含み、流通路を示すように透明にされた弁板230の図である。
【0058】
図14Aは、弁の排出量が、ダイヤフラム1002に加えられる圧力の量に伴って変化する弁板の設計の図である。浄化弁の実施形態を
図14Aに示す。
図14Aの例では、弁板1060は、分注ブロック205に接合される。ダイヤフラム1002は、弁板1060と分注ブロック205との間に挟入される。弁板1060は、真空が流通路1065を通して加えられるとダイヤフラム1002が移動する弁チャンバ1062を形成する。弁チャンバの周囲のアニュラリング1070は、oリング1004を着座させる。弁板1060が、分注ブロック205に添着される場合、oリング1004は、ダイヤフラム1002をアニュラリング1016に圧入し、浄化弁をさらに密閉する。
【0059】
図14Aの実施形態では、弁チャンバ1062は、ダイヤフラム1002が移動する実質上平坦な表面(1067で示す)に面取りされた側面を有する。真空が、流通路1065を通してダイヤフラム1002に加えられる場合、ダイヤフラム1002は、略部分的半球形状の表面1067に向けて移動する。これは、ダイヤフラム1002と弁板1060との間にいくらかの空所(すなわち、未使用空間)があることを意味する。この未使用空間は、領域1070に表示される。流通路1065を通して加えられる引きの量が増加するにつれて(すなわち、真空が増加させることによって)、未使用空間は減少するが、ダイヤフラム1002は、完全に底に達することはないことを意味する。その結果として、ダイヤフラム1002を移動させるために使用される圧力に応じて、ダイヤフラム1002の排水量は変化する(例えば、概して1072に表示されるダイヤフラムのボウルの容積は変化する)。
【0060】
陽圧が、流通路1065を通して加えられる場合、ダイヤフラム1002は、入口および出口を密閉するために動く(この場合は、分注チャンバからの流通路300および送液チャンバまでの流通路305)。したがって、領域1072内の流体量は、浄化弁140から外部へ移動する。これは、分注チャンバ(または流体が移動する他の密閉空間)内に圧力スパイクを引き起こす。弁によって移動される流体量は、どのくらいの量が弁に保持されたかに依存する。この量は、加えられる圧力量に伴い変化するので、同じ設計だが、異なる真空圧力を使用して作動する異なるポンプは、分注チャンバまたは他の密閉空間内に異なる圧力スパイクを示す。さらに、ダイヤフラム1002は、プラスチックであるので、所与の真空圧力に対するダイヤフラム1002の移動は、温度に応じて変化する。その結果として、未使用の領域1070の量は、温度に応じて変化する。
図14Aの弁の排出量は、加えられる真空および温度に基づき変化するので、ポンプを開閉することによって排出される量を正確に補うことは困難である。
【0061】
本発明の実施形態は、平坦な表面を有する弁チャンバに関連する問題を軽減または解消する。
図14Bは、本発明の一実施形態による、弁板の設計を使用して、浄化弁の一実施形態の図である。浄化弁140の実施形態を
図14Bに示す。
図14Bの例では、弁板230は、分注ブロック205に接合される。ダイヤフラム1002は、弁板230と分注ブロック205との間に挟入される。弁板230は、ダイヤフラム1002が、流通路1050を通して真空(または低圧力)を加えることに基づき移動することができる弁チャンバ1040を形成する。弁チャンバ1040の周囲のアニュラリング1055はoリング1004を着座させる。弁板230が、分注ブロック205に添着される場合、oリング1004は、ダイヤフラム1002をアニュラリング1016に圧入し、さらに浄化弁140を密閉する。これは、密閉部をもたらし、ダイヤフラム1002を固定する。一実施形態によると、分注ブロック205は、PTFEまたは変性PTFE、ダイヤフラム1002は、PFTEまたは変性PTFE、また弁板230は、機械加工のアルミニウムであってもよい。他の適切な材料も使用することができる。
【0062】
図14Bの実施形態では、ダイヤフラム1002が移動する弁チャンバ1040の領域は、部分的半球状である。真空が、流通路1050を通してダイヤフラム1002に加えられる場合、ダイヤフラム1002は、部分的半球形状の半球状表面に向けて移動する。弁チャンバ1040の部分球体の寸法を適切な大きさにすることによって、ダイヤフラム1002によって形成される半球体は、弁チャンバ1040の形状と一致する。
図14Bに示すように、これは、ダイヤフラム1002の部分球体と弁チャンバ(例えば、
図9Aの領域1070)の表面との間の空所が、除去されることを意味する。さらに、ダイヤフラム1002は、弁チャンバ1040の部分球形状と対応する部分球形状で移動するので、ダイヤフラム1002は、移動後の位置では、常に同じ形状、したがって、常に同じ排出量を有する(これは、以下に論じる
図10に例示する)。その結果として、弁140での保持量は、加えられる真空量(弁の動作範囲で)または温度にかかわらず、ほぼ同じとなる。したがって、浄化弁140が閉状態となるとき排出される流体量は同じである。これは、弁が閉状態になるときの排出される量による圧力スパイクを修正するために、均一な量的補正が実践されることを可能にする。さらなる利点として、部分球形状の弁チャンバは、弁チャンバをさらに薄型にできる。さらに、ダイヤフラムは、弁座の形状と一致するので、ダイヤフラム上の応力は緩和される。
【0063】
弁チャンバは、流体が入口から出口路へ(例えば、
図5Bの流路300から流路305へ)流れることを可能にするのに十分なだけ、ダイヤフラムが移動できるような大きさにすることができる。さらに、弁チャンバは、排出量を減少させつつ、圧力低下を最低限にするような大きさにすることができる。例えば、弁チャンバがあまりにも薄型に製作される場合は、ダイヤフラム1002は、開位置において、特定の用途に対し流通路305を過度に圧迫し得る。しかしながら、弁チャンバの奥行きが増加するにつれて、完全な開位置(すなわち、ダイヤフラムが弁チャンバの中に完全に移動する位置)にダイヤフラムを移動させることは、より強力な最小限真空が必要とされ、ダイヤフラム上のさらなる応力を引き起こす。弁チャンバは、弁の流量特徴をダイヤフラム上の応力と平衡させるような大きさにすることができる。
【0064】
さらに、ダイヤフラムに対して圧力/真空を加えるための流通路1050は、弁チャンバの中心にある必要はなく、中心をはずれていてもよい(例えば、
図12の遮断弁チャンバ1035にこれを示す)ことに留意されるべきである。さらに、弁へ/からの入口および出口流通路は、弁が開状態にあるときには、流体がそれらの間で流れることが可能とされ、閉状態では制限される、任意の位置に配設され得る。例えば、弁が閉状態の場合、ほとんど流体量が特定の通路を通って排出されないように、弁への入口および出口流通路を配設することができる。
図14Bでは、送液チャンバへの出口流通路305は、分注チャンバからの入口流通路300よりも、弁チャンバの中心からさらに遠いので(すなわち、半球体の中心からさらに遠い)、弁が閉状態にある場合、流通路300よりもより少量の流体が、流通路305を通って排出される。
【0065】
しかしながら、他の実施形態では、浄化弁140が閉状態となる場合、より少量流体が、送液チャンバへ排出されるより、分注チャンバへ戻り排出されるように、弁に対するこれらの流通路の配設は、反転させるか、さもなければ変更され得る。他方では、入口弁125については、入口弁125が閉状態になる場合(すなわち、入口弁125は、
図14Bに示す入口/出口流路配置を有することができる)、より多くの流体が、送液チャンバより流体源へ戻り排出されるように、入口流通路は、中心により近くであってもよい。さらに、種々の弁(例えば、遮断弁135、出口弁147)に対する入口および出口は、種々の本発明の実施形態により、弁が閉状態となる場合、分注チャンバに押し込まれる流体量を減少させるように配置され得る。
【0066】
入口および出口流通路の他の構成も同様に利用することができる。例えば、弁に対して入口および出口流通路の両方とも、中心をはずれていてもよい。他の例として、1つの流通路がさらに制限され、この場合も同様に、弁が閉状態になる場合、より多くの流体が、流通路(例えば、より大きな流通路)のうちの1つを通って排出されることを助けるように、入口および出口流通路の幅は、異なっていてもよい。
【0067】
図15は、種々の弁の設計の排出量を例示する図を提供する。線1080は、平坦な弁チャンバ表面を有し、深さ0.030インチの弁チャンバ(例えば、
図14Aに示す弁)を備える弁の設計に対し、線1082は、深さ0.022インチの部分球形弁チャンバ表面を有する弁の設計に対し、線1084は、深さ0.015インチの部分球形弁チャンバ表面を有する弁(例えば、
図14Bに示す弁)の設計に対し、線1086は、深さ0.010インチの部分球形弁チャンバ表面を有する弁に対している。
図15の図は、弁制御圧力が、35psiの圧力から真空へ切り替えられる場合、弁によって排出される流体容積量を表す。x軸は、単位がHg(水銀柱の高さ)の、加えられる真空量であり、またy軸は、単位がmLの、排出量である。10Hgの最低限真空が、弁を開状態にするために使用される。
【0068】
図15から見ることができるように、平坦な弁チャンバ表面を有する弁チャンバは、加えられる真空量に応じて異なる排出量を有する(すなわち、10Hgが加えられる場合は、排出量は約0.042mLであるが、20Hgが加えられる場合は、排出量は約0.058mLである)。他方では、ダイヤフラムが排出する、半球形状弁チャンバを有する弁は、加えられる真空にかかわらず、およそ一定の排出を示す。この例では、0.022インチの部分球形の弁は、0.047mLを排出し(線1082によって表される)、0.015インチの部分球形の弁は、0.040mLを排出し(線1084によって表される)、また0.010インチの部分球形の弁は、0.030mLを排出する(線1086によって表される)。このようにして、
図15に見ることができるように、半半径球の弁チャンバを有する弁板は、弁に加えられる真空圧力が変化する場合、反復可能な排出量を提供する。
【0069】
弁板230の弁は、異なる寸法を有することがある。例えば、浄化弁140は、他の弁よりも小さくでもよく、または弁は他の寸法であってもよい。
図16Aは、浄化弁140の一実施形態の寸法の例を提供し、ダイヤフラムが移動する半球状の表面1090を示す。
図16Aに示すように、弁チャンバは、半径が0.3.630インチの球形に対応する球形の深さが0.015インチの球形の表面を有する。
図16Bは、入力弁125、隔離弁130、遮断弁135およびガス抜き弁145の一実施形態の寸法の例を提供する。この実施形態では、弁チャンバの球形の深さは、半径2.453インチの球形に対応する0.022インチである。
【0070】
それぞれの弁の大きさは、弁の圧力液滴を最小限にする要望(すなわち、開位置において弁がもたらす制限を最小限にする要望)、および弁の保持量を最小限にする要望をバランスさせるように選択することができる。すなわち、弁は、最小限に制限された流れに対する要望、および弁が開閉する場合に、圧力スパイクを最小限にする要望をバランスさせるように寸法を決めることができる。
図16Aおよび
図16Bの例では、浄化弁140は、浄化弁140が閉状態となる場合、分注チャンバに戻る保持量の総量を最低限にするための最小の弁である。さらに、閾値の真空が加えられる場合、弁が、完全に開位置となるように寸法を決めることができる。例えば、10Hgの真空が加えられる場合、
図16Aの浄化弁140は、完全に開位置となるように寸法が決められる。真空が増加するとき、浄化弁140は、それ以上開くことはない。
図16Aおよび
図16Bに提供された寸法は、特定の実施例のほんの一例として提供されており、限定のために提供されるものではない。本発明の実施形態による弁は、様々な寸法を有することができる。さらに、弁板の実施形態は、参照することによって本明細書に全面的に組み込まれる、「VALVE PLATE SYSTEM AND METHOD」の名称で、発明者Gashgaeeらが2005年12月2日に出願した米国仮出願第60/742,147号(弁理士事件整理番号第ENTG1770号)、および「FIXED VOLUME VALVE SYSTEM」の名称で、発明者Gashgaeeらが______に出願した米国特許出願第______号(弁理士事件整理番号第ENTG1770−1号)に記載されている。
【0071】
上述のように、分注ポンプ180は、ブラシレスDCモータまたはPSMSモータによって駆動することができるが、本発明の一実施形態による送液ポンプ150は、ステッピングモータによって駆動することができる。以下の
図17〜
図19は、種々の本発明の実施形態により使用可能なモータの実施形態を記載する。モータ用の制御スキームの例は、参照することによって本明細書に全面的に組み込まれる、「SYSTEM AND METHOD FOR POSITION CONTROL OF A MECHANICAL PISTON IN A PUMP」の名称で、発明者Gonnellaらが2005年12月2日に出願した米国仮出願第60/741,660号(弁理士事件整理番号第ENTG1750号)、および「SYSTEM AND METHOD FOR POSITION CONTROL OF A MECHANICAL PISTON IN A PUMP」の名称で、発明者Gonnellaらが2006年9月1日出願した米国仮出願第60/841,725(弁理士事件整理番号第ENTG1750−1号)に記載されている。
【0072】
図17は、本発明の一実施形態による、モータ3030およびそれに結合される位置センサ3040を有するモータ組立体3000の略図である。
図17に示す例では、ダイヤフラム組立体3010は、親ねじ3020を介してモータ3030に結合される。一実施形態では、モータ3030は、永久磁石同期モータモータ(「PMSM」)である。ブラシDCモータでは、電流極性は、コミュテータおよびブラシによって修正される。しかしながら、PMSMでは、極性の反転は、回転子位置と同期して切り替わる電力トランジスタによって行われる。したがって、PMSMは、「ブラシレス」として特徴付けることができ、ブラシDCモータよりもより信頼性があると見なされる。さらに、PMSMは、回転子磁石により回転子磁束を生成することによって、より高い効率性を達成することができる。PMSMの他の利点には、振動の低下、騒音の低下(ブラシの除去により)、効率的な熱消散、より小さな設置面積(foot prints)、およびより小さな回転子慣性が含まれる。固定子がいかに損傷するかに応じて、回転子の運動によって固定子内に誘発される、逆電磁気力は、異なるプロファイルを有することができる。1つのプロファイルは、台形状を有する場合があり、他のプロファイルは、正弦曲線形状を有する場合がある。本開示内で、用語PMSMとは、すべの型のブラシレス永久磁石モータを表すことを意図し、用語ブラシレスDCモータ(「BLDCM」)と相互交換可能なように使用される。
【0073】
PMSM3030は、上述のように送液モータ175および/または分注モータ200として利用できる。一実施形態では、ポンプ100は、ステッピングモータを送液モータ175として、またPMSM3030を分注モータ200として利用する。適切なモータおよび関連する部品は、EADモータ(Dover,NH,USA)などから取得してもよい。作動中、BLDCM3030の固定子は、固定子の磁束を生成し、回転子は、回転子の磁束を生成する。固定子の磁束と回転子の磁束との相互作用はトルク、ひいては、BLDCM3030の速度を画定する。一実施形態では、デジタル信号プロセッサ(DSP)が、現場志向の制御(FOC)のすべてを実践するために使用される。FOCアルゴリズムは、コンピュ−タ可読媒体内に内蔵されるコンピュータ実行可能ソフトウェアで実現される。現在は、オンチップハードウェア周辺機器のみを有するデジタル信号プロセッサが利用可能であり、BLDCM3030を制御するための、および比較的小額の追加費用により、マイクロ秒でFOCアルゴリズムを完全に実行するための、計算能力、速度、およびプログラム可能性を有している。本明細書に開示されている本発明の実施形態を実践するために利用可能であるDSPの一例は、Dallas,TX,USAを本拠地としているTexas Instruments,Inc.から入手可能な16−bit DSP(部品番号TMS320F2812PGFA)である。
【0074】
BLDCM3030は、実際の回転子位置を探知するために、少なくとも1つの位置センサを組み込むことができる。一実施形態では、位置センサは、BLDCM3030の外部にあってもよい。一実施形態では、位置センサは、BLDCM3030の内部にあってもよい。一実施形態では、BLDCM3030はセンサなしであってもよい。
図17に示す例では、位置センサ3040は、BLDCM3030の実際の回転子位置の実時間フィードバックのためにBLDCM3030に結合され、BLDCM3030を制御するためにDSPによって使用される。位置センサ3040を有するさらなる利点は、機械的ピストン(例えば、
図2のピストン192)の位置の極めて正確で反復可能な制御を立証することであり、それは、ピストン排出分注ポンプ(例えば、
図2の分注ポンプ180)内の流体運動および分注量に極めて正確で反復可能な制御を意味する。一実施形態では、位置センサ3040は、細いラインの回転位置エンコーダである。一実施形態では、位置センサ3040は、2000ラインエンコーダである。8000パルスをDSPに与える2000ラインエンコーダを使用して、0.045度の回転を正確に測定し、制御することが可能である。
【0075】
BLDCM3030は、非常に低速度で駆動し、さらに一定の速度を維持することができ、それは、振動がほとんどまたは全くないことを意味する。ステッピングモータ等の他の技術では、十分に一定ではない速度制御によって引き起こされていた振動をポンプシステム内に導入することなく、より低速で駆動することは不可能である。この変動は、十分でない分注性能を引き起こすことになり、結果として極めて限られた枠内の動作となる。さらに、振動は、プロセス流体上に悪影響を有する可能性がある。以下の表1および
図18〜
図19は、ステッピングモータとBLDCMとを比較し、多段式ポンプ100内の分注モータ200としてBLDCM3030を利用する多数の利点を明示する。
【0077】
表1から見られるように、ステッピングモータと比較すると、BLDCMは、継続的な回転運動を有する分解能のかなりの増加、低電力消費、高トルク提供、および広域の速度範囲を提供することができる。BLDCM分解能は、ステッピングモータによって提供されるよりも約10倍多くまたは優れていることに留意されたい。この理由から、BLDCMによって提供することができる最小単位の動きは、「モータインクリメント」と称され、それは一般にステッピングモータに関して使用される用語「ステップ」から区別される。モータインクリメントは、BLDCMとして測定可能な運動の最小単位であり、一実施形態により、ステッピングモータが不連続のステップで移動するのに対して、継続的運動を提供することができる。
【0078】
図18は、本発明の一実施形態による、ステッピングモータおよびBLDCMの、平均トルク出力および速度範囲を対比するプロット図である。
図18に例示するように、BLDCMは、任意の速度でほぼ一定の高トルク出力を維持することができる。さらに、BLDCMの使用可能な速度範囲は、ステッピングモータより広域(例えば、約1000倍以上)である。対照的に、ステッピングモータは、速度が増加して不適切に低下する傾向にある低トルク出力を有する傾向にある(すなわち、トルク出力は急速に減少する)。
【0079】
図19は、本発明の一実施形態による、ステッピングモータとBLDCMとで、平均モータ電流および負荷を対比するプロット図である。
図6に例示するように、BLDCMは、システム上で負荷に適応して調節することができ、負荷を伝達するのに要求される電力のみを使用することができる。対照的に、要求されるかどうかにかかわらず、ステッピングモータは、極大条件に対し設定された電流を使用する。例えば、ステッピングモータのピーク電流は、150ミリアンペア(mA)である。1ポントの負荷を動かすことは、10ポンドの負荷を動かすほどの電流を必要としないが、同じ150mAが、10ポンドの負荷と同様に1ポンドの負荷を動かすために使用される。その結果として、作動中は、ステッピングモータは、負荷にかかわらず最大条件に対する電力を消費し、エネルギー効率が悪く、浪費の原因となる。
【0080】
BLDCMを使用すると、電流は、負荷の増減とともに調節される。時間内の任意の特定の地点で、BLDCMは、要求される速度で自身を回転させるのに必要な電流量を自己補正し自己に供給し、そして要求に応じ負荷を動かす力を生成する。モータが動いていない場合、電流は極めて低い(mA未満)ものであり得る。BLDCMは、自己補正である(すなわち、システム上の負荷に従い、電流を適応可能に調節することができる)ので、モータが動いていないときでさえ、常にオンである。対照的に、ステッピングモータは、用途に応じて、ステッピングモータが移動していないときは、停止させられ得る。
【0081】
位置制御を維持するために、BLDCMのための制御方式は、頻繁に実行される必要がある。一実施形態では、制御ループは30kHzで実行する。したがって、制御ループは、33マイクロ秒毎に、BLDCMが正しい位置にあるかどうか確かめる。正しい位置であれば、何もしようとはしない。そうでなければ、電流を調節し、BLDCMをあるべき位置に押し進めようとする。この急速な自己補正作用は、非常に精密な位置制御を可能にし、いくつかの用途において非常に望ましいものである。通常(例えば、10kHz)よりも高速(例えば、30kHz)で制御ループを実行させることは、システム内の余分な発熱を意味する可能性がある。これは、BLDCMが電流をより頻繁に切り替えるにつれて、発熱する機会が増えるためである。
【0082】
本発明の一側面によると、いくつかの実施形態では、BLDCMは、発熱を考慮に入れるように構成される。具体的に、制御ループは、単一サイクルの間に2つの異なる速度で実行されるように構成される。サイクルの分注部分の間には、制御ループは、高速(例えば、30kHz)で実行される。サイクルの分注しない残りの部分の間には、制御ループは、低速(例えば、10kHz)で実行される。この構成は、分注の間に超正確な位置制御が極めて重要である用途に特に有用となり得る。一例として、分注時間の間に、制御ループは、30kHzで実行する。それは少量の余分の熱をもたらす場合があるが、優れた位置制御を提供する。残りの時間は、速度は10kHzに減少する。そうすることにより、温度は、顕著に低下されることができる。
【0083】
サイクルの分注部分は、用途に応じてカスタム化することも可能となる。他の例として、分注システムは、20秒サイクルを実践してもよい。1つの20秒サイクルでは、5秒が分注するためであってよい一方で、残りの15秒がロギングまたは再充電等をするためであってもよい。サイクルの間に、15〜20秒の準備期間がある場合がある。このようにして、BLDCMの制御ループは、サイクルの少ないパーセンテージを(例えば、5秒)高周波(例えば、30kHz)で実行し、またより大きなパーセンテージ(例えば、15秒)を低周波(例えば、10kHz)で実行することになる。
【0084】
当業者が理解できるように、これらのパラメータ(例えば、5秒、15秒、30kHz、10kHz等)は、例となるものであり、限定されるものではないことを意味する。動作速度および時間は、本明細書に開示される本発明の範囲および精神内である限りは、適合させるために調節、さもなければ構成することができる。これらのプログラム可能なパラメータを決定する際に、経験的方法論を利用してもよい。例えば、10kHzは、BLDCMを駆動するための極めて典型的な周波数である。異なる速度も使用可能であるが、10kHzより遅いBLDCMの制御ループを実行することは、位置制御を喪失する危険を冒す可能性がある。位置制御を回復することは概して困難であるので、BLDCMが位置を保持することは望ましいことである。
【0085】
位置制御に不適切に妥協することなく、サイクルの分注しない局面の間を、可能な限り減速することは、BLDCMのための制御方式を介して、本明細書に開示される実施形態において達成可能である。制御方式は、分注等の極めて重要な機能のためにいくらか余分の/向上した位置制御を得るために、周波数(例えば、30kHz)を増加させるように構成される。さらに、制御方式は、あまり重要ではない機能を低周波数(例えば、10kHz)で実行することによって発熱を抑制するように構成される。さらに、カスタム制御方式は、分注されないサイクルの間に低周波数で実行することによって起こる、いかなる位置制御の喪失も最小限にするように構成される。
【0086】
制御方式は、圧力によって特徴付けられる、望ましい分注プロファイルを提供するように構成される。特徴付けは、圧力信号のばらつきに基づくことができる。例えば、均一の圧力プロファイルは、滑らか運動、少ない振動、したがって、より優れた位置制御を示唆することになる。対照的に、ばらついた圧力信号は、十分でない位置制御を示唆することになる。位置制御に関する限りは、10kHzと15kHzでのBLDCMの実行間の差異は、重要でない可能性がある。しかしながら、速度が10kHzより低下する場合は(例えば、5kHz)、位置制御を保持するために十分速くない場合がある。例えば、BLDCMの一実施形態は、分注流体のために構成される。位置ループが1ミリ秒未満で実行する場合(すなわち、約10kHzまたはそれ以上)、効果は人間の目には可視的ではない。しかしながら、1、2、または3ミリ秒の範囲に達する場合、流体内の効果は可視的となる。他の例として、弁のタイミングが、1ミリ秒未満で変化する場合は、流体の結果におけるいかなる変動も、人間の目にとって、または他のプロセスモニタによって可視的でない場合がある。しかしながら、1、2、または3ミリ秒の範囲では、変動は可視的となり得る。このようにして、好ましくは、制御方式は、約10kHzまたはそれ以上で時間が極めて重要な機能(例えば、モータ、弁等のタイミングをとること)を実行する。
【0087】
他の検討材料は、分注システム内の内部計算に関係する。分注システムが、1kHzくらいの遅さで実行するように設定される場合は、1ミリ秒よりも精細ないかなる分解能もなく、1ミリ秒よりも精細である必要がある計算を行うことができない。この場合には、10kHzは、分注システムのための実用的な周波数となる。上述のように、これらの数字は、例となるものであることを意味する。速度を10kHzより遅く(例えば、5kHzまたは2kHzでさえも)設定することが可能である。
【0088】
同様に、性能要件を満たす限りは、30kHzより高速で設定することが可能である。本明細書に開示される例となる分注システムは、種々のライン(例えば、DSPに8000パルスを付与する2000ライン)を有するエンコーダを使用する。それぞれのラインの間の時間は速度である。BLDCMが極めて遅く実行している場合でさえ、これらは非常に精細なラインであるので、非常に速くなり得、基本的にエンコーダにパルスする。BLDCMが、毎秒1回転を実行する場合は、それは、その秒で2000ライン、したがって8000パルスを意味する。パルス幅が変化しない場合は(すなわち、それらが完全に標的幅にあり、何度も反復して同じ状態を維持する)、非常に良好な速度制御の兆候である。それらが振動する場合は、必ずしも不良ではないが、システム設計(例えば、許容誤差)および用途によっては、不十分な速度制御の兆候である。
【0089】
他の検討材料は、デジタル信号プロセッサ(DSP)の処理能力の実用限界に関係する。一例として、一サイクル内で分注するために、位置制御装置、電流制御装置などのために必要なすべての計算を行うのに、大体またはちょうど約20ミリ秒を要することがある。30kHzで実行することにより、制御装置内の他のすべての処理を行うのに残された時間でそれらの計算をするのに十分な約30ミリ秒が得られる。30kHzより速く実行することができるより強力なプロセッサを使用することが可能である。しかしながら、30ミリ秒より高速で動作することは、収穫逓減の結果となる。例えば、50kHzにより、たった約20ミリ秒(1/50000Hz=0.00002秒=20マイクロ秒)だけが得られる。この場合には、より優れた速度性能を、50kHzで得ることができるが、システムが、制御装置を実行するのに必要なすべてのプロセスを実行するには時間が不十分であり、したがって処理上の問題を引き起こす。さらに、50kHzで実行することは、電流がさらに頻繁に切り替わり、それは上述の発熱の問題の一因となることを意味する。
【0090】
要約すれば、熱出力を軽減するために、1つの解決法は、分注の間は高周波(例えば、30kHz)で実行するように、また分注しない動作(例えば、再充電)の間は低周波数(例えば、10kHz)に降下または減速するように、BLDCMを構成することとなる。カスタム制御方式および関連するパラメータを構成する際に考慮する要因には、プロセッサの処理能力に関連する位置制御性能および計算速度、ならびに電流が計算後に切り替えられる回数に関連する発熱が含まれる。上記の例では、10kHzでの位置性能の喪失は、分注しない動作では重要でなく、30kHzでの位置制御は、分注するためには優れており、また発熱は顕著に抑制される。発熱を抑制することによって、本発明の実施形態は、温度変化が、分注される流体に作用しないという技術的利点を提供することができる。これは、熱または温度変化が流体に作用する場合があるいかなる可能性も回避することが極めて望ましい場合には、これは、繊細および/または高額な流体を分注することに関与する用途において特に有用となり得る。さらに、流体を加熱することは、分注動作に作用する。そのような一効果は、ナチュラルサックバック効果と呼ばれる。サックバック効果は、分注動作が流体を温め、ノズルの外部へ流体を膨張させた場合に、それは冷え始めると、冷え始めるにつれて、流体が若干失われることを説明する。分注動作が撤回されると、ノズル内の流体は、容積を増加させ始める。したがって、サックバック効果により、容積が正確でなく、一貫性がないことがあり得る。
【0091】
図20Aは、本発明の一実施形態による、種々の段階におけるステッピングモータおよびBLDCMのサイクルタイミングを例示する図表である。上記の例に続いて、ステッピングモータが、送液モータ175を実装し、またBLDCMが、分注モータ200を実装する。
図21Aでの斜線部分は、モータが作動中であることを示す。本発明の一実施形態によると、ステッピングモータおよびBLDCMは、濾過サイクルの間に圧力制御を促進する方法で構成され得る。ステッピングモータおよびBLDCMの圧力制御タイミングの一例は、斜線部分のモータが作動中であることを示す
図20Bに示されている。
【0092】
図20Bは、送液モータ175および分注モータ200の例となる構成を例示する。より具体的には、設定点が達成されると、BLDCM(すなわち、分注モータ200)は、プログラム化された濾過速度で逆回転を始めることができる。その一方で、ステッピングモータ(すなわち、送液モータ175)速度は、圧力信号の設定点を維持するために変化する。この構成は、いくつかの利点を提供する。例えば、流体上に圧力スパイクがない、流体上の圧力が一定である、粘性変化のために調節が要求されない、システム間で変動がない、また真空が流体上で発生しない等である。
【0093】
図20C〜
図20Fは、他の弁およびモータのタイミングの図である。弁については、黒い部分は、分注サイクルの種々の区分で弁が開状態であることを示す。分注モータおよび送液モータについては、黒い部分は、モータが順回転または逆回転状態にある場合を示した。30区分の分注サイクルの例を使用すると、
図20Cおよび
図20Eは、区分1〜16の間のモータおよび弁のタイミングの例を示し、
図20Cおよび
図20Fは、分注サイクルの区分1〜17の間のモータおよび弁のタイミングの例を示す。多段式ポンプは、他の弁およびモータのタイミング、より多くまたは少ない区分、および他の制御方式を利用できることが留意されるべきである。さらに、区分は、異なる時間を有することが留意されるべきである。参照することによって本明細書に全面的に組み込まれる、「SYSTEM AND METHOD FOR VALVE SEQUENCING IN A PUMP」の名称で、発明者Gonnellaらが2005年12月2日に出願した米国仮特許出願第60/742,168(弁理士事件整理番号第ENTG1740号)、および「SYSTEM AND METHOD FOR VALVE SEQUENCING IN A PUMP」の名称で、発明者Gonnellaらが______に出願した米国特許出願番号第______号(弁理士事件整理番号第ENTG1740−1号)は、弁およびモータのタイミングの種々の実施形態を記載している。
【0094】
種々の本発明の実施形態により、多段式ポンプは、緩徐な流体操作特性およびより広範囲の動作を提供するが、従来の多段式ポンプより顕著に小型になることができる。多段式ポンプの種々の特徴は、小型化に貢献している。
【0095】
従来のポンプ設計のいくつかは、送液チャンバおよび分注チャンバ内の平坦なダイヤフラムに依存し、プロセス流体に圧力を加えるよう作動していた。通常、作動液は、ダイヤフラムの片側に圧力を加え、ダイヤフラムを動かし、それによってプロセス流体を排出させるために使用されていた。作動液は、空気ピストンか、またはステッピングモータ駆動のピストンによって、圧力下に置くことが可能であった。分注ポンプが要求する排出量を得るために、ダイヤフラムは、比較的大きな表面積、ひいては直径を有する必要がある。
【0096】
図21a〜21cと併せて上述したように、他方では、分注ポンプ180のダイヤフラム190および送液ポンプ150のダイヤフラム160は、回転ダイヤフラムであってもよい。平坦なダイヤフラムを使用する場合と比較して、回転ダイヤフラムを使用すると、送液チャンバ155および分注チャンバ185の要求される直径を顕著に縮小する。さらに、回転ダイヤフラムは、作動液ではなくモータ駆動のピストンによって直接動かすことができる。これは、送液/分注チャンバからダイヤフラムの表側での液圧チャンバの必要性、および関連する液圧管路の必要性をなくす。このようにして、回転ダイヤフラムの使用は、分注チャンバおよび送液チャンバが、さらに細く薄型となり、液圧の必要性を除去するようにさせる。
【0097】
例えば、10mlの排出を達成するために平坦なダイヤフラムを使用した従来のポンプは、断面積が4.24平方インチ(27.4193平方センチメートル)のポンプチャンバを必要としていた。回転ダイヤフラムを使用するポンプチャンバは、1.00平方インチ(6.4516平方センチメートル)のダイヤフラムで同様の排出が達成することができる。回転するダイヤフラムのためのピストンとチャンバ壁との間の空間および密閉フランジを考慮に入れたとしても、回転ダイヤフラムポンプは、1.25平方インチ(8.064平方センチメートル)のみの設置面積を必要する。さらに、回転ダイヤフラムは、ぬれ表面積の縮小により、平坦なダイヤフラムよりさらに高圧力に対応することができる。その結果として、回転ダイヤフラムポンプは、平坦なダイヤフラムが補強を必要とする圧力に対し、金属包装等の補強を必要としない。
【0098】
さらに、回転ダイヤフラムの使用は、流通路が、送液チャンバ155および分注チャンバ185出入りするのを可能にし、有利にも小型化するように設置される。例えば、
図21cと併せて論じたように、分注チャンバ185からの入口、出口および浄化流通路への開口部は、チャンバ内のどこにでも配設することができる。さらに、回転ダイヤフラムを使用すると、液圧を除去することによってポンプの費用を削減することが留意されるべきである。
【0099】
小型化をはかる本発明の実施形態の他の特徴は、ポンプチャンバを含む入口から出口までの種々の流通路を画定する単体の分注ブロックを使用することである。従来は、流通路およびチャンバを画定した多段(5つ以上)ブロックがあった。分注ブロック205は、単一ブロックであるので、密閉部は減少し、組立体の複雑性は緩和される。
【0100】
小型化に役立つ本発明の実施形態のさらに他の特徴は、すべてのポンプ弁(例えば、流入、隔離、遮断、ガス抜きおよび浄化)は、単一の弁板内にあることである。従来は、弁は、弁板と種々の分注ブロックとの間で分割された。これは、流体の漏洩を引き起こす可能性がある界面をもたらした。
【0101】
図22は、最大10mLの分注をもたらすことができる多段式ポンプの実施形態の寸法の例を提供する。
【0102】
さらに、従来のポンプでは、種々のPTFE板は、クランプで締められたか、または螺合された外部金属板によって一緒にされていた。PTFEは比較的脆弱な材料であるので、PTFEに部品を螺合、さもなければ添着することは困難である。本発明の実施形態は、
図5および
図6と併せて記載したように、垂直雌ねじ穴を有する棒を使用して(例えば、挿入)、この問題を解決する。棒は、金属の強度を有する他の部品内に螺合するための機構を提供する。
【0103】
多段式ポンプに関して記載したが、本発明の実施形態はまた、単段ポンプに利用することもできる。
図23は、ポンプ4000のためのポンプ組立体の一実施形態の図である。ポンプ4000は、上述の多段式ポンプ100の1つステージ、例えば、分注ステージと同様であってもよく、ステッピングモータ、ブラシレスDCモータ、または他のモータによって駆動される回転ダイヤフラムポンプを含むことができる。ポンプ4000は、ポンプ4000を通る種々の流体流路を画定する、またポンプチャンバを少なくとも部分的に画定する分注ブロック4005を含むことができる。一実施形態による、分注ポンプブロック4005は、PTFE、変性PTFEまたは他の材料から成る単一ブロックであってもよい。これらの材料は、多くのプロセス流体と反応しない、または反応性が少ないので、これらの材料を使用すると、流通路およびポンプチャンバは、最低限の機械設備の追加をもって、分注ブロック4005に直接機械加工することができる。ひいては、分注ブロック4005は、一体型流体マニホールドを提供することによって、パイピングの必要性を軽減する。
【0104】
分注ブロック4005は、例えば、流体を受ける入口4010、流体を浄化/ガス抜きするための浄化/ガス抜き出口4015、および流体が分注区分の間に分注される分注出口4020を含み、種々の外部入口および外部出口を含むことができる。
図23の例では、ポンプがたった1つのチャンバを有するので、分注ブロック4005は、外部浄化出口4010を含む。参照することによって本明細書に全面的に組み込まれる、「O−RING−LESS LOW PROFILE FITTING AND ASSEMBLY THEREOF」の名称で、Iraj Gashgaeeが2005年12月2日に出願した米国特許出願第60/741,667号(弁理士事件整理番号第ENTG1760号)、および「O−RING−LESS LOW PROFILE FITTINGS AND FITTING ASSEMBLIES」名称で、発明者Iraj Gashgaeeが______に出願した米国特許出願番号第______号(弁理士事件整理番号第ENTG1760−1号)は、分注ブロック4005の外部入口および外部出口を流体管路に結合ために利用することができる接続金具の実施形態を記載している。
【0105】
分注ブロック4005は、入口から入口弁(例えば、弁板4030によって少なくとも部分的に画定される)へ、入口弁からポンプチャンバへ、ポンプチャンバからガス抜き/浄化弁へ、およびポンプチャンバから出口4020へ流体を送る。ポンプカバー4225は、ポンプモータを破損から保護することができるが、ピストンハウジング4027は、ピストンを保護することができ、本発明の一実施形態により、ポリエチレンまたは他のポリマーから形成することができる。弁板4030は、流体の流れをポンプ4000の種々の部品に誘導するように構成することができる弁(例えば、入口弁、および浄化/ガス抜き弁)のシステムのための弁ハウジングを提供する。弁板4030および対応する弁は、上述の弁板230と併せて記載した方法と同様に形成することができる。一実施形態によると、入口弁、および浄化/ガス抜き弁のそれぞれは、弁板4030に少なくとも部分的に統合され、圧力または真空が対応するダイヤフラムに加えられるかどうかに応じて開状態または閉状態となるダイヤフラム弁である。他の実施形態では、弁のいくつかは、分注ブロック4005の外部にあってもよく、またはさらなる弁板に配置してもよい。一実施形態によると、1枚のPTFEは、弁板4030と分注ブロック4005との間に挟入され、種々の弁のダイヤフラムを形成する。弁板4030は、それぞれの弁のための弁制御入口(図示せず)を含み、対応するダイヤフラムに圧力または真空を加える。
【0106】
多段式ポンプ100と同様に、ポンプ4000は、流体液滴が、電子機器を収納する多段式ポンプ100の領域に入らないようにするいくつかの特徴を含むことができる。「防滴」の特徴は、突出しているリップ、傾斜特徴、部品間の密閉部、金属/ポリマーの接合部分でのオフセット、および電子機器を液滴から隔離するために上述した他の特徴を含むことができる。電子機器ならびにマニホールドおよびPCBボードは、ポンプチャンバ内の流体上の熱効果を軽減するために上述した方法と同様に構成することができる。
【0107】
このようにして、形状要因および熱効果を低減するために、また流体が電子ハウジングに入らないようにするために、多段式ポンプに使用されるものと同様の特徴は、単段ポンプに使用することができる。
【0108】
本発明は、実例となる実施形態を参照して、本明細書に詳細に記載されてきたが、記述はほんの一例とされるものであり、限定する意味に解釈されるものではないことが理解されるべきである。したがって、本発明の実施形態の詳細における多数の変更形態、および本発明のさらなる実施形態は、本記述に関係がある当業者には明白となり、また当業者によって製作され得ることがさらに理解されるべきである。そのようなすべての変更形態およびさらなる実施形態は、請求する本発明の範囲内にあることが企図される。
【0109】
[付記項1]
多段式ポンプであって、
ポンプ入口流路と、
ポンプ出口流路と、
該ポンプ入口流路と流体連通している送液ポンプであって、
送液チャンバ内で可動の送液ステージダイヤフラムと、
該送液ステージダイヤフラムを動かす送液ピストンと、
該送液ピストンを往復運動させるために、該送液ピストンに結合された送液モータと
を備える、送液ポンプと、
該送液ポンプおよび該ポンプ出口流路と流体連通している分注ポンプであって、
分注チャンバ内で可動の分注ダイヤフラムであって、分注回転ダイヤフラムを備える分注ダイヤフラムと、
該分注ダイヤフラムを動かす分注ピストンと、
該分注ピストンを往復運動させるために、該分注ピストンに結合された分注モータと
を備える、分注ポンプと、
該多段式ポンプを通る流体の流れを選択的に可能にする一式の弁と、
該分注チャンバ内の圧力を検出するように配置された圧力センサと
を備える、多段式ポンプ。
[付記項2]
前記送液ステージダイヤフラムは、送液ステージ回転ダイヤフラムであり、前記分注モータはブラシレスDCモータであり、前記多段式ポンプは、
前記送液ピストンに結合され、前記送液モータによって可動である第1の親ねじと、
前記分注ピストンに結合され、前記分注モータによって可動である第2の親ねじであって、該送液ピストンおよび該分注ピストンは、それぞれ、前記送液ダイヤフラムおよび前記分注ダイヤフラムを直接動かす、第2の親ねじと、
前記送液チャンバと流体連通している送液ステージ出口流路と、
前記分注チャンバと流体連通している分注ステージ入口流路と、
該送液ステージ出口流路および該分注ステージ入口流路と流体連通しているフィルタであって、送液ステージポンプから前記分注ポンプへ流れる流体は、該フィルタを通過する、フィルタと
をさらに備える、付記項1に記載の多段式ポンプ。
[付記項3]
前記フィルタと流体連通しているガス抜き流路と、
前記分注チャンバと流体連通している浄化流路と
をさらに備える、付記項2に記載の多段式ポンプ。
[付記項4]
前記浄化流路は、前記分注チャンバから前記送液チャンバへ通じている、付記項3に記載の多段式ポンプ。
[付記項5]
前記送液チャンバの少なくとも一部分および前記分注チャンバの少なくとも一部分を画定する単体の材料から形成される分注ブロックをさらに備え、該分注ブロックは、前記ポンプ入口流路の第1および第2の部分、前記送液ステージ出口流路の第1および第2の部分、前記分注ステージ入口流路の第1および第2の部分、前記ガス抜き流路の第1および第2の部分、前記浄化流路の第1および第2の部分、ならびに前記ポンプ出口流路の少なくとも一部分をさらに画定する、付記項4に記載の多段式ポンプ。
[付記項6]
前記分注ブロックに結合される弁板をさらに備え、該弁板および該分注ブロックは、入口弁、隔離弁、遮断弁および浄化弁のための弁チャンバを画定し、
前記分注ブロックは、前記ポンプ入口流路の第1および第2の部分、前記送液ステージ出口流路の第1および第2の部分、前記分注ステージ入口流路の第1および第2の部分、前記ガス抜き流路の第1および第2の部分、前記浄化流路の第1および第2の部分、ならびに前記ポンプ出口流路の少なくとも一部分をさらに画定し、
該ポンプ入口流路の該第1の部分は、入口から入口弁へ通じ、該ポンプ入口流路の該第2の部分は、該入口弁から前記送液チャンバへ通じ、
該送液ステージ出口流路の該第1の部分は、該送液チャンバから該隔離弁へ通じ、該送液ステージ出口流路の該第2の部分は、前記フィルタへ通じ、
該分注ステージ入口流路の該第1の部分は、該フィルタから該遮断弁へ通じ、該分注ステージ入口流路の該第2の部分は、該遮断弁から前記分注チャンバへ通じ、
該ガス抜き流路の該第1の部分は、該フィルタからガス抜き弁へ通じ、該ガス抜き流路の該第2の部分は、該ガス抜き弁からガス抜き出口へ通じ、
該浄化流路の該第1の部分は、該分注チャンバから該浄化弁へ通じ、該浄化流路の該第2の部分は、該浄化弁から該送液チャンバへ通じている、
付記項5に記載の多段式ポンプ。
[付記項7]
前記弁板と前記分注ブロックとの間に結合された1枚のエラストマー材料をさらに備える、付記項6に記載の多段式ポンプ。
[付記項8]
電子機器ハウジングと、
該電子機器ハウジング内に配設されたマニホールドであって、該マニホールドは、前記入口弁、前記ガス抜き弁、前記隔離弁、前記遮断弁および前記浄化弁と流体連通し、1つ以上のソレノイド弁を備える、マニホールドと、
該マニホールドと連通しており、該電子機器ハウジングを貫通している少なくとも1つの供給線と
をさらに備える、付記項6に記載の多段式ポンプ。
[付記項9]
前記電子機器ハウジングは、前記分注ブロックの表面によって部分的に画定され、前記マニホールドは、該電子機器ハウジング内の、該分注ブロックの該表面から遠位の位置に配設され、該多段式ポンプは、
該電子機器ハウジング内に配置されたPCBボードであって、該PCBボードは、1つ以上の発熱部品で構成され、該1つ以上の発熱部品は、該分注ブロックの該表面からは該PCBボードの反対側にある、PCBボードと、
裏板であって、該マニホールドおよび該PCBボードは、該裏板に結合され、該裏板は、該PCBボードおよび該マニホールドから熱を消散するように選択された材料から形成される、裏板と
をさらに含む、付記項8に記載の多段式ポンプ。
[付記項10]
前記多段式ポンプは、電子機器ハウジングをさらに備え、前記分注ブロックは、該電子機器ハウジングから離れるように液滴を導く傾斜機構を備え、
該分注ブロックは、該電子機器ハウジングのトップカバーに接する該分注ブロックの端縁に位置するフランジをさらに備え、該トップカバーの上部表面は該フランジの上部表面と同一平面上にあり、該トップカバーの側部表面は、該フランジの外縁から内部に嵌め込まれている、付記項5に記載の多段式ポンプ。
[付記項11]
1つ以上のモータカバーをさらに備え、該1つ以上のカバーのそれぞれの鉛直表面が、前記分注ブロックの対応する鉛直表面から内側にオフセットしている、付記項10に記載の多段式ポンプ。
[付記項12]
ポンプ入口流路と、
ポンプ出口流路と、
該ポンプ出口流路と流体連通している分注チャンバの少なくとも一部分、および該ポンプ入口流路と流体連通している送液チャンバの少なくとも一部分を画定する単体の分注ブロックと、
該送液チャンバおよび該分注チャンバと流体連通しているフィルタと、
該送液チャンバ内で可動の送液ステージダイヤフラムと、
該送液ステージダイヤフラムを動かす送液ピストンと、
該送液ピストンを往復運動させるために、該送液ピストンに結合された送液モータと、
該分注チャンバ内で可動の分注ダイヤフラムと、
該分注ダイヤフラムを動かす分注ピストンと、
該分注ピストンを往復運動させるために、該分注ピストンに結合された分注モータと、
該分注チャンバ内の圧力を読み取るように配設された圧力センサと
を備える、多段式ポンプ。
[付記項13]
前記分注ブロックは、前記ポンプ入口流路の第1および第2の部分、前記送液ステージ出口流路の第1および第2の部分、前記分注ステージ入口流路の第1および第2の部分、ガス抜き流路の第1および第2の部分、浄化流路の第1および第2の部分、ならびに前記ポンプ出口流路の少なくとも一部分をさらに画定し、
該ポンプ入口流路の該第1の部分は、入口から入口弁へ通じ、該ポンプ入口路の該第2の部分は、該入口弁から前記送液チャンバへ通じ、
該送液ステージ出口流路の該第1の部分は、該送液チャンバから隔離弁へ通じ、該送液ステージ出口流路の該第2の部分は、前記フィルタへ通じ、
該分注ステージ入口流路の該第1の部分は、該フィルタから遮断弁へ通じ、該分注ステージ入口流路の該第2の部分は、該遮断弁から前記分注チャンバへ通じ、
該ガス抜き流路の該第1の部分は、該フィルタからガス抜き弁へ通じ、該ガス抜き流路の該第2の部分は、該ガス抜き弁からガス抜き出口へ通じ、
該浄化流路の該第1の部分は、該分注チャンバから浄化弁へ通じ、該浄化流路の該第2の部分は、該浄化弁から該送液チャンバへ通じている、
付記項12に記載の多段式ポンプ。
[付記項14]
前記分注ブロックに結合された弁板をさらに備え、該弁板および該分注ブロックは、前記入口弁、前記隔離弁、前記遮断弁および前記浄化弁のための弁チャンバを画定する、付記項13に記載の多段式ポンプ。
[付記項15]
前記弁板と前記分注ブロックとの間に結合された1枚のエラストマー材料をさらに備える、付記項14に記載の多段式ポンプ。
[付記項16]
電子機器ハウジングと、
該電子機器ハウジング内に配設されたマニホールドであって、該マニホールドは、前記入口弁、前記ガス抜き弁、前記隔離弁、前記遮断弁および前記浄化弁と流体連通し、1つ以上のソレノイド弁を備える、マニホールドと、
該マニホールドと連通しており、該電子機器ハウジングを貫通している少なくとも1つの供給線と
をさらに備える、付記項14に記載の多段式ポンプ。
[付記項17]
前記電子機器ハウジングは、前記分注ブロックの表面によって部分的に画定され、また前記マニホールドは、該電子機器ハウジング内の、該分注ブロックの該表面から遠位の位置に配設され、前記多段式ポンプは、
該電子機器ハウジング内に配置されたPCBボードであって、該PCBボードは、1つ以上の発熱部品で構成され、該1つ以上の発熱部品は、該分注ブロックの該表面からは該PCBボードの反対側にある、PCBボードと、
裏板であって、該マニホールドおよび該PCBボードは、該裏板に結合され、該裏板は、該PCBボードおよび該マニホールドから熱を消散するように選択された材料から形成される、付記項16に記載の多段式ポンプ。
[付記項18]
前記多段式ポンプは、電子機器ハウジングをさらに備え、前記分注ブロックは、該電子機器ハウジングから離れるように液滴を導く傾斜機構を備えており、
該分注ブロックは、該電子機器ハウジングのトップカバーに接する、該分注ブロックの端縁に位置するフランジをさらに備え、該トップカバーの上部表面は該フランジの上部表面と同一平面上にあり、該トップカバーの側部表面は、該フランジの外縁から内部に嵌め込まれる、付記項12に記載の多段式ポンプ。
[付記項19]
前記多段式ポンプは、1つ以上のモータカバーをさらに備え、該1つ以上のカバーのそれぞれの鉛直表面は、前記分注ブロックの対応する鉛直表面から内側にオフセットしている、付記項12に記載の多段式ポンプ。
[付記項20]
多段式ポンプ方法であって、
単体の材料の分注ブロックを形成することであって、該分注ブロックは、送液チャンバ、分注チャンバ、ポンプ入口流路およびポンプ出口流路を少なくとも部分的に画定する、ことと、
該分注ブロックと分注ポンプピストンハウジングとの間に分注回転ダイヤフラムを取り付けることと、
該分注ブロックと送液ポンプピストンハウジングとの間に送液ステージ回転ダイヤフラムを取り付けることと、
送液ポンプ親ねじによって、送液ポンプピストンを送液ポンプモータに結合することと、
分注ポンプ親ねじによって、分注ポンプピストンを分注ポンプモータに結合することと、
該送液モータを該送液ポンプピストンハウジングに結合することと、
該分注モータを該分注モータピストンハウジングに結合することと、
フィルタが該分注チャンバおよび該送液チャンバと流体連通するように、フィルタを該分注ブロックに結合することと
を包含する、方法。
[付記項21]
前記送液モータは、ステッピングモータであり、また前記分注モータは、ブラシレスDCモータである、付記項20に記載の方法。
[付記項22]
弁板を前記分注ブロックに結合することを含み、該弁板は、1つ以上の弁を少なくとも部分的に画定し、
該分注ブロックは、前記ポンプ入口流路の第1および第2の部分、前記送液ステージ出口流路の第1および第2の部分、前記分注ステージ入口流路の第1および第2の部分、ガス抜き流路の第1および第2の部分、浄化流路の第1および第2の部分、ならびに前記ポンプ出口流路の少なくとも一部分をさらに画定し、
該ポンプ入口流路の該第1の部分は、入口から入口弁へ通じ、該ポンプ入口流路の該第2の部分は、該入口弁から前記送液チャンバへ通じ、
該送液ステージ出口流路の該第1の部分は、該送液チャンバから隔離弁へ通じ、該送液ステージ出口流路の該第2の部分は、前記フィルタへ通じ、
該分注ステージ入口流路の該第1の部分は、該フィルタから遮断弁へ通じ、該分注ステージ入口流路の該第2の部分は、該遮断弁から前記分注チャンバへ通じ、
該ガス抜き流路の該第1の部分は、該フィルタからガス抜き弁へ通じ、該ガス抜き流路の該第2の部分は、該ガス抜き弁からガス抜き出口へ通じ、
該浄化流路の該第1の部分は、該分注チャンバから浄化弁へ通じ、該浄化流路の該第2の部分は、該浄化弁から該送液チャンバへ通じている、
付記項20に記載の方法。
[付記項23]
ねじ穴を有する一式の金属棒を前記分注ブロックに挿入することであって、それぞれの棒が該棒の該ねじ穴に螺入されるねじに対して直角となるように、該ねじ穴が位置合わせされる、ことと、
1つ以上の部品を該分注ブロックに結合するために、該ねじ穴にねじを螺入することと
を含む、付記項20に記載の方法。
[付記項24]
ポンプ入口流路と、
ポンプ出口流路と、
該ポンプ出口流路および該ポンプ入口流路と流体連通しているポンプチャンバの少なくとも一部分を画定する単体の分注ブロックと、
送液チャンバ内で可動のダイヤフラムと、
該ダイヤフラムを動かすピストンであって、該ピストンは該ダイヤフラムを直接動かす、ピストンと、
該ピストンを往復運動させるために、該ピストンに結合されたモータと、
該ポンプチャンバ内の圧力を読み取るように配設された圧力センサと
を備える、ポンプ。
[付記項25]
前記分注ブロックに結合された弁板をさらに備え、該弁板と該分注ブロックは、入口弁および浄化弁のための弁チャンバを画定し、
該分注ブロックは、前記ポンプ入口流路の第1および第2の部分、浄化流路の第1および第2の部分、ならびに前記ポンプ出口流路の少なくとも一部分をさらに画定し、
該ポンプ入口流路の該第1の部分は、入口から入口弁へ通じ、該ポンプ入口流路の該第2の部分は、該入口弁から前記ポンプチャンバへ通じ、
該浄化流路の該第1の部分は、該ポンプチャンバから浄化弁へ通じ、また該浄化流路の該第2の部分は、浄化出口へ通じている、付記項24に記載のポンプ。
[付記項26]
前記弁板と前記分注ブロックとの間に結合された1枚のエラストマー材料をさらに備える、付記項25に記載のポンプ。
[付記項27]
前記分注ブロックの表面によって部分的に画定される電子機器ハウジングと、
該電子機器ハウジング内に、該分注ブロックの該表面から遠位の位置に配設されたマニホールドであって、該マニホールドは、前記入口弁および前記浄化弁と流体連通し、1つ以上のソレノイド弁を備える、マニホールドと、
該マニホールドと連通し、該電子機器ハウジングを貫通している少なくとも1つの供給線と、
裏板と、
該電子機器ハウジング内に配置されたPCBボードとをさらに備え、
該PCBボードは、1つ以上の発熱部品で構成され、該1つ以上の発熱部品は、該分注ブロックの該表面からは該PCBボードの反対側にあり、該マニホールドおよび該PCBボードは、該裏板に結合され、該裏板は、該PCBボードおよび該マニホールドから熱を消散するように選択された材料から形成されている、付記項25に記載のポンプ。
[付記項28]
前記多段式ポンプは、電子機器ハウジングをさらに備え、前記分注ブロックは、該電子機器ハウジングから離れるように液滴を導く傾斜機構を備え、
該分注ブロックは、該電子機器ハウジングのトップカバーに接する該分注ブロックの端縁に配置されたフランジをさらに備え、該トップカバーの上部表面は該フランジの上部表面と同一平面上にあり、該トップカバーの側部表面は、該フランジの外縁から内部に嵌め込まれる、付記項24に記載のポンプ。
[付記項29]
前記電子機器ハウジングを部分的に画定する裏板と、
該裏板と前記トップカバーとの間の密閉部と
をさらに備える、付記項28に記載のポンプ。
[付記項30]
前記ポンプは、1つ以上のカバーをさらに備え、該1つ以上のカバーのそれぞれの鉛直表面は、前記分注ブロックの対応する鉛直表面から内側にオフセットしている、付記項29に記載のポンプ。