(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁部材の前記第2の面側の前記貫通電極の端面が、前記絶縁部材の前記第2の面及び前記半導体チップの背面に対して面一となるように形成されている請求項1乃至4の何れか一項記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電子装置の断面図である。
【0024】
図2を参照するに、第1の実施の形態の電子装置10は、半導体装置11と、他の半導体装置である半導体装置12と、内部接続端子13とを有する。
【0025】
半導体装置11は、多層配線構造体15と、電子部品17,18と、絶縁部材19と、貫通電極21〜23と、外部接続端子24を有する。
【0026】
多層配線構造体15は、絶縁部材19の下面19B(第1の面)、電子部品17,18の後述する電極パッド形成面17B,18B、薄板化された電子部品17,18に設けられた後述する電極パッド62,63,65,66を覆うように設けられている。
【0027】
多層配線構造体15は、積層体27と、外部接続用パッド31−1,31−2,31−3,31−4と、配線パターン33〜36と、ソルダーレジスト層38とを有する。
【0028】
積層体27は、複数の絶縁層41,42が積層された構成とされている。絶縁層41は、電子部品17,18に設けられた電極パッド62,63,65,66と、電子部品17の電極パッド形成面17B(電極パッド62,63が設けられた側の面)、電子部品18の電極パッド形成面18B(電極パッド65,66が設けられた側の面)、及び絶縁部材19の下面19Bに設けられている。絶縁層41としては、例えば、絶縁樹脂層(例えば、エポキシ樹脂層)を用いることができる。絶縁層41の厚さは、例えば、5〜30μmとすることができる。
【0029】
絶縁層42は、絶縁層41の下面41Bに設けられている。絶縁層42としては、例えば、絶縁樹脂層(例えば、エポキシ樹脂層)を用いることができる。絶縁層42の厚さは、例えば、5〜30μmとすることができる。
【0030】
外部接続用パッド31−1,31−2,31−3,31−4は、絶縁層42の下面42Bに設けられている。外部接続用パッド31−1は、外部接続端子24が配設される接続面31−1Aを有する。外部接続用パッド31−1は、配線パターン33と接続されている。外部接続用パッド31−1は、配線パターン33を介して、電子部品17,18と電気的に接続されている。
【0031】
外部接続用パッド31−2は、外部接続端子24が配設される接続面31−2Aを有する。外部接続用パッド31−2は、配線パターン34と接続されている。外部接続用パッド31−2は、配線パターン34を介して、半導体装置12及び電子部品17と電気的に接続されている。
【0032】
外部接続用パッド31−3は、外部接続端子24が配設される接続面31−3Aを有する。外部接続用パッド31−3は、配線パターン35と接続されている。外部接続用パッド31−3は、配線パターン35を介して、半導体装置12及び電子部品18と電気的に接続されている。
【0033】
外部接続用パッド31−4は、外部接続端子24が配設される接続面31−4Aを有する。外部接続用パッド31−4は、配線パターン36と接続されている。外部接続用パッド31−4は、配線パターン36を介して、半導体装置12と電気的に接続されている。
【0034】
上記構成とされた外部接続用パッド31−1,31−2,31−3,31−4の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0035】
配線パターン33〜36は、積層体27を貫通するように、積層体27に内設されている。配線パターン33は、第1の接続部であるビア45,46と、ビア48と、配線47とを有する。ビア45は、電子部品17に設けられた電極パッド62と対向する部分の絶縁層41を貫通するように設けられている。つまり、ビア45は、電子部品17の配設領域に対応する部分の絶縁層41から露出されている。ビア45の上端は、電極パッド62と直接接続されている。これにより、ビア45は、電子部品17と電気的に接続されている。
【0036】
ビア46は、電子部品18の電極パッド65と対向する部分の絶縁層41を貫通するように設けられている。つまり、ビア46は、電子部品18の配設領域に対応する部分の絶縁層41から露出されている。ビア46の上端は、電極パッド65と直接接続されている。これにより、ビア46は、電子部品18と電気的に接続されている。
【0037】
配線47は、絶縁層41の下面41B及びビア45,46の下端面に設けられている。配線47は、ビア45,46の下端と接続されている。配線47は、ビア45,46を介して、電子部品17,18と電気的に接続されている。
【0038】
ビア48は、配線47と外部接続用パッド31−1との間に位置する部分の絶縁層42を貫通するように設けられている。ビア48の上端は、配線47と接続されている。ビア48の下端は、外部接続用パッド31−1と接続されている。これにより、ビア48は、配線47と外部接続用パッド31−1とを電気的に接続している。上記構成とされた配線パターン33の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0039】
配線パターン34は、第1の接続部であるビア51と、第2の接続部であるビア52と、ビア54と、配線53とを有する。ビア51は、電子部品17の電極パッド63と対向する部分の絶縁層41を貫通するように設けられている。つまり、ビア51は、電子部品17の配設領域に対応する部分の絶縁層41から露出されている。ビア51の上端は、電極パッド63と直接接続されている。これにより、ビア51は、電子部品17と電気的に接続されている。
【0040】
ビア52は、貫通電極21の下方に位置する部分の絶縁層41を貫通するように設けられている。つまり、ビア52は、電子部品17の配設領域の外側に位置する部分の絶縁層41から露出されている。ビア52の上端は、貫通電極21の下端と直接接続されている。これにより、ビア52は、貫通電極21と電気的に接続されている。
【0041】
配線53は、絶縁層41の下面41B及びビア51,52の下端面に設けられている。配線53は、ビア51,52の下端と接続されている。これにより、配線53は、ビア51,52を介して、電子部品17及び半導体装置12と電気的に接続されている。
【0042】
ビア54は、配線53と外部接続用パッド31−2との間に位置する部分の絶縁層42を貫通するように設けられている。ビア54の上端は、配線53と接続されており、ビア54の下端は、外部接続用パッド31−2と接続されている。これにより、ビア54は、配線53と外部接続用パッド31−2とを電気的に接続している。上記構成とされた配線パターン34の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0043】
配線パターン35は、第1の接続部であるビア56と、第2の接続部であるビア57と、配線58と、ビア59とを有する。ビア56は、電子部品18の電極パッド66と対向する部分の絶縁層41を貫通するように設けられている。つまり、ビア56は、電子部品18の配設領域に対応する部分の絶縁層41から露出されている。ビア56の上端は、電極パッド66と直接接続されている。これにより、ビア56は、電子部品18と電気的に接続されている。
【0044】
ビア57は、貫通電極22の下方に位置する部分の絶縁層41を貫通するように設けられている。ビア57の上端は、貫通電極22の下端と直接接続されている。これにより、ビア57は、貫通電極22と電気的に接続されている。
【0045】
配線58は、絶縁層41の下面41B及びビア56,57の下端面に設けられている。配線58は、ビア56,57の下端と接続されている。これにより、配線58は、ビア56,57を介して、電子部品18及び半導体装置12と電気的に接続されている。
【0046】
ビア59は、配線58と外部接続用パッド31−3との間に位置する部分の絶縁層42を貫通するように設けられている。ビア59の上端は、配線58と接続されており、ビア59の下端は、外部接続用パッド31−3と接続されている。これにより、ビア59は、配線58と外部接続用パッド31−3とを電気的に接続している。上記構成とされた配線パターン35の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0047】
配線パターン36は、第2の接続部であるビア61と、ビア63と、配線62とを有する。ビア61は、貫通電極23と対向する部分の絶縁層41を貫通するように設けられている。つまり、ビア61は、電子部品18の配設領域の外側に位置する部分の絶縁層41から露出されている。ビア61の上端は、貫通電極23の下端と直接接続されている。これにより、ビア61は、貫通電極23と電気的に接続されている。
【0048】
配線62は、絶縁層41の下面41B及びビア61の下端面に設けられている。配線62は、ビア61の下端と接続されている。これにより、配線62は、ビア61を介して、貫通電極23と電気的に接続されている。
【0049】
ビア63は、配線62と外部接続用パッド31−4との間に位置する部分の絶縁層42を貫通するように設けられている。ビア63の上端は、配線62と接続されており、ビア63の下端は、外部接続用パッド31−4と接続されている。これにより、ビア63は、配線62と外部接続用パッド31−4とを電気的に接続している。上記構成とされた配線パターン36の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0050】
ソルダーレジスト層38は、絶縁層42の下面42Bに設けられている。ソルダーレジスト層38は、接続面31−1Aを露出する開口部38Aと、接続面31−2Aを露出する開口部38Bと、接続面31−3Aを露出する開口部38Cと、接続面31−4Aを露出する開口部38Dとを有する。
【0051】
上記構成とされた多層配線構造体15は、
図2や後述する
図13及び
図14において、薄板化された電子部品17,18の厚さや絶縁部材19の厚さよりも薄くなるように図示されている。しかし、実際には、多層配線構造体15の厚さは、薄板化された電子部品17,18の厚さ(例えば、200〜300μm)や絶縁部材19の厚さ(例えば、200〜300μm)よりも薄い。多層配線構造体15の厚さは、例えば、20〜80μmとすることができる。多層配線構造体15は、電子部品17,18の電極パッド形成面17B,18Bや絶縁部材19の下面19Bに、膜状又は層状に形成されている。
【0052】
電子部品17は、薄板化された電子部品であり、背面17Aと、背面17Aの反対側に位置する電極パッド形成面17Bと、複数の電極パッド62,63を有する。電子部品17は、電子部品17の電極パッド形成面17Bと絶縁層41の上面41A(積層体27の上面)とが接触するように、絶縁層41の上面41Aに配設されている。電極パッド62,63は、電子部品17の電極パッド形成面17Bに設けられている。電極パッド62,63は、電子部品17の電極パッド形成面17Bから突出している。電極パッド62,63は、絶縁層41により覆われている。
【0053】
電極パッド62は、接続面62Aを有する。接続面62Aは、配線パターン33の構成要素のうちの1つであるビア45の上端と直接接続されている。電極パッド63は、接続面63Aを有する。接続面63Aは、配線パターン34の構成要素のうちの1つであるビア51の上端と直接接続されている。つまり、電極パッド62,63と配線パターン33,34とが直接接続されることで、電子部品17と多層配線構造体15とが電気的に接続されている。絶縁層41上に配置された部分の電子部品17の厚さは、例えば、200〜300μmとすることができる。
【0054】
電子部品18は、薄板化された電子部品であり、背面18Aと、背面18Aの反対側に位置する電極パッド形成面18Bと、複数の電極パッド65,66を有する。電子部品18は、電子部品18の電極パッド形成面18Bと絶縁層41の上面41Aとが接触するように、絶縁層41上に配設されている。電極パッド65,66は、電子部品18の電極パッド形成面18Bに設けられている。電極パッド65,66は、電子部品18の電極パッド形成面18Bから突出している。電極パッド65,66は、絶縁層41により覆われている。
【0055】
電極パッド65は、接続面65Aを有する。接続面65Aは、配線パターン33の構成要素のうちの1つであるビア46の上端と直接接続されている。電極パッド66は、接続面66Aを有する。接続面66Aは、配線パターン35の構成要素のうちの1つであるビア56の上端と直接接続されている。つまり、電極パッド65,66と配線パターン33,35とが直接接続されることで、電子部品18と多層配線構造体15とが電気的に接続される。
【0056】
絶縁層41の上面41Aに配置された部分の電子部品18の厚さは、絶縁層41の上面41Aに配置された部分の電子部品17の厚さと略等しい。絶縁層41の上面41Aに配置された部分の電子部品18の厚さは、例えば、200〜300μmとすることができる。
【0057】
このように、絶縁層41の上面41Aと電子部品17,18の電極パッド形成面17B,18Bとが接触するように、絶縁層41の上面41Aに電子部品17,18を配置し、電子部品17に設けられた電極パッド62,63と配線パターン33,34を構成するビア45,51とを直接接続させると共に、電子部品18に設けられた電極パッド65,66と配線パターン33,35を構成するビア46,56とを直接接続させることにより、バンプ或いは金属ワイヤを介して、電子部品と配線パターンとを電気的に接続させた従来の半導体装置と比較して、半導体装置11の厚さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
【0058】
また、電子部品17,18に設けられた電極パッド62,63,65,66と配線パターン33〜35とを直接接続することにより、電子部品17,18と配線パターン33〜35とを接続するバンプ(例えば、はんだバンプ)が不要となるため、配線パターン33〜35(具体的には、ビア45,46,51,56及び配線47,53,58)を微細かつ高密度に配置することができる。
【0059】
上記説明した電子部品17,18としては、例えば、半導体チップを用いることができる。具体的には、電子部品17,18としてCPU(Central Processing Unit)用の半導体チップを用いる場合や、電子部品17,18のどちらか一方にCPU(Central Processing Unit)用の半導体チップを用い、他方にメモリ用の半導体チップを用いる場合や、電子部品17,18のどちらか一方にCPU(Central Processing Unit)用の半導体チップを用い、他方にGPU(Graphics Processing Unit)用の半導体チップを用いる場合がある。
【0060】
絶縁部材19は、電子部品17,18の側面を覆うように、絶縁層41の上面41Aに設けられている。これにより、絶縁部材19は、電子部品17,18の周囲(側面部分)を封止している。絶縁部材19は、絶縁層41の上面41Aに配置された部分の電子部品17,18と略等しい厚さとされている。絶縁部材19の厚さは、例えば、200〜300μmとすることができる。
【0061】
絶縁部材19の上面19Aは、電子部品17,18の背面17A,18Aと略面一となるように構成されている。これにより、絶縁部材19の上面19Aと電子部品17,18の背面17A,18Aとは、同一平面上に配置されている。
【0062】
このように、絶縁層41の上面41Aに、電子部品17,18の側面を封止すると共に、電子部品17,18の背面17A,18Aと略面一とされた上面19Aを有する絶縁部材19を設けることにより、半導体装置11の厚さ方向のサイズを大型化させることなく、電子部品17,18を封止することができる。
【0063】
絶縁部材19は、貫通孔71〜73を有する。貫通孔71は、ビア52の上端面を露出するように形成されている。貫通孔72は、ビア57の上端面を露出するように形成されている。貫通孔73は、ビア61の上端面を露出するように形成されている。
【0064】
上記構成とされた絶縁部材19としては、例えば、モールド樹脂を用いることができる。モールド樹脂の材料としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
【0065】
貫通電極21は、貫通孔71に設けられている。貫通電極21の上端面は、平坦な面とされており、絶縁部材19の上面19Aと同一平面上に配置されている。貫通電極21の上端は、内部接続端子13と接続されている。貫通電極21は、内部接続端子13を介して、半導体装置12と電気的に接続されている。貫通電極21の下端面は、平坦な面とされており、絶縁部材19の下面19Bと略同一平面上に配置されている。なお、貫通電極21は、製造時の接着剤102の厚さ分だけ、絶縁部材19の下面19Bから突出する。このため、実際には、貫通電極21の下端面と絶縁部材19の下面19Bとは、完全な同一平面上に配置されない。
【0066】
貫通電極21の下端は、ビア52と直接接続されている。これにより、貫通電極21は、配線パターン34を介して、外部接続用パッド31−2と電気的に接続されている。貫通電極21の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0067】
貫通電極22は、貫通孔72に設けられている。貫通電極22の上端面は、平坦な面とされており、絶縁部材19の上面19Aと同一平面上に配置されている。貫通電極22の上端は、内部接続端子13と接続されている。貫通電極22は、内部接続端子13を介して、半導体装置12と電気的に接続されている。貫通電極22の下端面は、平坦な面とされており、絶縁部材19の下面19Bと略同一平面上に配置されている。なお、貫通電極22は、製造時の接着剤102の厚さ分だけ、絶縁部材19の下面19Bから突出する。このため、実際には、貫通電極22の下端面と絶縁部材19の下面19Bとは、完全な同一平面上に配置されない。
【0068】
貫通電極22の下端は、ビア57と直接接続されている。これにより、貫通電極22は、配線パターン35を介して、外部接続用パッド31−3と電気的に接続されている。貫通電極22の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0069】
貫通電極23は、貫通孔73に設けられている。貫通電極23の上端面は、平坦な面とされており、絶縁部材19の上面19Aと同一平面上に配置されている。貫通電極23の上端は、内部接続端子13と接続されている。貫通電極23は、内部接続端子13を介して、半導体装置12と電気的に接続されている。貫通電極23の下端面は、平坦な面とされており、絶縁部材19の下面19Bと略同一平面上に配置されている。なお、貫通電極23は、製造時の接着剤102の厚さ分だけ、絶縁部材19の下面19Bから突出する。このため、実際には、貫通電極23の下端面と絶縁部材19の下面19Bとは、完全な同一平面上に配置されない。
【0070】
貫通電極23の下端は、ビア61と接続されている。これにより、貫通電極23は、配線パターン36を介して、外部接続用パッド31−4と電気的に接続されている。貫通電極23の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0071】
上記説明したように、貫通電極21〜23の上端面は、電子部品17,18の背面17A,18A及び絶縁部材19の上面19Aと同一平面上に配置されている。
【0072】
このように、絶縁部材19を貫通するように内部接続端子13と接続される貫通電極21〜23を設けると共に、貫通電極21〜23の上端面、電子部品17,18の背面17A,18A、及び絶縁部材19の上面19Aを同一平面上に配置することにより、半導体装置12と対向する半導体装置11の上面が平坦な面となるため、半導体装置11と半導体装置12とを電気的に接続する内部接続端子13の高さ方向のサイズを小さくすることが可能となるので、電子装置10の厚さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
【0073】
また、内部接続端子13の高さ方向のサイズを小さくすることにより、貫通電極21〜23を狭ピッチで配置することが可能となるので、半導体装置11と半導体装置12との間における電気的接続箇所を増加させることができる(言い換えれば、半導体装置11,12間に配置される内部接続端子13の数を増加させることができる。)。
【0074】
さらに、はんだボール等の内部接続端子13を小径化が可能となることにより、貫通電極21〜23を狭ピッチ化できる。
【0075】
なお、内部接続端子13が接続される側の貫通電極21〜23の端面に、保護層(例えば、貫通電極21〜23の端面に、Niめっき層と、Auめっき層とを順次積層させたNi/Au積層膜)を設けてもよい。
【0076】
外部接続端子24は、接続面31−1A,31−2A,31−3A,31−4Aにそれぞれ設けられている。外部接続端子24は、電子装置10をマザーボード等の実装基板(図示せず)に接続する際、実装基板に設けられたパッドと接続される端子である。外部接続端子24としては、例えば、はんだボールを用いることができる。
図2では、外部接続端子24としてはんだボールを用いた場合を例に挙げて図示したが、はんだボールの代わりにピン端子を外部接続端子24として用いてもよい。
【0077】
本実施の形態の半導体装置によれば、絶縁層41の上面41Aと電子部品17,18の電極パッド形成面17B,18Bとが接触するように、絶縁層41の上面41Aに電子部品17,18を配置し、電子部品17に設けられた電極パッド62,63と配線パターン33,34を構成するビア45,51とを直接接続させると共に、電子部品18に設けられた電極パッド65,66と配線パターン33,35を構成するビア46,56とを直接接続させることにより、バンプ或いは金属ワイヤを介して、電子部品と配線パターンとを電気的に接続させた従来の半導体装置と比較して、半導体装置11の厚さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
【0078】
また、電子部品17,18に設けられた電極パッド62,63,65,66と配線パターン33〜35とを直接接続することにより、電子部品17,18と配線パターン33〜35とを接続するバンプ(例えば、はんだバンプ)が不要となるため、配線パターン33〜35(具体的には、ビア45,46,51,56及び配線47,53,58)を微細かつ高密度に配置することができる。
【0079】
半導体装置12は、半導体装置11の上方に配置されており、配線基板81と、電子部品83と、モールド樹脂85とを有する。配線基板81は、基板本体91と、パッド93,94と、配線パターン96と、ソルダーレジスト層98,99とを有する。基板本体91は、板状とされている。基板本体91としては、例えば、複数の絶縁樹脂層が積層された積層体を用いることができる。
【0080】
パッド93は、基板本体91の上面91Aに設けられている。パッド93は、金属ワイヤ84(例えば、Auワイヤ)の一方の端部及び配線パターン96の上端と接続されている。パッド93は、金属ワイヤ84を介して、電子部品83と電気的に接続されている。パッド93の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0081】
パッド94は、基板本体91の下面91Bに設けられている。パッド94は、配線パターン96の下端及び内部接続端子13と接続されている。パッド94は、配線パターン96を介して、パッド93と電気的に接続されると共に、内部接続端子13を介して、半導体装置11と電気的に接続されている。パッド94の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0082】
配線パターン96は、基板本体91を貫通するように、基板本体91に内設されている。配線パターン96は、例えば、複数の配線及びビア(図示せず)により構成することができる。配線パターン96の上端は、パッド93と接続されており、配線パターン96の下端は、パッド94と接続されている。
【0083】
ソルダーレジスト層98は、基板本体91の上面91Aに設けられている。ソルダーレジスト層98は、パッド93の上面を露出する開口部98Aを有する。
【0084】
ソルダーレジスト層99は、基板本体91の下面91Bに設けられている。ソルダーレジスト層99は、パッド94の下面を露出する開口部99Aを有する。
【0085】
電子部品83は、複数の電極パッド100を有する。電子部品83は、電極パッド100が形成されていない側の電子部品83の面とソルダーレジスト層98の上面とが接触するように、ソルダーレジスト層98上に接着されている。電極パッド100は、金属ワイヤ84の他方の端部と接続されている。これにより、電子部品83は、金属ワイヤ84を介して、配線基板81と電気的に接続されている。電子部品83としては、例えば、メモリ用の半導体チップを用いることができる。
【0086】
モールド樹脂85は、電子部品83及び金属ワイヤ84を覆うように、パッド93の上面及びソルダーレジスト98の上面に設けられている。モールド樹脂85は、電子部品83及び金属ワイヤ84を封止するための樹脂である。モールド樹脂85の材料としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
【0087】
内部接続端子13は、半導体装置11と半導体装置12との間に配置されると共に、貫通電極21〜23のうちのいずれか1つの電極の上端及びパッド94と接続されている。これにより、内部接続端子13は、半導体装置11と半導体装置12とを電気的に接続している。先に説明したように、半導体装置12と対向する半導体装置11の上面は、平坦な面とされているため、内部接続端子13の高さ方向のサイズを小さくすることが可能である。内部接続端子13の高さ方向のサイズは、例えば、30μmとすることができる。内部接続端子13としては、例えば、はんだボールを用いることができる。
【0088】
本実施の形態の電子装置によれば、同一平面上に配置された電子部品17,18の背面17A,18A、絶縁部材19の上面19A、及び貫通電極21〜23の上端面を有し、半導体装置12と対向する面が平坦な面とされた半導体装置11と、半導体装置11の上方に配置された半導体装置12と、を内部接続端子13を介して電気的に接続することにより、内部接続端子13の高さ方向のサイズを小さくすることが可能となるため、電子装置10の高さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
【0089】
図3〜
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図である。
図3〜
図14において、第1の実施の形態の半導体装置11と同一構成部分には同一符号を付す。
【0090】
図3〜
図14を参照して、第1の実施の形態の半導体装置11の製造方法について説明する。始めに、
図3に示す工程では、支持体101の上面101Aに接着剤102を形成した後、接着剤102により、電子部品17,18と支持体101とを接着させる(電子部品接着工程)。
【0091】
このとき、支持体101の上面101Aと電極パッド62,63,65,66の接続面62A,63A,65A,66Aとが接触するように、電子部品17,18と支持体101とを接着させる。なお、押圧により電子部品17,18が接着剤102に埋め込まれるようにし、電極パッド62,63,65,66の接続面62A,63A,65A,66Aが支持体101の上面101Aと接触するようにするとよい。
【0092】
この段階での電子部品17,18は、薄板化されていない。このような薄板化されていない電子部品17,18は、薄板化された電子部品17,18よりもハンドリングしやすいため、支持体101の所定の位置に電子部品17,18を精度良く接着することができる。薄板化前の電子部品17,18の厚さは、例えば、700μmとすることができる。
【0093】
電子部品17,18としては、例えば、半導体チップを用いることができる。具体的には、電子部品17,18としてCPU(Central Processing Unit)用の半導体チップを用いる場合や、電子部品17,18のどちらか一方にCPU(Central Processing Unit)用の半導体チップを用い、他方にメモリ用の半導体チップを用いる場合や、電子部品17,18のどちらか一方にCPU(Central Processing Unit)用の半導体チップを用い、他方にGPU(Graphics Processing Unit)用の半導体チップを用いる場合がある。
【0094】
支持体101としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、金属板(例えば、Cu板)等を用いることができる。支持体101の厚さは、例えば、300〜600μmとすることができる。接着剤102としては、例えば、接着性を有したポリイミド樹脂テープ(例えば、厚さ1〜20μm)を用いることができる。
【0095】
次いで、
図4に示す工程では、接着剤102の上面102Aに、電子部品17,18の側面の一部を封止する絶縁部材19を形成する(絶縁部材形成工程)。絶縁部材19としては、例えば、モールド樹脂(例えば、エポキシ樹脂よりなるモールド樹脂)を用いることができる。絶縁部材19は、例えば、トランスファーモールド法により形成することができる。絶縁部材19は、薄板化後の電子部品17,18の背面17A,18Aよりも上方に絶縁部材19の上面が位置するように形成する。この段階での絶縁部材19の厚さは、例えば、300μmとすることができる。
【0096】
次いで、
図5に示す工程では、
図4に示す構造体の上面側(電子部品17,18の背面17A,18A側)から、電子部品17,18及び絶縁部材19を研削(例えば、バックサイドグラインダによる研削)することで、電子部品17,18を薄板化すると共に、薄板化された電子部品17,18の背面17A,18Aと研削された絶縁部材19の上面19Aとを同一平面上に配置させる(研削工程。)。
【0097】
これにより、
図5に示す構造体の上面は、平坦な面となる。薄板化された電子部品17,18の厚さ(接着剤102上に配置された部分の電子部品17,18の厚さ)は、例えば、200μmとすることができる。この場合、研削後の絶縁部材19の厚さは、例えば、200μmとすることができる。
【0098】
次いで、
図6に示す工程では、絶縁部材19の上面19A側から、絶縁部材19及び接着剤102を貫通する貫通孔71〜73を形成する(貫通孔形成工程)。
【0099】
貫通孔71〜73は、例えば、貫通孔71〜73の形成領域に対応する部分の絶縁部材19及び接着剤102にレーザを照射することで形成できる。貫通孔71〜73は、支持体101の上面101Aを露出している。貫通孔71〜73の直径は、例えば、200μmとすることができる。
【0100】
次いで、
図7に示す工程では、貫通孔71を充填する貫通電極21、貫通孔72を充填する貫通電極22、及び貫通孔73を充填する貫通電極23を同時に形成する(貫通電極形成工程)。
【0101】
このとき、貫通電極21〜23は、貫通電極21〜23の上端面、電子部品17,18の背面17A,18A、及び絶縁部材19の上面19Aが同一平面上に配置されるように形成する。貫通電極21〜23は、例えば、めっき法や印刷法等により形成することができる。
【0102】
めっき法を用いて貫通電極21〜23を形成する場合、支持体101(例えば、シリコン基板、ガラス基板等)の上面101Aに、スパッタ法によりCu層(シリコン基板、ガラス基板の場合には給電層となる)を形成し、その後、先に説明した
図3〜
図6に示す工程と同様な処理を行った後、Cu層に給電して、貫通孔71〜73を充填するようにめっき膜を析出成長させることで、貫通電極21〜23を形成する。貫通電極21〜23の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0103】
なお、支持体101として金属板(例えば、Cu板)を用いる場合、支持体101が給電層として機能するため上記Cu層の形成は不要となる。
【0104】
また、貫通電極21〜23を形成後、内部接続端子13が接続される側の貫通電極21〜23の端面に、保護層(例えば、貫通電極21〜23の端面に、Niめっき層と、Auめっき層とを順次積層させたNi/Au積層膜)を設けてもよい。
【0105】
次いで、
図8に示す工程では、
図7に示す電子部品17,18及び貫通電極21〜23が形成された絶縁部材19から接着剤102及び支持体101を除去する(支持体除去工程)。
【0106】
具体的には、例えば、
図7に示す電子部品17,18及び貫通電極21〜23が形成された絶縁部材19から、支持体101を機械的に剥がすことで、支持体101と共に、接着剤102を除去する。これにより、貫通電極21〜23及び電極パッド62,63,65,66は、接着剤102の厚さ分だけ、絶縁部材19の下面19Bから突出するが、多少突出していたとしても製造工程上問題は無い。また、貫通電極21〜23の下端面及び電極パッド62,63,65,66の接続面62A,63A,65A,66Aと絶縁部材19の下面19Bとは、完全な同一平面には配置されない。
【0107】
次いで、
図9に示す工程では、絶縁部材19の下面19B、電極パッド62,63,65,66、電子部品17,18の電極パッド形成面17B,18B、及び貫通電極21〜23の下端面に、開口部111〜117を有した絶縁層41を形成する。
【0108】
具体的には、絶縁層41は、例えば、
図8に示す構造体の下面に絶縁層41の母材となる絶縁樹脂フィルム(例えば、エポキシ樹脂フィルム)を貼り付けた後、開口部111〜117に対応する部分の絶縁樹脂フィルムをレーザ加工することで形成する。
【0109】
開口部111は、接続面62Aを露出するように形成し、開口部112は、接続面63Aを露出するように形成する。また、開口部113は、接続面65Aを露出するように形成し、開口部114は、接続面66Aを露出するように形成する。また、開口部115は、貫通電極21の下端面を露出するように形成し、開口部116は、貫通電極22の下端面を露出するように形成する。さらに、開口部117は、貫通電極23の下端面を露出するように形成する。
【0110】
次いで、
図10に示す工程では、開口部111〜117及び絶縁層41の下面41Bに、ビア45,46,51,52,56,57,61及び配線47,53,58,62を同時に形成する。これにより、電子部品17に設けられた電極パッド62,63とビア45,51とが直接接続されると共に、電子部品18に設けられた電極パッド65,66とビア46,56とが直接接続される。
【0111】
このように、電子部品17,18の電極パッド62,63,65,66とビア45,46,51、56とを直接接続することにより、バンプ或いは金属ワイヤを介して、電子部品と配線パターンとを電気的に接続させた従来の半導体装置と比較して、半導体装置11の厚さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
【0112】
ビア52は、貫通電極21の下端と直接接続され、ビア57は、貫通電極22の下端と直接接続される。また、ビア61は、貫通電極23の下端と直接接続される。
【0113】
ビア45,46,51,52,56,57,61及び配線47,53,58,62は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。ビア45,46,51,52,56,57,61及び配線47,53,58,62の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0114】
次いで、
図11に示す工程では、先に説明した
図9に示す工程と同様な処理を行うことにより、絶縁層41の下面41Bに、開口部121〜124を有した絶縁層42を形成する。これにより、複数の絶縁層41,42が積層された積層体27が形成される。開口部121は、配線47の一部を露出するように形成し、開口部122は、配線53の一部を露出するように形成する。開口部123は、配線58の一部を露出するように形成し、開口部124は、配線62の一部を露出するように形成する。上記絶縁層42としては、例えば、エポキシ樹脂フィルムを用いることができる。
【0115】
次いで、
図12に示す工程では、先に説明した
図10に示す工程と同様な処理を行うことにより、開口部121〜124及び絶縁層42の下面42Bに、ビア48,54,59,63と、接続面31−1A,31−2A,31−3A,31−4Aを有した外部接続用パッド31−1,31−2,31−3,31−4とを同時に形成する。
【0116】
これにより、電子部品17,18と外部接続用パッド31−1とを電気的に接続する配線パターン33と、電子部品17及び貫通電極21と外部接続用パッド31−2とを電気的に接続する配線パターン34と、電子部品18及び貫通電極22と外部接続用パッド31−3とを電気的に接続する配線パターン35と、貫通電極23と外部接続用パッド31−4とを電気的に接続する配線パターン36とが形成される。
【0117】
ビア48,54,59,63及び外部接続用パッド31−1,31−2,31−3,31−4の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0118】
次いで、
図13に示す工程では、絶縁層42の下面42Bに、開口部38A,38B,38C,38Dを有したソルダーレジスト層38を形成する。開口部38Aは、接続面31−1Aを露出するように形成し、開口部38Bは、接続面31−2Aを露出するように形成する。開口部38Cは、接続面31−3Aを露出するように形成し、開口部38Dは、接続面31−4Aを露出するように形成する。なお、接続面31−1A,31−2A,31−3A,31−4Aに、Niめっき層と、Auめっき層とを順次積層させ、Ni/Au積層膜よりなる保護層を設けてもよい。
図9〜
図13に示す工程が、「多層配線構造体形成工程」に相当する工程である。
【0119】
次いで、
図14に示す工程では、接続面31−1A,31−2A,31−3A,31−4Aに、それぞれ1つの外部接続端子24を形成する。外部接続端子24としては、例えば、はんだボールを用いることができる。なお、
図14では、外部接続端子24としてはんだボールを用いた場合を例に挙げて図示したが、はんだボールの代わりにピン端子を外部接続端子24として用いてもよい。なお、外部接続端子24として、はんだボール等を設ける代わりに、接続面31−1A,31−2A,31−3A,31−4A自体を外部接続端子として用いてもよい。
【0120】
本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、支持体101の上面101Aと電子部品17,18に設けられた電極パッド62,63,65,66とが接触するように、接着剤102により、支持体101と電子部品17,18とを接着し、次いで、接着剤102の上面102Aに電子部品17,18の周囲(側面)の一部を封止する絶縁部材19を形成し、次いで、電子部品17,18及び絶縁部材19を研削することにより、電子部品17,18を薄板化すると共に、薄板化された電子部品17,18の背面17A,18Aと絶縁部材19の上面19Aとを同一平面上に配置し、次いで、絶縁部材19を貫通する貫通電極21〜23を形成し、次いで、接着剤102及び支持体101を除去し、その後、絶縁部材19の下面19B、電極パッド62,63,65,66、電子部品17,18の電極パッド形成面17B,18B、及び貫通電極21〜23の下端面に、電極パッド62,63,65,66及び貫通電極21〜23の下端面と直接接続される配線パターン33〜36を形成することにより、バンプ或いは金属ワイヤを介して、電子部品と配線パターンとを電気的に接続させた従来の半導体装置と比較して、半導体装置11の厚さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
【0121】
また、電子部品17,18に設けられた電極パッド62,63,65,66と配線パターン33〜35とを直接接続することにより、電子部品17,18と配線パターン33〜35とを接続するバンプ(例えば、はんだバンプ)が不要となるため、配線パターン33〜35(具体的には、ビア45,46,51,56及び配線47,53,58)を微細かつ高密度に形成することができる。
【0122】
(第2の実施の形態)
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る電子装置の断面図である。
図15において、第1の実施の形態の電子装置10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0123】
図15を参照するに、第2の実施の形態の電子装置130は、第1の実施の形態の電子装置10に設けられた半導体装置11の代わりに半導体装置131を設けた以外は、電子装置10と同様に構成される。
【0124】
半導体装置131は、第1の実施の形態で説明した半導体装置11に設けられた絶縁部材19の代わりに絶縁部材133及び封止樹脂134を設けた以外は、半導体装置11と同様に構成される。
【0125】
絶縁部材133は、絶縁層41の上面41Aに設けられている。絶縁部材133は、貫通孔136〜138と、貫通部141とを有する。貫通孔136は、ビア52の上面を露出するように形成されている。貫通孔137は、ビア57の上面を露出するように形成されている。貫通孔138は、ビア61の上面を露出するように形成されている。貫通部141は、絶縁部材133を貫通するように形成されている。貫通部141は、多層配線構造体15(具体的には、配線パターン33〜35)と電気的に接続された電子部品17,18を収容するための空間である。
【0126】
絶縁部材133は、絶縁層41の上面41Aに配置された部分の電子部品17,18の厚さと略等しくなるように構成されている。絶縁層41の上面41Aに配置された部分の電子部品17,18の厚さが200μmの場合、絶縁部材133の厚さは、例えば、200μmとすることができる。絶縁部材133の上面133Aは、平坦な面とされている。絶縁部材133の上面133Aは、電子部品17,18の背面17A,18Aと略面一となるように構成されている。これにより、絶縁部材133の上面133A及び電子部品17,18の背面17A,18Aは、同一平面上に配置されている。上記構成とされた絶縁部材133としては、例えば、エポキシ樹脂層を用いることができる。
【0127】
封止樹脂134は、電子部品17,18が収容された貫通部141を充填するように配置されている。封止樹脂134は、電子部品17,18の背面17A,18Aを露出している。封止樹脂134は、電子部品17,18の側面を覆っている。これにより、封止樹脂134は、電子部品17,18の側面部を封止している。封止樹脂134の上面134Aは、平坦な面とされている。封止樹脂134の上面134Aは、電子部品17,18の背面17A,18A及び絶縁部材133の上面133Aと略面一になるように構成されている。封止樹脂134の厚さは、絶縁層41の上面41Aに配置された部分の電子部品17,18の厚さ及び絶縁部材133の厚さと略等しい。封止樹脂134の厚さは、例えば、200μmとすることができる。封止樹脂134の材料としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
【0128】
上記構成とされた第2の実施の形態の半導体装置131は、第1の実施の形態の半導体装置11と同様な効果を得ることができる。
【0129】
本実施の形態の電子装置によれば、電子部品17,18の背面17A,18A、絶縁部材133の上面133A、及び封止樹脂134の上面134Aを同一平面上に配置することにより、半導体装置12と対向する半導体装置131の上面が平坦な面となるため、半導体装置131と半導体装置12との間に配置される内部接続端子13の高さ方向のサイズを小さくすることが可能となるので、電子装置130の厚さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
【0130】
また、内部接続端子13の高さ方向のサイズを小さくすることにより、貫通電極21〜23を狭ピッチで配置することが可能となるので、半導体装置131と半導体装置12との間における電気的接続箇所を増加させることができる(言い換えれば、半導体装置131と半導体装置12との間に配置される内部接続端子13の数を増加させることができる。)。
【0131】
さらに、はんだボール等の内部接続端子13を小径化が可能となることにより、貫通電極21〜23を狭ピッチ化できる。
【0132】
図16〜
図23は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図である。
図16〜
図23において、第2の実施の形態の半導体装置131と同一構成部分には同一符号を付す。
【0133】
図16〜
図23を参照して、第2の実施の形態の半導体装置131の製造方法について説明する。始めに、
図16に示す工程では、支持体101の上面101Aに絶縁部材133を形成する。
【0134】
具体的には、絶縁部材133は、例えば、支持体101の上面101Aに、樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を塗布することで形成する。なお、
図16に示す絶縁部材133は、先に説明した
図15に示す絶縁部材133よりも厚さが厚くなるように形成する。この段階での絶縁部材133の厚さは、例えば、300μmにすることができる。
【0135】
次いで、
図17に示す工程では、絶縁部材133を貫通する貫通部141及び貫通孔136〜138を形成する。貫通部141及び貫通孔136〜138は、例えば、貫通部141及び貫通孔136〜138の形成領域に対応する部分の絶縁部材133にレーザを照射することで形成できる。なお、
図17に示す貫通部141及び貫通孔136〜138の深さは、先に説明した
図15に示す貫通部141及び貫通孔136〜138の深さ(例えば、200μm)よりも深い。電子部品17,18の大きさが5mm×9mmの場合、貫通部141の大きさは、例えば、15mm×14mmとすることができる。また、貫通電極136〜138の直径は、例えば、200μmとすることができる。
【0136】
次いで、
図18に示す工程では、貫通孔136を充填する貫通電極21と、貫通孔137を充填する貫通電極22と、貫通孔138を充填する貫通電極23とを同時に形成する。貫通電極21〜23は、例えば、第1の実施の形態で説明した
図7に示す工程と同様なめっき処理を行うことで形成できる。なお、この際、貫通部141にめっき膜が形成されないように、めっき処理の前に、貫通部141をめっき用レジストで被覆する。貫通電極21〜23の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0137】
次いで、
図19に示す工程では、貫通部141の形成領域に対応する部分の支持体101の上面101Aと接続面62A、63A,65A,66Aとが接触するように、接着剤102により、電子部品17,18と支持体101とを接着する。
図19に示す電子部品17,18は、薄板化される前の電子部品17,18であり、先に説明した
図15に示す電子部品17,18の厚さよりも厚くなるように構成されている。このような薄板化されていない電子部品17,18は、薄板化された電子部品17,18よりもハンドリングしやすいため、支持体101の所定の位置に電子部品17,18を精度良く接着することができる。薄板化されていない電子部品17,18の厚さは、例えば、700μmとすることができる。
【0138】
電子部品17,18としては、例えば、半導体チップを用いることができる。具体的には、電子部品17,18としてCPU(Central Processing Unit)用の半導体チップを用いる場合や、電子部品17,18のどちらか一方にCPU(Central Processing Unit)用の半導体チップを用い、他方にメモリ用の半導体チップを用いる場合や、電子部品17,18のどちらか一方にCPU(Central Processing Unit)用の半導体チップを用い、他方にGPU(Graphics Processing Unit)用の半導体チップを用いる場合がある。
【0139】
次いで、
図20に示す工程では、貫通部141を充填する封止樹脂134を形成する。これにより、電子部品17,18は、封止樹脂134により封止される。封止樹脂134は、例えば、トランスファーモールド法、圧縮形成法、ポッティング法等の手法により形成することができる。封止樹脂134の材料としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
【0140】
次いで、
図21に示す工程では、
図20に示す構造体から支持体101及び接着剤102を除去する。具体的には、例えば、支持体101を機械的に剥がすことで、支持体101と共に、接着剤102を除去する。これにより、電子部品17,18の電極パッド形成面17B,18B、電極パッド62,63,65,66、貫通電極21〜23の下端面、絶縁部材133の下面133B、及び封止樹脂134の下面134Bが露出される。
【0141】
なお、支持体101及び接着剤102を除去すると、封止樹脂134の下面134Bと電子部品17,18の電極パッド形成面17B,18Bが、絶縁部材133の下面133Bから、接着剤102の厚さ分だけ凹んだ構造となるが、製造工程上問題とならない。
【0142】
次いで、
図22に示す工程では、第1の実施の形態で説明した
図9〜
図14に示す工程と同様な処理を行うことで、電子部品17,18の電極パッド形成面17B,18B、電極パッド62,63,65,66、貫通電極21〜23の下端面、絶縁部材133の下面133B、及び封止樹脂134の下面134Bに、電子部品17,18及び貫通電極21〜23と電気的に接続された多層配線構造体15を形成する。
【0143】
このとき、配線パターン33は、電極パッド62,65と直接接続されるように形成する。また、配線パターン34は、貫通電極21の下端及び電極パッド63と直接接続されるように形成する。また、配線パターン35は、貫通電極22の下端及び電極パッド66と直接接続されるように形成する。さらに、配線パターン36は、貫通電極23の下端と直接接続されるように形成する。
【0144】
このように、電極パッド62,63,65,66と配線パターン33〜35とを直接接続することにより、バンプ或いは金属ワイヤを介して、電子部品と配線パターンとを電気的に接続させた従来の半導体装置と比較して、半導体装置131の厚さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
【0145】
次いで、
図23に示す工程では、
図22に示す構造体の上面側から、電子部品17,18、貫通電極21〜23、絶縁部材133、及び封止樹脂134を研削(例えば、バックサイドグラインダを用いた研削)することにより、電子部品17,18の薄板化を行う。これにより、第2の実施の形態の半導体装置131が製造される。
【0146】
また、上記研削により、
図22に示す貫通電極21〜23と比較して貫通電極21〜23の深さが浅くなると共に、貫通電極21〜23の上端面、電子部品17,18の背面17A,18A、絶縁部材133の上面133A、及び封止樹脂134の上面134Aが同一平面上に配置される。
【0147】
絶縁層41の上面41Aに配置された部分の薄板化後の電子部品17,18の厚さは、例えば、200μmにすることができる。この場合、貫通電極21〜23の深さは、例えば、200μmとすることができる。また、絶縁部材133及び封止樹脂134の厚さは、例えば、200μmとすることができる。
【0148】
なお、電子部品17,18の薄板化した後、内部接続端子13が接続される側の貫通電極21〜23の端面に、保護層(例えば、貫通電極21〜23の端面に、Niめっき層と、Auめっき層とを順次積層させたNi/Au積層膜)を設けてもよい。
【0149】
本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、支持体101の上面101Aに貫通孔136〜138及び貫通部141を有した絶縁部材133を形成し、次いで、貫通部141から露出された部分の支持体101の上面101Aに、接着剤102により、接続面62A,63A,65A,66Aと支持体101の上面101Aとが接触するように、電子部品17,18を接着し、次いで、貫通部141に電子部品17,18を封止する封止樹脂134を形成し、次いで、接着剤102及び支持体101を除去し、次いで、電子部品17,18の電極パッド62,63,65,66と配線パターン33〜35とが直接接続されるように多層配線構造体15を形成することにより、バンプ或いは金属ワイヤを介して、電子部品と配線パターンとを電気的に接続させた従来の半導体装置と比較して、半導体装置131の厚さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
【0150】
また、電子部品17,18に設けられた電極パッド62,63,65,66と配線パターン33〜35とを直接接続することにより、電子部品17,18と配線パターン33〜35とを接続するバンプ(例えば、はんだバンプ)が不要となるため、配線パターン33〜35(具体的には、ビア45,46,51,56及び配線47,53,58)を微細かつ高密度に形成することができる。
【0151】
なお、本実施の形態では、多層配線構造体15を形成後に、電子部品17,18の薄板化を行った場合を例に挙げて説明したが、
図20に示す工程の後に、研磨により電子部品17,18の薄板化を行い、次いで、支持体101を除去し、その後、多層配線構造体15を形成してもよい。
【0152】
また、外部接続端子39は、電子部品17,18の薄板化後に形成してもよい。
【0153】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0154】
例えば、第1及び第2の実施の形態の半導体装置11,131では、2つの電子部品(電子部品17,18)を設けた場合を例に挙げて説明したが、多層配線構造体15上に配置される電子部品の数はこれに限定されない。つまり、多層配線構造体15上に配置される電子部品の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。