特許第5693852号(P5693852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5693852電流低減構造体を有する発光デバイス及び電流低減構造体を有する発光デバイスを形成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693852
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】電流低減構造体を有する発光デバイス及び電流低減構造体を有する発光デバイスを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/14 20100101AFI20150312BHJP
【FI】
   H01L33/00 150
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2009-552684(P2009-552684)
(86)(22)【出願日】2008年2月19日
(65)【公表番号】特表2010-520640(P2010-520640A)
(43)【公表日】2010年6月10日
(86)【国際出願番号】US2008002140
(87)【国際公開番号】WO2008112064
(87)【国際公開日】20080918
【審査請求日】2009年11月6日
【審判番号】不服2013-17459(P2013-17459/J1)
【審判請求日】2013年9月10日
(31)【優先権主張番号】11/715,687
(32)【優先日】2007年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】クリー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド トッド エマーソン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ハバラン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジョン バーグマン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド スレーター
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ドノフリオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エドモンド
【合議体】
【審判長】 吉野 公夫
【審判官】 鈴木 肇
【審判官】 小松 徹三
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−186607(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/011936(WO,A2)
【文献】 特表2008−505483(JP,A)
【文献】 特表2006−502563(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/036565(WO,A2)
【文献】 特表2008−514028(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/117147(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
p型半導体層と、n型半導体層と、前記n型半導体層と前記p型半導体層との間の活性領域と、
前記p型半導体層の反対側の前記n型半導体層上のワイヤボンドパッドと、
前記n型半導体層中にあって前記ワイヤボンドパッドに直接接触している導電率低減領域であって、前記p型半導体層の反対側の前記n型半導体層の表面から前記活性領域の方に延びているが、前記n型半導体層を貫通していない導電率低減領域と、
前記ワイヤボンドパッドに隣接し、それと電気的に接触する前記n型半導体層上のオーム接触と、
前記n型半導体層の反対側の前記p型半導体層の表面上金属スタックと
を備える発光デバイス
【請求項2】
前記金属スタックは、前記p型半導体層の直上のオーミック層、及び前記オーミック層上の反射層を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記金属スタックは、前記反射層上に接着層を含むことを特徴とする請求項2に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記導電率低減領域は第1の導電率低減領域を含み、前記発光デバイスは、前記p型半導体層中にあって前記ワイヤボンドパッドと位置合わせされた第2の導電率低減領域をさらに含み、前記第2の導電率低減領域は前記n型半導体層の反対側の前記p型半導体層の表面から前記活性領域の方に延びているが、前記p型半導体層を貫通していないことを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記n型半導体層の反対側の前記p型半導体層の表面上に金属接触をさらに含み、前記金属接触が、前記ワイヤボンドパッドと位置合わせされる前記p型半導体層の前記表面の導電率低減区域以外の領域において前記p型半導体層へのオーム接触を形成することを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記導電率低減領域は、前記n型半導体層と前記ワイヤボンドパッドとの間の高固有接触抵抗率の領域に対応することを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記高固有接触抵抗率の領域は、前記n型半導体層のウェットエッチング又はドライエッチングされた領域を含むことを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記高固有接触抵抗率の領域は、高エネルギープラズマにさらされた前記n型半導体層の領域を含むことを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記高固有接触抵抗率の領域は、Hにさらされた前記n型半導体層の領域を含むことを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記高固有接触抵抗率の領域は、高エネルギーレーザにさらされた前記n型半導体層の領域を含むことを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2004年6月30日に出願した米国特許出願第11/881,814号の一部継続出願であり、その開示はその全体が記載されているように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体発光デバイス及びその製作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発光ダイオード(LED)又はレーザダイオードなどの半導体発光デバイスは、多くの用途で広く使用されている。当業者には周知のように、半導体発光デバイスは、それの通電に際してコヒーレント及び/又はインコヒーレント光を放出するように構成される、1つ又は複数の半導体層を有する半導体発光要素を含む。当業者には周知のように、発光ダイオード又はレーザダイオードは、一般に、マイクロエレクトロニクス基板上にダイオード領域を含む。マイクロエレクトロニクス基板は、例えばガリウムヒ素、ガリウム燐、それらの合金、炭化ケイ素及び/又はサファイアとすることができる。LEDの絶え間ない発展は、可視スペクトル及びそれを超えるものをカバーすることができる非常に効率的で機械的に堅牢な光源をもたらしてきた。固体デバイスの潜在的に長い耐用寿命と結合されたこれらの特質は、様々な新しい表示用途を可能にすることができ、LEDを十分に確立された白熱灯及び蛍光灯と競争できる状況にすることができる。
【0004】
多くの開発の関心及び商業活動は、最近、炭化ケイ素内又はその上に製作されるLEDに注目してきたが、それは、これらのLEDが可視スペクトルの青色/緑色部分の放射を放出することができるからである。例えば、本出願の譲受人に譲渡され、その開示が本明細書に完全に記載されているようにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Blue Light-Emitting Diode With High External Quantum Efficiencyという名称のEdmondらの特許文献1を参照されたい。さらに、炭化ケイ素基板上に窒化ガリウムベースのダイオード領域を含むLEDに高い関心が寄せられてきているが、それは、これらのデバイスが高効率で光を放出することもできるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,416,342号明細書
【特許文献2】米国特許第6,201,262号明細書
【特許文献3】米国特許第6,187,606号明細書
【特許文献4】米国特許第6,120,600号明細書
【特許文献5】米国特許第5,912,477号明細書
【特許文献6】米国特許第5,739,554号明細書
【特許文献7】米国特許第5,631,190号明細書
【特許文献8】米国特許第5,604,135号明細書
【特許文献9】米国特許第5,523,589号明細書
【特許文献10】米国特許第5,393,993号明細書
【特許文献11】米国特許第5,338,944号明細書
【特許文献12】米国特許第5,210,051号明細書
【特許文献13】米国特許第5,027,168号明細書
【特許文献14】米国特許第4,966,862号明細書
【特許文献15】米国特許第4,918,497号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2003/0006418A1号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2002/0123164A1号明細書
【特許文献18】米国特許出願第10/659,241号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2003/0015721号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2005/0194603号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のLEDの効率は、活性領域で発生される光のすべてを放出できるわけではないことによって制限されることがある。LEDが通電されると、活性領域から放出される光(すべての方向に)は、LEDを出ることを例えば不透明なワイヤボンドパッドによって妨げられる可能性がある。典型的には、窒化ガリウムベースのLEDでは、発光デバイスの断面の端から端までのキャリア注入の均一性を改善するために電流拡散接触層が設けられる。電流はボンドパッド及びp型接触を通してLEDのp側に注入される。デバイスの活性領域で発生される光は、キャリア注入に比例する。したがって、活性領域の端から端までの実質的に均一な光子放出は、実質的に透明なp型接触層などの電流拡散層の使用によりもたらすことができる。しかしながら、ワイヤボンドパッドは、一般に透明な構造体ではなく、したがって、ワイヤボンドパッドに入射するLEDの活性領域から放出された光子はワイヤボンドパッドによって吸収される可能性がある。例えば、場合によっては、ワイヤボンドパッドに入射する光の約70%を吸収する可能性がある。そのような光子吸収は、LEDから漏れ出てくる光の量を低減させることがあり、LEDの効率を低下させる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスは、p型半導体層、n型半導体層、及びn型半導体層とp型半導体層との間の活性領域を含む。不透明なフィーチャ(feature)がp型半導体層上、又はp型半導体層の反対側のn型半導体層上にあり、導電率低減領域がp型半導体層中にあり、不透明なフィーチャと位置合わせされる。導電率低減領域は、n型半導体層の反対側のp型半導体層の表面から活性領域の方に延びる。不透明な領域は、ワイヤボンドパッド、保護領域、及び/又は電流拡散フィンガ(current spreading finger)を含むことができる。
【0008】
発光デバイスは、第1及び第2の対向表面を含む基板をさらに含むことができ、n型半導体は基板の第1の表面上に存在することができ、ワイヤボンドパッドはn型半導体層の反対側の基板の第2の表面上に存在することができる。
【0009】
発光デバイスは、p型半導体層の表面上に金属スタック(stack)をさらに含むことができる。金属スタックは、p型半導体層の直上のオーミック層(ohmic layer)と、オーミック層上の反射層と、反射層上の接着層(bonding layer)とを含むことができる。発光デバイスは、反射層と接着層との間に障壁層をさらに含むことができる。
【0010】
導電率低減領域は、p型半導体層の表面から活性領域まで、又はその中に、又はそれを通って延びることができる。導電率低減領域は、p型半導体層、活性領域を通って、n型半導体層の中に又はそれを通って延びることができる。
【0011】
ワイヤボンドパッドは、導電率低減領域に接することができ、発光デバイスは、ワイヤボンドパッドに隣接し、それと電気的に接触するn型半導体層上のオーム接触(ohmic contact)をさらに含むことができる。
【0012】
活性領域は、III族窒化物ベースの活性領域を含むことができる。導電率低減領域は、絶縁領域、及び/又は不透明でない領域を含むことができる。実施形態によっては、導電率低減領域は打込み領域を含むことができる。導電率低減領域は、金属スタックとp型半導体層との間のインターフェースの損傷の領域に対応することができる。損傷の領域は、p型半導体層のウェットエッチング又はドライエッチングされた領域、高エネルギープラズマにさらされたp型半導体層の領域、H2にさらされたp型半導体層の領域、及び/又は高エネルギーレーザにさらされたp型半導体層の領域を含むことができる。
【0013】
本発明のさらなる実施形態による発光デバイスは、p型半導体層、n型半導体層、及びn型半導体層とp型半導体層との間の活性領域を含む。このデバイスは、p型半導体層の反対側のn型半導体層上の不透明なフィーチャ、及びn型半導体層の反対側のp型半導体層の表面上の金属接触を含む。金属接触が、不透明なフィーチャと位置合わせされるp型半導体層の表面の導電率低減区域以外の領域においてp型半導体層へのオーム接触上に形成される。不透明な領域は、ワイヤボンドパッド、保護領域、及び/又は電流拡散フィンガを含むことができる。
【0014】
発光デバイスは、p型半導体層中にあって不透明なフィーチャ及び導電率低減区域と位置合わせされる導電率低減領域をさらに含むことができ、導電率低減領域はp型半導体層の表面から活性領域の方に延びることができる。
【0015】
発光デバイスは、n型半導体層中にあって不透明なフィーチャと位置合わせされる導電率低減領域、及びp型半導体層の反対側のn型半導体層の表面から活性領域の方に延びる導電率低減領域をさらに含むことができる。
【0016】
発光デバイスは、p型半導体層の表面上に非オーム接触をさらに含むことができる。非オーム接触は、p型半導体層とオーム接触を形成しない金属、及び/又はp型半導体層の表面上の絶縁体を含むことができる。
【0017】
本発明のさらなる実施形態による発光デバイスは、p型半導体層、n型半導体層、及びn型半導体層とp型半導体層との間の活性領域を含む。このデバイスは、p型半導体層の反対側のn型半導体層上のワイヤボンドパッド、及びn型半導体層中にあってワイヤボンドパッドと位置合わせされた導電率低減領域をさらに含む。導電率低減領域は、p型半導体層の反対側のn型半導体層の表面から活性領域の方に延びる。発光デバイスは、ワイヤボンドパッドに隣接し、それと電気的に接触するn型半導体層上のオーム接触をさらに含む。
【0018】
発光デバイスは、n型半導体層の反対側のp型半導体層の表面上に金属スタックをさらに含むことができる。金属スタックは、p型半導体層の直上のオーミック層と、オーミック層上の反射層と、反射層上の接着層とを含むことができる。
【0019】
導電率低減領域は第1の導電率低減領域を含むことができ、発光デバイスは、p型半導体層中にあってワイヤボンドパッドに位置合わせされた第2の導電率低減領域をさらに含むことができる。第2導電率低減領域は、n型半導体層の反対側のp型半導体層の表面から活性領域の方に延びることができる。
【0020】
発光デバイスは、n型半導体層の反対側のp型半導体層の表面上に金属接触をさらに含むことができる。金属接触は、ワイヤボンドパッドに位置合わせされるp型半導体層の表面の導電率低減区域以外の領域においてp型半導体層へのオーム接触上に形成される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態による方法は、p型半導体層、n型半導体層、及びn型半導体層とp型半導体層との間の活性領域を形成するステップと、p型半導体層の反対側のn型半導体層上に不透明なフィーチャを形成するステップと、p型半導体層中にあって不透明なフィーチャと位置合わせされた導電率低減領域を形成するステップとを含む。導電率低減領域は、n型半導体層の反対側のp型半導体層の表面から活性領域の方に延びる。
【0022】
本発明のさらなる実施形態による発光デバイスを形成する方法は、p型半導体層、n型半導体層、及びn型半導体層とp型半導体層との間の活性領域を形成するステップと、p型半導体層の反対側のn型半導体層上にワイヤボンドパッドを形成するステップと、n型半導体層の反対側のp型半導体層の表面上に金属接触を形成するステップとを含む。金属接触は、ワイヤボンドパッドと位置合わせされたp型半導体層の表面の導電率低減区域以外の領域においてp型半導体層へのオーム接触上に形成される。
【0023】
本発明のさらなる実施形態による発光デバイスは、p型半導体層、n型半導体層、及びn型半導体層とp型半導体層との間の活性領域を含む。ボンドパッドは、n型半導体層の反対側のp型半導体層上にあり、導電率低減領域はp型半導体層中にあり、ボンドパッドと位置合わせされる。導電率低減領域は、n型半導体層の反対側のp型半導体層の表面から活性領域の方に延びる。
【0024】
発光デバイスは、ボンドパッドとp型半導体層との間の反射器、及び/又はp型半導体層上の電流拡散フィンガをさらに含むことができ、導電率低減領域は電流拡散フィンガとさらに位置合わせすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明のいくつかの実施形態による電流阻止構造体を有する半導体発光デバイスを示す断面図である。
図2A】本発明のいくつかの実施形態による半導体デバイスの製作を示す断面図である。
図2B】本発明のいくつかの実施形態による半導体デバイスの製作を示す断面図である。
図3】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図4A】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図4B】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図5】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図6A】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図6B】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図7A】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図7B】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図8】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図9A】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図9B】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図10】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図11A】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図11B】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図11C】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスの断面図である。
図12】本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスの斜視図である。
図13】本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施形態が示される添付図面を参照しながら、本発明がより完全に以下で説明される。しかし、本発明は、本明細書に記載された実施形態に限定されるように解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的かつ完全となり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提供される。図において、層及び領域の厚さは明確にするために誇張されている。同様の数字は全体を通して同様の要素を参照する。本明細書で使用されるとき、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のあらゆる組合せを含む。
【0027】
本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。本明細書で使用されるとき、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が特に明確に示さない限り、複数形も含むものである。本明細書で使用されるとき、「備える、含む(comprises)」又は「備える、含む(comprising)」という用語は、明言されたフィーチャ、完全体(integer)、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1つ又は複数の他のフィーチャ、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は付加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0028】
層、領域、又は基板などの要素が別の要素「の上に(on)」ある、又は別の要素「の上に(onto)」延びていると言われる場合、要素は他の要素の直上にある、又は他の要素の直上に延びることができる、あるいは介在要素が存在することもできることが理解されよう。対照的に、要素が別の要素「の直上に(directly on)」ある、又は別の要素「の直上に(directly onto)」延びていると言われる場合、介在要素は存在しない。要素が別の要素に「接続される」又は「結合される」と言われる場合、それは他の要素に直接に接続される又は直接に結合されることが可能であり、あるいは介在要素が存在することができることがさらに理解されよう。対照的に、要素が別の要素に「直接に接続される」又は「直接に結合される」と言われる場合、介在要素は存在しない。同様の数字は全体を通して同様の要素を参照する。
【0029】
第1の、第2のなどの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又は区画を説明するために本明細書で使用されることがあるが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又は区画はこれらの用語によって限定されるべきでないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層、又は区画を別の領域、層、又は区画と区別するためだけに使用される。したがって、以下で説明される第1の要素、構成要素、領域、層、又は区画は、本発明の教示から逸脱することなく第2の要素、構成要素、領域、層、又は区画と呼ぶことができる。
【0030】
さらに、「下方の(lower)」又は「底部(bottom)」及び「上方の(upper)」又は「最上部(top)」などの相対語は図に示されるようにある要素の別の要素との関係を説明するために本明細書で使用することがある。相対語は、図に示された方位に加えてデバイスの様々な方位を包含するものであることが理解されよう。例えば、図中のデバイスが裏返される場合、他の要素の「下方の」側にあると説明された要素は他の要素の「上方の」側に向いていることになる。したがって、「下方の」という例示的な用語は、図の特定の方位に応じて「下方の」及び「上方の」両方の方位を包含することができる。同様に、図の1つの中のデバイスが裏返される場合、他の要素の「下方に(below)」又は「真下に(bebeath)」と説明された要素は他の要素の「上方に(above)」向いていることになる。したがって、「下方に」又は「真下に」という例示的な用語は、上方に及び下方に、の両方の方位を包含することができる。
【0031】
本発明の実施形態は、本発明の理想化された実施形態の概略図である断面図を参照しながら本明細書で説明される。そのため、例えば製造技法及び/又は許容範囲の結果として図の形状からの変化が予想され得る。したがって、本発明の実施形態は本明細書に示した領域の特定の形状に限定されるものと解釈されるべきでなく、例えば製造に起因する形状の偏差を含むものである。例えば、長方形として図示及び説明されるエッチングされた領域は一般に丸くなった又は湾曲したフィーチャを有することになる。したがって、図に示された領域は事実上概略であり、それらの形状はデバイスの領域の正確な形状を示すものではなく、本発明の範囲を限定するものではない。
【0032】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。一般に使用される辞書に定義されているような用語は、本明細書及び関連技術分野との関連におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、特に本明細書でそのように定義されない限り理想化された又は過度に形式的な意味に解釈されないことがさらに理解されよう。
【0033】
別のフィーチャに「隣接して」配置された構造体又はフィーチャへの言及では、隣接するフィーチャに重なるか又はその下にある部分を有することができることも当業者には理解されよう。
【0034】
本明細書で開示されるLEDの様々な実施形態は基板を含んでいるが、LEDを含むエピタキシャル層が成長される結晶エピタキシャル成長基板は取り除くことができ、支えのないエピタキシャル層は、オリジナルの基板よりも良好な熱的、電気的、構造的、及び/又は光学的特性を有することができる代替の支持基板又はサブマウントに取り付けることができることが当業者には理解されよう。本明細書で説明される本発明は、結晶エピタキシャル成長基板を有する構造体に限定されず、エピタキシャル層がオリジナルの成長基板から取り除かれ、代替の支持基板に接合された構造体に関連して利用することができる。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ワイヤボンドパッド又は他の不透明な構造体の真下の領域にあるデバイスの活性領域の電流フローを低減及び/又は阻止することによって発光デバイスの有効性の改善を可能にすることができる。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、ワイヤボンドパッドの下に電流阻止機構を有する発光デバイス、及びその発光デバイスを製作する方法を提供することができる。ワイヤボンドパッドの直下に注入される電流を低減及び/又は阻止することによって、ワイヤボンドパッドの下ではないデバイスの区域で電流は光子放出に変換されやすくすることができる。したがって、光がワイヤボンドパッドによって吸収される可能性を低減することができる。本発明のいくつかの実施形態では、本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスの効率の増大は、ワイヤボンドパッドのサイズに比例する可能性がある。
【0036】
本発明の実施形態は、特に、III族窒化物ベースのデバイスなどの窒化物ベースの発光デバイスでの使用に十分に適することができる。本明細書で使用されるとき、「III族窒化物」という用語は、窒素と、周期律表のIII族の元素、通常、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び/又はインジウム(In)との間で形成される半導体化合物を指す。この用語は、さらにAlGaN及びAlInGaNなどの三元化合物及び四元化合物を指す。当業者にはよく理解されているように、III族元素は窒素と結合して、二元(例えばGaN)化合物、三元(例えばAlGaN、AlInN)化合物、及び四元(例えばAlInGaN)化合物を形成することができる。これらの化合物はすべて、1モルの窒素が、全部で1モルのIII族元素と結合する実験式を有する。したがって、0≦x≦1としてAlxGa1-xNのような式がそれらの化合物を記述するためにしばしば使用される。しかし、本発明の実施形態が窒化ガリウムベースの発光デバイスなどのIII族窒化物ベースの発光デバイスを参照しながら本明細書で説明されるが、一方、本発明のいくつかの実施形態は、例えばGaAs及び/又はGaPベースのデバイスなどの他の半導体発光デバイスでの使用に好適であることがある。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスは、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、及び/又は他の半導体材料を含むことができる1つ又は複数の半導体層と、サファイア、ケイ素、炭化ケイ素、及び/又は他のマイクロエレクトロニクス基板を含むことができる基板と、金属及び/又は他の導電層を含むことができる1つ又は複数の接触層とを含む発光ダイオード、レーザダイオード、及び/又は他の半導体デバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、紫外線、青色、及び/又は緑色LEDを提供することができる。半導体発光デバイスの設計及び製作は当業者には周知であり、本明細書で詳細に説明する必要はない。
【0038】
例えば、本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスは、ノースカロライナ州ダーラムのCree, Inc.によって製造及び販売されているデバイスなどの炭化ケイ素基板上に製作された窒化ガリウムベースのLED及び/又はレーザ構造体などの構造体を含むことができる。本発明は、その開示が本明細書に完全に記載されているように参照により本明細書に組み込まれる、特許文献2、3、4、5、6、7、8、9、1、10、11、12、13、14、及び/又は15に記載されているような活性領域を備えるLED及び/又はレーザ構造体で使用するのに好適であろう。他の好適なLED及び/又はレーザ構造体は、2003年1月9日に公開されたGroup III Nitride Based Light Emitting Diode Structures With a Quantum Well and Superlattice, Group III Nitride Based Quantum Well Structures and Group III Nitride Based Superlattice Structuresという名称の特許文献16ならびにLight Emitting Diodes Including Modifications for Light Extraction and Manufacturing Methods Thereforという名称の特許文献17に記載されている。さらに、完全に記載されているように参照により本明細書にその開示が組み込まれる、2003年9月9日に出願された、Phosphor-Coated Light Emitting Diodes Including Tapered Sidewalls and Fabrication Methods Thereforという名称の特許文献18に記載のものなどの蛍光体被覆LEDは、さらに、本発明の実施形態で使用するのに好適であろう。LED及び/又はレーザは光放射が基板を通して行われるように作動するように構成することができる。そのような実施形態では、例えば上述の特許文献17に記載されているように、基板はデバイスの光出力を増強するようにパターン化することができる。これらの構造体を本明細書で説明するように変更して、本発明のいくつかの実施形態による阻止構造体を設けることができる。
【0039】
したがって、例えば、本発明の実施形態は、異なる形状又はサイズのボンドパッドを有する発光デバイスで利用することができる。発光デバイスは、III族窒化物デバイスを提供するために炭化ケイ素、サファイア、窒化ガリウム、ケイ素、又は他の好適な基板などの異なる基板上に存在することができる。発光デバイスは、後続のシンギュレーション(singulation)及び好適な支持体上への取付けに好適であろう。発光デバイスは、例えば、単一量子井戸、多重量子井戸、及び/又はバルク活性領域デバイスを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態は、デバイスのp側のトンネリング接触を利用するデバイスで使用することができる。
【0040】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスの断面概略図である。図1で分かるように、n型炭化ケイ素基板などの基板10は、その上に設けられた窒化ガリウムベースの層などのオプションのn型半導体層12を有する。n型半導体層12は、複数の層、例えば緩衝層などを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、n型半導体層12は、均一組成又は傾斜組成とすることができるAlGaN層、及び/又はGaN層として設けられる。n型半導体層12は、例えば、ケイ素、ゲルマニウム、及び/又はテルルでドープすることができる。
【0041】
炭化ケイ素基板を参照しながら本明細書で説明されるが、本発明のいくつかの実施形態では、他の基板材料を利用することができる。例えば、サファイア基板、GaN、又は他の基板材料を利用することができる。そのような場合、接触20は、例えば、デバイスに第2の接触を設けるようにn型半導体層12に接触する凹部に配置することができる。他の構成も利用することができる。
【0042】
シングルヘテロ構造もしくはダブルヘテロ構造、量子井戸、多重量子井戸、又は他のそのような活性領域などの活性領域14は、n型半導体層上に設けることができる。本明細書で使用されるとき、「活性領域」という用語は、作動時にデバイスによって放出される光子の実質的な部分がキャリア再結合によって発生される1つ又は複数の層及び/又はそれの一部とすることができる発光デバイスの半導体材料の領域を指す。本発明のいくつかの実施形態では、活性領域は、デバイスによって放出される光子の実質的にすべてがキャリア再結合によって発生される領域を指す。
【0043】
さらに、オプションのp型半導体層16が図1に示される。p型半導体材料層16は、例えば、GaN層などの窒化ガリウムベースの層とすることができる。本発明の特定の実施形態では、p型半導体層16はマグネシウムドープGaNを含む。p型半導体層16は、1つ又は複数の層を含むことができ、均一組成又は傾斜組成とすることができる。本発明のいくつかの実施形態では、p型半導体層16は活性領域14の一部である。
【0044】
p型半導体材料層16にオーム接触を与える接触金属の第1の接触金属層18も設けられる。いくつかの実施形態では、第1の接触金属層18は、電流拡散層として機能することができる。p型半導体材料層16がGaNである本発明の特定の実施形態では、第1の接触金属層18は、p型GaNにオーム接触を形成することができるPt、インジウムスズ酸化物(ITO)、又は別の透明材料を含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、第1の接触金属層18は光透過性であり、いくつかの実施形態では実質的に透明である。実施形態によっては、第1の接触金属層18はPtの比較的薄い層とすることができる。例えば、第1の接触金属層18は、約15Å厚のPtの層とすることができる。オプションの反射層23は、第1の金属接触層18上に設けることができる。ワイヤボンドパッド22又は他の光吸収(そうでなければ不透明な)フィーチャは、第1の接触金属層18上に設けられる。図1に示された実施形態では、ワイヤボンドパッド22は反射層23上に設けられ、その結果、反射層23はワイヤボンドパッド22とp型半導体材料層16との間にある。実施形態によっては、電流拡散フィンガ154A(図13)が第1の接触金属層18上にあってもよい。
【0045】
n型半導体材料に対してオーム接触を与える接触金属の第2の接触金属層20も設けられる。第2の接触金属層20は活性領域14の反対側の基板10の側に設けることができる。上述のように、本発明のいくつかの実施形態では、第2の接触金属層は、n型半導体材料層12の一部に、例えば活性領域を含むリセスに又はメサの基部に設けることができる。さらに、本発明のいくつかの実施形態では、オプションの裏面打込み又は追加のエピタキシャル層を、基板10と第2の接触金属層20との間に設けることができる。
【0046】
図1にさらに示されるように、導電率低減領域30は、活性領域14に設けられる。導電率低減領域30は、デバイスの光吸収及び/又は不透明なフィーチャ及び/又は領域の真下に位置付けることができる。例えば、図1に示されるように、導電率低減領域30は、ワイヤボンドパッド22の真下に位置付けることができる。導電率低減領域30は、チップの縁部に沿った保護領域、チップの表面上の電流拡散フィンガ、又はチップによって放出された光を吸収する傾向があるチップの他のフィーチャもしくは区域などのチップの他のフィーチャの真下に位置付けることもできる。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態では、導電率低減領域30は、活性領域14を通って延びる。本明細書で使用されるとき、導電率低減とは、活性領域の他の部分と比較して電流フローが低減している領域を指す。特定の実施形態では、その低減は少なくとも1桁であり、実施形態によっては、電流フローの実質的にすべてが導電率低減領域で阻止される。
【0048】
上記のように、本発明のいくつかの実施形態では、導電率低減領域30は、活性領域14を通って延びる。本発明のさらなる実施形態では、導電率低減領域30は、第1の接触金属層18から活性領域14まで延びる。実施形態によっては、導電率低減領域は、第1の接触層18から活性領域14中に延びる。実施形態によっては、導電率低減領域は、第1の接触層18から活性領域14を通って延びる。導電率低減領域30は、第1の接触金属層18上のワイヤボンドパッド22の区域と実質的に同じ形状及び/又は区域を有することができる。本発明のある実施形態では、導電率低減領域30は、ワイヤボンドパッド22よりもわずかに大きい区域を有するが、本発明の他の実施形態では、導電率低減領域30は、ワイヤボンドパッド22よりもわずかに小さい区域を有する。本発明のいくつかの実施形態では、導電率低減領域30は光を吸収しないか、又は比較的少量の光しか吸収しない。本発明のいくつかの実施形態では、導電率低減領域30は絶縁領域である。
【0049】
導電率低減領域30は、ワイヤボンドパッド22の真下の区域の活性領域14を通る電流フローを低減及び/また阻止することができ、その結果、キャリアは導電率低減領域30以外の区域に注入される傾向がある。したがって、導電率低減領域30が存在すると、この領域のキャリア再結合による光発生を低減及び/又は阻止することができる。特定の動作理論によって束縛されないが、ワイヤボンドパッド22の真下の活性領域の部分で発生した光子がワイヤボンドパッド22によって吸収される可能性は、光子がワイヤボンドパッド22の真下でない活性領域の部分で発生した場合よりも高いことがあるため、こうしたことが起こり得る。ワイヤボンドパッド22の真下の活性領域で発生する光を低減及び/又は除去することによって、発光デバイスによって発生された光のうちのワイヤボンドパッド22によって吸収される部分を低減することができる。所与の一組の作動条件では、ワイヤボンドパッド22によって吸収される光の量を低減すると、光がワイヤボンドパッド22の真下の領域で発生するのと同じ条件下で作動するデバイスと比較して、発光デバイスからの光抽出を増大させることができる。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、ワイヤボンドパッド22の真下の区域の活性領域14中に延びる、及び実施形態によっては活性領域14を通って延びる導電率低減領域30が設けられる。これは、キャリアが拡散し、ワイヤボンドパッド22の真下の活性領域14に注入され、それによってワイヤボンドパッド22の真下の区域での光子発生がもたらされる可能性を低減することができる。
【0050】
図2A及び図2Bは、図1に示したような導電率低減領域を有する発光デバイスを形成するための本発明のいくつかの実施形態による工程を示す。図2Aで分かるように、発光デバイスの様々な層/領域が製作される。発光デバイスの製作の特定の工程は製作されるべき構造体によって決まることになり、上述で参照により組み込まれた米国特許及び/又は米国特許出願に記載されており、当業者には周知であり、したがって、本明細書で繰り返す必要はない。図2Aは、ワイヤボンドパッド22が形成されるべきである領域に対応する窓42を有するマスク40の形成も示している。
【0051】
マスク40を使用して打込みが行われ、ワイヤボンドパッド22の領域の活性領域14中に原子を打ち込み、図2Bに示されるような導電率低減領域30が形成される。そのような打込みは、例えば窒素打込みとすることができる。例えば、窒化ガリウムベースのデバイスでは、60keV、2×1013cm-32の打込み条件により、MgドープGaNに非吸収の絶縁領域を生成することができる。特定の打込みエネルギー及び/又は原子は、導電率低減領域30が形成される構造体に依存する場合がある。
【0052】
図2Bで分かるように、打込みの後、ワイヤボンドパッド22は、窓42中に形成することができる。実施形態によっては、反射層23を、ワイヤボンドパッド22の形成の前に窓42中に形成することができる。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、ワイヤボンドパッド22(及び恐らく反射層23)及び導電率低減領域30は、自己整列することができる。例えば、ワイヤボンドパッド22を設けるために金属の1つ又は複数の層を形成し、次にその層を平坦化することによってワイヤボンドパッド22を形成することができる。マスク40は、その後、除去することができる。任意選択で、マスク40は、SiO2及び/又はAlNなどの絶縁材料で製作することができ、例えば保護層としてデバイス上に残すか又は除去することができる。
【0053】
図3は、本発明のさらなる実施形態による発光デバイスを示す。図3において、第1の接触金属層18は、p型半導体材料層16にオーム接触を与えるp型半導体材料層16に接する第1の部分55と、p型半導体材料層16にオーム接触を形成しないp型半導体材料層16に接する第2の部分57とを含む。本明細書で使用されるとき、「オーム接触」という用語は、約10e-03Ω−cm2未満、場合によっては約10e-04Ω−cm2未満の固有接触抵抗率を有する接触を指す。したがって、整流性であるか、又は高い固有接触抵抗率、例えば約10e-03Ω−cm2よりも大きい固有接触抵抗率を有する接触は、本明細書で使用される用語としてのオーム接触ではない。
【0054】
第2の部分57は、ワイヤボンドパッド22の場所に対応する。オーム接触を形成しないことによって、部分57のp型半導体材料層16への電流注入は低下及び/又は阻止することができる。オーム接触を形成しない部分57は、ワイヤボンドパッド22の真下の領域50のp型半導体層16及び/又は第1の接触金属層18を損傷することによって設けることができる。
【0055】
例えば、窒化ガリウムベースのデバイスでは、接触金属とp型半導体材料との間のインターフェースの品質は、得られるオーム接触の品質を決定することができる。したがって、例えば、第1の接触金属層18を形成する前にp型導電率を低下させるために、領域50のp型半導体材料層16を、Arなどの高エネルギープラズマにさらすことができる。また、第1の接触金属層18を形成した後に金属/GaNインターフェースを損傷するために、領域50のp型半導体材料層16及び第1の接触金属層18を、高エネルギープラズマにさらすことができる。第1の接触金属層18を形成する前に、p型半導体材料層16の他の領域を保護しながら、領域50のp型半導体材料16をH2にさらすことができる。領域50のp型半導体材料16は、第1の接触金属層18を形成する前に、p型半導体材料層16の他の領域を保護しながらウェットエッチング又はドライエッチングを行うことができる。さらに、第1の接触金属層18を形成する前に、p型半導体材料層16の他の領域を保護しながら、領域50のp型半導体材料層16を高エネルギーレーザにさらすことができる。
【0056】
p型半導体材料層16及び/又は金属層18のそのような選択的損傷は、例えば、図2A及び図2Bを参照しながら上述したようなマスクを使用することによって及び/又はレーザを制御することによって行うことができる。利用される特定の条件は、利用される手順ならびにp型半導体材料層16及び/又は第1の金属接触層18の組成に応じて変わることができる。
【0057】
図4は、本発明のさらなる実施形態による発光デバイスを示す。図4Aにおいて、ショットキー接触60がp型半導体材料層16上に設けられ、第1の接触金属層18’はp型半導体材料層16及びショットキー接触60上に形成される。ワイヤボンドパッド22は、ショットキー接触60上の第1の接触金属層18’の部分に設けられる。ショットキー接触60を形成することによって、第1の接触金属層18’からp型半導体材料層16への電流注入は、ショットキー接触60の領域において低下及び/又は阻止することができる。
【0058】
代替として、図4Bに示されるように、整流接合をワイヤボンドパッド22の下の領域に設けることができる。整流接合は、例えば、ワイヤボンドパッド22の真下の領域70をn型半導体材料に変換するようにn型イオンをp型半導体材料層16に打ち込むことによって設けることができる。そのような打込みは、例えば、図2A及び図2Bを参照しながら上述したようなマスクを使用して行うことができる。代替として、n型材料の領域を、ショットキー接触60が図4Aに示されている場所に形成することができ、第1の接触金属18’はn型半導体材料の領域及びp型半導体材料層16上に形成することができる。
【0059】
図5を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、n型半導体層112、活性領域114、及びp型半導体層116が形成される基板110を含む発光デバイス100Aを提供する。半導体基板110は、例えば導電性炭化ケイ素基板を含むことができ、n型半導体層112、活性領域114、及びp型半導体層116はIII族窒化物ベースの半導体層を含むことができる。発光デバイス100Aは、p型半導体層116中に導電率低減領域130をさらに含む。図5で分かるように、基板110は、活性領域114で発生した光がデバイス100Aの側壁にぶつかる角度を変化させることによってデバイス100Aからの光抽出の効率を向上することができる整形された側壁111を含むことができる。図5に示された構造体において、導電率低減領域130は、約50μmから400μmのボンドパッド122からの距離D1に配置することができる。導電率低減領域130は、p型半導体層116へのイオンの打込みを含む上述の方法のいずれかを使用して形成することができる。
【0060】
発光デバイス100Aは、下にある支持体上に搭載されたいわゆる「フリップチップ」に好適であろう。特に、半導体構造体は、サブマウント、ボンドパッド、又は他の表面に、p型半導体層116を下向きにし、基板110を上向きにして取り付けることができる。支持体に発光デバイス100Aを接合しやすくするために、p接触金属スタック118がp型半導体層116の露出した表面に形成される。光電デバイスの搭載するフリップチップ用の適切な金属スタックは、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる「Light Emitting Diodes Including Modifications For Submount Bonding And Manufacturing Methods Therefor」という名称の特許文献19に開示されている。特に、p接触金属スタック118は、p型半導体層116とオーム接触を作る白金などの金属のオーミック層118Aを含むことができる。金属スタック118は反射層118B、バリア層118C、及び/又は接着層118Dをさらに含む。
【0061】
接着層118Dは、金及び/又はスズを含むことができ、デバイス100Aのサブマウントへのサーモソニック接合及び/又は熱圧着接合をしやすくするために設けることができる。反射層118Bは銀又はアルミニウムなどの反射金属を含むことができ、光をサブマウントから離すように及びデバイス100Aに戻すように反射するために設けることができ、その結果、光が有用に抽出される。障壁層118Cは、接着層118Dの金属がオーミック金属118A及び/又は反射器118Bを汚染しないようにできるタングステン、チタン、窒化チタン及び/又はニッケルなどの金属を含むことができる。その開示が参照により本明細書に組み込まれる「Light Emitting Diodes Including Barrier Layers/Sublayers And Manufacturing Methods Therefor」という名称の特許文献20に記載されているように障壁層を形成することができる。オプションの接着層(図示せず)を、障壁層118Cと接着層118Dとの間に設けることができる。
【0062】
図5に示されるデバイス100Aなどの光電デバイスが、デバイス100Aのp側を下向きに(すなわち支持体に向けて)不透明な支持体部材上に取り付けられる場合、露出した基板110上に透明電極又は電流拡散層を形成する必要がないことがあるが、それは、基板110の導電率を十分に高くすることができ、それにより電流が自然にデバイスに拡散することができるからである。したがって、図5に示されるように、デバイスは基板110上に形成されたワイヤボンドパッド122を含むことができる。オーム接触(図示せず)は、ワイヤボンドパッド122と基板110との間に形成することができる。実施形態によっては、オーム接触は、ボンドパッド122との自己配列で形成することができる。
【0063】
導電率低減領域130は、活性領域114の反対側のp型半導体層116の表面からp型半導体層116中に延びることができる。導電率低減領域130は、p型半導体層116を部分的及び/又は完全に通って延びることができる。基板110を含む実施形態を含むいくつかの実施形態では、導電率低減領域130は、活性領域114を完全に通ってn型半導体層112まで又はその中に延びることができる。導電率低減領域130は、図1〜4に関して前述したような技法を使用して形成することができる。例えば、導電率低減領域130は、図2Aを参照しながら上述したように、マスクを通してイオンをp型半導体層116中に打ち込むことによって形成することができる。
【0064】
図5にさらに示されるように、導電率低減領域130は、ボンドパッド122と通常位置合わせすることができる。p型半導体層116は、例えば基板110と比較して比較的薄くすることができるので、かつ電流がp型半導体層116に容易に拡散しない場合があるので、導電率低減領域130が存在すると、ワイヤボンドパッド122の直下のデバイス100A中で発生する光子の数を低減することができる。したがって、導電率低減領域130は、ワイヤボンドパッド122とほぼ同じ形状である形状を有することができる。さらに、導電率低減領域130は、ワイヤボンドパッド122の区域とほぼ同じ、それよりもわずかに小さい、又はそれよりもわずかに大きい区域を有することができる。実施形態によっては、導電率低減領域は、ボンドパッド122の直径よりも約6μmから約30μm大きい直径を有することができる。特に、ボンドパッド122は約100μmから105μmの直径を有することができ、導電率低減領域130はボンドパッド122の直径よりも約14μm大きい直径を有することができる。基板を含む実施形態(すなわち、基板110が除去されていない)では、ボンドパッド122よりも区域が大きい導電率低減領域130を設けることが望ましいことがある。例えば、ワイヤボンドパッド122が円形形状を有する場合、導電率低減領域130は、さらに、ワイヤボンドパッド122の直径よりも小さい、それにほぼ等しい、又はそれよりもわずかに大きい区域をもつ円形形状を有することができる。
【0065】
本発明のさらなる実施形態が図6A及び図6Bに示され、p型半導体層116、活性領域114、及びn型半導体層112を含む発光デバイス100Bが示される。p接触金属スタック118はp型半導体層116の表面上に形成され、ワイヤボンドパッド122はp型半導体層116の反対側のn型半導体層112の表面上に形成される。特に、図6A及び図6Bに示される発光デバイス100Bは基板を含まないことがある。
【0066】
図6Aにさらに示されるように、導電率低減領域130は、ワイヤボンドパッド122と通常位置合わせされるp型半導体層116中に設けられる。導電率低減領域130は、活性領域114の反対側のp型半導体層116の表面からp型半導体層116中に延びることができる。導電率低減領域130は、p型半導体層116を部分的及び/又は完全に通って延びることができる。導電率低減領域130は、ワイヤボンドパッド122の区域に等しい、それよりも大きい、又はそれよりも小さい区域を有することができる。導電率低減領域130は、デバイス100B内でワイヤボンドパッド122から距離D2に配置することができる。いくつかの実施形態では、距離D2は0.3μmから10μmとすることができる。特に、距離D2は約2μmから3μmとすることができる。
【0067】
図11A〜11Cは、ワイヤボンドパッド122及び位置合わせされた導電率低減領域130を含む発光デバイス100Bの平面図である。そこに示されるように、導電率低減領域130はワイヤボンドパッド122の周囲形状と同様の周囲形状を有することができ、それは図11A〜11Cに示された実施形態では概して円形である。ワイヤボンドパッド122及び導電率低減領域130は、矩形、星形、十字形もしくは他の形状又はそれらの形状の組合せなどの他の周囲形状を有することができる。
【0068】
図11Aに示されるように、ある実施形態では、導電率低減領域130はワイヤボンドパッド122の区域よりもわずかに大きい区域を有することができ、一方、他の実施形態では、導電率低減領域130はワイヤボンドパッド122の区域よりもわずかに小さい(図11B)、又はそれにほぼ等しい(図11C)区域を有することができる。
【0069】
図6Bを参照すると、導電率低減領域130は、p型半導体層116を完全に通って活性領域114中に延びることができる。基板を含まない実施形態を含むいくつかの実施形態では、導電率低減領域130は、活性領域114を完全に通ってn型半導体層112まで、又はその中に延びることができる。
【0070】
本発明のさらなる実施形態が図7Aに示され、この図はp型半導体層116、活性領域114、及びn型半導体層112を含む発光デバイス100Cを示す。ワイヤボンドパッド122は、n型半導体層112の表面上に形成される。パターン化されたオーム接触118は、n型半導体層112の反対側のp型半導体層116の表面上に形成される。発光デバイス100Cは、ワイヤボンドパッド122の反対側のp型半導体層116上に非オーム接触140をさらに含む。ある実施形態では、非オーム接触140は、例えば、整流性ショットキー接触を含むことができる。窒化物ベースの半導体材料上に整流性ショットキー接触を形成することは当業者には周知である。他の実施形態では、非オーム接触140は、二酸化ケイ素などの非導電性材料を含むことができる。
【0071】
非オーム接触140は、ワイヤボンドパッド122の形状とほぼ同じである形状を有することができる。接触140は、ワイヤボンドパッド122の区域よりもわずかに小さい、それとほぼ同じ、又はそれよりもわずかに大きい区域を有することができる。したがって、電圧がデバイス100Cの端子間に印加される場合、電流は非オーム接触140からp型半導体層116中に流れない可能性があり、それにより、ワイヤボンドパッド122の真下の活性層114で発生する光子の数が減少する可能性がある。
【0072】
図7Bを参照すると、実施形態によっては、金属スタック118は、ワイヤボンドパッド122の反対側の低減した導電率の区域150以外の領域のp型半導体層116の表面上に形成することができる。すなわち、金属スタック118が区域150に形成されないので、デバイスが通電されると低減した電流が区域150を通って流れる可能性があり、それにより、ワイヤボンドパッド122の真下の活性層114で発生する光子の数が減少する可能性がある。
【0073】
本発明のさらなる実施形態が図8に示される。図8の実施形態では、デバイス100Eは、p型半導体層116、活性領域114、及びn型半導体層112を含む。p型接触118は、n型半導体層112の反対側のp型半導体層116の表面上に形成される。ワイヤボンドパッド122は、p型半導体層116の反対側のn型半導体層112の表面上に形成される。オーム接触154は、ワイヤボンドパッド122と同じn型半導体層112の表面に形成され、ワイヤボンドパッド122に電気的に接続される。オーム接触154は、n型半導体層112にオーム接触を形成する透明材料、例えばITOなどを含むことができる。
【0074】
導電率低減領域152は、ワイヤボンドパッド122の真下のn型半導体層112に形成される。導電率低減領域152は、n型半導体層112の表面から少なくとも部分的にn型半導体層112中に延びることができる。実施形態によっては、導電率低減領域152は、n型半導体層112を完全通って活性領域114まで、又はその中に延びることができる。
【0075】
図9Aは、本発明のさらなる実施形態によるデバイス100Fを示す。デバイス100Fは、p型半導体層116、活性領域114、及びn型半導体層112をさらに含む。p型接触118は、n型半導体層112の反対側のp型半導体層116の表面上に形成される。ワイヤボンドパッド122は、p型半導体層116の反対側のn型半導体層112の表面上に形成される。オーム接触154、はワイヤボンドパッド122と同じn型半導体層112の表面に形成される。
【0076】
第1の導電率低減領域152は、ワイヤボンドパッド122の真下のn型半導体層112に形成される。第1の導電率低減領域152は、ワイヤボンドパッド122と位置合わせすることができ、n型半導体層112の表面から少なくとも部分的にn型半導体層112中に延びることができる。実施形態によっては、第1の導電率低減領域152は、n型半導体層112を完全に通って活性領域114まで、又はそれの中に、又はそれを通って延びることができる。
【0077】
第2の導電率低減領域150は、p型半導体層116に形成される。第2の導電率低減領域150は、第1の導電率低減領域152及び/又はワイヤボンドパッド122と位置合わせすることができる。第2の導電率低減領域150は、p型半導体層116の表面から少なくとも部分的にp型半導体層116中に、場合によっては、活性領域114まで、又はそれの中に、又はそれを通って延びることができる。
【0078】
デバイス100Fの第1の導電率低減領域152及び第2の導電率低減領域150などのデバイスの両側の導電率低減領域150、152を含む実施形態では、導電率低減領域150、152は同じ技法を使用して形成する必要はなく、例えば異なる技法を使用して形成することができる。例えば、第1の導電率低減領域152はイオン打込みによって形成することができ、一方、第2の導電率低減領域150はプラズマ処理及び/又は水素ガスへの暴露を使用して形成することができるが、又は逆でも同様に形成することができる。さらに、導電率低減領域150、152の一方又は両方は、それぞれの半導体層116、112上に電気接触を形成する前にそれらの表面上に非オーム材料を形成することによって、又はボンドパッド122に対応する半導体層の表面の区域にオーム接触を形成しないことによって形成することができる。
【0079】
図9Bは、本発明のさらなる実施形態によるデバイス100Gを示す。デバイス100Gは、p型半導体層116、活性領域114、及びn型半導体層112をさらに含む。p型接触118は、n型半導体層112の反対側のp型半導体層116の表面上に形成される。ワイヤボンドパッド122は、p型半導体層116の反対側のn型半導体層112の表面上に形成される。オーム接触154は、ワイヤボンドパッド122と同じn型半導体層112の表面に形成される。
【0080】
導電率低減領域152は、ワイヤボンドパッド122の真下のn型半導体層112に形成される。導電率低減領域152は、ワイヤボンドパッド122と位置合わせすることができ、n型半導体層112の表面から少なくとも部分的にn型半導体層112中に延びることができる。実施形態によっては、導電率低減領域152は、n型半導体層112を完全に通って活性領域114まで、又はそれの中に、又はそれを通って延びることができる。
【0081】
金属接触118は、n型半導体層112の反対側のp型半導体層116の表面上に形成される。金属接触118は、ワイヤボンドパッド122と位置合わせされるp型半導体層116の表面の導電率低減区域以外の領域においてp型半導体層116へのオーム接触上に形成される。
【0082】
発光デバイス100Gは、ワイヤボンドパッド122の反対側のp型半導体層116上に非オーム接触140をさらに含む。ある実施形態では、非オーム接触140は、例えば、整流性ショットキー接触を含むことができる。他の実施形態では、非オーム接触140は、二酸化ケイ素などの非導電性材料を含むことができる。
【0083】
非オーム接触140は、ワイヤボンドパッド122の形状とほぼ同じである形状を有することができる。接触140は、ワイヤボンドパッド122の区域よりもわずかに小さい、それとほぼ同じ、又はそれよりもわずかに大きい区域を有することができる。他の実施形態では、非オーム接触140は、接触が形成されない間隙を含むことができる。
【0084】
本発明のさらなる実施形態が図10に示され、この図は、ワイヤボンドパッド122の真下をn型半導体層112の表面からデバイス100Gを通ってp型半導体層116の反対側の表面まで延びる導電率低減領域160を含む半導体発光デバイス100Hを示す。
【0085】
本発明の実施形態を使用することができるいくつかのチップ構造体が図12及び図13の等角図に示される。例えば、図12は、LED構造体が金属接着層220を介して接合されているケイ素基板などの支持基板210を含むチップ構造体100Jを示す。反射層230は接着層220とLED構造体との間にあり、LED構造体はp型半導体層116、活性層114、及びn型半導体層112を含む。
【0086】
1対のボンドパッド122は、基板210の反対側のn型半導体層112の表面上にある。ボンドパッド122は、n型半導体層112上に複数の電流拡散フィンガ154を含む電流拡散構造体に電気的に接続される。
【0087】
導電率低減領域30は、ボンドパッド122の真下に、電流拡散フィンガ154の真下に、及び/又はボンドパッド122及び電流拡散フィンガ154の両方の下に形成することができる。
【0088】
例示的な水平チップ構造体100Kが図13に示される。チップ構造体100Kは、n型半導体層112が形成される透明な基板110を含む。活性領域114及びp型半導体層116を含むメサ構造体は、n型半導体層上にある。ITOを含むことができる透明なオーム接触118は、p型半導体層116上にある。ボンドパッド122Aは透明なオーム接触層118上にあり、電流拡散フィンガ154Aはボンドパッド122Aから延びる。ボンドパッド122Bはn型半導体層112上にあり、電流拡散フィンガ154Bはボンドパッド122Bから延びる。反射層23(図1)は、ボンドパッド122A及び/又は電流拡散フィンガ154Aの真下に設けることができる。
【0089】
導電率低減領域30は、ボンドパッド122Aの真下に、電流拡散フィンガ154Aの真下に、及び/又はボンドパッド122A及び電流拡散フィンガ154Aの両方の下に形成することができる。
【0090】
本発明の実施形態が特定の発光デバイス構造体に関して図1〜13に示されているが、本発明のいくつかの実施形態に従って他の構造体を提供することができる。したがって、本発明の実施形態は、上述のように1つ又は複数の様々な電流阻止機構を含む任意の発光構造体で提供することができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態による電流阻止機構は、上述で参照により組み込まれた米国特許及び/又は米国特許出願に説明されている例示的な発光デバイス構造体と組み合わせて設けることができる。
【0091】
本発明の実施形態は、ワイヤボンドパッド22、122を参照しながら説明されている。本明細書で使用されるとき、ボンドパッドという用語は光吸収接触構造体を含む。ボンドパッドは単一の層又は複数の層とすることができ、金属及び/又は合金とすることができ、かつ/又は均一又は非均一の組成とすることができる。
【0092】
さらに、本発明の実施形態は特定の手順の工程を参照しながら説明されているが、本発明の教示から依然として利益を得ながら説明された手順からの変更を行うことができる。したがって、2つ以上のステップは、単一のステップに組み合わせてもよく、又は本明細書で説明した手順の範囲外で行われるステップとしてもよい。例えば、導電率低減領域は、半導体層上に金属層を形成する前に又は形成した後で半導体層に形成することができる。したがって、本発明の実施形態は、本明細書で特に明言されない限り本明細書で説明された特定の手順の工程に限定されるものと解釈されるべきでない。
【0093】
本発明の様々な実施形態が図1〜13に関連して個別に説明されたことが当業者には理解されよう。しかし、図1〜13の実施形態の組合せ及びサブコンビネーションを、本発明の様々な実施形態に従って行うことができる。上記のように、導電率低減領域30を使用して、発生された光がボンドパッド、電流拡散フィンガ、保護領域などのようなデバイスのいくつかのフィーチャによって吸収される可能性があるデバイスの区域におけるキャリア再結合を低減又は阻止することができる。したがって、いくつかの実施形態では、導電率低減領域30はデバイスの光吸収フィーチャ及び/又は領域と位置合わせすることができる。しかし、場合によっては、デバイスの光吸収領域又はフィーチャと位置合わせされていない他の区域に導電率低減領域30を形成することが望ましいことがある。例えば、デバイスに導電率低減領域30を設けて、デバイスに所望の遠視野放出パターンを有する光を生成させることが望ましいことがある。したがって、いくつかの実施形態では、導電率低減領域30は発光デバイスの光放出パターンを整形するために使用することができる。
【0094】
図及び明細書において、本発明の実施形態が開示されており、特定の用語が使用されているが、特定の用語は限定するためではなく一般的で説明的な意味でのみ使用されており、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に記載される。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13