特許第5695488号(P5695488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5695488
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】発光体パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20150319BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20150319BHJP
【FI】
   H01L33/00 430
   H01L33/00 440
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-103758(P2011-103758)
(22)【出願日】2011年5月6日
(62)【分割の表示】特願2007-515656(P2007-515656)の分割
【原出願日】2005年6月3日
(65)【公開番号】特開2011-176356(P2011-176356A)
(43)【公開日】2011年9月8日
【審査請求日】2011年5月9日
【審判番号】不服2013-15394(P2013-15394/J1)
【審判請求日】2013年8月8日
(31)【優先権主張番号】10/861,639
(32)【優先日】2004年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】クリー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】ロー,バン, ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ネグリー,ジェラルド,エイチ.
【合議体】
【審判長】 吉野 公夫
【審判官】 松川 直樹
【審判官】 星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−109556号公報(JP,U)
【文献】 特表2002−543594号公報(JP,A)
【文献】 特開2004−39334号公報(JP,A)
【文献】 特開2004−077123号公報(JP,A)
【文献】 特表2004−516684号公報(JP,A)
【文献】 特開2000−124504号公報(JP,A)
【文献】 特開2002−134794号公報(JP,A)
【文献】 特表2002−509362号公報(JP,A)
【文献】 特開2003−332627号公報(JP,A)
【文献】 特開2001−250986号公報(JP,A)
【文献】 特開2002−134793号公報(JP,A)
【文献】 特開2003−008068号公報(JP,A)
【文献】 特開2000−058925号公報(JP,A)
【文献】 特開昭62−229701号公報(JP,A)
【文献】 実開昭61−125066号公報(JP,U)
【文献】 実開昭63−131157号公報(JP,U)
【文献】 実開昭61−039803号公報(JP,U)
【文献】 実開昭60−158604号公報(JP,U)
【文献】 国際公開第2004/023522号(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0080615号明細書(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードフレームと、
レンズと、
前記リードフレームの一部と一体化されており、且つ、前記レンズを収容する中心開口を有する成形体と、
を備え、
前記レンズは、
上部、発光チップから出射される光を受光するように構成された凹状底面及び前記受光された光を反射するように構成された外側反射面を有して凹状キャビティを画定する下部と、
前記反射された光が前記レンズを通して出射される前記上部の光学面と、
を備え、
前記凹状キャビティは、前記リードフレームと組み合わされることにより、密閉された光学キャビティを形成し、
前記密閉された光学キャビティは、一部が前記発光チップを封止するための封止剤で充填され、
前記レンズの最下点と前記リードフレームの上面側との間に隙間が存在し、該隙間は、前記外側反射面の下に位置し、且つ、封止剤が該隙間を通って膨張及び収縮することが可能なように構成される
発光体パッケージ。
【請求項2】
前記凹状底面は、蛍光体で被膜されている、
請求項1に記載の発光体パッケージ。
【請求項3】
前記成形体は、プラスチックを含む、
請求項1に記載の発光体パッケージ。
【請求項4】
前記外側反射面は、前記凹状キャビティを取り囲むように構成されている、
請求項1に記載の発光体パッケージ。
【請求項5】
前記外側反射面は、反射材料で被膜されている、
請求項1に記載の発光体パッケージ。
【請求項6】
前記反射材料は、金、銀、及びアルミニウムから成る群から選択される、
請求項5に記載の発光体パッケージ。
【請求項7】
前記成形体は、前記リードフレームの上方に配置された上部、及び、前記リードフレームの下方に配置された底部を有し、
前記リードフレームの一部は、前記発光チップが搭載される取り付けパッドを画定する、
請求項1に記載の発光体パッケージ。
【請求項8】
前記レンズは、該レンズを当該発光体パッケージに配置するための棚状突起を含む、
請求項1に記載の発光体パッケージ。
【請求項9】
前記成形体の一部によって固定されるヒートシンクを備える、
請求項1に記載の発光体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、半導体装置をパッケージする分野、特に、発光ダイオードをパッケージする
分野に関する。
【0002】
発光ダイオードなどの発光デバイス(Light emitting device(LED))は、リード
フレームパッケージ内でパッケージされることが多い。リードフレームパッケージは、典
型的には、薄い金属リードと接続されるLEDを含み、そこでは、LEDと大部分のリー
ドとがプラスチック体内に完全に封止されている。プラスチック体の一部はレンズを画定
している。LEDと接続されるリードの一部はプラスチック体の外側に延びている。リー
ドフレームパッケージの金属リードは、LEDに電力を供給する導管として働き、同時に
LEDから熱を引き出すよう作用し得る。LEDに電力が加えられて光を生成すると、L
EDによって熱が生成される。パッケージ本体から外側に延びるリードの一部は、リード
フレームパッケージの外側の回路に接続している。
【0003】
LEDによって生成された熱の一部は、プラスチックのパッケージ体によって分散され
る。しかしながら、大部分の熱は、パッケージの金属構成部品を介してLEDから引き出
される。金属リードは、典型的には、非常に薄くて、断面積が小さい。このため、LED
から熱を除去する金属リードの能力には限界がある。これは、LEDに送られることが可
能な電力の量を制限する。これは、次に、LEDによって生成されることが可能な光量を
制限する。
【0004】
あるLEDパッケージ設計においては、熱を分散させるLEDパッケージの能力を増大
させるため、ヒートシンクスラグがパッケージに導入されている。熱シンクスラグがLE
Dチップから熱を取り出し、それによってLEDパッケージの熱分散能力を高める。ただ
し、この設計によると、パッケージの光キャビティに自由空間が導入され、この自由空間
には、LEDチップから光を抽出するために、パッケージ内で屈折率マッチング用の透明
な封止剤(refractive-index-matching clear encapsulant)を充填する必要がある。残
念なことに、封止剤の体積の膨張および収縮は、典型的には、それを収容する空間の体積
の膨張および収縮よりも上回る。したがって、温度が上昇すると、封止剤が膨張およびあ
ふれ出るかまたは通気孔を通ってキャビティから流れ出る。さらに、それが冷却されると
、封止剤は収縮し、キャビティ内で部分的に真空を形成して、空気または水分が吸い込ま
れる原因となる。時々、封止剤内にボイドが形成されるか、または封止剤が接触する種々
の構成部品から封止剤が剥離する。これは、パッケージの光出力および信頼性に悪影響を
及ぼす。さらに、この設計は、典型的には、ホットアイロン(hot-iron)によって半田付
けされる一組のもろい(flimsy)リードを通常含んでいる。このアイロニング加工は、一
般的に使用されているSMT(面実装技術)電子基板組立工程と適合しない。
【0005】
別のLEDパッケージ設計においては、リードフレームのリードは、種々の形状と構成
において異なる厚さでできており、そしてLEDパッケージ本体の端部を越えて延びてい
る。パッケージ本体は、通常パッケージ用の封止剤材料として機能する透明な熱硬化性プ
ラスチックで成形されている。これらのリードは、典型的には、先の設計のLEDのリー
ドよりも太い。より太いリードは、ヒートスプレッダとして利用され、LEDチップがそ
の上に搭載される。この配置によって、LEDチップが生成する熱は、外部のヒートシン
クに熱的に接続されたより太いリードを通って分散することができる。残念なことに、こ
の設計は、プラスチック本体と、封止剤とリードフレームの材料との間の熱膨張係数(C
TE)が大きく異なるために、本質的に信頼されていない。それゆえに、例えば−40℃
から120℃の温度サイクルに晒されると、LEDパッケージのほとんどまたは全ての構
成部品に、特に接触点で高い熱応力が加わる。これは、しばしば、LEDチップの亀裂、
リードからのプラスチック本体の剥離、接合ワイヤの破損、またはこれらの問題の組み合
わせとなる。加えて、延長リードによって、LEDパッケージのサイズおよびフットプリ
ントの大きさが大きくなる。サイズが大きくなると、例えば、自動車の照明や全般照明な
ど特定の用途に対して明るい光を生成するためにPCB(プリント回路基板)上の高密度
クラスタ内でパッケージを取り付けるのが妨げられる。
【0006】
現在の高パワーリードフレームパッケージの設計の別の不具合は、厚いリード材料を、
フリップチップ用の微細な回路、あるいは、カラー制御とは別にアドレスされることが可
能ないくつかのLEDチップを取り付けるための微細な回路に押し付けることができない
ということである。
【0007】
その結果、先行技術のパッケージの欠点のうちの1つ以上を克服または緩和する、改良
されたLEDパッケージの必要性が残る。
【発明の開示】
【0008】
この必要性が本発明によって満たされる。本発明の一実施形態において、複合光学レン
ズは、光を受けるよう適合された凹状底面と、受光した光を反射するよう適合された反射
面と、反射光が光学レンズを出る光学面とを含んでいる。凹状底面は、凹状キャビティ内
で発光デバイスの少なくとも一部を配置することを可能にする凹状キャビティを画定して
いる。凹状底面、光学面またはその両方は、所定の光学仕上げ剤を有してもよく、光を拡
散または集光するなど光に作用する。反射面は、全反射効果のために、被膜、設計または
その両方がなされることができる。
【0009】
本発明の他の態様および利点が、本発明の原理を一例として示す添付の図面と併せて、
以下の詳細な記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1Aは、本発明の一実施形態にかかる発光ダイパッケージの斜視図である。
【0011】
図1Bは、図1の発光ダイパッケージの上面図であるが、図1Aで示されるレンズがな
い。
【0012】
図1Cは、図1の発光ダイパッケージの断面側面図である。
【0013】
図2Aは、図1の発光ダイパッケージの分解斜視図である。
【0014】
図2Bは、図1の発光ダイパッケージの分解断面側面図である。
【0015】
図3Aから図3Dは、発光ダイパッケージの製造工程の種々の段階での発光ダイパッケ
ージの斜視図である。
【0016】
図4は、本発明の一実施形態にかかるレンズの斜視図である。
【発明の詳細な説明】
【0017】
ここで、本発明の種々の実施形態を図示する図1Aから図4を参照して、本発明を説明
する。図中、いくつかの構造または部分のサイズは、例示目的のため、他の構造または部
分のサイズに対して誇張されていて、それゆえに、本発明の全体構造を図示するよう与え
られている。さらに、本発明の種々の態様が、構造もしくは他の構造上に形成されている
部分、複数の部分、またはその両方を参照して説明される。当業者であれば理解されるよ
うに、別の構造もしくは部分「上(on)」または「上方(above)」に形成されている構
造の参照符号は、追加の構造、部分またはその両方が介在し得ることが予期される。介在
する構造または部分なしに別の構造または部分の「上」に形成されている構造または部分
を言及する際には、構造または部分の「直接上(directly on)」に形成されているもの
として記載されている。
【0018】
さらに、「上」または「上方」などの相対語が、図中に示されるように、ある構造また
は部分の別の構造または部分との関係を説明するためにここで用いられている。「上」ま
たは「上方」などの相対語は、図中に描かれている配向に加え、デバイスの種々の配向を
含むよう意図されていることが理解されるであろう。例えば、図中のデバイスがひっくり
返る場合、他の構造または部分の「上方」として記載された構造または部分は、ここで、
他の構造または部分の「下(below)」に向けられるであろう。同様に、図中のデバイス
が軸に沿って回転する場合、他の構造または部分の「上方」として記載された構造または
部分は、ここで、他の構造または部分と「隣接した(next to)」または「左側(left of
)」に向けられるであろう。全体を通して、同様の番号は同様の構成要素を指す。
【0019】
例示を目的として図中に示されているように、本発明の実施形態は、リードフレームと
、リードフレームの複数の部分と一体化された成形体とを含む発光ダイパッケージによっ
て例示されている。発光ダイオードなどの少なくとも1つの発光デバイス(light emittin
g device(LED))がリードフレームに搭載されている。成形体は、LEDを囲む開口
を有し、ヒートシンクをラッチするためのラッチを有している。LEDは、開口を実質的
に充填する封止剤で覆われている。
【0020】
成形体は、相対的に薄いリードフレームに構造上の支持を与えることができる、高温プ
ラスチックからなる。LEDは、リードフレームの主リード上に搭載され、追加の電気接
続のため、接続ワイヤで他のリードと接続されている。
【0021】
レンズが開口上方の成形体と結合されて、LEDによって生成された光に光学機能を与
える。以下にさらに詳細に述べるように、レンズはLEDの周りの開口の大部分を占め、
それによってパッケージ内で用いられる封止剤の量を低減している。これによって、上記
で論じた封止剤の体積膨張および収縮にかかる差動熱応力の問題を軽減して、より低い故
障率と相対的に高い信頼性とにつながる。
【0022】
ラッチを用いてヒートシンクがリードフレームに結合されて、熱分散をさらに補助する
。ラッチの設計によって、ダイパッケージをより簡単且つより安価に製造することができ
る。

<装置>
【0023】
図1Aは、本発明の一実施形態にかかる発光ダイパッケージ10の斜視図である。図1
Bは、図1Aに示されたレンズおよび発光デバイスなしで示した、発光ダイパッケージ1
0の上面図である。図1Cは、発光ダイパッケージ10の断面側面図である。図2Aは、
発光ダイパッケージ10の分解斜視図である。図2Bは、発光ダイパッケージ10の分解
断面側面図である。
【0024】
図1Aから図2Bを参照すると、発光ダイパッケージ10は、集合的にリード22と称
される複数のリードを含むリードフレーム20を含んでいる。図中、混乱を避けるため、
図示された全てのリードを参照符号22で指定してはいない。リードフレームは、上面側
24と底面側26とを有している。リードフレーム20は、金属または、所望の特徴およ
び用途によって大きく変化することが可能な所定の厚さを有する他の電気的に導電性の材
料からなる。例えば、リードフレーム20の厚さは、数十または数百ミクロン程度であり
得る。
【0025】
第1リード22aなどのリードフレーム22の一部は、一般的には中心で、発光デバイ
ス(LED)組立体50が搭載される取り付けパッド28を画定している。発光デバイス
(LED)組立体50は、発光ダイオードのような少なくとも1つの発光デバイス(LE
D)を含んでいる。
【0026】
成形体40の上部がリードフレーム20の上方にあり、一方同じ成形体40の下部がリ
ードフレーム20の下にあるように、成形体40はリードフレーム20の一部と一体化し
ている。図示したサンプルの実施形態においては、成形体40はリードフレーム20のか
なりの部分を覆っている。成形体40の上部は、取り付けパッド28の周りの開口42を
画定している。成形体40の下部はラッチ44を含んでいる。ヒートシンク30は、ラッ
チ44を係合することによってリードフレーム20に取り付けることができる。
【0027】
ヒートシンク30は、リードフレーム20と係合されると、電圧が印加されたときにL
ED組立体50によって生成される熱を引出し、生成熱の分散を補助する。電気ショート
を避けるために、ヒートシンク30は誘電性材料でできている。あるいは、ヒートシンク
30が電気的に導電性の材料を用いてできている場合、ヒートシンク30は誘電体層31
によってリードフレームから分離されることができる。誘電体層31は、例えば、ガラス
または高熱伝導性セラミックで充填された有機ポリマーであることができる。
【0028】
レンズ70は、その開口42でおよびLED組立体50の上方で成形体40に結合して
いる。成形体40は、高温プラスチックを用いてリードフレーム20の上および周囲で射
出成形され得る。成形体40の材料は当業界で既知である。成形体40は、高温プラスチ
ックを用いてリードフレーム20の上および周囲で射出成形され得る。成形体40の材料
の例として、ガラスまたは炭素繊維で充填されたLCP(液晶高分子)がある。
【0029】
レンズ70は、その開口42でおよびLED組立体50の上方で、接着剤または機械的
手段によって成形体40に強固に取り付けられ得る。あるいは、温度が上昇または下降す
るにつれてレンズが成形体40上を浮遊することができるように、レンズは、柔軟な封止
接着剤によって成形体40に結合することができる。
【0030】
ヒートシンク30は、典型的には、例えば、銅、アルミニウムまたはセラミックスなど
の熱伝導性材料からなる。
【0031】
発光ダイパッケージ10のサイズは、その所望の特徴および用途によって大きく変化さ
せることができる。図示された実施形態においては、発光ダイパッケージ10の寸法は、
数ミリメートル(mm)または数十ミリメートル程度であることができる。例えば、発光
ダイパッケージ10は、以下の寸法を有することが可能である。厚さ12は、約3mmか
ら約50mmの範囲、長さ14は、約5mmから約40mmの範囲、幅16は、約5mm
から約30mmの範囲である。

<方法>
【0032】
図1Aの発光ダイパッケージ10を製造する方法が、図3Aから図3Dを用いて説明で
きる。図3Aから図3Dは、発光ダイパッケージ10の製造工程の種々の段階での発光ダ
イパッケージ10の斜視図である。図1Aの発光ダイパッケージ10を製造するために、
リードフレームストリップ80が作製される。例示目的のため、図3Aにおいて、リード
フレームストリップ80は、2つの発光ダイパッケージを製造するために作製される。実
際、リードフレームストリップは、多数の発光ダイパッケージを同時に製造するために作
製されることができる。
【0033】
図3Aから図3Dを参照すると、リードフレームストリップ80は、複数のリード22
と、リード22を取り囲んで支持するクロスバー82とを含んでいる。リードフレームス
トリップ80とリード22は、(図1Aから図2Bのリードフレーム20の上面側24と
同じ側である)上面側24と、(図1Aから図2Bのリードフレーム20の底面側26と
同じ側である)底面側26とを有している。図1Bにも示されているように、第1リード
22aの一部は、取り付けパッド28を画定している。リードフレームストリップ80は
、1枚の導電性材料(例えば、金属など)を型押しすることによって作製される。材料の
厚さは、所望の用途に応じて大きく変わってもよく、例えば、厚さは数十または数百ミク
ロンの範囲であってもよい。あるいは、リードフレームストリップ80は、化学エッチン
グまたはフライス処理(milling process)を用いて作製されることができる。
【0034】
成形体40は、成形され、リードフレームストリップ80の一部とヒートシンク30と
一体化されている。成形体40は、取り付けパッド28の周りの開口42を画定している
。さらに、成形体40は、リードフレーム20の底面側26でラッチ44を含んでいる。
【0035】
成形前に、本体40がリードフレームストリップ80と一体化され、上述のようにおよ
図3Bで示されるように、ヒートシンク30が誘電性の接着膜でリードフレームストリ
ップ80に取り付けられることができる。成形されたプラスチック体40は、リードフレ
ームストリップ80上で成形されると、例えば図1Aで示されるように、ラッチ44を用
いてヒートシンク30を固定する。
【0036】
そして、図2Aおよび図2Bでも示されているように、少なくとも1つの発光デバイス
を含んだLED組立体50が取り付けパッド28上に搭載される。次に、LED組立体5
0が、例えば、柔軟なシリコーンまたは低いデュロメータまたは硬度の任意の粘弾性高分
子材料などの封止剤によって封止される。レンズ70は、その後、開口42の上方の成形
体40に結合されて、例えば図1Cおよび図2Bで図示された、密封された光学キャビテ
ィ45を画定する。
【0037】
図1Cおよび図2Bの光学キャビティ45は、封止剤で実質的に充填されている。所望
の結果に応じて、キャビティ45は、完全に充填されるかまたはレンズの反射体の背後ま
たは下で膨張空間または自由空間を残しつつ部分的に充填され得る。なお、膨張空間には
封止剤がない。その後、リードフレームストリップ80のクロスバー82部分が、成形体
40から突き出たリード22の外側部分とともにリードフレームのフレームダイパッケー
ジ10を残して、分離される。最後に、リード22の外側部分が、例えば図1Aおよび図
1Cに示されているようなカモメ翼の形状まで曲げられる。

<レンズ>
【0038】
レンズ70は、図1A図1C図2A図2B図3Dおよび図4に図示されている
。特に、図2A図3Dおよび図4は、レンズ70の斜視図を示し、図1Cおよび図2B
は、レンズ70の断面側面図を示している。レンズ70のこれらの説明図、特に図2B
よび図4を参照すると、図示された実施形態においては、レンズ70は2つの部分、すな
わち上側部分75と下側部分77とを含んでいる。上側部分75は、ダイパッケージ10
の光学性能に影響を与える光学面76を含んでいる。
【0039】
下側部分77は、凹状底面72を含み、LED組立体50の上方に配置され、LED組
立体50からの光を受けるよう適合されている。さらに、下側部分77は、その中心部で
凹状キャビティ78を画定して、LED組立体50に空間を与える。凹状キャビティ78
は、上述のように、リードフレーム20と組み合わさって、密閉された光学キャビティ4
5を形成する。
【0040】
レンズ70の凹状底面72は、LEDチップ(複数可)によって出射された光がダイパ
ッケージ10を出る前にその光の本質に影響を与えるかまたは変えてしまうように意図さ
れた光学材料で被膜され得る。光学材料の種類の例としては、発光変換蛍光体、染料、蛍
光ポリマー、または、チップ(複数可)によって出射された光のうちいくらかを吸収し、
種々の波長の光を再出射する他の材料がある。他の光学材料の例としては、(酸化チタン
など)軽散散物質(light diffusant)または、光を拡散または散乱させる空隙(void)
がある。これらの材料のそれぞれまたは組み合わせがレンズに適用されることができて、
ある種のスペクトルおよび発光性能が得られる。
【0041】
下側部分77には、反射材料で被膜された外側の反射面74も含まれている。外側の反
射面74は、LED組立体50から受けた光を集め反射するよう適合されている。外側の
反射面74は、例えば、銀、金またはアルミニウムなどの反射性の材料で被膜されている
。反射光は、光学面76を通ってレンズ70を出る。反射材料は、化学析出、印刷および
厚膜技術を用いた金属ペーストの硬化によって、外側の反射面74に塗布されることがで
きる。
【0042】
反射面74は、臨界角71よりも大きい角度で配置させることができて、LED組立体
50による出射光の少なくとも一部で全反射(TIR)させることができる。さらに、反
射面74は、光学キャビティ内に配置された種々のカラーLEDチップによって出射され
る光を混合するために、光を散乱するよう採用された所定の光学仕上げ剤を有するよう作
製されることができる。残りの発光ダイパッケージ10の上にレンズ70を配置するため
に、レンズ70は棚状の突起(ledge)73を含んでもよい。
【0043】
レンズ70の下側部分77は、LED組立体50を取り囲む開口42の(おそらく50
%は超えて)大部分を占めている。その結果、従来技術の設計においては封止剤によって
充填されたであろう開口42の空間体積が低減される。開口42の空間体積の低減によっ
て、体積を充填するのに用いられる封止剤の量が減る。封止剤が減ると、上述の封止剤の
体積膨張および収縮に伴う、差動熱応力の問題を軽減する。その結果、本発明のパッケー
ジ10は故障率が低くなり、相対的に高い信頼性を有する。
【0044】
レンズ70は、多数の方法で、成形体40に取り付けられることができる。例えば、レ
ンズ70が、温度サイクル中に封止剤の上に着座し、浮遊するように、レンズ70が封止
剤に接着される。あるいは、レンズ70は、その棚状の突起73で、成形体40と固定さ
れる。数百ミクロンの小さな隙間、すなわち膨張空間が、レンズ70の底とリードフレー
ム22の上面側24との間に存在する。この隙間によって、封止剤が温度サイクル中にこ
の隙間を通って呼吸(breathe)する(膨張および収縮する)ことができて、たとえあっ
たとしても、高い熱応力はダイパッケージ10の他の部分に影響をほとんど与えない。こ
れによって、剥離、亀裂および熱応力に関するその他の原因による故障が低減される。
【0045】
光学面76は、複合光学レンズ70の外面の一部である。LED組立体50からの光(
反射光と非反射光の両方)が光学面76を通って複合光学レンズ70を出る。レンズ70
は、LED組立体50からの大部分の光がレンズ70を貫通することが可能なことが通常
明らかな、光学プラスチック、ガラスまたは両方でできている。
【0046】
以上から、本発明は新規で、現在の技術を超えた利点を提供することが明らかである。
本発明の特定の実施形態が上記で記載、図示されているが、本発明はそのように記載およ
び図示された部品の特定の形態または配置に限定されるべきではない。例えば、異なった
構成、サイズまたは材料が本発明を実施するのに用いられてもよい。本発明は以下の請求
項によって限定される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4